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JP2004063034A - 光記録媒体の製造方法及び光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体の製造方法及び光記録媒体 Download PDF

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JP2004063034A
JP2004063034A JP2002222801A JP2002222801A JP2004063034A JP 2004063034 A JP2004063034 A JP 2004063034A JP 2002222801 A JP2002222801 A JP 2002222801A JP 2002222801 A JP2002222801 A JP 2002222801A JP 2004063034 A JP2004063034 A JP 2004063034A
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Japan
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mold
molding
optical recording
recording medium
temperature
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JP2002222801A
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English (en)
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Akira Itoga
糸賀 明
Yumi Sakai
坂井 由美
Satoshi Kurokawa
黒川 智
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】多様な印刷をしても環境変化に伴う光記録媒体の反りの変位を小さくすることができる光記録媒体の製造方法及び光記録媒体を提供する。
【解決手段】ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、情報記録基板12を成形する固定型16及び可動型18の成形時の金型温度の和よりも高くなるように設定してダミー基板及び情報記録基板12をそれぞれ個別に得て貼り付けた。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の基板を貼り合わせてなる光記録媒体の製造方法及び光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の光記録媒体が急速に普及している。光記録媒体は一般的に外径が120mm、厚さが1.2mmに統一されているが、DVDは照射光としてCDよりも波長が短いレーザー光を用いると共に、照射光のレンズの開口数をCDよりも大きくすることでCDよりも高密度で大容量の情報を記録・再生できるようにされている。
【0003】
一方、照射光の波長が短く、レンズの開口数が大きいほどディスクの傾き(反り)によりコマ収差が発生して情報の記録・再生精度が低下する傾向があるため、DVDは光透過層の厚さをCDの半分の0.6mmとすることで、ディスクの傾き(反り)に対するマージンを確保し、情報の記録・再生精度を維持している。
【0004】
一方、0.6mmの基板のみでは剛性、強度が不充分であるため、DVDは、0.6mmの基板が2枚、情報記録面を内側にして貼り合わされた構造を採用して、厚さがCDと等しく1.2mmとされており、これによりCDと同等の剛性、強度が確保されている。
【0005】
DVDには、片面が情報記録面である情報記録基板が2枚貼り合わされて両面に情報を記録可能とされた両面タイプと、情報記録基板及びダミー基板が貼り合わされて片面のみ情報を記録可能とされた片面タイプとが存在し、一般的には、片面タイプのDVDが普及している。
【0006】
図1は、片面タイプのDVDの構造を示す斜視図である。図2及び図3は、情報記録基板及びダミー基板の成形のための金型装置を示す断面図である。図4は、図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【0007】
光記録媒体10は、情報記録基板12とダミー基板14とが情報記録基板12の情報記録面12Aを内側にして貼り付けられた構造とされている。
【0008】
