JP2004050547A - 液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 - Google Patents
液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004050547A JP2004050547A JP2002209631A JP2002209631A JP2004050547A JP 2004050547 A JP2004050547 A JP 2004050547A JP 2002209631 A JP2002209631 A JP 2002209631A JP 2002209631 A JP2002209631 A JP 2002209631A JP 2004050547 A JP2004050547 A JP 2004050547A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- detection element
- liquid
- drive
- detection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
【課題】液体吐出用基体上の駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知する。
【解決手段】液体吐出用基体上に、駆動素子のON抵抗値を検知する検知素子36を配置するとともに、この検知素子36に対して複数の駆動素子と同一の配列方向に、検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37を配置する。これにより、検知素子36の配列が規則的に配列された実際の駆動素子と同様となるため、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【選択図】 図5
【解決手段】液体吐出用基体上に、駆動素子のON抵抗値を検知する検知素子36を配置するとともに、この検知素子36に対して複数の駆動素子と同一の配列方向に、検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37を配置する。これにより、検知素子36の配列が規則的に配列された実際の駆動素子と同様となるため、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク等の液体をオリフィス(吐出口)から噴射して液滴を形成するための液体吐出用基体、該基体を有して記録を行う記録ヘッド、記録装置、および記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録に関し、例えば特開昭54−51837号公報に記載されているような熱エネルギーを液体に作用させて、液滴吐出の原動力を得るインクジェット記録方法が知られている。
【0003】
即ち、上述の公報に開示されている記録方法は、熱エネルギーの作用を受けた液体が加熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端のオリフィスから液滴を吐出して被記録部材に記録が行われるものである。
【0004】
この記録方法に適用される記録ヘッドは、一般に液滴を吐出するために設けられたオリフィスと、液滴を吐出するための熱エネルギーを発生する手段である電気熱変換体としての発熱抵抗体と、この発熱抵抗体をインクから保護する上部保護層と、オリフィスに連通すると共に液滴を吐出するための熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部とする液流路とを有する液吐出部を具備している。
【0005】
ところで、これら電気熱変換体を駆動するための駆動素子を電気実装部の簡略化のため同一素子基体内に作り込むことが特開昭57−72867号公報に提案されている。
【0006】
このように素子基体に作り込まれている駆動素子は、バイポーラトランジスタおよびNMOSトランジスタで形成されているのが一般的である。そしてそれぞれのトランジスタには、ともにON抵抗値がある。特に、NMOSトランジスタではON抵抗値のばらつきが大きいと云われる。
【0007】
また、特開平07−076077号公報に述ベられているように、電気熱変換体を構成する発熱抵抗層のシート抵抗値のばらつきに対応して電気熱変換体に印加されるエネルギーの補正を行う場合には、電気熱変換体が形成される素子基体上にシート抵抗値のばらつきを検知する素子を設け、その情報をヘッドから取り出し、プリンター側からヘッドに入力される駆動信号の条件、具体的にはパルス幅を変えることによってその補正を行っており、このような補正によって電気熱変換信号体に印加されるエネルギーを一定にしている。
【0008】
また、近年、エコロジーの観点からヘッドとインクタンク一体型カートリッジからヘッドとインクタンク分離型に変わってきており、インクタンクだけを交換することでヘッドを長期間使用するため、ヘッドには従来よりも耐久性が要求されている。したがって、電気熱変換体に印加されるエネルギー量を精密に制御しなければならなくなっている。
【0009】
しかしながら、前述したように電気熱変換体を駆動するための駆動素子にはON抵抗が存在し、それも駆動素子作製プロセスに起因するばらつきが存在する。ヘッド印加電圧一定の場合、ON抵抗値のばらつきによって、電気熱変換体の両端に印加される電圧のばらつきが発生し、ヘッドごとに印字性能が変わってしまうことがあり、不良印字のヘッドが発生することがあった。また、ヘッドによって早期に電気熱変換体が断線することがあった。
【0010】
上記問題を解決するために、例えば特開平10−95116号公報には、素子基体上に検知素子を設け、この検知素子によって駆動素子のON抵抗値を検知する記録ヘッドが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平10−95116号公報に開示されたような検知素子を素子基体上に設けただけでは、特に、記録密度の向上に伴って、電気熱変換体や駆動素子が微細化され且つそれらが高密度に配置された場合、一般的な半導体加工技術における加工精度のパターン変換差によって、単独に形成された素子と規則的に配列された素子とではON抵抗値が異なることが考えられ、電気熱変換体を駆動する実際の駆動素子のON抵抗値を高精度に検知するには不十分である場合があった。
【0012】
加えて、特に平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合においては、検知素子の配置によってON抵抗値の検知精度が左右される場合がある。
【0013】
そこで本発明の目的は、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することができる、液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するための液体吐出用基体は、熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とを有する液体吐出用基体であって、前記検知素子に対して、該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置したことを特徴とするものである。
