JP2003115299A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電極触媒層における構成成分及びその配合比を
最適化することにより、燃料電池の初期特性と耐久性と
の両立を図る。 【解決手段】プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる
電解質膜1と、この電解質膜1を挟んで接合され、それ
ぞれ電極触媒層21及び31をもつ燃料極2及び酸素極
3とを備える。この酸素極3の電極触媒層(カソード触
媒層)31は、導電性触媒担体と、この導電性触媒担体
に担持された触媒活性物質と、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる固体電解質とからなり、この電極触媒
層31における導電性触媒担体に対する固体電解質の比
率x(x=固体電解質の重量/導電性触媒担体の重量)
が0.8≦x≦1.0を満足するように設定されてい
る。
最適化することにより、燃料電池の初期特性と耐久性と
の両立を図る。 【解決手段】プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる
電解質膜1と、この電解質膜1を挟んで接合され、それ
ぞれ電極触媒層21及び31をもつ燃料極2及び酸素極
3とを備える。この酸素極3の電極触媒層(カソード触
媒層)31は、導電性触媒担体と、この導電性触媒担体
に担持された触媒活性物質と、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる固体電解質とからなり、この電極触媒
層31における導電性触媒担体に対する固体電解質の比
率x(x=固体電解質の重量/導電性触媒担体の重量)
が0.8≦x≦1.0を満足するように設定されてい
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体高分子型燃料電
池に関し、詳しくは固体高分子型燃料電池における電解
質膜に接する酸素極の電極触媒層の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、地球環境に優しく、また省資源化
を図れる発電装置として、燃料電池が注目されている。
燃料電池は、電解質の種類によって、リン酸型、溶融炭
酸塩型、固体電解質型や固体高分子型等に分類される。
これらのうち固体高分子型燃料電池は、近年の研究によ
り小型かつ高密度・高出力が可能となりつつあり、また
低温運転可能であることから、車載用等の移動型電源に
適用することが期待されている。 【0003】固体高分子型燃料電池は、一般に、プロト
ン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜と、この電
解質を挟んで接合された一対の電極触媒層とからなるM
EA(Membrane Electrode Ass
embly)を基本構成とし、このMEAの両側にそれ
ぞれガス拡散層及びセパレータが配設された構成をなし
ている。なお、電解質膜の一方の面に配設された一方の
電極触媒層及びガス拡散層によりアノード極としての燃
料極が構成され、電解質膜の他方の面に配設された他方
の電極触媒層及びガス拡散層によりカソード極としての
酸素極が構成される。 【0004】かかる構成の固体高分子型燃料電池におい
ては、燃料極に水素等の燃料ガスが供給されるととも
に、酸素極に空気等の酸化ガスが供給されることによ
り、各電極で下記(1)式及び(2)式に示す電極反応
がそれぞれ起こり、その結果燃料極で発生した水素イオ
ン(プロトン)が水和状態(H+ (X H2 O))で電解
質膜を介して酸素極へ移動し、この酸素極で水(H
2 O)が生成されるとともに電気エネルギーが得られ
る。このように、固体高分子型燃料電池では、電気化学
的反応を利用して、燃料ガスの化学エネルギーを直接電
気エネルギーに変換して取り出すことができる。 【0005】 アノード反応(燃料極):H2 →2H+ +2e- …(1) カソード反応(酸素極):2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O…(2) ここに、上記電極触媒層は、一般に、カーボン粉末(カ
ーボンブラック等)等よりなる導電性触媒担体と、この
触媒担体に担持された貴金属(白金等)粒子等よりなる
触媒活性物質と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)等の含フッ素化合物等よりなる疎水性バインダとを
構成成分とし、触媒担体上に触媒活性物質を担持してな
る触媒担持カーボンが疎水性バインダ粒子に高分散され
た構造を呈する。また、疎水性バインダ粒子ではなく、
プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解質に
触媒担持カーボンを高分散させてなる電極触媒層や、疎
水性バインダ粒子及び固体電解質に触媒担持カーボンを
高分散させてなる電極触媒層もある。 【0006】そして、固体高分子型燃料電池における上
記電極反応は、電解質膜に接触した電極触媒層を反応サ
イトとし、該電極触媒層における触媒活性物質と電解質
膜との界面で進行する。したがって、固体高分子型燃料
電池の電池性能は電極触媒層自体に大きく依存し、電池
性能を向上させるには、電極触媒層の構成成分及びその
配合比や電極触媒層の構造等を如何に工夫、改良するか
が重要となる。 【0007】そこで、特開平6−295729号公報に
は、導電性触媒担体としてのカーボン粉末に白金等の触
媒活性物質を担持してなる触媒担持カーボンと、疎水性
バインダとしての撥水剤と、プロトン伝導性をもつ固体
高分子電解質としてのプロトン伝導材との混合物よりな
る電極触媒層において、導電性触媒担体と、撥水剤と、
プロトン伝導材との三者の重量分率をそれぞれ所定範囲
に特定することにより、出力性能を向上させた固体高分
子型燃料電池が開示されている。 【0008】この公報に開示された固体高分子型燃料電
池では、電極触媒層における、導電性触媒担体と、撥水
剤と、プロトン伝導材との三者の重量分率を、導電性触
媒担体:0.400〜0.995、撥水剤:0〜0.5
50、プロトン伝導材:0.005〜0.080とする
ことにより、燃料電池の出力性能を向上させている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料電池の
出力性能を向上させる上では、燃料電池の初期特性を向
上させること、すなわち燃料電池の初期における放電電
圧を増大させることの他、燃料電池の耐久性を向上させ
ること、すなわちある程度使用した後における使用後の
放電電圧の初期に対する電圧保持率を維持することも重
要となる。 【0010】しかしながら、従来の固体高分子型燃料電
池では、燃料電池の初期特性と耐久性との両立を図るこ
とに関しては何ら工夫されておらず、これを達成するこ
