JP2004063118A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】暖機時の消費エネルギを抑制した燃料電池システムを提供する。
【解決手段】スタック1と、スタック1内部を不凍液が通過する不凍液経路2と、不凍液を加熱する不凍液加熱手段3と、不凍液経路2に不凍液を供給する不凍液ポンプ11と、を備える。さらに、不凍液の流通方向を切替える切替え弁21〜24と、を備え、スタック1の加温途中に不凍液の流通方向を少なくとも一回は切替える。例えば、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinの差と暖機初期のスタック温度T0とスタック内部出口温度Toutとの差が等しくなったら、スタック1内の不凍液の流通方向を切替える。
【選択図】 図2
【解決手段】スタック1と、スタック1内部を不凍液が通過する不凍液経路2と、不凍液を加熱する不凍液加熱手段3と、不凍液経路2に不凍液を供給する不凍液ポンプ11と、を備える。さらに、不凍液の流通方向を切替える切替え弁21〜24と、を備え、スタック1の加温途中に不凍液の流通方向を少なくとも一回は切替える。例えば、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinの差と暖機初期のスタック温度T0とスタック内部出口温度Toutとの差が等しくなったら、スタック1内の不凍液の流通方向を切替える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は燃料電池システム、特に燃料電池スタックの暖機を行うための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、燃料電池システムの暖機時(氷点下時など)には、燃焼器や加熱ヒーターなどを用いて冷媒(例えば、不凍液)を加熱して、それをスタックへ供給することでスタックの暖機を行う方法が知られている。このような方法においては、加熱した冷媒をスタックの一方向から供給した場合、冷媒の入口側と出口側で温度差が生じる。そのため、スタックを均一に昇温できず、暖機の目標温度を超えた昇温をしなければならないので、無駄なエネルギをスタックの暖機に投入しなければならない。
【0003】
このような問題に対して、特開平10−340734号公報には、燃料電池スタック内部の温度分布が大きくなった場合に、冷媒ポンプの駆動力を増加させる方法が開示されている。冷媒ポンプの駆動力を増加させることで、冷却水の単位時間当たりの流量を増加させることができ、入口側と出口側の温度差を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
従来の燃料電池システムでは加熱された冷媒が燃料電池スタックへ一方向に供給される構成になっている。そのため、図1に示すように、スタックの起動直後の温度T0から暖機目標温度T1へ暖機しようとする場合、スタックの入口側では高温に、出口側で低温になり、冷媒の流通方向に関して均一に昇温することができない。そして、入口側が暖機目標温度T1を超えて加熱されていても、出口側は暖機目標温度T1に達することができない状態が生じる。このようなときにも、出口側が暖機目標温度T1を超えるまで加温し続けなければならず、入口側は暖機目標T1以上の余分な昇温を行うことになり、無駄なエネルギを消費する。
【0005】
そこで、特開平10−340734号公報においては、ポンプの駆動力を大きくして入口側と出口側の温度分布を小さくしている。しかしながら、このような方法では、ポンプの消費電力が大きくなり、発電のできない、または、発電量の少ない氷点下では、大型の二次電池からの電力供給に頼らなければならないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、エネルギ消費を抑制した起動を行うことができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内部を冷媒が通過する冷媒経路と、前記冷媒を加熱する冷媒加熱手段と、前記冷媒経路に冷媒を供給する冷媒供給手段と、を備える。さらに、前記冷媒の流通方向を切替える切替え手段と、前記燃料電池スタックの加温途中に、冷媒の流通方向を少なくとも一回は切替える切替え制御手段と、を備える。
【0008】
【作用及び効果】
燃料電池スタックの加温途中に、冷媒の流通方向を少なくとも一回は切替えることで、低温である出口側に高温の冷媒を流すことができるので、燃料電池スタック内の温度の勾配を低減することができる。これにより、エネルギ消費を過大に増加することなく温度分布を平均化することができるので、起動時に消費するエネルギを低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの冷媒経路、ここでは不凍液経路の模式図を図2に示す。
【0010】
スタック1は、水素と酸素の電気化学反応を生じることにより発電を行う装置である。スタック1は、環境温度が氷点下等の起動時には暖機する必要があり、本実施形態では、スタック1に加熱した冷媒、ここでは不凍液を循環させることにより暖機する。
【0011】
スタック1内の不凍液の流通路の一端を第一端部33とし、他端を第二端部34とする。第一端部33、第二端部34のそれぞれには熱電対33a、34aを配置し、スタック1内の端部の温度を検出する。不凍液は、この第一端部33または第二端部34のどちらか一方からスタック1内に導入され、他方から排出される。
【0012】
第一端部33または第二端部34のどちらか一方から排出された不凍液を、再び他方(導入側)に循環させる経路を不凍液経路2とする。不凍液経路2には、不凍液を圧送する不凍液ポンプ11と不凍液の加熱を行う不凍液加熱手段3を備える。
【0013】
環境温度が氷点下等の燃料電池の暖機が必要な起動時においては、燃料電池スタック1を昇温するために不凍液加熱手段3を用いて不凍液を加熱し、不凍液ポンプ11を用いて不凍液経路2に流通させる。不凍液加熱手段3としては、例えば、燃料電池システムで使用する燃料と空気を直接供給して燃焼する燃焼器や、電熱ヒータ等が考えられる。
【0014】
次に不凍液経路2の形状を説明する。
【0015】
不凍液経路2は、第一端部33から第一分岐部31に延び、第一分岐部31で第一排出切替え弁21側と第一供給切替え弁22側に分岐する。また、第二端部34から第二分岐部34に延び、第二分岐部34では第二供給切替え弁23側と第二排出切替え弁24側に分岐する。
【0016】
第一分岐点31から分岐した第一排出切替え弁21側と、第二分岐点32から分岐した第二排出切替え弁24側は、それぞれ第一排出切替え弁21、第二排出切替え弁24を介して合流する。
【0017】
その後、不凍液ポンプ11と不凍液加熱手段3を介して、第一供給切替え弁22側と第二供給切替え弁23側に分岐し、第一供給切替え弁22を介して第一分岐点31に、第二供給切替え弁24を介して第二分岐点32に接続する。
【0018】
不凍液経路2を上記のように形成し、第一端部33と第二端部34と、を交互に入口とし、また他方を出口とすることで、スタック1内の不凍液の流れの方向を逆転する。例えば、図3に示すように、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24を開き、第一排出側切替え弁21、第二供給側切替え弁23を閉じる。これにより、不凍液は、不凍液加熱手段3において温度調整した後に第一供給側切替え弁22、第一分岐点31を介して、第一端部33からスタック1に導入され、スタック1を暖機する。その後、第二端部34から排出され、第二分岐点32、第二排出側切替え弁24を介して不凍液ポンプ11に導入され、再び循環する。
【0019】
一方、図4に示すようにすることで、スタック1内の不凍液の流れ方向を図3の向きと逆方向にすることができる。つまり、第二供給側切替え弁23、第一排出側切替え弁21を開き、第二排出側切替え弁24、第一供給側切替え弁22を閉じる。これにより、不凍液は、不凍液加熱手段3において温度調整した後に、第二供給側切替え弁23、第二分岐点32を介して第二端部34からスタック1内に取り込まれて暖機を行う。その後、第一端部33から排出され、第一分岐点31、第一排出側切替え弁21を介して不凍液ポンプ11に導入され再び循環する。
【0020】
図3の状態では、スタック1の第一端部33側が高温、第二端部34に向かうにつれて低温になるが、図4のように不凍液流通方向を切替えると、高温の不凍液はそれまで低温だった第二端部34側に流れ込む。これによりスタック1の低温部分を重点的に昇温することができるので、スタック1の温度分布を低減することができる。
【0021】