【0015】
この構成では、検知素子の配列が規則的に配列された実際の駆動素子と同様となるため、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【0016】
このような液体吐出用基体は、前記検知素子の両側に、前記ダミー検知素子を各々1つ以上配置するものであっても良く、前記複数の駆動素子のうち最端部の駆動素子を前記検知素子とし、前記駆動素子が配置されていない前記検知素子の片側に、前記ダミー検知素子を1つ以上配置するものであっても良い。
【0017】
また、前記電気熱変換体が配置され、該電気熱変換体によって液体に熱エネルギーを与えることにより該液体中に気泡を形成させる熱作用部と、液体吐出用の吐出口に連通した液体流路とを有するものであっても良い。
【0018】
上述のような目的を達成するための記録ヘッドは、前記液体吐出用基体を有することを特徴とするものである。
【0019】
上述のような目的を達成するための記録装置は、前記記録ヘッドによって被記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドによって記録がなされる被記録媒体を搬送するための被記録媒体搬送手段を有することを特徴とするものである。
【0020】
上述のような目的を達成するための記録方法は、熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とが設けられた液体吐出用基体を有する記録ヘッドによって、被記録媒体に対して記録を行う記録方法であって、前記検知素子に対して該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置した上で、前記検知素子によって前記駆動素子の特性を検知し、前記検知素子による検知結果により前記電気熱変換体の駆動条件を変えることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明に用いられる「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなくパターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
【0023】
また、本発明は、紙、糸、繊維、布巾、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行う、プリンター、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンター部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合せた産業用記録装置に適用可能な発明である。
【0024】
さらに、本発明に用いられる「液体吐出用基体」とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた基体を示すものである。さらに、「液体吐出用基体上」とは、単に液体吐出用基体の上を指し示すだけでなく、液体吐出用基体の表面、表面近傍の液体吐出用基体内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって液体吐出用基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。尚、本発明の液体吐出用基体はこの液体吐出用基体を用いて形成される。
【0025】
以下の説明では、電気熱変換体が発生する熱を流路中のインクに与えて膜沸騰現象に伴う圧力で吐出口からインクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドで行うが、これに限らず記録を行うための電気熱変換体とこの電気熱変換体を駆動するための駆動素子とが配された液体吐出用基体を有する記録ヘッドであれば本発明を適用することができる。
【0026】
まず、本発明の特徴要件について説明する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の駆動素子特性検知回路35の拡大平面図である。また、図4は、図3(b)をA−A’面で切断した断面図である。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施形態に係る液体吐出用基体には、インク供給口31の両側に、複数の電気熱変換体(ヒータ)がアレイ状に規則的に配置されたヒータアレイ32と、上記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子がアレイ状に規則的に配置されたドライバアレイ33とが設けられている。また、この液体吐出用基体には、複数の電気熱変換体に対応して、図示していない複数のインク流路と複数の吐出口が形成されており、インク供給口31から供給されたインクが、各電気熱変換体の熱エネルギーにより発生した気泡により各インク流路を通って各吐出口から吐出される。なお、34は液体吐出用基体上のヒータアレイ32やドライバアレイ33等の電気部品に電気を供給するための電極である。
【0029】
さらに、この液体吐出用基体には、基体上の駆動素子のON抵抗値を検知するための駆動素子特性検知回路35が設けられている。
【0030】
図3(b)および図4に示すように、駆動素子特性検知回路35は、前述のような課題を解決するために、液体吐出用基体上の駆動素子のON抵抗値を検知する検知素子36と、検知素子36の両側に検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37とを含んでいる。ダミー検知素子37は、検知素子36に対して複数の駆動素子と同一の配列方向で、検知素子36の両側に配置されている方が、駆動素子のON抵抗の差が更に小さくなり好ましい。
【0031】
具体的には、図5の等価回路に示すように、ヘッドを構成する液体吐出用基体の一つ一つに対し、液体吐出用基体上の駆動素子と同じ設計、同じ工程で作られた検知素子36を配置するとともに、この検知素子36の両側に検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37を配置する。また、検知素子36のゲートには、検知素子36をON/OFFするための内部端子38を接続し、検知素子36のソースおよびドレインには、検知素子36のON抵抗値を測定するための外部出力端子39を接続する。
【0032】
このように、検知素子36の両側にダミー検知素子37を配置することで、検知素子36の配列が規則的に配列された駆動素子と同様になる。このため、この検知素子36のON抵抗値を測定し、その測定結果により駆動素子のON抵抗値を検知することにより、実際の駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【0033】
検知素子36のON抵抗値の測定方法は、内部端子38により検知素子36をONの状態にして外部出力端子39により測定する。このようにして得られた検知素子36のON抵抗値の測定結果を外部出力端子39から電極34のいずれかを介して液体吐出用基体外部の装置に出力することによって、当該装置において、これら出力結果に基づいて駆動素子の駆動条件を変えることができる。