とが困難であった。 【0011】特に、上記公報に開示された固体高分子燃
料電池のように、電極触媒層に疎水性バインダとしての
撥水剤が含まれていると、この撥水剤の存在により、触
媒活性物質と固体電解質との接触が妨げられることか
ら、導電性触媒担体に担持された触媒活性物質の全表面
積のうち固体電解質と接触している部分の面積、すなわ
ち電極反応に関与しうる触媒有効表面積が減少して、燃
料電池の初期特性が低下するものと考えられる。 【0012】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、電極触媒層における構成成分及びその配合比を最
適化することにより、燃料電池の初期特性と耐久性との
両立を図ることのできる固体高分子型燃料電池を提供す
ることを解決すべき技術課題とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる電解質膜と、該電解質膜を挟んで接合
され、それぞれ電極触媒層をもつ燃料極及び酸素極とを
備えた固体高分子型燃料電池において、上記酸素極の上
記電極触媒層は、導電性触媒担体と、該導電性触媒担体
に担持された触媒活性物質と、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる固体電解質とからなり、該電極触媒層
における該導電性触媒担体に対する該固体電解質の比率
x(x=固体電解質の重量/導電性触媒担体の重量)が
0.8≦x≦1.0を満足するように設定されているこ
とを特徴とするものである。 【0014】この固体高分子型燃料電池では、電解質膜
に接触する酸素極の電極触媒層において、導電性触媒担
体に対する固体電解質の比率xが所定範囲内に設定され
ており、これにより燃料電池の初期特性と耐久性との両
立を図ることが可能となる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の固体高分子型燃料電池
は、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜
と、該電解質膜を挟んで接合され、それぞれ電極触媒層
をもつ燃料極及び酸素極とを備えている。 【0016】上記電解質膜の種類としては、プロトン伝
導性をもつ固体高分子よりなるものであれば特に限定さ
れず、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂
(例えば、「Gore−select」(登録商標)、
ゴア社製や、「Nafion」(登録商標)、デュポン
社製)、スチレンジビニルベンゼンスルホン酸ポリマー
のイオン交換樹脂を採用することができる。この電解質
膜の膜厚は、20〜80μm程度とすることが好適であ
る。 【0017】この電解質膜の一面には、アノード極とし
ての燃料極の電極触媒層が接合され、該電解質膜の他面
には、カソード極としての酸素極の電極触媒層が接合さ
れている。そして、燃料極の電極触媒層では、該電極触
媒層の外側に配設されるガス拡散電極から水素を含む燃
料ガスが供給されることにより、前記(1)式に示す電
極反応(アノード反応)が起こり、一方、酸素極の電極
触媒層では、電解質膜からイオンの供給を受けるととも
に、該電極触媒層の外側に配設されるガス拡散電極から
酸素を含む酸化ガスが供給されることにより、前記
(2)式に示す電極反応(カソード反応)が起こる。 【0018】本発明の固体高分子型燃料電池において
は、上記酸素極の上記電極触媒層が、導電性触媒担体
と、該導電性触媒担体に担持された触媒活性物質と、プ
ロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解質とか
ら構成されている。 【0019】上記導電性触媒担体は電子を運ぶもので、
この導電性触媒担体としてカーボンブラック等のカーボ
ン粉末(粒子)等を好適に用いることができる。 【0020】この導電性触媒担体の比表面積は、750
〜1100m2 /g程度とすることが好ましく、800
〜1000m2 /g程度とすることが特に好ましい。導
電性触媒担体の比表表面積が小さすぎると触媒の分散性
が低下し、大きすぎると触媒の有効利用率が低下する。 【0021】上記触媒活性物質としては、Pt、Pd、
Ru、Os、Ir、RhやAu等の貴金属の中から選ば
れた1種又は2種以上の混合若しくは合金触媒を好適に
用いることができる。 【0022】これらの導電性触媒担体及び触媒活性物質
は、例えば、予め導電性触媒担体上に触媒活性物質を担
持させておくことができる。導電性触媒担体上に触媒活
性物質を担持してなる触媒担持カーボンにおいて、該触
媒担持カーボンの重量(導電性触媒担体の重量+触媒活
性物質の重量の総和)に対する導電性触媒担体の比率y
(y=導電性触媒担体の重量/触媒担持カーボンの重
量)は、0.3≦y≦0.6程度とすることが好まし
く、0.4≦y≦0.5程度とすることがより好まし
い。この導電性触媒担体の比率yが小さすぎると触媒層
の製作が困難となり、大きすぎると触媒の分散性が低下
する。 【0023】また、上記触媒担持カーボンにおいて、触
媒活性物質の目付け量は、0.01〜0.5mg/cm
2 程度とすることが好ましく、0.3〜0.4mg/c
m2程度とすることがより好ましい。この触媒活性物質
が多すぎるとPt量の増加に伴う放電特性の向上が得ら
れ難くなる。 【0024】上記固体電解質の種類としては、プロトン
伝導性をもつ固体高分子よりなるものであれば特に限定
されず、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーのイ
オン交換樹脂(例えば、「Nafion」(登録商
標)、デュポン社製)や、スチレンジビニルベンゼンス
ルホン酸ポリマーのイオン交換樹脂を採用することがで
きる。 【0025】ここに、本発明の固体高分子型燃料電池で
は、上記酸素極の上記電極触媒層において、上記導電性
触媒担体に対する上記固体電解質の比率x(x=固体電
解質の重量/導電性触媒担体の重量)が0.8≦x≦
1.0を満足するように設定されていることを特徴とす
る。 【0026】上記固体電解質の比率xが0.8よりも小
さいと、燃料電池の初期における放電電圧が低下する傾
向がある。これは、プロトンの導電パスが減少するため
と考えられる。一方、上記固体電解質の比率xが1.0
より大きいと、燃料電池の耐久性、すなわちある程度使
用した後における使用後の放電電圧の初期に対する電圧
保持率が低下する。これは、使用後の電解質は変質する
ことが分かっており、比率xが大きくなると変質部の影
響が大きくなるためと考えられる。 【0027】したがって、酸素極の電極触媒層における
固体電解質の比率xが上記所定範囲内に設定された本発
明の固体高分子型燃料電池では、燃料電池の初期特性と
耐久性との両立を図ることが可能となる。 【0028】また、本発明の固体高分子型燃料電池にお
ける酸素極の電極触媒層は、上述のとおり、導電性触媒
