JP2003239033A - マグネシウム合金素形材とその鋳造方法 - Google Patents
マグネシウム合金素形材とその鋳造方法Info
- Publication number
- JP2003239033A JP2003239033A JP2002363846A JP2002363846A JP2003239033A JP 2003239033 A JP2003239033 A JP 2003239033A JP 2002363846 A JP2002363846 A JP 2002363846A JP 2002363846 A JP2002363846 A JP 2002363846A JP 2003239033 A JP2003239033 A JP 2003239033A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnesium alloy
- casting
- material according
- cooling
- precipitate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Abstract
いは加工された薄板をさらに鍛造等の2次加工する際の
塑性加工性を向上させることのできるマグネシウム合金
素形材とその鋳造方法を提供する。 【解決手段】 酸素遮断した状態でマグネシウム合金材
料を溶解し、溶融状態のマグネシウム合金を鋳造時に1
〜20K/secの冷却速度で冷却して凝固させることで、
鋳造欠陥が少なく、マグネシウム合金結晶粒内に析出物
領域3が分散して存在しているマグネシウム合金素形材
1を得る。
Description
材料からマグネシウム合金部品を製造するために、塑性
加工用に鋳造されるマグネシウム合金素形材とその鋳造
方法に関するものである。
は、リサイクル処理や環境問題等の対策の1つとして、
家電製品の外装部品等を従来の樹脂材料に代えて金属材
料から製造することが注目されている。樹脂材料のリサ
イクル率が20%であるのに対し、金属材料は90%が
リサイクル可能である。
金属合金と比較して、軽量、高強度であり、振動減衰性
にも優れているため、携帯型の電子機器や自動車部品等
で実用化されている。またマグネシウム合金は、比較的
低融点であることからリサイクルエネルギーも少なくて
済むという特徴もある。
シウム合金部品を製造する工程を示す概略図である。ま
ず、マグネシウム合金材料からマグネシウム合金成形品
を得るには、一般的にダイカストやチクソモールドとい
った鋳造と、プレス、曲げ加工、鍛造といった塑性加工
とに大きく分類される。鋳造は、成形の自由度が高い反
面、鋳造品の表面欠陥や内部への気泡の巻き込みといっ
た問題のために歩留まりが悪く、コストが高いという問
題を抱えている。そこで、比較的形状が簡単な家電製品
の筐体等においては、部品の最終形状に近似した素形材
を予め鋳造した後に、この素形材を直接塑性加工する、
あるいは、押出し・圧延等の1次加工を施して薄板に
し、その薄板に2次加工を施してマグネシウム合金成形
品にし、その後、塗装・乾燥工程を経てマグネシウム合
金部品を製造するという方法も実用化されている。この
ように鋳造と塑性加工を組み合わせた方法は、鋳造単独
の方法に比べて加工時のタクトの短縮化や表面欠陥の低
減、設備投資の抑制の面から優位であると考えられてい
る。
工用の素形材の金属組織の状態を図10に模式的に示
す。この素形材4は、マグネシウムの他にアルミニウ
ム、亜鉛、マンガンを主たる合金元素とするAZ31の
マグネシウム合金である。AZ系のマグネシウム合金は
他のマグネシウム合金に比べて強度が強く耐食性に優れ
ているので、汗や水にさらされやすい家電製品の筐体に
適した合金である。また、マグネシウムの他にアルミニ
ウムとマンガンを主たる合金元素とするAM系のマグネ
シウム合金は、高延性で衝撃抵抗力が大きいため、内部
機構部品などに適した合金である。
でありすべり面が少なく、他の金属と比べて塑性加工性
に劣る。そこで従来では塑性加工性を向上させるため
に、マグネシウム合金の冷却速度制御や結晶微細化剤の
添加によって、結晶粒径の微細化を行う方法が提案され
ている。しかし、結晶粒径の微細化は、押出し・圧延等
の1次加工時の加工歪量と加工温度の操作で、ある程度
制御できることが分かってきている。
の段階で鋳造欠陥や介在物の偏析が多い場合は、1次加
工時にそれらの欠陥を改善することは容易ではない。つ
まり、図10に示すマグネシウム合金素形材がそれであ
り、この素形材4は、マグネシウム合金結晶相5の結晶
粒界に析出物領域6が偏析して存在し鋳造時に発生する
内部空隙7が結晶粒界に析出している。
金が凝固する場合、マグネシウムの種結晶が成長するに
つれて、マグネシウムに固溶しにくい成分(金属や酸化
物)は結晶粒界に偏析してゆき、粒界近傍において金属
間化合物等の状態で析出することが多い。また、マグネ
シウムに固溶しにくい気体成分は、凝固時にマグネシウ
ム結晶粒界に集積し、それが空隙7となって素形材4内
部に残る。
素形材4から薄板、そして薄板から成形品へと塑性加工
するときにクラックの起点になりやすいため、このよう
な素形材4は加工性に乏しい。特にすべり系が少なく延
性に乏しいマグネシウム合金は、材料の品質が加工性を
大きく左右する。このようなマグネシウム合金の加工性
を向上させるためには、薄板の元材となる素形材の鋳造
欠陥及び介在物を低減し、かつその偏析を防ぐことが望
ましい。
織の鋳造欠陥、介在物の低減及び偏析防止によって、薄
板に押出し・圧延等の1次加工する際あるいは加工され
た薄板をさらに鍛造等の2次加工する際の塑性加工性を
向上させることのできるマグネシウム合金素形材を提供