情報記録基板12は、一般的に量産性に優れた金型装置15での射出成形により成形される。具体的には、ポリカーボネート等の光透過性の樹脂が、固定型16及び可動型18の間に射出されて円板形状に成形される。図2の符号11は、後工程で除去されて中心孔となる段差部を示す。
【0009】
金型装置15は、固定型16、可動型18及びこれらの型にそれぞれ設けられた金型温調機20、22を有している。金型温調機20、22は、固定型16、可動型18に渦巻き状に配設した電熱線20A、22Aに通電する電流を制御することにより、固定型16、可動型18の成形時の金型温度を調節可能とされている。このように、成形時の金型温度を適宜調節することにより、高精度な基板の成形を実現している。
【0010】
又、固定型16にはスタンパ24を配設して成形工程において情報記録基板12の片面にトラッキングのための多数の微細な凹凸を成形し、この面が情報記録面12Aとなる。例えば再生専用の光記録媒体の場合、ピット及びランドを形成する。又、情報を記録可能である光記録媒体の場合、グルーブ及びランドを形成し、更に必要に応じて所定のピットを形成する。情報記録面12Aには、後工程で更に、反射層、情報記録層等の機能層が積層される。
【0011】
一方、ダミー基板14を成形する金型装置23は、前記金型装置15と同様に固定型26、可動型28、金型温調機30、32を有する構成であるが固定型26にスタンパは配設されず、ダミー基板14にはトラッキングのための微細な凹凸は成形されない。尚、本従来例では金型装置23は前記金型装置15と別の装置であるが、共通の金型装置15で情報記録基板、ダミー基板を個別に成形することもできる。又、ダミー基板14には機能層も積層されないが、一般的に、品質等を表示するための文字、図柄等が印刷される。
【0012】
即ち、情報記録基板12、ダミー基板14は外径、厚さ等の基本的な構成が共通である一方、トラッキングのための微細な凹凸、機能層、印刷の有無という点で構成上若干の差異がある。
【0013】
片面タイプのDVDは、このような構成上若干の差異がある2枚の基板が貼り付けられた構造であるため、貼り付けられた後に、反りが発生しやすい傾向がある。反りは主として次のようにして発生すると考えられている。
【0014】
構成上の差異がある2枚の基板は残留応力状態がそれぞれ異なっており、温度、湿度等の環境変化に対して異なる変形態様を示すことが多い。従って、構成上の差異がある2枚の基板が貼り付けられることにより、それぞれの基板の変形態様が合成されて光記録媒体全体の変形として発現し、反りが発生すると考えられる。尚、光記録媒体全体の変形態様は一般的に、2枚の基板それぞれの変形態様を単純に合成したものとは異なっており、予測困難な変形態様を示すことが多い。
【0015】
光記録媒体の反りが大きいと、情報を確実に記録、再生することができなくなるため、規格は反りの大きさを一定の制限値内に収めるように定めている。
【0016】
これに対し、2枚の基板を貼り付けるための接着剤、貼り付け機等の貼り付け工程の技術が著しく改善されてきており、貼り付け工程直後の常温環境下における反りの問題は解消されつつある。
【0017】
一方、貼り付け工程直後の反りが小さくても、温度、湿度の上昇等という環境条件の変化により、反りが経時的に増大することがある。
【0018】
そこで、規格は一定の高温高湿の環境条件においても反りの大きさを一定の制限値内に収めるように定めている。具体的には、温度70℃、相対湿度50%という環境条件に96時間以上保存する高温高湿の信頼性試験後の反りの大きさを一定の制限値内に収める必要がある。
【0019】
貼り付け工程直後の常温環境下に対し、高温高湿環境下では一般的に反りが増大するが、上記貼り付け工程の技術の改善等により、高温高湿環境下の反りの大きさも規格の制限値内に収めることが可能となってきている。
【0020】
このように、常温環境及び高温高湿環境のいずれの環境下においても反りの大きさを規定の制限値内に制限することで情報の確実な記録・再生が可能である。
【0021】
ここで情報記録装置、情報再生装置の効率的な制御等のために環境変化に伴う反りの変位量を小さくしたいという要請がある。
【0022】
例えば情報記録装置、情報再生装置は、光記録媒体の反りの影響を補正するためのチルト補正機構を備えているが、環境変化に伴う反りの変位量が小さければ補正のためのチルト量も小さくなるので補正に要する時間を短縮することができる。これにより、チルト補正を伴う記録・再生速度を高速化することが可能となる。
【0023】
環境変化に伴う反りの変位を小さくすることは、情報記録装置等の他の制御においても様々なメリットがある。
【0024】
これに対して、環境変化に伴う反りの変位を小さくし得る様々な光記録媒体の製造方法が提案されている。
【0025】
