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JP2003234060A - 電界電子放出源及びその製造方法 - Google Patents

電界電子放出源及びその製造方法

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Publication number
JP2003234060A
JP2003234060A JP2002032869A JP2002032869A JP2003234060A JP 2003234060 A JP2003234060 A JP 2003234060A JP 2002032869 A JP2002032869 A JP 2002032869A JP 2002032869 A JP2002032869 A JP 2002032869A JP 2003234060 A JP2003234060 A JP 2003234060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
electron emission
emission source
carbon nanotubes
nanotube film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002032869A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Ito
雅章 伊藤
Sashiro Kamimura
佐四郎 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Itron Corp
Original Assignee
Noritake Itron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Itron Corp filed Critical Noritake Itron Corp
Priority to JP2002032869A priority Critical patent/JP2003234060A/ja
Publication of JP2003234060A publication Critical patent/JP2003234060A/ja
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界電子放出源の電子放出効率を一様にす
る。 【解決手段】 本発明の電界電子放出源は、共有結合性
炭化物からなる基板22を真空中で加熱し、その表層部
から炭素と共有結合していた元素を除去し、ナノチュー
ブ膜を形成する第1の工程と、導電性基板25に基板2
2のナノチューブ膜側を固着する第2の工程と、導電性
基板25にナノチューブ膜を残して基板22を除去する
第3の工程とにより製造され、導電性基板25とこの導
電性基板25の一面に固着されたナノチューブ膜とから
なり、ナノチューブ膜は一方向に配向され、かつ円筒状
の外周面で相互に接する略一様な長さの多数のカーボン
ナノチューブ23を有し、これらのカーボンナノチュー
ブ23は、同軸多層構造を有し、各層の導電性基板25
の基板面と反対方向の端面が開放され、かつ配向方向が
導電性基板25の基板面と略垂直に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界電子放出源に
関し、特に電子放出の均一性を向上させた電界電子放出
源とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光体に電子線を照射して発光させる、
FED(Field Emission Display)や蛍光表示管などに
用いる電子放出源として、カーボンナノチューブを用い
た電界電子放出源が注目されている。カーボンナノチュ
ーブは、グラファイトの単層が円筒状に閉じ、かつ円筒
の先端部に五員環が形成された構造をしており、その代
表的な直径は10〜50nmと微小のため、100V程
度の電界を印加することにより、その先端から電子を電
界放出させることができる。
【0003】また、炭素原子だけで構成されることから
真空中では耐酸化性が高く化学的安定性に優れるととも
に耐イオン衝撃性も高いことから、長時間駆動しても劣
化が生じ難いという利点がある。なお、カーボンナノチ
