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JP2003130240A - 可溶栓、その製造方法及びこれを備えた冷凍装置 - Google Patents

可溶栓、その製造方法及びこれを備えた冷凍装置

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JP2003130240A
JP2003130240A JP2001330605A JP2001330605A JP2003130240A JP 2003130240 A JP2003130240 A JP 2003130240A JP 2001330605 A JP2001330605 A JP 2001330605A JP 2001330605 A JP2001330605 A JP 2001330605A JP 2003130240 A JP2003130240 A JP 2003130240A
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melting point
point metal
low melting
refrigerant
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Akira Maeda
晃 前田
Takuo Ozawa
拓生 小澤
Toshio Umemura
敏夫 梅村
Yasuaki Ogose
安陽 生越
Shiro Takatani
士郎 高谷
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、有害物質であるCdやPbを含ま
ず、信頼性が高く、安全弁よりも低コストで、次世代冷
媒に対応した可溶栓、その製造方法、及びそれを備えた
冷凍装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、冷凍装置の内外を貫通する逃
がし穴を有する本体と、前記逃がし穴を閉塞するように
前記逃がし穴に固定された低融点金属とからなる栓部材
とを備え、前記低融点金属が、前記冷凍装置に備えてい
る冷媒の使用温度以上の固相線温度を有し、ビスマス
(Bi)、インジウム(In)及びスズ(Sn)からな
ることを特徴とする可溶栓である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置の安全装
置として用いられる可溶栓、可溶栓の製造方法及びこれ
を備えた冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、冷凍装置の一例を示すものであ
る。この冷凍装置は、高圧側の圧力容器として構成され
た圧縮機1、凝縮器2、液溜3、膨張弁4、及び熱交換
器5を順次接続して冷凍サイクルを構成している。凝縮
器2と液溜3の内部はほぼ同じ圧力、温度を示す。凝縮
器2の側壁又は液溜3には、何らかの原因で内部の冷媒
温度・圧力が上昇したときに、低融点金属をからなる栓
部材6が軟化溶融し、圧力容器としての凝縮器2及び液
溜3内の冷媒を外気中に放出することにより凝縮器2及
び液溜3の破裂を未然に防止する安全装置として、可溶
栓7が取り付けられている。
【0003】図2及び図3は、この可溶栓7として、従
来一般的に使用されているものの概略構造を示す。すな
わち、図2はこの可溶栓7の斜視図的な模式説明図であ
り、図3は、凝縮器(以下の説明においては凝縮器又は
圧力容器と称する)2又は液溜5に取り付けられた状態
における図2記載の可溶栓7の断面図である。
【0004】これら図に示されるように、可溶栓7は、
凝縮器(圧力容器)2の内外を導通する逃がし穴6a、
凝縮器又は液溜への取り付けネジ部6b、及び凝縮器2
又は液溜3への取り付け時の当たりを構成する鍔部(が
くぶ)6cを有する本体6と、この本体6における前記
逃がし穴6aを閉塞するように保持された栓部材8とか
らなる。この栓部材8は、逃がし穴6a内に溶融した低
融点金属を流し込み、この低融点金属を逃がし穴8a内