【0034】
このようにすれば、電気熱変換体に印加されるエネルギーのばらつきをなくし、各ヘッド間で一定にすることができる。エネルギーがヘッド間で一定になれば、ヘッド間で一定な印字性能が得られ、印字歩留まりが向上する。また、過剰な電圧が印加されることも少なくなることによって早期断線もなくなり、信頼性をさらに向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態は、検知素子36の両側に、ダミー検知素子37を各々1個づつ配置しているが、ダミー検知素子37は検知素子36の両側に各々1個以上配置すればよいもので、基体上のスペースによって個数は決めることができる。
【0036】
また、本実施形態は、様々な種類のスイッチ素子を駆動素子として用いた場合に利用できるものであるが、平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合に特に有効である。
【0037】
これは、他の一般的なトランジスタの場合、チャネル領域はあらかじめ形成されたチャネルとなるウエル領域に、ソース・ドレイン領域をポリシリコンゲートをマスクとしてイオン注入により形成するのが一般的であるが、DMOSの場合、チャネルとなるBAS領域とソース領域をポリシリコンゲートをマスクとしてイオン注入により形成するため、それぞれの工程でのイオン注入時のウエハーに対するチルト角が異なるとDMOSの特性が変化することによる。
【0038】
次に、本発明の他の実施形態による液体吐出用基体について説明する。
【0039】
図6は、本発明の他の実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の検出素子付近の等価回路図である。図6において、図3に示したものと同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
図6(a)に示すように、本実施形態に係る液体吐出用基体は、駆動素子のうち最端部の駆動素子を検知素子61として兼用し、更に、検知素子61と同一の構造を有するダミー検知素子62を有している。ダミー検知素子62は、検知素子61に対して複数の駆動素子と同一の配列方向で、駆動素子が配置されていない検知素子61の片側に配置されている。
【0041】
具体的には、図6(b)の等価回路に示すように、ヘッドを構成する液体吐出用基体に対し、液体吐出用基体上の最端部の駆動素子を検知素子61として兼用するとともに、検知素子61の片側(複数の駆動素子と同一の配列方向で駆動素子が配置されていない側)に、検知素子61と同一の構造を有するダミー検知素子62を配置する。液体吐出用基体が複数ある場合には、そのそれぞれに設ければよい。また、検知素子61のゲートには、駆動素子をON/OFFするための内部回路63を接続し、検知素子61のソースおよびドレインには、検知素子61のON抵抗値を測定するための外部出力端子64を接続する。
【0042】
このように、最端部の駆動素子を検知素子61として兼用するとともに、この検知素子61の片側にダミー検知素子62を配置することで、検知素子61の両側には同様の構造を有する素子が配置されることになるため、検知素子61の配列が規則的に配列された駆動素子と同様となる。そのため、この検知素子61のON抵抗値を測定し、その測定結果により駆動素子のON抵抗値を検知することにより、実際の駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。なお、最端部の駆動素子に対応して形成された吐出口は、一般に、記録動作時には使用されないことが多い。そのため、最端部の駆動素子を検知素子61として兼用したとしても、ヘッドの吐出性能に影響を与えることは少ない。
【0043】
検知素子61のON抵抗値の測定方法は、内部回路63により検知素子61をONの状態にして外部出力端子64により測定する。このようにして得られたON抵抗値の測定結果を、図3〜図5に示した実施形態と同様に、外部出力端子64から電極34のいずれかを介して液体吐出用基体外部の装置に出力することによって、当該装置において、これら出力結果に基づいて駆動素子の駆動条件を変えることができる。
【0044】
なお、本実施形態は、検知素子61の片側にダミー検知素子62を1個配置しているが、ダミー検知素子62は検知素子61の片側に1個以上配置すればよいもので、基体上のスペースによって個数は決めることができる。
【0045】
また、本実施形態は、様々なスイッチ素子を駆動素子として用いた場合に利用できるものであるが、平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合に特に有効である。
【0046】
次に、上記液体吐出用気体を有する記録ヘッドについて説明する。
【0047】
図1は、本発明の記録ヘッドの模式的斜視図、図2は、本発明の記録ヘッドの分解斜視図である。
【0048】
図1の斜視図でわかるように、本例でのインクジェットカートリッジJICは、インクジェットヘッドユニットとインクタンクとが一体化されたものであり、インクの収納割合が大きくなっているものである。このインクジェットカートリッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA(図7参照)に載置されているキャリッジの位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、このキャリッジに対して着脱可能なディスポーザブルタイプである。インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット方式のユニットである。
【0049】
図2において、100は、上記で説明した液体吐出用基体であり、Si基板上に複数の列状に配された電気熱変換体(ヒータ)と、これに電力を供給するAI等の電気配線と、電気熱変換体を選択的に駆動するための駆動素子と、後述する検知素子等が成膜技術により作り込まれている。200は液体吐出用基体100に対する配線基板である。
【0050】
1300は、前述の電気熱変換体に対応して設けられた複数のインク流路をそれぞれ区分するための隔壁(溝)や各インク流路(液流路)へインクを与えるためにインクを収納するための供給液室等を設けた溝付天板で、各インク流路に対応した吐出口を複数有するオリフィスプレート400を一体成型したものである。これらの一体成型材料としてはポリサルフォン樹脂が望ましいが、他の成型樹脂材料でも良い。
【0051】
300は配線基板200の裏面を平面で支持する、例えば金属性の支持体で、インクジェットユニットIJUの底板となる。500は押圧部材である押さえばねであり、M字形状でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧するとともに前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の領域を線圧で集中付勢力によって液体吐出用基体100と天板1300とを圧着固定している。
【0052】
