JP2004058225A - クラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、上記磁気光学トラップ手段により捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する上記局所空間内にクラスタ元素の原子を注入する注入手段とを有する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置に関し、さらに詳細には、シリコンにより形成されたクラスタであるシリコンクラスタなどのような各種のクラスタや、シリコンクラスタ内にルビジウムを内包したルビジウム内包シリコンクラスタなどのような各種のクラスタ内に当該クラスタを形成する元素とは異なる元素を内包した異元素内包クラスタの生成方法および生成装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、「クラスタ」とは、複数個、例えば、数十から数千個程度の原子が集合して、結晶が示す構造とは異なる安定構造を形成した物質群を総称するものである。
【0003】
従来、こうしたクラスタを形成する元素(本明細書においては、「クラスタを形成する元素」を「クラスタ元素」と称することとする。)としては、アルカリ金属元素などが知られており、その研究が行われてきた。
【0004】
しかしながら、近年において、クラスタ元素がC(炭素)である炭素クラスタとしてC60などの存在が確認され、最近ではC60をはじめとする炭素系フラーレン固体を大量に合成する手法も種々提案されるようになってきている。
【0005】
ところで、クラスタを形成する現象は、上記したC以外に、例えば、III族元素のB(ボロン)、Al(アルミニウム)、IV族元素のSi(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、V族元素のP(リン)などの元素においても知られている。
【0006】
また、クラスタ内にクラスタ元素とは異なる元素を内包したクラスタ(本明細書においては、「クラスタ内にクラスタ元素とは異なる元素を内包したクラスタ」を「異元素内包クラスタ」と称することとする。また、異元素内包クラスタに内包された元素を「異元素」と称することとする。)の存在も知られており、その特性が注目されている。
【0007】
このため、上記した各種のクラスタ元素からなるクラスタや異元素内包クラスタを効率的に安定して生成することのできるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置の提案が、強く要望されるようになってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来からの要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各種のクラスタ元素からなるクラスタや異元素内包クラスタを効率的に安定して生成することを可能にしたクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるクラスタの生成方法および生成装置は、クラスタ元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉して、局所空間に捕捉した原子同士を散乱(衝突)や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するようにしたものである。
【0010】
また、本発明によるクラスタの生成方法および生成装置は、クラスタ元素の原子を光双極子トラップにより局所空間に捕捉して、局所空間に捕捉した原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するようにしたものである。
【0011】
また、本発明によるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置は、クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉して、この磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素の原子を注入し、局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0012】
また、本発明によるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置は、光双極子トラップと磁気光学トラップとを組み合わせて、クラスタ元素と当該クラスタ元素とは異なる元素の原子とのトラップ領域を分離可能に捕捉して、捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0013】
また、本発明は、クラスタ元素とは異なる元素の原子の磁気光学トラップとクラスタ元素の原子のイオントラップとを組み合わせて、クラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0014】
そして、本発明のうち請求項1に記載の発明は、クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成方法において、クラスタ元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、上記局所空間に捕捉した原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するようにしたものである。
【0015】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成方法において、クラスタ元素の原子を光双極子トラップにより局所空間に捕捉し、上記局所空間に捕捉した原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するようにしたものである。
【0016】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、上記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素の原子を注入し、上記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、上記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、上記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0017】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、上記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内に光双極子トラップによりクラスタ元素を捕捉し、上記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、上記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、上記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0018】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、上記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にイオントラップによりクラスタ元素を捕捉し、上記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、上記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、上記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0019】
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成装置において、クラスタ元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段を有し、上記磁気光学トラップ手段は、上記クラスタ元素の原子をレーザー冷却するコヒーレント光を上記局所空間に照射するコヒーレント光源を有するようにしたものである。
【0020】
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成装置において、クラスタ元素の原子をレーザー冷却するコヒーレント光を局所空間に照射するコヒーレント光源と、上記コヒーレント光源によりレーザー冷却された上記クラスタ元素の原子を上記局所空間に捕捉する光双極子トラップ手段とを有するようにしたものである。
【0021】
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、上記磁気光学トラップ手段により捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する上記局所空間内にクラスタ元素の原子を注入する注入手段とを有するようにしたものである。
【0022】
また、本発明のうち請求項9に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、上記磁気光学トラップ手段により捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素を捕捉する光双極子トラップ手段とを有するようにしたものである。
【0023】
また、本発明のうち請求項10に記載の発明は、クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、上記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素を捕捉するイオントラップ手段とを有するようにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0025】
ここで、本発明によるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置によれば、B、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタや、これらB、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタの一部をCu(銅)、Ag(銀)、Au(金)などのようなクラスタ元素以外の他の元素で置換したクラスタを生成することができる。
【0026】
また、本発明によるクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置によれば、B、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタ内や、これらB、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタの一部をCu、Ag、Auなどの元素で置換したクラスタ内に異元素としてLi(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Cr(クロム)、Yb(イッテルビウム)、Ag、Al、Ga(ガリウム)、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)あるいはAr(アルゴン)などを内包した異元素内包クラスタを生成することができる。
【0027】
なお、以下の説明においては、本発明の理解を容易にするために、クラスタ元素子としてシリコンを用いたシリコンクラスタの生成ならびにシリコンクラスタに異元素としてルビジウムを内包したルビジウム内包シリコンクラスタの生成について主に説明する。
【0028】
(1)第1の手法
第1の手法は、異元素を内包した異元素内包クラスタではなくて、異元素を内包していないクラスタを生成する手法である。
【0029】
この第1の手法は、磁気光学トラップによりシリコン原子などのクラスタ元素の原子を局所空間に捕捉して、捕捉したシリコン原子などのクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてシリコンクラスタなどのクラスタを生成するようにしたものである。
【0030】
ここで、クラスタ元素としてシリコン元素を用いて、第1の手法によりシリコンクラスタを生成する例について説明する。
【0031】
即ち、第1の手法においては、磁気光学トラップにより、およそ200マイクロケルビン(μK)程度にレーザー冷却されたシリコン原子を局所空間に捕捉する。ここで、局所空間の大きさは、例えば、1mm3程度であり、こうした局所空間に捕捉される原子数としては、例えば、1億個程度以上であることが好ましい。
【0032】
上記のように局所空間に捕捉された冷却されたシリコン原子は、シリコン原子同士が散乱や光誘起散乱を繰り返して会合し、これによりシリコンクラスタが生成されることになる。
【0033】
なお、散乱に関しては、磁気光学トラップにおける磁場が散乱のパラメータになる。その理由は、磁場ポテンシャルの形状、強さが、冷却原子の位置、分布、密度を決めることになるからである。
【0034】
また、光誘起散乱に関しては、光強度が光誘起散乱のパラメータになる。その理由は、光強度が強いと原子に対して十分に光が照射され、光を吸収した原子が運動し、衝突しやすくなるため、光誘起散乱の確率が上がって光誘起散乱が起こりやすくなるからである。
【0035】
そして、上記したようにして、シリコン原子同士の散乱が生じると、
Si+Si→Si2