例えば、特開平10−199052号公報には、基板の成形工程の後に、更に熱処理を施す工程を加えて基板の残留応力を除去する製造方法が開示されている。更に、同公報にはダミー基板が情報記録基板と同等の応力を有するように、ダミー基板に所定の成膜をする製造方法が開示されている。
【0026】
又、特開2001−56971号公報には、同一のスタンパを使用して成形した2枚の情報記録基板を貼り合わせて、双方の基板の応力が常に釣り合うようにした製造方法が開示されている。尚、この場合2枚の情報記録基板のうちの1枚はダミー基板として使用される。
【0027】
即ち、2枚の基板の応力を除去し、又は2枚の基板の残留応力状態を均衡させることにより、環境変化に伴う光記録媒体の反りの変位を小さくすることが可能である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示された製造方法で光記録媒体を製造しても、印刷をすることで、環境変化に伴って反りが大きく変位することがあった。
【0029】
即ち、印刷をしていない光記録媒体であれば、上記公報に開示された製造方法により、2枚の基板の残留応力が除去され、又は2枚の基板の残留応力状態が均衡するので、常温及び高温高湿のいずれの環境下においても光記録媒体の反りを小さく抑えることができ、これにより環境変化に伴う反りの変位も小さくすることが可能であるが、印刷をすることで2枚の基板の応力バランスが崩れて反りが増大することがある。
【0030】
この印刷に起因する反りについて更に詳細に説明すると、ダミー基板の印刷に用いられるインクは、印刷後に収縮するものが多く、インクの種類、厚み及び印刷される文字、図柄等のパターンにより、ダミー基板に様々な態様の応力が生じてダミー基板と情報記録基板の応力バランスが崩れることがある。一般的にインクの印刷に起因する応力は常温環境下では小さく、高温高湿環境下で増大することが多い。従って、常温環境から高温高湿環境に環境が変化すると図5に示されるように、光記録媒体10は、ダミー基板14側が凹、情報記録基板12側が凸となる方向(以下、「正の方向」と言う。又、逆方向を「負の方向」と言う。)に反る傾向がある。
【0031】
尚、高温高湿環境下でも2枚の基板の応力バランスが均衡するように、インクの種類、厚み及び印刷する文字、図柄等のパターンを制限することも考えられるが、商品性を考慮すると、このような印刷の制限は実際上困難である。特に近年、個人ユーザー等が光記録媒体に容易に印刷することができるようにしたプリンタも開発されており、光記録媒体の印刷は一層多様化しつつある。
【0032】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、多様な印刷をしても、環境変化に伴う反りの変位を小さく制限することができる光記録媒体の製造方法及び光記録媒体を提供することをその課題とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和とダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和とに所定の差をつけて光記録媒体に所定の残留応力状態を創出し、この残留応力に起因する反りと印刷に起因する反りとを高温高湿環境下で相殺させて反りを小さくし、これにより多様な印刷をしても環境変化に伴う光記録媒体の反りの変位を小さくすることができることを見出した。
【0034】
即ち、以下の発明により上記課題を解決することができる。
【0035】
(1)固定型及び可動型の間で樹脂を円板形状に成形する金型装置を用いてダミー基板及び片面が情報記録面である情報記録基板をそれぞれ個別に得る成形工程と、前記ダミー基板及び前記情報記録基板を前記情報記録面を内側にして貼り付ける貼り付け工程と、を含んでなる光記録媒体の製造方法であって、前記ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和よりも高くなるように設定したことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0036】
(2)前記ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和よりも3℃以上高くなるように設定したことを特徴とする(1)の光記録媒体の製造方法。
【0037】
(3)前記各金型の成形時の温度を120〜130℃の範囲内に設定したことを特徴とする(1)又は(2)の光記録媒体の製造方法。
【0038】
(4)前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型のうち前記情報記録面を成形する型の成形時の金型温度を127℃に設定したことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの光記録媒体の製造方法。
