JP2004061560A - 画像形成装置およびプロセスユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】平均円形度が0.98や0.99と大きいトナーであっても、画像形成に影響与えない程度にクリーニングすることができ、ムラのない、画像濃度良好で、安定性のある高品位の画像を安定して維持しうる画像形成装置およびプロセスユニットを提供すること。
【解決手段】電子写真感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び定着装置が、好適な位置に配置され画像形成が行なわれる間接電子写真法を用いた画像形成装置において、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が積層され、該電荷輸送層が少なくとも有機感光層である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接しトナークリーニングに供せられる先端部がV字若しくはナイフエッジ状に鋭角の形状を有し、前記電子写真感光体に対してカウンター当接、配置される弾性クリーニングブレードとを具備してなることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
【解決手段】電子写真感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び定着装置が、好適な位置に配置され画像形成が行なわれる間接電子写真法を用いた画像形成装置において、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が積層され、該電荷輸送層が少なくとも有機感光層である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接しトナークリーニングに供せられる先端部がV字若しくはナイフエッジ状に鋭角の形状を有し、前記電子写真感光体に対してカウンター当接、配置される弾性クリーニングブレードとを具備してなることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形度が大きい球形トナーであっても良好なクリーニングが行なえるブレードクリーニング装置と、無機フィラーを感光層に分散した電子写真感光体とを搭載し、間接電子写真法で画像形成を行なうための画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光体の耐久化に関する技術として、ファクシミリ、レーザービームプリンタ、電子写真複写機などの間接電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、分離装置、クリーニング装置、除電装置、及び定着装置が配設され、画像形成が行なわれる。
画像形成に使用される感光体には、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、アモルファスセレン(a−Se、a−Se−Te、a−As2Se3など)、アモルファスシリコン(a−Si:H)などがあるが、近年では作製が容易、高感度設計が可能、低コスト、無公害等の多くのメリットを有する有機系感光体が主に使用される。
有機系感光体には、感光層が電荷発生材と電荷輸送材の機能が一体的に構成された単層型と、電荷発生層と電荷輸送層の2層構成となった機能分離型の感光体が主に使用される。
【0003】
本発明では、電荷輸送層が感光体の最表層に形成された機能分離型の感光体を典型例として説明する。
一般的な機能分離型の有機感光体の構成は、導電性支持体上に直接、あるいは下引き層(もしくは中間層)を介して電荷発生層、ついで電荷輸送物質を含有する樹脂層(電荷輸送層)が形成されたものである。本発明では電荷発生層には無機材料、有機材料のいずれも限定されずに使用可能である。
一方、電荷輸送層の構成材料であるバインダー樹脂材料には、高抵抗で透明性が高く、極性依存性の少ないポリカーボネート系樹脂材料(A型、C型、Z型などがある)が好適に使用される。ポリカーボネート系樹脂を使用した感光層はビッカース硬度では、10〜30kg/mm2、鉛筆硬度では2B〜F程度と小さく、引っ張り強度も小さい。さらに、帯電時に生成されるオゾンや窒素酸化物(NOx)等のコロナ生成物が付着し易く、自由表面エネルギー(又は摩擦係数)が小さくなる。したがって、クリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きくなり、感光層にはスクラッチが入りやすく、摩耗し易くなる他、クリーニングブレードの摺擦によって、キーキーという高周波音(振動音)が発生することもある。このような状況の下での有機感光体の耐久枚数は5万枚〜10万枚程度である。
耐久枚数が低いことによって、コピー枚数の多いユーザーでは感光体、およびそれに関連した部材の交換が頻繁となり問題となる。
耐久枚数とは、感光層が摩耗することによって帯電々位が低下し、あるいは摩耗の不均一性によって、地肌汚れや濃度ムラなどの画像異常が生じ、使用できなくなる迄のコピー枚数を指す。
耐久枚数を左右する要因には原稿の画像面積、クリーニング部材、現像剤による摺擦、クリーニング部材によるトナーやキャリア、紙粉などの圧接、前記した帯電時に発生するコロナ生成物等がある。感光層が摩耗することにより、静電容量が大きくなるため、帯電々位は低下する。したがって、帯電電位と現像バイアス電位間の余裕度が小さくなり、地肌汚れの可能性が大きくなる。
【0004】
4連タンデム方式のカラー複写機(感光体を4本使用し、感光体毎に帯電、露光、現像(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック現像剤)、クリーニング装置を配した複写システムで、転写は一括して行なわれる。)では、地肌汚れの他、原稿の色や、画像面積、現像剤の送り量、トナー量などによって、4本の感光体の摩耗に違いが生じるため、色の均一性、色再現性の低下となって現れる。
感光体の耐摩耗性を向上させることは、トータルコストの低減化、画像品質に対する信頼性を保証する。したがって、感光体の高耐久化を図ることは重要である。
感光体を高耐久化する技術には、感光体表層に耐摩耗性の薄膜を形成する方法、耐摩耗性の感光材料で感光層を構成する方法、感光層の最表面を耐摩耗性にする方法、等がある。
【0005】
以下に、耐久性を向上させるための開示例を示す。
(1)特開平1−92756号公報、特開平2−79047号公報、特開平4−66954号公報等には、感光層上に蒸着、CVD法などの乾式の製膜法を使用して、可視光から赤外光領域の透過性が高く、帯電特性、残留電位が許容できる体積固有抵抗(1011〜1014Ω・cm)を有する耐摩耗性の高いa−SiC層(非晶質炭化シリコン層)やa−C層(非晶質炭素層)、DLC層(Diamond Like Carbon層)等の均一薄膜を形成することが記載されている。
上記する薄膜の膜硬度(ヌープ硬度)は500〜2000(kg/mm2)と、有機材料の20〜100倍程度大きいため、感光体の高耐久化を図るのには有効な手段であり、2μm程度の薄膜でも、50万枚〜100万枚程度の耐久性を達成することが、本発明者等によって確認されている。
しかしながら、上記した薄膜で感光体の高耐久化を図ることができるが、帯電時に発生したオゾンや窒素酸化物(NOx)等のコロナ生成物が付着したり、酸化により低抵抗化することがあり、また、耐摩耗性が大きいために、付着物が容易に除去されず、比較的早い段階で、画像流れが起こるという問題がある。また、有機感光層などの柔らかい樹脂層の上に形成した場合には、ブレードの圧接やオゾン生成物の作用によってピンホールや剥離を発生し易いこと、さらに、ローラ帯電方式では帯電ムラが起こりやすい等の問題がある。
【0006】
(2)特開平06−035220号公報、特開平08−234469号公報には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン酸化インジウム、酸化ビスマス、錫ドープ酸化インジウム等の導電性微粒子を分散した感光層を用いて感光体を構成することが記載されている。
感光層中に高硬度の導電性微粒子を適当量分散することによって、耐摩耗性を向上させることが可能である。低抵抗の微粒子を使用することで、電荷注入帯電には有効であるが、ハザードのきつい接触帯電法を使用する場合、画像流れが生じやすく、画像品質低下に対する耐性をも両立させることはかなり難しい。
【0007】
(3)特開平08−123053号公報には、0.02〜5μm(好ましくは0.07〜2.0μm)の無機化合物粒子、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウムなどの金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物とブタジエン系電荷輸送材料を含有した感光層を用いて感光体を構成することが記載されている。
この手段は、シリカを除く高抵抗の無機化合物粒子を感光層中に分散することによって耐摩耗性を向上させ、帯電能を確保することが可能である。感光層中にブタジエン系電荷輸送材料を含有させることによって、電荷輸送層と同じように電荷の移動度を保持できるため、感度低下も少なく帯電、感度に関しての課題はある程度払拭できる。しかしながら、粒子とバインダー樹脂間はトラップサイトを形成しやすいため、単に含有させただけでは繰り返し使用によって残留電位が蓄積し、光減衰の劣化が生じ、次第に画像濃度低下、画像ムラを生じることがある。また、大粒径のフィラーを使用すると、ライン画像のシャープ性低下が生じ、一方では、クリーニングブレードのエッジが変形し、クリーニング不良を起こしやすいといった問題がある。
シリカを使用した場合、オゾンによる酸化作用のため、感光層の急激な低抵抗化を招き、60%RH程度の常湿環境であっても、画像流れを起こしやすい。
【0008】
(4)特開平08−234455号公報には、厚さ12μm以下の電荷輸送層に1〜3μmの粒径のシリコーン樹脂、フェノール樹脂、SiO2(シリカ)、Al2O3(アルミナ)、TiO2(酸化チタン)、ZnO(酸化亜鉛)を分散した感光層で感光体を構成することが記載されている。
この技術は、ある程度大きな粒径の粒子を使用することで、高耐摩耗性を図るものであるが、粒子の粒径が大きいため、感光体表層の表面粗度が大きくなり、画像エッジのシャープ性が欠けること、また、ブレードクリーニング方式を用いた場合、エッジが歪み、トナー抜けが生じ、コピー紙の画像品質の低下や、地肌汚れの原因を起こしやすいこと、更に、ブレードエッジが欠け、クリーニングブレードの耐久性が維持できない等不充分な点がある。
【0009】
(5)特開平08−146641号公報には、平均粒径が0.02〜0.5μmの酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素などの無機化合物微粒子を1種又は2種のポリカーボネート樹脂中に分散した感光層が記載されている
この技術は、(3)に記載した内容とほぼ同様であるが、小粒径の粒子を使用しているため、粒子による画像品質の劣化は小さい。但し、粒径が小さい領域(例えば0.1μm以下)では、添加効果が発現されにくいので、耐久性アップの効果は小さい。
【0010】
(6)特開平08−248663号公報には、0.01μm〜2μmの表面粗さの導電性支持体上に形成された表面粗さが0.1〜0.5μmの感光層に、平均粒径0.05〜0.5μmの無機微粒子(疎水化処理したシリカ)を0.05〜15μmの厚みにわたって分散することが記載されている。
この手段は、分散するシリカ粒子に疎水化を施すことによって、高耐久化と、コロナ生成物などの汚染物質の付着で起こる解像度低下、画像流れを防止するものである。
無機微粒子の疎水化によって水滴の弾き効果(接触角が大きい)は発現するが、コロナ生成物の付着までは防止できないため、画像流れは防止できない。また、感光層表面に出た疎水処理を施された無機微粒子は、ブレードなどによる摺擦により被膜が削れる問題点があり、また、シリカはオゾンの作用によって低抵抗化が進行するため、画像流れの改善は殆ど不可能である。
【0011】
感光体の表面粗度に関する記述
感光体の表面粗度は、画像品質を維持していく上で重要である。表面粗度は粒度を持った物体を、感光層に付与したり、または粒状材料を分散した薄膜を形成したりすることによって左右される。また、粒度が大きくなると共に、表面粗度が大きくなる。特に、感光層に分散されるフィラーの粒径が0.7〜1.0μm程度以上になると、表面粗度は10点平均粗さRzJISで0.8μm〜1.5μm程度、最大高さRzは2〜3μm程度となる。この様に表面粗度が大きいと、感光体表面の電荷密度が散漫になり、また、転写時のコピー用紙の密着性にも影響が生じるため、文字エッジのシャープ性が欠けた画像になる。また、粒子間にコロナ生成物が溜まり、クリーニング不良になるため、画像流れを起こす素因となる。
更に、クリーニングブレードの感光体に当接するエッジ部が局部的に歪みを起こすため、ブレードと感光体間に隙間ができ、トナーのクリーニング不良が生じる。この様な繰り返しが続くと、次第にブレードエッジが欠け、恒常的なクリーニング不良となる。したがって、帯電部材が汚染し、コピー用紙の地汚れが起こる。
良好な画像品質を得るためには表面粗度は小さい方が望ましいが、あまり表面粗度が小さいと、感光体とクリーニングブレード間の摩擦係数が高くなるため、ブレードエッジが感光体に引きずられて変形し、同様にクリーニング不良の要因となる。一般に使用されるブレードの硬度は、例えばJIS−A硬度で50度〜75度の短冊状のゴム部材が使用される。
この様な部材では変形して歪みを生じ易いため、感光体との間に僅かな隙間を生じ、球形度の高いトナー程、その隙間から、帯電装置側へすり抜けや送り出し易くなり、また、ブレード先端部にトナーが滞留し、感光体への押さえつけが起こり易い。
この様な状況が続くと、地肌汚れや、ライン画像の画像潰れを起こし、クリーニングブレードにおいては恒常的なクリーニング不良が起こりやすくなり、ブレードの早期交換を余儀なくされる。
【0012】
感光体の真円度・真直度に関する記述
有機感光体は殆どがドラム上の導電性支持体上に感光層をコーティングすることによって作製されるが、濃度ムラのない画像品質を提供するためには、画像形成開始時の感光体外径は可能な限り真円、真直であることが必要である。特に帯電ローラを使用した帯電方式の場合は重要である。
【0013】
真円度、真直度に関した従来例を示す。
例えば、導電性支持体では、特開平11−143292号公報には感光体の真円度を10〜30(μm)に設定することが記載され、特開平07−319326号公報には真円度、真直度を0.080mm(80μm)〜0.002mm(2μm)に設定することが望ましいと記載され、特開2001−222129号公報には真直度を0.1mm以下に設定することが望ましいと記載されている。
【0014】
真円度、真直度は、感光体の導電性支持体で抑えておくことが基本であるが、感光層塗布後の加熱乾燥時、感光体にフランジを装着するとき、及び、感光体内部への制振部材装着時に少なからず変形を起こし変化する。真円度、真直度は小さい方が望ましく、大きい程感光体はいびつな回転をし、ローラ帯電を使用した場合には、帯電ムラが起こり、現像部では現像ムラを生じる。したがって、支持体のみで押さえるのは不充分で、完成した感光体で目標値に納めるのが重要である。
【0015】
トナーおよびキャリアに関する記述
画像形成装置では、帯電、画像露光によって形成された静電潜像を可視化するのに、1成分系の現像剤、若しくは、トナーとキャリアを適当量配合した2成分系の現像剤が使用される。現像方式にはマグネットブラシ現像法、噴霧現像法、カスケード現像法、飛翔現像法などがあるが、主流はマグネットブラシ現像法である。
2成分系の現像剤に使用されるキャリアには、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどの帯電制御剤を含有する樹脂被覆を有する30〜80μm程度粒径の磁性紛が使用される。粒径が小さいほど、高解像度が得られやすいが、あまり小さいと、キャリアが感光体に付着しやすくなるため、画像抜けや感光体の傷つきの要因になる。したがって、複写システムに適応したキャリアの選定が必要となる。
【0016】
一方、トナーは近年、カラー複写機の普及にともなって、高精細化、画像の再現性が益々要求される様になり、粒径は4〜8μmの小粒径のものが主流に使用される。
トナーの製造法には主として粉砕法と重合法がある。
粉砕法は重合によって製造されたバインダーポリマー中に、着色剤、帯電制御剤などの添加剤を溶融、混練して得られた固まりを粗粉砕、微粉砕してふるいで分級する方法である。
粉砕法ではトナーを細粒化できるというメリットがあるが、工程が複雑であるため、コストが高くなりやすい。
【0017】
粉砕法で製造されたトナーは形状がいびつな凹凸のある形状(異形)のものである。現像剤用のトナーとするために更に角を丸める工程が付加され、分級により篩い分けられ一定粒径のものとなる。一般的に使用されるトナーでは、トナーの円形度が小さい(角張っている)ため、粒子の帯電が一様になりにくく、転写不良を起こしやすい。また、クリーニングブレードで感光体に押さえつけられると、スクラッチが起こりやすい傾向が見られる。
また、初期にはシャープ性の良好な高解像度が得られても持続し難い、コピーのコピー(2代目、3代目コピー)をプリントした場合、解像度が極端に悪くなり、実用に供しないといった問題点がある。このため、更に球形度を上げたトナーの開発も行なわれているが、更にコスト高になるため、重合法への転換も進められている。
【0018】
重合法の主たる製造方法には懸濁重合法や乳化重合法等がある。例えば、懸濁重合法の場合、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等の添加剤を均一化処理し、分散媒、分散剤を添加し重合して製造される。重合法は工程が簡素化されているため、粉砕法に比べ製造コストが安い。また、粒径が比較的良く揃っており、異形状の粒子が殆ど製造されない(殆どが球形トナーである)というメリットがある。
重合法で製造された粒子は殆どが球形であり、粒径がほぼ揃っているため、帯電を均一に揃えやすく、潜像にほぼ忠実に付着する。そのため、転写効率が高く、高解像度を得られやすく、画像の再現性が高い。このことから、近年はメリットの多い重合法で製造されたトナーが使用される例も多い。
【0019】
重合法で作製された球形トナーの円形度は、球形化された粉砕トナー(0.91〜0.95程度)に比べて更に大きい(0.98〜0.998)ため、ブレードクリーニング法ではクリーニング不良を起こしやすいという問題点が起こる。これまでの粉砕トナーで使用されてきた通常のクリーニングブレードは、そのブレード硬度が50度〜75度程度と比較的柔らかいゴムブレードが使用されているため、ブレードの押圧で感光体に凹みを生じると、同時にブレードエッジも歪む。また、感光体の摩擦係数が高いために、ブレードの先端部が感光体に巻き込まれ変形する。このため、ブレードと感光体間に僅かな隙間を生じ、クリーニングブレードに滞留したトナーは、ブレードの隙間を抜ける、いわゆるトナー抜けが発生する。このトナー抜けは引っかかりが少ない球形トナーほど大きくなる傾向がある。
ブレードの当接圧を軽くしているクリーニング装置では、殆どクリーニングされないこともあり、また感光体表層が柔らかい感光体ほどクリーニング性が行なわれにくいという傾向がある。
【0020】
クリーニングに関する記述
トナーをクリーニングする方法には、1体のクリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)、若しくは順回転方向(リーディング)に設置させて行なう2通りがあるが、更に必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。
ブレードクリーニング方式では画像形成装置の小型化には有利な方法であるため、殆どの画像形成装置に採用されている。
ブレードクリーニング方式では、ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
クリーニングブレードはJIS−A硬度が50度〜70度程度、反発弾性率が40〜70%程度の弾性板ゴムを、幅1.5mm〜3mmの短冊状にカットし、アルミニウムや鉄製の板状支持基体に取り付けて使用するのが一般的である。
現在、一般的に使用されるクリーニングブレード用のポリウレタンゴムは、ポリカーボネート樹脂製の感光体には密着し易く、感光体とブレード間の摩擦抵抗が極めて大きい。
このため、通常は、何らかの潤滑剤を感光体表層に取り込むなり、外部より付与することが行なわれており、一端回転するとトナーもある程度の潤滑剤となるため、特に摩擦係数の低減化が困難なバインダー樹脂を使った感光体でない限り、感光体を正常に回転させることができる。しかし、充分に摩擦係数が低くなっている訳ではないので、クリーニングブレードのエッジが感光体に当接されると、エッジ部が感光体の回転方向に引っ張られ、エッジが歪みを起こし、ビビリ(振動)現象を生じる。このときブレードと感光体間に僅かな隙間を生じるため、感光体に付着しているトナーや、紙粉などの粉体がすり抜ける現象が起こる。トナーのすり抜けはトナーフィルミングや、帯電部材の汚染となり、帯電不良、画像品質の低下などを引き起こす。
トナーがすり抜ける他の要因としては、クリーニングブレードのカット幅が1.5〜3(mm)であるため、押圧及び感光体に引きずられることによって変形し、カット面が感光体に近づき、トナーがブレードと感光体間に挟まれることによって、ブレードに浮きが生じた場合、感光体表層の耐久化が図られていない通常の有機感光体では、表面層が柔らかいため、ブレードのエッジの食い込みが生じ、エッジが歪み、均等な当接ができない場合等がある。このことから、感光層表面はある程度硬く、かつ、感光体との密着度が増さない範囲で、表面粗度は可能な限り小さい方が好ましいと言える。
【0021】
球形トナーを良好にクリーニングする方法についてはいくつかの開示例がある。
特開2001−242758号公報には、複数枚の板状のクリーニングブレードを張り合わせ、感光体に当接しているブレードAと当接していない側の反発弾性Bとの関係を0.1B<Aとし、10〜30N/mの押圧に設定することが記載され、特開平5−265360号公報には、クリーニング部材に板状の導電性ブレードを使用し、該ブレードに交流バイアス及び、現像時のトナーが帯電する電荷と同極性の直流電圧を印加することが記載され、特開2001−312191号公報には、形状係数SF−1を100〜140、SF−2を100〜120とするトナーを使用し、感光体にカウンター方向に当接したクリーニングブレードを線圧が20g/cm〜60g/cmとなるように設定することが記載され、特開2001−305776号公報には、板状のクリーニングブレードを使用し、感光体表層に1次粒子の平均径が5〜500nmの珪素化合物微粒子を固形分全重量基準で、3〜30重量部含有させることが記載されている。
【0022】
トナーを良好にクリーニングするためには、回転によってクリーニングブレードエッジ部が振動しないようにすること、ブレードのエッジ部が感光体に引きずられて歪まないようにすること、さらにはブレードによってトナーが押しつけられる余地を作らないこと(駆動中にブレードは感光体に対し面当接でなく線当接すること)が重要である。このためには、クリーニングブレードの形状や変形に強いことは元より、感光体側にもする抜けが起こらない様な対策が必要である。ブレードの振動は感光体の摩耗を増長させる要因にもなる。
また、感光体の摩擦係数が大きいと、ブレードが歪み易く、トナーが感光体に付着し易い。したがって、ブレードのエッジ部は浮き、トナーのすり抜け現象が生じる。開示例では一定の効果は認められるが、いずれの方法においてもなお、改善する余地が残されており、長時間の使用によって、クリーニング性が低下する可能性を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、平均円形度が0.98や0.99と大きいトナーであっても、画像形成に影響与えない程度にクリーニングすることができ、ムラのない、画像濃度良好で、安定性のある高品位の画像を安定して維持しうる画像形成装置およびプロセスユニットを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
平均円形度が高い0.98や0.99程度の球形トナーが、クリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良を起こす現象について検討した結果、以下に示す内容によって起こることが判明した。
クリーニングブレードに使用されるブレードには、一般に硬度が70度前後の比較的柔らかい弾性体が使用される。クリーニングブレードは短冊状にカットしたブレードエッジが感光体に線接触するように当接している。感光体が回転すると、回転方向にブレード先端部が引きずられ、先端部が潰れや捻れを起こし、感光体の間に隙間を生じたり、引きずり込まれて、トナーが潜り込む現象が生じる。感光体の真円度、真直度が大きい場合(凹凸や歪みが大きい)、摩擦係数(又は表面自由エネルギー)が大きい場合、感光体の硬度が低い有機感光体を使用した場合、感光体が回転時に振動する場合等に、ブレードエッジに歪みや捻れ、浮き等が起こりやすいことが判明した。
トナーのクリーニングブレード抜け(クリーニング不良)が起こると、地肌汚れの要因になるばかりではなく、クリーニングブレードの寿命低下、感光体の摩耗促進による耐久性低下を引き起こす。このことはコストアップへとつながる。
【0025】
上記課題について解決手段を鋭意検討した結果、下記に記載する事柄を実施することで、達成できることが判明した。
真円度および真直度が夫々「20μm」、「±20μm」であり、電荷輸送層の膜厚が「10μm〜30μm」である感光層の表層から、「6.7%〜80%」の深さにわたって、1次平均粒径が「0.2μm〜0.7μm」のアルミナを「10重量%以上、40重量%以下」分散して、鉛筆硬度Hpは「HB≦Hp<2H」となし、また、表面粗度を10点平均粗さRzJISで「0.4μm〜0.8μm」、最大高さRzで「1.0μm以下」とした感光体、及び、
JIS−A硬度が「80〜90度」、感光体との当接圧が「15g/cm以上、25g/cm以下」、感光体と当接するエッジ部が、側面より見てシャープカットされた形状を有し、感光体との当接する部位のエッジ幅Wが「0<W≦0.5mm」で、感光体に対して「カウンター方向」に当接できるクリーニングブレード、
を組み合わせた画像形成装置で達成できる。
【0026】
具体的には以下の通りである。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「電子写真感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び定着装置が、好適な位置に配置され画像形成が行なわれる間接電子写真法を用いた画像形成装置において、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が積層され、該電荷輸送層が少なくとも有機感光層である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接しトナークリーニングに供せられる先端部がV字若しくはナイフエッジ状に鋭角の形状を有し、前記電子写真感光体に対してカウンター当接、配置される弾性クリーニングブレードとを具備してなることを特徴とする画像形成装置」、(2)「前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、フィラー分散電荷輸送層は電荷輸送層全膜厚の6.7%〜80%を占めることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(3)「前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、該両層間には明確な界面が存在しないことを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(4)「前記フィラー分散電荷輸送層中に添加されるフィラーの量が、フィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(5)「フィラーの平均粒径が0.2μm〜0.7μmのアルミナであり、アルミナを分散した電荷輸送層最表面の画像形成時における10点平均粗さが0.4μm〜0.8μm、最大粗さが1.0μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(6)「電子写真感光体の画像形成開始時における静止摩擦係数が0.3〜0.5であり、潤滑剤付与時の画像形成100枚以降の平均摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(7)「前記フィラー分散電荷輸送層の表層における鉛筆硬度(Hp)はHB≦Hp<2Hであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(8)「画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が0〜20μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(9)「前記電子写真感光体が制振部材を内蔵して、画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が20μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(10)「前記電荷輸送層の総膜厚が10μm以上、30μm以下であり、現像時の、現像位置における電子写真感光体の保持する電界強度が(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(11)「前記感光体と当接するクリーニング部材のエッジ角度が鋭角であり、JIS−A硬度80〜90度のゴム状弾性体であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(12)「前記ゴム状弾性体の電子写真感光体と当接するエッジの当接圧(線圧)が15g/cm以上、25g/cm以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(11)項に記載の画像形成装置」、(13)「前記ゴム状弾性体の感光体に当接する先端部のエッジ幅をWとすると、0<W≦0.5mmであることを特徴とする前記第(1)項又は第(10)項乃至第(12)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(14)「前記ゴム状弾性体が金属製支持基体に固定されたクリーニング部材であることを特徴とする前記第(1)項又は第(10)項乃至第(13)項のいずれかに記載の画像形成装置」によって解決される。
【0027】
また、上記課題は、本発明の(15)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体、直流電圧、若しくは交流電圧重畳の直流電圧が印加可能な接触若しくは非接触帯電装置、単色光で電子写真感光体に光書き込みを行なう画像露光装置、4色トナーからなる現像装置、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載のクリーニング部材を使用したクリーニング装置、トナー像を転写するベルトタイプ中間転写装置1系統が夫々配設され、画像形成が行なわれることを特徴とする4連タンデムカラー複写方式の画像形成装置」によって解決される。
【0028】
また、上記課題は、本発明の(16)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の内容の電子写真用感光体と、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載の内容のクリーニングブレードとを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット」、(17)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真用感光体、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載のクリーニングブレードおよび現像装置とを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット」によって解決される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
1.複写プロセス
本発明における間接電子写真方法を用いた複写プロセスを、図1及び図2を使用して説明する。
複写プロセスは、感光体(1)を中心に、帯電装置(2)、画像露光装置(3)、現像装置(4)、転写装置(5)、分離装置(6)、クリーニング装置(7)(クリーニング装置(7)は、基本的にはクリーニングブレード(7−1)で構成されるが、更にクリーニングブラシが付加されることもある)、定着装置(8)及びコピー用紙(9)が夫々配置される。なお、図1に記載の感光体(1)には、帯電装置に交流電圧を重畳したときに発生する振動音(高周波音)を抑制するための制振部材(10)が内蔵されているが、直流帯電の場合は、特に内蔵する必要はない。
【0030】
図2には、感光体表層の摩擦係数を低減化させて、感光層の耐摩耗性、クリーニング性、転写性を向上させる等のため手段として、クリーニング装置(7)と帯電装置(2)の間に潤滑剤付与装置(200)((201)は潤滑剤、(202)は塗布ブラシを示す)を配設した場合の概略図である。
付与する手段は図示する方法以外に、現像剤中に添加することによっても行なうことが可能なため、必ずしもこのような装置の搭載が必要という訳ではない。
【0031】
カラー電子写真複写機やカラーレーザービームプリンタには、複写スピードの面で有利な、4本の感光体と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4系統(色)の現像装置を使用した4連タンデム方式の複写方式があるが、この複写装置についても4回の複写サイクルを繰り返すだけで、図1若しくは図2を使用して説明が可能である。図3にタンデム方式の複写システムの一例を示す。
