JP2004061365A - 圧力センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ボンディングワイヤの接合強度が高く,小型かつ低コストの圧力センサを提供すること。
【解決手段】コネクタハウジング30と,コネクタハウジング30を挿入するセンサハウジングと,コネクタハウジング30とセンサハウジングとの間に形成される圧力室とを有する圧力センサである。そして,該圧力室には,感圧素子20が収容してある。コネクタハウジング30は,ボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されたターミナルピンと感圧素子20とを配置した受圧面32を有している。この受圧面32は,略円形状を呈しており,その中央部に感圧素子20を露出させてあると共に,その周囲にターミナルピンのピン先端部110を露出させてある。該ピン先端部110の断面形状は,感圧素子20に近づくほど幅が広く,受圧面32の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
【選択図】 図2
【解決手段】コネクタハウジング30と,コネクタハウジング30を挿入するセンサハウジングと,コネクタハウジング30とセンサハウジングとの間に形成される圧力室とを有する圧力センサである。そして,該圧力室には,感圧素子20が収容してある。コネクタハウジング30は,ボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されたターミナルピンと感圧素子20とを配置した受圧面32を有している。この受圧面32は,略円形状を呈しており,その中央部に感圧素子20を露出させてあると共に,その周囲にターミナルピンのピン先端部110を露出させてある。該ピン先端部110の断面形状は,感圧素子20に近づくほど幅が広く,受圧面32の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【従来技術】
圧力センサは,シリコン基板上に形成した歪ゲージと,シリコン基板を精密にエッチングして形成した圧力検知用のダイヤフラムとを有する感圧素子を利用したセンサである。そして,この圧力センサは,上記歪ゲージにより,圧力によるダイヤフラムのひずみ量を計測することにより圧力を測定する。
【0002】
感圧素子を配置する受圧面を有するコネクタハウジングと,センサハウジングとからなる圧力センサにおいて,上記の感圧素子は,センサハウジングに挿入したコネクタハウジングと,センサハウジングとの間の圧力室に収容されるよう構成されている。
【0003】
上記感圧素子への電源供給や信号出力のため,上記コネクタハウジングの内部を貫通するターミナルピンの一方の端部を上記受圧面から突出させるのが一般的である。そして,ワイヤボンディングにより,ターミナルピンと感圧素子とは相互に電気的に接続される。
ワイヤボンディグとは,Au線,Al線等のボンディングワイヤを金属の表面に接合する接合方法をいう。ワイヤボンディングでは,超音波振動するボンディングヘッドにより,ボンディングワイヤを被接合面である金属表面に押し付けて両者を接合する。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の圧力センサにあっては,次のような問題がある。
即ち,ボンディングワイヤを接合するターミナルピンの剛性が不足する場合,ターミナルピンとボンディングワイヤの接合不良を生じるおそれがある。ボンディングヘッドの振動方向に,ターミナルピンが振動しその先端にある接合面の位置ずれを生じるおそれがあるからである。
【0005】
各ターミナルピン910の接合を実施するボンディングヘッドは,図5,図6に示すごとく,ボンディングワイヤ934に略平行方向に超音波振動する。そのため,各ターミナルピン910は,図5,図6に図示する矢印方向に振動することとなる。
【0006】
例えば,断面正方形や,断面円形の棒状のターミナルピン910を適用する場合,コネクタハウジング930における受圧面を表す図5,図6に示すごとく,受圧面932から突出するターミナルピン910の断面形状は,正方形(図5)もしくは円形(図6)となっている。しかし,ターミナルピン910の断面形状が,正方形もしくは円形であると,ボンディングヘッドの振動方向の剛性が比較的弱い。ワイヤボンディングの際,ターミナルピン910の接合面は,ボンディングヘッドの振動方向に位置ずれを起こすおそれがある。ターミナルピン910の接合面に位置ずれを生じると,該接合面とボンディングワイヤ934との接合性が低下するおそれが高い。
【0007】
一方,特開2002−98609号報によれば,図7に示すごとく,ターミナルピン910の断面形状を長方形にする構造が提案されている。かかる構造によれば,ボンディングヘッドの振動方向の辺を長くすることで,その方向におけるターミナルピン910の剛性を高くできる旨,開示されている。
【0008】
しかし,ターミナルピン910の断面形状を長方形とした場合,ターミナルピン910の短辺部分が大きく外方へ張り出し,その分受圧面932を大きくしなければならず,センサハウジングの大型化,ひいては圧力センサ全体の大型化を招いていた。
【0009】
かかる受圧面932の大径化は,受圧面932に作用する圧力の増大,さらにはセンサハウジングとコネクタハウジングとの間における挿入逆方向に作用する荷重の増加を招く。この荷重に対抗するため,センサハウジングとコネクタハウジングとの組み付け構造の高強度化が必要となり,圧力センサのコスト上昇,大型化を将来するおそれがある。
【0010】
また,その改良構成として,図8に示すようにターミナルピン910の断面形状を長方形とすると共に,その長辺を感圧素子20と平行に配置する構造も開示されている。かかる構造によれば,剛性はやや低下するものの正方形よりターミナルピン910の断面積を大きくとれる分,その剛性は高く,それだけワイヤボンディング時の振動に対する影響を少なくすることができる。
【0011】
しかしながら,このようにターミナルピン910の長辺が感圧素子20の辺に平行になるよう配置した場合,その長辺を長くとればとるほど,結果的にターミナルピン910の外縁の一部が外方に張り出すことになり,その結果,図7の例と同様,受圧面932を大きくとる必要があり,センサハウジングの大型化は免れなかった。
