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JP2004059998A - 無電解メッキ液及び無電解メッキ被覆方法 - Google Patents

無電解メッキ液及び無電解メッキ被覆方法 Download PDF

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Takeshi Ito
伊藤 健
Yasuo Nishi
西 泰男
Hideo Honma
本間 英夫
Taiji Nishiwaki
西脇 泰二
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Konica Minolta Inc
Kanto Gakuin University Surface Engineering Research Institute
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Konica Minolta Inc
Kanto Gakuin University Surface Engineering Research Institute
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Abstract

【課題】被メッキ物が微細な溝等である場合でも膜厚の均一なメッキ膜を容易に形成することのできる無電解メッキ液及び無電解メッキ被覆方法を提供する。
【解決手段】金属イオンと、該金属イオンの錯化剤と、還元剤とを含有する無電解メッキ液は、錯化剤の安定度定数(−logK)が1.0〜8.0で、かつ、錯化剤の濃度が0.1〜2.0mol/lであり、酸解離定数(pK)が3.0〜8.0である物質を含有している。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属イオンと、錯化剤と、還元剤とを含有した無電解メッキ液、及び、被メッキ物に無電解メッキ液を反応させることによって被メッキ物の表面にメッキ膜を形成する無電解メッキ被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶液中の還元剤をメッキ触媒下で酸化し、このときに放出される電子により金属イオンを還元することによって、被メッキ物の表面にメッキ膜を形成する無電解メッキ法が電子部品製造等の多くの分野で広く利用されている。
通常、無電解メッキ法は、析出させる金属の金属イオンと、金属イオンの錯化剤と、触媒の存在下で溶液中の金属イオンを金属元素に還元する還元剤と、その他、pH緩衝剤や安定化剤、界面活性化剤等を含む無電解メッキ液の入ったメッキ槽に、被メッキ物を浸漬し反応させることによって被メッキ物の表面にメッキ膜を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無電解メッキ処理が施される被メッキ物が、例えば微細な溝等である場合には、メッキ液中の金属イオンは溝入口付近から消費されてメッキ膜が形成されるとともに溝底へと拡散されていく。その結果、溝底付近では金属イオンの濃度が低くなり、逆に錯化剤や錯体の濃度は高くなる。そのため、溝入口付近ではメッキ膜の膜厚が厚く、溝底付近では膜厚が薄くなり、膜厚の均一なメッキ膜を得ることができない。
そこで、例えば、特開昭62−10293号公報のように、メッキ液を物理的な方法によって攪拌して揺動させながらメッキ膜を形成することが開示されている。しかしながら、このようにメッキ液を攪拌させた場合、溝入口付近のメッキ液の揺動が速くなってしまう。無電解メッキは、流速が速くなるに従いメッキ膜が析出しにくくなり、ついにはメッキ膜が析出しなくなることが知られている。そのため、溝入口付近でのメッキ膜の膜厚は薄く、溝底付近でのメッキ膜の膜厚は厚くなり、この場合も膜厚の均一なメッキ膜を形成することができない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされてもので、被メッキ物が微細な溝等である場合でも膜厚の均一なメッキ膜を容易に形成することのできる無電解メッキ液及び無電解メッキ被覆方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、金属イオンと、該金属イオンの錯化剤と、還元剤とを含有する無電解メッキ液であって、
前記錯化剤の安定度定数(−logK)が1.0〜8.0で、かつ、錯化剤の濃度が0.1〜2.0mol/lであり、
酸解離定数(pK)が3.0〜8.0である物質を含有していることを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の無電解メッキ液において、
前記錯化剤として、酢酸、りんご酸、エチレンジアミン、グリシン、乳酸、こはく酸、及び酒石酸のうちの少なくとも1つを含有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載の無電解メッキ液において、
