JP2004051874A - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし。
【解決手段】ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂、特にABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)は、耐衝撃性、剛性などの機械的特性や加工特性に優れていることから自動車、住宅建材、家庭電気製品などの様々な用途に使用されている。しかしながら、ABS樹脂は、耐衝撃性を向上させるための補強ゴムが、ジエン系重合体であり、2重結合を有するため光、特に太陽光の影響で2重結合が酸化され、黄色く変色すると共に表面光沢が低下するため、屋外用途への展開が困難である。
【0003】
この欠点を改良するため、補強ゴムに非ジエン系を使用した樹脂があり、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムで補強したAES樹脂やアクリレートゴムで補強したASA樹脂が挙げられる。
これらのAES樹脂やASA樹脂は、ABS樹脂と比較して耐候性に関しては、改良されるがジエン系重合体の補強ゴムと比較して、着色性が悪く、着色に使用する染料や顔料の種類が限定されると共に添加量が多くなり、希望の色調に合わせるのが困難となる。また、補強ゴムの耐衝撃性の改質効果が低く、衝撃向上にはゴムを多く添加する必要があり、その影響で表面外観が悪くなる。
【0004】
それらを改良した組成物として、特開2002−138177が挙げられる。AS系樹脂と多層構造アクリル系重合体を組み合わせることで、発色性や耐候性の向上が見られるが、シャルピー衝撃強度が10J/m以下であり、他樹脂との複合製品などへの展開は可能であるが、該組成物を単独で使用する製品や2次加工を有する製品などでは実用衝撃強度不足となり展開が困難であった。そこで、該組成物の耐衝撃性を向上させるため、非共役ジエン系ゴムで補強したAES樹脂やASA樹脂を配合しているが、耐衝撃性の改質効果が低く、耐衝撃性を向上させるには、配合量を多くする必要がある。しかし、非共役ジエン系ゴムの配合量を増量すると発色性の低下や表面外観の悪化が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、および多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されることを特徴とするスチレン系樹脂組成物に関するものである。
【0007】
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂(A)とは、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)中における芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体を共重合させて得られるビニル共重合体は、グラフト重合体を製造する過程で生成したものでも、グラフト重合体の製造とは別の過程で製造したものであってもよい。
【0008】
グラフト重合体は、共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得ることができる。芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体に加えて、これらと共重合可能な単量体であれば、他の単量体も併せて使用することができる。
グラフト重合体における共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。好ましくは、ポリブタジエンである。
【0009】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等が挙げられる。好ましくは、スチレンである。不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体等が挙げられる。
【0010】
本発明では、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を共重合したビニル系共重合体が含有されることが好ましく、ここで言う不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、ブチルアクリレートが好ましい。
グラフト重合体の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の方法がある。具体的には、乳化重合で製造された共役ジエン系重合体ラテックスにビニル単量体をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式がある。また、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方法も可能である。グラフト重合体の製造過程で生成するゴム状重合体にグラフトした成分の割合は、好ましくは、共役ジエン系重合体を100重量部として、10〜80重量部であり、より好ましくは、20〜60重量部である。グラフト重合体は、重合反応により生成したグラフト重合体およびビニル共重合体の混合物をアセトンに溶解した不溶分として得ることができ、グラフトした成分の割合は該不溶分から共役ジエン系重合体の割合を差し引くことにより求めることができる。
【0011】
共役ジエン系重合体は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、2〜20重量%の範囲で用いられるが、好ましくは7〜15重量%である。共役ジエン系重合体が2重量%未満の場合は、耐衝撃性の改質効果が低く、20重量%を超える場合は、耐候性が低下する。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)中の芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体単位に対する不飽和ニトリル単量体単位の割合は、15〜45重量%である。15重量%未満の場合は、耐熱性、耐薬品性、剛性が十分でなく、45重量%を超える場合は、衝撃強度、成形品外観が低下する。好ましくは20〜40重量%である。
