JP2004040033A - 透光性電磁波シールド材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シールドパターン層による透光性電磁波シールド材を、品質及び生産性良く製造する。
【解決手段】透明基材1上に、パターン状で不透明なシールドパターン層4を有する透光性電磁波シール材10について、例えば、導電性インキの印刷で所望のパターンとした導電性層2上に、電気めっきによって金属めっき層3を形成して、導電性層2と金属めっき層3とでシールドパターン層4を構成する。或いは、透明基材上の全面に無電解めっき層を導電性層として形成した後、ネガパターンでレジスト層を形成後、電気めっきで金属めっき層を形成し、次いで、レジスト層を除去して、金属めっき層は一部残す様にレジスト直下にあった無電解めっき層をエッチングすることで、無電解めっき層による導電性層と金属めっき層とでシールドパターン層としても良い。
【選択図】 図1
【解決手段】透明基材1上に、パターン状で不透明なシールドパターン層4を有する透光性電磁波シール材10について、例えば、導電性インキの印刷で所望のパターンとした導電性層2上に、電気めっきによって金属めっき層3を形成して、導電性層2と金属めっき層3とでシールドパターン層4を構成する。或いは、透明基材上の全面に無電解めっき層を導電性層として形成した後、ネガパターンでレジスト層を形成後、電気めっきで金属めっき層を形成し、次いで、レジスト層を除去して、金属めっき層は一部残す様にレジスト直下にあった無電解めっき層をエッチングすることで、無電解めっき層による導電性層と金属めっき層とでシールドパターン層としても良い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の窓ガラス面等の建材分野、或いは、PDP(プラズマディスプレイパネル)の前面光学フィルター等の電気機器分野等にて、高透光性を必要とする電磁波シールド材として利用可能な、透光性電磁波シールド材と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気機器から放出される電磁波、或いは電気機器に外部から進入する電磁波の悪影響を防ぐ為に、電気機器のハウジングに、金属層等の導電性層を設けることで、内部から外部への電磁波、或いは外部から内部への電磁波を、該導電性層で反射・吸収・減衰させて、電磁波シールド機能を付与している。主な、電磁波シールド方法としては、例えば、ハウジング自体に金属材料を使用する方法、或いは、銅、ハウジングに対して、ニッケル、等の導電性金属の真空蒸着、電解又は無電解めっき処理、或いは導電性塗料の塗布処理を施す方法等がある。
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の通常の電磁波シールド技術では、例えば前記した窓やPDP等、シールド部分を透かして物が見える様な用途に対しては、透光性は得られない。
そこで、透光性と電磁波シールド性能との両方の機能を有する透光性電磁波シールド材を得る方法として、例えば、樹脂シート等の透明基材上に、導電性インキをスクリーン印刷して細線パターンの導電性インキ層からなるシールドパターン層を形成し、その開口部分で透光性を維持しつつ、導電性インキ層のシールドパターン層によって電磁波シールド性能を確保する方法(特開平2−52499号公報等参照)等が提案されている。
或いは、また、樹脂シート等の透明基材上に、アルミニウム、金、銀、ニッケル、銅等の金属皮膜からなる金属層を設け、これに所望のパターンにレジスト層をスクリーン印刷した後、エッチング処理して、金属層をパターン状に形成してシールドパターン層とする方法(特開2000−315890号公報等参照)等も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シールドパターン層となる細線のパターンを形成する場合、導電性インキやレジストインキを、スクリーン印刷で形成すると、スクリーン印刷は通常は枚葉印刷形式であり、印刷速度も遅く、従って、生産性が悪い。また、上記インキをオフセット印刷で形成する方法も考えられるが、オフセット印刷では連続帯状の基材を用いた連続印刷が可能となるが、印刷性の良し悪しが、オペレータの技術(熟練度)に係って来るので、品質の安定性が望めないといった問題点があった。
【0005】
すなわち、本発明の課題は、高透光性が可能な透光性電磁波シールド材の製造方法として、細線からなるパターン状のシールドパターン層であっても、高透光性及び電磁波シールド性能等の品質及び生産性良く製造できる様にすることである。また、それによる透光性電磁波シールド材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決すべく、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法では、透明基材の表面に、パターン状のシールドパターン層を有する透光性電磁波シール材の製造方法において、露出している部分をフレキソ印刷により所望のパターンとした導電性層上に、電気めっきによって金属めっき層を形成することで、前記導電性層及び該金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、製造方法とした。
【0007】
この様な製造方法とすることで、シールドパターン層のパターン形成は、フレキソ印刷で行う為に、その印刷機自体の仕組みが簡単であり、オフセット印刷の様にオペレータの熟練度によって印刷品質が左右される事が少ない。しかも、スクリーン印刷と同等以上の精度でパターンを連続的に形成することが可能となり、生産性が良い。また、シールドパターン層はその構成層として金属めっき層を電気めっきで形成する為に、無電解めっきに比べてめっき層の金属の析出速度が速く効率的であり、この点でも生産性が良い。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0008】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、上記製造方法の好ましい一具体例として、(A)透明基材の表面に、導電性インキをフレキソ印刷して所望のパターンとして導電性層を形成し、(B)次いで、該導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成して、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、上記(A)〜(B)の各工程をこの順に行う構成の製造方法とした。
【0009】
この様な製造方法とすることで、導電性インキの印刷でパターン形成する形態てに、上述した効果を同様に享受できる。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0010】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、前記製造方法の別の好ましい一具体例として、(A)透明基材の表面に、無電解めっきによって金属皮膜からなる導電性層を全面に形成し、(B)次いで、フレキソ印刷によって電離放射線硬化型インキで、所望のパターンに対するネガ型のパターンとしてレジスト層を形成し、(C)次いで、レジスト非形成部として露出している導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成し、(D)次いで、レジスト層を除去した後、金属めっき層は残るがレジスト形成部分の導電性層は残らない程度にエッチングを行い、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、上記(A)〜(D)の各工程をこの順に行う構成の製造方法とした。
【0011】
この様な製造方法とすることで、レジスト層でパターン形成してエッチングを行う形態にて、前述した効果を同様に享受できる。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0012】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、上記いずれかの製造方法において、そのパターンを、格子、ストライプ、幾何学模様等の細線からなるパターンとして形成する様にした。
