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JP2003221298A - 酸化亜鉛育成用種結晶、酸化亜鉛種結晶の育成方法、および、その育成装置。 - Google Patents

酸化亜鉛育成用種結晶、酸化亜鉛種結晶の育成方法、および、その育成装置。

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JP2003221298A
JP2003221298A JP2002142973A JP2002142973A JP2003221298A JP 2003221298 A JP2003221298 A JP 2003221298A JP 2002142973 A JP2002142973 A JP 2002142973A JP 2002142973 A JP2002142973 A JP 2002142973A JP 2003221298 A JP2003221298 A JP 2003221298A
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Japan
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seed crystal
crystal
zinc oxide
axis
planes
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JP2002142973A
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Mitsuru Sato
充 佐藤
Katsumi Maeda
克己 前田
Kenji Yoshioka
賢治 吉岡
Hiroshi Yoneyama
博 米山
Yutaka Shimizu
湯隆 清水
Koji Horikawa
晃司 堀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Denpa Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Denpa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的で品質のよい酸化亜鉛単結晶育成用種
結晶の形を求める。 【解決手段】 酸化亜鉛の単結晶から切り出した種結晶
により、水熱合成法で単結晶を育成すると、種結晶のm
面が良質な結晶に成長し、m面以外では結晶欠陥領域を
生ずる。従って種結晶のc軸に平行な表面を形成する平
面は任意のa軸に沿った互いに平行なm面を少なくとも
2面有するように形成する。また、種結晶のc軸に平行
な表面を形成する平面が、互いに平行なm面2面と、他
のa軸に沿ったm面2面から構成される四辺形とする
か、6面のm面から構成される六辺形とする。特に育成
した単結晶をcカットウェハーに切り出して発光素子を
形成する場合は正六角形断面の種結晶から育成した欠陥
領域のない単結晶を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途に利用す
ることができる酸化亜鉛の単結晶を育成する際に用いら
れる酸化亜鉛育成用種結晶に係わり、単結晶育成時の結
晶欠陥領域発生を防止するのに好適な種結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体デバイスにおいては、
アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどを薄膜材料
として形成された半導体デバイスが広く用いられている
が、近年、薄膜材料として酸化亜鉛(ZnO)が注目さ
れており、ZnOを薄膜材料として形成した半導体デバ
イスを、例えば紫外線LED(LED:Light Emitting
Diode)やレーザダイオード(LD:Laser Diode)、透
明トランジスタなどの既存の半導体デバイスに応用した
り、新たな用途への研究開発が進められている。
【0003】ところで、半導体デバイスを作成するにあ
たっては、ベース基板上に形成する薄膜の品質が、その
電気的特性や光学的特性、信頼性(寿命)などに重大な
影響を与えることが知られており、薄膜の品質が良好な
ほど、電気的、光学的特性や信頼性が良好なものとされ
る。
【0004】このため、ZnOを薄膜材料とした半導体
デバイスを作成する場合には、ベース基板上に結晶欠陥
のない高品質のZnO薄膜を形成することが重要にな
る。薄膜の品質を決定する要因は、薄膜材料と、ベース
基板材料との格子定数の差が挙げられ、この格子定数の
差が小さいほど結晶欠陥のない薄膜を成膜できることが
知られている。なお、格子定数とは、結晶内で規則正し
く並んでいる原子の配列間隔を示すものである。
【0005】ZnO薄膜を形成した半導体デバイスを作
成する際には、ZnOの単結晶と格子定数が比較的近い
サファイアなどにより形成したベース基板を用いるよう
にしていた。しかしながら、サファイアとZnOの単結
晶との間では、格子定数が18%程度異なるため、サフ
ァイアにより形成したベース基板上に高品質のZnO薄
膜を形成するには、通常よりかなり厚く薄膜を形成する
必要があり、採算上の問題からも、工業的にはある程度
の品質で妥協せざるを得なかった。
【0006】そこで、例えばベース基板上に極めて高品
質のZnO薄膜を安価に形成するには、ベース基板をZ
nO薄膜と格子定数が同じZnOの単結晶によって形成
