JP2004059725A - 熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡体の平均気泡径をX(μm)、発泡倍率をYとした時に、数式(1)で表される発泡パラメーター(P)が18μm以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
P=X/(Y−1)1/3 (1)
この発泡体は、変性した層状ケイ酸塩を熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を発泡させることにより製造される。
【選択図】 選択図なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、建築用断熱材として有用な、高い断熱性能、圧縮強度及び表面平滑性を有する熱可塑性樹脂発泡体、特にポリスチレン樹脂発泡体、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、特に、ポリスチレン、の発泡体は、優れた断熱性能及び緩衝性を有していることから、断熱材、食品容器、緩衝材、自動車用部材等に幅広く使用されている。特に、建築物の壁、床間仕切り等の断熱材用途は、省エネルギーによる地球温暖化防止対策の有力な製品の一つとして期待されている。
断熱材の成形法としては、熱可塑性樹脂に発泡剤を加えて、フィルム状、シート状、板状等の各形状に成形する押し出し成形が用いられている。その際に添加される発泡剤としては、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタンのような低沸点の炭化水素化合物又はハロゲン化炭化水素化合物がこれまで広く使われている。これらは、樹脂への溶解性及び樹脂による保持性が優れている反面、可燃性であり、健康や環境面への配慮から、他の発泡剤への転換が望まれている。
【0003】
これに対して、炭酸ガスや窒素ガス等の不活性ガスは、不燃性であると共に環境を害することが少ないので好ましい発泡剤と言える。しかし、不活性ガスは、樹脂との親和性が良好でないことから、樹脂への溶解性に乏しく、成形時にガス抜けが起こるために、得られた発泡体中の気泡径及び気泡分散が不均一になりがちである。そのため、品質の一定した発泡体を製造することは難しいと言われている。加えて、ポリスチレン発泡体中の炭酸ガスは、容易に熱伝導係数の高い空気と置換するため、得られる発泡体の断熱性能は充分ではなかった。
【0004】
他方、断熱材の断熱性能を支配する因子として、平均気泡径、独立気泡率、密度等が挙げられ、特定の密度において、平均気泡径が小さく、独立気泡率が高い発泡体は断熱性能が高いことが知られている。しかし、平均気泡径が小さく、高発泡倍率のポリスチレン発泡体を得ようとすると、気泡壁が破泡して独立気泡体が得られなかったり、成型体をうまく作成できないという問題があった。
発泡倍率と平均気泡径(μm)の関係を表すパラメーター(P)として、下式が知られている。
P=平均気泡径X/(発泡倍率Y−1)1/3
【0005】
この値が小さい程、熱可塑性樹脂発泡体の断熱性能及び圧縮強度等の物性が向上することが知られている。例えば、特開2001−288293号公報には、疎水化した層状ケイ酸塩の層間に、さらに体積膨潤可能な気体又は熱分解発泡剤を介在させることによって、平均層間距離が60オングストローム以上の層状ケイ酸塩を含有する熱可塑性樹脂発泡体を得る方法が開示されている。この方法によると、上式において、P≦30である熱可塑性樹脂が得られる。しかし、現実にこの方法で得られる熱可塑性樹脂発泡体のPは20程度であり、高断熱性能及び圧縮性能を示すための発泡体としては不充分である。
このように、低密度で、独立気泡率が高く、平均気泡径が小さい熱可塑性樹脂発泡体、特に、ポリスチレン系樹脂発泡体を低コストで得ることは非常に困難であるというのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、圧縮性能及び表面平滑性に優れた熱可塑性樹脂発泡体、特に、ポリスチレン系樹脂発泡体を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、平均気泡径をX(μm)、発泡倍率をYとした時に、X/(Y−1)1/3≦18μmを満たす熱可塑性樹脂発泡体は、フロン等の熱伝導係数の低いガスを用いなくても断熱性能に優れ、同時に圧縮性能及び表面平滑性が著しく優れることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 熱可塑性樹脂発泡体の平均気泡径をX(μm)、発泡倍率をYとした時に、数式(1)で表される発泡パラメーター(P)が18μm以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
P=X/(Y−1)1/3 (1)
(2) 熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする(1)に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