図1〜図3に示す装置は、感光体とクリーニング部材、感光体と現像装置およびクリーニング部材、感光体と現像装置が一体的に構成されるプロセスユニットとして、画像形成装置を構成することも可能である。図4に、感光体、帯電、転写、クリーニングの各装置若しくは部材を組み込んだプロセスユニットの一例を示す。
【0032】
感光体(1)はドラム状の導電性支持体上に下引き層(若しくは中間層)を形成し、その上に感光層が形成された構成のもので、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなり、膜厚は10〜30μm程度に設定される。電荷発生層は画像露光によって生じた、ホール・エレクトロンペヤー(正孔・電子対)が正常に移動可能であれば、無機系、有機系のいずれの材料も使用可能である。
本発明では、電荷輸送層はフィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層とからなる。
フィラー分散電荷輸送層は電荷輸送層(フィラー非分散電荷輸送層+フィラー分散電荷輸送層)全膜厚の6.7〜80%の膜厚を占有し、フィラーはフィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下分散され、耐摩耗性およびクリーニングブレードの食い込みに対する耐性が図られる。
また、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層とは、両層間には明確な界面が形成されない様に作製される。
感光体には帯電時、若しくはクリーニングブレードの摺擦時に発生する振動音を抑制するための、取り外し可能な制振部材が感光体内壁に密着するような形で内蔵させることができる。また、感光層の表層には必要に応じて、潤滑剤を付与することもできる(トナー中に潤滑剤を添加して感光体に付与するか、図2に示すような塗布ブラシを介して塗布するか等いくつかの方法がある)。
【0033】
感光体(1)には帯電装置(2)により−350V〜−1000Vの帯電が行なわれるが、コロナ生成物の影響、放電破壊等を勘案すれば、画像品質が保証される範囲内で、画像形成に必要な暗部電位Vdは可能な限り低くする方が良く、現像装置位置での暗部電位Vdは−350〜−800Vの範囲の一定値になる様に設定することが望ましい。
【0034】
帯電方式はコロナ帯電方法に比べてオゾン生成が遙かに少ない、環境面に有利な接触帯電方法、またはコロナ生成物の発生は多くなるが、非接触帯電方法が好適に使用できる。帯電に使用される帯電部材には、ローラ状、ブラシ状、シート状形状部材の他、磁性紛を使用した磁気ブラシなどがあり、本発明ではいずれも使用可能である。画像品質、帯電安定性、耐久性等を勘案すると、弾性部材を使用したローラ帯電方法が望ましい。
【0035】
ローラ方式の帯電部材は、芯金にφ5〜φ15(mm)のSUS製丸棒、感光体を帯電する弾性部材には、ウレタンゴムやヒドリンゴムに、カーボンや金属微粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂などの撥水剤を添加して、比抵抗を102〜1012(Ω・cm)に調整したものが使用される。硬度はJIS−A硬度で30〜80度程度である。外形寸法はシステム条件に応じて、φ10〜φ20(mm)程度に設定される。
【0036】
接触帯電の場合はニップを稼ぎ、帯電の安定性を高めるために、硬度は低い方が望ましく、非接触帯電の場合、感光体に接触しないため硬度の限定はないが、硬い微粉末状異物が混入した場合には、硬度大きいと感光体にピンホールを開ける可能性が高いため、下記理由によりクッション作用も含めて、硬度は低い方が望ましい。
感光層に硬い導電性の微粉末(アルミ粉や鉄粉など)が刺さり、導電性支持体、若しくは下引き層までのピンホールが生じると、放電破壊を生じ完全に導通状態になる、この様な状況では帯電ローラからの電流が流れ込むため、比抵抗の低い帯電部材を使用した場合には、ピンホールのある部位は帯電部材の長さ方向にわたって黒帯が発生する。一方、高過ぎると帯電特性の悪化が生じるので、105〜1010(Ω・cm)の範囲に設定された帯電部材を用いる。
【0037】
ブラシ帯電方法を使用する場合には、ブラシ一本が3〜10デニールの導電性繊維(例えば、ポリエステル繊維にカーボン、イオン導電剤などを添加した繊維)を10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度で支持体に植毛し、毛足を1〜10mmの間でカットした導電性ブラシが好適に使用できる。
【0038】
一方、磁気ブラシ帯電方法を使用する場合には、平均粒径が25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径が10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比で1:0.05の割合で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いて、その被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、磁気ブラシとして使用する。
【0039】
帯電部材には、−1100〜−1500Vの直流電圧単独、若しくは−500〜−1500Vの直流電圧に、1000〜2000V/500Hz〜4500Hzの交流電圧を重畳した直流電圧が印加される。交流電圧の波形は通常は正弦波が一般的に使用されるが、三角波(又は鋸歯状波)であってもよい。
感光体に印加される電界強度は、現像装置すなわち潜像を現像する位置で(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)であることが望ましい。この電界強度は10〜30μmの感光体を(−)350〜800(V)帯電するのに相当する。画像形成時の感光体に掛かる電界強度が大きいと、感光層にピンホールが発生した場合に放電破壊現象に到る確率が高くなり、電界強度が低い場合には、画像品質が貧弱になる可能性が高くなるため、感光層には適正な電界強度に設定することが重要である。
【0040】
帯電後、感光体(1)には、CCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿画像、或いはパーソナルコンピュータなどから送信されたデジタル信号を、一個若しくは複数個のLD(Laser Diode)素子、若しくはLED(Laser Emitting Diode)アレイ、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置(3)によって、60〜20μm程度のドット径に絞り込まれた単波長の光像が照射され、入力信号に応じた静電潜像が形成される。LD素子もしくはLEDアレイは感光体の最高感度領域に即した発光波長の素子が選択される。発光波長が短くなるほど、スポット径を絞り込むことができるため、400〜450nm程度の短波長側に発振波長を有するLD素子は1200や2400dpi等の高解像度を得る場合に有利であり、本発明の画像形成装置に搭載して使用することができる。
画像形成に必要なコントラスト電位は通常250V〜600V程度に設定する。
コントラスト電位は、ここでは明部電位Vlと現像バイアス電位Vbの差[Δ(Vl−Vb)]を云う。現像バイアス電位Vbは繰り返し電位変動に伴う地肌汚れ余裕度を考慮して、帯電々位Vdより100〜150V程度高目に設定される。
【0041】
感光体(1)に形成された静電潜像を可視化するために、1成分トナー(磁性トナー)、もしくは、トナーとキャリアからなる2成分系の現像剤を使用した現像装置(4)が使用されるが、本発明では主として2成分系の現像剤を使用する。
2成分現像剤のキャリアには、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁性を有する粉体(磁性紛)に帯電性及び帯電安定性、耐久性等向上させるためにポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂等で被覆されたものが用いられる。キャリアの粒径は30〜60μm程度である。
キャリアの粒径は解像度に影響を与え、小さい方が解像度は向上する傾向にあるが、あまり小さいと、感光体に付着し易くなるため、トナー像の転写不良化(転写抜け)を起こしたり、クリーニング部まで搬送されると、ブレードで感光体に押しつけられる結果、感光体面が傷つき、感光体の耐久性を短くする一因にもなる。
一方、トナーには、前記した粉砕法で製造され、角張った領域を削いで球形処理されたトナー、あるいは、重合法(乳化重合法、懸濁重合法など)で製造された球形トナーで、粒径4〜8μmのトナーが使用され、キャリアに対して2〜10(重量%)混合される。
トナーの粒径もキャリア同様に解像度に影響を与えるが、あまり小さいと、飛散した場合、健康に害を及ぼす懸念(環境破壊=公害)があり、せいぜい4μm程度が使用限度と思われる。
【0042】
現像が終了すると、転写装置(5)を用いて、トナーの保持する電荷とは逆極性の電圧(若しくは電界)が印加され、コピー用紙(9)にトナー像が転写される。図1には、ベルト形状の転写装置(5)(転写ベルトは基本的には支持基体、弾性層、被覆層からなる)を図示したが、この他には、ローラ形状、ブラシ形状、コロナ放電方式の転写装置が使用できる。
転写が終了した後、コピー用紙は交流電圧、もしくは交流電圧を重畳した直流電圧が印加された分離装置(6)により、感光体(1)より分離され、定着装置(8)に送られ、ハードコピーとなる。分離装置(6)は、金属線や鋸歯状電極に交流電圧若しくは直流電圧を重畳した電圧が印加するコロナ放電装置が一般的である。コピー用紙を介して感光体に印加される電界強度はコピー用紙が感光体より離れる程度の量で良いため、コロナ生成物の発生量は少なく、感光体ダメージを与える程の量ではない。なお、感光体の直径がφ30mm以下の場合には、紙の腰によって分離装置を省略できることもある。
一方、コピー用紙分離後の感光体上の残留トナーはポリウレタンゴムやシリコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム等の材料からなるクリーニングブレード(7−1)、もしくは/さらにポリエチレンや、ナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシと併用して構成されるクリーニング装置(7)により清掃され、一連の複写プロセスは終了する。
【0043】
次に感光体について述べる。
2.感光体
2−1.感光体概略
感光体の構成はドラム状のアルミニウム製導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の順に構成された感光体で、電荷輸送層は少なくとも有機感光層で構成される。
電荷輸送層は有機感光層単独でも使用することが可能であるが、感光体の耐久性、画像品質の維持性能を向上させるために、クリーニングブレード、現像剤が直接触れる感光層面に高硬度のフィラーを分散させた、フィラー分散電荷輸送層を有機感光層上に形成することが好ましい。フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなる電荷輸送層を有する例の模式図を図5に示す。すなわち、電荷輸送層は、フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなり、フィラー分散電荷輸送層は全電荷輸送層の6.7〜80%の膜厚を占めるように構成する。または、電荷輸送層は、フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなり、両層間には明確な界面が存在しない様に層構成される。フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散輸送層ならなる電荷輸送層は、低分子電荷輸送物質に結着樹脂、必要に応じて酸化防止剤、分散剤等を適当量分散した層、若しくは高分子電荷輸送物質から構成され、感光体の要求される品質に応じて、膜厚や層構成を設定することができる。
【0044】
フィラー(本発明では特にアルミナ(α型)からなる無機フィラーが好適に使用される)を添加する第1の目的は、フィラーを適当な量添加することにより、感光体表層の硬度アップを図り(鉛筆硬度HpはHB≦Hp<2H)耐摩耗性を上げることによって、感光体の寿命を延ばすと共に、画像品質の安定化を図ることである。但し、大幅な硬度アップは、感光層の摩耗を少なくするため、画像流れ等の画像劣化を引き起こす要因となる。
なお、JIS K 5401に基づいて作製された鉛筆引っ掻き試験器(表面性測定器 新東科学社製 HEIDON−14型)とJIS規格標準鉛筆(三菱鉛筆“ユニ”)とを使用し、加重100g(分銅)で測定した場合を本発明での鉛筆硬度と規定する。
【0045】
硬度を測定する手段には鉛筆硬度の他、引っ掻き硬度、ビッカース硬度、ヌープ硬度などがあるが、分散系のフィラー分散電荷輸送層に対しては、ブレードによって感光層が擦がれる様な摩耗(アブレッシブ摩耗)であることから、鉛筆硬度による測定方式で判定することは望ましい方法である。鉛筆硬度が大きいと云うことは、フィラーの添加量が多いか、粒径が大きいか、すなわち、表面粗度が大きいことを意味し、画像品質の低下、コロナ生成物などの異物が付着しやすくなり、あまり硬度が大きいことは望ましいことではない。
【0046】
第2の目的は感光層表面に小粒径フィラーを分散させることによって、好適な硬度に設定し、摩擦係数の大幅な上昇を抑制することと、クリーニングブレードエッジの層中への食い込みを抑制して、ブレードエッジの歪みや変形を極力少なくし、クリーニングブレードで堰き止められなかったトナー(特には球形度が高い重合法で製造された球形トナー)がブレードを抜けるのを極力排除することである。
感光層表面がフィラーの添加されていない樹脂の層であると、コロナ生成物や、紙粉、トナー構成物、大気中水分等の作用で、摩擦係数(又は自由表面エネルギー)が大きくなり、クリーニングの際にブレードエッジが感光体に食い込み、感光体の回転方向に引きずられて、変形や局部的な歪みを起こし、感光体との間に隙間を生じトナー抜けを起こす要因を作り出す。また、つぶされたブレードはトナーを感光体に押しつけ、更にトナーの滞留を招き、更なるトナー抜けを増長する。但し、潤滑剤などで、感光体表層の表面エネルギー(若しくは摩擦係数)を低くした場合には、トナー抜けは改善は行なわれるが、表面エネルギーの低減化だけでは不充分である。
この変形や歪みを極力少なくするために、感光層にフィラーを分散して、極端な摩擦係数の上昇が起こらないようにすると共に、食い込みを抑える。
但し、トナー抜けは、上記したフィラー含有の感光体を使用するだけでは不充分であるため、球形トナーを100%近いレベルまでクリーニング性を向上させるためには、感光体が回転時にあっても、ブレードエッジのつぶれや歪みなく、線接触を維持し、トナーがブレードによって、押しつぶされない様な状態が生じない、特定のクリーニングブレードを使用することで課題を達成可能である。さらに、必要に応じて潤滑剤を感光体表層に付与して、感光体表層の摩擦係数を低減化することにより長期的に安定したクリーニング性を確保すると共に、クリーニングブレードの耐久性を維持する。
なお、電荷輸送層の構成物質である低分子電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質に変える方法も耐摩耗性向上を図ることのできる一手段である。
【0047】
感光層の厚みは、充分なコントラスト画像を得るための帯電々位と、コントラスト電位が確保できる膜厚とすることが望ましい。コントラスト電位(現像バイアス電位と画像部電位との差)としては100Vあれば、文字画像に関しては比較的良好なレベルで作像可能であるが、写真画像の場合は濃度が不充分であるため実用的ではない。良好な作像性を得るためには、少なくともは250V以上のコントラスト電位が確保されることが望ましい。
コントラスト電位が確保できる膜厚としては、感光層の総膜厚を10μm以上に設定することが好ましい。膜厚を10μm以下に薄くすると、帯電々位が充分に確保できなくなり、充分なコントラスト電位が得られ難い。また、感光層の膜厚ムラがそのまま画像に反映され易く、不均一な画像品質になる。一方、厚くなりすぎると、層中でのドットパターンの広がりが生じ、シャープ性の低下、解像性低下を起こし、高品位画像は達成し難くなる。
更にコントラストの強い画像になるため、通常は10μm〜50μm程度であり、好ましくは10μm〜30μmである。
【0048】
以下、感光体構成について説明する。
2−2.導電性支持体
まず、導電性支持体について説明する。
感光体の導電性支持体として使用できる部材には、電気、機械、化学的などの諸特性を満足するステンレス、銅、真鍮などの金属の他、圧縮紙や樹脂或いはガラスに金やアルミ、白金、クロム等を蒸着或いはスパッタリングした導電層、さらにはカーボン、錫等の微粒子を分散した導電層を塗工したもの等がある。薄肉に切削加工がし易い、軽い、再生に有利、ブロッキング層を形成しやすい、入手が容易等を勘案するとアルミニウム、特にはJIS3003系などのアルミニウム合金が好適である。
アルミニウムの表面を加工する技術には、切削加工、ホーニング加工、ブラスト加工などがあり、ドラム状のアルミニウム素管を必要な長さに切断し、目標の外径寸法に切削した後、さらに超仕上げ、鏡面仕上げ等により、表面粗度を10点平均粗さRzJISで0.1〜10μm程度になる様に加工し、洗浄液が完全に排除される迄充分に洗浄され、電子写真感光体の導電性支持体として使用される。支持体の粗さは下引き層で、ある程度カバーされるが、表面粗度が10μm以上に大きいと、下引き層では凹凸をカバー仕切れないため、凸部の大きい部分からの下引き層への電荷注入が生じ、画像上に筋状模様や白点、黒点の異常画像がコピー用紙全面に顕在化し易くなる。
アルミニウムは酸化皮膜(Al2O3)が形成されやすい材料であるが、電子写真特性を維持する上での電気抵抗は106Ω・cmオーダー以下の値であれば特に問題はない。
導電性支持体の形状はドラム状で、外径はφ30〜φ80(mm)程度が一般的に使用されるが、大型の画像形成装置の場合では、耐久性や大量コピーに対応させるために、φ80mm以上の外径のものが使用される。
アルミニウムの肉厚は外径がφ30〜φ80(mm)の感光体では、0.6mm〜3mm程度のものが使用されるが、有機感光体では高くても加熱乾燥時の温度は160℃程度であるので、この程度の温度で変形しないものであれば、コストの面、および交流電圧重畳の直流電圧を使用して帯電する場合の抑制手段として制振部材を内蔵する場合には、導電性支持体の肉厚は薄い方が望ましい。肉厚を薄くすることによって、帯電で生じた振動を素早く制振部材に伝達できるため、制振機能を有効に発揮させることができる。
【0049】
2−3.下引き層
次に下引き層について説明する。
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層が設けられる。下引き層の形態は、光源に使用される波長域によって変わることがある。例えば、650〜780nmの長波長領域に発振波長を有するLD素子やLEDアレイ等の光源に用いた場合は、アルミニウムからの光の反射に起因したモアレが発生するため、下引き層若しくはそれに類似の反射防止薄膜の形成は必要不可欠であるが、発振波長が400〜420nm程度のLD素子を使用した場合には、表層近傍での吸収が多くなるため、本発明の具体例に記載するような下引き層は必ずしも必要でなく、アルミナのような1μm以下の薄膜や、ホールの注入を阻止するような半導体膜であっても良い。以下は長波長領域(赤外領域)に発振波長を有する光源を使用した場合の説明である。
下引き層を形成する理由は、支持体側からの電荷注入を阻止し帯電特性を安定させ、接着性を向上させ、モアレを防止し、上層の塗工性を改良し、残留電位を低減するなどを目的とする。したがって、ホール(正孔)の注入を阻止し、エレクトロン(電子)を通過させるような半導体膜を形成して、更にその上に中間層、若しくは下引き層を形成するような方法をとっても良い。一般に下引き層には樹脂を主成分とし、単位時間内に電位減衰を起こしにくい程度に高抵抗化した薄膜が形成される。下引き層は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層としては Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン=ユニオンカーバイト社の商品名)等の有機物や、SnO2,TiO2,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けた1010〜1013(Ω・cm)オーダーの電気抵抗を持つ薄膜が良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。
【0050】
2−4.電荷発生層
次に電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂が用いられる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料がある。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
【0051】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0052】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0053】
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0054】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。
たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0055】
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレー塗工法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0056】
2−5.電荷輸送層
次に電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は画像形成に必要な表面電位を確保するために形成される。電荷輸送層は有機感光層単独でも本発明では使用可能であるが、感光体の耐久化、画像品質を維持するために、有機感光層(フィラー非分散電荷輸送層)の最表層面に更に、高硬度の無機フィラーの超微粒子を適当量添加したフィラー分散電荷輸送層を形成することが望ましい。本発明では、図5に示すように、電荷輸送層はフィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層から構成され、両電荷輸送層間に明確な界面が形成されないように構成される。明確な界面を形成しない様にすることによって、画像露光により発生したホール・エレクトロンペアー(正孔・電子対)の内、表層に向かって移動したホールはその大部分が界面近傍で捕獲されずに、表層に移動し帯電で付与された電荷を時間のロスなく、打ち消すことが可能になる。すなわち、光減衰特性の劣化が殆ど生じないため、高精細な画像品質の再現が可能となる。但し、フィラーが分散されているために、フィラーの分散量、粒径等に起因した若干のロスは生じる。
両電荷輸送層間に界面が形成された場合には、ホールの移動が制限されるために、光減衰特性の劣化、残留電位の上昇を招き、コントラスト電位の低下や、残像が起こりやすくなる。
界面を形成しないための塗工手段は、電荷輸送層の膜厚が10μm程度と薄い場合には、スプレー塗工法で作製することができ、2本のスプレーガンの一方にフィラー非分散電荷輸送層液を入れ、もう一方にフィラー分散電荷輸送層液を入れ、電荷発生層上に、まず、フィラー非分散電荷輸送層を塗工し、食指乾燥時間(数分)をおいて、引き続きフィラー分散電荷輸送層を塗工すればよい。電荷輸送層が25μmや30μmと厚く、フィラー非分散電荷輸送層が20μmと厚い場合には、まずフィラー非分散電荷輸送層を形成して、指触乾燥し、更に120〜130℃で加熱乾燥したあと、比較的短時間の内にフィラー分散電荷輸送層を形成し、感光体全体を130〜160℃の温度で10〜60分程度の時間加熱乾燥することで、問題なく感光体を作製できる。
電荷輸送層(フィラー非分散電荷輸送層+フィラー分散電荷輸送層)は電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物、ないし共重合体を適当な溶剤に溶解するか分散した後、これを要求される厚みになる様に塗布し、乾燥することにより形成できる。
【0057】
電荷輸送層の膜厚は10〜50μm、好ましくは10〜30μmに設定される。感光層全体のバラツキ(最大膜厚と最小膜厚の差)は感光層が薄いほど、塗布ムラの影響が出やすいため、細かく設定するのが望ましく、10μmの場合には±1μm、30μmの場合には±2μmの範囲内で設定されるのが好ましい。このうち、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層が明確な界面を有しない場合を除き、フィラー分散電荷輸送層膜厚の締める割合(占有率)は6.7%〜80%が好適である。
感光層膜厚が薄くなるほど静電容量が大きくなるため、電界強度は大きくなるが、高い帯電々位は確保でき難くなる。トナーの持っている電荷が小さければ薄い膜厚の感光体でも、現像能力は高くすることができるが、現在、市場で一般に使用されている小粒径のトナーでは、電圧現像にせざるを得ないため、一定以上の表面電位が必要である。
感光層の膜厚を薄くすれば、電荷移動の歪みが小さくなるため、高品位画像の再現が可能となる。一方、厚くするほど、静電容量が小さくなるため、高い帯電々位は確保できるが、電荷が移動する際、光の入力の際に歪められて、解像度が低下する傾向が認められる。
感光層の膜厚を10μm程度にすると、帯電々位はせいぜい−450V前後しか帯電しない。しかし、残留電位を−50V〜−100V程度に押さえ、現像バイアス電位を−350Vに設定すれば、コントラスト電位は250V〜300V程度確保できるため、実用的には問題のない作像を行なうことが可能である。
電荷輸送層は電荷発生層上にフィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層の順に形成する。これは、フィラー分散電荷輸送層が電荷発生層に直接接触している場合には、フィラー分散電荷輸送層と電荷発生層間で電荷の異常な移動が生じるため、斑点模様が画像に現れる。したがって、電荷発生層に接する領域ではフィラーを分散しない電荷輸送層であることが望ましく、膜厚としては少なくとも2μm以上形成されることが望ましい。
塗膜は、浸漬塗工法、スプレー塗工法などを用いることができる。
【0058】
フィラー分散電荷輸送層に添加されるフィラーは球形で高硬度であり、光学的に透光性を有し、電気抵抗は1012〜1013(Ω・cm)オーダーであることが望ましい。これは、感光層の耐摩耗性を向上し、表層に照射された光像は充分に電荷発生層に散乱なく届く必要があり、一方、帯電時に横方向への電荷の拡散を起こさず、画像流れや残留電位の蓄積を極力回避するためである。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは、電荷輸送層中に均一に分散されているか、もしくは表層に向かって濃度勾配を高めた層構成の何れかが望ましいが、耐久性の維持という面からすると、均一分散の方が好適である。
フィラーの電荷輸送層への分散する量は要求される耐久性(摩耗、化学的、物理的な劣化に左右される)、画像品質(帯電々位、感度、残留電位などの経時特性により影響を受ける)によって決定されるが、フィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下が望ましい。10重量%以下では摩耗が急激に増加し、40重量%以上では残留電位の増加、感光層表面粗度の悪化や、表面粗度に起因してトナーフィルミングが起こりやすくなり、感光層の摩耗に抑制がかかり、画像流れを引き起こしやすくなる。
フィラー分散電荷輸送層の膜厚は、感光層中に分散するフィラー粒径や添加量によって左右され、感光体に要求される耐久性や、画像品質特性によって変える必要がある。耐久性という面から、フィラー分散電荷輸送層厚い方が望ましいが、フィラーの添加量が10重量%以上、40重量%以下の範囲内においては、8μm以上に厚くすると、残留電位の急激な上昇を招き、画像品質に影響が生じる。
一方、膜厚を薄くすると、解像性という面では、向上する傾向にあるが、耐久性という面では低くなる。膜厚としては少なくとも2μm以上に設定することが望ましい。
フィラー非分散電荷輸送層と、フィラー分散電荷輸送層の膜厚の比率配分という観点から、電荷輸送層を10〜30μmの範囲内に設定したとき、フィラー非分散電荷輸送層と、フィラー分散電荷輸送層が明確な層界面がない場合を除き、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は電荷輸送層の6.7%〜80%にあることが望ましい。
図6に電荷輸送層の好適な膜厚の比率を示したグラフを示す。図6に示した10〜30(μm)の線内と2本の曲線に囲まれた枠内で良好な特性を得ることが可能である。
【0059】
電荷輸送層に使用される材料は以下の通りである。
電荷輸送層を構成する低分子電荷輸送物質にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することができる。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下に示す公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。例えば、
1)主鎖および/または側鎖にカルバゾ−ル環を有する重合体には、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
2)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には、例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
3)ポリシリレン重合体には、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
4)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
5)その他の重合体には、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
【0060】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖および/または側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。
一方、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0061】
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができるが、環境破壊を考慮してハロゲン系の溶媒の使用は避けた方が望ましい。
【0062】
次に、電荷輸送層中に分散するフィラーについて説明する。
本発明に使用されるフィラーは酸化物の絶縁体であり、バインダー樹脂に分散した場合、粒子とバインダー樹脂との界面にトラップが形成されやすい。このため、感光体を繰り返し使用した場合、残留電位が蓄積し、画像部電位の上昇を招くため、画像濃度の低下、解像度の低下が起こりやすい。したがって、分散性を良好にして、感光層の均一化をはかり、トラップの形成を阻止したり、トラップ密度を軽減するような添加物を添加することもできる。
また、画像形成にあたって感光体に電荷を付与する手段は、感光体に接触若しくは近接配置された帯電装置によって行なわれるが、帯電の際に発生したオゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が感光体表層に付着したり、感光層中に進入し、電気抵抗を低下させ、解像度低下などの画像品質低下を起こす。これを解消するために、酸化防止剤、可塑剤を少量添加することもできる。ただし、これらの添加物は常に必要なものではなく、電荷輸送層が薄い場合や、フィラーの添加量が少ない場合、あるいは画像システムによっては未添加とすることもできる。
フィラーを添加した電荷輸送層では、フィラーをバインダー樹脂中に適当量分散した塗工液をスプレー法やディッピング法などの塗工法を用いて目標の膜厚に塗工する。
フィラーは1012〜1014(Ω・cm)程度の固有抵抗を有し、撥水性を有し、その機能が持続されることが望ましい。
【0063】
フィラー材料は、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アモルファスカーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
特に、酸化チタンもしくはアルミナが本発明では望ましく使用できるが、より好ましくはアルミナ(特にはα型)である。これらのフィラ−は単独もしくは混合して用いることができる。
フィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。
【0064】
フィラーの添加によって、感光層の表面粗さが大きくなると、文字エッジがギザギザになり、トナーや紙粉などの残留物のクリーニング性が悪くなり、クリーニング不良を起こす不具合を生じる。ブレードが接触しない領域でコロナ生成物などの汚染物質の残留が起こり、画像流れを起こしたり、トナーフィルミングさらには、クリーニングブレードのエッジの欠けによって、感光層が傷つきやすくなる。したがって、目標の耐摩耗性が達成でき、且つ良好な画像品質が得られるような、分散性良好な粒径のフィラーを選定する必要がある。感光層に分散されるフィラ−の一次粒径は電荷輸送層の光透過率や耐摩耗性、表面粗度等から選ばれる。
【0065】
