JP2004050364A - 導電性砥石、並びに、その製造方法およびドレッシング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削砥石の電解ドレッシングや放電ドレッシングを可能ならしめるために、該研削砥石の砥粒層に導電性を与える。
【解決手段】砥粒層は従来一般に、砥粒を結合剤(バインダー)で固めたものであるが、本発明においては、これにカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの1〜15%(重量比)を添加する。これらの添加剤は極微細な繊維状を為しているので、相互に絡み合いながら微視的に分散して導電性を発揮する。
【選択図】 図1
【解決手段】砥粒層は従来一般に、砥粒を結合剤(バインダー)で固めたものであるが、本発明においては、これにカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの1〜15%(重量比)を添加する。これらの添加剤は極微細な繊維状を為しているので、相互に絡み合いながら微視的に分散して導電性を発揮する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削砥石をドレッシングしたりツルーイングしたりするため、上記研削砥石に導電性を与える技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
研削砥石に所望の機能を発揮させるためにツルーイングとドレッシングとを施さなければならない。
ツルーイングとは、巨視的に所望の形状を整えることを言い、
ドレッシングとは、微視的に所望の表面状態を整えることを言う。
ところが、研削砥石を使用する研削機の業界において、ツルーイングとドレッシングとの境界が明確に意識されていない。その主たる理由は、ツルーイングを施したとき、結果としてドレッシング(表面状態の整備)が併せて完了してしまう場合が少なくないこと、および、ツルーイング装置とドレッシング装置とを区別せず、ツルーイング兼ドレッシング装置を構成してドレッサと通称していることによる。
本発明においても、ツルーイングとドレッシングとを厳密に区分する必要が無いので、紛らわしくない場合には両者を併せてドレッシングと呼ぶことにする。
【0003】
ドレッシングは従来一般に、単石ダイヤモンドやロータリーダイヤモンドホイールを使用して、回転中の研削砥石車の表面を機械的に掻き落として行なわれてきたが、最近、電気的ドレッシングが研究、開発されつつある。
電気的ドレッシングを大別すると、放電加工方式と電解加工方式が有る。
電解加工方式は、導電性液体を介在せしめて、研削砥石に対して電極を対向離間させて通電し、いわゆる陽極酸化現象によって電気化学的に研削砥石の組成の一部を溶解させて除去する。
放電加工方式は、研削砥石に対して電極をほぼ溶触させ、または微小間隙を介し通電する。しかし、電解加工と放電加工との境界も明確ではない。
いずれの加工方式を用いる場合も、研削砥石に導電性を与えなければならない。
従前の砥石は、砥粒を結合剤で固めたものであって、無機質結合剤、有機質結合剤、またはこれらの混合物が用いられていた。
これに導電性を与えるため、金属性結合剤(メタルボンド)の使用が研究されたり、
電気絶縁性結合剤(絶縁ボンド)の中に金属質の充填剤を添加することが研究されたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電解ドレッシングや放電ドレッシングは比較的最近開発され、目下、改良研究に鎬を削っている段階である。
従って、電解ドレッシングや放電ドレッシングに好適な研削砥石の開発は、未だ発足早々であって試行錯誤に近い実情にある。
電解,放電ドレッシング用研削砥石は、これに関連する事項が多いため、問題が複雑となり、解決を難しくしている。次に、その複雑さの一端を考察する。
a.電解ドレッシングを行なうためには、結合剤の中に金属質(電気化学的に溶解除去可能な成分)が含まれていなければならない(この金属質は、後に述べる導電性に関係する)。放電ドレッシングは必ずしも電気化学的性能を限定されない。
b.上記の金属質が、被加工物に溶着したり、研削抵抗を増したりしては困る。例えばセンターレス研削などのように、摩擦抵抗と研削抵抗との微妙なバランスの上に成り立っている研削機においては、研削抵抗の安定性が厳しく要求される。
【0005】
c.研削砥石は、砥粒と、結合剤と、添加物とが相互に結合した微視的構造を有しているが、空隙の存在も必要である。この空隙は研削粉の逃げ場ともなり、また、この空隙の内面に研削液(クーラント)が接触流動して冷却を助長する。
ところが、金属質成分の溶解除去によって、その他の成分がバラバラに崩壊しては困る。このため、純粋なメタルボンドの使用は困難である。
d.例えば金属微粉末を混合して導電性を得た場合、この金属粉は「導電」と「電解除去」との両方の役目を受け持つ。
ところが、導電性を保持するためには、該金属粉末が相互に結合して、立体的な網目状の組織を形成しなければならない。
しかし、この網目状組織が電解除去されると、砥粒がバラバラに崩れてしまうので、「ボンド剤の結合組織」を妨げないような「導電性網目状組織」であることが望まれる。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
a.比較的少量の添加物によって所要の導電性が得られ、
b.研削砥石の組成の一部が被加工物に溶着する虞れが無く、
c.研削抵抗を増加させたり不安定にしたりする虞れも無く、
d.電解,放電ドレッシングによって砥粒の崩落を生じることが無く、
e.しかも、電解,放電ドレッシングされた面の粗度の制御が可能であるような導電性研削砥石に関する技術を提供しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理を略述すると、
公知の各種の砥粒層の中へ、比較的小量(1〜15%・重量比)のカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加する。
本発明者が多年の経験知識の蓄積に基づいて、多種多様の添加物について実験研究を繰り返した結果、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが「研削砥石に導電性を与える添加物」として最適であることを発見し、実験的にこれを確認した。
この材料については多数の研究論文が発表されているので、その詳細は省略するが、研削砥石の添加物としての視点から考察した場合の重要な点は次のとおりである。
A.微小で細長い導電性の物質で、電気化学的に安定であり、繊維状をなして相互に絡み合うので優れた導電性を発揮するとともに、
骨格組織として作用して補強効果を奏し、電解ドレッシングに際して砥粒の結合が崩壊することを防止し得る。
B.単体の炭素であるから、被加工物に溶着する虞れが無い。
C.熱伝導率が大きい(1200w/mk)ので、研削熱を逃がすのにも好都合である。
D.高温(2,000℃)で安定であるから、各種の結合剤と混練して焼き固めても変質しない。
【0008】
上述の原理に基づいて創作した請求項1に係る導電性砥石の構成は、
円盤状台板の周囲に砥粒層を設けた研削砥石、または、大部分ないし全部を砥粒層で構成した研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノファイバーが1〜15%(重量比)含有されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明に係る導電性砥石は、カーボンナノファイバーの添加量が比較的小量であっても実用上充分な導電性を有し、
添加剤であるカーボンナノファイバーが被加工物に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を発生する虞れが無く、
電解,放電ドレッシングした際の表面あらさが微細であり、
電解,放電ドレッシングに伴って砥粒が脱落する虞れが無い。
【0009】
