JP2004059452A - ペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物の製造方法および該製造方法における新規な中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】
複素環に含フッ素基が置換した含フッ素複素環式化合物は、種々の生理活性が期待できることから、医薬品や農薬としての研究開発がなされている。このうちアリール基に−SF5が結合した化合物の製造方法としては、アリールジスルフィドをフッ素ガスと反応させ、アリール(サルファートリフルオリド)とした後、さらにフッ素ガスと反応させてアリール(サルファーペンタフルオリド)を得る方法が提案されている(Tetrahedron,56(21),3399−3408,2000)。
【0003】
また、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基が置換した化合物において、該アミノ基のαおよびα’位をハロゲン化した化合物を農薬として評価した例が報告されている(GB2276381、WO9856767、WO9828277)。しかし、−SF5基を有するベンズイミダゾール化合物を効率的に製造する方法の例は報告されていなかった。
【0004】
一方、抗癌活性を有する化合物として2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール(US5767138)が報告されているが、該化合物は生体内でベンゼン環における5位の水素原子がヒドロキシル化されると、抗癌活性がなくなることが報告されている。そこで、ヒドロキシル化を阻止するために、フッ素化した2−メトキシカルボニルアミノ−4,5,6,7−テトラフルオロベンズイミダゾール等の含フッ素ベンズイミダゾール誘導体が報告されており(WO0183457)、その抗癌作用が維持される報告がされている。
【0005】
そこで本発明者らは、ベンズイミダゾール骨格の5位に−SF5基を導入した構造の化合物は、−SF5基の電気的な性質と−SF5基の嵩高さによってヒドロキシル化を阻害すると確信し、従来の方法にならって該化合物を製造しようとしたが、該化合物の収率はきわめて低く、製造は困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アミノ置換アリール(サルファートリフルオリド)を用いて生理活性物質として有用なペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を製造する新たな方法、および該方法で製造された新規化合物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ニトロ置換アリール(サルファートリフルオリド)を還元して反応によりジアミノ化合物を得、次いで環化反応および窒素原子上での置換反応をさせることにより下式ペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を容易に製造できることを見いだした。
【0008】
すなわち本発明は下式(3H)で表されるジアミノ化合物を式QCY1Y2Y3で表される環化反応剤と反応させることによって環化することを特徴とする下式(4H)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0009】
【化7】
【0010】
(ただし、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立に、−NRBRC、−ORD、または−SRE(ただし、RB、RC、RD、およびREはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価有機基を示す。)を示し、または、Y1、Y2、およびY3から選ばれる2つは共同で、=O、=S、または=N−RG(ただし、=は炭素原子と2重結合を形成していることを示し、RGは水素原子または1価有機基を示す。)を形成していてもよい。
−W−部分は−NH−C(Q)=N−(Qは前記と同じ意味を示す。)で表される2価の基であることを示し、該2価の基の向きは限定されない。)。
【0011】
また、本発明は下記の新規化合物を提供する。
【0012】
【化8】
【0013】
(ただし、R10、R20は、それぞれ独立にメトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基を示す。または−NR10R20部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。
Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。
R30は水素原子または置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)。
【0014】
さらに、式(4R’)で表されるペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物またはその薬理学的に有効な塩を有効成分とする医薬を提供する。
【0015】
【化9】
【0016】
(ただし、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。
R30は水素原子または置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)。
【0017】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、式(1H)で表される化合物を、化合物(1H)と記す。他の式で表される化合物おいても同様である。
本明細書におけるアルキル基の炭素数は1〜20の基が好ましく、炭素数は1〜10が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0018】
本明細書における置換されたアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。1価置換基としては、置換されていてもよいアリール基以外の基から選択され、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいベンジルオキシ基、アルケニル基で置換されたアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。1価置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、またはアルコキシ基が好ましい。
【0019】
置換されたアルキル基の例としては、2−フルオロエチル基、4−フルオロブチル基、2−(2−フルオロエチル)ブチル基、フェノキシメチル基、p−フルオロフェノキシメチル基、p−ニトロフェノキシメチル基、メトキシメチル基、(1−エトキシ)エトキシメチル基、4−ベンジルオキシメチル基、6−ベンジルオキシヘキシル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロブチル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロブチル基が好ましい。
【0020】
本明細書におけるヘテロ原子を含むアルキル基としては、アルキル基の結合末端またはアルキル基の炭素−炭素原子間に、酸素原子、窒素原子またはイオウ原子等のヘテロ原子が結合したアルキル基が好ましく、上記アルキル基の結合末端に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が結合した基が特に好ましく、アルコキシ基がとりわけ好ましい。
【0021】
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、およびエイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0022】
本明細書における置換された(ヘテロ原子を含むアルキル)基としては、上記アルコキシ基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。
【0023】
本明細書におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10の基が好ましく、炭素数3〜8の基が特に好ましい。アルケニル基の例としては、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−オクテニル基、4−オクテニル基等が挙げられる。
【0024】
本明細書における置換されたアルケニル基としては、上記アルケニル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。置換されたアルケニル基の例としては、2−フルオロ−2−ブテニル基、3−フルオロ−2−ブテニル基、4−ベンジルオキシ−2−ブテニル基、6−ベンジルオキシ4−ヘキセニル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−2−ブテニル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−ブテニル基、3−ヒドルオキシメチル−4−ヒドルオキシ2−オキソブチル基、(1S)−、または(1R)−1−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ−2−オキソブチル基などが挙げられる。
【0025】
本明細書におけるシクロアルキル基としては、環部分が炭素数3〜12であるシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、およびシクロドデシル基等が挙げられる。
【0026】
本明細書における置換されたシクロアルキル基としては、上記シクロアルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基および炭素数1〜8の直鎖状または炭素数1〜8の分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、ハロゲン原子が好ましい。置換されたシクロアルキル基の例としては、2−フルオロシクロプロピル基、3−フルオロシクロブチル基、3−クロロシクロブチル基、3−フルオロシクロペンチル基、(4S)−または(4R)−4−ヒドロキシメチルシクロペンチル基等が挙げられる。
【0027】
本明細書における置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基としては、上記置換されたシクロアルキル基の炭素−炭素結合の間に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が挿入された基が好ましく、アルキル基で置換されたシクロアルキル基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基が特に好ましく、特に置換された(リボフラノシル基)が好ましい。置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基の例は、後述するR3の具体例に示す基が挙げられる。
【0028】
本明細書におけるアルアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、およびトリチル基等が挙げられる。
本明細書における置換されたアルアルキル基としては、上記アルアルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。置換されたアルアルキル基としては、ハロゲン化アルアルキル基が好ましい。アルアルキル基、置換されたアルアルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−フルオロベンジル基が特に好ましい。
【0029】
本明細書におけるアリール基において、アリール基とは芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた基であり、たとえばフェニル基およびナフチル基(たとえば、2−ナフチル基、3−ナフチル基等。)が例示される。
【0030】
置換されたアリール基としては、アリール基の水素原子1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基の例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子が好ましい。本明細書における置換されたアリール基としては、p−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−トリルフェニル基、4−ビフェニル基等が挙げられる。