【0013】
この様な製造方法とすることで、不透明部分となるシールドパターン層は、細い細線で構成されるので、シールドパターン層の非形成部となる開口部を高開口率とする事が可能となり、電磁波シールド性能を維持しつつ高透光性が容易に得られる。
【0014】
また、本発明の透光性電磁波シールド材は、上記いずれかの製造方法によって製造されて成るシールド材である。
この様な透光性電磁波シールド材とすることで、高透光性及び電磁波シールド性能の品質及び性能が良好なシールド材となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施の形態を説明する。
【0016】
〔概要〕
先ず、図1及び図2の説明図で、本発明を概説する。図1に例示する形態では、最初に、図1(A)の如く、透明基材1上に、所望のパターンとして導電性インキをフレキソ印刷して導電性インキ層として導電性層2を形成した後、図1(B)の如く、導電性層2上に電気めっきで金属めっき層3を形成することで、導電性層2及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を形成して、透光性電磁波シールド材10を得る形態である。
一方、図2に例示する別の形態では、先ず、図2(A)の如く、透明基材1上の全面に無電解めっきして金属皮膜からなる無電解めっき層として導電性層6を形成しておく。次いで、図2(B)の如く、所望のパターンのネガパターンとして、電離放射線硬化型インキをフレキソ印刷してレジスト層7を形成後、図2(C)の如く、電気めっきで金属めっき層3をレジスト非形成部に形成する。この後、図2(D)の如く、レジスト層7を除去した後、図2(E)の如く、エッチングしてレジスト形成部分の導電性層6を除去して、導電性層6及び金属めっき層3としてシールドパターン層4を形成して、透光性電磁波シールド材10を得る形態である。なお、最初の無電解めっき時は、通常、無電解めっき触媒にて活性化して活性化層5を透明基材1上に形成しておく。
なお、これら説明した形態にて、シールドパターン層4のパターンは、例えば、図3の平面図で例示の様な、細線Lからなる正方格子柄である。
【0017】
〔導電性層の露出部分のパターン化〕
本発明では、シールドパターン層の一構成層として金属めっき層を設ける。そして、この金属めっき層を所望のパターンとして形成する為に、金属めっき層の析出速度が速くて生産性の点で有利で且つ厚膜化も可能な電気めっき法を採用する。但し、電気めっき法の場合、金属めっき層の形成面は導電性としておくことが必要であるので、この性質を利用して、透明基材上の電気めっきの対象面のうち、金属めっき層を形成する部分には、予めフレキソ印刷を利用して所望のパターンの導電性面として導電性層をパターン化しておく。導電性面を所望のパターンとするには、導電性層2自体を該パターンで最初から形成する方法と、全面の導電性層6に対して所望のパターンとは逆パターンの層で被覆して、結果として露出している導電性層6の部分が所望のパターンの導電性面とする方法とがある。
【0018】
上記所望のパターンの導電性面をフレキソ印刷で形成する方法としては、基本的には特に制限は無いが、本発明では、特に、(1)導電性インキのフレキソ印刷で導電性層2自体をパターンとして形成する方法〔図1参照〕と、(2)金属からなる全面の導電性層6面に対して、ネガ型のパターン(つまり所望のパターンと逆のパターン)でレジスト層をフレキソ印刷で形成する方法〔図2参照〕を、好ましい形態として採用する。
【0019】
なお、本発明では、前者の(1)による透光性電磁波シールド材の製造方法を、「ポジ型形態の製造方法」と呼び、後者の(2)による透光性電磁波シールド材の製造方法を「ネガ型形態の製造方法」と、便宜上呼ぶことにする。
そして、後者の「ネガ型形態の製造方法」の場合では、導電性層自体は最初は全面に形成され該層自体はパターンとして形成されて無いが、逆パターンとしてその上に形成されるレジスト層により、レジスト非形成部分として導電性層のうち外部に露出している部分のパターンが、所望のパターンとなっている。また、この形態では、最初は全面に形成されている導電性層は、それが不透明であっても、最終的にはエッチングで不要な部分を除去し透光性を確保することができる。
【0020】
〔パターンの形状〕
最終的にシールドパターン層のパターンの元となる導電性層露出部分のパターンは、基本的には、要求される電磁波シールド性能が確保され、且つそのパターン非形成部分によって必要な透光性も確保されるものであれば、特に制限は無い。しかし、電磁波シールド性能と共に高い透光性を確保するには、好ましくは、パターンの形状は、細線から構成されるものが良い。これによって、シールドパターン層の非形成部分を高開口率とすることが可能となり、高透光性が実現できる。
【0021】
細線から構成されるパターンの形状としては、例えば、格子柄、ストライプ柄、或いは、煉瓦積み模様等の幾何学模様等である。なお、格子柄としては、正方格子の他、三角格子、六角格子等のその他の多角形格子等でも良い。また、例えば、正方格子等の四角格子でも、格子形状が長方形のもの、或いは斜め形状のもの等も可能である。なお、細線で囲われる領域、つまり開口部A〔図3参照〕が、その全周囲で細線によって囲繞されているパターンの他、囲繞されていない部分があるパターンでも良い。その極端な例がストライプ柄である。
【0022】
なお、格子柄は、全ての開口部がその形状及びサイズ共に同一で且つ二次元的に規則的に配置されている場合のパターンの他に、不揃いな要素があっても良い。例えば、格子柄は、開口部の形状、サイズのいずれか一方或いは両方が全ての開口部において同一では無いか、開口部の形状及びサイズが同一であっても二次元的に不規則配置された部分を有するか(線幅が同一でないことになる)、或いはこれら両方の要素を有するパターンでも良い。
【0023】
なお、細線の線幅Wは〔図4参照〕、要求される透光性及び電磁波シールド性能を損なわない線幅とすれば良い。例えば、線幅は1〜300μm程度とする。但し、より好ましくは、下限は5μm以上とし、上限は200μm以下、より好ましくは100μm以下とするのが良い。線幅が細くなると断線等が発生し易くなり、また線幅が太くなると開口率が低下し透光性が低下する。これらの点で、線幅は上記の範囲とするのが好ましい。なお、線幅は全て均一な太さで無くても良い。
【0024】
また、開口部Aが全面積に閉める面積割合、すなわち、開口率Orは、透視性と電磁波シールド性能を両立させる為には、60〜90%の範囲が好ましい。開口率を60%未満にすると透光性が損なわれ、開口率を90%超過にすると、電磁波シールド性能を十分に得難い他、シールドパターン層部分の線幅が細くなり印刷時の欠陥が目立つようになる。
【0025】
なお、開口率Orとは、シールドパターン層が形成されていない部分である開口部が、全面積に占める割合であるが、シールドパターン層のパターンが、例えば図3で示す様な正方格子柄の場合で言えば、該正方格子の配列方向である縦横各々の方向について、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとを定義した時に、開口率Or〔%〕={(Sa×Sb)/(Pa×Pb)}×100 によって算出される値である。
なお、線間スペースは、要求される電磁波シールド性能、透光性等の用途に応じて決めれば良いが、通常、50〜500μm程度すると、電磁波シールド性能と透光性を良好にして両立できる。
【0026】
〔透明基材〕
次に、用いる透明基材1としては、透明なものであれば良く、例えば、基材の材質としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、或いは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料、或いはガラス等の無機材料が使用される。なお、基材の形状は、通常はシート(フィルム)、平板等である。シートや平板の厚さは特に制限は無いが、用途により、例えばシートでは50〜500μm、板では1〜10mm等である。なお、透明基材の表面には、必要に応じて適宜、コロナ放電処理、オゾン吹付処理、プラズマ処理、プライマー層形成等の易接着処理を施す。
