[go: up one dir, main page]

JP2003278088A - Ecf漂白パルプの製造方法 - Google Patents

Ecf漂白パルプの製造方法

Info

Publication number
JP2003278088A
JP2003278088A JP2002078058A JP2002078058A JP2003278088A JP 2003278088 A JP2003278088 A JP 2003278088A JP 2002078058 A JP2002078058 A JP 2002078058A JP 2002078058 A JP2002078058 A JP 2002078058A JP 2003278088 A JP2003278088 A JP 2003278088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
bleaching
cooking
ecf
whiteness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002078058A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobunao Nagao
伸尚 永尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2002078058A priority Critical patent/JP2003278088A/ja
Publication of JP2003278088A publication Critical patent/JP2003278088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】未晒パルプ収率を減少させず、未晒パルプの白
色度の向上を図り、二酸化塩素を主体としたECF漂白
方法における全漂白薬品使用量の削減を図るECF漂白
パルプの製造方法を提供する。 【解決手段】ECF漂白パルプの製造方法において、下
記(A)〜(C)の各工程からなるものであることを特
徴とするECF漂白パルプの製造方法。 (A)広葉樹材のリグノセルロース物質を用いたクラフ
ト蒸解工程では、蒸解終了時における黒液中の有効アル
カリ濃度を5g/リットル以上、Hファクターを700
以下としてクラフト蒸解を行い、該蒸解後の未晒パルプ
のカッパー価を1 5〜18、白色度を25%以上とする(B)酸素漂白工
程では、酸素漂白処理を行い、該漂白処理後のクラフト
パルプのカッパー価を9〜11、白色度を45%以上と
する (C)二酸化塩素を主体とするECF漂白工程における
多段の漂白処理では、漂白処理後のECF漂白パルプの
白色度が84〜88%とするのに要する全漂白薬品の添
加量を有効塩素換算し表した数値が30〜40kg/p
tとする

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化塩素を主体
としたECF漂白法により漂白処理を行うECF漂白パ
ルプの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
未晒パルプの収率を減少させず、未晒パルプの白色度の
向上を図り、二酸化塩素を主体としたECF漂白方法に
おける全漂白薬品使用量の削減を図ろうとするECF漂
白パルプの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】製紙用パルプの製造方法のうち、クラフ
ト法によるパルプの製造方法は未晒パルプ収率や強度が
高く、蒸解廃液から熱量や蒸解薬品としてアルカリ分を
回収できる方法として確立されている。また、広範な原
料木材などのリグノセルロース物質に適用でき、連続蒸
解による迅速化を可能にするなどの利点から、現在では
代表的な化学パルプの製造方法となっている。 【0003】従来のクラフトパルプの製造方法における
蒸解工程は、精選木材チップなどのリグノセルロース物
質をサイロからベルトコンベアーで蒸解釜塔頂部に運