請求項2に係る導電性砥石の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で耕成された研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブが1〜15%(重量比)含まれていることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明に係る導電性砥石も、比較的小量のカーボンナノチューブの添加によって、実用上充分な導電性が得られ、
添加剤であるカーボンナノチューブが被加工物の研削面に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を招く虞れが無い。
【0010】
請求項3の発明に係る導電性砥石の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、全部ないし大部分が砥粒層で形成されている研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーが均一に分散して含有されており、上記カーボンナノチューブの含有率とカーボンナノファイバーの含有率との合計が1〜15%(重量比)であることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明に係る導電性砥石を適用すると、添加物であるカーボンナノファイバーもカーボンナノチューブも導電性を有しているので、これらを混合された砥石層は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性を有しており、
その上、これらの添加物が被加工物に溶着したり研削抵抗を増加させたりする虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
しかも、本請求項に係る導電性砥石は、電解,放電ドレッシングを施したとき砥粒の崩落を生じる虞れが無い。
【0011】
請求項4の発明に係る導電性砥石の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明の構成要件に加えて、前記の結合剤が、(イ)無機質結合剤、(ロ)有機質結合剤、(ハ)金属質結合剤、または(ニ)上記3種類の内の少なくとも2種類を混合した結合剤であることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明に係る導電性砥石においては、添加剤であるカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが、結合剤の中に良く分散,混合して所期の導電性が得られ、電解ドレッシングまたは放電ドレッシングによって良好な研削性能を生じる。
【0012】
請求項5の発明に係る導電性砥石の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明の構成要件に加えて、前記の砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、または、これらの混合物であることを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明によると、請求項1ないし請求項3の発明によって得られた導電性を利用して電解ドレッシングまたは放電ドレッシングを施した際、前記の砥粒が損傷を受けることなく研削砥石の作用面(研削面)に微視的に突出して良好な研削性能を発揮し、しかも、電解,放電ドレッシングによって砥粒が崩落する虞れが無い。
【0013】
請求項6の発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で形成されている研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために、砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノファイバーを加えて混練することを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、研削砥石の砥粒層が導電性を有していて、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象とするに好適な導電性砥石が構成される。
カーボンナノファイバーは微細(直径15〜100nm)であって、結合剤と良く混合する。このため、電解ドレッシングや放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
砥粒が凸部を形成し、電解除去された部分が油だまり(オイルポケット)を形成して、切れ味が良く、しかも被研削面が高精度の鏡状光沢面となる。
【0014】
請求項7に係る発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で形成された研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノチューブを加えて混練することを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明方法によると、前記請求項6におけると同様に導電性を有する砥粒層が構成されるので、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象として好適な導電性砥石を製造することができる。
カーボンナノチューブはきわめて微細(直径15nm以下)であり、結合剤と良く混じり合う。
このため、電解,放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
【0015】
請求項8に係る発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または大部分ないし全部が砥粒層で形成されている研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブを加えて混練し、
上記カーボンナノファイバーの混合率と、カーボンナノチューブの混合率との合計を1〜15%(重量比)とすることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明方法によっても、請求項6や請求項7におけると同様に、電解,放電ドレッシングに好適な導電性砥石が得られる。
本発明を実施する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブのそれぞれを秤量して加えても良い。また、カーボンナノチューブとカーボンナノファイバーの境界物質(直径15nm以上と直径15nm以下との混合物)を用いることもできる。
なお、信州大学電気電子工学科の平成13年報告によると、直径15〜100nmがカーボンナノファイバーの範疇であり、また、直径15nmよりも太いカーボンナノファイバーも存在すると述べられている。
【0016】
請求項9に係る発明方法の構成は、前記請求項6ないし請求項8の発明方法の構成要件に加えて、前記の砥粒として、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、またはこれらの内の1種類以上を含む混合物を用いることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明方法によると、本請求項を適用して製造された導電性砥石の砥粒層を形成する砥粒それ自身は電解ドレッシングによって溶解除去されず、また放電ドレッシングによって削り取られることもないので、ドレッシングで生成された面に微視的に突出して切刃を形成し、かつ、突出部と突出部との間の凹部は油だまりとなる。
このようにして、電解,放電ドレッシングに好適な導電性の研削砥石が製造される。
【0017】
請求項10に係る発明方法の構成は、前記請求項6ないし請求項9の発明方法の構成要件に加えて、前記の砥粒層を多数のセグメントに成形し、
円盤状台板の周囲に、上記のセグメントを円周方向に並べて、