ューブには、前述した単層構造のものと、複数のグラフ
ァイトの層が入れ子構造的に積層し、それぞれのグラフ
ァイト層が円筒状に閉じた同軸多層構造となっているも
のとがあるが、どちらを用いても電子放出源とすること
ができる。
【0004】従来、カーボンナノチューブは、例えば、
アルゴンやヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で、黒鉛を
電極にしてアーク放電を行うアーク放電法か、若しくは
黒鉛にレーザ照射を行うレーザアブレーション法などに
よってカーボンを蒸発させ、黒鉛などの表面に凝縮(再
結合)させることで製造されていた。しかしながら、こ
のような方法によると、アモルファスカーボンやグラフ
ァイト、フラーレンなどがカーボンナノチューブと同時
に生成されるため、これらの混合物からカーボンナノチ
ューブだけを分離することは困難であった。
【0005】さらに、電界電子放出源は、電圧印加によ
り一様に電子が放出されることが望まれるため、多数の
カーボンナノチューブの先端の向きや高さ、配設密度な
どを略一様に揃える必要があるが、従来のようにばらば
らの状態で生成されるカーボンナノチューブをこのよう
に揃えることは極めて困難である。このため、電界強度
が一様にならず電子が一様に放出されない、すなわち放
出電流が一様にならないことから、広い面積で一様な輝
度が要求されるFEDなどの表示装置や照明装置などの
電子放出源を構成することは実質的に不可能であった。
【0006】また、特開平10−012124号公報に
は、ガラス基板上に形成したアルミニウム膜の表層部を
酸化処理するとともにこの表面から厚さ方向に延びる細
孔を一定間隔で設け、この細孔内に触媒金属を埋め込ん
だ後、CVD法によって当該細孔内にカーボンナノチュ
ーブを成長させる電子放出源の製造方法が記載されてい
る。この方法によれば、カーボンナノチューブの成長方
向が細孔の底部から開口部に向かう方向に制限されるた
め、複数本のカーボンナノチューブを一定の方向に配向
させることができる。しかしながら、この構造ではカー
ボンナノチューブの数が細孔の数に制限されるため、カ
ーボンナノチューブの配設密度が低くなるので放出電流
が少なく、輝度が低くなるという問題があった。また、
製造工程が極めて複雑になるという問題もあった。
【0007】このような問題を解決するため、特開20
00−100317号公報に記載されているように、真
空中で炭化ケイ素基板を加熱して基板表層部のケイ素原
子を除去し、カーボンナノチューブを生成する方法が提
案されている。この製造方法によれば、従来行われてい
た不活性ガス雰囲気下で蒸発させたカーボンを凝縮(再
結合)させるアーク放電法やレーザアブレーション法な
どに比較して、他の炭素同素体の生成を伴うことなく、
カーボンナノチューブの向きや高さ、配設密度を揃える
ことができる。
【0008】特開2000−100317号公報に記載
された製造方法によれば、炭素が比較的高温まで安定な
真空中で炭化ケイ素基板を加熱することにより、加熱さ
れた基板の表面からケイ素が選択的に除去されてケイ素
除去層が生成され、このケイ素除去層内に残留する炭素
原子でケイ素の移動方向、すなわち基板内部から表面に
向かう一方向に沿って配向するカーボンナノチューブが
元の炭素原子密度に基づく高い数密度で生成されるもの
と考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た炭化ケイ素基板の熱処理でカーボンナノチューブを生
成した電子放出源には、一様にカーボンナノチューブが
生成されているにもかかわらず、電子放出源の中央部に
おける電子放出効率が周縁部に比較して低いという問題
があった。この問題の原因は、カーボンナノチューブが
導電性の低い炭化物からなる基板表面に生成されている
ため、中央部に位置するカーボンナノチューブへの通電
経路が、主として基板周縁部からのカーボンナノチュー
ブ相互の接触により形成されることとなり、通電経路の
抵抗率が比較的高くなるためと考えられる。
【0010】すなわち、基板周縁部から中央部に向かう
につれて通電経路の全抵抗値が高くなるため、中央部に
近いカーボンナノチューブほど流れる電流値が小さくな
り、電子放出効率が低下する。したがって、中央部にお
ける電子放出効率の低下は基板の面積が大きくなるほど
顕著となり、例えば3mm×5mm程度以上の大きさで
