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JP2004052730A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

密閉型電動圧縮機 Download PDF

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JP2004052730A JP2002214757A JP2002214757A JP2004052730A JP 2004052730 A JP2004052730 A JP 2004052730A JP 2002214757 A JP2002214757 A JP 2002214757A JP 2002214757 A JP2002214757 A JP 2002214757A JP 2004052730 A JP2004052730 A JP 2004052730A
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Hirofumi Mizukami
裕文 水上
Takakatsu Hatae
孝勝 波多江
Kenji Sasaki
健治 佐々木
Takahide Nagao
崇秀 長尾
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Matsushita Refrigeration Co
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】冷凍機器に使用される密閉型電動圧縮機の電動機固定子鉄心と巻線とを電気絶縁する絶縁体には、インシュレータが適用されているが、生産性が悪く低コスト化や信頼性の向上ができない課題を解決する。
【解決手段】インシュレータ3の材質として、液晶ポリマー樹脂を用いることで、密閉型電動圧縮機の信頼性向上の実現が可能となるとともに、生産性が良好な密閉型電動圧縮機を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機器用途に使用される密閉型電動圧縮機に係わるものである。
【0002】
【従来技術】
従来、冷凍機器に使用される密閉型電動圧縮機の電動機固定子鉄心と導電性巻線とを電気絶縁する絶縁体には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の絶縁フィルムやポリフェニレンサルファイド(PPS)のインシュレータが適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PETは圧縮機運転により電動機固定子温度が上昇した場合、PET中に含まれているオリゴマー成分が抽出されやすいことが要因となり、冷凍サイクル中のキャピラリチューブ閉塞の危険性や圧縮機メカ部に堆積することでメカ部のロック現象を引き起こす危険性がある。またPETは、ポリエステル系の材料であることから、冷凍サイクル中に存在する水分と温度により加水分解を起こしやすい。加水分解が進行することで、フィルムの強度低下を招き、運転中の振動によってフィルムが割れ、電動機の耐圧不良に至る危険性もある。
【0004】
一方、PPSのインシュレータは、オリゴマ量が少なく、耐熱性も良好で、密閉型電動圧縮機の信頼性はPETと比較して向上している。しかし、PPSは離型不良によるインシュレータの割れ問題、バリの発生による二次加工の必要性、成形サイクル時間が短縮出来ない問題、金型寿命が短いなどの問題があり、成形加工費の増大につながっている。
【0005】
本願発明はこのような課題に鑑み発明されたものであり、信頼性が高く、成形加工費の安価な密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、密閉容器内に、電動機と、圧縮機部と、冷媒および冷凍機油とを備えるとともに、前記電動機を構成する絶縁体が液晶ポリマーとしたものであって、信頼性が高く、生産性が良好な密閉型電動圧縮機を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本願請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、電動機と、圧縮機部と、冷媒および冷凍機油とを備えるとともに、前記電動機を構成する絶縁体が液晶ポリマーであることを特徴とする密閉型電動圧縮機であって、樹脂成形の際、金型からの離型性向上や成形サイクルの短縮化を可能とし、また、オリゴマーの低抽出性や耐熱性向上により信頼性を向上することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、液晶ポリマーが、パラヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフトエ酸を原料とした全芳香族ポリエステルの共重合体である請求項1記載の密閉型電動圧縮機であって、樹脂の靭性が向上し、インシュレータの信頼性を向上することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、液晶ポリマーの充填剤をガラス繊維とし、かつその充填量が20〜50wt%である請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機であって、樹脂のフィブリルを防止し、最適なインシュレータの強度を確保することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記電動機の固定子が、固定子鉄心の内径側に突出した複数の歯部に絶縁体を介して突極集中巻線を施されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機であって、電動機巻線のコイルエンド高さを低くすることが可能となり、電動機の小型化が図れる。
【0011】