前記金属イオンとして少なくともニッケルイオンを含有し、前記還元剤として少なくともジメチルアミンボランを含有することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、被メッキ物に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解メッキ液を反応させることによって、被メッキ物の表面にメッキ膜を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の無電解メッキ被覆方法において、
前記被メッキ物は、幅5μm〜500μmの微細溝もしくは微細穴であることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の無電解メッキ被覆方法において、
前記微細溝もしくは微細穴の深さ/幅の比(アスペクト比)が0〜20であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の無電解メッキ液は、金属イオンと、金属イオンと錯形成する錯化剤と、金属イオンを還元することによって被メッキ物の表面にメッキ膜を形成する還元剤とを含有している。
【0012】
本発明によりメッキされる金属イオンは、自己触媒的にメッキされる金属、例えば、最も一般的なメッキ金属であるニッケル、コバルト、銅に加えて、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、オスミウム、パラジウム、プラチナ、ロジウム、ルテニウム、銀、スズ等が挙げられる。
【0013】
金属イオンは、金属塩、例えば塩化物、硫酸塩又は硝酸塩の形態で溶液中に含有され、特に硫酸塩の形態で溶液中に含有されることが好ましい。
金属イオンがニッケルイオンである場合のニッケルイオン源としては、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル、炭酸ニッケル等を用いることができる。銅イオン源としては、例えば、硫酸銅、塩化銅、水酸化銅等を用いることができる。また、コバルトイオン源としては、例えば、塩化コバルト、グルコン酸コバルト等を用いることができる。
また、メッキ液中の金属イオンの濃度は、0.01mol/l〜0.5mol/lであることが好ましい。金属イオンの濃度がこの範囲よりも低い場合は、メッキ析出速度が遅く、十分なメッキ膜を形成することができず、逆に高い場合には、被メッキ物への金属の析出速度が速く、形成されるメッキ膜の表面が粗くなるためである。
【0014】
還元剤は、金属イオンの酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を持っていることと、溶液中における還元剤の酸化速度が小さく、触媒活性な表面上では大きな酸化速度を持つことが好ましい。
このような還元剤としては、例えば、次亜リン酸塩、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、水酸化ホウ素アンモニウム、ジメチルアミンボラン等が挙げられる。特に、次亜リン酸塩はニッケル及びコバルトに対して使用可能であり、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドは銅に対して使用可能である。水酸化ホウ素ナトリウム又はジメチルアミンボランは、銅、ニッケル、コバルトに対して使用可能であるので特に好ましい。
【0015】
メッキ液中の還元剤の濃度は、還元剤に反応させる触媒表面と接触する金属イオンを還元するのに十分な濃度である必要がある。還元剤の濃度が上述した範囲よりも低い場合は、還元反応が十分に起こらず十分なメッキ膜の析出が得にくいためであり、逆に高い場合は、不均化反応の進行を促進し、メッキ液中に金属粉が多く析出することとなるためである。
【0016】
錯化剤は、メッキ液中で遊離の金属イオン濃度を低下させることによって沈殿生成を防止し、安定な可溶性錯体を形成する。この錯化剤の安定度定数(−logK)は1.0〜8.0であることが好ましい。特に、安定度定数が3.0〜4.0であることが好ましい。
ここで、安定度定数を1.0〜8.0としたのは、安定度定数が1.0未満であると、メッキ液中では錯形成がほとんどされておらず不安定な状態となっており、遊離した金属イオンの濃度は高いので、メッキ反応速度が過度に速くなる。すなわち、例えば、被メッキ物が微細な溝等であれば、溝入口付近から速やかに金属イオンがメッキ膜を形成するとともに溝底付近へと拡散していくので、溝底付近では金属イオンの濃度が低くなり、これによって溝底付近に形成されるメッキ膜の膜厚が溝入口付近のメッキ膜に比して薄くなり、膜厚の均一なメッキ膜を得ることができないためである。一方、安定度定数が8.0を越えると、メッキ液中において錯体の濃度が高く、遊離した金属イオンの濃度が低くなるので、メッキ反応速度が遅くなり、実用的なメッキ液にならない。