が成立し、また、シリコン原子同士の光誘起散乱が生じると、
Si+Si+hν→Si2+hν’
が成立する。
【0036】
なお、
h:プランク定数
ν:光の振動数
である。
【0037】
さらに、シリコン原子同士の散乱が繰り返されることで、
Sin+Si→Sin+1
が成立し、また、シリコン原子同士の光誘起散乱が繰り返されることで、
Sin+Si+hν→Sin+1+hν’
が成立する。
【0038】
なお、
n:正の整数
である。
【0039】
上記のようにして、Sin+1、即ち、シリコンクラスタが、効率的に安定して生成されることになる。
【0040】
なお、この第1の手法においては、シリコンクラスタは形成と同時に同位体分離しており、単一同位体のシリコンクラスタを自動的に形成することができる。つまり、シリコン原子の磁気光学トラップは、単一の同位体しかトラップできない。即ち、後述するように、各種の同位体の中の所望のものの原子共鳴線と一致もしくは正または負に離調した波長を備えたコヒーレント光を、後述するコヒーレント光源10006などから当該同位体に照射することにより、当該同位体をレーザー冷却することができるので、シリコンクラスタも単一の同位体で構成されることになる。
【0041】
上記した手法によりシリコンクラスタを効率的に安定して生成することができるものであるが、シリコン原子は、融点が1414℃である高融点材料であるため、電子ビームによる蒸発やスパッタリングあるいは高温セルによる加熱などが必要であり、電子ビームによる蒸発やスパッタリングあるいは高温セルによる加熱などにより得られるシリコン原子は、1000m/secを中心1500m/sの速度帯域を備えている。このため、レーザーによる減速や磁場フィルターによる低速原子の利用が必要である。
【0042】
なお、シリコン原子をレーザー冷却する手法としては、例えば、本願出願人により平成13年1月29日付けで出願された特願2001−20243「原子のレーザー冷却方法およびその装置ならびに原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源」あるいは特願2001−20243を先の出願とした国内優先権主張出願である特願2002−11558「原子のレーザー冷却方法およびその装置ならびに原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源」に開示された手法を用いることができるが、上記した特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された以外の手法を用いてもよいことは勿論である。例えば、原子のレーザー冷却に関する様々な手法については、清水冨士夫著「原子のレーザー冷却とその周辺技術」(応用物理 第60巻 第9号(1991)の第864頁乃至第874頁)に開示されており、ここに開示された手法を用いることができる。
【0043】
なお、上記した特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された手法については、後に詳細に説明する。
【0044】
次に、上記した第1の手法によるクラスタ生成装置について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0045】
図1には、クラスタ元素としてシリコン元素を用いて第1の手法によりシリコンクラスタを生成するクラスタ生成装置の概念構成説明図が示されている。
【0046】
このクラスタ生成装置は磁気光学トラップ手段を備えており、磁気光学トラップ手段は、電子ビームによる蒸発やスパッタリングあるいは高温セルによる加熱などにより得られたシリコン原子が導入されるチャンバー10002(チャンバー10002の容積は、例えば、1000cm3程度である。)と、チャンバー10002内の適宜の位置、例えば、略中央位置にポテンシャルエネルギーの極小点を生成するための多重極磁場を形成する磁場形成装置としてのアンチヘルムホルツコイル10004(アンチヘルムホルツコイル10004によっては、多重極磁場として四重極磁場が形成される。)と、チャンバー10002内に導入されたシリコン原子をレーザー冷却するためのコヒーレント光源10006と、コヒーレント光源10006から出射されたコヒーレント光のビーム径を拡大するビームエクスパンダー(この実施の形態において、ビームエクスパンダーは、コヒーレント光のビーム径を2倍に拡大するものを用いているが、ビーム径の拡大倍率は2倍に限られるものではなく、ビーム径の拡大倍率は適宜に選択することができる。)10008と、ビームエクスパンダー10008によって拡大されたビーム径を調整する凹レンズ10010ならびに凸レンズ10012と、凸レンズ10012から出射されたコヒーレント光の光路を変更するミラー10014,10016と、ミラー10016から出射されたコヒーレント光を二つの光路に分割するビームスプリッター10018と、ビームスプリッター10018により分割された一方の光路のコヒーレント光の光路を変更するミラー10020と、ビームスプリッター10018により分割された他方の光路のコヒーレント光の偏光の波面を整えるための半波長板10022と、ミラー10020から出射された一方の光路のコヒーレント光の偏光の波面を整えるための半波長板10024と、半波長板10022から出射されたコヒーレント光の光路を変更するミラー10026と、半波長板10024から出射されたコヒーレント光の光路を変更するミラー10028と、ミラー10026から出射されたコヒーレント光を二つの光路に分割するビームスプリッター10030と、ビームスプリッター10030により分割された一方の光路のコヒーレント光の光路を変更するミラー10032,10034,10036と、ビームスプ
リッター10030により分割された他方の光路のコヒーレント光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板10038(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板10038を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板10038から出射されたコヒーレント光を反射して1/4波長板10038へ入射するミラー10040と、ミラー10036から出射されたコヒーレント光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板10042(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板10042を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板10042から出射されたコヒーレント光を反射して1/4波長板10042へ入射するミラー10044と、ミラー10028から出射されたコヒーレント光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板10046(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板10046を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板10046から出射されたコヒーレント光を反射して1/4波長板10046へ入射するミラー10048とを有して構成されている。
【0047】
ここで、コヒーレント光源10006としては、上記した特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された手法を用いることができる。
【0048】
そして、ビームスプリッター10030と1/4波長板10038とミラー10040との位置関係は、1/4波長板10038から出射されたコヒーレント光が、X軸(図1における座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過してミラー10040に至って反射され、ミラー10040で反射されたコヒーレント光が、X軸に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過して1/4波長板10038へ至るように配置されている。
【0049】
また、ミラー10036と1/4波長板10042とミラー10044との位置関係は、1/4波長板10042から出射されたコヒーレント光が、Y軸(図1における座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過してミラー10044に至って反射され、ミラー10044で反射されたコヒーレント光が、Y軸に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過して1/4波長板10042へ至るように配置されている。
【0050】
さらに、ミラー10028と1/4波長板10046とミラー10048との位置関係は、1/4波長板10046から出射されたコヒーレント光が、Z軸(図1における座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過してミラー10048に至って反射され、ミラー10048で反射されたコヒーレント光が、Z軸に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過して1/4波長板10046へ至るように配置されている。
【0051】
従って、このクラスタ生成装置においては、互いに直交する6方向からポテンシャルエネルギーの極小点へ向けてコヒーレント光が照射されることになる。
【0052】
以上の構成において、このクラスタ生成装置においては、チャンバー10002中に導入されたシリコン原子に対し、コヒーレント光源10006から出射されるコヒーレント光を照射することにより、シリコン原子をレーザー冷却する。
【0053】
その際に、アンチヘルムホルツコイル10004により四重極磁場を形成することによって、チャンバー10002内にポテンシャルエネルギーの極小点を作るとともに、コヒーレント光源10006からの出射光を所定の偏光で直交する3方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)の両側、即ち、互いに直交する6方向からチャンバー10002内に入射し、チャンバー10002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点で直交させる。
【0054】
このようにすると、チャンバー10002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点において、レーザー冷却されたシリコン原子を効率よく安定してトラップ(捕捉)することができる。
【0055】
そして、チャンバー10002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間(チャンバー10002におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間の容積は、例えば、1mm3程度である。)にトラップされたシリコン原子は、互いに散乱や光誘起散乱を繰り返して会合してシリコンクラスタとなる。
【0056】
ここで、コヒーレント光源10006からの出射されるコヒーレント光の偏光は、クラスタ元素に応じて直線偏光と円偏光とを適宜に設定するようにすればよい。シリコン原子などのようにエネルギー準位における基底状態の冷却下準位として複数の磁気副準位を有する原子をレーザー冷却する場合には、レーザー冷却の対象となる原子の基底状態の冷却下準位たる複数の磁気副準位に応じた複数の異なる偏光をそれぞれ有する所定波長のコヒーレント光を所定の時間間隔でずらして順次に原子に照射するようにすればよい。
【0057】
また、こうしたレーザー冷却に用いるコヒーレント光源としては、例えば、所定波長のコヒーレント光を出射するモード同期(ロック)ピコ秒レーザーと、上記モード同期(ロック)ピコ秒レーザーから出射される所定波長のコヒーレント光の波長変換を行う波長変換素子と、上記波長変換素子により波長変換されたコヒーレント光から所望の波長のコヒーレント光を選択して出射する波長分散素子と、波長分散素子から出射されたコヒーレント光の波長を計測し、該計測結果に基づいて、上記モード同期(ロック)ピコ秒レーザーが所定波長のコヒーレント光を出射するように上記モード同期(ロック)ピコ秒レーザーにシグナルを出力するフィードバック回路とを有するコヒーレント光源や、第1の波長のレーザー光を生成する第1のレーザー光生成システムと、第2の波長のレーザー光を生成するとともに上記第1のレーザー光生成システムにおいて生成された上記第1の波長のレーザー光を導入し、上記第1の波長のレーザー光と上記第2の波長のレーザー光との和周波混合により第3の波長のレーザー光を生成する第2のレーザー光生成システムとを有するコヒーレント光源を用いることができる。
【0058】
(2)第2の手法
第2の手法は、異元素を内包した異元素内包クラスタではなくて、異元素を内包していないクラスタを生成する手法である。
【0059】
この第2の手法は、光双極子トラップによりシリコン原子などのクラスタ元素の原子を局所空間に捕捉して、捕捉したシリコン原子などのクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてシリコンクラスタなどのクラスタを生成するようにしたものである。
【0060】
ここで、クラスタ元素としてシリコン元素を用いて、第2の手法によりシリコンクラスタを生成する例について説明する。
【0061】
