JP2004053654A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】広視野角特性を有し、表示品位が高く、生産性に優れた液晶表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1基板と、第2基板と、これらの間に設けられた垂直配向型の液晶層と、第2基板の液晶層側に設けられたカラーフィルタとを備え、複数の絵素領域を有する液晶表示装置である。第1基板は、複数の絵素領域のそれぞれ内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを液晶層に形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、第2基板は、複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有する。カラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、液晶層の厚さは、第1色層、第2色層および第3色層から構成される第1積層構造体によって規定され、第2基板が有する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体である。
【選択図】 図11
【解決手段】第1基板と、第2基板と、これらの間に設けられた垂直配向型の液晶層と、第2基板の液晶層側に設けられたカラーフィルタとを備え、複数の絵素領域を有する液晶表示装置である。第1基板は、複数の絵素領域のそれぞれ内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを液晶層に形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、第2基板は、複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有する。カラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、液晶層の厚さは、第1色層、第2色層および第3色層から構成される第1積層構造体によって規定され、第2基板が有する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体である。
【選択図】 図11
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、特に、広視野角特性を有し、高品位の表示を行う液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータのディスプレイや携帯情報端末機器の表示部に用いられる表示装置として、薄型軽量の液晶表示装置が利用されている。しかしながら、従来のツイストネマチック型(TN型)、スーパーツイストネマチック型(STN型)液晶表示装置は、視野角が狭いという欠点を有しており、それを解決するために様々な技術開発が行なわれている。
【0003】
TN型やSTN型の液晶表示装置の視野角特性を改善するための代表的な技術として、光学補償板を付加する方式がある。他の方式として、基板の表面に対して水平方向の電界を液晶層に印加する横電界方式がある。この横電界方式の液晶表示装置は、近年量産化され、注目されている。また、他の技術としては、液晶材料として負の誘電率異方性を有するネマチック液晶材料を用い、配向膜として垂直配向膜を用いるDAP(deformation of vertical aligned phase)がある。これは、電圧制御複屈折(ECB:electrically controlled birefringence)方式の一つであり、液晶分子の複屈折性を利用して透過率を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、横電界方式は広視野角化技術として有効な方式の1つではあるものの、製造プロセスにおいて、通常のTN型に比べて生産マージンが著しく狭いため、安定な生産が困難であるという問題がある。これは、基板間のギャップむらや液晶分子の配向軸に対する偏光板の透過軸(偏光軸)方向のずれが、表示輝度やコントラスト比に大きく影響するためであり、これらを高精度に制御して、安定な生産を行うためには、さらなる技術開発が必要である。
【0005】
また、DAP方式の液晶表示装置で表示ムラの無い均一な表示を行うためには、配向制御を行う必要がある。配向制御の方法としては、配向膜の表面をラビングすることにより配向処理する方法がある。しかしながら、垂直配向膜にラビング処理を施すと、表示画像中にラビング筋が発生しやすく量産には適していない。
【0006】
一方、ラビング処理を行わずに配向制御を行う方法として、電極にスリット(開口部)を形成することによって、斜め電界を発生させ、その斜め電界によって液晶分子の配向方向を制御する方法も考案されている(例えば、特開平6−301036号公報および特開2000−47217号公報)。しかしながら、本願発明者が検討した結果、上記公報に開示されている方法では、電極の開口部に対応する液晶層の領域の配向状態が規定されておらず、液晶分子の配向の連続性が十分でなく、安定した配向状態を絵素の全体に亘って得ることが困難な結果、ざらついた表示となる。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、広視野角特性を有し、表示品位が高く、生産性に優れた液晶表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記第2基板の前記液晶層側に設けられたカラーフィルタとを備え、前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する第2電極とによって、それぞれが規定される複数の絵素領域を有し、前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれ内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを前記液晶層に形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、前記第2基板は、前記複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有し、前記カラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、前記液晶層の厚さは、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層から構成される第1積層構造体によって規定され、前記第2基板が有する前記凸部は、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体であり、そのことによって上記目的が達成される。
【0009】
ある好適な実施形態において、前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。
【0010】
また、他の好適な実施形態において、前記第2基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、前記第2電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第1電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。このとき、前記絵素電極は前記カラーフィルタ上に設けられていることが好ましい。
【0011】
典型的には、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層は、赤色層、緑色層および青色層である。このとき、前記第2積層構造体は、前記赤色層および前記青色層から構成されていてもよい。
【0012】
前記凸部は、前記少なくとも1つの液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けられていることが好ましい。また、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内において、前記凸部による配向規制方向は、前記配向規制構造による放射状傾斜配向の方向と整合することが好ましい。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記第1電極は複数の単位中実部を有し、前記配向規制構造は、前記複数の単位中実部によって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されたときに、前記複数の単位中実部の周辺に斜め電界を生成することによって、前記複数の単位中実部に対応する領域に、前記複数の液晶ドメインを形成する。
【0014】
また、他の好適な実施形態において、前記第1電極は、少なくとも1つの開口部と中実部とを有し、前記配向規制構造は、前記第1電極の前記少なくとも1つの開口部および中実部によって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されたときに、前記第1電極の前記少なくとも1つの開口部のエッジ部に斜め電界を生成することによって、前記少なくとも1つの開口部および中実部に対応する領域に、前記複数の液晶ドメインを形成する。
【0015】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、上記構成を有する液晶表示装置の製造方法であって、第2基板を用意する工程と、前記第2基板上にドライフィルムラミネート法を用いて第1色層、第2色層および第3色層を有するカラーフィルタを形成する工程と、を包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の液晶表示装置が有する各構成要素の基本的な機能を説明する。
【0017】
本発明の液晶表示装置において、垂直配向型の液晶層を挟持するように配置された一対の基板のうちの一方の基板は、それぞれの絵素領域内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態(軸対称配向とも言う。)をとる複数の液晶ドメインを形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、他方の基板は、複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有している。従って、少なくとも電圧印加状態において、一方の基板に設けられた配向規制構造と他方の基板に設けられた凸部とによる配向規制力が液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶層に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定する。
【0018】
また、本発明の液晶表示装置において、凸部を有する他方の基板の液晶層側に設けられたカラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、液晶層の厚さは、第1色層、第2色層および第3色層から構成される第1積層構造体によって規定される。つまり、第1積層構造体が一対の基板間の間隔を保持するスペーサとして機能する。そのため、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、本発明の液晶表示装置において、配向規制力を発現する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体である。そのため、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0019】
本発明による液晶表示装置は優れた表示特性を有するので、本発明は、絵素領域ごとにスイッチング素子を供えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置に好適に用いられる。スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極は、配向規制構造を有する基板上に設けられてもよいし、凸部およびカラーフィルタを有する基板上に設けられてもよい。言い換えると、スイッチング素子を備えるアクティブマトリクス基板上にカラーフィルタが設けられてもよいし、アクティブマトリクス基板に対向する基板(対向基板)上にカラーフィルタが設けられてもよい。
【0020】
アクティブマトリクス基板上にカラーフィルタを設ける構成を採用すると、対向基板の構成が簡略化されるので、対向基板の作製が簡便になる。また、アクティブマトリクス基板上にカラーフィルタを設ける場合には、カラーフィルタ上に絵素電極を設けることによって、絵素電極がカラーフィルタを介してスイッチング素子やスイッチング素子に接続されたゲート配線およびソース配線と重なる構成とすることができ、別途に樹脂層などの層間絶縁層を設けることなく高開口率の構成を実現できる。
【0021】
カラーフィルタが有する第1色層、第2色層および第3色層は、典型的には、赤色層、緑色層および青色層である。第2積層構造体すなわち凸部を、赤色層および青色層から構成すると、凸部の光透過率を低くすることが可能となるので、凸部の配向規制力によって傾斜配向した液晶分子のリタデーションに起因する光漏れを抑制でき、コントラスト比の高い表示が実現される。
【0022】
ドライフィルムラミネート法を用いてカラーフィルタを形成すると、均一な膜厚の樹脂膜が貼付されることによって各色層(第1色層、第2色層および第3色層)が形成されるので、スペーサとして機能する第1積層構造体の高さを均一にすることができる。そのため、液晶層の厚さムラ(セルギャップムラ)に起因する表示品位の低下が抑制・防止される。
【0023】
本発明の液晶表示装置が有する好適な配向規制構造は、絵素領域の液晶層に電圧を印加する一対の電極の内の一方の電極構造によって構成されている。一方の電極は、複数の単位中実部を有し、一対の電極間に電圧が印加されたときに、複数の単位中実部の周辺に斜め電界を生成することによって、複数の単位中実部に対応する領域に、複数の液晶ドメインを形成する。すなわち、一対の電極間に電圧を印加したときに、一方の電極の周辺に斜め電界を生成し、放射状傾斜配向をとる複数の液晶ドメインを形成するように、一方の電極の外形が規定されている。
【0024】
なお、電極の内で導電膜が存在する部分を中実部と称し、中実部の内で1つの液晶ドメインを形成する電界を発生する部分を「単位中実部」と称する。中実部は、典型的には、連続した導電膜から形成されている。
【0025】
複数の単位中実部のそれぞれの形状は、回転対称性を有する構成とすることが好ましい。単位中実部の形状が回転対称性を有すると、形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向も回転対称性を有する配向、すなわち軸対称配向となり、視野角特性が向上する。
【0026】
本発明の液晶表示装置が有する他の好適な配向規制構造は、絵素領域の液晶層に電圧を印加する一対の電極の内の一方が少なくとも1つの開口部(電極の内で導電膜が存在しない部分)と中実部(電極の内で開口部以外の部分、導電膜が存在する部分)とを有する電極構造である。中実部は典型的には、上記の単位中実部を含む。一方の電極に開口部を設けることによって、1つの絵素領域により、2次元的に配列された単位中実部(例えば4つ)を形成することができるので、電極に開口部を形成することなく、電極の外形を所定の形状に規定することによって単位中実部(例えば2つ)を形成するよりも、多くの液晶ドメインを形成することが可能になる。
【0027】
なお、後述するように、放射状傾斜配向をとる液晶ドメインを電極の開口部に対応する領域にも形成するように、開口部を形成することができるが、必ずしもこのようにする必要はない。中実部(単位中実部)に対応して放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成されれば、開口部に対応して形成される液晶ドメインが放射状傾斜配向をとらなくとも、絵素領域内の液晶分子の配向の連続性は得られるので、中実部に対応して形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向は安定する。特に、開口部の面積が小さい場合には、表示に対する寄与も少ないので、開口部に対応する領域に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成されなくても、表示品位の低下は問題にならない。
【0028】
液晶層は電圧無印加状態において垂直配向状態をとり、且つ、電圧印加状態においては、電極の開口部のエッジ部に生成される斜め電界によって、放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成する。垂直配向型液晶層は、電圧無印加状態で基板面に対して液晶分子が実質的に垂直に配向する液晶層であり、典型的には、負の誘電異方性を有する液晶材料からなり、その両側に設けられた垂直配向膜によって配向規制されている。
【0029】
上記一対の電極に電圧を印加すると垂直配向型液晶に斜め電界が生成され、この斜め電界によって形成される液晶ドメインは、電極の開口部および中実部に対応する領域に形成される。これらの液晶ドメインの配向状態が電圧に応じて変化することによって表示を行う。それぞれの液晶ドメインは放射状傾斜配向(軸対称配向)をとるので、表示品位の視角依存性が小さく、広視角特性を有する。
【0030】
さらに、開口部に形成される液晶ドメインおよび中実部に形成される液晶ドメインは、開口部のエッジ部に生成される斜め電界によって形成されるので、これらは互いに隣接して交互に形成され、且つ、隣接する液晶ドメイン間の液晶分子の配向は本質的に連続である。従って、開口部に形成される液晶ドメインと中実部に形成される液晶ドメインとの間にはディスクリネーションラインは生成されず、それによる表示品位の低下もなく、液晶分子の配向の安定性も高い。
【0031】
上記の電極構造を採用すると、電極の中実部に対応する領域だけでなく、開口部に対応する領域にも、液晶分子が放射状傾斜配向をとるので、上述した従来の液晶表示装置に比べ、液晶分子の配向の連続性が高く、安定した配向状態が実現され、ざらつきのない均一な表示が得られる。特に、良好な応答特性(速い応答速度)を実現するために、液晶分子の配向を制御するための斜め電界を多くの液晶分子に作用させる必要があり、そのためには、開口部(エッジ部)を多く形成する必要がある。本発明の液晶表示装置においては開口部に対応して、安定な放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが形成されるので、応答特性を改善するために開口部を多く形成しても、それに伴う表示品位の低下(ざらつきの発生)を抑制することができる。
【0032】
複数の開口部の少なくとも一部の開口部が、実質的に、等しい形状で等しい大きさを有し、回転対称性を有するように配置された少なくとも1つの単位格子を形成する構成とすることによって、単位格子を単位として、複数の液晶ドメインを高い対称性で配置することができるので、表示品位の視角依存性を向上することができる。さらに、絵素領域の全体を単位格子に分割することによって、絵素領域の全体に亘って、液晶層の配向を安定化することができる。例えば、それぞれの開口部の中心が、正方格子を形成するように、開口部を配列する。なお、1つの絵素領域が、例えば補助容量配線のように不透明な構成要素のよって分割される場合には、表示に寄与する領域毎に単位格子を配置すればよい。
【0033】
複数の開口部の少なくとも一部の開口部(典型的には単位格子を形成する開口部)のそれぞれの形状を回転対称性を有する形状とすることによって、開口部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の安定性を高めることができる。例えば、それぞれの開口部の形状(基板法線方向から見たときの形状)を円形や正多角形(例えば正方形)とする。なお、絵素の形状(縦横比)等に応じて、回転対称性を有しない形状(例えば楕円)等の形状としてもよい。また、開口部に実質的に包囲される中実部の領域(「単位中実部」)の形状が回転対称性を有することによって、中実部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の安定性を高めることができる。例えば、開口部を正方格子状に配置する場合、開口部の形状を略星形や十字形などとし、中実部の形状を略円形や略正方形等の形状としてもよい。勿論、開口部および開口部によって実質的に包囲される中実部の形状をともに略正方形としてもよい。
【0034】
電極の開口部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化させるためには、開口部に形成される液晶ドメインは略円形であることが好ましい。逆にいうと、開口部に形成される液晶ドメインが略円形となるように、開口部の形状を設計すればよい。
【0035】
勿論、電極の中実部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化させるためには、開口部によって実質的に包囲される中実部の領域は略円形であることが好ましい。連続した導電膜から形成される中実部に形成される或る1つの液晶ドメインは、複数の開口部によって実質的に包囲される中実部の領域(単位中実部)に対応して形成される。従って、この中実部の領域(単位中実部)の形状が略円形となるように、開口部の形状およびその配置を決めればよい。
【0036】
上述したいずれの場合においても、絵素領域のそれぞれにおいて、電極に形成される開口部の面積の合計が、中実部の面積より小さいことが好ましい。中実部の面積が大きいほど、電極によって生成される電界の影響を直接的に受ける液晶層の面積(基板法線方向から見たときの平面内に規定される)が大きくなるので、液晶層の電圧に対する光学特性(例えば透過率)が向上する。
【0037】
開口部が略円形となる構成を採用するか、単位中実部が略円形となる構成を採用するかは、どちらの構成において、中実部の面積を大きくできるかによって決めることが好ましい。いずれの構成が好ましいかは、絵素のピッチに依存して適宜選択される。典型的には、ピッチが約25μmを超える場合、中実部が略円形となるように、開口部を形成することが好ましく、約25μm以下の場合には開口部を略円形とすることが好ましい。
【0038】
上記の電極構造(すなわち配向規制構造)を一方の基板に設けただけでは、液晶層に応力が印加されて放射状傾斜配向が乱れると、乱れた配向状態が電界効果によって維持され、残像現象として視認されることがあるが、本願発明の液晶表示装置は、配向規制構造に加え、他方の基板に液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有しており、少なくとも電圧印加状態においては、配向規制構造と凸部とによる配向規制力が液晶ドメイン内の液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定化され、応力による表示品位の低下が抑制される。凸部は、電圧無印加状態においても配向規制力を発現するので、印加電圧の大きさに関わらず配向を安定化できる。また、凸部の配向規制力は比較的弱くてもその効果を奏するので、典型的には、凸部は、配向規制構造による配向規制力よりも弱い配向規制力を発現すればよい。
【0039】
凸部を、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向をとる液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けることによって、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定することができるので、放射状傾斜配向の応力に対する耐性が効果的に向上する。
【0040】
凸部による配向規制方向は、配向規制構造による放射状傾斜配向の方向と整合するように設定すると、配向の連続性および安定性が増し、表示品位および応答特性が向上する。
【0041】
