JP2003227480A - スクロール型圧縮機 - Google Patents
スクロール型圧縮機Info
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- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 運転回転数可変式のスクロール型圧縮機にお
いて、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機構内の
潤滑及びシールを確実に実施できるスクロール型圧縮機
の提供を課題とする。 【解決手段】 高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部
51とスクロール型圧縮機構34の吸入口SUCとの間
を、潤滑油供給流路100で接続する構成を採用した。
いて、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機構内の
潤滑及びシールを確実に実施できるスクロール型圧縮機
の提供を課題とする。 【解決手段】 高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部
51とスクロール型圧縮機構34の吸入口SUCとの間
を、潤滑油供給流路100で接続する構成を採用した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、冷凍装置
や空気調和装置などに使用されるスクロール型圧縮機に
係り、特に、インバータ制御等により広範囲にわたる運
転回転数で使用されるスクロール型圧縮機の潤滑に用い
て好適な技術に関する。
や空気調和装置などに使用されるスクロール型圧縮機に
係り、特に、インバータ制御等により広範囲にわたる運
転回転数で使用されるスクロール型圧縮機の潤滑に用い
て好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置や空気調和装置で冷
媒ガスなどの圧縮に広く使用されているスクロール型圧
縮機においては、固定スクロール部材、旋回スクロール
部材及び自転阻止機構を具備することでスクロール型圧
縮機構を構成している。このスクロール型圧縮機構にお
いて、一方の固定スクロール部材は、吸入管及び吐出管
を接続したハウジング内に固定支持された不動のスクロ
ールである。他方の旋回スクロール部材は、固定スクロ
ール部材と上下または左右方向に噛み合わされた状態で
配置され、自転阻止機構により自転を阻止されると共
に、電動モータなどの駆動源と連結されて、固定スクロ
ール部材に対し公転旋回運動を行うものである。この旋
回スクロール部材は、固定スクロール部材と複数の接触
点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、同圧縮室が外
周側より容積を減少させながら内側へ移動することによ
り、吸入・圧縮・吐出を同時に行うことができる。
媒ガスなどの圧縮に広く使用されているスクロール型圧
縮機においては、固定スクロール部材、旋回スクロール
部材及び自転阻止機構を具備することでスクロール型圧
縮機構を構成している。このスクロール型圧縮機構にお
いて、一方の固定スクロール部材は、吸入管及び吐出管
を接続したハウジング内に固定支持された不動のスクロ
ールである。他方の旋回スクロール部材は、固定スクロ
ール部材と上下または左右方向に噛み合わされた状態で
配置され、自転阻止機構により自転を阻止されると共
に、電動モータなどの駆動源と連結されて、固定スクロ
ール部材に対し公転旋回運動を行うものである。この旋
回スクロール部材は、固定スクロール部材と複数の接触
点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、同圧縮室が外
周側より容積を減少させながら内側へ移動することによ
り、吸入・圧縮・吐出を同時に行うことができる。
【0003】また、スクロール型圧縮機においても、焼
き付きの防止や冷却等を目的として各摺動部の潤滑が必
要になる。このため、スクロール型圧縮機では、従来よ
りハウジングの底部に潤滑油を貯留する貯留部が設けら
れ、たとえば電動モータの回転シャフト下端部付近に設
けた潤滑油ポンプ機構によって、回転シャフト等に設け
た油通路を通して回転シャフト上部の偏心ピン(ドライ
ブピン)上端面から各摺動部へ潤滑油を供給するように
構成した潤滑システムを備えている。
き付きの防止や冷却等を目的として各摺動部の潤滑が必
要になる。このため、スクロール型圧縮機では、従来よ
りハウジングの底部に潤滑油を貯留する貯留部が設けら
れ、たとえば電動モータの回転シャフト下端部付近に設
けた潤滑油ポンプ機構によって、回転シャフト等に設け
た油通路を通して回転シャフト上部の偏心ピン(ドライ
ブピン)上端面から各摺動部へ潤滑油を供給するように
構成した潤滑システムを備えている。
【0004】以下、従来例として密閉縦型のスクロール
型圧縮機の構成及び潤滑システムを図4及び図5に基づ
いて簡単に説明する。このスクロール型圧縮機1は、有
底筒形状のハウジング2と、該ハウジング2内の上部に
上部軸受3で支持されたスクロール型圧縮機構4と、該
スクロール型圧縮機構4の下方、すなわちハウジング2
内の下部に上部軸受3などで支持して配設された駆動手
段のモータ5とを備え、該モータ5の回転シャフト6
が、スクロール型圧縮機構4の下部に連結されている。
型圧縮機の構成及び潤滑システムを図4及び図5に基づ
いて簡単に説明する。このスクロール型圧縮機1は、有
底筒形状のハウジング2と、該ハウジング2内の上部に
上部軸受3で支持されたスクロール型圧縮機構4と、該
スクロール型圧縮機構4の下方、すなわちハウジング2
内の下部に上部軸受3などで支持して配設された駆動手
段のモータ5とを備え、該モータ5の回転シャフト6
が、スクロール型圧縮機構4の下部に連結されている。
【0005】前記ハウジング2は、筒部2aの下端及び
上端が底部2b及び蓋部2cでそれぞれ閉塞状態とさ
れ、筒部2aには吸入管7が内部と貫通状態に接続され
るとともに、蓋部2cには吐出管8が内部に突出状態に
接続された閉空間を形成している。前記スクロール型圧
縮機構4は、上部軸受3に固定された固定スクロール部
材9と、上部軸受3と固定スクロール部材9との間にス
ラスト軸受10を介して公転旋回運動が可能に支持され
た旋回スクロール部材11と、該旋回スクロール部材1
1の外面に設けられ旋回スクロール部材11の公転旋回
運動を許容しながらその自転を阻止する周知のオルダム
リンク等よりなる自転阻止機構12とを備えている。
上端が底部2b及び蓋部2cでそれぞれ閉塞状態とさ
れ、筒部2aには吸入管7が内部と貫通状態に接続され
るとともに、蓋部2cには吐出管8が内部に突出状態に
接続された閉空間を形成している。前記スクロール型圧
縮機構4は、上部軸受3に固定された固定スクロール部
材9と、上部軸受3と固定スクロール部材9との間にス
ラスト軸受10を介して公転旋回運動が可能に支持され
た旋回スクロール部材11と、該旋回スクロール部材1
1の外面に設けられ旋回スクロール部材11の公転旋回
運動を許容しながらその自転を阻止する周知のオルダム
リンク等よりなる自転阻止機構12とを備えている。
【0006】前記固定スクロール部材9は、固定側端板
9aと、該固定側端板9aの内面に立設された渦巻き状
の固定側渦巻体9bと、固定側端板9aの周縁部に形成
された円筒状の周壁部9cとを備え、該固定側渦巻体9
bの先端面にはチップシール13が嵌装されている。前
記固定側端板9aには、その中央部に吐出通路14が上
下に貫通状態に形成されるとともに、その上面にはハウ
ジング2内を高圧室HRと低圧室LRとに分割する仕切
部材として、ディスチャージカバー15が配設されてい
る。このディスチャージカバー15の中央部には吐出ポ
ート16が開口しており、同吐出ポート16を開閉する
吐出弁17が設けられている。なお、高圧室HRには、
前記吐出管8の開口端が貫通状態に固定され、吐出管8
と高圧室HRとが接続されている。
9aと、該固定側端板9aの内面に立設された渦巻き状
の固定側渦巻体9bと、固定側端板9aの周縁部に形成
された円筒状の周壁部9cとを備え、該固定側渦巻体9
bの先端面にはチップシール13が嵌装されている。前
記固定側端板9aには、その中央部に吐出通路14が上
下に貫通状態に形成されるとともに、その上面にはハウ
ジング2内を高圧室HRと低圧室LRとに分割する仕切
部材として、ディスチャージカバー15が配設されてい
る。このディスチャージカバー15の中央部には吐出ポ
ート16が開口しており、同吐出ポート16を開閉する
吐出弁17が設けられている。なお、高圧室HRには、
前記吐出管8の開口端が貫通状態に固定され、吐出管8
と高圧室HRとが接続されている。
【0007】また、上部軸受3の外周部には、吸入管7