セグメントと円盤状台板とを相互に接着することを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明方法によると、本発明に係る添加剤(カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブ)を混練した「砥粒と結合剤との混合物」を加圧,加熱して固化させる際、歪みや残留応力を生じてもこれをセグメントに形成して配列・接着することによって実害を解消することができる。
【0018】
請求項11に係る発明方法の構成は、カーボンナノファイバー、および/または、カーボンナノチューブの1〜15%(重量比)を混練することによって導電性を与えた請求項1ないし請求項3の内の何れか一つの導電性砥石の表面に対して、研削液を介在せしめて電極を対向させ、
前記導電性砥石に放電加工または電解加工を施し、該導電性砥石の通電面を粗化させてドレッシングする際、
通電エネルギーの強弱を調節して前記の粗化の深さ寸法を制御するとともに、
カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加量を調節することによって粗化される部分の微視的面積割合を制御することを特徴とする。
以上に説明した本請求項11の発明方法によると、放電ドレッシングまたは電解ドレッシングを行なう際、表面粗化の深さと、表面粗化の面積割合とを、それぞれ独立に制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の1実施形態における導電性砥石を示し、(A)は部分的に切断して描いた正面図、(B)は断面側面図である。
本例は、台板の周囲に砥粒層を設けた形式の研削砥石に本発明を適用したが、研削砥石全部(又は大部分)を砥粒層で形成された研削砥石に本発明を適用することもできる。
(図1参照)符号1を付して示したのは円板状台板であって、その中心に砥石孔1aが設けられている。
上記円板状台板1の周囲に、24分割されたセグメントから成る砥粒層2が、接着層3によって接着されている。
本実施形態における寸法はそれぞれ次のとおりである(単位ミリメートル)
a=5、b=15、c=25、i=25、g=90、f=170、e=240、j=3
前記砥粒層は、概要的には砥粒と結合剤とを混合したものに、添加剤としてカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを混練し、加熱・加圧して固化せしめたものである。
添加剤の種類および添加量については、後に実施例を挙げて詳しく説明する。
【0020】
砥粒としては、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質の何れかを任意に選定することができ、または、これらの内の2種類以上を混合して用いることもできる。
これらの砥粒そのものは新規なものではなく、公知公用の材料であるが、本発明を適用してカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加した際に、物理的性状について有害な変化を生じたり、化学的に有害な反応を生じたりする虞れの無いことを確認した上で、これらの砥粒が適正であるという技術的知見を得たものである。
また、砥粒層を構成する結合材については、無機質結合剤、有機質結合剤、金属質結合剤、またはこれらの混合物を用いることができる。これらについても、物理的性状や化学的反応性について有害な問題の無いことを実験的に確認したが、この場合、重要な点は次のとおりである。
砥粒を結合剤でモールドする場合、一般に高温,高圧を加えねばならない。こうした観点において、本発明に係る添加剤であるカーボンナノチューブおよび/またはカーボンナノファイバーが優れた耐熱,耐圧性を有しているから、その適用可能範囲が非常に広いのである。
【0021】
本発明の基本に立ち返って見れば、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加は、砥粒層に導電性を与えるためのものであった。
これらの材料は導電性の材料であり、かつ、直径よりも長さが長いので互いに絡み合い、少量の添加によって良好な導電性を生じる(導電性材料であっても、球状微粉末であれば相互に孤立・分散して導電性を生じにくい)。
こうした原理に基づいて本発明者は、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加によって所期の導電性が得られることを実験的に追及して確認するとともに、この添加の副作用として何らかの不具合を生じる虞れが無いことも丹念に精査したところ、
所期の効果が得られるとともに、有害な副作用の無いことを確認し得たのみでなく、本発明の添加剤によって砥粒層の強度が増加すること、および、ドレッシング面の粗度を制御し得るという優れた効果を奏した。これらの、いわば派生的な効果については後に詳しく述べる。
【0022】
図1に示した研削砥石の砥粒層2の部分について、表1に示す組成の5種類の実施例と比較例とを構成した。
【表1】
この表の調合割合は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性が得られる範囲内で設定した。
比較例に用いた銅は、従来技術において最も普辺的に用いられている導電性添加材であって、物質としての比抵抗は非常に小さい(導電性が良い)のであるが、砥粒層のモールド組織内で微粒状に散在しており、相互に接触しにくいので、40%といった大量を添加せざるを得ない。
その分だけ結合剤の組成百分率が低くなるので砥粒層の強度は低下する。
これに比して、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブは微視的に細長い(概要的には、直径がnm単位、長さがμm単位)ので、立体的な網目状に絡み合い、比較的少量の添加によって所望の導電性が得られる。
【0023】
前掲の表1に示された5種類の実施例の組成、および比較例の組立のそれぞれ秤量し、攪拌混合し、金型に充填した後、170℃、10Mpaで20分間加熱成型して、6種類の成型体を得た。
上記6種類の成型体を、種類別に円盤状台板に接着し、所定寸法となるように機械加工して導電性砥石を構成した。
上述のようにして構成した6種類の導電性砥石を平面研削盤に装着して回転させながら、電圧1.5V、周波数1MHzの直流矩形波を、on・off比50%で、カーボン電極と砥粒層に3分間印加し、砥石作用面をドレッシングした。
上記の平面研削盤上で、ダイス鋼(SKD11)を周速50m/秒、加工物移動速度15m/分、1回初込量0.015mmでプランジカットした時の計測値を表2に示す。
【表2】
【0024】
上掲の表2から読み取れるように、比較例における導電性添加剤である銅粉の添加量よりも遥かに少量の(5〜12%)カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加することによって、ほぼ同等の導電性が得られ、研削抵抗は同等ないし半減し、面粗度も同等ないし向上している。
また、従来技術を適用して銅紛の40%を添加して、結合剤の含有率を20%まで低減させると、砥粒層が脆弱になることを避け得なかったが、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの数%を添加すると、砥粒層は却って強靭になる。
【0025】
実施例1ないし実施例5を相互に比較検討すると次の事項が明らかになる。
a.カーボンナノファイバーを混合した実施例1,2,3の順に混合率が多い。
そして、これと同じ順序で研削抵抗が減少し、面粗度が粗くなっている。
研削砥石の実用条件において、必ずしも単純に面粗度が細かいほど良いとはいえないが、少なくとも「混合率を加減して面粗度を制御できる」ということの実用的価値は多大である。
面粗度と研削抵抗とが関連して変化するので設計的な難しさは有るが、設計的自由度が大きいということは貴重な長所である。
実用上は、1〜15%(重量比)の範囲内とすることが好適である。