例えば、図7に平均一次粒径と平均表面粗度の測定例(東京精密社サーフコム1400Dを使用して測定)を示す。測定サンプルはφ30mmの感光体であり、電荷輸送層は22μmのフィラー非分散電荷輸送層と、αアルミナフィラーを25重量%分散した5μmのフィラー分散電荷輸送層から構成される。図7に示すように、フィラーの一次粒径が0.2μm〜0.7μmでは、10点平均粗さ(RzJIS)、最大粗さRpとも1μm以下であり、画像形成およびトナークリーニングにおいては良好な数値を示す。
しかし、一次粒径が0.7μmを越すと表面粗度は急に大きくなる傾向にあり、一次粒径1.0μmのフィラーを分散した場合には、10点平均粗さ(RzJIS)は1.2(μm)、最大粗さRzは1.5(μm)となり、文字太りや解像度低下、クリーニングブレードのエッジに僅かに影響が生じるレベルになる。
このことから、感光層中に添加する一次粒径には0.7μm以下の粒径のアルミナを使用することが望ましく、下限値としては0.2μmであれば実用上問題ない画像品質、クリーニング性を確保することが可能である。
感光体表面の表面粗度があまり小さいと、クリーニングブレードが感光体表層に密着し易くなり、感光体の回転によって、ブレードエッジが引きずられ、感光体の摩耗を促進するばかりではなく、局部的に歪みが生じ、トナー抜けを引き起こす要因になる。
なお、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー含有率が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることもできる。電荷輸送層に添加させる場合は、感光層に添加するフィラー量は、要求される耐刷枚数や画像品質あるいは、使用される複写プロセスや現像剤成分等によって変える必要がある。
【0066】
図8に、φ30μmのアルミニウムドラム上に下引き層を介して、22μmのフィラー非分散電荷輸送層を形成し、その上に一次平均粒径が0.3μmのアルミナフィラー(α−アルミナ)の添加量を変えて、フィラー分散電荷輸送層約5μmを形成した感光体での感光層の摩耗と画像ランクの評価結果の一例を示す。評価条件はリコー製イマジオMF2200機の接触帯電用の帯電部材に、−740の直流電圧と、1600V/1350Hzの交流を重畳した電圧を印加して、現像部位置の表面電位を−700Vに設定し、10万枚通紙ランニングとした。
感光層の摩耗はフィラーの添加量が少なくなるにしたがい急激に増加し、画像品質のランク(ランク5は良、ランク1を不可とし、評価対象は解像度、シャープ性、1ドット再現性である)は30重量%を境に低下する傾向があるが、40重量%では画像品質はなおランク4を維持している。このことから、フィラー分散電荷輸送層に添加するフィラー量は40重量%以下にするのが望ましく、10重量%以上であればフィラー分散電荷輸送層を5μmとしても、フィラー分散電荷輸送層は少なくとも10万枚以上の耐久性を維持している。但し、更に通紙を行なった場合、40重量%程度からフィルミング現象が起こりやすくなることも確認されていることから、感光層に添加するフィラー量を10重量%以上、40重量%以下の間で選定することが望ましい。
【0067】
本発明に記載の電荷輸送層には、感光層表面のガサツキをなくして滑らかにする手段として、例えば、レベリング剤を添加することは有効な手段である。レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態のときに、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。また、塗膜表面付近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜がたれて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態のときに感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低減され滑らかになる。
【0068】
また、スプレー塗工においては、エアースプレーによって塗膜を形成する場合、エアーの圧力や、エアー流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要である。ここで、エアー圧、エアー流量が大きすぎるとエアーの流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不充分になったりして、塗膜の均一性が低下する原因となる。また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎると、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力がかかり、凹凸が強調される。また、逆に回転速度が小さすぎると、回転によるレベリングより重力によるたれの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度を適正な値に設定することが必要である。
また、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
これらの方法は単独で用いても良いが、複数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなされ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。
さらに、レベリングが不充分であった場合、電荷輸送層の凸部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として可能である。たとえば、膜厚計で凸部を検出し、その部分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられる。
【0069】
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0070】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0071】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
P−トルエンスルホンアミド、O−トルエンスルホンアミド、P−トルエンスルホンエチルアミド、O−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、P−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0072】
本発明では滑剤を各層に添加することができる。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0073】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
がある。
【0074】
3.真円度および真直度
高品位の画像品質を得るための要素の1つとして、感光体の真円度、真直度は重要である。
真円度が大きい、すなわち、いびつな円筒になっていると、感光体は偏芯して回転することになり、帯電不良、転写不良、クリーニング不良が生じ、真直度が大きいと、帯電ムラが起こり、画像濃度や色むらが起こりやすくなる。特に、50μm前後に微少ギャップを維持して帯電する非接触帯電方法の場合には、特に影響を受けやすい。また、接触帯電方法においても、直流のみで帯電を行なう場合には、感光体と帯電部材間のギャップは直ちに放電条件を左右し、ギャップが大きいほど帯電ムラを起こしやすくなるため、感光体の真円度、真直度の管理は特に重要である。
真円度および真直度ができるだけ小さい方が望ましいが、必要以上に小さい必要はなく、真円度では0〜20(μm)、真直度で±20μmに抑制することが望ましい。
真円度、真直度は導電性支持体の切削時、感光層塗布後の加熱乾燥時、フランジ装着時、制振部材内蔵時などで左右される。帯電部材に交流電圧を重畳して感光体を帯電する方法では、帯電時に耳に敏感な高周波音(以下振動音と称する)を発生する。この振動音を改善する一手段として、感光体の内壁に密着するように制振部材を内蔵させることが行なわれるが、この振動音を遅滞なく制振部材に伝達するためには、感光体の導電性支持体の肉厚はできるだけ薄い方が望ましい。しかし、薄くすることによって機械的強度が低下するために、制振部材を内蔵する際に変形するという問題がある。
導電性支持体を薄くすると、加工時の変形や、感光層の乾燥時の温度、制振部材の内蔵、フランジ取り付け時の圧入等で変形し、真円度、真直度が保証されなくなるため、画像品質上問題が発生する。
真円度、真直度は小さい方が望ましいが、本発明での検討結果では、真円度は20μm以下、真直度は±20μmに入っていれば、接触帯電部材を使用した場合においては帯電不均一化が問題ないレベルまで回避可能であり、クリーニングブラシを使用した場合においては球形度の大きいトナー(平均円形度0.97以上)であっても、クリーニング性を100%に近いレベルまで改善することが可能となる。
【0075】
平均円形度は、例えば、5μm以上のトナーを選別して、シスメックス社製FRIP−1000を用いて測定し、以下の式により算出する。
平均円形度=Σ(粒子像と同じ投撮面積を持つ円の周長÷粒子投撮像の周囲長)÷測定粒子数
測定粒子数は1000粒子以上として、計算には5μm以上の粒子径のものを対象とした。
【0076】
図9、図11にφ30mm感光体の長手方向13カ所、周方向90度毎に4カ所測定した真直度、図10、図12に長手方向13カ所測定した真円度の測定例を示す。これらの感光体はいずれもブチルゴム系の円柱状制振部材を内蔵しており、感光層を塗布する以前の素管(アルミニウム素管)の状態では、いずれも真円度は0〜20μm、真直度は±20μm内に入っていたものである。図9は±20μm、図10は0〜20μmの数値内に入った例、図11は±20μm、図12は0〜20μmの数値から外れた例である。図9の真直度は±20μm、図10の真円度は20μm以内に入っており、画像品質上の問題は起きていない。
図11の真直度は160度の位置で最大40μm程度の暴れを示しているが、50μmの間隙になる様に設計された非接触帯電部材を使用した場合、感光体との最近接点は10μmになり、帯電部材においては筋状ムラ汚染を生じ、帯電特性への影響が生じる。この暴れが大きくなるほど、非接触帯電部材では感光体と局部的な接触が起こり、また更に大きくなると帯電部材の持ち上がりが起こり、帯電ローラのいびつな回転となり、画像品質はムラの多い状態を呈する様になる。
【0077】
4.クリーニング部材
一般に使用されるクリーニングブレードの形状は、コストの面から、板厚が1.5〜3mm程度の短冊状弾性体(ポリウレタンゴム)が使用され、ゴム硬度はJIS硬度で75度前後である。このクリーニングブレードの欠点は、感光体に当接する部位のゴム硬度が低いために、感光体に摺接する際にブレードエッジが感光体の回転方向に引きずられて、線接触から面接触になり易い。このため、ブレード先端部が潰れ、変形、歪み等を起こして、感光体とブレード間に僅かな隙間を生じるため、トナーがブレードと感光体間に挟み付けられ、帯電装置の方に送り出される現象が生じる。すなわち、クリーニング不良が生じる。この様な状況ではいびつな形状の粉砕トナーであっても、トナー抜けは起こる傾向がある。図13にトナー抜けの模式図を示す。
【0078】
トナー抜けの要因は前記したように、感光体硬度不足に伴うクリーニングブレードエッジの感光層への潜り込み、クリーニングブレードの硬度不足に伴う変形、クリーニングブレードの形状、硬度、感光体表層の摩擦係数に起因する摺接時の感光体へのトナー圧接、感光体の真円度、真直度に起因するブレードの当接圧の変化、トナーの球形度などがある。
これらのトナー抜け、すなわち、クリーニング不良を解消するためのクリーニングブレードから見た改善手段は、クリーニングブレードの形状、硬度を好適な値に設定し、感光体と常に線接触を保つ様にして、感光体との間に隙間を作らないようにすることである。
したがって、クリーニングブレードは形状を維持するような高めの硬度が必要であり、望ましい数値としてはJIS−A硬度で80〜90度である。
【0079】
感光体の摩耗は、トナー、キャリア、紙粉(タルクなど)などの硬い異物がブレードで押しつけられるか、ブレードをすり抜けることによって生じることの方が寄与は大きい。
クリーニングブレードの硬度を高めることによってよって、感光層の摩耗が促進される懸念はあるが、これはクリーニングブレードの硬度と云うよりは、感光体のぶれや、クリーニングブレードの振動、トナー、キャリアの進入による現象による要因が大きいと思われる。これは精度の悪いレコードプレーヤーにレコード盤を載せて、ダイヤモンド針に2gr程度の荷重を掛けて回したときと、極めて精度が高く、ふれが皆無に近いレコードプレーヤーを回して、ダイヤモンド針に前記荷重の数倍の荷重を掛けたときでは、荷重が大きいにも関わらず、後者の方がレコード盤の摩耗が遙かに少ないといわれる。これは前者の場合は、ダイヤモンド針が左右に激しく揺れるために、その揺れにより、ダイヤモンド針でレコード盤の分子を切断するために起こることで、摩耗が促進される現象であり、ブレードが激しく揺れ動く場合にも同じような現象が起こっていると解釈できる。
【0080】
現状の短冊状クリーニングブレードを使用してクリーニング効率を高めるには、クリーニングブレードの感光体と当接する先端部(エッジ)硬度を高めることによって、ある程度の対応は可能であるが充分ではない。クリーニングを良好に行なうためには、クリーニングブレードの感光体と当接するエッジ形状は鋭角にVの字若しくはナイフエッジ状にカットされた形状にして、そのカット角度を図14に示す様に、θ1が15〜40(度)の鋭角にナイフエッジ状にシャープカットされた形状(180度回転した形状でも良い)のブレード、あるいは図15に示す形状で、θ2が30〜80(度)の鋭角にVの字カットされたブレード形状にすることにより良好にクリーニングすることが容易になる。
トナーはブレードエッジの所に滞留するが、この滞留があっても、ブレードの下側に潜り込ませないような構造にしないことが重要である。ナイフエッジ形状、Vの字形状は感光体との密着性を良好にし、また、トナーの滞留があっても、ブレードが潰れて、トナーに覆い被さることがないため、ブレード下に潜り込むことがなくなり、トナーのブレード抜けが起こりにくくなる。
【0081】
感光体に当接するエッジ部はできるだけ幅を持たない様にするのを好適とするが、側面から見てシャープにカットされた形状で、感光体と当接する部位の幅Wは0.5mmまでは許容可能である。すなわち0<W≦0.5(mm)とする。0.5mm以上の幅を持たせた場合には、感光体との間に僅かでも隙間が生じ、トナーが潜り込む機会が生じることとなり、クリーニング不良を起こすきっかけを作る。
【0082】
クリーニングブレードに使用されるブレードの板厚(最大幅)は2〜5mmが好適に使用され、図14および図15に記載の斜めカット面の長さL1およびL2は3〜8mm、好ましくは3〜6mmであり、支持基体の先端から、図16、図17及び図22に記載のブレードのエッジまでの自由長L4は3〜6mmに設定することが望ましい。これらの寸法は設置スペースと設定位置から決められるが、可能な限り厚い部材を使用した方が、クリーニング性の維持、クリーニング性の面から好ましい。
【0083】
これらの先端形状のブレードを固定する手段として、アルミニウム、燐青銅、鉄、真鍮などの金属、ポリカーボネート、塩化ビニール、デルリン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂、アルミナなどのセラミック部材を板やケーシングに加工してクリーニングブレードを取り付けることができるが、加工性や強靱性、温度変形がない、さびないなどの特性からクロムメッキした鉄板、アルミニウム板のような1mm〜3mm程度の肉厚の金属板が好適である。支持基体を加工してブレードを取り付ける手段は、図16〜図18に示すように、ケーシング状の支持基体にはめ込み固定する方法、金属板に曲げ加工を行ない、接着剤(両面テープ、1液性、若しくは2液性の接着剤、ホットメルト接着剤など)を用いて貼り付け固定するか、更に図19、図20の様にブレード上から押さえ板を取り付ける方法であっても良い。
【0084】
クリーニングブレードに使用される弾性体としてはポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴムなどがあるが、耐久性、クリーニング性反発弾性特性などからポリウレタンゴムは好適に使用される。ポリウレタンゴムはポリオール、イソシアネート、および硬化剤を主原料とする。
ポリウレタンゴムは、脱水処理したポリオールとイソシアネートを混合して、70〜140(℃)の温度で100分程度反応して得られたプレポリマーに硬化剤を加え、予め140〜160℃に加熱しておいた成形機の金型に入れ50〜60分硬化を行なう。その後、金型から取り出し、必要な大きさに裁断機でカットされることによって得られる。
クリーニングブレードに使用するポリウレタンゴムは裁断機で先端部を斜めにカットするか、金型で図14、図15の形に成形した後、感光体に当接する部位のバリを図21の様にカットして先端部の厚みが0.5mm以下になる様に整える方法等がある。
0.5mm以下に規定する理由は、面接触の拡大により、トナーのブレード下への進入を極力排除するためであり、感光体が回転中においても線接触を維持するためである。
【0085】
支持基体に固定された図14、図16、図20に記載した形状の、クリーニングブレードの感光体への当接状態を図22に、図15、図17に記載した形状のクリーニングブレードの、感光体への当接状態を図23に示す。クリーニングブレードは感光体に対してカウンター方向(感光体の回転に対して逆らう方向)に設置される。カウンター方向に設置することにより、感光体に対して潜り込む様に働くため、トナーのすり抜けの機会が少なくなる。図14、図16、図20に記載した形状のクリーニングブレード感光体への当接角度θ3(図22)は、5〜85度の角度に設定することが可能であるが、好ましくは5〜30度である。
【0086】
一方、図15、図17に記載した形状のクリーニングブレード感光体への当接角度θ4(図23)は、40〜85度の角度に設定することが可能であるが、好ましくは40〜75度である。これらの当接角度は、感光体の大きさ、ブレードの幅によって適宜設定される。
【0087】
感光体にブレードのエッジが当接する当接圧(線圧)は一般に使用されるブレードの硬度より高めであるため、当接圧(線圧)は15g/cm〜40g/cmに設定されるのが望ましいが、クリーニング性、感光体に与えるスクラッチ等を鑑みて、15g/cm以上、25g/cm以下に設定するのが好ましい。15g/cm以下では、ブレードが硬いために、クリーニング不良が起こる可能性がある。25/cm以上に高く設定した場合には、硬度が従来使用品に比べ硬いために、感光体にブレードによるスクラッチが発生する可能性があるが、40g/cm以上に設定されてもスクラッチが入る可能性が高まるだけで、通常は浅い摺擦傷が入るだけで、感光体に硬い異物が刺さり、ブレードエッジに傷が生じた場合に以外を除いて、直ちに使用できなくなる訳ではない。
感光体の真円度、真直度が規定値内に入っており、感光体に異物付着なく、前記した条件を満足していれば、トナーの平均円形度が0.95以上、特には0.98以上の球形トナーであっても、実用上問題にならない程度に良好にクリーニングを行なうことが可能となる。
【0088】
5.感光体の摩擦係数、および低減化方法
感光層表面の摩擦係数を低いレベルで維持することは、感光層の耐摩耗性の向上、顕像化したトナー像の転写性向上、クリーニングブレードでのクリーニング性向上に有効である。すなわち、クリーニングブレードの感光体に対する摺擦圧を低減させ、トナーの感光体に対する付着力を弛める作用を与える。
摩擦係数の低減化手段としては、感光体表層に潤滑剤を付与する外添法(ブラシで掻き取った潤滑剤を感光体に付与する一例を図2に示す。(201)が潤滑剤、(202)が塗布ブラシである)感光層中に潤滑剤を含有させる内添法の何れかで行なわれるが、後者の手段はコロナ生成物が感光体表層に作用し、潤滑剤の作用を封じることがあるため、効果という面では前者の外添法の方が優れる。外添法は潤滑性を示すポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などの物質を、感光体表面に直接若しくは間接的な手段によって塗布することができる。直接的な方法としては粉末状の潤滑剤を袋に内蔵して、あるいはシート状の潤滑材を感光体表面に摺擦させながら付与する手段、間接的な方法は、トナー中に0.01〜0.2%程度分散して、あるいは潤滑剤、ブラシ、感光体の順に配列し、ブラシで掻き取った潤滑剤を感光体に付与する方法がある。
【0089】
潤滑剤を感光体に付与した場合、ポリテトラフルオロエチレンでは0.6の摩擦係数を0.2以下に簡単に下げることが可能である。ただし、摩擦係数があまり下がりすぎると、感光体に付着したコロナ生成物が削り取られないために、画像流れを起こしたり、コロナ生成物の膜にトナーが付着して、トナーフィルミングを起こしやすくなり、画像流れに到る場合がある。したがって、画像流れを起こさないための摩擦係数は、画像形成装置にセットした初期の値では0.3〜0.5であり、コピー100枚後の摩擦係数は少なくとも、0.3以上であることが好ましく、上限値はクリーニング性の維持と、耐摩耗性の向上、高品位画像の維持などの面から、0.45以下になる様にすることが望ましい。勿論一時的に0.45以上になっても、実用上は何ら問題ない。
【0090】
潤滑剤を付与しない場合は、初期に0.2程度ある感光体でも急激に摩擦係数が上昇し、20〜30枚で摩擦係数が0.6近くまで達するためで、この状態が維持されると、感光層摩耗のみならず、クリーニング不良、転写不良を起こしやすくなるためである。
通常、潤滑剤を付与しない、有機感光体やフィラー添加量の10重量%以下の感光体では、摩擦係数はコピー開始から50枚程度で、0.3程度あった摩擦係数でも0.6程度まで上昇するが、フィラーの添加量が多くなると共に、粒径が大きくなると共に、摩擦係数は0.6を切る傾向が見られる。潤滑剤を感光体に外添する場合はその付与手段によって摩擦係数は大きく振れるが、正常に供給され、コントロール性能が良好であれば、一端上昇した摩擦係数も低下に転じ、100枚〜200枚の間でほぼ安定したレベルに維持することができる。したがって、摩擦係数が通紙100枚時を規定すれば、それ以降の摩擦係数の動向がある程度予測可能である。
【0091】
なお、文中に記載の摩擦係数はオイラーベルト方式(オイラーの公式から算出された式)を使用して計算したものである。
測定用の感光体を台座に固定して、幅30mm、長さ290mmにカットした厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとして用意し、前記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、以下の式より(静止)摩擦係数μsを計算する。
【式1】
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重、W:分銅の重さ、π:円周率である。
なお、本測定法(オイラー・ベルト方式)については特開平9−166919号公報にも記載される。
【0092】
6.感光体の制振化方法
帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して、感光体を帯電する場合に感光体が振動を起こし、キーンという高周波音が発生する。また感光体の摩擦係数が高い場合に、クリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きくなるために、やはり振動音(摺擦音)が発生する。これらの音は人間の耳に最も敏感な周波数帯域(800〜2500Hz)であるため、騒音問題となる。これらの振動音を改善する手段は感光体が振動しないような手段を講じることによって達成できる。制振効果の大きい手段は、感光体内部に損失正接tanδが0.5以上、好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.8以上の、4mm以上の厚みの制振部材を、感光体内の空間長さの70%以上を占めるように感光体内壁に密着設置すれば、気にならない程度まで振動を押さえ込むことが可能である。図25に設置の一例を示す。図25はブチルゴムを材質とするテーパー形状の円筒状制振部材と、同じくテーパー状の円柱状の制振部材を組み合わせたもので、取り外しが容易な制振部材である。したがって、感光体、制振部材ともリサイクルが可能である。図25の例では、評価室の暗騒音が46dBのときに48dBまで押さえ込むことができ、制振部材を内蔵しない場合(54dB)に比べて、6dBの改善効果が達成できている。
【0093】
振動音の測定手段は、感光体上にローラ状の帯電部材を直接重ね、−800Vの直流電圧に1500V/1350Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加し、30cm離れた位置に騒音計(例えば、アコー社の騒音計タイプ6224)を配置して、発振音を読みとることで確認できる。通常は音圧差が4dB以下であれば、気にならない程度に収まる。
制振効果を高めるためには、損失正接tanδの大きい部材(上記ブチルゴムに限定されない)を感光体内壁に、70%以上の長さ方向に占有するように密着挿入することおよび、リサイクルされることが重要である。
上記以外の改善方法としては、液状若しくはゲル状の物体を風船状の袋に入れ、感光体内壁に密着するようにセットする方法がある。
【0094】
【実施例】
以下、実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
<評価用電子写真感光体>
1)フィラー非分散電荷輸送層を有する感光体の作製
評価用フィラー非分散電荷輸送層を有する感光体の作製は以下の手段で作製した。
φ30.0mm、長さ340mm、肉厚0.750mmのJIS3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記組成の、下引層(UL)用塗工液、電荷発生層(CGL)用塗工液で順に浸漬塗工を行ない、各層毎に120℃20分の加熱乾燥により、3.5μmの下引層、0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積塗工し、引き上げ速度条件を変化させ、フィラー非分散電荷輸送層を塗工した後、130℃20〜30分の加熱乾燥を行ない、2μm〜28μmの間で膜厚を変えたフィラー非分散電荷輸送層を有する有機感光体を作製した。下記記載の「部」はいずれも重量部を表わす。
【0095】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料 10部
【0096】
【化1】
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
〔フィラー非分散電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)
下記構造の低分子電荷輸送物質 8部
【0097】
【化2】
テトラヒドラフラン 200部
【0098】
2)フィラー分散電荷輸送層を有する感光体の作製
フィラー非分散電荷輸送層を塗布した有機感光体を加熱乾燥した後冷却し、引き続き、スプレー塗工法でフィラー分散電荷輸送層を2〜10μmの間で塗工した。
なお、冷却後引き続きフィラー分散電荷輸送層を塗工したのは、溶媒により界面が解け合い、明確な界面を形成させないためであるが、一晩程度の放置では殆ど問題はない。しかし、数週間放置すると酸化により、局部的にバリアができ、画像品質に悪影響が出やすい。
フィラー非分散電荷輸送層上に、下記記載のバインダー樹脂(ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)と低分子電荷輸送物質(ドナー)、一次粒径が0.2、0.3、0.5、0.7および1μmの5種類の無機フィラー(α−アルミナ)を用意し、夫々の無機フィラーと分散助剤及び溶剤を硝子ポットに入れ、ボールミルで24時間分散させて塗工液を作り、スプレー法を用いて1〜5回往復させ、フィラー分散電荷輸送層を塗工した。触指乾燥の後、150℃20分間加熱乾燥させて、フィラー分散電荷輸送層を有する評価用電子写真感光体を作製した。
【0099】
[フィラー分散電荷輸送層塗工液](フィラー添加量25重量%の場合を例示する)
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0100】
【化3】
アルミナフィラー 5.7部(25重量%の場合)
(住友化学工業製AA−02〜AA−10、
平均一次粒径:0.2〜1.0μm、比抵抗≒2.5×1012Ω・cm)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
分散助剤 0.08部
(BYK−P104 ビックケミージャパン製)
作製した感光体の特性一覧を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
<帯電部材>
1)接触帯電用の帯電部材
本発明の実施例に記載の帯電部材は、6mmの真鍮製ロット棒にカーボンを均一分散し、電気抵抗を6×105Ω・cm(100VDC印加時)に調整したエピクロルヒドリンゴムを3mmの厚さになるように塗布して研磨し、その層上にエピクロルヒドリンゴムにカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散し電気抵抗が(3〜5)×108Ω・cm(100VDC印加時)になる様に調合したエピクロルヒドリンゴムを厚さ1mmに均一塗布して、φ14mm×314mm(有効帯電幅:312mm)の寸法形状にしたものである。(電子写真複写機 イマジオMF2200に使用)
【0103】
2)非接触帯電用の帯電部材
8mmの真鍮製ロット棒に電気抵抗が(4〜6)×105Ω・cm(100VDC印加時)となるカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散したエピクロルヒドリンゴムを、φ6mmの真鍮製ロット棒に厚さが1mmとなる様に塗布したφ10mm×327mm(有効帯電幅:308mm)の帯電部材を作製した。この帯電部材の両端部から1.5mm内側に、厚さ49μm、幅8mm、長さ31mmの菱形にカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)を張り付けスペーサーとした非接触帯電部材を作製した。感光体と帯電部材間の距離は平均で53μmであった。(カラーレーザービームプリンタ イプシオカラー8000に使用)
【0104】
<制振部材>
制振材の材料に損失正接tanδが0.8のブチルゴムを用い、金型成型により作製した。
形成後の弾性体Aの寸法は、肉厚部がφ24.7mm、肉薄部がφ12.7mm、肉厚部の中央部にフランジの電極用の凹み(φ22mm、深さ6mm)を形成した円柱状の制振部材、弾性体Bは肉薄部が2mmt、肉厚部が8mmtで、外形が28.2mmの円筒状制振部材であった。長さは弾性体A、Bとも312mmであった。なお、感光体の内径は28.5mmである。
感光体に挿入する前に弾性体Aの外側、および弾性体Bの外側にフッ素系潤滑剤(PTFE粉末 商品名ルブロンL−5 ダイキン工業製)を不織布につけてほぼ均一に塗り、あらかじめ片側にフランジをセットしておいた感光体の中に弾性体Bを挿入し、次に、弾性体Aを挿入し、弾性体Aを軽くたたきながら完全に挿入した後、反対側のフランジをセットした。感光体へのセット状態は図25の通りである。
【0105】
<感光体表層の摩擦係数低減化方法>
本発明では、トナー中にステアリン酸亜鉛を0.02重量%添加することによって、現像剤を介して感光体表層に潤滑剤を付与する方法で行なった。
【0106】
<現像剤=キャリア+トナー>
キャリアには、重量平均粒径58μmの磁性キャリア(FPC−300LC)を使用した。
乳化重合法で作製された重量平均粒径が約4.6μmで、平均円形度0.981〜0.987の球形トナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)をトナー[1]とする
粉砕法で作製された重量平均粒径6.3μm、平均円形度0.914のトナーをトナー[2]とする。
これらのトナーはキャリアに対して5重量%の割合で添加して現像剤とした。
これらのトナーには感光体表層の摩擦係数を低減化させる手段として、ステアリン酸亜鉛が0.02重量%含有される。
【0107】
<クリーニングブレード>
クリーニングブレード[1]
JIS−A硬度74度、81度、87度、92度の4種のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを金型成形によって作製した。形成後の寸法は板厚が2.8mm、高さ15mm、長さ320mm、斜めカット部の長さが4mmの台形状(形状は図21の通り)である。感光体との当接部のバリをカットし、カット部の幅は約0.3mmとなった。JIS−A硬度の測定はJIS K 6301に準じて作製された(株)テクロックGS−701Nを使用した。
前記ブレードを板厚0.8mmで8度の角度に曲げた長さ363mmの鉄板に、斜めカット部を感光体の回転方向の上流向き(転写装置側)にして、エポキシ系の2液性接着剤(アラルダイト8 254−01 バンティコ社)を使用して、自由長が5mmになるように接着しクリーニング部材を完成した。(電子写真複写機 イマジオMF2200に使用)
【0108】
クリーニングブレード[2]
JIS−A硬度が87度のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを、型によって作製した。形成後の寸法は板厚が2.8mm、高さ10mm、長さ325mm、斜めカット部の長さが3mmの台形状である。感光体との当接部のエッジはバリをカットし、カット部の幅は約0.2mmとなった。形状は図21の通りである。JIS−A硬度の測定はJIS K 6301に準じて作製された(株)テクロックGS−701Nを使用した。