また、このような燃料電池システム、特にスタック1の暖機運転の制御をコントローラ100において行う。コントローラ100へは熱電対33a、34aの出力結果を入力し、各弁の開閉および不凍液ポンプ11の回転数の制御を行う。
【0022】
次に、コントローラ100における燃料電池システムの起動時の制御方法を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0023】
暖機運転がスタートしたら、まずステップS10において、暖機目標温度T1を設定する。また、暖機前のスタック1内部の温度T0を熱電対33a、34aのどちらか一方を用いて測定する。ここで、起動開始直後には、どちらの熱電対33a、34aで測定してもほぼ同じ値が検出されるので、どちらを用いてもかまわない。
【0024】
次に、ステップS11において、不凍液加熱手段3による不凍液の加熱を開始する。また、図3のように、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24のみを開くことで、不凍液を第一端部33から第二端部34に向かって流通させる。続いてステップS12において、熱電対33aを用いてスタック1の不凍液入口部の内部温度であるスタック内部入口温度Tinを、また熱電対34aを用いてスタック1の不凍液出口部の内部温度であるスタック内部出口温度Toutを検出する。
【0025】
次に、ステップS13において、TinとT1−(Tout−T0)とを比較して大小を判断する。TinがT1−(Tout−T0)以下と判断された場合にはステップS12に戻り再びスタック内部入口・出口温度Tin、Toutの測定を行う。TinがT1−(Tout−T0)より大きくなるまでその状態で暖機を継続し、TinがT1−(Tout−T0)より大きいと判断されたら、ステップS14に進み、不凍液の流通方向を切替える。ここでは図3から図4のように切替えるため、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24を閉じ、第二供給側切替え弁23、第一排出側切替え弁21を開く。
【0026】
このように不凍液の流通方向を切替えたらステップS15においてスタック内部入口温度Tinを検出する。ステップS16において、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1達しているかどうかを判断する。暖機目標温度T1に達していなければステップS15に戻り、暖機を継続する。ステップS16において、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達したら、ステップS17に進み、不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。
【0027】
このように、スタック内部入口温度TinがT1−(Tout−T0)に達した時点で流通方向を切替えることにより、図9に示すように、台形ABFEの面積と台形CDEFの面積が同じとなるような温度で不凍液の流通方向を切替えることができる。ここで、台形ABFEの面積はスタック1にすでに与えた熱量、台形CDEFの面積はスタック1に与えなければならない残りの熱量を示すので、これらが同じ量となる温度で不凍液の流通方向を切替えることになる。これにより、最も少ない切替え弁で、また最も少ない切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0028】
次に、本実施形態における効果を説明する。
【0029】
本実施形態は、スタック1と、スタック1内部に不凍液を流通させる不凍液経路2と、不凍液を加熱する不凍液加熱手段3と、不凍液経路2に不凍液を供給する不凍液供給手段、ここでは不凍液ポンプ11と、を備える。さらに不凍液の流通方向を切替える切替え手段としての切替え弁21〜24とを備え、スタック1の加温途中に、ステップS14において不凍液の流通方向を少なくとも一回は切替える。流通方向を切替えることで、低温であった出口側に高温の不凍液を供給することができるので、スタック1内の不凍液の流れ方向の温度分布を低減することができる。これにより、起動時に無駄にスタック1を暖機するのを抑制できるので、暖機時のエネルギ消費を低減することができる。
【0030】
ここでは、スタック内部入口温度Tinを推定または検出するスタック入口温度検出手段、ここでは熱電対33aを備える。ここで、切替え回数が一回であり、起動直後の状態が図3のようであれば熱電対33a、図4であれば熱電対34a、切替え回数が複数であれば熱電対33a、34aがスタック入口温度検出手段に相当する。
【0031】
スタック入口温度検出手段によりスタック内部入口温度Tinを検出し、これが所定の温度を超えた場合に不凍液の流通方向、特にスタック1内を流れる不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1の内部温度が暖機目標温度T1以上になるのを抑制し、無駄に消費する加熱エネルギを低減することができる。
【0032】
ここでは、スタック1の暖機目標温度T1を設定し、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinとの温度差と、暖機初期のスタック1の温度T0とスタック内部出口温度Toutとの温度差と、が等しくなったら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へすでに供給した熱量と、これから供給する熱量が等しい時点で不凍液の流通方向を切替えることができ、一回の切替えで無駄なエネルギ消費を効率良く低減することができる。
【0033】
また、スタック1を暖機する流体として冷媒を用いるために既存の構成で暖機できるとともに、冷媒として不凍液を用いることで、冷媒を解凍する必要がなくなり、暖機時に消費するエネルギ量を低減できるとともに、起動時間を短縮することができる。
【0034】
また、上記のような効果を、不凍液経路2の形状と切替え弁21〜24のみの簡単な構成で実現でき、また低コストで実現することができる。
【0035】
なお、当然であるが、図3に示す状態と図4に示す状態の順番は問わず、暖機直後に図4の状態となるようにしてもよい。また、暖機終了の判断をスタック内部入口温度Tinにより判断しているが、スタック内部出口温度Toutにより判断してもよい。さらに、スタック1の不凍液出入口の内部温度Tin、Toutを測定する熱電対33a、34aを備えたが、スタック1内部の温度分布が推定できる場合にはスタック1内部の温度のいずれかの箇所の温度を検出すればよい。この場合には、検出したスタック1内部の温度からスタック内部入口・出口温度Tin、Toutを推定することで、本実施形態と同様の制御を行うことができる。また、スタック1から排出された不凍液温度等からスタック1の内部温度が推定できるような場合には、その不凍液温度を検出してもよい。
【0036】
さらに、上記のような効果を得るための構成は、図2に限られるわけではなく、例えば図5に示したように三方弁25、26を用いた方法や、図6に示すような逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12を用いる方法も考えられる。
【0037】
図5においては、図2における切替え弁21、22の替わりに第一分岐点31に三方弁25を、切替え弁23、24の替わりに第二分岐点32に三方弁26を配置する。三方弁25、26の不凍液が供給される側を吸入部25a、26aとし、スタック1に面する側を端部側25c、26cとし、もう一方の排出側を排出部25b、26bとする。三方弁25において、吸入部25aと端部側25cを流通させ、三方弁26において端部側26cと排出部26bを連通させる。このように設定することで、図3と同様にスタック1内を不凍液が第一端部33から第二端部34に流れるようにすることができる。
【0038】
一方、三方弁26において、吸入部26aと端部側26cを連通させ、三方弁25において、端部側25cと排出部25bを連通させることにより図4と同様にスタック1内を不凍液が第二端部34から第一端部33に流れるように設定することができる。
【0039】
図6においては、スタック1の第一端部33と第二端部34を逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12に接続する。これにより、不凍液ポンプ12の回転を逆転させることで、図3、図4の状態を切替えることができる。
【0040】
次に、第2の実施形態について説明する。ここで用いる燃料電池システムの冷媒経路を第1の実施形態と同様の構成(図2〜図4)とする。本実施形態の制御を示すフローチャートを図8に示す。