b.カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブが、成型体の母材である結合剤の中で、電子顕微鏡的にどのような結合組織を形成しているかは未だ解明されていないが、
少なくとも物理的性状の改善効果について見る限りでは、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとは同様な作用、効果を表している。
【0026】
例えば、実施例4および実施例5について、表1から「カーボンナノファイバー含有率とカーボンナノチューブ含有率との合計」を見ると、実施例1と実施例3との中間にあって実施例2と同じ値である。
一方、表2から研削抵抗および面粗度を見ると、実施例4と実施例5とは何れも実施例1と実施例3との中間にあって実施例2とほぼ同じ値である。
炭素原子の配列形態について見ると、カーボンナノファイバーは「炭素網面の繊維軸に対する配向」が、平行、傾斜または垂直であるのに比して、カーボンナノチューブは平行のみである。しかし、このように重複していることから類推しても、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとが類似の挙動を示したり類似の影響を及ぼしたりすることは、少なくとも決して不合理ではない。
上述のようにして電子分子論的領域に近づくまでもなく、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとが、砥粒層の成型体に対して類似の影響を及ぼすことは実験的事実である。
本発明は、以上に述べた自然法則に基づく技術的思想の創作である。
【0027】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・作用を明らかならしめたように、
請求項1の発明に係る導電性砥石は、カーボンナノファイバーの添加量が比較的小量であっても実用上充分な導電性を有し、
添加剤であるカーボンナノファイバーが被加工物に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を発生する虞れが無く、
電解,放電ドレッシングした際の表面あらさが微細であり、
電解,放電ドレッシングに伴って砥粒が脱落する虞れが無い。
請求項2の発明に係る導電性砥石も、比較的小量のカーボンナノチューブの添加によって、実用上充分な導電性が得られ、
添加剤であるカーボンナノチューブが被加工物の研削面に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を招く虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
請求項3の発明に係る導電性砥石を適用すると、添加物であるカーボンナノファイバーもカーボンナノチューブも導電性を有しているので、これらを混合された砥石層は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性を有し、
しかも、電解,放電ドレッシングを施したとき砥粒の崩落を生じる虞れが無い。
その上、これらの添加物が被加工物に溶着したり研削抵抗を増加させたりする虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
【0028】
請求項4の発明に係る導電性砥石においては、添加剤であるカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが、結合剤の中に良く分散,混合して所期の導電性が得られ、電解ドレッシングまたは放電ドレッシングによって良好な研削性能を生じる。
請求項5の発明によると、請求項1ないし請求項3の発明によって得られた導電性を利用して電解ドレッシングまたは放電ドレッシングを施した際、前記の砥粒が損傷を受けることなく研削砥石の作用面(研削面)に微視的に突出して良好な研削性能を発揮し、しかも、電解,放電ドレッシングによって砥粒が脱落する虞れが無い。
【0029】
請求項6の発明方法によると、構成された研削砥石が導電性を有していて、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象とするに好適である。
カーボンナノファイバーは微細(直径15〜100nm)であって、結合剤と良く混合する。このため、電解ドレッシングや放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
砥粒が凸部を形成し、電解除去された部分が油だまり(オイルポケット)を形成して、切れ味が良く、しかも被研削面が高精度の鏡状光沢面となる。
請求項7の発明方法によると、前記請求項6におけると同様に導電性を有する砥粒層が構成されるので、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象として好適な導電性砥石を製造することができる。
カーボンナノチューブはきわめて微細(直径15nm以下)であり、結合剤と良く混じり合う。
このため、電解,放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
請求項8の発明方法によっても、請求項6や請求項7におけると同様に、電解,放電ドレッシングに好適な導電性砥石が得られる。この請求項8に係る発明方法を実施する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブのそれぞれを秤量して加えても良い。また、カーボンナノチューブとカーボンナノファイバーの境界物質(直径15nm以上と直径15nm以下との混合物)を用いることもできる。
【0030】
請求項9の発明方法によると、本請求項を適用して製造された導電性砥石の砥粒層を形成する砥粒それ自身は電解ドレッシングによって溶解除去されず、また放電ドレッシングによって削り取られることもないので、ドレッシングで生成された面に微視的に突出して切刃を形成し、かつ、突出部と突出部との間の凹部は油だまりとなる。
請求項10の発明方法によると、本発明に係る添加剤(カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブ)を混練した「砥粒と結合剤との混合物」を加圧,加熱して固化させる際、歪みや残留応力を生じてもこれをセグメントに形成して配列・接着することによって実害を解消することができる。
本請求項11の発明方法によると、放電ドレッシングまたは電解ドレッシングを行なう際、表面粗化の深さと、表面粗化の面積割合とを、それぞれ独立に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥石車型をなす研削砥石の1例を示し、(A)は部分的に切断して描いた正面図、(B)は側面断面図である。
【符号の説明】
1・・・円盤状台板、1a・・・砥石孔、2・・・砥粒層、3・・・接着層
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削砥石をドレッシングしたりツルーイングしたりするため、上記研削砥石に導電性を与える技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
研削砥石に所望の機能を発揮させるためにツルーイングとドレッシングとを施さなければならない。
ツルーイングとは、巨視的に所望の形状を整えることを言い、
ドレッシングとは、微視的に所望の表面状態を整えることを言う。
ところが、研削砥石を使用する研削機の業界において、ツルーイングとドレッシングとの境界が明確に意識されていない。その主たる理由は、ツルーイングを施したとき、結果としてドレッシング(表面状態の整備)が併せて完了してしまう場合が少なくないこと、および、ツルーイング装置とドレッシング装置とを区別せず、ツルーイング兼ドレッシング装置を構成してドレッサと通称していることによる。
本発明においても、ツルーイングとドレッシングとを厳密に区分する必要が無いので、紛らわしくない場合には両者を併せてドレッシングと呼ぶことにする。
【0003】