【0031】
本明細書において、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。RAがアルキル基である場合の炭素数は1〜10が好ましく、炭素数は1〜4が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。RAとしては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0032】
Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立に、−NRBRC、−ORD、または−SRE(ただし、RB、RC、RD、およびREはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価有機基を示す。)を示し、または、Y1、Y2、およびY3から選ばれる2つは共同で、=O、=S、または=N−RG(ただし、=は炭素原子と2重結合を形成していることを示し、RGは水素原子または1価有機基を示す。)を形成していてもよい。
【0033】
R3は1価有機基を示し、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基が好ましく、置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が好ましい。
【0034】
RB、RC、RD、RE、およびRGが、それぞれ1価有機基である場合には、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよい(ヘテロ原子を含むアルケニル基)、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよい(ヘテロ原子を含むシクロアルキル基)、置換されていてもよいアルアルキル基、または置換されていてもよいアリール基、アルコキシカルボニル基、アルコキシチオカルボニル基、アシル基、アミド基、アルキル置換アミド基等が好ましい。ここで、アルコキシカルボニル基、アルコキシチオカルボニル基、アシル基、アルキル置換アミド基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
【0035】
RAおよびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を示す。または、−NRAR2部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。アミノ基の保護基としては公知の文献または成書(T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wily&Sons,1981等)に記載される基が採用でき、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、アリルオキシカルボニル基(Aoc基)、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基が好ましい。
【0036】
Xは脱離基を示す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トシルオキシ基、イミダゾリルスルホニルオキシ基、水酸基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルチオ基等が好ましい。
【0037】
本発明の製造方法の概要は下式で示されうる。以下、該式に則して説明する。ただし、本発明は以下の式に限定されない。
【0038】
【化10】
【0039】
上記の式中のF5S−で示す基は、ベンゼン環を形成する炭素原子のうち、置換可能な4つの炭素原子のいずれか1つに結合していることを意味する。また、反応の前後においてF5S−基のベンゼン環への結合位置は、変化しない。すなわち、本発明の製造方法における反応では、F5S−基の転移反応は起こらない。たとえば、化合物(1R)を化合物(2R)に変換する反応、化合物(2R)を化合物(2H)に変換する反応においては、F5S−基のベンゼン環への結合位置は変化しない。
【0040】
しかし、後述する環化反応では、ピロール環における二重結合の転移反応が起こり、2種の位置異性体が生成しうるため、環化反応の生成物(4H)において、−W−部分に相当する2価の基(−NH−C(Q)=N−)の向きは限定されない。通常の環化反応の反応条件下では、−NH−C(Q)=N−部分の、左右の向きが異なる2種の生成物が生成する。同様に、−WR−部分に該当する−NR3−C(Q)=N−(ただし、R3は1価有機基を示し、Qは前記と同じ意味を示す。)で表される2価の基の向きも限定されない。後述する窒素原子の置換反応では、−NR3−C(Q)=N−の向きが異なる2種の生成物が生成する。
【0041】
本発明の製造方法においては、まず、ジアミノ化合物(3H)を、式CQY1Y2Y3で表される環化反応剤と反応させて環化することによって化合物(4H)を得る。
Qが水素原子である式CQY1Y2Y3で表される環化反応剤の例としては、HCONH2、HC(O)NH(CH3)、HC(O)N(CH3)2、HC(OCH3)3、HC(OCH2CH2CH3)3、HC(=NH)NH2、またはRA1OC(O)NH−C(SCH3)(=NCOORG1)(ただし、RA1およびRG1はそれぞれ独立に、アルキル基を示す。)で表される化合物等が挙げられる。これらの環化反応剤は、市販品として、または公知の製造方法によって入手できる。
【0042】
Qが水素原子である場合の環化反応剤の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して1モル以上であるのが好ましく、1〜10000倍モルが特に好ましく、1〜1000モルがとりわけ好ましい。環化反応は、反応溶媒の存在下に実施するのが好ましい。また、環化反応剤が反応温度において液状である場合には、これを反応溶媒として作用させることもできる。環化反応剤を反応溶媒としても作用させる場合には、ジアミノ化合物(3H)に対する環化反応剤の量を1〜1000倍容量にするのが好ましく、特に5〜100倍容量にするのが好ましい。
【0043】
環化反応剤以外の溶媒を用いる場合の例としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶媒が挙げられる。該反応溶媒の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。
【0044】
環化反応の反応温度は0℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に50〜200℃が好ましい。環化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
Qが−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基を示す。)である環化反応剤の例としては、N,N’−ビスアルコキシカルボニル−S−アルキルイソチオウレア(たとえば、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレア等)が挙げられる。N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレアは公知の製造方法によって入手できる。たとえば、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレアは、2−メチル−2−チオシュードウレア硫酸塩とクロロギ酸メチルとを反応させることで合成できる。
【0045】
Qが−NHC(O)ORAである環化反応剤は、ジアミノ化合物(3H)に対して0.5〜10モル用いることが好ましい。この環化反応は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸や、塩酸、硫酸のような無機酸の存在下に実施してもよい。これら有機酸や無機酸は、ジアミノ化合物(3H)に対して、0.5〜10倍モル用いるのが好ましい。
【0046】
また、Qが−NHC(O)ORAである環化反応剤を用いた環化反応においては、反応溶媒を用いるのが好ましい。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびブタノール等のアルコール類、水、またはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。また反応溶媒としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、およびジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、およびこれらの非プロトン性溶媒から選ばれる2種以上の混合溶媒も挙げられる。また前記有機酸を反応溶媒として用いてもよい。
【0047】
反応溶媒を用いる場合の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に2〜100倍容量が好ましく、とりわけ5〜100倍容量が好ましい。反応溶媒が混合溶媒である場合の組成は任意であり、特に限定されない。
【0048】
環化反応の反応温度は、0℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に50〜200℃の温度が好ましい。環化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0049】
化合物(3H)は、下記方法1〜3のいずれかの方法で入手するのが好ましい。
方法1;化合物(2R)のアミノ基の脱保護反応を行って化合物(2H)とした後に還元してニトロ基をアミノ基に変換する方法。この方法1における化合物(2R)は、化合物(1H)のアミノ基を保護して化合物(1R)とした後に、ニトロ化することにより得るのが好ましい。
方法2;化合物(2R)のニトロ基を還元して化合物(3R)とした後に、該化合物(3R)のアミノ基の脱保護反応を行う方法、
方法3;化合物(1H)をニトロ化して化合物(2H)とした後に、ニトロ基を還元する方法。
方法1〜3における式中のR1およびR2は、反応の前後において変化はない。また、ベンゼン環に結合した−SF5基の結合位置も同一である。
【0050】
方法1において化合物(1R)をニトロ化して化合物(2R)を得る反応、方法3において化合物(1H)をニトロ化して化合物(3H)を得る反応、は、通常のニトロ化反応で実施できる。たとえば、濃度45%以上の硝酸または発煙硝酸と、濃度95%以上の硫酸または発煙硫酸との混酸を用いて行うニトロ化で実施するのが好ましく、特に95%濃硫酸と発煙硝酸との混酸を用いたニトロ化で実施するのが特に好ましい。混酸中の硝酸と硫酸の比は(1〜10):(10〜1)(容量比)が好ましく、特に(0.8〜1.2):(1.2〜0.8)(容量比)とするのが好ましい。また、化合物(1R)に対する混酸量は0.5〜100倍質量とするのが好ましい。ニトロ化反応の反応温度は、−20〜+120℃が好ましく、0〜100℃が特に好ましい。ニトロ化反応の反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0051】
方法1〜3におけるアミノ基の保護反応および脱保護反応工程は、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。
【0052】
また、方法1〜3における、ニトロ基の還元反応は、金属(たとえば、鉄、スズ等)と塩酸を用いる方法(還元法1)、金属触媒(ニッケル触媒、銅触媒、クロム触媒、パラジウム触媒)と水素を用いる方法(還元法2)、または硫化水素を用いる方法(還元法3)により行うのが好ましい。
【0053】
還元法1においては、塩酸として希塩酸を用いるのが好ましい。希塩酸の量は、ニトロ基を有する化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.5〜100倍質量が好ましく、特に1〜10倍質量が好ましい。希塩酸の濃度は0.5M〜5Mが好ましく、特に1〜3Mが好ましい。金属の量は、化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.2〜10倍モルが好ましく、特に1〜5倍モルが好ましい。還元法1の反応は、有機溶媒の存在下に実施できる。有機溶媒としては、エタノールやイソプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましい。有機溶媒の量は、塩酸に対して0.5〜10倍容量が好ましい。反応温度は、0℃〜100℃が好ましく、0℃〜25℃が特に好ましい。反応時間は0.05〜24時間が好ましい。反応圧力は大気圧が好ましい。