【0041】
暖機運転がスタートしたら、まずステップS20〜S22においては図7ステップS10〜S12と同様に、暖機目標温度T1を設定し、スタック内部温度T0を測定し、不凍液の加熱・供給を開始してからスタック内部入口・出口温度Tin、Toutを検出する。ステップS3において、Toutと(T1−Tin)+T0との大小関係を判断する。Toutが小さいと判断されたら、ステップS22に戻り再びTin、Toutを検出し、それを繰り返す。Toutが(T1−Tin)+T0より大きくなるまでそのままの状態で暖機を継続し、ステップS23においてToutが大きいと判断されたらステップS24に進む。
【0042】
次にステップS24において、切替え弁を図3から図4のように切替えることによりスタック1内を流通する不凍液の流通方向の切替えを行う。
【0043】
不凍液の流通方向の切替えを行ったら、ステップS25〜S27において、第1の実施形態におけるステップS15〜S17と同様に暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら暖機を終了する。
【0044】
このように操作することで、図9において台形ABFEの面積、つまりスタック1に既に与えた熱量と、台形CDEFの面積、つまりスタック1に与えなければならない残りの熱量が同じになる時点で、不凍液の流通方向を切替える。ここではスタック内部出口温度Toutが、(T1−Tin)+T0となった時点で、上記のように与えられた熱量と残りの熱量とが等しくなるので、Toutが(T1−Tin)+T0より大きくなった時点で不凍液の流通方向を切替える。これにより、最も少ない切替え弁の切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0045】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0046】
スタック内部出口温度Toutを推定または検出するスタック出口温度検出手段、ここでは熱電対34aを備える。ここで、切替え回数が一回であり、起動直後の状態が図3のようであれば熱電対34a、図4のようであれば熱電対33a、切替え回数が複数であれば熱電対33a、34aがスタック出口温度検出手段に相当する。
【0047】
スタック出口温度検出手段によりスタック内部出口温度Toutを検出し、Toutが所定の温度を超えた場合に不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1の内部温度が暖機の目標温度T1以上になるのを抑制し、無駄に消費するエネルギを低減することができる。
【0048】
また、第1の実施形態と同様に、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinとの温度差と、暖機初期のスタック内部出口温度Toutとの温度差と、が等しくなったら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へすでに供給した熱量と、これから供給する熱量が等しい時点で不凍液の流通方向を切替えることができ、一回の切替えで無駄なエネルギ消費を効率良く低減することができる。
【0049】
なお、本実施形態も、第1実施形態と同様に図5、図6に示したような燃料電池システムにも適用することができる。
【0050】
次に第3の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、端部33、34には、さらに、流通する不凍液の温度を検出する熱電対33b、34bを配置する。本実施形態に用いる制御フローを図10に示す。
【0051】
暖機がスタートしたらステップS30に進む。ステップS10と同様に暖機目標温度T1を設定し、スタック内部温度T0を測定する。ステップS31において、スタック1を温度T0からT1まで暖機するのに必要な熱量Qstuckを、予め実験等で測定しておいたスタック1の熱容量Cstuckと温度差(T1−T0)より算出する。
【0052】
ステップS32においてステップS11と同様に不凍液の加熱を開始するとともに、切替え弁を図3のように設定して不凍液をスタック1に流通させる。ステップS33において、熱電対33bからスタック1へ流入する不凍液の温度である不凍液入口温度Tin_LLCと、熱電対34bからスタック1から流出する不凍液の温度である不凍液出口温度Tout_LLCを測定する。
【0053】
ステップS34に進み、不凍液の質量流量GLLCを測定する。これは、例えば流量センサ等を設けてもよいが、ここでは不凍液ポンプ11の回転数等から求めることができる。次に、ステップS35においては、不凍液からスタック1へ移動した熱量を、予め実験等で求めておいた不凍液の比熱CP_LLCと不凍液質量流量GLLCと温度差(Tin_LLC−Tout_LLC)との時間積分から算出する。
【0054】
続いて、ステップS36において、不凍液からスタック1へ移動した熱量QLL Cがスタック1を暖機するのに必要な熱量Qstuckの半分を超えているかどうかを判断する。QLLCがQstuck/2を超えていなければステップS33に戻り、再び不凍液からスタック1へ移動した熱量QLLCを求める。
【0055】
ステップS36においてQLLCがQstuck/2を超えれば、ステップS37に進み、切替え弁を図4のように切替えて、スタック1内を流通する不凍液の流通方向を切替える。
【0056】
不凍液の流通方向の切替えを行ったら、ステップS38〜S40において、第1の実施形態におけるステップS15〜S17と同様に暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら暖機を終了する。
【0057】
以上のような操作により、スタック1が半分暖機されたところで、不凍液の流通方向を切替えることができ、最も少ない切替え弁の切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0058】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0059】
スタック1の不凍液入口部の不凍液の温度を検出する不凍液入口温度検出手段、ここでは熱電対33bと、スタック1の不凍液出口部の不凍液の温度を検出する不凍液出口温度検出手段、ここでは熱電対34bを備える。さらに、不凍液の入口温度と出口温度から不凍液からスタック1へ移動した熱を算出する熱量算出手段(ステップS35に相当)と、を備える。不凍液からスタック1へ移動した熱量が所定の値を超えたら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へ移動する熱量が、スタック1を暖機目標温度T1まで暖機するのに必要な熱量以上になるのを避けることができるため、暖機の際の消費エネルギを低減することができる。
【0060】
さらに、ステップS31における動作のように、スタック1を暖機するまでに不凍液から移動する総熱量Qstuckを算出する総熱量算出手段を備え、不凍液からスタック1へ移動した熱量が総熱量Qstuckの半分を超えたら不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1が半分暖機されたところで不凍液の流通方向を切替えるので、最も少ない切替え回数で無駄な暖機を避けることができ、消費エネルギを低減することができる。
【0061】
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様とし、不凍液の流通方向を切替える制御を図11のフローチャートを用いて説明する。ここでは、スタック内部入口温度Tinとスタック内部出口温度Toutとの温度差を所定の値程度に抑えることで、スタック1内の温度分布を抑制する。
【0062】
暖機運転がスタートしたら、ステップS50において暖機目標温度T1を設定する。ステップS51において不凍液の加熱を開始するとともに、切替え弁を図3のように設定してスタック1への不凍液の供給を開始する。
【0063】
ステップS52において、熱電対33aからスタック内部入口温度Tinを、また、熱電対34aを用いてスタック内部出口温度Toutを検出する。次にステップS53で、温度差(Tin−Tout)が所定の温度、例えば2℃を超えたかどうかを判断する。所定の温度を超えるまでステップS52、S53を繰り返し、ステップS53において超えたと判断されたら、ステップS54に進む。
【0064】
ステップS54において、切替え弁を図4のように切替えることにより、スタック1内の不凍液の流通方向を切替える。次にステップS55においてToutとT1との大小を比較して、Tout>T1である場合にはさらに暖機が必要であると判断してステップS52に戻る。