請求項5記載の発明は、冷媒が塩素を含まないHFC冷媒であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機であって、HFC冷媒環境下でもインシュレータの信頼性の向上が図れる。
【0012】
請求項6記載の発明は、冷凍機油がポリアルキレングリコールまたはポリオールエステルであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機用電動機であって、吸湿性が高い冷凍機油環境下においても、インシュレータの信頼性の向上が図れる。
【0013】
請求項7記載の発明は、冷媒が塩素を含まないHC冷媒であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の密閉型電動圧縮機であって、HC冷媒環境下でもインシュレータの信頼性の向上が図れる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の具体例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0015】
(実施例1)
図1はインシュレータおよび絶縁フィルムの固定子への装着状態を示し、図2はインシュレータを使用した密閉型電動圧縮機用電動機の固定子の斜視図である。
【0016】
電動機の固定子1は、図1に示すように固定子鉄心2の端面にインシュレータ3およびスロット部に絶縁フィルム5を装着した後、固定子鉄心の内径側に突出した複数の歯部に突極集中巻線4が施されて構成されている(図2参照)。
【0017】
なお、液晶ポリマー(以下、「LCP」と示す)の射出成形により形成されるインシュレータ3の成形に際しては、低強度となるウェルドの発生を抑制することが重要であり、ゲートの数、位置、径その他の金型構成を考慮する必要がある。
【0018】
すなわち、ゲートの数を少なく(より具体的には、ティースの数より少なく)することで、金型内への空気の巻き込みおよびウェルド発生部を減少させることが可能となり、また、逆にゲートの数を多くすることで、一つのウェルドの大きさを小さくすることが可能となる。
【0019】
すなわち、最適なインシュレータ3の強度を確保するためには、インシュレータ3の形状および金型構成を考慮する必要がある。
【0020】
図3に密閉型電動圧縮機を示す。密閉型電動圧縮機は外殻となる密閉容器7内に電動機6、圧縮機部8等を組み込まれ、また、冷媒および冷凍機油(図示省略)が封入されている。運転時において密閉容器7内は冷媒および冷凍機油の混合雰囲気となっている。
【0021】
(実施例2)
表1は、供試材としてLCP、PPSおよびPETフィルムによる抽出量を示すものであり、図1のインシュレータ(成形品)をペレット状に切削しアルコールにて洗浄したものおよびフィルム(厚み250μm品)を5mm×5mmに切断し、アルコールにて洗浄したものを使用した。抽出溶媒にはクロロホルムを使用しソックスレー方式による抽出を6時間実施した後、抽出後溶媒を蒸発乾固させ計量し、抽出率を算出した。
【0022】
LCPの抽出量はPPSの約1/4、PETフィルムの約1/18表1から明らかなように、オリゴマーの抽出率は、PETフィルムよりもかなり低減され、さらにはPPSよりも低オリゴマー化の効果が得られる。
【0023】
【表1】
Figure 2004052730
【0024】
本実施例は、スロット内の絶縁にフィルムを使用しているが、スロット絶縁にもLCP成形品を使用すれば、さらに低オリゴマー化の効果が得られる。
【0025】
(実施例3)
表2は図1のインシュレータ成形品を実際に成形した場合の成形条件、成形性、成形品の特性を示したものである。
【0026】
【表2】
Figure 2004052730
【0027】
LCPは、PPSとの樹脂性状の違いから、溶融状態から急冷しても徐冷しても結晶化度は変化しないことから、金型温度を高温にする必要もないことから、表2のようにPPSと比較して低い金型温度できる。したがって、成形サイクル時間も約半減化することが可能となっている。
【0028】
また、流動性が良好であることから、ランナーやスプル径を小さくすることが可能となることで、ランナー、スプル量が少なくでき、製品の低コスト化に効果がある。
【0029】
成形性に関しては、前述したように流動性が良好であることから、射出圧力を低くするこが可能なことと、成形収縮率もPPSと比較して低いことから、離型抵抗が小さくなっている。したがって、離型不良が低減し、さらには離型時に成形品にかかる応力が小さくなっている。このことにより、製品ロスコストの低減および製品の絶縁信頼性の向上に効果がある。
【0030】
また、PPSのような金型腐食性のガスの発生がないことから、金型寿命が約2倍となり、長期間安定した成形品を得ることができる。
【0031】
成形品特性も成形収縮率が低く、金型内で結晶化が進行しないことから、固定子鉄心の内径側に突出した複数の歯部(ティース部)のそりがPPSよりもかなり小さくすることができる。
【0032】
また、LCPは樹脂の性状から、金型のパーティング部のバリが発生しにくい。表2のようにバリの大きさはPPSに比べてかなり小さいバリとなっており、成形後のバリ取りが不要になる。したがって、二次加工が不要になることで成形品のコストを低減することができる。
【0033】
60℃95%RHの雰囲気に100時間放置した後の吸湿量を表2に示した。表2のようにLCPはPPSよりも吸湿量が少ないことから、圧縮機内に持ち込む水分量も低減することが可能で、圧縮機の信頼性を向上することができる。
【0034】
成形品の強度は、図1に示す環状の成形品を10mm/分の圧縮速度で圧縮し、破壊したときの荷重を測定した。LCPの欠点としてウエルド強度が低いことがあげられるが、ゲート数をティース部と同一個数にし、金型の空気抜けを良化することで、PPSに近い成形品の強度を確保している。
【0035】
(実施例4)