そのブレードを板厚0.8mmで直角に曲げた325mmの鉄板に、エポキシ系の2液性接着剤(アラルダイト8 254−01 バンティコ社)を使用して、斜めカット部を感光体の回転方向の上流向き(転写装置側)にして、自由長が4.5mmになるように接着して、クリーニング部材を完成した。(カラーレーザービームプリンタ イプシオカラー8000に使用)
【0109】
<評価方法>
感光体およびクリーニングブレード用の評価機として、光源の発振波長を655nmとするLD素子を用いた接触帯電方式で、感光体と現像装置、クリーニングブレードが一体構成となったプロセスユニットを内蔵する、乾式電子写真複写機(イマジオMF2200、リコー製)、および非接触帯電方式、感光体とクリーニングブレードを一体構成とするプロセスユニットを内蔵する4連タンデム方式のカラーレーザービームプリンタ[CLBP](イプシオカラー8000、リコー製)を用意した。
評価用に用意した電子写真複写機(イマジオMF2200、リコー製)は帯電装置への高圧電源供給が直流電圧であるため、交流電圧が重畳可能な高圧電源(長野愛知電気製 タイプHV−255)を別途用意し、標準設定の直流電源と切り替えながらの評価を実施した。
帯電部材に交流重畳直流電圧を印加するする場合には、交流電圧を1500V/1350Hzに固定し、直流電圧を調整して、現像装置位置での暗部電位を設定した。
カラーレーザービームプリンタは標準設定(デフォルト)の状態で使用し評価を行なった。
評価枚数はA4サイズ各5万枚(A4サイズ)とし、初期の感光層膜厚と5万枚後の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャー社製 タイプMMS)を使って測定し、感光層の摩耗量を評価した。
鉛筆硬度はJIS K 5401に基づいて作製された鉛筆引っ掻き試験器(表面性測定器 新東科学社製 HEIDON−14型)とJIS規格標準鉛筆(三菱鉛筆“ユニ”)とを使用し、加重に100gの分銅を用いて、測定用に作製した感光体を50×80(mm)の大きさに切断して測定した。
真円度、真直度は表面粗さ輪郭形状統合測定器(東京精密社製 サーフコム1400D)を用いて、感光体長手方向13カ所、周方向90度毎に4カ所測定した。
摩擦係数の測定は、測定に供する感光体を台座に固定して、幅30mm×長さ290mm×厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとし、前記上質紙を感光体の周方向に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、オイラーの方式より導き出された下式より(静止)摩擦係数μsを算出した。
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重、W:分銅の重さ、π:円周率
画像品質評価は、電子写真複写機で評価する場合は、画像品質評価は、JISZ 6008にしたがって作成された試験票板(コダック社製)を使用して解像度を評価し、別途用意したリコー製テストチャートでドットパターンの再現性及び地肌汚れの評価を実施した。
一方、カラーレーザービームプリンタで評価する場合は、別途用意したパソコンに入力した各種パターンを使用して、解像度、1ドットパターンの再現性、ノイズ、色むら等についての評価を行なった。
評価時以外の通紙ランニング中の原稿は両評価機とも画像面積6%の画像パターンを使用し、22〜24(℃)/58〜65(%RH)環境にて通紙ランニングを行なった。
評価は初期、100枚後(摩擦係数測定のみ)、5万枚後に行なった。
【0110】
実施例1〜4
評価用の感光体として、表1に記載のNo.4(実施例1)、No.5(実施例2)、No.6(実施例3)、No.7(実施例4)のサンプルを使用した。評価用に用意した電子写真複写機に搭載したこれらの感光体は、いずれも図23の様な制振性の高い損失正接tanδが0.8の制振部材を密着内蔵したもので、真円度、真直度は夫々0〜20μm、±20μmを満足したものである。
感光体に印加する現像装置位置での電界強度は、No.4のサンプルでは4.5×105V/cm、No.5のサンプルでは3.04×105V/cm、No.6のサンプルでは2.33×105V/cm、No.7のサンプルでは2×105V/cmとして、5万枚の通紙ランニングを行なった。
感光体サンプルは、電荷発生層上に2〜28(μm)の間で、4種類の膜厚を変えて塗布したフィラー非分散電荷輸送層上に、一次平均粒径が0.3μmのα−アルミナをフィラー分散電荷輸送層の25重量%になる様に添加して、2〜8μmの膜厚に積層した。
フィラー分散電荷輸送層の電荷輸送層に対する膜厚の比率は80%〜6.7%である。また、感光体の10点平均粗度は0.48μm台であり、鉛筆硬度はHB〜Hであった。
【0111】
これらの感光体を硬度81度に調整して作製されたクリーニングブレードを搭載し、感光体に対する当接圧が24.0g/cmになる様に、評価用の電子写真複写機の感光体ユニットにセットした。
トナーは平均円形度0.981〜0.987のブラックトナーを使用し、キャリアに対して5重量%を混合した。なお、トナーへの潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)は未添加である。
これらの評価結果を表2に示す。
【0112】
実施例に使用したフィラー分散電荷輸送層の膜厚の割合が6.7%〜80%のサンプルのいずれにおいても、画像品質は良好で、表には記載していないが、7.1〜9.0本/mmの高解像度を示し、ハーフトーン再現性も良好であった。一方、平均円形度の高いトナーを使用した場合は、帯電部材が若干汚れる程度の漏れは確認されたが、画像には影響は認められず、実用上の問題は発生しなかった。また、高硬度のブレードを使用した影響はクリーニング性が高いため、ブレードの下を通過するトナーが遮断されることもあって、感光体には画像には出ない程度のブレードによる軽い摺擦傷は生じるものの、深いスクラッチの発生は認められなかった。
【0113】
【表2】
※表中μは摩擦係数を表わし、添え字の0は初期、0.1Kは100枚、50Kは5万枚を示す。摩耗量は初期の感光層の膜厚から5万枚後の膜厚を引いた値で、13ポイントの平均値である(以下の実施例も同様)。判定の○は良好を示す(以下の実施例も同様)。
【0114】
実施例5〜6
感光体サンプルNo.5(実施例5)およびNo.6(実施例6)のサンプルを用い、平均円形度0.91の粉砕トナーを使用し、実施例1〜4に同じ内容で評価を行なった。感光体に印加する電界強度をNo.5で3.04×105V/cm、No.6では2.33×105V/cmとした。結果を表3に示す。
【0115】
円形度の低い粉砕トナーを使用した場合は、トナーのブレード抜けはほぼ皆無であり、極めて良好なクリーニング性を示した。また、解像度も6.3〜8本/mmと良好であり、濃度ムラも皆無であった。感光層の摩耗は重合トナーを使用した場合に比べて、少し多めとなったが、8μmのフィラー分散電荷輸送層にすることにより、高画質で高耐久化が可能となった。
【0116】
【表3】
判定の◎は優秀を示す(以下の実施例も同様)。
【0117】
実施例7〜9
乳化重合方法で製造した平均円形度が0.981〜0.987のブラックトナーに、潤滑剤として平均粒径0.3μmのステアリン酸亜鉛を0.03重量%添加したトナーと、キャリア(FPC−300LC)とを5重量%になるよう混合した現像剤を使用した。一方、感光体として、制振部材を内蔵しないNo.5(実施例7)、No.6(実施例8)、No.7(実施例9)を使用して、実施例1〜4の同様の内容で感光体評価を行なった。結果を表4に示す。これらの感光体はいずれも真円度が0〜20μm、真直度が±20μmを満足する感光体である。
【0118】
トナー中に潤滑剤を極微量添加することによって、感光体の摩擦係数が低減化する効果がもたらされた。その結果、トナーの感光体への付着力が弱められ、画像品質の向上、特には転写効率のアップが生じ、感光体上の残留トナーが少なくなり、クリーニング性に好結果が得られ、クリーニング性は実施例2〜4の結果よりも更に改善効果を高めることができた。解像度は実施例2〜4同様な結果であったが、よりシャープになった。感光層の摩耗は摩擦係数が低下したため、改善が見られ、更に、低摩耗となった。
【0119】
【表4】
【0120】
比較例1〜5
表1に記載のNo.1(比較例1)およびNo.2(比較例2)のフィラー非分散電荷輸送層の感光体、No.3(比較例3)、No.6(比較例4)およびNo.7(比較例5)のサンプルを使用して、クリーニングブレードをJIS−A硬度77度の評価用電子写真複写機に標準設置されている短冊状のポリウレタンブレード(幅2mm×13mm×320mm、自由長8.5mm)に戻して5万枚の通紙ランニングを行なった。
感光体に対する現像装置位置での電界強度を、No.1では3.18×105V/cm、No.2では2.86×105V/cm、No.3では5.8×105V/cm、No.6では2.33×105V/cm、No.7では2×105V/cmに夫々設定した。現像剤に使用したトナーは平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーであり、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を使用した。
その他の条件は実施例1〜4に記載の方法で行なった。結果を表5に示す。
【0121】
No.3の感光体のように、フィラー分散電荷輸送層の膜厚比が0.83と大きい場合は、フィラー分散電荷輸送層の膜厚が最大でも8μm程度に抑えないと、解像性や残留電位に影響が生じるため、フィラー非分散電荷輸送層の膜厚は薄くせざるを得ない。この様な状況では、静電容量が大きくなってしまうために、電界強度が大きくなってしまい、画像形成に必要な表面電位が低くなってしまい、画像濃度が低く、クリーニング性も不充分であったためにプアーな画像品質となった。
No.3以外の感光体においても、フィラー平均球形度が高い乳化重合法で製造した球形トナーは短冊状のクリーニングブレードではクリーニングが不充分であり、特にフィラー非分散電荷輸送層のみの感光体(No.1およびNo.2)では、更にクリーニング不良が悪化する傾向が見られた。クリーニング不良が起きたことによって、帯電部材に著しい汚れが帯状に生じ、ハーフトーン画像では僅かに筋の発生が確認された。
フィラー非分散電荷輸送層のみの感光体では感光層の硬度が低い(鉛筆硬度でB)ためと、摩擦係数が高い(0.6以上)ための現象と考えられるが、フィラー分散電荷輸送層を有する感光体でもクリーニング不良が生じたのは、前記したようにブレードのエッジの歪みによるものと解される。
また、フィラー非分散電荷輸送層のみのNo.1およびNo.2の感光体は、摩耗が大きくなり、耐久性が不充分である以外に、現像剤中のトナーの流動剤として添加しているシリカや酸化チタンの、感光層への潜り込み(刺さり)が生じ、ハーフトーン画像にムラを生じる要因となった。
【0122】
【表5】
表中、×はクリーニング不良、画像品質悪化のため、実用性を持たないことを意味する。
【0123】
実施例10〜13
フィラー分散電荷輸送層中のフィラー分散量を変えて評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.8〜No.13で、フィラー分散電荷輸送層中のフィラー分散量は、夫々、No.8では10重量%(HB)(実施例10)、No.9では20重量%(HB)(実施例11)、No.10では30重量%(H)(実施例12)、No.11では40重量%(H)(実施例13)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
鉛筆硬度向上のためのフィラーには平均粒径0.5μmのα−アルミナを使用し、電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図20の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
サンプルの表面粗度は表1に示すように10点平均表面粗度で0.4〜0.8を満足している。結果を表6に示す。
クリーニング性はフィラー分散量が10重量%程度ではやや不良気味であるが、20重量%になると、殆ど問題ない程度にクリーニング性が維持される。画像品質は20、30重量%が良好で、フィラー分散量が少ないと、クリーニング性の低下による帯電ローラの汚染で、フィラーが40重量%になると、摩耗が抑制されるためにコロナ生成物の除去が充分でないために、局部的に解像性低下(4.0〜4.5本/mm)が生じた。
すなわち、フィラー添加量の好適な範囲は10重量%、40重量%を除いた範囲が良好と判断される。
【0124】
【表6】
表中、△は枚数が5万枚の評価時点で、僅かにクリーニング性や画像品質に問題があることを意味する。(以下の実施例も同様)
【0125】
実施例14〜17
フィラー分散電荷輸送層に分散する一次平均粒径が0.2〜0.7μmの評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.12〜No.15で、フィラー分散電荷輸送層中のα−アルミナフィラーの一次粒径は、夫々、No.12では0.2μm(HB)(実施例14)、No.13では0.3μm(H)(実施例15)、No.14では0.5μm(HB)(実施例16)、No.15では0.7μm(H)(実施例17)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも0〜20μm、±20μmの範囲内である。
フィラーの添加量は25重量%で電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.4μm〜0.8μm内であり、最大粗さも1.0μm以下である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図22の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。評価結果を表7に示す。
フィラー分散電荷輸送層中の一次平均粒径を変えることによって、表面粗度が変化するが、上記表面粗度の範囲内のサンプルはいずれも、クリーニング性、画像品質とも良好であった。
【0126】
【表7】
【0127】
比較例6〜8
フィラー分散電荷輸送層に分散する一次平均粒径1.0μmの分散量を20、30、40重量%と変えた評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.16〜No.18で、フィラー分散電荷輸送層中のα−アルミナフィラーの分散量は、夫々、No.16で20重量%(H)(比較例6)、No.17では30重量%(2H)(比較例7)、No.18では40重量%(2H)(比較例8)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
フィラーの添加量は25重量%で電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図23の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。評価結果を表8に示す。
フィラーの一次平均粒径が1.0μmであっても、分散量を少なくすることによって、表面粗度が低く抑えられる傾向はあるが、感光層上にフィラーの凸部があるために、クリーニング性、画像品質共に影響が出る傾向があり、トナー抜けによる、帯電部材の汚れや、地汚れが微かに発生した。また分散量が多くなるにつれ、表面粗度が大きくなり、クリーニング性、画像品質とも悪化が見られた。
【0128】
【表8】
【0129】
実施例18〜19
表1に記載のNo.15と同等の感光体を2本用意し、JIS硬度が81度(実施例18)、87度(実施例19)、のポリウレタンゴムブレードを感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を24g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.7μmα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmである。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度は、2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表9に示す。
JIS−A硬度が81度、87度のブレードとも殆どトナー抜けは確認されず、画像への影響もなく、良好な画像品質であった。
【0130】
【表9】
【0131】
比較例8〜9
表1に記載のNo.15と同等の感光体を2本用意し、JIS硬度が74度(比較例8)、92度(比較例9)、のポリウレタンゴムブレードを感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を24g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.7μmのα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmである。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度は、2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表10に示す。
評価した結果、JIS−A硬度が74度および92度のブレードとも良い結果では無かった。硬度が低い場合には、従来の短冊状のクリーニングブレードより良好ではあったが、トナー抜け現象は生じ、帯電ローラにトナー付着が生じ、ハーフトーン画像に僅かに筋模様が生じた。
一方、硬度が92度と大きい場合には、74度の硬度のブレードよりは更にトナー抜けは良くなったが、感光体上に僅かにトナーの付着が見られ、帯電部材に薄くトナー付着が見られたが、5万枚時点では画像への影響はハーフトーン画像に僅かに濃淡差が見られる程度の微少な影響であった。
【0132】
【表10】
【0133】
実施例20
評価用の感光体として表1のNo.6の感光体を4本(マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)用)用意した。クリーニングブレードにはJIS−A硬度87の図20に図示するシャープカットされた形態のブレードを当接圧(線圧)21.5g/cmになる様に感光体ユニットに取り付けた。
平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造したM、Y、C、およびBkトナーに、平均粒径0.3μmのステアリン酸亜鉛を0.03重量%添加したトナー、キャリアには重量平均粒径58μmの磁性紛(FPC−300LC)を使用し、5重量%濃度の現像剤を現像ユニットに投入した。
感光体ユニットおよび現像装置を、評価用に用意したカラーレーザービームプリンタに搭載し、現像位置での感光体に印加される電界強度は2.5×105V/cmとして、5万枚のランニング評価を実施した。結果を表11に示す。表中上よりマゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)の結果を示す。
トナー中にはいずれも潤滑剤が入っているため、トナーのクリーニング性は良好で、トナーフィルミングの兆候は見られなかった。1ドット再現性も良好で、ドット間のにじみはなく、良好なカラー再現性を示した。
【0134】
【表11】
【0135】
比較例10〜12
評価用感光体サンプルとして、表1に記載のNo.19(比較例10)、No.20(比較例11)、No.21(比較例12)の感光体を用意した。No.19の感光体についての真直度および真円度の測定結果を図26および図27に示す。真円度は0〜20(μm)を満足しているが、真直度は+20μmを大きく外れ、+35μmを示している。No.20、No.21の感光体は図示しないが、真円度は22〜24μm、真直度は+30〜45μmと+20μmを大きく外れている。
クリニングブレードには、JIS硬度が87度の図22に示す形状のポリウレタンゴムブレード(先端部エッジの幅0.2mm)を感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を30g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.3μm(No.19、20)および0.5μm(No.21)のα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は20μm(No.19)、27μm(No.20、21)、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmとした。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度を、No.19のサンプルが3×105V/cm、No.20、21のサンプルが2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さで0.5μm前後であり、最大粗さは0.7μm前後である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表12に示す。
感光体の真円度、真直度が大きい場合は、感光体が歪んでいることを意味するが、感光体と帯電部材間および感光体とクリーニング部材間の距離が不均一になるため、帯電ムラおよび、クリーニング不良(トナー抜け)の要因となる。比較例10のサンプルでは真円度は0〜20μmの中に入っているが、真直度の暴れが大きいため、トナー抜けが局部的に起こり、筋状にフィルミング、擦り傷が発生した。また、帯電ローラに汚れが起こり、また画像ムラも若干生じた。一方、比較例11および12では真円度、真直度とも大きいため、クリーニング性不良、コピー画像上に薄い濃度ムラが生じ、局所的に解像度が5.6本/と低い領域があった。さらに、微かに地肌汚れが認められた。
【0136】
【表12】
【0137】
実施例21〜22
表1に記載のNo.1の感光体(実施例21−フィラー添加なし、膜厚22μm)、No.2の感光体(実施例22−フィラー添加なし)を使用した。鉛筆硬度はいずれもBであった。これらの感光体には制振部材は内蔵していない。真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
感光体に印加する現像装置位置での電界強度はNo.1のサンプルで2.7×105V/cm、No.2のサンプルで2.14×105V/cmとした。感光体の表面電位−600Vに相当する電界強度である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤を0.03%分散したブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度87度の鋭角にシャープカットされた図20の形式のブレードを当接圧(線圧)22g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
サンプルの表面粗度は表1に示すように10点平均表面粗度で0.09〜0.1であった。結果を表13に示す。
電荷輸送層を、フィラーを添加しないフィラー非分散電荷輸送層にした場合には、感光層表面が柔らかいという状況にあるため、フィラーを分散した感光層に比べ、若干劣る傾向にはあったが、従来の短冊状のクリーニングブレードに比較して、明らかに良好な状態であった。
【0138】
【表13】
【0139】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の請求項1乃至3に記載の構成によって、フィラーを分散していないフィラー非分散電荷輸送層とフィラーを分散したフィラー分散電荷輸送層とを合わせた感光層の膜厚に対する、フィラー分散電荷輸送層との膜厚の割合が6.7%〜80%の感光体と、クリーニングに供されるクリーニング部材が鋭角にシャープカットされた先端部をもつ弾性体とを組み合わせることによって、従来の短冊状の形態で問題があった面接触によって、トナーを帯電部材の方に送り出すことや、局部的な歪みも無視できるため、クリーニング不良を実用上問題ないレベルまで、改善することができる。また、請求項4の構成によって、フィラー分散電荷輸送層中のフィラー濃度をフィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下にすることによって、適度に摩耗させながら使用できるため、感光体に付着した汚染物質も適度に削られ、異常に付着することが抑制される。その結果、フィラー分散電荷輸送層のない、従来の感光体に比して、高耐久化(感光層の耐摩耗性、スクラッチの発生しにくさ)が図れると共に、安定した、濃度ムラのない画像品質を長く提供できる。また、感光層の硬度アップによって、クリーニングブレードのエッジ部の食い込みが緩和される他、硬度の高いクリーニングブレードが使用されるため、エッジの歪みが少ないこととも相まって、平均円形度が大きいトナーであっても、トナー抜けが起こりにくくなるというメリットが生じる。また、請求項5の構成によって、一次粒径が0.2〜0.7μmのアルミナフィラーをフィラー分散電荷輸送層に分散したとき、感光層の10点平均粗さが0.4〜0.8μm、最大粗さが1.0μm以内にすることによって、ブレードエッジの感光層への食い込みが抑制されるために、エッジ部の局部的な歪みが生じにくい。また、感光層表層が平坦であるために、ブレードと感光層間に隙間が生じ難いために、平均円形度の高い重合法によって作製された球形トナーであっても、良好にクリーニングができる。クリーニングエッジの痛みが少ないために、クリーニングブレードの耐久性も良好になる。また、請求項6の構成によって、感光層表層の摩擦係数を下げることによって、トナーの感光層への付着力が低減するために、トナーのクリーニング性が向上するとともに、トナー像の転写効率がアップするため、局部的な画像抜けがなくなる。またクリーニングブレードの負担が少なくなるために、クリーニングブレードの耐久性を延ばすことが可能である。更に、クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗が下がるために、振動音が軽減され、騒音が解消する。また、請求項7の構成によって、フィラー分散電荷輸送層の硬度を鉛筆硬度HpでHB≦Hp<2Hとすることによって、適度な耐摩耗性が図られる。このことによって、感光体の耐久性は向上するが、感光層の摩耗が少しあるために、コロナ生成物のような低抵抗物質が付着しても、適度に摩耗するため、フィルミングの発生に伴う、あるいはコロナ生成物の付着に伴って起こる、画像劣化を最小限にくい止めることができる。また、請求項8、9の構成によって、画像形成時における真円度を0〜20(μm)、真直度を±20μmにすることによって、接触帯電部材、非接触帯電部材を使用した場合でも、安定した帯電を行なうことができ、均一性に飛んだ画像が提供可能である。また、請求項10の構成によって感光層の総膜厚を10μm以上、30μm以下に設定し、電界強度を1.3×105〜4.0×105(V/cm)にすることにより、シャープ性、解像性良好な、地肌汚れのないコピー画像が得られる。また、放電破壊し難いため、画像品質が安定している。また、請求項11の構成によって、クリーニングブレードの硬度をJIS−A硬度で80〜90度の通常より高めに設定することにより、ブレードに歪みや、振動を起こしにくくなるため、感光体との密着性が図られる。その結果、トナーのブレード下を抜ける頻度が大幅に減少し、クリーニング性の向上と、安定性、画像品質の良好な維持を図ることができる。また、請求項12の構成によって、クリーニングブレードの当接圧(線圧)を20〜25(g/cm)に設定することによって、硬度の高いクリーニングブレードを使用しても、感光体に深い傷をつけることなく良好なクリーニング性能を維持することができる。また、傷つけることが無いため、ブレードエッジの摩耗も少なく、高耐久を維持することができる。また、請求項13の構成によって、クリーニングブレードの感光層に当接する先端部のエッジを0〜0.5mmにすることにより、感光体との均一な密着性を図ることができるので、良好なクリーニング性を発揮することができる。また、請求項14の構成によって、クリーニング部材を硬い金属製の支持体に固定することにより、安定した、感光体への当接を保証できるため、安定した画像品質を得ることができる。また、請求項15の構成によって、上記した感光体および、クリーニングブレードは4連タンデム方式のカラー方式の画像形成装置にも問題なく使用できる。また、請求項16、17の構成によって、本発明における感光体、クリーニングブレードは感光体とクリーニングブレードとを一体構成したプロセスユニット、感光体、クリーニングブレード、および現像装置とを一体構成したプロセスユニットとして画像形成装置に組み込むことができるため、組立などの作業効率が向上し、部品交換や清掃などのメンテナンスおよび再生において有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の他の概略図である。
【図3】本発明の4連タンデム方式のカラーレーザービームプリンタの概略図である。
【図4】本発明のプロセスユニットの一例を示す。
【図5】本発明に使用する電子写真感光体の構成を説明する概略図である。
【図6】電荷輸送層を構成するフィラー分散電荷輸送層の好適な膜厚割合を示すグラフである。
【図7】フィラー分散電荷輸送層の表面粗度の無機フィラー(αアルミナ)平均一次粒径依存性を示すグラフ例である。
【図8】フィラー分散電荷輸送層中へのフィラー添加量による感光層摩耗量および画像品質ランクの関係を示すグラフである。
【図9】制振部材を内蔵した感光体の真直度測定例である。
【図10】制振部材を内蔵した感光体の真円度測定例である。
【図11】制振部材を内蔵した感光体の他の真直度測定例である。
【図12】制振部材を内蔵した感光体の他の真円度測定例である。
【図13】従来のクリーニングブレードによるトナー抜けを説明する模式図である。
【図14】クリーニングブレードの側面から見た断面図である。
【図15】クリーニングブレードの側面から見た他の断面図である。
【図16】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する概略図である。
【図17】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図18】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図19】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図20】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図21】金型成形で製造したクリーニングブレードの感光体との当接面のバリをカットする状況を説明する概略図である。
【図22】クリーニングブレードの感光体に当接させた状態、および支持基体からブレードの先端までの自由長を説明する概略図である。
【図23】クリーニングブレードの感光体に当接させた状態、および支持基体からブレードの先端までの自由長を説明する他の概略図である。
【図24】本発明のクリーニングブレードによるトナークリーニングの状態を説明する模式図である。
【図25】感光体内に制振部材を内蔵した状態を示す模式図である。
【図26】比較例10に使用した制振部材を内蔵した感光体の真直度測定結果である。
【図27】比較例10に使用した制振部材を内蔵した感光体の真円度測定結果である。
【符号の説明】
1:電子写真用感光体(感光体)
2:帯電装置
3:画像露光装置
4:現像装置
5:転写装置
6:分離装置
7:クリーニング装置
7−1:クリーニングブレード
8:定着装置
9:コピー用紙
10:制振部材
200:潤滑剤付与装置
201:潤滑剤
202:潤滑剤塗布ブラシ
【発明の属する技術分野】
本発明は、円形度が大きい球形トナーであっても良好なクリーニングが行なえるブレードクリーニング装置と、無機フィラーを感光層に分散した電子写真感光体とを搭載し、間接電子写真法で画像形成を行なうための画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光体の耐久化に関する技術として、ファクシミリ、レーザービームプリンタ、電子写真複写機などの間接電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、分離装置、クリーニング装置、除電装置、及び定着装置が配設され、画像形成が行なわれる。
画像形成に使用される感光体には、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、アモルファスセレン(a−Se、a−Se−Te、a−As2Se3など)、アモルファスシリコン(a−Si:H)などがあるが、近年では作製が容易、高感度設計が可能、低コスト、無公害等の多くのメリットを有する有機系感光体が主に使用される。
有機系感光体には、感光層が電荷発生材と電荷輸送材の機能が一体的に構成された単層型と、電荷発生層と電荷輸送層の2層構成となった機能分離型の感光体が主に使用される。
【0003】
本発明では、電荷輸送層が感光体の最表層に形成された機能分離型の感光体を典型例として説明する。
一般的な機能分離型の有機感光体の構成は、導電性支持体上に直接、あるいは下引き層(もしくは中間層)を介して電荷発生層、ついで電荷輸送物質を含有する樹脂層(電荷輸送層)が形成されたものである。本発明では電荷発生層には無機材料、有機材料のいずれも限定されずに使用可能である。
一方、電荷輸送層の構成材料であるバインダー樹脂材料には、高抵抗で透明性が高く、極性依存性の少ないポリカーボネート系樹脂材料(A型、C型、Z型などがある)が好適に使用される。ポリカーボネート系樹脂を使用した感光層はビッカース硬度では、10〜30kg/mm2、鉛筆硬度では2B〜F程度と小さく、引っ張り強度も小さい。さらに、帯電時に生成されるオゾンや窒素酸化物(NOx)等のコロナ生成物が付着し易く、自由表面エネルギー(又は摩擦係数)が小さくなる。したがって、クリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きくなり、感光層にはスクラッチが入りやすく、摩耗し易くなる他、クリーニングブレードの摺擦によって、キーキーという高周波音(振動音)が発生することもある。このような状況の下での有機感光体の耐久枚数は5万枚〜10万枚程度である。