【0012】
上記のごとく,従来の圧力センサにおいては,ターミナルピンの剛性が不足し,ボンディングワイヤとの接合が十分でない場合があった。一方,ターミナルピンの剛性を高めようとすると,圧力センサ全体の大型化やコスト上昇を招来していた。
【0013】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ボンディングワイヤの接合強度が高く,小型かつ低コストの圧力センサを提供しようとするものである。
【0014】
【課題の解決手段】
本発明は,ボンディングワイヤにより相互に電気的に接続されたターミナルピンと感圧素子とを配置した受圧面を有するコネクタハウジングと,該コネクタハウジングを挿入するセンサハウジングと,上記コネクタハウジングと上記センサハウジングとの間に形成される圧力室とを有し,該圧力室に上記感圧素子が収容してある圧力センサにおいて,
上記受圧面は,略円形状を呈しており,その中央部に上記感圧素子を露出させてあると共に,その周囲に上記ターミナルピンのピン先端部を露出させてあり,該ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に近づくほど幅が広く,上記受圧面の外周に近づくほど幅が狭くなっていることを特徴とする圧力センサにある(請求項1)。
【0015】
本発明の上記圧力センサにおける上記ターミナルピンは,上記受圧面から突出する上記ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に近づくほど幅が広く,上記受圧面の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
すなわち,ピン先端部の断面形状のうち,上記感圧素子付近の幅が広い部分は,上記感圧素子に沿う方向における上記ターミナルピンの剛性を高めるのに有効である。そのため,上記ターミナルピンは,ワイヤボンディングする際のボンディングヘッドの超音波振動によって振動するおそれが少ない。上記ターミナルピンの先端にある接合面は,位置ずれを生じるおそれが少なく,ボンディングワイヤを強固に接合することができる。
【0016】
さらに,上記ターミナルピンにおける上記ピン先端部の断面形状は,上記受圧面の外周付近では,その幅が狭くなっている。すなわち,上記ピン先端部の断面形状は,上記受圧面の外周に向けて凸形状を呈し,受圧面の外周にある円弧形状にならうことができる。受圧面の外周にならう断面形状を有する上記ピン先端部によれば,その断面形状の外縁が,上記受圧面の外周と接近するおそれが少ない。そのため,比較的小径の上記受圧面であっても,上記ピン先端部を効率良く配置することができる。
【0017】
そして,上記受圧面を小径にできることにより,圧力センサ全体における小型化できる。また,受圧面の面積を抑制できることにより,上記センサハウジングと上記コネクタハウジングとの間に作用しうる引き抜き荷重が減少し,両者の組み付け構造を簡略化できコストの抑制も実現できる。
【0018】
このように,本発明によれば,ボンディングワイヤの接合強度が高く,小型かつ低コストの圧力センサを実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明においては,上記ピン先端部の断面形状をなす辺のうち上記感圧素子に隣接する辺は,上記感圧素子の外縁をなすと共に上記各ピン先端部に隣接する辺と略平行であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,上記感圧素子の外縁に沿う方向における,上記ピン先端部の断面の幅を長くとることにより,上記各ターミナルピンのピン先端部の剛性を効率良く向上することができる。そして,ピン先端部の剛性を高くすれば,ワイヤボンディングする際の接合面の位置ずれを抑制することができ,ボンディングワイヤを強固に接合することができる。
【0020】
また,上記ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に隣接する辺と,対向する辺とが略平行である台形であることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記ピン先端部における,上記感圧素子に沿う方向における剛性が高いため,その先端にある接合面の位置ずれを生じるおそれが少ない。また,台形であれば,同様のアスペクト比を有する長方形に対して,その断面積の減少分を抑制できる。
このように断面形状が台形であるピン先端部によれば,その剛性が高く,接合面の面積も十分確保できる。そして,面積が十分に確保され,位置ずれを生じるおそれが少ない接合面に対しては,ボンディングワイヤを確実に接合することができる。
【0021】
また,上記受圧面における上記ターミナルピンの周囲には,上記コネクタハウジングと上記ターミナルピンとの間をシールするシール材を充填するための窪み部が配設されており,該窪み部の断面形状は,上記ターミナルピンの断面形状と略相似形であることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記ピン先端部のシールに有効な上記窪み部を,比較的小径の上記受圧面に効率良く配置することができる。受圧面の外周に沿う断面形状を有する上記ピン先端部と略相似形の窪み部を形成することにより,受圧面の外周の円弧に沿うよう窪み部を配置できるからである。
【0022】
【実施例】
(実施例)
本発明の実施例にかかる圧力センサ1について,図1〜図3を用いて説明する。
本例の圧力センサ1は,図1,図3に示すごとく,コネクタハウジング30と,該コネクタハウジング30を挿入するセンサハウジング40と,コネクタハウジング30とセンサハウジング40との間に形成される圧力室42とを有している。そして,該圧力室42には,感圧素子20が収容してある。
コネクタハウジング30は,ボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されたターミナルピン10と感圧素子20とを配置した受圧面32を有している。この受圧面32は,略円形状を呈しており,その中央部に感圧素子20を露出させてあると共に,その周囲にターミナルピン10のピン先端部110を露出させてある。