インクタンクは、カートリッジ本体1000と、インク吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体1000の上記インクジェットユニットIJU取付面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構成されている。1200はインクジェットユニットIJUに対してインクを供給するための供給口である。1401はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部材に設けられた大気連通口である。なお、本実施形態においては、天板1300は耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなどの樹脂を用い、オリフィスプレート部400とともに金型内で一体に同時成型してある。
【0053】
上述のように一体成型部品は、インク供給部材600、天板・オリフィスプレート一体、カートリッジ本体1000としたので組立て精度が高水準になるばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効である。また、部品点数の個数は従来に比較して減少できているので、所望特性を確実に発揮できる。
【0054】
次に、更に上述の記録ヘッドを適用したインクジェット記録装置を説明する。
【0055】
図7は、本発明が適用されるインクジェット記録装置IJRAの模式的斜視図(外観図)である。駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印1、2方向に往復移動される。5002は紙押さえ板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッド前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードはこの形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。また、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モニタからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0056】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域に来たときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0057】
なお、本装置はインク吐出圧発生素子を駆動するための駆動信号供給手段を有している。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、検知素子に対して、該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を複数の駆動素子と同一の配列方向に配置することで、検知素子の配列を規則的に配列された実際の駆動素子と同様としている。
【0059】
そのため、この検知素子により駆動素子のON抵抗値を検知すれば、実際の駆動素子と検知素子とのパターン変換差による加工精度のばらつきやずれ量を補正することができ、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドの模式的斜視図である。
【図2】本発明の記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の駆動素子特性検知回路の拡大平面図である。
【図4】図3(b)をA−A’面で切断した断面図である。
【図5】図3および図4に示した駆動素子特性検知回路の等価回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の検出素子付近の等価回路図である。
【図7】本発明の記録装置の概要を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
31 インク供給口
32 ヒータアレイ
33 ドライバアレイ
34 電極
35 駆動素子特性検知回路
36 検知素子
37 ダミー検知素子
38 内部端子
39 外部出力端子
61 検知素子
62 ダミー検知素子
63 内部回路
64 外部出力端子
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク等の液体をオリフィス(吐出口)から噴射して液滴を形成するための液体吐出用基体、該基体を有して記録を行う記録ヘッド、記録装置、および記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録に関し、例えば特開昭54−51837号公報に記載されているような熱エネルギーを液体に作用させて、液滴吐出の原動力を得るインクジェット記録方法が知られている。
【0003】
即ち、上述の公報に開示されている記録方法は、熱エネルギーの作用を受けた液体が加熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端のオリフィスから液滴を吐出して被記録部材に記録が行われるものである。
【0004】
この記録方法に適用される記録ヘッドは、一般に液滴を吐出するために設けられたオリフィスと、液滴を吐出するための熱エネルギーを発生する手段である電気熱変換体としての発熱抵抗体と、この発熱抵抗体をインクから保護する上部保護層と、オリフィスに連通すると共に液滴を吐出するための熱エネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部とする液流路とを有する液吐出部を具備している。
【0005】
ところで、これら電気熱変換体を駆動するための駆動素子を電気実装部の簡略化のため同一素子基体内に作り込むことが特開昭57−72867号公報に提案されている。
【0006】
このように素子基体に作り込まれている駆動素子は、バイポーラトランジスタおよびNMOSトランジスタで形成されているのが一般的である。そしてそれぞれのトランジスタには、ともにON抵抗値がある。特に、NMOSトランジスタではON抵抗値のばらつきが大きいと云われる。
【0007】
また、特開平07−076077号公報に述ベられているように、電気熱変換体を構成する発熱抵抗層のシート抵抗値のばらつきに対応して電気熱変換体に印加されるエネルギーの補正を行う場合には、電気熱変換体が形成される素子基体上にシート抵抗値のばらつきを検知する素子を設け、その情報をヘッドから取り出し、プリンター側からヘッドに入力される駆動信号の条件、具体的にはパルス幅を変えることによってその補正を行っており、このような補正によって電気熱変換信号体に印加されるエネルギーを一定にしている。
【0008】
また、近年、エコロジーの観点からヘッドとインクタンク一体型カートリッジからヘッドとインクタンク分離型に変わってきており、インクタンクだけを交換することでヘッドを長期間使用するため、ヘッドには従来よりも耐久性が要求されている。したがって、電気熱変換体に印加されるエネルギー量を精密に制御しなければならなくなっている。
【0009】