び、頂部より所定量を蒸解釜に供給する。蒸解薬液は、
蒸解廃液である黒液を燃焼し、苛性化してつくられた水
酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混合溶液である白液
を使用する。 【0004】蒸解釜中に存在する空気は、クラフト蒸解
中に該リグノセルロース物質の繊維素の崩壊を助長し、
また、該リグノセルロース中の空気は、蒸解薬液の浸透
を妨げるため、できるだけ排除することが望ましい。 【0005】リグノセルロース物質やパルプの種類によ
り異なるが、蒸解薬液はリグノセルロース物質絶乾量に
対して、適当な薬液濃度、アルカリ相当量を蒸解釜へ送
入する。 【0006】木材チップなどのリグノセルロース物質と
アルカリ性の蒸解薬液は、蒸解釜中で、温度、圧力、時
間などの蒸解条件を調節しながら処理し、該木材チップ
などの繊維間結合物質を蒸解廃液となる黒液中に溶解し
て、残渣としてパルプを残す。 【0007】蒸解終了後は、パルプおよび黒液をブロー
タンク中へブローする。ブロータンク中のパルプおよび
黒液は、希釈し、ノッターにより大きな未蒸解物を除去
し、後の洗浄工程へ送られ、黒液とパルプに分離され
る。パルプは、さらに未離解状の結束した繊維や繊維以
外の異物を除去する精選工程、および酸素漂白工程、さ
らには多段漂白工程に送られる。黒液は、濃縮工程を経
て回収ボイラーにて燃焼され、苛性化されて白液に再生
される。 【0008】クラフト蒸解方法の蒸解釜には、バッチ式
と連続式がある。バッチ方式は、釜に該リグノセルロー
ス物質を充填し、次いで適量の白液を投入し、蒸解する
方式である。蒸解終了時には、釜底部からパルプと黒液
を全量排出し、次の蒸解を行う間欠式である。連続方式
は、円筒状の釜の頂部より該リグノセルロースと白液と
を連続して投入する方式であり、釜内を移動する間に所
定の温度と時間で加熱蒸解を行い、他端からパルプと蒸
解廃液を連続してブローする。 【0009】温度と時間との条件から、蒸解工程は、主
に加熱期、蒸解温度維持期、ブロー期の3期間に分けら
れる。 【0010】加熱期は該リグノセルロース物質中に蒸解
薬液を浸透する上で非常に重要である。アルカリ液の該
セルロース物質への浸透は酸液よりも容易であるため、
従来のクラフト蒸解では蒸解温度まで迅速に上昇させ
る。但し、あまり高温まで急速な温度上昇を行った場
合、浸透不良により未蒸解物が増加してくる。クラフト
蒸解における蒸解温度は、一般的に160〜180℃の
範囲であり、全蒸解時間は未晒パルプ用で2〜3時間で
ある。 【0011】蒸解工程における指標として、従来より、
蒸解に対する温度と反応時間の効果を一つの変数とした
「Hファクター」が一般的に用いられている。例えば1
00℃での反応速度が1であり、この温度で1時間反応
させた時、H−ファクターは1となる。温度が高い程相
対反応速度は大きくなり、反応時間と相対反応速度の曲
線によって囲まれる面積がHファクターを表す。これに
よれば、Hファクターが同じになる時間と温度とを組み
合わせた場合、ほぼ同一品質のパルプが得られる。 【0012】蒸解温度維持期の黒液中の有効アルカリ濃
度が低い場合には、蒸解後期の黒液中の有効アルカリ濃
度が消費されてしまうと、該リグノセルロース成分の縮
合が生じ、従来からの蒸解度の一般的な指標であるカッ
パー価が上昇し、結果として漂白薬品を多量に消費する
ことは周知の事実である。 【0013】蒸解温度維持期における温度と時間とがパ
ルプ収率および粘度に大きく影響を与えることは当然で
あるが、150〜170℃の範囲ではパルプ強度への影
響は殆ど認められない。180℃以上になると、炭水化
物の崩壊溶出が起こる危険があり、パルプ収率、粘度、
パルプ強度の低下となる。しかも高温になった場合、加
熱および浸透が不均一となり、未蒸解物が増え、さらに
はパルプ収率が低下する。 【0014】クラフトパルプの製造方法において、繊維
素およびヘミセルロースをできるかぎり崩壊溶出させず
に高強度のパルプを得ること、かつカッパー価の低減を
進めて後の漂白工程の漂白薬品使用量を削減することが
重要である。 【0015】クラフト蒸解方法は、これまで様々な改良