該ピン先端部110の断面形状は,感圧素子20に近づくほど幅が広く,受圧面32の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
以下,この内容について詳しく説明する。
【0023】
本例の圧力センサ1は,図1に示すごとく,シールダイヤフラム43を有するセンサハウジング40に,ターミナルピン10と感圧素子20とを有するコネクタハウジング30を挿入して組み立てたセンサである。すなわち,本例の圧力センサ1は,圧力計測対象である流体とは隔離された圧力室42を有するものである。そして,この圧力センサ1は,シールダイヤフラム43に作用する上記流体の圧力を,圧力室42に封入した圧力伝達媒体を介して,感圧素子20により検知できるよう構成されている。
感圧素子20は,シリコン基板上のシリコン層を加工して歪ゲージを形成するとともに,シリコン基板を精密にエッチングしてセンサダイヤフラムを形成したものである。
【0024】
PPS樹脂によりなるコネクタハウジング30は,図1に示すごとく,後述するごとくターミナルピン10をインサートして一体成形されていると共に,センサハウジング40に挿入する挿入部35と,外部機器のコネクタ(図示略)と電気的に接続するためのソケット部300とを有している。
【0025】
コネクタハウジング30における挿入部35は,図3に示すごとく,上記挿入方向に略平行な軸を中心とした略円柱形状の挿入基部353と,該挿入基部353よりも小径である略円柱形状の挿入先端部351とを有している。そして,該挿入先端部351と挿入基部353との間には,コネクタテーパ面352を配設してある。
【0026】
さらに,この挿入先端部351は,図3に示すごとく,その外周面に,圧力室42を密閉するためのOリング50及びバックアップリング51を配設できるよう構成されており,挿入先端部351の外周面には,Oリング50及びバックアップリング51を配設するためのリング溝350を設けてある。
なお,本例のリング溝350は,上記挿入方向の壁面がない不完全な溝形状を呈しており,後述するごとくセンサハウジング40の内表面と組み合わされて溝形状が形成されるよう構成してある。
【0027】
ソケット部300は,外部機器(図示略)と電気的に接続するための外部コネクタ(図示略)を挿入することができるよう構成されていると共に,該ソケット部300の内部には,それぞれのターミナルピン10における一方の端部を突出させてある。そして,それぞれのターミナルピン10は,ソケット部300に挿入された上記外部コネクタの各電極と電気的に接触するよう構成されている。
上記のターミナルピン10としては,電源用,グランド用及び信号出力用の3本があり,これらのターミナルピン10は,すべてソケット部300から受圧面32へとコネクタハウジング30を貫通するように,インサート成形によってコネクタハウジング30内に一体的に配置されている。
【0028】
コネクタハウジング30の挿入方向の端面である受圧面32には,図2に示すごとく,その中央付近に感圧素子20を配置してある。該感圧素子20の周囲には,各ターミナルピン10の他方の端部であるピン先端部110を突出させてあると共に,該ピン先端部110の外周には,窪み状の窪み部120を配設してある。
【0029】
図2に示すごとく,各ピン先端部110と,対応する窪み部120とは略相似形の関係にあり,該窪み部120はピン先端部110よりひと回り大きくしてある。両者は,略同軸上に配置されており,ピン先端部110の外周は,全周に渡って窪み部120が形成する窪みと接するように構成してある。
【0030】
各ピン先端部110及び各窪み部120の断面形状は,図2に示すごとく,略台形をなしている。その底辺111と,対向する上辺112は,隣接する感圧素子20の外縁辺と略平行となるよう配置してある。底辺111は,上辺112よりも長くしてあり,各ピン先端部110及び各窪み部120の断面形状は,円弧状である受圧面32の外周に向かって窄まり形状を呈している。すなわち,ピン先端部110及び窪み部120の窄まり形状が,受圧面32の外周の円弧に沿うよう配置されている。
そして,各ターミナルピン10は,図2,図3に示すごとく,感圧素子20とボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されている。
【0031】
また,窪み部120には,図2,図3に示すごとく,シリコーン系シール材よりなるシール層12が形成されている。該シール層12により,ターミナルピン10におけるピン先端部110と,コネクタハウジング30との間の隙間は確実にシールされ,圧力センサ1における圧力室42の気密性を保持できるように構成されている。
【0032】
センサハウジング40は,ステンレススチールよりなると共に,図1に示すごとく,上記シールダイヤフラム43のコネクタハウジング30側に,上記挿入部35を挿入する凹部45と,該凹部45に挿入部35を挿入した状態で挿入部35と係合するカシメ部41とを有している。
【0033】
センサハウジング40における凹部45は,図3に示すごとく,上記挿入先端部351を挿入する略円柱形状の内周面を形成する第1凹部451と,上記挿入基部353を挿入する略円柱形状の第2凹部453とを有している。そして,該第2凹部453と上記第1凹部451との間に,センサテーパ面452が配設されている。
【0034】
センサテーパ面452は,図3に示すごとく,コネクタハウジング30の上記挿入先端部351に配設されたOリング50を第1凹部451に滑らかに挿入できるよう上記挿入方向とのなす角R(図3参照)を25度に設定してある。
また,凹部45の底面部分には,図3に示すごとく,シールダイヤフラム43が配設されている。シールダイヤフラム43は,その外周部に積層されたシールリング431の表面からレーザ溶接して,センサハウジング40まで達する溶接部435を設けることにより,センサハウジング40に強固に固定されている。
【0035】
センサハウジング40は,図1に示すごとく,シールダイヤフラム43の被計測環境側に圧力計測対象としての流体,気体等をシールダイヤフラム43側へ導入する圧力導入孔441と,圧力計測対象としての流体等を収容する配管パイプ等に対して圧力センサ1を取り付けるためのネジ部442とを有している。
【0036】