しかしながら、前述したように電気熱変換体を駆動するための駆動素子にはON抵抗が存在し、それも駆動素子作製プロセスに起因するばらつきが存在する。ヘッド印加電圧一定の場合、ON抵抗値のばらつきによって、電気熱変換体の両端に印加される電圧のばらつきが発生し、ヘッドごとに印字性能が変わってしまうことがあり、不良印字のヘッドが発生することがあった。また、ヘッドによって早期に電気熱変換体が断線することがあった。
【0010】
上記問題を解決するために、例えば特開平10−95116号公報には、素子基体上に検知素子を設け、この検知素子によって駆動素子のON抵抗値を検知する記録ヘッドが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開平10−95116号公報に開示されたような検知素子を素子基体上に設けただけでは、特に、記録密度の向上に伴って、電気熱変換体や駆動素子が微細化され且つそれらが高密度に配置された場合、一般的な半導体加工技術における加工精度のパターン変換差によって、単独に形成された素子と規則的に配列された素子とではON抵抗値が異なることが考えられ、電気熱変換体を駆動する実際の駆動素子のON抵抗値を高精度に検知するには不十分である場合があった。
【0012】
加えて、特に平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合においては、検知素子の配置によってON抵抗値の検知精度が左右される場合がある。
【0013】
そこで本発明の目的は、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することができる、液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述のような目的を達成するための液体吐出用基体は、熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とを有する液体吐出用基体であって、前記検知素子に対して、該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置したことを特徴とするものである。
【0015】
この構成では、検知素子の配列が規則的に配列された実際の駆動素子と同様となるため、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【0016】
このような液体吐出用基体は、前記検知素子の両側に、前記ダミー検知素子を各々1つ以上配置するものであっても良く、前記複数の駆動素子のうち最端部の駆動素子を前記検知素子とし、前記駆動素子が配置されていない前記検知素子の片側に、前記ダミー検知素子を1つ以上配置するものであっても良い。
【0017】
また、前記電気熱変換体が配置され、該電気熱変換体によって液体に熱エネルギーを与えることにより該液体中に気泡を形成させる熱作用部と、液体吐出用の吐出口に連通した液体流路とを有するものであっても良い。
【0018】
上述のような目的を達成するための記録ヘッドは、前記液体吐出用基体を有することを特徴とするものである。
【0019】
上述のような目的を達成するための記録装置は、前記記録ヘッドによって被記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドによって記録がなされる被記録媒体を搬送するための被記録媒体搬送手段を有することを特徴とするものである。
【0020】
上述のような目的を達成するための記録方法は、熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とが設けられた液体吐出用基体を有する記録ヘッドによって、被記録媒体に対して記録を行う記録方法であって、前記検知素子に対して該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置した上で、前記検知素子によって前記駆動素子の特性を検知し、前記検知素子による検知結果により前記電気熱変換体の駆動条件を変えることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明に用いられる「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなくパターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
【0023】
また、本発明は、紙、糸、繊維、布巾、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行う、プリンター、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンター部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合せた産業用記録装置に適用可能な発明である。
【0024】
さらに、本発明に用いられる「液体吐出用基体」とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた基体を示すものである。さらに、「液体吐出用基体上」とは、単に液体吐出用基体の上を指し示すだけでなく、液体吐出用基体の表面、表面近傍の液体吐出用基体内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって液体吐出用基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。尚、本発明の液体吐出用基体はこの液体吐出用基体を用いて形成される。
【0025】
以下の説明では、電気熱変換体が発生する熱を流路中のインクに与えて膜沸騰現象に伴う圧力で吐出口からインクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドで行うが、これに限らず記録を行うための電気熱変換体とこの電気熱変換体を駆動するための駆動素子とが配された液体吐出用基体を有する記録ヘッドであれば本発明を適用することができる。
【0026】
まず、本発明の特徴要件について説明する。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の駆動素子特性検知回路35の拡大平面図である。また、図4は、図3(b)をA−A’面で切断した断面図である。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施形態に係る液体吐出用基体には、インク供給口31の両側に、複数の電気熱変換体(ヒータ)がアレイ状に規則的に配置されたヒータアレイ32と、上記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子がアレイ状に規則的に配置されたドライバアレイ33とが設けられている。また、この液体吐出用基体には、複数の電気熱変換体に対応して、図示していない複数のインク流路と複数の吐出口が形成されており、インク供給口31から供給されたインクが、各電気熱変換体の熱エネルギーにより発生した気泡により各インク流路を通って各吐出口から吐出される。なお、34は液体吐出用基体上のヒータアレイ32やドライバアレイ33等の電気部品に電気を供給するための電極である。
【0029】
さらに、この液体吐出用基体には、基体上の駆動素子のON抵抗値を検知するための駆動素子特性検知回路35が設けられている。
【0030】