表3に組成の異なった全芳香族ポリエステルの共重合体で成形した成形品強度を示す。ガラス繊維の充填量は同一とし、表2と同様な成形条件にて成形した成形品を前述と同様な方法で成形品強度を測定した。
【0036】
【表3】
Figure 2004052730
【0037】
成形品強度は、パラヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフトエ酸を原料とした全芳香族ポリエステルの共重合体が最も高い。したがって、成形品の絶縁信頼性を向上することができる。
【0038】
(実施例5)
表4にガラス繊維の充填量を変化させた場合の成形品の特性を示す。ベースの樹脂は、パラヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフトエ酸を原料とした全芳香族ポリエステルの共重合体として、ガラス繊維の充填量のみ変化させ、成形品強度は、前述と同様な方法で測定した。
【0039】
【表4】
Figure 2004052730
【0040】
成形品強度は、ガラス繊維の充填量が30wt%が最も良好で、充填量が20〜50wt%内であれば、巻線が可能となる。ガラス繊維量が0wt%の場合は、LCP特有のフィブリルが発生するうえ、強度不足が原因で巻線テンションによるティースのコーナー部の変形が大きい問題も発生している。逆に、ガラス繊維の充填量が60wt%の場合は、成形品自体の強度および靭性が低下することで、ティースのコーナー部にクラックが発生している。
【0041】
(実施例6)
表5に冷媒と冷凍機油に対する適合性試験結果を示す。試験方法は、以下の手順により実施した。
【0042】
【表5】
Figure 2004052730
【0043】
密閉圧力容器中に容器容量の半分まで水分量を調整した冷凍機油と各成形品を投入したのち、圧力容器を密閉し、50Paで真空引きを30秒行なう。その後、各冷媒を140℃で3MPaになる量を液の状態で充填する。充填後、冷媒のリークがないか確認し、140℃のオイルバスで2000h加熱放置する。2000h終了後、成形品を取りだし前述と同様な方法で成形品強度を測定し、試験前の強度と比較し強度保持率を算出した。
【0044】
成形品の抽出率は、試験後の成形品を洗浄、粉砕し実施例1と同様な方法でクロロホルムによる抽出率を測定した後、試験前の成形品の抽出率と試験後の抽出率から冷媒/冷凍機油適合性試験後の抽出率を算出した。
【0045】
なお、PAGおよびPOEの水分量は200〜300ppm、鉱油の水分量は20〜40ppmに調整したものを使用した。
【0046】
表5から明らかなように、LCPの成形品はHFC冷媒、HC冷媒、PAG油、POE油との適合性において、PETフィルムのような強度低下は起こらず、PPSよりも低抽出性を有しており、密閉型電動圧縮機の信頼性を向上することができる。
【0047】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように請求項1記載の発明によれば、樹脂成形の際、金型からの離型性向上や成形サイクルの短縮化を可能とし、また、オリゴマーの低抽出性や耐熱性向上により信頼性を向上することができる。
【0048】
請求項2記載の発明によれば、樹脂の靭性が向上し、インシュレータの信頼性を向上することができる。
【0049】
請求項3記載の発明によれば、樹脂のフィブリルを防止し、最適なインシュレータの強度を確保することができる。
【0050】
請求項4記載の発明によれば、電動機巻線のコイルエンド高さを低くすることが可能となり、電動機の小型化が図れる。
【0051】
請求項5記載の発明によれば、HFC冷媒環境下でもインシュレータの信頼性の向上が図れる。
【0052】
請求項6記載の発明によれば、吸湿性が高い冷凍機油環境下においても、インシュレータの信頼性の向上が図れる。
【0053】
請求項7記載の発明によれば、HC冷媒環境下でもインシュレータの信頼性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインシュレータの斜視図
【図2】インシュレータを使用した密閉型電動圧縮機用電動機の斜視図
【図3】密閉型電動圧縮機を示す図
【符号の説明】
1 固定子
2 固定子鉄心
3 インシュレータ
4 突極集中巻線
5 絶縁フィルム
6 電動機
7 密閉容器
8 圧縮機部

Claims (7)

  1. 密閉容器内に、電動機と、圧縮機部と、冷媒および冷凍機油とを備えるとともに、前記電動機を構成する絶縁体が液晶ポリマーであることを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 液晶ポリマーが、パラヒドロキシ安息香酸と2,6−ヒドロキシナフトエ酸を原料とした全芳香族ポリエステルの共重合体である請求項1記載の密閉型電動圧縮機。
  3. 液晶ポリマーの充填剤をガラス繊維とし、かつその充填量が20〜50wt%である請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. 電動機の固定子が、固定子鉄心の内径側に突出した複数の歯部に絶縁体を介して突極集中巻線を施されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 冷媒が塩素を含まないHFC冷媒であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機。
  6. 冷凍機油がポリアルキレングリコール(PAG)またはポリオールエステル(POE)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機用電動機。
  7. 冷媒が塩素を含まないHC冷媒であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機。
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