【0065】
このようにステップS52〜S55を繰り返している間、つまり暖機中は、スタック内部入口・出口温度Tin、Toutの温度差が所定の温度、ここでは2℃より大きくなったら不凍液の流通方向を切替える制御を繰り返す。ただし、不凍液の流れが図4の状態である場合は、熱電対33aの出力をTout、熱電対34aの出力をTinとする。ステップS55においてToutがT1以上になったと判断されたらステップS56に進み、不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。ここで、暖機運転の終了は、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達したかどうかで判断してもよい。
【0066】
以上のように操作することにより、スタック1の内部の温度分布を所定の温度(例えば2℃)以下に保つことができ、所定温度以内の均一な昇温が可能となる。
【0067】
次に、本実施形態における効果を説明する。
【0068】
スタック1の不凍液入口部におけるスタック内部入口温度Tinを検出するスタック入口温度検出手段、ここでは熱電対33aまたは34aと、スタック内部出口温度Toutを検出するスタック出口温度検出手段、ここでは熱電対34aまたは33aと、を備える。スタック内部入口温度Tinとスタック内部出口温度Toutとの温度差が所定の値を超えたら不凍液の流通方向を切替える。
【0069】
このように制御することで、スタック1の不凍液の出入口部の内部温度差を所定の値程度に抑えることができ、スタック1内の温度分布を抑制することができるので均一に昇温することができる。これにより、暖機時にスタック1に生じる温度分布が原因でスタック1全体を昇温する際に無駄に消費するエネルギを低減することができるので、効率のよい暖機を行うことができる。
【0070】
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態に用いる燃料電池システム、特にスタック1の冷却システムの構成を第1の実施形態と同様とし、暖機時の不凍液の流通に関する制御を図12に示すフローチャートに示す。
【0071】
ここで、図2、図5のように不凍液の流通方向を弁により切替える場合、時間0の瞬時で弁を切替えることは不可能である。そのため、弁の切替えを行っている間、不凍液加熱手段3を流れる不凍液の流速が遅くなり、不凍液の局所的な昇温と加熱手段の一時的な加温が生じる。また、図6のように逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12を用いて流通方向を切替える場合でも、不凍液ポンプ12の正転から反転までの間に不凍液加熱手段3を流れる不凍液の流速が遅くなり、不凍液の局所的な加熱と不凍液加熱手段3の一時的な昇温が生じる。
【0072】
そこで本実施形態では、このような不凍液の温度分布を低減するため、不凍液の流通方向を切替えている間、不凍液加熱手段3の出力を小さくする。ここでは、不凍液の流通方向が切替えられて流量が減少してから、再び切替え前と同等の流量に戻るまでの時間tshtmrを予め実験等で求めておき、コントローラ100に記憶させておく。また、コントローラ100には不凍液加熱手段3の出力を減少させた時点でタイマー値tmrをリセットするとともにカウントを始めるタイマーを内蔵しておく。
【0073】
次に、暖機時の制御フローを図12のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
ステップS10〜S14においては、第1の実施形態と同様とする。ステップS14において、不凍液の流通方向を切替えたら、ステップS65において不凍液加熱手段3の出力を低減する。出力低減方法としては、不凍液加熱手段3が燃焼器の場合には供給燃料を低減させる、電熱ヒーターの場合には供給電源を低減させる等が考えられる。
【0075】
ステップS66において、コントローラ100に内蔵したタイマーのタイマー値tmrが所定値tsthmrを超えたかどうかを判断する。タイマー値tmrが所定値tshtmrを超えるまでカウントを続け、超えたらステップS67に進み、不凍液加熱手段3の出力を回復する。
【0076】
その後、ステップS15〜S17において、第1の実施形態と同様にスタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。
【0077】
次に本実施形態に効果を説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0078】
不凍液の流通方向を切替える間は、不凍液加熱手段3において不凍液に移動する熱量を低減する。流通方向を切替える際には、不凍液の流量が減少して不凍液加熱手段3を流れる不凍液が局所的に加熱されるが、不凍液加熱手段3から不凍液へ移動する熱量を減少させることにより不凍液の異常な昇温を避けることができる。これにより、スタック1が局所的に昇温するのを防ぐことができ、安定した暖機を行うことができる。
【0079】
なお、ここでは不凍液加熱手段3の出力を抑制する時間tsthmrを実験等により予め求めたが、流量センサ等によりスタック1に供給される不凍液流量を検出し、不凍液流量が切替え前と同等の流量となったら不凍液加熱手段3の出力を通常に戻すように制御することもできる。
【0080】
また、本実施形態では、不凍液流通方向の切替えの判断は、第1の実施形態と同様としたが、第2〜4の実施形態の切替えのフローにも適用できる。
【0081】
このように、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の燃料電池システムの暖機時のスタック内部温度の分布図である。
【図2】第1の実施形態における燃料電池システムの一部の構成図である。
【図3】第1の実施形態の不凍液の流通制御の第一説明図である。
【図4】第1の実施形態の不凍液の流通制御の第二説明図である。
【図5】第1の実施形態の燃料電池システムと同様の効果を持つ構成例である。
【図6】第1の実施形態の燃料電池システムと同様の交換を持つ構成例である。
【図7】第1の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における不凍液からスタックへ移動する熱量の説明図である。
【図10】第3の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図11】第4の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図12】第5の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 スタック(燃料電池スタック)
2 不凍液経路
3 不凍液加熱手段
11 不凍液ポンプ(冷媒供給手段)
12 不凍液ポンプ(冷媒液供給手段、切替え手段)
21 第一排出側切替え弁(切替え手段)
22 第一供給側切替え弁(切替え手段)
23 第二供給側切替え弁(切替え手段)
24 第二排出側切替え弁(切替え手段)
25 三方弁(切替え手段)
26 三方弁(切替え手段)
33a、34a 熱電対(スタック入口温度検出手段またはスタック出口温度検出手段)
33b、34b 熱電対(不凍液入口温度検出手段または不凍液出口温度検出手段)
切替え制御手段・・・S14、S24、S37、S54
熱量算出手段・・・S35
総熱量算出手段・・・S31
目標暖機設定手段・・・S10、S20、S30、S50
【産業上の利用分野】
本発明は燃料電池システム、特に燃料電池スタックの暖機を行うための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、燃料電池システムの暖機時(氷点下時など)には、燃焼器や加熱ヒーターなどを用いて冷媒(例えば、不凍液)を加熱して、それをスタックへ供給することでスタックの暖機を行う方法が知られている。このような方法においては、加熱した冷媒をスタックの一方向から供給した場合、冷媒の入口側と出口側で温度差が生じる。そのため、スタックを均一に昇温できず、暖機の目標温度を超えた昇温をしなければならないので、無駄なエネルギをスタックの暖機に投入しなければならない。
【0003】
このような問題に対して、特開平10−340734号公報には、燃料電池スタック内部の温度分布が大きくなった場合に、冷媒ポンプの駆動力を増加させる方法が開示されている。冷媒ポンプの駆動力を増加させることで、冷却水の単位時間当たりの流量を増加させることができ、入口側と出口側の温度差を小さくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