方法が提案され、バッチ方式ではスーパーバッチ式、連
続方式ではMCC方法、ITC法、Lo-solid法などが
ある。これらの改良方法は、パルプ収率を増加させると
共にパルプ品質を改良する方法であるが、設備改造の必
要性などの大きな課題がある。 【0016】一方、パルプ収率の向上を目指した蒸解液
の改善や脱リグニン助剤などが提案され、ポリサルファ
イド蒸解法、キノン化合物の添加などがある。ポリサル
ファイド蒸解方法は、白液を酸化して硫化ナトリウムを
ポリサルファイド硫黄に変換した酸化白液とし、これを
蒸解液として使用する方法である。 【0017】従来のクラフトパルプは難漂白性であるた
め、その漂白工程では、塩素、アルカリ、次亜塩素酸
塩、二酸化塩素などで段階的に多段漂白処理を行う方法
がとられてきた。また、パルプ収率向上および未晒パル
プのカッパー価の低下による漂白負荷の低減を目的とし
た酸素漂白が漂白工程の前工程に組み込まれてきた。 【0018】このような多段漂白処理には、希釈、薬液
の添加と混合、加温、フィルターでの洗浄などの操作を
何度も繰り返す必要があり、エネルギー面および環境面
において課題が多く、薬品添加量の削減およびシーケン
スの短縮によるメリットは非常に大きい。 【0019】近年、化学パルプの塩素系漂白により生成
される有機塩素化合物に対し、環境対策の面から、多く
の規制への動きが現れている。これらから、クラフトパ
ルプの多段漂白方法においては、従来の元素状塩素を用
いた漂白方法に替わり、元素状塩素を用いないECF漂
白方法、あるいは塩素系の薬品を全く使用しないTCF
漂白方法などが提案され、現在ではECF漂白方法が広
く行われるようになり、環境面では大きな効果が現れて
いる。 【0020】しかしながら、ECF漂白方法では漂白薬
品として、主に二酸化塩素、過酸化水素、オゾンなどの
酸化薬品が使用されるが、これらの薬品を用いたECF
漂白方法では、一般的に従来の元素状塩素を用いた漂白
方法と比較して漂白薬品費用が高い。また、例えば二酸
化塩素は主として自製が行われており、二酸化塩素の使
用量が多いと、その量を満足させるために、より大きな
二酸化製造設備能力を要することになる。 【0021】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、二酸化塩素
を主体としたECF漂白法により漂白処理を行うECF
漂白パルプの製造方法において、未晒パルプ収率を減少
させず、未晒パルプの白色度の向上を図り、二酸化塩素
を主体としたECF漂白方法における全漂白薬品使用量
の削減を図ろうとするものである。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、二酸化塩素を主体とし
たECF漂白法における漂白薬品使用量との関係が、従
来より一般的に用いられている管理指標である、漂白工
程入口のパルプ(ここでは、酸素漂白後のパルプとす
る。)のカッパー価と比較して白色度の方がより高い相
関関係を示すことを見い出した。即ち、漂白工程入口の
パルプの白色度が高いと漂白薬品使用量は削減される。
さらには広葉樹材におけるリグノセルロース物質のクラ
フト蒸解方法において、蒸解終了時における黒液中の有
効アルカリ濃度を5g/リットル以上、Hファクターを
700以下としてクラフト蒸解を行うことによって得ら
れるカッパー価15〜18の蒸解後の未晒パルプは、蒸
解終了時の黒液中の有効アルカリ濃度5g/リットル未
満、Hファクターが700より大きいクラフト蒸解方法
によって得られるカッパー価15〜18の蒸解後の未晒
パルプと比較して、同一カッパー価における白色度が高
いことを見い出した。この両者の白色度の関係は次の工
程である酸素漂白処理を同一条件下で行い酸素漂白処理
後のカッパー価を9〜11とした漂白工程入口パルプに
おいても維持されること、即ち、蒸解終了時の黒液中の
有効アルカリ濃度5g/リットル以上、Hファクター7
00以下としてクラフト蒸解を行ったパルプの方が酸素
漂白処理後の漂白入口パルプについても同一カッパー価
において白色度が高いことを見い出し、本発明を完成す
