JP2004061202A - 岩石等破壊前駆段階推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】実験に裏付けられたより確度の高い岩石等破壊前駆段階推定方法を提供すること。
【解決手段】岩石等にAEセンサを設置し、AEセンサにより受信されたAEの波形から得られる複数種のパラメーターである第一パラメーターd1,Eの組み合わせ結果と当該第一パラメーターd1,Eによりあらかじめ求められた前駆段階の領域との照合により前駆段階を推定する。また、受信されたAEの波形における一定のしきい値Faを越えた時点から当該波形の最大値に至る時点までの立ち上がり時間d1である第一パラメーターにより前駆段階を推定することもできる。さらには、受信されたAEの波形から一定時間の波形の積分値Eである第一パラメーターを求め、当該積分値Eにより前駆段階を推定することもできる。
【選択図】 図2
【解決手段】岩石等にAEセンサを設置し、AEセンサにより受信されたAEの波形から得られる複数種のパラメーターである第一パラメーターd1,Eの組み合わせ結果と当該第一パラメーターd1,Eによりあらかじめ求められた前駆段階の領域との照合により前駆段階を推定する。また、受信されたAEの波形における一定のしきい値Faを越えた時点から当該波形の最大値に至る時点までの立ち上がり時間d1である第一パラメーターにより前駆段階を推定することもできる。さらには、受信されたAEの波形から一定時間の波形の積分値Eである第一パラメーターを求め、当該積分値Eにより前駆段階を推定することもできる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩石等破壊前駆段階推定方法に関するものである。さらに詳しくは、地震、岩板の崩壊、地滑、コンクリート構造物の崩壊等、岩盤等の破壊現象をその前駆段階で捕らえ推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、岩石等破壊前駆段階推定方法としては、加速度計等により複数箇所で地中の振動を捕らえたり、音響センサにより捕らえた地中振動を計数機で計数することにより、岩盤の崩壊や地滑りを捕らえるものが知られている。しかし、岩石崩壊の挙動と信号との相関が不明確で、その結果、岩石崩壊等の推定精度が不十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、実験に裏付けられたより確度の高い岩石等破壊前駆段階推定方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る岩石等破壊前駆段階推定方法の特徴は、岩石又はコンクリート構造物(以下、「岩石等」)の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形から得られる複数種のパラメーターである第一パラメーターの組み合わせ結果と当該第一パラメーターによりあらかじめ求められた前記前駆段階の領域との照合により前記前駆段階を推定することにある。
【0005】
実験によれば、岩石に圧縮応力を作用させた状態で発生するAE(アコースティック・エミッション)から求められた第一パラメーターと岩石が破壊に至る前駆段階で生じる体積歪みの増加領域との間で相関がみられた。そして、この第一パラメーターを複数用いることで、より確度の高い岩石等破壊の前駆段階推定が可能であることが確認された。
【0006】
本発明の他の特徴は、岩石等の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形における一定のしきい値を越えた時点から当該波形の最大値に至る時点までの立ち上がり時間である第一パラメーターにより前記前駆段階を推定することにある。また、本発明のさらに他の特徴は、岩石等の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形から一定時間の波形の積分値である第一パラメーターを求め、当該積分値により前記前駆段階を推定することにある。実験によれば、第一パラメーターとして、上述の立ち上がり時間やエネルギーとしての積分値を用いることが適切であることが判明した。
【0007】
また、上記各特徴方法において、前記AEセンサを複数箇所に設置し、前記第一パラメーターの基礎となるAEの前記各AEセンサによる受信時刻の差によりこのAEの発生箇所を位置評定してもよい。AEの位置評定により、特徴的なAEの分布が求められ、特に測定点が3カ所以上であれば、3次元的な位置評定を行うことができる。例えば、立ち上がり時間の短いAEについて位置評定を行った際にランダム位置でAEが発生していた場合、微小破壊がランダムに発生していると推定することができる。一方、立ち上がり時間の長いAEについて位置評定を行った際にAEが特定部位に集中していれば、例えば、亀裂が進展し結合が生じていると推測できる。位置評定の表現は、例えば、第一パラメーターを色調表示とし、3次元座標にプロットするようにしてもよい。