従来の燃料電池システムでは加熱された冷媒が燃料電池スタックへ一方向に供給される構成になっている。そのため、図1に示すように、スタックの起動直後の温度T0から暖機目標温度T1へ暖機しようとする場合、スタックの入口側では高温に、出口側で低温になり、冷媒の流通方向に関して均一に昇温することができない。そして、入口側が暖機目標温度T1を超えて加熱されていても、出口側は暖機目標温度T1に達することができない状態が生じる。このようなときにも、出口側が暖機目標温度T1を超えるまで加温し続けなければならず、入口側は暖機目標T1以上の余分な昇温を行うことになり、無駄なエネルギを消費する。
【0005】
そこで、特開平10−340734号公報においては、ポンプの駆動力を大きくして入口側と出口側の温度分布を小さくしている。しかしながら、このような方法では、ポンプの消費電力が大きくなり、発電のできない、または、発電量の少ない氷点下では、大型の二次電池からの電力供給に頼らなければならないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、エネルギ消費を抑制した起動を行うことができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタック内部を冷媒が通過する冷媒経路と、前記冷媒を加熱する冷媒加熱手段と、前記冷媒経路に冷媒を供給する冷媒供給手段と、を備える。さらに、前記冷媒の流通方向を切替える切替え手段と、前記燃料電池スタックの加温途中に、冷媒の流通方向を少なくとも一回は切替える切替え制御手段と、を備える。
【0008】
【作用及び効果】
燃料電池スタックの加温途中に、冷媒の流通方向を少なくとも一回は切替えることで、低温である出口側に高温の冷媒を流すことができるので、燃料電池スタック内の温度の勾配を低減することができる。これにより、エネルギ消費を過大に増加することなく温度分布を平均化することができるので、起動時に消費するエネルギを低減することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの冷媒経路、ここでは不凍液経路の模式図を図2に示す。
【0010】
スタック1は、水素と酸素の電気化学反応を生じることにより発電を行う装置である。スタック1は、環境温度が氷点下等の起動時には暖機する必要があり、本実施形態では、スタック1に加熱した冷媒、ここでは不凍液を循環させることにより暖機する。
【0011】
スタック1内の不凍液の流通路の一端を第一端部33とし、他端を第二端部34とする。第一端部33、第二端部34のそれぞれには熱電対33a、34aを配置し、スタック1内の端部の温度を検出する。不凍液は、この第一端部33または第二端部34のどちらか一方からスタック1内に導入され、他方から排出される。
【0012】
第一端部33または第二端部34のどちらか一方から排出された不凍液を、再び他方(導入側)に循環させる経路を不凍液経路2とする。不凍液経路2には、不凍液を圧送する不凍液ポンプ11と不凍液の加熱を行う不凍液加熱手段3を備える。
【0013】
環境温度が氷点下等の燃料電池の暖機が必要な起動時においては、燃料電池スタック1を昇温するために不凍液加熱手段3を用いて不凍液を加熱し、不凍液ポンプ11を用いて不凍液経路2に流通させる。不凍液加熱手段3としては、例えば、燃料電池システムで使用する燃料と空気を直接供給して燃焼する燃焼器や、電熱ヒータ等が考えられる。
【0014】
次に不凍液経路2の形状を説明する。
【0015】
不凍液経路2は、第一端部33から第一分岐部31に延び、第一分岐部31で第一排出切替え弁21側と第一供給切替え弁22側に分岐する。また、第二端部34から第二分岐部34に延び、第二分岐部34では第二供給切替え弁23側と第二排出切替え弁24側に分岐する。
【0016】
第一分岐点31から分岐した第一排出切替え弁21側と、第二分岐点32から分岐した第二排出切替え弁24側は、それぞれ第一排出切替え弁21、第二排出切替え弁24を介して合流する。
【0017】
その後、不凍液ポンプ11と不凍液加熱手段3を介して、第一供給切替え弁22側と第二供給切替え弁23側に分岐し、第一供給切替え弁22を介して第一分岐点31に、第二供給切替え弁24を介して第二分岐点32に接続する。
【0018】
不凍液経路2を上記のように形成し、第一端部33と第二端部34と、を交互に入口とし、また他方を出口とすることで、スタック1内の不凍液の流れの方向を逆転する。例えば、図3に示すように、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24を開き、第一排出側切替え弁21、第二供給側切替え弁23を閉じる。これにより、不凍液は、不凍液加熱手段3において温度調整した後に第一供給側切替え弁22、第一分岐点31を介して、第一端部33からスタック1に導入され、スタック1を暖機する。その後、第二端部34から排出され、第二分岐点32、第二排出側切替え弁24を介して不凍液ポンプ11に導入され、再び循環する。
【0019】
一方、図4に示すようにすることで、スタック1内の不凍液の流れ方向を図3の向きと逆方向にすることができる。つまり、第二供給側切替え弁23、第一排出側切替え弁21を開き、第二排出側切替え弁24、第一供給側切替え弁22を閉じる。これにより、不凍液は、不凍液加熱手段3において温度調整した後に、第二供給側切替え弁23、第二分岐点32を介して第二端部34からスタック1内に取り込まれて暖機を行う。その後、第一端部33から排出され、第一分岐点31、第一排出側切替え弁21を介して不凍液ポンプ11に導入され再び循環する。
【0020】
図3の状態では、スタック1の第一端部33側が高温、第二端部34に向かうにつれて低温になるが、図4のように不凍液流通方向を切替えると、高温の不凍液はそれまで低温だった第二端部34側に流れ込む。これによりスタック1の低温部分を重点的に昇温することができるので、スタック1の温度分布を低減することができる。
【0021】
また、このような燃料電池システム、特にスタック1の暖機運転の制御をコントローラ100において行う。コントローラ100へは熱電対33a、34aの出力結果を入力し、各弁の開閉および不凍液ポンプ11の回転数の制御を行う。
【0022】
次に、コントローラ100における燃料電池システムの起動時の制御方法を図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0023】
暖機運転がスタートしたら、まずステップS10において、暖機目標温度T1を設定する。また、暖機前のスタック1内部の温度T0を熱電対33a、34aのどちらか一方を用いて測定する。ここで、起動開始直後には、どちらの熱電対33a、34aで測定してもほぼ同じ値が検出されるので、どちらを用いてもかまわない。
【0024】
次に、ステップS11において、不凍液加熱手段3による不凍液の加熱を開始する。また、図3のように、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24のみを開くことで、不凍液を第一端部33から第二端部34に向かって流通させる。続いてステップS12において、熱電対33aを用いてスタック1の不凍液入口部の内部温度であるスタック内部入口温度Tinを、また熱電対34aを用いてスタック1の不凍液出口部の内部温度であるスタック内部出口温度Toutを検出する。
【0025】
次に、ステップS13において、TinとT1−(Tout−T0)とを比較して大小を判断する。TinがT1−(Tout−T0)以下と判断された場合にはステップS12に戻り再びスタック内部入口・出口温度Tin、Toutの測定を行う。TinがT1−(Tout−T0)より大きくなるまでその状態で暖機を継続し、TinがT1−(Tout−T0)より大きいと判断されたら、ステップS14に進み、不凍液の流通方向を切替える。ここでは図3から図4のように切替えるため、第一供給側切替え弁22、第二排出側切替え弁24を閉じ、第二供給側切替え弁23、第一排出側切替え弁21を開く。
【0026】
このように不凍液の流通方向を切替えたらステップS15においてスタック内部入口温度Tinを検出する。ステップS16において、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1達しているかどうかを判断する。暖機目標温度T1に達していなければステップS15に戻り、暖機を継続する。ステップS16において、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達したら、ステップS17に進み、不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。