することが考えられるが、これまでの技術では、ベース
基材として利用することができる大きさを持つZnOの
単結晶を育成することができなかった。水熱合成法によ
る酸化亜鉛(ZnO)単結晶の育成においては、酸化亜
鉛単結晶から切り出した種結晶が用いられ、この種結晶
から単結晶の育成を図るが、結晶は六方晶構造における
a軸方向に選択的に結晶成長する傾向がある。
【0007】一般に、上記の種結晶を酸化亜鉛単結晶か
ら形成するには、図8に示すように切り出されて使用さ
れることが多い。図8(b)は酸化亜鉛単結晶から切り
出された種結晶、同図(c)は育成容器内で種結晶の保
持方法の1例を示す模式図である。なお、図8(a)に
六方晶系に属する酸化亜鉛単結晶の外形の概略とその結
晶軸が示されている。六方晶系の結晶軸はc軸、c軸に
直角で互いに120゜の角度をなす3本のa(1、2、
3)軸の計4本である。
【0008】先ず、酸化亜鉛単結晶から長手方向がc軸
に沿うよう(c軸に平行)に板状の種結晶を切り出す。
次いで、種結晶の板をc軸に沿うように分割し、図8
(b)に示す拍子木型の種結晶を切り出す。単結晶育成
時にはc軸方向には殆ど成長しないので、c軸が最も長
くなるよう配慮して切り出される。単結晶育成装置の育
成容器内の上部側のフレーム61にZnO種結晶を装着
する。例えば、貴金属線(白金線)62を用いてフレー
ム61にZnO種結晶を吊り下げる手法で種結晶の育成
を行うようにしている。なお、水熱合成法に使用される
育成装置の構造等は後述する。
【0009】成長過程で結晶欠陥を少なくするために、
種結晶の表面は充分に清浄な面とする必要があり、研磨
またはラッピング工程により表面が仕上げられ、洗浄工
程も念入りに施される。これらの工数を削減するのに種
結晶の表面はなるべく少ない面数で構成されるのが望ま
しく、同図(b)に示すような、c軸方向に長い拍子木
型の直方体とされることが多い。
【0010】育成容器内の種結晶の成長状況は次のよう
になる。先ず、水熱合成法ではc軸方向の成長速度は非
常に遅く、成長はあまり期待できない。次にc軸に直角
方向の成長の様子を図8(d)を参照して説明する。図
は種結晶のc軸に直角な断面を取り、育成装置内でa軸
方向に沿って結晶が育成される様子を模式的に示す。前
述のように、水熱合成法ではc軸方向には殆ど成長しな
いので、種結晶をc軸方向に複数本接合したり、サファ
イヤ基板にZn0の厚膜を付けて種結晶とする等種々の
方法が試みられ、提案されている。
【0011】図8(d)では1例として、種結晶は図8
(b)のように切り出され、種結晶21の断面形状は、
c軸及び1本のa軸(図ではa1軸)に平行な2面(1
10、110)とc軸に平行で1本のa軸(図ではa1
軸)に直交する2面(120、120)とで形成される
長方形である。ここでは、結晶成長の現象のみを説明
し、理由となる各面の結晶格子の形態、原子・分子の配
列状況等の説明は後述する。なお、通常、c軸及び1本
のa軸(図8(d)ではa1軸)に平行な面110をm
面と呼び、理想的に単結晶が成長すれば、c軸に直角な
断面形状は6個のm面で周囲を囲まれた正六角形に近い
形となる。
【0012】育成容器内で種結晶21の周囲に結晶が成
長して行くが、面110の表面に平行に成長する面11
5が成長速度も速く、面110に平行に面の大きさが拡
大する傾向も強い。分子の配列も欠陥の少ない良好な結
晶面が得られる。面120では分子の配列が不規則で、
面に平行に種結晶の配列に沿って、面に平行に延びるこ
とができず、この面120と30゜の傾きを持つ2本の
a軸(図ではa2、a3軸)の影響も受け、結晶の成長
方向が定まらず、様々な転移を含んだ結晶欠陥領域44
となりやすい。
【0013】一方、面115の端部では、a2、a3軸
の影響を受け、あたかも、面115から60゜折り曲が
ったように結晶欠陥領域44の表面に沿って結晶が成長
する。従って、結晶の成長が進むと、a1軸に対する面
115の関係と同等なa2軸に平行な面112、a3軸
に平行な面113が成長し、結晶欠陥領域44が2等辺
三角形となって封止される形となる。面115、面11
2、面113で結晶欠陥領域44を含んで種結晶をカバ
ーすると、以降は欠陥の少ない単結晶がa1、a2、a
3軸に平行に六角形を形成しながら成長して行く。即
ち、種結晶のm面以外の面、例えば任意のa軸に直交す
る(他の2本のa軸とは30゜傾く)面120、120
の表面近傍では結晶欠陥領域44、44が内包される。
m面以外の面では程度の差こそあれ、結晶欠陥領域の発
生が認められる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、m面以外
の種結晶の表面では育成後の単結晶に結晶欠陥領域が発
生し、育成された単結晶の中心部の種結晶近傍に品質の
悪い部分を含むことが多い。品質の悪い部分は使用に耐
えないから、切り出したウエハーの歩留まりの悪化が問
題であり、良品の選別工程等も追加され、コストアップ
も無視できない問題となる。
【0015】また、種結晶を切り出す単結晶は従来大き
なものは入手できず、複数種結晶をc軸方向に連結した
り、サファイヤ基板にZnOの厚膜を付けそれを切り出
す等していたがいずれも欠点が多かった。c軸方向に充
分長いZnOの種結晶の入手も切望されている。
【0016】本発明は、育成後の単結晶に種結晶近傍で
結晶欠陥領域が生じない種結晶の供給及び種結晶の育成
方法及び育成容器の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するために、酸化亜鉛の単結晶から切り出さ