【0039】
(5)(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体の製造方法により製造された光記録媒体。
【0040】
尚、上記のように特開平10−199052号公報には、熱処理を施すことにより基板の残留応力を除去する製造方法が開示されているが、基板の成形工程の他に熱処理を施す工程を加えるものであり、本発明のように、基板の成形工程における(成形時の)金型温度に係るものではない。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0042】
本実施形態に係る光記録媒体の製造方法は、ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和よりも高くなるように設定して情報記録基板と、ダミー基板と、を得ることを特徴としている。
【0043】
他の工程については前記従来の光記録媒体の製造方法と同様であるので図1〜図4の符号を引用することとして説明を適宜省略する。
【0044】
まず、情報記録基板12の成形工程について具体的に説明する。
【0045】
金型装置15の固定型16にはスタンパ24を配設し、固定型16の成形時の金型温度が(120〜130℃の範囲内の)127℃となるように、金型温調機20をセットする。
【0046】
一方、可動型18の成形時の金型温度が120〜130℃の範囲内となるように、金型温調機22をセットする。
【0047】
この状態で予め加熱して溶融しておいたポリカーボネート等の光透過性の樹脂を固定型16及び可動型18の間に射出し、上記成形時の金型温度に冷却・保温して円板形状に成形し、情報記録基板12の中間体を得る。この際、スタンパ24により情報記録面12Aにトラッキングのための所定の微細な凹凸が形成される。光透過性の樹脂としてアクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0048】
成形後、情報記録基板12の中間体を固定型16、可動型18から取り外して自然放熱により常温に冷却する。
【0049】
この情報記録基板12の中間体はポリカーボネート等の樹脂が120〜130℃の範囲内に保温されて成形されてから常温に冷却されるので、冷却による変形が最小限に制限され、円板形状の成形精度がよい。
【0050】
更に、固定型16の成形時の金型温度が、情報記録面12Aのトラッキングのための微細な凹凸の成形の温度条件として好適な127℃であるので、トラッキングのための微細な凹凸の成形精度もよく、それだけ確実に情報を記録、再生することができる。
【0051】
尚、情報記録基板12は、情報記録面12Aにトラッキングのための微細な凹凸が形成され、後述するように情報記録面12Aには更に反射層等の機能層が積層されるため厚さ方向に非対称な構造であり、単体でも反りが発生しやすいが、固定型16、可動型18の成形時の金型温度に適宜差をつけることで反りを小さくすることができる。固定型16の成形時の金型温度127℃に保持しつつ可動型18の成形時の金型温度を120〜130℃の範囲内でスタンパ24、機能層の種類により適宜調節すれば、トラッキングのための微細な凹凸の成形精度を良好に保持しつつ、情報記録基板12の反りを最小限に抑えることが可能である。又、可動型18の成形時の金型温度を調節することで、所定の反りを情報記録基板12に意図的に発生させて後工程で貼り付けられるダミー基板の反りを相殺することも可能である。
【0052】
次に、情報記録面12Aに機能層等を積層する工程について簡単に説明する。再生専用の光記録媒体の場合、情報記録面12Aに機能層として反射層を積層し、更にこの上に保護層を積層する。一方、情報を書き込み可能である光記録媒体の場合は、情報記録面12Aに機能層として記録層、反射層をこの順で積層し、更にこの上に保護層を積層する。反射層はAl、Ag、Au等からなりスパッタリング法、蒸着法等により積層される。記録層は相変化材料、光磁気材料等からなり、スパッタリング法、スピンコート法、ディッピング法、蒸着法等により積層される。保護層は紫外線硬化樹脂等の樹脂材料からなり、スピンコート、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング法等により積層される。又、シート状材料が貼り付けられることもある。
【0053】
以上の工程を経て、完成品としての情報記録基板12となる。
【0054】
次に、ダミー基板14の成形工程について説明する。
【0055】