【0027】
このように、スタック内部入口温度TinがT1−(Tout−T0)に達した時点で流通方向を切替えることにより、図9に示すように、台形ABFEの面積と台形CDEFの面積が同じとなるような温度で不凍液の流通方向を切替えることができる。ここで、台形ABFEの面積はスタック1にすでに与えた熱量、台形CDEFの面積はスタック1に与えなければならない残りの熱量を示すので、これらが同じ量となる温度で不凍液の流通方向を切替えることになる。これにより、最も少ない切替え弁で、また最も少ない切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0028】
次に、本実施形態における効果を説明する。
【0029】
本実施形態は、スタック1と、スタック1内部に不凍液を流通させる不凍液経路2と、不凍液を加熱する不凍液加熱手段3と、不凍液経路2に不凍液を供給する不凍液供給手段、ここでは不凍液ポンプ11と、を備える。さらに不凍液の流通方向を切替える切替え手段としての切替え弁21〜24とを備え、スタック1の加温途中に、ステップS14において不凍液の流通方向を少なくとも一回は切替える。流通方向を切替えることで、低温であった出口側に高温の不凍液を供給することができるので、スタック1内の不凍液の流れ方向の温度分布を低減することができる。これにより、起動時に無駄にスタック1を暖機するのを抑制できるので、暖機時のエネルギ消費を低減することができる。
【0030】
ここでは、スタック内部入口温度Tinを推定または検出するスタック入口温度検出手段、ここでは熱電対33aを備える。ここで、切替え回数が一回であり、起動直後の状態が図3のようであれば熱電対33a、図4であれば熱電対34a、切替え回数が複数であれば熱電対33a、34aがスタック入口温度検出手段に相当する。
【0031】
スタック入口温度検出手段によりスタック内部入口温度Tinを検出し、これが所定の温度を超えた場合に不凍液の流通方向、特にスタック1内を流れる不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1の内部温度が暖機目標温度T1以上になるのを抑制し、無駄に消費する加熱エネルギを低減することができる。
【0032】
ここでは、スタック1の暖機目標温度T1を設定し、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinとの温度差と、暖機初期のスタック1の温度T0とスタック内部出口温度Toutとの温度差と、が等しくなったら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へすでに供給した熱量と、これから供給する熱量が等しい時点で不凍液の流通方向を切替えることができ、一回の切替えで無駄なエネルギ消費を効率良く低減することができる。
【0033】
また、スタック1を暖機する流体として冷媒を用いるために既存の構成で暖機できるとともに、冷媒として不凍液を用いることで、冷媒を解凍する必要がなくなり、暖機時に消費するエネルギ量を低減できるとともに、起動時間を短縮することができる。
【0034】
また、上記のような効果を、不凍液経路2の形状と切替え弁21〜24のみの簡単な構成で実現でき、また低コストで実現することができる。
【0035】
なお、当然であるが、図3に示す状態と図4に示す状態の順番は問わず、暖機直後に図4の状態となるようにしてもよい。また、暖機終了の判断をスタック内部入口温度Tinにより判断しているが、スタック内部出口温度Toutにより判断してもよい。さらに、スタック1の不凍液出入口の内部温度Tin、Toutを測定する熱電対33a、34aを備えたが、スタック1内部の温度分布が推定できる場合にはスタック1内部の温度のいずれかの箇所の温度を検出すればよい。この場合には、検出したスタック1内部の温度からスタック内部入口・出口温度Tin、Toutを推定することで、本実施形態と同様の制御を行うことができる。また、スタック1から排出された不凍液温度等からスタック1の内部温度が推定できるような場合には、その不凍液温度を検出してもよい。
【0036】
さらに、上記のような効果を得るための構成は、図2に限られるわけではなく、例えば図5に示したように三方弁25、26を用いた方法や、図6に示すような逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12を用いる方法も考えられる。
【0037】
図5においては、図2における切替え弁21、22の替わりに第一分岐点31に三方弁25を、切替え弁23、24の替わりに第二分岐点32に三方弁26を配置する。三方弁25、26の不凍液が供給される側を吸入部25a、26aとし、スタック1に面する側を端部側25c、26cとし、もう一方の排出側を排出部25b、26bとする。三方弁25において、吸入部25aと端部側25cを流通させ、三方弁26において端部側26cと排出部26bを連通させる。このように設定することで、図3と同様にスタック1内を不凍液が第一端部33から第二端部34に流れるようにすることができる。
【0038】
一方、三方弁26において、吸入部26aと端部側26cを連通させ、三方弁25において、端部側25cと排出部25bを連通させることにより図4と同様にスタック1内を不凍液が第二端部34から第一端部33に流れるように設定することができる。
【0039】
図6においては、スタック1の第一端部33と第二端部34を逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12に接続する。これにより、不凍液ポンプ12の回転を逆転させることで、図3、図4の状態を切替えることができる。
【0040】
次に、第2の実施形態について説明する。ここで用いる燃料電池システムの冷媒経路を第1の実施形態と同様の構成(図2〜図4)とする。本実施形態の制御を示すフローチャートを図8に示す。
【0041】
暖機運転がスタートしたら、まずステップS20〜S22においては図7ステップS10〜S12と同様に、暖機目標温度T1を設定し、スタック内部温度T0を測定し、不凍液の加熱・供給を開始してからスタック内部入口・出口温度Tin、Toutを検出する。ステップS3において、Toutと(T1−Tin)+T0との大小関係を判断する。Toutが小さいと判断されたら、ステップS22に戻り再びTin、Toutを検出し、それを繰り返す。Toutが(T1−Tin)+T0より大きくなるまでそのままの状態で暖機を継続し、ステップS23においてToutが大きいと判断されたらステップS24に進む。
【0042】
次にステップS24において、切替え弁を図3から図4のように切替えることによりスタック1内を流通する不凍液の流通方向の切替えを行う。
【0043】
不凍液の流通方向の切替えを行ったら、ステップS25〜S27において、第1の実施形態におけるステップS15〜S17と同様に暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら暖機を終了する。
【0044】
このように操作することで、図9において台形ABFEの面積、つまりスタック1に既に与えた熱量と、台形CDEFの面積、つまりスタック1に与えなければならない残りの熱量が同じになる時点で、不凍液の流通方向を切替える。ここではスタック内部出口温度Toutが、(T1−Tin)+T0となった時点で、上記のように与えられた熱量と残りの熱量とが等しくなるので、Toutが(T1−Tin)+T0より大きくなった時点で不凍液の流通方向を切替える。これにより、最も少ない切替え弁の切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0045】
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0046】
スタック内部出口温度Toutを推定または検出するスタック出口温度検出手段、ここでは熱電対34aを備える。ここで、切替え回数が一回であり、起動直後の状態が図3のようであれば熱電対34a、図4のようであれば熱電対33a、切替え回数が複数であれば熱電対33a、34aがスタック出口温度検出手段に相当する。
【0047】
スタック出口温度検出手段によりスタック内部出口温度Toutを検出し、Toutが所定の温度を超えた場合に不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1の内部温度が暖機の目標温度T1以上になるのを抑制し、無駄に消費するエネルギを低減することができる。
【0048】