で冷却固化することにより固着保持されたものである。
【0005】この冷凍装置にあっては、圧縮機1で圧縮
された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器2で空気あるいは
水と熱交換して凝縮され、高温高圧の液冷媒となり、そ
の一部は液溜3に溜められる。この液冷媒は、膨張弁4
に送られて減圧され、低温低圧の液ガス混合冷媒となっ
て熱交換器5に流入する。そして、この熱交換器5で、
水等の冷却対象物と熱交換して、気化した後、再び圧縮
機1で圧縮され、高温高圧のガス冷媒となり再び冷媒回
路内に循環される。
【0006】このとき、栓部材8の凝縮器(圧力容器)
2又は液溜3の空間にさらされている面(以下受圧面と
いう)8aには、高温高圧の冷媒が連流状態で接触しな
がら流れている。この冷媒の圧力P(この圧力は、図3
に矢印をもって示すように、受圧面8aに対して直角方
向に作用する)は冷媒によって決まっており、かつ、こ
の冷媒の圧力P及び温度は、冷凍機運転中不規則な変化
を繰り返している。従って栓部材8は、受圧面8aに不
規則な変化をする圧力が作用し、さらに、不規則な温度
変化をする冷媒により不規則に加熱されているため、比
較的短時間でクリープを生じ、栓部材8の一部が本体6
の外部に露出したり(“飛び出し”と称する)、さらに
は動作設計温度以下で図示Lの方向に栓部材9が飛び出
して冷媒漏れ(“気密漏れ“と称する)が発生するなど
のことが懸念されていた。
【0007】また従来の冷凍装置の可溶栓は、冷凍保安
規則関係基準(経済産業省令)並びにJIS B820
4に基づいて、使用冷媒に合わせて各社各様の設計が行
われている。冷凍装置に用いられる冷媒は、世界的なオ
ゾン破壊物質への規制から、オゾン破壊係数ゼロのHF
C(Hydro,Fluoro−Carbons)系冷
媒への代替えが進んでいる。
【0008】ここで冷凍装置に用いられる可溶栓は、前
記関係基準並びにJIS B8204に従いながら、
「冷媒の使用温度より高い固相線温度を有し、かつ臨界
温度よりも低い液相線温度を有する」合金を低融点合金
として、可溶栓本体に充填することが一般的に行われて
いるが、これらは可溶栓の動作温度が75℃以下の場合
であって、これを越える場合には別の条件を満たさなけ
ればならず、信頼性及びコスト的に不利となる。
【0009】しかしR404Aの他、現在冷媒として有
望視されている冷媒として挙げられている、R125、
R143a、R407B、R410A、R410B、R
507A等は、すべて臨界温度が75℃以下であり、か
つ冷媒の使用温度が57℃以上となり得るものである。
【0010】冷凍装置に用いられる可溶栓は、冷媒によ
り冷凍装置の設計圧力及び冷媒の臨界温度が異なるた
め、冷媒が切り替わった場合はその動作温度を再設計す
る必要がある。なお、冷凍装置の設計圧力とは、先に述
べた関係基準に従うものであり、一定の型式に対し、冷
媒選定と同時にほぼ一意的に決定されるものである。
【0011】例えば次世代のHFC系冷媒として有望視
されているものの一つであるR404A(HFC12
5、HFC143及びHFC134aの混合冷媒)を選
定した空気調和用冷凍装置の場合、その設計圧力は約3
MPa(この圧力における冷媒の飽和温度は約63℃)
であり、このR404Aの臨界温度は約72℃である。
この場合使用温度と臨界温度との差は9℃しかない。
【0012】表1に冷凍保安規則関係基準(経済産業省
令)から推測したR22(HCFC系)、R404A
(HFC系)、アンモニア(自然冷媒)の推定使用温度
(圧力)と、推定臨界温度(圧力)を示す。
【表1】
【0013】冷媒の使用温度と臨界温度との差が比較的
小さい場合には、臨界温度以下で可溶栓が作動する動作
性と、冷媒の使用温度及び使用圧力下で作動しない非動
作性(耐クリープ性と称する)とを両立させることが困
難であり、これを実現するために、可溶栓に用いる低融
点合金として、13.5重量%の錫(Sn)、27重量
%の鉛(Pb)、50重量%のビスマス(Bi)、9.