担体と、該導電性触媒担体に担持された触媒活性物質
と、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解
質とを構成成分とするもので、フッ素樹脂(PTFE
等)等の疎水性高分子バインダ(撥水剤)を構成成分と
するものではない。このため、酸素極の電極触媒層にお
いて、触媒活性物質と固体電解質との接触が疎水性高分
子バインダにより妨げられて電極反応に関与しうる触媒
有効表面積が減少するようなことがなく、その分燃料電
池の初期特性を向上させる上で有利となる。 【0029】ここに、上記酸素極の電極触媒層における
撥水性を向上させていわゆるフラッティング現象(触媒
表面が水膜で覆われてを触媒への供給ガス不足などによ
り電極反応の進行が抑制されて電池性能が低下するこ
と。特に、高電流密度域で発生し易い)等を効果的に防
止すべく、この電極触媒層の外表面(ガス拡散層側の表
面等)に撥水剤層を設けることもできる。 【0030】なお、本発明の固体高分子型燃料電池にお
ける燃料極の電極触媒層としては、特に限定されず、従
来と同様のものを採用することができる。 【0031】また、本発明の固体高分子型燃料電池は、
プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜と、
該電解質膜を挟んで接合され、それぞれ電極触媒層をも
つ燃料極及び酸素極とを備えるものであり、各電極触媒
層の外側にそれぞれガス拡散層及びセパレータを配設す
ることにより、燃料電池セルとして使用に供することが
できる。 【0032】各電極触媒層の外側にそれぞれ配設されて
燃料極及び酸素極を構成するガス拡散層としては、反応
ガス、生成ガスや水等の物質の拡散性と、電子伝導性と
を備えたものであれば特に限定されない。例えば、カー
ボンペーパーやカーボンクロス等のカーボン基材にポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)等の疎水性高分子
を含浸させたものや、上記カーボン基材若しくは上記疎
水性高分子を含浸させたカーボン基材に、カーボンブラ
ック等のカーボン粉末(粒子)をPTFE等の疎水性高
分子バインダとともに混練したカーボンペーストをさら
に塗布して焼成したものの他、上記カーボンペーストを
触媒層上に直接塗布して焼成したものをガス拡散層とし
て採用することができる。 【0033】 【実施例】以下、本発明の固体高分子型燃料電池の具体
的な実施例について説明する。 【0034】本実施例の固体高分子型燃料電池は、図1
の模式断面図に示す電池セル10を複数個、積層状に組
み立てられて構成されており、各電池セル10は、プロ
トン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜1と、こ
の電解質膜1を挟んで接合されたアノード極としての燃
料極2と、カソード極としての酸素極3と、各極2、3
の外側にそれぞれ配設されて各極2、3を挟持する一対
のセパレータ(集電体)4、5とからそれぞれ構成され
ている。 【0035】電解質膜1は、膜厚30μmのパーフルオ
ロスルホン酸ポリマー高分子膜よりなるイオン交換膜と
してのGore−select膜(Gore社製)より
なる。 【0036】電解質1の一方の面に配設されたアノード
極としての燃料極2は、電極触媒層としてのアノード触
媒層21と、ガス拡散層22との2層構造とされてい
る。そして、アノード触媒層21は、導電性触媒担体と
してのカーボン粉末、このカーボン粉末に担持された触
媒活性物質としてのPt及びRuの合金よりなる触媒粒
子と、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電
解質としてNafinon(デュポン社製)とから構成
されている。また、ガス拡散層22は、36cm×36
cmのカーボンクロスにPTFEをコーティングしたも
のからなる。 【0037】この燃料極2のアノード触媒層21の仕様
は以下のとおりである。 【0038】まず、導電性触媒担体としてのカーボン粉
末の比表面積は250m2 /gとされている。また、カ
ーボン粉末の表面に触媒活性物質としてのPt及びRu
の合金よりなる触媒粒子を担持してなる触媒担持カーボ
ンにおいて、該触媒担持カーボンの重量(カーボン粉末
の重量+Pt及びRuの合金よりなる触媒粒子の重量の
総和)に対するカーボン粉末の比率y(y=カーボン粉
末の重量/触媒担持カーボンの重量)は0.6とされて
いる。また、この触媒担持カーボンにおいて、Pt及び
Ruの合金よりなる触媒粒子の目付け量は0.3mg/
cm2 とされている。なお、触媒活性物質としてのPt
及びRuの割合は、重量比で、Pt:Ru=1:1.5
とされている。そして、このアノード触媒層21におい
ては、導電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固
体電解質としてのNafionの比率x(x=Nafi
onの重量/カーボン粉末の重量)が1.08とされて
いる。 【0039】電解質膜1の他方の面に配設されたカソー
ド極としての酸素極3は、電極触媒層としてのカソード
触媒層31と、ガス拡散層32との2層構造とされてい
る。そして、カソード触媒層31は、導電性触媒担体と
してのカーボン粉末と、このカーボン粉末に担持された
触媒活性物質としてのPt粒子と、プロトン伝導性をも
つ固体高分子よりなる固体電解質としてのNafino
n(デュポン社製)とから構成されている。また、ガス
拡散層32は、36cm×36cmのカーボンクロスに
PTFEをコーティングしたものからなる。 【0040】この酸素極3のカソード触媒層31の仕様
は以下のとおりである。 【0041】まず、導電性触媒担体としてのカーボン粉
末の比表面積は1000m2 /gとされている。また、
カーボン粉末の表面に触媒活性物質としてのPt粒子を
担持してなる触媒担持カーボンにおいて、該触媒担持カ
ーボンの重量(カーボン粉末の重量+Pt粒子の重量の
総和)に対するカーボン粉末の比率y(y=カーボン粉
末の重量/触媒担持カーボンの重量)は0.4とされて
いる。また、この触媒担持カーボンにおいて、Ptの目
付け量は0.3mg/cm2 とされている。そして、こ
のカソード触媒層31においては、導電性触媒担体とし
てのカーボン粉末に対する固体電解質としてのNafi
onの比率x(x=Nafionの重量/カーボン粉末
の重量)が1.0とされている。 【0042】各セパレータ4、5は、隣接する電池セル
10の隔壁をなすもので、ガスの透過を防ぐべくカーボ
ンを圧縮して緻密化された緻密質カーボンにより形成さ
れている。そして、燃料極2の外側に配設された一方の
セパレータ4には燃料極2側の面に複数のリブ41が突
設されており、これにより燃料極2のガス拡散層22に
水素を含有する燃料ガスを供給するための流路42がセ
パレータ4とアノード極2との間に形成されている。一
