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JP2003221341A - 脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及び該組成物の製造方法 - Google Patents

脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及び該組成物の製造方法

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JP2003221341A
JP2003221341A JP2002218103A JP2002218103A JP2003221341A JP 2003221341 A JP2003221341 A JP 2003221341A JP 2002218103 A JP2002218103 A JP 2002218103A JP 2002218103 A JP2002218103 A JP 2002218103A JP 2003221341 A JP2003221341 A JP 2003221341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
barley
fatty liver
natto
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002218103A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiro Omori
俊郎 大森
Satoshi Mochizuki
聡 望月
Kei Hayashi
圭 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Shurui Co Ltd
Omugi Hakko Kenkyusho KK
Original Assignee
Sanwa Shurui Co Ltd
Omugi Hakko Kenkyusho KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Shurui Co Ltd, Omugi Hakko Kenkyusho KK filed Critical Sanwa Shurui Co Ltd
Priority to JP2002218103A priority Critical patent/JP2003221341A/ja
Publication of JP2003221341A publication Critical patent/JP2003221341A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】大麦焼酎蒸留残液を培地に使用して納豆菌を培
養することにより、脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用
を有する組成物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
分を得、該液体分にアルカリを添加して該液体分に含ま
れる酸を実質的に中和処理して調製液を得、該調製液を
培地に使用して、Bacillus subtilisに属する納豆菌を
培養することにより培養液を得、該培養液を固液分離す
ることにより得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない
液体分からなる脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有
する組成物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、大麦を原料とす
る焼酎製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分
離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリ
セロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを
添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して
調製液を得、該調製液を培地に使用して、納豆菌を培養
することにより培養液を得、該培養液を固液分離するこ
とにより得られる前記実質的に納豆菌菌体を含有しない
液体分からなる脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有
する組成物及びその製造方法に関する。本発明は、前記
脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物から
なる食品及び医薬品を包含する。
【0002】
【従来の技術】最近では、食生活の洋風化やライフスタ
イルの変化により引き起こされる多くの生活習慣病が問
題となっており、そのような生活習慣病を引き起こす要
因の一つとして脂肪肝が挙げられている。脂肪肝は、肝
臓の肝細胞中に過剰の中性脂肪が蓄積した状態をいう。
肝臓は、エネルギー源として使うための中性脂肪を作
り、その一部は肝細胞に貯蔵される。しかし、肝細胞に
おいて消費する中性脂肪に比べて貯蔵される中性脂肪が
多い場合、中性脂肪は肝細胞中に蓄積し脂肪肝の発症原
因となる。脂肪肝は、中性脂肪の原料となる脂肪、糖
分、及びアルコールなどの過剰な摂取、あるいは肥満等
が主な原因で引き起こされると言われている。脂肪肝に
なると、肝細胞の中に脂肪滴と呼ばれる脂肪の塊が無数
に出来て、これが肝細胞内の他の組織を圧迫し、肝臓の
機能障害を引き起こす原因となる。特にアルコール性の
脂肪肝は肝硬変に進むことがあり、肥満が原因の脂肪肝
では、糖尿病、心筋梗塞、及び動脈硬化を引き起こすこ
ともある。このように、脂肪肝は食事や飲酒等の生活習
慣等が原因となって起こる病気であり、さらに重大な成
人病を引き起こす要因の一つであると言える。脂肪肝の
治療法はその発症原因によって異なり、肥満による脂肪
肝の場合、その治療には食事療法と運動療法が必要であ
る。またアルコール性の脂肪肝の場合、その治療には飲
酒量を減らすことが必要である。このように、脂肪肝の
発症予防或いは治療には、日常の食生活が極めて大きな
ウエイトを占めていることから、脂肪肝の発症抑制作用
及び治癒作用を有する成分を含有する食品を定期的に摂
取することが望ましい。
【0003】ところで、日本栄養・食糧学会総会講演要
旨集、Vol.53, 53(1999)には、大麦焼酎を製造する際に
副成される大麦焼酎蒸留残液がオロチン酸投与によるラ
ットの肝臓への脂質の蓄積を抑制する作用を有する旨記
載されている。さらに、日本醸造協会誌、Vol.94, No.