また、凸部による配向規制力は、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向をとる液晶ドメイン内の液晶分子にだけ及べば、液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化することができる。特に、凸部を液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けると、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定する効果も得られる。
【0042】
配向規制構造として、上述した開口部を有する電極構造を採用すると、液晶ドメインは、開口部および中実部の両方に形成されるが、中実部に対応して形成される液晶ドメインに対してのみ凸部を設ければよい。
【0043】
また、このとき、凸部を全ての中実部に対応して設けることが好ましいが、電極構造(開口部の数や配置)によっては、一部の中実部に対して設けるだけで、実用的な配向安定性が得られる場合もある。これは、本発明の液晶表示装置の液晶層に形成される放射状傾斜配向は本質的に連続しているからである。
【0044】
本発明による液晶表示装置の配向規制構造として機能する電極構造のうち、上述した開口部を有する電極は、例えば、絵素領域毎にTFTなどのスイッチング素子を備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置におけるスイッチング素子に接続された絵素電極であり、他方の電極は、複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。このように、液晶層を介して互いに対向するように設けられる一対の電極の内の一方にだけ、開口部を設けるだけで、安定した放射状傾斜配向を実現することができる。すなわち、公知の製造方法において、導電膜を絵素電極の形状にパターニングする際に、所望の形状の開口部が所望の配置で形成されるように、フォトマスクを修正するだけで、配向規制構造を有する液晶表示装置を製造することができる。勿論、対向電極に複数の開口部を形成してもよい。また、配向規制構造として機能する電極構造を、特開2002−0553432号公報に開示されているような二層構造電極としてもよい。
【0045】
また、本発明による液晶表示装置が備える凸部も、公知の方法で製造することができる。
【0046】
以下、図面を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示装置を説明する。
【0047】
(配向規制構造)
まず、本発明の液晶表示装置の好適な配向規制構造である電極構造とその作用とを説明する。
【0048】
本発明による液晶表示装置は、優れた表示特性を有するので、アクティブマトリクス型液晶表示装置に好適に利用される。以下では、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置について、本発明の実施形態を説明する。本発明はこれに限られず、MIMを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置や単純マトリクス型液晶表示装置に適用することができる。また、以下では、透過型液晶表示装置を例に本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限られず、反射型液晶表示装置や、さらに、特開平11−101992号公報に開示されているような透過反射両用型液晶表示装置に適用することができる。
【0049】
なお、本願明細書においては、表示の最小単位である「絵素」に対応する液晶表示装置の領域を「絵素領域」と呼ぶ。カラー液晶表示装置においては、R,G,Bの「絵素」が1つの「画素」に対応する。アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、絵素電極と絵素電極に対向する対向電極とが絵素領域を規定する。また、単純マトリクス型液晶表示装置においては、ストライプ状に設けられる列電極と列電極に直交するように設けられる行電極とが互いに交差するそれぞれの領域が絵素領域を規定する。なお、ブラックマトリクスが設けられる構成においては、厳密には、表示すべき状態に応じて電圧が印加される領域のうち、ブラックマトリクスの開口部に対応する領域が絵素領域に対応することになる。
【0050】
図1(a)および(b)を参照しながら、本発明による配向規制構造を備える液晶表示装置100の1つの絵素領域の構造を説明する。以下では、説明の簡単さのためにカラーフィルタやブラックマトリクスを省略する。また、以下の図面においては、液晶表示装置100の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素を同じ参照符号で示し、その説明を省略する。図1(a)は基板法線方向から見た上面図であり、図1(b)は図1(a)中の1B−1B’線に沿った断面図に相当する。図1(b)は、液晶層に電圧を印加していない状態を示している。
【0051】
液晶表示装置100は、アクティブマトリクス基板(以下「TFT基板」と呼ぶ。)100aと、対向基板100bと、TFT基板100aと対向基板100bとの間に設けられた液晶層30とを有している。液晶層30の液晶分子30aは、負の誘電率異方性を有し、TFT基板100aおよび対向基板100bの液晶層30側の表面に設けられた垂直配向層としての垂直配向膜(不図示)によって、液晶層30に電圧が印加されていないとき、図1(b)に示したように、垂直配向膜の表面に対して垂直に配向する。このとき、液晶層30は垂直配向状態にあるという。但し、垂直配向状態にある液晶層30の液晶分子30aは、垂直配向膜の種類や液晶材料の種類によって、垂直配向膜の表面(基板の表面)の法線から若干傾斜することがある。一般に、垂直配向膜の表面に対して、液晶分子軸(「軸方位」とも言う。)が約85°以上の角度で配向した状態が垂直配向状態と呼ばれる。
【0052】
液晶表示装置100のTFT基板100aは、透明基板(例えばガラス基板)10とその表面に形成された絵素電極14とを有している。対向基板100bは、透明基板(例えばガラス基板)20とその表面に形成された対向電極22とを有している。液晶層30を介して互いに対向するように配置された絵素電極14と対向電極22とに印加される電圧に応じて、絵素領域ごとの液晶層30の配向状態が変化する。液晶層30の配向状態の変化に伴い、液晶層30を透過する光の偏光状態や量が変化する現象を利用して表示が行われる。
【0053】
液晶表示装置100が有する絵素電極14は、複数の開口部14aと中実部14bとを有している。開口部14aは、導電膜(例えばITO膜)から形成される絵素電極14の内の導電膜が除去された部分を指し、中実部14bは導電膜が存在する部分(開口部14a以外の部分)を指す。開口部14aは1つの絵素電極ごとに複数形成されているが、中実部14bは、基本的には連続した単一の導電膜から形成されている。
【0054】
複数の開口部14aは、その中心が正方格子を形成するように配置されており、1つの単位格子を形成する4つの格子点上に中心が位置する4つの開口部14aによって実質的に囲まれる中実部(「単位中実部」と称する。)14b’は、略円形の形状を有している。それぞれの開口部14aは、4つの4分の1円弧状の辺(エッジ)を有し、且つ、その中心に4回回転軸を有する略星形である。なお、絵素領域の全体に亘って配向を安定させるために、絵素電極14の端部まで単位格子を形成することが好ましい。従って、図示したように、絵素電極14の端部は、開口部14aの約2分の1(辺に対応する領域)および開口部14aの約4分の1(角に対応する領域)に相当する形状にパターニングされていることが好ましい。なお、図1(a)中に実線で示した正方形(正方格子の集合)は、単一の導電層から形成された従来の絵素電極に対応する領域(外形)を示している。
【0055】
絵素領域の中央部に位置する開口部14aは実質的に同じ形状で同じ大きさを有している。開口部14aによって形成される単位格子内に位置する単位中実部14b’は略円形であり、実質的に同じ形状で同じ大きさを有している。互いに隣接する単位中実部14b’は互いに接続されており、実質的に単一の導電膜として機能する中実部14bを構成している。
【0056】
上述したような構成を有する絵素電極14と対向電極22との間に電圧を印加すると、開口部14aのエッジ部に生成される斜め電界によって、それぞれが放射状傾斜配向を有する複数の液晶ドメインが形成される。液晶ドメインは、それぞれの開口部14aに対応する領域と、単位格子内の中実部14b’に対応する領域とに、それぞれ1つずつ形成される。
【0057】
ここでは、1つの絵素領域に複数の開口部14aを有する構成を例示したが、1つの開口部を設けるだけで、1つの絵素領域に複数の液晶ドメインを形成することもできる。例えば、図1(a)に示した破線で分割された4つの単位で構成される正方形の領域に注目し、これを1つの絵素電極と見なすと、この絵素電極は、1つの開口部14aとその周辺に配置されている4つの単位中実部14b’で構成されているが、電圧印加時には、放射状傾斜配向をとる5つの液晶ドメインを形成する。
【0058】
さらに、開口部14aを形成しなくても、1つの絵素領域に複数の液晶ドメインを形成することもできる。例えば、互いに隣接する2つの単位に注目し、これを1つの絵素電極と考えると、この絵素電極は、2つの単位中実部14b’で構成され、開口部14aを有しないが、電圧印加時には、放射状傾斜配向をとる2つの液晶ドメインを形成する。このように、絵素電極が、少なくとも、電圧印加時に放射状傾斜配向をとる複数の液晶ドメインを形成するような単位中実部を有していれば(言い換えると、そのような外形を有していれば)、絵素領域内の液晶分子の配向の連続性は得られるので、単位中実部14b’に対応して形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向は安定する。
【0059】
また、ここでは、正方形の絵素電極14を例示しているが、絵素電極の14の形状はこれに限られない。絵素電極14の一般的な形状は、矩形(正方形と長方形を含む)に近似されるので、開口部14aを正方格子状に規則正しく配列することができる。絵素電極14が矩形以外の形状を有していても、絵素領域内の全ての領域に液晶ドメインが形成されるように、規則正しく(例えば例示したように正方格子状に)開口部14aを配置すれば、本発明の効果を得ることができる。
【0060】
上述した斜め電界によって液晶ドメインが形成されるメカニズムを図2(a)および(b)を参照しながら説明する。図2(a)および(b)は、それぞれ図1(b)に示した液晶層30に電圧を印加した状態を示しており、図2(a)は、液晶層30に印加された電圧に応じて、液晶分子30aの配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を模式的に示しており、図2(b)は、印加された電圧に応じて変化した液晶分子30aの配向が定常状態に達した状態を模式的に示している。図2(a)および(b)中の曲線EQは等電位線EQを示す。
【0061】
絵素電極14と対向電極22とが同電位のとき(液晶層30に電圧が印加されていない状態)には、図1(a)に示したように、絵素領域内の液晶分子30aは、両基板10および20の表面に対して垂直に配向している。
【0062】
液晶層30に電圧を印加すると、図2(a)に示した等電位線(電気力線と直交する)EQで表される電位勾配が形成される。この等電位線EQは、絵素電極14の中実部14bと対向電極22との間に位置する液晶層30内では、中実部14bおよび対向電極22の表面に対して平行であり、絵素電極14の開口部14aに対応する領域で落ち込み、開口部14aのエッジ部(開口部14aの境界(外延)を含む開口部14aの内側周辺)EG上の液晶層30内には、傾斜した等電位線EQで表される斜め電界が形成される。
【0063】
負の誘電異方性を有する液晶分子30aには、液晶分子30aの軸方位を等電位線EQに対して平行(電気力線に対して垂直)に配向させようとするトルクが作用する。従って、エッジ部EG上の液晶分子30aは、図2(a)中に矢印で示したように、図中の右側エッジ部EGでは時計回り方向に、図中の左側エッジ部EGでは反時計回り方向に、それぞれ傾斜(回転)し、等電位線EQに平行に配向する。
【0064】
ここで、図3を参照しながら、液晶分子30aの配向の変化を詳細に説明する。
【0065】
液晶層30に電界が生成されると、負の誘電率異方性を有する液晶分子30aには、その軸方位を等電位線EQに対して平行に配向させようとするトルクが作用する。図3(a)に示したように、液晶分子30aの軸方位に対して垂直な等電位線EQで表される電界が発生すると、液晶分子30aには時計回りまたは反時計回り方向に傾斜させるトルクが等しい確率で作用する。従って、互いに対向する平行平板型配置の電極間にある液晶層30内には、時計回り方向のトルクを受ける液晶分子30aと、反時計回りに方向のトルクを受ける液晶分子30aとが混在する。その結果、液晶層30に印加された電圧に応じた配向状態への変化がスムーズに起こらないことがある。
【0066】
図2(a)に示したように、本発明による液晶表示装置100の開口部14aのエッジ部EGにおいて、液晶分子30aの軸方位に対して傾斜した等電位線EQで表される電界(斜め電界)が発生すると、図3(b)に示したように、液晶分子30aは、等電位線EQと平行になるための傾斜量が少ない方向(図示の例では反時計回り)に傾斜する。また、液晶分子30aの軸方位に対して垂直方向の等電位線EQで表される電界が発生する領域に位置する液晶分子30aは、図3(c)に示したように、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aと配向が連続となるように(整合するように)、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aと同じ方向に傾斜する。図3(d)に示したように、等電位線EQが連続した凹凸形状を形成する電界が印加されると、それぞれの傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aによって規制される配向方向と整合するように、平坦な等電位線EQ上に位置する液晶分子30aが配向する。なお、「等電位線EQ上に位置する」とは、「等電位線EQで表される電界内に位置する」ことを意味する。
【0067】
上述したように、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aから始まる配向の変化が進み、定常状態に達すると、図2(b)に模式的に示した配向状態となる。開口部14aの中央付近に位置する液晶分子30aは、開口部14aの互いに対向する両側のエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響をほぼ同等に受けるので、等電位線EQに対して垂直な配向状態を保ち、開口部14aの中央から離れた領域の液晶分子30aは、それぞれ近い方のエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響を受けて傾斜し、開口部14aの中心SAに関して対称な傾斜配向を形成する。この配向状態は、液晶表示装置100の表示面に垂直な方向(基板10および20の表面に垂直な方向)からみると、液晶分子30aの軸方位が開口部14aの中心に関して放射状に配向した状態にある(不図示)。そこで、本願明細書においては、このような配向状態を「放射状傾斜配向」と呼ぶことにする。また、1つの中心に関して放射状傾斜配向をとる液晶層の領域を液晶ドメインと称する。
【0068】
開口部14aによって実質的に包囲された単位中実部14b’に対応する領域においても、液晶分子30aが放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成される。単位中実部14b’に対応する領域の液晶分子30aは、開口部14aのエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響を受け、単位中実部14b’の中心SA(開口部14aが形成する単位格子の中心に対応)に関して対称な放射状傾斜配向をとる。
【0069】
単位中実部14b’に形成される液晶ドメインにおける放射状傾斜配向と開口部14aに形成される放射状傾斜配向は連続しており、いずれも開口部14aのエッジ部EGの液晶分子30aの配向と整合するように配向している。開口部14aに形成された液晶ドメイン内の液晶分子30aは、上側(基板100b側)が開いたコーン状に配向し、単位中実部14b’に形成された液晶ドメイン内の液晶分子30aは下側(基板100a側)が開いたコーン状に配向する。このように、開口部14aに形成される液晶ドメインおよび単位中実部14b’に形成される液晶ドメインに形成される放射状傾斜配向は、互いに連続であるので、これらの境界にディスクリネーションライン(配向欠陥)が形成されることがなく、それによって、ディスクリネーションラインの発生による表示品位の低下は起こらない。
【0070】
液晶表示装置の表示品位の視角依存性を全方位において改善するためには、それぞれの絵素領域内において、全ての方位角方向のそれぞれに沿って配向する液晶分子の存在確率が回転対称性を有することが好ましく、軸対称性を有することがさらに好ましい。すなわち、絵素領域の全体に亘って形成される液晶ドメインが回転対称性、さらには軸対称性を有するように配置されていることが好ましい。但し、絵素領域の全体に亘って回転対称性を有する必要は必ずしも無く、回転対称性(または軸対称性)を有するように配列された液晶ドメイン(例えば、正方格子状に配列された複数の液晶ドメイン)の集合体として絵素領域の液晶層が形成されればよい。従って、絵素領域に形成される複数の開口部14aの配置も絵素領域の全体に亘って回転対称性を有する必要は必ずしも無く、回転対称性(または軸対称性)を有するように配列された開口部(例えば正方格子状に配列された複数の開口部)の集合体として表せられればよい。勿論、複数の開口部14aに実質的に包囲される単位中実部14b’の配置も同様である。また、それぞれの液晶ドメインの形状も回転対称性さらには軸対称性を有することが好ましいので、それぞれの開口部14aおよびおよび単位中実部14b’の形状も回転対称性さらには軸対称性を有することが好ましい。
【0071】
なお、開口部14aの中央付近の液晶層30には十分な電圧が印加されず、開口部14aの中央付近の液晶層30が表示に寄与しない場合がある。すなわち、開口部14aの中央付近の液晶層30の放射状傾斜配向が多少乱れても(例えば、中心軸が開口部14aの中心からずれても)、表示品位が低下しないことがある。従って、少なくとも単位中実部14b’に対応して形成される液晶ドメインが回転対称性、さらには軸対称性を有するように配置されていればよい。
【0072】
図2(a)および(b)を参照しながら説明したように、本発明による液晶表示装置100の絵素電極14は複数の開口部14aを有しており、絵素領域内の液晶層30内に、傾斜した領域を有する等電位線EQで表される電界を形成する。電圧無印加時に垂直配向状態にある液晶層30内の負の誘電異方性を有する液晶分子30aは、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aの配向変化をトリガーとして配向方向を変化し、安定な放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが開口部14aおよび中実部14bに形成される。液晶層に印加される電圧に応じて、この液晶ドメインの液晶分子の配向が変化することによって、表示が行われる。
【0073】
液晶表示装置100が有する絵素電極14が有する開口部14aの形状(基板法線方向から見た形状)およびその配置について説明する。
【0074】
液晶表示装置の表示特性は、液晶分子の配向状態(光学的異方性)に起因して、方位角依存性を示す。表示特性の方位角依存性を低減するためには、液晶分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向していることが好ましい。また、それぞれの絵素領域内の液晶分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向していることがさらに好ましい。従って、開口部14aは、それぞれの絵素領域内の液晶分子30aがすべての方位角に対して同等の確率で配向するように、液晶ドメインを形成するような形状を有していることが好ましい。具体的には、開口部14aの形状は、それぞれの中心(法線方向)を対称軸とする回転対称性(好ましくは2回回転軸以上の対称性)を有することが好ましく、また、複数の開口部14aが回転対称性を有するように配置されていることが好ましい。また、これらの開口部によって実質的に包囲される単位中実部14b’の形状も回転対称性を有することが好ましく、単位中実部14bも回転対称性を有するように配置されることが好ましい。
【0075】
但し、開口部14aや単位中実部14bが絵素領域全体に亘って回転対称性を有するように配置される必要は必ずしも無く、図1(a)に示したように、例えば正方格子(4回回転軸を有する対称性)を最小単位とし、それらの組合せによって絵素領域が構成されれば、絵素領域全体に亘って液晶分子がすべての方位角に対して実質的に同等の確率で配向させることができる。
【0076】
図1(a)に示した、回転対称性を有する略星形の開口部14aおよび略円形の単位中実部14bが正方格子状に配列された場合の液晶分子30aの配向状態を図4(a)〜図4(c)を参照しながら説明する。
【0077】
図4(a)〜(c)は、それぞれ、基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を模式的に示している。図4(b)および(c)など、基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を示す図において、楕円状に描かれた液晶分子30aの先が黒く示されている端は、その端が他端よりも、開口部14aを有する絵素電極14が設けられている基板側に近いように、液晶分子30aが傾斜していることを示している。以下の図面においても同様である。ここでは、図1(a)に示した絵素領域の内の1つの単位格子(4つの開口部14aによって形成される)について説明する。図4(a)〜図4(c)中の対角線に沿った断面は、図1(b)、図2(a)および(b)にそれぞれ対応し、これらの図を合わせて参照しながら説明する。
【0078】
絵素電極14および対向電極22が同電位のとき、すなわち液晶層30に電圧が印加されていない状態においては、TFT基板100aおよび対向基板100bの液晶層30側表面に設けられた垂直配向層(不図示)によって配向方向が規制されている液晶分子30aは、図4(a)に示したように、垂直配向状態を取る。
【0079】
液晶層30に電界を印加し、図2(a)に示した等電位線EQで表される電界が発生すると、負の誘電率異方性を有する液晶分子30aには、軸方位が等電位線EQに平行になるようなトルクが発生する。図3(a)および(b)を参照しながら説明したように、液晶分子30aの分子軸に対して垂直な等電位線EQで表される電場下の液晶分子30aは、液晶分子30aが傾斜(回転)する方向が一義的に定まっていないため(図3(a))、配向の変化(傾斜または回転)が容易に起こらないのに対し、液晶分子30aの分子軸に対して傾斜した等電位線EQ下に置かれた液晶分子30aは、傾斜(回転)方向が一義的に決まるので、配向の変化が容易に起こる。従って、図4(b)に示したように、等電位線EQに対して液晶分子30aの分子軸が傾いている開口部14aのエッジ部から液晶分子30aが傾斜し始める。そして、図3(c)を参照しながら説明したように、開口部14aのエッジ部の傾斜した液晶分子30aの配向と整合性をとるように周囲の液晶分子30aも傾斜し、図4(c)に示したような状態で液晶分子30aの軸方位は安定する(放射状傾斜配向)。
【0080】