方、酸素極3の外側に配設された他方のセパレータ5に
は酸素極3側の面に複数のリブ51が突設されており、
これにより酸素極3のガス拡散層32に酸素を含有する
酸化ガスを供給するための流路52が形成されている。 【0043】上記構成を有する電池セル10は、以下の
ように製造した。 【0044】(アノード触媒層の製造)アノード触媒層
21は、いわゆるデカール法により製造した。 【0045】<触媒インクの調製>まず、カーボン粉末
を分散させた水溶液に、亜硫酸系を硫酸水溶液に添加し
た形態で加えて十分に撹拌し、これに過酸化水素を加え
た後、95℃程度まで加熱してから室温まで冷却した。
そして、ろ過洗浄をしてから真空乾燥することにより、
カーボン粉末(平均粒径30nm)の表面にPt及びR
uの合金よりなる触媒粒子(平均粒径3〜4nm)を担
持させた触媒担持カーボンを準備した。 【0046】一方、市販の20wt%Nafion溶液
をエタノールで希釈して、10wt%Nafion溶液
を準備した。 【0047】また、アルコール溶媒としてシクロヘキサ
ノールを準備した。 【0048】そして、上記触媒担持カーボン2gを12
gのシクロヘキサノールに投入して十分に撹拌した後、
上記10wt%Nafion溶液を13g投入して十分
に撹拌して、触媒インクを調製した。 【0049】<超音波分散>超音波分散機を用いて、得
られた触媒インクに90分間、20kHzの超音波を照
射して超音波分散を施した。 【0050】<インクキャスト>ガラス板上にテフロン
(登録商標)よりなるテフロンシート(厚さ100μ
m)を敷き、その上に隙間ゲージを用いて分散後の触媒
インクを250μmの膜厚で塗布して、触媒インク膜を
形成した。 【0051】<乾燥>上記触媒インク膜をドラフトチャ
ンバー内で12時間程度、自然乾燥させた後、真空度1
torr、100℃×1時間の条件で真空乾燥させた。 【0052】<打ち抜き>テフロンシート上に形成され
た乾燥後の触媒インク膜を所定の大きさ(本実施例では
36cm×36cm)に打ち抜いた後、テフロンシート
から剥がして、アノード触媒層21とした。 【0053】(カソード触媒層の製造)カソード触媒層
31も、いわゆるデカール法により製造した。 【0054】<触媒インクの調製>まず、カーボン粉末
を分散させた水溶液に、亜硫酸系を硫酸水溶液に添加し
た形態で加えて十分に撹拌し、これにRu薬液(硝酸
系、塩化系など)を加えた。そして、NaOHにより中
和した後、95℃程度まで加熱してから室温まで冷却し
た。そして、ろ過洗浄をしてから真空乾燥し、さらに5
00〜600℃程度で熱処理し、その後ろ過洗浄、真空
乾燥を実施することにより、カーボン粉末(平均粒径3
0nm)の表面にPt(平均粒径2〜3nm)を担持さ
せた触媒担持カーボンを準備した。 【0055】一方、市販の20wt%Nafion溶液
をエタノールで希釈して、10wt%Nafion溶液
を準備した。 【0056】また、アルコール溶媒としてシクロヘキサ
ノールを準備した。 【0057】そして、上記触媒担持カーボン2gを18
gのシクロヘキサノールに投入して十分に撹拌した後、
上記10wt%Nafion溶液を8g投入して十分に
撹拌して、触媒インクを調製した。なお、このとき、1
0wt%Nafion溶液の投入量を変化させることに
より、上記カーボン粉末に対するNafionの比率x
を調整することができる。 【0058】<超音波分散>超音波分散機を用いて、得
られた触媒インクに90分間、20kHzの超音波を照
射して超音波分散を施した。 【0059】<インクキャスト>ガラス板上にテフロン
シート(厚さ100μm)を敷き、その上に隙間ゲージ
を用いて分散後の触媒インクを100μmの膜厚で塗布
して、触媒インク膜を形成した。 【0060】<乾燥>上記触媒インク膜をドラフトチャ
ンバー内で12時間程度、自然乾燥させた後、真空度1
torr、100℃×1時間の条件で真空乾燥させた。 【0061】<打ち抜き>テフロンシート上に形成され
た乾燥後の触媒インク膜を所定の大きさ(本実施例では
36cm×36cm)に打ち抜いた後、テフロンシート
から剥がして、カソード触媒層31とした。 【0062】<ホットプレス>得られた上記アノード触
媒層21及び上記カソード触媒層31を上記電解質膜1
の一面及び他面にそれぞれ配設し、これら三者をホット
プレスにより一体的に接合して、電解質膜−触媒層の接
合体を得た。このときの条件は、温度126℃、圧力1
30kgf/cm2 とした。 【0063】こうして電解質膜−触媒層の接合体を得た
後、この接合体のアノード触媒層21の外側にガス拡散
層22及びセパレータ4を配設するとともに、カソード
触媒層31の外側にガス拡散層32及びセパレータ5を
配設して、電池セル10を作成し、この電池セル10を
複数個、積層状に組み立てることにより、本実施例の固
体高分子型燃料電池を完成した。 【0064】(初期特性及び耐久性の評価)得られた固
体高分子型燃料電池について、単セル評価装置により、
以下の条件の下で、初期特性及び耐久性を評価した。 【0065】 <初期特性の評価条件> 燃料極への供給ガス及びガス流量:水素0.5リットル/min 酸素極への供給ガス及びガス流量:空気1.0リットル/min セル温度 :80℃ 電極面積 :12.96cm2 その結果、酸素極3のカソード触媒層31において、導
電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固体電解質
としてのNafionの比率xが1.0とされた本実施
例の固体高分子型燃料電池では、電流密度:0.5A/
cm2 、初期放電電圧:0.72Vであった。 【0066】 <耐久性の評価条件> 燃料極への供給ガス及びガス流量:水素0.5リットル/min 酸素極への供給ガス及びガス流量:空気1.0リットル/min セル温度 :80℃ 電極面積 :12.96cm2 電圧 :評価セルを開回路電圧に保持 時間 :130時間 その結果、酸素極3のカソード触媒層31において、導
電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固体電解質
としてのNafionの比率xが1.0とされた本実施
例の固体高分子型燃料電池では、130時間の耐久試験
後において、電流密度:0.5A/cm2 、放電電圧:
0.69Vであり、初期放電電圧に対する電圧保持率が
96%程度であった。 【0067】(固体電解質の比率xと初期特性及び耐久
性との関係)上記実施例において、酸素極3のカソード
触媒層31における固体電解質としてのNafionの
比率xを0.71〜1.2の範囲で種々変更し、これに
より初期特性と耐久性がどのように変化するかを調べ
た。なお、初期特性及び耐久性の評価条件は上記と同様
である。 【0068】電解質比率xと初期特性との関係の評価結
果を図2に示す。なお、図2の縦軸は、電解質比率xの
値が0.9のときの初期放電電圧に対する各電解質比率
xにおける初期放電電圧の割合({(各xにおける初期