るに至った。 【0023】すなわち、本発明のECF漂白パルプの製
造方法は、下記(A)〜(C)の各工程からなるもので
あることを特徴とするものである。 (A)広葉樹材のリグノセルロース物質を用いたクラフ
ト蒸解工程では、蒸解終了時における黒液中の有効アル
カリ濃度を5g/リットル以上、Hファクターを700
以下としてクラフト蒸解を行い、該蒸解後の未晒パルプ
のカッパー価を15〜18、白色度を25%以上とする (B)酸素漂白工程では、酸素漂白処理を行い、該漂白
処理後のクラフトパルプのカッパー価を9〜11、白色
度を45%以上とする (C)二酸化塩素を主体とするECF漂白工程における
多段の漂白処理では、漂白処理後のECF漂白パルプの
白色度が84〜88%とするのに要する全漂白薬品の添
加量を有効塩素換算し表した数値が30〜40kg/p
tとする 【0024】 【発明の実施の形態】本発明のECF漂白パルプの製造
方法は、ECF漂白工程における漂白薬品使用量を削減
する効果を有するものであり、パルプ品質には影響を与
えないものである。以下、本発明について詳細に説明す
る。 【0025】本発明において、パルプ原料として用いる
該リグノセルロース物質は、主にユーカリ材であるが、
ユーカリ材以外の一般的にクラフトパルプ用に用いられ
る広葉樹材においても適用するものであり、ユーカリ材
に制限されるものではない。 【0026】本発明の該リグノセルロース物質のクラフ
ト蒸解は、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムを含むア
ルカリ性蒸解液を使用する。なお、本発明においては、
ポリサルファイド蒸解液の使用および脱リグニン助剤の
添加、蒸解方法に制限されるものではない。 【0027】本発明の該リグノセルロース物質のクラフ
ト蒸解工程における水酸化ナトリウム濃度は、Na2
換算で50〜150g/リットル、好ましくは90〜1
20g/リットルであり、硫化ナトリウム濃度はNa2
O換算で 2〜40g/リットル、好ましくは10〜6
0g/リットルである。 【0028】蒸解工程において、加熱期の蒸解時間は、
リグノセルロース物質の種類、蒸解方法および蒸解温度
にもよるが、通常20〜90分間、好ましくは30〜6
0分間である。加熱期後の蒸解温度維持期における蒸解
温度は、140〜180℃、好ましくは150〜170
℃であり、保持時間は、40〜200分間、好ましくは
50〜150分間である。 【0029】本発明において、蒸解終了時におけるHフ
ァクターを700以下とすることは加熱期と蒸解温度維
持期の蒸解時間を変更せず、蒸解温度維持期の温度を下
げることによりHファクターを700以下に調整するこ
とである。 【0030】また、本発明において、蒸解終了時におけ
る有効アルカリ濃度を5g/リットル以上、Hファクタ
ーを700以下とし、蒸解後の未晒パルプのカッパー価
を15〜18とすることは、同一カッパー価における未
晒パルプの白色度を向上させ、その結果、酸素漂白処理
後の漂白入口パルプの白色度をも向上させて二酸化塩素
を主体とするECF漂白工程の漂白薬品添加量を削減す
ることができる。なお、本発明の実施にあたっては、二
酸化塩素を主体としたECF漂白工程のシーケンスは、
例えば、D(E/O)PD、D(E/O)DP、DED
ED等のシーケンスの様に二酸化塩素処理段(D)とア
ルカリ抽出処理段(E)あるいはアルカリ抽出段に酸素
を用いる処理段(E/O)を組み合わせたもの、さらに
過酸化水素段(P)を組み合わせた3段〜5段の多段漂
白をいうが、二酸化塩素を使用することを除けば特に規
制されるものではない。 【0031】 【実施例】以下の実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。 【0032】広葉樹材のリグノセルロース物質を用いた
クラフト蒸解工程において、蒸解終了時における有効ア
ルカリ濃度を5g/リットル以上、Hファクターを70
0以下としてクラフト蒸解を行い、該蒸解後の未晒パル
プのカッパー価を15〜18、白色度を25%以上とし
た未晒パルプは、次の酸素漂白工程において酸素漂白処
理後のクラフトパルプのカッパー価を9〜11、白色度
を45%以上とし、その漂白入口パルプを最終白色度8
4〜88%とするのに要する、二酸化塩素を主体とする
ECF漂白工程における漂白薬品使用量を有効塩素添加
量換算で30〜40kg/ptであることを立証するた
め、テーブル実験を行った。 【0033】実施例1〜3および比較例1〜3 クラフト蒸解に使用した木材チップは、工場使用のユー
カリチップから異形チップおよびダストを除き、充分風
乾させた後に水分を求めて供試した。水分は、風乾後の
重量と115℃の乾燥機で一昼夜乾燥後の重量から算出
した。 【0034】クラフト蒸解に使用した白液は市販の試薬
を調合し、各成分の濃度については、以下の数値のもの
を使用した。 NaOH :79.3g/リットル Na2O換算 Na2S :38.2g/リットル Na2O換算 Na2CO3 :19.5g/リットル Na2O換算 有効アルカリ:97.4g/リットル Na2O換算 【0035】クラフト蒸解は、昇温時間、蒸解温度、蒸
解時間を制御できる容量4リットルの固定釜を使用し
た。固定釜に、絶乾重量500gの該木材チップと所定
の有効アルカリ添加量の該白液を添加し、クラフト蒸解
を実施した。Hファクターは昇温時間、蒸解温度、蒸解
時間から算出した。 【0036】クラフト蒸解終了後、釜内のガスを抜き、
内圧を蒸気圧まで戻し、内容物全量を取り出してそれよ
り黒液を採取し、黒液中の有効アルカリ濃度を分析し、
これを蒸解終了時の有効アルカリ濃度とした。蒸解後の
パルプは水洗し、付着している蒸解廃液を除去した。次
にスリット幅が0.2mmのフラットスクリーンにより
未蒸解チップを分離し、パルプ分および未蒸解チップの
絶乾重量を秤量して未晒パルプ収率を求めた。また、パ
ルプの一部を用いて蒸解度の指標であるカッパー価、未
晒白色度を測定した。 【0037】次に該パルプの酸素漂白を実施した。該パ
ルプを遠心分離器で脱水した後、水分を求めて、絶乾重
量100gをサンプルとして供試した。酸素漂白に使用
するアルカリは水酸化ナトリウムとした。水酸化ナトリ
ウムは固形水酸化ナトリウムを純水に溶解させた溶液と
して添加し、パルプ濃度を調整する時の希釈水は純水を
用いた。酸素漂白の処理条件は、水酸化ナトリウム添加
率0.8質量%〜1.2質量%の範囲内で酸素漂白後の
カッパー価が9.5〜10.0となるように調整し、パ
ルプ濃度10質量%、処理温度110℃、処理時間60
分間で処理を行った。初めにポリビニル袋に該サンプル
と上記条件に相当する水酸化ナトリウム溶液および純水
を添加し、よく揉んで混合させた。次に該サンプルをス
テンレス製の網かごに入れ、蒸気、酸素ガスを封入で
き、釜内温度をヒーターにより制御できる釜内に設置し
た。その後、酸素ガスを釜内圧が6kg/cm2となるま
で封入した。 【0038】酸素漂白終了後、パルプを水洗し、該パル
プの一部を用いて酸素漂白後のカッパー価、未晒白色度
を測定した。 【0039】酸素漂白後の多段漂白は、第1段を二酸化
塩素段、第2段をアルカリ抽出段、第3段を過酸化水素
段、第4段を二酸化塩素段、即ち、DEPDとした4段
のECF漂白を行った。 【0040】多段漂白において、漂白薬品は実機製造品
を使用した。所定のパルプ濃度とするための希釈水は純
水を使用した。漂白薬品とパルプサンプルの混合はポリ
ビニール袋内で行い、良く揉みほぐした。その後、処理
温度に調整した恒温水槽内にパルプサンプルと漂白薬品
の混合物を沈め、所定の処理時間静置した。各漂白段の
終了後、ポリ袋内の該内容物は純水にて良く洗浄し、各
測定用のパルプを分取した後に次の漂白段を実施した。 【0041】多段漂白の第1段である二酸化塩素段の処
理条件は、初めに希硫酸の添加により初期pHを4.9
〜5.1の範囲に調整し、二酸化塩素添加率は0.6〜
1.3質量%(対絶乾パルプ質量)の範囲で第1段後の
白色度をおよそ68〜72%、好ましくは70%となる
ように設定し、パルプ濃度10質量%、処理温度55
℃、処理時間30分で処理を行った。第2段であるアル
カリ抽出段の処理条件は、水酸化ナトリウム添加率0.
7〜1.2質量%(対絶乾パルプ質量)の範囲で充分な
抽出が行われる添加率に設定し、パルプ濃度10質量
%、処理温度55℃、処理時間75分で処理を行った。
第3段の過酸化水素段の処理条件は、過酸化水素添加率
0.4質量%(対絶乾パルプ質量)、パルプ濃度10質
量%、処理温度75℃、処理時間75分とした。第4段
の二酸化塩素段の処理条件は、二酸化塩素添加率は最終
白色度86.2〜86.5%となるように設定し、パル
プ濃度10質量%、処理温度75℃、処理時間140分
とした。 【0042】全漂白段における有効塩素使用量は、第1
段と第4段の二酸化塩素添加率の和に係数2.63を掛
けた値と第3段の過酸化水素添加率に係数2.09を掛
けた値との和とした。 【0043】 【表1】 【0044】 【表2】【0045】上記表1および表2の実施例1〜3はそれ
ぞれ対応するものであり、蒸解終了時の有効アルカリ濃
度が5〜8g/リットル、Hファクター600〜680
の範囲で蒸解後のカッパー価が16.0〜17.0の範
囲となるように有効アルカリ添加率、蒸解温度を設定
し、蒸解を行った例である。 【0046】また、表1および表2の比較例1〜3はそ
れぞれ対応するものであり、比較例1は蒸解終了時の有
効アルカリ濃度5g/リットル未満、Hファクター70
0より大きい場合、比較例2は蒸解終了時の有効アルカ
リ濃度は5g/リットル以上ではあるがHファクターが
700より大きい場合、比較例3は蒸解終了時の有効ア
ルカリ濃度が5g/リットル未満で、Hファクター70
0以下の場合である。それぞれ、実施例1〜3と同様に
蒸解後のカッパー価を16.0〜17.0の範囲となる
ように有効アルカリ添加率、蒸解温度を設定し、蒸解を
行った例である。 【0047】その結果、表1から実施例1〜3は比較例
1〜3と比較して、蒸解後のカッパー価は大差ないにも
かかわらず、白色度がおよそ2〜4ポイント高くなって
いることが分かる。また酸素漂白後の白色度とカッパー
価の関係も同様に実施例1〜3は比較例1〜3と比較し
て、白色度がおよそ2〜4ポイント高くなっていること
が分かる。また、蒸解後の未晒パルプ収率は実施例1〜
3と比較例1〜3を比較するとほぼ同等であった。尚、
実施例1〜3の中でも蒸解終了時の有効アルカリ濃度が
高く、Hファクターが低い方が蒸解後および酸素漂白後
の白色度が高くなる傾向にあった。 【0048】表2から実施例1〜3は比較例1〜3と比
較して、ECF漂白における有効塩素使用量がおよそ8
〜12kg/pt低いことが分かる。酸素漂白後のカッ
パー価はほぼ同等であるにもかかわらず、実施例1〜3
の方が酸素漂白後の白色度が高いことが影響しているこ
とが明白である。 【0049】 【発明の効果】本発明の二酸化塩素を主体としたECF
漂白法により漂白処理を行うECF漂白パルプの製造方
法は、未晒パルプ収率を減少させず、未晒パルプの白色
度の向上を図り、二酸化塩素を主体としたECF漂白方
法における全漂白薬品使用量を大きく削減することがで
きる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ECF漂白パルプの製造方法において、
    下記(A)〜(C)の各工程からなるものであることを
    特徴とするECF漂白パルプの製造方法。 (A)広葉樹材のリグノセルロース物質を用いたクラフ
    ト蒸解工程では、蒸解終了時における黒液中の有効アル
    カリ濃度を5g/リットル以上、Hファクターを700
    以下としてクラフト蒸解を行い、該蒸解後の未晒パルプ
    のカッパー価を15〜18、白色度を25%以上とする (B)酸素漂白工程では、酸素漂白処理を行い、該漂白
    処理後のクラフトパルプのカッパー価を9〜11、白色
    度を45%以上とする (C)二酸化塩素を主体とするECF漂白工程における
    多段の漂白処理では、漂白処理後のECF漂白パルプの
    白色度が84〜88%とするのに要する全漂白薬品の添
    加量を有効塩素換算し表した数値が30〜40kg/p
    tとする
JP2002078058A 2002-03-20 2002-03-20 Ecf漂白パルプの製造方法 Pending JP2003278088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002078058A JP2003278088A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 Ecf漂白パルプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002078058A JP2003278088A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 Ecf漂白パルプの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003278088A true JP2003278088A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29228224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002078058A Pending JP2003278088A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 Ecf漂白パルプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003278088A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528256A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゲーペー ツェルローゼ ゲーエムベーハー 化学的クラフト繊維由来の修飾セルロース、ならびにそれを作製および使用する方法
CN104389222A (zh) * 2014-09-23 2015-03-04 广西大学 一种减少aox形成量的ecf漂白方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012528256A (ja) * 2009-05-28 2012-11-12 ゲーペー ツェルローゼ ゲーエムベーハー 化学的クラフト繊維由来の修飾セルロース、ならびにそれを作製および使用する方法
KR101739949B1 (ko) 2009-05-28 2017-05-25 게페 첼루로제 게엠베하 화학적 크래프트 섬유로부터의 변형된 셀룰로즈 및 이들을 제조 및 사용하는 방법
KR101797943B1 (ko) 2009-05-28 2017-11-15 게페 첼루로제 게엠베하 화학적 크래프트 섬유로부터의 변형된 셀룰로즈 및 이들을 제조 및 사용하는 방법
KR101797942B1 (ko) 2009-05-28 2017-11-15 게페 첼루로제 게엠베하 화학적 크래프트 섬유로부터의 변형된 셀룰로즈 및 이들을 제조 및 사용하는 방법
KR101805048B1 (ko) 2009-05-28 2017-12-05 게페 첼루로제 게엠베하 화학적 크래프트 섬유로부터의 변형된 셀룰로즈 및 이들을 제조 및 사용하는 방법
JP2018087406A (ja) * 2009-05-28 2018-06-07 ゲーペー ツェルローゼ ゲーエムベーハー 化学的クラフト繊維由来の修飾セルロース、ならびにそれを作製および使用する方法
CN104389222A (zh) * 2014-09-23 2015-03-04 广西大学 一种减少aox形成量的ecf漂白方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5953909B2 (ja) 溶解パルプの製造方法
US6245196B1 (en) Method and apparatus for pulp yield enhancement
CN104379833A (zh) 新工艺及通过该工艺制造的溶解浆
US3874992A (en) Press alkaline extraction of cellulosic pulp
JP2010144273A (ja) リグノセルロース物質の化学パルプの製造方法
JPH1181173A (ja) 漂白パルプの製造方法
EP2092116A1 (en) Method for bleaching chemical paper pulps by final ozone treatment at high temperature
US5385641A (en) Delignification of cellulosic raw materials using acetic acid, nitric acid and ozone
JP4538235B2 (ja) セルロース繊維の改質方法
JP6187619B2 (ja) 溶解パルプの製造方法
JP5915263B2 (ja) パルプの製造方法
JP2003278088A (ja) Ecf漂白パルプの製造方法
US11105042B2 (en) Dissolving wood pulps and methods of making and using the same
JPH09273092A (ja) オイルパーム葉柄のパルプ化における前処理方法
JP2003064588A (ja) リグノセルロース物質のクラフト蒸解方法
WO1988001661A1 (en) Pulp bleaching process
JP2812056B2 (ja) リグノセルロース物質の漂白方法
EP2606175B1 (en) Method for removing hexenuronic acids
Ghosh Production of paper grade pulp by organic acid based pulping of wheat straw
Andrew et al. Bleaching of kraft pulps produced from green liquor prehydrolyzed South African Eucalyptus grandis wood chips
JP2000273782A (ja) 漂白パルプの製造方法
CN101165267B (zh) 禾草类纤维制浆工艺
JP2000110089A (ja) 漂白パルプの製造方法
CN101649567B (zh) 禾草类纤维制浆工艺
JP2006274477A (ja) 製紙用化学パルプの製造方法