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JP2004050129A - 分離膜エレメント及び分離装置 - Google Patents

分離膜エレメント及び分離装置 Download PDF

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JP2004050129A
JP2004050129A JP2002214274A JP2002214274A JP2004050129A JP 2004050129 A JP2004050129 A JP 2004050129A JP 2002214274 A JP2002214274 A JP 2002214274A JP 2002214274 A JP2002214274 A JP 2002214274A JP 2004050129 A JP2004050129 A JP 2004050129A
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separation membrane
separation
mixed gas
membrane
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JP2002214274A
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Yoshiyuki Takeuchi
竹内 善幸
Kazuto Kobayashi
小林 一登
Hiroyuki Ozora
大空 弘幸
Yoshio Seiki
清木 義夫
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】合成ガス中の水蒸気等混合物を高温のままで選択的に分離・除去し、分離した混合物を高温のままで循環使用できる分離膜エレメントの提供を目的とする。
【解決手段】管形状とした無機多孔体よりなる基材2の外側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜3を配設して分離膜エレメントを構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気を含有する混合ガスの中から選択的に水蒸気を分離する分離膜エレメント及び分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、混合ガス中の水蒸気を分離する方法として、蒸留法、吸着剤法、有機膜分離法等が知られている。
蒸留法は、混合物を加熱して気化し、沸点の差で分離する方法である。この方法では、沸点が近接している物質、すなわち共沸点を持つ物質の分離には非常に多段の蒸留段数を必要とする。その結果、加熱用水蒸気量が多くなり、分離コストが高くなる。共沸化合物となる物質としては、たとえば塩酸、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン(THF)等がある。
【0003】
吸着剤法は、高温では吸着性能が低下するため、高温での使用ができない。また、大規模な工業プラントでは、吸着剤の再生にコストがかかる。
有機膜分離法では、ポリイミド膜が約120℃で使用できるが、これ以上の高温での使用ができない。また、約0.2Pa以上の差圧を必要とする。従って、100℃以上の高温状態では、混合ガスから水蒸気を選択的に分離できる方法がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多量の水蒸気を使用して水性ガス化反応により合成ガスを製造する装置では、以下に示す問題点がある。
(1)水性ガス化反応で使用する水蒸気は、反応効率を考慮すると、必要反応当量の1.5倍以上の過剰量を供給する必要がある。その結果、反応で使用されなかった過剰の水蒸気が合成ガスと一緒に反応器から排出されることになる。この過剰の水蒸気は、一般に凝縮分離された後、再度凝縮水の状態から加熱器により沸騰蒸発させて反応器に供給するため、水蒸気の発生に必要な多量の熱量(顕熱及び蒸発潜熱)が消費されている。
【0005】
(2)反応器から排出された合成ガスを次の原料ガスとして使用する場合、高温の合成ガスをいったん冷却して水蒸気を凝縮・分離した後、再度この合成ガスを加熱処理しており、多量のエネルギーを消費している。たとえば、高濃度の水素/一酸化炭素を含む合成ガスからメタノールやジメチルエーテルを合成する場合には、約700〜900℃の高温の合成ガスを約100℃以下に冷却した後、再度約300〜350℃に加熱して使用している。