9, 768(1999)には、大麦焼酎蒸留残液が有する前記脂肪
肝の発症抑制作用は、ワイン粕やビール粕に比べて強
く、該作用はいも焼酎蒸留残液には全く認められず、米
焼酎蒸留残液では極めて小さいことから、大麦焼酎蒸留
残液のみに特有のものであることが記載されている。こ
れとは別に、特開2001-145472号公報には、大麦焼酎蒸
留残液を固液分離して液体分を得、該液体分にアルカリ
を添加してアルカリ可溶性画分を分取し、該アルカリ可
溶性画分を酸で中和して中性可溶性画分を得、該中性可
溶性画分にエタノールを添加することにより分取した、
有機酸、タンパク質、及びヘミセルロースを含有するエ
タノール不溶性画分からなる組成物が、脂肪肝の発症抑
制作用を有する旨記載されている。
【0004】医学と生物学・第119巻・第5号(1989年11
月10日)には、Bacillus subtilisに属する納豆菌が脂
肪肝の発症抑制作用を有することが報告されている。即
ち、納豆菌の凍結乾燥菌を含有する飼料を予め摂取した
ハツカネズミは、脂肪肝を誘発するコレステロール・コ
ール酸添加飼料の摂取後においても、GPT(glutamicpyr
uvic transaminase)の上昇が強く抑制され、GPTよりは
弱いがGOT(glutamicoxaloacetic transaminase)の上
昇もかなり強く抑制されることが報告されている。な
お、当該文献において使用した納豆菌については、その
培養方法に関する記載が全くないことから、その培養に
おいては従来から納豆菌の培養において一般的に用いら
れる肉エキス培地或いは大豆煮汁培地などが使用された
ものと解される。上記文献は、上述したように、納豆菌
菌体が脂肪肝の発症抑制作用を有することを教示するも
のであるが、納豆菌を培養することにより得られる納豆
菌培養液、或いは該納豆菌培養液を固液分離することに
より得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分が
脂肪肝の発症抑制作用或いは治癒作用を有するか否かに
ついては、示唆すらも全くない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに大麦焼酎蒸留残液が脂肪肝の抑制作用を有すること
が知られているところ、該大麦焼酎蒸留残液を用いて該
大麦焼酎蒸留残液が有する所望の脂肪肝の発症抑制作用
を得るためには、上述のように該脂肪肝の発症抑制作用
に寄与する成分を含有する大麦焼酎蒸留残液の液体分の
凍結乾燥物であってもそれを多量に摂取しなければなら
ない。また、上述したように特開2001-145472号公報に
は、大麦焼酎蒸留残液から分取したエタノール不溶性画
分からなる組成物が脂肪肝の抑制作用を有することが記
載されていて、該エタノール不溶性画分からなる組成物
が脂肪肝の発症抑制に有用であることが理解されるが、
当該組成物を得るためには、上述の通り、複数の製造工
程を必要とし、当該製造工程において多量のアルカリ及
びエタノールを使用しなければならないという問題があ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】特開2000-342247号公報
には、大麦焼酎蒸留残液が、酵母、乳酸菌、及びビフィ
ズス菌の増殖促進効果に優れた培地の原料として使用で
きる旨記載されている。この記載に鑑みて本発明者ら
は、大麦焼酎蒸留残液を培地に使用して、上述した脂肪
肝抑制作用を有することが知られている納豆菌を培養す
ることが可能ではないかと予測し、さらにその場合にお
いて得られる納豆菌培養液が大麦焼酎蒸留残液よりもさ
らに優れた脂肪肝の発症抑制作用を示すのではないかと
の推測に立って、実験を介して鋭意検討を行った。その
結果、驚くべきことに、大麦を原料とする焼酎の製造に
おいて副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミ
ノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロールを含
有する液体分を得、該液体分にアルカリを添加して該液
体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を得、
該調製液を培地に使用してBacillus subtilisに属する
納豆菌を培養することにより納豆菌培養液を得、該納豆
菌培養液を固体分と液体分とに固液分離することにより
得られる液体分が、大麦焼酎蒸留残液を卓越する脂肪肝
の発症抑制作用を有することを見出した。さらに本発明
者らは、該固液分離により得られる納豆菌菌体からなる
固体分は脂肪肝の発症抑制作用を有さないのに対し、該
固液分離により得られる実質的に納豆菌菌体を含有しな
い液体分は、未だ知られていない絶大な脂肪肝の発症抑
制作用及び治癒作用を有し、食品或いは医薬品としての
使用に好適なものであることを見出した。
【0007】本発明は、このような発見に基づいて完成
に至ったものである。本発明の目的は、脂肪肝の発症抑
制作用を有することが知られている大麦焼酎蒸留残液を
培地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を培
養することにより得られる納豆菌培養液から分取した実
質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる、当該大
麦焼酎蒸留残液を卓越する脂肪肝の発症抑制作用を有し
且つ優れた脂肪肝治癒作用を有する組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、該組成物の製造方法を
提供することにある。本発明の更なる目的は、該組成物
からなる食品或いは医薬を提供することにある。
【0008】本発明者らは、上述した従来技術に鑑みて
実験を介して鋭意検討を行った。即ち、上述の特開2000
-342247号公報に記載されているように、大麦焼酎蒸留
残液が、酵母、乳酸菌、及びビフィズス菌の増殖促進効
果に優れた培地の原料として使用できることから、本発