上述した安定度定数を有する錯化剤としては、例えば、酢酸、乳酸、マロン酸、りんご酸、しゅう酸、こはく酸、酒石酸、チオグリコール酸、アンモニア、トリエタノールアミン、グリシン、アラニン、グルタミン酸、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0017】
メッキ液中の錯化剤の濃度は、金属を溶液中に溶解して維持するのに十分な量でなければならず、溶液中に含有される金属イオンのモル量の、約1〜20倍が好ましい。0.1〜2.0mol/lであることが好ましく、特に、0.2〜1.2mol/lであることが好ましい。
ここで、錯化剤の濃度を0.1〜2.0mol/lとしたのは、濃度が0.1mol/l未満であると、メッキ液中で遊離した金属イオンの濃度が高く、メッキ析出速度が過度に速くなる。すなわち、上述したように被メッキ物が微細溝である場合には、溝入口付近でのメッキ膜の膜厚が厚く、溝底付近での膜厚は薄くなり、結果として膜厚の均一なメッキ膜を得ることができないためである。一方、2.0mol/lを越えると、錯形成する金属イオンの濃度が高く、メッキ液中で遊離した金属イオンの濃度が低いので、メッキ析出速度が遅く、実用的なメッキ液にならない。
【0018】
また、無電解メッキでは、反応の進行に伴って金属イオンが減少するとともに、還元剤の酸化反応によって水素イオン濃度が増大し、メッキ液のpHが低下して酸性化する。これにより、メッキ反応速度が遅くなり、被覆されるメッキ膜の物性に影響を及ぼす。これらの欠点を防止するために、本発明の無電解メッキ液中に、酸解離定数(pK)が3.0〜8.0である物質、いわゆるpH緩衝剤を含有させることが好ましい。特に、酸解離定数が5.0〜7.1であることが好ましい。
ここで、酸解離定数を3.0〜8.0としたのは、酸解離定数が3.0未満であると、メッキ液中のpHを十分に上げることができず、メッキ反応速度が遅くなりpH緩衝剤としての作用を得ることができないためである。
このような物質としては、例えば、酢酸、ホウ酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、トリメチル酢酸、こはく酸、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
なお、酢酸、乳酸、こはく酸、マロン酸、酒石酸等は、pH緩衝剤として作用する以外に上述した錯化剤としての作用も兼ねる。
【0019】
したがって、錯化剤の安定度定数及び濃度、酸解離定数を上述した範囲とすることで、メッキ液中で金属イオンと錯体とが程良く解離した状態となり、溝入口付近から穏やかに金属イオンがメッキ膜を形成するとともに溝底付近へと徐々に拡散していき、溝底付近までメッキ膜が形成される。よって、溝入口付近と溝底付近とで膜厚の均一なメッキ膜を得ることが可能となる。また、このように、錯化剤の安定度定数及び濃度、酸解離定数をコントロールすることによって、従来のように物理的な方法で攪拌することなく、メッキ液を被メッキ物に反応させることによって容易に膜厚の均一なメッキ膜を形成することができる。さらに、形成されるメッキ膜も緻密で高機能な膜とすることができる。
【0020】
また、本発明の無電解メッキ液に含有されるその他の添加物としては、無電解メッキ液を安定化させるための安定剤、メッキ膜の性状を改良するための改良剤が挙げられる。
安定剤は、還元反応が被メッキ物の表面以外で起こったり、メッキ液内に粉末状の金属微粒子が析出することによってメッキ液が不安定となりメッキ液が分解するのを抑制し、緻密なメッキ膜を形成するために添加される。安定剤としては、例えば、チオ尿素、酸化バナジウム、鉛イオン等を使用することができる。特に、酸化バナジウムを用いることが望ましい。
改良剤としては、メッキ膜に光沢を与える光沢剤や、ぬれ性を良くする界面活性剤(湿潤剤)が挙げられる。この界面活性剤には、例えば、アニオン系のアルキル硫酸エステル塩等を使用することができる。
【0021】
次に、本発明の無電解メッキ被覆方法について説明する。本発明では、上述のような金属イオン、錯化剤、還元剤、pH緩衝剤を含有する無電解メッキ液を使用して、微細溝を有する被メッキ物にメッキ膜を形成する。
前記微細溝もしくは微細穴は、例えば、その幅が5μm〜500μmであり、深さ/幅比(アスペクト比)が0〜20であることが好ましい。
【0022】
無電解メッキの前処理として、以下に説明する処理を行う。
まず、被メッキ物の表面を脱脂処理する。この脱脂処理にあたっては、通常、アルカリ溶液NaOH、NaCO、NaPO、界面活性剤NaOHに浸漬することによって、被メッキ物の表面に付着した油分を除去する。なお、紫外線/オゾン処理、プラズマアッシング処理あるいはオゾン水処理などによって、被メッキ物の表面の有機物を除去するようにしても良い。
【0023】
次いで、適当な酸を用いて酸化物被膜を溶解除去するエッチング処理を行う。このエッチング処理によって被覆されるメッキ膜の密着性を向上させる。通常、被メッキ物がプラスチックである場合には、クロム酸−硫酸水溶液、あるいはさらにリン酸を添加した溶液(40〜70℃)に数10秒〜数分浸漬することによって行う。
【0024】