耐久枚数が低いことによって、コピー枚数の多いユーザーでは感光体、およびそれに関連した部材の交換が頻繁となり問題となる。
耐久枚数とは、感光層が摩耗することによって帯電々位が低下し、あるいは摩耗の不均一性によって、地肌汚れや濃度ムラなどの画像異常が生じ、使用できなくなる迄のコピー枚数を指す。
耐久枚数を左右する要因には原稿の画像面積、クリーニング部材、現像剤による摺擦、クリーニング部材によるトナーやキャリア、紙粉などの圧接、前記した帯電時に発生するコロナ生成物等がある。感光層が摩耗することにより、静電容量が大きくなるため、帯電々位は低下する。したがって、帯電電位と現像バイアス電位間の余裕度が小さくなり、地肌汚れの可能性が大きくなる。
【0004】
4連タンデム方式のカラー複写機(感光体を4本使用し、感光体毎に帯電、露光、現像(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック現像剤)、クリーニング装置を配した複写システムで、転写は一括して行なわれる。)では、地肌汚れの他、原稿の色や、画像面積、現像剤の送り量、トナー量などによって、4本の感光体の摩耗に違いが生じるため、色の均一性、色再現性の低下となって現れる。
感光体の耐摩耗性を向上させることは、トータルコストの低減化、画像品質に対する信頼性を保証する。したがって、感光体の高耐久化を図ることは重要である。
感光体を高耐久化する技術には、感光体表層に耐摩耗性の薄膜を形成する方法、耐摩耗性の感光材料で感光層を構成する方法、感光層の最表面を耐摩耗性にする方法、等がある。
【0005】
以下に、耐久性を向上させるための開示例を示す。
(1)特開平1−92756号公報、特開平2−79047号公報、特開平4−66954号公報等には、感光層上に蒸着、CVD法などの乾式の製膜法を使用して、可視光から赤外光領域の透過性が高く、帯電特性、残留電位が許容できる体積固有抵抗(1011〜1014Ω・cm)を有する耐摩耗性の高いa−SiC層(非晶質炭化シリコン層)やa−C層(非晶質炭素層)、DLC層(Diamond Like Carbon層)等の均一薄膜を形成することが記載されている。
上記する薄膜の膜硬度(ヌープ硬度)は500〜2000(kg/mm2)と、有機材料の20〜100倍程度大きいため、感光体の高耐久化を図るのには有効な手段であり、2μm程度の薄膜でも、50万枚〜100万枚程度の耐久性を達成することが、本発明者等によって確認されている。
しかしながら、上記した薄膜で感光体の高耐久化を図ることができるが、帯電時に発生したオゾンや窒素酸化物(NOx)等のコロナ生成物が付着したり、酸化により低抵抗化することがあり、また、耐摩耗性が大きいために、付着物が容易に除去されず、比較的早い段階で、画像流れが起こるという問題がある。また、有機感光層などの柔らかい樹脂層の上に形成した場合には、ブレードの圧接やオゾン生成物の作用によってピンホールや剥離を発生し易いこと、さらに、ローラ帯電方式では帯電ムラが起こりやすい等の問題がある。
【0006】
(2)特開平06−035220号公報、特開平08−234469号公報には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化アンチモン酸化インジウム、酸化ビスマス、錫ドープ酸化インジウム等の導電性微粒子を分散した感光層を用いて感光体を構成することが記載されている。
感光層中に高硬度の導電性微粒子を適当量分散することによって、耐摩耗性を向上させることが可能である。低抵抗の微粒子を使用することで、電荷注入帯電には有効であるが、ハザードのきつい接触帯電法を使用する場合、画像流れが生じやすく、画像品質低下に対する耐性をも両立させることはかなり難しい。
【0007】
(3)特開平08−123053号公報には、0.02〜5μm(好ましくは0.07〜2.0μm)の無機化合物粒子、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウムなどの金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物とブタジエン系電荷輸送材料を含有した感光層を用いて感光体を構成することが記載されている。
この手段は、シリカを除く高抵抗の無機化合物粒子を感光層中に分散することによって耐摩耗性を向上させ、帯電能を確保することが可能である。感光層中にブタジエン系電荷輸送材料を含有させることによって、電荷輸送層と同じように電荷の移動度を保持できるため、感度低下も少なく帯電、感度に関しての課題はある程度払拭できる。しかしながら、粒子とバインダー樹脂間はトラップサイトを形成しやすいため、単に含有させただけでは繰り返し使用によって残留電位が蓄積し、光減衰の劣化が生じ、次第に画像濃度低下、画像ムラを生じることがある。また、大粒径のフィラーを使用すると、ライン画像のシャープ性低下が生じ、一方では、クリーニングブレードのエッジが変形し、クリーニング不良を起こしやすいといった問題がある。
シリカを使用した場合、オゾンによる酸化作用のため、感光層の急激な低抵抗化を招き、60%RH程度の常湿環境であっても、画像流れを起こしやすい。
【0008】
(4)特開平08−234455号公報には、厚さ12μm以下の電荷輸送層に1〜3μmの粒径のシリコーン樹脂、フェノール樹脂、SiO2(シリカ)、Al2O3(アルミナ)、TiO2(酸化チタン)、ZnO(酸化亜鉛)を分散した感光層で感光体を構成することが記載されている。
この技術は、ある程度大きな粒径の粒子を使用することで、高耐摩耗性を図るものであるが、粒子の粒径が大きいため、感光体表層の表面粗度が大きくなり、画像エッジのシャープ性が欠けること、また、ブレードクリーニング方式を用いた場合、エッジが歪み、トナー抜けが生じ、コピー紙の画像品質の低下や、地肌汚れの原因を起こしやすいこと、更に、ブレードエッジが欠け、クリーニングブレードの耐久性が維持できない等不充分な点がある。
【0009】
(5)特開平08−146641号公報には、平均粒径が0.02〜0.5μmの酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素などの無機化合物微粒子を1種又は2種のポリカーボネート樹脂中に分散した感光層が記載されている
この技術は、(3)に記載した内容とほぼ同様であるが、小粒径の粒子を使用しているため、粒子による画像品質の劣化は小さい。但し、粒径が小さい領域(例えば0.1μm以下)では、添加効果が発現されにくいので、耐久性アップの効果は小さい。
【0010】
(6)特開平08−248663号公報には、0.01μm〜2μmの表面粗さの導電性支持体上に形成された表面粗さが0.1〜0.5μmの感光層に、平均粒径0.05〜0.5μmの無機微粒子(疎水化処理したシリカ)を0.05〜15μmの厚みにわたって分散することが記載されている。
この手段は、分散するシリカ粒子に疎水化を施すことによって、高耐久化と、コロナ生成物などの汚染物質の付着で起こる解像度低下、画像流れを防止するものである。
無機微粒子の疎水化によって水滴の弾き効果(接触角が大きい)は発現するが、コロナ生成物の付着までは防止できないため、画像流れは防止できない。また、感光層表面に出た疎水処理を施された無機微粒子は、ブレードなどによる摺擦により被膜が削れる問題点があり、また、シリカはオゾンの作用によって低抵抗化が進行するため、画像流れの改善は殆ど不可能である。
【0011】
感光体の表面粗度に関する記述
感光体の表面粗度は、画像品質を維持していく上で重要である。表面粗度は粒度を持った物体を、感光層に付与したり、または粒状材料を分散した薄膜を形成したりすることによって左右される。また、粒度が大きくなると共に、表面粗度が大きくなる。特に、感光層に分散されるフィラーの粒径が0.7〜1.0μm程度以上になると、表面粗度は10点平均粗さRzJISで0.8μm〜1.5μm程度、最大高さRzは2〜3μm程度となる。この様に表面粗度が大きいと、感光体表面の電荷密度が散漫になり、また、転写時のコピー用紙の密着性にも影響が生じるため、文字エッジのシャープ性が欠けた画像になる。また、粒子間にコロナ生成物が溜まり、クリーニング不良になるため、画像流れを起こす素因となる。
更に、クリーニングブレードの感光体に当接するエッジ部が局部的に歪みを起こすため、ブレードと感光体間に隙間ができ、トナーのクリーニング不良が生じる。この様な繰り返しが続くと、次第にブレードエッジが欠け、恒常的なクリーニング不良となる。したがって、帯電部材が汚染し、コピー用紙の地汚れが起こる。
良好な画像品質を得るためには表面粗度は小さい方が望ましいが、あまり表面粗度が小さいと、感光体とクリーニングブレード間の摩擦係数が高くなるため、ブレードエッジが感光体に引きずられて変形し、同様にクリーニング不良の要因となる。一般に使用されるブレードの硬度は、例えばJIS−A硬度で50度〜75度の短冊状のゴム部材が使用される。
この様な部材では変形して歪みを生じ易いため、感光体との間に僅かな隙間を生じ、球形度の高いトナー程、その隙間から、帯電装置側へすり抜けや送り出し易くなり、また、ブレード先端部にトナーが滞留し、感光体への押さえつけが起こり易い。
この様な状況が続くと、地肌汚れや、ライン画像の画像潰れを起こし、クリーニングブレードにおいては恒常的なクリーニング不良が起こりやすくなり、ブレードの早期交換を余儀なくされる。
【0012】
感光体の真円度・真直度に関する記述
有機感光体は殆どがドラム上の導電性支持体上に感光層をコーティングすることによって作製されるが、濃度ムラのない画像品質を提供するためには、画像形成開始時の感光体外径は可能な限り真円、真直であることが必要である。特に帯電ローラを使用した帯電方式の場合は重要である。
【0013】
真円度、真直度に関した従来例を示す。
例えば、導電性支持体では、特開平11−143292号公報には感光体の真円度を10〜30(μm)に設定することが記載され、特開平07−319326号公報には真円度、真直度を0.080mm(80μm)〜0.002mm(2μm)に設定することが望ましいと記載され、特開2001−222129号公報には真直度を0.1mm以下に設定することが望ましいと記載されている。
【0014】
真円度、真直度は、感光体の導電性支持体で抑えておくことが基本であるが、感光層塗布後の加熱乾燥時、感光体にフランジを装着するとき、及び、感光体内部への制振部材装着時に少なからず変形を起こし変化する。真円度、真直度は小さい方が望ましく、大きい程感光体はいびつな回転をし、ローラ帯電を使用した場合には、帯電ムラが起こり、現像部では現像ムラを生じる。したがって、支持体のみで押さえるのは不充分で、完成した感光体で目標値に納めるのが重要である。
【0015】
トナーおよびキャリアに関する記述
画像形成装置では、帯電、画像露光によって形成された静電潜像を可視化するのに、1成分系の現像剤、若しくは、トナーとキャリアを適当量配合した2成分系の現像剤が使用される。現像方式にはマグネットブラシ現像法、噴霧現像法、カスケード現像法、飛翔現像法などがあるが、主流はマグネットブラシ現像法である。
2成分系の現像剤に使用されるキャリアには、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどの帯電制御剤を含有する樹脂被覆を有する30〜80μm程度粒径の磁性紛が使用される。粒径が小さいほど、高解像度が得られやすいが、あまり小さいと、キャリアが感光体に付着しやすくなるため、画像抜けや感光体の傷つきの要因になる。したがって、複写システムに適応したキャリアの選定が必要となる。
【0016】
一方、トナーは近年、カラー複写機の普及にともなって、高精細化、画像の再現性が益々要求される様になり、粒径は4〜8μmの小粒径のものが主流に使用される。
トナーの製造法には主として粉砕法と重合法がある。
粉砕法は重合によって製造されたバインダーポリマー中に、着色剤、帯電制御剤などの添加剤を溶融、混練して得られた固まりを粗粉砕、微粉砕してふるいで分級する方法である。
粉砕法ではトナーを細粒化できるというメリットがあるが、工程が複雑であるため、コストが高くなりやすい。
【0017】
粉砕法で製造されたトナーは形状がいびつな凹凸のある形状(異形)のものである。現像剤用のトナーとするために更に角を丸める工程が付加され、分級により篩い分けられ一定粒径のものとなる。一般的に使用されるトナーでは、トナーの円形度が小さい(角張っている)ため、粒子の帯電が一様になりにくく、転写不良を起こしやすい。また、クリーニングブレードで感光体に押さえつけられると、スクラッチが起こりやすい傾向が見られる。
また、初期にはシャープ性の良好な高解像度が得られても持続し難い、コピーのコピー(2代目、3代目コピー)をプリントした場合、解像度が極端に悪くなり、実用に供しないといった問題点がある。このため、更に球形度を上げたトナーの開発も行なわれているが、更にコスト高になるため、重合法への転換も進められている。
【0018】
重合法の主たる製造方法には懸濁重合法や乳化重合法等がある。例えば、懸濁重合法の場合、バインダー樹脂に着色剤や帯電制御剤等の添加剤を均一化処理し、分散媒、分散剤を添加し重合して製造される。重合法は工程が簡素化されているため、粉砕法に比べ製造コストが安い。また、粒径が比較的良く揃っており、異形状の粒子が殆ど製造されない(殆どが球形トナーである)というメリットがある。
重合法で製造された粒子は殆どが球形であり、粒径がほぼ揃っているため、帯電を均一に揃えやすく、潜像にほぼ忠実に付着する。そのため、転写効率が高く、高解像度を得られやすく、画像の再現性が高い。このことから、近年はメリットの多い重合法で製造されたトナーが使用される例も多い。
【0019】
重合法で作製された球形トナーの円形度は、球形化された粉砕トナー(0.91〜0.95程度)に比べて更に大きい(0.98〜0.998)ため、ブレードクリーニング法ではクリーニング不良を起こしやすいという問題点が起こる。これまでの粉砕トナーで使用されてきた通常のクリーニングブレードは、そのブレード硬度が50度〜75度程度と比較的柔らかいゴムブレードが使用されているため、ブレードの押圧で感光体に凹みを生じると、同時にブレードエッジも歪む。また、感光体の摩擦係数が高いために、ブレードの先端部が感光体に巻き込まれ変形する。このため、ブレードと感光体間に僅かな隙間を生じ、クリーニングブレードに滞留したトナーは、ブレードの隙間を抜ける、いわゆるトナー抜けが発生する。このトナー抜けは引っかかりが少ない球形トナーほど大きくなる傾向がある。
ブレードの当接圧を軽くしているクリーニング装置では、殆どクリーニングされないこともあり、また感光体表層が柔らかい感光体ほどクリーニング性が行なわれにくいという傾向がある。
【0020】
クリーニングに関する記述
トナーをクリーニングする方法には、1体のクリーニングブレードを感光体の回転方向に対して、逆回転方向(カウンター)、若しくは順回転方向(リーディング)に設置させて行なう2通りがあるが、更に必要に応じて、ポリエステル繊維やナイロン繊維等のクリーニングブラシが併用される。
ブレードクリーニング方式では画像形成装置の小型化には有利な方法であるため、殆どの画像形成装置に採用されている。
ブレードクリーニング方式では、ブレードを感光体の回転方向に対してカウンター方向に設置すると、感光体に対する食い込みが増し、トナーのクリーニング性能を高めることができるため、今日の主流となっている。
クリーニングブレードはJIS−A硬度が50度〜70度程度、反発弾性率が40〜70%程度の弾性板ゴムを、幅1.5mm〜3mmの短冊状にカットし、アルミニウムや鉄製の板状支持基体に取り付けて使用するのが一般的である。
現在、一般的に使用されるクリーニングブレード用のポリウレタンゴムは、ポリカーボネート樹脂製の感光体には密着し易く、感光体とブレード間の摩擦抵抗が極めて大きい。
このため、通常は、何らかの潤滑剤を感光体表層に取り込むなり、外部より付与することが行なわれており、一端回転するとトナーもある程度の潤滑剤となるため、特に摩擦係数の低減化が困難なバインダー樹脂を使った感光体でない限り、感光体を正常に回転させることができる。しかし、充分に摩擦係数が低くなっている訳ではないので、クリーニングブレードのエッジが感光体に当接されると、エッジ部が感光体の回転方向に引っ張られ、エッジが歪みを起こし、ビビリ(振動)現象を生じる。このときブレードと感光体間に僅かな隙間を生じるため、感光体に付着しているトナーや、紙粉などの粉体がすり抜ける現象が起こる。トナーのすり抜けはトナーフィルミングや、帯電部材の汚染となり、帯電不良、画像品質の低下などを引き起こす。
トナーがすり抜ける他の要因としては、クリーニングブレードのカット幅が1.5〜3(mm)であるため、押圧及び感光体に引きずられることによって変形し、カット面が感光体に近づき、トナーがブレードと感光体間に挟まれることによって、ブレードに浮きが生じた場合、感光体表層の耐久化が図られていない通常の有機感光体では、表面層が柔らかいため、ブレードのエッジの食い込みが生じ、エッジが歪み、均等な当接ができない場合等がある。このことから、感光層表面はある程度硬く、かつ、感光体との密着度が増さない範囲で、表面粗度は可能な限り小さい方が好ましいと言える。
【0021】
球形トナーを良好にクリーニングする方法についてはいくつかの開示例がある。
特開2001−242758号公報には、複数枚の板状のクリーニングブレードを張り合わせ、感光体に当接しているブレードAと当接していない側の反発弾性Bとの関係を0.1B<Aとし、10〜30N/mの押圧に設定することが記載され、特開平5−265360号公報には、クリーニング部材に板状の導電性ブレードを使用し、該ブレードに交流バイアス及び、現像時のトナーが帯電する電荷と同極性の直流電圧を印加することが記載され、特開2001−312191号公報には、形状係数SF−1を100〜140、SF−2を100〜120とするトナーを使用し、感光体にカウンター方向に当接したクリーニングブレードを線圧が20g/cm〜60g/cmとなるように設定することが記載され、特開2001−305776号公報には、板状のクリーニングブレードを使用し、感光体表層に1次粒子の平均径が5〜500nmの珪素化合物微粒子を固形分全重量基準で、3〜30重量部含有させることが記載されている。
【0022】
トナーを良好にクリーニングするためには、回転によってクリーニングブレードエッジ部が振動しないようにすること、ブレードのエッジ部が感光体に引きずられて歪まないようにすること、さらにはブレードによってトナーが押しつけられる余地を作らないこと(駆動中にブレードは感光体に対し面当接でなく線当接すること)が重要である。このためには、クリーニングブレードの形状や変形に強いことは元より、感光体側にもする抜けが起こらない様な対策が必要である。ブレードの振動は感光体の摩耗を増長させる要因にもなる。
また、感光体の摩擦係数が大きいと、ブレードが歪み易く、トナーが感光体に付着し易い。したがって、ブレードのエッジ部は浮き、トナーのすり抜け現象が生じる。開示例では一定の効果は認められるが、いずれの方法においてもなお、改善する余地が残されており、長時間の使用によって、クリーニング性が低下する可能性を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、平均円形度が0.98や0.99と大きいトナーであっても、画像形成に影響与えない程度にクリーニングすることができ、ムラのない、画像濃度良好で、安定性のある高品位の画像を安定して維持しうる画像形成装置およびプロセスユニットを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
平均円形度が高い0.98や0.99程度の球形トナーが、クリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良を起こす現象について検討した結果、以下に示す内容によって起こることが判明した。
クリーニングブレードに使用されるブレードには、一般に硬度が70度前後の比較的柔らかい弾性体が使用される。クリーニングブレードは短冊状にカットしたブレードエッジが感光体に線接触するように当接している。感光体が回転すると、回転方向にブレード先端部が引きずられ、先端部が潰れや捻れを起こし、感光体の間に隙間を生じたり、引きずり込まれて、トナーが潜り込む現象が生じる。感光体の真円度、真直度が大きい場合(凹凸や歪みが大きい)、摩擦係数(又は表面自由エネルギー)が大きい場合、感光体の硬度が低い有機感光体を使用した場合、感光体が回転時に振動する場合等に、ブレードエッジに歪みや捻れ、浮き等が起こりやすいことが判明した。
トナーのクリーニングブレード抜け(クリーニング不良)が起こると、地肌汚れの要因になるばかりではなく、クリーニングブレードの寿命低下、感光体の摩耗促進による耐久性低下を引き起こす。このことはコストアップへとつながる。
【0025】
上記課題について解決手段を鋭意検討した結果、下記に記載する事柄を実施することで、達成できることが判明した。
真円度および真直度が夫々「20μm」、「±20μm」であり、電荷輸送層の膜厚が「10μm〜30μm」である感光層の表層から、「6.7%〜80%」の深さにわたって、1次平均粒径が「0.2μm〜0.7μm」のアルミナを「10重量%以上、40重量%以下」分散して、鉛筆硬度Hpは「HB≦Hp<2H」となし、また、表面粗度を10点平均粗さRzJISで「0.4μm〜0.8μm」、最大高さRzで「1.0μm以下」とした感光体、及び、
JIS−A硬度が「80〜90度」、感光体との当接圧が「15g/cm以上、25g/cm以下」、感光体と当接するエッジ部が、側面より見てシャープカットされた形状を有し、感光体との当接する部位のエッジ幅Wが「0<W≦0.5mm」で、感光体に対して「カウンター方向」に当接できるクリーニングブレード、
を組み合わせた画像形成装置で達成できる。
【0026】
具体的には以下の通りである。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)「電子写真感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び定着装置が、好適な位置に配置され画像形成が行なわれる間接電子写真法を用いた画像形成装置において、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が積層され、該電荷輸送層が少なくとも有機感光層である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接しトナークリーニングに供せられる先端部がV字若しくはナイフエッジ状に鋭角の形状を有し、前記電子写真感光体に対してカウンター当接、配置される弾性クリーニングブレードとを具備してなることを特徴とする画像形成装置」、(2)「前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、フィラー分散電荷輸送層は電荷輸送層全膜厚の6.7%〜80%を占めることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(3)「前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、該両層間には明確な界面が存在しないことを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(4)「前記フィラー分散電荷輸送層中に添加されるフィラーの量が、フィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(5)「フィラーの平均粒径が0.2μm〜0.7μmのアルミナであり、アルミナを分散した電荷輸送層最表面の画像形成時における10点平均粗さが0.4μm〜0.8μm、最大粗さが1.0μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(6)「電子写真感光体の画像形成開始時における静止摩擦係数が0.3〜0.5であり、潤滑剤付与時の画像形成100枚以降の平均摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(7)「前記フィラー分散電荷輸送層の表層における鉛筆硬度(Hp)はHB≦Hp<2Hであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(8)「画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が0〜20μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(9)「前記電子写真感光体が制振部材を内蔵して、画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が20μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(10)「前記電荷輸送層の総膜厚が10μm以上、30μm以下であり、現像時の、現像位置における電子写真感光体の保持する電界強度が(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(11)「前記感光体と当接するクリーニング部材のエッジ角度が鋭角であり、JIS−A硬度80〜90度のゴム状弾性体であることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、(12)「前記ゴム状弾性体の電子写真感光体と当接するエッジの当接圧(線圧)が15g/cm以上、25g/cm以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(11)項に記載の画像形成装置」、(13)「前記ゴム状弾性体の感光体に当接する先端部のエッジ幅をWとすると、0<W≦0.5mmであることを特徴とする前記第(1)項又は第(10)項乃至第(12)項のいずれかに記載の画像形成装置」、(14)「前記ゴム状弾性体が金属製支持基体に固定されたクリーニング部材であることを特徴とする前記第(1)項又は第(10)項乃至第(13)項のいずれかに記載の画像形成装置」によって解決される。
【0027】
また、上記課題は、本発明の(15)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体、直流電圧、若しくは交流電圧重畳の直流電圧が印加可能な接触若しくは非接触帯電装置、単色光で電子写真感光体に光書き込みを行なう画像露光装置、4色トナーからなる現像装置、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載のクリーニング部材を使用したクリーニング装置、トナー像を転写するベルトタイプ中間転写装置1系統が夫々配設され、画像形成が行なわれることを特徴とする4連タンデムカラー複写方式の画像形成装置」によって解決される。
【0028】
また、上記課題は、本発明の(16)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の内容の電子写真用感光体と、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載の内容のクリーニングブレードとを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット」、(17)「前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真用感光体、前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載のクリーニングブレードおよび現像装置とを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット」によって解決される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
1.複写プロセス
本発明における間接電子写真方法を用いた複写プロセスを、図1及び図2を使用して説明する。
複写プロセスは、感光体(1)を中心に、帯電装置(2)、画像露光装置(3)、現像装置(4)、転写装置(5)、分離装置(6)、クリーニング装置(7)(クリーニング装置(7)は、基本的にはクリーニングブレード(7−1)で構成されるが、更にクリーニングブラシが付加されることもある)、定着装置(8)及びコピー用紙(9)が夫々配置される。なお、図1に記載の感光体(1)には、帯電装置に交流電圧を重畳したときに発生する振動音(高周波音)を抑制するための制振部材(10)が内蔵されているが、直流帯電の場合は、特に内蔵する必要はない。
【0030】
図2には、感光体表層の摩擦係数を低減化させて、感光層の耐摩耗性、クリーニング性、転写性を向上させる等のため手段として、クリーニング装置(7)と帯電装置(2)の間に潤滑剤付与装置(200)((201)は潤滑剤、(202)は塗布ブラシを示す)を配設した場合の概略図である。
付与する手段は図示する方法以外に、現像剤中に添加することによっても行なうことが可能なため、必ずしもこのような装置の搭載が必要という訳ではない。
【0031】
カラー電子写真複写機やカラーレーザービームプリンタには、複写スピードの面で有利な、4本の感光体と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4系統(色)の現像装置を使用した4連タンデム方式の複写方式があるが、この複写装置についても4回の複写サイクルを繰り返すだけで、図1若しくは図2を使用して説明が可能である。図3にタンデム方式の複写システムの一例を示す。
図1〜図3に示す装置は、感光体とクリーニング部材、感光体と現像装置およびクリーニング部材、感光体と現像装置が一体的に構成されるプロセスユニットとして、画像形成装置を構成することも可能である。図4に、感光体、帯電、転写、クリーニングの各装置若しくは部材を組み込んだプロセスユニットの一例を示す。
【0032】
感光体(1)はドラム状の導電性支持体上に下引き層(若しくは中間層)を形成し、その上に感光層が形成された構成のもので、感光層は電荷発生層と電荷輸送層からなり、膜厚は10〜30μm程度に設定される。電荷発生層は画像露光によって生じた、ホール・エレクトロンペヤー(正孔・電子対)が正常に移動可能であれば、無機系、有機系のいずれの材料も使用可能である。
本発明では、電荷輸送層はフィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層とからなる。
フィラー分散電荷輸送層は電荷輸送層(フィラー非分散電荷輸送層+フィラー分散電荷輸送層)全膜厚の6.7〜80%の膜厚を占有し、フィラーはフィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下分散され、耐摩耗性およびクリーニングブレードの食い込みに対する耐性が図られる。
また、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層とは、両層間には明確な界面が形成されない様に作製される。
感光体には帯電時、若しくはクリーニングブレードの摺擦時に発生する振動音を抑制するための、取り外し可能な制振部材が感光体内壁に密着するような形で内蔵させることができる。また、感光層の表層には必要に応じて、潤滑剤を付与することもできる(トナー中に潤滑剤を添加して感光体に付与するか、図2に示すような塗布ブラシを介して塗布するか等いくつかの方法がある)。
【0033】
感光体(1)には帯電装置(2)により−350V〜−1000Vの帯電が行なわれるが、コロナ生成物の影響、放電破壊等を勘案すれば、画像品質が保証される範囲内で、画像形成に必要な暗部電位Vdは可能な限り低くする方が良く、現像装置位置での暗部電位Vdは−350〜−800Vの範囲の一定値になる様に設定することが望ましい。
【0034】
帯電方式はコロナ帯電方法に比べてオゾン生成が遙かに少ない、環境面に有利な接触帯電方法、またはコロナ生成物の発生は多くなるが、非接触帯電方法が好適に使用できる。帯電に使用される帯電部材には、ローラ状、ブラシ状、シート状形状部材の他、磁性紛を使用した磁気ブラシなどがあり、本発明ではいずれも使用可能である。画像品質、帯電安定性、耐久性等を勘案すると、弾性部材を使用したローラ帯電方法が望ましい。
【0035】
ローラ方式の帯電部材は、芯金にφ5〜φ15(mm)のSUS製丸棒、感光体を帯電する弾性部材には、ウレタンゴムやヒドリンゴムに、カーボンや金属微粉末、イオン導電剤などの抵抗制御材を添加し、必要に応じてフッ素系樹脂などの撥水剤を添加して、比抵抗を102〜1012(Ω・cm)に調整したものが使用される。硬度はJIS−A硬度で30〜80度程度である。外形寸法はシステム条件に応じて、φ10〜φ20(mm)程度に設定される。
【0036】
接触帯電の場合はニップを稼ぎ、帯電の安定性を高めるために、硬度は低い方が望ましく、非接触帯電の場合、感光体に接触しないため硬度の限定はないが、硬い微粉末状異物が混入した場合には、硬度大きいと感光体にピンホールを開ける可能性が高いため、下記理由によりクッション作用も含めて、硬度は低い方が望ましい。
感光層に硬い導電性の微粉末(アルミ粉や鉄粉など)が刺さり、導電性支持体、若しくは下引き層までのピンホールが生じると、放電破壊を生じ完全に導通状態になる、この様な状況では帯電ローラからの電流が流れ込むため、比抵抗の低い帯電部材を使用した場合には、ピンホールのある部位は帯電部材の長さ方向にわたって黒帯が発生する。一方、高過ぎると帯電特性の悪化が生じるので、105〜1010(Ω・cm)の範囲に設定された帯電部材を用いる。
【0037】
ブラシ帯電方法を使用する場合には、ブラシ一本が3〜10デニールの導電性繊維(例えば、ポリエステル繊維にカーボン、イオン導電剤などを添加した繊維)を10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度で支持体に植毛し、毛足を1〜10mmの間でカットした導電性ブラシが好適に使用できる。
【0038】
