JP2004065660A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴルフクラブヘッドは、フェース部2及びクラウン部3よりなるフロントパーツ1と、残余の部分を構成するバックパーツ10とからなる。フロントパーツ1とバックパーツ10とは溶接されている。フロントパーツ1は、厚肉部41及び薄肉部42を有した素板を折曲して製作したものであり、フェース部2は2〜3mm程度、クラウン部3は0.8〜1.2mm程度の厚さとなっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製中空ゴルフクラブヘッドに係り、特にウッド型又はそれに近似した形状のゴルフクラブヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドライバーやフェアウェーウッドなどのウッド型ゴルフクラブヘッドとして、中空の金属製のものが広く用いられている。一般に、図5に示されるように、中空のウッド型のゴルフクラブヘッド21は、ボールをヒットするためのフェース部22と、ゴルフクラブヘッドの上面部を構成するクラウン部23と、ゴルフクラブヘッドの底面部を構成するソール部24と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、リヤ側及びヒール側の側面部を構成するサイド部25と、ホゼル部26とを有している。このゴルフクラブヘッド21のホゼル部26にシャフト27が挿入され、接着剤等によって固定される。なお、最近では、ユーティリティクラブと称されるゴルフクラブも多く市販されており、このユーティリティゴルフクラブの1種として、上記ウッド型ゴルフクラブヘッドに類似した(即ち、フェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部並びにホゼル部を有した)ヘッドを有するゴルフクラブも各種市販されている。
【0003】
この中空ゴルフクラブヘッドを構成する金属としては、アルミニウム合金、ステンレスやチタン合金が用いられているが、近年は特にチタン合金が広く用いられている。
【0004】
特開平8−266690号には、フェース部、クラウン部及びホゼル部を一体に有したフェース・クラウン部材と、残余のソール・バックフェース部材とをそれぞれ鍛造し、これら部材を溶接したメタルウッドヘッドが記載されている。
【0005】
特開平10−179821号には、比較的肉厚のフェース部と比較的肉薄のクラウン部とが一体となったL字形側面視形状のパーツを一枚の均一肉厚の平板から鍛造するプレス装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、比較的肉厚のフェース部と比較的肉薄のクラウン部とが一体となったフロントパーツを有し、且つ該フロントパーツが容易に製造されるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のゴルフクラブヘッドは、フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該クラウン部の少なくとも主要部と該フェース部とが一体となったフロントパーツと、該フロントパーツ以外の部分が一体となったバックパーツとからなり、該フロントパーツとバックパーツとが接合されているゴルフクラブヘッドであって、該クラウン部の厚さが該フェース部の厚さよりも小さく、該フロントパーツは、厚さの大きなフェース部予定領域と厚さの小さなクラウン部予定領域とを有した素板を折曲させてなるものであることを特徴とするものである。
【0008】
かかる本発明のゴルフクラブヘッドは、そのフロントパーツを製造するに際し、フロントパーツの素板に予め肉厚のフェース部予定領域と肉薄のクラウン部予定領域とが設けられているので、両者の境界部によって素板を折曲することにより、肉厚のフェース部と肉薄のクラウン部とを有したフロントパーツが製作される。この素板は、肉厚のフェース部と肉薄のクラウン部との境界部に沿って容易に折曲させることができる。
【0009】
本発明では、素板のフェース部予定領域の裏面(打球面と反対面)に凹凸を設けてもよい。このようにすることにより、打点位置におけるフェース変形量をより均一化させることが可能になり、高反発打点領域(いわゆる高反発エリア)が拡張される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る金属製ゴルフクラブヘッドの分解斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3は図1のヒール側からの側面図、図4は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドのフロントパーツの製造工程図である。
【0011】
このゴルフクラブヘッドは、フェース部2及びクラウン部3よりなるフロントパーツ1と、残余の部分を構成するバックパーツ10とからなる。フロントパーツ1は素板40を折曲したものよりなる。クラウン部3はフェース部2よりも肉薄である。フェース部2の厚さは2〜3mmが好ましく、クラウン部3の厚さは0.8〜1.2mmが好ましい。
【0012】
バックパーツ10は、ソール部11と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、リヤ側及びヒール側の側周壁面部を構成するサイド部12と、該サイド部12に沿って延在するクラウン周部13と、ホゼル部14とを有している。クラウン周部13は、サイド部12のトウ側の前端付近を始端とし、サイド部12のリヤ側からヒール側にまで周回するように延在している。
【0013】
クラウン周部13は、ゴルフクラブヘッドのクラウン中央側に向って庇状に張り出している。
【0014】
このクラウン周部13のヒール側のフェース部近傍においてホゼル部14が上方に突出している。このホゼル部14は円筒状であり、その内部にシャフト(図示略)が挿入され、接着剤によって固定される。
【0015】
このホゼル部14は、クラウン周部13の下面側からソール部11にまで達している。クラウン周部13は、このホゼル部14の周囲領域にあっては、ホゼル部14に向って上り勾配となる略円錐形となっている。
【0016】
フロントパーツ1のクラウン部3は、フェース部2の上端からリヤ側に延出している。この延出長さは25mm以上、とりわけ30mm以上であることが好ましい。このクラウン部3の平面視形状は略半円形である。このクラウン部3とクラウン周部13とが溶接される。ただし、クラウン周部13をもっと小さくするか、全く無くし、クラウン部3を図示よりも大きくしてもよい。
【0017】
この中空ゴルフクラブヘッドの金属材料としては、特にステンレスやチタニウム合金が好ましい。
【0018】