【0054】
還元法2においては、金属触媒を、化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.0001〜10倍質量用いるのが好ましい。上記の金属触媒は、金属成分が炭素やシリカゲル等に担持された金属担持触媒であってもよい。金属担持触媒中の金属成分の量は1〜50質量%が好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。水素の圧力は大気圧〜5MPa(ゲージ圧)が好ましい。反応温度は0℃〜50℃が好ましく、特に15〜30℃が好ましい。還元法2の反応は、有機溶媒の存在下に実施できる。該溶媒としては、エタノール、酢酸、水、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。反応溶媒の量は、化合物(2H)または化合物(2R)に対して1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜20倍容量が好ましい。
【0055】
ジアミノ化合物(3H)の環化で生成した化合物(4H)は、そのままを目的とする用途に用いてもよく、または、化合物(4H)のイミダゾール環を形成する窒素原子の置換反応を行ってもよい。たとえば、化合物(4H)と下記化合物(5)とを反応させて窒素原子上で置換反応を行い、化合物(4R)を生成させてもよい。ただし、R3は1価有機基を示し、Xは脱離基を示す。
【0056】
R3−X (5)
化合物(4R)のイミダゾール骨格中には、窒素原子が2個存在するが、置換反応後は、いずれかの窒素原子の一方に起こる。通常の場合には、化合物(4H)中の水素原子が結合した窒素原子に置換反応が起こった結果の生成物と、水素原子が結合していない窒素原子に置換反応が起こって二重結合が転移した生成物が位置異性体として生成しうる。
【0057】
化合物(4H)の置換反応は、まず化合物(4H)に塩基を作用させて、つぎに式(5)に示す化合物を反応させる方法で実施するのが好ましい。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましい。塩基の量は、化合物(4H)に対して0.5〜100倍モルが好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。また、化合物(5)の量は、化合物(4H)に対して0.5〜100倍モルが好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。
【0058】
化合物(4H)の置換反応は、反応溶媒の存在下に実施してもよい。反応溶媒としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒が好ましい。反応溶媒の量は化合物(4H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。反応温度は、−50℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に0℃〜200℃が好ましい。
【0059】
R3としては、置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が好ましく、特に置換されたリボフラノシル基が好ましく、糖の残基または水酸基が保護された糖の残基がとりわけ好ましい。たとえば、D−またはL−リボフラノシル基,D−またはL−2,3−ジデオキシリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボフラノシル基、D−またはL−2−デオキシリボフラノシル基、D−またはL−3−デオキシリボフラノシル基、D−またはL−アラビノフラノシル基、D−またはL−2−デオキシアラビノフラノシル基、D−またはL−3−デオキシアラビノフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−3−アジドリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2−チアリボフラノシル基等のような置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が挙げられる。これらの基において、1位の水素原子の向きは特に限定されず、α体、β体、α体とβ体の混合物、であってもよい。
【0060】
R3が糖の残基、または糖の残基中に水酸基が存在する場合の該水酸基が保護された基である場合の、化合物(4H)と化合物(5)との反応は、ヌクレオシドの合成の際に用いられる成書(核酸有機化学、池原森男他著、1979年、化学同人)等に記載される置換反応の条件を用いて実施するのが好ましい。
【0061】
たとえば、Xがハロゲン原子、アセトキシル基等である場合の置換反応は、酢酸水銀や塩化水銀のような触媒の存在下に、加熱する方法で実施するのが好ましい。また、Xがハロゲン原子の場合の置換反応は、銀トリフラートのような触媒を加えて反応させる方法で実施するのが好ましい。これらの方法における触媒の量は、化合物(5)に対して0.1〜10倍モルが好ましく、特に0.1〜1倍モルが好ましい。
【0062】
またXが水酸基の場合の置換反応は、トリ(n−ブチル)ホスフィンやトリフェニルホスフィンやトリ(O−トリル)ホスフィンと、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンによる反応系を用いて実施できる(Tetrahedron Letters,34,1639,1993)。トリ(n−ブチル)ホスフィンの量は、化合物(5)に対して1〜5倍モルが好ましい。1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンの量は、化合物(5)に対して1.1〜5.5倍モルが好ましい。該反応の下限は0℃とするのが好ましい。
【0063】
本発明の製造方法で得た化合物(4R)を含む反応生成物は、反応粗液を酸(塩酸、硫酸等。)、塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等。)、飽和食塩水、または水等による洗浄、またはこれらを組み合わせによる洗浄を行った後、必要に応じて反応溶媒を留去して生成物を得るのが好ましい。反応溶媒は、減圧下で留去するのが好ましい。また、溶媒を留去する際には、あらかじめ無水硫酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸マグネシウウム等の乾燥剤を必要に応じて加えるのが好ましい。また、生成物はシリカゲル等を用いたクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0064】
化合物(4R)が結晶化しうる化合物である場合には、適当な溶媒から再結晶する方法で精製してもよい。再結晶に使用する溶媒としては、通常の有機溶媒が使用でき、たとえばヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジオキサン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、tert−ブチルジメチルエーテル、トルエン、2−ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0065】
本発明によって得られるペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物は、生理活性物質として有用であり、医薬品や農薬等の原料として用いうる。本発明のペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物およびその薬理学的に有効な塩は、医薬品として、または医薬品の原体として有用な化合物である。薬理学的に有効な塩としては、イミダゾール部分と塩を作るような塩であり、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。また、これらの塩は水和物となっていてもよい。
【0066】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。また、ベンズイミダゾールに無置換の窒素原子が存在する場合は、ふたつの窒素原子のどちらに水素原子が置換していてもよく、下記式ではその代表例を示す。
【0067】
[実施例1](4−アセチルアミノ−3−ニトロフェニル)サルファーペンタフルオリド(2a)の合成例
【0068】
【化11】
【0069】
4−アセチルアミノサルファーペンタフルオリド(1a)(152mg,0.582mmol)を濃硫酸(1.5ml)に溶解した後、0℃で撹拌しながら発煙硝酸(1.5ml)を滴加した。10分間撹拌した後、蒸留水(4ml)を少しずつ加え、クロロホルム(10ml×1、5ml×1)で抽出した。有機層を合わせ、飽和重曹水(2ml×2)で洗浄し、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,9g、ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))にて精製し、式(2a)で表される化合物(142mg、収率81%)を無色固体として得た。
【0070】
FAB−MS(m/z):307[(M+1)+]、計算式:C8H7F5N2O3S。
融点:133−134℃(ヘキサン−アセトン、柱状晶)。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):2.30(3H,s),8.21(1H,dd,J=2.5 and 9.5Hz),8.57(1H,d,J=2.5Hz),8.76(1H,d,J=9.5Hz),10.24(1H,br s)。
【0071】
[実施例2](4−アミノ−3−ニトロフェニル)サルファーペンタフルオリド(2b)の合成例
【0072】
【化12】
【0073】
実施例1で合成した化合物(2a)(101mg、0.330mmol)をメタノール(3ml)に溶解した後、3Mの水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加えた。室温で24時間撹拌後、減圧下溶媒を留去した後、蒸留水(1ml)を加え、酢酸エチル(4mlで1回つぎに2mlで1回)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(1ml×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮乾固し、式(2b)で表される化合物(85.6mg、収率100%)を黄色固体として得た。
【0074】
FAB−MS(m/z):264[M+]、計算式:C6H5F5N2O2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):7.23(1H,d,J=9.5Hz),7.54(2H,br s),7.82(1H,dd,J=2.5 and 9.5Hz),8.50(1H,d,J=2.5Hz)。
【0075】
[実施例3](3,4−ジアミノフェニル)サルファーペンタフルオリド(3a)の合成例
【0076】
【化13】
【0077】
実施例2で合成した化合物(2b)(85.6mg,0.324mmol)をエタノール(2ml)に溶解した後、10%パラジウム−炭素(17mg)を加えた。水素雰囲気下、常圧で1時間激しく撹拌した。セライト濾過により触媒を除去した後、溶媒を減圧下留去し、式(3a)で表される化合物(74.8mg、収率100%)を無色固体として得た。
【0078】
FAB−MS(m/z):234[M+]、計算式:C6H7F5N2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.48(2H,br s),4.80(2H,br s),6.68(1H,d,J=9.0Hz),6.97(1H,dd,J=2.5 and 9.0Hz),7.14(1H,dd,J=2.5Hz)。
【0079】
[実施例4](5または6置換−トリフルオロサルファー)ベンズイミダゾール(4a)の合成例
【0080】
【化14】
【0081】
実施例3で合成した化合物(3a)(152mg、0.649mmol)をホルムアミド(3ml)に溶解した後、140℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に戻した後、蒸留水(6ml)を加え、トルエン(15ml×1)、トルエン−酢酸エチル(1:1,10ml×2)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(4ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、標記の化合物(4a)(156mg、収率100%)を無色固体として得た。ただし、式(4a)におけるF5S−基は、5位または6位に結合していることを意味する。