からハウジング2内に導入してこれから圧縮しようとす
る流体(以下、圧縮流体と呼ぶ)を固定スクロール部材
3の固定側端板9a及び固定壁9cの内面側に導く吸入
口18が形成されている。この吸入口18は、固定スク
ロール部材9と旋回スクロール部材11との間に形成さ
れる吸入室19に接続されている。従って、吸入管7か
らハウジング2内に導入した圧縮流体は、吸入口18を
通って吸入室19からスクロール型圧縮機構4へと吸入
されていく。
からハウジング2内に導入してこれから圧縮しようとす
る流体(以下、圧縮流体と呼ぶ)を固定スクロール部材
3の固定側端板9a及び固定壁9cの内面側に導く吸入
口18が形成されている。この吸入口18は、固定スク
ロール部材9と旋回スクロール部材11との間に形成さ
れる吸入室19に接続されている。従って、吸入管7か
らハウジング2内に導入した圧縮流体は、吸入口18を
通って吸入室19からスクロール型圧縮機構4へと吸入
されていく。
【0008】前記旋回スクロール部材11は、前記固定
側端板9aに対向状態に配された旋回側端板11aと、
該旋回側端板11aの内面に立設された固定側渦巻体9
bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体11bとを
備え、該旋回側渦巻体11bの先端面にはチップシール
13が嵌装されている。前記旋回側端板11aには、そ
の外面に円筒形状のボス20が軸線を同じくして立設さ
れ、該ボス20の内部には、ブッシュ21が旋回軸受2
2を介して回転可能に嵌装されている。また、該ブッシ
ュ21には、その内部に軸線から偏心した貫通孔21a
が形成されている。
側端板9aに対向状態に配された旋回側端板11aと、
該旋回側端板11aの内面に立設された固定側渦巻体9
bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体11bとを
備え、該旋回側渦巻体11bの先端面にはチップシール
13が嵌装されている。前記旋回側端板11aには、そ
の外面に円筒形状のボス20が軸線を同じくして立設さ
れ、該ボス20の内部には、ブッシュ21が旋回軸受2
2を介して回転可能に嵌装されている。また、該ブッシ
ュ21には、その内部に軸線から偏心した貫通孔21a
が形成されている。
【0009】固定スクロール部材9と旋回スクロール部
材11とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、固
定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11bとの互いの側面が
複数個所で線接触するように180度の位相差をもって
噛み合わされている。また、この状態で、固定側渦巻体
9b及び旋回側渦巻体11bのチップシール13がそれ
ぞれ旋回側端板11a及び固定側端板9aの内面に密接
して、図5に示すように、固定側渦巻体9bと旋回側渦
巻体11bの中心に対して点対称の位置関係となる複数
個所に密閉空間となる圧縮室Pが形成される。なお、旋
回スクロール部材11は、周知のオルダムリンクを備え
た自転阻止機構12によって、上部軸受3及び同上部軸
受3に固定された固定スクロール部材9に対して、自転
が阻止された状態で公転旋回運動可能に配されている。
材11とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、固
定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11bとの互いの側面が
複数個所で線接触するように180度の位相差をもって
噛み合わされている。また、この状態で、固定側渦巻体
9b及び旋回側渦巻体11bのチップシール13がそれ
ぞれ旋回側端板11a及び固定側端板9aの内面に密接
して、図5に示すように、固定側渦巻体9bと旋回側渦
巻体11bの中心に対して点対称の位置関係となる複数
個所に密閉空間となる圧縮室Pが形成される。なお、旋
回スクロール部材11は、周知のオルダムリンクを備え
た自転阻止機構12によって、上部軸受3及び同上部軸
受3に固定された固定スクロール部材9に対して、自転
が阻止された状態で公転旋回運動可能に配されている。
【0010】前記モータ5の回転シャフト6は、上部軸
受3の内周面に配された上部軸受23及びモータ5の下
方に位置する下部軸受24に軸支され、軸線から所定量
偏心された偏心ピン25が上端に突出状態に設けられて
いる。偏心ピン25は、ブッシュ21の貫通孔21aに
挿入され、ブッシュ21を回転可能に支持している。な
お、回転シャフト6などの適所には、一体に回転するバ
ランスウエイトが固定されている。
受3の内周面に配された上部軸受23及びモータ5の下
方に位置する下部軸受24に軸支され、軸線から所定量
偏心された偏心ピン25が上端に突出状態に設けられて
いる。偏心ピン25は、ブッシュ21の貫通孔21aに
挿入され、ブッシュ21を回転可能に支持している。な
お、回転シャフト6などの適所には、一体に回転するバ
ランスウエイトが固定されている。
【0011】偏心ピン25及び回転シャフト6には、こ
れらを上下に貫通する油通路26が形成されるととも
に、回転シャフト6の下端には潤滑油ポンプ機構27が
設けられている。この潤滑油ポンプ機構27は、油通路
26の下端に接続されている。また、ハウジング2の底
部2bには潤滑油の貯留部28が設けられており、該貯
留部28の潤滑油内に回転シャフト6下端の潤滑油ポン
プ機構27が配されている。なお、図中の符号Lは、貯
留部28に貯留されている潤滑油の油面を示している。
れらを上下に貫通する油通路26が形成されるととも
に、回転シャフト6の下端には潤滑油ポンプ機構27が
設けられている。この潤滑油ポンプ機構27は、油通路
26の下端に接続されている。また、ハウジング2の底
部2bには潤滑油の貯留部28が設けられており、該貯
留部28の潤滑油内に回転シャフト6下端の潤滑油ポン
プ機構27が配されている。なお、図中の符号Lは、貯
留部28に貯留されている潤滑油の油面を示している。
【0012】次に、上記構成のスクロール型圧縮機1に
おけるガス(圧縮流体)の圧縮方法について説明する。
モータ5を駆動することにより、回転シャフト6の回転
が偏心ピン25、ブッシュ21、旋回軸受22及びボス
20を介して旋回スクロール部材11に伝達されるとと
もに、旋回スクロール部材11が自転阻止機構12によ
って自転が阻止された状態で固定スクロール部材9に対
して公転旋回運動を行う。このとき、圧縮流体のガス
は、吸入管7からハウジング2内に供給されてモータ5
を冷却するとともに、さらに吸入口18及び吸入室19
を経て圧縮室Pへと供給される。
おけるガス(圧縮流体)の圧縮方法について説明する。
モータ5を駆動することにより、回転シャフト6の回転
が偏心ピン25、ブッシュ21、旋回軸受22及びボス
20を介して旋回スクロール部材11に伝達されるとと
もに、旋回スクロール部材11が自転阻止機構12によ
って自転が阻止された状態で固定スクロール部材9に対
して公転旋回運動を行う。このとき、圧縮流体のガス
は、吸入管7からハウジング2内に供給されてモータ5
を冷却するとともに、さらに吸入口18及び吸入室19
を経て圧縮室Pへと供給される。
【0013】そして、圧縮室P内のガスは、旋回スクロ
ール部材11の上記公転旋回運動による圧縮室Pの容積
縮小に伴い、圧縮されながら中央部に移送される。この
ようにして、さらに圧縮されたガスは、吐出通路14及
び吐出ポート16から吐出弁17を押し開けて高圧室H
R内に排出され、該高圧室HRから吐出管8によって圧
縮機の外部へと導かれる。
ール部材11の上記公転旋回運動による圧縮室Pの容積
縮小に伴い、圧縮されながら中央部に移送される。この
ようにして、さらに圧縮されたガスは、吐出通路14及
び吐出ポート16から吐出弁17を押し開けて高圧室H
R内に排出され、該高圧室HRから吐出管8によって圧
縮機の外部へと導かれる。
【0014】また、底部2bの貯留部28に貯留された
潤滑油は、潤滑油ポンプ機構27によって吸い上げられ
るとともに油通路26内を通って偏心ピン25先端の給
油出口26aから吐出され、ブッシュ21、旋回軸受2
2及び偏心ピン25を潤滑した後、油だまり29に溜ま
る。そして、この潤滑油はさらに、油だまり29の上部
から溢れるようにしてスラスト軸受10及び自転阻止機
構12等の各潤滑部へと供給され、各部を通過して潤滑
した後、ハウジング2底部の貯留部28に戻されて繰り
返し循環される。さらに、貯留部28内の潤滑油が駆動
モータ5の回転により撹拌されミスト状となったもの
や、スラスト軸受10および自転防止機構12等の各潤
滑部へ供給された油が、圧縮流体のガスと共に吸入口1
8及び吸入室19を経て圧縮室Pに供給され、スクロー
ル型圧縮機構4内の摺動部を潤滑すると共に、圧縮室P
間のシールをしている。なお、図中の符号30は、油だ