することを目的とするものである。
に開発した本発明のマグネシウム合金素形材は、塑性加
工用に鋳造されるマグネシウム合金素形材であって、マ
グネシウム合金の結晶粒内に、アルミニウム、亜鉛、マ
ンガンのいずれか1つ以上を含む析出物領域が複数存在
していることを特徴とする。
0より大きく400μm未満離れていることを特徴とす
る。
や亜鉛、マンガン以外の金属、及びこれら金属の酸化物
や炭化物といった他の介在物も含まれている。この介在
物の多くは、マグネシウムの領域に固溶しにくく、前記
析出物領域に付随して、或いは包含されて存在する。結
晶粒内に複数の析出物領域が離れている状態とは、マグ
ネシウム合金のデンドライト相がゴースト化して結晶粒
界が生成している状態であって、複数の析出物領域が点
在しており、マグネシウム合金結晶相によって互いに隔
離された位置に存在していることを示す。
で離れていることにより、介在物も点在することとな
り、クラックの起点となるような大きな介在物の偏析が
少なく素形材自身が延性に富む。素形材が延性に富んで
いると、素形材に押出しや圧延等の1次加工を施した薄
板も延性に富み、塑性加工性が良好になる。また、一般
的に、素形材に押出しや圧延等の1次加工を施す場合、
介在物周辺の結晶粒は他の結晶粒に比べて微細化しやす
い。そのため、本発明の素形材のように、複数の析出物
領域が離れていると、押出しや圧延等の1次加工を施し
た際に、結晶粒が素形材全体に渡って微細で均一な大き
さに整粒化され、加工性を悪化させる大きな結晶粒が少
なくなり、塑性加工性が良好となる。
規格によって含有すべき合金成分の組成比率が規定され
ている。前記析出物領域とは、厳密には、ASTM規格
に定めるマグネシウム以外の合金成分のうち、その濃度
が、当該成分のASTM規格で定められた規格上限値を
上回っている領域と規定することができる。
領域の面積が、25×10-12πm2以上2500×10
-12πm2以下であるとしている。この析出物領域の面積
導出方法について説明する。まず断面写真を拡大印刷
し、紙全体の重量を測定する(これをMとする)。次
に、析出物領域相当部分の紙を切り取り、その各紙片重
量を測定する(これをmとする)。断面写真として撮影
した実際の素形材断面の領域の面積をSとすると、個々
の析出物領域の面積σは、σ=S×m/Mの式で表され
る。また、析出物領域の面積相当円直径とは、断面写真
において観察される1個の析出物領域の面積を同面積の
円に換算した際の直径を示す。析出物領域の平均直径と
は、複数の析出物領域の面積相当円直径の平均としたこ
とを示す。素形材内部において析出物は、3次元的な領
域を示している。任意の断面で上記素形材を切断した場
合、その断面で観察される2次元的析出物領域を十分な
数で平均化すれば、上記3次元的領域の大きさを近似す
ることができる。上記十分な数としては、本実施形態で
は20個以上としている。
称する場合もある。)は、比率が合金元素の組成から計
算される理論的密度の98〜100%となっている。即
ち、素形材の金属組織内に空隙や気体の巻き込みが少な
いので延性に富み、素形材に押出しや圧延等の1次加工
を施して薄板にする際、また、この薄板に鍛造等の2次
加工を施す際に、そのボイド(空隙や空洞)部分が加工
時にクラックの起点になり破断するのを防止でき、また
加工後の成形品を塗装・乾燥するときにも、内部気泡の
破裂による表面欠陥の問題を防止することができる。
率が1.8〜9.1wt.%のアルミニウムを含有するこ
とを特徴とするものを採用できる。本発明においては、
マグネシウム、アルミニウムに次いで亜鉛を多く含有す
るAZ系マグネシウム合金、及びマグネネシウム、アル
ミニウムに次いでマンガンを多く含有するAM系マグネ
シウム合金を対象としている。なお、上記AZ系マグネ
シウム合金での亜鉛含有比率はアルミニウム含有比率よ
りも少なく、実質2wt.%未満で、好ましくは1.5wt.
%〜0.5wt.%のものを対象とし、AM系マグネシウ
ム合金でのマンガン含有比率もアルミニウム含有比率よ
り少なく、実質1wt.%未満で、好ましくは0.6wt.%
〜0.3wt.%のものを対象とする。先述のとおりAZ
系マグネシウム合金は、強度、防食性に優れ、AM系マ
グネシウム合金は延性、耐衝撃性にすぐれ、構造材や筐
体として広く実用化されている。
物領域が離れていることを特徴としているが、アルミニ
ウム含有比率が1.8wt.%未満となると結晶粒内に占
める析出物領域が少なくなるため、析出物領域が分散す
ることによる介在物分散の効果が減退し、したがって素
形材の塑性加工性が劣化すると考えられる。逆にアルミ
ニウム含有比率が9.1wt.%より多い素形材では、析
出物領域そのものの体積が大きくなり、析出物領域が網
の目状につながって広範囲に広がった状態となり、析出
物領域内で比較的大きな体積の介在物が存在し得る状況
となるため塑性加工性が劣化する可能性がある。しかる
に、本発明の素形材は、アルミニウムが1.8〜9.1
wt.%の比率で含有されているマグネシウム合金素形材
であるために、結晶粒内での介在物分散の効果が期待で
き、塑性加工性に優れた素形材となる。
は、押出し工程もしくは鍛圧工程を経て板状へ加工さ
れ、その後圧延されて、塑性加工に供するマグネシウム
合金筐体用板材とされる。一方、本発明による上記素形
材の形状を板状とすると、押出し工程や鍛圧工程を経る
ことなく数回の圧延のみを行って、肉厚を調整し、塑性
加工に供するマグネシウム合金筐体用板材を得ることが
できるので、工程を簡略化してコスト低減を図ることが
できる。
すると、押出し工程もしくは鍛圧工程を経ることなく数
回の圧延のみを行って、家電製品の筐体に望ましい0.