上記のごとく構成されたコネクタハウジング30とセンサハウジング40とを組み立てて製造された圧力センサ1は,図1に示すごとく,コネクタハウジング30を挿入したセンサハウジング40のカシメ部41を内径方向に変形させてある。このようにカシメ部41を内径方向に変形させることにより,カシメ部41を,コネクタハウジング30の挿入基部353に係合させ,固定してある。
【0037】
コネクタハウジング30とセンサハウジング40とは,それぞれが有するコネクタテーパ面352とセンサテーパ面452とを密着させることにより,両者の挿入方向の位置を規制してある。そして,コネクタテーパ面352とセンサテーパ面452との間に,上記かしめ部41をかしめる際に生じる挿入方向の荷重を作用させた状態で,上記コネクタハウジング30とセンサハウジング40とを組み立ててある。
また,図2に示すごとく,上記コネクタテーパ面352とセンサテーパ面452との当接によって,コネクタハウジング30の先端面とセンサハウジング40の凹部45の底部とは接触することなく,両者の間に所定の隙間が形成されている。
【0038】
この圧力センサ1は,コネクタハウジング30の受圧面32とセンサハウジング40のシールダイヤフラム43とが対峙して形成された空間よりなる圧力室42を有している。この圧力室42には,上記圧力伝達媒体としてシリコンオイルが充填されている。また,挿入先端部351に配設されたリング溝350と,第1凹部451との間隙に装着されたOリング50及びバックアップリング51によりシールされている。このOリング50は,リング溝350における挿入方向の反対側の端面により押圧されたバックアップリング51により保持され,高圧にも耐え得るよう構成されている。
【0039】
そして,以上のごとく構成された圧力センサ1を用いて,圧力を計測するに当たって,センサハウジング40に設けられたねじ部442により,圧力計測対象としての流体等を収容する配管パイプ等に取り付けられるよう構成してある。そして,圧力導入孔441を経由してシールダイヤフラム43側に導入される圧力計測対象としての流体の圧力は,圧力室42に充填されたシリコンオイルを介して感圧素子20のセンサダイヤフラムに伝達されるよう構成してある。
【0040】
前述したように,本例の圧力センサ1は,図3に示すごとく,上記受圧面32に突出するピン先端部110の断面形状は略台形をなしている。その底辺111が,感圧素子20の外縁辺と略平行となるようピン先端部110を配置してある。
そのため,上記ピン先端部110は,感圧素子20に沿う方向における剛性が高い。それ故,ワイヤボンディングを実施するボンディングヘッドの超音波振動によるピン先端部110の振動が少ない。したがって,本例の圧力センサ1によれば,ピン先端部110の先端にある接合面にワイヤボンディングを施す際,その接合面の位置ずれが少ないため,ボンディングワイヤ34を強固に接合できる。
【0041】
また,ピン先端部110の断面形状は,図3に示すごとく,略台形としてある。台形であれば,底辺111の長さと等しい2辺を有し,底辺111と上辺112との高さと等しい2辺を有する長方形との比較において,その面積が著しく減少することがない。そのため,ピン先端部110において,ボンディングワイヤ34を接合する面積を十分に確保することができ,両者を確実かつ強固に接合することができる。
【0042】
さらに,ピン先端部110及び窪み部120の断面形状は,図3に示すごとく,底辺111に対して上辺112は短くされており,受圧面の外周に向かう窄まり形状を呈している。そして,ピン先端部110及び窪み部120におけるその窄まり形状が,受圧面32の外周をなす円弧に沿うようピン先端部110及び窪み部120を配置してある。
【0043】
そのため,受圧面32において,その窪み部120の断面形状の外縁が,受圧面32の外周と接近するおそれが少ない。そのため,比較的小径の受圧面32であっても,ピン先端部110及び窪み部120を効率良く配置することができる。
そして,上記受圧面を小径にできることにより,圧力センサ全体における小型化できる。さらに,受圧面の面積を抑制できることにより,上記センサハウジングと上記コネクタハウジングとの間に作用しうる引き抜き荷重が減少し,両者の組み付け構造を簡略化できコストの抑制も実現できる。
【0044】
このように,本例の圧力センサ1は,ボンディングワイヤ34の接合強度が高く,小型かつ低コストである。
また,ピン先端部110の断面形状としては,上記のごとく,略台形に限定されるものでない。例えば,図4に示すごとく,略三角形とすることもできる。この場合には,本例におけるピン先端部110と比べて,その先端の接合面の面積が小さくなるが,接合するボンディングワイヤ34が小径であれば何ら問題は生じない。ピン先端部110を,三角形としても,本例と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
なお,本例の圧力センサ1におけるセンサハウジング40に代えて,シールダイヤフラム43を有していないセンサハウジングを適用することもできる。この場合には,圧力計測対象である流体が圧力室に流入し,感圧素子20のセンサダイヤフラムに直接作用することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,圧力センサの構造を示す断面図。
【図2】実施例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図3】実施例における,圧力センサにおける圧力室の構造を示す拡大図。
【図4】実施例における,コネクタハウジングの他の受圧面を示す正面図。
【図5】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図6】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図7】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図8】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【符号の説明】
1...圧力センサ,
10...ターミナルピン,
110...ピン先端部,
111...底辺,
112...上辺,
120...窪み部,