まり29内の潤滑油を底部2bの貯留部28へ排出する
排油孔である。
潤滑油は、潤滑油ポンプ機構27によって吸い上げられ
るとともに油通路26内を通って偏心ピン25先端の給
油出口26aから吐出され、ブッシュ21、旋回軸受2
2及び偏心ピン25を潤滑した後、油だまり29に溜ま
る。そして、この潤滑油はさらに、油だまり29の上部
から溢れるようにしてスラスト軸受10及び自転阻止機
構12等の各潤滑部へと供給され、各部を通過して潤滑
した後、ハウジング2底部の貯留部28に戻されて繰り
返し循環される。さらに、貯留部28内の潤滑油が駆動
モータ5の回転により撹拌されミスト状となったもの
や、スラスト軸受10および自転防止機構12等の各潤
滑部へ供給された油が、圧縮流体のガスと共に吸入口1
8及び吸入室19を経て圧縮室Pに供給され、スクロー
ル型圧縮機構4内の摺動部を潤滑すると共に、圧縮室P
間のシールをしている。なお、図中の符号30は、油だ
まり29内の潤滑油を底部2bの貯留部28へ排出する
排油孔である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスクロール型圧縮機の潤滑システムには、下記
の問題点があった。すなわち、上述した従来の潤滑シス
テムにおいては、吸入管7より吸入された冷媒ガスなど
の圧縮流体と共にミスト状の潤滑油がスクロール型圧縮
機構4内へ供給されるようになっているため、たとえば
インバータ制御されるモータ5を駆動源として広い回転
数領域で運転されるような場合、低回転数で運転される
領域では撹拌によりミスト状となる潤滑油の量が減少す
る。このため、系内における潤滑油の循環量も減少する
ことになり、結果としてスクロール型圧縮機構4へ供給
される潤滑油の供給量が減少し、スクロール型圧縮機構
4における潤滑性能、およびシール性の低下が問題とな
る。
た従来のスクロール型圧縮機の潤滑システムには、下記
の問題点があった。すなわち、上述した従来の潤滑シス
テムにおいては、吸入管7より吸入された冷媒ガスなど
の圧縮流体と共にミスト状の潤滑油がスクロール型圧縮
機構4内へ供給されるようになっているため、たとえば
インバータ制御されるモータ5を駆動源として広い回転
数領域で運転されるような場合、低回転数で運転される
領域では撹拌によりミスト状となる潤滑油の量が減少す
る。このため、系内における潤滑油の循環量も減少する
ことになり、結果としてスクロール型圧縮機構4へ供給
される潤滑油の供給量が減少し、スクロール型圧縮機構
4における潤滑性能、およびシール性の低下が問題とな
る。
【0016】このような潤滑性能の低下は、圧縮室P間
のシール機能を低下させることからスクロール型圧縮機
1の性能低下につながる。また、固定スクロール部材9
及び旋回スクロール部材11間の摺動部では潤滑油不足
となるため、最悪の場合には焼き付きを生じて耐久性や
信頼性を低下させることが懸念される。さらに、シール
性が低下することにより、複数ある圧縮室間での圧縮ガ
スの漏れが多くなり、性能の低下を引き起こす。
のシール機能を低下させることからスクロール型圧縮機
1の性能低下につながる。また、固定スクロール部材9
及び旋回スクロール部材11間の摺動部では潤滑油不足
となるため、最悪の場合には焼き付きを生じて耐久性や
信頼性を低下させることが懸念される。さらに、シール
性が低下することにより、複数ある圧縮室間での圧縮ガ
スの漏れが多くなり、性能の低下を引き起こす。
【0017】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、運転回転数可変式のスクロール型圧縮機にお
いて、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機構内の
潤滑及びシールを確実に実施できるスクロール型圧縮機
の提供を目的とする。
のであり、運転回転数可変式のスクロール型圧縮機にお
いて、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機構内の
潤滑及びシールを確実に実施できるスクロール型圧縮機
の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1に記載のスクロール型圧縮機は、ハウジング内におけ
る潤滑油の貯留部を、スクロール型圧縮機構により圧縮
された高圧ガスの雰囲気中に設け、前記貯留部と、前記
スクロール型圧縮機構内との間を、潤滑油供給流路で接
続したことを特徴とする。上記請求項1に記載のスクロ
ール型圧縮機によれば、貯留部における高圧環境と、ス
クロール型圧縮機構内における高圧より低い圧力環境と
の圧力差により、貯留部内の潤滑油を吸入口に向かわせ
る流れを形成することができるようになる。
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1に記載のスクロール型圧縮機は、ハウジング内におけ
る潤滑油の貯留部を、スクロール型圧縮機構により圧縮
された高圧ガスの雰囲気中に設け、前記貯留部と、前記
スクロール型圧縮機構内との間を、潤滑油供給流路で接
続したことを特徴とする。上記請求項1に記載のスクロ
ール型圧縮機によれば、貯留部における高圧環境と、ス
クロール型圧縮機構内における高圧より低い圧力環境と
の圧力差により、貯留部内の潤滑油を吸入口に向かわせ
る流れを形成することができるようになる。
【0019】また、請求項2に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項1に記載のスクロール型圧縮機において、
前記潤滑油供給流路に、前記スクロール型圧縮機構内に
吐出される前記潤滑油の流量制限を行う油量制御装置を
設けたことを特徴とする。上記請求項2に記載のスクロ
ール型圧縮機によれば、貯留部からスクロール型圧縮機
構に向かう潤滑油を、油量制御装置を通すことにより、
設計通りの流量で流すように制御することができるよう
になる。
機は、請求項1に記載のスクロール型圧縮機において、
前記潤滑油供給流路に、前記スクロール型圧縮機構内に
吐出される前記潤滑油の流量制限を行う油量制御装置を
設けたことを特徴とする。上記請求項2に記載のスクロ
ール型圧縮機によれば、貯留部からスクロール型圧縮機
構に向かう潤滑油を、油量制御装置を通すことにより、
設計通りの流量で流すように制御することができるよう
になる。
【0020】また、請求項3に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項2に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、前記潤滑油の流量を絞る複数のオ
リフィスを、多段に備えていることを特徴とする。上記
請求項3に記載のスクロール型圧縮機によれば、オリフ
ィスの個数とそれらの孔径との組み合わせにより、所望
の潤滑油流量を得るための流量制御を、高精度かつ容易
に行うことができるようになる。また、同一の圧力損失
を形成する際に、単一のオリフィスを通して形成するよ
りも、本発明のように、複数のオリフィスを通して形成
した方が、単位オリフィスあたりのオリフィス径を極端
に小さくせずに済むようになる。
機は、請求項2に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、前記潤滑油の流量を絞る複数のオ
リフィスを、多段に備えていることを特徴とする。上記
請求項3に記載のスクロール型圧縮機によれば、オリフ
ィスの個数とそれらの孔径との組み合わせにより、所望
の潤滑油流量を得るための流量制御を、高精度かつ容易
に行うことができるようになる。また、同一の圧力損失
を形成する際に、単一のオリフィスを通して形成するよ
りも、本発明のように、複数のオリフィスを通して形成
した方が、単位オリフィスあたりのオリフィス径を極端
に小さくせずに済むようになる。
【0021】また、請求項4に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項3に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、前記貯留部から前記各オリフィス
に向かう途中の前記潤滑油を一時的に溜める保油部と、
該保油部の前記潤滑油を前記各オリフィスに導く導油管
とを更に備え、前記保油部が、鉛直上方に開口を有し、
前記導油管の吸い込み口が、前記開口を通って前記保油
部内に挿入されていることを特徴とする。上記請求項4
に記載のスクロール型圧縮機によれば、保油部内に取り
込まれた潤滑油に冷媒が溶け込んでいても、保油部内で
発泡して気泡となり、鉛直上方の開口を通して逃がすこ
とができる。これにより、スクロール型圧縮機構内に向
かう潤滑油と気泡を分離して意図した給油量に制御する
ことができるようになる。