【0027】
〔導電性インキ〕
導電性インキは、ポジ型形態の製造方法に於いて導電性層2の形成に用いるものであり、該インキによる導電性インキ層として形成された導電性層2それ自体がシールドパターン層4の一部を構成するものでもある。但し、導電性インキ層2のみでは十分な電磁波シールド性能能を発揮させる点で不十分なので、本発明では、更にその上に電気めっきによる金属めっき層3を形成して、これら両層でシールドパターン層4とする。
【0028】
導電性インキ層をスクリーン印刷で形成する為の導電性インキとしては、公知の導電性インキを適宜使用すれば良い。この様な導電性インキは、金属等の導電性粉末を樹脂バインダー中に分散させたインキを使用できる。導電性粉末としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄等の金属が使用できる。また導電性粉末としては、必要に応じカーボンブラック、黒鉛等の非金属粒子も適宜添加したインキも使用できる。一方、樹脂バインダーに使用する樹脂としては、透明基材の材質、要求物性等に応じた公知の樹脂を適宜選択使用すれば良い。例えば、該樹脂としては、ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、或いは紫外線や電子線で硬化させる電離放射線硬化性樹脂等を、1種単独或いは2種以上の混合樹脂として用いる。
【0029】
〔金属めっき層〕
次に、金属めっき層3は、透明基材上の面を、導電性インキからなる導電性層2によるポジ型のパターンによるか、或いは無電解めっきによる全面の導電性層6上をネガ型のパターンとして被覆するレジスト層7によって、所望のパターンとなった導電性面に対して、電気めっき法により形成する。
金属めっき層3の金属としては、特に制限は無く、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、コバルト等を用途に応じて適宜選択使用すれば良い。但し、鉄、銅、銀等の錆び易い金属を採用する場合には、金属の酸化を防ぐために、更に、公知の防錆処理、或いは、全面に透明樹脂層を塗工形成する等しても良い。なお、金属めっき層の厚みは1μm以上とするのが電磁波シールド性能の点で好ましく、また1μm以上としても、電気めっきで形成するので、生産性良く形成できる。
【0030】
〔無電解めっき層による導電性層〕
無電解めっき層による導電性層6は、ネガ型形態の製造方法に於いて採用されるものであり、また、無電解めっき層として形成された導電性層6それ自体もシールドパターン層4の一部を構成するものでもある。但し、無電解めっきでは、生産性良く厚膜(1μm以上)形成できず、従って、生産性を考慮すると無電解めっき層による導電性層6のみでは、十分な電磁波シールド性能を発揮させる点で不十分である。この為、本発明では、更にその上に電気めっきによる金属めっき層3を形成して、これら両層でシールドパターン層4とする。この際、そのままでは、金属めっき層が全面に形成されてしまうので、金属めっき層の非形成部とする部分に対してレジスト層7を形成しておく。
【0031】
無電解めっきで導電性層6を形成するには、公知の無電解めっき浴によって行えば良い。無電解メッキで形成する無電解メッキ層の金属としては、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、白金、コバルト等である。無電解めっき層としての導電性層は、それ全てで電磁波シールド性能を出す必要は無く、その上に電気めっきできれば良く、従って、厚みは2μm、或いは更に1μm以下でも良い。
【0032】
〔活性層〕
なお、無電解めっき時は、その前処理としてめっき処理面を無電解メッキ触媒で活性化処理を行い、活性層5を形成しておく。無電解メッキ触媒としては、パラジウム、金、銀、白金等の貴金属のコロイド状の微粒子を使用することができる。なかでもパラジウム系触媒が代表的である。
【0033】
〔レジスト層〕
また、レジスト層7は、電離放射線硬化型インキをフレキソ印刷して形成する。なお、電離放射線とは、紫外線、電子線等であり、紫外線硬化型インキを使用する場合には、紫外線の照射でインキを硬化させ、電子線硬化型インキを使用する場合には、電子線の照射でインキを硬化させれば良い。レジスト層に用いるインキとしては、基本的には公知のレジストインキを適宜用いれば良い。但し、電離放射線硬化型インキを用いれば、硬化も早く生産性の点で有利である。この様な電離放射線硬化型インキは、その電離放射線硬化性樹脂として、例えば、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系等のアクリレート系樹脂を使用することができる。
【0034】
〔エッチング〕
電気めっきにて金属めっき層を上記レジスト層の非形成部に形成した後は、該レジスト層は除去した後、エッチングを行う。レジスト層の除去によって、レジスト層形成部の下にあった、無電解めっきで形成した無電解めっき層からなる導電性層6は露出し、該導電性層6をエッチングにより除去することができる。これにより、シールドパターン層4を構成する金属めっき層3の非形成部分に存在する導電性層6は除去されて、シールドパターン層4の非形成部分の透光性が確保される。なお、レジスト層の除去は、アルカリや酸等を用いた公知の剥離液を使用すれば良い。また、エッチングには、導電性層となる無電解めっき層に用いる金属に応じた、公知のエッチング液を適宜使用すれば良い。例えば、金属が銅である場合には、塩化第二鉄系のエッチング液を使用する等である。
【0035】
なお、エッチングの際は、導電性層6の除去と共に、金属めっき層3もエッチングされて、その厚みが減少するが、厚み減少分も見込んで、金属めっき層を電気めっきしておけば問題無い。また、導電性層6の厚み(通常1μm以下)に比べて、金属めっき層3はより厚い層として設けられる様に、電気めっきにて形成するものであり、過剰なエッチングに注意さえすれば、金属めっき層は残るがレジスト形成部分の導電性層は残らない程度にエッチングできる。
【0036】
〔シールドパターン層〕
シールドパターン層4は、上述した如く、導電性層2又は6と該導電性層2又は6上の電気めっきによる金属めっき層3とから構成され、電磁波シールド性を付与できるが不透明な層であり、そのパターン形成にフレキソ印刷を利用して形成される層である。そして、図1を参照して説明した「ポジ型形態の製造方法」では、シールドパターン層4は、導電性インキ層からなる導電性層2と、その上の金属めっき層3とから構成される。一方、図2を参照して説明した「ネガ型形態の製造方法」では、無電解めっきによる無電解めっき層からなる導電性層6と、該導電性層6上の金属めっき層3とから構成される。
【0037】
〔透光性電磁波シールド材の用途〕
ところで、本発明による透光性電磁波シールド材は、上述の如き製造方法で得られた透光性と共に電磁波シールド性も有する電磁波シールド材であり、その層構成は、例えば図1(B)や図2(E)として説明された、透光性電磁波シールド材10の如き構成である。
すなわち、図1(B)の断面図で例示される透光性電磁波シールド材10は、透明基材1上に、好ましくは細線を用いて構成されたパターンとして、導電性インキのフレキソ印刷で形成された導電性インキ層からなる導電性層2の部分のみに、電気めっきにて形成された金属めっき層3を有し、これら導電性層2及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を有する構成の、透光性の電磁波シールド材である。
また、図2(E)の断面図で例示される透光性電磁波シールド材10は、透明基材1上に、無電解めっき触媒による活性層5を適宜介して、無電解めっきによる無電解めっき層6の部分のみに、フレキソ印刷を利用して好ましくは細線を用いて構成されたパターンとして、電気めっきによて形成された金属めっき層3を有し、これら導電性層6及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を有する構成の、透光性の電磁波シールド材である。
【0038】
〔透光性電磁波シールド材の用途〕