20...感圧素子,
30...コネクタハウジング,
34...ボンディングワイヤ,
35...挿入部,
350...リング溝,
351...挿入先端部,
352...コネクタテーパ面,
353...挿入基部,
40...センサハウジング,
42...圧力室,
45...凹部,
【従来技術】
圧力センサは,シリコン基板上に形成した歪ゲージと,シリコン基板を精密にエッチングして形成した圧力検知用のダイヤフラムとを有する感圧素子を利用したセンサである。そして,この圧力センサは,上記歪ゲージにより,圧力によるダイヤフラムのひずみ量を計測することにより圧力を測定する。
【0002】
感圧素子を配置する受圧面を有するコネクタハウジングと,センサハウジングとからなる圧力センサにおいて,上記の感圧素子は,センサハウジングに挿入したコネクタハウジングと,センサハウジングとの間の圧力室に収容されるよう構成されている。
【0003】
上記感圧素子への電源供給や信号出力のため,上記コネクタハウジングの内部を貫通するターミナルピンの一方の端部を上記受圧面から突出させるのが一般的である。そして,ワイヤボンディングにより,ターミナルピンと感圧素子とは相互に電気的に接続される。
ワイヤボンディグとは,Au線,Al線等のボンディングワイヤを金属の表面に接合する接合方法をいう。ワイヤボンディングでは,超音波振動するボンディングヘッドにより,ボンディングワイヤを被接合面である金属表面に押し付けて両者を接合する。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の圧力センサにあっては,次のような問題がある。
即ち,ボンディングワイヤを接合するターミナルピンの剛性が不足する場合,ターミナルピンとボンディングワイヤの接合不良を生じるおそれがある。ボンディングヘッドの振動方向に,ターミナルピンが振動しその先端にある接合面の位置ずれを生じるおそれがあるからである。
【0005】
各ターミナルピン910の接合を実施するボンディングヘッドは,図5,図6に示すごとく,ボンディングワイヤ934に略平行方向に超音波振動する。そのため,各ターミナルピン910は,図5,図6に図示する矢印方向に振動することとなる。
【0006】
例えば,断面正方形や,断面円形の棒状のターミナルピン910を適用する場合,コネクタハウジング930における受圧面を表す図5,図6に示すごとく,受圧面932から突出するターミナルピン910の断面形状は,正方形(図5)もしくは円形(図6)となっている。しかし,ターミナルピン910の断面形状が,正方形もしくは円形であると,ボンディングヘッドの振動方向の剛性が比較的弱い。ワイヤボンディングの際,ターミナルピン910の接合面は,ボンディングヘッドの振動方向に位置ずれを起こすおそれがある。ターミナルピン910の接合面に位置ずれを生じると,該接合面とボンディングワイヤ934との接合性が低下するおそれが高い。
【0007】
一方,特開2002−98609号報によれば,図7に示すごとく,ターミナルピン910の断面形状を長方形にする構造が提案されている。かかる構造によれば,ボンディングヘッドの振動方向の辺を長くすることで,その方向におけるターミナルピン910の剛性を高くできる旨,開示されている。
【0008】
しかし,ターミナルピン910の断面形状を長方形とした場合,ターミナルピン910の短辺部分が大きく外方へ張り出し,その分受圧面932を大きくしなければならず,センサハウジングの大型化,ひいては圧力センサ全体の大型化を招いていた。
【0009】
かかる受圧面932の大径化は,受圧面932に作用する圧力の増大,さらにはセンサハウジングとコネクタハウジングとの間における挿入逆方向に作用する荷重の増加を招く。この荷重に対抗するため,センサハウジングとコネクタハウジングとの組み付け構造の高強度化が必要となり,圧力センサのコスト上昇,大型化を将来するおそれがある。
【0010】
また,その改良構成として,図8に示すようにターミナルピン910の断面形状を長方形とすると共に,その長辺を感圧素子20と平行に配置する構造も開示されている。かかる構造によれば,剛性はやや低下するものの正方形よりターミナルピン910の断面積を大きくとれる分,その剛性は高く,それだけワイヤボンディング時の振動に対する影響を少なくすることができる。
【0011】
しかしながら,このようにターミナルピン910の長辺が感圧素子20の辺に平行になるよう配置した場合,その長辺を長くとればとるほど,結果的にターミナルピン910の外縁の一部が外方に張り出すことになり,その結果,図7の例と同様,受圧面932を大きくとる必要があり,センサハウジングの大型化は免れなかった。
【0012】
上記のごとく,従来の圧力センサにおいては,ターミナルピンの剛性が不足し,ボンディングワイヤとの接合が十分でない場合があった。一方,ターミナルピンの剛性を高めようとすると,圧力センサ全体の大型化やコスト上昇を招来していた。
【0013】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,ボンディングワイヤの接合強度が高く,小型かつ低コストの圧力センサを提供しようとするものである。
【0014】
【課題の解決手段】
本発明は,ボンディングワイヤにより相互に電気的に接続されたターミナルピンと感圧素子とを配置した受圧面を有するコネクタハウジングと,該コネクタハウジングを挿入するセンサハウジングと,上記コネクタハウジングと上記センサハウジングとの間に形成される圧力室とを有し,該圧力室に上記感圧素子が収容してある圧力センサにおいて,
上記受圧面は,略円形状を呈しており,その中央部に上記感圧素子を露出させてあると共に,その周囲に上記ターミナルピンのピン先端部を露出させてあり,該ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に近づくほど幅が広く,上記受圧面の外周に近づくほど幅が狭くなっていることを特徴とする圧力センサにある(請求項1)。
【0015】
本発明の上記圧力センサにおける上記ターミナルピンは,上記受圧面から突出する上記ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に近づくほど幅が広く,上記受圧面の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