機は、請求項3に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、前記貯留部から前記各オリフィス
に向かう途中の前記潤滑油を一時的に溜める保油部と、
該保油部の前記潤滑油を前記各オリフィスに導く導油管
とを更に備え、前記保油部が、鉛直上方に開口を有し、
前記導油管の吸い込み口が、前記開口を通って前記保油
部内に挿入されていることを特徴とする。上記請求項4
に記載のスクロール型圧縮機によれば、保油部内に取り
込まれた潤滑油に冷媒が溶け込んでいても、保油部内で
発泡して気泡となり、鉛直上方の開口を通して逃がすこ
とができる。これにより、スクロール型圧縮機構内に向
かう潤滑油と気泡を分離して意図した給油量に制御する
ことができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のスクロール型圧縮機の一
実施形態を、図1から図3を参照しながら以下に説明す
るが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないこ
とは勿論である。なお、図1は、本実施形態のスクロー
ル型圧縮機を示す図であって、回転シャフトの軸線を含
む断面より見た場合の断面図である。また、図2は、同
スクロール型圧縮機の油量制御装置を示す図であって、
図1のA部拡大図である。また、図3は、同油量制御装
置の要部を示す図であって、図2のB部拡大図である。
実施形態を、図1から図3を参照しながら以下に説明す
るが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないこ
とは勿論である。なお、図1は、本実施形態のスクロー
ル型圧縮機を示す図であって、回転シャフトの軸線を含
む断面より見た場合の断面図である。また、図2は、同
スクロール型圧縮機の油量制御装置を示す図であって、
図1のA部拡大図である。また、図3は、同油量制御装
置の要部を示す図であって、図2のB部拡大図である。
【0023】図1に示すように、本実施形態のスクロー
ル型圧縮機31は、有底筒形状の高圧ハウジング32
と、該高圧ハウジング32内部の上部に上部軸受33で
支持されたスクロール型圧縮機構34と、該スクロール
型圧縮機構34の下方、すなわちハウジング32内の下
部に上部軸受33などで支持して配設された駆動手段で
あるモータ35とを備え、該モータ35の回転シャフト
36が、スクロール型圧縮機構34の下部に連結されて
いる。
ル型圧縮機31は、有底筒形状の高圧ハウジング32
と、該高圧ハウジング32内部の上部に上部軸受33で
支持されたスクロール型圧縮機構34と、該スクロール
型圧縮機構34の下方、すなわちハウジング32内の下
部に上部軸受33などで支持して配設された駆動手段で
あるモータ35とを備え、該モータ35の回転シャフト
36が、スクロール型圧縮機構34の下部に連結されて
いる。
【0024】前記高圧ハウジング32は、筒部32aの
下端及び上端が底部32b及び蓋部32cでそれぞれ閉
塞状態とされ、ハウジング全体がスクロール型圧縮機構
34で圧縮された高圧のガス圧力に耐えうる圧力容器と
なっている。そして、高圧ハウジング32の筒部32a
には、圧縮する冷媒ガスを導入する吸入管37がスクロ
ール型圧縮機構34の内部と貫通状態に接続され、さら
に、筒部32aには、スクロール型圧縮機構34で圧縮
された高圧の冷媒ガスを外部へ導く吐出管38が接続さ
れており、その一端が高圧ハウジング32内の高圧ガス
雰囲気中に開口している。
下端及び上端が底部32b及び蓋部32cでそれぞれ閉
塞状態とされ、ハウジング全体がスクロール型圧縮機構
34で圧縮された高圧のガス圧力に耐えうる圧力容器と
なっている。そして、高圧ハウジング32の筒部32a
には、圧縮する冷媒ガスを導入する吸入管37がスクロ
ール型圧縮機構34の内部と貫通状態に接続され、さら
に、筒部32aには、スクロール型圧縮機構34で圧縮
された高圧の冷媒ガスを外部へ導く吐出管38が接続さ
れており、その一端が高圧ハウジング32内の高圧ガス
雰囲気中に開口している。
【0025】前記スクロール型圧縮機構34は、上部軸
受33に固定された固定スクロール部材39と、上部軸
受33と固定スクロール部材39とで形成された密封空
間内にスラスト軸受面40を介して公転旋回運動が可能
に支持された旋回スクロール部材41と、該旋回スクロ
ール部材41の外面に設けられ、この旋回スクロール部
材41の公転旋回運動を許容しながら自転を阻止する周
知のオルダムリンク等よりなる自転阻止機構42とを備
えている。
受33に固定された固定スクロール部材39と、上部軸
受33と固定スクロール部材39とで形成された密封空
間内にスラスト軸受面40を介して公転旋回運動が可能
に支持された旋回スクロール部材41と、該旋回スクロ
ール部材41の外面に設けられ、この旋回スクロール部
材41の公転旋回運動を許容しながら自転を阻止する周
知のオルダムリンク等よりなる自転阻止機構42とを備
えている。
【0026】前記固定スクロール部材39は、固定側端
板39aと、該固定側端板39aの内面に立設された渦
巻き状の固定側渦巻体39bと、固定側端板39aの周
縁部に形成された円筒状の周壁部39cとを備えるこの
うち、前記固定側端板39aには、その中央部に吐出ポ
ート43が上下に貫通状態に形成されると共に、同吐出
ポート43を開閉する吐出弁44が設けられている。ま
た、前記周壁部39cには前記吸入管37が接続されて
おり、該吸入管37により、スクロール型圧縮機構34
の密封空間内に、これから圧縮する冷媒ガスを吸入する
ようになっている。
板39aと、該固定側端板39aの内面に立設された渦
巻き状の固定側渦巻体39bと、固定側端板39aの周
縁部に形成された円筒状の周壁部39cとを備えるこの
うち、前記固定側端板39aには、その中央部に吐出ポ
ート43が上下に貫通状態に形成されると共に、同吐出
ポート43を開閉する吐出弁44が設けられている。ま
た、前記周壁部39cには前記吸入管37が接続されて
おり、該吸入管37により、スクロール型圧縮機構34
の密封空間内に、これから圧縮する冷媒ガスを吸入する
ようになっている。
【0027】前記旋回スクロール部材41は、前記固定
側端板39aに対向状態に配された旋回側端板41a
と、該旋回側端板41aの内面に立設され、固定側渦巻
体39bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体41
bとを備える。前記旋回側端板41aには、その外面に
円筒形状のボス45が軸線を同じくして立設され、該ボ
ス45の内部には、ブッシュ46が回転可能に嵌装され
ている。そして、このブッシュ46の内部には、回転シ
ャフト36の軸線から偏心した貫通孔が形成されてい
る。前記旋回スクロール部材41と前記上部軸受33と
の間には、高圧および高圧より低く吸入圧力より大きい
圧力にて、前記旋回スクロール部材41を固定スクロー
ル部材39に押し付け、前記旋回スクロール41と固定
スクロール39とをお互いに軸方向で密封させるべく、
それぞれ高圧室を形成するための高圧仕切りシール60
および、中間圧力室を形成するための中間圧仕切りシー
ル部材61とを備える。
側端板39aに対向状態に配された旋回側端板41a
と、該旋回側端板41aの内面に立設され、固定側渦巻
体39bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体41
bとを備える。前記旋回側端板41aには、その外面に
円筒形状のボス45が軸線を同じくして立設され、該ボ
ス45の内部には、ブッシュ46が回転可能に嵌装され
ている。そして、このブッシュ46の内部には、回転シ
ャフト36の軸線から偏心した貫通孔が形成されてい
る。前記旋回スクロール部材41と前記上部軸受33と
の間には、高圧および高圧より低く吸入圧力より大きい
圧力にて、前記旋回スクロール部材41を固定スクロー
ル部材39に押し付け、前記旋回スクロール41と固定
スクロール39とをお互いに軸方向で密封させるべく、
それぞれ高圧室を形成するための高圧仕切りシール60
および、中間圧力室を形成するための中間圧仕切りシー
ル部材61とを備える。
【0028】固定スクロール部材39と旋回スクロール
部材41とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、
固定側渦巻体39bと旋回側渦巻体41bとの互いの側
面が複数個所で線接触するように180度の位相差をも
って噛み合わされている。また、この状態で、固定側渦
巻体39b及び旋回側渦巻体41bの先端がそれぞれ旋
回側端板41a及び固定側端板39aの内面に旋回スク
ロールの渦巻き体と反対側から固定スクロールに押し付
ける背圧力により密接して、固定側渦巻体39bと旋回
側渦巻体41bの中心に対して点対称の位置関係となる
複数個所に、密閉空間となる圧縮室Pが形成される。な