【0012】
ゴム強化スチレン系樹脂(A)の製造方法は特に限定されないが、グラフト重合体とビニル共重合体を同時に製造する方法、グラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるビニル共重合体からなる共役ジエン系重合体の割合の高い混合物(以下GRCと略することがある)を製造し、別に製造した芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合してなるビニル共重合体を混合する方法のいずれも可能である。具体的には、乳化重合により、グラフト重合体とグラフト重合しないビニル共重合体を同時に作り、そのゴム強化スチレン系樹脂ラテックスから凝固剤を用いて固形分を凝固させる方法、また乳化重合により共役ジエン系重合体の割合の高いGRCのラテックスを製造し、上記と同様に凝固剤を用いて固形分を凝固し、別に塊状重合、乳化重合や懸濁重合等で製造したビニル共重合体とともに配合して目的のゴム含有量にする方法等がある。
【0013】
本発明における多層構造アクリル系重合体(B)とは、少なくとも1層以上の軟質重合体層と硬質重合体層を有し、最外層が硬質重合体層からなる2層以上の多層構造体である。軟質重合体層と硬質重合体層を有していれば何層でもかまわないが、好ましい構造としては、最内層が軟質重合体層、最外層が硬質重合体層である2層構造体、最内層が硬質重合体層、中間層が軟質重合体層、最外層が硬質重合体層である3層構造体および最内層が硬質重合体層、中間内層が軟質重合体層、中間外層が硬質重合体層、最外層が硬質重合体層である4層構造体である。各層の比率は特に指定しないが、2層構造体の場合、軟質重合体層50〜90重量部、硬質重合体層10〜50重量部が好ましく、3層構造体の場合、最内硬質重合体層3〜35重量部、中間軟質重合体層20〜94重量部および最外硬質重合体層3〜45重量部が好ましく、4層構造の場合、最内硬質重合体層4〜30重量部、中間軟質重合体層10〜90重量部、中間硬質重合体層2〜20重量部、最外硬質重合体層4〜40重量部が好ましい。
【0014】
本発明におけるアクリル系重合体とは、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、グラフト結合性単量体を必須成分とした重合体であり、必要に応じて他の単量体や多官能架橋性単量体を重合できる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。多層構造の軟質重合層には、アクリル酸アルキルエステル単量体を含むことが好ましく、更にメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、更にはブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。多層構造の硬質重合層には、メタクリル酸アルキルエステル単量体を含むことが好ましく、更にメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが好ましく、更にはメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが好ましい。これらは2種類以上を共重合することもできる。
【0015】
その他共重合可能な単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル単量体が挙げられる。
グラフト結合性単量体としては、ジビニル化合物、ジアリル化合物、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合物などの一般的に用いられる架橋剤が使用できる。
【0016】
多官能架橋性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのアリルエステルが挙げられる。
本発明における多層構造アクリル系重合体(B)の重量平均粒子径は、特に特定しないが、0.05〜0.4μmであることが好ましい。更に0.08〜0.35μmが好ましく、更には0.1〜0.3μmが好ましい。
重量平均粒子径を測定する方法としては、透過電子顕微鏡写真を用いて、約1000個の粒子径サイズをカウントする方法が用いられる。
【0017】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を、またその他に滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、分散剤、発泡剤、繊維状および粒状無機充填剤、あるいは熱可塑性樹脂組成物において一般的に用いられるその他の配合剤、添加剤を配合することも可能である。他の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、ASグラフトポリプロピレン等が挙げられる。
【0018】
その他の添加剤としては、紫外線吸収剤および光安定剤などの有機安定剤が好ましく、種類には特に制限はないが、フェノール系、イオウ系、リン系、アミン系、ベンゾフェノン系、サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、ヒドラジン系およびエポキシ系から選ばれた1種または2種以上のものが使用される。特にフェノール系、イオウ系およびリン系の1種または2種以上と、アミン系、ベンゾフェノン系、サルチレート系およびベンゾトリアゾール系の1種または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。なお、これらの添加量の合計は、樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜3重量部である。