即ち、第2の手法においては、シリコン原子の共鳴波長である252nmよりも十分離れた高出力波長光(例えば、波長532nmのレーザー光である。)を、およそ200マイクロケルビン(μK)程度にレーザー冷却されたシリコン原子に照射して、光双極子トラップによりシリコン原子を局所空間に捕捉する。ここで、局所空間の大きさは、例えば、1mm3程度であり、こうした局所空間に捕捉される原子数としては、例えば、1億個程度以上であることが好ましい。
【0062】
上記のように局所空間に捕捉された冷却されたシリコン原子は、シリコン原子同士が散乱や光誘起散乱を繰り返して会合し、これによりシリコンクラスタが生成されることになる。
【0063】
なお、散乱に関しては、光双極子トラップにおける光強度、光ポテンシャルの形状が散乱のパラメータになる。その理由は、光双極子トラップの光強度によって光ポテンシャルの強さ(深さ)が決まり、光ポテンシャルの形状によってトラップの形状、密度が決まるためである。
【0064】
また、光誘起散乱に関しては、光強度が光誘起散乱のパラメータになる。その理由は、光強度が強いと原子に対して十分に光が照射され、光を吸収した原子が運動し、衝突しやすくなるため、光誘起散乱の確率が上がって光誘起散乱が起こりやすくなるからである。
【0065】
そして、上記したようにして、シリコン原子同士の散乱が生じると、
Si+Si→Si2
が成立し、また、シリコン原子同士の光誘起散乱が生じると、
Si+Si+hν→Si2+hν’
が成立する。
【0066】
さらに、シリコン原子同士の散乱が繰り返されることで、
Sin+Si→Sin+1
が成立し、また、シリコン原子同士の光誘起散乱が繰り返されることで、
Sin+Si+hν→Sin+1+hν’
が成立する。
【0067】
上記のようにして、Sin+1、即ち、シリコンクラスタが、効率的に安定して生成されることになる。
【0068】
なお、この第2の手法により生成されたシリコンクラスタには、シリコン原子材料に含まれている同位体が含まれる。即ち、双極子トラップは共鳴光を使わないため、同位体選別機構がない。従って、シリコンクラスタには同位体が含まれる。
【0069】
上記した手法によりシリコンクラスタを効率的に安定して生成することができるものであるが、上記したように、シリコン原子は、融点が1414℃である高融点材料であるため、電子ビームによる蒸発やスパッタリングあるいは高温セルによる加熱などが必要であり、電子ビームによる蒸発やスパッタリングあるいは高温セルによる加熱などにより得られるシリコン原子は、1000m/secを中心1500m/sの速度帯域を備えている。このため、レーザーによる減速や磁場フィルターによる低速原子の利用が必要である。
【0070】
次に、上記した第2の手法によるクラスタ生成装置について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図1に示すクラスタ生成装置における構成と同一または相当する構成に関しては図1において用いた符号と同一の符号を付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
【0071】
図2には、クラスタ元素としてシリコン元素を用いて第2の手法によりシリコンクラスタを生成するクラスタ生成装置の概念構成説明図が示されている。
【0072】
このクラスタ生成装置は、チャンバー10002と、コヒーレント光源10006と、ビームエクスパンダー10008と、凹レンズ10010と、凸レンズ10012と、ミラー10014,10016と、ビームスプリッター10018と、ミラー10020と、半波長板10022と、半波長板10024と、ミラー10026と、ミラー10028と、ビームスプリッター10030と、ミラー10032,10034,10036と、1/4波長板10038と、ミラー10040と、1/4波長板10042と、ミラー10044と、1/4波長板10046と、ミラー10048とを有している。
【0073】
そして、このクラスタ生成装置は、さらに光双極子トラップ手段を有しており、光双極子トラップ手段は、光双極子トラップを形成するためのシリコン原子の共鳴波長である252nmよりも十分離れた高出力波長光(例えば、波長532nmのレーザー光である。)を出射する光双極子トラップレーザー20002と、光双極子トラップレーザー20002から出射されたレーザー光のレーザービーム径を調整する凸レンズ20004と、凸レンズ20004から出射されたレーザー光を反射してチャンバー10002内の適宜の位置、例えば、略中央位置に入射させるミラー20006とを有して構成されている。
【0074】
そして、このクラスタ生成装置においては、コヒーレント光源10006から出射されて互いに直交する6方向からチャンバー10002内に入射されるコヒーレント光と、光双極子トラップレーザー20002から出射されたてチャンバー10002内に入射されるレーザー光とが、チャンバー10002内において互いに交差するようになされている。
【0075】
以上の構成において、このクラスタ生成装置においては、チャンバー10002中に導入されたシリコン原子に対し、コヒーレント光源10006から出射されるコヒーレント光を照射することにより、シリコン原子をレーザー冷却してトラップする。
【0076】
その際に、コヒーレント光源10006からの出射光を所定の偏光で直交する3方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)の両側、即ち、互いに直交する6方向からチャンバー10002内に入射するとともに、光双極子トラップレーザー20002からチャンバー10002内にレーザー光を入射して、コヒーレント光源10006からの出射光と光双極子トラップレーザー20002からの出射光とをチャンバー10002内において互いに交差させる。
【0077】
このようにすると、チャンバー10002内におけるコヒーレント光源10006からの出射光と光双極子トラップレーザー20002からの出射光との交差位置において、レーザー冷却されたシリコン原子を効率よく安定してトラップ(捕捉)することができる。
【0078】
そして、チャンバー10002内におけるコヒーレント光源10006からの出射光と光双極子トラップレーザー20002からの出射光との交差位置、即ち、局所空間(チャンバー10002におけるコヒーレント光源10006からの出射光と光双極子トラップレーザー20002からの出射光との交差位置、即ち、局所空間の容積は、例えば、1mm3程度である。)にトラップされたシリコン原子は、互いに散乱や光誘起散乱を繰り返して会合してシリコンクラスタとなる。
【0079】
(3)第3の手法
第3の手法は、異元素を内包していないクラスタならびに異元素を内包した異元素内包クラスタを生成する手法である。
【0080】
この第3の手法は、クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉して、この磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素の原子を注入し、局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成されたクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0081】
ここで、クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに、クラスタ元素とは異なる元素としてルビジウム元素を用いて、第3の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成する例について説明する。
【0082】
即ち、第3の手法においては、ルビジウム原子を冷却し、冷却したルビジウム原子にシリコン原子が衝突することにより、シリコン原子が冷却されてシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタが生成されることになる。
【0083】
ここで、磁気光学トラップにより、およそ150マイクロケルビン(μK)程度にレーザー冷却されたシリコン原子を局所空間に捕捉する。ここで、局所空間の大きさは、例えば、1mm3程度であり、こうした局所空間に捕捉される原子数としては、例えば、1億個程度以上であることが好ましい。
【0084】
上記のように局所空間に捕捉された冷却されたルビジウム原子に、中性原子であるシリコン原子を低速にして相互作用時間を大きくしながら注入すると、シリコン原子とルビジウム原子と、あるいは、シリコン原子同士、あるいは、シリコンクラスとルビジウム原子とが散乱や光誘起散乱を繰り返して会合し、これによりシリコンクラスタやルビジウム内包シリコンクラスタが生成されることになる。
【0085】
なお、散乱に関しては、磁気光学トラップにおける磁場が散乱のパラメータになる。その理由は、磁場ポテンシャルの形状、強さが、冷却原子の位置、分布、密度を決めることになるからである。
【0086】
また、光誘起散乱に関しては、光強度が光誘起散乱のパラメータになる。その理由は、光強度が強いと原子に対して十分に光が照射され、光を吸収した原子が運動し、衝突しやすくなるため、光誘起散乱の確率が上がって光誘起散乱が起こりやすくなるからである。つまり、光強度が、光誘起散乱の確率を決めている。
【0087】
ここで、一回の散乱では、
msi vsi=msi v’si+mRb vRb
v’si/vsi=2msi/(msi+mRb)
=2*28/(28+87)〜1/2
に速度が減少し、温度としては、「1/2mv2=1/2kT」であるから1/4になる。
【0088】
従って、10回散乱が起これば、「1/4」の10乗であるので、6桁温度が下がることになる。
【0089】
従って、初速度が1000m/sとすると、200マイクロケルビン程度、つまり、冷却されたルビジウム原子程度まで温度が下がる。
【0090】
なお、この第3の手法においては、シリコン原子の最初の減速が重要であり、シリコン原子は3体衝突でクラスタ化される。
【0091】
即ち、
Si(hot)+Rb(cold)→Si(cool)+Rb(cool)
Si(cool)+Rb(cold)→Si(cold)+Rb(cool)
Rb(cool)+hν→Rb(cold)+hν’
Si(hot,cool)+Si(cold)+Rb(cold)→Si2+Rb(cool)
Si(hot,cool)+Sin(cold)+Rb(cold)→Sin+1+Rb(cool)
Si(hot,cool)+Sin(cold)+Rb(cold)→Rb@Sin+1
が成立する。なお、「Rb@Sin+1」は、「ルビジウム内包シリコンクラスタ」を意味する。
【0092】
上記のようにして、Sin+1、即ち、シリコンクラスタと、Rb@Sin+1、即ち、ルビジウム内包シリコンクラスタが、効率的に安定して生成されることになる。
【0093】
次に、上記した第3の手法によるクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0094】
図3には、クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第3の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概念構成説明図が示されている。
【0095】
このクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置は、ルビジウム原子ならびにシリコン原子が導入されるチャンバー30002(チャンバー10002の容積は、例えば、1000cm3程度である。)と、チャンバー30002内にシリコン原子を注入する注入手段としてのシリコン原子電子ビームエバポレータ30000と、磁気光学トラップ手段としてのルビジウム磁気光学トラップシステムとを有して構成されている。
【0096】
ここで、ルビジウム磁気光学トラップシステムとしては、公知のシステムを用いることができるものであり、この実施の形態においては、チャンバー30002内の適宜の位置、例えば、略中央位置にポテンシャルエネルギーの極小点を生成するための多重極磁場を形成する磁場形成装置としてのアンチヘルムホルツコイル30005(アンチヘルムホルツコイル10004によっては、多重極磁場として四重極磁場が形成される。)と、トラッピングレーザー30006と、トラッピングレーザー30006から出射されたレーザー光の強度を調節するためのNDフィルター30008ならびに円形可変NDフィルター30010と、円形可変NDフィルター30010から出射されたレーザー光のビーム径を拡大するビームエクスパンダー30012と、ビームエクスパンダー30012から出射されたコヒーレント光の光路を変更するミラー30014と、再励起レーザー30016と、再励起レーザー30016から出射されたレーザー光のビーム径を拡大するビームエクスパンダー30018と、ビームエクスパンダー30018によって拡大されたビーム径を調整する凹レンズ30020ならびに凸レンズ30022と、凸レンズ30022から出射されたレーザー光の光路を変更するミラー30024,30026と、ミラー30014,30026から出射されたレーザー光を二つの光路に分割するビームスプリッター30028と、ビームスプリッター30028により分割された一方の光路のレーザー光の光路を変更するミラー30030と、ビームスプリッター30028により分割された他方の光路のレーザー光の偏光の波面を整えるための半波長板30032と、ミラー30030から出射された一方の光路のレーザー光の偏光の波面を整えるための半波長板30034と、半波長板30032から出射されたレーザー光の光路を変更するミラー30036,30038と、半波長板30034から出射されたレーザー光の光路を変更するミラー30040と、ミラー30038から出射されたレーザー光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板30042(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板30042を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板30042から出射され