すなわち,ピン先端部の断面形状のうち,上記感圧素子付近の幅が広い部分は,上記感圧素子に沿う方向における上記ターミナルピンの剛性を高めるのに有効である。そのため,上記ターミナルピンは,ワイヤボンディングする際のボンディングヘッドの超音波振動によって振動するおそれが少ない。上記ターミナルピンの先端にある接合面は,位置ずれを生じるおそれが少なく,ボンディングワイヤを強固に接合することができる。
【0016】
さらに,上記ターミナルピンにおける上記ピン先端部の断面形状は,上記受圧面の外周付近では,その幅が狭くなっている。すなわち,上記ピン先端部の断面形状は,上記受圧面の外周に向けて凸形状を呈し,受圧面の外周にある円弧形状にならうことができる。受圧面の外周にならう断面形状を有する上記ピン先端部によれば,その断面形状の外縁が,上記受圧面の外周と接近するおそれが少ない。そのため,比較的小径の上記受圧面であっても,上記ピン先端部を効率良く配置することができる。
【0017】
そして,上記受圧面を小径にできることにより,圧力センサ全体における小型化できる。また,受圧面の面積を抑制できることにより,上記センサハウジングと上記コネクタハウジングとの間に作用しうる引き抜き荷重が減少し,両者の組み付け構造を簡略化できコストの抑制も実現できる。
【0018】
このように,本発明によれば,ボンディングワイヤの接合強度が高く,小型かつ低コストの圧力センサを実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明においては,上記ピン先端部の断面形状をなす辺のうち上記感圧素子に隣接する辺は,上記感圧素子の外縁をなすと共に上記各ピン先端部に隣接する辺と略平行であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,上記感圧素子の外縁に沿う方向における,上記ピン先端部の断面の幅を長くとることにより,上記各ターミナルピンのピン先端部の剛性を効率良く向上することができる。そして,ピン先端部の剛性を高くすれば,ワイヤボンディングする際の接合面の位置ずれを抑制することができ,ボンディングワイヤを強固に接合することができる。
【0020】
また,上記ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に隣接する辺と,対向する辺とが略平行である台形であることが好ましい(請求項3)。
この場合には,上記ピン先端部における,上記感圧素子に沿う方向における剛性が高いため,その先端にある接合面の位置ずれを生じるおそれが少ない。また,台形であれば,同様のアスペクト比を有する長方形に対して,その断面積の減少分を抑制できる。
このように断面形状が台形であるピン先端部によれば,その剛性が高く,接合面の面積も十分確保できる。そして,面積が十分に確保され,位置ずれを生じるおそれが少ない接合面に対しては,ボンディングワイヤを確実に接合することができる。
【0021】
また,上記受圧面における上記ターミナルピンの周囲には,上記コネクタハウジングと上記ターミナルピンとの間をシールするシール材を充填するための窪み部が配設されており,該窪み部の断面形状は,上記ターミナルピンの断面形状と略相似形であることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記ピン先端部のシールに有効な上記窪み部を,比較的小径の上記受圧面に効率良く配置することができる。受圧面の外周に沿う断面形状を有する上記ピン先端部と略相似形の窪み部を形成することにより,受圧面の外周の円弧に沿うよう窪み部を配置できるからである。
【0022】
【実施例】
(実施例)
本発明の実施例にかかる圧力センサ1について,図1〜図3を用いて説明する。
本例の圧力センサ1は,図1,図3に示すごとく,コネクタハウジング30と,該コネクタハウジング30を挿入するセンサハウジング40と,コネクタハウジング30とセンサハウジング40との間に形成される圧力室42とを有している。そして,該圧力室42には,感圧素子20が収容してある。
コネクタハウジング30は,ボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されたターミナルピン10と感圧素子20とを配置した受圧面32を有している。この受圧面32は,略円形状を呈しており,その中央部に感圧素子20を露出させてあると共に,その周囲にターミナルピン10のピン先端部110を露出させてある。
該ピン先端部110の断面形状は,感圧素子20に近づくほど幅が広く,受圧面32の外周に近づくほど幅が狭くなっている。
以下,この内容について詳しく説明する。
【0023】
本例の圧力センサ1は,図1に示すごとく,シールダイヤフラム43を有するセンサハウジング40に,ターミナルピン10と感圧素子20とを有するコネクタハウジング30を挿入して組み立てたセンサである。すなわち,本例の圧力センサ1は,圧力計測対象である流体とは隔離された圧力室42を有するものである。そして,この圧力センサ1は,シールダイヤフラム43に作用する上記流体の圧力を,圧力室42に封入した圧力伝達媒体を介して,感圧素子20により検知できるよう構成されている。
感圧素子20は,シリコン基板上のシリコン層を加工して歪ゲージを形成するとともに,シリコン基板を精密にエッチングしてセンサダイヤフラムを形成したものである。
【0024】
PPS樹脂によりなるコネクタハウジング30は,図1に示すごとく,後述するごとくターミナルピン10をインサートして一体成形されていると共に,センサハウジング40に挿入する挿入部35と,外部機器のコネクタ(図示略)と電気的に接続するためのソケット部300とを有している。
【0025】
コネクタハウジング30における挿入部35は,図3に示すごとく,上記挿入方向に略平行な軸を中心とした略円柱形状の挿入基部353と,該挿入基部353よりも小径である略円柱形状の挿入先端部351とを有している。そして,該挿入先端部351と挿入基部353との間には,コネクタテーパ面352を配設してある。
【0026】
さらに,この挿入先端部351は,図3に示すごとく,その外周面に,圧力室42を密閉するためのOリング50及びバックアップリング51を配設できるよう構成されており,挿入先端部351の外周面には,Oリング50及びバックアップリング51を配設するためのリング溝350を設けてある。