【0019】
本発明におけるスチレン系樹脂組成物の製造方法は、特に限定はないが、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうち2軸のベント付き押出機による製造が望ましい。本発明のスチレン系樹脂組成物は、主にデッキ材、テラス材、フェンス材、シャッター材、擬似竹垣および雨樋材などの住宅外装材や窓枠、サッシ枠、浴室出窓、敷居、床材および装飾材などの住宅内装材に使用されるが、物干し竿、のぼり竿、突っ張り棒および各種コーティングパイプや自動車部材、道路標識、事務用機器、家庭電化機器、OA機器、業務用装置、機械部品および建材家具部品などにも使用できる。また、それらの製品は、射出成形、押出し成形、ブロー成形、シート成形、真空・圧空成形、発泡成形およびカレンダ成形などの一般的に熱可塑性樹脂の加工として公知の成形方法が使用でき、単独成形もしくは他の樹脂との多層成形もできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
なお下記の実施例および比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下の例に限定されるものではない。尚、実施例中の評価、各種測定は以下の方法で行った。また、組成および配合は、特に記述がない限り重量単位を示す。
【0021】
【実施例】
1.原料
(A)ゴム強化スチレン系樹脂
A−1:1)ブタジエンゴム50重量%、アクリロニトリル15重量%、スチレン35重量%、グラフト率55%、還元粘度0.26sp/cのアクリロ二トリル−ブタジエン−スチレン共重合体70重量部、2)スチレン70重量%、アクリロニトリル30重量%、還元粘度0.65sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体22重量部、3)スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%、還元粘度0.46sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体8重量部
A−2:スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%、還元粘度0.46sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体
A−3:スチレン65.7重量%、アクリロニトリル24.3重量%、ブチルアクリレート10重量%、還元粘度0.51sp/cのアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体
【0022】
ここで言うグラフト率とは、ゴム状重合体にグラフト共重合した成分の、ゴム状重合体に対する重量割合として定義される。重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム状重合体、及びゴム状重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム状重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。
還元粘度とは、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離する。熱可塑性樹脂におけるゴム状重合体にグラフトしていない成分(非グラフト成分)の還元粘度は、アセトン可溶分0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
【0023】
(B)多層構造アクリル系重合体
B−1:2層構造体、重量平均粒子径0.3μm(呉羽化学工業株式会社製 パラロイドEXL2315)
B−2:3層構造体、重量平均粒子径0.2μm
B−3:4層構造体、重量平均粒子径0.11μm
B−2、B−3の詳細を表1にまとめた。記載の分析方法は以下のとおり行った。
多層構造アクリル系重合体の平均粒子径:透過型電子顕微鏡写真より求めた。メチルエチルケトン膨潤度:多層構造アクリル系重合体のパウダー約2gにメチルエチルケトン30mlを加え25℃で12時間浸したのち1時間振とうし、5℃、23000rpmで1時間遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして除いたのち、新たにメチルエチルケトン30mlを加え25℃で1時間振とうし、5℃、23000rpmで1時間遠心分離した。上澄み液を除去した膨潤体重量(W1)を測定し、その後100℃で6時間真空乾燥した残留物の重量(W2)を測定した。膨潤度をW1/W2とした。
【0024】
(C)その他
C−1:城北化学工業株式会社製 JF77
C−2:城北化学工業株式会社製 JF90
【0025】
2.測定項目
1)シャルピー衝撃強度:ISO179に準拠した測定を行い、数値が10kJ/m2未満の場合には×、10kJ/m2以上の場合を○とした。
2)耐候性:射出成形品プレート片をスガ試験機株式会社製 サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター WEL−SUN−HCH型を用い、63℃、12分/60分の降雨有り条件下で1000時間暴露し、スガ試験機株式会社製 S&M COLOUR COMPUTER MODEL SM−5を用い非暴露自材片との色差(ΔE)を測定し、3.0未満の場合を○、3.0以上の場合を×とした。また、暴露片は村上色彩技術研究所製 GLOSS METER MODEL GM−26Dを用い、60°視野の光沢を測定し、非暴露自材片との保持率を算出し、保持率が60%未満の場合には×、60%以上の場合を○とした。