3〜1.5mm程度の板厚の薄板を得ることができるの
で、いっそう工程を簡略化してコスト低減を図る事がで
きる。
おいて、表面の結晶の方位において(0002)面が優
先的に現れることから、材料表面が凝固する際、結晶の
成長方向に特徴があることがわかる。一般的にマグネシ
ウム合金は、加圧力を受けた面で(0002)面が顕著
になるが、本発明品では、鋳造の際に圧力を受けたこと
を示している。
鋳造方法は上記目的を達成するために、マグネシウム合
金材料を溶解装置である坩堝内に投入し、酸素遮断した
状態で坩堝内のマグネシウム合金材料を溶解してから冷
却鋳型に供給した後、溶融状態のマグネシウム合金を冷
却速度1〜20K/secで冷却して凝固させ、この凝固し
たマグネシウム合金を鋳塊が連続するようにして冷却鋳
型から引き抜くことによって、マグネシウム合金素形材
を鋳造することを特徴とするものである。
で凝固する際、凝固したマグネシウム合金部分の引抜時
間と停止時間とを交互に行うことで時間的に断続的に引
き抜くことにより、慣性力及び振動によって凝固が進行
する固液界面に存在する気体成分や介在物を、液体部分
に押し出すこととなり、素形材内部に包含される気体成
分や介在物を低減することができる。
を3〜8K/secとする方法を採用できる。この、3〜8K
/secの冷却速度は、冷却によってマグネシウムのデンド
ライト相が成長しつつ凝固するも、素形材内部の熱伝導
によって部分的に焼鈍が行われてデンドライト相がゴー
スト化するのに望ましい冷却速度である。先述のよう
に、ゴースト化したデンドライト相の枠組みに析出物領
域が取り残され、結晶粒内に析出物領域が分散した状態
で存在すると、介在物が分散して存在するため、塑性加
工性に優位な素形材を得ることが出来る。
が酸素遮断した状態で溶解されて酸素と接触して燃焼す
るのを防ぐが、酸素遮断するためには、坩堝を不活性ガ
ス雰囲気下におくことや溶融状態のマグネシウム合金に
フラックスを入れて液面に酸素が接触しないようにする
方法を採用できる。不活性ガスとしてはアルゴンガスや
ヘリウムガス及びSF6を混ぜた空気等が用いられる。
フラックスとしては塩化カリウムや塩化マグネシウムを
主体とする防燃フラックスを用いることができる。フラ
ックスを材料に入れる場合は、溶融状態のマグネシウム
合金表面からの金属の蒸発を防止する効果もある。
グネシウム合金材料を粒子状の固体とし、溶解装置周辺
雰囲気を不活性雰囲気に保った状態で材料投入を行うこ
とによれば、マグネシウム合金を溶解する坩堝に保持炉
が具備されていなくとも、粒子状の固体材料を連続的ま
たは断続的に投入することで、材料投入が途切れること
なく連続鋳造を行うことができる。特に、酸素遮断のた
めに坩堝内のマグネシウム合金表面に保護雰囲気を作り
出しているときは、材料投入のために不活性雰囲気を開
放してしまうと、再度不活性雰囲気を作るのにタクトを
消費するが、この方法によれば開放せずとも材料の投入
ができるので、タクトの短縮を達成することができる。
状を矩形状とし、その短辺の長さが坩堝側と引抜手段側
とで異なるように、前記内壁の少なくとも一部にテーパ
が形成されるようにすれば、引き抜き時のマグネシウム
合金にかかる応力を増減させることができ、材料特性の
改質を行うことや、鋳塊と鋳型との摩擦を少なくするこ
とによる鋳塊切れの防止を図ることができる。
合金収容部分及び/または冷却鋳型の材質を黒鉛にすれ
ば、熱伝導性に優れ、材料の加熱・冷却をスムーズに実
施することができ、好適であるが、その他、マグネシウ
ム合金と反応しにくい材質であれば良く、素形材に混入
すると耐食性を著しく阻害する銅、ニッケル、鉄を含ま
ない材質が望ましい。なお、黒鉛がマグネシウム合金に
混入すると結晶粒が微細化する事実も報告されている。
たマグネシウム合金の表面または溶解装置の周辺部を酸
素遮断できる構造、例えば真空引きや不活性ガス置換が
できるように、例えば溶解装置の外側にチャンバを設
け、溶解装置の置かれている雰囲気を制御できる構造に
することが望ましい。また、溶融状態のマグネシウム合
金からは気化が頻繁に起こるため、金属蒸気が大気中に
放出されないようにするためにもチャンバを設けること
が好ましい。
蓋を備えることによれば、溶解装置外部への金属蒸気の
拡散を抑え、拡散した金属蒸気が前記チャンバ内壁等に
付着し凝固した粉末金属の発生を低減し、粉末金属の蓄
積により材料歩留まりの低下と、自然発火の危険性を防
止することができる。なお、上記方法で述べたように、
坩堝内のマグネシウム合金材料を酸素遮断する手段とし
てフラックスを材料に混ぜて溶融状態のマグネシウム合
金表面からの蒸発を制御することも可能ではあるが、そ
の場合は素形材にフラックス成分が混入するおそれがあ
るため、溶解装置に蓋をつけるという装置の改善で対応
することが望ましい。
の冷却鋳型が接続され、水平方向にマグネシウム合金を
引き抜く鋳造方法であれば、溶融状態のマグネシウム合
金液面に浮く不純物、及び坩堝の底面に蓄積する不純物
の巻き込みを防ぎ、延性に富んだ良好な組織のマグネシ
ウム合金素形材を製造することができる。
ついて、図1〜図8を用いて説明する。なお、以下に示
す実施形態は本発明を具現化した1例であって、本発明
の技術的範囲を限定するものではない。
素形材1の金属組織の状態を模式的に示した断面図であ
る。このマグネシウム合金素形材1は、アルミニウム含
有量が3%程度、亜鉛含有量が1%程度のマグネシウム
合金AZ31を、後述する鋳造方法により、板状に成形
したものであり、マグネシウム結晶粒内にマグネシウム
合金結晶相2と、複数の析出物領域(マグネシウム以外
のアルミニウムや亜鉛、マンガンのいずれか1つ以上を
含む)3が離れて存在する。この状態は、マグネシウム
のデンドライト相の枠組によって分断された析出物領域
3の成分が、デンドライト相がゴースト化して結晶粒界
が現れた状態であっても、結晶粒内に分散した状態のま
ま保たれている状態と考えられる。
のASTM(American Society fo
r Testing and Materials・米
国材料試験協会)規格及び、本実施形態に係るマグネシ
ウム合金素形材1の成分比率を示す。単位は重量%であ