一方、磁気ブラシ帯電方法を使用する場合には、平均粒径が25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径が10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比で1:0.05の割合で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いて、その被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、磁気ブラシとして使用する。
【0039】
帯電部材には、−1100〜−1500Vの直流電圧単独、若しくは−500〜−1500Vの直流電圧に、1000〜2000V/500Hz〜4500Hzの交流電圧を重畳した直流電圧が印加される。交流電圧の波形は通常は正弦波が一般的に使用されるが、三角波(又は鋸歯状波)であってもよい。
感光体に印加される電界強度は、現像装置すなわち潜像を現像する位置で(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)であることが望ましい。この電界強度は10〜30μmの感光体を(−)350〜800(V)帯電するのに相当する。画像形成時の感光体に掛かる電界強度が大きいと、感光層にピンホールが発生した場合に放電破壊現象に到る確率が高くなり、電界強度が低い場合には、画像品質が貧弱になる可能性が高くなるため、感光層には適正な電界強度に設定することが重要である。
【0040】
帯電後、感光体(1)には、CCD(電荷結合素子)で読みとられた原稿画像、或いはパーソナルコンピュータなどから送信されたデジタル信号を、一個若しくは複数個のLD(Laser Diode)素子、若しくはLED(Laser Emitting Diode)アレイ、凸レンズ、ポリゴンミラー、シリンドリカルレンズ等で構成される画像露光装置(3)によって、60〜20μm程度のドット径に絞り込まれた単波長の光像が照射され、入力信号に応じた静電潜像が形成される。LD素子もしくはLEDアレイは感光体の最高感度領域に即した発光波長の素子が選択される。発光波長が短くなるほど、スポット径を絞り込むことができるため、400〜450nm程度の短波長側に発振波長を有するLD素子は1200や2400dpi等の高解像度を得る場合に有利であり、本発明の画像形成装置に搭載して使用することができる。
画像形成に必要なコントラスト電位は通常250V〜600V程度に設定する。
コントラスト電位は、ここでは明部電位Vlと現像バイアス電位Vbの差[Δ(Vl−Vb)]を云う。現像バイアス電位Vbは繰り返し電位変動に伴う地肌汚れ余裕度を考慮して、帯電々位Vdより100〜150V程度高目に設定される。
【0041】
感光体(1)に形成された静電潜像を可視化するために、1成分トナー(磁性トナー)、もしくは、トナーとキャリアからなる2成分系の現像剤を使用した現像装置(4)が使用されるが、本発明では主として2成分系の現像剤を使用する。
2成分現像剤のキャリアには、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁性を有する粉体(磁性紛)に帯電性及び帯電安定性、耐久性等向上させるためにポリフッ化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂等で被覆されたものが用いられる。キャリアの粒径は30〜60μm程度である。
キャリアの粒径は解像度に影響を与え、小さい方が解像度は向上する傾向にあるが、あまり小さいと、感光体に付着し易くなるため、トナー像の転写不良化(転写抜け)を起こしたり、クリーニング部まで搬送されると、ブレードで感光体に押しつけられる結果、感光体面が傷つき、感光体の耐久性を短くする一因にもなる。
一方、トナーには、前記した粉砕法で製造され、角張った領域を削いで球形処理されたトナー、あるいは、重合法(乳化重合法、懸濁重合法など)で製造された球形トナーで、粒径4〜8μmのトナーが使用され、キャリアに対して2〜10(重量%)混合される。
トナーの粒径もキャリア同様に解像度に影響を与えるが、あまり小さいと、飛散した場合、健康に害を及ぼす懸念(環境破壊=公害)があり、せいぜい4μm程度が使用限度と思われる。
【0042】
現像が終了すると、転写装置(5)を用いて、トナーの保持する電荷とは逆極性の電圧(若しくは電界)が印加され、コピー用紙(9)にトナー像が転写される。図1には、ベルト形状の転写装置(5)(転写ベルトは基本的には支持基体、弾性層、被覆層からなる)を図示したが、この他には、ローラ形状、ブラシ形状、コロナ放電方式の転写装置が使用できる。
転写が終了した後、コピー用紙は交流電圧、もしくは交流電圧を重畳した直流電圧が印加された分離装置(6)により、感光体(1)より分離され、定着装置(8)に送られ、ハードコピーとなる。分離装置(6)は、金属線や鋸歯状電極に交流電圧若しくは直流電圧を重畳した電圧が印加するコロナ放電装置が一般的である。コピー用紙を介して感光体に印加される電界強度はコピー用紙が感光体より離れる程度の量で良いため、コロナ生成物の発生量は少なく、感光体ダメージを与える程の量ではない。なお、感光体の直径がφ30mm以下の場合には、紙の腰によって分離装置を省略できることもある。
一方、コピー用紙分離後の感光体上の残留トナーはポリウレタンゴムやシリコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム等の材料からなるクリーニングブレード(7−1)、もしくは/さらにポリエチレンや、ナイロン、炭素繊維などの繊維から構成されるクリーニングブラシと併用して構成されるクリーニング装置(7)により清掃され、一連の複写プロセスは終了する。
【0043】
次に感光体について述べる。
2.感光体
2−1.感光体概略
感光体の構成はドラム状のアルミニウム製導電性支持体上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の順に構成された感光体で、電荷輸送層は少なくとも有機感光層で構成される。
電荷輸送層は有機感光層単独でも使用することが可能であるが、感光体の耐久性、画像品質の維持性能を向上させるために、クリーニングブレード、現像剤が直接触れる感光層面に高硬度のフィラーを分散させた、フィラー分散電荷輸送層を有機感光層上に形成することが好ましい。フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなる電荷輸送層を有する例の模式図を図5に示す。すなわち、電荷輸送層は、フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなり、フィラー分散電荷輸送層は全電荷輸送層の6.7〜80%の膜厚を占めるように構成する。または、電荷輸送層は、フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層からなり、両層間には明確な界面が存在しない様に層構成される。フィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散輸送層ならなる電荷輸送層は、低分子電荷輸送物質に結着樹脂、必要に応じて酸化防止剤、分散剤等を適当量分散した層、若しくは高分子電荷輸送物質から構成され、感光体の要求される品質に応じて、膜厚や層構成を設定することができる。
【0044】
フィラー(本発明では特にアルミナ(α型)からなる無機フィラーが好適に使用される)を添加する第1の目的は、フィラーを適当な量添加することにより、感光体表層の硬度アップを図り(鉛筆硬度HpはHB≦Hp<2H)耐摩耗性を上げることによって、感光体の寿命を延ばすと共に、画像品質の安定化を図ることである。但し、大幅な硬度アップは、感光層の摩耗を少なくするため、画像流れ等の画像劣化を引き起こす要因となる。
なお、JIS K 5401に基づいて作製された鉛筆引っ掻き試験器(表面性測定器 新東科学社製 HEIDON−14型)とJIS規格標準鉛筆(三菱鉛筆“ユニ”)とを使用し、加重100g(分銅)で測定した場合を本発明での鉛筆硬度と規定する。
【0045】
硬度を測定する手段には鉛筆硬度の他、引っ掻き硬度、ビッカース硬度、ヌープ硬度などがあるが、分散系のフィラー分散電荷輸送層に対しては、ブレードによって感光層が擦がれる様な摩耗(アブレッシブ摩耗)であることから、鉛筆硬度による測定方式で判定することは望ましい方法である。鉛筆硬度が大きいと云うことは、フィラーの添加量が多いか、粒径が大きいか、すなわち、表面粗度が大きいことを意味し、画像品質の低下、コロナ生成物などの異物が付着しやすくなり、あまり硬度が大きいことは望ましいことではない。
【0046】
第2の目的は感光層表面に小粒径フィラーを分散させることによって、好適な硬度に設定し、摩擦係数の大幅な上昇を抑制することと、クリーニングブレードエッジの層中への食い込みを抑制して、ブレードエッジの歪みや変形を極力少なくし、クリーニングブレードで堰き止められなかったトナー(特には球形度が高い重合法で製造された球形トナー)がブレードを抜けるのを極力排除することである。
感光層表面がフィラーの添加されていない樹脂の層であると、コロナ生成物や、紙粉、トナー構成物、大気中水分等の作用で、摩擦係数(又は自由表面エネルギー)が大きくなり、クリーニングの際にブレードエッジが感光体に食い込み、感光体の回転方向に引きずられて、変形や局部的な歪みを起こし、感光体との間に隙間を生じトナー抜けを起こす要因を作り出す。また、つぶされたブレードはトナーを感光体に押しつけ、更にトナーの滞留を招き、更なるトナー抜けを増長する。但し、潤滑剤などで、感光体表層の表面エネルギー(若しくは摩擦係数)を低くした場合には、トナー抜けは改善は行なわれるが、表面エネルギーの低減化だけでは不充分である。
この変形や歪みを極力少なくするために、感光層にフィラーを分散して、極端な摩擦係数の上昇が起こらないようにすると共に、食い込みを抑える。
但し、トナー抜けは、上記したフィラー含有の感光体を使用するだけでは不充分であるため、球形トナーを100%近いレベルまでクリーニング性を向上させるためには、感光体が回転時にあっても、ブレードエッジのつぶれや歪みなく、線接触を維持し、トナーがブレードによって、押しつぶされない様な状態が生じない、特定のクリーニングブレードを使用することで課題を達成可能である。さらに、必要に応じて潤滑剤を感光体表層に付与して、感光体表層の摩擦係数を低減化することにより長期的に安定したクリーニング性を確保すると共に、クリーニングブレードの耐久性を維持する。
なお、電荷輸送層の構成物質である低分子電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質に変える方法も耐摩耗性向上を図ることのできる一手段である。
【0047】
感光層の厚みは、充分なコントラスト画像を得るための帯電々位と、コントラスト電位が確保できる膜厚とすることが望ましい。コントラスト電位(現像バイアス電位と画像部電位との差)としては100Vあれば、文字画像に関しては比較的良好なレベルで作像可能であるが、写真画像の場合は濃度が不充分であるため実用的ではない。良好な作像性を得るためには、少なくともは250V以上のコントラスト電位が確保されることが望ましい。
コントラスト電位が確保できる膜厚としては、感光層の総膜厚を10μm以上に設定することが好ましい。膜厚を10μm以下に薄くすると、帯電々位が充分に確保できなくなり、充分なコントラスト電位が得られ難い。また、感光層の膜厚ムラがそのまま画像に反映され易く、不均一な画像品質になる。一方、厚くなりすぎると、層中でのドットパターンの広がりが生じ、シャープ性の低下、解像性低下を起こし、高品位画像は達成し難くなる。
更にコントラストの強い画像になるため、通常は10μm〜50μm程度であり、好ましくは10μm〜30μmである。
【0048】
以下、感光体構成について説明する。
2−2.導電性支持体
まず、導電性支持体について説明する。
感光体の導電性支持体として使用できる部材には、電気、機械、化学的などの諸特性を満足するステンレス、銅、真鍮などの金属の他、圧縮紙や樹脂或いはガラスに金やアルミ、白金、クロム等を蒸着或いはスパッタリングした導電層、さらにはカーボン、錫等の微粒子を分散した導電層を塗工したもの等がある。薄肉に切削加工がし易い、軽い、再生に有利、ブロッキング層を形成しやすい、入手が容易等を勘案するとアルミニウム、特にはJIS3003系などのアルミニウム合金が好適である。
アルミニウムの表面を加工する技術には、切削加工、ホーニング加工、ブラスト加工などがあり、ドラム状のアルミニウム素管を必要な長さに切断し、目標の外径寸法に切削した後、さらに超仕上げ、鏡面仕上げ等により、表面粗度を10点平均粗さRzJISで0.1〜10μm程度になる様に加工し、洗浄液が完全に排除される迄充分に洗浄され、電子写真感光体の導電性支持体として使用される。支持体の粗さは下引き層で、ある程度カバーされるが、表面粗度が10μm以上に大きいと、下引き層では凹凸をカバー仕切れないため、凸部の大きい部分からの下引き層への電荷注入が生じ、画像上に筋状模様や白点、黒点の異常画像がコピー用紙全面に顕在化し易くなる。
アルミニウムは酸化皮膜(Al2O3)が形成されやすい材料であるが、電子写真特性を維持する上での電気抵抗は106Ω・cmオーダー以下の値であれば特に問題はない。
導電性支持体の形状はドラム状で、外径はφ30〜φ80(mm)程度が一般的に使用されるが、大型の画像形成装置の場合では、耐久性や大量コピーに対応させるために、φ80mm以上の外径のものが使用される。
アルミニウムの肉厚は外径がφ30〜φ80(mm)の感光体では、0.6mm〜3mm程度のものが使用されるが、有機感光体では高くても加熱乾燥時の温度は160℃程度であるので、この程度の温度で変形しないものであれば、コストの面、および交流電圧重畳の直流電圧を使用して帯電する場合の抑制手段として制振部材を内蔵する場合には、導電性支持体の肉厚は薄い方が望ましい。肉厚を薄くすることによって、帯電で生じた振動を素早く制振部材に伝達できるため、制振機能を有効に発揮させることができる。
【0049】
2−3.下引き層
次に下引き層について説明する。
導電性支持体と感光層との間には、必要に応じて、下引き層が設けられる。下引き層の形態は、光源に使用される波長域によって変わることがある。例えば、650〜780nmの長波長領域に発振波長を有するLD素子やLEDアレイ等の光源に用いた場合は、アルミニウムからの光の反射に起因したモアレが発生するため、下引き層若しくはそれに類似の反射防止薄膜の形成は必要不可欠であるが、発振波長が400〜420nm程度のLD素子を使用した場合には、表層近傍での吸収が多くなるため、本発明の具体例に記載するような下引き層は必ずしも必要でなく、アルミナのような1μm以下の薄膜や、ホールの注入を阻止するような半導体膜であっても良い。以下は長波長領域(赤外領域)に発振波長を有する光源を使用した場合の説明である。
下引き層を形成する理由は、支持体側からの電荷注入を阻止し帯電特性を安定させ、接着性を向上させ、モアレを防止し、上層の塗工性を改良し、残留電位を低減するなどを目的とする。したがって、ホール(正孔)の注入を阻止し、エレクトロン(電子)を通過させるような半導体膜を形成して、更にその上に中間層、若しくは下引き層を形成するような方法をとっても良い。一般に下引き層には樹脂を主成分とし、単位時間内に電位減衰を起こしにくい程度に高抵抗化した薄膜が形成される。下引き層は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散し含有させてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、本発明の下引き層としては Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン=ユニオンカーバイト社の商品名)等の有機物や、SnO2,TiO2,CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けた1010〜1013(Ω・cm)オーダーの電気抵抗を持つ薄膜が良好に使用できる。下引き層の膜厚は0.1〜20μmが適当であり、好ましくは1〜10μmである。
【0050】
2−4.電荷発生層
次に電荷発生層について説明する。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂が用いられる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料がある。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
【0051】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニールアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0052】
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0053】
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0054】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。
たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0055】
電荷発生層を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレー塗工法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0056】
2−5.電荷輸送層
次に電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は画像形成に必要な表面電位を確保するために形成される。電荷輸送層は有機感光層単独でも本発明では使用可能であるが、感光体の耐久化、画像品質を維持するために、有機感光層(フィラー非分散電荷輸送層)の最表層面に更に、高硬度の無機フィラーの超微粒子を適当量添加したフィラー分散電荷輸送層を形成することが望ましい。本発明では、図5に示すように、電荷輸送層はフィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層から構成され、両電荷輸送層間に明確な界面が形成されないように構成される。明確な界面を形成しない様にすることによって、画像露光により発生したホール・エレクトロンペアー(正孔・電子対)の内、表層に向かって移動したホールはその大部分が界面近傍で捕獲されずに、表層に移動し帯電で付与された電荷を時間のロスなく、打ち消すことが可能になる。すなわち、光減衰特性の劣化が殆ど生じないため、高精細な画像品質の再現が可能となる。但し、フィラーが分散されているために、フィラーの分散量、粒径等に起因した若干のロスは生じる。
両電荷輸送層間に界面が形成された場合には、ホールの移動が制限されるために、光減衰特性の劣化、残留電位の上昇を招き、コントラスト電位の低下や、残像が起こりやすくなる。
界面を形成しないための塗工手段は、電荷輸送層の膜厚が10μm程度と薄い場合には、スプレー塗工法で作製することができ、2本のスプレーガンの一方にフィラー非分散電荷輸送層液を入れ、もう一方にフィラー分散電荷輸送層液を入れ、電荷発生層上に、まず、フィラー非分散電荷輸送層を塗工し、食指乾燥時間(数分)をおいて、引き続きフィラー分散電荷輸送層を塗工すればよい。電荷輸送層が25μmや30μmと厚く、フィラー非分散電荷輸送層が20μmと厚い場合には、まずフィラー非分散電荷輸送層を形成して、指触乾燥し、更に120〜130℃で加熱乾燥したあと、比較的短時間の内にフィラー分散電荷輸送層を形成し、感光体全体を130〜160℃の温度で10〜60分程度の時間加熱乾燥することで、問題なく感光体を作製できる。
電荷輸送層(フィラー非分散電荷輸送層+フィラー分散電荷輸送層)は電荷輸送成分とバインダ−成分を主成分とする混合物、ないし共重合体を適当な溶剤に溶解するか分散した後、これを要求される厚みになる様に塗布し、乾燥することにより形成できる。
【0057】
電荷輸送層の膜厚は10〜50μm、好ましくは10〜30μmに設定される。感光層全体のバラツキ(最大膜厚と最小膜厚の差)は感光層が薄いほど、塗布ムラの影響が出やすいため、細かく設定するのが望ましく、10μmの場合には±1μm、30μmの場合には±2μmの範囲内で設定されるのが好ましい。このうち、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層が明確な界面を有しない場合を除き、フィラー分散電荷輸送層膜厚の締める割合(占有率)は6.7%〜80%が好適である。
感光層膜厚が薄くなるほど静電容量が大きくなるため、電界強度は大きくなるが、高い帯電々位は確保でき難くなる。トナーの持っている電荷が小さければ薄い膜厚の感光体でも、現像能力は高くすることができるが、現在、市場で一般に使用されている小粒径のトナーでは、電圧現像にせざるを得ないため、一定以上の表面電位が必要である。
感光層の膜厚を薄くすれば、電荷移動の歪みが小さくなるため、高品位画像の再現が可能となる。一方、厚くするほど、静電容量が小さくなるため、高い帯電々位は確保できるが、電荷が移動する際、光の入力の際に歪められて、解像度が低下する傾向が認められる。
感光層の膜厚を10μm程度にすると、帯電々位はせいぜい−450V前後しか帯電しない。しかし、残留電位を−50V〜−100V程度に押さえ、現像バイアス電位を−350Vに設定すれば、コントラスト電位は250V〜300V程度確保できるため、実用的には問題のない作像を行なうことが可能である。
電荷輸送層は電荷発生層上にフィラー非分散電荷輸送層、フィラー分散電荷輸送層の順に形成する。これは、フィラー分散電荷輸送層が電荷発生層に直接接触している場合には、フィラー分散電荷輸送層と電荷発生層間で電荷の異常な移動が生じるため、斑点模様が画像に現れる。したがって、電荷発生層に接する領域ではフィラーを分散しない電荷輸送層であることが望ましく、膜厚としては少なくとも2μm以上形成されることが望ましい。
塗膜は、浸漬塗工法、スプレー塗工法などを用いることができる。
【0058】
フィラー分散電荷輸送層に添加されるフィラーは球形で高硬度であり、光学的に透光性を有し、電気抵抗は1012〜1013(Ω・cm)オーダーであることが望ましい。これは、感光層の耐摩耗性を向上し、表層に照射された光像は充分に電荷発生層に散乱なく届く必要があり、一方、帯電時に横方向への電荷の拡散を起こさず、画像流れや残留電位の蓄積を極力回避するためである。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは、電荷輸送層中に均一に分散されているか、もしくは表層に向かって濃度勾配を高めた層構成の何れかが望ましいが、耐久性の維持という面からすると、均一分散の方が好適である。
フィラーの電荷輸送層への分散する量は要求される耐久性(摩耗、化学的、物理的な劣化に左右される)、画像品質(帯電々位、感度、残留電位などの経時特性により影響を受ける)によって決定されるが、フィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下が望ましい。10重量%以下では摩耗が急激に増加し、40重量%以上では残留電位の増加、感光層表面粗度の悪化や、表面粗度に起因してトナーフィルミングが起こりやすくなり、感光層の摩耗に抑制がかかり、画像流れを引き起こしやすくなる。
フィラー分散電荷輸送層の膜厚は、感光層中に分散するフィラー粒径や添加量によって左右され、感光体に要求される耐久性や、画像品質特性によって変える必要がある。耐久性という面から、フィラー分散電荷輸送層厚い方が望ましいが、フィラーの添加量が10重量%以上、40重量%以下の範囲内においては、8μm以上に厚くすると、残留電位の急激な上昇を招き、画像品質に影響が生じる。
一方、膜厚を薄くすると、解像性という面では、向上する傾向にあるが、耐久性という面では低くなる。膜厚としては少なくとも2μm以上に設定することが望ましい。
フィラー非分散電荷輸送層と、フィラー分散電荷輸送層の膜厚の比率配分という観点から、電荷輸送層を10〜30μmの範囲内に設定したとき、フィラー非分散電荷輸送層と、フィラー分散電荷輸送層が明確な層界面がない場合を除き、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は電荷輸送層の6.7%〜80%にあることが望ましい。
図6に電荷輸送層の好適な膜厚の比率を示したグラフを示す。図6に示した10〜30(μm)の線内と2本の曲線に囲まれた枠内で良好な特性を得ることが可能である。
【0059】
電荷輸送層に使用される材料は以下の通りである。
電荷輸送層を構成する低分子電荷輸送物質にはオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダール誘導体、トリフェニールアミン誘導体、α−フェニールスチルベン誘導体、トニフェニールメタン誘導体、アントラセン誘導体などを使用することができる。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下に示す公知の高分子電荷輸送材料を用いることができる。例えば、
1)主鎖および/または側鎖にカルバゾ−ル環を有する重合体には、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物等がある。
2)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体には、例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物等がある。
3)ポリシリレン重合体には、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物等がある。
4)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体には、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物等がある。
5)その他の重合体には、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報に記載の化合物等がある。
【0060】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スタ−ポリマ−や、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
また、本発明における高分子電荷輸送物質として、主鎖および/または側鎖にトリアリールアミン構造を有するポリカーボネートが有効に使用される。
一方、バインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールCタイプ、ビスフェノールZタイプ或いはこれらの共重合体)、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
【0061】
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができるが、環境破壊を考慮してハロゲン系の溶媒の使用は避けた方が望ましい。
【0062】
次に、電荷輸送層中に分散するフィラーについて説明する。
本発明に使用されるフィラーは酸化物の絶縁体であり、バインダー樹脂に分散した場合、粒子とバインダー樹脂との界面にトラップが形成されやすい。このため、感光体を繰り返し使用した場合、残留電位が蓄積し、画像部電位の上昇を招くため、画像濃度の低下、解像度の低下が起こりやすい。したがって、分散性を良好にして、感光層の均一化をはかり、トラップの形成を阻止したり、トラップ密度を軽減するような添加物を添加することもできる。
また、画像形成にあたって感光体に電荷を付与する手段は、感光体に接触若しくは近接配置された帯電装置によって行なわれるが、帯電の際に発生したオゾンや窒素酸化物などのコロナ生成物が感光体表層に付着したり、感光層中に進入し、電気抵抗を低下させ、解像度低下などの画像品質低下を起こす。これを解消するために、酸化防止剤、可塑剤を少量添加することもできる。ただし、これらの添加物は常に必要なものではなく、電荷輸送層が薄い場合や、フィラーの添加量が少ない場合、あるいは画像システムによっては未添加とすることもできる。
フィラーを添加した電荷輸送層では、フィラーをバインダー樹脂中に適当量分散した塗工液をスプレー法やディッピング法などの塗工法を用いて目標の膜厚に塗工する。
フィラーは1012〜1014(Ω・cm)程度の固有抵抗を有し、撥水性を有し、その機能が持続されることが望ましい。
【0063】
フィラー材料は、有機性フィラー材料と無機性フィラー材料とがあり、有機性フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、アモルファスカーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
特に、酸化チタンもしくはアルミナが本発明では望ましく使用できるが、より好ましくはアルミナ(特にはα型)である。これらのフィラ−は単独もしくは混合して用いることができる。
フィラー材料は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。
【0064】
フィラーの添加によって、感光層の表面粗さが大きくなると、文字エッジがギザギザになり、トナーや紙粉などの残留物のクリーニング性が悪くなり、クリーニング不良を起こす不具合を生じる。ブレードが接触しない領域でコロナ生成物などの汚染物質の残留が起こり、画像流れを起こしたり、トナーフィルミングさらには、クリーニングブレードのエッジの欠けによって、感光層が傷つきやすくなる。したがって、目標の耐摩耗性が達成でき、且つ良好な画像品質が得られるような、分散性良好な粒径のフィラーを選定する必要がある。感光層に分散されるフィラ−の一次粒径は電荷輸送層の光透過率や耐摩耗性、表面粗度等から選ばれる。
【0065】
例えば、図7に平均一次粒径と平均表面粗度の測定例(東京精密社サーフコム1400Dを使用して測定)を示す。測定サンプルはφ30mmの感光体であり、電荷輸送層は22μmのフィラー非分散電荷輸送層と、αアルミナフィラーを25重量%分散した5μmのフィラー分散電荷輸送層から構成される。図7に示すように、フィラーの一次粒径が0.2μm〜0.7μmでは、10点平均粗さ(RzJIS)、最大粗さRpとも1μm以下であり、画像形成およびトナークリーニングにおいては良好な数値を示す。
しかし、一次粒径が0.7μmを越すと表面粗度は急に大きくなる傾向にあり、一次粒径1.0μmのフィラーを分散した場合には、10点平均粗さ(RzJIS)は1.2(μm)、最大粗さRzは1.5(μm)となり、文字太りや解像度低下、クリーニングブレードのエッジに僅かに影響が生じるレベルになる。
このことから、感光層中に添加する一次粒径には0.7μm以下の粒径のアルミナを使用することが望ましく、下限値としては0.2μmであれば実用上問題ない画像品質、クリーニング性を確保することが可能である。
感光体表面の表面粗度があまり小さいと、クリーニングブレードが感光体表層に密着し易くなり、感光体の回転によって、ブレードエッジが引きずられ、感光体の摩耗を促進するばかりではなく、局部的に歪みが生じ、トナー抜けを引き起こす要因になる。
なお、電荷輸送層の最表面側が最もフィラー含有率が高く、支持体側が低くなるようにフィラー濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、支持体側から表面側に向かい、フィラー濃度が順次高くしたりするような構成にすることもできる。電荷輸送層に添加させる場合は、感光層に添加するフィラー量は、要求される耐刷枚数や画像品質あるいは、使用される複写プロセスや現像剤成分等によって変える必要がある。
【0066】
図8に、φ30μmのアルミニウムドラム上に下引き層を介して、22μmのフィラー非分散電荷輸送層を形成し、その上に一次平均粒径が0.3μmのアルミナフィラー(α−アルミナ)の添加量を変えて、フィラー分散電荷輸送層約5μmを形成した感光体での感光層の摩耗と画像ランクの評価結果の一例を示す。評価条件はリコー製イマジオMF2200機の接触帯電用の帯電部材に、−740の直流電圧と、1600V/1350Hzの交流を重畳した電圧を印加して、現像部位置の表面電位を−700Vに設定し、10万枚通紙ランニングとした。
感光層の摩耗はフィラーの添加量が少なくなるにしたがい急激に増加し、画像品質のランク(ランク5は良、ランク1を不可とし、評価対象は解像度、シャープ性、1ドット再現性である)は30重量%を境に低下する傾向があるが、40重量%では画像品質はなおランク4を維持している。このことから、フィラー分散電荷輸送層に添加するフィラー量は40重量%以下にするのが望ましく、10重量%以上であればフィラー分散電荷輸送層を5μmとしても、フィラー分散電荷輸送層は少なくとも10万枚以上の耐久性を維持している。但し、更に通紙を行なった場合、40重量%程度からフィルミング現象が起こりやすくなることも確認されていることから、感光層に添加するフィラー量を10重量%以上、40重量%以下の間で選定することが望ましい。
【0067】
本発明に記載の電荷輸送層には、感光層表面のガサツキをなくして滑らかにする手段として、例えば、レベリング剤を添加することは有効な手段である。レベリング剤としては、公知の材料を用いることができるが、微量で高い平滑性を付与することができ、静電特性に対する影響が小さい、シリコーンオイル系のレベリング剤がとくに好ましい。シリコーンオイルの例としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイル等が挙げられる。また、塗工時の条件等によっても凹凸を低減することは可能である。例えば浸漬塗工において、感光体を引き上げた後、塗膜表面がまだウェットな状態のときに、フードで覆ったりすることで風の流れなどで表面を乱されないようにしたりすることで凹凸が低減される。また、塗膜表面付近の溶媒が急激に揮発すると表面だけが硬化して塗膜の内部が流動性を持った状態になり、この内部の塗膜がたれて凹凸が形成されることもあるので、ウェットな状態のときに感光体の周りに溶媒の蒸気層を形成し、溶媒を穏やかに揮発させることでレベリングが進行し、凹凸が低減され滑らかになる。
【0068】