【0026】
3)外観性:シリンダ設定温度220℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmのプレート片を射出成形にて作成し、目視により外観を確認し、プレート片が均一な光沢を有する場合を○、不均一な場合を×とした。
4)着色性:樹脂組成物100重量部にカーボンブラック20重量%、AS樹脂80重量%のカーボンマスターバッチ2重量部をブレンドし、設定温度260℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmのプレート片を射出成形にて作成し、目視により発色性を観察し、プレート片が均一に発色されている場合を○、均一に発色されずカーボンの分散不良がある場合を×とした。
【0027】
表1に示すように本発明に規定する条件を満たさない場合には、耐候性、衝撃強度、外観性、着色性において悪いが、ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、および多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されたスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果が現れていることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂、特にABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)は、耐衝撃性、剛性などの機械的特性や加工特性に優れていることから自動車、住宅建材、家庭電気製品などの様々な用途に使用されている。しかしながら、ABS樹脂は、耐衝撃性を向上させるための補強ゴムが、ジエン系重合体であり、2重結合を有するため光、特に太陽光の影響で2重結合が酸化され、黄色く変色すると共に表面光沢が低下するため、屋外用途への展開が困難である。
【0003】
この欠点を改良するため、補強ゴムに非ジエン系を使用した樹脂があり、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムで補強したAES樹脂やアクリレートゴムで補強したASA樹脂が挙げられる。
これらのAES樹脂やASA樹脂は、ABS樹脂と比較して耐候性に関しては、改良されるがジエン系重合体の補強ゴムと比較して、着色性が悪く、着色に使用する染料や顔料の種類が限定されると共に添加量が多くなり、希望の色調に合わせるのが困難となる。また、補強ゴムの耐衝撃性の改質効果が低く、衝撃向上にはゴムを多く添加する必要があり、その影響で表面外観が悪くなる。
【0004】
それらを改良した組成物として、特開2002−138177が挙げられる。AS系樹脂と多層構造アクリル系重合体を組み合わせることで、発色性や耐候性の向上が見られるが、シャルピー衝撃強度が10J/m以下であり、他樹脂との複合製品などへの展開は可能であるが、該組成物を単独で使用する製品や2次加工を有する製品などでは実用衝撃強度不足となり展開が困難であった。そこで、該組成物の耐衝撃性を向上させるため、非共役ジエン系ゴムで補強したAES樹脂やASA樹脂を配合しているが、耐衝撃性の改質効果が低く、耐衝撃性を向上させるには、配合量を多くする必要がある。しかし、非共役ジエン系ゴムの配合量を増量すると発色性の低下や表面外観の悪化が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、および多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されることを特徴とするスチレン系樹脂組成物に関するものである。
【0007】
本発明におけるゴム強化スチレン系樹脂(A)とは、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)中における芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体を共重合させて得られるビニル共重合体は、グラフト重合体を製造する過程で生成したものでも、グラフト重合体の製造とは別の過程で製造したものであってもよい。
【0008】
グラフト重合体は、共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得ることができる。芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体に加えて、これらと共重合可能な単量体であれば、他の単量体も併せて使用することができる。
グラフト重合体における共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等が挙げられる。好ましくは、ポリブタジエンである。
【0009】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等が挙げられる。好ましくは、スチレンである。不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げられる。好ましくは、アクリロニトリルである。芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体と共重合可能な単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体等が挙げられる。
【0010】
本発明では、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を共重合したビニル系共重合体が含有されることが好ましく、ここで言う不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、ブチルアクリレートが好ましい。