明者らは、第1段階として、大麦を原料とする焼酎の製
造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、
アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロール
を含有する液体分を得、該液体分にアルカリを添加して
該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を
得、該調製液のみを培地に用いてBacillus subtilisに
属する納豆菌の培養を行い、納豆菌培養液(A)を得
た。なお、その際対照として、従来から納豆菌の培養の
際に一般的に用いられている肉エキス培地を使用して前
記納豆菌の培養を行い、納豆菌培養液(B)を得た。そ
れぞれの納豆菌培養において、各培養液中の生菌数の経
時変化を測定した。得られた結果を図1に示す。図1に示
す結果から明らかなように、他の栄養成分を全く添加し
ていない該大麦焼酎蒸留残液の液体分からなる培地を使
用した場合の方が、肉エキス培地を使用した場合より
も、得られる培養液中の生菌数が著しく高まることが判
明した。このことから、該大麦焼酎蒸留残液の液体分が
納豆菌の培養に適した優れた培地であることが判明し
た。
【0009】そこで、前記納豆菌培養液(A)が、上述
したように、大麦焼酎蒸留残液を単独使用した場合より
もさらに優れた脂肪肝の発症抑制作用を示すのではない
かとの推測に立ち、本発明者らは、第2段階として、上
記納豆菌培養液(A)の凍結乾燥物粉末(A-1)、上記納
豆菌培養液(B)の凍結乾燥物粉末(B-1)、及び大麦焼
酎蒸留残液から分取した液体分(C)の凍結乾燥物粉末
(C-1)を用意し、これらの凍結乾燥物粉末を、オロチ
ン酸と共に基本食に混和させてラットに投与して、これ
らの脂肪肝発症抑制作用を観察するための実験を行っ
た。なお、基本食には後述する表2に示す組成の基本食
を使用した。その結果、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステ
ロール濃度、及び肝臓中性脂肪濃度については、前記納
豆菌培養液(A)の凍結乾燥物粉末(A-1)とオロチン酸
を基本食に混和させたものは、基本食の正常値と実質的
に同等の値を示した。これに対し、前記納豆菌培養液
(B)の凍結乾燥物粉末(B-1)とオロチン酸を基本食に
混和させたもの及び大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)の
凍結乾燥物粉末(C-1)とオロチン酸を基本食に混和さ
せたものは、いずれも前記正常値に近似するものの該正
常値と比較して明らかに大きい値を示した(即ち、肝臓
に脂肪が蓄積した侭になるので、上記分析項目のそれぞ
れの値は該正常値よりも大きい値となった)。また、血
清総コレステロール濃度、血清HDL(high density lipop
rotein)-コレステロール濃度、及び血清中性脂肪濃度に
ついては、前記納豆菌培養液(A)の凍結乾燥物粉末(A
-1)とオロチン酸を基本食に混和させたものは、基本食
の正常値と実質的に同等の値を示すか若しくは該正常値
より改善された値を示した。一方、前記納豆菌培養液
(B)の凍結乾燥物粉末(B-1)とオロチン酸を基本食に
混和させたもの及び大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)の
凍結乾燥物粉末(C-1)とオロチン酸を基本食に混和さ
せたものは、いずれも前記正常値に近似するものの該正
常値と比較して明らかに小さい値を示した。(尚、本来
肝臓に蓄積されるはずの脂肪が血清中に排出される場
合、上記血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレステ
ロール濃度、及び血清中性脂肪濃度のそれぞれは上記基
本食の正常値と実質的に同等の値を示すか若しくは該正
常値より改善された値を示し、これにより脂肪肝抑制作
用があるものと判定される。脂肪肝抑制作用がない場
合、血清中の該各種脂質濃度はそれぞれ、該正常値と比
較して小さい値となる。)
【0010】ところで、肉エキスを培地に使用した納豆
菌培養液(B)は、上述の医学と生物学・第119巻・第5
号(1989年11月10日)に記載された脂肪肝抑制作用を有
する納豆菌菌体に相当する試料と解されるが、上述の通
り、この肉エキスを培地に使用した納豆菌培養液(B)
よりも、大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)の方が優れた
脂肪肝抑制作用を有していた。さらに驚くべきことに、
当該大麦焼酎蒸留残液の液体分(C)を培地に使用する
ことにより得た納豆菌培養液(A)は、該大麦焼酎蒸留
残液の液体分(C)よりも更に強力な脂肪肝抑制作用を
有することが明らかになった。以上のことから、大麦焼
酎蒸留残液の液体分(C)を培地に使用することにより
得た納豆菌培養液(A)は、従来から脂肪肝抑制作用を
有することが知られている納豆菌菌体(従来の納豆菌培
養用培地で培養した納豆菌菌体)或いは大麦焼酎蒸留残
液の液体分(C)と比較して、明らかに勝った脂肪肝抑
制作用を有することが判明した。
【0011】そこで、本発明者らは、第3段階として、
上記納豆菌培養液(A)(大麦焼酎蒸留残液の液体分
(C)を培地に使用することにより得た卓越した脂肪肝
抑制作用を有することが判明したもの)を遠心分離に付
して納豆菌菌体を実質的に含有していない液体分(Aa)
と納豆菌菌体を含有する固体分(Ab)とを分取し、該液
体分(Aa)と該固体分(Ab)をそれぞれ別々に凍結乾燥
に付して液体分(Aa)の凍結乾燥物粉末(Aa-1)及び固
体分(Ab)の凍結乾燥物粉末(Ab-1)を得た。該凍結乾
燥物粉末(Aa-1)及び該凍結乾燥物粉末(Ab-1)のそれ
ぞれとオロチン酸を基本食に混和させてラットに投与し
てこれらの脂肪肝発症抑制作用を観察するための実験を
行った。その結果、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロー
ル濃度、及び肝臓中性脂肪濃度については、前記凍結乾
燥物粉末(Aa-1)とオロチン酸を基本食に混和させたも
のは、基本食の正常値と実質的に同等の値を示すか若し
くは該正常値よりもさらに改善された値を示した。これ
に対し、前記凍結乾燥物粉末(Ab-1)とオロチン酸を基
本食に混和させたものは、前記正常値に近似するものの
該正常値と比較して明らかに大きい値を示した。また、
血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレステロール濃
度、及び血清中性脂肪濃度については、上記凍結乾燥物
粉末(Aa-1)にオロチン酸を混和させたものは、基本食
の正常値と実質的に同等の値を示した。これに対して、
上記凍結乾燥物粉末(Ab-1)とオロチン酸を基本食に混
和させたものは、前記正常値に近似するものの該正常値
と比較して明らかに小さい値を示した。以上の結果か
ら、次のことが判明した。即ち、上記納豆菌培養液
(A)について、納豆菌菌体を含有する固体分(Ab)の
有する脂肪肝抑制作用は、上記納豆菌培養液(B)、即
ち従来から知られている納豆菌菌体(従来の納豆菌培養
用培地で培養した納豆菌菌体)と同程度の小なるもので
あるが、上記納豆菌培養液(A)から分取した実質的に
納豆菌菌体を含有しない液体分(Aa)の有する脂肪肝抑
制作用は、該納豆菌培養液(A)の有する脂肪肝抑制作
用と同程度か若しくはそれより大であることが判った。
【0012】さらに、本発明者らは、第4段階として、
ラットを使用して、高脂肪食を2週間投与した後に基本
食を更に2週間投与した基本食群、及び高脂肪食を2週間
投与した後に基本食の組成成分の一部を上記第3段階に
おいて得た納豆菌培養液(A)から分取した実質的に納
豆菌菌体を含まない液体分(Aa)の凍結乾燥物粉末(Aa
-1)で置換した試験食を更に2週間投与した試験食群に
分けて実験を行い、それぞれの場合について脂肪肝に対
する作用を観察する実験を行った。なおその際、前記基
本食を4週間投与したものを対照食群とした。その結
果、LDH(lactate dehydrogenase)、AST(asparate amino
transferase)、及びALT(alanine aminotransferase)
は、基本食群では顕著に高い値を示したのに対して、試
験食群は明らかに対照食群に近似する低い値を示した。
一方、血清総コレステロール濃度及び血清中性脂肪濃度
は、基本食群では明らかに高い値を示したが、試験食群
では明らかに対照食群に近似する低い値を示した。ま
た、血清HDL(high density lipoprotein)-コレステロー
ル濃度は、基本食群及び試験食群のいずれにおいても、
対照食群より低い値を示したが、試験食群のほうが、対
照食群の正常値により近似した値を示した。即ち、納豆
菌培養液(A)から分取した実質的に納豆菌菌体を含ま
ない液体分(Aa)の凍結乾燥物粉末(Aa-1)は、高脂肪
食投与により誘発した脂肪肝を治癒する作用を有するこ
とが判った。
【0013】以上の実験結果から、大麦を原料とする焼
酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離
して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセ
ロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを添
加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して調
製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus subtili
sに属する納豆菌を培養することにより培養液を得、該
培養液を固液分離することにより得られる実質的に納豆
菌菌体を含まない液体分が、大麦焼酎蒸留残液及び納豆
菌菌体(従来の納豆菌培養用培地で培養した納豆菌菌
体)よりもさらに強力な脂肪肝の発症抑制作用を有し、
且つ、優れた脂肪肝の治癒作用を有することが判明し
た。当該事実から、大麦を原料とする焼酎の製造におい
て副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ
酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロールを含有
する液体分を得、該液体分にアルカリを添加して該液体
分に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を得、該
調製液を培地に使用してBacillussubtilisに属する納豆
菌を培養することにより得られる培養液は、脂肪肝の発
症抑制及び治癒に寄与する成分を含有し、該成分は、前
記納豆菌培養液を固液分離することにより得られる実質
的に納豆菌菌体を含まない液体分の中に含有されること
が判明した。そして当該納豆菌培養液が有する脂肪肝の
発症抑制作用及び治癒作用は、大麦焼酎蒸留残液及び納
豆菌菌体(従来の納豆菌培養用培地で培養した納豆菌菌
体)の有する脂肪肝抑制作用を明らかに上回ることか
ら、当該脂肪肝の発症抑制作用及び治癒に寄与する上記
成分が、大麦焼酎蒸留残液の液体分を培地に使用して納
豆菌を培養する場合に、特異的に著量生成されることが
推察された。
【0014】上述したように本発明者らは、大麦を原料
とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を
固液分離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及
びグリセロールを含有する液体分を得、該液体分にアル
カリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処
理して調製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus
subtilisに属する納豆菌を培養することにより納豆菌
培養液を得、該納豆菌培養液を固液分離することにより