れた酸化亜鉛育成用種結晶であって、上記種結晶のc軸
に平行な表面を形成する平面は任意のa軸に沿った互い
に平行なm面を少なくとも2面を有する酸化亜鉛育成用
種結晶を提供する。
【0018】また、上記種結晶の上記c軸に平行な上記
表面を形成する上記平面は、任意の上記a軸に沿った互
いに平行な上記m面2面と、他のa軸に沿ったm面2面
から構成される四辺形である酸化亜鉛育成用種結晶と、
上記種結晶の上記c軸に平行な上記表面を形成する上記
平面は、6面のm面から構成される六辺形である酸化亜
鉛育成用種結晶をも提供する。
【0019】さらにまた、上記種結晶の上記c軸に平行
な上記表面を形成する上記平面は、6面のm面から構成
され、且つ、上記表面によって構成されるc軸に直角な
断面は正六角形とされている。また、本発明は、酸化亜
鉛の単結晶から切り出された酸化亜鉛育成用種結晶であ
って、上記種結晶を構成する表面形状の1面は、中心軸
がc軸に平行な円柱面で構成された酸化亜鉛育成用種結
晶をも提供する。。
【0020】本発明は、前部容器内で、酸化亜鉛種結晶
原料である粉末酸化亜鉛と水素ガスとを反応させ亜鉛に
還元し、酸化亜鉛単結晶育成の核となる核用酸化亜鉛単
結晶を予め挿入した後部容器内に還元された上記亜鉛を
導き、上記後部容器内に酸素ガスを供給して、上記核用
酸化亜鉛単結晶を核として酸化亜鉛種結晶を育成する酸
化亜鉛種結晶の育成方法を提供する。
【0021】更に、本発明は、酸化亜鉛種結晶原料であ
る粉末酸化亜鉛を装入し、水素ガスを供給して亜鉛に還
元する前部容器と酸化亜鉛種結晶の核となる核用酸化亜
鉛単結晶を装入し、上記亜鉛を上記前部容器より導入
し、酸素ガスを供給して上記核用酸化亜鉛単結晶を核と
して酸化亜鉛種結晶を育成する後部容器とを、備えた、
酸化亜鉛種結晶の育成装置を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】種結晶の説明に入る前に、水熱合
成法の概略を図2を参照して説明する。図2は、本出願
人が先に提案した単結晶育成容器を用いた単結晶育成装
置51の一例を示した図である。
【0023】この図2に示す単結晶育成装置51は、水
熱合成法によって、ZnOの単結晶を育成する際に必要
な温度及び圧力を、その内部に加えることができるオー
トクレーブ52と、このオートクレーブ52の内部に収
容して使用する育成容器60とから構成される。オート
クレーブ52は、例えば鉄を主材とした高張力鋼などに
よって形成されたオートクレーブ52の容器本体に、パ
ッキン57を挟んで蓋体54を被せて、固着部55によ
り固着することで、その内部を気密封止するような構造
となっている。
【0024】オートクレーブ52内に収容して使用する
育成容器60は、例えば白金(Pt)などによって形成
されており、その形状は略円筒状の容器とされる。そし
て、その上部には圧力調整部として作用するベローズ7
0が育成容器60の内部を密閉した状態で取り付けられ
ている。
【0025】このような単結晶育成装置51では、育成
容器60内の上部側にフレーム61と貴金属線(白金
線)62を用いてZnO種結晶3を吊り下げると共に、
その下部側に原料66を配置して種結晶3の育成を行う
ようにしている。この場合、ZnO種結晶3と原料66
との間には、熱対流を制御する内部バッフル板64が設
けられており、この内部バッフル板64によって、育成
容器60内が溶解領域と成長領域とに区切られている。
内部バッフル板64には、複数の孔が形成されており、
この孔の数によって決定されるバッフル板64の開口面
積により、溶解領域から成長領域への対流量を制御して
溶解領域と成長領域との間に温度差が得られるようにな
っている。
【0026】そして、この育成容器60内に、例えば水
酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸カルシウム(Na2
CO3)、水酸化カリウム(KOH)などの強アルカリ
溶液を注入し、またオートクレーブ52と育成容器60
との間に伝熱のために例えば純水などの伝熱溶液67を
注入して、ヒーター56、56・・によって、オートク
レーブ52を加熱することで、育成容器60内では、溶
解領域において強アルカリ溶液に原料66が溶解した育
成溶液71が生成される。そして、この育成溶液71が
内部バッフル板64を介して成長領域に供給され、Zn
O種結晶3を育成するようにしている。
【0027】また、この図2に示す単結晶育成装置51
では、育成容器60の外側に外部バッフル板65が設け
られており、この外部バッフル板65により育成容器6
0の外側の対流を制限することで、育成容器60内の領
域間においてZnO種結晶3の成長に必要な温度差が得
られるようにしている。
【0028】また、育成容器60の上部には、圧力調整
部としてベローズ70が設けられており、このベローズ
70の伸縮によって育成容器60の内部圧力と外部圧力
の均衡を図るようにしている。
【0029】このような単結晶育成装置51は、水熱合
成法により種結晶からZnOの単結晶の育成を行うこと
ができる。育成容器内60内に不純物の混入が殆どな
く、工業用途に利用できる口径サイズを有するZnOの
単結晶を育成することができる。
【0030】本発明の実施の形態の1例を図1を参照し
て説明する。図1は、本実施の形態としての酸化亜鉛
(ZnO)の種結晶の形状の一例を模式的に示した図で
ある。ZnOの単結晶は六方晶系の結晶であり、結晶軸
としてc軸42とこのc軸42に垂直な平面内で互いに
120゜の角度をなす3本のa(1・2・3)軸43が