【0006】
(3)合成ガスを燃料として使用する場合、合成ガス中には約30〜50vol.%の水蒸気が含まれており、このままの状態では発熱量が低いため、合成ガスを冷却して水蒸気を凝縮・分離する方法が行われている。また、圧力スイング吸着装置(Pressure Swing Adsorption:PSA)等の吸着剤で除湿する場合でも、高温では吸着剤が使用できないため、約300℃以下まで冷却して処理する必要がある。この場合でも、多量のエネルギーが損失している。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、合成ガス中の水蒸気を高温のままで分離・除去し、分離した水蒸気を高温のままで循環使用できる分離膜エレメント及び分離装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の分離膜エレメントは、管形状とした無機多孔体の外側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したことを特徴とするものである。
【0009】
このような分離膜エレメントによれば、管形状とした無機多孔体の外側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したので、たとえば反応器内で生成された合成ガスのような混合ガスから、分子オーダーの混合物を高温状態で選択的に分離して除去することが可能になる。すなわち、分離膜エレメントの外側に混合ガスを流すと、この混合ガス中に含まれる分子オーダーの混合物がゲル層を通過し、管形状とした無機多孔体の中空部に入り込んで分離される。
なお、無機多孔体の中空部にはスイープガスを流すことが好ましく、これにより、中空部内に入り込んだ混合物を流す推進力が得られ、かつ、混合物の分離効率が向上する。
【0010】
請求項2に記載の分離膜エレメントは、管形状とした無機多孔体の内側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したことを特徴とするものである。
【0011】
このような分離膜エレメントによれば、管形状とした無機多孔体の内側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したので、たとえば反応器内で生成された合成ガスのような混合ガスから、分子オーダーの混合物を高温状態で選択的に分離して除去することが可能になる。すなわち、分離膜エレメントの内側となる管形状の中空部に混合ガスを流すと、この混合ガス中に含まれる分子オーダーの混合物がゲル層を通過し、無機多孔体の外側に流出して分離される。
なお、無機多孔体の外側にはスイープガスを流すことが好ましく、これにより、無機多孔体の外側において混合物を流す推進力が得られ、かつ、混合物の分離効率が向上する。
【0012】
請求項1または2に記載の分離膜エレメントにおいては、前記分離膜の構造がハニカム形状またはモノリス形状であることが好ましく、この場合、複数の単管を束ねる形状よりも単位容積当たりの膜面積を多くしてコンパクトにすることができる。なお、このようなハニカム形状及びモノリス形状は、無機多孔体の内側表面にゲル層を担持してなる分離膜を配設したものが好ましい。
【0013】
請求項1から4のいずれかに記載の分離膜エレメントにおいては、前記分離膜が水蒸気を選択的に分離することを特徴としており、これにより、たとえば水性ガス化反応により生成される混合ガス中に含まれている水蒸気を約100℃以上の高温状態のまま分離させて除去することができる。
【0014】
請求項6に記載の分離装置は、密閉されたケーシングの内部空間を、スイープガス入口を備えたスイープガス室と、混合ガスの入口及び出口を備えた混合ガス室と、透過ガス出口を備えた透過ガス室とに分割し、請求項1、3から5のいずれかに記載の分離膜エレメントが、一端を前記スイープガス室に開口し他端を前記透過ガス室に開口させて1または複数設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