得られる実質的に納豆菌菌体を含まない液体分からなる
組成物が、優れた脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を
有することを見出した。大麦焼酎蒸留残液から分取した
液体分を培地に使用してBacillus subtilisに属する納
豆菌を培養することにより得られる納豆菌培養液から分
取した実質的に納豆菌菌体を含まない液体分についての
この発見は、今までに全く例のない新事実であり、該液
体分を治療目的で食品或いは医薬として使用できるとい
う該液体分の有用な用途を創出するものである。よって
本発明の目的は、大麦焼酎蒸留残液から分取した液体分
を培地に使用してBacillus subtilisに属する納豆菌を
培養することにより得られる納豆菌培養液から分取した
実質的に納豆菌菌体を含まない液体分からなる脂肪肝の
発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、該組成物の製造方法を
提供することにある。本発明の更なる目的は、該組成物
からなる食品及び医薬を提供することにある。
【0015】
【実施態様例】本発明は上記目的を達成するものであ
り、脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物
及びその製造方法を提供する。即ち、大麦を原料とする
焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分
離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリ
セロールを含有する液体分を得、該液体分にアルカリを
添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処理して
調製液を得、該調製液を培地に使用してBacillus subti
lisに属する納豆菌を培養することにより納豆菌培養液
を得、該納豆菌培養液を固液分離することにより得られ
る実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる脂肪
肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物及びその
製造方法を提供する。また、本発明は、該組成物からな
る食品及び医薬を提供する。
【0016】以下に、本発明の好ましい態様について述
べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明の脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成
物を得るに際しての製造方法は、大麦を使用する蒸留酒
の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液を固液分離し
て、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロ
ールを含有する液体分を得る第1の工程、該液体分にア
ルカリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和
処理して調製液を得る第2の工程、該調製液を培地に用
いてBacillus subtilisに属する納豆菌を培養して培養
液を得る第3の工程、及び該培養液を固液分離すること
により実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分を得る第
4の工程からなるものである。以下に、本発明の該製造
方法を実施する際に使用する、大麦を原料とする焼酎の
製造において副成する大麦焼酎蒸留残液、及び各工程に
ついて詳述する。
【0017】本発明において使用する大麦焼酎蒸留残液
は、大麦又は精白大麦を原料として大麦麹、及び蒸麦を
製造し、得られた大麦麹、及び蒸麦中に含まれるでんぷ
んを麹、及び/又は酵素剤を使用して糖化し、さらに酵
母によるアルコール発酵を行い熟成もろみを得、該熟成
もろみを減圧蒸留または常圧蒸留等の蒸留装置を用いて
蒸留する際に蒸留残渣として副成するもの、即ち、大麦
焼酎の蒸留残液を意味する。また、米焼酎、甘藷焼酎、
そば焼酎の製造においても、これらの焼酎製造において
原料の一部として大麦を使用する場合に副成する焼酎蒸
留残液も本発明において使用する大麦焼酎蒸留残液に包
含される。
【0018】本発明において、大麦焼酎蒸留残液を得る
に際して、大麦焼酎の製造に用いる大麦麹は、通常の大
麦焼酎製造において行われている製麹条件で製造すれば
よく、用いる麹菌株としては、一般的に大麦焼酎製造で
使用する白麹菌(Aspergillus kawachii)が好ましい。
或いは泡盛製造で使用する黒麹菌(Aspergillus awamor
i)及び清酒製造等で使用する黄麹(Aspergillus oryza
e)などのAspergillus属の菌株を用いることもできる。
また大麦焼酎の製造に用いる酵母は、一般的に焼酎製造
の際に使用する各種の焼酎醸造用酵母を使用することが
できる。
【0019】このように本発明において、納豆菌を培養
する際に使用する大麦焼酎蒸留残液の液体分からなる培
地は、大麦、大麦麹、及び酵母に由来する成分を含有す
るものである。即ち、本発明において使用する大麦焼酎
蒸留残液の液体分からなる培地は、従来の納豆菌の製造
に用いられる、肉エキス培地及び大豆煮汁培地とは全く
異なるものである。この点具体的には、表1に示すよう
に、本発明において用いる大麦を使用する焼酎製造で副
成する大麦焼酎蒸留残液は、粗タンパク質(食品のタン
パク質量を測定する場合、窒素含量を測定し、その値に
窒素-タンパク質換算計数を乗じて算出した量のこと)が
約4%であり、主なアミノ酸として、プロリン、ロイシ
ン、アルギニン、アラニン、及びグルタミン酸を含有す
る。且つ、該大麦焼酎蒸留残液は、焼酎製造における発
酵過程において生産されるグリセロール、クエン酸、酢
酸、及び乳酸、あるいは大麦に由来するポリフェノール