なお,本例のリング溝350は,上記挿入方向の壁面がない不完全な溝形状を呈しており,後述するごとくセンサハウジング40の内表面と組み合わされて溝形状が形成されるよう構成してある。
【0027】
ソケット部300は,外部機器(図示略)と電気的に接続するための外部コネクタ(図示略)を挿入することができるよう構成されていると共に,該ソケット部300の内部には,それぞれのターミナルピン10における一方の端部を突出させてある。そして,それぞれのターミナルピン10は,ソケット部300に挿入された上記外部コネクタの各電極と電気的に接触するよう構成されている。
上記のターミナルピン10としては,電源用,グランド用及び信号出力用の3本があり,これらのターミナルピン10は,すべてソケット部300から受圧面32へとコネクタハウジング30を貫通するように,インサート成形によってコネクタハウジング30内に一体的に配置されている。
【0028】
コネクタハウジング30の挿入方向の端面である受圧面32には,図2に示すごとく,その中央付近に感圧素子20を配置してある。該感圧素子20の周囲には,各ターミナルピン10の他方の端部であるピン先端部110を突出させてあると共に,該ピン先端部110の外周には,窪み状の窪み部120を配設してある。
【0029】
図2に示すごとく,各ピン先端部110と,対応する窪み部120とは略相似形の関係にあり,該窪み部120はピン先端部110よりひと回り大きくしてある。両者は,略同軸上に配置されており,ピン先端部110の外周は,全周に渡って窪み部120が形成する窪みと接するように構成してある。
【0030】
各ピン先端部110及び各窪み部120の断面形状は,図2に示すごとく,略台形をなしている。その底辺111と,対向する上辺112は,隣接する感圧素子20の外縁辺と略平行となるよう配置してある。底辺111は,上辺112よりも長くしてあり,各ピン先端部110及び各窪み部120の断面形状は,円弧状である受圧面32の外周に向かって窄まり形状を呈している。すなわち,ピン先端部110及び窪み部120の窄まり形状が,受圧面32の外周の円弧に沿うよう配置されている。
そして,各ターミナルピン10は,図2,図3に示すごとく,感圧素子20とボンディングワイヤ34により相互に電気的に接続されている。
【0031】
また,窪み部120には,図2,図3に示すごとく,シリコーン系シール材よりなるシール層12が形成されている。該シール層12により,ターミナルピン10におけるピン先端部110と,コネクタハウジング30との間の隙間は確実にシールされ,圧力センサ1における圧力室42の気密性を保持できるように構成されている。
【0032】
センサハウジング40は,ステンレススチールよりなると共に,図1に示すごとく,上記シールダイヤフラム43のコネクタハウジング30側に,上記挿入部35を挿入する凹部45と,該凹部45に挿入部35を挿入した状態で挿入部35と係合するカシメ部41とを有している。
【0033】
センサハウジング40における凹部45は,図3に示すごとく,上記挿入先端部351を挿入する略円柱形状の内周面を形成する第1凹部451と,上記挿入基部353を挿入する略円柱形状の第2凹部453とを有している。そして,該第2凹部453と上記第1凹部451との間に,センサテーパ面452が配設されている。
【0034】
センサテーパ面452は,図3に示すごとく,コネクタハウジング30の上記挿入先端部351に配設されたOリング50を第1凹部451に滑らかに挿入できるよう上記挿入方向とのなす角R(図3参照)を25度に設定してある。
また,凹部45の底面部分には,図3に示すごとく,シールダイヤフラム43が配設されている。シールダイヤフラム43は,その外周部に積層されたシールリング431の表面からレーザ溶接して,センサハウジング40まで達する溶接部435を設けることにより,センサハウジング40に強固に固定されている。
【0035】
センサハウジング40は,図1に示すごとく,シールダイヤフラム43の被計測環境側に圧力計測対象としての流体,気体等をシールダイヤフラム43側へ導入する圧力導入孔441と,圧力計測対象としての流体等を収容する配管パイプ等に対して圧力センサ1を取り付けるためのネジ部442とを有している。
【0036】
上記のごとく構成されたコネクタハウジング30とセンサハウジング40とを組み立てて製造された圧力センサ1は,図1に示すごとく,コネクタハウジング30を挿入したセンサハウジング40のカシメ部41を内径方向に変形させてある。このようにカシメ部41を内径方向に変形させることにより,カシメ部41を,コネクタハウジング30の挿入基部353に係合させ,固定してある。
【0037】
コネクタハウジング30とセンサハウジング40とは,それぞれが有するコネクタテーパ面352とセンサテーパ面452とを密着させることにより,両者の挿入方向の位置を規制してある。そして,コネクタテーパ面352とセンサテーパ面452との間に,上記かしめ部41をかしめる際に生じる挿入方向の荷重を作用させた状態で,上記コネクタハウジング30とセンサハウジング40とを組み立ててある。
また,図2に示すごとく,上記コネクタテーパ面352とセンサテーパ面452との当接によって,コネクタハウジング30の先端面とセンサハウジング40の凹部45の底部とは接触することなく,両者の間に所定の隙間が形成されている。
【0038】
この圧力センサ1は,コネクタハウジング30の受圧面32とセンサハウジング40のシールダイヤフラム43とが対峙して形成された空間よりなる圧力室42を有している。この圧力室42には,上記圧力伝達媒体としてシリコンオイルが充填されている。また,挿入先端部351に配設されたリング溝350と,第1凹部451との間隙に装着されたOリング50及びバックアップリング51によりシールされている。このOリング50は,リング溝350における挿入方向の反対側の端面により押圧されたバックアップリング51により保持され,高圧にも耐え得るよう構成されている。
【0039】