【0008】
望ましくは、前記AEを除く地震予知に関するパラメーターである第二パラメーターをさらに求め、前記第一パラメーターによる前駆段階の推定に加え、この第二パラメーターの判断により前記前駆段階が地震であるか否かを推定するとよい。第二パラメーターの判断を加えることで、AEが地震等に起因するものか、表層で発生する地震以外のものかを判断することが可能となる。
【0009】
一方、上記各特徴に記載の方法に用いる岩石等破壊前駆段階推定装置の特徴構成は、前記AEセンサとこのAEセンサによる受信波形から前記第一パラメーターを抽出する第一パラメーター抽出手段と、2以上の第一パラメーターにより2次元以上のグラフとして前記受信波形より得られた値をプロットし表示する表示手段とを備えることにある。
【0010】
【発明の効果】
このように、上記本発明に係る岩石等破壊前駆段階推定方法の特徴によれば、第一パラメーターを複数種又は特定のパラメーターを用いることで、より確度の高い状態で岩石等の破壊前駆段階を推定することが可能となった。この結果、地震等に関し、その前駆段階を推定するための新たな判断要素を獲得することができるようになった。また、第二パラメーターの判断を加えることで、地震とそれ以外の岩石等破壊前駆段階とを判別できるようになり、災害の規模推定をも行いうる可能性が見いだされた。
本発明の他の目的、構成、効果については以下の発明の実施の形態の項で明らかになるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に本発明の第一パラメーターを導出するための試験装置1を示す。この試験装置1は、大略圧縮試験器2と処理ユニット9とを備えている。図1(a)に示す圧縮試験器2は、フレーム3と、このフレーム3の間に支持された固定部4a及び可動ヘッド4bとを備えており、可動ヘッド4bは一定速度で固定部4aに近接して固定部4a,可動ヘッド4b間で試験体Sの圧縮を行う。試験体Sの左右側面には下AEセンサ5a,5a及び上AEセンサ5b,5bがそれぞれ2個ずつ取り付けられている。また、試験体Sの前後側面にも下歪みゲージ6a及び上歪みゲージ6bがそれぞれ2個ずつ取り付けられ、さらに試験体Sと可動ヘッド4bとの間には試験体Sに対する圧縮力を求めるための圧力センサ7が設けられている。
【0012】
図1(b)に示す処理ユニット9は、接続端子J1〜4で上記4個の下AEセンサ5a,上AEセンサ5bに接続され、接続端子J5a〜6b及び7により上記4個の下歪みゲージ6a,及び上歪みゲージ6bに接続される。下AEセンサ5a,上AEセンサ5bの出力はフィルタ10a〜dを介してノイズが除去される。また、可変抵抗である下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bはブリッジ11a〜dの一部に組み込まれ、不平衡電圧が出力される。A/Dコンバータ13a〜iはこれら各出力をデジタル変換し、パーソナルコンピューター14に入力させる。パーソナルコンピューター14では試験体SからのAE及び試験体Sの歪みが処理され、モニタ15を介して処理結果の表示がなされる。
【0013】
本実施形態における試験体Sとしては、大理石と花崗岩三種とを用いた。試験体Sの寸法は、縦・横・高さが70/70/200mmの角材とした。花崗岩には蛭川石、稲田石、庵治石を用いた。大理石は主成分が方解石で石灰質であり、粘土等を含んでいる。また、花崗岩は主成分が長石、石英等の硬質粒子を含んでいる。これらの岩石を用いた圧縮試験を行うことで、地震の前駆段階における現象を推定することが可能になるものと推察される。
【0014】
図2に受信したAE波形の一例を示す。横軸は時間T、縦軸は受信強度Fであり、波形f1の包絡線をf2で示す。パーソナルコンピューター14ではf1からf2が求められ、f1がしきい値Faを越えたところでトリガが掛かるように設定されている。しきい値Faを越えた時刻T0と最大に達する時刻T1との時間差d1を「立ち上がり時間」と称する。
【0015】
一方、立ち上がり時刻T0から微少時間d2さかのぼった時刻T2がプレトリガ時刻として設定されている。このプレトリガ時刻T2から一定の基準時間d3後の打ち切り時刻T3までの間における包絡線f2で囲まれた面積Gをここではエネルギ値Eと称する。なお、本発明におけるエネルギやエネルギ値とは、トリガを契機として認識された1つの受信波形を用いた面積値を意味するものとする。
【0016】
上記各下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bはx,yの2軸方向に対する歪みを検出する。水平方向の歪みをEx,垂直方向の歪みをEy、元の体積をVoとすると、体積歪みVeは次式の通りとなる。なお、Ex,Eyとしては4個の下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bから得られた値を平均した値を採用した。
【0017】
Ve=Vo(1+Ex)2・(1+Ey)
【0018】