たレーザー光の光路を変更するミラー30044,30046と、ミラー30046から出射されたレーザー光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板30048(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板30048を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板30048から出射されたレーザー光を反射して1/4波長板30048へ入射するミラー30050と、ミラー30040から出射されたレーザー光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板30052(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板30052を回転して制御すればよい。)と、1/4波長板30052から出射されたレーザー光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整える1/4波長板30054(円偏光に関して右回りの円偏光とするか左回りの円偏光とするかは、1/4波長板30054を回転して制御すればよい。)と、 1/4波長板30054から出射されたレーザー光を反射して1/4波長板30054へ入射するミラー30056とを有して構成されている。
【0097】
そして、ミラー30038と1/4波長板30042とミラー30044とミラー30046と1/4波長板30048とミラー30050との位置関係は、ミラー30038から出射されたレーザー光が1/4波長板30042を通過して、X軸(図3における座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点を通過した後にミラー30044,ミラー30046に反射され、ミラー30046から出射されたレーザー光が、Y軸(図3におる座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点ならびに1/4波長板30048を通過した後にミラー30050により反射されて、上記したと逆の光路を辿るように配置されている。
【0098】
また、ミラー30040と1/4波長板30052と1/4波長板30054とミラー30056との位置関係は、ミラー30040から出射されたレーザー光が1/4波長板30052を通過して、Z軸(図3における座標軸を示す参考図を参照する。)に沿ってチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点ならびに1/4波長板30054を通過した後にミラー30056により反射されて、上記したと逆の光路を辿るように配置されている。
【0099】
従って、このルビジウム磁気光学トラップシステムにおいては、互いに直交する6方向からチャンバー10002内のポテンシャルエネルギーの極小点へ向けてレーザー光が照射されることになる。
【0100】
以上の構成において、このクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置においては、チャンバー30002中に導入されたルビジウム原子に対し、ルビジウム磁気光学トラップシステムから出射されるレーザー光を照射することにより、ルビジウム原子をレーザー冷却する。
【0101】
その際に、アンチヘルムホルツコイル30005により四重極磁場を形成することによって、チャンバー30002内にポテンシャルエネルギーの極小点を作るとともに、ルビジウム磁気光学トラップシステムからのレーザー光を所定の偏光で直交する3方向(X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向)の両側、即ち、互いに直交する6方向からチャンバー30002内に入射し、チャンバー30002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点で直交させる。
【0102】
このようにすると、チャンバー30002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点において、レーザー冷却されたルビジウム原子を効率よく安定してトラップ(捕捉)することができる。
【0103】
そして、チャンバー10002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間(チャンバー30002におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間の容積は、例えば、1mm3程度である。)にトラップされたルビジウム原子に対して、シリコン原子ビームエバポレータ30004によりシリコン原子を注入する。
【0104】
そうすると、局所空間内で捕捉したルビジウム原子とシリコン原子とが衝突することによりシリコン原子を冷却し、冷却したシリコン原子同士が散乱や光誘起散乱により会合されてシリコンクラスタが生成されるとともに、生成されたシリコンクラスタと冷却したルビジウム原子とが散乱や光誘起散乱により会合されてルビジウム内包シリコンクラスタが生成される。
【0105】
(4)第4の手法
第4の手法は、異元素を内包していないクラスタならびに異元素を内包した異元素内包クラスタを生成する手法である。
【0106】
この第4の手法は、光双極子トラップと磁気光学トラップとを組み合わせて、クラスタ元素と当該クラスタ元素とは異なる元素の原子とのトラップ領域を分離可能に捕捉して、捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。
【0107】
即ち、ルビジウム原子の磁気光学トラップ内に、ルビジウム原子のレーザー冷却波長(780nm)よりも短く、かつ、シリコン原子のレーザー冷却波長(252nm)よりも長い波長の高出力レーザー光(例えば、波長532nmのレーザー光などである。具体的には、CW−Nd:YAGレーザー(連続Nd:YAGレーザー)やCW−Nd:YVO4レーザー(連続Nd:YVO4レーザー)の2倍高調波などを用いることができる。)を照射すると、磁気光学トラップ内で冷却されたルビジウム原子とシリコン原子とのトラップ領域を分離することができる。これにより、冷却したシリコン原子をルビジウム原子のトラップ領域内に集め、冷却するための相互作用を大きくすることができる。
【0108】
次に、上記した第4の手法によるクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図3に示すクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置における構成と同一または相当する構成に関しては図1において用いた符号と同一の符号を付して示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
【0109】
図4には、クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第4の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概念構成説明図が示されている。
【0110】
この図4に示すクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置と図3に示すクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置とは、図4に示すクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置が、光双極子トラップ手段として、光双極子トラップを形成するためのルビジウム原子のレーザー冷却波長(780nm)よりも短く、かつ、シリコン原子のレーザー冷却波長(252nm)よりも長い波長の高出力レーザー光(例えば、波長532nmのレーザー光である。)を出射する光双極子トラップレーザー40002と、光双極子トラップレーザー40002から出射されたレーザー光のレーザービーム径を調整する凸レンズ40004と、凸レンズ40004から出射されたレーザー光を反射してチャンバー30002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点に入射させるミラー40006とを有して構成されている点において異なる。
【0111】
以上の構成において、このクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置によれば、図5(a)に示すように、チャンバー10002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間(チャンバー30002におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間の容積は、例えば、1mm3程度である。)において、ルビジウム磁気光学トラップシステムから出射されるレーザー光と光双極子トラップレーザー40002から出射されたレーザー光とが交差する。
【0112】
このようにすると、チャンバー30002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間において、図5(b)に示すように、光双極子トラップにより冷却したシリコン原子をルビジウム原子のトラップ領域内に集めることができるとともに、ルビジウム原子が磁気光学トラップされた領域とシリコン原子が光双極子トラップされた領域とを分離することができるようになる。
【0113】
このため、チャンバー30002内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間において、ルビジウム原子とシリコン原子とを冷却するための相互作用を大きくすることができ、レーザー冷却されたルビジウム原子とシリコン原子とを効率よく安定してトラップ(捕捉)することができる。
【0114】
そうすると、局所空間内で捕捉したルビジウム原子とシリコン原子とが衝突することによりシリコン原子を冷却し、冷却したシリコン原子同士が散乱や光誘起散乱により会合されてシリコンクラスタが生成されるとともに、生成されたシリコンクラスタと冷却したルビジウム原子とが散乱や光誘起散乱により会合されてルビジウム内包シリコンクラスタが生成される。
【0115】
(5)第5の手法
第5の手法は、異元素を内包していないクラスタならびに異元素を内包した異元素内包クラスタを生成する手法である。
【0116】
この第5の手法は、クラスタ元素とは異なる元素の原子の磁気光学トラップとクラスタ元素の原子のイオントラップとを組み合わせて、クラスタ元素の原子同士を散乱や光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱や光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成するようにしたものである。即ち、この第5の手法は、冷却されたルビジウム原子とシリコンイオンとの衝突による電荷移行とクラスタ化を図るものである。
【0117】
上記した第5の手法について、より詳細に説明すると、まず、磁気光学トラップにより、およそ150マイクロケルビン(μK)程度にレーザー冷却されたシリコン原子を局所空間に捕捉する。ここで、局所空間の大きさは、例えば、1mm3程度であり、こうした局所空間に捕捉される原子数としては、例えば、1億個程度以上であることが好ましい。
【0118】
そして、局所空間に捕捉したルビジウム原子の磁気光学トラップの中心に、シリコンのイオントラップを位置させる。イオントラップには中性原子であるシリコンを導入し、トラップ内で光イオン化させるか、あるいはシリコンイオンを放電、スパッタリング、レーザーアブレーションなどで導入する。
【0119】
従って、
Si++Rb(cold)→Si+Rb+
Si++Si(cold)+Rb(cold)→Si2+Rb+
Si++Sin(cold)+Rb(cold)→Sin+1+Rb+
Si++Sin(cold)+2Rb(cold)→Rb@Sin+1+Rb+
が成立する。
【0120】
上記のようにして、Sin+1、即ち、シリコンクラスタと、Rb@Sin+1、即ち、ルビジウム内包シリコンクラスタが、効率的に安定して生成されることになる。
【0121】
次に、上記した第5の手法によるクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0122】
図6には、クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第5の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概略構成説明図が示されており、この第5の手法によるクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置は、イオントラップ手段としてのイオントラップ装置60002と、磁気光学トラップ手段としての図3に示すルビジウム磁気光学トラップシステムとを組み合わせて構成されている。
【0123】
ここで、イオントラップを実現するためのイオントラップ装置60002は、公知の装置であって、リング電極とキャップ電極60004との間に
V=Vdc+Vaccos(Ωt)