図3(b)および図4に示すように、駆動素子特性検知回路35は、前述のような課題を解決するために、液体吐出用基体上の駆動素子のON抵抗値を検知する検知素子36と、検知素子36の両側に検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37とを含んでいる。ダミー検知素子37は、検知素子36に対して複数の駆動素子と同一の配列方向で、検知素子36の両側に配置されている方が、駆動素子のON抵抗の差が更に小さくなり好ましい。
【0031】
具体的には、図5の等価回路に示すように、ヘッドを構成する液体吐出用基体の一つ一つに対し、液体吐出用基体上の駆動素子と同じ設計、同じ工程で作られた検知素子36を配置するとともに、この検知素子36の両側に検知素子36と同一の構造を有するダミー検知素子37を配置する。また、検知素子36のゲートには、検知素子36をON/OFFするための内部端子38を接続し、検知素子36のソースおよびドレインには、検知素子36のON抵抗値を測定するための外部出力端子39を接続する。
【0032】
このように、検知素子36の両側にダミー検知素子37を配置することで、検知素子36の配列が規則的に配列された駆動素子と同様になる。このため、この検知素子36のON抵抗値を測定し、その測定結果により駆動素子のON抵抗値を検知することにより、実際の駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【0033】
検知素子36のON抵抗値の測定方法は、内部端子38により検知素子36をONの状態にして外部出力端子39により測定する。このようにして得られた検知素子36のON抵抗値の測定結果を外部出力端子39から電極34のいずれかを介して液体吐出用基体外部の装置に出力することによって、当該装置において、これら出力結果に基づいて駆動素子の駆動条件を変えることができる。
【0034】
このようにすれば、電気熱変換体に印加されるエネルギーのばらつきをなくし、各ヘッド間で一定にすることができる。エネルギーがヘッド間で一定になれば、ヘッド間で一定な印字性能が得られ、印字歩留まりが向上する。また、過剰な電圧が印加されることも少なくなることによって早期断線もなくなり、信頼性をさらに向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態は、検知素子36の両側に、ダミー検知素子37を各々1個づつ配置しているが、ダミー検知素子37は検知素子36の両側に各々1個以上配置すればよいもので、基体上のスペースによって個数は決めることができる。
【0036】
また、本実施形態は、様々な種類のスイッチ素子を駆動素子として用いた場合に利用できるものであるが、平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合に特に有効である。
【0037】
これは、他の一般的なトランジスタの場合、チャネル領域はあらかじめ形成されたチャネルとなるウエル領域に、ソース・ドレイン領域をポリシリコンゲートをマスクとしてイオン注入により形成するのが一般的であるが、DMOSの場合、チャネルとなるBAS領域とソース領域をポリシリコンゲートをマスクとしてイオン注入により形成するため、それぞれの工程でのイオン注入時のウエハーに対するチルト角が異なるとDMOSの特性が変化することによる。
【0038】
次に、本発明の他の実施形態による液体吐出用基体について説明する。
【0039】
図6は、本発明の他の実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の検出素子付近の等価回路図である。図6において、図3に示したものと同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
図6(a)に示すように、本実施形態に係る液体吐出用基体は、駆動素子のうち最端部の駆動素子を検知素子61として兼用し、更に、検知素子61と同一の構造を有するダミー検知素子62を有している。ダミー検知素子62は、検知素子61に対して複数の駆動素子と同一の配列方向で、駆動素子が配置されていない検知素子61の片側に配置されている。
【0041】
具体的には、図6(b)の等価回路に示すように、ヘッドを構成する液体吐出用基体に対し、液体吐出用基体上の最端部の駆動素子を検知素子61として兼用するとともに、検知素子61の片側(複数の駆動素子と同一の配列方向で駆動素子が配置されていない側)に、検知素子61と同一の構造を有するダミー検知素子62を配置する。液体吐出用基体が複数ある場合には、そのそれぞれに設ければよい。また、検知素子61のゲートには、駆動素子をON/OFFするための内部回路63を接続し、検知素子61のソースおよびドレインには、検知素子61のON抵抗値を測定するための外部出力端子64を接続する。
【0042】
このように、最端部の駆動素子を検知素子61として兼用するとともに、この検知素子61の片側にダミー検知素子62を配置することで、検知素子61の両側には同様の構造を有する素子が配置されることになるため、検知素子61の配列が規則的に配列された駆動素子と同様となる。そのため、この検知素子61のON抵抗値を測定し、その測定結果により駆動素子のON抵抗値を検知することにより、実際の駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。なお、最端部の駆動素子に対応して形成された吐出口は、一般に、記録動作時には使用されないことが多い。そのため、最端部の駆動素子を検知素子61として兼用したとしても、ヘッドの吐出性能に影響を与えることは少ない。
【0043】
検知素子61のON抵抗値の測定方法は、内部回路63により検知素子61をONの状態にして外部出力端子64により測定する。このようにして得られたON抵抗値の測定結果を、図3〜図5に示した実施形態と同様に、外部出力端子64から電極34のいずれかを介して液体吐出用基体外部の装置に出力することによって、当該装置において、これら出力結果に基づいて駆動素子の駆動条件を変えることができる。
【0044】
なお、本実施形態は、検知素子61の片側にダミー検知素子62を1個配置しているが、ダミー検知素子62は検知素子61の片側に1個以上配置すればよいもので、基体上のスペースによって個数は決めることができる。
【0045】
また、本実施形態は、様々なスイッチ素子を駆動素子として用いた場合に利用できるものであるが、平面的な配置の相違によって特性が異なるような高耐圧DMOSを駆動素子として用いた場合に特に有効である。
【0046】
次に、上記液体吐出用気体を有する記録ヘッドについて説明する。
【0047】
図1は、本発明の記録ヘッドの模式的斜視図、図2は、本発明の記録ヘッドの分解斜視図である。
【0048】
図1の斜視図でわかるように、本例でのインクジェットカートリッジJICは、インクジェットヘッドユニットとインクタンクとが一体化されたものであり、インクの収納割合が大きくなっているものである。このインクジェットカートリッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA(図7参照)に載置されているキャリッジの位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるとともに、このキャリッジに対して着脱可能なディスポーザブルタイプである。インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット方式のユニットである。