固定部4a,可動ヘッド4b間での一定スピードによる圧縮の際、圧力センサ7に圧縮圧力が作用する。この圧縮圧力をブリッジ12による不平衡電圧として検出し、負荷を求める。かかる負荷を横軸とし、縦軸を体積歪みとしたf3で示すグラフが図3である。同グラフより、体積歪みが減少する第一領域A1、体積歪みの減少率が緩やかとなる第二領域A2、体積歪みの減少率が増加し始める第三領域A3,体積歪みが急激に増大する第四領域A4に分類が可能である。
【0019】
図4〜6に負荷と振幅、立ち上がり時間d1及びエネルギーとの関係の一例をそれぞれ示す。同時に負荷と体積歪みとの関係も示す。第一領域A1は線形変形を行うみかけの弾性領域であり、AEはほとんどみられなかった。庵治石はこの第一領域A1が広く、稲田石ではこの第一領域A1が狭かった。
【0020】
第二領域A2は体積歪みの減少する非線形領域である。負荷に伴い圧縮方向の歪みだけ現れている状態であり、硬質粒子の影響で周囲の弱い粒子を潰したり空孔が閉口するような変形形態が考えられる。この領域では、立ち上がり時間d1は20μsecと短く振幅値及びエネルギ値Eも低かった。大理石ではこの領域でAEの発生は殆どみられなかった。花崗岩では3種類とも違った発生形態をとっていた。第一領域A1が狭かった稲田石では第二領域A2でAEの発生が顕著であるのに対し、第一領域A1が広かった庵治石では第二領域A2が狭くAEの発生が少なかった。このことから,第一領域A1と第二領域A2との歪みの違いは各岩石の硬質粒子の形状や分布の違いに原因があるものと推察される。
【0021】
第三領域A3は体積歪みの増加する領域であり、体積歪みの増加は横方向への変形が起こっていることを意味する。亀裂の進展やすべり等の変形形態が考えられる領域である。第三領域A3ではAEの発生頻度が増加し、第二領域A2でみられた信号の他に立ち上がり時間d1が50μsec程度と長く、エネルギ値E及び振幅値共に第二領域A2に比較して大きな信号の発生が見られるようになった。この領域ではどの試験体でも上述したような立ち上がり時間d1やエネルギ値E等が高い信号が計測され、特徴も類似していることから、これらの値の高くなった信号は材質の影響の他に亀裂の進展や滑りといった現象を反映したものと考えられる。第四領域A4は最終破断領域であることから、第四領域A4の前駆段階である第三領域A3で顕著なAE信号の特徴(以下、「第一パラメーター」)を抽出することで、第四領域A4の前駆段階である旨を推定することができる。
【0022】
図7は立ち上がり時間d1及びエネルギ値Eと各領域A1〜4との関係を示す図である。すなわち、図5及び図6の関係を2次元平面で表現される1つのグラフに統合したものであり、立ち上がり時間d1及びエネルギ値Eの双方を利用して岩石等破壊の前駆段階をより正確に推定することが可能であることが明らかとなった。
【0023】
上述の例では、第一パラメーターとして、立ち上がり時間d1,エネルギ値E,AEの最大振幅を用いた。この第一パラメーターとしては、その他、AEの1波形をFFTにより解析して周波数スペクトルを求め、その周波数スペクトルの面積の重心である重心周波数や、周波数スペクトルの一定周波数帯域における積分値等を用いることができる。また、単位時間あたりの数値を第一パラメーターとすることも可能である。例えば、上述のしきい値を越えたAE波形の総数(ヒットレート)、エネルギ値Eの総和、最大振幅の総和等である。そして、これら各第一パラメーターを2以上の複数組み合わせてn次元座標を作成し、座標内での位置により観測結果が上述のどの領域に属するのかを判定することができる。
【0024】
次に、上述の原理を応用した岩石等破壊前駆段階推定装置の構成について説明する。まず、図8に岩盤200とAEセンサ10との関係を示す。図8(a)の例では、岩盤200に杭100を打ち込み、杭100に固定した拡大部101にAEセンサ10を取り付けてある図8(b)に示すように、岩盤200にプレート102を固定し、このプレート102にAEセンサ10を取り付けてもよく、岩盤200等からの振動をAEセンサ10で捕らえ、モニタする。複数個設けられたAEセンサ10の出力は処理ユニット9のフィルタに接続され、これにより推定装置の基本部分が構成され、上述の推定がなされる。
【0025】
図9に示す推定装置20は、前記AEを除く地震予知に関するパラメーターである第二パラメーターをもさらに判断対象に含むものである。推定装置20は、第一パラメーターの判断部分である処理ユニット9と第二パラメーターの判断部分である第二パラメーター判定部30と、これら処理ユニット9及び第二パラメーター判定部30の総合判断を行う総合判定ユニット40とを含んでいる。
【0026】
プローブ32は地下水からラドン計測やpH計測を行ったり、地中に埋め込んで電位計測を行うためのものである。また、電磁波探知機33は飛行機やヘリコプターに搭載されて地上より電磁波の計測を行い、受信アンテナ34に計測結果を電信する。そして、これらの計測結果は第二パラメーター判定ユニット31により処理されて、地震の特徴の有無を総合的に判定される。処理ユニット9と第二パラメーター判定部30とによる判定結果は総合判定ユニット40で総合的に判定され、地震の前駆段階であるか否かが判定される。