などの納豆菌の培養に好ましい栄養成分を含有する。よ
って本発明の製造方法において納豆菌の培養に使用する
培地は、従来の納豆菌の培養において使用する培地とは
明白に異なる別異のものである。
【0020】本発明において、蒸留酒の製造における蒸
留工程で得られた大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、ア
ミノ酸、ポリフェノール、有機酸、及びグリセロールを
含有する液体分を得る第1の工程は、大麦焼酎蒸留残液
から原料大麦、麹あるいは麦芽由来の水不溶性の発酵残
渣を除去し、液体分を得ることを目的として行うもので
ある。この第1の工程における当該固液分離は、スクリ
ュープレス方式やローラープレス方式の固液分離方法を
介するか、或いはろ過圧搾式の固液分離機を用いて行う
ことが出来る。第1の工程で得られた前記液体分にアル
カリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和処
理して調製液を得る第2の工程においては、前記アルカ
リとして,水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用
することができる。
【0021】第2の工程で得られる前記調製液を培地に
用いてBacillus subtilisに属する納豆菌を培養する第3
の工程においては、該納豆菌として公知の納豆菌を用い
ることができる。そうした納豆菌の具体例としては、市
販納豆菌である成瀬菌、宮城野菌、及び高橋菌等を挙げ
ることができる。これらの他に、MK-7(メナキノン-7)
生産能の高い納豆菌菌株を用いることもできる。上記培
地を用いた該納豆菌の培養は、公知の液体培養法により
行うことができる。好ましくは、ジャーファーメンター
などを用いた通気攪拌培養により、培養温度40℃〜50℃
の温度範囲で行うことが望ましい。この際、培養中の培
養液のpH値は水酸化ナトリウム等を用いて7.0程度に保
持するのが好ましい。
【0022】第3の工程において得られる納豆菌の培養
液を固液分離することにより液体分を得る第4の工程
は、該培養液から納豆菌菌体はもちろんのこと、水不溶
性の残渣等のSS分を除去することを目的として行うもの
である。この第4の工程においては、遠心分離機、セラ
ミックろ過装置、あるいはろ過圧搾機等を用いることが
できる。このようにして得られる本発明の組成物である
上記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分はそのまま
の状態で、或いは該液体分を凍結乾燥等に付すことによ
り乾燥物粉末にして、所望の脂肪肝の発症抑制作用及び
治癒作用を有する食品又は医薬として使用することが出
来る。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが,本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0024】以下の実施例に供する目的で大麦焼酎の製
造を行った。原料としては、大麦(70%精白)を用い
た。
【麹の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸した
後、40℃まで放冷し、大麦トンあたり1kgの種麹(白麹
菌)を接種し、38℃、RH95%で24時間、32℃、RH92%で20
時間保持することにより、大麦麹を製造した。
【蒸麦の製造】大麦を40%(w/w)吸水させ、40分間蒸し
た後、40℃まで放冷することにより、蒸麦を製造した。
【大麦焼酎製造及び大麦焼酎蒸留残液の取得】1次仕込
みでは前述の方法で製造した大麦麹(大麦として3ト
ン)に、水3.6キロリットル及び酵母として焼酎酵母の
培養菌体1kg(湿重量)を加えて1次もろみを得、得られ
た1次もろみを5日間の発酵(1段目の発酵)に付した。
次いで、2次仕込みでは、上記1段目の発酵を終えた1次
もろみに、水11.4キロリットル、前述の方法で製造した
蒸麦(大麦として7トン)を加えて11日間の発酵(2段目
の発酵)に付した。発酵温度は1次仕込み、2次仕込みと
も25℃とした。上記2段目の発酵を終えた2次もろみを常
法により単式蒸留に付し、大麦焼酎10キロリットルと大
麦焼酎蒸留残液15キロリットルを得た。得られた大麦焼
酎蒸留残液を以下の実施例に用いた。
【0025】
【実施例1】1.大麦焼酎蒸留残液からの培地の調製 大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた前記大麦焼酎蒸留残
液1キロリットルを信和エンジニアリング(株)製のス
クリュープレス方式の固液分離機で固液分離して約0.8
キロリットルの液体分を得,該液体分に水酸化ナトリウ
ムを加えてそのpH値を7.0に調整して約0.9キロリットル
の調製液を得た。得られた調製液を、121℃、15分間の
条件で滅菌処理を行い納豆菌培養用の培地を得た。 2.納豆菌の前培養 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。該肉エキス培地5mlと市販納豆菌の宮城
野菌1白金耳を試験管に導入して攪拌し、42℃で15時間
振とう培養して納豆菌前培養液を得た。 3.納豆菌の本培養 2L容ジャーファーメンターに、上記1.で調整した培地1
Lと上記2.で得た納豆菌前培養液5mlを導入し、通気量
0.2vvm、攪拌速度300rpm、培養温度42℃の条件で、14日
間培養を行い、納豆菌培養液を得た。該納豆菌培養液を
8000rpm、10minの条件で遠心分離に付し、さらに0.45μ
mのフィルター処理に付すことにより納豆菌培養液の液
体分を得、該液体分0.89Lを真空凍結乾燥機を用いて凍
結乾燥に付し、凍結乾燥物 73gを得た。得られた凍結乾
燥物を粉砕処理に付して、濃褐色を呈する粉末を得た。
【0026】
【比較例1】上記大麦焼酎製造の蒸留工程で得られた上
記大麦焼酎蒸留残液を8000rpm、10minの条件で遠心分離
に付し、さらに0.45μmのフィルター処理に付すことに
より大麦焼酎蒸留残液の液体分を得、得られた液体分2.