5重量%のカドミウム(Cd)を含有する合金等の如
く、有毒物質であるCdやPbを含有する合金を安易に
選択する傾向があった。
【0014】しかしながら、Cdの有害性は古くから知
られており、その使用は廃棄も含めて規制されている。
また、最近Pbの有害性についても問題になってきてお
り、世界的にその使用についての規制が検討されてい
る。
【0015】ところが、有害物質であるCd、Pbを含
まない合金においては、その反応形態の詳細が未だ明確
になっていないため、使用する合金系によっては、低温
溶融相が出現して、通常の冷凍装置運転条件で軟化する
ものがあり、可溶栓に適用した場合に所定温度以下で誤
作動する虞がある。
【0016】有害物質であるCd、Pbを含まない合金
の例として、In−Bi−Sn系合金の公知例がある。
例えば、特開平8−154093号公報には、電子部品
を実装するためのはんだ材として、被接合材の耐熱温度
以下の液相線温度を有するIn−Bi−Sn系合金が開
示されている。しかし、この合金はあくまでも電子部品
とプリント基板等との接合を考慮したものに過ぎない。
【0017】本発明者らは、In−Bi−Sn系合金を
上記可溶栓へ適用すべく検討を行い、特許出願を行っ
た。具体的には、57℃以上65℃以下の温度範囲で使
用し、75℃以下の臨界温度を有する冷媒を封入した冷
凍装置に設けられる可溶栓であって、この可溶栓は、前
記冷凍装置の内外を貫通する逃がし穴を有する本体と、
前記逃がし穴を閉塞するように前記逃がし穴に固定され
た、低融点金属とからなる栓部材とを備え、前記低融点
金属の構成が、Sn:X重量%、In:Y重量%、残部
BiからなるXSn−YIn−(100−X−Y)Bi
であり、4≦X≦10、56≦Y≦63であることを特
徴とした可溶栓である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、冷媒について
は今後オゾン破壊係数ゼロなだけでなく、地球温暖化係
数もゼロであるアンモニア等自然冷媒に置き換わる可能
性が高く、これについては57℃以上65℃以下の温度
範囲で使用するとは限らず、また75℃以下の臨界温度
を有するとも限らない。
【0019】また上記発明において同一組成の低融点金
属を用いて、同一製造プロセスで可溶栓を製造しても、
低融点金属の充填プロファイルのばらつきによって凝固
組織が変化し、これによって耐クリープ性(ここでは気
密漏れ発生までの時間ではなく、飛び出し発生までの時
間を称することとする)がばらつく。これによって気密
性もばらつく可能性が高くなり、より均一な凝固組織を
有する、より均質な上記冷媒対応の可溶栓が望まれてい
た。さらにこのため低融点金属の許容組成ばらつき範囲
も非常に小さく、低融点金属材料管理を厳しくする必要
があるため、原材料がコスト高になっていることが問題
であった。
【0020】本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とすることころは、様々な冷媒に対
応可能で、有害物質であるCdやPbを含まず、耐クリ
ープ性ばらつきの小さい、次世代冷媒に対応した可溶栓
とその製造方法及びそれを備えた冷凍装置を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先の発明を
ベースに研究を重ね、BiとInとSnを主成分として
低融点金属を作製し、組成及びこれを充填する時のプロ
セスを制御することにより、様々な冷媒に対応した可溶
栓及びそれを備えた冷凍装置を提供することが可能であ
ることを見出した。
【0022】本発明第1の可溶栓は、冷凍装置の内外を
貫通する逃がし穴を有する本体と、前記逃がし穴を閉塞
するように前記逃がし穴に固定された低融点金属とから
なる栓部材とを備え、前記低融点金属が、前記冷凍装置
に備えている冷媒の使用温度以上の固相線温度を有し、
ビスマス(Bi)、インジウム(In)及びスズ(S
n)からなることを特徴とする可溶栓である。
【0023】本発明の第2の可溶栓は、上記Inの含有
量を50重量%を越えない含有量とした組成を有するこ
とを特徴とする可溶栓である。