【0027】
例えば、処理ユニット9で岩石等破壊の前駆段階と判断され、さらに、第二パラメーター判定部30で地震の特徴が認定された場合には、地震の前駆段階であるとの推定が成立する。その一方、処理ユニット9で岩石等破壊の前駆段階と判断されるが、第二パラメーター判定部30で地震の特徴が認定されない場合には、地震ではなく、地表での岩石等破壊の前駆段階であるとの推定が成立する。この後者の場合としては、地滑りや岸壁、トンネルの崩壊等がこれに該当する。
【0028】
本実施形態では、図9,10に示すように、AEセンサ10が複数のセンサ10a,10b,10c,10d,10e…よりなる。そして、各センサ10a〜fは一定のサンプリングレートで分割される個別のチャンネルに接続され、複数チャンネルでの第一パラメーターの処理が行われる。また、第一パラメータに用いられる特定のAEを3以上の複数のAEセンサを利用して受信し、受信時間差からAE発生の位置評定を行う。
【0029】
例えば、図10では、3つのセンサ10a,10b,10cを利用して特定AEの時間差から距離L1,L2,L3を求める。そして、各センサ10a,10b,10cの設置位置を中心として距離L1,L2,L3を半径とする球体の交点PがAEの発生座標位置となる。
【0030】
このようにして評定されたAEの発生位置を、例えば図11に示すxyz3次元座標にプロットする。各プロット点は、第一パラメーターの強度に応じた色調表示とする。立ち上がり時間の短い点は符号C1のように広がりをもってランダムに分布し、立ち上がり時間の長い点は符号C2のようにクラックを描くことがある。これにより、岩石等破壊の前駆段階を岩石等の破壊挙動を関連させて推定することが可能となる。
【0031】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。
上記各実施形態では、岩石の破壊前駆段階について説明した。しかし、本発明はコンクリート構造打物の破壊前駆段階についても適用可能と考えられる。例えば、橋脚、橋梁、トンネル、建築物、護岸壁等の崩壊を事前に察知することができる。
【0032】
上記実施形態では、岩石として花崗岩及び大理石について実証実験を行った。しかし、本発明は、地表の主要部をなす他の岩石についても適用可能と推認される。
【0033】
なお、特許請求の範囲の項に記入した符号は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものにすぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】岩石等破壊前駆段階推定方法に用いる推定装置であって、(a)は圧縮試験装置、(b)は処理装置を示す図である。
【図2】AEセンサによる受信波形の一例と第一パラメーターの導出方法を示す図である。
【図3】負荷と体積歪みとの関係を示す図である。
【図4】負荷と体積歪み及び振幅との関係を示す図である。
【図5】負荷と体積歪み及び立ち上り時間との関係を示す図である。
【図6】負荷と体積歪み及びエネルギーとの関係を示す図である。
【図7】負荷及びエネルギーと各領域との関係を示す図である。
【図8】AEセンサと岩盤との関係を示す図であって、a)は杭を用いた場合,(b)はプレートを用いた場合である。
【図9】推定装置のブロック図である。
【図10】推定装置のセンサ配置を示す平面図である。
【図11】AEの発生位置評定に用いられる3次元座標グラフである。
【符号の説明】
1:試験装置,2:圧縮試験器,3:フレーム,4a:固定部,4b:可動ヘッド,5a:下AEセンサ,5b:上AEセンサ,6a:下歪みゲージ,6b:上歪みゲージ,7:圧力センサ,9:処理ユニット,10:AEセンサ,10a〜10d:フィルタ,11a〜11d:ブリッジ,12:ブリッジ,13a〜13i:A/Dコンバータ,14:パーソナルコンピューター,15:モニタ,20:推定装置,30:第二パラメーター判定部,31:第二パラメーター判定ユニット,32:プローブ,33:電磁波探知機,34受信アンテナ,40:総合判定ユニット,200:岩盤,100:杭、101:拡大部,102:プレート,A1:第一領域,A2:第二領域,A3:第三領域,A4:第四領域,d1:立ち上がり時間,E:エネルギ値,S:試験体