本発明による透光性電磁波シールド材の用途は、透光性(或いは透視性)が要求される用途が好適であり、例えば、電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等の表示部分、建築物の外壁や内壁の窓ガラス等である。
【0039】
【実施例】
次に実施例及び比較例により本発明を更に説明する。
【0040】
〔実施例1〕
図1で例示した如き製造方法で、図1(B)の断面図で示す如き透光性電磁波シールド材10を作製した。
【0041】
易接着処理された厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明基材1上に、ITO(インジウムをドーピングした酸化スズ)粉末を含有する紫外線硬化型の導電性インキをフレキソ印刷して、正方格子柄の導電性インキ層からなる、導電性層2を形成した〔図1(A)参照〕。
【0042】
上記フレキソ印刷時の印刷版Fpの版面上に於ける正方格子柄のパターンとしては、図4(A)及び図4(B)の2種類の格子パターンを、各3種類の線幅で使用した。すなわち、図4(A)及び(B)中、(1)細線Lの線幅W=40μm、線間スペースS=250μm、(2)細線Lの線幅W=30μm、線間スペースS=250μm、(3)細線Lの線幅W=20μm、線間スペースS=250μm、の3種類のサイズで、合計6種類のパターンで行った。また、図4(A)は、細線Lが全て印刷方向に対して平行又は直角となるパターンであり、図4(B)は細線Lが全て印刷方向に対して斜め(45°)になるパターンである。
【0043】
そして、導電性層2を形成した後、硫酸銅系の電気銅めっき浴に浸漬して電気めっきして、導電性層2の部分にのみ銅の金属めっき層3を形成した。その結果、導電性層2及び金属めっき層3としてシールドパターン層4が形成された、図1(B)の断面図の如き所望の透光性電磁波シールド材10が得られた。
【0044】
得られた透光性電磁波シールド材の電磁波シールド性能を測定したところ、1GHz以下、及び1〜5GHzの周波数領域で、それぞれ40〜50dBの性能が得られた。また、開口率は75%以上が得られ、透光性も良好であった。なお、開口率は図3で示した様な、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとから算出した。
【0045】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、導電性層2の形成時の印刷方式を、フレキソ印刷からグラビア印刷に変更した他は、実施例1同様にして、透光性電磁波シールド材を作製した。
その結果、導電性層とする導電性インキ層の印刷時に、全面に、インキの泳ぎ、ドクター筋、線の太りが観察された。また、電気めっきの際には、印刷時のこれら欠点の為に、金属めっき層の良好なるパターンが形成できず、品質の劣るものであった。
【0046】
〔実施例2〕
図2で例示した如き製造方法で、図2(E)の断面図で示す如き透光性電磁波シールド材10を作製した。
【0047】
先ず、易接着処理された厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明基材1上に、パラジウム系の無電解めっき触媒液を塗布して、全面を活性化処理して活性層5を形成した後、無電解めっきにて銅の厚み1μmの無電解めっき層として導電性層6を全面に形成した〔図2(A)参照〕。
【0048】
次いで、導電性層6の面に、紫外線硬化型のレジストインキをフレキソ印刷して、レジスト層非形成部分が細線となる、正方格子柄のレジスト層7を形成した〔図2(B)参照〕。
なお、フレキソ印刷時の印刷版Fpの版面上に於ける正方格子柄のパターンとしては、実施例1の場合と同様に、図4(A)及び図4(B)の様な2種類の格子パターンを、各3種類の線幅で使用した。但し、レジスト層はネガパターンとして形成するので、印刷版の版面は実施例1に対して版面凸部が逆のネガの関係となる。
【0049】
次に、硫酸銅系の電気銅めっき浴に浸漬して電気めっきして、レジスト層7の非形成部分に露出している導電性層6の部分にのみ、銅の厚み20μmの金属めっき層3を形成した〔図2(C)参照〕。
次いで、アルカリ系の剥離液でレジスト層7を除去して、レジスト層7直下の導電性層6を露出させた〔図2(D)参照〕。
【0050】
次に、50℃の塩化第二鉄系のエッチング液に30秒間浸漬してエッチングし、レジスト層直下に存在した導電性層6を溶解、除去した。なお、金属めっき層3も一部エッチングされたが、10μm前後の厚み分は残すことができた。その結果、導電性層6及び金属めっき層3としてシールドパターン層4が形成された、図2(E)の断面図の如き所望の透光性電磁波シールド材10が得られた。
【0051】
得られた透光性電磁波シールド材の電磁波シールド性能を測定したところ、1GHz以下、及び1〜5GHzの周波数領域で、それぞれ40〜50dBの性能が得られた。また、開口率は75%以上が得られ、透光性も良好であった。なお、開口率は図3で示した様な、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとから算出した。
【0052】
〔比較例2〕
実施例2に於いて、レジスト層7の形成時の印刷方式を、フレキソ印刷からグラビア印刷に変更した他は、実施例1同様にして、透光性電磁波シールド材を作製した。
その結果、レジスト層の印刷時に、全面に、インキの泳ぎ、ドクター筋、線の細りが観察された。また、電気めっきの際には、印刷時のこれら欠点の為に、金属めっき層の良好なるパターンが形成できず、品質の劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】
(1)本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法によれば、オフセット印刷を利用して製造する場合の様に、オペレータの熟練度に印刷品質が左右される事が少ない。しかも、スクリーン印刷と同等以上の精度で所望のパターンを連続形成することが可能となり、生産性良く透光性電磁波シールド材を製造できる。また、シールドパターン層の構成層として金属めっき層を電気めっきで形成する為に、無電解めっきに比べてめっき層の金属の析出速度が速く効率的であり、この点でも生産性が良い。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0054】
(2)また、導電性インキの印刷でパターン形成する形態でも、上記効果を同様に享受できる。
(3)また、レジスト層でパターン形成してエッチングを行う形態でも、前記効果を同様に享受できる。
(4)また、シールドパターン層のパターンを細線で構成すれば、不透明部分となるシールドパターン層であっても、その非形成部となる開口部を高開口率とする事が可能となり、電磁波シールド性能を維持しつつ高透光性が容易に得られる。
【0055】
(5)また、本発明の透光性電磁波シールド材によれば、高透光性及び電磁波シールド性能の品質及び性能が良好なシールド材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透光性電磁波シールド材の製造方法の一形態(ポジ型形態の製造方法)を概念的に説明する説明図。
【図2】本発明による透光性電磁波シールド材の製造方法の別の一形態(ネガ型形態の製造方法)を概念的に説明する説明図。
【図3】開口率の計算方法を、パターンが四角形の格子柄の場合で説明する平面図。
【図4】(ポジ型の)パターン形成時の印刷版のパターンを例示する平面図。
【符号の説明】
1 透明基材
2 導電性層(導電性インキ層)
3 金属めっき層
4 シールドパターン層
5 活性化層
6 導電性層(無電解めっき層)
7 レジスト層
10 透光性電磁波シールド
A 開口部
Fp 印刷版
L 細線
Or 開口率
Pa、Pb 格子周期
S、Sa、Sb 線間スペース