このような分離装置によれば、管形状とした無機多孔体の外側表面にある細孔内に金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設した分離膜エレメントが、その両端をケーシング内のスイープガス室及び透過ガス室に開口するようにして設けられているので、たとえば反応器内で生成された合成ガスのような混合ガスを混合ガス室の入口から供給すると、分離膜エレメントを高温状態で選択的に通過する分子オーダーの混合物が分離されてスイープガスと共に透過ガス室の透過ガス出口から流出し、混合物が除去された残りの混合ガスは混合ガス室の出口から流出する。
【0016】
請求項7に記載の分離装置は、密閉されたケーシングの内部空間を、混合ガス入口を備えた混合ガス入口室と、スイープガスの入口及び透過ガスを含むスイープガスの出口を備えたスイープガス室と、混合ガスの出口を備えた混合ガス出口室とに分割し、請求項2から5のいずれかに記載の分離膜エレメントが、一端を前記混合ガス入口ガス室に開口し他端を前記混合ガス出口ガス室に開口させて1または複数設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
このような分離装置によれば、管形状とした無機多孔体の内側表面にある細孔内に金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設した分離膜エレメントが、その両端をケーシング内の混合ガス入口ガス室及び混合ガス出口ガス室に開口するようにして設けられているので、たとえば反応器内で生成された合成ガスのような混合ガスを混合ガス入口ガス室の入口から供給すると、分離膜エレメントを高温状態で選択的に通過する分子オーダーの混合物が分離されてスイープガスと共にスイープガス室の出口から流出し、混合物が除去された残りの混合ガスは混合ガス出口ガス室の出口から流出する。
【0018】
請求項6または7記載の分離装置においては、スイープガスを流す代わりにスイープガスの流路となる空間をたとえば真空に減圧してもよく、これにより、分子オーダーの混合物が分離膜エレメントを通過しやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る分離膜エレメント及び分離装置について、その実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1において、図中の符号1は分離膜エレメント、2は基材、3は分離膜、4は中空部である。
この分離膜エレメント1は、管形状とした無機多孔体よりなる基材2の外表面側に、ゲル層を担持してなる分離膜3を配設した構成の外表面型である。
【0020】
基材2は、セラミック質、アルミナ質、炭素質、SiC質、SiO 質、金属質を基本材料とする無機多孔質素材をたとえば円筒形状等の管形状に成形したものである。なお、この基材2の形状は、円筒形状に限定されるものではなく、楕円や四角等本発明の条件を満たすものであればよい。
この基材2の表面近傍においては、金属有機化合物または金属無機化合物から製造した無機質ゲルを細孔内に担持したゲル層(無機分離膜層)が形成され、このゲル層が混合ガスから分子オーダーの混合物(以下、単に「混合物」と呼ぶ)を分離することができる分離膜3となる。
なお、基材2の平均細孔径は数10μm以下が好ましく、このような細孔内に形成する分離膜3は、ゲル層内を透過する物質の拡散抵抗を抑制するため、数μm以下とするのが好ましい。
【0021】
上述した基材2の耐熱性は、約500℃以上の高温状態に十分耐えられる材質であり、担持したゲル層よりなる分離膜3についても、以下に説明するように約300℃以上の高温でゲル化反応を進行させて製造したものであるため、同様に高温の製造温度までの耐熱性を有している。従って、この分離膜3は、約100℃以上の高温の状態でも、たとえば水蒸気等のような混合物を混合ガスから選択的に分離できる分離膜として機能する。
このような分離膜3の担持方法としては、ゾル・ゲル反応法、蒸着法、箔担持法等がある。形成した分離膜3のゲル層は、平均30Å以下の細孔径を有しており、混合物質中の水蒸気(水分)の選択・分離性能が非常に高い。
【0022】
分離膜3となる無機質ゲルを製造するための原料を具体的に示すと、金属有機化合物としては、金属アルコキシド(テトラエトキシシラン、アルミニウムイソプロポキシド等)、金属アセチルアセトネート(インジウムアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート等)、金属カルボキシレート(酢酸鉛、ステアリン酸イットリウム、シュウ酸バリウム等)などがある。
また、無機質ゲルの原料となる金属無機化合物としては、硝酸塩(硝酸イットリウム、硝酸ニッケル等)、オキシ塩化物(オキシ塩化ジルコニウム、オキシ塩化アルミニウム等)、塩化物(四塩化チタン等)などがある。
【0023】
ここで、ゾル・ゲル反応法について説明すると、上述した金属化合物の原料を溶媒、水、酸またはアンモニアなどと調製してゾル化し、製造したゾルを無機多孔体である基材2の細孔内に含浸させた後、加熱処理してゲル化する。このゲル化操作によって、無機多孔体の細孔内にシリカゲル、アルミナゲル、シリカ・アルミナゲル、シリカ・ジルコニアゲル、シリカ・チタニアゲル等の無機質ゲルが担持される。これらのゲルの中には、ゲル中の細孔径が10〜20Å程度の非常に微細な構造をもつものがあるので、混合物を分離することができる分離膜3となる。
このような分離膜3の製造方法は、たとえば特許第1700388号、第1700389号、第1809802号、第2115931号などに詳細が提案されている。
【0024】
続いて、上述した外表面型の分離膜エレメント1を使用した分離装置50の構成を図2に示して説明する。
この膜分離装置50は、投入した混合ガス(入口ガス)を、混合ガス中に含まれる水蒸気等の混合物(膜透過ガス)と、この混合物が分離除去された残りの混合ガス(出口ガス)とに分離する機能を有している。
【0025】
ケーシング51は、入口ガスを投入する入口ノズル52と、スイープガスを投入するスイープガス入口ノズル53と、膜透過ガス及びスイープガスが流出する透過ガス出口ノズル54と、混合物が除去された混合ガスが流出する出口ノズル55とを備えた密閉容器である。
ケーシング51の内部は、上下一対の仕切板56、57によって、下から順にスイープガス室58、混合ガス室59及び透過ガス室60の3つの空間に仕切られている。スイープガス室58にはスイープガス入口ノズル53が開口し、混合ガス室59には入口ノズル52及び出口ノズル55が開口し、さらに、透過ガス室60には透過ガス出口ノズル54が開口している。
【0026】
分離膜エレメント1は、一端がスイープガス室58に開口し、かつ、他端が透過ガス室60に開口するようにして、上下一対の仕切板56、57を貫通して多数設けられている。なお、分離膜エレメント1の数については、1本または複数から適宜選択すればよい。
【0027】
以下、上述した膜分離装置50における混合物分離の作用を説明するが、この場合の混合物を水蒸気として説明する。
高温の状態にある水蒸気を含む混合ガス(たとえば水性ガス化反応により生成された混合ガス)は、入口ガスとして入口ノズル52から混合ガス室59へ流れ込む。混合ガス中に含まれている水蒸気は、出口ノズル55へ向けて膜分離エレメント1の外側を流れていく過程で矢印61(図2(b)参照)のように膜分離エレメント1を透過し、中空部4に入り込む。この結果、混合ガスは、中空部4内の水蒸気(透過ガス)と、膜分離エレメント1を透過しない水蒸気以外の混合ガス(出口ガス)とに分離される。このうち、出口ガスとなる混合ガスは、出口ノズル55から流出する。
【0028】
一方、膜分離エレメント1を透過した水蒸気は、スイープガス入口ノズル53から流入し、中空部4を通って透過ガス出口ノズル54から流出するスイープガスの流れを推進力とし、このスイープガスと共に効率よく流出する。このスイープガスとしては、各種の反応ガス(水蒸気、水素、炭化水素等)、空気、酸素またはこれらの混合ガスが使用されるが、水蒸気を分離する場合には水蒸気濃度の低いスイープガスが好ましい。
なお、スイープガスを使用することにより、膜分離エレメント1の前後、すなわち膜分離エレメント1の外側となる混合ガス室59と、膜分離エレメント1の内側となる中空部4との間で水蒸気の分圧差が大きくなるので、水蒸気の透過効率が向上する。
【0029】
すなわち、膜分離装置50の内部には、図1に示した膜分離エレメント(無機分離膜)1が複数本配設され、水蒸気を含む混合ガス(入口ガス)は、入口ノズル52から膜分離装置50の混合ガス室59内に供給された後、膜分離エレメント1の間隙を流通して出口ノズル55から排出される。
膜分離エレメント1の中空部4は、スイープガス入口ノズル53から供給されたスイープガスが流通している。入口ガス(混合ガス)は、混合ガス室59内において膜分離エレメント1の外周側を流通する間に、当該ガス中の水蒸気のみが表面の細孔を透過し、透過した水蒸気は中空部4のスイープガスに同伴されて透過ガスノズル54から排出される。
一方、水蒸気を分離された混合ガス(出口ガス)は、出口ノズル56から排出される。
【0030】
また、上述したスイープガスを流通させる代わりに、当該膜分離エレメント1の外側にある水蒸気圧よりも中空部4の水蒸気圧を減少させるため、中空部4内(スイープガスの流路となる空間)を真空に減圧してもよい。その結果、当該膜分離エレメント1の外側を流通する混合ガス中の水蒸気が分離膜3を選択的に透過して、中空部4のスイープガス側に分離される。この場合、分離膜エレメント1のスイープガス室58側に開口する端部を閉じ、透過ガス室60側に開口する端部から図示省略の真空ポンプ等により吸引して真空に減圧する。
【0031】
このように、上述した膜分離エレメント1の外側に混合ガスを流すと、この混合ガス中に含まれる混合物のみがゲル層の分離膜3を通過し、管形状とした基材2の中空部4に入り込んで分離される。
このような膜分離エレメント1を用いた膜分離装置50によれば、反応器内で生成された合成ガス中に含まれている水蒸気を高温の状態で選択的に分離除去することが可能であり、該膜分離エレメント1で分離除去された水蒸気を凝縮させることなく、水蒸気の状態で循環使用することが可能になる。
なお、上述した実施形態では、分離対象物が気体の状態である場合を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、分離対象物が液体の状態である場合にも適用可能である。
【0032】
[実施例1]
図2に示す構成の装置を使用し、以下の条件で運転を実施した結果、合成ガス中の水蒸気を高温の状態で循環使用することが可能となり、膜分離装置を使用しない場合に比べて、水蒸気の発生に必要なボイラー用燃料を約35%削減することができた。
1)装置仕様:図2の構成
2)運転条件
合成ガス供給量:1,720(Nm/h)
膜分離装置  :シリカ膜を使用、膜面積=5.1(m
3)運転結果
可燃ガス組成(vol/%):
水蒸気=40、H=29、CO=18、CO=13
供給水蒸気量    :0.54(ton/h)
未反応水蒸気の回収率:94%
【0033】
ところで、上述した実施形態では、膜分離エレメントで分離する混合ガス等の混合物質中に含まれる分子オーダーの混合物を水蒸気として説明したが、選択・分離性能が非常に高い水蒸気(水分)の他にも、たとえばアルコール類のような〔−OH基〕を分子構造内に持つ分子オーダーの混合物を混合物質中から選択・分離するのに使用可能である。
【0034】
<第2の実施形態>
図3において、図中の符号5は分離膜エレメント、6は基材、7は分離膜、8は中空部である。
この分離膜エレメント5は、管形状とした無機多孔体よりなる基材6の内表面側に、ゲル層を担持してなる分離膜7を配設した構成の内表面型である。すなわち、図1に示した外表面型の分離膜エレメント1と比較して、基材6と分離膜7との配置が内外逆になっている。
【0035】
すなわち、上述した第1の実施形態の基材2と類似または同様の材質よりなる基材6の内側に、同じく分離膜3と類似または同様のゲル層よりなる分離膜7を形成する。この場合、分離膜7の内側となる中空部8に混合ガスを流し、基材6の外側にスイープガスを流通させるか、あるいは、中空部8を流通する混合ガス中の水蒸気分圧以下に基材6の外側を減圧する。
この結果、混合ガス中の水蒸気が分離膜7を透過し、基材6の外側を流れるスイープガス中に排出される。なお、この実施形態においても、基材6の形状が円筒形状に限定されるものではない。
【0036】
続いて、上述した内表面型の分離膜エレメント5を使用した分離装置70の構成を図4に示して説明する。
この分離装置70は、投入した混合ガスを、混合ガス中に含まれる水蒸気等の混合物(膜透過ガス)と、この混合物が分離除去された残りの混合ガスとに分離する機能を有している。
【0037】
ケーシング71は、スイープガスを投入するスイープガス入口ノズル72と、混合ガスを投入する入口ノズル73と、膜透過ガスである水蒸気及びスイープガスよりなる含水スイープガスが流出する透過ガスノズル74と、混合物が除去された混合ガスが流出する出口ノズル75とを備えた密閉容器である。
ケーシング71の内部は、上下一対の仕切板76、77によって、下から順に混合ガス入口ガス室79、スイープガス室78及び混合ガス出口ガス室80の3つの空間に仕切られている。スイープガス室78にはスイープガス入口ノズル72及び透過ガスノズル74が開口し、混合ガス入口ガス室79には混合ガス入口ノズル73が開口し、さらに、混合ガス出口ガス室80には出口ノズル75が開口している。
【0038】
分離膜エレメント5は、一端が混合ガス入口ガス室79に開口し、かつ、他端が混合ガス出口ガス室80に開口するようにして、上下一対の仕切板76、77を貫通して多数設けられている。なお、分離膜エレメント5の数については、1本または複数から適宜選択すればよい。
また、分離膜エレメント5については、図4(b)に示すように、一本の筒形状内部に複数の円筒状空間が形成され、各円筒状空間の内表面毎に分離膜7を形成した構成があり、モノリス形状と呼ばれている。このようなモノリス形状を採用することにより、図3に示すような単管の分離膜エレメントを複数束ねる場合と比較して、同一の膜表面積を確保するために必要な単位容積を1/3〜1/4程度に削減することが可能であり、分離装置70をコンパクト化するのに有効である。さらに、このようなモノリス形状の分離膜エレメントは、多数の単管の端面を固定する場合と比較して、仕切板76,77との間におけるシール箇所の数を削減できるという利点もある。
【0039】
また、上述した分離膜エレメント5については、図4(b)に示したモノリス形状の他にも、たとえばハニカム形状(図示省略)と呼ばれるものを採用して単位容積当たりの膜表面積を大きくすることも可能である。
このようなハニカム形状は、たとえば特公平5−9126号公報に開示されており、断面四角形の貫通孔が多数互いに並列的に配列されている。このうち、千鳥状の位置にある貫通孔を選択し、その内周面に分離膜7を担持されている。この結果、分離膜7を担持した貫通孔を流れる混合ガス中に含まれている混合ガスは、隣接する分離膜7のない貫通孔へ透過して分離される。
このようなハニカム形状は、上述したモノリス形状よりも安価に製造できるという利点がある。
なお、上述したモノリス形状やハニカム形状については、外表面型の分離膜エレメントにも適用可能である。
【0040】
以下、上述した分離装置70における混合物分離の作用を説明する。
高温の状態にある水蒸気を含む混合ガスは、混合ガス入口ノズル73から中空部8へ流れ込む。混合ガス中に含まれている水蒸気は、出口ノズル75へ向けて膜分離エレメント5の中空部8を流れていく過程で矢印81(図4(b)参照)のように膜分離エレメント5を透過し、スイープガス室78に入り込む。この結果、混合ガスは、中空部8内を流れる膜分離エレメント5を透過しない水蒸気以外の混合ガス(出口ガス)と、膜分離エレメント5を透過した水蒸気とに分離される。このうち、出口ガスとなる混合ガスは、出口ノズル75から流出する。
【0041】
一方、膜分離エレメント5を透過した水蒸気は、スイープガス入口ノズル72から流入し、スイープガス室78を通って透過ガスノズル74から流出するスイープガスの流れを推進力とし、このスイープガスと共に効率よく流出する。このスイープガスとしては、各種の反応ガス(水蒸気、水素、炭化水素等)、空気、酸素またはこれらの混合ガスが使用されるが、水蒸気を分離する場合には水蒸気濃度の低いスイープガスが好ましい。
なお、スイープガスを使用することにより、膜分離エレメント5の前後、すなわち膜分離エレメント5の外側となるスイープガス室78と、膜分離エレメント5の内側となる中空部8との間で水蒸気の分圧差が大きくなるので、水蒸気の透過効率が向上する。
【0042】
すなわち、膜分離装置70の内部には、図3に示した膜分離エレメント(無機分離膜)5が複数本配設され、水蒸気を含む混合ガス(入口ガス)は、混合ガス入口ノズル73から膜分離エレメント5の中空部8内に供給され、該中空部8内を流れて出口ノズル75から排出される。
スイープガス室78内では、スイープガス入口ノズル72から供給されたスイープガスが膜分離エレメント5の外側を透過ガスノズル74へ向けて流通している。入口ガス(混合ガス)は、混合ガス入口ガス室79内において膜分離エレメント5の中空部8を流通する間に、当該ガス中の水蒸気のみが内表面の細孔を透過し、透過した水蒸気はスイープガス室78内のスイープガスに同伴されて透過ガスノズル74からから含水スイープガスとして排出される。
一方、水蒸気を分離された混合ガス(出口ガス)は、出口ノズル75から排出される。
【0043】
また、上述したスイープガスを流通させる代わりに、当該膜分離エレメント5の内側となる中空部8の水蒸気圧よりもスイープガス室(スイープガスの流路となる空間)78の水蒸気圧を減少させるため、スイープガス室78内を真空に減圧してもよい。その結果、当該膜分離エレメント5の中空部8を流通する混合ガス中の水蒸気が分離膜3を選択的に透過して、スイープガス室78のスイープガス側に分離される。この場合、スイープガス室78に開口するスイープガス室入口ノズル72を閉じるか廃止してしまい、透過ガスノズル74から図示省略の真空ポンプ等により吸引して真空に減圧する。
【0044】
このように、上述した膜分離エレメント5の中空部8に混合ガスを流すと、この混合ガス中に含まれる混合物のみがゲル層の分離膜7を通過し、管形状とした基材6の外側となるスイープガス室78へ流出して分離される。
このような膜分離エレメント5を用いた膜分離装置70によれば、反応器内で生成された合成ガス中に含まれている水蒸気を高温の状態で選択的に分離除去することが可能であり、該膜分離エレメント5で分離除去された水蒸気を凝縮させることなく、水蒸気の状態で循環使用することが可能になる。
【0045】
[実施例2]
図4に示す構成の分離装置70を使用し、以下の条件で運転を実施した結果、分離装置70を使用しない場合に比べて、水蒸気の発生に必要なボイラー用燃料を約29%削減することができた。
1)装置仕様:図4の構成
2)運転条件
合成ガス供給量 :1,640(Nm/h)
分離装置運転温度:342℃
膜分離装置   :シリカ膜を使用、膜面積=4.5(m
3)運転結果
可燃ガス組成(vol/%)
水蒸気=32、H=35、CO=19、CO=14
供給水蒸気量= 0.51(ton/h)
未反応水蒸気の回収率=91%
【0046】
ところで、上述した実施形態では、膜分離エレメントで分離する混合ガス等の混合物質中に含まれる分子オーダーの混合物を水蒸気として説明したが、選択・分離性能が非常に高い水蒸気(水分)の他にも、たとえばアルコール類のような〔−OH基〕を分子構造内に持つ分子オーダーの混合物を混合物質中から選択・分離するのに使用可能である。
【0047】
また、上述した第1の実施形態の図2及び第2の実施形態の図4に示した分離装置50、70では、ケーシング51またはケーシング71の内部に複数本の膜分離エレメント1または5を配設した場合を説明したが、このケーシング51、71と膜分離エレメント1、5の空間部4、8とに触媒を充填し、当該触媒充填部で合成反応を進行させながら、当該分離膜エレメント1、5で合成した水蒸気のみを合成ガス中からを分離する、いわゆるメンブレンリアクターと呼ばれる装置として適用される場合もある。
【0048】
すなわち、水蒸気を供給しない反応操作において、合成反応過程で水蒸気を副生するような場合には、反応器内に存在する水蒸気を合成ガス中から選択的に分離するため、合成反応における平衡状態が崩れる。
その結果、合成反応が水蒸気を生成する方向に加速されて進行するため、結果的に反応速度が増加したことになる。これを下記に記載の反応式〔1〕で説明すると、原料AとBとの反応により生成物Cと水蒸気H Oとを合成する反応の場合、生成物である合成ガス中から水蒸気H Oを選択的に分離すると、平衡反応〔1〕が崩れるため、右方向への反応が促進されるので、生成物であるCの合成速度が増加したことになる。
一般に、このような分離膜を使用して合成反応速度を向上させる反応器をメンブレンリアクターと呼ぶ。このメンブレンリアクターで使用される分離膜は、耐熱性が必要である。
A + B → C + H O ・・・・・〔1〕
【0049】
この使用例としては、上記反応〔1〕において、反応式右辺のH Oを合成ガス中から当該分離装置により選択的に分離することにより、右方向への合成反応の速度を加速させるものである。
この反応例としては、エステル化反応、メタノール合成反応、ジメチルエーテル(DME)合成反応等がある。
【0050】
なお、本発明の構成は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜組み合わせるなど、種々の変形例が可能である。たとえば、膜分離エレメント1、5の形状は、円管等の管形状に限定されることはなく、ハニカム形状、平板形状、プリーツ形状としても、前記記載と同等の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】
上述した本発明の分離膜エレメント及び分離装置によれば、以下の効果を奏する。
(1)水蒸気を使用する水性ガス化反応等において、反応器内の混合ガス中に含まれている水蒸気を当該分離膜エレメント及び分離装置により選択的に水蒸気を分離し、分離された水蒸気を反応器へ戻して循環させる水蒸気循環経路を形成させることにより、反応器内での水性ガス化反応に必要な水蒸気を凝縮させることなく、排出量を少なくしてリサイクルしながら使用することが可能になる。このため、熱効率のよい水性ガス化反応の装置構成が可能となり、補充水蒸気を供給するボイラや除湿装置等を小型化することもできるので、装置全体の小型化が可能になり、機器のコストだけでなく、建設費や敷地面積の低減により安価な装置を提供できるという顕著な効果を奏する。
【0052】
(2)メンブレンリアクターとして、合成反応速度を向上させる効果も期待できる。
【0053】
(3)ゲル層の分離膜で分離除去された水蒸気等の混合物にスイープガスを投入するようにすれば、分離膜の内外で水蒸気の分圧差が大きくなるので、分離膜エレメントを透過して分離除去される混合物量を増すことができ、結果として回収できる混合物量を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分離膜エレメントの第1の実施形態として外表面型の構成例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図2】図1に示した外表面型の分離膜エレメントを配設した分離装置の構成例を示す図で、(a)は断面図、(b)は水蒸気の分離除去を説明するための斜視図である。
【図3】本発明に係る分離膜エレメントの第2の実施形態として内表面型の構成例を示す図で、(a)は縦断面図、(b)は横断面図である。
【図4】図3に示した内表面型の分離膜エレメントを配設した分離装置の構成例を示す図で、(a)は断面図、(b)は水蒸気の分離除去を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1  分離膜エレメント(外表面型)
2、6  基材(無機多孔体)
3、7  分離膜(ゲル層)
4、8  中空部
5  分離膜エレメント(内表面型)
50、70  分離装置
51、71  ケーシング
52  入口ノズル
53、72  スイープガス入口ノズル
54  透過ガス出口ノズル
55、75  出口ノズル
56、57、76、77  仕切板
58、78  スイープガス室
59  混合ガス室
60  透過ガス室
73  混合ガス入口ノズル
74  透過ガスノズル
79  混合ガス入口ガス室
80  混合ガス出口ガス室

Claims (8)

  1. 管形状とした無機多孔体の外側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したことを特徴とする分離膜エレメント。
  2. 管形状とした無機多孔体の内側表面にある細孔内に、金属有機化合物または金属無機化合物から製造したゲル層を担持してなる分離膜を配設したことを特徴とする分離膜エレメント。
  3. 前記分離膜の構造がハニカム形状であることを特徴とする請求項1または2記載の分離膜エレメント。
  4. 前記分離膜の構造がモノリス形状であることを特徴とする請求項1または2記載の分離膜エレメント。
  5. 前記分離膜が水蒸気を選択的に分離することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  6. 密閉されたケーシングの内部空間を、スイープガス入口を備えたスイープガス室と、混合ガスの入口及び出口を備えた混合ガス室と、透過ガス出口を備えた透過ガス室とに分割し、請求項1、3から5のいずれかに記載の分離膜エレメントが、一端を前記スイープガス室に開口し他端を前記透過ガス室に開口させて1または複数設けられていることを特徴とする分離装置。
  7. 密閉されたケーシングの内部空間を、混合ガス入口を備えた混合ガス入口室と、スイープガスの入口及び透過ガスを含むスイープガスの出口を備えたスイープガス室と、混合ガスの出口を備えた混合ガス出口室とに分割し、請求項2から5のいずれかに記載の分離膜エレメントが、一端を前記混合ガス入口ガス室に開口し他端を前記混合ガス出口ガス室に開口させて1または複数設けられていることを特徴とする分離装置。
  8. スイープガスを流す代わりにスイープガスの流路となる空間を減圧することを特徴とする請求項6または7記載の分離装置。
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