放電電圧)/(x=0.9のときの初期放電電圧)}×
100(%))である。図2から明らかなように、電解
質比率xが0.8よりも小さくなると、初期放電電圧が
大きく低下することがわかる。 【0069】また、電解質比率xと耐久性との関係を図
3に示す。なお、図3の縦軸は、各電解質比率xにおけ
る、初期放電電圧に対する耐久試験(130時間)後の
放電電圧の電圧保持率({(耐久試験後の放電電圧)/
(初期放電電圧)}×100(%))である。図3から
明らかなように、電解質比率xが1.0よりも大きくな
ると、この電圧保持率が大きく低下することがわかる。 【0070】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の固体高分
子型燃料電池は、酸素極の電極触媒層が初期特性低下の
原因となりうる疎水性バインダを含まず、またこの電極
触媒層における導電性触媒担体に対する固体電解質の比
率xが所定範囲内に設定されていることから、燃料電池
の初期特性と耐久性との両立を図ることが可能となる。
池に関し、詳しくは固体高分子型燃料電池における電解
質膜に接する酸素極の電極触媒層の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、地球環境に優しく、また省資源化
を図れる発電装置として、燃料電池が注目されている。
燃料電池は、電解質の種類によって、リン酸型、溶融炭
酸塩型、固体電解質型や固体高分子型等に分類される。
これらのうち固体高分子型燃料電池は、近年の研究によ
り小型かつ高密度・高出力が可能となりつつあり、また
低温運転可能であることから、車載用等の移動型電源に
適用することが期待されている。 【0003】固体高分子型燃料電池は、一般に、プロト
ン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜と、この電
解質を挟んで接合された一対の電極触媒層とからなるM
EA(Membrane Electrode Ass
embly)を基本構成とし、このMEAの両側にそれ
ぞれガス拡散層及びセパレータが配設された構成をなし
ている。なお、電解質膜の一方の面に配設された一方の
電極触媒層及びガス拡散層によりアノード極としての燃
料極が構成され、電解質膜の他方の面に配設された他方
の電極触媒層及びガス拡散層によりカソード極としての
酸素極が構成される。 【0004】かかる構成の固体高分子型燃料電池におい
ては、燃料極に水素等の燃料ガスが供給されるととも
に、酸素極に空気等の酸化ガスが供給されることによ
り、各電極で下記(1)式及び(2)式に示す電極反応
がそれぞれ起こり、その結果燃料極で発生した水素イオ
ン(プロトン)が水和状態(H+ (X H2 O))で電解
質膜を介して酸素極へ移動し、この酸素極で水(H
2 O)が生成されるとともに電気エネルギーが得られ
る。このように、固体高分子型燃料電池では、電気化学
的反応を利用して、燃料ガスの化学エネルギーを直接電
気エネルギーに変換して取り出すことができる。 【0005】 アノード反応(燃料極):H2 →2H+ +2e- …(1) カソード反応(酸素極):2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O…(2) ここに、上記電極触媒層は、一般に、カーボン粉末(カ
ーボンブラック等)等よりなる導電性触媒担体と、この
触媒担体に担持された貴金属(白金等)粒子等よりなる
触媒活性物質と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)等の含フッ素化合物等よりなる疎水性バインダとを
構成成分とし、触媒担体上に触媒活性物質を担持してな
る触媒担持カーボンが疎水性バインダ粒子に高分散され
た構造を呈する。また、疎水性バインダ粒子ではなく、
プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解質に
触媒担持カーボンを高分散させてなる電極触媒層や、疎
水性バインダ粒子及び固体電解質に触媒担持カーボンを
高分散させてなる電極触媒層もある。 【0006】そして、固体高分子型燃料電池における上
記電極反応は、電解質膜に接触した電極触媒層を反応サ
イトとし、該電極触媒層における触媒活性物質と電解質
膜との界面で進行する。したがって、固体高分子型燃料
電池の電池性能は電極触媒層自体に大きく依存し、電池
性能を向上させるには、電極触媒層の構成成分及びその
配合比や電極触媒層の構造等を如何に工夫、改良するか
が重要となる。 【0007】そこで、特開平6−295729号公報に
は、導電性触媒担体としてのカーボン粉末に白金等の触
媒活性物質を担持してなる触媒担持カーボンと、疎水性
バインダとしての撥水剤と、プロトン伝導性をもつ固体
高分子電解質としてのプロトン伝導材との混合物よりな
る電極触媒層において、導電性触媒担体と、撥水剤と、
プロトン伝導材との三者の重量分率をそれぞれ所定範囲
に特定することにより、出力性能を向上させた固体高分
子型燃料電池が開示されている。 【0008】この公報に開示された固体高分子型燃料電
池では、電極触媒層における、導電性触媒担体と、撥水
剤と、プロトン伝導材との三者の重量分率を、導電性触
媒担体:0.400〜0.995、撥水剤:0〜0.5
50、プロトン伝導材:0.005〜0.080とする
ことにより、燃料電池の出力性能を向上させている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料電池の
出力性能を向上させる上では、燃料電池の初期特性を向
上させること、すなわち燃料電池の初期における放電電
圧を増大させることの他、燃料電池の耐久性を向上させ
ること、すなわちある程度使用した後における使用後の
放電電圧の初期に対する電圧保持率を維持することも重
要となる。 【0010】しかしながら、従来の固体高分子型燃料電
池では、燃料電池の初期特性と耐久性との両立を図るこ
とに関しては何ら工夫されておらず、これを達成するこ
とが困難であった。 【0011】特に、上記公報に開示された固体高分子燃
料電池のように、電極触媒層に疎水性バインダとしての
撥水剤が含まれていると、この撥水剤の存在により、触
媒活性物質と固体電解質との接触が妨げられることか
ら、導電性触媒担体に担持された触媒活性物質の全表面
積のうち固体電解質と接触している部分の面積、すなわ
ち電極反応に関与しうる触媒有効表面積が減少して、燃
料電池の初期特性が低下するものと考えられる。 【0012】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、電極触媒層における構成成分及びその配合比を最
適化することにより、燃料電池の初期特性と耐久性との
両立を図ることのできる固体高分子型燃料電池を提供す
ることを解決すべき技術課題とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる電解質膜と、該電解質膜を挟んで接合