グラフト重合体の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、およびこれらの重合法の組み合わせ等の方法がある。具体的には、乳化重合で製造された共役ジエン系重合体ラテックスにビニル単量体をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式がある。また、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方法も可能である。グラフト重合体の製造過程で生成するゴム状重合体にグラフトした成分の割合は、好ましくは、共役ジエン系重合体を100重量部として、10〜80重量部であり、より好ましくは、20〜60重量部である。グラフト重合体は、重合反応により生成したグラフト重合体およびビニル共重合体の混合物をアセトンに溶解した不溶分として得ることができ、グラフトした成分の割合は該不溶分から共役ジエン系重合体の割合を差し引くことにより求めることができる。
【0011】
共役ジエン系重合体は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、2〜20重量%の範囲で用いられるが、好ましくは7〜15重量%である。共役ジエン系重合体が2重量%未満の場合は、耐衝撃性の改質効果が低く、20重量%を超える場合は、耐候性が低下する。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)中の芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体単位に対する不飽和ニトリル単量体単位の割合は、15〜45重量%である。15重量%未満の場合は、耐熱性、耐薬品性、剛性が十分でなく、45重量%を超える場合は、衝撃強度、成形品外観が低下する。好ましくは20〜40重量%である。
【0012】
ゴム強化スチレン系樹脂(A)の製造方法は特に限定されないが、グラフト重合体とビニル共重合体を同時に製造する方法、グラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合させて得られるビニル共重合体からなる共役ジエン系重合体の割合の高い混合物(以下GRCと略することがある)を製造し、別に製造した芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を共重合してなるビニル共重合体を混合する方法のいずれも可能である。具体的には、乳化重合により、グラフト重合体とグラフト重合しないビニル共重合体を同時に作り、そのゴム強化スチレン系樹脂ラテックスから凝固剤を用いて固形分を凝固させる方法、また乳化重合により共役ジエン系重合体の割合の高いGRCのラテックスを製造し、上記と同様に凝固剤を用いて固形分を凝固し、別に塊状重合、乳化重合や懸濁重合等で製造したビニル共重合体とともに配合して目的のゴム含有量にする方法等がある。
【0013】
本発明における多層構造アクリル系重合体(B)とは、少なくとも1層以上の軟質重合体層と硬質重合体層を有し、最外層が硬質重合体層からなる2層以上の多層構造体である。軟質重合体層と硬質重合体層を有していれば何層でもかまわないが、好ましい構造としては、最内層が軟質重合体層、最外層が硬質重合体層である2層構造体、最内層が硬質重合体層、中間層が軟質重合体層、最外層が硬質重合体層である3層構造体および最内層が硬質重合体層、中間内層が軟質重合体層、中間外層が硬質重合体層、最外層が硬質重合体層である4層構造体である。各層の比率は特に指定しないが、2層構造体の場合、軟質重合体層50〜90重量部、硬質重合体層10〜50重量部が好ましく、3層構造体の場合、最内硬質重合体層3〜35重量部、中間軟質重合体層20〜94重量部および最外硬質重合体層3〜45重量部が好ましく、4層構造の場合、最内硬質重合体層4〜30重量部、中間軟質重合体層10〜90重量部、中間硬質重合体層2〜20重量部、最外硬質重合体層4〜40重量部が好ましい。
【0014】
本発明におけるアクリル系重合体とは、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、グラフト結合性単量体を必須成分とした重合体であり、必要に応じて他の単量体や多官能架橋性単量体を重合できる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートが挙げられる。多層構造の軟質重合層には、アクリル酸アルキルエステル単量体を含むことが好ましく、更にメチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、更にはブチルアクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。多層構造の硬質重合層には、メタクリル酸アルキルエステル単量体を含むことが好ましく、更にメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルフェニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが好ましく、更にはメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが好ましい。これらは2種類以上を共重合することもできる。
【0015】
その他共重合可能な単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン等の芳香族ビニル単量体が挙げられる。
グラフト結合性単量体としては、ジビニル化合物、ジアリル化合物、ジアクリル化合物、ジメタクリル化合物などの一般的に用いられる架橋剤が使用できる。
【0016】
多官能架橋性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのアリルエステルが挙げられる。