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩石等破壊前駆段階推定方法に関するものである。さらに詳しくは、地震、岩板の崩壊、地滑、コンクリート構造物の崩壊等、岩盤等の破壊現象をその前駆段階で捕らえ推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、岩石等破壊前駆段階推定方法としては、加速度計等により複数箇所で地中の振動を捕らえたり、音響センサにより捕らえた地中振動を計数機で計数することにより、岩盤の崩壊や地滑りを捕らえるものが知られている。しかし、岩石崩壊の挙動と信号との相関が不明確で、その結果、岩石崩壊等の推定精度が不十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、実験に裏付けられたより確度の高い岩石等破壊前駆段階推定方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る岩石等破壊前駆段階推定方法の特徴は、岩石又はコンクリート構造物(以下、「岩石等」)の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形から得られる複数種のパラメーターである第一パラメーターの組み合わせ結果と当該第一パラメーターによりあらかじめ求められた前記前駆段階の領域との照合により前記前駆段階を推定することにある。
【0005】
実験によれば、岩石に圧縮応力を作用させた状態で発生するAE(アコースティック・エミッション)から求められた第一パラメーターと岩石が破壊に至る前駆段階で生じる体積歪みの増加領域との間で相関がみられた。そして、この第一パラメーターを複数用いることで、より確度の高い岩石等破壊の前駆段階推定が可能であることが確認された。
【0006】
本発明の他の特徴は、岩石等の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形における一定のしきい値を越えた時点から当該波形の最大値に至る時点までの立ち上がり時間である第一パラメーターにより前記前駆段階を推定することにある。また、本発明のさらに他の特徴は、岩石等の破壊の前駆段階を推定するための方法であって、前記岩石等にAEセンサを設置し、前記AEセンサにより受信されたAEの波形から一定時間の波形の積分値である第一パラメーターを求め、当該積分値により前記前駆段階を推定することにある。実験によれば、第一パラメーターとして、上述の立ち上がり時間やエネルギーとしての積分値を用いることが適切であることが判明した。
【0007】
また、上記各特徴方法において、前記AEセンサを複数箇所に設置し、前記第一パラメーターの基礎となるAEの前記各AEセンサによる受信時刻の差によりこのAEの発生箇所を位置評定してもよい。AEの位置評定により、特徴的なAEの分布が求められ、特に測定点が3カ所以上であれば、3次元的な位置評定を行うことができる。例えば、立ち上がり時間の短いAEについて位置評定を行った際にランダム位置でAEが発生していた場合、微小破壊がランダムに発生していると推定することができる。一方、立ち上がり時間の長いAEについて位置評定を行った際にAEが特定部位に集中していれば、例えば、亀裂が進展し結合が生じていると推測できる。位置評定の表現は、例えば、第一パラメーターを色調表示とし、3次元座標にプロットするようにしてもよい。
【0008】
望ましくは、前記AEを除く地震予知に関するパラメーターである第二パラメーターをさらに求め、前記第一パラメーターによる前駆段階の推定に加え、この第二パラメーターの判断により前記前駆段階が地震であるか否かを推定するとよい。第二パラメーターの判断を加えることで、AEが地震等に起因するものか、表層で発生する地震以外のものかを判断することが可能となる。
【0009】
一方、上記各特徴に記載の方法に用いる岩石等破壊前駆段階推定装置の特徴構成は、前記AEセンサとこのAEセンサによる受信波形から前記第一パラメーターを抽出する第一パラメーター抽出手段と、2以上の第一パラメーターにより2次元以上のグラフとして前記受信波形より得られた値をプロットし表示する表示手段とを備えることにある。
【0010】
【発明の効果】
このように、上記本発明に係る岩石等破壊前駆段階推定方法の特徴によれば、第一パラメーターを複数種又は特定のパラメーターを用いることで、より確度の高い状態で岩石等の破壊前駆段階を推定することが可能となった。この結果、地震等に関し、その前駆段階を推定するための新たな判断要素を獲得することができるようになった。また、第二パラメーターの判断を加えることで、地震とそれ以外の岩石等破壊前駆段階とを判別できるようになり、災害の規模推定をも行いうる可能性が見いだされた。
本発明の他の目的、構成、効果については以下の発明の実施の形態の項で明らかになるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に本発明の第一パラメーターを導出するための試験装置1を示す。この試験装置1は、大略圧縮試験器2と処理ユニット9とを備えている。図1(a)に示す圧縮試験器2は、フレーム3と、このフレーム3の間に支持された固定部4a及び可動ヘッド4bとを備えており、可動ヘッド4bは一定速度で固定部4aに近接して固定部4a,可動ヘッド4b間で試験体Sの圧縮を行う。試験体Sの左右側面には下AEセンサ5a,5a及び上AEセンサ5b,5bがそれぞれ2個ずつ取り付けられている。また、試験体Sの前後側面にも下歪みゲージ6a及び上歪みゲージ6bがそれぞれ2個ずつ取り付けられ、さらに試験体Sと可動ヘッド4bとの間には試験体Sに対する圧縮力を求めるための圧力センサ7が設けられている。