ステンレス鋼としてはSUS304やSUS630が好ましい。チタニウム合金としてはα−βチタニウム合金やβチタニウム合金が好ましい。α−βチタニウム合金としてはTi−6Al−4Vや、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Moなどが例示される。このTi−4.5Al−3V−2Fe−2Moは、Ti−6Al−4Vよりも低温で例えば600〜900℃で塑性変形させることができる。βチタニウム合金としては、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−20V−4Al−1Sn等が例示される。これらのβチタニウム合金は、塑性変形を行いやすく、温間または冷間による加工性が良好である。
【0019】
このフロントパーツ1を製造するには、図4のように、大径部及び小径部を有したロール21と等径ロール22を用いて丸棒を圧延するか、又はプレス面に段部を有した上型31及び平坦プレス面を有した下型32よりなるプレス金型によってプレスし、厚肉部41と薄肉部42とを有した素板40を製作する。なお、切削加工により図示の形状の素板40を製作してもよい。
【0020】
次いで、この素板40をプレス装置によって折曲し、フロントパーツ1を製作する。このプレス装置の金型面の一部に凸凹を設けておくことにより、フェース部2の裏面(ゴルフクラブヘッドの内部を向く面)2aに凹凸を形成してもよい。また、この折曲を容易とするために、厚肉部41の周縁部や厚肉部41と薄肉部との境界部付近の肉厚を図示よりも小さくし、フェース部2とクラウン部3との交叉部2b付近において素板40を折曲させ易くしてもよい。
【0021】
バックパーツ10は、鋳造、型鍛造、プレス鍛造、プレスフォーミングなどにより形成される。ホゼル部14は、他の部分と一体に成形されてもよく、削り出し等により別体に形成されたものを溶接してもよい。
【0022】
フロントパーツ1とバックパーツ10とは、TIG溶接などの溶接により接合されることが好ましく、チタニウム合金の場合は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で溶接されることが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例について説明する。
【0024】
[実施例1]
図1〜3に示す構造を有した、体積350ccのチタニウム合金製のゴルフクラブヘッドを製作した。
【0025】
まず、α−βチタニウム合金であるTi−4.5Al−3V−2Fe−2Mo製の丸棒を約800℃に熱し、適度に熱した金型31,32によりプレスして素板40を製作した。厚肉部41の厚さは3mm、薄肉部42の厚さは1mmである。この時にチタニウム合金が酸化しないようにアルゴンガスを吹き付けながら行った。また、表面の酸化を防止するためにガラス系のコーティング剤などを使用すると、表面にコーティング剤の被膜が形成され、スケールの発生を防ぐことができる。プレスして得た素板40を、冷ますことなく直ちにフロントパーツ成形用プレス金型に供給し、プレスしてフロントパーツ1を成形した。フェース部の厚さは3mm、クラウン部の厚さは1mmとした。これとは別に、鍛造により、α−β型チタニウム合金であるTi−6Al−4Vを用いてバックパーツ10を鍛造した。
【0026】
これらのフロントパーツ1とバックパーツ10とをアルゴンガス雰囲気でTIG溶接してゴルフクラブヘッドを製造した。
【0027】
[実施例2]
βチタニウム合金であるTi−15V−3Cr−3Al−3Snの厚さ3mmの板材を使用し、これをロール21,22間に通して冷間圧延し、厚肉部41の厚さ3mm、薄肉部42の厚さ1mmの素板40を製作した。なお、この冷間圧延により加工硬化が生じるため、冷間圧延後、溶体化処理を行った。溶体化処理では、600℃以上に加熱し、歪みを除去して軟化させ、再結晶化させた。溶体化処理を行うことにより、加工性が向上する。この溶体化処理した素板40をβ相が析出しない200℃に加熱し、プレス成形してフロントパーツ1を製作した。
【0028】
その後、このフロントパーツ1を実施例1と同じバックパーツ10に対しTIG溶接し、ゴルフクラブヘッドを製作した。βチタニウム合金は、時効処理を施さないと塑性変形し易いため、溶接後、440℃で8時間の時効処理を行った。なお、β型チタニウム合金であるTi−15V−3Cr−3Al−3Snは、溶体化処理により引張り強さを1000MPa程度とすることができる。
【0029】
これらの実施例1,2のゴルフクラブヘッドを試打したところ、打感が柔らかく、打球も上がり易かった。これは、フェース部とクラウン部との間に溶接ビードが無く、またこのビードが無い分だけゴルフクラブヘッドの重心が低く且つ深くなったためと考えられる。
【0030】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、フロントパーツとバックパーツとからなり、且つフロントパーツのフェース部及びクラウン部が所定厚みを有したゴルフクラブヘッドを容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のゴルフクラブヘッドのヒール側からの側面図である。
【図4】実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの製造工程図である。
【図5】
従来のゴルフクラブヘッドの説明図である。
【符号の説明】
1 フロントパーツ
2 フェース部
3 クラウン部
10 バックパーツ
11 ソール部
12 サイド部
13 クラウン周部
14 ホゼル部
Claims (3)
- フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部及びホゼル部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、
該クラウン部の少なくとも主要部と該フェース部とが一体となったフロントパーツと、
該フロントパーツ以外の部分が一体となったバックパーツとからなり、
該フロントパーツとバックパーツとが接合されているゴルフクラブヘッドであって、
該クラウン部の厚さが該フェース部の厚さよりも小さく、
該フロントパーツは、厚さの大きなフェース部予定領域と厚さの小さなクラウン部予定領域とを有した素板を折曲させてなるものであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 請求項1において、該フロントパーツの素板のフェース部予定領域の裏面に凹凸が設けられていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
- 請求項1又は2において、該フロントパーツのフェース部予定領域の厚さは2〜3mmであり、クラウン部予定領域の厚さは0.8〜1.2mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
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