本発明における多層構造アクリル系重合体(B)の重量平均粒子径は、特に特定しないが、0.05〜0.4μmであることが好ましい。更に0.08〜0.35μmが好ましく、更には0.1〜0.3μmが好ましい。
重量平均粒子径を測定する方法としては、透過電子顕微鏡写真を用いて、約1000個の粒子径サイズをカウントする方法が用いられる。
【0017】
本発明のスチレン系樹脂組成物は、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を、またその他に滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、分散剤、発泡剤、繊維状および粒状無機充填剤、あるいは熱可塑性樹脂組成物において一般的に用いられるその他の配合剤、添加剤を配合することも可能である。他の熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、PMMA、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、ASグラフトポリプロピレン等が挙げられる。
【0018】
その他の添加剤としては、紫外線吸収剤および光安定剤などの有機安定剤が好ましく、種類には特に制限はないが、フェノール系、イオウ系、リン系、アミン系、ベンゾフェノン系、サルチレート系、ベンゾトリアゾール系、ヒドラジン系およびエポキシ系から選ばれた1種または2種以上のものが使用される。特にフェノール系、イオウ系およびリン系の1種または2種以上と、アミン系、ベンゾフェノン系、サルチレート系およびベンゾトリアゾール系の1種または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。なお、これらの添加量の合計は、樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜3重量部である。
【0019】
本発明におけるスチレン系樹脂組成物の製造方法は、特に限定はないが、単軸もしくは2軸のベント付き押出機、プラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダーなどの熱可塑性樹脂に一般的に用いられる各種混合装置を用いることができる。これらのうち2軸のベント付き押出機による製造が望ましい。本発明のスチレン系樹脂組成物は、主にデッキ材、テラス材、フェンス材、シャッター材、擬似竹垣および雨樋材などの住宅外装材や窓枠、サッシ枠、浴室出窓、敷居、床材および装飾材などの住宅内装材に使用されるが、物干し竿、のぼり竿、突っ張り棒および各種コーティングパイプや自動車部材、道路標識、事務用機器、家庭電化機器、OA機器、業務用装置、機械部品および建材家具部品などにも使用できる。また、それらの製品は、射出成形、押出し成形、ブロー成形、シート成形、真空・圧空成形、発泡成形およびカレンダ成形などの一般的に熱可塑性樹脂の加工として公知の成形方法が使用でき、単独成形もしくは他の樹脂との多層成形もできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
なお下記の実施例および比較例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、以下の例に限定されるものではない。尚、実施例中の評価、各種測定は以下の方法で行った。また、組成および配合は、特に記述がない限り重量単位を示す。
【0021】
【実施例】
1.原料
(A)ゴム強化スチレン系樹脂
A−1:1)ブタジエンゴム50重量%、アクリロニトリル15重量%、スチレン35重量%、グラフト率55%、還元粘度0.26sp/cのアクリロ二トリル−ブタジエン−スチレン共重合体70重量部、2)スチレン70重量%、アクリロニトリル30重量%、還元粘度0.65sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体22重量部、3)スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%、還元粘度0.46sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体8重量部
A−2:スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%、還元粘度0.46sp/cのアクリロニトリル−スチレン共重合体
A−3:スチレン65.7重量%、アクリロニトリル24.3重量%、ブチルアクリレート10重量%、還元粘度0.51sp/cのアクリロニトリル−スチレン−ブチルアクリレート共重合体
【0022】
ここで言うグラフト率とは、ゴム状重合体にグラフト共重合した成分の、ゴム状重合体に対する重量割合として定義される。重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し、遠心分離器によりアセトン可溶分と不溶分とに分離する。この時、アセトンに溶解する成分は重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分はゴム状重合体、及びゴム状重合体にグラフト反応した成分(グラフト成分)である。アセトン不溶分の重量からゴム状重合体の重量を差し引いた値がグラフト成分の重量として定義されるので、これらの値からグラフト率を求めることが出来る。
還元粘度とは、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解し、これを遠心分離機によりアセトン可溶分、及びアセトン不溶分に分離する。熱可塑性樹脂におけるゴム状重合体にグラフトしていない成分(非グラフト成分)の還元粘度は、アセトン可溶分0.25gを2−ブタノン50mlにて溶解した溶液を、30℃にてCannon−Fenske型毛細管中の流出時間を測定することにより得られる。
【0023】
(B)多層構造アクリル系重合体