ダミー基板14を成形する場合、金型装置23における固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和が、情報記録基板12を成形する金型装置15における固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和よりも高くなるように金型温調機30、32をセットする。ここで、固定型26、可動型28それぞれの成形時の金型温度は120〜130℃の範囲内となるようにする。尚、固定型26にはスタンパを配設しない。
【0056】
又、この際、ダミー基板14を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和が、情報記録基板12を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和よりも3℃以上高くなるように設定することが好ましい。
【0057】
例えば、情報記録基板12を成形する固定型16の成形時の金型温度が127℃、可動型18の成形時の金型温度が126℃である場合、成形時の金型温度の和は253℃であるので、ダミー基板14を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度を共に128℃とし、成形時の金型温度の和を256℃として3℃高く設定する。
【0058】
以後、上記情報記録基板12と同様にポリカーボネート等の光透過性の樹脂を固定型26及び可動型28の間に射出し、上記成形時の金型温度で冷却・保温して円板形状に成形して、固定型26、可動型28から取り外し、自然放熱により常温に冷却する。
【0059】
上記情報記録基板12と同様にポリカーボネート等の樹脂が120〜130℃の範囲内に保温されて成形されてから常温に冷却されるので、ダミー基板14又はその中間体の冷却による変形が最小限に制限され、円板形状の成形精度がよい。
【0060】
一方、情報記録基板12と異なりダミー基板14は厚さ方向に対称な構造であり、単体でも反りが発生しにくいので、一般的には、固定型26の成形時の金型温度と可動型28の成形時の金型温度とを等しく設定するとよい。尚、片面の中心近傍にリング状の突起を形成することがあり、この場合には厳密には厚さ方向に対称な構造ではないが、リング状の突起が反りの発生に及ぼす影響は小さく、リング状の突起を形成する場合もリング状の突起を形成しない場合と同様に固定型26の成形時の金型温度と可動型28の成形時の金型温度とを等しく設定するとよい。
【0061】
又、固定型26の成形時の金型温度と可動型28の成形時の金型温度とに適宜差をつけることで、所定の反りをダミー基板14に意図的に発生させて後工程で貼り付けられる情報記録基板の反りを相殺することも可能である。
【0062】
次に、貼り付け工程について説明する。
【0063】
情報記録基板12とダミー基板14は、情報記録面12Aを内側にして接着剤により貼り付ける。
【0064】
具体的には、情報記録基板12の情報記録面12Aの保護層の上、又はダミー基板14の片面に紫外線硬化接着剤をスピンコート法、ドクターブレード法等により塗布し、両基板を密着させて圧力をかけた状態でダミー基板14側から紫外線を照射して接着剤を硬化させる。尚、ホットメルト接着剤、アクリル粘着シートで接着用することもできる。
【0065】
以上により、再生又は記録が可能な状態に片面タイプの光記録媒体10が仕上がる。貼り付け工程直後における該光記録媒体10の反りは規格の制限値に対して充分小さい。
【0066】
ダミー基板14に更に記録情報、品質等を示す表示を印刷をして光記録媒体10は完成品となる。例えば、スパッタリング法等によりインクをダミー基板14に塗布して文字、図形等を印刷する。印刷後、インクは収縮しようとする。これにより光記録媒体10は正の方向に僅かに反るが、常温環境下ではインクの印刷に起因する応力は小さいので、光記録媒体10の反りは規格の制限値に対して充分小さい。
【0067】
次に、本実施形態に係る製造方法により得られる光記録媒体の高温高湿環境下における作用について説明する。
【0068】
高温高湿環境下に置かれることにより、印刷されたインクは更に収縮しようとし、インクの印刷に起因する応力は増大する。
【0069】
一方、ダミー基板14は、成形に用いる固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和が情報記録基板12よりも高くなるようにして成形されているため、高温高湿環境下で膨張しようとする度合いが情報記録基板12よりも大きい。従って、負の方向の反りを発生させるような応力状態が光記録媒体10に生じる。
【0070】