そして,以上のごとく構成された圧力センサ1を用いて,圧力を計測するに当たって,センサハウジング40に設けられたねじ部442により,圧力計測対象としての流体等を収容する配管パイプ等に取り付けられるよう構成してある。そして,圧力導入孔441を経由してシールダイヤフラム43側に導入される圧力計測対象としての流体の圧力は,圧力室42に充填されたシリコンオイルを介して感圧素子20のセンサダイヤフラムに伝達されるよう構成してある。
【0040】
前述したように,本例の圧力センサ1は,図3に示すごとく,上記受圧面32に突出するピン先端部110の断面形状は略台形をなしている。その底辺111が,感圧素子20の外縁辺と略平行となるようピン先端部110を配置してある。
そのため,上記ピン先端部110は,感圧素子20に沿う方向における剛性が高い。それ故,ワイヤボンディングを実施するボンディングヘッドの超音波振動によるピン先端部110の振動が少ない。したがって,本例の圧力センサ1によれば,ピン先端部110の先端にある接合面にワイヤボンディングを施す際,その接合面の位置ずれが少ないため,ボンディングワイヤ34を強固に接合できる。
【0041】
また,ピン先端部110の断面形状は,図3に示すごとく,略台形としてある。台形であれば,底辺111の長さと等しい2辺を有し,底辺111と上辺112との高さと等しい2辺を有する長方形との比較において,その面積が著しく減少することがない。そのため,ピン先端部110において,ボンディングワイヤ34を接合する面積を十分に確保することができ,両者を確実かつ強固に接合することができる。
【0042】
さらに,ピン先端部110及び窪み部120の断面形状は,図3に示すごとく,底辺111に対して上辺112は短くされており,受圧面の外周に向かう窄まり形状を呈している。そして,ピン先端部110及び窪み部120におけるその窄まり形状が,受圧面32の外周をなす円弧に沿うようピン先端部110及び窪み部120を配置してある。
【0043】
そのため,受圧面32において,その窪み部120の断面形状の外縁が,受圧面32の外周と接近するおそれが少ない。そのため,比較的小径の受圧面32であっても,ピン先端部110及び窪み部120を効率良く配置することができる。
そして,上記受圧面を小径にできることにより,圧力センサ全体における小型化できる。さらに,受圧面の面積を抑制できることにより,上記センサハウジングと上記コネクタハウジングとの間に作用しうる引き抜き荷重が減少し,両者の組み付け構造を簡略化できコストの抑制も実現できる。
【0044】
このように,本例の圧力センサ1は,ボンディングワイヤ34の接合強度が高く,小型かつ低コストである。
また,ピン先端部110の断面形状としては,上記のごとく,略台形に限定されるものでない。例えば,図4に示すごとく,略三角形とすることもできる。この場合には,本例におけるピン先端部110と比べて,その先端の接合面の面積が小さくなるが,接合するボンディングワイヤ34が小径であれば何ら問題は生じない。ピン先端部110を,三角形としても,本例と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
なお,本例の圧力センサ1におけるセンサハウジング40に代えて,シールダイヤフラム43を有していないセンサハウジングを適用することもできる。この場合には,圧力計測対象である流体が圧力室に流入し,感圧素子20のセンサダイヤフラムに直接作用することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,圧力センサの構造を示す断面図。
【図2】実施例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図3】実施例における,圧力センサにおける圧力室の構造を示す拡大図。
【図4】実施例における,コネクタハウジングの他の受圧面を示す正面図。
【図5】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図6】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図7】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【図8】従来例における,コネクタハウジングの受圧面を示す正面図。
【符号の説明】
1...圧力センサ,
10...ターミナルピン,
110...ピン先端部,
111...底辺,
112...上辺,
120...窪み部,
20...感圧素子,
30...コネクタハウジング,
34...ボンディングワイヤ,
35...挿入部,
350...リング溝,
351...挿入先端部,
352...コネクタテーパ面,
353...挿入基部,
40...センサハウジング,
42...圧力室,
45...凹部,
Claims (4)
- ボンディングワイヤにより相互に電気的に接続されたターミナルピンと感圧素子とを配置した受圧面を有するコネクタハウジングと,該コネクタハウジングを挿入するセンサハウジングと,上記コネクタハウジングと上記センサハウジングとの間に形成される圧力室とを有し,該圧力室に上記感圧素子が収容してある圧力センサにおいて,
上記受圧面は,略円形状を呈しており,その中央部に上記感圧素子を設置してあると共に,その周囲に上記ターミナルピンのピン先端部を露出させてあり,
該ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に近づくほど幅が広く,上記受圧面の外周に近づくほど幅が狭くなっていることを特徴とする圧力センサ。 - 請求項1において,上記ピン先端部の断面形状をなす辺のうち上記感圧素子に隣接する辺は,上記感圧素子の外形をなす辺のうち上記各ピン先端部に近接する辺と略平行であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項2において,上記ピン先端部の断面形状は,上記感圧素子に隣接する辺と,対向する辺とが略平行である台形であることを特徴とする圧力センサ。
- 請求項1から3のいずれか1項において,上記受圧面における上記ターミナルピンの周囲には,上記コネクタハウジングと上記ターミナルピンとの間をシールするシール材を充填するための窪み部が配設されており,該窪み部の断面形状は,上記ターミナルピンの断面形状と略相似形であることを特徴とする圧力センサ。
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