【0024】本発明の第3の可溶栓は、上記Biの含有
量を40重量%以上50重量%以下とし、Inの含有量
を30重量%以上45重量%以下とし、残部をSnとし
た組成を有することを特徴とする可溶栓である。
【0025】本発明の第4の可溶栓は、上記低融点金属
に金属微粒子を添加したことを特徴とする可溶栓であ
る。
【0026】本発明の第5の可溶栓は、上記金属微粒子
がAg、Zn、Ni、Cu、Au、Sb、Pのうち、少
なくとも1種以上の物質からなることを特徴とする可溶
栓である。
【0027】本発明の第6の可溶栓の製造方法は、冷凍
装置の内外を貫通する逃がし穴を有する本体と、前記逃
がし穴を閉塞するように前記逃がし穴に固定された低融
点金属とからなる栓部材とを備える可溶栓を製造する方
法において、前記逃がし穴に、前記低融点金属からなる
栓部材を充填する際に、充填完了時の前記低融点金属の
温度が、前記低融点金属の液相線温度以上であることを
特徴とする可溶栓の製造方法である。
【0028】本発明第7の可溶栓の製造方法は、上記低
融点金属を逃がし穴に充填する際、充填完了後の冷却速
度を50℃/分以下とすることを特徴とするものであ
る。
【0029】本発明第8の冷凍装置は、圧縮機、凝縮
器、液溜、膨張弁、熱交換機から構成され冷媒を循環す
る冷凍装置において、液溜及び/又は凝縮器に本発明の
第1〜5の可溶栓を備えたことを特徴とする冷凍装置で
ある。
【0030】本発明第9の冷凍装置は、上記冷媒として
75℃以下の臨界温度を有するものを用いることを特徴
とするものである。
【0031】本発明第10の冷凍装置は、上記冷媒とし
て57℃以上65℃以下で使用し得るものを用いること
を特徴とするものである。
【0032】本発明の第11の冷凍装置は、上記冷媒と
して、R125、R143a、R404A、R407
B、R410A、R410B、R507Aの少なくとも
一つを用いたことを特徴とするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、表
を参照しながら説明するが、本発明はこれら実施の形態
に限定されるものではない。以下の実施例において、動
作性及び耐クリ−プ性の試験は、以下の方法で行なっ
た。 (試験用可溶栓の調製)各可溶栓は、動作性及び耐クリ
−プ性の試験のため、可溶栓7の圧力容器側8a(図3
参照)に、圧力計及び減圧弁を備えた窒素ボンベを配管
により接続し、この圧力計の目盛りが3MPaの圧力を
指したところで前記配管を封じ切り、栓部材8にこの圧
力(3MPa)が作用する状態とした。 (温度制御)温度制御は、水温可変の水槽を用いた。ま
た、水温可変の水槽は、幅約300mm、長さ約500
mm、高さ約25mmの大きさであって、その内部の水
温度を任意に可変としたものである。
【0034】(動作性の試験)動作性の試験は、上記の
ように圧力をかけた可溶栓を所定水温に保った前記水槽
に1分間漬け、気泡が観察されれば動作したものと判断
し、気泡が観察されなければ動作しなかったと判断し
た。そして、動作設計温度以下の温度で動作したときは
合格の印として○、動作しなかったときは不合格の印と
して×とした。
【0035】(耐クリープ性の試験)また、耐クリープ
性の試験は、上記の圧力をかけた可溶栓を所定水温に保
った水槽に所定時間漬け、気泡若しくは低融点金属の飛
び出しが観察されれば動作したものと判断し、観察され
なければ動作しなかったと判断した。そして目標温度で
動作しなければ合格とし、動作したときは不合格とし
た。試験時間は最高2000時間としたが、500時間
をクリアしたものを合格とした。各組成10個ずつ試験
を行い、全て合格の場合のみ○とした。
【0036】なお、試験は、可溶栓を複数個ずつ用意
し、1つの可溶栓につき上記動作性又は耐クリープ性の
試験をいずれか1回限り行い、窒素ガス圧力が栓部材8
に繰り返し作用することによる栓部材8の強度への影響
を回避した。
【0037】(固相線・液相線温度)示差熱分析により
得られた曲線において、昇温時に得られた最初のピーク
の最低温側の端部の温度を固相線温度とし、冷却時に得
られた最初のピークの最高温側の端部の温度を液相線温