これにより、印刷に起因する応力と2枚の基板の成形時の金型温度の差に起因する応力とが高温高湿環境下で相殺されて、光記録媒体10の反りの大きさは、規格の制限値に対して充分小さく制限される。
【0071】
このように、常温環境下及び高温高湿環境下のいずれの場合においても反りが規格の制限値に対して充分小さく制限されるので、本実施形態に係る製造方法により得られる光記録媒体10は情報を正確に記録、再生でき、信頼性が高い。
【0072】
即ち、多様な印刷を考慮して情報記録基板12の成形に用いる固定型16及び可動型18の成形時の金型温度の和、ダミー基板14の成形に用いる固定型26及び可動型28の成形時の金型温度の和を管理し、それぞれの基板の残留応力を予めコントロールしておくことで常に反りを規格の制限値に対して充分小さく制限することができ、本実施形態に係る製造方法により得られる光記録媒体10はそれだけ多様な用途に使用可能である。
【0073】
更に、光記録媒体10は常温環境及び高温高湿環境のいずれの環境においても反りが小さく、環境変化に伴う反りの変位が小さいので情報記録装置、情報再生装置におけるチルト補正等の制御の効率を向上させることができる。
【0074】
更に又、環境変化に伴う反りの変位を一定に制限することにより、チルト補正等の制御を伴わずに情報を確実に記録・再生することが可能となる。この場合、チルト補正機構等を省略することも可能であり、このようにすることで情報記録装置、情報再生装置の低コスト化、コンパクト化を図ることができる。
【0075】
尚、ダミー基板14に印刷をした場合、情報記録基板12の成形に用いる固定型16及び可動型18の成形時の金型温度の和、ダミー基板14の成形に用いる固定型26及び可動型28の成形時の金型温度の和がそれぞれ一定であれば、各型毎の成形時の金型温度が変化しても、高温高湿環境下で光記録媒体の反りの発生を制限する効果が同等であることを発明者は実験により確認している。従って、光記録媒体全体の反りの発生を制限することができるように固定型、可動型の成形時の金型温度の和を一定に保持しつつ、各型毎の成形時の金型温度を調節することで基板単体の反りも制限して、2枚の基板の貼り付け工程も容易にすることができる。
【0076】
【実施例】
以下に、具体的な反りの大きさの測定結果を示す。
【0077】
供試した光記録媒体は、情報記録基板12、ダミー基板14がいずれも外径120mm、厚さ0.6mmで材質がポリカーボネート樹脂である。
【0078】
情報記録基板12を成形するにあたり、成形時の5つの金型温度条件を設定し、固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和がそれぞれ247℃、250℃、253℃、256℃、259℃となるようにした。尚、固定型16の成形時の金型温度は一定の127℃とし、可動型18の成形時の金型温度を120℃、123℃、126℃、129℃、132℃とした。
【0079】
ここで、固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和を259℃に設定する場合、可動型18の成形時の金型温度を132℃に設定しており、前記実施形態の120〜130℃という成形時の金型温度の範囲を外れるが、比較例としてこのような成形時の金型温度を設定したものである。
【0080】
又、ダミー基板14を成形する場合も同様に、成形時の5つの金型温度条件を設定し、固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和がそれぞれ247℃、250℃、253℃、256℃、259℃となるようにした。尚、固定型26の成形時の金型温度は一定の127℃とし、可動型28の成形時の金型温度を120℃、123℃、126℃、129℃、132℃とした。
【0081】
又、いずれの光記録媒体も情報を繰り返し書き込み可能である片面一層のDVD−RW(ReWritable)タイプであり、スパッタリング法により情報記録基板12の情報記録面12Aに記録層を積層した。
【0082】
情報記録基板12、ダミー基板14をそれぞれ上記5つの金型温度条件で成形し、両基板の金型温度条件の総ての組合わせが得られるように貼り付けて25種類の光記録媒体10を供試した。尚、接着剤は紫外線硬化樹脂を用いた。
【0083】
まず、比較例としてダミー基板14側に印刷をしていない未印刷の光記録媒体10を供試し、高温高湿信頼性試験前(常温環境)及び高温高湿信頼性試験後の反りの大きさを実測し、高温高湿信頼性試験前後の反りの変位を算出した。
【0084】
高温高湿信頼性試験は、具体的には、光記録媒体10を高温槽に入れて温度80℃、湿度80%の環境下で125時間保存した。
【0085】