また、スプレー塗工においては、エアースプレーによって塗膜を形成する場合、エアーの圧力や、エアー流量を適量にコントロールすることで、塗膜が流動的な状態での表面の乱れを抑えて凹凸を抑制することが必要である。ここで、エアー圧、エアー流量が大きすぎるとエアーの流れで塗膜の表面が乱れ、逆に小さすぎると、塗工液の液滴が均一にならなかったり、微粒化が不充分になったりして、塗膜の均一性が低下する原因となる。また、電荷輸送層を形成後、回転させつつ溶媒を揮発させるが、このときの回転速度が大きすぎると、まだ溶媒を含み流動性をもっている塗膜に遠心力がかかり、凹凸が強調される。また、逆に回転速度が小さすぎると、回転によるレベリングより重力によるたれの影響が勝り、凹凸が発生する原因となってしまう。そのため、塗膜がウェットな状態での感光体の回転速度を適正な値に設定することが必要である。
また、スプレー塗工においては、塗工液を供給するポンプの送液が一定であることが重要となる。すなわち、液の供給が一定でなく脈動を持っていたりすると、それがダイレクトに液の吐出量に影響を与えるため、付着量にムラが生じることになる。そのため、スプレーに液を供給するポンプとしては、脈動を抑えた多連式プランジャーポンプや、シリンジ型の超精密吐出装置などを用いることが好ましい。
これらの方法は単独で用いても良いが、複数組み合わせることで、より効果的にレベリングがなされ、凹凸が低減された電荷輸送層が形成される。
さらに、レベリングが不充分であった場合、電荷輸送層の凸部を摩耗してならすことも凹凸を小さくする方法として可能である。たとえば、膜厚計で凸部を検出し、その部分を研磨加工して凸部をなくすという方法が考えられる。
【0069】
本発明においては、耐環境性の改善のため、及び、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に記す。
【0070】
各層に添加できる酸化防止剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0071】
各層に添加できる可塑剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
(k)スルホン酸誘導体
P−トルエンスルホンアミド、O−トルエンスルホンアミド、P−トルエンスルホンエチルアミド、O−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、P−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0072】
本発明では滑剤を各層に添加することができる。例えば、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
(f)金属石鹸
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0073】
各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベンゾフェノンなど。
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
(c)ベンゾトリアゾール系
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシ)アクリレートなど。
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2’−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
がある。
【0074】
3.真円度および真直度
高品位の画像品質を得るための要素の1つとして、感光体の真円度、真直度は重要である。
真円度が大きい、すなわち、いびつな円筒になっていると、感光体は偏芯して回転することになり、帯電不良、転写不良、クリーニング不良が生じ、真直度が大きいと、帯電ムラが起こり、画像濃度や色むらが起こりやすくなる。特に、50μm前後に微少ギャップを維持して帯電する非接触帯電方法の場合には、特に影響を受けやすい。また、接触帯電方法においても、直流のみで帯電を行なう場合には、感光体と帯電部材間のギャップは直ちに放電条件を左右し、ギャップが大きいほど帯電ムラを起こしやすくなるため、感光体の真円度、真直度の管理は特に重要である。
真円度および真直度ができるだけ小さい方が望ましいが、必要以上に小さい必要はなく、真円度では0〜20(μm)、真直度で±20μmに抑制することが望ましい。
真円度、真直度は導電性支持体の切削時、感光層塗布後の加熱乾燥時、フランジ装着時、制振部材内蔵時などで左右される。帯電部材に交流電圧を重畳して感光体を帯電する方法では、帯電時に耳に敏感な高周波音(以下振動音と称する)を発生する。この振動音を改善する一手段として、感光体の内壁に密着するように制振部材を内蔵させることが行なわれるが、この振動音を遅滞なく制振部材に伝達するためには、感光体の導電性支持体の肉厚はできるだけ薄い方が望ましい。しかし、薄くすることによって機械的強度が低下するために、制振部材を内蔵する際に変形するという問題がある。
導電性支持体を薄くすると、加工時の変形や、感光層の乾燥時の温度、制振部材の内蔵、フランジ取り付け時の圧入等で変形し、真円度、真直度が保証されなくなるため、画像品質上問題が発生する。
真円度、真直度は小さい方が望ましいが、本発明での検討結果では、真円度は20μm以下、真直度は±20μmに入っていれば、接触帯電部材を使用した場合においては帯電不均一化が問題ないレベルまで回避可能であり、クリーニングブラシを使用した場合においては球形度の大きいトナー(平均円形度0.97以上)であっても、クリーニング性を100%に近いレベルまで改善することが可能となる。
【0075】
平均円形度は、例えば、5μm以上のトナーを選別して、シスメックス社製FRIP−1000を用いて測定し、以下の式により算出する。
平均円形度=Σ(粒子像と同じ投撮面積を持つ円の周長÷粒子投撮像の周囲長)÷測定粒子数
測定粒子数は1000粒子以上として、計算には5μm以上の粒子径のものを対象とした。
【0076】
図9、図11にφ30mm感光体の長手方向13カ所、周方向90度毎に4カ所測定した真直度、図10、図12に長手方向13カ所測定した真円度の測定例を示す。これらの感光体はいずれもブチルゴム系の円柱状制振部材を内蔵しており、感光層を塗布する以前の素管(アルミニウム素管)の状態では、いずれも真円度は0〜20μm、真直度は±20μm内に入っていたものである。図9は±20μm、図10は0〜20μmの数値内に入った例、図11は±20μm、図12は0〜20μmの数値から外れた例である。図9の真直度は±20μm、図10の真円度は20μm以内に入っており、画像品質上の問題は起きていない。
図11の真直度は160度の位置で最大40μm程度の暴れを示しているが、50μmの間隙になる様に設計された非接触帯電部材を使用した場合、感光体との最近接点は10μmになり、帯電部材においては筋状ムラ汚染を生じ、帯電特性への影響が生じる。この暴れが大きくなるほど、非接触帯電部材では感光体と局部的な接触が起こり、また更に大きくなると帯電部材の持ち上がりが起こり、帯電ローラのいびつな回転となり、画像品質はムラの多い状態を呈する様になる。
【0077】
4.クリーニング部材
一般に使用されるクリーニングブレードの形状は、コストの面から、板厚が1.5〜3mm程度の短冊状弾性体(ポリウレタンゴム)が使用され、ゴム硬度はJIS硬度で75度前後である。このクリーニングブレードの欠点は、感光体に当接する部位のゴム硬度が低いために、感光体に摺接する際にブレードエッジが感光体の回転方向に引きずられて、線接触から面接触になり易い。このため、ブレード先端部が潰れ、変形、歪み等を起こして、感光体とブレード間に僅かな隙間を生じるため、トナーがブレードと感光体間に挟み付けられ、帯電装置の方に送り出される現象が生じる。すなわち、クリーニング不良が生じる。この様な状況ではいびつな形状の粉砕トナーであっても、トナー抜けは起こる傾向がある。図13にトナー抜けの模式図を示す。
【0078】
トナー抜けの要因は前記したように、感光体硬度不足に伴うクリーニングブレードエッジの感光層への潜り込み、クリーニングブレードの硬度不足に伴う変形、クリーニングブレードの形状、硬度、感光体表層の摩擦係数に起因する摺接時の感光体へのトナー圧接、感光体の真円度、真直度に起因するブレードの当接圧の変化、トナーの球形度などがある。
これらのトナー抜け、すなわち、クリーニング不良を解消するためのクリーニングブレードから見た改善手段は、クリーニングブレードの形状、硬度を好適な値に設定し、感光体と常に線接触を保つ様にして、感光体との間に隙間を作らないようにすることである。
したがって、クリーニングブレードは形状を維持するような高めの硬度が必要であり、望ましい数値としてはJIS−A硬度で80〜90度である。
【0079】
感光体の摩耗は、トナー、キャリア、紙粉(タルクなど)などの硬い異物がブレードで押しつけられるか、ブレードをすり抜けることによって生じることの方が寄与は大きい。
クリーニングブレードの硬度を高めることによってよって、感光層の摩耗が促進される懸念はあるが、これはクリーニングブレードの硬度と云うよりは、感光体のぶれや、クリーニングブレードの振動、トナー、キャリアの進入による現象による要因が大きいと思われる。これは精度の悪いレコードプレーヤーにレコード盤を載せて、ダイヤモンド針に2gr程度の荷重を掛けて回したときと、極めて精度が高く、ふれが皆無に近いレコードプレーヤーを回して、ダイヤモンド針に前記荷重の数倍の荷重を掛けたときでは、荷重が大きいにも関わらず、後者の方がレコード盤の摩耗が遙かに少ないといわれる。これは前者の場合は、ダイヤモンド針が左右に激しく揺れるために、その揺れにより、ダイヤモンド針でレコード盤の分子を切断するために起こることで、摩耗が促進される現象であり、ブレードが激しく揺れ動く場合にも同じような現象が起こっていると解釈できる。
【0080】
現状の短冊状クリーニングブレードを使用してクリーニング効率を高めるには、クリーニングブレードの感光体と当接する先端部(エッジ)硬度を高めることによって、ある程度の対応は可能であるが充分ではない。クリーニングを良好に行なうためには、クリーニングブレードの感光体と当接するエッジ形状は鋭角にVの字若しくはナイフエッジ状にカットされた形状にして、そのカット角度を図14に示す様に、θ1が15〜40(度)の鋭角にナイフエッジ状にシャープカットされた形状(180度回転した形状でも良い)のブレード、あるいは図15に示す形状で、θ2が30〜80(度)の鋭角にVの字カットされたブレード形状にすることにより良好にクリーニングすることが容易になる。
トナーはブレードエッジの所に滞留するが、この滞留があっても、ブレードの下側に潜り込ませないような構造にしないことが重要である。ナイフエッジ形状、Vの字形状は感光体との密着性を良好にし、また、トナーの滞留があっても、ブレードが潰れて、トナーに覆い被さることがないため、ブレード下に潜り込むことがなくなり、トナーのブレード抜けが起こりにくくなる。
【0081】
感光体に当接するエッジ部はできるだけ幅を持たない様にするのを好適とするが、側面から見てシャープにカットされた形状で、感光体と当接する部位の幅Wは0.5mmまでは許容可能である。すなわち0<W≦0.5(mm)とする。0.5mm以上の幅を持たせた場合には、感光体との間に僅かでも隙間が生じ、トナーが潜り込む機会が生じることとなり、クリーニング不良を起こすきっかけを作る。
【0082】
クリーニングブレードに使用されるブレードの板厚(最大幅)は2〜5mmが好適に使用され、図14および図15に記載の斜めカット面の長さL1およびL2は3〜8mm、好ましくは3〜6mmであり、支持基体の先端から、図16、図17及び図22に記載のブレードのエッジまでの自由長L4は3〜6mmに設定することが望ましい。これらの寸法は設置スペースと設定位置から決められるが、可能な限り厚い部材を使用した方が、クリーニング性の維持、クリーニング性の面から好ましい。
【0083】
これらの先端形状のブレードを固定する手段として、アルミニウム、燐青銅、鉄、真鍮などの金属、ポリカーボネート、塩化ビニール、デルリン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂、アルミナなどのセラミック部材を板やケーシングに加工してクリーニングブレードを取り付けることができるが、加工性や強靱性、温度変形がない、さびないなどの特性からクロムメッキした鉄板、アルミニウム板のような1mm〜3mm程度の肉厚の金属板が好適である。支持基体を加工してブレードを取り付ける手段は、図16〜図18に示すように、ケーシング状の支持基体にはめ込み固定する方法、金属板に曲げ加工を行ない、接着剤(両面テープ、1液性、若しくは2液性の接着剤、ホットメルト接着剤など)を用いて貼り付け固定するか、更に図19、図20の様にブレード上から押さえ板を取り付ける方法であっても良い。
【0084】
クリーニングブレードに使用される弾性体としてはポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴムなどがあるが、耐久性、クリーニング性反発弾性特性などからポリウレタンゴムは好適に使用される。ポリウレタンゴムはポリオール、イソシアネート、および硬化剤を主原料とする。
ポリウレタンゴムは、脱水処理したポリオールとイソシアネートを混合して、70〜140(℃)の温度で100分程度反応して得られたプレポリマーに硬化剤を加え、予め140〜160℃に加熱しておいた成形機の金型に入れ50〜60分硬化を行なう。その後、金型から取り出し、必要な大きさに裁断機でカットされることによって得られる。
クリーニングブレードに使用するポリウレタンゴムは裁断機で先端部を斜めにカットするか、金型で図14、図15の形に成形した後、感光体に当接する部位のバリを図21の様にカットして先端部の厚みが0.5mm以下になる様に整える方法等がある。
0.5mm以下に規定する理由は、面接触の拡大により、トナーのブレード下への進入を極力排除するためであり、感光体が回転中においても線接触を維持するためである。
【0085】
支持基体に固定された図14、図16、図20に記載した形状の、クリーニングブレードの感光体への当接状態を図22に、図15、図17に記載した形状のクリーニングブレードの、感光体への当接状態を図23に示す。クリーニングブレードは感光体に対してカウンター方向(感光体の回転に対して逆らう方向)に設置される。カウンター方向に設置することにより、感光体に対して潜り込む様に働くため、トナーのすり抜けの機会が少なくなる。図14、図16、図20に記載した形状のクリーニングブレード感光体への当接角度θ3(図22)は、5〜85度の角度に設定することが可能であるが、好ましくは5〜30度である。
【0086】
一方、図15、図17に記載した形状のクリーニングブレード感光体への当接角度θ4(図23)は、40〜85度の角度に設定することが可能であるが、好ましくは40〜75度である。これらの当接角度は、感光体の大きさ、ブレードの幅によって適宜設定される。
【0087】
感光体にブレードのエッジが当接する当接圧(線圧)は一般に使用されるブレードの硬度より高めであるため、当接圧(線圧)は15g/cm〜40g/cmに設定されるのが望ましいが、クリーニング性、感光体に与えるスクラッチ等を鑑みて、15g/cm以上、25g/cm以下に設定するのが好ましい。15g/cm以下では、ブレードが硬いために、クリーニング不良が起こる可能性がある。25/cm以上に高く設定した場合には、硬度が従来使用品に比べ硬いために、感光体にブレードによるスクラッチが発生する可能性があるが、40g/cm以上に設定されてもスクラッチが入る可能性が高まるだけで、通常は浅い摺擦傷が入るだけで、感光体に硬い異物が刺さり、ブレードエッジに傷が生じた場合に以外を除いて、直ちに使用できなくなる訳ではない。
感光体の真円度、真直度が規定値内に入っており、感光体に異物付着なく、前記した条件を満足していれば、トナーの平均円形度が0.95以上、特には0.98以上の球形トナーであっても、実用上問題にならない程度に良好にクリーニングを行なうことが可能となる。
【0088】
5.感光体の摩擦係数、および低減化方法
感光層表面の摩擦係数を低いレベルで維持することは、感光層の耐摩耗性の向上、顕像化したトナー像の転写性向上、クリーニングブレードでのクリーニング性向上に有効である。すなわち、クリーニングブレードの感光体に対する摺擦圧を低減させ、トナーの感光体に対する付着力を弛める作用を与える。
摩擦係数の低減化手段としては、感光体表層に潤滑剤を付与する外添法(ブラシで掻き取った潤滑剤を感光体に付与する一例を図2に示す。(201)が潤滑剤、(202)が塗布ブラシである)感光層中に潤滑剤を含有させる内添法の何れかで行なわれるが、後者の手段はコロナ生成物が感光体表層に作用し、潤滑剤の作用を封じることがあるため、効果という面では前者の外添法の方が優れる。外添法は潤滑性を示すポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛などの物質を、感光体表面に直接若しくは間接的な手段によって塗布することができる。直接的な方法としては粉末状の潤滑剤を袋に内蔵して、あるいはシート状の潤滑材を感光体表面に摺擦させながら付与する手段、間接的な方法は、トナー中に0.01〜0.2%程度分散して、あるいは潤滑剤、ブラシ、感光体の順に配列し、ブラシで掻き取った潤滑剤を感光体に付与する方法がある。
【0089】
潤滑剤を感光体に付与した場合、ポリテトラフルオロエチレンでは0.6の摩擦係数を0.2以下に簡単に下げることが可能である。ただし、摩擦係数があまり下がりすぎると、感光体に付着したコロナ生成物が削り取られないために、画像流れを起こしたり、コロナ生成物の膜にトナーが付着して、トナーフィルミングを起こしやすくなり、画像流れに到る場合がある。したがって、画像流れを起こさないための摩擦係数は、画像形成装置にセットした初期の値では0.3〜0.5であり、コピー100枚後の摩擦係数は少なくとも、0.3以上であることが好ましく、上限値はクリーニング性の維持と、耐摩耗性の向上、高品位画像の維持などの面から、0.45以下になる様にすることが望ましい。勿論一時的に0.45以上になっても、実用上は何ら問題ない。
【0090】
潤滑剤を付与しない場合は、初期に0.2程度ある感光体でも急激に摩擦係数が上昇し、20〜30枚で摩擦係数が0.6近くまで達するためで、この状態が維持されると、感光層摩耗のみならず、クリーニング不良、転写不良を起こしやすくなるためである。
通常、潤滑剤を付与しない、有機感光体やフィラー添加量の10重量%以下の感光体では、摩擦係数はコピー開始から50枚程度で、0.3程度あった摩擦係数でも0.6程度まで上昇するが、フィラーの添加量が多くなると共に、粒径が大きくなると共に、摩擦係数は0.6を切る傾向が見られる。潤滑剤を感光体に外添する場合はその付与手段によって摩擦係数は大きく振れるが、正常に供給され、コントロール性能が良好であれば、一端上昇した摩擦係数も低下に転じ、100枚〜200枚の間でほぼ安定したレベルに維持することができる。したがって、摩擦係数が通紙100枚時を規定すれば、それ以降の摩擦係数の動向がある程度予測可能である。
【0091】
なお、文中に記載の摩擦係数はオイラーベルト方式(オイラーの公式から算出された式)を使用して計算したものである。
測定用の感光体を台座に固定して、幅30mm、長さ290mmにカットした厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとして用意し、前記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、以下の式より(静止)摩擦係数μsを計算する。
【式1】
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重、W:分銅の重さ、π:円周率である。
なお、本測定法(オイラー・ベルト方式)については特開平9−166919号公報にも記載される。
【0092】
6.感光体の制振化方法
帯電部材に交流電圧を重畳した直流電圧を印加して、感光体を帯電する場合に感光体が振動を起こし、キーンという高周波音が発生する。また感光体の摩擦係数が高い場合に、クリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きくなるために、やはり振動音(摺擦音)が発生する。これらの音は人間の耳に最も敏感な周波数帯域(800〜2500Hz)であるため、騒音問題となる。これらの振動音を改善する手段は感光体が振動しないような手段を講じることによって達成できる。制振効果の大きい手段は、感光体内部に損失正接tanδが0.5以上、好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.8以上の、4mm以上の厚みの制振部材を、感光体内の空間長さの70%以上を占めるように感光体内壁に密着設置すれば、気にならない程度まで振動を押さえ込むことが可能である。図25に設置の一例を示す。図25はブチルゴムを材質とするテーパー形状の円筒状制振部材と、同じくテーパー状の円柱状の制振部材を組み合わせたもので、取り外しが容易な制振部材である。したがって、感光体、制振部材ともリサイクルが可能である。図25の例では、評価室の暗騒音が46dBのときに48dBまで押さえ込むことができ、制振部材を内蔵しない場合(54dB)に比べて、6dBの改善効果が達成できている。
【0093】
振動音の測定手段は、感光体上にローラ状の帯電部材を直接重ね、−800Vの直流電圧に1500V/1350Hzの交流電圧を重畳した電圧を印加し、30cm離れた位置に騒音計(例えば、アコー社の騒音計タイプ6224)を配置して、発振音を読みとることで確認できる。通常は音圧差が4dB以下であれば、気にならない程度に収まる。
制振効果を高めるためには、損失正接tanδの大きい部材(上記ブチルゴムに限定されない)を感光体内壁に、70%以上の長さ方向に占有するように密着挿入することおよび、リサイクルされることが重要である。
上記以外の改善方法としては、液状若しくはゲル状の物体を風船状の袋に入れ、感光体内壁に密着するようにセットする方法がある。
【0094】
【実施例】
以下、実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
<評価用電子写真感光体>
1)フィラー非分散電荷輸送層を有する感光体の作製
評価用フィラー非分散電荷輸送層を有する感光体の作製は以下の手段で作製した。
φ30.0mm、長さ340mm、肉厚0.750mmのJIS3003系アルミニウム合金ドラムを導電性支持体として、下記組成の、下引層(UL)用塗工液、電荷発生層(CGL)用塗工液で順に浸漬塗工を行ない、各層毎に120℃20分の加熱乾燥により、3.5μmの下引層、0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、電荷輸送層(CTL)用塗工液に浸積塗工し、引き上げ速度条件を変化させ、フィラー非分散電荷輸送層を塗工した後、130℃20〜30分の加熱乾燥を行ない、2μm〜28μmの間で膜厚を変えたフィラー非分散電荷輸送層を有する有機感光体を作製した。下記記載の「部」はいずれも重量部を表わす。
【0095】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料 10部
【0096】
【化1】
ポリビニルブチラール 2部
2−ブタノン 200部
シクロヘキサノン 400部
〔フィラー非分散電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)
下記構造の低分子電荷輸送物質 8部
【0097】
【化2】
テトラヒドラフラン 200部
【0098】
2)フィラー分散電荷輸送層を有する感光体の作製
フィラー非分散電荷輸送層を塗布した有機感光体を加熱乾燥した後冷却し、引き続き、スプレー塗工法でフィラー分散電荷輸送層を2〜10μmの間で塗工した。
なお、冷却後引き続きフィラー分散電荷輸送層を塗工したのは、溶媒により界面が解け合い、明確な界面を形成させないためであるが、一晩程度の放置では殆ど問題はない。しかし、数週間放置すると酸化により、局部的にバリアができ、画像品質に悪影響が出やすい。
フィラー非分散電荷輸送層上に、下記記載のバインダー樹脂(ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂)と低分子電荷輸送物質(ドナー)、一次粒径が0.2、0.3、0.5、0.7および1μmの5種類の無機フィラー(α−アルミナ)を用意し、夫々の無機フィラーと分散助剤及び溶剤を硝子ポットに入れ、ボールミルで24時間分散させて塗工液を作り、スプレー法を用いて1〜5回往復させ、フィラー分散電荷輸送層を塗工した。触指乾燥の後、150℃20分間加熱乾燥させて、フィラー分散電荷輸送層を有する評価用電子写真感光体を作製した。
【0099】
[フィラー分散電荷輸送層塗工液](フィラー添加量25重量%の場合を例示する)
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(帝人化成社製:Zポリカ Mv5万)
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【0100】
【化3】
アルミナフィラー 5.7部(25重量%の場合)
(住友化学工業製AA−02〜AA−10、
平均一次粒径:0.2〜1.0μm、比抵抗≒2.5×1012Ω・cm)
テトラヒドロフラン 400部
シクロヘキサノン 200部
分散助剤 0.08部
(BYK−P104 ビックケミージャパン製)
作製した感光体の特性一覧を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
<帯電部材>
1)接触帯電用の帯電部材
本発明の実施例に記載の帯電部材は、6mmの真鍮製ロット棒にカーボンを均一分散し、電気抵抗を6×105Ω・cm(100VDC印加時)に調整したエピクロルヒドリンゴムを3mmの厚さになるように塗布して研磨し、その層上にエピクロルヒドリンゴムにカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散し電気抵抗が(3〜5)×108Ω・cm(100VDC印加時)になる様に調合したエピクロルヒドリンゴムを厚さ1mmに均一塗布して、φ14mm×314mm(有効帯電幅:312mm)の寸法形状にしたものである。(電子写真複写機 イマジオMF2200に使用)
【0103】
2)非接触帯電用の帯電部材
8mmの真鍮製ロット棒に電気抵抗が(4〜6)×105Ω・cm(100VDC印加時)となるカーボン、シリカ、フッ素樹脂を分散したエピクロルヒドリンゴムを、φ6mmの真鍮製ロット棒に厚さが1mmとなる様に塗布したφ10mm×327mm(有効帯電幅:308mm)の帯電部材を作製した。この帯電部材の両端部から1.5mm内側に、厚さ49μm、幅8mm、長さ31mmの菱形にカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)を張り付けスペーサーとした非接触帯電部材を作製した。感光体と帯電部材間の距離は平均で53μmであった。(カラーレーザービームプリンタ イプシオカラー8000に使用)
【0104】
<制振部材>
制振材の材料に損失正接tanδが0.8のブチルゴムを用い、金型成型により作製した。
形成後の弾性体Aの寸法は、肉厚部がφ24.7mm、肉薄部がφ12.7mm、肉厚部の中央部にフランジの電極用の凹み(φ22mm、深さ6mm)を形成した円柱状の制振部材、弾性体Bは肉薄部が2mmt、肉厚部が8mmtで、外形が28.2mmの円筒状制振部材であった。長さは弾性体A、Bとも312mmであった。なお、感光体の内径は28.5mmである。
感光体に挿入する前に弾性体Aの外側、および弾性体Bの外側にフッ素系潤滑剤(PTFE粉末 商品名ルブロンL−5 ダイキン工業製)を不織布につけてほぼ均一に塗り、あらかじめ片側にフランジをセットしておいた感光体の中に弾性体Bを挿入し、次に、弾性体Aを挿入し、弾性体Aを軽くたたきながら完全に挿入した後、反対側のフランジをセットした。感光体へのセット状態は図25の通りである。
【0105】
<感光体表層の摩擦係数低減化方法>
本発明では、トナー中にステアリン酸亜鉛を0.02重量%添加することによって、現像剤を介して感光体表層に潤滑剤を付与する方法で行なった。
【0106】
<現像剤=キャリア+トナー>
キャリアには、重量平均粒径58μmの磁性キャリア(FPC−300LC)を使用した。
乳化重合法で作製された重量平均粒径が約4.6μmで、平均円形度0.981〜0.987の球形トナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)をトナー[1]とする
粉砕法で作製された重量平均粒径6.3μm、平均円形度0.914のトナーをトナー[2]とする。
これらのトナーはキャリアに対して5重量%の割合で添加して現像剤とした。
これらのトナーには感光体表層の摩擦係数を低減化させる手段として、ステアリン酸亜鉛が0.02重量%含有される。
【0107】
<クリーニングブレード>
クリーニングブレード[1]
JIS−A硬度74度、81度、87度、92度の4種のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを金型成形によって作製した。形成後の寸法は板厚が2.8mm、高さ15mm、長さ320mm、斜めカット部の長さが4mmの台形状(形状は図21の通り)である。感光体との当接部のバリをカットし、カット部の幅は約0.3mmとなった。JIS−A硬度の測定はJIS K 6301に準じて作製された(株)テクロックGS−701Nを使用した。
前記ブレードを板厚0.8mmで8度の角度に曲げた長さ363mmの鉄板に、斜めカット部を感光体の回転方向の上流向き(転写装置側)にして、エポキシ系の2液性接着剤(アラルダイト8 254−01 バンティコ社)を使用して、自由長が5mmになるように接着しクリーニング部材を完成した。(電子写真複写機 イマジオMF2200に使用)
【0108】
クリーニングブレード[2]
JIS−A硬度が87度のポリウレタンゴム製クリーニングブレードを、型によって作製した。形成後の寸法は板厚が2.8mm、高さ10mm、長さ325mm、斜めカット部の長さが3mmの台形状である。感光体との当接部のエッジはバリをカットし、カット部の幅は約0.2mmとなった。形状は図21の通りである。JIS−A硬度の測定はJIS K 6301に準じて作製された(株)テクロックGS−701Nを使用した。
そのブレードを板厚0.8mmで直角に曲げた325mmの鉄板に、エポキシ系の2液性接着剤(アラルダイト8 254−01 バンティコ社)を使用して、斜めカット部を感光体の回転方向の上流向き(転写装置側)にして、自由長が4.5mmになるように接着して、クリーニング部材を完成した。(カラーレーザービームプリンタ イプシオカラー8000に使用)
【0109】
<評価方法>
感光体およびクリーニングブレード用の評価機として、光源の発振波長を655nmとするLD素子を用いた接触帯電方式で、感光体と現像装置、クリーニングブレードが一体構成となったプロセスユニットを内蔵する、乾式電子写真複写機(イマジオMF2200、リコー製)、および非接触帯電方式、感光体とクリーニングブレードを一体構成とするプロセスユニットを内蔵する4連タンデム方式のカラーレーザービームプリンタ[CLBP](イプシオカラー8000、リコー製)を用意した。
評価用に用意した電子写真複写機(イマジオMF2200、リコー製)は帯電装置への高圧電源供給が直流電圧であるため、交流電圧が重畳可能な高圧電源(長野愛知電気製 タイプHV−255)を別途用意し、標準設定の直流電源と切り替えながらの評価を実施した。
帯電部材に交流重畳直流電圧を印加するする場合には、交流電圧を1500V/1350Hzに固定し、直流電圧を調整して、現像装置位置での暗部電位を設定した。
カラーレーザービームプリンタは標準設定(デフォルト)の状態で使用し評価を行なった。
評価枚数はA4サイズ各5万枚(A4サイズ)とし、初期の感光層膜厚と5万枚後の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャー社製 タイプMMS)を使って測定し、感光層の摩耗量を評価した。
鉛筆硬度はJIS K 5401に基づいて作製された鉛筆引っ掻き試験器(表面性測定器 新東科学社製 HEIDON−14型)とJIS規格標準鉛筆(三菱鉛筆“ユニ”)とを使用し、加重に100gの分銅を用いて、測定用に作製した感光体を50×80(mm)の大きさに切断して測定した。
真円度、真直度は表面粗さ輪郭形状統合測定器(東京精密社製 サーフコム1400D)を用いて、感光体長手方向13カ所、周方向90度毎に4カ所測定した。
摩擦係数の測定は、測定に供する感光体を台座に固定して、幅30mm×長さ290mm×厚み85μmの上質紙(リコー社製、タイプ6200ペーパー、縦目使用)をベルトとし、前記上質紙を感光体の周方向に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトの移動開始時の重量を読みとり、オイラーの方式より導き出された下式より(静止)摩擦係数μsを算出した。
μs=2/π×ln(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数、F:読みとり荷重、W:分銅の重さ、π:円周率
画像品質評価は、電子写真複写機で評価する場合は、画像品質評価は、JISZ 6008にしたがって作成された試験票板(コダック社製)を使用して解像度を評価し、別途用意したリコー製テストチャートでドットパターンの再現性及び地肌汚れの評価を実施した。
一方、カラーレーザービームプリンタで評価する場合は、別途用意したパソコンに入力した各種パターンを使用して、解像度、1ドットパターンの再現性、ノイズ、色むら等についての評価を行なった。
評価時以外の通紙ランニング中の原稿は両評価機とも画像面積6%の画像パターンを使用し、22〜24(℃)/58〜65(%RH)環境にて通紙ランニングを行なった。
評価は初期、100枚後(摩擦係数測定のみ)、5万枚後に行なった。
【0110】
実施例1〜4