る。なお、本実施形態では、ICP発光分光分析によっ
て成分測定を行った。
1の金属組織の走査型電子顕微鏡(SEM)による断面
写真を示す。図中に示す、31〜34は走査型電子顕微
鏡−エネルギー分散型特定X線検出装置(SEM−ED
S)測定の測定点を示しており、以下の表2にその各測
定点における元素構成比率(重量%)を示す。
す通り、ASTM規格内に収まっている。しかし、本実
施形態の「析出物領域」すなわち「マグネシウム以外の
アルミニウムや亜鉛、マンガンのいずれか1つ以上を含
む領域」は、図2の測定点32〜34に示されるような
点であるが、表2に示すようにAl、ZnといったMg
以外の元素のうち少なくとも一つ以上の元素の比率がA
STM規格の規格上限値より大きくなっている。なお、
測定点32では、ASTM規格には規定されていないC
やOの比率が高くなっているが、これは、この析出物領
域に炭化物や酸化物が包含されている可能性を示してい
る。
のように分布しているかを、図3(a)、(b)、
(c)により示す。図3(a)は上記実施形態に係る、
板厚10mmに成形した板状のマグネシウム合金素形材
1aの一部分における光学顕微鏡断面写真を示してい
る。結晶粒界8が見られ、平均結晶粒径は約200μm
前後であるが、結晶粒の内部に面積相当円直径に換算し
て数μm〜30μm程度の複数の析出物領域3が離れて存
在している。この断面組織においてこの析出物領域3の
面積は、多くは25×10-12πm2以上2500×10
-12πm2以下となっていて、図3(a)の断面写真で
は、析出物領域3が1個の結晶粒内部に約30〜40個
見られる。個々の析出物領域3は、最短で概ね2〜30
μm程度離れた状態で点在しており、1個のマグネシウ
ム合金の結晶粒内においては最大約200μm離れた2
個の析出物領域3が存在する。
た板状のマグネシウム合金素形材1bの一部分における
光学顕微鏡断面写真を示す。結晶粒界8が見られ、平均
結晶粒径は約80μmである。この断面組織において
は、面積が25×10-12πm2以上2500×10-12
πm2以下となる析出物領域3は、1個の結晶粒内の約
3〜20個見られる。個々の析出物領域3は、最短で概
ね1〜40μm程度離れた状態で点在しており、1個の
マグネシウム合金の結晶粒内においては最大約180μ
m離れた2個の析出物領域3が存在する。
した板状のマグネシウム合金素形材1cの一部分におけ
る光学顕微鏡断面写真を示す。結晶粒界8が見られ、平
均結晶粒径は約250μmである。この断面組織におい
ては、面積が25×10-12πm2以上2500×10
-12πm2以下となる析出物領域3は、1個の結晶粒内に
約60〜160個見られる。個々の析出物領域3は、最
短で概ね1〜30μm程度離れた状態で点在しており、
1個のマグネシウム合金の結晶粒内においては最大約4
00μm離れた2個の析出物領域3が存在する。
金素形材1は、図10で示した従来の一般的な素形材4
のように、マグネシウム合金結晶相5の結晶粒界に析出
物領域6が偏析して存在しておらず、鋳造時に発生する
空隙7も結晶粒界に析出しておらず、析出物領域3が比
較的小さなサイズで結晶粒内に約3〜160個分散して
いる状態であるため、介在物も分散して存在することと
なり、マグネシウム合金素形材1を薄板にするための押
出し・圧延時に破断を生じにくく、延性に富む。そして
薄板に加工した場合も、その薄板は延性に富み、プレ
ス、鍛造等の2次加工を施した場合に加工性に優れたも
のとなる。なお、析出物領域3が、1個の結晶粒内に3
個未満である場合は、析出物領域が分散することによる
介在物の分散効果が得られず、この素形材及びこの素形
材を1次加工して得られる薄板の塑性加工性が悪くな
る。また、160個より多い場合は、個々の析出物領域
の距離が短くなり、析出物領域が連結し、比較的大きな
介在物が偏って存在しうる状態となり、塑性加工性が悪
くなる。
材1から無作為に切り出した試験片の理論的密度に対す
る比率を測定した結果を示す。なお、本試験片の体積
は、外形を機械加工した後寸法測定して計算したもので
ある。
ネシウム合金素形材1の、その合金組成から計算される
理論的密度1.78g/cm3に対する比率は98〜1
00%の範囲内となっている。一方、マグネシウム合金
素形材1と同一組成の図10に示す素形材4では、内部
に空隙7が多数存在するために、前記理論的密度1.7
8g/cm3 に対し98%未満の比率(密度が1.74
4g/cm3以下)となってしまう部分が多い。本実施
形態のマグネシウム合金素形材1は、組織が密で内部空
隙が少なく、その結果、後工程の押し出しや圧延、及び
その後の2次加工において破断しにくく、かつ塗装・乾
燥工程(図8)においても、内部気泡の破裂による表面
欠陥の問題を回避することができる。
0mmとなるように、後述する鋳造方法によってマグネ
シウム合金素形材1を成形した。この3種の板厚の違い
によって、上述の断面組織の特徴及び比率に際立った差
異は見られなかった。
合金を使用したが、他のAZ系マグネシウム合金を使用
することも可能である。ただし、上述の特徴ある断面組
織を実現するにはアルミニウムが1.8〜9.1wt.%
含有されているAZ系マグネシウム合金が望ましい。
析したところ、図4に示すように(0002)面の結晶
方位が優先的に現れたパターンとなっている。これは、
材料が凝固する際に材料表面から鉛直方向に圧力が加え
られたと考えられる。
形材1を作製するための鋳造装置21の構成を示す。
料13を収容してヒータ(加熱手段)12によりマグネ
シウム合金材料13を溶解する溶解装置としての坩堝1
1と、この坩堝11に接続され、水冷パイプ(冷却手
段)20により溶融状態のマグネシウム合金13aを冷
却して所望の形状に凝固させる冷却鋳型15と、凝固し
たマグネシウム合金13bを冷却鋳型15内から鋳塊が
連続するようにして引き抜く引抜手段であるダミーバー
16とピンチロール17とから構成される。
入されたマグネシウム合金材料13はヒータ12によっ
て加熱され、溶融状態のマグネシウム合金13aとな
る。マグネシウム合金は溶融状態で酸素に接触すると激
しく燃焼してしまうため、溶融時は酸素遮断することが
望ましい。本実施形態では、酸素遮断する方法として坩