存在する。図1(a)は種結晶を切り出すZnOの単結
晶40を斜視図として示している。先ず、図1(a)に
示すように、ZnOの単結晶40からc軸42と1本の
a軸43(図ではa1軸)に平行となるようにZnOの
単結晶の薄板46を切り出す。この薄板46から種結晶
21を形成するが、結晶欠陥領域の発生の少ない種結晶
の形状をc軸に垂直な断面として同図(b〜h)に示し
ている。
【0031】c軸と任意のa軸に平行な面はm面と呼ば
れ、単結晶の表面のc軸に平行な平面は上記のm面で形
成される。前述のように、種結晶のm面をベースとして
成長した結晶は欠陥が少なく成長速度も速いことが知ら
れている。従って、種結晶の表面のc軸に平行な平面を
上記のm面で形成すればm面から成長する結晶は良好な
品質でしかも成長も速くなる。種結晶は長手方向をc軸
に平行に切り出されるので、種結晶のc軸に直角な断面
を取れば、この断面形状を規定する外周の線(断面の外
形線)は種結晶のc軸に平行な面と断面とした平面との
交線となる。即ち、種結晶の断面の外形線のうちa(1
〜3)軸のいずれかと平行な線は、その面がm面である
ことを示す。
【0032】種結晶として最も理想的な形状は、同図
(b)に示す、6面全てがm面であるように形成された
断面が正六角形の種結晶21bである。a1軸に沿った
(平行な)110、110の互いに平行な2面のm面
と、a2軸に沿った112、112の互いに平行な2面
のm面、及びa3軸に沿った113、113の互いに平
行な2面のm面、の計6個のm面から構成されている。
正六角形の断面を有する種結晶から育成される単結晶は
安定した成長が期待できる。断面の外形線の長さ(c軸
に直角に計ったm面の幅)は任意に変えても良いので、
同系の形として正六角形でなくても、同図(c)に示す
ような薄い板状の種結晶21c、または同図(g)の六
角形でも良い。ここではこれらを総合して六辺形と呼
ぶ。これらの形状は、各m面を形成するための研削・研
磨工程の工数が多く必要で、コストが掛かるが、特に正
六角形の種結晶21bから得られた単結晶の品質は最高
となる。
【0033】次に、同図(d)、(e)に示す2組の平
行なm面の組で構成した場合では、上記3組のm面のう
ち1組の辺の長さが0となったと考えて良い。これらの
種結晶21d、21eは六角形と同様、m面のみで結晶
欠陥領域の発生は原理的に無い。即ち、(d)はa1軸
に沿った110、110の互いに平行な2面のm面と、
a3軸に沿った113、113の互いに平行な2面のm
面の4面から構成される四辺形(平行四辺形)であり、
(e)はa1軸に沿った110、110の互いに平行な
2面のm面と、a2軸に沿った112、112の互いに
平行な2面のm面の4面から構成される四辺形である。
【0034】これら平行四辺形の断面を持つ種結晶は、
簡単な取付治具に多数の種結晶を取り付けて、種結晶形
成のための研削・研磨加工を同時に行うことができ、研
磨工数を削減することが可能で、得られた単結晶の品質
と種結晶のコストがバランスして実用性が高い。また、
1組の平行なm面と、1面づつの別々なm面2面で構成
される同図(f)に示す種結晶21fも本例のバリエー
ションと考えられる。
【0035】なお、同図(c)の種結晶21cの場合、
1本のa1軸に沿った(互いに平行な)2枚のm面(1
10、110)の間隔を近づけると、両端のm面(11
2、113、112、113)の長さは次第に短くなっ
てくる。即ち、両端にa1軸と直交する平面120のあ
る同図(h)と極めて近くなる。平面120では図5
(d)に示すように結晶欠陥領域を発生するが、種結晶
の板厚がある程度薄くなれば図5(d)に示す結晶欠陥
領域44の2等辺三角形は非常に小さくなり、この程度
の結晶欠陥領域は育成された単結晶の歩留まりに対して
影響せず、実用上ほとんど無視できる。このように、種
結晶を長方形断面の薄板状とすれば、少なくとも幅の広
い2面を互いに平行なm面とし、他をm面以外で構成し
ても実用的には使用可能であり、板厚の薄い薄板状とし
て、同図(h)に示す種結晶21hのように1組の平行
なm面(110、110)と直交する平面2面(12
0、120)で構成して、種結晶加工のコストを低減し
てもよい。
【0036】ここで、m面で欠陥の少ない結晶面が成長
する理由を鋼球モデルにより説明する。鋼球モデルと
は、結晶を構成する分子または原子の代わりに格子定数
(結晶格子の距離)に等しい直径の鋼球を格子点に配置
したものである。先ず、図3を参照して、鋼球モデルで
六方晶系の単結晶構造を説明する。図3(a)は六方晶
系の鋼球の配置方法を斜視図として示し、同図(b)は
鋼球モデルを+c軸方向から投影したもので、A、B層
の重なり具合を示したものである。格子定数は同図
(b)でKで示されるので、直径Kの鋼球を結晶の原子
または分子と見立てて、隙間のないように(表面が接し
て)配置されている。
【0037】六方晶系の単結晶はA層とB層が交互に重
なって形成される。同図(a)の最下段の図は、A層に
属する互いに接している7個の鋼球(A1、A2、・・
・A7)を取り出して描いている。これらの鋼球は互い
に接しながら1平面上に無数に並んでA層を構成してい
る。7個の鋼球はA1を中心としてその外周にA2、・
・・A7の6個の鋼球が隣り合った鋼球と接して、鋼球
の中心を結べば1辺の長さがKの正六角形を形成する。
通常、同図(b)に示す、A層の鋼球A1〜A4の中心
を結ぶ平行四辺形を基本格子とする。最小の構成要素は
鋼球A1〜A3の中心を結ぶ正三角形であり、正三角形
の1辺の長さが格子定数(K)となる。結晶軸a1、a