お、旋回スクロール部材41は、周知のオルダムリンク
を備えた自転阻止機構42により、上部軸受33及び同
上部軸受33に固定された固定スクロール部材39に対
して、自転が阻止された状態で公転旋回運動可能に配さ
れている。
部材41とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、
固定側渦巻体39bと旋回側渦巻体41bとの互いの側
面が複数個所で線接触するように180度の位相差をも
って噛み合わされている。また、この状態で、固定側渦
巻体39b及び旋回側渦巻体41bの先端がそれぞれ旋
回側端板41a及び固定側端板39aの内面に旋回スク
ロールの渦巻き体と反対側から固定スクロールに押し付
ける背圧力により密接して、固定側渦巻体39bと旋回
側渦巻体41bの中心に対して点対称の位置関係となる
複数個所に、密閉空間となる圧縮室Pが形成される。な
お、旋回スクロール部材41は、周知のオルダムリンク
を備えた自転阻止機構42により、上部軸受33及び同
上部軸受33に固定された固定スクロール部材39に対
して、自転が阻止された状態で公転旋回運動可能に配さ
れている。
【0029】前記モータ35の回転シャフト36は、上
部軸受33と、モータ35の下方に位置する下部軸受6
0とで軸支され、その軸線から所定量偏心された偏心ピ
ン48が上端に突出状態に設けられている。偏心ピン4
8は、ブッシュ46の貫通孔に挿入され、ブッシュ46
を回転可能に支持している。なお、回転シャフト36な
どの適所には、一体に回転するバランスウエイト(図示
せず)が固定されている。
部軸受33と、モータ35の下方に位置する下部軸受6
0とで軸支され、その軸線から所定量偏心された偏心ピ
ン48が上端に突出状態に設けられている。偏心ピン4
8は、ブッシュ46の貫通孔に挿入され、ブッシュ46
を回転可能に支持している。なお、回転シャフト36な
どの適所には、一体に回転するバランスウエイト(図示
せず)が固定されている。
【0030】偏心ピン48及び回転シャフト36には、
これらを上下に貫通する油通路49が形成されるととも
に、回転シャフト36の下端には潤滑油ポンプ機構50
が設けられている。この潤滑油ポンプ機構50は、油通
路49の下端に接続されている。また、スクロール型圧
縮機構34により圧縮された冷媒ガス(高圧ガス)の雰
囲気中となるハウジング32内の底部32bには、潤滑
油を貯留しておく貯留部51が設けられており、該貯留
部51に所定量以上の潤滑油が溜まった正常な状態で
は、回転シャフト36下端の潤滑油ポンプ機構50が潤
滑油中に位置するようになっている。なお、図中のLは
潤滑油の油面を示している。
これらを上下に貫通する油通路49が形成されるととも
に、回転シャフト36の下端には潤滑油ポンプ機構50
が設けられている。この潤滑油ポンプ機構50は、油通
路49の下端に接続されている。また、スクロール型圧
縮機構34により圧縮された冷媒ガス(高圧ガス)の雰
囲気中となるハウジング32内の底部32bには、潤滑
油を貯留しておく貯留部51が設けられており、該貯留
部51に所定量以上の潤滑油が溜まった正常な状態で
は、回転シャフト36下端の潤滑油ポンプ機構50が潤
滑油中に位置するようになっている。なお、図中のLは
潤滑油の油面を示している。
【0031】そして、本実施形態のスクロール型圧縮機
31は、貯留部51と、スクロール型圧縮機34の吸入
口SUCとの間を、潤滑油供給流路100で直接接続す
る構成を採用している。この潤滑油供給流路100は、
貯留部51内の潤滑油を吸い込むように下端が開口した
前記油通路49(以下、油通路100aとして説明す
る)と、該油通路100aの上端開口に連通し、ボス4
5の凹部内面及びブッシュ46外面間の隙間流路100
bと、該隙間流路100b及び前記吸入口SUC間を連
通させるように、上部軸受33内に形成された上部軸受
内流路100cと、該上部軸受内流路100cから前記
吸入口SUCに向かう潤滑油のうち、余剰分を前記貯留
部51に戻す戻り流路100dとを備えて構成されてい
る。そして、この潤滑油供給流路100には、吸入口S
UCに吐出される潤滑油の流量制限を行う油量制御装置
200が接続されている。
31は、貯留部51と、スクロール型圧縮機34の吸入
口SUCとの間を、潤滑油供給流路100で直接接続す
る構成を採用している。この潤滑油供給流路100は、
貯留部51内の潤滑油を吸い込むように下端が開口した
前記油通路49(以下、油通路100aとして説明す
る)と、該油通路100aの上端開口に連通し、ボス4
5の凹部内面及びブッシュ46外面間の隙間流路100
bと、該隙間流路100b及び前記吸入口SUC間を連
通させるように、上部軸受33内に形成された上部軸受
内流路100cと、該上部軸受内流路100cから前記
吸入口SUCに向かう潤滑油のうち、余剰分を前記貯留
部51に戻す戻り流路100dとを備えて構成されてい
る。そして、この潤滑油供給流路100には、吸入口S
UCに吐出される潤滑油の流量制限を行う油量制御装置
200が接続されている。
【0032】図2に示すように、油量制御装置200
は、前記上部軸受内流路100c及び戻り流路100d
間を接続する保油部201と、該保油部201内に、鉛
直上方をその軸線が向くように固定された外側本体20
2及び内側本体203と、これら外側本体202及び内
側本体203間に挟み込まれた状態に保持固定された複
数枚のオリフィス204及びパッキン205(図3参
照)と、内側本体203の下端に固定されたストレーナ
206とを備えて構成されている。
は、前記上部軸受内流路100c及び戻り流路100d
間を接続する保油部201と、該保油部201内に、鉛
直上方をその軸線が向くように固定された外側本体20
2及び内側本体203と、これら外側本体202及び内
側本体203間に挟み込まれた状態に保持固定された複
数枚のオリフィス204及びパッキン205(図3参
照)と、内側本体203の下端に固定されたストレーナ
206とを備えて構成されている。
【0033】前記保油部201は、前記貯留部51から
各オリフィス204に向かう途中の潤滑油を一時的に溜
める凹部空間であり、鉛直上方に開口201aを有した
状態で、上部軸受33内に形成されている。前記外側本
体202は、周囲に雄ねじが形成された筒体であり、上
部軸受33に形成された雌ねじ孔に螺着固定されてい
る。そして、この外側本体202の上端には、流量調整
済みの潤滑油を吐出する吐出口202aが形成されてい
る。なお、図2に示す符号40xは、吐出口202aか
ら吐出された潤滑油を、真上のスクロール型圧縮機構3
4に向かって導出すべく、上部軸受40に形成された貫
通孔である。
各オリフィス204に向かう途中の潤滑油を一時的に溜
める凹部空間であり、鉛直上方に開口201aを有した
状態で、上部軸受33内に形成されている。前記外側本
体202は、周囲に雄ねじが形成された筒体であり、上
部軸受33に形成された雌ねじ孔に螺着固定されてい
る。そして、この外側本体202の上端には、流量調整
済みの潤滑油を吐出する吐出口202aが形成されてい
る。なお、図2に示す符号40xは、吐出口202aか
ら吐出された潤滑油を、真上のスクロール型圧縮機構3
4に向かって導出すべく、上部軸受40に形成された貫
通孔である。
【0034】前記内側本体203は、保油部201の潤
滑油を各オリフィス204に導く導油管であり、その下
端に形成された吸い込み口203bが、前記開口201
aを通って前記保油部201内に溜まっている潤滑油内
に挿入されている。さらに、この内側本体203は、周
囲に雄ねじが形成されており、外側本体202の内部に
形成された雌ねじ孔に対して螺着固定されている。そし
て、この内側本体203内には、鉛直方向に向かって流
路203aが形成されており、前記各オリフィス204
及びパッキン205を介して、前記吐出口202aに連
通している。前記ストレーナ206は、前記吸い込み口
203bに設けられており、吸い込む潤滑油に含まれる
ゴミ等を除去し、各オリフィス204の目詰まりを防止
する役目をなしている。
滑油を各オリフィス204に導く導油管であり、その下
端に形成された吸い込み口203bが、前記開口201
aを通って前記保油部201内に溜まっている潤滑油内
に挿入されている。さらに、この内側本体203は、周
囲に雄ねじが形成されており、外側本体202の内部に
形成された雌ねじ孔に対して螺着固定されている。そし
て、この内側本体203内には、鉛直方向に向かって流
路203aが形成されており、前記各オリフィス204
及びパッキン205を介して、前記吐出口202aに連
通している。前記ストレーナ206は、前記吸い込み口
203bに設けられており、吸い込む潤滑油に含まれる
ゴミ等を除去し、各オリフィス204の目詰まりを防止
する役目をなしている。
【0035】図3に示すように、前記各オリフィス20