ドレッシングは従来一般に、単石ダイヤモンドやロータリーダイヤモンドホイールを使用して、回転中の研削砥石車の表面を機械的に掻き落として行なわれてきたが、最近、電気的ドレッシングが研究、開発されつつある。
電気的ドレッシングを大別すると、放電加工方式と電解加工方式が有る。
電解加工方式は、導電性液体を介在せしめて、研削砥石に対して電極を対向離間させて通電し、いわゆる陽極酸化現象によって電気化学的に研削砥石の組成の一部を溶解させて除去する。
放電加工方式は、研削砥石に対して電極をほぼ溶触させ、または微小間隙を介し通電する。しかし、電解加工と放電加工との境界も明確ではない。
いずれの加工方式を用いる場合も、研削砥石に導電性を与えなければならない。
従前の砥石は、砥粒を結合剤で固めたものであって、無機質結合剤、有機質結合剤、またはこれらの混合物が用いられていた。
これに導電性を与えるため、金属性結合剤(メタルボンド)の使用が研究されたり、
電気絶縁性結合剤(絶縁ボンド)の中に金属質の充填剤を添加することが研究されたりしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電解ドレッシングや放電ドレッシングは比較的最近開発され、目下、改良研究に鎬を削っている段階である。
従って、電解ドレッシングや放電ドレッシングに好適な研削砥石の開発は、未だ発足早々であって試行錯誤に近い実情にある。
電解,放電ドレッシング用研削砥石は、これに関連する事項が多いため、問題が複雑となり、解決を難しくしている。次に、その複雑さの一端を考察する。
a.電解ドレッシングを行なうためには、結合剤の中に金属質(電気化学的に溶解除去可能な成分)が含まれていなければならない(この金属質は、後に述べる導電性に関係する)。放電ドレッシングは必ずしも電気化学的性能を限定されない。
b.上記の金属質が、被加工物に溶着したり、研削抵抗を増したりしては困る。例えばセンターレス研削などのように、摩擦抵抗と研削抵抗との微妙なバランスの上に成り立っている研削機においては、研削抵抗の安定性が厳しく要求される。
【0005】
c.研削砥石は、砥粒と、結合剤と、添加物とが相互に結合した微視的構造を有しているが、空隙の存在も必要である。この空隙は研削粉の逃げ場ともなり、また、この空隙の内面に研削液(クーラント)が接触流動して冷却を助長する。
ところが、金属質成分の溶解除去によって、その他の成分がバラバラに崩壊しては困る。このため、純粋なメタルボンドの使用は困難である。
d.例えば金属微粉末を混合して導電性を得た場合、この金属粉は「導電」と「電解除去」との両方の役目を受け持つ。
ところが、導電性を保持するためには、該金属粉末が相互に結合して、立体的な網目状の組織を形成しなければならない。
しかし、この網目状組織が電解除去されると、砥粒がバラバラに崩れてしまうので、「ボンド剤の結合組織」を妨げないような「導電性網目状組織」であることが望まれる。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、
a.比較的少量の添加物によって所要の導電性が得られ、
b.研削砥石の組成の一部が被加工物に溶着する虞れが無く、
c.研削抵抗を増加させたり不安定にしたりする虞れも無く、
d.電解,放電ドレッシングによって砥粒の崩落を生じることが無く、
e.しかも、電解,放電ドレッシングされた面の粗度の制御が可能であるような導電性研削砥石に関する技術を提供しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理を略述すると、
公知の各種の砥粒層の中へ、比較的小量(1〜15%・重量比)のカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加する。
本発明者が多年の経験知識の蓄積に基づいて、多種多様の添加物について実験研究を繰り返した結果、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが「研削砥石に導電性を与える添加物」として最適であることを発見し、実験的にこれを確認した。
この材料については多数の研究論文が発表されているので、その詳細は省略するが、研削砥石の添加物としての視点から考察した場合の重要な点は次のとおりである。
A.微小で細長い導電性の物質で、電気化学的に安定であり、繊維状をなして相互に絡み合うので優れた導電性を発揮するとともに、
骨格組織として作用して補強効果を奏し、電解ドレッシングに際して砥粒の結合が崩壊することを防止し得る。
B.単体の炭素であるから、被加工物に溶着する虞れが無い。
C.熱伝導率が大きい(1200w/mk)ので、研削熱を逃がすのにも好都合である。
D.高温(2,000℃)で安定であるから、各種の結合剤と混練して焼き固めても変質しない。
【0008】
上述の原理に基づいて創作した請求項1に係る導電性砥石の構成は、
円盤状台板の周囲に砥粒層を設けた研削砥石、または、大部分ないし全部を砥粒層で構成した研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノファイバーが1〜15%(重量比)含有されていることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明に係る導電性砥石は、カーボンナノファイバーの添加量が比較的小量であっても実用上充分な導電性を有し、
添加剤であるカーボンナノファイバーが被加工物に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を発生する虞れが無く、
電解,放電ドレッシングした際の表面あらさが微細であり、
電解,放電ドレッシングに伴って砥粒が脱落する虞れが無い。
【0009】
請求項2に係る導電性砥石の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で耕成された研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブが1〜15%(重量比)含まれていることを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明に係る導電性砥石も、比較的小量のカーボンナノチューブの添加によって、実用上充分な導電性が得られ、
添加剤であるカーボンナノチューブが被加工物の研削面に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を招く虞れが無い。
【0010】
請求項3の発明に係る導電性砥石の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、全部ないし大部分が砥粒層で形成されている研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーが均一に分散して含有されており、上記カーボンナノチューブの含有率とカーボンナノファイバーの含有率との合計が1〜15%(重量比)であることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明に係る導電性砥石を適用すると、添加物であるカーボンナノファイバーもカーボンナノチューブも導電性を有しているので、これらを混合された砥石層は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性を有しており、
その上、これらの添加物が被加工物に溶着したり研削抵抗を増加させたりする虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
しかも、本請求項に係る導電性砥石は、電解,放電ドレッシングを施したとき砥粒の崩落を生じる虞れが無い。
【0011】
請求項4の発明に係る導電性砥石の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明の構成要件に加えて、前記の結合剤が、(イ)無機質結合剤、(ロ)有機質結合剤、(ハ)金属質結合剤、または(ニ)上記3種類の内の少なくとも2種類を混合した結合剤であることを特徴とする。