の電圧を加えて動作させるものである。そして、RF電圧の半周期毎に、ポテンシャルの閉じこめる方向をr方向とz方向とに交互に変えて、チャンバー60006内にイオンをトラップするものである。
【0124】
こうしたイオントラップ装置60002と図3に示すルビジウム磁気光学トラップシステムとを組み合わせて、第5の手法によるクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置が構成するには、イオントラップ装置60002のチャンバー60006をルビジウム磁気光学トラップシステムのチャンバー30002として用いるように構成すればよい。
【0125】
(6)特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された手法
以下、図面を参照しながら、特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された手法(以下、「特願2001−20243あるいは特願2002−11558に開示された手法」を「先願開示事項」と適宜に称する。)を説明する。
【0126】
即ち、先願開示事項は、冷却下準位として複数の磁気副準位が存在する原子をレーザー冷却するにあたって、基底状態の冷却下準位たる複数の磁気副準位に応じた複数の偏光を有するレーザー光をそれぞれ、所定の時間間隔でずらして順次に原子に照射するようにしたものである。即ち、所定の時間毎に順番に異なる偏光のレーザー光を繰り返し照射するように、時間的にレーザー光の偏光を制御するものである。
【0127】
そして、このように所定の時間毎に順番に異なる偏光のレーザー光を繰り返し照射する場合に、1光子の吸収・放出に要する時間、即ち、原子の自然放出寿命の2倍の時間間隔で光子が次々と原子に当たるようにすると、基底状態の冷却下準位にある原子を効率的に冷却上準位へ励起することができる。
【0128】
より詳細には、図7には、先願開示事項の一例の概念構成説明図が示されている。なお、この図7に示す先願開示事項の一例は、例えば、シリコン原子やゲルマニウム原子などのような各種の原子を冷却する際に用いることができるものである。
【0129】
即ち、このレーザー冷却装置50は、所定の波長のコヒーレント光を発生して出射するコヒーレント光源部52と、コヒーレント光源部52から出射されたコヒーレント光の偏光を変化させる偏光制御部54とを有して構成されている。
【0130】
ここで、レーザー冷却装置50のコヒーレント光源部52は、例えば、コヒーレント光として所定の波長のレーザー光を生成して出射する2段階の外部共振器型波長変換部として構成することができ、また、レーザー冷却装置50の偏光制御部54は、例えば、時間的に偏光を制御することが可能な複屈折結晶から構成される電気光学素子と波長板との組み合わせよりなる位相変調器として構成することができる。なお、電気光学素子とは、複屈折結晶に印加した電界によって屈折率が変化し、そこを通過するレーザー光の位相を変化させるものである。
【0131】
ここで、レーザー冷却装置50を用いてシリコン原子を冷却する場合において、例えば、コヒーレント光源部52として上記した2段階の外部共振器型波長変換部を用い、また、偏光制御部54として上記した位相変調器を用いる場合には、コヒーレント光源部52たる外部共振器型波長変換部の1段目では、波長746nmのレーザー光(例えば、波長746nmのNd:YVO4第2高調波励起のリング型単一モードチタンサファイアレーザー光を用いることができる。)を外部共振器に導き、共振器内に配設したLBO結晶により波長373nmの第2高調波を40%の変換効率で発生させるようにする。
【0132】
続いて外部共振器型変換部の2段目では、この波長373nmのレーザー光と波長780nmのレーザー光(例えば、波長780nmの単一モード半導体レーザー光を用いることができる。)を第2の外部共振器に導き、2波長のレーザー光を同時共振をさせることにより各々の光強度を同時に増大させ、共振器内のBBO結晶による和周波混合により60mWを越える252nmの光を発生させるようにする。
【0133】
偏光制御部54では、複屈折結晶から構成される電気光学素子と波長板との組み合わせにより位相変調器を構成し、時間的に偏光を制御する。
【0134】
上記したように、電気光学素子とは、複屈折結晶に印加した電界によって屈折率が変化し、そこを通過するレーザー光の位相を変化させるものであるが、図8には、複屈折結晶によるレーザー光の位相の変化の様子が示されている。複屈折結晶によれば、図8(a)に示すように、o軸とe軸との間で位相が−π/2ずれた場合には、左回りの偏光(σ−)が実現される。また、図8(b)に示すように、o軸とe軸との間で位相のずれがない場合には、直線偏光(π)が実現される。さらに、図8(c)に示すように、o軸とe軸との間で位相がπ/2ずれた場合には、右回りの偏光(σ+)が実現される。
【0135】
ここで、図9に示すように、1光子の吸収・放出に要する時間は、自然放出寿命(τ)の2倍となる。
【0136】
具体的にシリコン原子について説明すると、自然放出寿命は5.5ns(ナノ秒)(τ=5.5ns)であり、自然放出寿命(τ)の2倍は11ns(2τ=11ns)である。
【0137】
従って、シリコン原子においては、11ns毎に光子が当たると効率的に1光子の吸収・放出が行われて、シリコン原子の冷却が行われる。
【0138】
ここで、周期は「11ns×4=44ns」であるので、偏光制御部54としての位相変調器の周波数fmが22.7MHz(メガヘルツ)より下であれば、効率よくシリコン原子の冷却を行うことができる。
【0139】
そして、自然放出寿命の略2倍の時間間隔である12.5ns毎に、シリコン原子に照射されるレーザー光の偏光を右回り偏光(σ+)と直線偏光(π)と左回りの偏光(σ−)とに順次に変化させることによって、シリコン原子を冷却することができる。
【0140】
シリコン原子をレーザー冷却する際に1つの偏光方向の光を用いる場合には、冷却下準位の3つの磁気副準位のうち2つの暗準位になっている冷却サイクルが閉じなくなるが、上記したように時間的に偏光方向を変化させることで、暗準位を作ることなく冷却サイクルを閉じることができる。このため、シリコン原子をレーザー冷却することができるようになる。
【0141】
なお、コヒーレント光としてレーザー光を照射するコヒーレント光源部52としては、散乱力によりシリコン原子を減速させる場合と、散乱力によりシリコン原子を冷却させる場合とに応じて、CWレーザー(連続レーザー)を用いたコヒーレント光源とピコ秒レーザーを用いたコヒーレント光源とを適宜に使い分けるようにすればよい。
【0142】
図7においては、単一のコヒーレント光源部52、より具体的には、1台のコヒーレント光源装置を用いて原子をレーザー冷却する場合の実施の形態について説明したが、複数のコヒーレント光源部を用いてもよい。例えば、3台のコヒーレント光源を用いた場合について説明する。
【0143】
この場合、レーザー冷却装置は、右回り偏光(σ+)のコヒーレント光(例えば、レーザー光)を照射する第1のコヒーレント光源部としての第1コヒーレント光源装置と、この第1コヒーレント光源装置から照射されたコヒーレント光を反射する反射ミラーと、直線偏光(π)のコヒーレント光(例えば、レーザー光)を照射する第2のコヒーレント光源部としての第2コヒーレント光源装置と、この第2コヒーレント光源装置から照射されたコヒーレント光を反射する反射ミラーと、左回り偏光(σ−)のコヒーレント光(例えば、レーザー光)を照射する第3のコヒーレント光源部としての第3コヒーレント光源装置と、この第3コヒーレント光源装置から照射されたコヒーレント光を反射する反射ミラーとを有している。
【0144】
原子の自然放出寿命の略2倍の時間間隔を開けて、第1コヒーレント光源装置と第2コヒーレント光源装置と第3コヒーレント光源装置とを順次に交互に照射すればよい。
【0145】
また、2台のコヒーレント光源装置を用いてシリコン原子やゲルマニウム原子などのような各種の原子をレーザー冷却する場合は、偏光を右回り偏光(σ+)と左回り偏光(σ−)とに交互に切り替えながらコヒーレント光(例えば、レーザー光)を照射する第1のコヒーレント光源部としての第1コヒーレント光源装置と、この第1コヒーレント光源装置から照射されたコヒーレント光を反射する反射ミラーと、直線偏光(π)のコヒーレント光(例えば、レーザー光)を照射する第2のコヒーレント光源部としての第2コヒーレント光源装置と、この第2コヒーレント光源装置から照射されたコヒーレント光を反射する反射ミラーとを有するように構成すればよい。
【0146】
そして、それぞれ原子の自然放出寿命の略2倍の時間間隔を開けて、「第1コヒーレント光源装置から右回り偏光(σ+)のコヒーレント光を照射→第2コヒーレント光源装置から直線偏光(π)のコヒーレント光を照射→第1コヒーレント光源装置から左回り偏光(σ−)のコヒーレント光を照射→第2コヒーレント光源装置から直線偏光(π)のコヒーレント光を照射→第1コヒーレント光源装置から右回り偏光(σ+)のコヒーレント光を照射→第2コヒーレント光源装置から直線偏光(π)のコヒーレント光を照射→第1コヒーレント光源装置から左回り偏光(σ−)のコヒーレント光を照射→・・・」という順番で照射する。
【0147】
次に、図10を参照しながら、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例について説明する。
【0148】
この図10に示す原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例は、散乱力によるシリコン原子の減速を行うための光源(以下、「シリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源」と称する。)であり、例えば、図7に示す本発明レーザー冷却装置50のコヒーレント光源部52として用いることができることは勿論であり、また、後述する図12に示すレーザー冷却装置におけるコヒーレント光源として用いることができる。
【0149】
この図10に示すシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源100は、波長252.4nmのコヒーレント光を照射することができるように構成されており、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101と、第1波長変換素子102と、第2波長変換素子103と、波長分散素子104と、半透過ミラー105と、全反射ミラー106と、レーザー波長分光部107と、周波数制御用エラーシグナル発生器108とを有して構成されている。なお、半透過ミラー105と、全反射ミラー106と、レーザー波長分光部107と、周波数制御用エラーシグナル発生器108とによって、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101へフィードバック信号としてエラーシグナルを入力するためのフィードバック回路が形成されている。
【0150】
ここで、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101は、波長757nmでパルス幅1ps〜1000ps(フーリエ変換限界パルスで周波数幅1000GHz〜1GHz)のコヒーレント光を出射する。
【0151】
まず、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101から出射された波長757nmのコヒーレント光は第1波長変換素子102に入射され、第1波長変換素子102により波長757nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長378nmのコヒーレント光とが得られる。
【0152】
そして、第1波長変換素子102から出射された波長757nmおよび波長378nmのコヒーレント光は第2波長変換素子103に入射され、第2波長変換素子103により波長757nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長378nmのコヒーレント光とその第3高調波の252.4nmのコヒーレント光とが得られる。
【0153】
さらに、第2波長変換素子103から出射された波長757nm、波長378nmおよび波長252.4nmのコヒーレント光は波長分散素子104に入射され、波長分散素子104からは波長252.4nmのコヒーレント光のみ出射され、半透過ミラー105を透過してシリコン原子の散乱力による減速のために用いられる。なお、波長分散素子104は、例えば、プリズム、グレーティング、多層膜ミラーあるいはフィルターなどにより構成される。
【0154】
一方、半透過ミラー105により反射された波長252.4nmのコヒーレント光は、全反射ミラー106によって反射されて、波長計やシリコンホローカソード管などから構成されるレーザー波長分光部107に入射される。
【0155】
このレーザー波長分光部107において入射されたコヒーレント光の波長が計測され、その計測結果が周波数制御用エラーシグナル発生器108へ入力される。
【0156】
周波数制御用エラーシグナル発生器108においては、入力された計測結果に基づいて、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101が常に波長757nmのコヒーレント光を発生するようにエラーシグナルをフィードバックする。
【0157】
こうしたフィードバック制御により、常に波長252.4nmのコヒーレント光をシリコン原子に照射することが可能となる。
【0158】
また、図11には、図10に示したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源100の他の例が示されている。なお、図10に示した構成と同一または相当する構成には、図10に用いた符号と同一の符号に「’」を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0159】