評価用の感光体として、表1に記載のNo.4(実施例1)、No.5(実施例2)、No.6(実施例3)、No.7(実施例4)のサンプルを使用した。評価用に用意した電子写真複写機に搭載したこれらの感光体は、いずれも図23の様な制振性の高い損失正接tanδが0.8の制振部材を密着内蔵したもので、真円度、真直度は夫々0〜20μm、±20μmを満足したものである。
感光体に印加する現像装置位置での電界強度は、No.4のサンプルでは4.5×105V/cm、No.5のサンプルでは3.04×105V/cm、No.6のサンプルでは2.33×105V/cm、No.7のサンプルでは2×105V/cmとして、5万枚の通紙ランニングを行なった。
感光体サンプルは、電荷発生層上に2〜28(μm)の間で、4種類の膜厚を変えて塗布したフィラー非分散電荷輸送層上に、一次平均粒径が0.3μmのα−アルミナをフィラー分散電荷輸送層の25重量%になる様に添加して、2〜8μmの膜厚に積層した。
フィラー分散電荷輸送層の電荷輸送層に対する膜厚の比率は80%〜6.7%である。また、感光体の10点平均粗度は0.48μm台であり、鉛筆硬度はHB〜Hであった。
【0111】
これらの感光体を硬度81度に調整して作製されたクリーニングブレードを搭載し、感光体に対する当接圧が24.0g/cmになる様に、評価用の電子写真複写機の感光体ユニットにセットした。
トナーは平均円形度0.981〜0.987のブラックトナーを使用し、キャリアに対して5重量%を混合した。なお、トナーへの潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)は未添加である。
これらの評価結果を表2に示す。
【0112】
実施例に使用したフィラー分散電荷輸送層の膜厚の割合が6.7%〜80%のサンプルのいずれにおいても、画像品質は良好で、表には記載していないが、7.1〜9.0本/mmの高解像度を示し、ハーフトーン再現性も良好であった。一方、平均円形度の高いトナーを使用した場合は、帯電部材が若干汚れる程度の漏れは確認されたが、画像には影響は認められず、実用上の問題は発生しなかった。また、高硬度のブレードを使用した影響はクリーニング性が高いため、ブレードの下を通過するトナーが遮断されることもあって、感光体には画像には出ない程度のブレードによる軽い摺擦傷は生じるものの、深いスクラッチの発生は認められなかった。
【0113】
【表2】
※表中μは摩擦係数を表わし、添え字の0は初期、0.1Kは100枚、50Kは5万枚を示す。摩耗量は初期の感光層の膜厚から5万枚後の膜厚を引いた値で、13ポイントの平均値である(以下の実施例も同様)。判定の○は良好を示す(以下の実施例も同様)。
【0114】
実施例5〜6
感光体サンプルNo.5(実施例5)およびNo.6(実施例6)のサンプルを用い、平均円形度0.91の粉砕トナーを使用し、実施例1〜4に同じ内容で評価を行なった。感光体に印加する電界強度をNo.5で3.04×105V/cm、No.6では2.33×105V/cmとした。結果を表3に示す。
【0115】
円形度の低い粉砕トナーを使用した場合は、トナーのブレード抜けはほぼ皆無であり、極めて良好なクリーニング性を示した。また、解像度も6.3〜8本/mmと良好であり、濃度ムラも皆無であった。感光層の摩耗は重合トナーを使用した場合に比べて、少し多めとなったが、8μmのフィラー分散電荷輸送層にすることにより、高画質で高耐久化が可能となった。
【0116】
【表3】
判定の◎は優秀を示す(以下の実施例も同様)。
【0117】
実施例7〜9
乳化重合方法で製造した平均円形度が0.981〜0.987のブラックトナーに、潤滑剤として平均粒径0.3μmのステアリン酸亜鉛を0.03重量%添加したトナーと、キャリア(FPC−300LC)とを5重量%になるよう混合した現像剤を使用した。一方、感光体として、制振部材を内蔵しないNo.5(実施例7)、No.6(実施例8)、No.7(実施例9)を使用して、実施例1〜4の同様の内容で感光体評価を行なった。結果を表4に示す。これらの感光体はいずれも真円度が0〜20μm、真直度が±20μmを満足する感光体である。
【0118】
トナー中に潤滑剤を極微量添加することによって、感光体の摩擦係数が低減化する効果がもたらされた。その結果、トナーの感光体への付着力が弱められ、画像品質の向上、特には転写効率のアップが生じ、感光体上の残留トナーが少なくなり、クリーニング性に好結果が得られ、クリーニング性は実施例2〜4の結果よりも更に改善効果を高めることができた。解像度は実施例2〜4同様な結果であったが、よりシャープになった。感光層の摩耗は摩擦係数が低下したため、改善が見られ、更に、低摩耗となった。
【0119】
【表4】
【0120】
比較例1〜5
表1に記載のNo.1(比較例1)およびNo.2(比較例2)のフィラー非分散電荷輸送層の感光体、No.3(比較例3)、No.6(比較例4)およびNo.7(比較例5)のサンプルを使用して、クリーニングブレードをJIS−A硬度77度の評価用電子写真複写機に標準設置されている短冊状のポリウレタンブレード(幅2mm×13mm×320mm、自由長8.5mm)に戻して5万枚の通紙ランニングを行なった。
感光体に対する現像装置位置での電界強度を、No.1では3.18×105V/cm、No.2では2.86×105V/cm、No.3では5.8×105V/cm、No.6では2.33×105V/cm、No.7では2×105V/cmに夫々設定した。現像剤に使用したトナーは平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーであり、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を使用した。
その他の条件は実施例1〜4に記載の方法で行なった。結果を表5に示す。
【0121】
No.3の感光体のように、フィラー分散電荷輸送層の膜厚比が0.83と大きい場合は、フィラー分散電荷輸送層の膜厚が最大でも8μm程度に抑えないと、解像性や残留電位に影響が生じるため、フィラー非分散電荷輸送層の膜厚は薄くせざるを得ない。この様な状況では、静電容量が大きくなってしまうために、電界強度が大きくなってしまい、画像形成に必要な表面電位が低くなってしまい、画像濃度が低く、クリーニング性も不充分であったためにプアーな画像品質となった。
No.3以外の感光体においても、フィラー平均球形度が高い乳化重合法で製造した球形トナーは短冊状のクリーニングブレードではクリーニングが不充分であり、特にフィラー非分散電荷輸送層のみの感光体(No.1およびNo.2)では、更にクリーニング不良が悪化する傾向が見られた。クリーニング不良が起きたことによって、帯電部材に著しい汚れが帯状に生じ、ハーフトーン画像では僅かに筋の発生が確認された。
フィラー非分散電荷輸送層のみの感光体では感光層の硬度が低い(鉛筆硬度でB)ためと、摩擦係数が高い(0.6以上)ための現象と考えられるが、フィラー分散電荷輸送層を有する感光体でもクリーニング不良が生じたのは、前記したようにブレードのエッジの歪みによるものと解される。
また、フィラー非分散電荷輸送層のみのNo.1およびNo.2の感光体は、摩耗が大きくなり、耐久性が不充分である以外に、現像剤中のトナーの流動剤として添加しているシリカや酸化チタンの、感光層への潜り込み(刺さり)が生じ、ハーフトーン画像にムラを生じる要因となった。
【0122】
【表5】
表中、×はクリーニング不良、画像品質悪化のため、実用性を持たないことを意味する。
【0123】
実施例10〜13
フィラー分散電荷輸送層中のフィラー分散量を変えて評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.8〜No.13で、フィラー分散電荷輸送層中のフィラー分散量は、夫々、No.8では10重量%(HB)(実施例10)、No.9では20重量%(HB)(実施例11)、No.10では30重量%(H)(実施例12)、No.11では40重量%(H)(実施例13)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
鉛筆硬度向上のためのフィラーには平均粒径0.5μmのα−アルミナを使用し、電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図20の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
サンプルの表面粗度は表1に示すように10点平均表面粗度で0.4〜0.8を満足している。結果を表6に示す。
クリーニング性はフィラー分散量が10重量%程度ではやや不良気味であるが、20重量%になると、殆ど問題ない程度にクリーニング性が維持される。画像品質は20、30重量%が良好で、フィラー分散量が少ないと、クリーニング性の低下による帯電ローラの汚染で、フィラーが40重量%になると、摩耗が抑制されるためにコロナ生成物の除去が充分でないために、局部的に解像性低下(4.0〜4.5本/mm)が生じた。
すなわち、フィラー添加量の好適な範囲は10重量%、40重量%を除いた範囲が良好と判断される。
【0124】
【表6】
表中、△は枚数が5万枚の評価時点で、僅かにクリーニング性や画像品質に問題があることを意味する。(以下の実施例も同様)
【0125】
実施例14〜17
フィラー分散電荷輸送層に分散する一次平均粒径が0.2〜0.7μmの評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.12〜No.15で、フィラー分散電荷輸送層中のα−アルミナフィラーの一次粒径は、夫々、No.12では0.2μm(HB)(実施例14)、No.13では0.3μm(H)(実施例15)、No.14では0.5μm(HB)(実施例16)、No.15では0.7μm(H)(実施例17)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも0〜20μm、±20μmの範囲内である。
フィラーの添加量は25重量%で電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.4μm〜0.8μm内であり、最大粗さも1.0μm以下である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図22の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。評価結果を表7に示す。
フィラー分散電荷輸送層中の一次平均粒径を変えることによって、表面粗度が変化するが、上記表面粗度の範囲内のサンプルはいずれも、クリーニング性、画像品質とも良好であった。
【0126】
【表7】
【0127】
比較例6〜8
フィラー分散電荷輸送層に分散する一次平均粒径1.0μmの分散量を20、30、40重量%と変えた評価用感光体を作製した。使用した感光体サンプルは表1中のNo.16〜No.18で、フィラー分散電荷輸送層中のα−アルミナフィラーの分散量は、夫々、No.16で20重量%(H)(比較例6)、No.17では30重量%(2H)(比較例7)、No.18では40重量%(2H)(比較例8)とした。括弧内は鉛筆硬度。これらの感光体には損失正接tanδが0.8のブチルゴムからなる制振部材を内蔵し、真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
フィラーの添加量は25重量%で電荷輸送層の膜厚を27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚を5μmとした。このときの現像装置位置での電界強度は2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度81度の鋭角にシャープカットされた図23の形式のブレードを当接圧(線圧)24g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。評価結果を表8に示す。
フィラーの一次平均粒径が1.0μmであっても、分散量を少なくすることによって、表面粗度が低く抑えられる傾向はあるが、感光層上にフィラーの凸部があるために、クリーニング性、画像品質共に影響が出る傾向があり、トナー抜けによる、帯電部材の汚れや、地汚れが微かに発生した。また分散量が多くなるにつれ、表面粗度が大きくなり、クリーニング性、画像品質とも悪化が見られた。
【0128】
【表8】
【0129】
実施例18〜19
表1に記載のNo.15と同等の感光体を2本用意し、JIS硬度が81度(実施例18)、87度(実施例19)、のポリウレタンゴムブレードを感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を24g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.7μmα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmである。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度は、2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表9に示す。
JIS−A硬度が81度、87度のブレードとも殆どトナー抜けは確認されず、画像への影響もなく、良好な画像品質であった。
【0130】
【表9】
【0131】
比較例8〜9
表1に記載のNo.15と同等の感光体を2本用意し、JIS硬度が74度(比較例8)、92度(比較例9)、のポリウレタンゴムブレードを感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を24g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.7μmのα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は27μm、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmである。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度は、2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さは0.8μm以上であり、最大粗さも1.0μm以上である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表10に示す。
評価した結果、JIS−A硬度が74度および92度のブレードとも良い結果では無かった。硬度が低い場合には、従来の短冊状のクリーニングブレードより良好ではあったが、トナー抜け現象は生じ、帯電ローラにトナー付着が生じ、ハーフトーン画像に僅かに筋模様が生じた。
一方、硬度が92度と大きい場合には、74度の硬度のブレードよりは更にトナー抜けは良くなったが、感光体上に僅かにトナーの付着が見られ、帯電部材に薄くトナー付着が見られたが、5万枚時点では画像への影響はハーフトーン画像に僅かに濃淡差が見られる程度の微少な影響であった。
【0132】
【表10】
【0133】
実施例20
評価用の感光体として表1のNo.6の感光体を4本(マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)用)用意した。クリーニングブレードにはJIS−A硬度87の図20に図示するシャープカットされた形態のブレードを当接圧(線圧)21.5g/cmになる様に感光体ユニットに取り付けた。
平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造したM、Y、C、およびBkトナーに、平均粒径0.3μmのステアリン酸亜鉛を0.03重量%添加したトナー、キャリアには重量平均粒径58μmの磁性紛(FPC−300LC)を使用し、5重量%濃度の現像剤を現像ユニットに投入した。
感光体ユニットおよび現像装置を、評価用に用意したカラーレーザービームプリンタに搭載し、現像位置での感光体に印加される電界強度は2.5×105V/cmとして、5万枚のランニング評価を実施した。結果を表11に示す。表中上よりマゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)の結果を示す。
トナー中にはいずれも潤滑剤が入っているため、トナーのクリーニング性は良好で、トナーフィルミングの兆候は見られなかった。1ドット再現性も良好で、ドット間のにじみはなく、良好なカラー再現性を示した。
【0134】
【表11】
【0135】
比較例10〜12
評価用感光体サンプルとして、表1に記載のNo.19(比較例10)、No.20(比較例11)、No.21(比較例12)の感光体を用意した。No.19の感光体についての真直度および真円度の測定結果を図26および図27に示す。真円度は0〜20(μm)を満足しているが、真直度は+20μmを大きく外れ、+35μmを示している。No.20、No.21の感光体は図示しないが、真円度は22〜24μm、真直度は+30〜45μmと+20μmを大きく外れている。
クリニングブレードには、JIS硬度が87度の図22に示す形状のポリウレタンゴムブレード(先端部エッジの幅0.2mm)を感光体ユニットにセットし、当接圧(線圧)を30g/cmに設定して電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
フィラー分散電荷輸送層中のフィラーは平均粒径が0.3μm(No.19、20)および0.5μm(No.21)のα−アルミナとし、添加量は25重量%で、電荷輸送層の膜厚は20μm(No.19)、27μm(No.20、21)、フィラー分散電荷輸送層の膜厚は5μmとした。この感光体に印加される現像装置位置での電界強度を、No.19のサンプルが3×105V/cm、No.20、21のサンプルが2.2×105V/cmとした。表面粗度はいずれも10点平均粗さで0.5μm前後であり、最大粗さは0.7μm前後である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤非分散ブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。評価結果を表12に示す。
感光体の真円度、真直度が大きい場合は、感光体が歪んでいることを意味するが、感光体と帯電部材間および感光体とクリーニング部材間の距離が不均一になるため、帯電ムラおよび、クリーニング不良(トナー抜け)の要因となる。比較例10のサンプルでは真円度は0〜20μmの中に入っているが、真直度の暴れが大きいため、トナー抜けが局部的に起こり、筋状にフィルミング、擦り傷が発生した。また、帯電ローラに汚れが起こり、また画像ムラも若干生じた。一方、比較例11および12では真円度、真直度とも大きいため、クリーニング性不良、コピー画像上に薄い濃度ムラが生じ、局所的に解像度が5.6本/と低い領域があった。さらに、微かに地肌汚れが認められた。
【0136】
【表12】
【0137】
実施例21〜22
表1に記載のNo.1の感光体(実施例21−フィラー添加なし、膜厚22μm)、No.2の感光体(実施例22−フィラー添加なし)を使用した。鉛筆硬度はいずれもBであった。これらの感光体には制振部材は内蔵していない。真円度、真直度はいずれも20μm、±20μmの範囲内である。
感光体に印加する現像装置位置での電界強度はNo.1のサンプルで2.7×105V/cm、No.2のサンプルで2.14×105V/cmとした。感光体の表面電位−600Vに相当する電界強度である。
トナーには平均円形度0.981〜0.987の乳化重合法で製造した潤滑剤を0.03%分散したブラックトナーを使用し、キャリア(FPC−300LC)に対し5重量%添加した現像剤を現像ユニットに投入した。クリーニングブレードは、JIS−A硬度87度の鋭角にシャープカットされた図20の形式のブレードを当接圧(線圧)22g/cmに設定して、電子写真複写機による5万枚の通紙ランニング評価を実施した。
サンプルの表面粗度は表1に示すように10点平均表面粗度で0.09〜0.1であった。結果を表13に示す。
電荷輸送層を、フィラーを添加しないフィラー非分散電荷輸送層にした場合には、感光層表面が柔らかいという状況にあるため、フィラーを分散した感光層に比べ、若干劣る傾向にはあったが、従来の短冊状のクリーニングブレードに比較して、明らかに良好な状態であった。
【0138】
【表13】
【0139】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の請求項1乃至3に記載の構成によって、フィラーを分散していないフィラー非分散電荷輸送層とフィラーを分散したフィラー分散電荷輸送層とを合わせた感光層の膜厚に対する、フィラー分散電荷輸送層との膜厚の割合が6.7%〜80%の感光体と、クリーニングに供されるクリーニング部材が鋭角にシャープカットされた先端部をもつ弾性体とを組み合わせることによって、従来の短冊状の形態で問題があった面接触によって、トナーを帯電部材の方に送り出すことや、局部的な歪みも無視できるため、クリーニング不良を実用上問題ないレベルまで、改善することができる。また、請求項4の構成によって、フィラー分散電荷輸送層中のフィラー濃度をフィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下にすることによって、適度に摩耗させながら使用できるため、感光体に付着した汚染物質も適度に削られ、異常に付着することが抑制される。その結果、フィラー分散電荷輸送層のない、従来の感光体に比して、高耐久化(感光層の耐摩耗性、スクラッチの発生しにくさ)が図れると共に、安定した、濃度ムラのない画像品質を長く提供できる。また、感光層の硬度アップによって、クリーニングブレードのエッジ部の食い込みが緩和される他、硬度の高いクリーニングブレードが使用されるため、エッジの歪みが少ないこととも相まって、平均円形度が大きいトナーであっても、トナー抜けが起こりにくくなるというメリットが生じる。また、請求項5の構成によって、一次粒径が0.2〜0.7μmのアルミナフィラーをフィラー分散電荷輸送層に分散したとき、感光層の10点平均粗さが0.4〜0.8μm、最大粗さが1.0μm以内にすることによって、ブレードエッジの感光層への食い込みが抑制されるために、エッジ部の局部的な歪みが生じにくい。また、感光層表層が平坦であるために、ブレードと感光層間に隙間が生じ難いために、平均円形度の高い重合法によって作製された球形トナーであっても、良好にクリーニングができる。クリーニングエッジの痛みが少ないために、クリーニングブレードの耐久性も良好になる。また、請求項6の構成によって、感光層表層の摩擦係数を下げることによって、トナーの感光層への付着力が低減するために、トナーのクリーニング性が向上するとともに、トナー像の転写効率がアップするため、局部的な画像抜けがなくなる。またクリーニングブレードの負担が少なくなるために、クリーニングブレードの耐久性を延ばすことが可能である。更に、クリーニングブレードと感光体間の摩擦抵抗が下がるために、振動音が軽減され、騒音が解消する。また、請求項7の構成によって、フィラー分散電荷輸送層の硬度を鉛筆硬度HpでHB≦Hp<2Hとすることによって、適度な耐摩耗性が図られる。このことによって、感光体の耐久性は向上するが、感光層の摩耗が少しあるために、コロナ生成物のような低抵抗物質が付着しても、適度に摩耗するため、フィルミングの発生に伴う、あるいはコロナ生成物の付着に伴って起こる、画像劣化を最小限にくい止めることができる。また、請求項8、9の構成によって、画像形成時における真円度を0〜20(μm)、真直度を±20μmにすることによって、接触帯電部材、非接触帯電部材を使用した場合でも、安定した帯電を行なうことができ、均一性に飛んだ画像が提供可能である。また、請求項10の構成によって感光層の総膜厚を10μm以上、30μm以下に設定し、電界強度を1.3×105〜4.0×105(V/cm)にすることにより、シャープ性、解像性良好な、地肌汚れのないコピー画像が得られる。また、放電破壊し難いため、画像品質が安定している。また、請求項11の構成によって、クリーニングブレードの硬度をJIS−A硬度で80〜90度の通常より高めに設定することにより、ブレードに歪みや、振動を起こしにくくなるため、感光体との密着性が図られる。その結果、トナーのブレード下を抜ける頻度が大幅に減少し、クリーニング性の向上と、安定性、画像品質の良好な維持を図ることができる。また、請求項12の構成によって、クリーニングブレードの当接圧(線圧)を20〜25(g/cm)に設定することによって、硬度の高いクリーニングブレードを使用しても、感光体に深い傷をつけることなく良好なクリーニング性能を維持することができる。また、傷つけることが無いため、ブレードエッジの摩耗も少なく、高耐久を維持することができる。また、請求項13の構成によって、クリーニングブレードの感光層に当接する先端部のエッジを0〜0.5mmにすることにより、感光体との均一な密着性を図ることができるので、良好なクリーニング性を発揮することができる。また、請求項14の構成によって、クリーニング部材を硬い金属製の支持体に固定することにより、安定した、感光体への当接を保証できるため、安定した画像品質を得ることができる。また、請求項15の構成によって、上記した感光体および、クリーニングブレードは4連タンデム方式のカラー方式の画像形成装置にも問題なく使用できる。また、請求項16、17の構成によって、本発明における感光体、クリーニングブレードは感光体とクリーニングブレードとを一体構成したプロセスユニット、感光体、クリーニングブレード、および現像装置とを一体構成したプロセスユニットとして画像形成装置に組み込むことができるため、組立などの作業効率が向上し、部品交換や清掃などのメンテナンスおよび再生において有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明に使用される複写プロセスを説明する画像形成装置の他の概略図である。
【図3】本発明の4連タンデム方式のカラーレーザービームプリンタの概略図である。
【図4】本発明のプロセスユニットの一例を示す。
【図5】本発明に使用する電子写真感光体の構成を説明する概略図である。
【図6】電荷輸送層を構成するフィラー分散電荷輸送層の好適な膜厚割合を示すグラフである。
【図7】フィラー分散電荷輸送層の表面粗度の無機フィラー(αアルミナ)平均一次粒径依存性を示すグラフ例である。
【図8】フィラー分散電荷輸送層中へのフィラー添加量による感光層摩耗量および画像品質ランクの関係を示すグラフである。
【図9】制振部材を内蔵した感光体の真直度測定例である。
【図10】制振部材を内蔵した感光体の真円度測定例である。
【図11】制振部材を内蔵した感光体の他の真直度測定例である。
【図12】制振部材を内蔵した感光体の他の真円度測定例である。
【図13】従来のクリーニングブレードによるトナー抜けを説明する模式図である。
【図14】クリーニングブレードの側面から見た断面図である。
【図15】クリーニングブレードの側面から見た他の断面図である。
【図16】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する概略図である。
【図17】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図18】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図19】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図20】クリーニングブレードを支持基体に固定した状態を説明する他の概略図である。
【図21】金型成形で製造したクリーニングブレードの感光体との当接面のバリをカットする状況を説明する概略図である。
【図22】クリーニングブレードの感光体に当接させた状態、および支持基体からブレードの先端までの自由長を説明する概略図である。
【図23】クリーニングブレードの感光体に当接させた状態、および支持基体からブレードの先端までの自由長を説明する他の概略図である。
【図24】本発明のクリーニングブレードによるトナークリーニングの状態を説明する模式図である。
【図25】感光体内に制振部材を内蔵した状態を示す模式図である。
【図26】比較例10に使用した制振部材を内蔵した感光体の真直度測定結果である。
【図27】比較例10に使用した制振部材を内蔵した感光体の真円度測定結果である。
【符号の説明】
1:電子写真用感光体(感光体)
2:帯電装置
3:画像露光装置
4:現像装置
5:転写装置
6:分離装置
7:クリーニング装置
7−1:クリーニングブレード
8:定着装置
9:コピー用紙
10:制振部材
200:潤滑剤付与装置
201:潤滑剤
202:潤滑剤塗布ブラシ
Claims (17)
- 電子写真感光体、帯電装置、画像露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置、及び定着装置が、好適な位置に配置され画像形成が行なわれる間接電子写真法を用いた画像形成装置において、導電性支持体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層が積層され、該電荷輸送層が少なくとも有機感光層である電子写真感光体、該電子写真感光体に当接しトナークリーニングに供せられる先端部がV字若しくはナイフエッジ状に鋭角の形状を有し、前記電子写真感光体に対してカウンター当接、配置される弾性クリーニングブレードとを具備してなることを特徴とする画像形成装置。
- 前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、フィラー分散電荷輸送層は電荷輸送層全膜厚の6.7%〜80%を占めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体を構成する電荷輸送層が、フィラー非分散電荷輸送層とフィラー分散電荷輸送層との2層構成を有し、該両層間には明確な界面が存在しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記フィラー分散電荷輸送層中に添加されるフィラーの量が、フィラー分散電荷輸送層全重量の10重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- フィラーの平均粒径が0.2μm〜0.7μmのアルミナであり、アルミナを分散した電荷輸送層最表面の画像形成時における10点平均粗さが0.4μm〜0.8μm、最大粗さが1.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 電子写真感光体の画像形成開始時における静止摩擦係数が0.3〜0.5であり、潤滑剤付与時の画像形成100枚以降の平均摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記フィラー分散電荷輸送層の表層における鉛筆硬度(Hp)はHB≦Hp<2Hであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が0〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電子写真感光体が制振部材を内蔵して、画像形成時の電子写真感光体の真直度が(±)20μm、真円度が20μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記電荷輸送層の総膜厚が10μm以上、30μm以下であり、現像時の、現像位置における電子写真感光体の保持する電界強度が(−)1.3×105〜4.5×105(V/cm)であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記感光体と当接するクリーニング部材のエッジ角度が鋭角であり、JIS−A硬度80〜90度のゴム状弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ゴム状弾性体の電子写真感光体と当接するエッジの当接圧(線圧)が15g/cm以上、25g/cm以下であることを特徴とする請求項1又は11に記載の画像形成装置。
- 前記ゴム状弾性体の感光体に当接する先端部のエッジ幅をWとすると、0<W≦0.5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項10乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ゴム状弾性体が金属製支持基体に固定されたクリーニング部材であることを特徴とする請求項1又は請求項10乃至13のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体、直流電圧、若しくは交流電圧重畳の直流電圧が印加可能な接触若しくは非接触帯電装置、単色光で電子写真感光体に光書き込みを行なう画像露光装置、4色トナーからなる現像装置、請求項11乃至14のいずれかに記載のクリーニング部材を使用したクリーニング装置、トナー像を転写するベルトタイプ中間転写装置1系統が夫々配設され、画像形成が行なわれることを特徴とする4連タンデムカラー複写方式の画像形成装置。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の内容の電子写真用感光体と、請求項11乃至14のいずれかに記載の内容のクリーニングブレードとを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真用感光体、請求項11乃至14のいずれかに記載のクリーニングブレードおよび現像装置とを有することを特徴とする画像形成プロセスユニット。
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| JP2002215795A JP2004061560A (ja) | 2002-07-24 | 2002-07-24 | 画像形成装置およびプロセスユニット |
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-
2002
- 2002-07-24 JP JP2002215795A patent/JP2004061560A/ja active Pending
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