W 線幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の窓ガラス面等の建材分野、或いは、PDP(プラズマディスプレイパネル)の前面光学フィルター等の電気機器分野等にて、高透光性を必要とする電磁波シールド材として利用可能な、透光性電磁波シールド材と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気機器から放出される電磁波、或いは電気機器に外部から進入する電磁波の悪影響を防ぐ為に、電気機器のハウジングに、金属層等の導電性層を設けることで、内部から外部への電磁波、或いは外部から内部への電磁波を、該導電性層で反射・吸収・減衰させて、電磁波シールド機能を付与している。主な、電磁波シールド方法としては、例えば、ハウジング自体に金属材料を使用する方法、或いは、銅、ハウジングに対して、ニッケル、等の導電性金属の真空蒸着、電解又は無電解めっき処理、或いは導電性塗料の塗布処理を施す方法等がある。
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の通常の電磁波シールド技術では、例えば前記した窓やPDP等、シールド部分を透かして物が見える様な用途に対しては、透光性は得られない。
そこで、透光性と電磁波シールド性能との両方の機能を有する透光性電磁波シールド材を得る方法として、例えば、樹脂シート等の透明基材上に、導電性インキをスクリーン印刷して細線パターンの導電性インキ層からなるシールドパターン層を形成し、その開口部分で透光性を維持しつつ、導電性インキ層のシールドパターン層によって電磁波シールド性能を確保する方法(特開平2−52499号公報等参照)等が提案されている。
或いは、また、樹脂シート等の透明基材上に、アルミニウム、金、銀、ニッケル、銅等の金属皮膜からなる金属層を設け、これに所望のパターンにレジスト層をスクリーン印刷した後、エッチング処理して、金属層をパターン状に形成してシールドパターン層とする方法(特開2000−315890号公報等参照)等も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、シールドパターン層となる細線のパターンを形成する場合、導電性インキやレジストインキを、スクリーン印刷で形成すると、スクリーン印刷は通常は枚葉印刷形式であり、印刷速度も遅く、従って、生産性が悪い。また、上記インキをオフセット印刷で形成する方法も考えられるが、オフセット印刷では連続帯状の基材を用いた連続印刷が可能となるが、印刷性の良し悪しが、オペレータの技術(熟練度)に係って来るので、品質の安定性が望めないといった問題点があった。
【0005】
すなわち、本発明の課題は、高透光性が可能な透光性電磁波シールド材の製造方法として、細線からなるパターン状のシールドパターン層であっても、高透光性及び電磁波シールド性能等の品質及び生産性良く製造できる様にすることである。また、それによる透光性電磁波シールド材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決すべく、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法では、透明基材の表面に、パターン状のシールドパターン層を有する透光性電磁波シール材の製造方法において、露出している部分をフレキソ印刷により所望のパターンとした導電性層上に、電気めっきによって金属めっき層を形成することで、前記導電性層及び該金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、製造方法とした。
【0007】
この様な製造方法とすることで、シールドパターン層のパターン形成は、フレキソ印刷で行う為に、その印刷機自体の仕組みが簡単であり、オフセット印刷の様にオペレータの熟練度によって印刷品質が左右される事が少ない。しかも、スクリーン印刷と同等以上の精度でパターンを連続的に形成することが可能となり、生産性が良い。また、シールドパターン層はその構成層として金属めっき層を電気めっきで形成する為に、無電解めっきに比べてめっき層の金属の析出速度が速く効率的であり、この点でも生産性が良い。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0008】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、上記製造方法の好ましい一具体例として、(A)透明基材の表面に、導電性インキをフレキソ印刷して所望のパターンとして導電性層を形成し、(B)次いで、該導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成して、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、上記(A)〜(B)の各工程をこの順に行う構成の製造方法とした。
【0009】
この様な製造方法とすることで、導電性インキの印刷でパターン形成する形態てに、上述した効果を同様に享受できる。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0010】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、前記製造方法の別の好ましい一具体例として、(A)透明基材の表面に、無電解めっきによって金属皮膜からなる導電性層を全面に形成し、(B)次いで、フレキソ印刷によって電離放射線硬化型インキで、所望のパターンに対するネガ型のパターンとしてレジスト層を形成し、(C)次いで、レジスト非形成部として露出している導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成し、(D)次いで、レジスト層を除去した後、金属めっき層は残るがレジスト形成部分の導電性層は残らない程度にエッチングを行い、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、上記(A)〜(D)の各工程をこの順に行う構成の製造方法とした。
【0011】
この様な製造方法とすることで、レジスト層でパターン形成してエッチングを行う形態にて、前述した効果を同様に享受できる。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0012】
また、本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法は、上記いずれかの製造方法において、そのパターンを、格子、ストライプ、幾何学模様等の細線からなるパターンとして形成する様にした。
【0013】
この様な製造方法とすることで、不透明部分となるシールドパターン層は、細い細線で構成されるので、シールドパターン層の非形成部となる開口部を高開口率とする事が可能となり、電磁波シールド性能を維持しつつ高透光性が容易に得られる。
【0014】
また、本発明の透光性電磁波シールド材は、上記いずれかの製造方法によって製造されて成るシールド材である。
この様な透光性電磁波シールド材とすることで、高透光性及び電磁波シールド性能の品質及び性能が良好なシールド材となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施の形態を説明する。
【0016】
〔概要〕
先ず、図1及び図2の説明図で、本発明を概説する。図1に例示する形態では、最初に、図1(A)の如く、透明基材1上に、所望のパターンとして導電性インキをフレキソ印刷して導電性インキ層として導電性層2を形成した後、図1(B)の如く、導電性層2上に電気めっきで金属めっき層3を形成することで、導電性層2及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を形成して、透光性電磁波シールド材10を得る形態である。
一方、図2に例示する別の形態では、先ず、図2(A)の如く、透明基材1上の全面に無電解めっきして金属皮膜からなる無電解めっき層として導電性層6を形成しておく。次いで、図2(B)の如く、所望のパターンのネガパターンとして、電離放射線硬化型インキをフレキソ印刷してレジスト層7を形成後、図2(C)の如く、電気めっきで金属めっき層3をレジスト非形成部に形成する。この後、図2(D)の如く、レジスト層7を除去した後、図2(E)の如く、エッチングしてレジスト形成部分の導電性層6を除去して、導電性層6及び金属めっき層3としてシールドパターン層4を形成して、透光性電磁波シールド材10を得る形態である。なお、最初の無電解めっき時は、通常、無電解めっき触媒にて活性化して活性化層5を透明基材1上に形成しておく。