図11に示すシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源100’は、波長252.4nmのコヒーレント光を照射することができるように構成されており、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101’と、第1波長変換素子102’と、第2波長変換素子103’と、波長分散素子104’と、半透過ミラー105’と、全反射ミラー106’と、レーザー波長分光部107’と、周波数制御用エラーシグナル発生器108’とを有して構成されている。なお、半透過ミラー105’と、全反射ミラー106’と、レーザー波長分光部107’と、周波数制御用エラーシグナル発生器108’とによって、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101’へフィードバック信号としてエラーシグナルを入力するためのフィードバック回路が形成されている。
【0160】
ここで、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101’は、波長1009.6nmでパルス幅1ps〜1000ps(フーリエ変換限界パルスで周波数幅1000GHz〜1GHz)のコヒーレント光を出射する。
【0161】
まず、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101’から出射された波長1009.6nmのコヒーレント光は第1波長変換素子102’に入射され、第1波長変換素子102’により波長1009.6nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長504.8nmのコヒーレント光とが得られる。
【0162】
そして、第1波長変換素子102’から出射された波長504.8nmのコヒーレント光は第2波長変換素子103’に入射され、第2波長変換素子103’により波長504.8nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長252.4nmのコヒーレント光とが得られる(波長252.4nmは、波長1009.6nmの第4高調波である。)。
【0163】
さらに、第2波長変換素子103’から出射された波長504.8nmおよび波長252.4nmのコヒーレント光と第1波長変換素子102’から出射された波長1009.6nmのコヒーレント光とが、波長分散素子104’に入射され、波長分散素子104’からは波長252.4nmのコヒーレント光のみ出射され、半透過ミラー105’を透過してシリコン原子の散乱力による減速のために用いられる。なお、波長分散素子104’は、例えば、プリズム、グレーティング、多層膜ミラーあるいはフィルターなどにより構成される。
【0164】
一方、半透過ミラー105’により反射された波長252.4nmのコヒーレント光は、全反射ミラー106’によって反射されて、波長計やシリコンホローカソード管などから構成されるレーザー波長分光部107’に入射される。
【0165】
このレーザー波長分光部107’において入射されたコヒーレント光の波長が計測され、その計測結果が周波数制御用エラーシグナル発生器108’へ入力される。
【0166】
周波数制御用エラーシグナル発生器108’においては、入力された計測結果に基づいて、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー101’が常に波長1009.6nmのコヒーレント光を発生するようにエラーシグナルをフィードバックする。
【0167】
こうしたフィードバック制御により、常に波長252.4nmのコヒーレント光をシリコン原子に照射することが可能となる。
【0168】
次に、図12を参照しながら、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図10に示す1台のシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源100を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例について説明する。なお、図10に示した構成と同一または相当する構成には、図10に用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0169】
このレーザー冷却装置110は、偏光制御部として、第1半波長板111と、位相変調器112と、第2半波長板113と、変調器ドライバー114と、周波数変換器115とが配設されている。
【0170】
ここで、周波数変換器115はモード同期周波数を入力され、そのモード同期周波数を周波数変換することにより、シリコン原子の自然放出寿命の略2倍の周期で変調器ドライバー114から変調信号が位相変調器112に出力されるように、変調器ドライバー114に制御信号を出力する。即ち、位相変調器112から出力されるコヒーレント光の偏光が、シリコン原子の自然放出寿命の略2倍の周期で切り替わるように設定されている。
【0171】
つまり、この偏光制御部により、波長252.4nmのコヒーレント光の偏光が、自然放出寿命の略2倍の周波数で切り替わるように制御されることになる。
【0172】
次に、図12に示す本発明レーザー冷却装置の他の例として、図13を参照しながら、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図11に示す1台のシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源100’を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例について説明する。なお、図11に示した構成と同一または相当する構成には、図11に用いた符号と同一の符号を用いて示すこととし、また、図12に示した構成と同一または相当する構成には、図12に用いた符号と同一の符号に「’」を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0173】
このレーザー冷却装置110’は、偏光制御部として、第1半波長板111’と、位相変調器112’と、第2半波長板113’と、変調器ドライバー114’と、周波数変換器115’とが配設されている。
【0174】
ここで、周波数変換器115’はモード同期周波数を入力され、そのモード同期周波数を周波数変換することにより、シリコン原子の自然放出寿命の略2倍の周期で変調器ドライバー114’から変調信号が位相変調器112’に出力されるように、変調器ドライバー114’に制御信号を出力する。即ち、位相変調器112’から出力されるコヒーレント光の偏光が、シリコン原子の自然放出寿命の略2倍の周期で切り替わるように設定されている。
【0175】
つまり、この偏光制御部により、波長252.4nmのコヒーレント光の偏光が、自然放出寿命の略2倍の周波数で切り替わるように制御されることになる。
【0176】
次に、図14を参照しながら、所定波長のコヒーレント光を発生する原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源としてCWレーザーを用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速/冷却用CWコヒーレント光源)の一例について説明する。
【0177】
この図14に示す本発明レーザー冷却装置120においては、上記したCWレーザーとして、具体的には、1台の波長252.4nmのCWレーザーを用いている。
【0178】
このレーザー冷却装置120は、シリコン原子に関して散乱力による減速と散乱力による冷却との双方を実施することができる。
【0179】
即ち、レーザー冷却装置120は、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として波長252.4nmのシリコン用CWレーザー121を用いるとともに、偏光制御部として、第1半波長板122と、位相変調器123と、第2半波長板124と、変調器ドライバー125と、発振器126と、第1レンズ127aと、音響光学素子128と、第2レンズ127bと、音響光学素子ドライバー129とが配設されている。
【0180】
ここで、シリコン原子を散乱力により減速する場合には、音響光学素子128を使用して時間的に周波数を変化させて、チャープ冷却を行う。
【0181】
また、シリコン原子を散乱力により冷却する際には、音響光学素子128は時間的に偏光を分離する効果と周波数を最適化するのに都合がよい。
【0182】
なお、シリコン用CWレーザー121と第1半波長板122との間に電気光学シフター(EOシフター)を追加で組み込んで周波数シフト量をかせいだ方がチャープ冷却には有効な場合があるので、適宜に電気光学シフターを当該位置に配設するようにしてよい。
【0183】
なお、波長252.4nmのシリコン用CWレーザー121としては、例えば、波長1009.6nmのファイバーレーザーや半導体レーザーの第4高調波を用いるようにしてもよいし、あるいは、波長504.8nmの半導体レーザーの第2高調波を用いるようにしてもよいし、あるいは、波長252.4.nmの半導体レーザーを用いるようにしてもよい。
【0184】
ここで、上記したシリコン用CWレーザー121として用いることのできるコヒーレント光源、即ち、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として適用できる深紫外域の波長のCWレーザー光を発生するコヒーレント光源の構成については、「OPTICS LETTERS, Vol.25, No.19,October 1,2000, pp1457−1459」に開示されている。
【0185】
なお、上記においては、シリコン原子の冷却に適用することを中心に説明したが、シリコン原子以外の他の原子にも同様に適用することができることは勿論である。
【0186】
以下、シリコン原子以外の他の原子に適用する一例として、ゲルマニウム原子に適用する場合について説明する。
【0187】
まず、図15を参照しながら、ゲルマニウム原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例について説明する。
【0188】
この図15に示すゲルマニウム原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例は、散乱力によるゲルマニウム原子の減速を行うための光源(以下、「ゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源」と称する。)であり、例えば、図7に示す本発明レーザー冷却装置50のコヒーレント光源部52として用いることができることは勿論であり、また、後述する図17に示すレーザー冷却装置におけるコヒーレント光源として用いることができる。
【0189】
この図15に示すゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源130は、波長271.0nmのコヒーレント光を照射することができるように構成されており、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131と、第1波長変換素子132と、第2波長変換素子133と、波長分散素子134と、半透過ミラー135と、全反射ミラー136と、レーザー波長分光部137と、周波数制御用エラーシグナル発生器138とを有して構成されている。なお、半透過ミラー135と、全反射ミラー136と、レーザー波長分光部137と、周波数制御用エラーシグナル発生器138とによって、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131へフィードバック信号としてエラーシグナルを入力するためのフィードバックループが形成されている。
【0190】
ここで、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131は、波長813nmでパルス幅1ps〜1000ps(フーリエ変換限界パルスで周波数幅1000GHz〜1GHz)のコヒーレント光を出射する。
【0191】
まず、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131から出射された波長813nmのコヒーレント光は第1波長変換素子132に入射され、第1波長変換素子132により波長813nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長406.5nmのコヒーレント光とが得られる。
【0192】
そして、第1波長変換素子132から出射された波長813nmおよび波長406.5nmのコヒーレント光は第2波長変換素子133に入射され、第2波長変換素子133により波長813nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長406.5nmのコヒーレント光とその第3高調波の271.0nmのコヒーレント光とが得られる。
【0193】
さらに、第2波長変換素子133から出射された波長813nm、波長406.5nmおよび波長271.0nmのコヒーレント光は波長分散素子134に入射され、波長分散素子134からは波長271.0nmのコヒーレント光のみ出射され、半透過ミラー135を透過してゲルマニウム原子の散乱力による減速のために用いられる。なお、波長分散素子134は、例えば、プリズム、グレーティング、多層膜ミラーあるいはフィルターなどにより構成される。
【0194】