このように、開口部14aが回転対称性を有する形状であると、絵素領域内の液晶分子30aは、電圧印加時に、開口部14aのエッジ部から開口部14aの中心に向かって液晶分子30aが傾斜するので、エッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が釣り合う開口部14aの中心付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子30aが開口部14aの中心付近の液晶分子30aを中心に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得られる。
【0081】
また、正方格子状に配列された4つの略星形の開口部14aに包囲された略円形の単位中実部14b’に対応する領域の液晶分子30aも、開口部14aのエッジ部に生成される斜め電界で傾斜した液晶分子30aの配向と整合するように傾斜する。エッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が釣り合う単位中実部14b’の中心付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子30aが単位中実部14b’の中心付近の液晶分子30aを中心に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得られる。
【0082】
このように、絵素領域全体に亘って、液晶分子30aが放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが正方格子状に配列されると、それぞれの軸方位の液晶分子30aの存在確率が回転対称性を有することになり、あらゆる視角方向に対して、ざらつきのない高品位の表示を実現することができる。放射状傾斜配向を有する液晶ドメインの視角依存性を低減するためには、液晶ドメインが高い回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回転軸以上がさらに好ましい。)を有することが好ましい。また、絵素領域全体の視角依存性を低減するためには、絵素領域に形成される複数の液晶ドメインが、高い回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回転軸以上がさらに好ましい。)を有する単位(例えば単位格子)の組合せで表される配列(例えば正方格子)を構成することが好ましい。
【0083】
図1(a)では、開口部14aが略星形を有し、単位中実部14b’が略円形を有し、これらが正方格子状に配列された例を示したが、開口部14aおよび単位中実部14b’の形状ならびにこれらの配置は、上記の例に限られない。
【0084】
図5(a)および(b)に、異なる形状の開口部14aおよび単位中実部14b’を有する絵素電極14Aおよび14Bの上面図をそれぞれ示す。
【0085】
図5(a)および(b)にそれぞれ示した絵素電極14Aおよび14Bの開口部14aおよび単位中実部14b’は、図1(a)に示した絵素電極の開口部14aおよび単位中実部14b’が若干ひずんだ形を有している。絵素電極14Aおよび14Bの開口部14aおよび単位中実部14b’は、2回回転軸を有し(4回回転軸は有しない)、長方形の単位格子を形成するように規則的に配列されている。開口部14aは、いずれも歪んだ星形を有し、単位中実部14b’は、いずれも略楕円形(歪んだ円形)を有している。絵素電極14Aおよび14Bを用いても、表示品位が高い、視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0086】
さらに、図6(a)および(b)にそれぞれ示すような絵素電極14Cおよび14Dを用いることもできる。
【0087】
絵素電極14Cおよび14Dは、単位中実部14b’が略正方形となるように、略十字の開口部14aが正方格子状に配置されている。勿論、これらを歪ませて、長方形の単位格子を形成するように配置してもよい。このように、略矩形(矩形は正方形と長方形を含むとする。)の単位中実部14b’を規則正しく配列しても、表示品位が高い、視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0088】
但し、開口部14aおよび/または単位中実部14b’の形状は、矩形よりも円形または楕円形の方が放射状傾斜配向を安定化できるので好ましい。これは、開口部14aの辺が連続的に(滑らかに)変化するので、液晶分子30aの配向方向も連続的に(滑らかに)変化するためと考えられる。
【0089】
上述した液晶分子30aの配向方向の連続性の観点から、図7(a)および(b)に示す絵素電極14Eおよび14Fも考えられる。図7(a)に示した絵素電極14Eは、図1(a)に示した絵素電極14の変形例で、4つの円弧だけからなる開口部14aを有している。また、図7(b)に示した絵素電極14Fは、図6(b)に示した絵素電極14Dの変形例で、開口部14aの単位中実部14b’側が円弧で形成されている。絵素電極14Eおよび14Fが有する開口部14aならびに単位中実部14b’は、いずれも4回回転軸を有しており、且つ、正方格子状(4回回転軸を有する)に配列されているが、図5(a)および(b)に示したように、開口部14aの単位中実部14b’の形状を歪ませて2回回転軸を有する形状とし、長方形の格子(2回回転軸を有する)を形成するように配置してもよい。
【0090】
(凸部)
次に、凸部の具体的な構造と作用を説明する。これまでの説明にそって、配向規制構造がTFT基板に設けられ、凸部が対向基板に設けられている場合について説明する。本発明による液晶表示装置は、液晶分子を基板面に対して垂直配向させるための構成(例えば一対の基板の液晶層側に設けられた垂直配向膜)に加え、上述したような液晶分子を放射状傾斜配向させるための配向規制構造と、後述するように配向規制構造と協同的に液晶分子を放射状傾斜配向させる(放射状傾斜配向状態を安定化させる)ための凸部とを有している。
【0091】
図8を参照しながら、対向基板200bに設けられた凸部52の構造とその作用とを説明する。図8は、液晶層30側に突き出た凸部52を有する対向基板200bを模式的に示す断面図である。
【0092】
凸部52は、図8に示したように、対向基板200bの基板面に対して傾斜した側面52sを有している。ここでは、凸部52は、略円錐台状であり、側面52sに加えて基板面に平行な頂面52tを有している。
【0093】
凸部52の表面は、垂直配向性を有しており(典型的には、凸部52を覆うように垂直配向膜(不図示)が形成されている。)、図8に示したように、液晶分子30aは、傾斜側面52sのアンカリング効果によって、これらに対してほぼ垂直に配向し、凸部52を中心に放射状に傾斜配向する。
【0094】
つまり、凸部52は、その表面(垂直配向性を有する)の形状効果によって、液晶分子30aを放射状に傾斜配向させるように作用する。凸部52による液晶分子の傾斜方向は、配向規制構造によって絵素電極14の単位中実部14b’(例えば図1参照)に対応する領域に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の配向方向と整合する。凸部52は、電圧の印加無印加に関わらず、配向規制力を発現するので、全ての表示階調において安定した放射状傾斜配向が得られ、応力に対する耐性にも優れている。
【0095】
なお、ここでは略円錐台状の凸部52を例示したが、勿論、凸部52の形状はこれに限定されない。凸部52は、頂面52tを有していなくてもよいし、凸部52の基板面内方向の断面形状は略円形でなくてもよい。
【0096】
また、凸部52は、カラーフィルタ(ここでは対向基板200bの液晶層30側に設けられている)50が有する3つの色層のうちの2つの色層からなる積層構造体である。凸部52のより具体的な構造については後述することとする。
【0097】
上述した、配向規制構造および凸部52を備える液晶表示装置200を図9(a)および(b)に示す。図9(a)は上面図であり、図9(b)は、図9(a)中の9B−9B’線に沿った断面図に相当する。
【0098】
液晶表示装置200は、配向規制構造を構成する開口部14aを備えた絵素電極14を有するTFT基板100aと、凸部52を有する対向基板200bとを有している。なお、配向規制構造は、ここで例示する構成に限られず、前述した種々の構成を適宜用いることができる。
【0099】
液晶表示装置200の対向基板200bに設けられている凸部52は、絵素電極14の中実部14bに対向する領域に設けられており、より具体的には、中実部14bに対向する領域の中央付近に設けられている。
【0100】
このように配置することによって、液晶層30に電圧を印加した状態、すなわち、絵素電極14と対向電極22との間に電圧を印加した状態において、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の方向と、凸部52によって形成される放射状傾斜配向の方向が整合し、放射状傾斜配向が安定化する。この様子を図10(a)〜(c)に模式的に示している。図10(a)は電圧無印加時を示し、図10(b)は電圧印加後に配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を示し、図10(c)は電圧印加中の定常状態を模式的に示している。
【0101】
凸部52による配向規制力は、図10(a)に示したように、電圧無印加状態においても、近傍の液晶分子30aに作用し、放射状傾斜配向を形成する。
【0102】
電圧を印加し始めると、図10(b)に示したような等電位線EQで示される電界が発生し(配向規制構造による)、開口部14aおよび中実部14bに対応する領域に液晶分子30aが放射状傾斜配向した液晶ドメインが形成され、図10(c)に示したような定常状態に達する。このとき、中実部14bに対応する領域に形成される液晶ドメイン内の液晶分子30aの傾斜方向は、対応する領域に設けられた凸部52の配向規制力による液晶分子30aの傾斜方向と一致する。
【0103】
定常状態にある液晶表示装置200に応力が印加されると、液晶層30の放射状傾斜配向は一旦崩れるが、応力が取り除かれると、配向規制構造および凸部52による配向規制力が液晶分子30aに作用しているので、放射状傾斜配向状態に復帰する。従って、応力による残像の発生が抑制される。
【0104】
凸部52による配向規制力は、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の安定化および中心軸位置を固定する効果を有せばいいので、それほど強い配向規制力は必要ない。例えば、直径が約30μm〜約35μmの単位中実部14b’に対して、それぞれ直径が約15μmで高さ(厚さ)が約1μmの凸部52を形成すれば、十分な配向規制力が得られる。
【0105】
図11(a)および(b)と、図12(a)および(b)を参照しながら、配向規制構造および凸部52を備える液晶表示装置200のより具体的な構造を説明する。
【0106】
液晶表示装置200が有するTFT基板100aは、図11(a)および図12(a)に示すように、透明基板10と、透明基板10上に形成されたTFT40と、TFT40に電気的に接続された、ゲート配線(走査配線:ここでは不図示)、ソース配線(信号配線)12および絵素電極14とを有している。TFT基板100aは、さらに、図12(b)に示すように補助容量電極16と補助容量配線13とを有している。
【0107】
TFT40のゲート電極40G、ゲート配線11および補助容量配線13を覆うように、典型的には、TFT基板100aのほぼ全面に、ゲート絶縁膜15が形成されている。ゲート絶縁膜15上に、TFT40を構成するチャネル層41および電極コンタクト層42と、ソース配線と、TFT40のソース電極40Sおよびドレイン電極40Dと、補助容量電極16と、接続配線17とが形成されている。接続配線17は、ドレイン電極40Dと補助容量電極16とを互いに電気的に接続している。ここでは、ソース電極40Sおよびドレイン電極40Dは、それぞれ透明導電層40S1,40D1と金属層40S2,40D2とが積層されて構成されている。
【0108】
さらに、これらを覆うように、TFT基板100aのほぼ全面に絶縁膜18および層間絶縁膜19が形成されており、この層間絶縁膜19上に絵素電極14が形成されている。絵素電極14は、図12(b)に示したように、絶縁膜18および層間絶縁膜19に形成されたコントクトホール18a,19a内において、補助容量電極16と電気的に接続されている。すなわち、絵素電極14は、補助容量電極16および接続配線17を介して、TFT40のドレイン電極40Dに電気的に接続されている。絵素電極14を層間絶縁膜19上に形成することで、ゲート配線11やソース配線に重なるように絵素電極14を設けることができ、開口率が向上する。また、絵素電極14は、開口部14aと中実部14bと有し、配向規制構造を構成する。
【0109】
液晶表示装置200が有する対向基板200bは、図11(a)に示したように、透明基板20と、透明基板20上に形成されたカラーフィルタ50と、カラーフィルタ50上に形成された対向電極22とを有している。対向基板200bは、さらに、絵素電極14の中実部14bに対向する領域に、液晶層30側に突き出た凸部52を有している。
【0110】
カラーフィルタ50は、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bを有する。ここでは、第1色層50Rが赤色層、第2色層50Gが緑色層、第3色層50Bが青色層である。
【0111】
対向基板200bが有する凸部52は、第1色層(赤色層)50R、第2色層(緑色層)50Gおよび第3色層(青色層)50Bのうちの2つから構成される積層構造体である。図11(a)では、R絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成され、G絵素に設けられた凸部52は緑色層50Gと青色層50Bとから構成され、B絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成されている場合を例示している。
【0112】
TFT基板100aおよび対向基板200bの液晶層30側の表面には垂直配向層として垂直配向層(不図示)が設けられており、両基板間の間隙に負の誘電異方性を有する液晶分子を含む液晶層30が封入されている。
【0113】
液晶表示装置200においては、液晶層30の厚さは、図11(b)に示すように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54によって規定される。すなわち、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bからなる積層構造体54が両基板の間隔を規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、典型的には、絵素領域外に設けられる。
【0114】
本実施形態の液晶表示装置200は、例えば、以下のようにして製造される。
【0115】
まず、図12(a)および(b)と図13とを参照しながら、TFT基板100aの製造方法を説明する。
【0116】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)10を用意し、透明基板10上に必要に応じてベースコート膜として絶縁膜(例えばTa2O5層やSiO2層)を形成する。
【0117】
次に、透明基板10上に金属層(例えばAl層、Mo層またはTa層)スパッタリング法を用いて形成し、この金属層をパターニングすることによってゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を形成する。ここでは、ゲート配線11の幅が20μm、補助容量配線13の幅が50μmとなるようにパターニングを施す。
【0118】
続いて、ゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を覆うように透明基板10のほぼ全面にプラズマCVD(P−CVD)法を用いてゲート絶縁膜(例えばSiNx層)15を形成する。
【0119】
その後、ゲート絶縁膜15上に、CVDを用いてチャネル層41および電極コンタクト層42となるSi層を連続して堆積する。チャネル層41としては、例えばアモルファスSi層が用いられ、電極コンタクト層42としては、例えばリン等の不純物がドーピングされたアモルファスSi層や微結晶Si層が用いられる。これらのSi層を、例えばHClとSF6との混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングすることによって、チャネル層41および電極コンタクト層42が形成される。
【0120】
次に、透明導電材料(例えばITO)をスパッタリング法を用いて堆積した後、金属材料(例えばAl、MoまたはTa)を堆積する。その後、これらの導電層をパターニングすることによって、ソース配線12、ソース電極40S、ドレイン電極40D、接続配線17および補助容量電極16を形成する。
【0121】
続いて、絶縁材料(例えばSiNx)をCVD法を用いて堆積した後、パターニングして絶縁膜18を形成する。パターニングの際には、後に形成する絵素電極14と補助容量電極16とを電気的に接続するためのコンタクトホール18aを形成しておく。
【0122】
次に、この絶縁膜18上に感光性樹脂を用いて層間絶縁膜19を形成し、層間絶縁膜19にフォトリソグラフィ法によって、絶縁膜18のコンタクトホール18a内に補助容量電極16を露出させる穴(コンタクトホール)19aを形成する。
【0123】
続いて、絶縁膜18および層間絶縁膜19を形成した基板上に絵素電極14となる透明導電層(例えばITO層)をスパッタリング法により形成する。
【0124】
その後、透明導電層をフォトリスグラフィ法を用いてパターニングすることによって、開口部14aと中実部14bとを有する絵素電極14を形成する。本実施形態では、1つの単位中実部14b’の幅が45μmとなるように形成する。
【0125】
次に、対向基板200bの製造方法を説明する。
【0126】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)20を用意し、この透明基板20上に赤色層(第1色層)50R、緑色層(第2色層)50Gおよび青色層(第3色層)50Bを有するカラーフィルタ50を形成する。ここでは、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて形成する。
【0127】
ここで、ドライフィルムラミネート法について図14(a)〜(c)を参照しながら説明する。ドライフィルムラミネート法に用いるドライフィルム60は、図14(a)に示すように、支持フィルム62と、支持フィルム62上に形成された樹脂膜64とから構成される。樹脂膜64は、支持フィルム62上に、着色された感光性樹脂(例えば紫外線によって硬化する樹脂)を塗布した後に乾燥することによって形成される。このドライフィルム60を、図14(b)に示すように、基板70に圧着して貼付する。その後、図14(c)に示すように、樹脂膜64から支持フィルム62を剥離し、基板70上の樹脂膜64を必要に応じてフォトリソグラフィ法を用いてパターニングする。ドライフィルム60としては、例えば富士写真フィルム株式会社製トランサーフィルムを用いることができる。
【0128】
図15(a)〜(d)および図16を参照しながら、ドライフィルムラミネート法を用いてカラーフィルタ50を形成する工程を含む、対向基板200bの製造方法を説明する。
【0129】
まず、透明基板20上に赤色に着色されたドライフィルムを貼付し、支持フィルムを剥離した後にパターニングを施すことによって、図15(a)に示すように赤色層(第1色層)50Rを形成する。赤色層50Rは、R絵素に対応する領域の全面と、B絵素に対応する領域の一部とに形成される。B絵素に対応する領域に離散的に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径12μmの円形に形成される。また、赤色層50Rは、図15(a)の右側に示したように、絵素領域外の一部の領域にも形成される。絵素領域外に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径17μmの円形に形成される。
【0130】
次に、緑色に着色されたドライフィルムを用いて同様にして、図15(b)に示すように、緑色層(第2色層)50Gを形成する。緑色層50Gは、G絵素に対応する領域と、絵素領域外に形成された赤色層50R上に形成される。絵素領域外の赤色層50R上に形成される緑色層50Gは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。
【0131】
続いて、青色に着色されたドライフィルムを用いて、図15(c)に示すように、青色層(第3色層)50Bを形成する。青色層50Bは、B絵素に対応する領域と、R絵素に対応する領域の一部と、G絵素に対応する領域の一部とに形成される。R絵素およびG絵素に対応する領域に離散的に形成される青色層50Bは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。また、青色層50Bは、絵素領域外に形成された赤色層50Rおよび緑色層50G上にも形成される。絵素領域外の赤色層50Rおよび緑色層50G上に形成される青色層50Bは、ここでは、直径13μmの円形に形成される。
【0132】
上述のようにして赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを順次形成することによって、透明基板20上にカラーフィルタ50が形成される。また、同時に、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bから構成される積層構造体54と、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体52とが形成される。
【0133】
図16に示したように絵素領域外に形成された積層構造体54は、液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、例えば、対向基板200bとTFT基板100aとが貼り合わされたときにゲート配線11上に位置するように設けられるが、ソース配線12上に位置するように設けられてもよいし、補助容量配線13上に位置するように設けられてもよい。
【0134】
また、図16に示したように各絵素領域に形成された積層構造体52は、図9や図10に示したように液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部として機能する。本実施形態では、図13および図16に示したように、凸部52は、絵素電極14が有する複数の単位中実部14b’のそれぞれに対応する領域に設けられる。また、本実施形態では、凸部52は、R絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であり、G絵素においては緑色層50Gと青色層50Bとの積層構造体であり、B絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である。なお、凸部52を構成する色層の組み合わせはこれに限定されず、3つの色層のうちの2つの色層を任意に選択できる。
【0135】
本実施形態では、各色層の厚さを1.8μmとなるように形成する。従って、凸部52の高さは1.8μmとなり、スペーサ54の高さは3.6μmとなる。そのため、スペーサ54によってその厚さを規定される液晶層30の厚さ(すなわちセルギャップ)は3.6μmとなる。
【0136】
上述のようにしてカラーフィルタ50、凸部52およびスペーサ54を形成した後、図15(d)に示すように透明導電材料(例えばITO)を用いて対向電極22を形成する。なお、対向電極22は凸部52に対応する領域に開口部を有するように形成され、凸部52上には導電層が存在しない。
【0137】
このようにして製造されたTFT基板100aと対向基板200bとを公知のシール材を用いて貼り合わせた後、液晶材料を封入することによって液晶表示装置200が完成する。なお、典型的には、両基板の液晶層30側の表面には垂直配向膜が設けられる。
【0138】