次に、還元剤の酸化を開始させるために、触媒金属を用いて被メッキ物の表面の触媒化処理を行う。触媒金属は、一般に貴金属であり、パラジウムが最も好適である。また、500オングストローム以下の微小な粒子を有するものが好ましい。この場合、塩化スズで保護したパラジウムコロイドなどの触媒金属を用い、塩化スズのスズ原子をカップリング剤に配位結合させて、被メッキ物表面に前記触媒金属を結合させて触媒化処理を行う。
最後に、例えば、前記塩化スズで保護したパラジウムコロイドから塩化スズを剥離してパラジウム(触媒金属)を露出させて活性化処理を行う。
【0025】
なお、触媒化・活性化処理は、上述した方法に限らず、周知のセンシタイジング−アクチベーティング処理によって行っても良い。具体的には、センシタイザー液としてSnCl+HCl混合液を使用し、正電部材の表面にSnを吸着させる。また、アクチベーター液としてはPdCl+HCl混合液を使用し、順次処理を行うことによって被メッキ物の表面に無電解メッキの触媒核となるPdを吸着させる。
【0026】
上記活性化処理後、無電解メッキ液により被メッキ物の表面にメッキ膜を形成する。つまり、無電解メッキ液の入ったメッキ槽に活性化処理された被メッキ物を浸漬し、所定の膜厚になるまでメッキ処理を行う。メッキ膜形成後、被メッキ物を取り出し、純水で洗浄した後、窒素ガスで水分を吹き飛ばして乾燥させる。以上の処理により、被メッキ物の表面にメッキ膜が得られる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下に示す方法に従って、まず、複数の微細溝を有するセラミックス基板を作製し、セラミックス基板に前処理を行った後、作製した無電解メッキ液によってメッキ処理を施しメッキ膜を形成した。
【0028】
(セラミックス基板の作製)
アルミナセラミックス基板(例えば、住友金属工業製 フォルステライト)1mm×70mm×50mmに、幅80μm、長さ70mm、深さがアスペクト比2〜20において2毎に変化させた溝を、ダイシングソー(DISCO社製 PAD561)を用いて5本ずつ形成した。すなわち、アスペクト比の違いにより10種類の基板を作製した。さらに、この10種類の基板を、後述する本発明の実施例1〜8、比較例の無電解メッキ液に浸漬するために7枚ずつ用意した。
【0029】
(脱脂処理)
上記アルミナセラミックス基板の切削粉や指紋、汚れを取るためにアルカリ洗浄剤エースクリーン A−220により、脱脂、洗浄を行い、純水で十分にすすぎを行った。
(エッチング処理)
上記アルミナセラミックス基板とメッキ膜の密着力を得るために以下の組成のエッチング液でセラミックス表面のエッチング処理を2分間行った。エッチング処理後、純水で十分にすすぎを行った。
フッ化水素酸 10%
水 90%
(触媒化・活性化処理)
センシタイジング−アクチベーティング処理という塩化スズ塩酸溶液と塩化パラジウム溶液による2段階活性化で処理を行い、アルミナセラミックス基板の表面に金属パラジウムを付着させた。以下に示す組成のセンシタイザー液に浸漬後は純水で十分にすすぎを行い、アクチベーター液に浸漬後も純水で十分にすすぎを行った。
センシタイザー液:SnCl 10g/l、HCl 5cc/l
アクチベーター液:PdCl 0.5g/l
【0030】
(無電解メッキ液の作製)
以下に示すように、本発明の実施例1〜実施例8、比較例の無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例1]
金属塩として硫酸塩ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてりんご酸塩0.67mol/dmおよび酢酸を1mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例2]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてりんご酸塩0.67mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例3]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてグリシン0.5mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例4]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてエチレンジアミン0.5mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例5]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてこはく酸0.5mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例6]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤として酢酸1.5mol/dm、還元剤としてジメチアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例7]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤として乳酸1.0mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[本発明の実施例8]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤として酒石酸0.5mol/dm、緩衝剤としてホウ酸0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