は無視できない程度に拡大する。本発明は、このような
問題を解決するためになされたものであって、その目的
は、高密度に配向されたカーボンナノチューブにより構
成された電子放出効率の一様な電界電子放出源とその製
造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の電界電子放出源は、導電性基板と、こ
の導電性基板の一面に固着されたナノチューブ膜とから
なり、ナノチューブ膜は一方向に配向され、かつ円筒状
の外周面で相互に接する略一様な長さの多数のカーボン
ナノチューブを有し、これらのカーボンナノチューブ
は、同軸多層構造を有し、各層の導電性基板の基板面と
反対方向の端面が開放され、かつ配向方向が導電性基板
の基板面と略垂直に形成されていることによって特徴づ
けられる。
【0012】この場合、ナノチューブ膜は、カーボンナ
ノチューブ間の間隙にアモルファスカーボン層が形成さ
れている。このアモルファスカーボン層は、各カーボン
ナノチューブをその外周面において相互に結合する接着
剤として作用している。この電界電子放出源の一構成例
は、ナノチューブ膜が導電性接着剤により導電性基板に
固着されている。また、別の構成例は、ナノチューブ膜
が絶縁性基板上に配置された厚膜導体に固着されてい
る。
【0013】また、本発明の電界電子放出源の製造方法
は、共有結合性炭化物からなる基板を真空中で加熱し、
その表層部から炭素と共有結合していた元素を除去し、
ナノチューブ膜を形成する第1の工程と、導電性基板に
前記基板のナノチューブ膜側を導電性接着剤により接着
する第2の工程と、導電性基板にナノチューブ膜を残し
て前記基板を除去する第3の工程とからなることによっ
て特徴づけられる。この場合、ナノチューブ膜は、一方
向に配向され、かつ円筒状の外周面で相互に接する略一
様な長さの多数のカーボンナノチューブを有し、これら
のカーボンナノチューブは、同軸多層構造を有し、各層
の前記導電性基板の基板面と反対方向の端面が開放さ
れ、かつ配向方向が前記導電性基板の基板面と略垂直に
形成されている。
【0014】また、第2の工程において、複数の材料を
組み合わせて構成した導電性基板を用いることも可能で
ある。例えば、ガラス板などの絶縁性基板上に導電性ペ
ーストを所定のパターンで印刷した後、焼成して形成し
た厚膜導体を有する基板であってもよい。この場合、第
2の工程は、導電ペーストを所定パターンで印刷した絶
縁基板の導電ペースト上に前記基板のナノチューブ膜側
を載置した後、焼成する工程とすればよい。これによれ
ば導電性接着剤を用いずにナノチューブ膜を固着するこ
とができる。
【0015】この電界電子放出源の製造方法の一構成例
は、前述した第1の工程と第2の工程の間に、酸素を含
む雰囲気中で前記基板を加熱する工程を加え、かつ第3
の工程において超音波洗浄によりナノチューブ膜から前
記基板を剥離する。また、別の構成例は、第3の工程に
おいて前記基板を機械的研磨により除去する。このよう
に、共有結合性炭化物からなる基板の表層部から炭素と
共有結合していた元素を除去し、形成したナノチューブ
膜の表面を導電性基板に接着した後、共有結合性炭化物
からなる基板を除去するので、ナノチューブ膜を構成す
る多数のカーボンナノチューブの開放された端面が露出
し、電子放出面となる。
【0016】この電子放出面は、開放された端面を有
し、かつ円筒状の外周面で相互に接する略一様な長さの
多数のカーボンナノチューブが導電性基板に略垂直な方
向に配向し固着したものであるから、各カーボンナノチ
ューブに印加される電界が均一となるとともに、各カー
ボンナノチューブと電極となる導電性基板との電気抵抗
も均一化されるので、各カーボンナノチューブの放出電
流も均一になる。これにより、電子放出部が高密度に配
置され、電子放出効率が一様な電界電子放出源が得られ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図を用いて本発明の実施の
形態を説明する。図1は、本発明にかかる電界電子放出
源の実施の形態を示す構成図である。同図において、
(a)は全体構成を示す断面図であり、(b)はこの電
界電子放出源を構成するカーボンナノチューブの先端部
の構造を分子レベルで示す説明図である。
【0018】図1(a)に示すように、この実施の形態
にかかる電界電子放出源は、陰極となる導電性基板1
と、この導電性基板1の一面に直接固着されたナノチュ