本発明による液晶表示装置200においては、TFT基板100aは、それぞれの絵素領域内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、対向基板200bは、配向規制構造によって形成される複数の液晶ドメインに対応する領域に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部52を有している。従って、少なくとも電圧印加状態において、TFT基板100aに設けられた配向規制構造と対向基板200bに設けられた凸部52とによる配向規制力が液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶層30に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定化される。
【0139】
また、液晶表示装置200においては、カラーフィルタ50が有する第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54が液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。そのため、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、配向規制力を発現する凸部52は、カラーフィルタ50が有する第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体であるので、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がない。そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0140】
これに対して、図17(a)および(b)に示す比較例の液晶表示装置1000のように、液晶層1030の厚さを規定するスペーサ1054および液晶分子を放射状傾斜配向させる凸部1052を、カラーフィルタ1050を構成する色層1050R、1050Gおよび1050Bとは別個の材料を用いて形成すると、製造工程が増加し、製造コストの上昇を招く。
【0141】
なお、図18に示す従来のツイストネマチック型の液晶表示装置1100においては、液晶層1130の厚さを規定するために、一定の直径の球状スペーサ(例えばプラスチックビーズ)1152を基板面内に散布する方法が用いられており、この方法は、感光性樹脂を用いて柱状スペーサを形成するよりも簡便である。しかしながら、球状スペーサ1152の表面は配向規制力を発現するので、垂直配向型の液晶層を備えた液晶表示装置において散布された球状スペーサ1152が絵素領域内に存在するとコントラスト比の低下などの表示品位の低下を招く。そのため、垂直配向型の液晶層を備える液晶表示装置においては、絵素領域外に柱状スペーサを形成することが好ましいが、柱状スペーサを形成するための工程が増加するという問題があった。本発明の液晶表示装置200においては、カラーフィルタ50を形成する工程においてスペーサ54が同時に形成されるので、製造工程が増加することがなく、製造コストの上昇を防止できる。
【0142】
また、本実施形態で説明したように、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて形成すると、均一な膜厚の樹脂膜が貼付されることによって各色層が形成されるので、スピンコート法などの他の方法を用いてカラーフィルタ50を形成する場合に比べてスペーサ54の高さを均一にすることができ、液晶層30の厚さムラ(セルギャップムラ)に起因する表示品位の低下が抑制・防止される。また、ドライフィルムラミネート法を用いる場合には、あらかじめ基板面の大きさに合わせて寸法を調整したフィルムを用いることで、基板面内に必要な樹脂膜を貼り付けることが可能であるので、スピンコート法などよりも、色層を形成するための着色材料を有効に利用できる。
【0143】
上述の説明においては、カラーフィルタが対向基板上に設けられている場合を例示して説明したが、カラーフィルタはTFT基板上に設けられていてもよい。
【0144】
図19、図20、図21および図22を参照しながら、TFT基板300a上にカラーフィルタ50が設けられた、本発明による他の実施形態の液晶表示装置300の構造を説明する。
【0145】
液晶表示装置300は、図19(a)に示すように、対向基板300b側に開口部22aと中実部22bとを有する対向電極22から構成される配向規制構造を有しており、TFT基板300a側に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部52を有している。
【0146】
液晶表示装置300が有するTFT基板300aは、図19(a)、図20(a)および図21に示すように、透明基板10と、透明基板10上に形成されたTFT40と、TFT40に電気的に接続された、ゲート配線11、ソース配線12および絵素電極14とを有している。TFT基板300aは、さらに、図20(b)に示すように補助容量電極16と補助容量配線13とを有している。
【0147】
TFT40のゲート電極40G、ゲート配線11および補助容量配線13を覆うように、典型的には、TFT基板300aのほぼ全面に、ゲート絶縁膜15が形成されている。ゲート絶縁膜15上に、TFT40を構成するチャネル層41および電極コンタクト層42と、ソース配線と、TFT40のソース電極40Sおよびドレイン電極40Dと、補助容量電極16と、接続配線17とが形成されている。接続配線17は、ドレイン電極40Dと補助容量電極16とを互いに電気的に接続している。ここでは、ソース電極40Sおよびドレイン電極40Dは、それぞれ透明導電層40S1,40D1と金属層40S2,40D2とが積層されて構成されている。
【0148】
さらに、これらを覆うように、TFT基板300aのほぼ全面に絶縁膜18およびカラーフィルタ50が形成されており、カラーフィルタ50上に絵素電極14が形成されている。絵素電極14は、図20(b)および図21に示したように、絶縁膜18およびカラーフィルタ50に形成されたコントクトホール18a,50a内において、補助容量電極16と電気的に接続されている。すなわち、絵素電極14は、補助容量電極16および接続配線17を介して、TFT40のドレイン電極40Dに電気的に接続されている。
【0149】
カラーフィルタ50は、図19(a)に示したように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bを有する。ここでは、第1色層50Rが赤色層、第2色層50Gが緑色層、第3色層50Bが青色層である。
【0150】
TFT基板300aが有する凸部52は、第1色層(赤色層)50R、第2色層(緑色層)50Gおよび第3色層(青色層)50Bのうちの2つから構成される積層構造体である。図19(a)では、R絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成され、G絵素に設けられた凸部52は緑色層50Gと青色層50Bとから構成され、B絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成されている場合を例示している。
【0151】
液晶表示装置300が有する対向基板300bは、図19(a)および図22に示すように、透明基板20と、透明基板20上に形成された対向電極22とを有している。対向電極22は、開口部22aと中実部22bと有し、配向規制構造を構成する。
【0152】
TFT基板300aおよび対向基板300bの液晶層30側の表面には垂直配向層として垂直配向層(不図示)が設けられており、両基板間の間隙に負の誘電異方性を有する液晶分子を含む液晶層30が封入されている。
【0153】
液晶表示装置300においては、液晶層30の厚さは、図19(b)に示すように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54によって規定される。すなわち、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bからなる積層構造体54が両基板の間隔を規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、典型的には、絵素領域外に設けられる。
【0154】
液晶表示装置300は、例えば、以下のようにして製造される。
【0155】
まず、図20(a)および(b)と図21とを参照しながら、TFT基板300aの製造方法を説明する。
【0156】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)10を用意し、透明基板10上に必要に応じてベースコート膜として絶縁膜(例えばTa2O5層やSiO2層)を形成する。
【0157】
次に、透明基板10上に金属層(例えばAl層、Mo層またはTa層)スパッタリング法を用いて形成し、この金属層をパターニングすることによってゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を形成する。ここでは、ゲート配線11の幅が20μm、補助容量配線13の幅が50μmとなるようにパターニングを施す。
【0158】
続いて、ゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を覆うように透明基板10のほぼ全面にプラズマCVD(P−CVD)法を用いてゲート絶縁膜(例えばSiNx層)15を形成する。
【0159】
その後、ゲート絶縁膜15上に、CVDを用いてチャネル層41および電極コンタクト層42となるSi層を連続して堆積する。チャネル層41としては、例えばアモルファスSi層が用いられ、電極コンタクト層42としては、例えばリン等の不純物がドーピングされたアモルファスSi層や微結晶Si層が用いられる。これらのSi層を、例えばHClとSF6との混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングすることによって、チャネル層41および電極コンタクト層42が形成される。
【0160】
次に、透明導電材料(例えばITO)をスパッタリング法を用いて堆積した後、金属材料(例えばAl、MoまたはTa)を堆積する。その後、これらの導電層をパターニングすることによって、ソース配線12、ソース電極40S、ドレイン電極40D、接続配線17および補助容量電極16を形成する。
【0161】
続いて、絶縁材料(例えばSiNx)をCVD法を用いて堆積した後、パターニングして絶縁膜18を形成する。パターニングの際には、後に形成する絵素電極14と補助容量電極16とを電気的に接続するためのコンタクトホール18aを形成しておく。
【0162】
次に、絶縁膜18が形成された透明基板10上に、赤色層(第1色層)50R、緑色層(第2色層)50Gおよび青色層(第3色層)50Bを有するカラーフィルタ50を形成する。ここでは、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて以下のようにして形成する。
【0163】
まず、絶縁膜18が形成された透明基板10上に、赤色に着色されたドライフィルムを貼付し、支持フィルムを剥離した後にパターニングを施すことによって、図23(a)に示すように赤色層(第1色層)50Rを形成する。赤色層50Rは、R絵素に対応する領域の全面と、B絵素に対応する領域の一部とに形成される。B絵素に対応する領域に離散的に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径12μmの円形に形成される。また、赤色層50Rは、図23(a)の右側に示したように、絵素領域外の一部の領域にも形成される。絵素領域外に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径17μmの円形に形成される。
【0164】
次に、緑色に着色されたドライフィルムを用いて同様にして、図23(b)に示すように、緑色層(第2色層)50Gを形成する。緑色層50Gは、G絵素に対応する領域と、絵素領域外に形成された赤色層50R上に形成される。絵素領域外の赤色層50R上に形成される緑色層50Gは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。
【0165】
続いて、青色に着色されたドライフィルムを用いて、図23(c)に示すように、青色層(第3色層)50Bを形成する。青色層50Bは、B絵素に対応する領域と、R絵素に対応する領域の一部と、G絵素に対応する領域の一部とに形成される。R絵素およびG絵素に対応する領域に離散的に形成される青色層50Bは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。また、青色層50Bは、絵素領域外に形成された赤色層50Rおよび緑色層50G上にも形成される。絵素領域外の赤色層50Rおよび緑色層50G上に形成される青色層50Bは、ここでは、直径13μmの円形に形成される。
【0166】
上述のようにして赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを順次形成することによって、透明基板10上にカラーフィルタ50が形成される。また、同時に、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bから構成される積層構造体54と、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体52とが形成される。
【0167】
図21に示したように絵素領域外に形成された積層構造体54は、液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、例えば、ゲート配線11上に位置するように設けられるが、ソース配線12上に位置するように設けられてもよいし、補助容量配線13上に位置するように設けられてもよい。
【0168】
また、図21に示したように各絵素領域に形成された積層構造体52は、図9や図10に示したように液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部として機能する。本実施形態では、図21および図22に示したように、凸部52は、対向電極22が有する複数の単位中実部22b’のそれぞれに対応する領域に設けられる。また、本実施形態では、凸部52は、R絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であり、G絵素においては緑色層50Gと青色層50Bとの積層構造体であり、B絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である。なお、凸部52を構成する色層の組み合わせはこれに限定されず、3つの色層のうちの2つの色層を任意に選択できる。
【0169】
本実施形態では、各色層の厚さを1.8μmとなるように形成する。従って、凸部52の高さは1.8μmとなり、スペーサ54の高さは3.6μmとなる。そのため、スペーサ54によってその厚さを規定される液晶層30の厚さは3.6μmとなる。
【0170】
なお、本実施形態では、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを形成する際、すなわち、ドライフィルムの樹脂膜をパターニングする際に、絶縁膜18のコンタクトホール18a内に補助容量電極16を露出させる穴(コンタクトホール)50aを形成する。
【0171】
その後、図23(d)に示すように、カラーフィルタ50上に透明導電層(例えばITO層)を形成し、この透明導電層に画素形状となるようにパターニングを施すことによって絵素電極14を形成する。
【0172】
次に、対向基板300bの製造方法を説明する。まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)20を用意し、この透明基板20上に透明導電層(例えばITO層)を形成する。その後、この透明導電層をフォトリスグラフィ法を用いてパターニングすることによって、開口部22aと中実部22bとを有する対向電極22を形成する。本実施形態では、1つの単位中実部22b’の幅が45μmとなるように形成する。
【0173】
このようにして製造されたTFT基板300aと対向基板300bとを公知のシール材を用いて貼り合わせた後、液晶材料を封入することによって液晶表示装置300が完成する。なお、典型的には、両基板の液晶層30側の表面には垂直配向膜が設けられる。
【0174】
上述した液晶表示装置300のように、TFT基板300a上にカラーフィルタ50を設ける構成を採用すると、対向基板300bの構成が簡略化されるので、対向基板300bの作製が簡便になる。そのため、対向基板300bが備える透明基板20としてプラスチック基板を用いることが容易となり、軽量化を容易に図ることができる。また、液晶表示装置300のようにカラーフィルタ50上に絵素電極14を設けると、絵素電極14がカラーフィルタ50を介してTFT40やゲート配線11あるいはソース配線12と重なる構成とすることができ、別途に樹脂層などの層間絶縁層を設けることなく高開口率の構成が実現される。
【0175】
図24に、本発明によるさらに他の実施形態の液晶表示装置400を示す。液晶表示装置400は、対向基板400bが備える凸部52がいずれも赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である点において、図11(a)および(b)に示した液晶表示装置200と異なる。
【0176】
表1に、赤色層50R、緑色層50G、青色層50Bおよびこれらのうちの2つからなる積層構造体の光学濃度(OD:Optical Density)の値を示す。光学濃度の値(OD値)は、物質の不透明度を示す値であり、OD値が高い物質ほど光の透過率が低い。
【0177】
表1に示したように、赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体がもっともOD値が高く、透過率が低い。そのため、図24に示した液晶表示装置400のように、凸部52が赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であると、凸部52の透過率が低いので、凸部52の側面近傍に傾斜配向している液晶分子のリタデーションに起因した光漏れによる表示品位の低下を抑制できる。勿論、図19(a)および(b)に示した液晶表示装置300のように、カラーフィルタ50がTFT基板300a側に設けられている構成においても、凸部52を赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体とすることによって同様の効果が得られる。
【0178】
液晶表示装置400は、液晶表示装置200や液晶表示装置300と同様にして製造することができる。
【0179】
【発明の効果】
本発明によると、広視野角特性を有し、表示品位が高く、生産性に優れた液晶表示装置およびその製造方法が提供される。
【0180】
本発明によると、放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが安定に、高い連続性を有するように形成されるので、従来の広視角特性を有する液晶表示装置の表示品位をさらに向上することができる。また、配向規制構造と凸部とによって放射状傾斜配向を安定化させ、さらに、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定することもできるので、液晶パネルに応力が印加された場合に残像が発生することが抑制される。また、液晶層の厚さは、カラーフィルタが有する第1色層、第2色層および第3色層から構成される積層構造体によって規定されるので、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がなく、そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、配向規制力を発現する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される積層構造体であるので、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がなく、そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配向規制構造を備える液晶表示装置100の一つの絵素領域の構造を模式的に示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)中の1B−1B’線に沿った断面図である。
【図2】液晶表示装置100の液晶層30に電圧を印加した状態を示す図であり、(a)は、配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を模式的に示し、(b)は、定常状態を模式的に示している。
【図3】(a)〜(d)は、電気力線と液晶分子の配向の関係を模式的に示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、液晶表示装置100における、基板法線方向から見た液晶分子の配向状態を模式的に示す図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられる他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図6】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図8】凸部52を有する対向基板200bを模式的に示す断面図である。
【図9】配向規制構造および凸部を備える本発明による実施形態の液晶表示装置200を模式的に示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)中の9B−9B’線に沿った断面図である。
【図10】液晶表示装置200の一絵素領域の断面構造を模式的に示す図であり、(a)は電圧無印加状態を示し、(b)は配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を示し、(c)は定常状態を示している。
【図11】(a)は、液晶表示装置200を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置200の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図12】(a)および(b)は、液晶表示装置200が有するTFT基板100aを模式的に示す断面図であり、(a)はTFT近傍、(b)はコンタクトホール近傍を示す図である。
【図13】液晶表示装置200が有するTFT基板100aを模式的に示す上面図である。
【図14】(a)、(b)および(c)は、ドライフィルムラミネート法を説明するための図である。
【図15】(a)、(b)、(c)および(d)は、液晶表示装置200の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図16】液晶表示装置200が有する対向基板200bを模式的に示す上面図である。
【図17】(a)は、比較例の液晶表示装置1000を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置1000の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図18】従来のツイストネマチック型の液晶表示装置1100を模式的に示す断面図である。
【図19】(a)は、本発明による他の実施形態の液晶表示装置300を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置300の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図20】(a)および(b)は、液晶表示装置300が有するTFT基板300aを模式的に示す断面図であり、(a)はTFT近傍、(b)はコンタクトホール近傍を示す図である。
【図21】液晶表示装置300が有するTFT基板300aを模式的に示す上面図である。
【図22】液晶表示装置300が有する対向基板300bを模式的に示す上面図である。
【図23】(a)、(b)、(c)および(d)は、液晶表示装置300の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図24】本発明によるさらに他の実施形態の液晶表示装置400を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 透明基板