【0049】
図2において、100は、上記で説明した液体吐出用基体であり、Si基板上に複数の列状に配された電気熱変換体(ヒータ)と、これに電力を供給するAI等の電気配線と、電気熱変換体を選択的に駆動するための駆動素子と、後述する検知素子等が成膜技術により作り込まれている。200は液体吐出用基体100に対する配線基板である。
【0050】
1300は、前述の電気熱変換体に対応して設けられた複数のインク流路をそれぞれ区分するための隔壁(溝)や各インク流路(液流路)へインクを与えるためにインクを収納するための供給液室等を設けた溝付天板で、各インク流路に対応した吐出口を複数有するオリフィスプレート400を一体成型したものである。これらの一体成型材料としてはポリサルフォン樹脂が望ましいが、他の成型樹脂材料でも良い。
【0051】
300は配線基板200の裏面を平面で支持する、例えば金属性の支持体で、インクジェットユニットIJUの底板となる。500は押圧部材である押さえばねであり、M字形状でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧するとともに前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の領域を線圧で集中付勢力によって液体吐出用基体100と天板1300とを圧着固定している。
【0052】
インクタンクは、カートリッジ本体1000と、インク吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体1000の上記インクジェットユニットIJU取付面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構成されている。1200はインクジェットユニットIJUに対してインクを供給するための供給口である。1401はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部材に設けられた大気連通口である。なお、本実施形態においては、天板1300は耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなどの樹脂を用い、オリフィスプレート部400とともに金型内で一体に同時成型してある。
【0053】
上述のように一体成型部品は、インク供給部材600、天板・オリフィスプレート一体、カートリッジ本体1000としたので組立て精度が高水準になるばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効である。また、部品点数の個数は従来に比較して減少できているので、所望特性を確実に発揮できる。
【0054】
次に、更に上述の記録ヘッドを適用したインクジェット記録装置を説明する。
【0055】
図7は、本発明が適用されるインクジェット記録装置IJRAの模式的斜視図(外観図)である。駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印1、2方向に往復移動される。5002は紙押さえ板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッド前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードはこの形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。また、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モニタからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0056】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域に来たときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0057】
なお、本装置はインク吐出圧発生素子を駆動するための駆動信号供給手段を有している。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、検知素子に対して、該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を複数の駆動素子と同一の配列方向に配置することで、検知素子の配列を規則的に配列された実際の駆動素子と同様としている。
【0059】
そのため、この検知素子により駆動素子のON抵抗値を検知すれば、実際の駆動素子と検知素子とのパターン変換差による加工精度のばらつきやずれ量を補正することができ、駆動素子のON抵抗値をさらに高精度に検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドの模式的斜視図である。
【図2】本発明の記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の駆動素子特性検知回路の拡大平面図である。
【図4】図3(b)をA−A’面で切断した断面図である。
【図5】図3および図4に示した駆動素子特性検知回路の等価回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態による記録ヘッドに用いられる液体吐出用基体を示す図であり、(a)は模式的平面図、(b)は(a)の検出素子付近の等価回路図である。
【図7】本発明の記録装置の概要を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
31 インク供給口
32 ヒータアレイ
33 ドライバアレイ
34 電極
35 駆動素子特性検知回路
36 検知素子
37 ダミー検知素子
38 内部端子
39 外部出力端子
61 検知素子
62 ダミー検知素子
63 内部回路
64 外部出力端子
Claims (11)
- 熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とを有する液体吐出用基体であって、
前記検知素子に対して、該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置したことを特徴とする液体吐出用基体。 - 前記検知素子の両側に、前記ダミー検知素子を各々1つ以上配置する、請求項1に記載の液体吐出用基体。
- 前記複数の駆動素子のうち最端部の駆動素子を前記検知素子とし、前記駆動素子が配置されていない前記検知素子の片側に、前記ダミー検知素子を1つ以上配置する、請求項1に記載の液体吐出用基体。
- 前記電気熱変換体が配置され、該電気熱変換体によって液体に熱エネルギーを与えることにより該液体中に気泡を形成させる熱作用部と、
液体吐出用の吐出口に連通した液体流路とを有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出用基体。 - 前記駆動素子はDMOSトランジスタである、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出用基体。