ーブ膜10とからなり、ナノチューブ膜10は、一方向
に配向され、かつ円筒状の外周面で相互に接する略一様
な長さの多数のカーボンナノチューブ11を有する。ま
た、ナノチューブ膜10のカーボンナノチューブ11間
の間隙には、各カーボンナノチューブ11をその外周面
において相互に結合する接着剤として作用するアモルフ
ァスカーボン層12が形成されている。
【0019】これらのカーボンナノチューブ11は、図
1(b)に示すように同軸多層構造を有し、各層の導電
性基板1の基板面と反対方向の端面が開放され、かつ配
向方向が導電性基板1の基板面と略垂直に形成されてい
る。この場合、各々のカーボンナノチューブ11は、そ
の周壁が炭素原子13の六員環が網状に連結された複数
(例えば2〜10本程度)の順次径の異なる円筒状のグ
ラファイト層14が入れ子になった多層構造からなり、
先端には多層構造をなすグラファイト層14の端面が露
出している。
【0020】このような構成において、導電性基板1の
ナノチューブ膜10形成面に対向する平行電極を設け、
導電性基板1が陰極となり、平行電極が陽極となるよう
に高電圧を印加することにより、ナノチューブ膜10を
構成するカーボンナノチューブ11の先端に電界が集中
するため、トンネル効果による電界電子放出が発生す
る。これらのカーボンナノチューブ11は先端が開放し
た形状を備えているので、多層構造をなす各グラファイ
ト層14の端面を構成する複数の炭素原子13の各々か
ら電子が放出される。したがって、これらのカーボンナ
ノチューブ11の先端の実質的な曲率半径は、炭素原子
13の半径に一致する。
【0021】この場合、最外周に位置するグラファイト
層14の直径、すなわちカーボンナノチューブ11の直
径は例えば3nm〜10nm程度であり、最内周に位置
するグラファイト層14の直径は例えば3nm程度であ
る。なお、グラファイト層14の相互間隔は、平坦なグ
ラファイトの層間隔に略等しい0.34nm程度であ
る。また、これらのカーボンナノチューブ11の長さ
は、数十nm〜1μm程度である。ここでは、例えばカ
ーボンナノチューブ11の直径は3nm程度であり、長
さは0.5μm程度である。
【0022】このように、この実施の形態にかかる電界
電子放出源は、実質的に直径10nm程度以下の極めて
微細な領域内に極めて多数のエミッションサイト(電子
の放出位置)が存在することと、各カーボンナノチュー
ブ11がそれぞれ直接導電性基板に接着されているため
通電抵抗が低いことから、従来に比べて各カーボンナノ
チューブ11の放出電流を大きくとることが可能とな
る。また、各カーボンナノチューブ11は、長さが略一
様であり、かつ位置の違いによる通電抵抗の差が生じな
いため、個々のカーボンナノチューブ11に印加される
電界が均一となるので、放出電流が均一になり電子放出
効率も一様となる。
【0023】次に、この実施の形態にかかる電界電子放
出源の製造方法について図を参照して説明する。図2
は、図1の電界電子放出源の製造工程を模式的に示した
説明図である。まず、図2(a)に示すように、真空加
熱炉20内に(0001)面が表面21に現れたα型、
あるいは(111)面が表面21に現れたβ型の炭化ケ
イ素単結晶からなる基板22を表面21が上向きとなる
ように配置する。このように配置するのは、カーボンナ
ノチューブが、α型においては[0001]方向に、β
型においては[111]方向に配向して形成されるた
め、後述するように、基板から垂直方向に立設された多
数のカーボンナノチューブを有するナノチューブ膜が得
られるためである。
【0024】次に、真空加熱炉40を操作して、図2
(b)に示すように、基板22に例えば、温度1700
℃、圧力1×10-2Pa、加熱処理時間5時間の条件で
真空加熱処理を行う。これにより、炭化ケイ素を構成す
るケイ素が基板22の表面21からガス化して次第に除
去され、図2(c)に示すように、表面21近傍に炭素
原子のみからなる多数のカーボンナノチューブ23が一
方向に配向し、円筒状の外周面で相互に接するように生
成する。また、カーボンナノチューブ23間の間隙には
アモルファスカーボン層(図示せず)が生成し、各カー
ボンナノチューブ23をその外周面において相互に結合
している。
【0025】この場合、生成するカーボンナノチューブ
23の一例は、直径3nm、長さ0.5μm程度であ
り、その周壁は炭素原子の六員環が網状に連結された複