4は、前記吸入口SUCに向かって吐出される潤滑油の
流量を絞る穴あきの円盤状部品であり、これらのオリフ
ィス孔204aを同軸に合わせた状態で、前記各パッキ
ン205を介在させることによって、互いに所定間隔を
おいて多段に重ね合わされている。前記各パッキン20
5は、弾性を有する穴あきの円盤状部品であり、各オリ
フィス204を通って流れる潤滑油が、各オリフィス孔
204aを通らずにバイパスする流れを防止するための
シール材としての役目と、各オリフィス204間に、オ
リフィス孔204aよりも大きい孔径で空間205aを
確保し、各オリフィス間の差圧を安定させる役目とをな
している。
4は、前記吸入口SUCに向かって吐出される潤滑油の
流量を絞る穴あきの円盤状部品であり、これらのオリフ
ィス孔204aを同軸に合わせた状態で、前記各パッキ
ン205を介在させることによって、互いに所定間隔を
おいて多段に重ね合わされている。前記各パッキン20
5は、弾性を有する穴あきの円盤状部品であり、各オリ
フィス204を通って流れる潤滑油が、各オリフィス孔
204aを通らずにバイパスする流れを防止するための
シール材としての役目と、各オリフィス204間に、オ
リフィス孔204aよりも大きい孔径で空間205aを
確保し、各オリフィス間の差圧を安定させる役目とをな
している。
【0036】そして、これらオリフィス204及びパッ
キン205は、交互に重ね合わされた状態で外側本体2
02内に挿入され、さらにこの外側本体202内に内側
本体203を螺着させることで、各オリフィス及び各パ
ッキン205間を密接に圧着させるものとなっている。
キン205は、交互に重ね合わされた状態で外側本体2
02内に挿入され、さらにこの外側本体202内に内側
本体203を螺着させることで、各オリフィス及び各パ
ッキン205間を密接に圧着させるものとなっている。
【0037】なお、前記吸入口SUCに対する潤滑油の
供給条件(吐出圧力、吐出流量など)は、オリフィス2
04の枚数と、それらのオリフィス孔204aの孔径と
の組み合わせにより調整可能であり、高精度かつ容易に
制御することができるようになっている。
供給条件(吐出圧力、吐出流量など)は、オリフィス2
04の枚数と、それらのオリフィス孔204aの孔径と
の組み合わせにより調整可能であり、高精度かつ容易に
制御することができるようになっている。
【0038】また、同一の圧力損失を形成する際に、単
一のオリフィスを通して形成するよりも、本発明のよう
に、複数のオリフィス204を通して形成した方が、単
位オリフィスあたりのオリフィス径を極端に小さくせず
に済むようになるので、より好ましい。これは下記数式
(1)で説明することができる。なお、この数式(1)
において、Qは潤滑油流量、Aはオリフィス孔の流路面
積、Cは流量係数、△Pはオリフィスを通過する際に生
じる圧力損失、ρは潤滑油の密度である。
一のオリフィスを通して形成するよりも、本発明のよう
に、複数のオリフィス204を通して形成した方が、単
位オリフィスあたりのオリフィス径を極端に小さくせず
に済むようになるので、より好ましい。これは下記数式
(1)で説明することができる。なお、この数式(1)
において、Qは潤滑油流量、Aはオリフィス孔の流路面
積、Cは流量係数、△Pはオリフィスを通過する際に生
じる圧力損失、ρは潤滑油の密度である。
【0039】
【数1】
【0040】上記数式(1)において、貯留部51から
送られてくる潤滑油を、所望の吐出量となるように潤滑
油流量Qを絞るには、流路面積Aを小さくするか、また
は、圧力損失△Pを大きくするかの2つの方法がある。
流路面積Aを小さくすることは、工作上の限界がある。
そこで、オリフィス204を複数多段に設けて各段を通
過する度に圧力損失△Pを加えてやるようにすること
で、オリフィスの孔径を極端に小さくせずに適切な潤滑
油流量Qを得られるものとなっている。すなわち、オリ
フィスの枚数をn(n≧2)枚にした場合、上記数式
(1)の△Pは、△P/nとなり、代わりに、オリフィ
スの孔径がn1/4倍になる。したがって、オリフィスの
孔径を極端に小さくすることなく、所望の流量に制御す
ることが可能となる。
送られてくる潤滑油を、所望の吐出量となるように潤滑
油流量Qを絞るには、流路面積Aを小さくするか、また
は、圧力損失△Pを大きくするかの2つの方法がある。
流路面積Aを小さくすることは、工作上の限界がある。
そこで、オリフィス204を複数多段に設けて各段を通
過する度に圧力損失△Pを加えてやるようにすること
で、オリフィスの孔径を極端に小さくせずに適切な潤滑
油流量Qを得られるものとなっている。すなわち、オリ
フィスの枚数をn(n≧2)枚にした場合、上記数式
(1)の△Pは、△P/nとなり、代わりに、オリフィ
スの孔径がn1/4倍になる。したがって、オリフィスの
孔径を極端に小さくすることなく、所望の流量に制御す
ることが可能となる。
【0041】以上説明のように構成されたスクロール型
圧縮機31によれば、モータ35を駆動させることによ
り、旋回スクロール部材41が自転阻止機構42により
自転が阻止された状態で、固定スクロール部材39に対
して公転旋回運動を行う。この結果、吸入管37から圧
縮室Pに吸入した冷媒ガスが、その容積の減少に伴って
圧縮され、高圧の冷媒ガスとなる。この高圧の冷媒ガス
は、吐出ポート43から吐出弁44を押し開いて高圧ハ
ウジング32内に流出し、高圧ハウジング32内に充満
するとともに、吐出管38から外部へと吐出されてい
く。この時、高圧ハウジング32内は、スクロール型圧
縮機構34の吐出圧力と同一またはほぼ同一の高圧状態
にあり、この高圧が貯留部51内の潤滑油液面Lにも作
用している。
圧縮機31によれば、モータ35を駆動させることによ
り、旋回スクロール部材41が自転阻止機構42により
自転が阻止された状態で、固定スクロール部材39に対
して公転旋回運動を行う。この結果、吸入管37から圧
縮室Pに吸入した冷媒ガスが、その容積の減少に伴って
圧縮され、高圧の冷媒ガスとなる。この高圧の冷媒ガス
は、吐出ポート43から吐出弁44を押し開いて高圧ハ
ウジング32内に流出し、高圧ハウジング32内に充満
するとともに、吐出管38から外部へと吐出されてい
く。この時、高圧ハウジング32内は、スクロール型圧
縮機構34の吐出圧力と同一またはほぼ同一の高圧状態
にあり、この高圧が貯留部51内の潤滑油液面Lにも作
用している。
【0042】一方、潤滑油ポンプ機構50は、貯留部5
1内に貯留されている潤滑油を吸い込んで、前記油通路
100a、隙間流路100b、そして上部軸受内流路1
00cの順序で吸い上げて前記保油部201に供給す
る。そして、保油部201内の圧力は、スクロール型圧
縮機構34の吸入口SUCにおける圧力に比較して圧が
高い(差圧が生じている)ので、この差圧を利用して、
高圧側である保油部201から、低圧側である吸入口S
UCへ向けて、保油部201内の潤滑油が押し上げられ
るように流れていく。このため、スクロール型圧縮機構
34内への潤滑油の供給は、従来の撹拌によるミスト状
の潤滑油供給とは異なり、スクロール型圧縮機31の運
転速度に関係なく安定して行われるようになる。
1内に貯留されている潤滑油を吸い込んで、前記油通路
100a、隙間流路100b、そして上部軸受内流路1
00cの順序で吸い上げて前記保油部201に供給す
る。そして、保油部201内の圧力は、スクロール型圧
縮機構34の吸入口SUCにおける圧力に比較して圧が
高い(差圧が生じている)ので、この差圧を利用して、
高圧側である保油部201から、低圧側である吸入口S
UCへ向けて、保油部201内の潤滑油が押し上げられ
るように流れていく。このため、スクロール型圧縮機構
34内への潤滑油の供給は、従来の撹拌によるミスト状
の潤滑油供給とは異なり、スクロール型圧縮機31の運
転速度に関係なく安定して行われるようになる。
【0043】さらに詳細に言うと、前記潤滑油ポンプ機
構50により、貯留部51から保油部201内に潤滑油
が取り込まれる。この時、潤滑油供給量が多くて保油部
201から溢れた分の潤滑油は、戻り流路100dを介
して再び貯留部51へと戻されていく。保油部201内
に一時的に蓄えられた潤滑油は、前記差圧の作用によ
り、内側本体203内の流路203aを通って各オリフ
ィス204に供給されていく。この時の潤滑油は、スト
レーナ206を通っているため、ゴミ等が取り除かれた
ものとなっている。さらには、保油部201内に取り込
まれた潤滑油に気泡が溶け込んでいても、保油部51内
で発泡して気泡となり、鉛直上方の開口201aを通し
て逃がすことができるので、吸入口SUCに向かう潤滑
油と気泡を分離して意図した給油量に制御することが可
能となっている。
構50により、貯留部51から保油部201内に潤滑油
が取り込まれる。この時、潤滑油供給量が多くて保油部
201から溢れた分の潤滑油は、戻り流路100dを介