【0012】
図1(b)に示す処理ユニット9は、接続端子J1〜4で上記4個の下AEセンサ5a,上AEセンサ5bに接続され、接続端子J5a〜6b及び7により上記4個の下歪みゲージ6a,及び上歪みゲージ6bに接続される。下AEセンサ5a,上AEセンサ5bの出力はフィルタ10a〜dを介してノイズが除去される。また、可変抵抗である下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bはブリッジ11a〜dの一部に組み込まれ、不平衡電圧が出力される。A/Dコンバータ13a〜iはこれら各出力をデジタル変換し、パーソナルコンピューター14に入力させる。パーソナルコンピューター14では試験体SからのAE及び試験体Sの歪みが処理され、モニタ15を介して処理結果の表示がなされる。
【0013】
本実施形態における試験体Sとしては、大理石と花崗岩三種とを用いた。試験体Sの寸法は、縦・横・高さが70/70/200mmの角材とした。花崗岩には蛭川石、稲田石、庵治石を用いた。大理石は主成分が方解石で石灰質であり、粘土等を含んでいる。また、花崗岩は主成分が長石、石英等の硬質粒子を含んでいる。これらの岩石を用いた圧縮試験を行うことで、地震の前駆段階における現象を推定することが可能になるものと推察される。
【0014】
図2に受信したAE波形の一例を示す。横軸は時間T、縦軸は受信強度Fであり、波形f1の包絡線をf2で示す。パーソナルコンピューター14ではf1からf2が求められ、f1がしきい値Faを越えたところでトリガが掛かるように設定されている。しきい値Faを越えた時刻T0と最大に達する時刻T1との時間差d1を「立ち上がり時間」と称する。
【0015】
一方、立ち上がり時刻T0から微少時間d2さかのぼった時刻T2がプレトリガ時刻として設定されている。このプレトリガ時刻T2から一定の基準時間d3後の打ち切り時刻T3までの間における包絡線f2で囲まれた面積Gをここではエネルギ値Eと称する。なお、本発明におけるエネルギやエネルギ値とは、トリガを契機として認識された1つの受信波形を用いた面積値を意味するものとする。
【0016】
上記各下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bはx,yの2軸方向に対する歪みを検出する。水平方向の歪みをEx,垂直方向の歪みをEy、元の体積をVoとすると、体積歪みVeは次式の通りとなる。なお、Ex,Eyとしては4個の下歪みゲージ6a,上歪みゲージ6bから得られた値を平均した値を採用した。
【0017】
Ve=Vo(1+Ex)2・(1+Ey)
【0018】
固定部4a,可動ヘッド4b間での一定スピードによる圧縮の際、圧力センサ7に圧縮圧力が作用する。この圧縮圧力をブリッジ12による不平衡電圧として検出し、負荷を求める。かかる負荷を横軸とし、縦軸を体積歪みとしたf3で示すグラフが図3である。同グラフより、体積歪みが減少する第一領域A1、体積歪みの減少率が緩やかとなる第二領域A2、体積歪みの減少率が増加し始める第三領域A3,体積歪みが急激に増大する第四領域A4に分類が可能である。
【0019】
図4〜6に負荷と振幅、立ち上がり時間d1及びエネルギーとの関係の一例をそれぞれ示す。同時に負荷と体積歪みとの関係も示す。第一領域A1は線形変形を行うみかけの弾性領域であり、AEはほとんどみられなかった。庵治石はこの第一領域A1が広く、稲田石ではこの第一領域A1が狭かった。
【0020】
第二領域A2は体積歪みの減少する非線形領域である。負荷に伴い圧縮方向の歪みだけ現れている状態であり、硬質粒子の影響で周囲の弱い粒子を潰したり空孔が閉口するような変形形態が考えられる。この領域では、立ち上がり時間d1は20μsecと短く振幅値及びエネルギ値Eも低かった。大理石ではこの領域でAEの発生は殆どみられなかった。花崗岩では3種類とも違った発生形態をとっていた。第一領域A1が狭かった稲田石では第二領域A2でAEの発生が顕著であるのに対し、第一領域A1が広かった庵治石では第二領域A2が狭くAEの発生が少なかった。このことから,第一領域A1と第二領域A2との歪みの違いは各岩石の硬質粒子の形状や分布の違いに原因があるものと推察される。
【0021】
第三領域A3は体積歪みの増加する領域であり、体積歪みの増加は横方向への変形が起こっていることを意味する。亀裂の進展やすべり等の変形形態が考えられる領域である。第三領域A3ではAEの発生頻度が増加し、第二領域A2でみられた信号の他に立ち上がり時間d1が50μsec程度と長く、エネルギ値E及び振幅値共に第二領域A2に比較して大きな信号の発生が見られるようになった。この領域ではどの試験体でも上述したような立ち上がり時間d1やエネルギ値E等が高い信号が計測され、特徴も類似していることから、これらの値の高くなった信号は材質の影響の他に亀裂の進展や滑りといった現象を反映したものと考えられる。第四領域A4は最終破断領域であることから、第四領域A4の前駆段階である第三領域A3で顕著なAE信号の特徴(以下、「第一パラメーター」)を抽出することで、第四領域A4の前駆段階である旨を推定することができる。