[比較例]
金属塩として硫酸ニッケルを0.1mol/dm、錯化剤としてグリシン0.5mol/dm、還元剤としてジメチルアミンボラン0.05mol/dmを使用して無電解メッキ液を作製した。
【0031】
(無電解メッキ処理)
前記活性化処理を行い触媒核であるPdが吸着したアルミナセラミックス基板を、溝の開口部が上側を向くように治具にセットし、治具ごと作製した無電解メッキ液(本発明の実施例1〜実施例8、比較例)の入ったメッキ槽に、それぞれ静かに浸漬し、アルミナセラミックス基板を全く動かすことなく静置してメッキを行った。なお、全ての無電解メッキ液の浴温は60℃、pH6.0であり、形成されるメッキ膜の厚みが3μmとなる条件(時間)を予め求めておき、その条件でメッキを行った。
メッキ終了後、アルミナセラミックス基板を取り出し、純水で十分にすすいだ後、窒素ガスで水分を飛ばして乾燥した。
【0032】
(メッキ膜の評価)
乾燥したメッキ膜アルミナセラミックス基板をダイシングソーで切断し、アスペクト比2〜20までの溝の底部のメッキ膜厚をデジタルマイクロスコープVH−7000+レンズVH−Z450(キーエンス)で測定し、その結果を表1に示した。アスペクト比0は、セラミックス基板の溝部ではない表面上の膜厚を測定した。
なお、溝付きアルミナセラミックス基板はそのまま切断したのではダイシングソーのブレードによりメッキ膜が延展してしまい、正確な膜厚が評価できないため、エポキシ樹脂を溝内に流し込み硬化させてから切断をして評価を行った。
【0033】
【表1】
Figure 2004059998
表1の結果より、錯化剤の安定度定数及び錯化剤の濃度が上述した範囲で、かつ、酸解離定数が上述した範囲の物質を含有する本発明の実施例1〜8においては、アスペクト比を0〜20に変化させた場合でも、溝の底部に形成されるメッキ膜の膜厚に顕著な変化は見られず、溝入口付近と底部とでほぼ均一の膜厚となることが確認された。
一方、酸解離定数が上述した範囲の物質を含有していない比較例においては、アスペクト比を2毎に増加させるにつれて、溝の底部に形成される膜厚が大幅に薄くなり、アスペクト比8〜20における溝の底部にはメッキ膜がほとんど形成されず、溝入口付近と底部とで不均一な膜厚となることが確認された。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、錯化剤の安定度定数(−logK)が1.0〜8.0で、かつ、錯化剤の濃度が0.1〜2.0mol/lであり、酸解離定数(pK)が3.0〜8.0である物質を含有しているので、金属イオンと錯体とが程良く解離した状態となり、被メッキ物が微細な溝等である場合でも、溝入口付近から穏やかにメッキ膜が形成されて、膜厚の均一なメッキ膜を容易に形成することができる。

Claims (6)

  1. 金属イオンと、該金属イオンの錯化剤と、還元剤とを含有する無電解メッキ液であって、
    前記錯化剤の安定度定数(−logK)が1.0〜8.0で、かつ、錯化剤の濃度が0.1〜2.0mol/lであり、
    酸解離定数(pK)が3.0〜8.0である物質を含有していることを特徴とする無電解メッキ液。
  2. 請求項1に記載の無電解メッキ液において、
    前記錯化剤として、酢酸、りんご酸、エチレンジアミン、グリシン、乳酸、こはく酸、及び酒石酸のうちの少なくとも1つを含有することを特徴とする無電解メッキ液。
  3. 請求項1に記載の無電解メッキ液において、
    前記金属イオンとして少なくともニッケルイオンを含有し、前記還元剤として少なくともジメチルアミンボランを含有することを特徴とする無電解メッキ液。
  4. 被メッキ物に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解メッキ液を反応させることによって、被メッキ物の表面にメッキ膜を形成することを特徴とする無電解メッキ被覆方法。
  5. 請求項4に記載の無電解メッキ被覆方法において、
    前記被メッキ物は、幅5μm〜500μmの微細溝もしくは微細穴であることを特徴とする無電解メッキ被覆方法。
  6. 請求項5に記載の無電解メッキ被覆方法において、
    前記微細溝もしくは微細穴の深さ/幅の比(アスペクト比)が0〜20であることを特徴とする無電解メッキ被覆方法。
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