以上に説明した請求項4の発明に係る導電性砥石においては、添加剤であるカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが、結合剤の中に良く分散,混合して所期の導電性が得られ、電解ドレッシングまたは放電ドレッシングによって良好な研削性能を生じる。
【0012】
請求項5の発明に係る導電性砥石の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明の構成要件に加えて、前記の砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、または、これらの混合物であることを特徴とする。
以上に説明した請求項5の発明によると、請求項1ないし請求項3の発明によって得られた導電性を利用して電解ドレッシングまたは放電ドレッシングを施した際、前記の砥粒が損傷を受けることなく研削砥石の作用面(研削面)に微視的に突出して良好な研削性能を発揮し、しかも、電解,放電ドレッシングによって砥粒が崩落する虞れが無い。
【0013】
請求項6の発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で形成されている研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために、砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノファイバーを加えて混練することを特徴とする。
以上に説明した請求項6の発明方法によると、研削砥石の砥粒層が導電性を有していて、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象とするに好適な導電性砥石が構成される。
カーボンナノファイバーは微細(直径15〜100nm)であって、結合剤と良く混合する。このため、電解ドレッシングや放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
砥粒が凸部を形成し、電解除去された部分が油だまり(オイルポケット)を形成して、切れ味が良く、しかも被研削面が高精度の鏡状光沢面となる。
【0014】
請求項7に係る発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で形成された研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノチューブを加えて混練することを特徴とする。
以上に説明した請求項7の発明方法によると、前記請求項6におけると同様に導電性を有する砥粒層が構成されるので、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象として好適な導電性砥石を製造することができる。
カーボンナノチューブはきわめて微細(直径15nm以下)であり、結合剤と良く混じり合う。
このため、電解,放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
【0015】
請求項8に係る発明方法の構成は、円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または大部分ないし全部が砥粒層で形成されている研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブを加えて混練し、
上記カーボンナノファイバーの混合率と、カーボンナノチューブの混合率との合計を1〜15%(重量比)とすることを特徴とする。
以上に説明した請求項8の発明方法によっても、請求項6や請求項7におけると同様に、電解,放電ドレッシングに好適な導電性砥石が得られる。
本発明を実施する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブのそれぞれを秤量して加えても良い。また、カーボンナノチューブとカーボンナノファイバーの境界物質(直径15nm以上と直径15nm以下との混合物)を用いることもできる。
なお、信州大学電気電子工学科の平成13年報告によると、直径15〜100nmがカーボンナノファイバーの範疇であり、また、直径15nmよりも太いカーボンナノファイバーも存在すると述べられている。
【0016】
請求項9に係る発明方法の構成は、前記請求項6ないし請求項8の発明方法の構成要件に加えて、前記の砥粒として、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、またはこれらの内の1種類以上を含む混合物を用いることを特徴とする。
以上に説明した請求項9の発明方法によると、本請求項を適用して製造された導電性砥石の砥粒層を形成する砥粒それ自身は電解ドレッシングによって溶解除去されず、また放電ドレッシングによって削り取られることもないので、ドレッシングで生成された面に微視的に突出して切刃を形成し、かつ、突出部と突出部との間の凹部は油だまりとなる。
このようにして、電解,放電ドレッシングに好適な導電性の研削砥石が製造される。
【0017】
請求項10に係る発明方法の構成は、前記請求項6ないし請求項9の発明方法の構成要件に加えて、前記の砥粒層を多数のセグメントに成形し、
円盤状台板の周囲に、上記のセグメントを円周方向に並べて、
セグメントと円盤状台板とを相互に接着することを特徴とする。
以上に説明した請求項10の発明方法によると、本発明に係る添加剤(カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブ)を混練した「砥粒と結合剤との混合物」を加圧,加熱して固化させる際、歪みや残留応力を生じてもこれをセグメントに形成して配列・接着することによって実害を解消することができる。
【0018】
請求項11に係る発明方法の構成は、カーボンナノファイバー、および/または、カーボンナノチューブの1〜15%(重量比)を混練することによって導電性を与えた請求項1ないし請求項3の内の何れか一つの導電性砥石の表面に対して、研削液を介在せしめて電極を対向させ、
前記導電性砥石に放電加工または電解加工を施し、該導電性砥石の通電面を粗化させてドレッシングする際、
通電エネルギーの強弱を調節して前記の粗化の深さ寸法を制御するとともに、
カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加量を調節することによって粗化される部分の微視的面積割合を制御することを特徴とする。
以上に説明した本請求項11の発明方法によると、放電ドレッシングまたは電解ドレッシングを行なう際、表面粗化の深さと、表面粗化の面積割合とを、それぞれ独立に制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の1実施形態における導電性砥石を示し、(A)は部分的に切断して描いた正面図、(B)は断面側面図である。
本例は、台板の周囲に砥粒層を設けた形式の研削砥石に本発明を適用したが、研削砥石全部(又は大部分)を砥粒層で形成された研削砥石に本発明を適用することもできる。
(図1参照)符号1を付して示したのは円板状台板であって、その中心に砥石孔1aが設けられている。
上記円板状台板1の周囲に、24分割されたセグメントから成る砥粒層2が、接着層3によって接着されている。
本実施形態における寸法はそれぞれ次のとおりである(単位ミリメートル)
a=5、b=15、c=25、i=25、g=90、f=170、e=240、j=3
前記砥粒層は、概要的には砥粒と結合剤とを混合したものに、添加剤としてカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを混練し、加熱・加圧して固化せしめたものである。
添加剤の種類および添加量については、後に実施例を挙げて詳しく説明する。
【0020】
砥粒としては、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質の何れかを任意に選定することができ、または、これらの内の2種類以上を混合して用いることもできる。