2、a3は1直線上の3個の鋼球の中心を通る直線とな
る。そして軸a1、a2、a3はc軸に直角で互いに1
20゜隔てて配置され、c軸に直角である。この3本の
a軸は互いに同等であって、c軸を中心として結晶を6
0゜づつ廻転すると各a軸は重なる(軸の向きの制限は
ない)。
【0038】A層の隣り合った3個の鋼球に接するよう
に鋼球を配置するとB層が形成される。例えばB層の鋼
球B1はA層の鋼球(A1、A2、A3)に接するよう
にA層の鋼球3個で形成される窪みに配置される。同図
(b)で鋼球B1の中心はOB1の符号の点となる。同
様に鋼球B2はA層の鋼球(A1、A4、A5)に接
し、鋼球B2の中心はOB2の符号の点となる。また、
鋼球B3は鋼球(A1、A6、A7)に接し、鋼球B3
の中心は点OB3となる。B層を形成する鋼球も互いに
接し、1平面上に無数に並んでB層を構成している。A
層を構成する鋼球の中心をそれぞれOB1、OB2、O
B3・・・等と移動すればB層となる。
【0039】B層の上には第2のA層が配置される。同
図(b)のように+c軸方向から見ると初めのA層の鋼
球と第2のA層の鋼球が全く重なって見える。即ち、鋼
球A2の上に鋼球A12が、鋼球A4の上に鋼球A14
・・・と重なって行く。更にこの第2のA層の上に第2
のB層が配置されるが、第1のB層と第2のB層も、+
c軸方向から見ると全く重なる位置に配置される。この
ようにして、六方晶系の結晶の配置がなされる。なお、
剛体と考えられる鋼球の場合はc軸に沿った格子定数は
1.633Kとなるが、実際の結晶では多少異なった値
を示す。
【0040】ここで、六方晶系の単結晶で通常見られる
面の説明をする。結晶を育成する上で主要な面はc軸と
1本のa軸に平行な面(m面と呼ばれる)であり、これ
と対比されるのがc軸に平行で1本のa軸に直交する面
である。m面では順調に単結晶が成長し、成長速度も大
きく、c軸に平行で1本のa軸に直交する面では結晶欠
陥領域が発生し易いことは既に述べた。c軸に直交する
(a軸に平行)平面では鋼球は最も密に配置される。最
小の隙間で隣り合った鋼球は互いに接している。その様
子は図3(b)に示され、鋼球密度(単位平面内の鋼球
数)は最大となる。
【0041】m面とc軸に平行で1本のa軸に直交する
面につき、図4を参照して説明する。図は結晶表面近傍
の鋼球モデルの投影図である。図の添字の最後の1は+
c軸方向から見た平面図、2はAA線による断面を示す
側面図であり、3は外部から結晶表面を見た正面図であ
る。なお、鋼球モデルでは変化しないが、実際の結晶で
は、表面に近い層の格子定数は内部のそれとは異なり分
子間の距離が違うのが普通である。
【0042】図4(a)はc軸と1本のa軸に平行なm
面110が表面の場合を示す。ここでは同図(a1)、
(a2)に一点鎖線で示すように、結晶の表面(m面1
10)を最も外方に配置された鋼球の中心を通る面とす
る。同図(a2)に示すように、表面に位置するA層の
鋼球A21と下のA層の鋼球A21と同等の鋼球と、や
や内側に配置されたB層の鋼球B21の計3個が断面と
され、図ではA層の鋼球(と同等の鋼球の列)が結晶の
表面の最外部を形成し、B層の鋼球は内部に引き込んで
配置されて1列の窪みを形成している。
【0043】外部からZnO分子相当の鋼球B20が供
給され表面に近づいて捕捉されると、2列のA層の間の
窪みに落ち込み、一点鎖線で示された位置でA層の鋼球
2個とB層の鋼球2個と接して安定な位置を占める。鋼
球B20が表面に付くことで新しいB層が形成され、鋼
球直径の6割程度表面が外方に移動して結晶は成長す
る。鋼球B20と同等な位置に鋼球が次々と配置され、
完全にB層の窪みを埋めると、今度はB層が結晶表面と
なり、A層は内部に引き込んだ位置になるが、表面全体
としての形はA層とB層が入れ替わっただけで図4(a
1〜a3)と全く同形である。次々と鋼球(分子)が付
着しても、鋼球の配列が不変で、常に格子定数Kとc軸
方向の格子定数(鋼球の場合1.633K)がそのまま
現れ、水熱合成法で欠陥の生じにくい面の状態にあるこ
とが分かる。結晶の成長が速いことも、分子配列の形や
格子定数が変化せず、表面に分子が安定して付着するた
めと考えられる。
【0044】同図(b)はc軸に平行で1本のa軸に直
交する面120を示す。(a)と同様に、結晶の表面を
最も外方に配置された鋼球の中心を通る面を表面120
とし、1点鎖線で示す。同図(b1)に示すように、表
面に位置するA層の鋼球2個の距離は格子定数Kとはか
なり異なり(1.732K)、A層の鋼球2個と同一平
面にあるB層の鋼球1個がクサビ型となり、2個のクサ
ビ型の間に表面と接する位置に引き込んだ位置にあるA
層の鋼球2個とB層の鋼球1個(1点鎖線で示す)で同
形のクサビ型を形成し、表面と接する位置まで引き込ん
で外部に面している。この面120はジグザグ状の溝が
繰り返し並ぶことになり、分子が捕捉されやすい位置で
は、本来の格子定数と異なっているため、分子個々で勝
手な配列となり、規則正しい分子配列の成長が起こり難
く、結晶欠陥が生じやすい面となっている。
【0045】実際の分子レベルでは、図のように表面1
20が広い面で形成されることはなく、表面には劈開面
である各a軸に沿ったm面が不規則に並んいると考えら
れる。従って、結晶は個々のm面に直角に成長し、成長
するに従い互いに干渉して結晶欠陥領域が形成される。
【0046】また、面の端部では、あたかも、現表面に
平行なa軸より他のa軸の影響を強く受けたように結晶
の成長方向が変わってくる。例えば図4(a1)で右端
の鋼球A20が種結晶の面の端部とすると、a1軸より
a3軸の影響が強まり、a3軸に平行な方向に表面が折
れ曲がって成長する傾向がある。従って図5(d)に示
すように、面115から面113と、a3軸に平行な方
向に表面が折れ曲がってm面が成長する。やがて種結晶
表層の結晶欠陥領域をm面が覆い尽くすとその後は正常
なm面として成長して行く。このように、単結晶成長の
面から種結晶のc軸に平行な表面にm面が多いほど欠陥
の少ない結晶が速く成長することになる。
【0047】この点から図1(b〜g)までの種結晶の
形を見直してみると、種結晶21b〜21g)は全てc
軸に平行な表面をm面のみで構成されている。種結晶研
磨工程を減らすため種結晶21(d、e)の平行四辺形
であれば、簡単な治具に同時に多数の同形種結晶を取り
付けて1回の研磨工程で多数の種結晶を得ることができ
る。図1(h)に示す種結晶はa軸に直角な面120を
含むが、a1軸に平行なm面110の長さに対し、a軸
に直角な面120の長さを短くすることにより、結晶欠
陥領域の大きさを実用上支障ない程度に少なくすること
ができる。このように、種結晶21hはm面以外の面1
20の長さが可能な限り薄くすれば、結晶欠陥領域の発
生を最小とすることができる。
【0048】ところで、今まで述べた種結晶を使用し
て、実際にZnOの単結晶を水熱合成法で育成すると、
種結晶のc軸に直角な断面の形状により、育成された単
結晶の品質に差があることが認められる。特に育成した
ZnO単結晶からc軸に直角にウェハーを切り出し(c
カットと呼ばれる)、更に細分して、そのまま、発光素
子として使用する場合に顕著に現れる。m面以外の種結
晶の表面では育成後の単結晶に結晶欠陥領域が発生し、
育成された単結晶の中心部の種結晶近傍に品質の悪い部
分を含むことが多いことは既に説明したが、この結晶欠
陥領域の影響はかなり広範に及び、例えば図8(d)に
示す二等辺三角形状の結晶欠陥領域44のみならず、そ
の外周のかなりの部分まで、発光素子としては具合の悪
い区域が広がっている。
【0049】フォトルミネッセンス(Photoluminescenc
e )強度の分布を、ZnO単結晶を発光素子として使用
した場合の品質評価法とすることができる。フォトルミ
ネッセンスを簡単に説明すると、物質が可視光・紫外光
などの放射によって刺激され、それより長い周期の光を
放射する現象(その光を蛍光・燐光と呼ぶ)である。図
5(a)は、cカットZnOに選択的にレーザを照射
し、横軸のフォトンエネルギに対応する発光の強度分布
を模式的に示している。理想的なフォトルミネッセンス
特性が破線で描いた曲線で示され、3.3eV付近にピ
ークがある。このピークの波長は紫外域の約375nm
であり、紫外発光素子の実現に必要な波長である。
【0050】図5(b)に、試料としたcカットZnO
のc軸に直角に切断研磨した表面の略図を示す。中央部
にほぼ正方形の種結晶21があり、左右の非m面に二等
辺三角形の結晶欠陥領域44が形成されている。更に、
破線で六角形に区画された外周面91の内部の種結晶周
辺部92が、発光素子としては具合の悪い結晶欠陥の多
い部分であり、その外側がほぼ良質な結晶部分と認めら
れた。図5(a)のAは外周の良質な結晶部分と見なさ
れた部分の、Bは種結晶周辺部の特性を示している。測
定したZnO結晶は、不純物混入や酸素欠陥の原因が完
全には除去されておらず、A、Bとも3.3eV付近の
ピーク値が低いが、特にBの低下が大きい。
【0051】六方晶系に属するZnOの単結晶育成で
は、種結晶21と結晶欠陥領域44を中心としたかなり
広い範囲に、結晶欠陥の多い種結晶周辺部が存在してお
り、この部分のZnO単結晶は発光素子としては使用で
きない。これは発光素子製造用のウェハーの歩留まりが
大幅に悪くなることを示している。また、この結晶欠陥
の多い部分の外周面91が、ほぼ正六角形に形成されな
いと良質な結晶部分93が形成されないと考えられる。
【0052】これらを総合すると、ZnO単結晶を発光
素子として使用する場合の歩留まりを加味した種結晶の
断面形としては、図6(a)に示す正六角形断面(図1
(b)も同形)が最適となる。但し、既に述べたよう
に、正六角形断面のZn0の種結晶の外形の研磨加工は
工数の増加等、コスト上は不利な点が多い。一つの便法
として、種結晶のc軸に直角な断面を模式的に描いた図
6(b)に示すように、種結晶の表面形状を構成する面
として、中心軸がc軸に平行な円柱形を採用すると、研
磨加工その他は殆ど機械加工で行うことができる。仕上
加工まで円筒研磨と類似の機械加工で済むので、円柱形
以外の他の全ての種結晶が平面ラッピング類似の加工法
を要するのに比べ、完全自動化も容易で、加工コストの
低減が期待できる。種結晶の表面形状として、上記の円
柱形表面部分以外は特に制約はない。通常の円柱の上下
底面に相当する面は単結晶の持つ結晶面そのままでも良
いが、予め、c軸に直角な平面に加工した方が機械加工
上は好ましい。
【0053】円柱面上の1点で、その点を通る円柱面の
接線とm面とのなす角が円柱面とm面の誤差角となる。
誤差角は円柱面上のa1〜a3軸の通るm面同士の交点
94(6ヶ所)で最大で、30゜となり、3本のa軸か
ら30゜づつ離れた各中点で最小の0゜となる。少なく
とも、図で斜線を施した部分は結晶欠陥領域95となる
が、誤差0の点の付近では、誤差角の変化がなだらかな
ので、早期にm面が広い範囲に渡って形成され易い。従
って、比較的速く結晶欠陥領域95を覆い尽くした正六
角形の外周面91を獲得し、その外部に良質な結晶部分
が形成される。正六角形断面の種結晶と比べると、結晶
欠陥領域の多少の存在は種結晶の機械加工の費用が安い
点でカバーできる可能性もある。
【0054】従来、種結晶となる大きな単結晶の入手は
非常に困難で、小型の単結晶から切り出した複数の単結
晶をc軸方向につなぎ合わせたり、異種基板の表面にZ
nOの厚膜を育成するなどして少しでも大きな種結晶を
得る努力を余儀なくされた。上記のように、種結晶とし
てはc軸方向に長く、且つ、c軸に直角な断面が六角柱
のZnO単結晶が理想的である。次に、気相成長法によ
る種結晶として使用できるZnO単結晶の育成方法を説
明する。
【0055】以下に説明する気相成長法(Chemical Vap
or Deposition )によるZnO単結晶の育成方法は、化
学気相輸送法とも言うべき方法を採用しており、図7を
参照して説明する。図7は化学気相輸送法によってZn
O種結晶を育成する育成容器80の一例を模式的な断面
図として示している。
【0056】育成容器80は、前部容器80aと後部容
器80bを結合した形状とされ、連絡孔85を介して内
部のガスが連絡可能とされている。図では、一例とし
て、これらの容器は円筒形状とされ、後部容器80bに
外部との連絡孔86を設けている。前部容器80aには
パイプ83が、後部容器80bにはパイプ84が貫通し
て、それぞれ、外部からガスを供給可能とされている。
予め、前部容器80a内にはZnO種結晶の原料となる
焼結したZnO粉末87が装入され、後部容器80b内
には種結晶の核となる核用ZnO単結晶88が装入され
ている。
【0057】前部容器80a内のZnO粉末87を約1
300゜C近辺の高温雰囲気に置き、パイプ83に還元
ガスである水素ガス(H2 )を流し、ZnO粉末に吹き
付ける。高温下でZnOは酸素を奪われて還元され、Z
nとH2O となる。
【0058】遊離したZnは連絡孔85を介して後部容
器80b内に導かれる。後部容器80b内にはパイプ8
4を介して酸素ガス(O2 )が供給される。遊離したZ
nと酸素は単結晶88を核として単結晶として析出し、
ZnOの単結晶89を成長させる。この化学気相輸送法
によると、単結晶89のc軸の成長方向は気流の流れ方
向に誘導され、c軸方向に長い、純度の高いZnO単結
晶(製品である種結晶)が得られる。また、この化学気
相輸送法によると、cカット面が正六角形に近い理想的
な種結晶を得る確率も高い。このように、還元、単結晶
育成を専用の育成容器に分離したので、効率よく種結晶
の育成が行われる。なお、これらの反応は大気圧付近で
行い得るので、容器80内の圧力は大気圧とすることが
できる。また、過剰の水素ガスは外部との連絡孔86に
接続されたイグナイタ(Igniter )で燃焼後排出すれば
危険性もない。
【0059】このような種結晶を使用して育成された単
結晶をスライスすれば、歩留まりの良いZnOウエハー
となり、工業的に使用するのに充分な大きさの基板が最
終製品として得られる。また、この単結晶から切り出し
た種結晶を使用して単結晶を量産しても良い。
【0060】従って、このようなZnOウェハーを基材
として、この基材上にZnO薄膜を形成すれば、極めて
高品質のZnO薄膜を形成することが可能になる。よっ
て、このようなZnOの単結晶を基材とし、この基材上
にZnO薄膜を形成して、例えば紫外線LEDや、レー
ザダイオード、透明トランジスタなどの半導体デバイス
を作成すれば、電気的・光学的特性や信頼性の優れた半
導体デバイスを実現することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸化亜鉛
の単結晶から切り出された酸化亜鉛育成用種結晶は、少
なくとも幅の広い2面を互いに平行なm面とした薄板状
とすれば、他をm面以外で構成しても実用的には歩留ま
りの現象を無視できる程度の結晶欠陥領域の大きさで、
種結晶加工のコストを最低にできる効果を有する。
【0062】また、種結晶の断面をm面2面と、他のa
軸に沿ったm面2面から構成される平行四辺形断面の種
結晶は、加工コストも比較的少ない種結晶を得ることが
できる。さらに、6面のm面から構成される六角形の種
結晶を使用すれば全てm面で構成できるのでさらに安定
した品質の酸化亜鉛単結晶を得ることができる。
【0063】ZnO単結晶を発光素子として使用する場
合の種結晶の断面形としては、m面の長さのほぼ等しい
正六角形に近い断面を持った種結晶が、理論的には結晶
欠陥領域は発生せず、種結晶表面の直近から、良質な結
晶部分が形成されるので最適である。正六角形断面の種
結晶の機械加工を安価に済ますために、軸芯がc軸に平
行な円柱形とされた種結晶は、種結晶の形状を研磨加工
その他で形成する上で非常に簡単であり、種結晶の加工
コストの少ない点で優れている。結晶欠陥領域の厚さも
少なく、比較的速く正六角形の外周面を獲得して良質な
結晶部分が形成される。正六角形断面の種結晶と比較し
て、多少の歩留まりの悪さは機械加工の低廉さでキャン
セルされる利点がある。
【0064】更に、良質のZnO単結晶が得られること
から、例えば紫外線LEDや、レーザダイオード、透明
トランジスタなどの半導体デバイスの電気的・光学的特
性や信頼性等の向上が期待できるのも大きな効果であ
る。
【0065】種結晶を自作するのに化学気相輸送法の採
用により、焼結したZnO粉末から容易に、c軸方向に
長い、純度の高いZnO単結晶を得ることができ、種結
晶を容易に入手可能とした利点は大きい。更に、育成容
器を酸化亜鉛還元の前部容器と単結晶育成の後部容器に
区分して良質な種結晶用酸化亜鉛単結晶が育成可能とな
ったのも大きな効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ZnO単結晶から切り出される種結晶の各種の
断面を示す模式図である。
【図2】水熱合成法に使用される単結晶育成装置の断面
図である。
【図3】鋼球モデルにより六方晶系の結晶状態、結晶格
子、結晶軸を説明する斜視及び正投影による模式図であ
る。
【図4】a軸に平行及び直角の2方向の種結晶表面の分
子配列状況を鋼球モデルの投影図として示した模式図で
ある。
【図5】ZnO単結晶のフォトルミネッセンス強度の測
定結果のグラフと単結晶断面の測定位置を示す略図であ
る。
【図6】ZnO種結晶の正六角形及び円形の断面形状を
模式的に示す図である。
【図7】化学気相輸送法を使用したZnO種結晶育成の
ための育成容器の1形態を示す断面図である。
【図8】酸化亜鉛単結晶から種結晶を切り出す従来方法
と種結晶近傍に発生する結晶欠陥領域を説明する模式図
である。
【符号の説明】
3、21 種結晶、10、20、40 ZnOの単結
晶、42 c軸、43、a軸(a1〜a3)、44、9
5 結晶欠陥領域、45 結晶格子(単位格子)、51
単結晶育成装置、52 オートクレーブ、54 蓋
体、55 固着部、56 ヒーター、57 パッキン、
60 育成容器、61 フレーム、62 白金線、64
内部バッフル板、65 外部バッフル板、66 原
料、67 伝熱溶液、70 ベローズ、71 育成溶
液、A1、A2、・・・ A層を構成する鋼球、B1、
B2、・・・ B層を構成する鋼球、110 種結晶の
m面、112、113、115 単結晶表面(m面)、
120 種結晶のa軸に直角な面、OB1、OB2、O
B3 B層を構成する鋼球の中心の投影位置、K 格子
定数、80 育成容器、80a 前部容器、80b 後
部容器、83 パイプ、84パイプ、85、86 連絡
孔、87 ZnO粉末、88 核用ZnO単結晶、89
ZnO単結晶(種結晶・・・製品)、91 外周面、
92 種結晶周辺部、93 良質な結晶部分 94 m
面同士の交点(6ヶ所)、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 賢治 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 (72)発明者 米山 博 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 (72)発明者 清水 湯隆 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 (72)発明者 堀川 晃司 東京都大田区中央5丁目6番11号 東京電 波株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BB07 CB03 ED02 HA02 HA12 KA01 KA03 KA07 KA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛の単結晶から切り出された酸化
    亜鉛育成用種結晶であって、上記種結晶のc軸に平行な
    表面を形成する平面は任意のa軸に沿った互いに平行な
    m面を少なくとも2面有することを特徴とする酸化亜鉛
    育成用種結晶。
  2. 【請求項2】 上記種結晶の上記c軸に平行な上記表面
    を形成する上記平面は、任意の上記a軸に沿った互いに
    平行な上記m面2面と、他のa軸に沿ったm面2面から
    構成される四辺形であることを特徴とする請求項1に記
    載の酸化亜鉛育成用種結晶。
  3. 【請求項3】 上記種結晶の上記c軸に平行な上記表面
    を形成する上記平面は、6面のm面から構成される六辺
    形であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛育
    成用種結晶。
  4. 【請求項4】 上記種結晶の上記c軸に平行な上記表面
    を形成する上記平面は、6面のm面から構成され、且
    つ、上記表面によって構成されるc軸に直角な断面は正
    六角形であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜
    鉛育成用種結晶。
  5. 【請求項5】 酸化亜鉛の単結晶から切り出された酸化
    亜鉛育成用種結晶であって、上記種結晶を構成する表面
    形状の1面は、中心軸がc軸に平行な円柱面で構成され
    たことを特徴とする酸化亜鉛育成用種結晶。
  6. 【請求項6】 前部容器内で、酸化亜鉛種結晶原料であ
    る粉末酸化亜鉛と水素ガスとを反応させて亜鉛に還元
    し、酸化亜鉛単結晶育成の核となる核用酸化亜鉛単結晶
    を予め挿入した後部容器内に、還元された上記亜鉛を導
    き、上記後部容器内に酸素ガスを供給して、上記核用酸
    化亜鉛単結晶を核として酸化亜鉛種結晶を育成すること
    を特徴とする酸化亜鉛種結晶の育成方法。
  7. 【請求項7】 酸化亜鉛種結晶原料である粉末酸化亜鉛
    を装入し、水素ガスを供給して亜鉛に還元する前部容器
    と酸化亜鉛種結晶の核となる核用酸化亜鉛単結晶を装入
    し、上記亜鉛を上記前部容器より導入し、酸素ガスを供
    給して上記核用酸化亜鉛単結晶を核として酸化亜鉛種結
    晶を育成する後部容器とを、備えたことを特徴とする酸
    化亜鉛種結晶の育成装置。
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