11 ゲート配線
12 ソース配線
13 補助容量配線
14 絵素電極
14a 開口部
14b 中実部
14b’ 単位中実部
15 ゲート絶縁膜
16 補助容量電極
17 接続配線
18 絶縁膜
18a コンタクトホール
19 層間絶縁膜
19a コンタクトホール
20 透明基板
22 対向電極
22a 開口部
22b 中実部
22b’ 単位中実部
30 液晶層
30a 液晶分子
40 TFT
50 カラーフィルタ
50R 赤色層(第1色層)
50G 緑色層(第2色層)
50B 青色層(第3色層)
52 凸部
54 スペーサ
100、200 液晶表示装置
300、400 液晶表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、特に、広視野角特性を有し、高品位の表示を行う液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータのディスプレイや携帯情報端末機器の表示部に用いられる表示装置として、薄型軽量の液晶表示装置が利用されている。しかしながら、従来のツイストネマチック型(TN型)、スーパーツイストネマチック型(STN型)液晶表示装置は、視野角が狭いという欠点を有しており、それを解決するために様々な技術開発が行なわれている。
【0003】
TN型やSTN型の液晶表示装置の視野角特性を改善するための代表的な技術として、光学補償板を付加する方式がある。他の方式として、基板の表面に対して水平方向の電界を液晶層に印加する横電界方式がある。この横電界方式の液晶表示装置は、近年量産化され、注目されている。また、他の技術としては、液晶材料として負の誘電率異方性を有するネマチック液晶材料を用い、配向膜として垂直配向膜を用いるDAP(deformation of vertical aligned phase)がある。これは、電圧制御複屈折(ECB:electrically controlled birefringence)方式の一つであり、液晶分子の複屈折性を利用して透過率を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、横電界方式は広視野角化技術として有効な方式の1つではあるものの、製造プロセスにおいて、通常のTN型に比べて生産マージンが著しく狭いため、安定な生産が困難であるという問題がある。これは、基板間のギャップむらや液晶分子の配向軸に対する偏光板の透過軸(偏光軸)方向のずれが、表示輝度やコントラスト比に大きく影響するためであり、これらを高精度に制御して、安定な生産を行うためには、さらなる技術開発が必要である。
【0005】
また、DAP方式の液晶表示装置で表示ムラの無い均一な表示を行うためには、配向制御を行う必要がある。配向制御の方法としては、配向膜の表面をラビングすることにより配向処理する方法がある。しかしながら、垂直配向膜にラビング処理を施すと、表示画像中にラビング筋が発生しやすく量産には適していない。
【0006】
一方、ラビング処理を行わずに配向制御を行う方法として、電極にスリット(開口部)を形成することによって、斜め電界を発生させ、その斜め電界によって液晶分子の配向方向を制御する方法も考案されている(例えば、特開平6−301036号公報および特開2000−47217号公報)。しかしながら、本願発明者が検討した結果、上記公報に開示されている方法では、電極の開口部に対応する液晶層の領域の配向状態が規定されておらず、液晶分子の配向の連続性が十分でなく、安定した配向状態を絵素の全体に亘って得ることが困難な結果、ざらついた表示となる。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、広視野角特性を有し、表示品位が高く、生産性に優れた液晶表示装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記第2基板の前記液晶層側に設けられたカラーフィルタとを備え、前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する第2電極とによって、それぞれが規定される複数の絵素領域を有し、前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれ内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを前記液晶層に形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、前記第2基板は、前記複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有し、前記カラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、前記液晶層の厚さは、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層から構成される第1積層構造体によって規定され、前記第2基板が有する前記凸部は、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体であり、そのことによって上記目的が達成される。
【0009】
ある好適な実施形態において、前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。
【0010】
また、他の好適な実施形態において、前記第2基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、前記第2電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第1電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。このとき、前記絵素電極は前記カラーフィルタ上に設けられていることが好ましい。
【0011】
典型的には、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層は、赤色層、緑色層および青色層である。このとき、前記第2積層構造体は、前記赤色層および前記青色層から構成されていてもよい。
【0012】
前記凸部は、前記少なくとも1つの液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けられていることが好ましい。また、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内において、前記凸部による配向規制方向は、前記配向規制構造による放射状傾斜配向の方向と整合することが好ましい。
【0013】
ある好適な実施形態において、前記第1電極は複数の単位中実部を有し、前記配向規制構造は、前記複数の単位中実部によって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されたときに、前記複数の単位中実部の周辺に斜め電界を生成することによって、前記複数の単位中実部に対応する領域に、前記複数の液晶ドメインを形成する。
【0014】
また、他の好適な実施形態において、前記第1電極は、少なくとも1つの開口部と中実部とを有し、前記配向規制構造は、前記第1電極の前記少なくとも1つの開口部および中実部によって構成され、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されたときに、前記第1電極の前記少なくとも1つの開口部のエッジ部に斜め電界を生成することによって、前記少なくとも1つの開口部および中実部に対応する領域に、前記複数の液晶ドメインを形成する。
【0015】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、上記構成を有する液晶表示装置の製造方法であって、第2基板を用意する工程と、前記第2基板上にドライフィルムラミネート法を用いて第1色層、第2色層および第3色層を有するカラーフィルタを形成する工程と、を包含し、そのことによって上記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の液晶表示装置が有する各構成要素の基本的な機能を説明する。
【0017】
本発明の液晶表示装置において、垂直配向型の液晶層を挟持するように配置された一対の基板のうちの一方の基板は、それぞれの絵素領域内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態(軸対称配向とも言う。)をとる複数の液晶ドメインを形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、他方の基板は、複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有している。従って、少なくとも電圧印加状態において、一方の基板に設けられた配向規制構造と他方の基板に設けられた凸部とによる配向規制力が液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶層に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定する。
【0018】
また、本発明の液晶表示装置において、凸部を有する他方の基板の液晶層側に設けられたカラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、液晶層の厚さは、第1色層、第2色層および第3色層から構成される第1積層構造体によって規定される。つまり、第1積層構造体が一対の基板間の間隔を保持するスペーサとして機能する。そのため、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、本発明の液晶表示装置において、配向規制力を発現する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体である。そのため、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0019】
本発明による液晶表示装置は優れた表示特性を有するので、本発明は、絵素領域ごとにスイッチング素子を供えたアクティブマトリクス型の液晶表示装置に好適に用いられる。スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極は、配向規制構造を有する基板上に設けられてもよいし、凸部およびカラーフィルタを有する基板上に設けられてもよい。言い換えると、スイッチング素子を備えるアクティブマトリクス基板上にカラーフィルタが設けられてもよいし、アクティブマトリクス基板に対向する基板(対向基板)上にカラーフィルタが設けられてもよい。
【0020】
アクティブマトリクス基板上にカラーフィルタを設ける構成を採用すると、対向基板の構成が簡略化されるので、対向基板の作製が簡便になる。また、アクティブマトリクス基板上にカラーフィルタを設ける場合には、カラーフィルタ上に絵素電極を設けることによって、絵素電極がカラーフィルタを介してスイッチング素子やスイッチング素子に接続されたゲート配線およびソース配線と重なる構成とすることができ、別途に樹脂層などの層間絶縁層を設けることなく高開口率の構成を実現できる。
【0021】
カラーフィルタが有する第1色層、第2色層および第3色層は、典型的には、赤色層、緑色層および青色層である。第2積層構造体すなわち凸部を、赤色層および青色層から構成すると、凸部の光透過率を低くすることが可能となるので、凸部の配向規制力によって傾斜配向した液晶分子のリタデーションに起因する光漏れを抑制でき、コントラスト比の高い表示が実現される。
【0022】
ドライフィルムラミネート法を用いてカラーフィルタを形成すると、均一な膜厚の樹脂膜が貼付されることによって各色層(第1色層、第2色層および第3色層)が形成されるので、スペーサとして機能する第1積層構造体の高さを均一にすることができる。そのため、液晶層の厚さムラ(セルギャップムラ)に起因する表示品位の低下が抑制・防止される。
【0023】
本発明の液晶表示装置が有する好適な配向規制構造は、絵素領域の液晶層に電圧を印加する一対の電極の内の一方の電極構造によって構成されている。一方の電極は、複数の単位中実部を有し、一対の電極間に電圧が印加されたときに、複数の単位中実部の周辺に斜め電界を生成することによって、複数の単位中実部に対応する領域に、複数の液晶ドメインを形成する。すなわち、一対の電極間に電圧を印加したときに、一方の電極の周辺に斜め電界を生成し、放射状傾斜配向をとる複数の液晶ドメインを形成するように、一方の電極の外形が規定されている。
【0024】
なお、電極の内で導電膜が存在する部分を中実部と称し、中実部の内で1つの液晶ドメインを形成する電界を発生する部分を「単位中実部」と称する。中実部は、典型的には、連続した導電膜から形成されている。
【0025】
複数の単位中実部のそれぞれの形状は、回転対称性を有する構成とすることが好ましい。単位中実部の形状が回転対称性を有すると、形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向も回転対称性を有する配向、すなわち軸対称配向となり、視野角特性が向上する。
【0026】
本発明の液晶表示装置が有する他の好適な配向規制構造は、絵素領域の液晶層に電圧を印加する一対の電極の内の一方が少なくとも1つの開口部(電極の内で導電膜が存在しない部分)と中実部(電極の内で開口部以外の部分、導電膜が存在する部分)とを有する電極構造である。中実部は典型的には、上記の単位中実部を含む。一方の電極に開口部を設けることによって、1つの絵素領域により、2次元的に配列された単位中実部(例えば4つ)を形成することができるので、電極に開口部を形成することなく、電極の外形を所定の形状に規定することによって単位中実部(例えば2つ)を形成するよりも、多くの液晶ドメインを形成することが可能になる。
【0027】
なお、後述するように、放射状傾斜配向をとる液晶ドメインを電極の開口部に対応する領域にも形成するように、開口部を形成することができるが、必ずしもこのようにする必要はない。中実部(単位中実部)に対応して放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成されれば、開口部に対応して形成される液晶ドメインが放射状傾斜配向をとらなくとも、絵素領域内の液晶分子の配向の連続性は得られるので、中実部に対応して形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向は安定する。特に、開口部の面積が小さい場合には、表示に対する寄与も少ないので、開口部に対応する領域に放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成されなくても、表示品位の低下は問題にならない。
【0028】
液晶層は電圧無印加状態において垂直配向状態をとり、且つ、電圧印加状態においては、電極の開口部のエッジ部に生成される斜め電界によって、放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成する。垂直配向型液晶層は、電圧無印加状態で基板面に対して液晶分子が実質的に垂直に配向する液晶層であり、典型的には、負の誘電異方性を有する液晶材料からなり、その両側に設けられた垂直配向膜によって配向規制されている。
【0029】
上記一対の電極に電圧を印加すると垂直配向型液晶に斜め電界が生成され、この斜め電界によって形成される液晶ドメインは、電極の開口部および中実部に対応する領域に形成される。これらの液晶ドメインの配向状態が電圧に応じて変化することによって表示を行う。それぞれの液晶ドメインは放射状傾斜配向(軸対称配向)をとるので、表示品位の視角依存性が小さく、広視角特性を有する。
【0030】
さらに、開口部に形成される液晶ドメインおよび中実部に形成される液晶ドメインは、開口部のエッジ部に生成される斜め電界によって形成されるので、これらは互いに隣接して交互に形成され、且つ、隣接する液晶ドメイン間の液晶分子の配向は本質的に連続である。従って、開口部に形成される液晶ドメインと中実部に形成される液晶ドメインとの間にはディスクリネーションラインは生成されず、それによる表示品位の低下もなく、液晶分子の配向の安定性も高い。
【0031】
上記の電極構造を採用すると、電極の中実部に対応する領域だけでなく、開口部に対応する領域にも、液晶分子が放射状傾斜配向をとるので、上述した従来の液晶表示装置に比べ、液晶分子の配向の連続性が高く、安定した配向状態が実現され、ざらつきのない均一な表示が得られる。特に、良好な応答特性(速い応答速度)を実現するために、液晶分子の配向を制御するための斜め電界を多くの液晶分子に作用させる必要があり、そのためには、開口部(エッジ部)を多く形成する必要がある。本発明の液晶表示装置においては開口部に対応して、安定な放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが形成されるので、応答特性を改善するために開口部を多く形成しても、それに伴う表示品位の低下(ざらつきの発生)を抑制することができる。
【0032】
複数の開口部の少なくとも一部の開口部が、実質的に、等しい形状で等しい大きさを有し、回転対称性を有するように配置された少なくとも1つの単位格子を形成する構成とすることによって、単位格子を単位として、複数の液晶ドメインを高い対称性で配置することができるので、表示品位の視角依存性を向上することができる。さらに、絵素領域の全体を単位格子に分割することによって、絵素領域の全体に亘って、液晶層の配向を安定化することができる。例えば、それぞれの開口部の中心が、正方格子を形成するように、開口部を配列する。なお、1つの絵素領域が、例えば補助容量配線のように不透明な構成要素のよって分割される場合には、表示に寄与する領域毎に単位格子を配置すればよい。
【0033】
複数の開口部の少なくとも一部の開口部(典型的には単位格子を形成する開口部)のそれぞれの形状を回転対称性を有する形状とすることによって、開口部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の安定性を高めることができる。例えば、それぞれの開口部の形状(基板法線方向から見たときの形状)を円形や正多角形(例えば正方形)とする。なお、絵素の形状(縦横比)等に応じて、回転対称性を有しない形状(例えば楕円)等の形状としてもよい。また、開口部に実質的に包囲される中実部の領域(「単位中実部」)の形状が回転対称性を有することによって、中実部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の安定性を高めることができる。例えば、開口部を正方格子状に配置する場合、開口部の形状を略星形や十字形などとし、中実部の形状を略円形や略正方形等の形状としてもよい。勿論、開口部および開口部によって実質的に包囲される中実部の形状をともに略正方形としてもよい。
【0034】
電極の開口部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化させるためには、開口部に形成される液晶ドメインは略円形であることが好ましい。逆にいうと、開口部に形成される液晶ドメインが略円形となるように、開口部の形状を設計すればよい。
【0035】
勿論、電極の中実部に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化させるためには、開口部によって実質的に包囲される中実部の領域は略円形であることが好ましい。連続した導電膜から形成される中実部に形成される或る1つの液晶ドメインは、複数の開口部によって実質的に包囲される中実部の領域(単位中実部)に対応して形成される。従って、この中実部の領域(単位中実部)の形状が略円形となるように、開口部の形状およびその配置を決めればよい。
【0036】
上述したいずれの場合においても、絵素領域のそれぞれにおいて、電極に形成される開口部の面積の合計が、中実部の面積より小さいことが好ましい。中実部の面積が大きいほど、電極によって生成される電界の影響を直接的に受ける液晶層の面積(基板法線方向から見たときの平面内に規定される)が大きくなるので、液晶層の電圧に対する光学特性(例えば透過率)が向上する。
【0037】
開口部が略円形となる構成を採用するか、単位中実部が略円形となる構成を採用するかは、どちらの構成において、中実部の面積を大きくできるかによって決めることが好ましい。いずれの構成が好ましいかは、絵素のピッチに依存して適宜選択される。典型的には、ピッチが約25μmを超える場合、中実部が略円形となるように、開口部を形成することが好ましく、約25μm以下の場合には開口部を略円形とすることが好ましい。
【0038】
上記の電極構造(すなわち配向規制構造)を一方の基板に設けただけでは、液晶層に応力が印加されて放射状傾斜配向が乱れると、乱れた配向状態が電界効果によって維持され、残像現象として視認されることがあるが、本願発明の液晶表示装置は、配向規制構造に加え、他方の基板に液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有しており、少なくとも電圧印加状態においては、配向規制構造と凸部とによる配向規制力が液晶ドメイン内の液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定化され、応力による表示品位の低下が抑制される。凸部は、電圧無印加状態においても配向規制力を発現するので、印加電圧の大きさに関わらず配向を安定化できる。また、凸部の配向規制力は比較的弱くてもその効果を奏するので、典型的には、凸部は、配向規制構造による配向規制力よりも弱い配向規制力を発現すればよい。
【0039】
凸部を、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向をとる液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けることによって、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定することができるので、放射状傾斜配向の応力に対する耐性が効果的に向上する。
【0040】
凸部による配向規制方向は、配向規制構造による放射状傾斜配向の方向と整合するように設定すると、配向の連続性および安定性が増し、表示品位および応答特性が向上する。
【0041】
また、凸部による配向規制力は、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向をとる液晶ドメイン内の液晶分子にだけ及べば、液晶ドメインの放射状傾斜配向を安定化することができる。特に、凸部を液晶ドメインの中央付近に対応する領域に設けると、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定する効果も得られる。
【0042】
配向規制構造として、上述した開口部を有する電極構造を採用すると、液晶ドメインは、開口部および中実部の両方に形成されるが、中実部に対応して形成される液晶ドメインに対してのみ凸部を設ければよい。
【0043】
また、このとき、凸部を全ての中実部に対応して設けることが好ましいが、電極構造(開口部の数や配置)によっては、一部の中実部に対して設けるだけで、実用的な配向安定性が得られる場合もある。これは、本発明の液晶表示装置の液晶層に形成される放射状傾斜配向は本質的に連続しているからである。
【0044】
本発明による液晶表示装置の配向規制構造として機能する電極構造のうち、上述した開口部を有する電極は、例えば、絵素領域毎にTFTなどのスイッチング素子を備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置におけるスイッチング素子に接続された絵素電極であり、他方の電極は、複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である。このように、液晶層を介して互いに対向するように設けられる一対の電極の内の一方にだけ、開口部を設けるだけで、安定した放射状傾斜配向を実現することができる。すなわち、公知の製造方法において、導電膜を絵素電極の形状にパターニングする際に、所望の形状の開口部が所望の配置で形成されるように、フォトマスクを修正するだけで、配向規制構造を有する液晶表示装置を製造することができる。勿論、対向電極に複数の開口部を形成してもよい。また、配向規制構造として機能する電極構造を、特開2002−0553432号公報に開示されているような二層構造電極としてもよい。