堝11をチャンバ14内に設置し、図示はしないが真空
引き及び不活性ガスの投入ができる構成になっている。
11に溜められているが、坩堝11に直結した冷却鋳型
15内にも流入するため、ダミーバー16を冷却鋳型1
5内部にチャンバ14の下部側方からピンチロール17
により、出し入れできる構成になっている。なお、鋳造
工程途中はダミーバー16に代わり、先に引き抜かれて
凝固したマグネシウム合金13bが溶融状態のマグネシ
ウム合金13aの流出を抑制する構成となる。
金13aからの熱を吸収し周辺部に放出するが、本実施
形態においては冷却鋳型15の周辺に水冷パイプ20等
の冷却手段を配置して前記放出する熱を奪う構成として
いる。その際、水の流量及び温度を調節できる構成とす
る。このような冷却手段としては水冷以外に空冷を用い
て構成することも可能である。
壁内で凝固したマグネシウム合金13bつまりマグネシ
ウム合金素形材1の断面形状となるが、本実施形態にお
いては、このマグネシウム合金素形材1の断面形状が幅
50mm×厚さ3または5または10mmの矩形状とな
るように、冷却鋳型15の内壁断面形状を定めている。
また、冷却鋳型15の冷却部分の長さは170mmであ
るが、冷却鋳型15内で鋳造するマグネシウム合金素形
材の形状及び冷却水量等を勘案して、別の長さに設定す
ることも可能である。
用いてマグネシウム合金素形材1を鋳造する際、凝固し
たマグネシウム合金13b(鋳塊)が途切れ易い場合
は、図6に示すように、坩堝11に対してピンチロール
17側が徐々に広くなるように冷却鋳型15の内壁にテ
ーパ15aをつけてやり、冷却鋳型15との摩擦を低減
することで、鋳塊を途切れにくくしてやることが可能で
ある。また、逆に、図7に示すように冷却鋳型15の坩
堝11との接続部分に、坩堝11側に対してピンチロー
ル17側が狭くなるようにテーパ15bをつけてやる
と、溶融状態のマグネシウム合金13aの凝固が進行す
る部分に適度な応力が、引き抜き方向に対し垂直な方向
に加わり、素形材に巻き込まれる介在物や気体の量を低
減することができる。
る坩堝11は内部深さが220mmであり、その底面か
ら約10mm鉛直方向上方に、冷却鋳型15が接続され
ており、溶融状態のマグネシウム合金13aを冷却鋳型
15内に引き抜く際に、坩堝11の底面に蓄積する不純
物19が、マグネシウム合金13bに巻き込みにくい構
成となっている。
段)18は、チャンバ14を開閉することなく坩堝11
内にマグネシウム合金材料13を連続投入できるよう
に、チャンバ14の上部に設置されている。なお、初期
に投入するマグネシウム合金材料13の形状は、坩堝1
1に収まる大きさであれば特に問題はないが、この材料
投入シュータ18を通じて投入する場合は、坩堝11の
破損や溶融状態のマグネシウム合金13aの坩堝11外
への飛散を防ぐために、直径1mm〜10mm程度の粒
子状やチップ状のものが望ましい。
1の側面に冷却鋳型15が接続される横型タイプである
が、坩堝11の底面に冷却鋳型15が接続された縦型タ
イプのものを用いることも可能である。
0kW程度の出力が実現できる高周波加熱ヒータを用い
ているが、材料を780℃以上に加熱できる容量を持っ
ている加熱手段であればよく、高周波加熱ヒータに限定
されない。
却鋳型15は黒鉛でできており、熱伝導性に優れるとと
もに溶融状態のマグネシウム合金13aと反応しにくい
材質である。また、マグネシウム合金に混入した際に材
料の耐食性を著しく阻害する銅、ニッケル、鉄を含む材
料は、坩堝11や冷却鋳型15の材質としては望ましく
ない。
からは常時蒸発が起こり、金属蒸気がチャンバ14内壁
等に触れると凝固して粉末となる。このことは材料歩留
まりを低下させるだけでなく、自然発火のおそれがあっ
て危険であるため、坩堝11には開閉可能な蓋(図示せ
ず)を具備するのが望ましい。さらに材料投入時のみ蓋
を開け、坩堝11外への金属蒸気の流出を防ぐように構
成するのが望ましい。
13を溶解する際の高温(約650〜800℃)に耐
え、かつ強度を持った材料でできているのが望ましい
が、本実施形態ではステンレス製のものを用いている。
1を用いたマグネシウム合金素形材の連続鋳造方法につ
いて具体的に説明する。
1内に投入し、チャンバ14を閉めて密閉状態とする。
不活性ガス、好ましくはアルゴンガスを導入して内部を
不活性ガスで満たす。この際のチャンバ14内の圧力は
例えば、真空引きの際は0.1〜0.2Torr(1
3.3〜26.6Pa)、不活性ガス導入時は14〜1
8Torr(1870〜2400Pa)としうるが、こ
れに限定されない。また、不活性ガス導入時にチャンバ
14に気体の放出口を設け、そこから初期に内部に入っ
ていた空気層を排出するようにすれば、真空引きを省略
した工程とすることもできる。
である水冷パイプ20に水を流し、冷却鋳型15及びダ
ミーバー16を冷却する。このときの水量は0.5〜
2.0l/min、水温は20〜35℃に制御したが、
この条件に限定されない。
グネシウム合金材料13を溶解させる。AZ31マグネ
シウム合金は融点630℃以上に加熱されれば溶解する
が、本実施形態では溶融金属の流動性及び金属内部の温
度勾配を勘案し、750〜780℃で保つようにしてい
る。溶融金属の温度が低いと鋳塊(凝固したマグネシウ
ム合金13b)が途切れやすいという実験結果からであ
る。これは、溶融金属の温度が低温であると金属の冷や
され方にムラが生じ、鋳造時に固液界面が複数個所に発
生し、連続的な凝固が阻害されるためと考えられる。
動性が増し、表面張力が減少して内部に含まれる気体が
抜けやすい状態になり、結果的に成形品内部に残るボイ
ド(空隙、空洞)等の鋳造欠陥が低減されると考えられ
る。一方、溶融金属の温度を必要以上に高くすること
は、エネルギーを無駄にすることに加え、溶融金属の蒸
気圧増加のために坩堝11やチャンバ14への粉末状金
属の付着量を増加させるので好ましくない。
バー16を引き抜いていく。本実施形態ではこのときの
引き抜き速度を、45〜125mm/minに制御した。な
お、本実施形態では断続的に引き抜く様式で行ったた
め、例えば100mm/minの引き抜き速度の場合、10
mm/secの速度で5mm引き抜き、その状態で2.