B−1:2層構造体、重量平均粒子径0.3μm(呉羽化学工業株式会社製 パラロイドEXL2315)
B−2:3層構造体、重量平均粒子径0.2μm
B−3:4層構造体、重量平均粒子径0.11μm
B−2、B−3の詳細を表1にまとめた。記載の分析方法は以下のとおり行った。
多層構造アクリル系重合体の平均粒子径:透過型電子顕微鏡写真より求めた。メチルエチルケトン膨潤度:多層構造アクリル系重合体のパウダー約2gにメチルエチルケトン30mlを加え25℃で12時間浸したのち1時間振とうし、5℃、23000rpmで1時間遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして除いたのち、新たにメチルエチルケトン30mlを加え25℃で1時間振とうし、5℃、23000rpmで1時間遠心分離した。上澄み液を除去した膨潤体重量(W1)を測定し、その後100℃で6時間真空乾燥した残留物の重量(W2)を測定した。膨潤度をW1/W2とした。
【0024】
(C)その他
C−1:城北化学工業株式会社製 JF77
C−2:城北化学工業株式会社製 JF90
【0025】
2.測定項目
1)シャルピー衝撃強度:ISO179に準拠した測定を行い、数値が10kJ/m2未満の場合には×、10kJ/m2以上の場合を○とした。
2)耐候性:射出成形品プレート片をスガ試験機株式会社製 サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター WEL−SUN−HCH型を用い、63℃、12分/60分の降雨有り条件下で1000時間暴露し、スガ試験機株式会社製 S&M COLOUR COMPUTER MODEL SM−5を用い非暴露自材片との色差(ΔE)を測定し、3.0未満の場合を○、3.0以上の場合を×とした。また、暴露片は村上色彩技術研究所製 GLOSS METER MODEL GM−26Dを用い、60°視野の光沢を測定し、非暴露自材片との保持率を算出し、保持率が60%未満の場合には×、60%以上の場合を○とした。
【0026】
3)外観性:シリンダ設定温度220℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmのプレート片を射出成形にて作成し、目視により外観を確認し、プレート片が均一な光沢を有する場合を○、不均一な場合を×とした。
4)着色性:樹脂組成物100重量部にカーボンブラック20重量%、AS樹脂80重量%のカーボンマスターバッチ2重量部をブレンドし、設定温度260℃、金型温度60℃の条件下で長さ90mm、巾50mm、厚み2.5mmのプレート片を射出成形にて作成し、目視により発色性を観察し、プレート片が均一に発色されている場合を○、均一に発色されずカーボンの分散不良がある場合を×とした。
【0027】
表1に示すように本発明に規定する条件を満たさない場合には、耐候性、衝撃強度、外観性、着色性において悪いが、ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、および多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体と芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されたスチレン系樹脂組成物は、本発明の効果が現れていることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、耐衝撃性、耐候性を有する表面外観および着色性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供できる。
Claims (6)
- ゴム強化スチレン系樹脂(A)50〜90重量部、および多層構造アクリル系重合体(B)10〜50重量部からなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体と、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物を重合させて得られるビニル共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
- ゴム強化スチレン系樹脂(A)が、共役ジエン系重合体に芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物をグラフト重合させて得られるグラフト重合体、芳香族ビニル単量体、不飽ニトリル単量体および不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を重合させて得られるビニル系共重合体との混合物よりなり、ゴム強化スチレン系樹脂(A)および多層構造アクリル系重合体(B)の合計100重量部に対して、共役ジエン系重合体が2〜20重量%含有されること特徴とする請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。
- ゴム強化スチレン系樹脂(A)に、スチレン、アクリロニトリルおよびブチルアクリレートからなる共重合体が含有されることを特徴とする請求項1〜2記載のスチレン系樹脂組成物。
- 多層構造アクリル系重合体(B)が、少なくとも1層以上の軟質重合体層と硬質重合体層を有し、最外層が硬質重合体層であることを特徴とする請求項1〜3記載のスチレン系樹脂組成物。
- 多層構造アクリル系重合体(B)の軟質層に、少なくともアクリル酸アルキルエステル単量体、硬質層にメタクリル酸アルキルエステル単量体が含有されることを特徴とする請求項1〜4記載のスチレン系樹脂組成物。
- 多層構造アクリル系重合体(B)の軟質層に、少なくともブチルアクリレート、硬質層にメチルメタクリレートが含有されることを特徴とする請求項1〜5記載のスチレン系樹脂組成物。
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