(3) 変性した層状ケイ酸塩を熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を発泡させることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
【0009】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における熱可塑性樹脂発泡体は、数式(1)で表される発泡パラメータ(P)が18μm以下という条件を満たす。
P=X/(Y−1)1/3 (1)
ここで、Xは、熱可塑性樹脂発泡体の平均気泡径(μm)、Yは、発泡倍率である。
【0010】
平均気泡径は、後述するように、SEM観察又は光学顕微鏡観察から求めることができる。本発明における熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率は、限定はないが、1.01〜120が好ましく、より好ましくは20〜100である。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の発泡パラメータ(P)は、18μm以下であることが必要である。発泡パラメータ(P)が18を越えると、熱可塑性樹脂発泡体の断熱性能、圧縮性能及び表面平滑性が低下する。
発泡パラメータ(P)が18μm以下の熱可塑性樹脂発泡体を製造するためには、いくつかの方法が考えられる。
まず一つ目は、変性した層状ケイ酸塩を熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を用いることである。
【0011】
熱可塑性樹脂発泡体の発泡パラメータ(P)は、変性した層状ケイ酸塩と熱可塑性樹脂との組み合わせに依存して変化する。したがって、変性した層状ケイ酸塩を熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を発泡させたときに、発泡パラメータ(P)が18以下になるような層間距離を有する変性層状ケイ酸塩を用いる必要がある。したがって、熱可塑性樹脂に応じて、予め、予備実験により、変性層状ケイ酸塩の層間距離を決めておく必要がある。h0の許容範囲は、混練する樹脂の種類によって異なる。例えば、熱可塑性樹脂がナイロン6やナイロン66といった極性の高い樹脂の場合は、h0の限定はあまり無く、h0が3.80以上であればよい。一方、熱可塑性樹脂がポリ乳酸に代表される脂肪族ポリエステルやポリスチレン等の、極性が低い樹脂の場合は、その限定が厳しくなる。ポリ乳酸の場合は11.50オングストローム以上、21.50オングストローム以下であることが好ましい。ポリスチレンの場合は5.83オングストローム以上、20.00オングストローム以下であることが好ましく、より好ましくは8.90オングストローム以上、15.50オングストローム以下であり、最も好ましくは12.00以上、13.00オングストローム以下である。
【0012】
h0は、層状ケイ酸塩の変性剤、例えば、界面活性剤の場合は、その疎水部の鎖長によって制御することができる。鎖長が長い程、h0は大きくなる。カチオン性界面活性剤を用いる場合は、アンモニウム塩のヘッドグループ(1級、2級又は3級)によってもh0を変化させることができる。同じ界面活性剤を用いる場合でもイオン交換量(charge exchange capacity:CEC)の異なる層状ケイ酸塩を用いることによって、h0を制御することができる。
【0013】
h0は、通常のX線回折法を用いて下記の数式を用いて測定することができる。
h0(オングストローム)=d0(オングストローム)−9.5 ここで、9.5オングストロームは、層状ケイ酸塩のシート1枚の厚みで、どの層状ケイ酸塩を用いても値は殆ど変わらない。d0は、原料である変性層状ケイ酸塩をX線回折測定した結果、変性層状ケイ酸塩の001面の底面反射に相当するピーク位置(2θ)からBraggの式を用いて算出することができる。
d0(オングストローム)=1.54/2sinθ
【0014】
発泡パラメータ(P)を18μm以下にするための他の方法として、発泡前のペレットの水分率を制御する方法が挙げられる。水分率は樹脂の種類によって異なるが、ポリスチレンの場合は、好ましくは200〜1500ppm、より好ましくは500〜1000ppmである。
変性層状ケイ酸塩を用いる方法と、ペレットの水分率を制御する方法を併用することも好ましい。
【0015】
本発明における熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリスチレン樹脂が好ましい。本発明におけるポリスチレン樹脂は、スチレン単独の重合体、又はスチレンと共重合可能な化合物、例えば、αメチルスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸やメタクリル酸エステル等を重合したものである。これらの樹脂を適宜ブレンドした樹脂も好適に用いられる。
【0016】
本発明に用いられる層状ケイ酸塩として、タルク、ピロフィライト、スメクタイト、バーミキュライト、マイカ等の2:1型の粘土鉱物等が挙げられる。スメクタイトの種類としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト等が挙げられる。これらは、天然鉱物を精製したもの、水熱合成、溶融合成、焼成合成等によって得られたものが用いられる。中でも、スメクタイト及び合成マイカが好ましい。さらに、下記の化学式で代表されるような合成フッ素化雲母を用いた場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物中、特に、熱可塑性樹脂がポリスチレンの場合には層状ケイ酸塩の分散性は高くなる。