5sec停止するといった時間的な断続的引き抜きの条
件で、総合して100mm/minの引き抜き速度となるよ
うにして鋳造を行った。また、ピンチロール17の回転
を正回転、逆回転を組み合わせて制御することで、引き
抜きと押し込みを繰り返しながら、マグネシウム合金1
3bを引き抜いていくことも可能である。
度で時間的に連続的にマグネシウム合金13bを引き抜
く場合に比べ、本実施例のように引抜時間と停止時間と
を交えて時間的に断続的に引き抜いた場合は、溶融マグ
ネシウム合金13aの凝固が進行する固液界面に慣性力
及び振動が加わり、介在物や気泡が液体部分に押出さ
れ、従って介在物やボイド(空隙)の少ない、より塑性
加工性に優れた素形材を成形することが期待できる。
たマグネシウム合金13bがピンチロール17の位置に
達したならば、この状態のマグネシウム合金13bがダ
ミーバー16の役割を果たす。
マグネシウム合金13bは、約100℃またはそれ以下
の温度となっている。この鋳造装置21においては、冷
却部分が170mmの冷却鋳型15を用いた。従って1
00mm/minの速度でマグネシウム合金13bを引き抜
いた場合、坩堝内では780℃であったマグネシウム合
金が170mmを通過する間に、すなわち1.7分間
(102秒)で100℃まで冷却されることになるた
め、約6.7K/secの冷却速度を実現したことになる。
同様に45mm/minの速度でマグネシウム合金13bを
引き抜いた場合は、3.0K/secの冷却速度となり、1
25mm/minの速度でマグネシウム合金13bを引き抜
いた場合は、8.3K/secの冷却速度となる。
金材料13aが減少してくると、材料が凝固する固液界
面に加わる圧力が減少し、鋳塊(マグネシウム合金13
b)が途切れやすくなる。そこで本実施形態では、坩堝
11内の材料が初期投入量の半分程度に減少すると材料
投入シュータ18から材料を追加供給する。その際、チ
ャンバ14内の雰囲気をリークする必要はなく、場合に
よっては鋳造を行いながら材料供給することも可能であ
る。この材料供給の方法は、一定量材料が減少した後に
まとめて供給する断続的供給方法でも、鋳造による材料
減少と同時に逐次供給する連続的供給方法のどちらでも
可能である。
を確認するための簡易的な鋳造実験を行った。この実験
例1で用いた装置の基本構造は上記の実施形態のものと
同じであるが、装置簡略化のために、チャンバ14とシ
ュータ18を省略して坩堝11に蓋を取り付け、材料の
追加投入は出来ないが、小規模な構造とした。
Z31合金材料を使用し、冷却速度を0.5K/sec、
1.0K/sec、3.0K/sec、8.0K/sec、16K/sec、
20K/sec、24K/secとなるように制御して鋳造実験を
行った。その結果を以下に記述する。
界が太くはっきりした線をなすものとなり、結晶粒内に
は面積が25×10-12πm2以上2500×10-12π
m2以下の析出物領域が見当たらない素形材となった。
この素形材では、析出物領域が結晶粒界に偏析している
ために塑性加工性が悪いと考えられる。
明瞭ながらも、結晶粒内に面積が25×10-12πm2以
上2500×10-12πm2以下の析出物領域が結晶粒1
個につき2〜10個ほど確認できた。冷却速度が3.0
K/sec、8.0K/sec、16K/secと速くなるにしたがっ
て、結晶粒内に面積が25×10-12πm2以上2500
×10-12πm2以下の析出物領域の数は多くなり、結晶
粒1個につき5〜160個程度となった。
ンドライト相の痕跡が消失せず、結晶粒界は確認できる
ものの、確認しにくい断面組織となった。
ライト相が残り、結晶粒は確認できなかった。この状態
の素形材は、加工性に乏しいデンドライト相が素形材全
体に形成され、塑性加工性を悪化させている状態である
と考えられる。
組織の特徴を以下の表4にまとめる。
している断面組織である事を特徴とするマグネシウム合
金素形材を作成するには、冷却速度が1〜20K/secの
範囲内である事が望ましいといえる。ただし、加工性に
乏しいデンドライト相が消失しつつも、介在物を含んだ
上記析出物領域が十分に分散した状態を実現するには3
〜8K/sec程度の冷却速度がもっとも望ましいと考えら
れる。
AZ21、AZ61、AZ91、AM60の各材料及
び、アルミニウムが約11%含有された材料を使用し
て、上記実験例1と同様の鋳造実験を行った。ここで
は、冷却速度を3K/sec及び8K/secとして鋳造を行い、
各々の材料において上述の、「結晶粒内に析出物領域が
分散して存在している断面組織」になるかどうかの確認
を行った。
シウム、AZ21、AZ61、AZ91、AM60及
び、アルミニウムが約11%含有された各種合金の鋳造
後の成分比率測定結果を示す。なお、この表における成
分比率の単位は重量%である。
を行って作製した上記材料の断面組織を観察した。その
結果、冷却速度が3K/secでも8K/secでも同一金属で
は、ほぼ同様の断面組織が観察された。
晶粒界が確認できたが、結晶粒内部には析出物領域が確
認できなかった。
M60の各合金では、実施形態に示すAZ31の断面組
織と同様に結晶粒内部に面積が25×10-12πm2以上
2500×10-12πm2以下となる析出物領域が離れて
存在している事が確認できた。
高アルミニウム含有合金鋳造材では、析出物領域が網の
目状に繋がって広範囲に広がったような組織となり、明
瞭な結晶粒界が確認できなかった。
速度で鋳造した際の、材料別断面組織の様態を以下の表
6にまとめた。
AM系のマグネシウム合金素形材を作製するに当たり、
結晶粒内部に析出物領域が分散して存在する特徴を有し
たマグネシウム合金素形材を得るためには、アルミニウ
ムを1.8〜9.1wt.%程度含有しているのが望まし
いと考えられる。また、マグネシウム、アルミニウム以
外の元素成分を含有している場合でも、その元素含有比
率がアルミニウムの含有比率を下回り、アルミニウムが
1.8〜9.1wt.%含有されている場合は、上記のよ
うに結晶粒内部に析出物領域が分散して存在する特徴を
有したマグネシウム合金素形材となると考えられる。
金で確認した1〜20K/secの範囲での冷却速度であれ
ば、上記アルミニウムを1.8〜9.1wt.%程度含有
しているAZ系またはAM系マグネシウム合金におい
て、おおむね、上記の「結晶粒内部に複数の析出物領域
が離れて存在する特徴を有したマグネシウム合金素形
材」を作製する事が出来ると予測できる。
合はデンドライト相が残留してマグネシウムの結晶粒界
が現れない組織となり、1K/secよりも遅い場合はデン
ドライト相が完全に消失し、析出物領域3がマグネシウ
ム合金の結晶相2に固溶もしくは移動・偏析した組織に
なってしまう。
ことなく、結晶粒界の現れた、複数の析出物領域が結晶
粒内に離れて存在する特徴ある素形材を作製することが
出来る。
1の塑性加工性の優位性についての実験例を述べる。
金素形材1において、板厚3.0mmに成形したもの及
び板厚5.0mmに成形したもの、及び板厚10.0m
mに成形したものを各々圧延し、それぞれ板厚0.5m
mの薄板(順に試験板1、2、3とする)を得た。圧延
は、素形材が割れないよう圧下率を約10〜30%とし
た冷間圧延で複数回実施し、各圧延工程の間では450
℃で10分間の焼鈍を行った。最終の冷間圧延にて板厚
0.5mmとした後、約200℃で1時間の歪取り焼き
なましを行った。なお、実際の圧延回数は、試験板1が
6回、試験板2が7回、試験板3が12回であった。
加工及び圧延を経て作られた板厚0.5mmのマグネシ
ウム合金薄板(試験板4)を用意した。なお、これら4
個の試験板の平均結晶粒径は約7〜12μmであった。
のブランク形状(約40mm×40mmでコーナー部は
6mm切断)に切り、ポンチ肩R2.0mm、ポンチ外
形25mm×25mm、四隅R2.0mmの角筒絞り試
験を行った。クリアランスは片側で0.1mmとして、
金型下降速度を制御し、絞り速度を変えながら実験を行
った。厳密には100mm/sec、70mm/sec、50m
m/sec、20mm/sec、10mm/sec、5mm/sec、2
mm/sec、1mm/sec、0.75mm/sec、0.5mm
/sec、0.1mm/secと絞り速度を変化させて実験を行
った。
ックが入るが、速度を遅くして成形すると、クラックが
入らずに成形品が得られる。クラックが入らない絞り速
度における最大の速度を「限界絞り速度」とし、各々の
試験板の限界絞り速度を求めた。なお金型温度は250
℃、200℃、150℃に設定し、潤滑剤として二硫化
モリブデン系スプレー剤を使用した。また、試験には複
数個のブランクを用意し、各条件3回以上実施してクラ
ックの入り方を目視確認し、その平均的状態から限界絞
り速度を定めた。
速度を示す。なお、限界絞り速度の単位は、mm/secで
ある。
1を圧延して作られた試験板1、2、3はいずれも市販
の板材(試験板4)に比べて、絞り速度が10倍程度速
い速度でもクラックが入りにくい、すなわち塑性加工性