また、第1の実施形態と同様に、暖機目標温度T1とスタック内部入口温度Tinとの温度差と、暖機初期のスタック内部出口温度Toutとの温度差と、が等しくなったら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へすでに供給した熱量と、これから供給する熱量が等しい時点で不凍液の流通方向を切替えることができ、一回の切替えで無駄なエネルギ消費を効率良く低減することができる。
【0049】
なお、本実施形態も、第1実施形態と同様に図5、図6に示したような燃料電池システムにも適用することができる。
【0050】
次に第3の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、端部33、34には、さらに、流通する不凍液の温度を検出する熱電対33b、34bを配置する。本実施形態に用いる制御フローを図10に示す。
【0051】
暖機がスタートしたらステップS30に進む。ステップS10と同様に暖機目標温度T1を設定し、スタック内部温度T0を測定する。ステップS31において、スタック1を温度T0からT1まで暖機するのに必要な熱量Qstuckを、予め実験等で測定しておいたスタック1の熱容量Cstuckと温度差(T1−T0)より算出する。
【0052】
ステップS32においてステップS11と同様に不凍液の加熱を開始するとともに、切替え弁を図3のように設定して不凍液をスタック1に流通させる。ステップS33において、熱電対33bからスタック1へ流入する不凍液の温度である不凍液入口温度Tin_LLCと、熱電対34bからスタック1から流出する不凍液の温度である不凍液出口温度Tout_LLCを測定する。
【0053】
ステップS34に進み、不凍液の質量流量GLLCを測定する。これは、例えば流量センサ等を設けてもよいが、ここでは不凍液ポンプ11の回転数等から求めることができる。次に、ステップS35においては、不凍液からスタック1へ移動した熱量を、予め実験等で求めておいた不凍液の比熱CP_LLCと不凍液質量流量GLLCと温度差(Tin_LLC−Tout_LLC)との時間積分から算出する。
【0054】
続いて、ステップS36において、不凍液からスタック1へ移動した熱量QLL Cがスタック1を暖機するのに必要な熱量Qstuckの半分を超えているかどうかを判断する。QLLCがQstuck/2を超えていなければステップS33に戻り、再び不凍液からスタック1へ移動した熱量QLLCを求める。
【0055】
ステップS36においてQLLCがQstuck/2を超えれば、ステップS37に進み、切替え弁を図4のように切替えて、スタック1内を流通する不凍液の流通方向を切替える。
【0056】
不凍液の流通方向の切替えを行ったら、ステップS38〜S40において、第1の実施形態におけるステップS15〜S17と同様に暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら暖機を終了する。
【0057】
以上のような操作により、スタック1が半分暖機されたところで、不凍液の流通方向を切替えることができ、最も少ない切替え弁の切替え回数で、無駄な暖機を避けることができる。
【0058】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0059】
スタック1の不凍液入口部の不凍液の温度を検出する不凍液入口温度検出手段、ここでは熱電対33bと、スタック1の不凍液出口部の不凍液の温度を検出する不凍液出口温度検出手段、ここでは熱電対34bを備える。さらに、不凍液の入口温度と出口温度から不凍液からスタック1へ移動した熱を算出する熱量算出手段(ステップS35に相当)と、を備える。不凍液からスタック1へ移動した熱量が所定の値を超えたら不凍液の流通方向を切替える。これにより、不凍液からスタック1へ移動する熱量が、スタック1を暖機目標温度T1まで暖機するのに必要な熱量以上になるのを避けることができるため、暖機の際の消費エネルギを低減することができる。
【0060】
さらに、ステップS31における動作のように、スタック1を暖機するまでに不凍液から移動する総熱量Qstuckを算出する総熱量算出手段を備え、不凍液からスタック1へ移動した熱量が総熱量Qstuckの半分を超えたら不凍液の流通方向を切替える。これにより、スタック1が半分暖機されたところで不凍液の流通方向を切替えるので、最も少ない切替え回数で無駄な暖機を避けることができ、消費エネルギを低減することができる。
【0061】
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様とし、不凍液の流通方向を切替える制御を図11のフローチャートを用いて説明する。ここでは、スタック内部入口温度Tinとスタック内部出口温度Toutとの温度差を所定の値程度に抑えることで、スタック1内の温度分布を抑制する。
【0062】
暖機運転がスタートしたら、ステップS50において暖機目標温度T1を設定する。ステップS51において不凍液の加熱を開始するとともに、切替え弁を図3のように設定してスタック1への不凍液の供給を開始する。
【0063】
ステップS52において、熱電対33aからスタック内部入口温度Tinを、また、熱電対34aを用いてスタック内部出口温度Toutを検出する。次にステップS53で、温度差(Tin−Tout)が所定の温度、例えば2℃を超えたかどうかを判断する。所定の温度を超えるまでステップS52、S53を繰り返し、ステップS53において超えたと判断されたら、ステップS54に進む。
【0064】
ステップS54において、切替え弁を図4のように切替えることにより、スタック1内の不凍液の流通方向を切替える。次にステップS55においてToutとT1との大小を比較して、Tout>T1である場合にはさらに暖機が必要であると判断してステップS52に戻る。
【0065】
このようにステップS52〜S55を繰り返している間、つまり暖機中は、スタック内部入口・出口温度Tin、Toutの温度差が所定の温度、ここでは2℃より大きくなったら不凍液の流通方向を切替える制御を繰り返す。ただし、不凍液の流れが図4の状態である場合は、熱電対33aの出力をTout、熱電対34aの出力をTinとする。ステップS55においてToutがT1以上になったと判断されたらステップS56に進み、不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。ここで、暖機運転の終了は、スタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達したかどうかで判断してもよい。
【0066】
以上のように操作することにより、スタック1の内部の温度分布を所定の温度(例えば2℃)以下に保つことができ、所定温度以内の均一な昇温が可能となる。
【0067】
次に、本実施形態における効果を説明する。
【0068】
スタック1の不凍液入口部におけるスタック内部入口温度Tinを検出するスタック入口温度検出手段、ここでは熱電対33aまたは34aと、スタック内部出口温度Toutを検出するスタック出口温度検出手段、ここでは熱電対34aまたは33aと、を備える。スタック内部入口温度Tinとスタック内部出口温度Toutとの温度差が所定の値を超えたら不凍液の流通方向を切替える。
【0069】
このように制御することで、スタック1の不凍液の出入口部の内部温度差を所定の値程度に抑えることができ、スタック1内の温度分布を抑制することができるので均一に昇温することができる。これにより、暖機時にスタック1に生じる温度分布が原因でスタック1全体を昇温する際に無駄に消費するエネルギを低減することができるので、効率のよい暖機を行うことができる。
【0070】
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態に用いる燃料電池システム、特にスタック1の冷却システムの構成を第1の実施形態と同様とし、暖機時の不凍液の流通に関する制御を図12に示すフローチャートに示す。
【0071】
ここで、図2、図5のように不凍液の流通方向を弁により切替える場合、時間0の瞬時で弁を切替えることは不可能である。そのため、弁の切替えを行っている間、不凍液加熱手段3を流れる不凍液の流速が遅くなり、不凍液の局所的な昇温と加熱手段の一時的な加温が生じる。また、図6のように逆回転運転が可能な不凍液ポンプ12を用いて流通方向を切替える場合でも、不凍液ポンプ12の正転から反転までの間に不凍液加熱手段3を流れる不凍液の流速が遅くなり、不凍液の局所的な加熱と不凍液加熱手段3の一時的な昇温が生じる。
【0072】