して再び貯留部51へと戻されていく。保油部201内
に一時的に蓄えられた潤滑油は、前記差圧の作用によ
り、内側本体203内の流路203aを通って各オリフ
ィス204に供給されていく。この時の潤滑油は、スト
レーナ206を通っているため、ゴミ等が取り除かれた
ものとなっている。さらには、保油部201内に取り込
まれた潤滑油に気泡が溶け込んでいても、保油部51内
で発泡して気泡となり、鉛直上方の開口201aを通し
て逃がすことができるので、吸入口SUCに向かう潤滑
油と気泡を分離して意図した給油量に制御することが可
能となっている。
【0044】このようにして気泡及びゴミが取り除かれ
た潤滑油は、各オリフィス204を通過することで流量
調整がなされ、適切な供給量で吸入口SUCへの潤滑油
供給が行われる。
た潤滑油は、各オリフィス204を通過することで流量
調整がなされ、適切な供給量で吸入口SUCへの潤滑油
供給が行われる。
【0045】以上説明の本実施形態のスクロール型圧縮
機31は、高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部51
とスクロール型圧縮機構34の吸入口SUCとの間を、
潤滑油供給流路100で接続する構成を採用した。この
構成によれば、スクロール型圧縮機31のいずれの運転
条件においても、保油部201と吸入口SUCとの間に
生じる圧力差を利用して潤滑油の流れを形成させるもの
であるので、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機
構34内の潤滑及びシールを確実に実施することが可能
となる。
機31は、高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部51
とスクロール型圧縮機構34の吸入口SUCとの間を、
潤滑油供給流路100で接続する構成を採用した。この
構成によれば、スクロール型圧縮機31のいずれの運転
条件においても、保油部201と吸入口SUCとの間に
生じる圧力差を利用して潤滑油の流れを形成させるもの
であるので、低回転数運転時でも、スクロール型圧縮機
構34内の潤滑及びシールを確実に実施することが可能
となる。
【0046】また、本実施形態のスクロール型圧縮機3
1は、潤滑油供給流路100に油量制御装置200を設
ける構成を採用した。この構成によれば、適切な流量に
調整された潤滑油を供給することが可能となる。さら
に、本実施形態では、油量制御装置200が、複数のオ
リフィス204を多段に備えている構成を採用した。こ
の構成によれば、1個のオリフィスで流量制御する場合
に比較して、単位オリフィスあたりの孔径を極端に小さ
くせずに済むので、潤滑油の細かい流量制御が可能とな
っている。また、孔詰まりもしにくくなるので、流量制
御の信頼性を高めることも可能となっている。
1は、潤滑油供給流路100に油量制御装置200を設
ける構成を採用した。この構成によれば、適切な流量に
調整された潤滑油を供給することが可能となる。さら
に、本実施形態では、油量制御装置200が、複数のオ
リフィス204を多段に備えている構成を採用した。こ
の構成によれば、1個のオリフィスで流量制御する場合
に比較して、単位オリフィスあたりの孔径を極端に小さ
くせずに済むので、潤滑油の細かい流量制御が可能とな
っている。また、孔詰まりもしにくくなるので、流量制
御の信頼性を高めることも可能となっている。
【0047】また、本実施形態のスクロール型圧縮機3
1は、油量制御装置200が、保油部201及び内側本
体203を更に備え、この保油部201が鉛直上方に開
口201aを有し、内側本体203の吸い込み口203
bが、前記開口201aを通って保油部201内に挿入
されている構成を採用した。この構成によれば、スクロ
ール型圧縮機構34の吸入口SUCに入り込む潤滑油と
ともに気泡が入り込むのを低減させることができ、圧縮
効率の低下を防ぐことが可能となっている。
1は、油量制御装置200が、保油部201及び内側本
体203を更に備え、この保油部201が鉛直上方に開
口201aを有し、内側本体203の吸い込み口203
bが、前記開口201aを通って保油部201内に挿入
されている構成を採用した。この構成によれば、スクロ
ール型圧縮機構34の吸入口SUCに入り込む潤滑油と
ともに気泡が入り込むのを低減させることができ、圧縮
効率の低下を防ぐことが可能となっている。
【0048】なお、本実施形態では、流量制御装置20
0を上部軸受33内に設ける構成を採用したが、これに
限らず、固定スクロール部材39側に接続して、該固定
スクロール部材39側から吸入口SUCに吐出する構成
を採用しても良い。また、流量制御装置200と、貯留
部51との間を、配管で直接接続する構成を採用しても
良い。また、本実施形態のスクロール型圧縮機31は、
高圧シール及び中間圧シールを有する場合を図示してい
るが、これに限らず、高圧シールのみを有するタイプの
スクロール型圧縮機に本発明を適用しても良い。また、
冷媒に限らず、その他の圧縮流体を圧縮するスクロール
型圧縮機に本発明を適用しても良いことは勿論である。
0を上部軸受33内に設ける構成を採用したが、これに
限らず、固定スクロール部材39側に接続して、該固定
スクロール部材39側から吸入口SUCに吐出する構成
を採用しても良い。また、流量制御装置200と、貯留
部51との間を、配管で直接接続する構成を採用しても
良い。また、本実施形態のスクロール型圧縮機31は、
高圧シール及び中間圧シールを有する場合を図示してい
るが、これに限らず、高圧シールのみを有するタイプの
スクロール型圧縮機に本発明を適用しても良い。また、
冷媒に限らず、その他の圧縮流体を圧縮するスクロール
型圧縮機に本発明を適用しても良いことは勿論である。
【0049】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載のスクロール型
圧縮機は、高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部とス
クロール型圧縮機構の吸入口との間を、潤滑油供給流路
で接続する構成を採用した。この構成によれば、スクロ
ール型圧縮機のいずれの運転条件においても貯留部と吸
入口との間に生じる圧力差を利用して潤滑油の流れを形
成させるものであるので、低回転数運転時でも、スクロ
ール型圧縮機構内の潤滑及びシールを確実に実施するこ
とが可能となる。
圧縮機は、高圧ガスの雰囲気中に設けられた貯留部とス
クロール型圧縮機構の吸入口との間を、潤滑油供給流路
で接続する構成を採用した。この構成によれば、スクロ
ール型圧縮機のいずれの運転条件においても貯留部と吸
入口との間に生じる圧力差を利用して潤滑油の流れを形
成させるものであるので、低回転数運転時でも、スクロ
ール型圧縮機構内の潤滑及びシールを確実に実施するこ
とが可能となる。
【0050】また、請求項2に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項1に記載のスクロール型圧縮機において、
前記潤滑油供給流路に油量制御装置を設ける構成を採用
した。この構成によれば、適切な流量に調整された潤滑
油を供給することが可能となる。
機は、請求項1に記載のスクロール型圧縮機において、
前記潤滑油供給流路に油量制御装置を設ける構成を採用
した。この構成によれば、適切な流量に調整された潤滑
油を供給することが可能となる。
【0051】また、請求項3に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項2に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、複数のオリフィスを多段に備えて
いる構成を採用した。この構成によれば、1個のオリフ
ィスで流量制御する場合に比較して、単位オリフィスあ
たりの孔径を極端に小さくせずに済むので、潤滑油の細
かい流量制御が可能となる。また、孔詰まりもしにくく
なるので、流量制御の信頼性を高めることも可能とな
る。
機は、請求項2に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、複数のオリフィスを多段に備えて
いる構成を採用した。この構成によれば、1個のオリフ
ィスで流量制御する場合に比較して、単位オリフィスあ
たりの孔径を極端に小さくせずに済むので、潤滑油の細
かい流量制御が可能となる。また、孔詰まりもしにくく
なるので、流量制御の信頼性を高めることも可能とな
る。
【0052】また、請求項4に記載のスクロール型圧縮
機は、請求項3に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、保油部及び導油管を更に備え、こ
の保油部が鉛直上方に開口を有し、導油管の吸い込み口
が、前記開口を通って保油部内に挿入されている構成を