度とした。
【0038】実施の形態1.(実施例1〜3) (可溶栓の製造)可溶栓は、250℃まで加熱した銅製
可溶栓本体6を石膏ボードの上に置き、2mmφ×30
0mmの表2に示す組成、固相線温度、液相線温度の低
融点金属棒の先端にフラックスを塗布し、可溶栓本体内
壁に低融点金属棒を接触させることにより充填した。得
られた可溶栓の動作性及び耐クリ−プ性を測定した。動
作性試験の温度は71℃、耐クリ−プ性は63℃で評価
した。その結果、表2に示すように動作性及び耐クリー
プ性ともに合格することを確認した。
【0039】
【表2】
【0040】この他の、HCFC系、HFC系、自然冷
媒の推定使用温度(圧力)、推定臨界温度についても同
様に、Bi、In、Sn比を調整して検討を行ったが、
2O(水)とCO2(二酸化炭素)以外の全ての冷媒に
対して、Bi、In、Snの有効量を、冷媒使用温度以
上固相線温度を有する有効量とすることが可能であり、
これを行うことによって動作性、耐クリープ性を満足し
得る合金が設計できることを確認した。
【0041】また、同様の融点、耐クリープ性を有する
可能性がある合金として様々な金属を混ぜて実験を行っ
たが、有害なPb、Cdを含有しない組成は見出せなか
った。特に本発明合金は、Pb、Cdよりも低有害性で
あり、かつ57℃近傍の低融点を実現し、銅合金からな
ることの多い可溶栓本体6に対して十分な濡れ性を示
し、さらには最も重要である耐クリープ性を有するもの
である。以上によって、請求項1に記載の本発明合金の
有意性が明確となった。
【0042】実施の形態2.(実施例4〜7) 図2、3に示す構造の可溶栓7であって、栓部材8を構
成するBi−In−Sn系低融点金属の組成比が表3に
示すものである可溶栓を実施例1と同様の方法で製造し
た。また、固相線温度、液相線温度、動作性及び耐クリ
−プ性を測定し、その結果を表3に示す。動作性の測定
は、R404Aの臨界温度にほぼ等しい71℃で行なっ
た。耐クリープ性の測定は、R404Aの設計圧力(約
3MPa)下の冷媒温度にほぼ等しい63℃で行なっ
た。また耐クリープ試験については各組成10個ずつ試
験を行い、全て合格の場合のみ○とした。また、最短寿
命と最長寿命との耐クリープ時間差を示した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例4において、低融点金属の充填完了
時の温度を68℃とした場合と130℃との場合の耐ク
リープ性を比較したところ、充填完了時の温度が68℃
の場合は、耐クリープ性にばらつきがあった。
【0045】実施例4は、R404Aを想定した場合、
固相線温度が冷媒使用温度である63℃よりも高く、液
相線温度が臨界温度71℃よりも低い。比較例1は、R
404Aの液相線温度は臨界温度以下であるが、固相線
温度がR404Aの使用温度よりも低い。実施例5〜7
及び比較例2は、Inが50重量%以下のもので、実施
例5〜7は、63℃よりも高い固相線温度及び71℃以
下の液相線温度を有する。表3に示した通り、実施例4
のInが50重量%より多く含有した本発明の可溶栓に
おいては、動作性、耐クリープ性ともに合格している
が、500時間を越えた時間における栓部材8の飛び出
し状況に差が1500時間も生じており、実施例5のI
n有効量が50重量%以下の本発明の可溶栓の500時
間と比較して非常にバラツキが大きいことがわかる。
【0046】一方、実施例5〜7の結果から、Inが5
0重量%以下の組成域においては、動作性及び耐クリー
プ性をともに満たす組成範囲が、Inを50重量%より
多く含有している組成域よりも大きいことがわかる。こ
れはIn含有量を50重量%以下にすることにより、今
回の試作プロセスにおいては可溶栓充填後の低融点金属
の組織がより均質であり、これによって耐クリープ性に
優れたものと組織観察から確認した。従って、In含有
量を50重量%以下にすることにより許容組成ばらつき
範囲の広い、均質性に優れ、耐クリープ性に優れる可溶
栓が得られることが分かる。
【0047】また比較例2は、固相線温度がR404A
の使用温度63℃以下で、液相線温度がR404Aの臨