され、それぞれ電極触媒層をもつ燃料極及び酸素極とを
備えた固体高分子型燃料電池において、上記酸素極の上
記電極触媒層は、導電性触媒担体と、該導電性触媒担体
に担持された触媒活性物質と、プロトン伝導性をもつ固
体高分子よりなる固体電解質とからなり、該電極触媒層
における該導電性触媒担体に対する該固体電解質の比率
x(x=固体電解質の重量/導電性触媒担体の重量)が
0.8≦x≦1.0を満足するように設定されているこ
とを特徴とするものである。 【0014】この固体高分子型燃料電池では、電解質膜
に接触する酸素極の電極触媒層において、導電性触媒担
体に対する固体電解質の比率xが所定範囲内に設定され
ており、これにより燃料電池の初期特性と耐久性との両
立を図ることが可能となる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の固体高分子型燃料電池
は、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜
と、該電解質膜を挟んで接合され、それぞれ電極触媒層
をもつ燃料極及び酸素極とを備えている。 【0016】上記電解質膜の種類としては、プロトン伝
導性をもつ固体高分子よりなるものであれば特に限定さ
れず、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂
(例えば、「Gore−select」(登録商標)、
ゴア社製や、「Nafion」(登録商標)、デュポン
社製)、スチレンジビニルベンゼンスルホン酸ポリマー
のイオン交換樹脂を採用することができる。この電解質
膜の膜厚は、20〜80μm程度とすることが好適であ
る。 【0017】この電解質膜の一面には、アノード極とし
ての燃料極の電極触媒層が接合され、該電解質膜の他面
には、カソード極としての酸素極の電極触媒層が接合さ
れている。そして、燃料極の電極触媒層では、該電極触
媒層の外側に配設されるガス拡散電極から水素を含む燃
料ガスが供給されることにより、前記(1)式に示す電
極反応(アノード反応)が起こり、一方、酸素極の電極
触媒層では、電解質膜からイオンの供給を受けるととも
に、該電極触媒層の外側に配設されるガス拡散電極から
酸素を含む酸化ガスが供給されることにより、前記
(2)式に示す電極反応(カソード反応)が起こる。 【0018】本発明の固体高分子型燃料電池において
は、上記酸素極の上記電極触媒層が、導電性触媒担体
と、該導電性触媒担体に担持された触媒活性物質と、プ
ロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解質とか
ら構成されている。 【0019】上記導電性触媒担体は電子を運ぶもので、
この導電性触媒担体としてカーボンブラック等のカーボ
ン粉末(粒子)等を好適に用いることができる。 【0020】この導電性触媒担体の比表面積は、750
〜1100m2 /g程度とすることが好ましく、800
〜1000m2 /g程度とすることが特に好ましい。導
電性触媒担体の比表表面積が小さすぎると触媒の分散性
が低下し、大きすぎると触媒の有効利用率が低下する。 【0021】上記触媒活性物質としては、Pt、Pd、
Ru、Os、Ir、RhやAu等の貴金属の中から選ば
れた1種又は2種以上の混合若しくは合金触媒を好適に
用いることができる。 【0022】これらの導電性触媒担体及び触媒活性物質
は、例えば、予め導電性触媒担体上に触媒活性物質を担
持させておくことができる。導電性触媒担体上に触媒活
性物質を担持してなる触媒担持カーボンにおいて、該触
媒担持カーボンの重量(導電性触媒担体の重量+触媒活
性物質の重量の総和)に対する導電性触媒担体の比率y
(y=導電性触媒担体の重量/触媒担持カーボンの重
量)は、0.3≦y≦0.6程度とすることが好まし
く、0.4≦y≦0.5程度とすることがより好まし
い。この導電性触媒担体の比率yが小さすぎると触媒層
の製作が困難となり、大きすぎると触媒の分散性が低下
する。 【0023】また、上記触媒担持カーボンにおいて、触
媒活性物質の目付け量は、0.01〜0.5mg/cm
2 程度とすることが好ましく、0.3〜0.4mg/c
m2程度とすることがより好ましい。この触媒活性物質
が多すぎるとPt量の増加に伴う放電特性の向上が得ら
れ難くなる。 【0024】上記固体電解質の種類としては、プロトン
伝導性をもつ固体高分子よりなるものであれば特に限定
されず、例えば、パーフルオロスルホン酸ポリマーのイ
オン交換樹脂(例えば、「Nafion」(登録商
標)、デュポン社製)や、スチレンジビニルベンゼンス
ルホン酸ポリマーのイオン交換樹脂を採用することがで
きる。 【0025】ここに、本発明の固体高分子型燃料電池で
は、上記酸素極の上記電極触媒層において、上記導電性
触媒担体に対する上記固体電解質の比率x(x=固体電
解質の重量/導電性触媒担体の重量)が0.8≦x≦
1.0を満足するように設定されていることを特徴とす
る。 【0026】上記固体電解質の比率xが0.8よりも小
さいと、燃料電池の初期における放電電圧が低下する傾
向がある。これは、プロトンの導電パスが減少するため
と考えられる。一方、上記固体電解質の比率xが1.0
より大きいと、燃料電池の耐久性、すなわちある程度使
用した後における使用後の放電電圧の初期に対する電圧
保持率が低下する。これは、使用後の電解質は変質する
ことが分かっており、比率xが大きくなると変質部の影
響が大きくなるためと考えられる。 【0027】したがって、酸素極の電極触媒層における
固体電解質の比率xが上記所定範囲内に設定された本発
明の固体高分子型燃料電池では、燃料電池の初期特性と
耐久性との両立を図ることが可能となる。 【0028】また、本発明の固体高分子型燃料電池にお
ける酸素極の電極触媒層は、上述のとおり、導電性触媒
担体と、該導電性触媒担体に担持された触媒活性物質
と、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解
質とを構成成分とするもので、フッ素樹脂(PTFE
等)等の疎水性高分子バインダ(撥水剤)を構成成分と
するものではない。このため、酸素極の電極触媒層にお
いて、触媒活性物質と固体電解質との接触が疎水性高分
子バインダにより妨げられて電極反応に関与しうる触媒
有効表面積が減少するようなことがなく、その分燃料電
池の初期特性を向上させる上で有利となる。 【0029】ここに、上記酸素極の電極触媒層における
撥水性を向上させていわゆるフラッティング現象(触媒
表面が水膜で覆われてを触媒への供給ガス不足などによ
り電極反応の進行が抑制されて電池性能が低下するこ
と。特に、高電流密度域で発生し易い)等を効果的に防
止すべく、この電極触媒層の外表面(ガス拡散層側の表
面等)に撥水剤層を設けることもできる。 【0030】なお、本発明の固体高分子型燃料電池にお