数(例えば2〜10本程度)の順次径の異なる円筒状グ
ラファイト層が入れ子になった多層構造を有し、各層の
先端部は五員環あるいは七員環が導入されることでドー
ム状に閉じている。
【0026】カーボンナノチューブ23が一方向に配向
するのは、α型炭化ケイ素単結晶の(0001)面と、
β型炭化ケイ素単結晶の(111)面がそれぞれ炭素の
みの層とケイ素のみの層が交互に積層された構造を有す
ることによるものと考えられる。すなわち、ケイ素原子
は炭素のみの層とケイ素のみの層が交互に積層された面
に垂直な方向へ容易に移動できるため、加熱により順次
表面21から抜け出るように移動するとともに、この移
動に伴う触媒的な作用によって炭素原子を六員環構造に
変化させ、表面21に垂直な方向に配向したカーボンナ
ノチューブ23が形成されると考えられる。
【0027】次に、カーボンナノチューブ23が形成さ
れた基板22を加熱炉に移し、酸素を含む雰囲気中で加
熱処理を行う。ここでは、大気中において、基板22を
温度600℃、加熱処理時間1〜20分の条件で加熱処
理を行う。なお、温度と加熱処理時間は、加熱炉内の酸
素分圧などにより適宜変更する。この加熱処理は、カー
ボンナノチューブ23と基板22の界面に熱衝撃を与
え、後述するカーボンナノチューブ23からの基板22
除去を容易にするために行う。また、この加熱処理によ
り、カーボンナノチューブ23の先端部のうち、六員環
に比較して結合力が小さい五員環などで構成される部分
が破壊され、この部分から先が分離されることにより、
カーボンナノチューブ23の先端が開放され、図1
(b)と同様の構造の円筒状グラファイト層が露出す
る。加熱処理後の基板22を図2(d)に示す。
【0028】次に、加熱処理の終わった基板22を加熱
炉から取り出し、図2(e)に示すように、電極となる
導電性基板25に基板22のカーボンナノチューブ23
が生成された面を固着する。ここで、導電性基板25に
は、例えば426合金を用い、導電性基板25と基板2
2表層部のカーボンナノチューブ23との固着には、例
えば導電性接着剤を使用する。この場合、先の加熱処理
によりカーボンナノチューブ23の先端が開放され、内
部の各グラファイト層の端部が露出しているので、カー
ボンナノチューブ23を構成する各グラファイト層を導
電性基板25と直接導通させることができる。
【0029】導電性基板25と基板22表層部のカーボ
ンナノチューブ23とが十分固着した後、図2(f)に
示すように、導電性基板25に固着したカーボンナノチ
ューブ23から基板22を除去する。ここでは、基板2
2を固着した導電性基板25を超音波洗浄機に入れ、超
音波洗浄する。これにより、基板22がカーボンナノチ
ューブ23との界面で剥離し、導電性基板25に固着し
たカーボンナノチューブ23が残る。残ったカーボンナ
ノチューブ23は、基板22の剥離により基板22との
界面が端面となる。
【0030】この端面は、図1(b)で示したように、
先端が開放され、内部の各グラファイト層の端部が露出
している。図3は、この製造方法により作製した電界電
子放出源の電子放出部を5万倍に拡大した電子顕微鏡写
真である。なお、導電性基板25に固着したカーボンナ
ノチューブ23から基板22を除去する方法は、上述し
た方法に限られるわけではなく、例えば基板22をカー
ボンナノチューブ23生成面と反対の面から機械的に研
磨して除去してもよい。
【0031】次に、この製造方法で作製した電界電子放
出源の電気的性能を評価した結果について説明する。こ
の評価は、前述した製造方法により、導電性基板にカー
ボンナノチューブを3mm角の範囲に固着した電界電子
放出源を用いて3極管構造の蛍光表示装置を作製し実施
した。図4は、電界電子放出源の電気的性能を評価する
ために用いる蛍光表示装置の構成を示す説明図である。
同図において、この蛍光表示装置は、透明な真空外囲器
40中に電界電子放出源41とゲート電極42と陽極4
3とがこの順番で互いに平行に配置されている。
【0032】ここで、陽極43は、電子が透過可能な厚
さのメタルバック膜で構成されるとともに、ゲート電極
42と反対の面に蛍光体層44が塗布されており、外部
から蛍光体層44の発光を観察できるように構成されて
いる。蛍光体層44に用いる蛍光体は、ブラウン管で一
般的に使用されている蛍光体である。この場合、ゲート
電極42は、電界電子放出源41のカーボンナノチュー