界温度71℃以上のものであるが、3MPaの圧力下で
あるため、動作性を満足した。しかし、動作温度ばらつ
きが大きいため、低融点金属の液相線温度は、使用冷媒
の臨界温度以下であることが望ましい。さらに現在使用
されている冷媒が、使用温度が57℃〜63℃、かつ臨
界温度が75℃以下のものが多いこと、前記関係基準並
びにJIS B8204に従うと、「75℃よりも高い
動作温度の場合には別の条件を満たさなければならず、
信頼性及びコスト的に不利になる」ことから 、液相線
温度は75℃以下であることが望ましい。これらのこと
と表2に示した結果から、本開発可溶栓として、Biの
含有量を40重量%以上50重量%以下、Inの含有量
を35重量%以上45重量%以下とすることにより、さ
らに高信頼で低コストな可溶栓を提供できることがわか
る。
【0048】以上より、上記開発可溶栓を備えた冷凍装
置は、有害性の低い、高信頼で、安全弁を備えるよりも
低コストなものとなる。その設置位置は、圧縮機又は液
溜のいずれか1カ所以上であればよい。本装置は冷媒を
75℃以下とすることにより高信頼、低コストとなり、
かつ冷媒使用温度を57℃以上65℃以下にすることに
よりさらに高信頼となり、規格化されており性能が把握
されている、R125、R143a、R404A、R4
07B、R410A、R410B、R507Aの少なく
とも一つから選択された冷媒を用いることにより、一層
の高信頼化が可能となる。
【0049】実施の形態3.(実施例8) 上記実施例5の42Bi−42In−16Sn(重量
%)の低融点金属を用いた可溶栓作製時に、20〜40
μmのNi粉末を0.02重量%添加したものと無添加
の可溶栓サンプルを各10個ずつ作製して、上記同様の
動作性、耐クリープ性試験を行った。その結果、各可溶
栓サンプルの動作性は合格であった。また、全サンプル
について耐クリープ性は合格であったが、Ni添加サン
プルの方が優れていた。また、Niの代わりに、Ag、
Zn、Cu、Au、Sb、Pの各粉末を使用して、動作
性、耐クリープ性試験を行った。その結果、同様の効果
を確認した。また、粉末を2種以上混ぜて添加しても同
様の結果が得られた。
【0050】実施の形態4.(実施例9) 上記実施例7の、45Bi−40In−15Sn(重量
%)の低融点金属を用いた可溶栓作製時に充填完了温度
を、液相線温度以下の69℃であったものと、液相線温
度以上である100℃で各10個ずつ作製し、耐クリー
プ性について評価を行った。その結果、液相線温度以下
で作ったサンプルは、全て液相線温度以上で作ったサン
プルよりも短寿命であった。
【0051】実施の形態5.(実施例10) 表4は、実施例4の可溶栓である34Bi−61In−
5Sn(重量%;表3中実施例4参照)を可溶栓本体に
充填する際、最高冷却速度を変えて作製し、上記同様の
耐クリープ性試験を行った結果を示したものである。冷
却速度は、以下の3通りについて実験を行った。なお、
冷却速度は可溶栓本体に穴をあけ、K熱電対を挿入後銀
ペーストで埋め込み、十分乾燥したものを用いて連続温
度測定したチャートから算出した。可溶栓本体の加熱
は、ホットプレートで本体の温度が250℃になる温度
に調整したものを用いた。 A:低融点金属を充填後水冷(約300℃/分) B:低融点金属を充填後空冷(約50℃/分) C:低融点金属を充填後、電源を切ったホットプレート
上で冷却(約0.3℃/分)
【0052】
【表4】 その結果、耐クリープ性は、低融点金属充填時の最大冷
却速度が小さいほど優れる傾向を示す。特に50℃/分
以下で、顕著に効果を示すことがわかる。
【0053】実施の形態6.(実施例11、12) (実施例11)圧縮機、凝縮器、膨張弁、熱交換器、液
溜を有する一般的な冷凍装置の液溜に実施例2の可溶栓
を設置し、冷媒としてR404Aを使用して、63℃で
運転した。可溶栓に異常なく5000時間の運転が可能
であった。
【0054】(実施例12)実施例11と同じ冷凍装置
の液溜に実施例1の可溶栓を設置し、冷媒としてR22
を使用して、64℃で運転した。可溶栓に異常なく50