これらの砥粒そのものは新規なものではなく、公知公用の材料であるが、本発明を適用してカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加した際に、物理的性状について有害な変化を生じたり、化学的に有害な反応を生じたりする虞れの無いことを確認した上で、これらの砥粒が適正であるという技術的知見を得たものである。
また、砥粒層を構成する結合材については、無機質結合剤、有機質結合剤、金属質結合剤、またはこれらの混合物を用いることができる。これらについても、物理的性状や化学的反応性について有害な問題の無いことを実験的に確認したが、この場合、重要な点は次のとおりである。
砥粒を結合剤でモールドする場合、一般に高温,高圧を加えねばならない。こうした観点において、本発明に係る添加剤であるカーボンナノチューブおよび/またはカーボンナノファイバーが優れた耐熱,耐圧性を有しているから、その適用可能範囲が非常に広いのである。
【0021】
本発明の基本に立ち返って見れば、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加は、砥粒層に導電性を与えるためのものであった。
これらの材料は導電性の材料であり、かつ、直径よりも長さが長いので互いに絡み合い、少量の添加によって良好な導電性を生じる(導電性材料であっても、球状微粉末であれば相互に孤立・分散して導電性を生じにくい)。
こうした原理に基づいて本発明者は、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加によって所期の導電性が得られることを実験的に追及して確認するとともに、この添加の副作用として何らかの不具合を生じる虞れが無いことも丹念に精査したところ、
所期の効果が得られるとともに、有害な副作用の無いことを確認し得たのみでなく、本発明の添加剤によって砥粒層の強度が増加すること、および、ドレッシング面の粗度を制御し得るという優れた効果を奏した。これらの、いわば派生的な効果については後に詳しく述べる。
【0022】
図1に示した研削砥石の砥粒層2の部分について、表1に示す組成の5種類の実施例と比較例とを構成した。
【表1】
この表の調合割合は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性が得られる範囲内で設定した。
比較例に用いた銅は、従来技術において最も普辺的に用いられている導電性添加材であって、物質としての比抵抗は非常に小さい(導電性が良い)のであるが、砥粒層のモールド組織内で微粒状に散在しており、相互に接触しにくいので、40%といった大量を添加せざるを得ない。
その分だけ結合剤の組成百分率が低くなるので砥粒層の強度は低下する。
これに比して、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブは微視的に細長い(概要的には、直径がnm単位、長さがμm単位)ので、立体的な網目状に絡み合い、比較的少量の添加によって所望の導電性が得られる。
【0023】
前掲の表1に示された5種類の実施例の組成、および比較例の組立のそれぞれ秤量し、攪拌混合し、金型に充填した後、170℃、10Mpaで20分間加熱成型して、6種類の成型体を得た。
上記6種類の成型体を、種類別に円盤状台板に接着し、所定寸法となるように機械加工して導電性砥石を構成した。
上述のようにして構成した6種類の導電性砥石を平面研削盤に装着して回転させながら、電圧1.5V、周波数1MHzの直流矩形波を、on・off比50%で、カーボン電極と砥粒層に3分間印加し、砥石作用面をドレッシングした。
上記の平面研削盤上で、ダイス鋼(SKD11)を周速50m/秒、加工物移動速度15m/分、1回初込量0.015mmでプランジカットした時の計測値を表2に示す。
【表2】
【0024】
上掲の表2から読み取れるように、比較例における導電性添加剤である銅粉の添加量よりも遥かに少量の(5〜12%)カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブを添加することによって、ほぼ同等の導電性が得られ、研削抵抗は同等ないし半減し、面粗度も同等ないし向上している。
また、従来技術を適用して銅紛の40%を添加して、結合剤の含有率を20%まで低減させると、砥粒層が脆弱になることを避け得なかったが、カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの数%を添加すると、砥粒層は却って強靭になる。
【0025】
実施例1ないし実施例5を相互に比較検討すると次の事項が明らかになる。
a.カーボンナノファイバーを混合した実施例1,2,3の順に混合率が多い。
そして、これと同じ順序で研削抵抗が減少し、面粗度が粗くなっている。
研削砥石の実用条件において、必ずしも単純に面粗度が細かいほど良いとはいえないが、少なくとも「混合率を加減して面粗度を制御できる」ということの実用的価値は多大である。
面粗度と研削抵抗とが関連して変化するので設計的な難しさは有るが、設計的自由度が大きいということは貴重な長所である。
実用上は、1〜15%(重量比)の範囲内とすることが好適である。
b.カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブが、成型体の母材である結合剤の中で、電子顕微鏡的にどのような結合組織を形成しているかは未だ解明されていないが、
少なくとも物理的性状の改善効果について見る限りでは、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとは同様な作用、効果を表している。
【0026】
例えば、実施例4および実施例5について、表1から「カーボンナノファイバー含有率とカーボンナノチューブ含有率との合計」を見ると、実施例1と実施例3との中間にあって実施例2と同じ値である。
一方、表2から研削抵抗および面粗度を見ると、実施例4と実施例5とは何れも実施例1と実施例3との中間にあって実施例2とほぼ同じ値である。
炭素原子の配列形態について見ると、カーボンナノファイバーは「炭素網面の繊維軸に対する配向」が、平行、傾斜または垂直であるのに比して、カーボンナノチューブは平行のみである。しかし、このように重複していることから類推しても、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとが類似の挙動を示したり類似の影響を及ぼしたりすることは、少なくとも決して不合理ではない。
上述のようにして電子分子論的領域に近づくまでもなく、カーボンナノファイバーとカーボンナノチューブとが、砥粒層の成型体に対して類似の影響を及ぼすことは実験的事実である。
本発明は、以上に述べた自然法則に基づく技術的思想の創作である。
【0027】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・作用を明らかならしめたように、
請求項1の発明に係る導電性砥石は、カーボンナノファイバーの添加量が比較的小量であっても実用上充分な導電性を有し、
添加剤であるカーボンナノファイバーが被加工物に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を発生する虞れが無く、
電解,放電ドレッシングした際の表面あらさが微細であり、
電解,放電ドレッシングに伴って砥粒が脱落する虞れが無い。
請求項2の発明に係る導電性砥石も、比較的小量のカーボンナノチューブの添加によって、実用上充分な導電性が得られ、
添加剤であるカーボンナノチューブが被加工物の研削面に溶着したり、研削抵抗を増加させるなどの不具合を招く虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
請求項3の発明に係る導電性砥石を適用すると、添加物であるカーボンナノファイバーもカーボンナノチューブも導電性を有しているので、これらを混合された砥石層は、電解ドレッシングや放電ドレッシングに必要な導電性を有し、
しかも、電解,放電ドレッシングを施したとき砥粒の崩落を生じる虞れが無い。