- 前記検知素子は、前記駆動素子のON抵抗値を測定するための素子である、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出用基体。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出用基体を有することを特徴とする記録ヘッド。
- 請求項7に記載の記録ヘッドによって被記録媒体に対して記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドによって記録がなされる被記録媒体を搬送するための被記録媒体搬送手段を有する、記録装置。 - 熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体からなる発熱抵抗層と、前記複数の電気熱変換体を各々駆動する複数の駆動素子と、前記駆動素子の特性を検知する検知素子とが設けられた液体吐出用基体を有する記録ヘッドによって、被記録媒体に対して記録を行う記録方法であって、
前記検知素子に対して該検知素子と同一の構造を有するダミー検知素子を前記複数の駆動素子と同一の配列方向に配置した上で、前記検知素子によって前記駆動素子の特性を検知し、
前記検知素子による検知結果により前記電気熱変換体の駆動条件を変える、記録方法。 - 前記検知素子により前記駆動素子のON抵抗値を検知する、請求項9に記載の記録方法。
- 前記電気熱変換体の駆動によって、吐出口から液体を吐出する、請求項10に記載の記録方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002209631A JP2004050547A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002209631A JP2004050547A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004050547A true JP2004050547A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31933429
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002209631A Pending JP2004050547A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004050547A (ja) |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002209631A patent/JP2004050547A/ja active Pending
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3143549B2 (ja) | 熱記録ヘッド用基体、該基体を用いたインクジェット記録ヘッド、インクジェットカートリッジ、インクジェット記録装置、及び記録ヘッドの駆動方法 | |
| JP5202126B2 (ja) | 記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 | |
| US8197021B2 (en) | Recording head driving method and recording apparatus | |
| JPH11227209A (ja) | 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置 | |
| TW200528281A (en) | Printhead substrate, printhead using the substrate, head cartridge including the printhead, method of driving the printhead, and printing apparatus using the printhead | |
| KR20090020728A (ko) | 잉크젯 프린트 헤드 및 이를 구비한 잉크 카트리지 | |
| JP6691678B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置 | |
| JP2009012223A (ja) | インクジェット記録ヘッド | |
| JP2019155839A (ja) | 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 | |
| US6382756B1 (en) | Recording head and recording method | |
| JP6610133B2 (ja) | プリンタ、及び、プリンタの製造方法 | |
| JP2675163B2 (ja) | インク残量検知装置、該インク残量検知装置を有するインクジェットヘッドカートリッジおよび該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置 | |
| US7434917B2 (en) | Ink jet recording head having temperature control heaters and nozzle arrays of differing discharge amounts | |
| KR100435011B1 (ko) | 프린트 장치 및 프린트 제어 방법 | |
| JPH02165954A (ja) | インクジェット記録装置および該装置に装着される記録ヘッド | |
| KR20060049459A (ko) | 기록헤드용 기판, 기록헤드, 헤드 카트리지 및 기록 장치 | |
| JP2009262510A (ja) | インクジェットヘッド用基板、インクジェットヘッドおよび該インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置 | |
| JP2004050547A (ja) | 液体吐出用基体、記録ヘッド、記録装置、および記録方法 | |
| JP3372834B2 (ja) | インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェット記録ヘッド用基体 | |
| JP5328490B2 (ja) | インクジェットヘッド用基板および該基板を用いるインクジェットヘッド | |
| JP4266569B2 (ja) | 記録装置及び記録装置の記録制御方法 | |
| JP2010208068A (ja) | 液体噴射装置および液体噴射方法 | |
| JP4814385B2 (ja) | インクジェットヘッド | |
| JP3998239B2 (ja) | インクジェットヘッド用基板、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置 | |
| JP4471357B2 (ja) | 液体吐出用ヘッドおよび液体吐出装置 |