00時間の運転が可能であった。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明は、冷凍装置の内外を貫
通する逃がし穴を有する本体と、前記逃がし穴を閉塞す
るように前記逃がし穴に固定された、低融点金属とから
なる栓部材とを備え、前記低融点金属の主たる構成が、
ビスマス(Bi)と、インジウム(In)、スズ(S
n)であり、その有効量が冷凍装置に備えている冷媒の
使用温度以上の固相線温度を有する有効量とされている
ことを特徴とする可溶栓であるので、有害物質であるC
dやPbを含まず、信頼性が高く、安全弁より低コスト
な、次世代冷媒に対応した可溶栓が提供される。
【0056】請求項2の発明は、上記Inの含有量を5
0重量%以下とした組成を有することを特徴とする請求
項1に記載の可溶栓であるので、耐クリープ性のバラツ
キが小さくなり、信頼性が一層高くなる。また、許容組
成バラツキ範囲を大きくすることや、高価なInの含有
量を減らすことができるので、一層低コストな可溶栓が
提供される。
【0057】請求項3の発明は、上記Biの含有量を4
0重量%以上50重量%以下とし、Inの含有量を30
重量%以上45重量%以下とし、残部Snとすることを
特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の可溶栓であ
るので、特に75℃以下で動作させることができるため
に、別途追加試験を行う必要が無く、一層高信頼、低コ
ストな可溶栓が提供できる。
【0058】請求項4の発明は、金属微粒子を添加した
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可溶
栓であるので、より一層高信頼な可溶栓を提供できる。
【0059】請求項5の発明は上記金属微粒子が、銀
(Ag)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、銅(C
u)、金(Au)、アンチモン(Sb)、リン(P)の
うち、少なくとも1種以上の物質からなることを特徴と
する請求項4に記載の可溶栓であるので、信頼性が一層
高まる。
【0060】請求項6の発明は、上記低融点金属を逃が
し穴に充填する際、充填完了時の低融点金属の温度が、
低融点金属の液相線温度以上であることを特徴とする可
溶栓の製造方法であるので、信頼性が向上した可溶栓を
提供することができる。
【0061】請求項7の発明は、上記低融点金属を逃が
し穴に充填する際、充填完了後の冷却速度を50℃/分
以下とすることを特徴とする請求項6に記載の可溶栓の
製造方法であるので、信頼性が一層高まる可溶栓を提供
することができる。
【0062】請求項8の発明は、圧縮機、凝縮器、液
溜、膨張弁、熱交換機から構成され冷媒を循環する冷凍
装置において、液溜及び/又は凝縮器に請求項1〜5い
ずれか一項に記載の可溶栓を備えたことを特徴とする冷
凍装置なので、Cd、Pbを取り除いた、環境に優し
い、信頼性の高い冷凍装置を供給することができる。
【0063】請求項9の発明は、上記冷媒が75℃以下
の臨界温度を有することを特徴とする請求項8に記載の
冷凍装置なので、信頼性が高まる。
【0064】請求項10の発明は、上記冷媒の使用温度
が57℃以上65℃以下であることを特徴とする請求項
8又は9に記載の冷凍装置なので、一層信頼性が高ま
る。
【0065】請求項11の発明は、上記冷媒が、R12
5、R143a、R404A、R407B、R410
A、R410B及びR507Aからなる群から選ばれる
少なくとも一種であることを特徴とする請求項8〜10
いずれかに記載の冷凍装置なので、信頼性がより一層高
まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 冷凍装置の冷媒回路図である。
【図2】 一般的な可溶栓の斜視図的構造説明図であ
る。
【図3】 図2に記載した従来の可溶栓についての断面
図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 凝縮器、3 液溜、4 膨張弁、5