一方、半透過ミラー135により反射された波長271.0nmのコヒーレント光は、全反射ミラー136によって反射されて、波長計やゲルマニウムホローカソード管などから構成されるレーザー波長分光部137に入射される。
【0195】
このレーザー波長分光部137において入射されたコヒーレント光の波長が計測され、その計測結果が周波数制御用エラーシグナル発生器138へ入力される。
【0196】
周波数制御用エラーシグナル発生器138においては、入力された計測結果に基づいて、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131が常に波長813nmのコヒーレント光を発生するようにエラーシグナルをフィードバックする。
【0197】
こうしたフィードバック制御により、常に波長271.0nmのコヒーレント光をゲルマニウム原子に照射することが可能となる。
【0198】
また、図16には、図15に示したゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源130の他の例が示されている。なお、図15に示した構成と同一または相当する構成には、図15に用いた符号と同一の符号に「’」を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0199】
図16に示すゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源130’は、波長271.0nmのコヒーレント光を照射することができるように構成されており、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131’と、第1波長変換素子132’と、第2波長変換素子133’と、波長分散素子134’と、半透過ミラー135’と、全反射ミラー136’と、レーザー波長分光部137’と、周波数制御用エラーシグナル発生器138’とを有して構成されている。なお、半透過ミラー135’と、全反射ミラー136’と、レーザー波長分光部137’と、周波数制御用エラーシグナル発生器138’とによって、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131’へフィードバック信号としてエラーシグナルを入力するためのフィードバックループが形成されている。
【0200】
ここで、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131’は、波長1084nmでパルス幅1ps〜1000ps(フーリエ変換限界パルスで周波数幅1000GHz〜1GHz)のコヒーレント光を出射する。
【0201】
まず、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131’から出射された波長1084nmのコヒーレント光は第1波長変換素子132’に入射され、第1波長変換素子132’により波長1084nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長542nmのコヒーレント光とが得られる。
【0202】
そして、第1波長変換素子132’から出射された波長542nmのコヒーレント光は第2波長変換素子133’に入射され、第2波長変換素子133’により波長542nmのコヒーレント光とその第2高調波の波長271.0nmのコヒーレント光とが得られる。
【0203】
さらに、第2波長変換素子133’から出射された波長542nmおよび波長271.0nmのコヒーレント光と第1波長変換素子132’から出射された波長1084nmのコヒーレント光とが、波長分散素子134’に入射され、波長分散素子134’からは波長271.0nmのコヒーレント光のみ出射され、半透過ミラー135’を透過してゲルマニウム原子の散乱力による減速のために用いられる。なお、波長分散素子134’は、例えば、プリズム、グレーティング、多層膜ミラーあるいはフィルターなどにより構成される。
【0204】
一方、半透過ミラー135’により反射された波長271.0nmのコヒーレント光は、全反射ミラー136’によって反射されて、波長計やゲルマニウムホローカソード管などから構成されるレーザー波長分光部137’に入射される。
【0205】
このレーザー波長分光部137’において入射されたコヒーレント光の波長が計測され、その計測結果が周波数制御用エラーシグナル発生器138’へ入力される。
【0206】
周波数制御用エラーシグナル発生器138’においては、入力された計測結果に基づいて、モード同期(ロック)ピコ秒レーザー131’が常に波長1084nmのコヒーレント光を発生するようにエラーシグナルをフィードバックする。
【0207】
こうしたフィードバック制御により、常に波長271.0nmのコヒーレント光をゲルマニウム原子に照射することが可能となる。
【0208】
次に、図17を参照しながら、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図15に示す1台のゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源130を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例について説明する。なお、図15に示した構成と同一または相当するの構成には、図15に用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0209】
この本発明レーザー冷却装置140は、偏光制御部として、第1半波長板141と、位相変調器142と、第2半波長板143と、変調器ドライバー144と、周波数変換器145とが配設されている。
【0210】
ここで、周波数変換器145はモード同期周波数を入力され、そのモード同期周波数を周波数変換することにより、ゲルマニウム原子の自然放出寿命の略2倍の周期で変調器ドライバー144から変調信号が位相変調器142に出力されるように、変調器ドライバー144に制御信号を出力する。即ち、位相変調器142から出力されるコヒーレント光の偏光が、ゲルマニウム原子の自然放出寿命の略2倍の周期で切り替わるように設定されている。
【0211】
つまり、この偏光制御部により、波長271.0nmのコヒーレント光の偏光が、自然放出寿命の略2倍の周波数で切り替わるように制御されることになる。
【0212】
次に、図17に示すレーザー冷却装置の他の一例として、図18を参照しながら、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図16に示す1台のゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源130’を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源)の実施の形態の一例について説明する。なお、図16に示した構成と同一または相当する構成には、図16において用いた符号と同一の符号を用いて示すこととし、また、図17に示した構成と同一または相当する構成には、図17に用いた符号に「’」を付して示すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0213】
このレーザー冷却装置140’は、偏光制御部として、第1半波長板141’と、位相変調器142’と、第2半波長板143’と、変調器ドライバー144’と、周波数変換器145’とが配設されている。
【0214】
ここで、周波数変換器145’はモード同期周波数を入力され、そのモード同期周波数を周波数変換することにより、ゲルマニウム原子の自然放出寿命の略2倍の周期で変調器ドライバー144’から変調信号が位相変調器142’に出力されるように、変調器ドライバー144’に制御信号を出力する。即ち、位相変調器142’から出力されるコヒーレント光の偏光が、ゲルマニウム原子の自然放出寿命の略2倍の周期で切り替わるように設定されている。
【0215】
つまり、この偏光制御部により、波長271.0nmのコヒーレント光の偏光が、自然放出寿命の略2倍の周波数で切り替わるように制御されることになる。
【0216】
次に、図19を参照しながら、所定波長のコヒーレント光を発生する原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源としてCWレーザーを用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したゲルマニウム減速/冷却用CWコヒーレント光源)の一例について説明する。
【0217】
この、図19に示すレーザー冷却装置150においては、上記したCWレーザーとして、具体的には、1台の波長271nmのCWレーザーを用いている。
【0218】
このレーザー冷却装置150は、ゲルマニウム原子に関して散乱力による減速と散乱力による冷却との双方を実施することができる。
【0219】
即ち、レーザー冷却装置150は、原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として波長271nmのゲルマニウム用CWレーザー151を用いるとともに、偏光制御部として、第1半波長板152と、位相変調器153と、第2半波長板154と、変調器ドライバー155と、発振器156と、第1レンズ157aと、音響光学素子158と、第2レンズ157bと、音響光学素子ドライバー159とが配設されている。
【0220】
ここで、ゲルマニウム原子を散乱力により減速する場合には、音響光学素子158を使用して時間的に周波数を変化させて、チャープ冷却を行う。
【0221】
また、ゲルマニウム原子を散乱力により冷却する際には、音響光学素子158は時間的に偏光を分離する効果と周波数を最適化するのに都合がよい。
【0222】
なお、ゲルマニウム用CWレーザー151と第1半波長板152との間に電気光学シフター(EOシフター)を追加で組み込んで周波数シフト量をかせいだ方がチャープ冷却には有効な場合があるので、適宜に電気光学シフターを当該位置に配設するようにしてよい。
【0223】
なお、波長271nmのゲルマニウム用CWレーザー151としては、例えば、波長1084nmのファイバーレーザーや半導体レーザーの第4高調波を用いるようにしてもよいし、あるいは、波長542nmの半導体レーザーの第2高調波を用いるようにしてもよいし、あるいは、波長271nmの半導体レーザーを用いるようにしてもよい。
【0224】
なお、上記した説明においては、冷却対象の原子としてシリコン原子とゲルマニウム原子を取り扱ったが、これに限られるものではないことは勿論であり、冷却対象の原子として種々の元素の原子を取り扱うようにすることができる。
【0225】
即ち、取り扱う原子を構成する所定の種類の原子、例えば、各種の同位体の中の所望のものの原子共鳴線と一致もしくは正または負に離調した波長を備えたコヒーレント光を、コヒーレント光源装置から当該原子ビームに照射することにより、上記した例と同様の作用効果を得ることができる。
【0226】
(7)変形例について
上記した実施の形態は、以下に説明する(a)乃至(f)に示すように変形してもよい。
【0227】
(a)上記した実施の形態においては、クラスタ元素としてシリコンを用いたシリコンクラスタや、シリコンクラスタに異元素としてルビジウムを内包したルビジウム内包シリコンクラスタを作成する手法について説明したが、本発明はこれに限られるものではないことは勿論である。
【0228】
即ち、上記したように本発明によれば、B、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタや、これらB、Al、C、Si、Ge、SnあるいはPなどをクラスタ元素とするクラスタの一部をCu(銅)、Ag(銀)、Au(金)などのようなクラスタ元素以外の他の元素で置換したクラスタを作成することができる。
【0229】
ここで、シリコン以外の上記した他のクラスタ元素を用いたクラスタを作成するには、上記した実施の形態において、トラップする対象の原子(トラップ原子)や、電子ビームエバポレータのターゲットと原子を、SiからB、Al、C、Ge、Sn、Pに変えればよい。
【0230】
また、クラスタの一部をクラスタ元素以外の他の元素で置換したクラスタを作成するには、上記した実施の形態において、2つの元素を同時または別々に放出することのできる電子ビームエバポレータを用いればよい。ターゲット元素を化合物にしてもよい。
【0231】
さらに、シリコン以外の上記した他のクラスタ元素を用いたクラスタに異元素としてルビジウムを内包したルビジウム内包クラスタや、シリコンクラスタに異元素としてルビジウム以外の異元素を内包した異元素内包シリコンクラスタや、シリコン以外の上記した他のクラスタ元素を用いたクラスタに異元素としてルビジウム以外の異元素を内包した異元素内包クラスタを作成するには、上記した実施の形態において、電子ビームエバポレータのターゲット原子(元素)をSiの代わりに、B、Al、C、Ge、Sn、Pに変えればよい。
【0232】
(b)上記した実施の形態においては、ビームエクスパンダー10008、凹レンズ10010ならびに凸レンズ10012を用いて、コヒーレント光源10006から出射されたコヒーレント光のビーム径を拡大するようにした。しかしながら、コヒーレント光源10006から出射されたコヒーレント光のビーム径を拡大するに際して、これらビームエクスパンダー10008、凹レンズ10010ならびに凸レンズ10012を全て用いる必要はないことは勿論であり、ビームエクスパンダー10008、凹レンズ10010ならびに凸レンズ10012をそれぞれ単体であるいは適宜に組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0233】