5Lを真空凍結乾燥機を用いて凍結乾燥に付し、凍結乾燥
物150gを得た。得られた凍結乾燥物を粉砕処理に付し
て、褐色を呈する粉末を得た。
【0027】
【比較例2】1.肉エキス培地の調製 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。 2.納豆菌の前培養 肉エキス10gとペプトン10gを蒸留水1Lに溶解し、得られ
た溶液に水酸化ナトリウムを添加してそのpH値を7.0に
調整後、121℃、15分間の条件で滅菌処理を行い肉エキ
ス培地を得た。該肉エキス培地5mlと市販納豆菌の宮城
野菌1白金耳を試験管に導入して攪拌し、42℃で15時間
振とう培養して納豆菌前培養液を得た。 3.納豆菌の本培養 2L容ジャーファーメンターに、上記1.で調整した肉エ
キス培地1Lと上記2.で得た納豆菌前培養液5mlを導入
し、通気量0.2vvm、攪拌速度300rpm、培養温度42℃の条
件で、14日間培養を行い、納豆菌培養液0.87Lを得た。
該納豆菌培養液0.87Lを真空凍結乾燥機を用いて凍結乾
燥に付し、凍結乾燥物 13gを得た。得られた凍結乾燥物
を粉砕処理に付し、褐色を呈する粉末を得た。
【0028】実施例1で得られた本発明の組成物(粉
末)、比較例1で得られた大麦焼酎蒸留残液液体分の凍
結乾燥物粉末、及び比較例2で得られた肉エキス培地を
用いることにより得た納豆菌培養液の凍結乾燥物粉末の
それぞれを以下の試験例1に供し、脂肪肝の発症抑制作
用を評価した。
【0029】
【試験例1】本発明の組成物が有するオロチン酸投与に
よる脂肪肝発症に対する抑制作用を明らかにするために
以下の試験を行った。即ち、4週齢Wistar系雄性ラット
(日本SLC)を1群6匹として、一般的に栄養学的実験を
行う際の標準食として使用する基本食を摂取させる基本
食群、該基本食に脂肪肝を人為的に発現させる際に一般
的に用いられるオロチン酸を1%混合した対照食を与え
る対照食群、該対照食に前記実施例1で得た本発明の組
成物2%を混合した試験食Aを摂取させる試験食A群、該
対照食に前記比較例1で得た大麦焼酎蒸留残液液体分の
凍結乾燥物粉末2%を混合した試験食Bを摂取させる試験
食B群、及び該対照食に前記比較例2で得た肉エキス培地
を培地に使用した納豆菌培養液の凍結乾燥物粉末2%を
混合した試験食Cを摂取させる試験食C群の5群に分け、
それぞれの群に表2に示す組成の飼料を水道水と共に14
日間自由摂取させて飼育した。飼育期間終了後、14日間
飼育後の体重増加量、及び14日間の飼料摂取量を測定
し、ラットを解剖後、心臓から血液を採取し、肝臓を摘
出した。採取した血液は遠心分離して血清を得、得られ
た血清について、常法に従って、血清総コレステロール
濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清中性脂肪濃
度、及び血清リン脂質濃度を測定し、摘出した肝臓につ
いては、その重量、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロー
ル濃度、肝臓中性脂肪濃度、及び肝臓リン脂質濃度を測
定した。
【0030】
【評価1】血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレス
テロール濃度、血清中性脂肪濃度、血清リン脂質濃度、
肝臓重量、及び肝臓リン脂質濃度の測定結果を表3に示
す。また肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール濃度、及
び肝臓中性脂肪濃度の測定結果を図2乃至図4に示す。表
3、及び図2乃至図4に示す結果から以下の事実が判明し
た。即ち、肝臓総脂質濃度、肝臓コレステロール濃度、
及び肝臓中性脂肪濃度については、試験食A群では基本
食の正常値よりもさらに改善された値を示した。これに
対し、対照食群では顕著に増加し、試験食B群及び試験
食C群では前記正常値に近似するものの該正常値に比較
して明らかに大きい値を示した。一方、血清総コレステ
ロール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清中性脂
肪濃度、及び血清リン脂質濃度については、試験食A群
は基本食の正常値と実質的に同等の値を示した。これに
対し、対照食群では顕著に低下し、試験食B群及び試験
食C群では前記正常値に近似するものの該正常値に比較
して明らかに小さい値を示した。即ち、オロチン酸を含
む対照食に大麦焼酎蒸留残液の液体分の凍結乾燥物粉末
を2%混合した試験食B群、及びオロチン酸を含む対照食
に肉エキス培地を用いることにより得た納豆菌培養液の
凍結乾燥物粉末を2%混合した試験食C群においては、脂
肪肝の発症抑制作用が小なるものであったのに対して、
本発明の組成物を2%混合した試験食A群においては脂肪
肝の発症抑制作用が極めて強力であり、脂肪肝の発症が
完全に抑制されていた。この結果から、本発明の組成物
は、大麦焼酎蒸留残液の液体分及び肉エキス培地を用い
ることにより得た納豆菌培養液よりもさらに強力な脂肪
肝の発症抑制作用を有していることが明らかとなった。
【0031】実施例1で得られた本発明の組成物を以下
の試験例2に供し、該組成物が有する脂肪肝に対する治
癒作用を評価した。
【0032】
【試験例2】高脂肪食投与により発症した脂肪肝に対し
て本発明の組成物が有する治癒作用を明らかにするため
に以下の試験を行った。即ち、6週齢SD系雄性ラット
(日本クレア)を1群6匹として、表4に示す組成の高脂
肪食を2週間投与した後に表4に示す組成の基本食を更に
2週間投与する基本食群、前記高脂肪食を2週間投与した
後に表4に示す本発明の組成物5%を混合した試験食を更
に2週間投与する試験食群、及び前記基本食を4週間投与
する対照食群の3群に分けて飼育した。飼育期間終了
後、4週間飼育後の体重増加量、及び4週間の飼料摂取量
を測定し、ラットを解剖後、心臓から血液を採取し、肝
臓を摘出した。採取した血液は遠心分離して血清を得、
得られた血清について、常法に従って、血清総コレステ
ロール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、血清中性脂
肪濃度、LDH、AST、及びALTを測定し、摘出した肝臓に
ついては、その重量を測定した。
【0033】
【評価2】血清総コレステロール濃度、血清HDL-コレス
テロール濃度、血清中性脂肪濃度、LDH、AST、ALT、及
び肝臓重量の測定結果を表5に示す。表5に示す結果から
以下の事実が判明した。LDH、AST、及びALTは、基本食
群では顕著に高い値を示し、試験食群は基本食群よりも