その上、これらの添加物が被加工物に溶着したり研削抵抗を増加させたりする虞れが無く、良好なドレッシング面が得られる。
【0028】
請求項4の発明に係る導電性砥石においては、添加剤であるカーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブが、結合剤の中に良く分散,混合して所期の導電性が得られ、電解ドレッシングまたは放電ドレッシングによって良好な研削性能を生じる。
請求項5の発明によると、請求項1ないし請求項3の発明によって得られた導電性を利用して電解ドレッシングまたは放電ドレッシングを施した際、前記の砥粒が損傷を受けることなく研削砥石の作用面(研削面)に微視的に突出して良好な研削性能を発揮し、しかも、電解,放電ドレッシングによって砥粒が脱落する虞れが無い。
【0029】
請求項6の発明方法によると、構成された研削砥石が導電性を有していて、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象とするに好適である。
カーボンナノファイバーは微細(直径15〜100nm)であって、結合剤と良く混合する。このため、電解ドレッシングや放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
砥粒が凸部を形成し、電解除去された部分が油だまり(オイルポケット)を形成して、切れ味が良く、しかも被研削面が高精度の鏡状光沢面となる。
請求項7の発明方法によると、前記請求項6におけると同様に導電性を有する砥粒層が構成されるので、電解ドレッシングや放電ドレッシングの対象として好適な導電性砥石を製造することができる。
カーボンナノチューブはきわめて微細(直径15nm以下)であり、結合剤と良く混じり合う。
このため、電解,放電ドレッシングによって生成されるドレッシング面の凹凸分布が非常に微細である。
請求項8の発明方法によっても、請求項6や請求項7におけると同様に、電解,放電ドレッシングに好適な導電性砥石が得られる。この請求項8に係る発明方法を実施する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブのそれぞれを秤量して加えても良い。また、カーボンナノチューブとカーボンナノファイバーの境界物質(直径15nm以上と直径15nm以下との混合物)を用いることもできる。
【0030】
請求項9の発明方法によると、本請求項を適用して製造された導電性砥石の砥粒層を形成する砥粒それ自身は電解ドレッシングによって溶解除去されず、また放電ドレッシングによって削り取られることもないので、ドレッシングで生成された面に微視的に突出して切刃を形成し、かつ、突出部と突出部との間の凹部は油だまりとなる。
請求項10の発明方法によると、本発明に係る添加剤(カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブ)を混練した「砥粒と結合剤との混合物」を加圧,加熱して固化させる際、歪みや残留応力を生じてもこれをセグメントに形成して配列・接着することによって実害を解消することができる。
本請求項11の発明方法によると、放電ドレッシングまたは電解ドレッシングを行なう際、表面粗化の深さと、表面粗化の面積割合とを、それぞれ独立に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥石車型をなす研削砥石の1例を示し、(A)は部分的に切断して描いた正面図、(B)は側面断面図である。
【符号の説明】
1・・・円盤状台板、1a・・・砥石孔、2・・・砥粒層、3・・・接着層
Claims (11)
- 円盤状台板の周囲に砥粒層を設け、または、大部分ないし全部を砥粒層で構成した研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノファイバーが1〜15%(重量比)含有されていることを特徴とする導電性砥石。 - 円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で構成されている研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブが1〜15%(重量比)含まれていることを特徴とする導電性砥石。 - 円盤状台板の周囲に砥粒層を設け、または、大部分ないし全部を砥粒層で形成した研削砥石において、
上記の砥粒層が、砥粒を結合剤で固めたものであり、
かつ、上記砥粒層の中に、カーボンナノチューブおよびカーボンナノファイバーが均一に分散して含有されており、上記カーボンナノチューブの含有率とカーボンナノファイバーの含有率との合計が1〜15%(重量比)であることを特徴とする導電性砥石。 - 前記の結合剤が、(イ)無機質結合剤、(ロ)有機質結合剤、(ハ)金属質結合剤、または(ニ)上記3種類の内の少なくとも2種類を混合した結合剤であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載した導電性砥石。
- 前記の砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、または、これらの混合物であることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載した導電性砥石。
- 円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部を砥粒層で形成された研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために、砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノファイバーを加えて混練することを特徴とする、導電性砥石の製造方法。 - 円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部を砥粒層で形成された研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、1〜15%(重量比)のカーボンナノチューブを加えて混練することを特徴とする、導電性砥石の製造方法。 - 円盤状台板の周囲に砥粒層が設けられ、または、大部分ないし全部が砥粒層で形成された研削砥石を製造する方法において、
砥粒層を構成するために砥粒と結合剤とを混合する際、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブを加えて混練し、
上記カーボンナノファイバーの混合率と、カーボンナノチューブの混合率との合計を1〜15%(重量比)とすることを特徴とする、導電性砥石の製造方法。 - 前記の砥粒として、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素(CBN)、アルミナ質、炭化硅素質、またはこれらの内の1種類以上を含む混合物を用いることを特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れかに記載した導電性砥石の製造方法。
- 前記の砥粒層を多数のセグメントに成形し、
円盤状台板の周囲に、上記のセグメントを円周方向に並べて、
セグメントと円盤状台板とを相互に接着することを特徴とする、請求項6ないし請求項9の何れかに記載した導電性砥石の製造方法。 - カーボンナノファイバー、および/または、カーボンナノチューブの1〜15%(重量比)を混練することによって導電性を与えた請求項1ないし請求項3の内の何れか一つの導電性砥石の表面に電極を対向させるとともに、研削液を介在させて、前記導電性砥石に放電加工または電解加工を施し、該導電性砥石の通電面を粗化させてドレッシングする際、
通電エネルギーの強弱を調節して前記の粗化の深さ寸法を制御するとともに、
カーボンナノファイバーおよび/またはカーボンナノチューブの添加量を調節することによって粗化される部分の微視的面積割合を制御することを特徴とする、導電性砥石のドレッシング方法。
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