【0022】
図7は立ち上がり時間d1及びエネルギ値Eと各領域A1〜4との関係を示す図である。すなわち、図5及び図6の関係を2次元平面で表現される1つのグラフに統合したものであり、立ち上がり時間d1及びエネルギ値Eの双方を利用して岩石等破壊の前駆段階をより正確に推定することが可能であることが明らかとなった。
【0023】
上述の例では、第一パラメーターとして、立ち上がり時間d1,エネルギ値E,AEの最大振幅を用いた。この第一パラメーターとしては、その他、AEの1波形をFFTにより解析して周波数スペクトルを求め、その周波数スペクトルの面積の重心である重心周波数や、周波数スペクトルの一定周波数帯域における積分値等を用いることができる。また、単位時間あたりの数値を第一パラメーターとすることも可能である。例えば、上述のしきい値を越えたAE波形の総数(ヒットレート)、エネルギ値Eの総和、最大振幅の総和等である。そして、これら各第一パラメーターを2以上の複数組み合わせてn次元座標を作成し、座標内での位置により観測結果が上述のどの領域に属するのかを判定することができる。
【0024】
次に、上述の原理を応用した岩石等破壊前駆段階推定装置の構成について説明する。まず、図8に岩盤200とAEセンサ10との関係を示す。図8(a)の例では、岩盤200に杭100を打ち込み、杭100に固定した拡大部101にAEセンサ10を取り付けてある図8(b)に示すように、岩盤200にプレート102を固定し、このプレート102にAEセンサ10を取り付けてもよく、岩盤200等からの振動をAEセンサ10で捕らえ、モニタする。複数個設けられたAEセンサ10の出力は処理ユニット9のフィルタに接続され、これにより推定装置の基本部分が構成され、上述の推定がなされる。
【0025】
図9に示す推定装置20は、前記AEを除く地震予知に関するパラメーターである第二パラメーターをもさらに判断対象に含むものである。推定装置20は、第一パラメーターの判断部分である処理ユニット9と第二パラメーターの判断部分である第二パラメーター判定部30と、これら処理ユニット9及び第二パラメーター判定部30の総合判断を行う総合判定ユニット40とを含んでいる。
【0026】
プローブ32は地下水からラドン計測やpH計測を行ったり、地中に埋め込んで電位計測を行うためのものである。また、電磁波探知機33は飛行機やヘリコプターに搭載されて地上より電磁波の計測を行い、受信アンテナ34に計測結果を電信する。そして、これらの計測結果は第二パラメーター判定ユニット31により処理されて、地震の特徴の有無を総合的に判定される。処理ユニット9と第二パラメーター判定部30とによる判定結果は総合判定ユニット40で総合的に判定され、地震の前駆段階であるか否かが判定される。
【0027】
例えば、処理ユニット9で岩石等破壊の前駆段階と判断され、さらに、第二パラメーター判定部30で地震の特徴が認定された場合には、地震の前駆段階であるとの推定が成立する。その一方、処理ユニット9で岩石等破壊の前駆段階と判断されるが、第二パラメーター判定部30で地震の特徴が認定されない場合には、地震ではなく、地表での岩石等破壊の前駆段階であるとの推定が成立する。この後者の場合としては、地滑りや岸壁、トンネルの崩壊等がこれに該当する。
【0028】
本実施形態では、図9,10に示すように、AEセンサ10が複数のセンサ10a,10b,10c,10d,10e…よりなる。そして、各センサ10a〜fは一定のサンプリングレートで分割される個別のチャンネルに接続され、複数チャンネルでの第一パラメーターの処理が行われる。また、第一パラメータに用いられる特定のAEを3以上の複数のAEセンサを利用して受信し、受信時間差からAE発生の位置評定を行う。
【0029】
例えば、図10では、3つのセンサ10a,10b,10cを利用して特定AEの時間差から距離L1,L2,L3を求める。そして、各センサ10a,10b,10cの設置位置を中心として距離L1,L2,L3を半径とする球体の交点PがAEの発生座標位置となる。
【0030】
このようにして評定されたAEの発生位置を、例えば図11に示すxyz3次元座標にプロットする。各プロット点は、第一パラメーターの強度に応じた色調表示とする。立ち上がり時間の短い点は符号C1のように広がりをもってランダムに分布し、立ち上がり時間の長い点は符号C2のようにクラックを描くことがある。これにより、岩石等破壊の前駆段階を岩石等の破壊挙動を関連させて推定することが可能となる。
【0031】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について説明する。
上記各実施形態では、岩石の破壊前駆段階について説明した。しかし、本発明はコンクリート構造打物の破壊前駆段階についても適用可能と考えられる。例えば、橋脚、橋梁、トンネル、建築物、護岸壁等の崩壊を事前に察知することができる。