なお、これら説明した形態にて、シールドパターン層4のパターンは、例えば、図3の平面図で例示の様な、細線Lからなる正方格子柄である。
【0017】
〔導電性層の露出部分のパターン化〕
本発明では、シールドパターン層の一構成層として金属めっき層を設ける。そして、この金属めっき層を所望のパターンとして形成する為に、金属めっき層の析出速度が速くて生産性の点で有利で且つ厚膜化も可能な電気めっき法を採用する。但し、電気めっき法の場合、金属めっき層の形成面は導電性としておくことが必要であるので、この性質を利用して、透明基材上の電気めっきの対象面のうち、金属めっき層を形成する部分には、予めフレキソ印刷を利用して所望のパターンの導電性面として導電性層をパターン化しておく。導電性面を所望のパターンとするには、導電性層2自体を該パターンで最初から形成する方法と、全面の導電性層6に対して所望のパターンとは逆パターンの層で被覆して、結果として露出している導電性層6の部分が所望のパターンの導電性面とする方法とがある。
【0018】
上記所望のパターンの導電性面をフレキソ印刷で形成する方法としては、基本的には特に制限は無いが、本発明では、特に、(1)導電性インキのフレキソ印刷で導電性層2自体をパターンとして形成する方法〔図1参照〕と、(2)金属からなる全面の導電性層6面に対して、ネガ型のパターン(つまり所望のパターンと逆のパターン)でレジスト層をフレキソ印刷で形成する方法〔図2参照〕を、好ましい形態として採用する。
【0019】
なお、本発明では、前者の(1)による透光性電磁波シールド材の製造方法を、「ポジ型形態の製造方法」と呼び、後者の(2)による透光性電磁波シールド材の製造方法を「ネガ型形態の製造方法」と、便宜上呼ぶことにする。
そして、後者の「ネガ型形態の製造方法」の場合では、導電性層自体は最初は全面に形成され該層自体はパターンとして形成されて無いが、逆パターンとしてその上に形成されるレジスト層により、レジスト非形成部分として導電性層のうち外部に露出している部分のパターンが、所望のパターンとなっている。また、この形態では、最初は全面に形成されている導電性層は、それが不透明であっても、最終的にはエッチングで不要な部分を除去し透光性を確保することができる。
【0020】
〔パターンの形状〕
最終的にシールドパターン層のパターンの元となる導電性層露出部分のパターンは、基本的には、要求される電磁波シールド性能が確保され、且つそのパターン非形成部分によって必要な透光性も確保されるものであれば、特に制限は無い。しかし、電磁波シールド性能と共に高い透光性を確保するには、好ましくは、パターンの形状は、細線から構成されるものが良い。これによって、シールドパターン層の非形成部分を高開口率とすることが可能となり、高透光性が実現できる。
【0021】
細線から構成されるパターンの形状としては、例えば、格子柄、ストライプ柄、或いは、煉瓦積み模様等の幾何学模様等である。なお、格子柄としては、正方格子の他、三角格子、六角格子等のその他の多角形格子等でも良い。また、例えば、正方格子等の四角格子でも、格子形状が長方形のもの、或いは斜め形状のもの等も可能である。なお、細線で囲われる領域、つまり開口部A〔図3参照〕が、その全周囲で細線によって囲繞されているパターンの他、囲繞されていない部分があるパターンでも良い。その極端な例がストライプ柄である。
【0022】
なお、格子柄は、全ての開口部がその形状及びサイズ共に同一で且つ二次元的に規則的に配置されている場合のパターンの他に、不揃いな要素があっても良い。例えば、格子柄は、開口部の形状、サイズのいずれか一方或いは両方が全ての開口部において同一では無いか、開口部の形状及びサイズが同一であっても二次元的に不規則配置された部分を有するか(線幅が同一でないことになる)、或いはこれら両方の要素を有するパターンでも良い。
【0023】
なお、細線の線幅Wは〔図4参照〕、要求される透光性及び電磁波シールド性能を損なわない線幅とすれば良い。例えば、線幅は1〜300μm程度とする。但し、より好ましくは、下限は5μm以上とし、上限は200μm以下、より好ましくは100μm以下とするのが良い。線幅が細くなると断線等が発生し易くなり、また線幅が太くなると開口率が低下し透光性が低下する。これらの点で、線幅は上記の範囲とするのが好ましい。なお、線幅は全て均一な太さで無くても良い。
【0024】
また、開口部Aが全面積に閉める面積割合、すなわち、開口率Orは、透視性と電磁波シールド性能を両立させる為には、60〜90%の範囲が好ましい。開口率を60%未満にすると透光性が損なわれ、開口率を90%超過にすると、電磁波シールド性能を十分に得難い他、シールドパターン層部分の線幅が細くなり印刷時の欠陥が目立つようになる。
【0025】
なお、開口率Orとは、シールドパターン層が形成されていない部分である開口部が、全面積に占める割合であるが、シールドパターン層のパターンが、例えば図3で示す様な正方格子柄の場合で言えば、該正方格子の配列方向である縦横各々の方向について、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとを定義した時に、開口率Or〔%〕={(Sa×Sb)/(Pa×Pb)}×100 によって算出される値である。
なお、線間スペースは、要求される電磁波シールド性能、透光性等の用途に応じて決めれば良いが、通常、50〜500μm程度すると、電磁波シールド性能と透光性を良好にして両立できる。
【0026】
〔透明基材〕
次に、用いる透明基材1としては、透明なものであれば良く、例えば、基材の材質としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、或いは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂等の樹脂材料、或いはガラス等の無機材料が使用される。なお、基材の形状は、通常はシート(フィルム)、平板等である。シートや平板の厚さは特に制限は無いが、用途により、例えばシートでは50〜500μm、板では1〜10mm等である。なお、透明基材の表面には、必要に応じて適宜、コロナ放電処理、オゾン吹付処理、プラズマ処理、プライマー層形成等の易接着処理を施す。
【0027】
〔導電性インキ〕
導電性インキは、ポジ型形態の製造方法に於いて導電性層2の形成に用いるものであり、該インキによる導電性インキ層として形成された導電性層2それ自体がシールドパターン層4の一部を構成するものでもある。但し、導電性インキ層2のみでは十分な電磁波シールド性能能を発揮させる点で不十分なので、本発明では、更にその上に電気めっきによる金属めっき層3を形成して、これら両層でシールドパターン層4とする。
【0028】
導電性インキ層をスクリーン印刷で形成する為の導電性インキとしては、公知の導電性インキを適宜使用すれば良い。この様な導電性インキは、金属等の導電性粉末を樹脂バインダー中に分散させたインキを使用できる。導電性粉末としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄等の金属が使用できる。また導電性粉末としては、必要に応じカーボンブラック、黒鉛等の非金属粒子も適宜添加したインキも使用できる。一方、樹脂バインダーに使用する樹脂としては、透明基材の材質、要求物性等に応じた公知の樹脂を適宜選択使用すれば良い。例えば、該樹脂としては、ポリエステル樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、或いは紫外線や電子線で硬化させる電離放射線硬化性樹脂等を、1種単独或いは2種以上の混合樹脂として用いる。
【0029】
〔金属めっき層〕
次に、金属めっき層3は、透明基材上の面を、導電性インキからなる導電性層2によるポジ型のパターンによるか、或いは無電解めっきによる全面の導電性層6上をネガ型のパターンとして被覆するレジスト層7によって、所望のパターンとなった導電性面に対して、電気めっき法により形成する。