【0082】
FAB−MS(m/z):245[(M+H)+]、計算式:C7H5F5N2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):7.75(1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.79(1H,d,J=9.0Hz),8.19(1H,d,J=2.0Hz),8.40(1H,s)。
【0083】
[実施例5] 1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5a)、および1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−1β−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5b)の合成例
【0084】
【化15】
【0085】
2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシドの1α体と1β体の混合物(r3)(57.5mg,0.204mmol)をトルエン(1ml)に溶解し、実施例4で得た化合物(4a)(69.1mg、0.283mmol)とトリ(n−ブチル)ホスフィン(0.076ml、0.304mmol)を加えた。室温で撹拌しながら、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(77.0mg、0.305mmol)をトルエン(1ml)に溶解して加えた。80℃で3時間加熱した後、溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH、4g、ヘキサン−アセトン=3:1(体積比))にて精製して、1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5a)(39.2mg、収率38%、無色油状物)、1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−5−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5b)(14.7mg、収率14%、無色油状物)を得た。
【0086】
化合物(5a);
FAB−MS(m/z):509[(M+H)+]、計算式:C18H25F5N2O7S。
【0087】
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm):3.23−3.45(9H,m),3.75(β−1H,d,J=3.0Hz),3.85(β−1H,dd,J=2.5 and 11.0Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 11.0Hz),4.35−4.40(α−1H,β−1H,m),4.42−4.48(α−1H,β−1H,m),4.54(α−1H,d,J=7.0Hz),4.60−4.85(6H,m),6.13(β−1H,d,J=4.5Hz),6.31(α−1H,d,J=6.0Hz),7.74(β−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.78(α−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.86(β−1H,d,J=9.0Hz),7.92(α−1H,d,J=9.0Hz),8.02(α−1H,d,J=2.0Hz),8.25(β−1H,d,J=2.0Hz),8.55(β−1H,s),8.89(α−1H,s)。
【0088】
化合物(5b);
FAB−MS(m/z):509[(M+H)+]、計算式:C18H25F5N2O7S。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm):3.21−3.49(9H,m),3.81(β−1H,dd,J=2.5 and 11.5Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 11.5Hz),4.31−4.40(β−1H,m),4.41−4.48(β−2H,m),4.64−4.85(6H,m),6.13(β−1H,d,J=4.5Hz),6.31(α−1H,d,J=6.0Hz),7.61(α−1H,d,J=9.0Hz),7.72(β−1H,d,J=9.0Hz),7.76(β−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.81(α−1H,dd,J=2.0 and 9.5Hz),8.27(β−1H,d,J=2.0Hz),8.34(α−1H,d,J=2.0Hz),8.57(β−1H,s),8.94(α−1H,s)。
【0089】
[実施例6]1−(D−リボフラノシル)−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5c)の合成例
【0090】
【化16】
【0091】
実施例5で得た化合物(5a)(35.6mg,70.0mmol)を8%−塩化水素メタノール(1.1ml)に溶解し、50℃で5時間加熱した。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(BW−820MH,1.4g,クロロホルム−メタノール=6:1)にて精製し、化合物(5c)(24.6mg、収率85%)を塩酸塩(黄色油状物)として得た。
【0092】
FAB−MS(m/z):377[(M+H)+]、計算式:C12H13F5N2O4S・HCl。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):3.73(α−1H,dd,J=3.5 and 12.0Hz),3.82(α−1H,dd,J=3.5 and 12.0Hz),3.85(β−1H,dd,J=2.5and 12.0Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),4.30−4.34(α−1H,β−1H,m),4.35(β−1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.51(β−1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.54(α−1H,dd,J=3.5 and 6.0Hz),6.26(β−1H,d,J=4.5Hz),6.66(α−1H,d,J=6.0Hz),7.99−8.10(α−2H,m),8.11−8.17(β−2H,m),8.63(α−1H,br),8.92(β−1H,br),9.80(α−1H,br s),9.91(β−1H,br s)。
【0093】
[実施例7]1−(D−リボフラノシル)−5−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾール(5d)の合成例
【0094】
【化17】
【0095】
実施例5で得た化合物(5b)(29.5mg,58.0mmol)を8%−塩化水素メタノール(0.9ml)に溶解し、50℃で3時間加熱した。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(BW−820MH,1.2g、クロロホルム−メタノール=6:1)にて精製し、標掲化合物(16.1mg、収率67%)を塩酸塩(黄色油状物)として得た。回収した化合物は1β体であった。
【0096】
FAB−MS(m/z):377[(M+H)+]、計算式:C12H13F5N2O4S・HCl。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):3.84(1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),3.96(1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),4.30(1H,ddd,J=2.5,2.5 and 4.5Hz),4.34(1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.49(1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),6.27(1H,d,J=4.5Hz),8.11(1H,d,J=9.0Hz),8.40(1H,br),8.47(1H,br),10.4(1H,br s)。
【0097】
[実施例8]抗癌活性評価(in vitro)
実施例6で得た化合物(5c)および実施例7で得た化合物(5d)の抗癌活性評価を行った。癌細胞としてHL−60(ATCC CCL−240)を用い、化合物をそれぞれジメチルスルホキシド(DMSO)で、0.1、1、10、100μMに調整したものをサンプルとした。培養液としてRPMI 1640、80%、ウシ胎児血清、20%を、またAntibioticAntimycotic1%を加え、5%CO2雰囲気下、37℃で培養し、24時間後の増殖阻害率をalamarBlueを用いた蛍光法により測定した。その結果、化合物(5c)の50%の増殖抑制濃度は20μMであり、化合物(5d)においては79μMであった。
【0098】
[実施例9](5または6置換トリフルオロサルファー)ベンズイミダゾール−2−メチルカーバメートの合成例
【0099】
【化18】
【0100】
参考例3で合成した化合物(30.1mg、0.129mmol)をエタノール(0.6ml)に溶解し、蒸留水(0.6ml)および酢酸(0.0085ml、0.148mmol)を加えた。ここに、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレア(26.6mg、0.129mmol)を加え、70℃で5時間撹拌した。析出物を濾過し、蒸留水(1mlで2回)および蒸留水−エタノール(1:1混合物の1mlを2回)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥し、標掲化合物(31.2mg、収率76%)を無色固体として得た。ただし、生成物の式中のF5S−基は5位または6位に置換していることを意味する。
【0101】
FAB−MS(m/z):318[(M+1)+]、計算式:C9H8F5N3O2S。
融点:217−219℃(N,N−ジメチルホルムアミド−エタノール=10:1)。
1H−NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6)δ(ppm):3.79(3H、s),7.54(1H、d、J=8.5Hz),7.60(1H、dd、J=2.0 & 8.5Hz),7.91(1H、br s),11.57(1H、br s),12.57(1H、br s)。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、ペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物をニトロ化し、還元反応によりジアミノ化合物を得、次いで環化反応および窒素原子上での置換反応によってペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を効率良く製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物の製造方法および該製造方法における新規な中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】
複素環に含フッ素基が置換した含フッ素複素環式化合物は、種々の生理活性が期待できることから、医薬品や農薬としての研究開発がなされている。このうちアリール基に−SF5が結合した化合物の製造方法としては、アリールジスルフィドをフッ素ガスと反応させ、アリール(サルファートリフルオリド)とした後、さらにフッ素ガスと反応させてアリール(サルファーペンタフルオリド)を得る方法が提案されている(Tetrahedron,56(21),3399−3408,2000)。
【0003】
また、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基が置換した化合物において、該アミノ基のαおよびα’位をハロゲン化した化合物を農薬として評価した例が報告されている(GB2276381、WO9856767、WO9828277)。しかし、−SF5基を有するベンズイミダゾール化合物を効率的に製造する方法の例は報告されていなかった。
【0004】