ける燃料極の電極触媒層としては、特に限定されず、従
来と同様のものを採用することができる。 【0031】また、本発明の固体高分子型燃料電池は、
プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜と、
該電解質膜を挟んで接合され、それぞれ電極触媒層をも
つ燃料極及び酸素極とを備えるものであり、各電極触媒
層の外側にそれぞれガス拡散層及びセパレータを配設す
ることにより、燃料電池セルとして使用に供することが
できる。 【0032】各電極触媒層の外側にそれぞれ配設されて
燃料極及び酸素極を構成するガス拡散層としては、反応
ガス、生成ガスや水等の物質の拡散性と、電子伝導性と
を備えたものであれば特に限定されない。例えば、カー
ボンペーパーやカーボンクロス等のカーボン基材にポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)等の疎水性高分子
を含浸させたものや、上記カーボン基材若しくは上記疎
水性高分子を含浸させたカーボン基材に、カーボンブラ
ック等のカーボン粉末(粒子)をPTFE等の疎水性高
分子バインダとともに混練したカーボンペーストをさら
に塗布して焼成したものの他、上記カーボンペーストを
触媒層上に直接塗布して焼成したものをガス拡散層とし
て採用することができる。 【0033】 【実施例】以下、本発明の固体高分子型燃料電池の具体
的な実施例について説明する。 【0034】本実施例の固体高分子型燃料電池は、図1
の模式断面図に示す電池セル10を複数個、積層状に組
み立てられて構成されており、各電池セル10は、プロ
トン伝導性をもつ固体高分子よりなる電解質膜1と、こ
の電解質膜1を挟んで接合されたアノード極としての燃
料極2と、カソード極としての酸素極3と、各極2、3
の外側にそれぞれ配設されて各極2、3を挟持する一対
のセパレータ(集電体)4、5とからそれぞれ構成され
ている。 【0035】電解質膜1は、膜厚30μmのパーフルオ
ロスルホン酸ポリマー高分子膜よりなるイオン交換膜と
してのGore−select膜(Gore社製)より
なる。 【0036】電解質1の一方の面に配設されたアノード
極としての燃料極2は、電極触媒層としてのアノード触
媒層21と、ガス拡散層22との2層構造とされてい
る。そして、アノード触媒層21は、導電性触媒担体と
してのカーボン粉末、このカーボン粉末に担持された触
媒活性物質としてのPt及びRuの合金よりなる触媒粒
子と、プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電
解質としてNafinon(デュポン社製)とから構成
されている。また、ガス拡散層22は、36cm×36
cmのカーボンクロスにPTFEをコーティングしたも
のからなる。 【0037】この燃料極2のアノード触媒層21の仕様
は以下のとおりである。 【0038】まず、導電性触媒担体としてのカーボン粉
末の比表面積は250m2 /gとされている。また、カ
ーボン粉末の表面に触媒活性物質としてのPt及びRu
の合金よりなる触媒粒子を担持してなる触媒担持カーボ
ンにおいて、該触媒担持カーボンの重量(カーボン粉末
の重量+Pt及びRuの合金よりなる触媒粒子の重量の
総和)に対するカーボン粉末の比率y(y=カーボン粉
末の重量/触媒担持カーボンの重量)は0.6とされて
いる。また、この触媒担持カーボンにおいて、Pt及び
Ruの合金よりなる触媒粒子の目付け量は0.3mg/
cm2 とされている。なお、触媒活性物質としてのPt
及びRuの割合は、重量比で、Pt:Ru=1:1.5
とされている。そして、このアノード触媒層21におい
ては、導電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固
体電解質としてのNafionの比率x(x=Nafi
onの重量/カーボン粉末の重量)が1.08とされて
いる。 【0039】電解質膜1の他方の面に配設されたカソー
ド極としての酸素極3は、電極触媒層としてのカソード
触媒層31と、ガス拡散層32との2層構造とされてい
る。そして、カソード触媒層31は、導電性触媒担体と
してのカーボン粉末と、このカーボン粉末に担持された
触媒活性物質としてのPt粒子と、プロトン伝導性をも
つ固体高分子よりなる固体電解質としてのNafino
n(デュポン社製)とから構成されている。また、ガス
拡散層32は、36cm×36cmのカーボンクロスに
PTFEをコーティングしたものからなる。 【0040】この酸素極3のカソード触媒層31の仕様
は以下のとおりである。 【0041】まず、導電性触媒担体としてのカーボン粉
末の比表面積は1000m2 /gとされている。また、
カーボン粉末の表面に触媒活性物質としてのPt粒子を
担持してなる触媒担持カーボンにおいて、該触媒担持カ
ーボンの重量(カーボン粉末の重量+Pt粒子の重量の
総和)に対するカーボン粉末の比率y(y=カーボン粉
末の重量/触媒担持カーボンの重量)は0.4とされて
いる。また、この触媒担持カーボンにおいて、Ptの目
付け量は0.3mg/cm2 とされている。そして、こ
のカソード触媒層31においては、導電性触媒担体とし
てのカーボン粉末に対する固体電解質としてのNafi
onの比率x(x=Nafionの重量/カーボン粉末
の重量)が1.0とされている。 【0042】各セパレータ4、5は、隣接する電池セル
10の隔壁をなすもので、ガスの透過を防ぐべくカーボ
ンを圧縮して緻密化された緻密質カーボンにより形成さ
れている。そして、燃料極2の外側に配設された一方の
セパレータ4には燃料極2側の面に複数のリブ41が突
設されており、これにより燃料極2のガス拡散層22に
水素を含有する燃料ガスを供給するための流路42がセ
パレータ4とアノード極2との間に形成されている。一
方、酸素極3の外側に配設された他方のセパレータ5に
は酸素極3側の面に複数のリブ51が突設されており、
これにより酸素極3のガス拡散層32に酸素を含有する
酸化ガスを供給するための流路52が形成されている。 【0043】上記構成を有する電池セル10は、以下の
ように製造した。 【0044】(アノード触媒層の製造)アノード触媒層
21は、いわゆるデカール法により製造した。 【0045】<触媒インクの調製>まず、カーボン粉末
を分散させた水溶液に、亜硫酸系を硫酸水溶液に添加し
た形態で加えて十分に撹拌し、これに過酸化水素を加え
た後、95℃程度まで加熱してから室温まで冷却した。
そして、ろ過洗浄をしてから真空乾燥することにより、
カーボン粉末(平均粒径30nm)の表面にPt及びR
uの合金よりなる触媒粒子(平均粒径3〜4nm)を担
持させた触媒担持カーボンを準備した。 【0046】一方、市販の20wt%Nafion溶液
をエタノールで希釈して、10wt%Nafion溶液
を準備した。 【0047】また、アルコール溶媒としてシクロヘキサ
ノールを準備した。 【0048】そして、上記触媒担持カーボン2gを12