ブ45の先端から0.5mm離間して配置され、陽極4
3は、ゲート電極42から30mm離間して配置されて
いる。
【0033】このような構成において、電界電子放出源
41の導電性基板を陰極46とし、陰極46とゲート電
極42の間に陰極46側が負、ゲート電極42側が正と
なるように2kVのゲート電圧を印加するとともに、陰
極46と陽極43の間に陰極46側が負、陽電極43側
が正となるように5kVの陽極電圧を印加し、陽極43
と陰極46の間に流れる電流(陽極電流)を電流計47
で測定した。また、蛍光体層44の発光分布を観察し、
電界電子放出源41の周縁部と中央部における電子放出
効率を比較した。その結果、陽極電流は200μA以上
と十分に大きな値が得られた。また、蛍光体層44は略
一様な発光を示し、この実施の形態の電界電子放出源が
周縁部と中央部で略一様な電子放出効率を示すことが確
かめられた。
【0034】この実施の形態によれば、電界電子放出源
の電子放出部となるナノチューブ膜を、このナノチュー
ブ膜が形成された炭化ケイ素単結晶からなる低導電性基
板から426合金からなる高導電性基板へ転写すること
により、ナノチューブ膜を構成する個々のカーボンナノ
チューブが直接、陰極となる426合金に固着されるた
め、電界電子放出源の周縁部と中央部で陰極からの通電
経路の抵抗値が異なることがないので、個々のカーボン
ナノチューブの電子放出効率を略一様とすることが可能
となり、電子放出効率が略一様な大面積の電界電子放出
源を提供することができる。
【0035】この実施の形態では、一方向に配向した多
数のカーボンナノチューブを有するナノチューブ膜を生
成する基板として炭化ケイ素単結晶基板を例に説明した
が、このようなカーボンナノチューブ生成作用は、炭化
ケイ素基板に限らず他の共有結合性炭化物基板を真空加
熱処理する場合にも同様に得ることができる。ここで
「共有結合性炭化物」とは、炭素と非金属元素(炭素と
の間でイオン性炭化物を作るものよりは陽性が弱く、侵
入型炭化物を作るものよりは原子半径が小さいケイ素等
の元素)との化合物であって、共有性炭化物ともいう。
【0036】また、陰極となる導電性基板として426
合金を例に説明したが、これに限られるものではなく、
導電性接着剤で接着可能な導電体であればよい。また、
導電性基板は1つの材料で構成されたものに限られるも
のではない。例えば、ガラス板などの絶縁性基板上に導
電性ペーストを所定のパターンで印刷した後、焼成した
厚膜導体であってもよい。この場合、印刷した導電ペー
スト上にナノチューブ膜を形成した共有結合性炭化物基
板を配置した後、焼成することで、導電性接着剤を用い
ずにナノチューブ膜を固着することができるので、接着
工程を省くことができ、生産コストを削減する効果が得
られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電界電子
放出源は、一方向に配向され、かつ円筒状の外周面で相
互に接する略一様な長さの多数のカーボンナノチューブ
を有するナノチューブ膜が陰極となる導電性基板の一面
に直接固着されているので、電界電子放出源の周縁部と
中央部で陰極からの通電経路の抵抗値が異なることがな
い。このため、個々のカーボンナノチューブの電子放出
効率が略一様となるので、大面積の電界電子放出源にお
いても電子放出効率が略一様となる効果が得られる。
【0038】また、本発明の電界電子放出源の製造方法
によれば、共有結合性炭化物基板を真空加熱処理するこ
とにより、一方向に配向され、かつ円筒状の外周面で相
互に接する略一様な長さの多数のカーボンナノチューブ
を有するナノチューブ膜を形成し、このナノチューブ膜
を陰極となる導電性基板の一面に直接固着した後、ナノ
チューブ膜と共有結合性炭化物基板の界面で共有結合性
炭化物基板を除去する。このため、個々のカーボンナノ
チューブで陰極からの通電経路の抵抗値が異なることが
ないので、個々のカーボンナノチューブの電子放出効率
が電界電子放出源の面積によって変化することがなく、
電子放出効率が略一様な大面積の電界電子放出源を製造
することが可能である。また、ナノチューブ膜と共有結
合性炭化物基板の界面で共有結合性炭化物基板を除去す
るので、電子放出部となる個々のカーボンナノチューブ
の先端が六員環が連続する円筒状グラファイト層の端部
となり、曲率半径の小さい多数の電子放出部が形成され