一方、抗癌活性を有する化合物として2−メトキシカルボニルアミノベンズイミダゾール(US5767138)が報告されているが、該化合物は生体内でベンゼン環における5位の水素原子がヒドロキシル化されると、抗癌活性がなくなることが報告されている。そこで、ヒドロキシル化を阻止するために、フッ素化した2−メトキシカルボニルアミノ−4,5,6,7−テトラフルオロベンズイミダゾール等の含フッ素ベンズイミダゾール誘導体が報告されており(WO0183457)、その抗癌作用が維持される報告がされている。
【0005】
そこで本発明者らは、ベンズイミダゾール骨格の5位に−SF5基を導入した構造の化合物は、−SF5基の電気的な性質と−SF5基の嵩高さによってヒドロキシル化を阻害すると確信し、従来の方法にならって該化合物を製造しようとしたが、該化合物の収率はきわめて低く、製造は困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アミノ置換アリール(サルファートリフルオリド)を用いて生理活性物質として有用なペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を製造する新たな方法、および該方法で製造された新規化合物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ニトロ置換アリール(サルファートリフルオリド)を還元して反応によりジアミノ化合物を得、次いで環化反応および窒素原子上での置換反応をさせることにより下式ペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を容易に製造できることを見いだした。
【0008】
すなわち本発明は下式(3H)で表されるジアミノ化合物を式QCY1Y2Y3で表される環化反応剤と反応させることによって環化することを特徴とする下式(4H)で表される化合物の製造方法を提供する。
【0009】
【化7】
【0010】
(ただし、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立に、−NRBRC、−ORD、または−SRE(ただし、RB、RC、RD、およびREはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価有機基を示す。)を示し、または、Y1、Y2、およびY3から選ばれる2つは共同で、=O、=S、または=N−RG(ただし、=は炭素原子と2重結合を形成していることを示し、RGは水素原子または1価有機基を示す。)を形成していてもよい。
−W−部分は−NH−C(Q)=N−(Qは前記と同じ意味を示す。)で表される2価の基であることを示し、該2価の基の向きは限定されない。)。
【0011】
また、本発明は下記の新規化合物を提供する。
【0012】
【化8】
【0013】
(ただし、R10、R20は、それぞれ独立にメトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基を示す。または−NR10R20部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。
Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。
R30は水素原子または置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)。
【0014】
さらに、式(4R’)で表されるペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物またはその薬理学的に有効な塩を有効成分とする医薬を提供する。
【0015】
【化9】
【0016】
(ただし、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。
R30は水素原子または置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)。
【0017】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、式(1H)で表される化合物を、化合物(1H)と記す。他の式で表される化合物おいても同様である。
本明細書におけるアルキル基の炭素数は1〜20の基が好ましく、炭素数は1〜10が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
【0018】
本明細書における置換されたアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。1価置換基としては、置換されていてもよいアリール基以外の基から選択され、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいベンジルオキシ基、アルケニル基で置換されたアルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。1価置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、またはアルコキシ基が好ましい。
【0019】
置換されたアルキル基の例としては、2−フルオロエチル基、4−フルオロブチル基、2−(2−フルオロエチル)ブチル基、フェノキシメチル基、p−フルオロフェノキシメチル基、p−ニトロフェノキシメチル基、メトキシメチル基、(1−エトキシ)エトキシメチル基、4−ベンジルオキシメチル基、6−ベンジルオキシヘキシル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロブチル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロブチル基が好ましい。
【0020】
本明細書におけるヘテロ原子を含むアルキル基としては、アルキル基の結合末端またはアルキル基の炭素−炭素原子間に、酸素原子、窒素原子またはイオウ原子等のヘテロ原子が結合したアルキル基が好ましく、上記アルキル基の結合末端に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が結合した基が特に好ましく、アルコキシ基がとりわけ好ましい。
【0021】
アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、およびエイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0022】
本明細書における置換された(ヘテロ原子を含むアルキル)基としては、上記アルコキシ基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。
【0023】
本明細書におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10の基が好ましく、炭素数3〜8の基が特に好ましい。アルケニル基の例としては、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−オクテニル基、4−オクテニル基等が挙げられる。
【0024】
本明細書における置換されたアルケニル基としては、上記アルケニル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。置換されたアルケニル基の例としては、2−フルオロ−2−ブテニル基、3−フルオロ−2−ブテニル基、4−ベンジルオキシ−2−ブテニル基、6−ベンジルオキシ4−ヘキセニル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロ−2−ブテニル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−ブテニル基、3−ヒドルオキシメチル−4−ヒドルオキシ2−オキソブチル基、(1S)−、または(1R)−1−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ−2−オキソブチル基などが挙げられる。
【0025】
本明細書におけるシクロアルキル基としては、環部分が炭素数3〜12であるシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、およびシクロドデシル基等が挙げられる。
【0026】
本明細書における置換されたシクロアルキル基としては、上記シクロアルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基および炭素数1〜8の直鎖状または炭素数1〜8の分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、ハロゲン原子が好ましい。置換されたシクロアルキル基の例としては、2−フルオロシクロプロピル基、3−フルオロシクロブチル基、3−クロロシクロブチル基、3−フルオロシクロペンチル基、(4S)−または(4R)−4−ヒドロキシメチルシクロペンチル基等が挙げられる。
【0027】
本明細書における置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基としては、上記置換されたシクロアルキル基の炭素−炭素結合の間に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が挿入された基が好ましく、アルキル基で置換されたシクロアルキル基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基が特に好ましく、特に置換された(リボフラノシル基)が好ましい。置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基の例は、後述するR3の具体例に示す基が挙げられる。
【0028】
本明細書におけるアルアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、およびトリチル基等が挙げられる。
本明細書における置換されたアルアルキル基としては、上記アルアルキル基の水素原子の1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基としては、置換されたアルキル基における1価置換基と同様の基が挙げられる。置換されたアルアルキル基としては、ハロゲン化アルアルキル基が好ましい。アルアルキル基、置換されたアルアルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−フルオロベンジル基が特に好ましい。
【0029】
本明細書におけるアリール基において、アリール基とは芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた基であり、たとえばフェニル基およびナフチル基(たとえば、2−ナフチル基、3−ナフチル基等。)が例示される。
【0030】
置換されたアリール基としては、アリール基の水素原子1個以上が1価置換基で置換された基が好ましい。該1価置換基の例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子が好ましい。本明細書における置換されたアリール基としては、p−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−トリルフェニル基、4−ビフェニル基等が挙げられる。
【0031】
本明細書において、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。RAがアルキル基である場合の炭素数は1〜10が好ましく、炭素数は1〜4が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。RAとしては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0032】
Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立に、−NRBRC、−ORD、または−SRE(ただし、RB、RC、RD、およびREはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価有機基を示す。)を示し、または、Y1、Y2、およびY3から選ばれる2つは共同で、=O、=S、または=N−RG(ただし、=は炭素原子と2重結合を形成していることを示し、RGは水素原子または1価有機基を示す。)を形成していてもよい。
【0033】
R3は1価有機基を示し、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基が好ましく、置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が好ましい。
【0034】
RB、RC、RD、RE、およびRGが、それぞれ1価有機基である場合には、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよい(ヘテロ原子を含むアルケニル基)、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよい(ヘテロ原子を含むシクロアルキル基)、置換されていてもよいアルアルキル基、または置換されていてもよいアリール基、アルコキシカルボニル基、アルコキシチオカルボニル基、アシル基、アミド基、アルキル置換アミド基等が好ましい。ここで、アルコキシカルボニル基、アルコキシチオカルボニル基、アシル基、アルキル置換アミド基におけるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
【0035】
RAおよびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を示す。または、−NRAR2部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。アミノ基の保護基としては公知の文献または成書(T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wily&Sons,1981等)に記載される基が採用でき、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、アリルオキシカルボニル基(Aoc基)、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基が好ましい。
【0036】
Xは脱離基を示す。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、トシルオキシ基、イミダゾリルスルホニルオキシ基、水酸基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルチオ基等が好ましい。
【0037】
本発明の製造方法の概要は下式で示されうる。以下、該式に則して説明する。ただし、本発明は以下の式に限定されない。
【0038】
【化10】
【0039】
上記の式中のF5S−で示す基は、ベンゼン環を形成する炭素原子のうち、置換可能な4つの炭素原子のいずれか1つに結合していることを意味する。また、反応の前後においてF5S−基のベンゼン環への結合位置は、変化しない。すなわち、本発明の製造方法における反応では、F5S−基の転移反応は起こらない。たとえば、化合物(1R)を化合物(2R)に変換する反応、化合物(2R)を化合物(2H)に変換する反応においては、F5S−基のベンゼン環への結合位置は変化しない。
【0040】
しかし、後述する環化反応では、ピロール環における二重結合の転移反応が起こり、2種の位置異性体が生成しうるため、環化反応の生成物(4H)において、−W−部分に相当する2価の基(−NH−C(Q)=N−)の向きは限定されない。通常の環化反応の反応条件下では、−NH−C(Q)=N−部分の、左右の向きが異なる2種の生成物が生成する。同様に、−WR−部分に該当する−NR3−C(Q)=N−(ただし、R3は1価有機基を示し、Qは前記と同じ意味を示す。)で表される2価の基の向きも限定されない。後述する窒素原子の置換反応では、−NR3−C(Q)=N−の向きが異なる2種の生成物が生成する。
【0041】
本発明の製造方法においては、まず、ジアミノ化合物(3H)を、式CQY1Y2Y3で表される環化反応剤と反応させて環化することによって化合物(4H)を得る。
Qが水素原子である式CQY1Y2Y3で表される環化反応剤の例としては、HCONH2、HC(O)NH(CH3)、HC(O)N(CH3)2、HC(OCH3)3、HC(OCH2CH2CH3)3、HC(=NH)NH2、またはRA1OC(O)NH−C(SCH3)(=NCOORG1)(ただし、RA1およびRG1はそれぞれ独立に、アルキル基を示す。)で表される化合物等が挙げられる。これらの環化反応剤は、市販品として、または公知の製造方法によって入手できる。
【0042】
Qが水素原子である場合の環化反応剤の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して1モル以上であるのが好ましく、1〜10000倍モルが特に好ましく、1〜1000モルがとりわけ好ましい。環化反応は、反応溶媒の存在下に実施するのが好ましい。また、環化反応剤が反応温度において液状である場合には、これを反応溶媒として作用させることもできる。環化反応剤を反応溶媒としても作用させる場合には、ジアミノ化合物(3H)に対する環化反応剤の量を1〜1000倍容量にするのが好ましく、特に5〜100倍容量にするのが好ましい。
【0043】
環化反応剤以外の溶媒を用いる場合の例としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性溶媒が挙げられる。該反応溶媒の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。
【0044】
環化反応の反応温度は0℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に50〜200℃が好ましい。環化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
Qが−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基を示す。)である環化反応剤の例としては、N,N’−ビスアルコキシカルボニル−S−アルキルイソチオウレア(たとえば、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレア等)が挙げられる。N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレアは公知の製造方法によって入手できる。たとえば、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレアは、2−メチル−2−チオシュードウレア硫酸塩とクロロギ酸メチルとを反応させることで合成できる。
【0045】
Qが−NHC(O)ORAである環化反応剤は、ジアミノ化合物(3H)に対して0.5〜10モル用いることが好ましい。この環化反応は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸や、塩酸、硫酸のような無機酸の存在下に実施してもよい。これら有機酸や無機酸は、ジアミノ化合物(3H)に対して、0.5〜10倍モル用いるのが好ましい。
【0046】
また、Qが−NHC(O)ORAである環化反応剤を用いた環化反応においては、反応溶媒を用いるのが好ましい。反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびブタノール等のアルコール類、水、またはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。また反応溶媒としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、およびジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒、およびこれらの非プロトン性溶媒から選ばれる2種以上の混合溶媒も挙げられる。また前記有機酸を反応溶媒として用いてもよい。
【0047】
反応溶媒を用いる場合の量は、ジアミノ化合物(3H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に2〜100倍容量が好ましく、とりわけ5〜100倍容量が好ましい。反応溶媒が混合溶媒である場合の組成は任意であり、特に限定されない。
【0048】
環化反応の反応温度は、0℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に50〜200℃の温度が好ましい。環化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0049】
化合物(3H)は、下記方法1〜3のいずれかの方法で入手するのが好ましい。
方法1;化合物(2R)のアミノ基の脱保護反応を行って化合物(2H)とした後に還元してニトロ基をアミノ基に変換する方法。この方法1における化合物(2R)は、化合物(1H)のアミノ基を保護して化合物(1R)とした後に、ニトロ化することにより得るのが好ましい。
方法2;化合物(2R)のニトロ基を還元して化合物(3R)とした後に、該化合物(3R)のアミノ基の脱保護反応を行う方法、
方法3;化合物(1H)をニトロ化して化合物(2H)とした後に、ニトロ基を還元する方法。
方法1〜3における式中のR1およびR2は、反応の前後において変化はない。また、ベンゼン環に結合した−SF5基の結合位置も同一である。
【0050】
方法1において化合物(1R)をニトロ化して化合物(2R)を得る反応、方法3において化合物(1H)をニトロ化して化合物(3H)を得る反応、は、通常のニトロ化反応で実施できる。たとえば、濃度45%以上の硝酸または発煙硝酸と、濃度95%以上の硫酸または発煙硫酸との混酸を用いて行うニトロ化で実施するのが好ましく、特に95%濃硫酸と発煙硝酸との混酸を用いたニトロ化で実施するのが特に好ましい。混酸中の硝酸と硫酸の比は(1〜10):(10〜1)(容量比)が好ましく、特に(0.8〜1.2):(1.2〜0.8)(容量比)とするのが好ましい。また、化合物(1R)に対する混酸量は0.5〜100倍質量とするのが好ましい。ニトロ化反応の反応温度は、−20〜+120℃が好ましく、0〜100℃が特に好ましい。ニトロ化反応の反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0051】
方法1〜3におけるアミノ基の保護反応および脱保護反応工程は、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。
【0052】
また、方法1〜3における、ニトロ基の還元反応は、金属(たとえば、鉄、スズ等)と塩酸を用いる方法(還元法1)、金属触媒(ニッケル触媒、銅触媒、クロム触媒、パラジウム触媒)と水素を用いる方法(還元法2)、または硫化水素を用いる方法(還元法3)により行うのが好ましい。
【0053】
還元法1においては、塩酸として希塩酸を用いるのが好ましい。希塩酸の量は、ニトロ基を有する化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.5〜100倍質量が好ましく、特に1〜10倍質量が好ましい。希塩酸の濃度は0.5M〜5Mが好ましく、特に1〜3Mが好ましい。金属の量は、化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.2〜10倍モルが好ましく、特に1〜5倍モルが好ましい。還元法1の反応は、有機溶媒の存在下に実施できる。有機溶媒としては、エタノールやイソプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましい。有機溶媒の量は、塩酸に対して0.5〜10倍容量が好ましい。反応温度は、0℃〜100℃が好ましく、0℃〜25℃が特に好ましい。反応時間は0.05〜24時間が好ましい。反応圧力は大気圧が好ましい。
【0054】
還元法2においては、金属触媒を、化合物(2H)または化合物(2R)に対して0.0001〜10倍質量用いるのが好ましい。上記の金属触媒は、金属成分が炭素やシリカゲル等に担持された金属担持触媒であってもよい。金属担持触媒中の金属成分の量は1〜50質量%が好ましく、5〜10質量%が特に好ましい。水素の圧力は大気圧〜5MPa(ゲージ圧)が好ましい。反応温度は0℃〜50℃が好ましく、特に15〜30℃が好ましい。還元法2の反応は、有機溶媒の存在下に実施できる。該溶媒としては、エタノール、酢酸、水、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられ、特にエタノールが好ましい。反応溶媒の量は、化合物(2H)または化合物(2R)に対して1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜20倍容量が好ましい。
【0055】
ジアミノ化合物(3H)の環化で生成した化合物(4H)は、そのままを目的とする用途に用いてもよく、または、化合物(4H)のイミダゾール環を形成する窒素原子の置換反応を行ってもよい。たとえば、化合物(4H)と下記化合物(5)とを反応させて窒素原子上で置換反応を行い、化合物(4R)を生成させてもよい。ただし、R3は1価有機基を示し、Xは脱離基を示す。
【0056】
R3−X (5)
