JP2004040211A - 環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】環状ネットワークシステムで安定した高速データ通信を実現する。
【解決手段】一定の周期でデータ通信を行う環状ネットワークシステム10に含まれるCDチェンジャ13及びアンプ装置14等の電装機器に変復調部20を設ける。変復調部20は送信に関する処理としてデータの搬送波を変調し、変調された搬送波の周波数成分を通信周期と同一周期でIFFT変換して時系列データを得る。送信側の電装機器は得られた時系列データを送信することで、データの通信速度より低い周波数帯域で通信が可能になり、放射されるノイズの影響を低減し安定した通信を確保する。また、変復調部20は受信した時系列データを通信周期と同一周期でFFT変換し周波数成分を得て、この周波数成分から元のデータを算出し、送信されたデータを受信する。
【選択図】 図1
【解決手段】一定の周期でデータ通信を行う環状ネットワークシステム10に含まれるCDチェンジャ13及びアンプ装置14等の電装機器に変復調部20を設ける。変復調部20は送信に関する処理としてデータの搬送波を変調し、変調された搬送波の周波数成分を通信周期と同一周期でIFFT変換して時系列データを得る。送信側の電装機器は得られた時系列データを送信することで、データの通信速度より低い周波数帯域で通信が可能になり、放射されるノイズの影響を低減し安定した通信を確保する。また、変復調部20は受信した時系列データを通信周期と同一周期でFFT変換し周波数成分を得て、この周波数成分から元のデータを算出し、送信されたデータを受信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状ネットワークシステムにおける機器間のデータ通信に関し、特に、通信に用いる周波数帯域を変更することで、安定した高速データ通信を確保した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種ネットワーク用の電子機器及び電気機器等を環状に接続し、各機器間でデータの通信を一定の周期で行う環状ネットワークシステムが存在している。このような環状ネットワークシステムは種々の箇所に構築されるが、昨今は、多様な電装機器を搭載する車両に構築されることが多い。
【0003】
図6(a)は、車両2に構築された従来の環状ネットワークシステム1を示している。環状ネットワークシステム1は、車載のネットワーク用の電装機器であるCDチェンジャ3、アンプ装置4、ナビゲーション装置5、ハンズフリー電話装置6、ラジオチューナ7及びテレビチューナ8をメタルケーブルの接続線1aによりデイジーチェーン方式で環状に接続している。また、環状ネットワークシステム1ではデータの通信方向が一定であり、図中の矢印方向(反時計方向)で一の電装機器から他の電装機器へデータを通信している。
【0004】
これら各電装機器の基本的な構成は共通しており、自身の機能に係る部分及び通信に係る部分を備えている。例えば、図6(b)に示すように、CDチェンジャ3は自身の機能に係る部分としてCD(コンパクト・ディスク)の音声データを読み出すCDドライブ3a及び通信に係る部分に該当する通信部9を具備する。また、アンプ装置4は自身の機能に係る部分としてスピーカ4bと接続されてデータの増幅を行う増幅部4a及び通信に係る部分である通信部9を具備する。CDチェンジャ3とアンプ装置4の各通信部9は、夫々同様の構成であり、ナビゲーション装置5等の他の電装機器にも設けられている。
【0005】
よって、CDの音声データをスピーカ4cから出力する場合は、CDドライブ3で読み取った音声データをCDチェンジャ3の通信部9へ送出し、通信部9は音声データを図7に示す矩形の搬送波で接続線1aを通じて一定の周期でシリアル送信する。一方、アンプ装置4の通信部9は送信された搬送波を受信して増幅部4aへ送出することで、スピーカ4bから音声データを出力している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
環状ネットワークシステム1は上述した構成でデータを通信しているが、データ通信速度を高速にすると、データの搬送波の周波数が高まり接続線1aよりノイズが放射される。この放射されたノイズは他の電装機器に悪影響を及ぼし、例えば、ラジオチューナ7及びテレビチューナ8等の音声データに放射されたノイズが載り、音質を劣化させる問題がある。また、1秒間に約50Mbitのデータを送信する場合等、データの送信状況によっては、搬送波の周波数とFMラジオの周波数帯域との関係からラジオチューナ7が放射されるノイズの影響を受けやすくなる。
【0007】
さらに、このようなノイズが矩形の搬送波から放射される場合、ノイズが放射されやすくなり、ノイズによる周囲の電装機器への影響が一段と大きくなる。さらに、また、搬送波の周波数が高くなることで、接続線1aを形成するツイストペアの複数のケーブル間で一方のケーブルのノイズが他方のケーブルに混入する漏話(クロストーク)が発生したり、各データの時間的なズレにより正確なデータの搬送が困難になるジッタと云う現象も生じる問題もある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、所要のデータ通信速度を確保した上で、搬送波の周波数帯域を低く抑えることにより、ラジオチューナ等の電装機器が放射ノイズの影響を受けずに安定した通信を可能にした環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、データの搬送波を正弦波の形状にすることで、周囲へ放射するノイズの影響を低減した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、データの搬送波の周波数を低く抑えて通信を行うことにより、良好な通信を妨げるクロストーク及びジッタ等の発生を防止し、安定した通信を確保した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る環状ネットワークシステムは、複数の機器が環状に接続してあり、一の機器及び他の機器でデータの通信を一定の周期で行う環状ネットワークシステムにおいて、前記一の機器は、データの搬送波を変調する変調手段と、該変調手段が変調した搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換を行う変換手段と、該変換手段が変換を行った時系列データを前記周期で送信を行う送信手段とを備え、前記他の機器は、受信した時系列データを前記周期でサンプリングを行うサンプリング手段と、該サンプリング手段がサンプリングを行った時系列データを前記周波数成分に前記周期で再変換を行う再変換手段と、該再変換手段が再変換を行った周波数成分に基づき前記データを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る環状ネットワークシステムは、前記一の機器は更に、前記変換手段の変換及び送信手段の送信を同期させる第1同期手段を備え、前記他の機器は更に、前記送信手段の送信に対して前記サンプリング手段のサンプリング及び再変換手段の再変換を同期させる第2同期手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る環状ネットワークシステムは、前記一の機器は更に、元のデータを複数の分割データに分割する分割手段を備え、前記変調手段は、前記分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する手段を備え、前記変換手段は、前記変調された複数の搬送波の周波数成分を時系列データに変換する手段を備え、前記再変換手段は、前記時系列データを前記複数の搬送波の周波数成分に再変換する手段を備え、前記算出手段は、前記再変換された複数の周波数成分に基づき前記複数の分割データを算出する手段を備え、前記他の機器は更に、前記算出された複数の分割データを結合して前記元のデータに復元する復元手段を備えることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係る環状ネットワークシステムは、前記変調手段が、前記搬送波の振幅及び位相を変化させる手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るネットワーク用機器は、一定の周期でデータの送信を行うネットワーク用機器において、元のデータを複数の分割データに分割する分割手段と、該分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する変調手段と、該変調手段が変調した複数の搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換する変換手段と、該変換手段が変換した時系列データを前記周期で送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第6発明に係るネットワーク用機器は、外部から一定の周期で送信されたデータを受信するネットワーク用機器において、時系列データを受信する受信手段と、該受信手段が受信した時系列データを前記周期でサンプリングするサンプリング手段と、該サンプリング手段がサンプリングした時系列データを複数の周波数成分に前記周期で再変換する再変換手段と、該再変換手段が再変換した複数の周波数成分に基づき複数のデータを算出する算出手段と、該算出手段が算出した複数のデータを結合して元のデータに復元する復元手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第1発明にあっては、送信側の一の機器で送信するデータの搬送波を変調して時系列データに変換するため、送信に使用される周波数帯域を変更できる。よって、データの通信速度を高めても送信の周波数帯域を低く抑えることができるため、放射されるノイズ量自体を抑え、放射ノイズが周囲の機器へ与える影響を防止できる。また、時系列データの搬送波の形状が正弦波形等のエッジが存在しない波形となるように変換することでも、データを送信する接続線から放射されるノイズによる周囲の機器への影響を低減できる。