に優れていることが言える。上記実験結果は、本実施形
態に係るマグネシウム合金素形材1の塑性加工における
優位性を確認した一つの実験例であるが、絞り加工だけ
でなく、鍛造や曲げ変形といった別の塑性加工に対して
も同様の効果が期待できる。
金属組織内の空隙や空洞等の鋳造欠陥、介在物の偏析を
防止できるので、延性に富んだ素形材が得られる。その
ため、本発明の素形材のように、複数の析出物領域が結
晶粒内に離れて存在していると、押出しや圧延等の1次
加工を施した際に、結晶粒が素形材全体に渡って微細で
均一な大きさに整粒化され、加工性を悪化させる大きな
結晶粒が少なくなり、塑性加工性が良好となる。その素
形材は、押出しや圧延等の1次加工を施して薄板にする
際、また、この薄板に鍛造等の2次加工を施す際に、そ
の欠陥部分が加工時にクラックの起点になり破断するの
を防止でき、素形材をそのまま圧延して塑性加工用薄板
に用いた場合には工程を簡略化してコスト低減を図るこ
ともできる。さらに加工後の成形品を塗装・乾燥すると
きにも、内部気泡の破裂による表面欠陥の問題を防止す
ることができる。
形材の金属組織を模式的に示した断面図。
走査型電子顕微鏡(SEM)による断面写真。
マグネシウム合金素形材の光学顕微鏡による断面写真で
あり、(a)は板厚10mmの場合、(b)は板厚5m
mの場合、(c)は板厚3mmの場合のそれぞれの断面
写真。
の表面状態におけるX線回折パターンを示すグラフ図。
断面図。
るようにテーパがつけられた鋳造装置の要部を示す縦断
面図。
るようにテーパがつけられた鋳造装置の要部を示す縦断
面図。
品を製造する工程を示す一般的な概略図。
ンクを示す概略図。
れたAZ系マグネシウム合金素形材の金属組織を模式的
に示した断面図。
濃度が合金組成の比率に対し高い領域) 4 従来の鋳込み式鋳造によるマグネシウム合金素形材 5 マグネシウム合金結晶相 6 析出物領域(アルミニウムや亜鉛、マンガンの平均
濃度が合金組成の比率に対し高い領域) 7 ボイド(空隙・空洞) 8 結晶粒界 9 マグネシウム合金薄板から作製したブランク 11 坩堝(溶解装置) 12 ヒータ(加熱手段) 13 マグネシウム合金材料 13a 溶融状態のマグネシウム合金 13b 凝固したマグネシウム合金 14 チャンバ 15 冷却鋳型 15a、15b テーパ 16 ダミーバー(引抜手段) 17 ピンチロール(引抜手段) 18 材料投入シュータ(材料供給手段) 19 不純物 20 水冷パイプ(冷却手段) 21 鋳造装置 31〜34 走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型特定
X線検出装置(SEM−EDS)測定における測定点
Claims (12)
- 【請求項1】 マグネシウム合金の結晶粒内において、
アルミニウム、亜鉛、マンガンのいずれか1つ以上を含
む析出物領域が複数存在していることを特徴とするマグ
ネシウム合金素形材。 - 【請求項2】 複数の析出物領域が、端面間距離で0よ
り大きく400μm未満離れていることを特徴とする請
求項1に記載のマグネシウム合金素形材。 - 【請求項3】 1つの析出物領域の面積が、25×10
-12πm2以上2500×10-12πm2以下であることを
特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のマグネ
シウム合金素形材。 - 【請求項4】 含有比率が1.8〜9.1wt.%のアル
ミニウムを含有することを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のマグネシウム合金素形材。 - 【請求項5】 形状が板状であることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか1項に記載のマグネシウム合金素形
材。 - 【請求項6】 マグネシウム合金材料を溶解装置内に投
入し、酸素遮断した状態で溶解装置内のマグネシウム合
金材料を溶解してから冷却鋳型に供給した後、溶融状態
のマグネシウム合金を1〜20K/sの冷却速度で冷却し
凝固させる工程と、凝固した金属の鋳塊が連続するよう
に引抜手段で引き抜く工程とを含むことを特徴とするマ
グネシウム合金素形材の鋳造方法。 - 【請求項7】 凝固した金属の鋳塊を、引き抜きと停止
とを繰り返し行うことで、時間的に断続的に引き抜くこ
とを特徴とする請求項6に記載のマグネシウム合金素形
材の鋳造方法。 - 【請求項8】 溶融状態のマグネシウム合金を冷却速度
3〜8K/secで冷却し凝固させることを特徴とする請求
項6〜7のいずれか1項に記載のマグネシウム合金素形
材の鋳造方法。 - 【請求項9】 溶解装置に投入するマグネシウム合金材
料の形状を粒子状の固体とし、溶融状態のマグネシウム
合金を、溶解装置の周辺雰囲気を不活性に保った状態で
冷却鋳型に供給することを特徴とする請求項6〜8のい
ずれか1項に記載のマグネシウム合金素形材の鋳造方
法。 - 【請求項10】 冷却鋳型は、その内壁断面形状が矩形
状であり、その短辺の長さが溶解装置側と引抜手段側と
で異なるように、前記内壁の少なくとも一部にテーパが
形成されている状態で鋳造することを特徴とする請求項
6〜9のいずれか1項に記載のマグネシウム合金素形材
の鋳造方法。 - 【請求項11】 溶解装置の合金収容部分及び/または
冷却鋳型の材質が黒鉛であることを特徴とする請求項6
〜10のいずれか1項に記載のマグネシウム合金素形材
の鋳造方法。 - 【請求項12】 溶解装置の側面に冷却鋳型が接続さ
れ、水平方向にマグネシウム合金を引き抜く事を特徴と
する請求項6〜11のいずれか1項に記載のマグネシウ
ム合金素形材の鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002363846A JP4294947B2 (ja) | 2001-12-14 | 2002-12-16 | マグネシウム合金素形材の鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001382073 | 2001-12-14 | ||
| JP2001-382073 | 2001-12-14 | ||
| JP2002363846A JP4294947B2 (ja) | 2001-12-14 | 2002-12-16 | マグネシウム合金素形材の鋳造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003239033A true JP2003239033A (ja) | 2003-08-27 |
| JP4294947B2 JP4294947B2 (ja) | 2009-07-15 |
Family
ID=27790880
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002363846A Expired - Fee Related JP4294947B2 (ja) | 2001-12-14 | 2002-12-16 | マグネシウム合金素形材の鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4294947B2 (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3503898B1 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-08 | 権田金属工業株式会社 | マグネシウム系金属薄板の製造方法及び製造装置 |
| WO2006046320A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-04 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | マグネシウム合金製筐体 |
| WO2006093334A1 (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-08 | Japan Metals And Chemicals Co., Ltd. | 高蒸気圧金属含有合金の溶解方法 |
| WO2009093420A1 (ja) | 2008-01-24 | 2009-07-30 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | マグネシウム合金板材 |
| JP2010106335A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Miyamoto Kogyo Kk | 鍛造用マグネシウム合金 |
| JP2010106336A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Miyamoto Kogyo Kk | マグネシウム合金の鍛造方法 |