【0045】
また、本発明による液晶表示装置が備える凸部も、公知の方法で製造することができる。
【0046】
以下、図面を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示装置を説明する。
【0047】
(配向規制構造)
まず、本発明の液晶表示装置の好適な配向規制構造である電極構造とその作用とを説明する。
【0048】
本発明による液晶表示装置は、優れた表示特性を有するので、アクティブマトリクス型液晶表示装置に好適に利用される。以下では、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置について、本発明の実施形態を説明する。本発明はこれに限られず、MIMを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置や単純マトリクス型液晶表示装置に適用することができる。また、以下では、透過型液晶表示装置を例に本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限られず、反射型液晶表示装置や、さらに、特開平11−101992号公報に開示されているような透過反射両用型液晶表示装置に適用することができる。
【0049】
なお、本願明細書においては、表示の最小単位である「絵素」に対応する液晶表示装置の領域を「絵素領域」と呼ぶ。カラー液晶表示装置においては、R,G,Bの「絵素」が1つの「画素」に対応する。アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、絵素電極と絵素電極に対向する対向電極とが絵素領域を規定する。また、単純マトリクス型液晶表示装置においては、ストライプ状に設けられる列電極と列電極に直交するように設けられる行電極とが互いに交差するそれぞれの領域が絵素領域を規定する。なお、ブラックマトリクスが設けられる構成においては、厳密には、表示すべき状態に応じて電圧が印加される領域のうち、ブラックマトリクスの開口部に対応する領域が絵素領域に対応することになる。
【0050】
図1(a)および(b)を参照しながら、本発明による配向規制構造を備える液晶表示装置100の1つの絵素領域の構造を説明する。以下では、説明の簡単さのためにカラーフィルタやブラックマトリクスを省略する。また、以下の図面においては、液晶表示装置100の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素を同じ参照符号で示し、その説明を省略する。図1(a)は基板法線方向から見た上面図であり、図1(b)は図1(a)中の1B−1B’線に沿った断面図に相当する。図1(b)は、液晶層に電圧を印加していない状態を示している。
【0051】
液晶表示装置100は、アクティブマトリクス基板(以下「TFT基板」と呼ぶ。)100aと、対向基板100bと、TFT基板100aと対向基板100bとの間に設けられた液晶層30とを有している。液晶層30の液晶分子30aは、負の誘電率異方性を有し、TFT基板100aおよび対向基板100bの液晶層30側の表面に設けられた垂直配向層としての垂直配向膜(不図示)によって、液晶層30に電圧が印加されていないとき、図1(b)に示したように、垂直配向膜の表面に対して垂直に配向する。このとき、液晶層30は垂直配向状態にあるという。但し、垂直配向状態にある液晶層30の液晶分子30aは、垂直配向膜の種類や液晶材料の種類によって、垂直配向膜の表面(基板の表面)の法線から若干傾斜することがある。一般に、垂直配向膜の表面に対して、液晶分子軸(「軸方位」とも言う。)が約85°以上の角度で配向した状態が垂直配向状態と呼ばれる。
【0052】
液晶表示装置100のTFT基板100aは、透明基板(例えばガラス基板)10とその表面に形成された絵素電極14とを有している。対向基板100bは、透明基板(例えばガラス基板)20とその表面に形成された対向電極22とを有している。液晶層30を介して互いに対向するように配置された絵素電極14と対向電極22とに印加される電圧に応じて、絵素領域ごとの液晶層30の配向状態が変化する。液晶層30の配向状態の変化に伴い、液晶層30を透過する光の偏光状態や量が変化する現象を利用して表示が行われる。
【0053】
液晶表示装置100が有する絵素電極14は、複数の開口部14aと中実部14bとを有している。開口部14aは、導電膜(例えばITO膜)から形成される絵素電極14の内の導電膜が除去された部分を指し、中実部14bは導電膜が存在する部分(開口部14a以外の部分)を指す。開口部14aは1つの絵素電極ごとに複数形成されているが、中実部14bは、基本的には連続した単一の導電膜から形成されている。
【0054】
複数の開口部14aは、その中心が正方格子を形成するように配置されており、1つの単位格子を形成する4つの格子点上に中心が位置する4つの開口部14aによって実質的に囲まれる中実部(「単位中実部」と称する。)14b’は、略円形の形状を有している。それぞれの開口部14aは、4つの4分の1円弧状の辺(エッジ)を有し、且つ、その中心に4回回転軸を有する略星形である。なお、絵素領域の全体に亘って配向を安定させるために、絵素電極14の端部まで単位格子を形成することが好ましい。従って、図示したように、絵素電極14の端部は、開口部14aの約2分の1(辺に対応する領域)および開口部14aの約4分の1(角に対応する領域)に相当する形状にパターニングされていることが好ましい。なお、図1(a)中に実線で示した正方形(正方格子の集合)は、単一の導電層から形成された従来の絵素電極に対応する領域(外形)を示している。
【0055】
絵素領域の中央部に位置する開口部14aは実質的に同じ形状で同じ大きさを有している。開口部14aによって形成される単位格子内に位置する単位中実部14b’は略円形であり、実質的に同じ形状で同じ大きさを有している。互いに隣接する単位中実部14b’は互いに接続されており、実質的に単一の導電膜として機能する中実部14bを構成している。
【0056】
上述したような構成を有する絵素電極14と対向電極22との間に電圧を印加すると、開口部14aのエッジ部に生成される斜め電界によって、それぞれが放射状傾斜配向を有する複数の液晶ドメインが形成される。液晶ドメインは、それぞれの開口部14aに対応する領域と、単位格子内の中実部14b’に対応する領域とに、それぞれ1つずつ形成される。
【0057】
ここでは、1つの絵素領域に複数の開口部14aを有する構成を例示したが、1つの開口部を設けるだけで、1つの絵素領域に複数の液晶ドメインを形成することもできる。例えば、図1(a)に示した破線で分割された4つの単位で構成される正方形の領域に注目し、これを1つの絵素電極と見なすと、この絵素電極は、1つの開口部14aとその周辺に配置されている4つの単位中実部14b’で構成されているが、電圧印加時には、放射状傾斜配向をとる5つの液晶ドメインを形成する。
【0058】
さらに、開口部14aを形成しなくても、1つの絵素領域に複数の液晶ドメインを形成することもできる。例えば、互いに隣接する2つの単位に注目し、これを1つの絵素電極と考えると、この絵素電極は、2つの単位中実部14b’で構成され、開口部14aを有しないが、電圧印加時には、放射状傾斜配向をとる2つの液晶ドメインを形成する。このように、絵素電極が、少なくとも、電圧印加時に放射状傾斜配向をとる複数の液晶ドメインを形成するような単位中実部を有していれば(言い換えると、そのような外形を有していれば)、絵素領域内の液晶分子の配向の連続性は得られるので、単位中実部14b’に対応して形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向は安定する。
【0059】
また、ここでは、正方形の絵素電極14を例示しているが、絵素電極の14の形状はこれに限られない。絵素電極14の一般的な形状は、矩形(正方形と長方形を含む)に近似されるので、開口部14aを正方格子状に規則正しく配列することができる。絵素電極14が矩形以外の形状を有していても、絵素領域内の全ての領域に液晶ドメインが形成されるように、規則正しく(例えば例示したように正方格子状に)開口部14aを配置すれば、本発明の効果を得ることができる。
【0060】
上述した斜め電界によって液晶ドメインが形成されるメカニズムを図2(a)および(b)を参照しながら説明する。図2(a)および(b)は、それぞれ図1(b)に示した液晶層30に電圧を印加した状態を示しており、図2(a)は、液晶層30に印加された電圧に応じて、液晶分子30aの配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を模式的に示しており、図2(b)は、印加された電圧に応じて変化した液晶分子30aの配向が定常状態に達した状態を模式的に示している。図2(a)および(b)中の曲線EQは等電位線EQを示す。
【0061】
絵素電極14と対向電極22とが同電位のとき(液晶層30に電圧が印加されていない状態)には、図1(a)に示したように、絵素領域内の液晶分子30aは、両基板10および20の表面に対して垂直に配向している。
【0062】
液晶層30に電圧を印加すると、図2(a)に示した等電位線(電気力線と直交する)EQで表される電位勾配が形成される。この等電位線EQは、絵素電極14の中実部14bと対向電極22との間に位置する液晶層30内では、中実部14bおよび対向電極22の表面に対して平行であり、絵素電極14の開口部14aに対応する領域で落ち込み、開口部14aのエッジ部(開口部14aの境界(外延)を含む開口部14aの内側周辺)EG上の液晶層30内には、傾斜した等電位線EQで表される斜め電界が形成される。
【0063】
負の誘電異方性を有する液晶分子30aには、液晶分子30aの軸方位を等電位線EQに対して平行(電気力線に対して垂直)に配向させようとするトルクが作用する。従って、エッジ部EG上の液晶分子30aは、図2(a)中に矢印で示したように、図中の右側エッジ部EGでは時計回り方向に、図中の左側エッジ部EGでは反時計回り方向に、それぞれ傾斜(回転)し、等電位線EQに平行に配向する。
【0064】
ここで、図3を参照しながら、液晶分子30aの配向の変化を詳細に説明する。
【0065】
液晶層30に電界が生成されると、負の誘電率異方性を有する液晶分子30aには、その軸方位を等電位線EQに対して平行に配向させようとするトルクが作用する。図3(a)に示したように、液晶分子30aの軸方位に対して垂直な等電位線EQで表される電界が発生すると、液晶分子30aには時計回りまたは反時計回り方向に傾斜させるトルクが等しい確率で作用する。従って、互いに対向する平行平板型配置の電極間にある液晶層30内には、時計回り方向のトルクを受ける液晶分子30aと、反時計回りに方向のトルクを受ける液晶分子30aとが混在する。その結果、液晶層30に印加された電圧に応じた配向状態への変化がスムーズに起こらないことがある。
【0066】
図2(a)に示したように、本発明による液晶表示装置100の開口部14aのエッジ部EGにおいて、液晶分子30aの軸方位に対して傾斜した等電位線EQで表される電界(斜め電界)が発生すると、図3(b)に示したように、液晶分子30aは、等電位線EQと平行になるための傾斜量が少ない方向(図示の例では反時計回り)に傾斜する。また、液晶分子30aの軸方位に対して垂直方向の等電位線EQで表される電界が発生する領域に位置する液晶分子30aは、図3(c)に示したように、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aと配向が連続となるように(整合するように)、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aと同じ方向に傾斜する。図3(d)に示したように、等電位線EQが連続した凹凸形状を形成する電界が印加されると、それぞれの傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aによって規制される配向方向と整合するように、平坦な等電位線EQ上に位置する液晶分子30aが配向する。なお、「等電位線EQ上に位置する」とは、「等電位線EQで表される電界内に位置する」ことを意味する。
【0067】
上述したように、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aから始まる配向の変化が進み、定常状態に達すると、図2(b)に模式的に示した配向状態となる。開口部14aの中央付近に位置する液晶分子30aは、開口部14aの互いに対向する両側のエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響をほぼ同等に受けるので、等電位線EQに対して垂直な配向状態を保ち、開口部14aの中央から離れた領域の液晶分子30aは、それぞれ近い方のエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響を受けて傾斜し、開口部14aの中心SAに関して対称な傾斜配向を形成する。この配向状態は、液晶表示装置100の表示面に垂直な方向(基板10および20の表面に垂直な方向)からみると、液晶分子30aの軸方位が開口部14aの中心に関して放射状に配向した状態にある(不図示)。そこで、本願明細書においては、このような配向状態を「放射状傾斜配向」と呼ぶことにする。また、1つの中心に関して放射状傾斜配向をとる液晶層の領域を液晶ドメインと称する。
【0068】
開口部14aによって実質的に包囲された単位中実部14b’に対応する領域においても、液晶分子30aが放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが形成される。単位中実部14b’に対応する領域の液晶分子30aは、開口部14aのエッジ部EGの液晶分子30aの配向の影響を受け、単位中実部14b’の中心SA(開口部14aが形成する単位格子の中心に対応)に関して対称な放射状傾斜配向をとる。
【0069】
単位中実部14b’に形成される液晶ドメインにおける放射状傾斜配向と開口部14aに形成される放射状傾斜配向は連続しており、いずれも開口部14aのエッジ部EGの液晶分子30aの配向と整合するように配向している。開口部14aに形成された液晶ドメイン内の液晶分子30aは、上側(基板100b側)が開いたコーン状に配向し、単位中実部14b’に形成された液晶ドメイン内の液晶分子30aは下側(基板100a側)が開いたコーン状に配向する。このように、開口部14aに形成される液晶ドメインおよび単位中実部14b’に形成される液晶ドメインに形成される放射状傾斜配向は、互いに連続であるので、これらの境界にディスクリネーションライン(配向欠陥)が形成されることがなく、それによって、ディスクリネーションラインの発生による表示品位の低下は起こらない。
【0070】
液晶表示装置の表示品位の視角依存性を全方位において改善するためには、それぞれの絵素領域内において、全ての方位角方向のそれぞれに沿って配向する液晶分子の存在確率が回転対称性を有することが好ましく、軸対称性を有することがさらに好ましい。すなわち、絵素領域の全体に亘って形成される液晶ドメインが回転対称性、さらには軸対称性を有するように配置されていることが好ましい。但し、絵素領域の全体に亘って回転対称性を有する必要は必ずしも無く、回転対称性(または軸対称性)を有するように配列された液晶ドメイン(例えば、正方格子状に配列された複数の液晶ドメイン)の集合体として絵素領域の液晶層が形成されればよい。従って、絵素領域に形成される複数の開口部14aの配置も絵素領域の全体に亘って回転対称性を有する必要は必ずしも無く、回転対称性(または軸対称性)を有するように配列された開口部(例えば正方格子状に配列された複数の開口部)の集合体として表せられればよい。勿論、複数の開口部14aに実質的に包囲される単位中実部14b’の配置も同様である。また、それぞれの液晶ドメインの形状も回転対称性さらには軸対称性を有することが好ましいので、それぞれの開口部14aおよびおよび単位中実部14b’の形状も回転対称性さらには軸対称性を有することが好ましい。
【0071】
なお、開口部14aの中央付近の液晶層30には十分な電圧が印加されず、開口部14aの中央付近の液晶層30が表示に寄与しない場合がある。すなわち、開口部14aの中央付近の液晶層30の放射状傾斜配向が多少乱れても(例えば、中心軸が開口部14aの中心からずれても)、表示品位が低下しないことがある。従って、少なくとも単位中実部14b’に対応して形成される液晶ドメインが回転対称性、さらには軸対称性を有するように配置されていればよい。
【0072】
図2(a)および(b)を参照しながら説明したように、本発明による液晶表示装置100の絵素電極14は複数の開口部14aを有しており、絵素領域内の液晶層30内に、傾斜した領域を有する等電位線EQで表される電界を形成する。電圧無印加時に垂直配向状態にある液晶層30内の負の誘電異方性を有する液晶分子30aは、傾斜した等電位線EQ上に位置する液晶分子30aの配向変化をトリガーとして配向方向を変化し、安定な放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが開口部14aおよび中実部14bに形成される。液晶層に印加される電圧に応じて、この液晶ドメインの液晶分子の配向が変化することによって、表示が行われる。
【0073】
液晶表示装置100が有する絵素電極14が有する開口部14aの形状(基板法線方向から見た形状)およびその配置について説明する。
【0074】
液晶表示装置の表示特性は、液晶分子の配向状態(光学的異方性)に起因して、方位角依存性を示す。表示特性の方位角依存性を低減するためには、液晶分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向していることが好ましい。また、それぞれの絵素領域内の液晶分子が全ての方位角に対して同等の確率で配向していることがさらに好ましい。従って、開口部14aは、それぞれの絵素領域内の液晶分子30aがすべての方位角に対して同等の確率で配向するように、液晶ドメインを形成するような形状を有していることが好ましい。具体的には、開口部14aの形状は、それぞれの中心(法線方向)を対称軸とする回転対称性(好ましくは2回回転軸以上の対称性)を有することが好ましく、また、複数の開口部14aが回転対称性を有するように配置されていることが好ましい。また、これらの開口部によって実質的に包囲される単位中実部14b’の形状も回転対称性を有することが好ましく、単位中実部14bも回転対称性を有するように配置されることが好ましい。
【0075】
但し、開口部14aや単位中実部14bが絵素領域全体に亘って回転対称性を有するように配置される必要は必ずしも無く、図1(a)に示したように、例えば正方格子(4回回転軸を有する対称性)を最小単位とし、それらの組合せによって絵素領域が構成されれば、絵素領域全体に亘って液晶分子がすべての方位角に対して実質的に同等の確率で配向させることができる。
【0076】
図1(a)に示した、回転対称性を有する略星形の開口部14aおよび略円形の単位中実部14bが正方格子状に配列された場合の液晶分子30aの配向状態を図4(a)〜図4(c)を参照しながら説明する。
【0077】
図4(a)〜(c)は、それぞれ、基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を模式的に示している。図4(b)および(c)など、基板法線方向から見た液晶分子30aの配向状態を示す図において、楕円状に描かれた液晶分子30aの先が黒く示されている端は、その端が他端よりも、開口部14aを有する絵素電極14が設けられている基板側に近いように、液晶分子30aが傾斜していることを示している。以下の図面においても同様である。ここでは、図1(a)に示した絵素領域の内の1つの単位格子(4つの開口部14aによって形成される)について説明する。図4(a)〜図4(c)中の対角線に沿った断面は、図1(b)、図2(a)および(b)にそれぞれ対応し、これらの図を合わせて参照しながら説明する。
【0078】
絵素電極14および対向電極22が同電位のとき、すなわち液晶層30に電圧が印加されていない状態においては、TFT基板100aおよび対向基板100bの液晶層30側表面に設けられた垂直配向層(不図示)によって配向方向が規制されている液晶分子30aは、図4(a)に示したように、垂直配向状態を取る。
【0079】
液晶層30に電界を印加し、図2(a)に示した等電位線EQで表される電界が発生すると、負の誘電率異方性を有する液晶分子30aには、軸方位が等電位線EQに平行になるようなトルクが発生する。図3(a)および(b)を参照しながら説明したように、液晶分子30aの分子軸に対して垂直な等電位線EQで表される電場下の液晶分子30aは、液晶分子30aが傾斜(回転)する方向が一義的に定まっていないため(図3(a))、配向の変化(傾斜または回転)が容易に起こらないのに対し、液晶分子30aの分子軸に対して傾斜した等電位線EQ下に置かれた液晶分子30aは、傾斜(回転)方向が一義的に決まるので、配向の変化が容易に起こる。従って、図4(b)に示したように、等電位線EQに対して液晶分子30aの分子軸が傾いている開口部14aのエッジ部から液晶分子30aが傾斜し始める。そして、図3(c)を参照しながら説明したように、開口部14aのエッジ部の傾斜した液晶分子30aの配向と整合性をとるように周囲の液晶分子30aも傾斜し、図4(c)に示したような状態で液晶分子30aの軸方位は安定する(放射状傾斜配向)。
【0080】
このように、開口部14aが回転対称性を有する形状であると、絵素領域内の液晶分子30aは、電圧印加時に、開口部14aのエッジ部から開口部14aの中心に向かって液晶分子30aが傾斜するので、エッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が釣り合う開口部14aの中心付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子30aが開口部14aの中心付近の液晶分子30aを中心に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得られる。
【0081】
また、正方格子状に配列された4つの略星形の開口部14aに包囲された略円形の単位中実部14b’に対応する領域の液晶分子30aも、開口部14aのエッジ部に生成される斜め電界で傾斜した液晶分子30aの配向と整合するように傾斜する。エッジ部からの液晶分子30aの配向規制力が釣り合う単位中実部14b’の中心付近の液晶分子30aは基板面に対して垂直に配向した状態を維持し、その回りの液晶分子30aが単位中実部14b’の中心付近の液晶分子30aを中心に放射状に液晶分子30aが連続的に傾斜した状態が得られる。
【0082】
このように、絵素領域全体に亘って、液晶分子30aが放射状傾斜配向をとる液晶ドメインが正方格子状に配列されると、それぞれの軸方位の液晶分子30aの存在確率が回転対称性を有することになり、あらゆる視角方向に対して、ざらつきのない高品位の表示を実現することができる。放射状傾斜配向を有する液晶ドメインの視角依存性を低減するためには、液晶ドメインが高い回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回転軸以上がさらに好ましい。)を有することが好ましい。また、絵素領域全体の視角依存性を低減するためには、絵素領域に形成される複数の液晶ドメインが、高い回転対称性(2回回転軸以上が好ましく、4回回転軸以上がさらに好ましい。)を有する単位(例えば単位格子)の組合せで表される配列(例えば正方格子)を構成することが好ましい。
【0083】
図1(a)では、開口部14aが略星形を有し、単位中実部14b’が略円形を有し、これらが正方格子状に配列された例を示したが、開口部14aおよび単位中実部14b’の形状ならびにこれらの配置は、上記の例に限られない。
【0084】