【0016】
さらに、送信の周波数帯域を低く抑えるように変更することで、従来、高い周波数帯域での通信の際に発生していたクロストーク及びジッタ等を抑制でき、良好な通信状態を維持できる。なお、一の機器での変換及び送信、並びに、他の機器でのサンプリング及び再変換は全て、環状ネットワークシステムにおけるデータ通信周期に一致させているため、上記のような送信、変換、サンプリング等の各種処理を行っても、確実なデータ送受を行うことができる。
【0017】
第2発明にあっては、一の機器の第1同期手段により変換及び送信に係る処理を同期させると共に、他の機器の第2同期手段により前記送信に対してサンプリング及び再変換も同期させるので、送信する各データ及び受信される各データにおいてデータ同士の重複、データ間隔の不均等化等の不具合を防止して、安定したスムーズな通信を確保できる。
【0018】
第3発明、第5発明及び第6発明にあっては、OFDM(直交周波数分割多重方式)変調として、送信する元のデータから分割した複数の分割データの搬送波を変調するため、分割データの個数に基づき送信の周波数帯域を様々に変更でき、また、データ量が多くても安定したデータ通信を確保できる。
【0019】
さらに、分割データを作成することで、変調手段に種々の変調方式を適用でき、例えば、搬送波の位相を変えて変調するPSK変調(Phase ShiftKeying)、搬送波の振幅の有無により変調を行うASK変調(Amplitude Shift Keying)、搬送波における複数の振幅を用いて変調するFSK変調(Frequency Shift Keying)、搬送波の位相を変化させて変調を行うPSK変調(Phase Shift Keying)、及び、2つの異なる位相の変調波を合成して変換するQPSK(Quadrature PSK)変調等を適用できる。
【0020】
また、このように各分割データの搬送波を種々の方式で変調することにより、データ通信に対する周波数の使用効率も向上でき、各周波数に複数ビットのデータを持たせてパラレル通信できる。
【0021】
なお、上述したデータ通信はメタルケーブルで行うが、変更する周波数帯域をプラスチック光ファイバケーブルの周波数帯域と同等に設定することで、プラスチック光ファイバケーブルを用いて通信を行っていたシステムで、プラスチック光ファイバケーブルに代えてメタルケーブルを用いた高速通信を実現できる。よって、プラスチック光ファイバケーブルの適用が困難な場合、例えば、布設箇所が狭小でありプラスチック光ファイバケーブルの最小屈曲率を確保できないとき、ケーブルが移動部材に布設されて移動に伴う負荷がケーブルに多数回かかるとき等に、本発明に係るシステムを導入してメタルケーブルで通信を行うことにより、安定した通信を確保できる。
【0022】
第4発明にあっては、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調するので、複数の分割データの占有周波数を小さくして効率的なデータ通信を実現できる。このような変調を行う方式としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させて多値化変換を行うQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用するのが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両12に構築された環状ネットワークシステム10の要部構成図である。環状ネットワークシステム10の全体の構成は、図6(a)に示す従来のシステムと同様であり、CDチェンジャ13、アンプ装置14、図示していないナビゲーション装置、ハンズフリー電話装置、ラジオチューナ及びテレビチューナ等のネットワーク用機器に該当する車載の電装機器をツイストペアのメタルケーブルの接続線11で環状に接続している。環状ネットワークシステム10では、一の電装機器及び他の電装機器の間で反時計方向にデータ通信を一定の周期で行っている。
【0024】
本発明に係るCDチェンジャ13及びアンプ装置14等の電装機器は、従来の電装機器と相違する部分として変復調部20を設けており、図1のCDチェンジャ13で説明すると、自身の機能に係るCDドライブ13a及び大規模集積回路で構成されている通信部19に加えて、通信部19とデータの送受可能に接続された変復調部20を設けている。また、この変復調部20はCDチェンジャ13の入力端子13b及び出力端子13cとも接続されている。
【0025】
変復調部20は、外部から入力端子13bを介してCDチェンジャ13が受信したデータに対する処理を行うと共に、出力端子13cから送信するデータに係る処理を行うものである。なお、CDチェンジャ13に設けられている変復調部20は、アンプ装置14等の他の電装機器に設けられているものと同じ構成であり、他の電装機器における変復調部20も上述したCDチェンジャ13における接続構成と同様にしている。
【0026】
図2は、変復調部20の内部の構成を示すブロック図であり、変復調部20は入力端子13bと接続される側から順に、入力アンプ部21、入力側ローパスフィルタ22、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ23、デジタル処理部24、D/A(デジタル/アナログ)コンバータ25、出力側ローパスフィルタ26及び出力端子13cと接続される出力アンプ部27を設けている。さらに、変復調部20は、A/Dコンバータ23、デジタル処理部24及びD/Aコンバータ25と接続される同期部28も設けている。
【0027】
通信部19と接続されるデジタル処理部24は大規模集積回路で構成されており、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信の周期と同一の周期でデータをOFDM変換することにより、実際のデータ通信速度に対して低い周波数帯域で通信を可能にするものである。
【0028】
デジタル処理部24はデータ送信に係る各種処理手段、及び、データ受信に係る各種処理手段を備えており、送信するCD(コンパクト・ディスク)に係る元のデジタルデータを通信部19から受け付けている。また、外部から受信したデジタルデータは、デジタル処理部24で処理された後、通信部19又はD/Aコンバータ25へ送出するようにしている。
【0029】
デジタル処理部24は、データ送信に係る処理に対し、通信部19から受け付けたデータをサンプリングする手段、分割手段、変調手段及び変換手段として機能している。デジタル処理部24のサンプリングする手段は、環状ネットワークシステム10のデータ通信周期の逆数時間で、後述する分割手段によるデータ分割数の2倍以上の回数のサンプリングを行う。よって、例えば、通信周期が44.1kHz、データ分割数が256であれば、1回当たりのサンプリング時間は1/(44100×256×2)秒になる。
【0030】
デジタル処理部24の分割手段は、サンプリングした元のデジタルデータに係る「0」及び「1」のデータ列を複数組の複数ビット列に分割して複数の分割データを作成するものである。分割手段は、元のデジタルデータを種々の分割形態で分割できるようにしており、例えば、1280ビット単位の元のデジタルデータを分割して1組が5ビット列の分割データを計256組作成できる。
【0031】
デジタル処理部24の変調手段は、分割手段で分割された複数の分割データの搬送波を、各分割データの内容に応じて変調処理を行うものである。本実施形態の変調手段は、変調処理として搬送波の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM変調を行う手段を具備しており、このQAM変調は前記分割手段の分割方式に応じて行うようにしている。
【0032】
例えば、前記分割手段が1組当たり5ビットの分割データを計256組作成した場合、変調手段は256組の各分割データの5ビットの内容を、各分割データの夫々の搬送波の周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に対応するデータとみなし、各分割データの5ビットの内容に応じて各周波数の周波数成分である振幅値及び位相差の値を算出する。
【0033】
このように多数の分割データをQAM変調することにより、1種類の周波数で多ビット(前記例では5ビット)のデータを送信でき、データのビット当たりの占有周波数を抑えて効率的な通信を可能にしている。また、通信に係る全ビットを情報通信に用いることも可能であるが、いずれか1ビットは通信の誤り訂正用、又は、周波数ダイバシティ等に使用して通信の信頼性を向上させることが好ましい。
【0034】
このようにQAM変調することにより、デジタルデータを周波数軸に係るデータに変更できる。上述の例と同様に1組が5ビットである計256組の分割データをQAM変調すると、図3(a)に示すように、各分割データが、周波数軸fxに対して各分割データに応じた振幅値及び位相差の値を有する各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に変換されたグラフになる。
【0035】
また、デジタル処理部24の変換手段は、変調手段により変調された複数の搬送波の周波数成分である振幅値及び位相差の値を時系列データへIFFT変換(高速フーリエ逆変換)により変換するものである。このIFFT変換も環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で行われており、また、変換時期は同期部28によりデータ通信時期と同期が取られている。
【0036】
よって、IFFT変換により図3(a)の各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に係る周波数成分のグラフを変換すると、図3(b)のグラフに示すように、時間tを横軸とする時間軸の正弦波形状の時系列データが生成される。
【0037】
このように周波数成分を時系列データに変換することで、多ビットのデータを有する各周波数成分を時系列データとして並列状態で通信可能となり、通信効率を高めて所要の通信速度を確保できる。また、前記変換はデータ通信と同一周期で同期を取って行うことで、通信される各データの重なり及び間隔が生じる等の不具合も生じない。さらに、送信するデータの搬送波の形状を正弦波形にすることで、接続線11から放射されるノイズを低減し、環状ネットワークシステム10の周囲に位置する機器への悪影響を抑えている。
【0038】
また、上述したように生成された時系列データは、図2に示すように、デジタル処理部24からD/Aコンバータ25へ送出されてアナログデータに変換された後、出力側ローパスフィルタ26へ送出される。出力側ローパスフィルタ26は、送出されたアナログデータの高周波成分を除去し出力アンプ部27へ送出し、さらに、出力アンプ部27は、送出されたアナログデータの電圧を適切なレベルに調節し出力端子13cから送信する。この送信は、送信手段に該当する通信部19が従来と同様に一定の周期で、デジタル処理部24の処理結果に基づき行われるように制御されている。
【0039】
一方、デジタル処理部24が受け付けるデータは他の電装機器から上述したように送信されたアナログの時系列データであり、図2のCDチェンジャ13では入力端子13bから接続線11を通じてアナログの時系列データを受信している。CDチェンジャ13は、入力端子13bで受信したデータを入力アンプ部21でデータ処理に適切な電圧に調節してから、入力側ローパスフィルタ22で高周波成分を除去し、A/Dコンバータ23へ送出している。
【0040】
A/Dコンバータ23は送出されたアナログの時系列データを受け付けると共に、環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で受け付けたデータをサンプリングするサンプリング手段として機能している。なお、このサンプリングを行う時期も同期部28によりデータの通信時期と同期が取られており、1回当たりのサンプリング時間も通信周期にデータ分割数の2倍以上の数値をかけた値の逆数時間になる。A/Dコンバータ23はサンプリングしたアナログデータをデジタルデータへ変換し、変換したデジタルの時系列データをデジタル処理部24へ送出している。
【0041】
デジタル処理部24は、データ受信に係る処理に対し、A/Dコンバータ23から受け付けたデジタルデータに係る再変換手段、算出手段及び復元手段として機能している。
【0042】
再変換手段は、A/Dコンバータ23でサンプリングされて受け付けたデジタルの時系列データを、上述したデータの搬送波の周波数成分にFFT変換(高速フーリエ変換)を用いて再変換するものであり、この再変換も環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で行っている。また、再変換を行う時期は、同期部28でデータ通信の時期と同期を取っている。このように時系列データを再変換することで、元の搬送波の周波数成分である振幅値及び位相差の値を解明でき、時系列データが複数の搬送波の周波数成分を有する場合でも、各搬送波毎の周波数成分を判断可能にしている。
【0043】
よって、再変換手段は、例えば、図3(b)の時間軸に係る時系列データを図3(a)の周波数軸に係る複数の周波数f1、f2、f3、〜f255、f256の周波数成分に戻す変換を行い、各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256毎に振幅値及び位相差の値を解明している。
【0044】
また、デジタル処理部24の算出手段は、再変換された複数の搬送波の周波数に係る周波数成分に基づき、上述した分割手段により生成された複数の分割データに復調して算出するものである。例えば、送信側の電装機器の分割手段が5ビットの分割データを生成していれば、各周波数毎に算出手段が再変換された振幅値及び位相差の値から5ビットの内容を算出している。
【0045】
さらに、デジタル処理部24の復元手段は、算出された複数の分割データを順次結合して、分割前の連続する元のデジタルデータに復元するものである。よって、例えば、分割手段が1280ビット単位の元のデジタルデータを分割して1組が5ビット列の分割データを計256組作成していれば、復元手段は、夫々5ビット列の256組の分割データを結合して1280ビット単位の元のデジタルデータに復元できる。
【0046】
このように復元された元のデジタルデータは、復元を行った電装機器の機能に係る部分で利用される場合は、デジタル処理部24から通信部19を経由して当該電装機器の機能に係る部分へ送出される。また、復元されたデジタルデータが復元を行った電装機器で利用されない場合は、デジタル処理部24で再度送信に係る処理が行われ、出力端子13cから送信される。
【0047】
なお、同期部28は内部に発振子を有しており、入力側ローパスフィルタ22及びA/Dコンバータ23を繋ぐ回路と接続されることで入力されたデータの周期を検出している。よって、同期部28は、この検出した周期に合致させて通信部19、A/Dコンバータ23、デジタル処理部24及びD/Aコンバータ25の各手段を同期させる第1同期手段及び第2同期手段として機能している。
【0048】
上述した変復調部20を備える各電装機器同士のデータ通信に関して、具体的な数値を用いて説明すると、例えば、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信の周期を、図1のCDチェンジャ13のCDドライブ13aのCD読取周期の44.1kHzと同一に設定し、1組当たり6ビットで計256組の分割データを作成した場合、理論上、1秒間に送信できるデータは以下の計算より、44100×256×6=約64Mbitになる。
【0049】
さらに、この通信速度における通信に係る周波数帯域は、
44.1kHz×256=約11.2MHz
となり、FMラジオの周波数帯域より大きく外れた約11.2MHzの周波数帯域でデータ通信が可能になり、FMラジオの通信波が放射ノイズの影響を受けるのを防止すると共に、通信の係る周波数帯域を従来に比べて低く設定して、クロストーク及びジッタ等の発生を防止している。
【0050】
なお、実際にデータを通信する場合は、分割データの複数の搬送波の周波数のいずれかを誤り訂正等に用いて通信の信頼性を高めることが好ましい。よって、上述した通信条件で1秒間に最大64Mbitのデータを通信できる場合でも、実際に通信するデータは50Mbps程度に設定するのが好適である。
【0051】
次に、環状ネットワークシステム10の具体的なデータ通信の状況として、図4のタイムチャートに基づき、一の電装機器に相当するCDチェンジャ13から他の電装機器に相当するアンプ装置14へ、CDチェンジャ13で読み取った音声データを通信する場合を説明する。
【0052】
なお、この具体例ではデータ通信周期を図1のCDチェンジャ13のCDドライブ13aのCD読取周期の44.1kHzと同一に設定しており、また、タイムチャートにおける各時間T1〜T6は、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信周期の逆数の時間を意味している。よって、データ通信周期が44.1kHzであることより、各時間T1〜T6は1/44100秒になる。
【0053】
図4のタイムチャートの最初の時間T1では、CDチェンジャ13の通信部19がCDドライブ13aで読み取られた1番目のデータであるデータd1を出力し、この出力された1番目のデータd1をCDチェンジャ13の変復調部20がサンプリングする。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、このサンプリングしたデータd1を元に分割データを作成してからQAM変調を行う。次の時間T2でCDチェンジャ13の変復調部20は、QAM変調したデータd1のIFFT変換を行うと同時に、CDチェンジャ13の通信部19から出力された2番目のデータd2をサンプリングし、分割及びQAM変調を行う。なお、変復調部20は1回のIFFT変換に係る演算でデータの分割点数分の変換を行っている。
【0054】
時間T3では、CDチェンジャ13の変復調部20がIFFT変換された変換データd1をアナログ状態で出力し、この出力された変換データd1をアンプ装置14の変復調部20がサンプリングしてデジタルに変換する。また、この時間T3でCDチェンジャ13の変復調部20は、前記と同様にデータd2をIFFT変換すると共に通信部19から出力された3番目のデータd3をサンプリングし、データd3の分割及びQAM変調を行う。
【0055】
次の時間T4では、アンプ装置14の変復調部20が変換データd1をFFT変換し、この変換結果を算出して元のデータd1を復元する。なお、アンプ装置14の変復調部20は、1回のFFT変換に係る演算でデータの分割点数の変換を行っている。また、このデータd1の復元と同時にアンプ装置14の変復調部20はCDチェンジャ13から出力された変換データd2をサンプリングしデジタルに変換する。一方、CDチェンジャ13では、変復調部20でデータd3をIFFT変換すると共に通信部19から出力された4番目のデータd4をサンプリングし、データd4の分割及びQAM変調を行っている。
【0056】
また、次の時間T5では、アンプ装置14の変復調部20が、復元したデータd1を出力し、アンプ装置14の通信部19にデータd1が入力されている。さらに、アンプ装置14の変復調部20ではCDチェンジャ13から出力された変換データd3のサンプリング及び変換データd2のFFT変換を行い、元のデータd2を復元している。一方、CDチェンジャ13は、変復調部20で通信部19から出力された5番目のデータd5をサンプリングして分割及びQAM変調を行うと共に、データd4をIFFT変換している。
【0057】
さらに、次の時間T6では、アンプ装置14の通信部19がデータd1を出力し、出力されたデータd1は図1に示す増幅部14aを通じてスピーカ14dから外部へ音声として出力される。このようにスピーカ14dから1番目のデータd1に対する音声が出力されるのは、CDチェンジャ13の通信部19がデータd1を出力してから時間T1〜T6の合計時間の経過後である。
【0058】
また、時間T6以降は、同一の時間周期でデータd2、d3、d4等に対する音声がスピーカ14dから順次出力され、これらデータd2、d3、d4等の出力は、データ通信に係る各段階の処理が同一の周期で同期した状態で行われるため、スピーカ14dからは音声が重なったり途切れたりすることなく、なめらかに連続した状態で出力される。
【0059】
なお、実際の環状ネットワークシステム10では、システムの複数の電装機器から同時にデータが出力されるため、上述した処理に加えて各電装機器がデータ通信方向の上流側から出力されたデータに係る処理も同時に行うことになる。このようなデータ通信の処理状況の一例を、CDチェンジャ13が自身のデータと、CDチェンジャ13の上流側に接続されているテレビチューナから受信したデータとの両データを送信する場合で、図5に示すタイムチャートに基づき説明する。
【0060】
最初の時間T10では、テレビチューナの通信部がデータd10をアナログで出力すると共に、CDチェンジャ13の通信部19がCDドライブ13aで読み取られたデジタルのデータd20を出力する。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、出力されたデータd10をサンプリングしてデジタルにすると共に、データd20をサンプリングしてから分割しQAM変調を行う。
【0061】
次の時間T11でCDチェンジャ13の変復調部20は、デジタル化されたデータd10をFFT変換してデータd10を復元すると共に、QAM変調されたデータd20をIFFT変換している。なお、これら変換処理と同時にCDチェンジャ13の変復調部20は、テレビチューナから出力されたデータd11及び通信部19から出力されたデータd21をサンプリングし、データd21の分割及びQAM変調を行う。
【0062】
さらに、次の時間T12で、CDチェンジャ13の変復調部20はIFFT変換された変換データd20をアナログ状態で出力し、この出力された変換データd20をアンプ装置14の変復調部20がサンプリングしてデジタルに変換する。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、データd11をFFT変換してデータd11を復元すると共に、復元されたデータd10及びQAM変調されたデータd21を組み合わせてIFFT変換している。
【0063】
なお、この時間T12では、CDチェンジャ13の変復調部20は、テレビチューナから出力されたデータd12及び通信部19から出力されたデータd22をサンプリングし、データd22の分割及びQAM変調を行う。
【0064】
次の時間T13で、CDチェンジャ13の変復調部20はIFFT変換された変換データd10、d21を組み合わせて1フレームが有する複数のスロットに夫々収めてアナログ状態で出力する。このように出力することで、CDチェンジャ13のデータとテレビチューナのデータが衝突せずに通信される。また、出力された変換データd10、d21は、アンプ装置14の変復調部20でサンプリングされデジタルに変換される。
【0065】
さらに、この時間T13では、アンプ装置14の変復調部20で変換データd20がFFT変換されて、この変換結果を算出して元のデータd20を復元している。また、時間T13以降のアンプ装置14の処理は、基本的に図4のタイムチャートの時間T5以降の処理と同様であるが、時間T13以降は、CDチェンジャ13のデータ及びテレビチューナのデータの両方がサンプリングされているので、アンプ装置14で出力が設定されているデータソースに該当するデータのみをスピーカ14dから出力するようにしている。
【0066】
なお、この時間T13では、CDチェンジャ13の変復調部20がデータd12をFFT変換して元のデータd12を復元する一方、時間T12で復元されたデータd11及びQAM変調されたデータd22を組み合わせてIFFT変換する一方、テレビチューナから出力されたデータd13及び通信部19から出力されたデータd23をサンプリングし、データd23の分割及びQAM変調を行っている。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、時間T13以降、順次出力等された各データを上記と同様に処理している。
【0067】
このように、環状ネットワークシステム10では、複数の電装機器が同時に上方を出力する場合でも、各データが衝突等を起こすことなく整理した状態でスムーズに通信可能にしている。
【0068】
なお、データ通信は、上述したテレビチューナ、CDチェンジャ13及びアンプ装置14以外でも他の電装機器間で同様に行われる。また、環状ネットワークシステム10は車輌12に構築したシステムで説明したが、建物等の他の箇所に構築することも可能であり、図2に示す変復調部20は、デジタル処理部24、A/Dコンバータ23等が個々に独立させるのではなく、まとめてワンチップ化するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明にあっては、送信側の一の機器で時系列データに変換するため、送信に使用される周波数帯域を変更でき、高速データ通信を行っても送信の周波数帯域を低く抑制でき、ノイズの放射を防止できると共に、良好な通信を妨げるクロストーク及びジッタ等の発生を防止できる。さらに、時系列データの搬送波の形状が正弦波形に変換することで、送信時に放射されるノイズによる他の周囲機器への影響を低減できる。
【0070】
第2発明にあっては、データ通信に係る変換、送信、サンプリング及び再変換に係る各手段を同期させるので、連続するデータが途切れることのないスムーズな通信を実現できる。
【0071】
第3発明、第5発明及び第6発明にあっては、OFDM変調により分割した複数の分割データの搬送波を変調してから送信等に係る各処理を行うため、分割データの個数に基づき送信の周波数帯域を様々に変更できると共に効率的にデータを通信できる。
第4発明にあっては、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調するので、複数の分割データの占有周波数を抑えて効率的なデータ通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る環状ネットワークシステムの要部構成図である。
【図2】変復調部のブロック図である。
【図3】(a)はQAM変調された周波数軸のグラフであり、(b)はIFFT変換された時間軸のグラフである。
【図4】CDチェンジャからアンプ装置へのデータ通信に係るタイムチャートである。
【図5】テレビチューナ及びCDチェンジャの各データをアンプ装置へ通信する場合のタイムチャートである。
【図6】従来の環状ネットワークシステムであり、(a)は全体構成図、(b)は要部構成図である。
【図7】従来の環状ネットワークシステムにおけるデータの搬送波の形状を示す概略図である。
【符号の説明】
10 環状ネットワークシステム
11 接続線
13 CDチェンジャ
14 アンプ装置
19 通信部
20 変復調部
23 A/Dコンバータ
24 デジタル処理部
25 D/Aコンバータ
28 同期部
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状ネットワークシステムにおける機器間のデータ通信に関し、特に、通信に用いる周波数帯域を変更することで、安定した高速データ通信を確保した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種ネットワーク用の電子機器及び電気機器等を環状に接続し、各機器間でデータの通信を一定の周期で行う環状ネットワークシステムが存在している。このような環状ネットワークシステムは種々の箇所に構築されるが、昨今は、多様な電装機器を搭載する車両に構築されることが多い。
【0003】
図6(a)は、車両2に構築された従来の環状ネットワークシステム1を示している。環状ネットワークシステム1は、車載のネットワーク用の電装機器であるCDチェンジャ3、アンプ装置4、ナビゲーション装置5、ハンズフリー電話装置6、ラジオチューナ7及びテレビチューナ8をメタルケーブルの接続線1aによりデイジーチェーン方式で環状に接続している。また、環状ネットワークシステム1ではデータの通信方向が一定であり、図中の矢印方向(反時計方向)で一の電装機器から他の電装機器へデータを通信している。
【0004】
これら各電装機器の基本的な構成は共通しており、自身の機能に係る部分及び通信に係る部分を備えている。例えば、図6(b)に示すように、CDチェンジャ3は自身の機能に係る部分としてCD(コンパクト・ディスク)の音声データを読み出すCDドライブ3a及び通信に係る部分に該当する通信部9を具備する。また、アンプ装置4は自身の機能に係る部分としてスピーカ4bと接続されてデータの増幅を行う増幅部4a及び通信に係る部分である通信部9を具備する。CDチェンジャ3とアンプ装置4の各通信部9は、夫々同様の構成であり、ナビゲーション装置5等の他の電装機器にも設けられている。
【0005】
よって、CDの音声データをスピーカ4cから出力する場合は、CDドライブ3で読み取った音声データをCDチェンジャ3の通信部9へ送出し、通信部9は音声データを図7に示す矩形の搬送波で接続線1aを通じて一定の周期でシリアル送信する。一方、アンプ装置4の通信部9は送信された搬送波を受信して増幅部4aへ送出することで、スピーカ4bから音声データを出力している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
環状ネットワークシステム1は上述した構成でデータを通信しているが、データ通信速度を高速にすると、データの搬送波の周波数が高まり接続線1aよりノイズが放射される。この放射されたノイズは他の電装機器に悪影響を及ぼし、例えば、ラジオチューナ7及びテレビチューナ8等の音声データに放射されたノイズが載り、音質を劣化させる問題がある。また、1秒間に約50Mbitのデータを送信する場合等、データの送信状況によっては、搬送波の周波数とFMラジオの周波数帯域との関係からラジオチューナ7が放射されるノイズの影響を受けやすくなる。
【0007】
さらに、このようなノイズが矩形の搬送波から放射される場合、ノイズが放射されやすくなり、ノイズによる周囲の電装機器への影響が一段と大きくなる。さらに、また、搬送波の周波数が高くなることで、接続線1aを形成するツイストペアの複数のケーブル間で一方のケーブルのノイズが他方のケーブルに混入する漏話(クロストーク)が発生したり、各データの時間的なズレにより正確なデータの搬送が困難になるジッタと云う現象も生じる問題もある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、所要のデータ通信速度を確保した上で、搬送波の周波数帯域を低く抑えることにより、ラジオチューナ等の電装機器が放射ノイズの影響を受けずに安定した通信を可能にした環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、データの搬送波を正弦波の形状にすることで、周囲へ放射するノイズの影響を低減した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、データの搬送波の周波数を低く抑えて通信を行うことにより、良好な通信を妨げるクロストーク及びジッタ等の発生を防止し、安定した通信を確保した環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る環状ネットワークシステムは、複数の機器が環状に接続してあり、一の機器及び他の機器でデータの通信を一定の周期で行う環状ネットワークシステムにおいて、前記一の機器は、データの搬送波を変調する変調手段と、該変調手段が変調した搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換を行う変換手段と、該変換手段が変換を行った時系列データを前記周期で送信を行う送信手段とを備え、前記他の機器は、受信した時系列データを前記周期でサンプリングを行うサンプリング手段と、該サンプリング手段がサンプリングを行った時系列データを前記周波数成分に前記周期で再変換を行う再変換手段と、該再変換手段が再変換を行った周波数成分に基づき前記データを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る環状ネットワークシステムは、前記一の機器は更に、前記変換手段の変換及び送信手段の送信を同期させる第1同期手段を備え、前記他の機器は更に、前記送信手段の送信に対して前記サンプリング手段のサンプリング及び再変換手段の再変換を同期させる第2同期手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る環状ネットワークシステムは、前記一の機器は更に、元のデータを複数の分割データに分割する分割手段を備え、前記変調手段は、前記分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する手段を備え、前記変換手段は、前記変調された複数の搬送波の周波数成分を時系列データに変換する手段を備え、前記再変換手段は、前記時系列データを前記複数の搬送波の周波数成分に再変換する手段を備え、前記算出手段は、前記再変換された複数の周波数成分に基づき前記複数の分割データを算出する手段を備え、前記他の機器は更に、前記算出された複数の分割データを結合して前記元のデータに復元する復元手段を備えることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係る環状ネットワークシステムは、前記変調手段が、前記搬送波の振幅及び位相を変化させる手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るネットワーク用機器は、一定の周期でデータの送信を行うネットワーク用機器において、元のデータを複数の分割データに分割する分割手段と、該分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する変調手段と、該変調手段が変調した複数の搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換する変換手段と、該変換手段が変換した時系列データを前記周期で送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第6発明に係るネットワーク用機器は、外部から一定の周期で送信されたデータを受信するネットワーク用機器において、時系列データを受信する受信手段と、該受信手段が受信した時系列データを前記周期でサンプリングするサンプリング手段と、該サンプリング手段がサンプリングした時系列データを複数の周波数成分に前記周期で再変換する再変換手段と、該再変換手段が再変換した複数の周波数成分に基づき複数のデータを算出する算出手段と、該算出手段が算出した複数のデータを結合して元のデータに復元する復元手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第1発明にあっては、送信側の一の機器で送信するデータの搬送波を変調して時系列データに変換するため、送信に使用される周波数帯域を変更できる。よって、データの通信速度を高めても送信の周波数帯域を低く抑えることができるため、放射されるノイズ量自体を抑え、放射ノイズが周囲の機器へ与える影響を防止できる。また、時系列データの搬送波の形状が正弦波形等のエッジが存在しない波形となるように変換することでも、データを送信する接続線から放射されるノイズによる周囲の機器への影響を低減できる。
【0016】
さらに、送信の周波数帯域を低く抑えるように変更することで、従来、高い周波数帯域での通信の際に発生していたクロストーク及びジッタ等を抑制でき、良好な通信状態を維持できる。なお、一の機器での変換及び送信、並びに、他の機器でのサンプリング及び再変換は全て、環状ネットワークシステムにおけるデータ通信周期に一致させているため、上記のような送信、変換、サンプリング等の各種処理を行っても、確実なデータ送受を行うことができる。
【0017】
第2発明にあっては、一の機器の第1同期手段により変換及び送信に係る処理を同期させると共に、他の機器の第2同期手段により前記送信に対してサンプリング及び再変換も同期させるので、送信する各データ及び受信される各データにおいてデータ同士の重複、データ間隔の不均等化等の不具合を防止して、安定したスムーズな通信を確保できる。
【0018】
第3発明、第5発明及び第6発明にあっては、OFDM(直交周波数分割多重方式)変調として、送信する元のデータから分割した複数の分割データの搬送波を変調するため、分割データの個数に基づき送信の周波数帯域を様々に変更でき、また、データ量が多くても安定したデータ通信を確保できる。
【0019】
さらに、分割データを作成することで、変調手段に種々の変調方式を適用でき、例えば、搬送波の位相を変えて変調するPSK変調(Phase ShiftKeying)、搬送波の振幅の有無により変調を行うASK変調(Amplitude Shift Keying)、搬送波における複数の振幅を用いて変調するFSK変調(Frequency Shift Keying)、搬送波の位相を変化させて変調を行うPSK変調(Phase Shift Keying)、及び、2つの異なる位相の変調波を合成して変換するQPSK(Quadrature PSK)変調等を適用できる。
【0020】
また、このように各分割データの搬送波を種々の方式で変調することにより、データ通信に対する周波数の使用効率も向上でき、各周波数に複数ビットのデータを持たせてパラレル通信できる。
【0021】
なお、上述したデータ通信はメタルケーブルで行うが、変更する周波数帯域をプラスチック光ファイバケーブルの周波数帯域と同等に設定することで、プラスチック光ファイバケーブルを用いて通信を行っていたシステムで、プラスチック光ファイバケーブルに代えてメタルケーブルを用いた高速通信を実現できる。よって、プラスチック光ファイバケーブルの適用が困難な場合、例えば、布設箇所が狭小でありプラスチック光ファイバケーブルの最小屈曲率を確保できないとき、ケーブルが移動部材に布設されて移動に伴う負荷がケーブルに多数回かかるとき等に、本発明に係るシステムを導入してメタルケーブルで通信を行うことにより、安定した通信を確保できる。
【0022】
第4発明にあっては、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調するので、複数の分割データの占有周波数を小さくして効率的なデータ通信を実現できる。このような変調を行う方式としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させて多値化変換を行うQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用するのが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両12に構築された環状ネットワークシステム10の要部構成図である。環状ネットワークシステム10の全体の構成は、図6(a)に示す従来のシステムと同様であり、CDチェンジャ13、アンプ装置14、図示していないナビゲーション装置、ハンズフリー電話装置、ラジオチューナ及びテレビチューナ等のネットワーク用機器に該当する車載の電装機器をツイストペアのメタルケーブルの接続線11で環状に接続している。環状ネットワークシステム10では、一の電装機器及び他の電装機器の間で反時計方向にデータ通信を一定の周期で行っている。
【0024】
本発明に係るCDチェンジャ13及びアンプ装置14等の電装機器は、従来の電装機器と相違する部分として変復調部20を設けており、図1のCDチェンジャ13で説明すると、自身の機能に係るCDドライブ13a及び大規模集積回路で構成されている通信部19に加えて、通信部19とデータの送受可能に接続された変復調部20を設けている。また、この変復調部20はCDチェンジャ13の入力端子13b及び出力端子13cとも接続されている。
【0025】
変復調部20は、外部から入力端子13bを介してCDチェンジャ13が受信したデータに対する処理を行うと共に、出力端子13cから送信するデータに係る処理を行うものである。なお、CDチェンジャ13に設けられている変復調部20は、アンプ装置14等の他の電装機器に設けられているものと同じ構成であり、他の電装機器における変復調部20も上述したCDチェンジャ13における接続構成と同様にしている。
【0026】
図2は、変復調部20の内部の構成を示すブロック図であり、変復調部20は入力端子13bと接続される側から順に、入力アンプ部21、入力側ローパスフィルタ22、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ23、デジタル処理部24、D/A(デジタル/アナログ)コンバータ25、出力側ローパスフィルタ26及び出力端子13cと接続される出力アンプ部27を設けている。さらに、変復調部20は、A/Dコンバータ23、デジタル処理部24及びD/Aコンバータ25と接続される同期部28も設けている。
【0027】
通信部19と接続されるデジタル処理部24は大規模集積回路で構成されており、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信の周期と同一の周期でデータをOFDM変換することにより、実際のデータ通信速度に対して低い周波数帯域で通信を可能にするものである。
【0028】
デジタル処理部24はデータ送信に係る各種処理手段、及び、データ受信に係る各種処理手段を備えており、送信するCD(コンパクト・ディスク)に係る元のデジタルデータを通信部19から受け付けている。また、外部から受信したデジタルデータは、デジタル処理部24で処理された後、通信部19又はD/Aコンバータ25へ送出するようにしている。
【0029】
デジタル処理部24は、データ送信に係る処理に対し、通信部19から受け付けたデータをサンプリングする手段、分割手段、変調手段及び変換手段として機能している。デジタル処理部24のサンプリングする手段は、環状ネットワークシステム10のデータ通信周期の逆数時間で、後述する分割手段によるデータ分割数の2倍以上の回数のサンプリングを行う。よって、例えば、通信周期が44.1kHz、データ分割数が256であれば、1回当たりのサンプリング時間は1/(44100×256×2)秒になる。
【0030】
デジタル処理部24の分割手段は、サンプリングした元のデジタルデータに係る「0」及び「1」のデータ列を複数組の複数ビット列に分割して複数の分割データを作成するものである。分割手段は、元のデジタルデータを種々の分割形態で分割できるようにしており、例えば、1280ビット単位の元のデジタルデータを分割して1組が5ビット列の分割データを計256組作成できる。
【0031】
デジタル処理部24の変調手段は、分割手段で分割された複数の分割データの搬送波を、各分割データの内容に応じて変調処理を行うものである。本実施形態の変調手段は、変調処理として搬送波の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM変調を行う手段を具備しており、このQAM変調は前記分割手段の分割方式に応じて行うようにしている。
【0032】
例えば、前記分割手段が1組当たり5ビットの分割データを計256組作成した場合、変調手段は256組の各分割データの5ビットの内容を、各分割データの夫々の搬送波の周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に対応するデータとみなし、各分割データの5ビットの内容に応じて各周波数の周波数成分である振幅値及び位相差の値を算出する。
【0033】
このように多数の分割データをQAM変調することにより、1種類の周波数で多ビット(前記例では5ビット)のデータを送信でき、データのビット当たりの占有周波数を抑えて効率的な通信を可能にしている。また、通信に係る全ビットを情報通信に用いることも可能であるが、いずれか1ビットは通信の誤り訂正用、又は、周波数ダイバシティ等に使用して通信の信頼性を向上させることが好ましい。
【0034】
このようにQAM変調することにより、デジタルデータを周波数軸に係るデータに変更できる。上述の例と同様に1組が5ビットである計256組の分割データをQAM変調すると、図3(a)に示すように、各分割データが、周波数軸fxに対して各分割データに応じた振幅値及び位相差の値を有する各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に変換されたグラフになる。
【0035】
また、デジタル処理部24の変換手段は、変調手段により変調された複数の搬送波の周波数成分である振幅値及び位相差の値を時系列データへIFFT変換(高速フーリエ逆変換)により変換するものである。このIFFT変換も環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で行われており、また、変換時期は同期部28によりデータ通信時期と同期が取られている。
【0036】
よって、IFFT変換により図3(a)の各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256に係る周波数成分のグラフを変換すると、図3(b)のグラフに示すように、時間tを横軸とする時間軸の正弦波形状の時系列データが生成される。
【0037】
このように周波数成分を時系列データに変換することで、多ビットのデータを有する各周波数成分を時系列データとして並列状態で通信可能となり、通信効率を高めて所要の通信速度を確保できる。また、前記変換はデータ通信と同一周期で同期を取って行うことで、通信される各データの重なり及び間隔が生じる等の不具合も生じない。さらに、送信するデータの搬送波の形状を正弦波形にすることで、接続線11から放射されるノイズを低減し、環状ネットワークシステム10の周囲に位置する機器への悪影響を抑えている。
【0038】
また、上述したように生成された時系列データは、図2に示すように、デジタル処理部24からD/Aコンバータ25へ送出されてアナログデータに変換された後、出力側ローパスフィルタ26へ送出される。出力側ローパスフィルタ26は、送出されたアナログデータの高周波成分を除去し出力アンプ部27へ送出し、さらに、出力アンプ部27は、送出されたアナログデータの電圧を適切なレベルに調節し出力端子13cから送信する。この送信は、送信手段に該当する通信部19が従来と同様に一定の周期で、デジタル処理部24の処理結果に基づき行われるように制御されている。
【0039】
一方、デジタル処理部24が受け付けるデータは他の電装機器から上述したように送信されたアナログの時系列データであり、図2のCDチェンジャ13では入力端子13bから接続線11を通じてアナログの時系列データを受信している。CDチェンジャ13は、入力端子13bで受信したデータを入力アンプ部21でデータ処理に適切な電圧に調節してから、入力側ローパスフィルタ22で高周波成分を除去し、A/Dコンバータ23へ送出している。
【0040】
A/Dコンバータ23は送出されたアナログの時系列データを受け付けると共に、環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で受け付けたデータをサンプリングするサンプリング手段として機能している。なお、このサンプリングを行う時期も同期部28によりデータの通信時期と同期が取られており、1回当たりのサンプリング時間も通信周期にデータ分割数の2倍以上の数値をかけた値の逆数時間になる。A/Dコンバータ23はサンプリングしたアナログデータをデジタルデータへ変換し、変換したデジタルの時系列データをデジタル処理部24へ送出している。
【0041】
デジタル処理部24は、データ受信に係る処理に対し、A/Dコンバータ23から受け付けたデジタルデータに係る再変換手段、算出手段及び復元手段として機能している。
【0042】
再変換手段は、A/Dコンバータ23でサンプリングされて受け付けたデジタルの時系列データを、上述したデータの搬送波の周波数成分にFFT変換(高速フーリエ変換)を用いて再変換するものであり、この再変換も環状ネットワークシステム10のデータ通信周期と同一の周期で行っている。また、再変換を行う時期は、同期部28でデータ通信の時期と同期を取っている。このように時系列データを再変換することで、元の搬送波の周波数成分である振幅値及び位相差の値を解明でき、時系列データが複数の搬送波の周波数成分を有する場合でも、各搬送波毎の周波数成分を判断可能にしている。
【0043】
よって、再変換手段は、例えば、図3(b)の時間軸に係る時系列データを図3(a)の周波数軸に係る複数の周波数f1、f2、f3、〜f255、f256の周波数成分に戻す変換を行い、各周波数f1、f2、f3、〜f255、f256毎に振幅値及び位相差の値を解明している。
【0044】
また、デジタル処理部24の算出手段は、再変換された複数の搬送波の周波数に係る周波数成分に基づき、上述した分割手段により生成された複数の分割データに復調して算出するものである。例えば、送信側の電装機器の分割手段が5ビットの分割データを生成していれば、各周波数毎に算出手段が再変換された振幅値及び位相差の値から5ビットの内容を算出している。
【0045】
さらに、デジタル処理部24の復元手段は、算出された複数の分割データを順次結合して、分割前の連続する元のデジタルデータに復元するものである。よって、例えば、分割手段が1280ビット単位の元のデジタルデータを分割して1組が5ビット列の分割データを計256組作成していれば、復元手段は、夫々5ビット列の256組の分割データを結合して1280ビット単位の元のデジタルデータに復元できる。
【0046】
このように復元された元のデジタルデータは、復元を行った電装機器の機能に係る部分で利用される場合は、デジタル処理部24から通信部19を経由して当該電装機器の機能に係る部分へ送出される。また、復元されたデジタルデータが復元を行った電装機器で利用されない場合は、デジタル処理部24で再度送信に係る処理が行われ、出力端子13cから送信される。
【0047】
なお、同期部28は内部に発振子を有しており、入力側ローパスフィルタ22及びA/Dコンバータ23を繋ぐ回路と接続されることで入力されたデータの周期を検出している。よって、同期部28は、この検出した周期に合致させて通信部19、A/Dコンバータ23、デジタル処理部24及びD/Aコンバータ25の各手段を同期させる第1同期手段及び第2同期手段として機能している。
【0048】
上述した変復調部20を備える各電装機器同士のデータ通信に関して、具体的な数値を用いて説明すると、例えば、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信の周期を、図1のCDチェンジャ13のCDドライブ13aのCD読取周期の44.1kHzと同一に設定し、1組当たり6ビットで計256組の分割データを作成した場合、理論上、1秒間に送信できるデータは以下の計算より、44100×256×6=約64Mbitになる。
【0049】
さらに、この通信速度における通信に係る周波数帯域は、
44.1kHz×256=約11.2MHz
となり、FMラジオの周波数帯域より大きく外れた約11.2MHzの周波数帯域でデータ通信が可能になり、FMラジオの通信波が放射ノイズの影響を受けるのを防止すると共に、通信の係る周波数帯域を従来に比べて低く設定して、クロストーク及びジッタ等の発生を防止している。
【0050】
なお、実際にデータを通信する場合は、分割データの複数の搬送波の周波数のいずれかを誤り訂正等に用いて通信の信頼性を高めることが好ましい。よって、上述した通信条件で1秒間に最大64Mbitのデータを通信できる場合でも、実際に通信するデータは50Mbps程度に設定するのが好適である。
【0051】
次に、環状ネットワークシステム10の具体的なデータ通信の状況として、図4のタイムチャートに基づき、一の電装機器に相当するCDチェンジャ13から他の電装機器に相当するアンプ装置14へ、CDチェンジャ13で読み取った音声データを通信する場合を説明する。
【0052】
なお、この具体例ではデータ通信周期を図1のCDチェンジャ13のCDドライブ13aのCD読取周期の44.1kHzと同一に設定しており、また、タイムチャートにおける各時間T1〜T6は、環状ネットワークシステム10におけるデータ通信周期の逆数の時間を意味している。よって、データ通信周期が44.1kHzであることより、各時間T1〜T6は1/44100秒になる。
【0053】
図4のタイムチャートの最初の時間T1では、CDチェンジャ13の通信部19がCDドライブ13aで読み取られた1番目のデータであるデータd1を出力し、この出力された1番目のデータd1をCDチェンジャ13の変復調部20がサンプリングする。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、このサンプリングしたデータd1を元に分割データを作成してからQAM変調を行う。次の時間T2でCDチェンジャ13の変復調部20は、QAM変調したデータd1のIFFT変換を行うと同時に、CDチェンジャ13の通信部19から出力された2番目のデータd2をサンプリングし、分割及びQAM変調を行う。なお、変復調部20は1回のIFFT変換に係る演算でデータの分割点数分の変換を行っている。
【0054】
時間T3では、CDチェンジャ13の変復調部20がIFFT変換された変換データd1をアナログ状態で出力し、この出力された変換データd1をアンプ装置14の変復調部20がサンプリングしてデジタルに変換する。また、この時間T3でCDチェンジャ13の変復調部20は、前記と同様にデータd2をIFFT変換すると共に通信部19から出力された3番目のデータd3をサンプリングし、データd3の分割及びQAM変調を行う。
【0055】
次の時間T4では、アンプ装置14の変復調部20が変換データd1をFFT変換し、この変換結果を算出して元のデータd1を復元する。なお、アンプ装置14の変復調部20は、1回のFFT変換に係る演算でデータの分割点数の変換を行っている。また、このデータd1の復元と同時にアンプ装置14の変復調部20はCDチェンジャ13から出力された変換データd2をサンプリングしデジタルに変換する。一方、CDチェンジャ13では、変復調部20でデータd3をIFFT変換すると共に通信部19から出力された4番目のデータd4をサンプリングし、データd4の分割及びQAM変調を行っている。
【0056】
また、次の時間T5では、アンプ装置14の変復調部20が、復元したデータd1を出力し、アンプ装置14の通信部19にデータd1が入力されている。さらに、アンプ装置14の変復調部20ではCDチェンジャ13から出力された変換データd3のサンプリング及び変換データd2のFFT変換を行い、元のデータd2を復元している。一方、CDチェンジャ13は、変復調部20で通信部19から出力された5番目のデータd5をサンプリングして分割及びQAM変調を行うと共に、データd4をIFFT変換している。
【0057】
さらに、次の時間T6では、アンプ装置14の通信部19がデータd1を出力し、出力されたデータd1は図1に示す増幅部14aを通じてスピーカ14dから外部へ音声として出力される。このようにスピーカ14dから1番目のデータd1に対する音声が出力されるのは、CDチェンジャ13の通信部19がデータd1を出力してから時間T1〜T6の合計時間の経過後である。
【0058】
また、時間T6以降は、同一の時間周期でデータd2、d3、d4等に対する音声がスピーカ14dから順次出力され、これらデータd2、d3、d4等の出力は、データ通信に係る各段階の処理が同一の周期で同期した状態で行われるため、スピーカ14dからは音声が重なったり途切れたりすることなく、なめらかに連続した状態で出力される。
【0059】
なお、実際の環状ネットワークシステム10では、システムの複数の電装機器から同時にデータが出力されるため、上述した処理に加えて各電装機器がデータ通信方向の上流側から出力されたデータに係る処理も同時に行うことになる。このようなデータ通信の処理状況の一例を、CDチェンジャ13が自身のデータと、CDチェンジャ13の上流側に接続されているテレビチューナから受信したデータとの両データを送信する場合で、図5に示すタイムチャートに基づき説明する。
【0060】
最初の時間T10では、テレビチューナの通信部がデータd10をアナログで出力すると共に、CDチェンジャ13の通信部19がCDドライブ13aで読み取られたデジタルのデータd20を出力する。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、出力されたデータd10をサンプリングしてデジタルにすると共に、データd20をサンプリングしてから分割しQAM変調を行う。
【0061】
次の時間T11でCDチェンジャ13の変復調部20は、デジタル化されたデータd10をFFT変換してデータd10を復元すると共に、QAM変調されたデータd20をIFFT変換している。なお、これら変換処理と同時にCDチェンジャ13の変復調部20は、テレビチューナから出力されたデータd11及び通信部19から出力されたデータd21をサンプリングし、データd21の分割及びQAM変調を行う。
【0062】
さらに、次の時間T12で、CDチェンジャ13の変復調部20はIFFT変換された変換データd20をアナログ状態で出力し、この出力された変換データd20をアンプ装置14の変復調部20がサンプリングしてデジタルに変換する。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、データd11をFFT変換してデータd11を復元すると共に、復元されたデータd10及びQAM変調されたデータd21を組み合わせてIFFT変換している。
【0063】
なお、この時間T12では、CDチェンジャ13の変復調部20は、テレビチューナから出力されたデータd12及び通信部19から出力されたデータd22をサンプリングし、データd22の分割及びQAM変調を行う。
【0064】
次の時間T13で、CDチェンジャ13の変復調部20はIFFT変換された変換データd10、d21を組み合わせて1フレームが有する複数のスロットに夫々収めてアナログ状態で出力する。このように出力することで、CDチェンジャ13のデータとテレビチューナのデータが衝突せずに通信される。また、出力された変換データd10、d21は、アンプ装置14の変復調部20でサンプリングされデジタルに変換される。
【0065】
さらに、この時間T13では、アンプ装置14の変復調部20で変換データd20がFFT変換されて、この変換結果を算出して元のデータd20を復元している。また、時間T13以降のアンプ装置14の処理は、基本的に図4のタイムチャートの時間T5以降の処理と同様であるが、時間T13以降は、CDチェンジャ13のデータ及びテレビチューナのデータの両方がサンプリングされているので、アンプ装置14で出力が設定されているデータソースに該当するデータのみをスピーカ14dから出力するようにしている。
【0066】
なお、この時間T13では、CDチェンジャ13の変復調部20がデータd12をFFT変換して元のデータd12を復元する一方、時間T12で復元されたデータd11及びQAM変調されたデータd22を組み合わせてIFFT変換する一方、テレビチューナから出力されたデータd13及び通信部19から出力されたデータd23をサンプリングし、データd23の分割及びQAM変調を行っている。また、CDチェンジャ13の変復調部20は、時間T13以降、順次出力等された各データを上記と同様に処理している。
【0067】
このように、環状ネットワークシステム10では、複数の電装機器が同時に上方を出力する場合でも、各データが衝突等を起こすことなく整理した状態でスムーズに通信可能にしている。
【0068】
なお、データ通信は、上述したテレビチューナ、CDチェンジャ13及びアンプ装置14以外でも他の電装機器間で同様に行われる。また、環状ネットワークシステム10は車輌12に構築したシステムで説明したが、建物等の他の箇所に構築することも可能であり、図2に示す変復調部20は、デジタル処理部24、A/Dコンバータ23等が個々に独立させるのではなく、まとめてワンチップ化するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明にあっては、送信側の一の機器で時系列データに変換するため、送信に使用される周波数帯域を変更でき、高速データ通信を行っても送信の周波数帯域を低く抑制でき、ノイズの放射を防止できると共に、良好な通信を妨げるクロストーク及びジッタ等の発生を防止できる。さらに、時系列データの搬送波の形状が正弦波形に変換することで、送信時に放射されるノイズによる他の周囲機器への影響を低減できる。
【0070】
第2発明にあっては、データ通信に係る変換、送信、サンプリング及び再変換に係る各手段を同期させるので、連続するデータが途切れることのないスムーズな通信を実現できる。
【0071】
第3発明、第5発明及び第6発明にあっては、OFDM変調により分割した複数の分割データの搬送波を変調してから送信等に係る各処理を行うため、分割データの個数に基づき送信の周波数帯域を様々に変更できると共に効率的にデータを通信できる。
第4発明にあっては、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調するので、複数の分割データの占有周波数を抑えて効率的なデータ通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る環状ネットワークシステムの要部構成図である。
【図2】変復調部のブロック図である。
【図3】(a)はQAM変調された周波数軸のグラフであり、(b)はIFFT変換された時間軸のグラフである。
【図4】CDチェンジャからアンプ装置へのデータ通信に係るタイムチャートである。
【図5】テレビチューナ及びCDチェンジャの各データをアンプ装置へ通信する場合のタイムチャートである。
【図6】従来の環状ネットワークシステムであり、(a)は全体構成図、(b)は要部構成図である。
【図7】従来の環状ネットワークシステムにおけるデータの搬送波の形状を示す概略図である。
【符号の説明】
10 環状ネットワークシステム
11 接続線
13 CDチェンジャ
14 アンプ装置
19 通信部
20 変復調部
23 A/Dコンバータ
24 デジタル処理部
25 D/Aコンバータ
28 同期部
Claims (6)
- 複数の機器が環状に接続してあり、一の機器及び他の機器でデータの通信を一定の周期で行う環状ネットワークシステムにおいて、
前記一の機器は、
データの搬送波を変調する変調手段と、
該変調手段が変調した搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換を行う変換手段と、
該変換手段が変換を行った時系列データを前記周期で送信を行う送信手段と
を備え、
前記他の機器は、
受信した時系列データを前記周期でサンプリングを行うサンプリング手段と、
該サンプリング手段がサンプリングを行った時系列データを前記周波数成分に前記周期で再変換を行う再変換手段と、
該再変換手段が再変換を行った周波数成分に基づき前記データを算出する算出手段と
を備えることを特徴とする環状ネットワークシステム。 - 前記一の機器は更に、
前記変換手段の変換及び送信手段の送信を同期させる第1同期手段を備え、
前記他の機器は更に、
前記送信手段の送信に対して前記サンプリング手段のサンプリング及び再変換手段の再変換を同期させる第2同期手段を備える請求項1に記載の環状ネットワークシステム。 - 前記一の機器は更に、
元のデータを複数の分割データに分割する分割手段を備え、
前記変調手段は、
前記分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する手段を備え、
前記変換手段は、
前記変調された複数の搬送波の周波数成分を時系列データに変換する手段を備え、
前記再変換手段は、
前記時系列データを前記複数の搬送波の周波数成分に再変換する手段を備え、
前記算出手段は、
前記再変換された複数の周波数成分に基づき前記複数の分割データを算出する手段を備え、
前記他の機器は更に、
前記算出された複数の分割データを結合して前記元のデータに復元する復元手段を備える請求項1又は請求項2に記載の環状ネットワークシステム。 - 前記変調手段は、
前記搬送波の振幅及び位相を変化させる手段を備える請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の環状ネットワークシステム。 - 一定の周期でデータの送信を行うネットワーク用機器において、
元のデータを複数の分割データに分割する分割手段と、
該分割手段が分割した複数の分割データの搬送波を変調する変調手段と、
該変調手段が変調した複数の搬送波の周波数成分を時系列データに前記周期で変換する変換手段と、
該変換手段が変換した時系列データを前記周期で送信する送信手段と
を備えることを特徴とするネットワーク用機器。 - 外部から一定の周期で送信されたデータを受信するネットワーク用機器において、
時系列データを受信する受信手段と、
該受信手段が受信した時系列データを前記周期でサンプリングするサンプリング手段と、
該サンプリング手段がサンプリングした時系列データを複数の周波数成分に前記周期で再変換する再変換手段と、
該再変換手段が再変換した複数の周波数成分に基づき複数のデータを算出する算出手段と、
該算出手段が算出した複数のデータを結合して元のデータに復元する復元手段と
を備えることを特徴とするネットワーク用機器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002190849A JP2004040211A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002190849A JP2004040211A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004040211A true JP2004040211A (ja) | 2004-02-05 |
Family
ID=31700655
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002190849A Pending JP2004040211A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 環状ネットワークシステム及びネットワーク用機器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004040211A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005099207A1 (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-20 | Sanyo Electric Co., Ltd. | ネットワークシステム |
| JP2024546971A (ja) * | 2021-12-15 | 2024-12-26 | バイエリッシュ モトーレン ヴェルケ アクチエンゲゼルシャフト | 通信システム用の送信機および受信機、通信システムおよび情報を伝達する方法 |
-
2002
- 2002-06-28 JP JP2002190849A patent/JP2004040211A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2005099207A1 (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-20 | Sanyo Electric Co., Ltd. | ネットワークシステム |
| JP2024546971A (ja) * | 2021-12-15 | 2024-12-26 | バイエリッシュ モトーレン ヴェルケ アクチエンゲゼルシャフト | 通信システム用の送信機および受信機、通信システムおよび情報を伝達する方法 |
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