NaMg2.5Si4O10(FαOH(1−α))2
(0.8≦α≦1.0)
合成フッ素化マイカの例としては、コープケミカル(株)社製のソマシフ(ME100)(登録商標)等が挙げられる。
【0017】
層状ケイ酸塩の変性法には限定は無く、様々な方法を用いることができる。例えば、層状ケイ酸塩の各層の負電荷と水素結合できる化合物を層間に挿入する方法、層状ケイ酸塩の末端のシラノール基をカップリング剤処理する方法等が挙げられる。層間挿入法のための化合物には限定はなく、例えば、長鎖のアルコール、カルボン酸、界面活性剤、シランカップリング剤等、が用いられるが、中でも、界面活性剤が好ましい。
【0018】
界面活性剤として、アニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性の界面活性剤のいずれも用いることができる。好ましくはカチオン性及びノニオン性界面活性剤、より好ましくはカチオン性界面活性剤である。
カチオン性界面活性剤の例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(或いはクロライド)や、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアミン等のアミン等が挙げられる。アミンの場合は適量の酸を添加することによって使用可能となる。
【0019】
非イオン性界面活性剤としては限定は無いが、親水部として、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)又はその共重合体、水酸基等が挙げられる。疎水部として、長鎖の飽和又は不飽和のアルキル基等が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル等のポリエチレングリコールのエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールラウレート等のポリエチレングリコールのカルボン酸エステル等が挙げられる。
【0020】
本発明における界面活性剤による層状ケイ酸塩の変性法としては、水又はアルコールに膨潤させた層状ケイ酸塩とエタノール、メタノール或いは水等の溶剤に溶解した界面活性剤を混合した後、得られる変性層状ケイ酸塩を濾別、洗浄、乾燥する方法が挙げられる。
界面活性剤として非イオン性界面活性剤を用いる場合は、別法として、非イオン性界面活性剤の融点又はガラス転移点より10〜50℃高い温度で層状ケイ酸塩と混合後、同温度で一定時間放置する方法がある。この方法は、溶融状態又は運動性の高い状態の非イオン性界面活性剤が層状ケイ酸塩の層間に侵入することによる。この方法は、上述の溶媒法に比べて著しく製造コストが低い。
【0021】
一般的に、発泡用核剤としてタルク等の無機物を熱可塑性樹脂に添加することは知られているが、一次粒子が数10μmに及ぶものがほとんどで、高発泡倍率で,セルサイズが小さい発泡体を得ることは非常に困難である。これに対して、本発明における熱可塑性樹脂発泡体は、変性層状ケイ酸塩の層間に熱可塑性樹脂が侵入することによって、層間距離が増大すると同時に、変性層状ケイ酸塩の微結晶の周りを熱可塑性樹脂が包囲している。そのことによって、層状ケイ酸塩の微結晶同士の凝集力が小さくなるために、層状ケイ酸塩の微結晶がセル壁にナノオーダーで微分散する。その結果として、ガス抜けが無く、低密度で、独立気泡率が高く,セル気泡径が小さい発泡体が得られる。また得られる熱可塑性樹脂発泡体の表面平滑性及び圧縮弾性率も良好な値を示す。
【0022】
次に、熱可塑性樹脂発泡体の製造方法について説明する。
本発明における熱可塑性樹脂と変性層状ケイ酸塩の溶融混練の方法には限定はなく、通常の当該分野で用いられる方法が使用でき、好ましくは2軸の押し出し機である。
変性層状ケイ酸塩の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.01〜50質量が好ましく、より好ましくは0.01〜20質量部、最も好ましくは0.1〜10質量部である。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、通常、用いられる酸化防止剤、滑剤、着色剤、難燃剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の発泡体を製造する方法には制限は無く、通常の押し出し発泡、ビーズ発泡による方法が使用できる。押し出し発泡の場合について例を挙げて説明する。熱可塑性樹脂組成物及び発泡剤を押し出し機中で溶融混練し、混合物を発泡に適した温度に調温した後、押し出した発泡体を成形する。又は溶融状態にある熱可塑性樹脂組成物に発泡剤を添加、圧入した後、発泡に適した温度に調温して押し出した発泡体を成形する。溶融温度、時間等には制限は無く、温度は、熱可塑性樹脂が溶融する温度であればよい。時間は、通常の熱可塑性樹脂と発泡体成形に用いられる添加剤が分散するのに要する時間でよい。