採用した。この構成によれば、スクロール型圧縮機構の
吸入口に入り込む潤滑油とともに気泡が入り込むのを低
減させることができ、圧縮効率の低下を防ぐことが可能
となる。
機は、請求項3に記載のスクロール型圧縮機において、
前記油量制御装置が、保油部及び導油管を更に備え、こ
の保油部が鉛直上方に開口を有し、導油管の吸い込み口
が、前記開口を通って保油部内に挿入されている構成を
採用した。この構成によれば、スクロール型圧縮機構の
吸入口に入り込む潤滑油とともに気泡が入り込むのを低
減させることができ、圧縮効率の低下を防ぐことが可能
となる。
【図1】 本発明のスクロール型圧縮機の一実施形態を
示す図であって、回転シャフトの軸線を含む断面より見
た場合の断面図である。
示す図であって、回転シャフトの軸線を含む断面より見
た場合の断面図である。
【図2】 同スクロール型圧縮機の油量制御装置を示す
図であって、図1のA部拡大図である。
図であって、図1のA部拡大図である。
【図3】 同スクロール型圧縮機の同油量制御装置の要
部を示す図であって、図2のB部拡大図である。
部を示す図であって、図2のB部拡大図である。
【図4】 従来のスクロール型圧縮機の一例を示す図で
あって、回転シャフトの軸線を含む断面より見た場合の
断面図である。
あって、回転シャフトの軸線を含む断面より見た場合の
断面図である。
【図5】 同スクロール型圧縮機のスクロール型圧縮機
構における、固定スクロール部材と旋回スクロール部材
との噛み合い状態を示す断面図である。
構における、固定スクロール部材と旋回スクロール部材
との噛み合い状態を示す断面図である。
【符号の説明】
31・・・スクロール型圧縮機
32・・・高圧ハウジング(ハウジング)
34・・・スクロール型圧縮機構
51・・・貯留部
100・・・潤滑油供給流路
200・・・油量制御装置
201・・・保油部
201a・・・開口
203・・・内側本体(導油管)
203b・・・吸い込み口
204・・・オリフィス
SUC・・・吸入口
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB02 AB03 BB06
CC33
3H039 AA06 AA12 BB11 CC27 CC42
Claims (4)
- 【請求項1】 ハウジング内における潤滑油の貯留部
を、スクロール型圧縮機構により圧縮された高圧ガスの
雰囲気中に設け、 前記貯留部と、前記スクロール型圧縮機構との間を、潤
滑油供給流路で接続したことを特徴とするスクロール型
圧縮機。 - 【請求項2】 請求項1に記載のスクロール型圧縮機に
おいて、 前記潤滑油供給流路に、前記スクロール型圧縮機構に吐
出される前記潤滑油の流量制限を行う油量制御装置を設
けたことを特徴とするスクロール型圧縮機。 - 【請求項3】 請求項2に記載のスクロール型圧縮機に
おいて、 前記油量制御装置は、前記潤滑油の流量を絞る複数のオ
リフィスを、多段に備えていることを特徴とするスクロ
ール型圧縮機。 - 【請求項4】 請求項3に記載のスクロール型圧縮機に
おいて、 前記油量制御装置は、前記貯留部から前記各オリフィス
に向かう途中の前記潤滑油を一時的に溜める保油部と、
該保油部の前記潤滑油を前記各オリフィスに導く導油管
とを更に備え、 前記保油部は、鉛直上方に開口を有し、 前記導油管の吸い込み口は、前記開口を通って前記保油
部内に挿入されていることを特徴とするスクロール型圧
縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002027307A JP2003227480A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | スクロール型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002027307A JP2003227480A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | スクロール型圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003227480A true JP2003227480A (ja) | 2003-08-15 |
Family
ID=27748869
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002027307A Pending JP2003227480A (ja) | 2002-02-04 | 2002-02-04 | スクロール型圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003227480A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100624384B1 (ko) | 2005-03-30 | 2006-09-20 | 엘지전자 주식회사 | 스크롤 압축기용 급유나사의 오리피스 구조 |
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| EP1876357A1 (en) * | 2006-07-05 | 2008-01-09 | LG Electronics Inc. | Oil supply structure of scroll compressor |
| JP2008138578A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Hitachi Appliances Inc | スクロール圧縮機 |
| US7578664B2 (en) | 2006-07-06 | 2009-08-25 | Lg Electronics Inc. | Oil supply structure of scroll compressor |
| DE102005001462B4 (de) * | 2004-01-16 | 2015-04-30 | Denso Corporation | Spiralkompressor |
| JP2016506252A (ja) * | 2012-11-09 | 2016-03-03 | ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッドB/E Aerospace, Inc. | 航空機洗面所酸素源 |
| KR20190017014A (ko) | 2016-07-13 | 2019-02-19 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 압축기 |
| JP2020033881A (ja) * | 2018-08-27 | 2020-03-05 | 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 | スクロール圧縮機及び冷凍空調装置 |
| CN114427533A (zh) * | 2016-10-06 | 2022-05-03 | 纳博特斯克有限公司 | 涡旋式流体机械以及密封件 |
-
2002
- 2002-02-04 JP JP2002027307A patent/JP2003227480A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| KR100624384B1 (ko) | 2005-03-30 | 2006-09-20 | 엘지전자 주식회사 | 스크롤 압축기용 급유나사의 오리피스 구조 |
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| KR20190017014A (ko) | 2016-07-13 | 2019-02-19 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 압축기 |
| KR102161965B1 (ko) | 2016-07-13 | 2020-10-06 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 압축기 |
| CN114427533A (zh) * | 2016-10-06 | 2022-05-03 | 纳博特斯克有限公司 | 涡旋式流体机械以及密封件 |
| JP2020033881A (ja) * | 2018-08-27 | 2020-03-05 | 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 | スクロール圧縮機及び冷凍空調装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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