金属めっき層3の金属としては、特に制限は無く、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、コバルト等を用途に応じて適宜選択使用すれば良い。但し、鉄、銅、銀等の錆び易い金属を採用する場合には、金属の酸化を防ぐために、更に、公知の防錆処理、或いは、全面に透明樹脂層を塗工形成する等しても良い。なお、金属めっき層の厚みは1μm以上とするのが電磁波シールド性能の点で好ましく、また1μm以上としても、電気めっきで形成するので、生産性良く形成できる。
【0030】
〔無電解めっき層による導電性層〕
無電解めっき層による導電性層6は、ネガ型形態の製造方法に於いて採用されるものであり、また、無電解めっき層として形成された導電性層6それ自体もシールドパターン層4の一部を構成するものでもある。但し、無電解めっきでは、生産性良く厚膜(1μm以上)形成できず、従って、生産性を考慮すると無電解めっき層による導電性層6のみでは、十分な電磁波シールド性能を発揮させる点で不十分である。この為、本発明では、更にその上に電気めっきによる金属めっき層3を形成して、これら両層でシールドパターン層4とする。この際、そのままでは、金属めっき層が全面に形成されてしまうので、金属めっき層の非形成部とする部分に対してレジスト層7を形成しておく。
【0031】
無電解めっきで導電性層6を形成するには、公知の無電解めっき浴によって行えば良い。無電解メッキで形成する無電解メッキ層の金属としては、例えば、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、白金、コバルト等である。無電解めっき層としての導電性層は、それ全てで電磁波シールド性能を出す必要は無く、その上に電気めっきできれば良く、従って、厚みは2μm、或いは更に1μm以下でも良い。
【0032】
〔活性層〕
なお、無電解めっき時は、その前処理としてめっき処理面を無電解メッキ触媒で活性化処理を行い、活性層5を形成しておく。無電解メッキ触媒としては、パラジウム、金、銀、白金等の貴金属のコロイド状の微粒子を使用することができる。なかでもパラジウム系触媒が代表的である。
【0033】
〔レジスト層〕
また、レジスト層7は、電離放射線硬化型インキをフレキソ印刷して形成する。なお、電離放射線とは、紫外線、電子線等であり、紫外線硬化型インキを使用する場合には、紫外線の照射でインキを硬化させ、電子線硬化型インキを使用する場合には、電子線の照射でインキを硬化させれば良い。レジスト層に用いるインキとしては、基本的には公知のレジストインキを適宜用いれば良い。但し、電離放射線硬化型インキを用いれば、硬化も早く生産性の点で有利である。この様な電離放射線硬化型インキは、その電離放射線硬化性樹脂として、例えば、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系等のアクリレート系樹脂を使用することができる。
【0034】
〔エッチング〕
電気めっきにて金属めっき層を上記レジスト層の非形成部に形成した後は、該レジスト層は除去した後、エッチングを行う。レジスト層の除去によって、レジスト層形成部の下にあった、無電解めっきで形成した無電解めっき層からなる導電性層6は露出し、該導電性層6をエッチングにより除去することができる。これにより、シールドパターン層4を構成する金属めっき層3の非形成部分に存在する導電性層6は除去されて、シールドパターン層4の非形成部分の透光性が確保される。なお、レジスト層の除去は、アルカリや酸等を用いた公知の剥離液を使用すれば良い。また、エッチングには、導電性層となる無電解めっき層に用いる金属に応じた、公知のエッチング液を適宜使用すれば良い。例えば、金属が銅である場合には、塩化第二鉄系のエッチング液を使用する等である。
【0035】
なお、エッチングの際は、導電性層6の除去と共に、金属めっき層3もエッチングされて、その厚みが減少するが、厚み減少分も見込んで、金属めっき層を電気めっきしておけば問題無い。また、導電性層6の厚み(通常1μm以下)に比べて、金属めっき層3はより厚い層として設けられる様に、電気めっきにて形成するものであり、過剰なエッチングに注意さえすれば、金属めっき層は残るがレジスト形成部分の導電性層は残らない程度にエッチングできる。
【0036】
〔シールドパターン層〕
シールドパターン層4は、上述した如く、導電性層2又は6と該導電性層2又は6上の電気めっきによる金属めっき層3とから構成され、電磁波シールド性を付与できるが不透明な層であり、そのパターン形成にフレキソ印刷を利用して形成される層である。そして、図1を参照して説明した「ポジ型形態の製造方法」では、シールドパターン層4は、導電性インキ層からなる導電性層2と、その上の金属めっき層3とから構成される。一方、図2を参照して説明した「ネガ型形態の製造方法」では、無電解めっきによる無電解めっき層からなる導電性層6と、該導電性層6上の金属めっき層3とから構成される。
【0037】
〔透光性電磁波シールド材の用途〕
ところで、本発明による透光性電磁波シールド材は、上述の如き製造方法で得られた透光性と共に電磁波シールド性も有する電磁波シールド材であり、その層構成は、例えば図1(B)や図2(E)として説明された、透光性電磁波シールド材10の如き構成である。
すなわち、図1(B)の断面図で例示される透光性電磁波シールド材10は、透明基材1上に、好ましくは細線を用いて構成されたパターンとして、導電性インキのフレキソ印刷で形成された導電性インキ層からなる導電性層2の部分のみに、電気めっきにて形成された金属めっき層3を有し、これら導電性層2及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を有する構成の、透光性の電磁波シールド材である。
また、図2(E)の断面図で例示される透光性電磁波シールド材10は、透明基材1上に、無電解めっき触媒による活性層5を適宜介して、無電解めっきによる無電解めっき層6の部分のみに、フレキソ印刷を利用して好ましくは細線を用いて構成されたパターンとして、電気めっきによて形成された金属めっき層3を有し、これら導電性層6及び金属めっき層3からなるシールドパターン層4を有する構成の、透光性の電磁波シールド材である。
【0038】
〔透光性電磁波シールド材の用途〕
本発明による透光性電磁波シールド材の用途は、透光性(或いは透視性)が要求される用途が好適であり、例えば、電磁波を発生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等の表示部分、建築物の外壁や内壁の窓ガラス等である。
【0039】
【実施例】
次に実施例及び比較例により本発明を更に説明する。
【0040】
〔実施例1〕
図1で例示した如き製造方法で、図1(B)の断面図で示す如き透光性電磁波シールド材10を作製した。
【0041】
易接着処理された厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明基材1上に、ITO(インジウムをドーピングした酸化スズ)粉末を含有する紫外線硬化型の導電性インキをフレキソ印刷して、正方格子柄の導電性インキ層からなる、導電性層2を形成した〔図1(A)参照〕。
【0042】
上記フレキソ印刷時の印刷版Fpの版面上に於ける正方格子柄のパターンとしては、図4(A)及び図4(B)の2種類の格子パターンを、各3種類の線幅で使用した。すなわち、図4(A)及び(B)中、(1)細線Lの線幅W=40μm、線間スペースS=250μm、(2)細線Lの線幅W=30μm、線間スペースS=250μm、(3)細線Lの線幅W=20μm、線間スペースS=250μm、の3種類のサイズで、合計6種類のパターンで行った。また、図4(A)は、細線Lが全て印刷方向に対して平行又は直角となるパターンであり、図4(B)は細線Lが全て印刷方向に対して斜め(45°)になるパターンである。
【0043】
そして、導電性層2を形成した後、硫酸銅系の電気銅めっき浴に浸漬して電気めっきして、導電性層2の部分にのみ銅の金属めっき層3を形成した。その結果、導電性層2及び金属めっき層3としてシールドパターン層4が形成された、図1(B)の断面図の如き所望の透光性電磁波シールド材10が得られた。
【0044】