【0024】
押し出し機には制限はなく、単軸又は2軸のものが使用できる。これらの押し出し機を直列に2段、3段、多段と組み合わせて使用してもよい。好ましくは2軸の押し出し機を2段組み合わせたものである。
本発明で使用できる発泡剤としては、一般に押し出し発泡成形する際に用いられている蒸発型発泡剤が使用できる。例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール、炭酸ガス、N2、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス、炭素数3−6の飽和炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化炭化水素、1−ジフルオロー1−クロロエタン(HCFC142b)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC143a)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC236ea)等のフロン、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトンが挙げられ、これらの発泡剤は単独又は2種以上を混合して用いられる。
【0025】
この中で、炭酸ガスや窒素ガス等の不活性ガスは、不燃性であると共に環境を害することが少ないため、産業上好ましい発泡剤である。さらに超臨界状態の炭酸ガスを用いると、熱可塑性樹脂組成物への溶解度が向上するので、より好ましい。
炭酸ガス等の不活性ガスを用いても発泡時のガス抜けがなくなるためには、層状ケイ酸塩の微結晶のアスペクト比(各層1枚の長さ/厚みで)が200以上であることが好ましく、より好ましくは500以上、最も好ましくは1000以上である。
層状ケイ酸塩のアスペクト比はSEM及びTEM測定から求めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
本発明で用いられる測定法等は以下のとおりである。
(1)変性層状ケイ酸塩のh0の評価(X線回折測定)
変性層状ケイ酸塩粉末をリガク(株)社製X線回折装置RINT2000(登録商標)を用い、CuのKα線を用いて測定する。その他の測定条件は以下に示すとおりである。
加速電圧:40kV、加速電流:200mA、走査速度:2°/min、発
散、散乱スリット1/6°受光スリット幅:0.15mm
(2)ペレット水分率
京都電子工業製カールフィッシャー水分率測定装置を用いた。加熱温度は180℃である。
【0027】
(3)平均気泡径
発泡体の中央部から試験片をカットし、カット面に発泡体の押し出し方向、押し出し方向と直行する方向、厚み方向に一定長さLの直線を引き、その直線に接している気泡の数を数えて次式により計算する。各方向n=10の平均値を求め、さらに3方向の平均値を算出する。
平均気泡径(mm)=1.626xL(mm)/気泡数
(4)発泡倍率
発泡倍率=非発泡のポリスチレン組成物の比重/発泡させた成形体の比重
【0028】
(5)圧縮性能
発泡体の圧縮性能は、JIS A−9511に準拠して測定する。圧縮弾性率は、初期弾性率、圧縮強度は、10%歪みの時の応力をもって値とする。
(6)表面平滑性
発泡シートの表面平滑性の判定は、目視により以下の規準で判定する。
○:発泡シートの表面が平滑で光沢がある。
△:発泡シートの表面が平滑だが光沢はない。
×:発泡シートの表面に凹凸や突起状のブツがある。
【0029】
【実施例1】
カチオン性界面活性剤ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Aldrich社製)4.7gをエタノール100gに溶解した(A液とする)。層状ケイ酸塩としてコープケミカル(株)社製の合成フッ素化雲母であるソマシフ(ME100)(登録商標)(CEC=120meq/100g)10gを脱イオン水500gにホモミキサーを用いて分散させた(B液とする)。A液とB液を50℃で24時間混合した。得られた沈殿を濾別し、エタノールで数回洗浄後、100℃で5時間真空乾燥して変性層状ケイ酸塩を得た。
【0030】
得られた変性層状ケイ酸塩5gとポリスチレン(分子量210000:A&Mスチレン社製GPS680)95gを東洋精機(株)社製混練機ラボプラストミル(登録商標)で混合した。
混合条件は以下の通りである。回転速度:50rpm、温度:200℃、混合時間:10分。
その後、単軸押し出し機を用いてペレット化し、ポリスチレン樹脂組成物ペレットを得た。次に、ペレット100質量部を80℃の乾燥機に3時間入れて乾燥した。その時のペレット水分率は150ppmであった。このペレットを密閉容器内に入れ炭酸ガスを30kg/cm2で混入した。容器をそのまま10℃で5時間保存し、炭酸ガスを溶解させた。その後、ペレットを圧力0.5kg/cm2の蒸気で20秒加熱して予備発泡ビーズを作成した。このビーズを圧力容器中で空気(9kg/cm2G)により加圧し、ビーズの内圧が0.6〜0.8kg/cm2Gとなるよう調製した後、常圧下に取り出した。
【0031】