図5(a)および(b)に、異なる形状の開口部14aおよび単位中実部14b’を有する絵素電極14Aおよび14Bの上面図をそれぞれ示す。
【0085】
図5(a)および(b)にそれぞれ示した絵素電極14Aおよび14Bの開口部14aおよび単位中実部14b’は、図1(a)に示した絵素電極の開口部14aおよび単位中実部14b’が若干ひずんだ形を有している。絵素電極14Aおよび14Bの開口部14aおよび単位中実部14b’は、2回回転軸を有し(4回回転軸は有しない)、長方形の単位格子を形成するように規則的に配列されている。開口部14aは、いずれも歪んだ星形を有し、単位中実部14b’は、いずれも略楕円形(歪んだ円形)を有している。絵素電極14Aおよび14Bを用いても、表示品位が高い、視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0086】
さらに、図6(a)および(b)にそれぞれ示すような絵素電極14Cおよび14Dを用いることもできる。
【0087】
絵素電極14Cおよび14Dは、単位中実部14b’が略正方形となるように、略十字の開口部14aが正方格子状に配置されている。勿論、これらを歪ませて、長方形の単位格子を形成するように配置してもよい。このように、略矩形(矩形は正方形と長方形を含むとする。)の単位中実部14b’を規則正しく配列しても、表示品位が高い、視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0088】
但し、開口部14aおよび/または単位中実部14b’の形状は、矩形よりも円形または楕円形の方が放射状傾斜配向を安定化できるので好ましい。これは、開口部14aの辺が連続的に(滑らかに)変化するので、液晶分子30aの配向方向も連続的に(滑らかに)変化するためと考えられる。
【0089】
上述した液晶分子30aの配向方向の連続性の観点から、図7(a)および(b)に示す絵素電極14Eおよび14Fも考えられる。図7(a)に示した絵素電極14Eは、図1(a)に示した絵素電極14の変形例で、4つの円弧だけからなる開口部14aを有している。また、図7(b)に示した絵素電極14Fは、図6(b)に示した絵素電極14Dの変形例で、開口部14aの単位中実部14b’側が円弧で形成されている。絵素電極14Eおよび14Fが有する開口部14aならびに単位中実部14b’は、いずれも4回回転軸を有しており、且つ、正方格子状(4回回転軸を有する)に配列されているが、図5(a)および(b)に示したように、開口部14aの単位中実部14b’の形状を歪ませて2回回転軸を有する形状とし、長方形の格子(2回回転軸を有する)を形成するように配置してもよい。
【0090】
(凸部)
次に、凸部の具体的な構造と作用を説明する。これまでの説明にそって、配向規制構造がTFT基板に設けられ、凸部が対向基板に設けられている場合について説明する。本発明による液晶表示装置は、液晶分子を基板面に対して垂直配向させるための構成(例えば一対の基板の液晶層側に設けられた垂直配向膜)に加え、上述したような液晶分子を放射状傾斜配向させるための配向規制構造と、後述するように配向規制構造と協同的に液晶分子を放射状傾斜配向させる(放射状傾斜配向状態を安定化させる)ための凸部とを有している。
【0091】
図8を参照しながら、対向基板200bに設けられた凸部52の構造とその作用とを説明する。図8は、液晶層30側に突き出た凸部52を有する対向基板200bを模式的に示す断面図である。
【0092】
凸部52は、図8に示したように、対向基板200bの基板面に対して傾斜した側面52sを有している。ここでは、凸部52は、略円錐台状であり、側面52sに加えて基板面に平行な頂面52tを有している。
【0093】
凸部52の表面は、垂直配向性を有しており(典型的には、凸部52を覆うように垂直配向膜(不図示)が形成されている。)、図8に示したように、液晶分子30aは、傾斜側面52sのアンカリング効果によって、これらに対してほぼ垂直に配向し、凸部52を中心に放射状に傾斜配向する。
【0094】
つまり、凸部52は、その表面(垂直配向性を有する)の形状効果によって、液晶分子30aを放射状に傾斜配向させるように作用する。凸部52による液晶分子の傾斜方向は、配向規制構造によって絵素電極14の単位中実部14b’(例えば図1参照)に対応する領域に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向の配向方向と整合する。凸部52は、電圧の印加無印加に関わらず、配向規制力を発現するので、全ての表示階調において安定した放射状傾斜配向が得られ、応力に対する耐性にも優れている。
【0095】
なお、ここでは略円錐台状の凸部52を例示したが、勿論、凸部52の形状はこれに限定されない。凸部52は、頂面52tを有していなくてもよいし、凸部52の基板面内方向の断面形状は略円形でなくてもよい。
【0096】
また、凸部52は、カラーフィルタ(ここでは対向基板200bの液晶層30側に設けられている)50が有する3つの色層のうちの2つの色層からなる積層構造体である。凸部52のより具体的な構造については後述することとする。
【0097】
上述した、配向規制構造および凸部52を備える液晶表示装置200を図9(a)および(b)に示す。図9(a)は上面図であり、図9(b)は、図9(a)中の9B−9B’線に沿った断面図に相当する。
【0098】
液晶表示装置200は、配向規制構造を構成する開口部14aを備えた絵素電極14を有するTFT基板100aと、凸部52を有する対向基板200bとを有している。なお、配向規制構造は、ここで例示する構成に限られず、前述した種々の構成を適宜用いることができる。
【0099】
液晶表示装置200の対向基板200bに設けられている凸部52は、絵素電極14の中実部14bに対向する領域に設けられており、より具体的には、中実部14bに対向する領域の中央付近に設けられている。
【0100】
このように配置することによって、液晶層30に電圧を印加した状態、すなわち、絵素電極14と対向電極22との間に電圧を印加した状態において、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の方向と、凸部52によって形成される放射状傾斜配向の方向が整合し、放射状傾斜配向が安定化する。この様子を図10(a)〜(c)に模式的に示している。図10(a)は電圧無印加時を示し、図10(b)は電圧印加後に配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を示し、図10(c)は電圧印加中の定常状態を模式的に示している。
【0101】
凸部52による配向規制力は、図10(a)に示したように、電圧無印加状態においても、近傍の液晶分子30aに作用し、放射状傾斜配向を形成する。
【0102】
電圧を印加し始めると、図10(b)に示したような等電位線EQで示される電界が発生し(配向規制構造による)、開口部14aおよび中実部14bに対応する領域に液晶分子30aが放射状傾斜配向した液晶ドメインが形成され、図10(c)に示したような定常状態に達する。このとき、中実部14bに対応する領域に形成される液晶ドメイン内の液晶分子30aの傾斜方向は、対応する領域に設けられた凸部52の配向規制力による液晶分子30aの傾斜方向と一致する。
【0103】
定常状態にある液晶表示装置200に応力が印加されると、液晶層30の放射状傾斜配向は一旦崩れるが、応力が取り除かれると、配向規制構造および凸部52による配向規制力が液晶分子30aに作用しているので、放射状傾斜配向状態に復帰する。従って、応力による残像の発生が抑制される。
【0104】
凸部52による配向規制力は、配向規制構造によって形成される放射状傾斜配向の安定化および中心軸位置を固定する効果を有せばいいので、それほど強い配向規制力は必要ない。例えば、直径が約30μm〜約35μmの単位中実部14b’に対して、それぞれ直径が約15μmで高さ(厚さ)が約1μmの凸部52を形成すれば、十分な配向規制力が得られる。
【0105】
図11(a)および(b)と、図12(a)および(b)を参照しながら、配向規制構造および凸部52を備える液晶表示装置200のより具体的な構造を説明する。
【0106】
液晶表示装置200が有するTFT基板100aは、図11(a)および図12(a)に示すように、透明基板10と、透明基板10上に形成されたTFT40と、TFT40に電気的に接続された、ゲート配線(走査配線:ここでは不図示)、ソース配線(信号配線)12および絵素電極14とを有している。TFT基板100aは、さらに、図12(b)に示すように補助容量電極16と補助容量配線13とを有している。
【0107】
TFT40のゲート電極40G、ゲート配線11および補助容量配線13を覆うように、典型的には、TFT基板100aのほぼ全面に、ゲート絶縁膜15が形成されている。ゲート絶縁膜15上に、TFT40を構成するチャネル層41および電極コンタクト層42と、ソース配線と、TFT40のソース電極40Sおよびドレイン電極40Dと、補助容量電極16と、接続配線17とが形成されている。接続配線17は、ドレイン電極40Dと補助容量電極16とを互いに電気的に接続している。ここでは、ソース電極40Sおよびドレイン電極40Dは、それぞれ透明導電層40S1,40D1と金属層40S2,40D2とが積層されて構成されている。
【0108】
さらに、これらを覆うように、TFT基板100aのほぼ全面に絶縁膜18および層間絶縁膜19が形成されており、この層間絶縁膜19上に絵素電極14が形成されている。絵素電極14は、図12(b)に示したように、絶縁膜18および層間絶縁膜19に形成されたコントクトホール18a,19a内において、補助容量電極16と電気的に接続されている。すなわち、絵素電極14は、補助容量電極16および接続配線17を介して、TFT40のドレイン電極40Dに電気的に接続されている。絵素電極14を層間絶縁膜19上に形成することで、ゲート配線11やソース配線に重なるように絵素電極14を設けることができ、開口率が向上する。また、絵素電極14は、開口部14aと中実部14bと有し、配向規制構造を構成する。
【0109】
液晶表示装置200が有する対向基板200bは、図11(a)に示したように、透明基板20と、透明基板20上に形成されたカラーフィルタ50と、カラーフィルタ50上に形成された対向電極22とを有している。対向基板200bは、さらに、絵素電極14の中実部14bに対向する領域に、液晶層30側に突き出た凸部52を有している。
【0110】
カラーフィルタ50は、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bを有する。ここでは、第1色層50Rが赤色層、第2色層50Gが緑色層、第3色層50Bが青色層である。
【0111】
対向基板200bが有する凸部52は、第1色層(赤色層)50R、第2色層(緑色層)50Gおよび第3色層(青色層)50Bのうちの2つから構成される積層構造体である。図11(a)では、R絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成され、G絵素に設けられた凸部52は緑色層50Gと青色層50Bとから構成され、B絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成されている場合を例示している。
【0112】
TFT基板100aおよび対向基板200bの液晶層30側の表面には垂直配向層として垂直配向層(不図示)が設けられており、両基板間の間隙に負の誘電異方性を有する液晶分子を含む液晶層30が封入されている。
【0113】
液晶表示装置200においては、液晶層30の厚さは、図11(b)に示すように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54によって規定される。すなわち、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bからなる積層構造体54が両基板の間隔を規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、典型的には、絵素領域外に設けられる。
【0114】
本実施形態の液晶表示装置200は、例えば、以下のようにして製造される。
【0115】
まず、図12(a)および(b)と図13とを参照しながら、TFT基板100aの製造方法を説明する。
【0116】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)10を用意し、透明基板10上に必要に応じてベースコート膜として絶縁膜(例えばTa2O5層やSiO2層)を形成する。
【0117】
次に、透明基板10上に金属層(例えばAl層、Mo層またはTa層)スパッタリング法を用いて形成し、この金属層をパターニングすることによってゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を形成する。ここでは、ゲート配線11の幅が20μm、補助容量配線13の幅が50μmとなるようにパターニングを施す。
【0118】
続いて、ゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を覆うように透明基板10のほぼ全面にプラズマCVD(P−CVD)法を用いてゲート絶縁膜(例えばSiNx層)15を形成する。
【0119】
その後、ゲート絶縁膜15上に、CVDを用いてチャネル層41および電極コンタクト層42となるSi層を連続して堆積する。チャネル層41としては、例えばアモルファスSi層が用いられ、電極コンタクト層42としては、例えばリン等の不純物がドーピングされたアモルファスSi層や微結晶Si層が用いられる。これらのSi層を、例えばHClとSF6との混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングすることによって、チャネル層41および電極コンタクト層42が形成される。
【0120】
次に、透明導電材料(例えばITO)をスパッタリング法を用いて堆積した後、金属材料(例えばAl、MoまたはTa)を堆積する。その後、これらの導電層をパターニングすることによって、ソース配線12、ソース電極40S、ドレイン電極40D、接続配線17および補助容量電極16を形成する。
【0121】
続いて、絶縁材料(例えばSiNx)をCVD法を用いて堆積した後、パターニングして絶縁膜18を形成する。パターニングの際には、後に形成する絵素電極14と補助容量電極16とを電気的に接続するためのコンタクトホール18aを形成しておく。
【0122】
次に、この絶縁膜18上に感光性樹脂を用いて層間絶縁膜19を形成し、層間絶縁膜19にフォトリソグラフィ法によって、絶縁膜18のコンタクトホール18a内に補助容量電極16を露出させる穴(コンタクトホール)19aを形成する。
【0123】
続いて、絶縁膜18および層間絶縁膜19を形成した基板上に絵素電極14となる透明導電層(例えばITO層)をスパッタリング法により形成する。
【0124】
その後、透明導電層をフォトリスグラフィ法を用いてパターニングすることによって、開口部14aと中実部14bとを有する絵素電極14を形成する。本実施形態では、1つの単位中実部14b’の幅が45μmとなるように形成する。
【0125】
次に、対向基板200bの製造方法を説明する。
【0126】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)20を用意し、この透明基板20上に赤色層(第1色層)50R、緑色層(第2色層)50Gおよび青色層(第3色層)50Bを有するカラーフィルタ50を形成する。ここでは、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて形成する。
【0127】
ここで、ドライフィルムラミネート法について図14(a)〜(c)を参照しながら説明する。ドライフィルムラミネート法に用いるドライフィルム60は、図14(a)に示すように、支持フィルム62と、支持フィルム62上に形成された樹脂膜64とから構成される。樹脂膜64は、支持フィルム62上に、着色された感光性樹脂(例えば紫外線によって硬化する樹脂)を塗布した後に乾燥することによって形成される。このドライフィルム60を、図14(b)に示すように、基板70に圧着して貼付する。その後、図14(c)に示すように、樹脂膜64から支持フィルム62を剥離し、基板70上の樹脂膜64を必要に応じてフォトリソグラフィ法を用いてパターニングする。ドライフィルム60としては、例えば富士写真フィルム株式会社製トランサーフィルムを用いることができる。
【0128】
図15(a)〜(d)および図16を参照しながら、ドライフィルムラミネート法を用いてカラーフィルタ50を形成する工程を含む、対向基板200bの製造方法を説明する。
【0129】
まず、透明基板20上に赤色に着色されたドライフィルムを貼付し、支持フィルムを剥離した後にパターニングを施すことによって、図15(a)に示すように赤色層(第1色層)50Rを形成する。赤色層50Rは、R絵素に対応する領域の全面と、B絵素に対応する領域の一部とに形成される。B絵素に対応する領域に離散的に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径12μmの円形に形成される。また、赤色層50Rは、図15(a)の右側に示したように、絵素領域外の一部の領域にも形成される。絵素領域外に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径17μmの円形に形成される。
【0130】
次に、緑色に着色されたドライフィルムを用いて同様にして、図15(b)に示すように、緑色層(第2色層)50Gを形成する。緑色層50Gは、G絵素に対応する領域と、絵素領域外に形成された赤色層50R上に形成される。絵素領域外の赤色層50R上に形成される緑色層50Gは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。
【0131】
続いて、青色に着色されたドライフィルムを用いて、図15(c)に示すように、青色層(第3色層)50Bを形成する。青色層50Bは、B絵素に対応する領域と、R絵素に対応する領域の一部と、G絵素に対応する領域の一部とに形成される。R絵素およびG絵素に対応する領域に離散的に形成される青色層50Bは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。また、青色層50Bは、絵素領域外に形成された赤色層50Rおよび緑色層50G上にも形成される。絵素領域外の赤色層50Rおよび緑色層50G上に形成される青色層50Bは、ここでは、直径13μmの円形に形成される。
【0132】
上述のようにして赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを順次形成することによって、透明基板20上にカラーフィルタ50が形成される。また、同時に、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bから構成される積層構造体54と、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体52とが形成される。
【0133】
図16に示したように絵素領域外に形成された積層構造体54は、液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、例えば、対向基板200bとTFT基板100aとが貼り合わされたときにゲート配線11上に位置するように設けられるが、ソース配線12上に位置するように設けられてもよいし、補助容量配線13上に位置するように設けられてもよい。
【0134】
また、図16に示したように各絵素領域に形成された積層構造体52は、図9や図10に示したように液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部として機能する。本実施形態では、図13および図16に示したように、凸部52は、絵素電極14が有する複数の単位中実部14b’のそれぞれに対応する領域に設けられる。また、本実施形態では、凸部52は、R絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であり、G絵素においては緑色層50Gと青色層50Bとの積層構造体であり、B絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である。なお、凸部52を構成する色層の組み合わせはこれに限定されず、3つの色層のうちの2つの色層を任意に選択できる。
【0135】
本実施形態では、各色層の厚さを1.8μmとなるように形成する。従って、凸部52の高さは1.8μmとなり、スペーサ54の高さは3.6μmとなる。そのため、スペーサ54によってその厚さを規定される液晶層30の厚さ(すなわちセルギャップ)は3.6μmとなる。
【0136】
上述のようにしてカラーフィルタ50、凸部52およびスペーサ54を形成した後、図15(d)に示すように透明導電材料(例えばITO)を用いて対向電極22を形成する。なお、対向電極22は凸部52に対応する領域に開口部を有するように形成され、凸部52上には導電層が存在しない。
【0137】
このようにして製造されたTFT基板100aと対向基板200bとを公知のシール材を用いて貼り合わせた後、液晶材料を封入することによって液晶表示装置200が完成する。なお、典型的には、両基板の液晶層30側の表面には垂直配向膜が設けられる。
【0138】
本発明による液晶表示装置200においては、TFT基板100aは、それぞれの絵素領域内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、対向基板200bは、配向規制構造によって形成される複数の液晶ドメインに対応する領域に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部52を有している。従って、少なくとも電圧印加状態において、TFT基板100aに設けられた配向規制構造と対向基板200bに設けられた凸部52とによる配向規制力が液晶分子に作用するので、配向規制構造のみを有する構成よりも、液晶層30に形成される液晶ドメインの放射状傾斜配向が安定化される。
【0139】
また、液晶表示装置200においては、カラーフィルタ50が有する第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54が液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。そのため、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、配向規制力を発現する凸部52は、カラーフィルタ50が有する第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体であるので、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がない。そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【0140】
これに対して、図17(a)および(b)に示す比較例の液晶表示装置1000のように、液晶層1030の厚さを規定するスペーサ1054および液晶分子を放射状傾斜配向させる凸部1052を、カラーフィルタ1050を構成する色層1050R、1050Gおよび1050Bとは別個の材料を用いて形成すると、製造工程が増加し、製造コストの上昇を招く。
【0141】
なお、図18に示す従来のツイストネマチック型の液晶表示装置1100においては、液晶層1130の厚さを規定するために、一定の直径の球状スペーサ(例えばプラスチックビーズ)1152を基板面内に散布する方法が用いられており、この方法は、感光性樹脂を用いて柱状スペーサを形成するよりも簡便である。しかしながら、球状スペーサ1152の表面は配向規制力を発現するので、垂直配向型の液晶層を備えた液晶表示装置において散布された球状スペーサ1152が絵素領域内に存在するとコントラスト比の低下などの表示品位の低下を招く。そのため、垂直配向型の液晶層を備える液晶表示装置においては、絵素領域外に柱状スペーサを形成することが好ましいが、柱状スペーサを形成するための工程が増加するという問題があった。本発明の液晶表示装置200においては、カラーフィルタ50を形成する工程においてスペーサ54が同時に形成されるので、製造工程が増加することがなく、製造コストの上昇を防止できる。