また、クラスタを効率よく生成するためには、コヒーレント光のビーム径をある程度太くして(例えば、ビーム径は、直径10mm程度であることが好ましい。)、コヒーレント光のシリコン原子に対する照射領域を広くすることが好ましいが、コヒーレント光のビーム径を太くしなくてもよいことは勿論である。コヒーレント光のビーム径を太くしない場合には、ビームエクスパンダー10008、凹レンズ10010ならびに凸レンズ10012などのビーム径の拡大手段を用いる必要はない。
【0234】
(c)上記した実施の形態においては、半波長板を用いて偏光の波面を整えるようにしたが、偏光の波面を整える必要がないときは、半波長板を用いなくても良いことは勿論である。
【0235】
(d)上記した実施の形態においては、1/4波長板を用いてコヒーレント光の直線偏光を円偏光に偏光するとともに円偏光を直線偏光に偏光することにより偏光を整えるようにしたが、偏光を整える必要がないときは、1/4波長板を用いなくても良いことは勿論である。
【0236】
(e)上記した実施の形態においては、凸レンズ20004を用いて光双極子トラップレーザー20002から出射されたレーザー光のレーザービーム径を調整するようにしたが、光双極子トラップレーザー20002から出射されたレーザー光のレーザービーム径を調整する必要がないときは、凸レンズ20004を用いなくても良いことは勿論である。
【0237】
(f)上記した実施の形態ならびに上記した(a)乃至(e)に示す変形例は、適宜に組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0238】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、各種のクラスタ元素からなるクラスタや異元素内包クラスタを効率的に安定して生成することを可能にしたクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法および生成装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラスタ元素としてシリコン元素を用いて第1の手法によりシリコンクラスタを生成するクラスタ生成装置の概念構成説明図である。
【図2】クラスタ元素としてシリコン元素を用いて第2の手法によりシリコンクラスタを生成するクラスタ生成装置の概念構成説明図である。
【図3】クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第3の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概念構成説明図である。
【図4】クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第4の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概念構成説明図である。
【図5】図5は、図4に示すシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の動作を示す説明図であり、(a)はチャンバー内におけるポテンシャルエネルギーの極小点、即ち、局所空間において、ルビジウム磁気光学トラップシステムから出射されるレーザー光と光双極子トラップレーザーから出射されたレーザー光とが交差する状態を示し、(b)は光双極子トラップにより冷却したシリコン原子をルビジウム原子のトラップ領域内に集めることができるとともにルビジウム原子が磁気光学トラップされた領域とシリコン原子が光双極子トラップされた領域とが分離されることを示す。
【図6】クラスタ元素としてシリコン元素を用いるとともに異元素としてルビジウム元素を用いて、第5の手法によりシリコンクラスタならびにルビジウム内包シリコンクラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタ生成装置の概略構成説明図である。
【図7】先願開示事項による原子のレーザー冷却装置の一例の概念構成説明図である。
【図8】複屈折結晶によるレーザー光の位相の変化の様子を示す説明図であり、(a)はo軸とe軸との間で位相が−π/2ずれた場合に左回りの偏光(σ−)となることを示し、(b)はo軸とe軸との間で位相のずれがない場合に直線偏光(π)となることを示し、(c)はo軸とe軸との間で位相がπ/2ずれた場合に右回りの偏光(σ+)となることを示す。
【図9】1光子の吸収・放出に要する時間が自然放出寿命(τ)の2倍となることを示す説明図である。
【図10】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例を示す構成説明図であり、より詳細には、散乱力によるシリコン原子の減速を行うための光源としての原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の構成説明図である。
【図11】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の他の一例を示す構成説明図であり、より詳細には、散乱力によるシリコン原子の減速を行うための光源としての原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の構成説明図である。
【図12】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図10に示す1台のシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【図13】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図11に示す1台のシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【図14】1台の波長252.4nmのCWレーザーを原子冷却に用いるコヒーレント光源として用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速/冷却用CWコヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【図15】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の一例を示す構成説明図であり、より詳細には、散乱力によるゲルマニウム原子の減速を行うための光源としての原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の構成説明図である。
【図16】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の他の例を示す構成説明図であり、より詳細には、散乱力によるゲルマニウム原子の減速を行うための光源としての原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源の構成説明図である。
【図17】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図15に示す1台のゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【図18】原子のレーザー冷却に用いるコヒーレント光源として図16に示す1台のゲルマニウム減速用ピコ秒コヒーレント光源を用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速用ピコ秒コヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【図19】1台の波長271nmのCWレーザーを原子冷却に用いるコヒーレント光源として用いたレーザー冷却装置(偏光制御機能を付加したシリコン減速/冷却用CWコヒーレント光源)の一例の構成説明図である。
【符号の説明】
10002 チャンバー
10004 アンチヘルムホルツコイル
10006 コヒーレント光源
10008 ビームエクスパンダー
10010 凹レンズ
10012 凸レンズ
10014、10016、10020、10026、10028、10032,10034,10036、10040、10044、10048 ミラー
10018、10030 ビームスプリッター
10022、10024 半波長板
10038、10042、10046 1/4波長板
Claims (10)
- クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成方法において、
クラスタ元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、
前記局所空間に捕捉した原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成する
クラスタの生成方法。 - クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成方法において、
クラスタ元素の原子を光双極子トラップにより局所空間に捕捉し、
前記局所空間に捕捉した原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成する
クラスタの生成方法。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、
前記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素の原子を注入し、
前記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、
前記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、前記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成する
クラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、
前記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内に光双極子トラップによりクラスタ元素を捕捉し、
前記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、
前記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、前記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成する
クラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を磁気光学トラップにより局所空間に捕捉し、
前記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にイオントラップによりクラスタ元素を捕捉し、
前記局所空間内で捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子とクラスタ元素の原子とが衝突することによりクラスタ元素の原子を冷却し、
前記冷却したクラスタ元素の原子同士を散乱または光誘起散乱により会合させてクラスタを生成するとともに、前記生成したクラスタと冷却したクラスタ元素とは異なる元素の原子とを散乱または光誘起散乱により会合させて異元素内包クラスタを生成する
クラスタおよび異元素内包クラスタの生成方法。 - クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成装置において、
クラスタ元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段を有し、
前記磁気光学トラップ手段は、前記クラスタ元素の原子をレーザー冷却するコヒーレント光を前記局所空間に照射するコヒーレント光源を有する
ものであるクラスタの生成装置。 - クラスタ元素の原子からクラスタを生成するクラスタの生成装置において、
クラスタ元素の原子をレーザー冷却するコヒーレント光を局所空間に照射するコヒーレント光源と、
前記コヒーレント光源によりレーザー冷却された前記クラスタ元素の原子を前記局所空間に捕捉する光双極子トラップ手段と
を有するクラスタの生成装置。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、
前記磁気光学トラップ手段により捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する前記局所空間内にクラスタ元素の原子を注入する注入手段と
を有するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、
前記磁気光学トラップ手段により捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素を捕捉する光双極子トラップ手段と
を有するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置。 - クラスタ元素の原子および該クラスタ元素とは異なる元素の原子からクラスタおよび異元素内包クラスタを生成するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置において、
クラスタ元素とは異なる元素の原子を局所空間に捕捉する磁気光学トラップ手段と、
前記磁気光学トラップにより捕捉したクラスタ元素とは異なる元素の原子が存在する局所空間内にクラスタ元素を捕捉するイオントラップ手段と
を有するクラスタおよび異元素内包クラスタの生成装置。
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