このビーズを、少孔を有する閉鎖金型(内寸法300×300×25mm)に充填し、0.8〜1.1kg/cm2の水蒸気で3〜5秒加熱し、水温約20℃の水で90〜180秒冷却後、金型から取り出した。その後、発泡成形体を80℃の熱風乾燥機中で8時間熟成した後、発泡成形体を評価した。
【0032】
【実施例2】
A&Mスチレン社製ポリスチレン樹脂GPS680(分子量210000)ペレット100質量部を90℃の水中に90分間保持することで吸湿させ、直ちにペーパータオルでペレット表面についた水分を拭き取った。ペーパータオルに目視で確認できる水滴がなくなったところで水分率は1100ppmであった。このペレットサンプルを実施例1と同様に炭酸ガス含浸用のオートクレーブに仕込んだ。後は実施例1と全く同様の方法でポリスチレン樹脂発泡体を得た。
【0033】
【実施例3】
実施例1のドデシルトリメチルアンモニウムクロライドをオクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Aldrich社製)6.2gに替える以外は全く実施例1と同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0034】
【実施例4】
実施例1のドデシルトリメチルアンモニウムクロライドをオクタデシルアミン(Aldrich社製)4.8gに替えること、それからそのエタノール溶液に市販の35質量%塩酸を1.25g添加すること以外は全く実施例1と同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0035】
【実施例5】
非イオン性界面活性剤Brij72(Polyoxymethylenstearylether、Aldrich社製)8gを脱イオン水400gに溶解した(A液とする)。コープケミカル(株)社製の合成フッ素化雲母であるソマシフ(ME100)(登録商標)(CEC=120meq/100g)10gを脱イオン水1kgにホモミキサーを用いて分散させた(B液とする)。A液とB液を50℃で24時間混合した。得られた沈殿を濾別し、エタノールで数回洗浄後、80℃で5時間真空乾燥して変性層状ケイ酸塩を得た。得られた変性層状ケイ酸塩を用いて実施例1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0036】
【実施例6】
実施例1の合成フッ素化マイカをクニミネ工業(株)社製の天然モンモリロナイトであるクニピアF(登録商標)(CEC=110meq/100g)に替える以外は実施例1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0037】
【比較例1】
層状ケイ酸塩を使わないこと以外は全く実施例1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成型体を作成した。
【0038】
【比較例2】
層状ケイ酸塩として合成フッ素化マイカ(CEC=120meq/100g、コープケミカル社製)を用いて実施例1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0039】
【比較例3】
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(Aldrich社製) のかわりにオクチルトリメチルアンモニムブロマイド4.0gを使用すること以外は実施例1と全く同じ方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
【0040】
【比較例4】
コープケミカル(株)社製の変性層状ケイ酸塩MAE(登録商標)を用いて実施例1と同様の方法でポリスチレン樹脂発泡成形体を得た。
以上の結果を、表1にまとめて示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明のより、低密度で独立気泡率が高く、平均気泡径が小さく、高い断熱性能、圧縮強度、表面平滑性を有する熱可塑性樹脂発泡体が得られる。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂発泡体の平均気泡径をX(μm)、発泡倍率をYとした時に、数式(1)で表される発泡パラメーター(P)が18μm以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体。
P=X/(Y−1)1/3 (1) - 熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 変性した層状ケイ酸塩を熱可塑性樹脂に溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を発泡させることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
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2002
- 2002-07-29 JP JP2002219625A patent/JP2004059725A/ja active Pending
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