【0032】
上記実施形態では、岩石として花崗岩及び大理石について実証実験を行った。しかし、本発明は、地表の主要部をなす他の岩石についても適用可能と推認される。
【0033】
なお、特許請求の範囲の項に記入した符号は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものにすぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】岩石等破壊前駆段階推定方法に用いる推定装置であって、(a)は圧縮試験装置、(b)は処理装置を示す図である。
【図2】AEセンサによる受信波形の一例と第一パラメーターの導出方法を示す図である。
【図3】負荷と体積歪みとの関係を示す図である。
【図4】負荷と体積歪み及び振幅との関係を示す図である。
【図5】負荷と体積歪み及び立ち上り時間との関係を示す図である。
【図6】負荷と体積歪み及びエネルギーとの関係を示す図である。
【図7】負荷及びエネルギーと各領域との関係を示す図である。
【図8】AEセンサと岩盤との関係を示す図であって、a)は杭を用いた場合,(b)はプレートを用いた場合である。
【図9】推定装置のブロック図である。
【図10】推定装置のセンサ配置を示す平面図である。
【図11】AEの発生位置評定に用いられる3次元座標グラフである。
【符号の説明】
1:試験装置,2:圧縮試験器,3:フレーム,4a:固定部,4b:可動ヘッド,5a:下AEセンサ,5b:上AEセンサ,6a:下歪みゲージ,6b:上歪みゲージ,7:圧力センサ,9:処理ユニット,10:AEセンサ,10a〜10d:フィルタ,11a〜11d:ブリッジ,12:ブリッジ,13a〜13i:A/Dコンバータ,14:パーソナルコンピューター,15:モニタ,20:推定装置,30:第二パラメーター判定部,31:第二パラメーター判定ユニット,32:プローブ,33:電磁波探知機,34受信アンテナ,40:総合判定ユニット,200:岩盤,100:杭、101:拡大部,102:プレート,A1:第一領域,A2:第二領域,A3:第三領域,A4:第四領域,d1:立ち上がり時間,E:エネルギ値,S:試験体
Claims (6)
- 岩石又はコンクリート構造物(以下、「岩石等」)の破壊の前駆段階を推定するための岩石等破壊前駆段階推定方法であって、前記岩石等(200)にAEセンサ(10)を設置し、前記AEセンサ(10)により受信されたAEの波形から得られる複数種のパラメーターである第一パラメーター(d1,E)の組み合わせ結果と当該第一パラメーター(d1,E)によりあらかじめ求められた前記前駆段階の領域との照合により前記前駆段階を推定することを特徴とする岩石等破壊前駆段階推定方法。
- 岩石等(200)の破壊の前駆段階を推定するための岩石等破壊前駆段階推定方法であって、前記岩石等(200)にAEセンサ(10)を設置し、前記AEセンサ(10)により受信されたAEの波形における一定のしきい値(Fa)を越えた時点から当該波形の最大値に至る時点までの立ち上がり時間(d1)である第一パラメーターにより前記前駆段階を推定することを特徴とする岩石等破壊前駆段階推定方法。
- 岩石等(200)の破壊の前駆段階を推定するための岩石等破壊前駆段階推定方法であって、前記岩石等(200)にAEセンサ(10)を設置し、前記AEセンサ(10)により受信されたAEの波形から一定時間の波形の積分値(E)である第一パラメーターを求め、当該積分値(E)により前記前駆段階を推定することを特徴とする岩石等破壊前駆段階推定方法。
- 前記AEセンサ(10)を複数箇所に設置し、前記第一パラメーターの基礎となるAEの前記各AEセンサ(10)による受信時刻の差によりこのAEの発生箇所を位置評定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の岩石等破壊前駆段階推定方法。
- 前記AEを除く地震予知に関するパラメーターである第二パラメーターをさらに求め、前記第一パラメーター(d1,E)による前駆段階の推定に加え、この第二パラメーターの判断により前記前駆段階が地震であるか否かを推定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の岩石等破壊前駆段階推定方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の岩石等破壊前駆段階推定方法に用いる岩石等破壊前駆段階推定装置であって、前記AEセンサ(10)とこのAEセンサ(10)による受信波形から前記第一パラメーター(d1,E)を抽出する第一パラメーター抽出手段(9)と、2以上の第一パラメーターにより2次元以上のグラフとして前記受信波形より得られた値をプロットし表示する表示手段(15)とを備えることを特徴とする岩石等破壊前駆段階推定装置
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