そこで本実施形態では、このような不凍液の温度分布を低減するため、不凍液の流通方向を切替えている間、不凍液加熱手段3の出力を小さくする。ここでは、不凍液の流通方向が切替えられて流量が減少してから、再び切替え前と同等の流量に戻るまでの時間tshtmrを予め実験等で求めておき、コントローラ100に記憶させておく。また、コントローラ100には不凍液加熱手段3の出力を減少させた時点でタイマー値tmrをリセットするとともにカウントを始めるタイマーを内蔵しておく。
【0073】
次に、暖機時の制御フローを図12のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
ステップS10〜S14においては、第1の実施形態と同様とする。ステップS14において、不凍液の流通方向を切替えたら、ステップS65において不凍液加熱手段3の出力を低減する。出力低減方法としては、不凍液加熱手段3が燃焼器の場合には供給燃料を低減させる、電熱ヒーターの場合には供給電源を低減させる等が考えられる。
【0075】
ステップS66において、コントローラ100に内蔵したタイマーのタイマー値tmrが所定値tsthmrを超えたかどうかを判断する。タイマー値tmrが所定値tshtmrを超えるまでカウントを続け、超えたらステップS67に進み、不凍液加熱手段3の出力を回復する。
【0076】
その後、ステップS15〜S17において、第1の実施形態と同様にスタック内部入口温度Tinが暖機目標温度T1に達するまで暖機を継続し、暖機目標温度T1に達したら不凍液加熱手段3を停止して暖機を終了する。
【0077】
次に本実施形態に効果を説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0078】
不凍液の流通方向を切替える間は、不凍液加熱手段3において不凍液に移動する熱量を低減する。流通方向を切替える際には、不凍液の流量が減少して不凍液加熱手段3を流れる不凍液が局所的に加熱されるが、不凍液加熱手段3から不凍液へ移動する熱量を減少させることにより不凍液の異常な昇温を避けることができる。これにより、スタック1が局所的に昇温するのを防ぐことができ、安定した暖機を行うことができる。
【0079】
なお、ここでは不凍液加熱手段3の出力を抑制する時間tsthmrを実験等により予め求めたが、流量センサ等によりスタック1に供給される不凍液流量を検出し、不凍液流量が切替え前と同等の流量となったら不凍液加熱手段3の出力を通常に戻すように制御することもできる。
【0080】
また、本実施形態では、不凍液流通方向の切替えの判断は、第1の実施形態と同様としたが、第2〜4の実施形態の切替えのフローにも適用できる。
【0081】
このように、本発明は、上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の燃料電池システムの暖機時のスタック内部温度の分布図である。
【図2】第1の実施形態における燃料電池システムの一部の構成図である。
【図3】第1の実施形態の不凍液の流通制御の第一説明図である。
【図4】第1の実施形態の不凍液の流通制御の第二説明図である。
【図5】第1の実施形態の燃料電池システムと同様の効果を持つ構成例である。
【図6】第1の実施形態の燃料電池システムと同様の交換を持つ構成例である。
【図7】第1の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における不凍液からスタックへ移動する熱量の説明図である。
【図10】第3の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図11】第4の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【図12】第5の実施形態における不凍液の流通制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 スタック(燃料電池スタック)
2 不凍液経路
3 不凍液加熱手段
11 不凍液ポンプ(冷媒供給手段)
12 不凍液ポンプ(冷媒液供給手段、切替え手段)
21 第一排出側切替え弁(切替え手段)
22 第一供給側切替え弁(切替え手段)
23 第二供給側切替え弁(切替え手段)
24 第二排出側切替え弁(切替え手段)
25 三方弁(切替え手段)
26 三方弁(切替え手段)
33a、34a 熱電対(スタック入口温度検出手段またはスタック出口温度検出手段)
33b、34b 熱電対(不凍液入口温度検出手段または不凍液出口温度検出手段)
切替え制御手段・・・S14、S24、S37、S54
熱量算出手段・・・S35
総熱量算出手段・・・S31
目標暖機設定手段・・・S10、S20、S30、S50
Claims (9)
- 燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタック内部に冷媒を通過させる冷媒経路と、
前記冷媒を加熱する冷媒加熱手段と、
前記冷媒経路に冷媒を供給する冷媒供給手段と、
前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える切替え手段と、
前記燃料電池スタックの加温途中に、前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を少なくとも一回は切替える切替え制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックの冷媒の入口部における内部温度を推定または検出するスタック入口温度検出手段を備え、
前記スタック入口温度検出手段により前記燃料電池スタックの冷媒入口部における内部温度を推定または検出し、前記冷媒入口部の内部温度が所定の温度を超えた場合に、前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックの冷媒の出口部における内部温度を推定または検出するスタック出口温度検出手段を備え、
前記スタック出口温度検出手段により前記燃料電池スタックの冷媒出口部における内部温度を推定または検出し、前記冷媒出口部の内部温度が所定の温度を超えた場合に、前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックの暖機目標温度を設定する暖機目標温度設定手段と、
前記燃料電池スタックの冷媒の入口部における内部温度を推定または検出するスタック入口温度検出手段と、
前記燃料電池スタックの冷媒の出口部における内部温度を推定または検出するスタック出口温度検出手段と、を備え、
前記暖機目標温度と前記燃料電池スタックの冷媒入口部における内部温度との温度差と、暖機初期の前記燃料電池スタックの内部温度と冷媒出口部における内部温度との温度差と、が等しくなったら前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックの冷媒入口部の冷媒の温度を検出する冷媒入口温度検出手段と、
前記燃料電池スタックの冷媒出口部の冷媒の温度を検出する冷媒出口温度検出手段と、
前記冷媒入口温度と前記冷媒出口温度から前記冷媒から前記燃料電池スタックへ移動した熱を算出する熱量算出手段と、を備え、
前記冷媒から前記燃料電池スタックへ移動した熱量が所定の値を超えたら前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックを暖機するまでに前記冷媒から移動する総熱量を算出する総熱量算出手段を備え、
前記冷媒から前記燃料電池スタックへ移動した熱量が前記総熱量の半分を超えたら前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項5に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池スタックの冷媒入口部における内部温度を推定または検出するスタック入口温度検出手段と、
前記燃料電池スタックの冷媒出口部における内部温度を推定または検出するスタック出口温度検出手段と、を備え、
前記スタック入口温度検出手段と前記スタック出口温度検出手段との出力値の差が所定の値を超えたら、前記燃料電池スタック内の冷媒の流通方向を切替える請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記冷媒の流通方向を切替える間は、前記冷媒加熱手段において冷媒に移動する熱量を低減する請求項1から7のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記冷媒として不凍液を用いる請求項1から8のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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