反りの大きさは公知の測定方法により、径方向の傾斜角θ°の倍角α°で表した。なお、規格は反りの大きさα°を±0.8°以内に収めるように定めている。具体的には、図6に示されるように、中心から半径53mm、及び58mmの2点の部位の径方向の間隔(5mm)及び中心軸方向の間隔を実測して傾斜角θ°を算出した。なお、金型温度条件が同一である光記録媒体10をそれぞれ5枚ずつ供試しており、5枚の光記録媒体それぞれについて傾斜角θ°を算出し、これら5枚の光記録媒体10の傾斜角θ°の平均値を2倍して反りの大きさα°を得た。
【0086】
更に、ダミー基板14側に所定のインク(後述)で所定の印刷をした光記録媒体10を供試した。印刷のメッシュサイズは420msh/inchとした。
【0087】
印刷をした光記録媒体10の反りの大きさを、高温高湿信頼性試験後に実測し、更に高温高湿信頼性試験前後の反りの変位を算出した。尚、印刷をした場合も各インク毎に金型温度条件が同一である光記録媒体10を5枚ずつ供試しており、5枚の光記録媒体10の傾斜角θ°の平均値を2倍して反りの大きさα°を得た。
【0088】
(例1)
例1は、比較例としてダミー基板14に印刷をしないで反りの大きさを測定したものである。
【0089】
表1に高温高湿信頼性試験前における反りの大きさを示す。又、表2に高温高湿信頼性試験後における反りの大きさを示す。更に、高温高湿信頼性試験前後の反りの変位として表2及び表1の反りの差を表3に示す。
【0090】
【表1】
Figure 2004063034
【0091】
【表2】
Figure 2004063034
【0092】
【表3】
Figure 2004063034
【0093】
(例2)
例2は、ダミー基板14にインクF29TD(大日精化製)で所定の印刷をして反りの大きさを測定したものである。
【0094】
表4に高温高湿信頼性試験後の反りの大きさを示す。又、表5に高温高湿信頼性試験前後の反りの変位として表4及び表1に示す反りの差を示す。なお、表1は印刷をしていない上記例1の反りの大きさであるが、高温高湿信頼性試験前においては印刷の有無による反りの大きさの際は微小であり無視し得るので、高温高湿信頼性試験前後の反りを算出するに際し、信頼性試験前の反りの実測値はインクの種類に拘らず上記表1のデータを用いている。例3及び例4においても同様である。
【0095】
【表4】
Figure 2004063034
【0096】
【表5】
Figure 2004063034
【0097】
(例3)
例3は前記例2に対して、ダミー基板14の印刷に用いるインクをSP−10615(帝国インキ製)としたものである。その他の条件は前記例2と同じである。
【0098】
表6に高温高湿信頼性試験後の反りの大きさを示す。又、表7に高温高湿信頼性試験前後の反りの変位を示す。
【0099】
【表6】
Figure 2004063034
【0100】
【表7】
Figure 2004063034
【0101】
(例4)
例4は前記例2に対して、ダミー基板14の印刷に用いるインクをDVC−11228(帝国インキ製)としたものである。その他の条件は前記例2と同じである。
【0102】
表8に高温高湿信頼性試験後の反りの大きさを示す。又、表9に高温高湿信頼性試験前後の反りの変位を示す。
【0103】
【表8】
Figure 2004063034
【0104】
【表9】
Figure 2004063034
【0105】
印刷をしていない例1の場合、表3に示されるように、ダミー基板14を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和と、情報記録基板12を成形する固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和とを等しく設定すると、高温高湿信頼性試験前後の反りの変位が最小に近い値となる傾向がある。又、ダミー基板14を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和を、情報記録基板12を成形する固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和よりも高く設定すると高温高湿信頼性試験前後の反りの変位は負の値となり、温度差が大きいほど反りの変位が負の方向に大きくなる傾向がある。
【0106】
一方、印刷をした例2〜例4の場合、表5、表7、表9に示されるように、ダミー基板14を成形する固定型26、可動型28の成形時の金型温度の和を、情報記録基板12を成形する固定型16、可動型18の成形時の金型温度の和よりも高く設定すれば、高温高湿信頼性試験前後の反りの変位が小さくなる傾向がある。
【0107】
特に、例4では3℃高く設定した場合に、例2では6℃高くした場合に、又、例3では9℃高く設定した場合に、それぞれ高温高湿信頼性試験前後の反りの変位が最小に近い値となり、良好な結果が得られる。