熱交換器、6 可溶栓本体、7 可溶栓、8 栓部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅村 敏夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 生越 安陽 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高谷 士郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H061 AA07 BB13 DD01 EA32 FA16 GG20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍装置の内外を貫通する逃がし穴を有
    する本体と、前記逃がし穴を閉塞するように前記逃がし
    穴に固定された低融点金属とからなる栓部材とを備え、
    前記低融点金属が、前記冷凍装置に備えている冷媒の使
    用温度以上の固相線温度を有し、ビスマス(Bi)、イ
    ンジウム(In)及びスズ(Sn)からなることを特徴
    とする可溶栓。
  2. 【請求項2】 上記低融点金属のインジウム(In)含
    有量が、50重量%以下であることを特徴とする請求項
    1に記載の可溶栓。
  3. 【請求項3】 上記低融点金属のビスマス(Bi)の含
    有量が40重量%以上50重量%以下で、インジウム
    (In)の含有量が30重量%以上45重量%以下で、
    残部がスズ(Sn)であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の可溶栓。
  4. 【請求項4】 上記低融点金属に、金属微粒子を添加し
    たことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の
    可溶栓。
  5. 【請求項5】 上記金属微粒子が、銀(Ag)、亜鉛
    (Zn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(A
    u)、アンチモン(Sb)及びリン(P)からなる群よ
    り選ばれる少なくとも一種の物質からなることを特徴と
    する請求項4に記載の可溶栓。
  6. 【請求項6】 冷凍装置の内外を貫通する逃がし穴を有
    する本体と、前記逃がし穴を閉塞するように前記逃がし
    穴に固定された低融点金属とからなる栓部材とを備える
    可溶栓を製造する方法において、前記逃がし穴に、前記
    低融点金属からなる栓部材を充填する際に、充填完了時
    の前記低融点金属の温度が、前記低融点金属の液相線温
    度以上であることを特徴とする可溶栓の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記低融点金属を逃がし穴に充填する際
    に、充填完了後の冷却速度を50℃/分以下とすること
    を特徴とする請求項6に記載の可溶栓の製造方法。
  8. 【請求項8】 圧縮機、凝縮器、液溜、膨張弁、熱交換
    機から構成され冷媒を循環する冷凍装置において、液溜
    及び/又は凝縮器に請求項1〜5いずれか一項に記載の
    可溶栓を備えたことを特徴とする冷凍装置。
  9. 【請求項9】 上記冷媒が、75℃以下の臨界温度を有
    することを特徴とする請求項8に記載の冷凍装置。
  10. 【請求項10】 上記冷媒の使用温度が、57℃以上6
    5℃以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載
    の冷凍装置。
  11. 【請求項11】 上記冷媒が、R125、R143a、
    R404A、R407B、R410A、R410B及び
    R507Aからなる群から選ばれる少なくとも一種であ
    ることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記
    載の冷凍装置。
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