【0142】
また、本実施形態で説明したように、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて形成すると、均一な膜厚の樹脂膜が貼付されることによって各色層が形成されるので、スピンコート法などの他の方法を用いてカラーフィルタ50を形成する場合に比べてスペーサ54の高さを均一にすることができ、液晶層30の厚さムラ(セルギャップムラ)に起因する表示品位の低下が抑制・防止される。また、ドライフィルムラミネート法を用いる場合には、あらかじめ基板面の大きさに合わせて寸法を調整したフィルムを用いることで、基板面内に必要な樹脂膜を貼り付けることが可能であるので、スピンコート法などよりも、色層を形成するための着色材料を有効に利用できる。
【0143】
上述の説明においては、カラーフィルタが対向基板上に設けられている場合を例示して説明したが、カラーフィルタはTFT基板上に設けられていてもよい。
【0144】
図19、図20、図21および図22を参照しながら、TFT基板300a上にカラーフィルタ50が設けられた、本発明による他の実施形態の液晶表示装置300の構造を説明する。
【0145】
液晶表示装置300は、図19(a)に示すように、対向基板300b側に開口部22aと中実部22bとを有する対向電極22から構成される配向規制構造を有しており、TFT基板300a側に、液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部52を有している。
【0146】
液晶表示装置300が有するTFT基板300aは、図19(a)、図20(a)および図21に示すように、透明基板10と、透明基板10上に形成されたTFT40と、TFT40に電気的に接続された、ゲート配線11、ソース配線12および絵素電極14とを有している。TFT基板300aは、さらに、図20(b)に示すように補助容量電極16と補助容量配線13とを有している。
【0147】
TFT40のゲート電極40G、ゲート配線11および補助容量配線13を覆うように、典型的には、TFT基板300aのほぼ全面に、ゲート絶縁膜15が形成されている。ゲート絶縁膜15上に、TFT40を構成するチャネル層41および電極コンタクト層42と、ソース配線と、TFT40のソース電極40Sおよびドレイン電極40Dと、補助容量電極16と、接続配線17とが形成されている。接続配線17は、ドレイン電極40Dと補助容量電極16とを互いに電気的に接続している。ここでは、ソース電極40Sおよびドレイン電極40Dは、それぞれ透明導電層40S1,40D1と金属層40S2,40D2とが積層されて構成されている。
【0148】
さらに、これらを覆うように、TFT基板300aのほぼ全面に絶縁膜18およびカラーフィルタ50が形成されており、カラーフィルタ50上に絵素電極14が形成されている。絵素電極14は、図20(b)および図21に示したように、絶縁膜18およびカラーフィルタ50に形成されたコントクトホール18a,50a内において、補助容量電極16と電気的に接続されている。すなわち、絵素電極14は、補助容量電極16および接続配線17を介して、TFT40のドレイン電極40Dに電気的に接続されている。
【0149】
カラーフィルタ50は、図19(a)に示したように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bを有する。ここでは、第1色層50Rが赤色層、第2色層50Gが緑色層、第3色層50Bが青色層である。
【0150】
TFT基板300aが有する凸部52は、第1色層(赤色層)50R、第2色層(緑色層)50Gおよび第3色層(青色層)50Bのうちの2つから構成される積層構造体である。図19(a)では、R絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成され、G絵素に設けられた凸部52は緑色層50Gと青色層50Bとから構成され、B絵素に設けられた凸部52は赤色層50Rと青色層50Bとから構成されている場合を例示している。
【0151】
液晶表示装置300が有する対向基板300bは、図19(a)および図22に示すように、透明基板20と、透明基板20上に形成された対向電極22とを有している。対向電極22は、開口部22aと中実部22bと有し、配向規制構造を構成する。
【0152】
TFT基板300aおよび対向基板300bの液晶層30側の表面には垂直配向層として垂直配向層(不図示)が設けられており、両基板間の間隙に負の誘電異方性を有する液晶分子を含む液晶層30が封入されている。
【0153】
液晶表示装置300においては、液晶層30の厚さは、図19(b)に示すように、第1色層50R、第2色層50Gおよび第3色層50Bから構成される積層構造体54によって規定される。すなわち、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bからなる積層構造体54が両基板の間隔を規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、典型的には、絵素領域外に設けられる。
【0154】
液晶表示装置300は、例えば、以下のようにして製造される。
【0155】
まず、図20(a)および(b)と図21とを参照しながら、TFT基板300aの製造方法を説明する。
【0156】
まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)10を用意し、透明基板10上に必要に応じてベースコート膜として絶縁膜(例えばTa2O5層やSiO2層)を形成する。
【0157】
次に、透明基板10上に金属層(例えばAl層、Mo層またはTa層)スパッタリング法を用いて形成し、この金属層をパターニングすることによってゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を形成する。ここでは、ゲート配線11の幅が20μm、補助容量配線13の幅が50μmとなるようにパターニングを施す。
【0158】
続いて、ゲート配線11、ゲート電極40Gおよび補助容量配線13を覆うように透明基板10のほぼ全面にプラズマCVD(P−CVD)法を用いてゲート絶縁膜(例えばSiNx層)15を形成する。
【0159】
その後、ゲート絶縁膜15上に、CVDを用いてチャネル層41および電極コンタクト層42となるSi層を連続して堆積する。チャネル層41としては、例えばアモルファスSi層が用いられ、電極コンタクト層42としては、例えばリン等の不純物がドーピングされたアモルファスSi層や微結晶Si層が用いられる。これらのSi層を、例えばHClとSF6との混合ガスを用いたドライエッチングによりパターニングすることによって、チャネル層41および電極コンタクト層42が形成される。
【0160】
次に、透明導電材料(例えばITO)をスパッタリング法を用いて堆積した後、金属材料(例えばAl、MoまたはTa)を堆積する。その後、これらの導電層をパターニングすることによって、ソース配線12、ソース電極40S、ドレイン電極40D、接続配線17および補助容量電極16を形成する。
【0161】
続いて、絶縁材料(例えばSiNx)をCVD法を用いて堆積した後、パターニングして絶縁膜18を形成する。パターニングの際には、後に形成する絵素電極14と補助容量電極16とを電気的に接続するためのコンタクトホール18aを形成しておく。
【0162】
次に、絶縁膜18が形成された透明基板10上に、赤色層(第1色層)50R、緑色層(第2色層)50Gおよび青色層(第3色層)50Bを有するカラーフィルタ50を形成する。ここでは、カラーフィルタ50をドライフィルムラミネート法を用いて以下のようにして形成する。
【0163】
まず、絶縁膜18が形成された透明基板10上に、赤色に着色されたドライフィルムを貼付し、支持フィルムを剥離した後にパターニングを施すことによって、図23(a)に示すように赤色層(第1色層)50Rを形成する。赤色層50Rは、R絵素に対応する領域の全面と、B絵素に対応する領域の一部とに形成される。B絵素に対応する領域に離散的に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径12μmの円形に形成される。また、赤色層50Rは、図23(a)の右側に示したように、絵素領域外の一部の領域にも形成される。絵素領域外に形成される赤色層50Rは、ここでは、直径17μmの円形に形成される。
【0164】
次に、緑色に着色されたドライフィルムを用いて同様にして、図23(b)に示すように、緑色層(第2色層)50Gを形成する。緑色層50Gは、G絵素に対応する領域と、絵素領域外に形成された赤色層50R上に形成される。絵素領域外の赤色層50R上に形成される緑色層50Gは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。
【0165】
続いて、青色に着色されたドライフィルムを用いて、図23(c)に示すように、青色層(第3色層)50Bを形成する。青色層50Bは、B絵素に対応する領域と、R絵素に対応する領域の一部と、G絵素に対応する領域の一部とに形成される。R絵素およびG絵素に対応する領域に離散的に形成される青色層50Bは、ここでは、直径15μmの円形に形成される。また、青色層50Bは、絵素領域外に形成された赤色層50Rおよび緑色層50G上にも形成される。絵素領域外の赤色層50Rおよび緑色層50G上に形成される青色層50Bは、ここでは、直径13μmの円形に形成される。
【0166】
上述のようにして赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを順次形成することによって、透明基板10上にカラーフィルタ50が形成される。また、同時に、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bから構成される積層構造体54と、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bのうちの2つから構成される積層構造体52とが形成される。
【0167】
図21に示したように絵素領域外に形成された積層構造体54は、液晶層30の厚さを規定するスペーサとして機能する。このスペーサ54は、例えば、ゲート配線11上に位置するように設けられるが、ソース配線12上に位置するように設けられてもよいし、補助容量配線13上に位置するように設けられてもよい。
【0168】
また、図21に示したように各絵素領域に形成された積層構造体52は、図9や図10に示したように液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部として機能する。本実施形態では、図21および図22に示したように、凸部52は、対向電極22が有する複数の単位中実部22b’のそれぞれに対応する領域に設けられる。また、本実施形態では、凸部52は、R絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であり、G絵素においては緑色層50Gと青色層50Bとの積層構造体であり、B絵素においては赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である。なお、凸部52を構成する色層の組み合わせはこれに限定されず、3つの色層のうちの2つの色層を任意に選択できる。
【0169】
本実施形態では、各色層の厚さを1.8μmとなるように形成する。従って、凸部52の高さは1.8μmとなり、スペーサ54の高さは3.6μmとなる。そのため、スペーサ54によってその厚さを規定される液晶層30の厚さは3.6μmとなる。
【0170】
なお、本実施形態では、赤色層50R、緑色層50Gおよび青色層50Bを形成する際、すなわち、ドライフィルムの樹脂膜をパターニングする際に、絶縁膜18のコンタクトホール18a内に補助容量電極16を露出させる穴(コンタクトホール)50aを形成する。
【0171】
その後、図23(d)に示すように、カラーフィルタ50上に透明導電層(例えばITO層)を形成し、この透明導電層に画素形状となるようにパターニングを施すことによって絵素電極14を形成する。
【0172】
次に、対向基板300bの製造方法を説明する。まず、絶縁性を有する透明基板(例えばガラス基板)20を用意し、この透明基板20上に透明導電層(例えばITO層)を形成する。その後、この透明導電層をフォトリスグラフィ法を用いてパターニングすることによって、開口部22aと中実部22bとを有する対向電極22を形成する。本実施形態では、1つの単位中実部22b’の幅が45μmとなるように形成する。
【0173】
このようにして製造されたTFT基板300aと対向基板300bとを公知のシール材を用いて貼り合わせた後、液晶材料を封入することによって液晶表示装置300が完成する。なお、典型的には、両基板の液晶層30側の表面には垂直配向膜が設けられる。
【0174】
上述した液晶表示装置300のように、TFT基板300a上にカラーフィルタ50を設ける構成を採用すると、対向基板300bの構成が簡略化されるので、対向基板300bの作製が簡便になる。そのため、対向基板300bが備える透明基板20としてプラスチック基板を用いることが容易となり、軽量化を容易に図ることができる。また、液晶表示装置300のようにカラーフィルタ50上に絵素電極14を設けると、絵素電極14がカラーフィルタ50を介してTFT40やゲート配線11あるいはソース配線12と重なる構成とすることができ、別途に樹脂層などの層間絶縁層を設けることなく高開口率の構成が実現される。
【0175】
図24に、本発明によるさらに他の実施形態の液晶表示装置400を示す。液晶表示装置400は、対向基板400bが備える凸部52がいずれも赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体である点において、図11(a)および(b)に示した液晶表示装置200と異なる。
【0176】
表1に、赤色層50R、緑色層50G、青色層50Bおよびこれらのうちの2つからなる積層構造体の光学濃度(OD:Optical Density)の値を示す。光学濃度の値(OD値)は、物質の不透明度を示す値であり、OD値が高い物質ほど光の透過率が低い。
【0177】
表1に示したように、赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体がもっともOD値が高く、透過率が低い。そのため、図24に示した液晶表示装置400のように、凸部52が赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体であると、凸部52の透過率が低いので、凸部52の側面近傍に傾斜配向している液晶分子のリタデーションに起因した光漏れによる表示品位の低下を抑制できる。勿論、図19(a)および(b)に示した液晶表示装置300のように、カラーフィルタ50がTFT基板300a側に設けられている構成においても、凸部52を赤色層50Rと青色層50Bとの積層構造体とすることによって同様の効果が得られる。
【0178】
液晶表示装置400は、液晶表示装置200や液晶表示装置300と同様にして製造することができる。
【0179】
【発明の効果】
本発明によると、広視野角特性を有し、表示品位が高く、生産性に優れた液晶表示装置およびその製造方法が提供される。
【0180】
本発明によると、放射状傾斜配向を有する液晶ドメインが安定に、高い連続性を有するように形成されるので、従来の広視角特性を有する液晶表示装置の表示品位をさらに向上することができる。また、配向規制構造と凸部とによって放射状傾斜配向を安定化させ、さらに、放射状傾斜配向の中心軸の位置を固定することもできるので、液晶パネルに応力が印加された場合に残像が発生することが抑制される。また、液晶層の厚さは、カラーフィルタが有する第1色層、第2色層および第3色層から構成される積層構造体によって規定されるので、スペーサを形成するための工程を別途に設ける必要がなく、そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。さらに、配向規制力を発現する凸部は、第1色層、第2色層および第3色層のうちの2つから構成される積層構造体であるので、凸部を形成するための工程を別途に設ける必要がなく、そのため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配向規制構造を備える液晶表示装置100の一つの絵素領域の構造を模式的に示す図であり、(a)は上面図、(b)は(a)中の1B−1B’線に沿った断面図である。
【図2】液晶表示装置100の液晶層30に電圧を印加した状態を示す図であり、(a)は、配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を模式的に示し、(b)は、定常状態を模式的に示している。
【図3】(a)〜(d)は、電気力線と液晶分子の配向の関係を模式的に示す図である。
【図4】(a)〜(c)は、液晶表示装置100における、基板法線方向から見た液晶分子の配向状態を模式的に示す図である。
【図5】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられる他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図6】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明による液晶表示装置に用いられるさらに他の絵素電極を模式的に示す上面図である。
【図8】凸部52を有する対向基板200bを模式的に示す断面図である。
【図9】配向規制構造および凸部を備える本発明による実施形態の液晶表示装置200を模式的に示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)中の9B−9B’線に沿った断面図である。
【図10】液晶表示装置200の一絵素領域の断面構造を模式的に示す図であり、(a)は電圧無印加状態を示し、(b)は配向が変化し始めた状態(ON初期状態)を示し、(c)は定常状態を示している。
【図11】(a)は、液晶表示装置200を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置200の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図12】(a)および(b)は、液晶表示装置200が有するTFT基板100aを模式的に示す断面図であり、(a)はTFT近傍、(b)はコンタクトホール近傍を示す図である。
【図13】液晶表示装置200が有するTFT基板100aを模式的に示す上面図である。
【図14】(a)、(b)および(c)は、ドライフィルムラミネート法を説明するための図である。
【図15】(a)、(b)、(c)および(d)は、液晶表示装置200の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図16】液晶表示装置200が有する対向基板200bを模式的に示す上面図である。
【図17】(a)は、比較例の液晶表示装置1000を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置1000の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図18】従来のツイストネマチック型の液晶表示装置1100を模式的に示す断面図である。
【図19】(a)は、本発明による他の実施形態の液晶表示装置300を模式的に示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置300の絵素領域外に設けられたスペーサを模式的に示す断面図である。
【図20】(a)および(b)は、液晶表示装置300が有するTFT基板300aを模式的に示す断面図であり、(a)はTFT近傍、(b)はコンタクトホール近傍を示す図である。
【図21】液晶表示装置300が有するTFT基板300aを模式的に示す上面図である。
【図22】液晶表示装置300が有する対向基板300bを模式的に示す上面図である。
【図23】(a)、(b)、(c)および(d)は、液晶表示装置300の製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図24】本発明によるさらに他の実施形態の液晶表示装置400を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 透明基板
11 ゲート配線
12 ソース配線
13 補助容量配線
14 絵素電極
14a 開口部
14b 中実部
14b’ 単位中実部
15 ゲート絶縁膜
16 補助容量電極
17 接続配線
18 絶縁膜
18a コンタクトホール
19 層間絶縁膜
19a コンタクトホール
20 透明基板
22 対向電極
22a 開口部
22b 中実部
22b’ 単位中実部
30 液晶層
30a 液晶分子
40 TFT
50 カラーフィルタ
50R 赤色層(第1色層)
50G 緑色層(第2色層)
50B 青色層(第3色層)
52 凸部
54 スペーサ
100、200 液晶表示装置
300、400 液晶表示装置
Claims (6)
- 第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記第2基板の前記液晶層側に設けられたカラーフィルタとを備え、
前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する第2電極とによって、それぞれが規定される複数の絵素領域を有し、
前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれ内に、それぞれが電圧印加状態において放射状傾斜配向状態をとる複数の液晶ドメインを前記液晶層に形成するように配向規制力を発現する配向規制構造を有し、
前記第2基板は、前記複数の液晶ドメインの少なくとも1つの液晶ドメインに対応する領域に、前記少なくとも1つの液晶ドメイン内の液晶分子を放射状傾斜配向させる配向規制力を発現する凸部を有し、
前記カラーフィルタは、第1色層、第2色層および第3色層を有し、
前記液晶層の厚さは、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層から構成される第1積層構造体によって規定され、
前記第2基板が有する前記凸部は、前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層のうちの2つから構成される第2積層構造体である、液晶表示装置。 - 前記第1基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、
前記第1電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第2電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記第2基板は、前記複数の絵素領域のそれぞれに対応して設けられたスイッチング素子をさらに有し、
前記第2電極は、前記複数の絵素領域毎に設けられ、前記スイッチング素子によってスイッチングされる絵素電極であり、前記第1電極は、前記複数の絵素電極に対向する少なくとも1つの対向電極である請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記絵素電極は前記カラーフィルタ上に設けられている、請求項3に記載の液晶表示装置。
- 前記第1色層、前記第2色層および前記第3色層は、赤色層、緑色層および青色層であり、
前記第2積層構造体は、前記赤色層および前記青色層から構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法であって、
第2基板を用意する工程と、
前記第2基板上にドライフィルムラミネート法を用いて第1色層、第2色層および第3色層を有するカラーフィルタを形成する工程と、
を包含する、液晶表示装置の製造方法。
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