化合物(4R)のイミダゾール骨格中には、窒素原子が2個存在するが、置換反応後は、いずれかの窒素原子の一方に起こる。通常の場合には、化合物(4H)中の水素原子が結合した窒素原子に置換反応が起こった結果の生成物と、水素原子が結合していない窒素原子に置換反応が起こって二重結合が転移した生成物が位置異性体として生成しうる。
【0057】
化合物(4H)の置換反応は、まず化合物(4H)に塩基を作用させて、つぎに式(5)に示す化合物を反応させる方法で実施するのが好ましい。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好ましい。塩基の量は、化合物(4H)に対して0.5〜100倍モルが好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。また、化合物(5)の量は、化合物(4H)に対して0.5〜100倍モルが好ましく、特に1〜10倍モルが好ましい。
【0058】
化合物(4H)の置換反応は、反応溶媒の存在下に実施してもよい。反応溶媒としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの非プロトン性溶媒が好ましい。反応溶媒の量は化合物(4H)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。反応温度は、−50℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に0℃〜200℃が好ましい。
【0059】
R3としては、置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が好ましく、特に置換されたリボフラノシル基が好ましく、糖の残基または水酸基が保護された糖の残基がとりわけ好ましい。たとえば、D−またはL−リボフラノシル基,D−またはL−2,3−ジデオキシリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2,3−ジデヒドロリボフラノシル基、D−またはL−2−デオキシリボフラノシル基、D−またはL−3−デオキシリボフラノシル基、D−またはL−アラビノフラノシル基、D−またはL−2−デオキシアラビノフラノシル基、D−またはL−3−デオキシアラビノフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−3−フルオロリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2−フルオロアラビノフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−3−アジドリボフラノシル基、D−またはL−2,3−ジデオキシ−2−チアリボフラノシル基等のような置換された(ヘテロ原子を含むシクロアルキル)基が挙げられる。これらの基において、1位の水素原子の向きは特に限定されず、α体、β体、α体とβ体の混合物、であってもよい。
【0060】
R3が糖の残基、または糖の残基中に水酸基が存在する場合の該水酸基が保護された基である場合の、化合物(4H)と化合物(5)との反応は、ヌクレオシドの合成の際に用いられる成書(核酸有機化学、池原森男他著、1979年、化学同人)等に記載される置換反応の条件を用いて実施するのが好ましい。
【0061】
たとえば、Xがハロゲン原子、アセトキシル基等である場合の置換反応は、酢酸水銀や塩化水銀のような触媒の存在下に、加熱する方法で実施するのが好ましい。また、Xがハロゲン原子の場合の置換反応は、銀トリフラートのような触媒を加えて反応させる方法で実施するのが好ましい。これらの方法における触媒の量は、化合物(5)に対して0.1〜10倍モルが好ましく、特に0.1〜1倍モルが好ましい。
【0062】
またXが水酸基の場合の置換反応は、トリ(n−ブチル)ホスフィンやトリフェニルホスフィンやトリ(O−トリル)ホスフィンと、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンによる反応系を用いて実施できる(Tetrahedron Letters,34,1639,1993)。トリ(n−ブチル)ホスフィンの量は、化合物(5)に対して1〜5倍モルが好ましい。1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジンの量は、化合物(5)に対して1.1〜5.5倍モルが好ましい。該反応の下限は0℃とするのが好ましい。
【0063】
本発明の製造方法で得た化合物(4R)を含む反応生成物は、反応粗液を酸(塩酸、硫酸等。)、塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等。)、飽和食塩水、または水等による洗浄、またはこれらを組み合わせによる洗浄を行った後、必要に応じて反応溶媒を留去して生成物を得るのが好ましい。反応溶媒は、減圧下で留去するのが好ましい。また、溶媒を留去する際には、あらかじめ無水硫酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸マグネシウウム等の乾燥剤を必要に応じて加えるのが好ましい。また、生成物はシリカゲル等を用いたクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0064】
化合物(4R)が結晶化しうる化合物である場合には、適当な溶媒から再結晶する方法で精製してもよい。再結晶に使用する溶媒としては、通常の有機溶媒が使用でき、たとえばヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジオキサン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、tert−ブチルジメチルエーテル、トルエン、2−ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0065】
本発明によって得られるペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物は、生理活性物質として有用であり、医薬品や農薬等の原料として用いうる。本発明のペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物およびその薬理学的に有効な塩は、医薬品として、または医薬品の原体として有用な化合物である。薬理学的に有効な塩としては、イミダゾール部分と塩を作るような塩であり、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。また、これらの塩は水和物となっていてもよい。
【0066】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。また、ベンズイミダゾールに無置換の窒素原子が存在する場合は、ふたつの窒素原子のどちらに水素原子が置換していてもよく、下記式ではその代表例を示す。
【0067】
[実施例1](4−アセチルアミノ−3−ニトロフェニル)サルファーペンタフルオリド(2a)の合成例
【0068】
【化11】
【0069】
4−アセチルアミノサルファーペンタフルオリド(1a)(152mg,0.582mmol)を濃硫酸(1.5ml)に溶解した後、0℃で撹拌しながら発煙硝酸(1.5ml)を滴加した。10分間撹拌した後、蒸留水(4ml)を少しずつ加え、クロロホルム(10ml×1、5ml×1)で抽出した。有機層を合わせ、飽和重曹水(2ml×2)で洗浄し、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,9g、ヘキサン:酢酸エチル=3:1(体積比))にて精製し、式(2a)で表される化合物(142mg、収率81%)を無色固体として得た。
【0070】
FAB−MS(m/z):307[(M+1)+]、計算式:C8H7F5N2O3S。
融点:133−134℃(ヘキサン−アセトン、柱状晶)。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):2.30(3H,s),8.21(1H,dd,J=2.5 and 9.5Hz),8.57(1H,d,J=2.5Hz),8.76(1H,d,J=9.5Hz),10.24(1H,br s)。
【0071】
[実施例2](4−アミノ−3−ニトロフェニル)サルファーペンタフルオリド(2b)の合成例
【0072】
【化12】
【0073】
実施例1で合成した化合物(2a)(101mg、0.330mmol)をメタノール(3ml)に溶解した後、3Mの水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加えた。室温で24時間撹拌後、減圧下溶媒を留去した後、蒸留水(1ml)を加え、酢酸エチル(4mlで1回つぎに2mlで1回)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(1ml×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮乾固し、式(2b)で表される化合物(85.6mg、収率100%)を黄色固体として得た。
【0074】
FAB−MS(m/z):264[M+]、計算式:C6H5F5N2O2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):7.23(1H,d,J=9.5Hz),7.54(2H,br s),7.82(1H,dd,J=2.5 and 9.5Hz),8.50(1H,d,J=2.5Hz)。
【0075】
[実施例3](3,4−ジアミノフェニル)サルファーペンタフルオリド(3a)の合成例
【0076】
【化13】
【0077】
実施例2で合成した化合物(2b)(85.6mg,0.324mmol)をエタノール(2ml)に溶解した後、10%パラジウム−炭素(17mg)を加えた。水素雰囲気下、常圧で1時間激しく撹拌した。セライト濾過により触媒を除去した後、溶媒を減圧下留去し、式(3a)で表される化合物(74.8mg、収率100%)を無色固体として得た。
【0078】
FAB−MS(m/z):234[M+]、計算式:C6H7F5N2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.48(2H,br s),4.80(2H,br s),6.68(1H,d,J=9.0Hz),6.97(1H,dd,J=2.5 and 9.0Hz),7.14(1H,dd,J=2.5Hz)。
【0079】
[実施例4](5または6置換−トリフルオロサルファー)ベンズイミダゾール(4a)の合成例
【0080】
【化14】
【0081】
実施例3で合成した化合物(3a)(152mg、0.649mmol)をホルムアミド(3ml)に溶解した後、140℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に戻した後、蒸留水(6ml)を加え、トルエン(15ml×1)、トルエン−酢酸エチル(1:1,10ml×2)で抽出した。有機層を合わせ、蒸留水(4ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、標記の化合物(4a)(156mg、収率100%)を無色固体として得た。ただし、式(4a)におけるF5S−基は、5位または6位に結合していることを意味する。
【0082】
FAB−MS(m/z):245[(M+H)+]、計算式:C7H5F5N2S。
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):7.75(1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.79(1H,d,J=9.0Hz),8.19(1H,d,J=2.0Hz),8.40(1H,s)。
【0083】
[実施例5] 1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5a)、および1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−1β−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5b)の合成例
【0084】
【化15】
【0085】