る。このため、電子放出効率を向上する効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電界電子放出源の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】 図1の電界電子放出源の製造工程を模式的に
示した説明図である。
【図3】 図2の製造工程より作製した電界電子放出源
の電子放出部を5万倍に拡大した電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】 本発明の電界電子放出源の電気的性能を評価
するために用いる蛍光表示装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1,25…導電性基板、10…ナノチューブ膜、11,
23,45…カーボンナノチューブ、12…アモルファ
スカーボン層、13…炭素原子、14…グラファイト
層、20…真空加熱炉、21…表面、22…基板、40
…真空外囲器、41…電界電子放出源、42…ゲート電
極、43…陽極、44…蛍光体層、46…陰極、47…
電流計。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板と、この導電性基板の一面に
    固着されたナノチューブ膜とからなり、 前記ナノチューブ膜は、一方向に配向され、かつ円筒状
    の外周面で相互に接する略一様な長さの多数のカーボン
    ナノチューブを有し、 これらのカーボンナノチューブは、同軸多層構造を有
    し、各層の前記導電性基板の基板面と反対方向の端面が
    開放され、かつ配向方向が前記導電性基板の基板面と略
    垂直に形成されていることを特徴とする電界電子放出
    源。
  2. 【請求項2】 前記ナノチューブ膜は、前記カーボンナ
    ノチューブ間の間隙にアモルファスカーボン層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の電界電子放出
    源。
  3. 【請求項3】 共有結合性炭化物からなる基板を真空中
    で加熱し、その表層部から炭素と共有結合していた元素
    を除去し、ナノチューブ膜を形成する第1の工程と、 導電性基板に前記基板の前記ナノチューブ膜側を導電性
    接着剤により接着する第2の工程と、 前記導電性基板に前記ナノチューブ膜を残して前記基板
    を除去する第3の工程とからなる電界電子放出源の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ナノチューブ膜は、一方向に配向さ
    れ、かつ円筒状の外周面で相互に接する略一様な長さの
    多数のカーボンナノチューブを有し、 これらのカーボンナノチューブは、同軸多層構造を有
    し、各層の前記導電性基板の基板面と反対方向の端面が
    開放され、かつ配向方向が前記導電性基板の基板面と略
    垂直に形成されていることを特徴とする請求項3記載の
    電界電子放出源の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程と前記第2の工程の間
    に、酸素を含む雰囲気中で前記基板を加熱する工程を加
    え、かつ前記第3の工程は、超音波洗浄により前記ナノ
    チューブ膜から前記基板を剥離するものであることを特
    徴とする請求項3又は請求項4記載の電界電子放出源の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の工程は、前記基板を機械的研
    磨により除去するものであることを特徴とする請求項3
    又は請求項4記載の電界電子放出源の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005209551A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Hitachi Chem Co Ltd 電界電子放出素子、画像表示装置、電子線照射デバイス、電界放出トランジスタ及び電界電子放出素子用炭素材料
CN100388081C (zh) * 2005-08-15 2008-05-14 财团法人工业技术研究院 增加平面光源的均匀度的方法与该平面光源

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