得られた透光性電磁波シールド材の電磁波シールド性能を測定したところ、1GHz以下、及び1〜5GHzの周波数領域で、それぞれ40〜50dBの性能が得られた。また、開口率は75%以上が得られ、透光性も良好であった。なお、開口率は図3で示した様な、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとから算出した。
【0045】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、導電性層2の形成時の印刷方式を、フレキソ印刷からグラビア印刷に変更した他は、実施例1同様にして、透光性電磁波シールド材を作製した。
その結果、導電性層とする導電性インキ層の印刷時に、全面に、インキの泳ぎ、ドクター筋、線の太りが観察された。また、電気めっきの際には、印刷時のこれら欠点の為に、金属めっき層の良好なるパターンが形成できず、品質の劣るものであった。
【0046】
〔実施例2〕
図2で例示した如き製造方法で、図2(E)の断面図で示す如き透光性電磁波シールド材10を作製した。
【0047】
先ず、易接着処理された厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明基材1上に、パラジウム系の無電解めっき触媒液を塗布して、全面を活性化処理して活性層5を形成した後、無電解めっきにて銅の厚み1μmの無電解めっき層として導電性層6を全面に形成した〔図2(A)参照〕。
【0048】
次いで、導電性層6の面に、紫外線硬化型のレジストインキをフレキソ印刷して、レジスト層非形成部分が細線となる、正方格子柄のレジスト層7を形成した〔図2(B)参照〕。
なお、フレキソ印刷時の印刷版Fpの版面上に於ける正方格子柄のパターンとしては、実施例1の場合と同様に、図4(A)及び図4(B)の様な2種類の格子パターンを、各3種類の線幅で使用した。但し、レジスト層はネガパターンとして形成するので、印刷版の版面は実施例1に対して版面凸部が逆のネガの関係となる。
【0049】
次に、硫酸銅系の電気銅めっき浴に浸漬して電気めっきして、レジスト層7の非形成部分に露出している導電性層6の部分にのみ、銅の厚み20μmの金属めっき層3を形成した〔図2(C)参照〕。
次いで、アルカリ系の剥離液でレジスト層7を除去して、レジスト層7直下の導電性層6を露出させた〔図2(D)参照〕。
【0050】
次に、50℃の塩化第二鉄系のエッチング液に30秒間浸漬してエッチングし、レジスト層直下に存在した導電性層6を溶解、除去した。なお、金属めっき層3も一部エッチングされたが、10μm前後の厚み分は残すことができた。その結果、導電性層6及び金属めっき層3としてシールドパターン層4が形成された、図2(E)の断面図の如き所望の透光性電磁波シールド材10が得られた。
【0051】
得られた透光性電磁波シールド材の電磁波シールド性能を測定したところ、1GHz以下、及び1〜5GHzの周波数領域で、それぞれ40〜50dBの性能が得られた。また、開口率は75%以上が得られ、透光性も良好であった。なお、開口率は図3で示した様な、格子周期Pa及びPbと、線間スペースSa及びSbとから算出した。
【0052】
〔比較例2〕
実施例2に於いて、レジスト層7の形成時の印刷方式を、フレキソ印刷からグラビア印刷に変更した他は、実施例1同様にして、透光性電磁波シールド材を作製した。
その結果、レジスト層の印刷時に、全面に、インキの泳ぎ、ドクター筋、線の細りが観察された。また、電気めっきの際には、印刷時のこれら欠点の為に、金属めっき層の良好なるパターンが形成できず、品質の劣るものであった。
【0053】
【発明の効果】
(1)本発明の透光性電磁波シールド材の製造方法によれば、オフセット印刷を利用して製造する場合の様に、オペレータの熟練度に印刷品質が左右される事が少ない。しかも、スクリーン印刷と同等以上の精度で所望のパターンを連続形成することが可能となり、生産性良く透光性電磁波シールド材を製造できる。また、シールドパターン層の構成層として金属めっき層を電気めっきで形成する為に、無電解めっきに比べてめっき層の金属の析出速度が速く効率的であり、この点でも生産性が良い。従って、高透光性及び電磁波シールド性能を共に有する透光性電磁波シールド材を、品質、性能、及び生産性良く製造できる。
【0054】
(2)また、導電性インキの印刷でパターン形成する形態でも、上記効果を同様に享受できる。
(3)また、レジスト層でパターン形成してエッチングを行う形態でも、前記効果を同様に享受できる。
(4)また、シールドパターン層のパターンを細線で構成すれば、不透明部分となるシールドパターン層であっても、その非形成部となる開口部を高開口率とする事が可能となり、電磁波シールド性能を維持しつつ高透光性が容易に得られる。
【0055】
(5)また、本発明の透光性電磁波シールド材によれば、高透光性及び電磁波シールド性能の品質及び性能が良好なシールド材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透光性電磁波シールド材の製造方法の一形態(ポジ型形態の製造方法)を概念的に説明する説明図。
【図2】本発明による透光性電磁波シールド材の製造方法の別の一形態(ネガ型形態の製造方法)を概念的に説明する説明図。
【図3】開口率の計算方法を、パターンが四角形の格子柄の場合で説明する平面図。
【図4】(ポジ型の)パターン形成時の印刷版のパターンを例示する平面図。
【符号の説明】
1 透明基材
2 導電性層(導電性インキ層)
3 金属めっき層
4 シールドパターン層
5 活性化層
6 導電性層(無電解めっき層)
7 レジスト層
10 透光性電磁波シールド
A 開口部
Fp 印刷版
L 細線
Or 開口率
Pa、Pb 格子周期
S、Sa、Sb 線間スペース
W 線幅
Claims (5)
- 透明基材の表面に、パターン状のシールドパターン層を有する透光性電磁波シール材の製造方法において、
露出している部分をフレキソ印刷により所望のパターンとした導電性層上に、電気めっきによって金属めっき層を形成することで、前記導電性層及び該金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、透光性電磁波シールド材の製造方法。 - 請求項1記載の透光性電磁波シールド材の製造方法であって、
(A)透明基材の表面に、導電性インキをフレキソ印刷して所望のパターンとして導電性層を形成し、
(B)次いで、該導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成して、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、
上記(A)〜(B)の各工程をこの順に行う透光性電磁波シールド材の製造方法。 - 請求項1記載の透光性電磁波シールド材の製造方法であって、
(A)透明基材の表面に、無電解めっきによって金属皮膜からなる導電性層を全面に形成し、
(B)次いで、フレキソ印刷によって電離放射線硬化型インキで、所望のパターンに対するネガ型のパターンとしてレジスト層を形成し、
(C)次いで、レジスト非形成部として露出している導電性層上のみに、電気めっきによって金属めっき層を形成し、
(D)次いで、レジスト層を除去した後、金属めっき層は残るがレジスト形成部分の導電性層は残らない程度にエッチングを行い、導電性層及び金属めっき層からなるシールドパターン層を形成する、
上記(A)〜(D)の各工程をこの順に行う透光性電磁波シールド材の製造方法。 - パターンを、格子、ストライプ、幾何学模様等の細線からなるパターンとして形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透光性電磁波シールド材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光性電磁波シールド材の製造方法によって、製造されて成る透光性電磁波シールド材。
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|---|---|---|---|---|
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-
2002
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