2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシドの1α体と1β体の混合物(r3)(57.5mg,0.204mmol)をトルエン(1ml)に溶解し、実施例4で得た化合物(4a)(69.1mg、0.283mmol)とトリ(n−ブチル)ホスフィン(0.076ml、0.304mmol)を加えた。室温で撹拌しながら、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(77.0mg、0.305mmol)をトルエン(1ml)に溶解して加えた。80℃で3時間加熱した後、溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH、4g、ヘキサン−アセトン=3:1(体積比))にて精製して、1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5a)(39.2mg、収率38%、無色油状物)、1−[(2,3,5−トリ−O−(メトキシメチル)−D−リボフラノシル)]−5−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5b)(14.7mg、収率14%、無色油状物)を得た。
【0086】
化合物(5a);
FAB−MS(m/z):509[(M+H)+]、計算式:C18H25F5N2O7S。
【0087】
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm):3.23−3.45(9H,m),3.75(β−1H,d,J=3.0Hz),3.85(β−1H,dd,J=2.5 and 11.0Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 11.0Hz),4.35−4.40(α−1H,β−1H,m),4.42−4.48(α−1H,β−1H,m),4.54(α−1H,d,J=7.0Hz),4.60−4.85(6H,m),6.13(β−1H,d,J=4.5Hz),6.31(α−1H,d,J=6.0Hz),7.74(β−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.78(α−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.86(β−1H,d,J=9.0Hz),7.92(α−1H,d,J=9.0Hz),8.02(α−1H,d,J=2.0Hz),8.25(β−1H,d,J=2.0Hz),8.55(β−1H,s),8.89(α−1H,s)。
【0088】
化合物(5b);
FAB−MS(m/z):509[(M+H)+]、計算式:C18H25F5N2O7S。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ(ppm):3.21−3.49(9H,m),3.81(β−1H,dd,J=2.5 and 11.5Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 11.5Hz),4.31−4.40(β−1H,m),4.41−4.48(β−2H,m),4.64−4.85(6H,m),6.13(β−1H,d,J=4.5Hz),6.31(α−1H,d,J=6.0Hz),7.61(α−1H,d,J=9.0Hz),7.72(β−1H,d,J=9.0Hz),7.76(β−1H,dd,J=2.0 and 9.0Hz),7.81(α−1H,dd,J=2.0 and 9.5Hz),8.27(β−1H,d,J=2.0Hz),8.34(α−1H,d,J=2.0Hz),8.57(β−1H,s),8.94(α−1H,s)。
【0089】
[実施例6]1−(D−リボフラノシル)−6−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾールの1α体と1β体の混合物(5c)の合成例
【0090】
【化16】
【0091】
実施例5で得た化合物(5a)(35.6mg,70.0mmol)を8%−塩化水素メタノール(1.1ml)に溶解し、50℃で5時間加熱した。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(BW−820MH,1.4g,クロロホルム−メタノール=6:1)にて精製し、化合物(5c)(24.6mg、収率85%)を塩酸塩(黄色油状物)として得た。
【0092】
FAB−MS(m/z):377[(M+H)+]、計算式:C12H13F5N2O4S・HCl。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):3.73(α−1H,dd,J=3.5 and 12.0Hz),3.82(α−1H,dd,J=3.5 and 12.0Hz),3.85(β−1H,dd,J=2.5and 12.0Hz),3.96(β−1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),4.30−4.34(α−1H,β−1H,m),4.35(β−1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.51(β−1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.54(α−1H,dd,J=3.5 and 6.0Hz),6.26(β−1H,d,J=4.5Hz),6.66(α−1H,d,J=6.0Hz),7.99−8.10(α−2H,m),8.11−8.17(β−2H,m),8.63(α−1H,br),8.92(β−1H,br),9.80(α−1H,br s),9.91(β−1H,br s)。
【0093】
[実施例7]1−(D−リボフラノシル)−5−(ペンタフルオロサルファー)ベンズイミダゾール(5d)の合成例
【0094】
【化17】
【0095】
実施例5で得た化合物(5b)(29.5mg,58.0mmol)を8%−塩化水素メタノール(0.9ml)に溶解し、50℃で3時間加熱した。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(BW−820MH,1.2g、クロロホルム−メタノール=6:1)にて精製し、標掲化合物(16.1mg、収率67%)を塩酸塩(黄色油状物)として得た。回収した化合物は1β体であった。
【0096】
FAB−MS(m/z):377[(M+H)+]、計算式:C12H13F5N2O4S・HCl。
1H−NMR(600MHz,CD3OD)δ(ppm):3.84(1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),3.96(1H,dd,J=2.5 and 12.0Hz),4.30(1H,ddd,J=2.5,2.5 and 4.5Hz),4.34(1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),4.49(1H,dd,J=4.5 and 4.5Hz),6.27(1H,d,J=4.5Hz),8.11(1H,d,J=9.0Hz),8.40(1H,br),8.47(1H,br),10.4(1H,br s)。
【0097】
[実施例8]抗癌活性評価(in vitro)
実施例6で得た化合物(5c)および実施例7で得た化合物(5d)の抗癌活性評価を行った。癌細胞としてHL−60(ATCC CCL−240)を用い、化合物をそれぞれジメチルスルホキシド(DMSO)で、0.1、1、10、100μMに調整したものをサンプルとした。培養液としてRPMI 1640、80%、ウシ胎児血清、20%を、またAntibioticAntimycotic1%を加え、5%CO2雰囲気下、37℃で培養し、24時間後の増殖阻害率をalamarBlueを用いた蛍光法により測定した。その結果、化合物(5c)の50%の増殖抑制濃度は20μMであり、化合物(5d)においては79μMであった。
【0098】
[実施例9](5または6置換トリフルオロサルファー)ベンズイミダゾール−2−メチルカーバメートの合成例
【0099】
【化18】
【0100】
参考例3で合成した化合物(30.1mg、0.129mmol)をエタノール(0.6ml)に溶解し、蒸留水(0.6ml)および酢酸(0.0085ml、0.148mmol)を加えた。ここに、N,N’−ビスメトキシカルボニル−S−メチルイソチオウレア(26.6mg、0.129mmol)を加え、70℃で5時間撹拌した。析出物を濾過し、蒸留水(1mlで2回)および蒸留水−エタノール(1:1混合物の1mlを2回)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥し、標掲化合物(31.2mg、収率76%)を無色固体として得た。ただし、生成物の式中のF5S−基は5位または6位に置換していることを意味する。
【0101】
FAB−MS(m/z):318[(M+1)+]、計算式:C9H8F5N3O2S。
融点:217−219℃(N,N−ジメチルホルムアミド−エタノール=10:1)。
1H−NMR(400MHz、ジメチルスルホキシド−d6)δ(ppm):3.79(3H、s),7.54(1H、d、J=8.5Hz),7.60(1H、dd、J=2.0 & 8.5Hz),7.91(1H、br s),11.57(1H、br s),12.57(1H、br s)。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、ペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物をニトロ化し、還元反応によりジアミノ化合物を得、次いで環化反応および窒素原子上での置換反応によってペンタフルオロサルファー置換ベンズイミダゾール化合物を効率良く製造することができる。
Claims (7)
- 下式(3H)で表されるジアミノ化合物を式QCY1Y2Y3で表される環化反応剤と反応させることによって環化することを特徴とする下式(4H)で表される化合物の製造方法。
(ただし、Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。Y1、Y2、およびY3は、それぞれ独立に、−NRBRC、−ORD、または−SRE(ただし、RB、RC、RD、およびREはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子または1価有機基を示す。)を示し、または、Y1、Y2、およびY3から選ばれる2つは共同で、=O、=S、または=N−RG(ただし、=は炭素原子と2重結合を形成していることを示し、RGは水素原子または1価有機基を示す。)を形成していてもよい。
−W−部分は−NH−C(Q)=N−(Qは前記と同じ意味を示す。)で表される2価の基であることを示し、該2価の基の向きは限定されない。) - 式(3H)で表される化合物を、下記方法1、方法2、または方法3により製造する請求項1に記載の製造方法。
方法1;式(2R)で表される化合物のアミノ基の脱保護反応を行って式(2H)で表される化合物とした後に還元してニトロ基をアミノ基に変換する方法。
方法2;式(2R)で表される化合物のニトロ基を還元して式(3R)で表される化合物とした後に、式(3R)で表される化合物のアミノ基の脱保護反応を行う方法。
方法3;式(1H)で表される化合物をニトロ化して化合物(2H)とした後に、ニトロ基を還元する方法。
(ただし、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子またはアミノ基の保護基を示し、R1とR2が同時に水素原子にはならない。または−NR1R2部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。) - 式QCY1Y2Y3で表される環化反応剤が、HCONH2、HC(O)NH(CH3)、HC(O)N(CH3)2、HC(OCH3)3、HC(OCH2CH2CH3)3、HC(=NH)NH2、またはRA1OC(O)NH−C(SCH3)(=NCOORG1)(ただし、RA1およびRG1はそれぞれ独立に、アルキル基を示す。)で表される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 下式で表される化合物のいずれか。
(ただし、R10、R20は、それぞれ独立にメトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基を示す。または−NR10R20部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。
Qは水素原子または−NHC(O)ORA(ただし、RAはアルキル基またはアルアルキル基を示す。)を示す。
R30は水素原子または置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むシクロアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基または置換されていてもよいアリール基を示す。)
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