明らかに減少した値を示した。一方、血清総コレステロ
ール濃度、血清HDL-コレステロール濃度、及び血清中性
脂肪濃度は、いずれも基本食群が高い値を示したのに対
して、試験食群は基本食群よりも明らかに減少した値を
示した。即ち、高脂肪食の投与により人為的に発現させ
た脂肪肝を有するラットに一般的に栄養学的実験を行う
際の標準食として使用する基本食を摂取させる基本食群
においては脂肪肝の治癒作用が極めて小さかったのに対
して、高脂肪食の投与により人為的に発現させた脂肪肝
を有するラットに本発明の組成物5%を混合した表4に示
す組成からなる試験食を摂取させる試験食群において
は、高脂肪食投与により発症した脂肪肝が顕著に治癒さ
れていた。この結果から、本発明の組成物は、高脂肪食
投与により発症した脂肪肝に対して優れた治癒作用を有
していることが判明した。
【0034】以上、試験例に述べた結果から明らかなよ
うに、本発明の組成物は大麦焼酎蒸留残液から分取した
液体分よりもさらに強力な脂肪肝の発症抑制作用を有
し、該大麦焼酎蒸留残液の液体分に比べて極めて少量の
投与で、オロチン酸投与による脂肪肝の発症を強力に抑
制することが判明した。さらに、上述した試験例2の結
果から明らかなように、本発明の組成物は、高脂肪食投
与により発症した脂肪肝を顕著に治癒することが判明し
た。
【0035】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の大麦を原
料とする焼酎の製造において副成する大麦焼酎蒸留残液
を固液分離して、アミノ酸、ポリフェノール、有機酸、
及びグリセロールを含有する液体分を得、該液体分にア
ルカリを添加して該液体分に含まれる酸を実質的に中和
処理して調製液を得、該調製液を培地に使用して、Baci
llus subtilisに属する納豆菌を培養することにより培
養液を得、該培養液を固液分離することにより得られる
実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からなる組成物
は、脂肪肝の発症に対しての著しい抑制及び治癒作用を
有する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】大麦焼酎蒸留残液の液体分及び肉エキス培地を
培地に使用して納豆菌を培養した時の各培養液中に含ま
れる生菌数の経時変化を示すグラフである。
【図2】試験例1におけるラットの肝臓総脂質を示すグ
ラフである。
【図3】試験例1におけるラットの肝臓コレステロール
を示すグラフである。
【図4】試験例1におけるラットの肝臓中性脂肪を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 聡 大分県大分市田室町6−31−603 サーパ ス田室 (72)発明者 林 圭 大分県宇佐市大字山本2231−1 三和酒類 株式会社内 Fターム(参考) 4B018 MD49 MD88 ME14 MF01 MF13 4B064 AH19 CA02 CE01 CE08 DA06 4C087 AA01 AA02 AA04 BC65 CA10 MA44 NA14 ZA75 ZC33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
    する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
    フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
    分を得、該液体分にアルカリを添加して該液体分に含ま
    れる酸を実質的に中和処理して調製液を得、該調製液を
    培地に使用して、Bacillus subtilisに属する納豆菌を
    培養することにより培養液を得、該培養液を固液分離す
    ることにより得られる実質的に納豆菌菌体を含有しない
    液体分からなる脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有
    する組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物からなる食品。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の組成物からなる医薬品。
  4. 【請求項4】前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体
    分を凍結乾燥して得られる粉末からなるものである請求
    項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】大麦を原料とする焼酎の製造において副成
    する大麦焼酎蒸留残液を固液分離して、アミノ酸、ポリ
    フェノール、有機酸、及びグリセロールを含有する液体
    分を得る工程、該液体分にアルカリを添加して該液体分
    に含まれる酸を実質的に中和処理して調製液を得る工
    程、該調製液を培地に使用して、Bacillus subtilisに
    属する納豆菌を培養することにより培養液を得る工程、
    及び該培養液を固液分離することにより実質的に納豆菌
    菌体を含有しない液体分を得る工程を含むことを特徴と
    する前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体分からな
    る脂肪肝の発症抑制作用及び治癒作用を有する組成物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記実質的に納豆菌菌体を含有しない液体
    分を凍結乾燥する工程を更に有する請求項5に記載の組
    成物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084504A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Sanwa Shiyurui Kk 大麦を発酵に付したものを有効成分とする血管新生阻害の作用を有する組成物
WO2016067360A1 (ja) * 2014-10-28 2016-05-06 株式会社エンザミン研究所 インスリン抵抗性改善剤およびインスリン抵抗性疾患予防用の健康補助食品
WO2020231127A1 (ko) * 2019-05-14 2020-11-19 한국식품연구원 간 기능 개선 활성을 갖는 균주 및 이의 용도

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