【0108】
尚、本実施形態において、情報記録基板12を成形する場合、固定型16にスタンパ24を配設しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動型18にスタンパ24を配設してもよい。この場合、可動型18の成形時の金型温度を127℃とするとよい。
【0109】
又、本実施形態において、DVD−RWタイプの光記録媒体の実施例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、DVD−ROM、DVD−Rタイプの光記録媒体に対しても本発明は適用可能である。
【0110】
尚、本発明に係る製造方法により製造された光記録媒体と、他の製造方法で製造された光記録媒体とを外観で識別することは困難であるが、次の条件を満たす光記録媒体は、他の製造方法で製造された光記録媒体ではなく本発明に係る製造方法により製造された光記録媒体であると考えられる。
【0111】
即ち、
(1)情報記録基板とダミー基板とを貼り付けた構造の、DVD−ROM、DVD―R、DVD−RW等の片面タイプの光記録媒体である。
【0112】
(2)ダミー基板にインクを印刷している場合、高温高湿信頼性試験前後の反りの変位が微小である。
【0113】
(3)ダミー基板にインクを印刷していない場合、高温高湿信頼性試験前後で反りが負の方向に変位する。
という、条件を満たす光記録媒体は、本発明に係る製造方法により製造されたものと考えられる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多様な印刷をしても光記録媒体の環境変化に伴う反りの変位を小さくすることが可能となるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光記録媒体の構造を示す斜視図
【図2】同光記録媒体の情報記録基板の成形のための金型装置を示す側断面図
【図3】同光記録媒体のダミー基板の成形のための金型装置を示す側断面図
【図4】図2における、IV−IV線に沿う断面図
【図5】従来の光記録媒体の反りの態様を示す側面図
【図6】本発明の実施形態に係る光記録媒体の反りの大きさの測定方法を示す側面図
【符号の説明】
10…光記録媒体
12…情報記録基板
12A…情報記録面
14…ダミー基板
15、23…金型装置
16、26…固定型
18、28…可動型
20、22、30、32…金型温調機
24…スタンパ

Claims (5)

  1. 固定型及び可動型の間で樹脂を円板形状に成形する金型装置を用いてダミー基板及び片面が情報記録面である情報記録基板をそれぞれ個別に得る成形工程と、前記ダミー基板及び前記情報記録基板を前記情報記録面を内側にして貼り付ける貼り付け工程と、を含んでなる光記録媒体の製造方法であって、
    前記ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和よりも高くなるように設定した
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記ダミー基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和が、前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型の成形時の金型温度の和よりも3℃以上高くなるように設定した
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記各金型の成形時の温度を120〜130℃の範囲内に設定した
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記情報記録基板を成形する固定型及び可動型のうち前記情報記録面を成形する型の成形時の金型温度を127℃に設定した
    ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法により製造された光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6835270B2 (en) * 1998-08-05 2004-12-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Process and apparatus of producing optical disk and process of producing substrate

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