| KR101082065B1 (ko) | 2006-08-18 | 2011-11-10 | 마곤텍 게엠베하 | 합금 조성물의 캐스팅 방법 |
| JP2013169588A (ja) * | 2012-02-22 | 2013-09-02 | Kobe Steel Ltd | 加熱装置、連続鋳造装置および連続鋳造方法 |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002363846A patent/JP4294947B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3503898B1 (ja) | 2003-03-07 | 2004-03-08 | 権田金属工業株式会社 | マグネシウム系金属薄板の製造方法及び製造装置 |
| WO2006046320A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-04 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | マグネシウム合金製筐体 |
| WO2006093334A1 (ja) * | 2005-03-02 | 2006-09-08 | Japan Metals And Chemicals Co., Ltd. | 高蒸気圧金属含有合金の溶解方法 |
| EP1875978A4 (en) * | 2005-03-02 | 2008-11-05 | Japan Metals & Chem Co Ltd | PROCESS FOR MELTING ALLOYS WITH METAL HIGH STEAM PRESSURE |
| JP4956826B2 (ja) * | 2005-03-02 | 2012-06-20 | 日本重化学工業株式会社 | 高蒸気圧金属含有合金の溶解方法 |
| KR101082065B1 (ko) | 2006-08-18 | 2011-11-10 | 마곤텍 게엠베하 | 합금 조성물의 캐스팅 방법 |
| WO2009093420A1 (ja) | 2008-01-24 | 2009-07-30 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | マグネシウム合金板材 |
| US8852363B2 (en) | 2008-01-24 | 2014-10-07 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Magnesium alloy sheet material |
| JP2010106335A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Miyamoto Kogyo Kk | 鍛造用マグネシウム合金 |
| JP2010106336A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Miyamoto Kogyo Kk | マグネシウム合金の鍛造方法 |
| JP2013169588A (ja) * | 2012-02-22 | 2013-09-02 | Kobe Steel Ltd | 加熱装置、連続鋳造装置および連続鋳造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP4294947B2 (ja) | 2009-07-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US8808423B2 (en) | Magnesium-based alloy for high temperature and manufacturing method thereof | |
| CN101982259B (zh) | 镁合金材料的制造方法 | |
| CN102712969B (zh) | 具有出色机械性能的不可燃镁合金及其制备方法 | |
| JP4613965B2 (ja) | マグネシウム合金板材 | |
| He et al. | Microstructural characteristics and densification behavior of high-Nb TiAl powder produced by plasma rotating electrode process | |
| CN102330006B (zh) | 一种变形镁合金及其制备方法 | |
| US20140332121A1 (en) | Magnesium alloy having high ductility and high toughness, and preparation method thereof | |
| JPH10249508A (ja) | チルベント | |
| JP2009120883A (ja) | マグネシウム合金箔およびその製造方法 | |
| EP1759029A1 (en) | Wrought magnesium alloy having excellent formability and method of producing same | |
| JP2003239033A (ja) | マグネシウム合金素形材とその鋳造方法 | |
| Yu et al. | Effect of calcium addition on microstructure, casting fluidity and mechanical properties of Mg-Zn-Ce-Zr magnesium alloy | |
| KR102441441B1 (ko) | 고속압출용 마그네슘 합금 및 이를 이용한 마그네슘 합금 압출재의 제조방법 | |
| US20030159797A1 (en) | Magnesium alloy cast and casting method thereof | |
| Kim et al. | Role of Ca in hot compression behavior and microstructural stability of AlMg5 alloy during homogenization | |
| JP4263463B2 (ja) | マグネシウム合金鋳塊とその製造方法 | |
| WO2023084864A1 (ja) | アルミニウム合金鋳塊、アルミニウム合金材およびアルミニウム合金材の製造方法 | |
| JP2006297413A (ja) | マグネシウム合金鋳塊の製造方法 | |
| AU2011233969B2 (en) | Magnesium-based alloy for high temperature and manufacturing method thereof | |
| CN1904106A (zh) | 一种含稀土y的细晶变形镁合金 | |
| Yang et al. | Effects of process parameters on the macrostructure of a squeeze-cast Mg-2.5 mass% Nd alloy | |
| JP2005082855A (ja) | Al合金材料 | |
| JP5061977B2 (ja) | 凝固組織が等軸デンドライトを有する鋼の連続鋳造方法 | |
| Matejka et al. | Effect of Maximum Piston Velocity on Internal Homogeneity of AlSi9Cu3 (Fe) Alloy Processed by High-Pressure Die Casting | |
| EP2374906B1 (en) | Manufacturing method of a magnesium alloy for room temperature applications |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051213 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080627 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080708 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080905 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090310 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090409 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417 Year of fee payment: 4 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |