JP2004042080A - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋳型空間12に投入された溶鋼を冷却して凝固させ鋳片13を製造する連続鋳造用鋳型10において、鋳型本体11の下端形状を製品の断面形状に実質的に一致させ、鋳型空間12の下端部14に連続する鋳型本体11に、鋳型本体11の下端を基準とした鋳型本体11の上下方向の各位置の鋳片13の水平収縮代に実質的に一致する拡大部15を設け、同一高さ位置での拡大部15は冷却効果の低い部分から冷却効果の高い角部16に向けて徐々に大きくなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳片の収縮形状に対応した連続鋳造用鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続鋳造設備で使用される連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型とも言う)70には、図3に示すような、例えば断面矩形となった鋳型空間71を形成する鋳型本体72を備えたチューブラ鋳型が使用されている。この鋳型70の鋳型本体72には銅製のチューブ(図示しない)が収納され、このチューブに冷却水の一例である工業用水を流すことで、鋳片73の製造時において鋳型本体72の冷却を行っている。
この鋳型本体72の内側(冷却面側)の形状は、各内側対向面74、75間の距離が、それぞれ鋳型本体72の上端部から下端部にかけて狭くなっている。このため、この鋳型本体72に囲まれた鋳型空間71の断面形状は、鋳型本体72の上端部から下端部にかけて略相似形状となっている。
【0003】
連続鋳造作業時においては、上記した鋳型70の上方から溶鋼を注ぎ、この鋳型70により製品となる鋳片の初期凝固を行い、凝固した鋳片を鋳型70下方より一定速度で連続して引抜いて製造している。
なお、鋳型70に注がれる溶鋼の温度及び鋳型70出口の鋳片の表面温度は操業条件により異なるが、通常、溶鋼温度は約1500℃程度であり、鋳型70出口の鋳片の表面温度は800〜1200℃である。なお、鋳型70出口の鋳片の内部は未凝固状態、即ち液体状態となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した連続鋳造用鋳型70は、鋳片の長手方向の温度分布を考慮した形状であり、鋳片の水平断面の周囲の温度分布を考慮したものではない。鋳片の水平断面の周囲の温度分布、即ち図4に示す鋳片表層部(図4では、鋳片の1/4の形状を示している)の各部分について検討した結果、図5に示すように、鋳型本体の上端から下端(湯面からの距離700mm)にかけて、鋳片の角部(部位b及び部位c)の温度が、幅方向中央部(部位a)の温度より大きく低下していることが分かる。この温度差に関係して、図6に示すように、鋳片の収縮量も幅方向中央部より角部の方が大きくなるので、鋳型本体の入口で略正方形となった鋳片の断面形状が、鋳型本体の出口では菱形形状に変化することとなる。
このように、鋳片の角部及びその近傍が、鋳片の幅方向中央部より大きく収縮するので、鋳型が鋳片の収縮形状に対応せず、鋳片の製品品質を悪化させる問題がある。また、目的とする断面形状を備えた鋳片を製造することが困難となり、鋳片の製品品質を悪化させる問題もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳片の収縮形状に対応し、しかも目的とする断面形状を備え、製品品質を向上させた鋳片を製造可能な連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る連続鋳造用鋳型は、鋳型空間に投入された溶鋼を冷却して凝固させ鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、鋳型本体の下端形状を製品の断面形状に実質的に一致させ、鋳型空間の下端部に連続する鋳型本体に、鋳型本体の下端を基準とした鋳型本体の上下方向の各位置の鋳片の水平収縮代に対応する拡大部を設け、同一高さ位置での拡大部は冷却効果の低い部分から冷却効果の高い角部に向けて徐々に大きくなる。このように、鋳型本体の下端を基準とした上下方向各位置での鋳片の水平収縮代に対応して鋳型本体の拡大部を形成し、鋳片収縮量に応じて鋳型空間が収縮するように鋳型本体の形状を変化させるので、鋳型本体の内側冷却面に常に鋳片が接触して冷却される。これにより、鋳型本体下端部では、鋳片の形状を製品の断面形状、例えば実質的に正方形とすることができる。
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、鋳型空間は実質的に断面矩形であって、メニスカス部における鋳型本体の最大内幅は、同一高さ位置における鋳型本体の最小内幅より0.1〜1%広いことが好ましい。これにより、鋳型本体の最小内幅に応じて最大内幅を設定できる。
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、水平収縮代は予測計算値を用いて求めることが好ましい。これにより、鋳片の水平収縮代及び鋳型本体の拡大部の形状を容易に求められる。
【0006】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の鋳型空間の説明図、図2は同連続鋳造用鋳型を適用して製造した鋳片形状の説明図である。
【0007】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型10は、鋳型本体11に囲まれた鋳型空間12に投入された溶鋼を冷却して凝固させ鋳片13を製造するものであり、鋳型本体11の下端形状を製品の断面形状に実質的に一致させ、鋳型空間12の下端部14に連続する鋳型本体11に、鋳型本体11の下端を基準とした鋳型本体11の上下方向の各位置の鋳片13の水平収縮代に対応する(実質的に一致する場合も含む)拡大部15を設け、同一高さ位置での拡大部15は冷却効果の低い部分から冷却効果の高い角部16に向けて徐々に大きくなっている。以下、詳しく説明する。
【0008】
連続鋳造用鋳型10は、前記したようなチューブラ鋳型と呼ばれるものであり、この連続鋳造用鋳型10の鋳型本体11は、熱伝導性が良好な金属の一例である銅からなっている。なお、この鋳型本体11には銅製のチューブが収納され、このチューブに冷却水の一例である工業用水を流すことで、鋳型本体11の冷却が行われている。
鋳型本体11の上端から下端までの垂直長さは、例えば700〜1000mmであり、その厚みは例えば8〜20mmである。この鋳型本体11の内側冷却面(対向面)17の下端における内幅は、製品となる鋳片の幅に実質的に一致しており、全て同じ幅となっている。また、鋳型本体11の内側冷却面17のメニスカス部(溶鋼の湯面近傍の位置)における拡大部15の最大内幅W1(鋳型本体11の角部16間の内幅)は、同一高さ位置における鋳型本体11の最小内幅W2(対向する辺部分の幅方向中央部間の内幅)より、例えば0.1〜0.5mm程度広がっている。更に、冷却効果の低い部分から、冷却効果の高い角部16までの鋳型本体11の断面形状は、鋳片13の凝固収縮、固体収縮等の体積収縮に応じて、連続的になだらかな曲線となっている。また、鋳型本体11の下端からメニスカス部にかけても、鋳片13の水平収縮代に応じて、なだらかな曲線となっている。
従って、鋳型本体11の内周長は、鋳型本体11の上端部18(メニスカス部に対応する位置)より下端部の方が短くなっている。
【0009】
なお、このときの鋳型本体11の内側(表面側)形状の予測計算値は、例えば、鋳片13のサイズ、鋳片13の引き抜き速度、鋳片13の線膨張量及び温度、鋳型本体11の各辺部分の厚み、冷却速度等を用い、従来公知の有限要素法(FEM)によって求めることができる。
また、拡大部15の形状は、例えば鋳型本体11の上下方向の各位置における鋳片13の水平収縮代に応じて、鋳型本体11を構成する各辺部分毎に、それぞれ変えることも可能である。
ここで、拡大部は、メニスカス部から下端にかけてだけではなく、メニスカス部より上側、即ち鋳型本体11の上端から下端へかけて設けることも可能である。これにより、鋳型本体11の上端から連続的に拡大部の加工ができるので、製造時における作業性が良好となる。
【0010】
また、メニスカス部における鋳型本体11の拡大部15の最大内幅W1は、例えば、製造する鋳片13の大きさ、鋳型本体11からの鋳片13の引き抜き速度等を考慮して、同一高さ位置における鋳型本体11の最小内幅W2より0.1〜1%の範囲で広くすることが好ましい。
拡大部15の最大内幅W1が、最小内幅W2より0.1%未満広い場合は、鋳片13の角部16の収縮に十分対応することができず、鋳型本体11から抜き出された鋳片13の断面形状が、例えば菱形形状となってしまい、目的の断面形状とすることができない。このとき、鋳型本体11の上端部18から下端部へかけて、鋳片13の表面と鋳型本体11の内側冷却面17との接触状態も悪くなり、鋳片13の製品品質を悪くする可能性がある。また、拡大部15の最大内幅W1が、最小内幅W2より1%を超えて広い場合は、拡大部の幅が鋳片13の水平収縮代より大きくなり、水平収縮代に応じた拡大部とならないので、前記菱形形状とは逆に鋳片13の角部が鋳型本体11側へ突出するため、やはり目的の断面形状を備えた鋳片13を製造できない。
このため、目的とする断面形状を備え、しかも製品品質が良好な鋳片13を製造するためには、拡大部15の最大内幅W1を、同一高さ位置における鋳型本体11の最小内幅W2より0.2〜0.9%広く、更には、0.3〜0.8%広くすることが好ましい。
【0011】
このデータに基づき、NC工作機械を用いて材料を加工することで、拡大部15を設けた鋳型本体11を製造する。なお、この加工は、材料に対して連続的、又は材料の長手方向に対して所定間隔(例えば、1〜10mm程度)毎に断続的に行うことも可能である。
【0012】
(計算例)
本発明に係る連続鋳造用鋳型10を使用し、鋳片の凝固収縮解析(FEM計算)を行った結果について説明する。なお、ここで計算に使用する鋳片(製品)の断面形状は、一辺が124mmの正方形で、4箇所の角部にはR=6mmの曲面が設けられている。また、鋳型本体からの鋳片の引き抜き速度は2.5m/minである。
図2には、図4における部位a(Y座標値=0mm)から部位b(Y座標値=56mm)までの鋳型本体上端の鋳型空間のX座標値(本発明:◆、従来:▲)と、鋳型本体下端に位置する鋳片のX座標値(本発明:■、従来:●)とがそれぞれ示されている。
【0013】
鋳型本体に囲まれた鋳型空間の断面形状が、鋳型本体の上端と下端とで相似形状となった従来の連続鋳造用鋳型を計算に使用した場合、鋳型本体の上端で実質的に正方形となった鋳片のX座標値は、鋳型本体の下端では部位a(辺部分の幅方向中央部)から部位b(鋳型本体の角部)へかけて0.2mm程度小さくなっていることが分かる。これは、鋳片が鋳型本体の下端に達するまでに、鋳片の部位aよりも鋳片の角部に位置する部位bに大きな収縮が起こり、鋳片の断面形状が菱形形状となったことを意味している。
一方、鋳型本体の内側に、メニスカス部における部位aから部位bへかけて、0.2mm程度(0.4%)広くした拡大部を有する本発明の連続鋳造用鋳型を計算に使用した場合、鋳型本体の下端において、鋳片のX座標値は、部位aから部位bへかけてほとんど変化していないことが分かる。これは、連続鋳造用鋳型の内側に、鋳片の水平収縮代に応じた拡大部を設けることができたことに起因する。
このように、鋳型本体の下端形状を製品の断面形状に一致させ、鋳型本体の内側に、制作時に拡大部を設けることで、目的の形状を備えた鋳片を製造できたことが分かる。
【0014】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造用鋳型を構成する場合にも本発明は適用される。
また、前記実施の形態においては、鋳型空間の断面形状が実質的に正方形となった鋳型本体を有する連続鋳造用鋳型を使用した場合について説明したが、鋳型空間の断面形状を、製造する鋳片の断面形状に対応させて、例えば、凸形、凹形、多角形(例えば、長方形、6角形、8角形等)等とすることも勿論可能である。
【0015】
そして、前記実施の形態においては、連続鋳造用鋳型として銅製のチューブを鋳型本体に収納したチューブラ鋳型を使用した場合について説明した。しかし、例えば、一対の長辺部材と一対の短辺部材とを組合せた組立鋳型や、鋳造又は鍛造した銅ブロックに導水溝を穿孔したブロック鋳型等についても、本発明は適用される。なお、このように連続鋳造用鋳型として使用する鋳型の種類を変化させることで、例えば、スラブ(例えば、幅が1000〜2500mm程度、厚みが200〜300mm程度)、ブルーム(例えば、幅及び厚みが200〜400mm程度)、ビレット(例えば、幅及び厚みが100〜200mm程度)、ビームブランク(H型鋼用に使用)等の鋳片をそれぞれ製造することが可能となる。
更に、鋳型本体の内側冷却面の形状は、例えば、従来公知の1段テーパ、2段テーパ、マルチテーパ等とすることも可能である。
【0016】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の連続鋳造用鋳型においては、鋳型本体の下端を基準とした上下方向各位置での鋳片の水平収縮代に対応して鋳型本体の拡大部を形成し、鋳片収縮量に応じて鋳型空間が収縮するように鋳型本体の形状を変化させるので、鋳型本体の内側冷却面に常に鋳片が接触して冷却される。これにより、鋳型本体下端部では、鋳片の形状を製品の断面形状、例えば実質的に正方形とすることができ、製品品質を向上させた鋳片を製造できる。
特に、請求項2記載の連続鋳造用鋳型においては、鋳型本体の最小内幅に応じて最大内幅を設定できるので、鋳型本体の拡大部の設計を容易にでき、作業性が良好となる。
請求項3記載の連続鋳造用鋳型においては、鋳片の水平収縮代及び鋳型本体の拡大部の形状を容易に求められるので、連続鋳造用鋳型の制作時においては、鋳片の角部及びその近傍の収縮状態を考慮した鋳型本体の加工を容易にでき、作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の鋳型空間の説明図である。
【図2】同連続鋳造用鋳型を適用して製造した鋳片形状の説明図である。
【図3】従来例に係る連続鋳造用鋳型の平面図である。
【図4】鋳型本体下端に位置する鋳片の断面形状の説明図である。
【図5】鋳片の長さ方向における断面各部位毎の温度分布の説明図である。
【図6】鋳片の長さ方向における断面各部位毎の収縮量の説明図である。
【符号の説明】
10:連続鋳造用鋳型、11:鋳型本体、12:鋳型空間、13:鋳片、14:下端部、15:拡大部、16:角部、17:内側冷却面、18:上端部
Claims (3)
- 鋳型空間に投入された溶鋼を冷却して凝固させ鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、
鋳型本体の下端形状を製品の断面形状に実質的に一致させ、前記鋳型空間の下端部に連続する前記鋳型本体に、前記鋳型本体の下端を基準とした前記鋳型本体の上下方向の各位置の前記鋳片の水平収縮代に対応する拡大部を設け、同一高さ位置での前記拡大部は冷却効果の低い部分から冷却効果の高い角部に向けて徐々に大きくなることを特徴とする連続鋳造用鋳型。 - 請求項1記載の連続鋳造用鋳型において、前記鋳型空間は実質的に断面矩形であって、メニスカス部における前記鋳型本体の最大内幅は、同一高さ位置における前記鋳型本体の最小内幅より0.1〜1%広いことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型において、前記水平収縮代は予測計算値を用いて求めることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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| CN104624990A (zh) * | 2015-02-26 | 2015-05-20 | 周嘉平 | 一种均匀冷却结晶器铜管及其制造方法 |
-
2002
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