gのシクロヘキサノールに投入して十分に撹拌した後、
上記10wt%Nafion溶液を13g投入して十分
に撹拌して、触媒インクを調製した。 【0049】<超音波分散>超音波分散機を用いて、得
られた触媒インクに90分間、20kHzの超音波を照
射して超音波分散を施した。 【0050】<インクキャスト>ガラス板上にテフロン
(登録商標)よりなるテフロンシート(厚さ100μ
m)を敷き、その上に隙間ゲージを用いて分散後の触媒
インクを250μmの膜厚で塗布して、触媒インク膜を
形成した。 【0051】<乾燥>上記触媒インク膜をドラフトチャ
ンバー内で12時間程度、自然乾燥させた後、真空度1
torr、100℃×1時間の条件で真空乾燥させた。 【0052】<打ち抜き>テフロンシート上に形成され
た乾燥後の触媒インク膜を所定の大きさ(本実施例では
36cm×36cm)に打ち抜いた後、テフロンシート
から剥がして、アノード触媒層21とした。 【0053】(カソード触媒層の製造)カソード触媒層
31も、いわゆるデカール法により製造した。 【0054】<触媒インクの調製>まず、カーボン粉末
を分散させた水溶液に、亜硫酸系を硫酸水溶液に添加し
た形態で加えて十分に撹拌し、これにRu薬液(硝酸
系、塩化系など)を加えた。そして、NaOHにより中
和した後、95℃程度まで加熱してから室温まで冷却し
た。そして、ろ過洗浄をしてから真空乾燥し、さらに5
00〜600℃程度で熱処理し、その後ろ過洗浄、真空
乾燥を実施することにより、カーボン粉末(平均粒径3
0nm)の表面にPt(平均粒径2〜3nm)を担持さ
せた触媒担持カーボンを準備した。 【0055】一方、市販の20wt%Nafion溶液
をエタノールで希釈して、10wt%Nafion溶液
を準備した。 【0056】また、アルコール溶媒としてシクロヘキサ
ノールを準備した。 【0057】そして、上記触媒担持カーボン2gを18
gのシクロヘキサノールに投入して十分に撹拌した後、
上記10wt%Nafion溶液を8g投入して十分に
撹拌して、触媒インクを調製した。なお、このとき、1
0wt%Nafion溶液の投入量を変化させることに
より、上記カーボン粉末に対するNafionの比率x
を調整することができる。 【0058】<超音波分散>超音波分散機を用いて、得
られた触媒インクに90分間、20kHzの超音波を照
射して超音波分散を施した。 【0059】<インクキャスト>ガラス板上にテフロン
シート(厚さ100μm)を敷き、その上に隙間ゲージ
を用いて分散後の触媒インクを100μmの膜厚で塗布
して、触媒インク膜を形成した。 【0060】<乾燥>上記触媒インク膜をドラフトチャ
ンバー内で12時間程度、自然乾燥させた後、真空度1
torr、100℃×1時間の条件で真空乾燥させた。 【0061】<打ち抜き>テフロンシート上に形成され
た乾燥後の触媒インク膜を所定の大きさ(本実施例では
36cm×36cm)に打ち抜いた後、テフロンシート
から剥がして、カソード触媒層31とした。 【0062】<ホットプレス>得られた上記アノード触
媒層21及び上記カソード触媒層31を上記電解質膜1
の一面及び他面にそれぞれ配設し、これら三者をホット
プレスにより一体的に接合して、電解質膜−触媒層の接
合体を得た。このときの条件は、温度126℃、圧力1
30kgf/cm2 とした。 【0063】こうして電解質膜−触媒層の接合体を得た
後、この接合体のアノード触媒層21の外側にガス拡散
層22及びセパレータ4を配設するとともに、カソード
触媒層31の外側にガス拡散層32及びセパレータ5を
配設して、電池セル10を作成し、この電池セル10を
複数個、積層状に組み立てることにより、本実施例の固
体高分子型燃料電池を完成した。 【0064】(初期特性及び耐久性の評価)得られた固
体高分子型燃料電池について、単セル評価装置により、
以下の条件の下で、初期特性及び耐久性を評価した。 【0065】 <初期特性の評価条件> 燃料極への供給ガス及びガス流量:水素0.5リットル/min 酸素極への供給ガス及びガス流量:空気1.0リットル/min セル温度 :80℃ 電極面積 :12.96cm2 その結果、酸素極3のカソード触媒層31において、導
電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固体電解質
としてのNafionの比率xが1.0とされた本実施
例の固体高分子型燃料電池では、電流密度:0.5A/
cm2 、初期放電電圧:0.72Vであった。 【0066】 <耐久性の評価条件> 燃料極への供給ガス及びガス流量:水素0.5リットル/min 酸素極への供給ガス及びガス流量:空気1.0リットル/min セル温度 :80℃ 電極面積 :12.96cm2 電圧 :評価セルを開回路電圧に保持 時間 :130時間 その結果、酸素極3のカソード触媒層31において、導
電性触媒担体としてのカーボン粉末に対する固体電解質
としてのNafionの比率xが1.0とされた本実施
例の固体高分子型燃料電池では、130時間の耐久試験
後において、電流密度:0.5A/cm2 、放電電圧:
0.69Vであり、初期放電電圧に対する電圧保持率が
96%程度であった。 【0067】(固体電解質の比率xと初期特性及び耐久
性との関係)上記実施例において、酸素極3のカソード
触媒層31における固体電解質としてのNafionの
比率xを0.71〜1.2の範囲で種々変更し、これに
より初期特性と耐久性がどのように変化するかを調べ
た。なお、初期特性及び耐久性の評価条件は上記と同様
である。 【0068】電解質比率xと初期特性との関係の評価結
果を図2に示す。なお、図2の縦軸は、電解質比率xの
値が0.9のときの初期放電電圧に対する各電解質比率
xにおける初期放電電圧の割合({(各xにおける初期
放電電圧)/(x=0.9のときの初期放電電圧)}×
100(%))である。図2から明らかなように、電解
質比率xが0.8よりも小さくなると、初期放電電圧が
大きく低下することがわかる。 【0069】また、電解質比率xと耐久性との関係を図
3に示す。なお、図3の縦軸は、各電解質比率xにおけ
る、初期放電電圧に対する耐久試験(130時間)後の
放電電圧の電圧保持率({(耐久試験後の放電電圧)/
(初期放電電圧)}×100(%))である。図3から
明らかなように、電解質比率xが1.0よりも大きくな
ると、この電圧保持率が大きく低下することがわかる。 【0070】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の固体高分
子型燃料電池は、酸素極の電極触媒層が初期特性低下の
原因となりうる疎水性バインダを含まず、またこの電極
触媒層における導電性触媒担体に対する固体電解質の比
率xが所定範囲内に設定されていることから、燃料電池
の初期特性と耐久性との両立を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る固体高分子型燃料電池の基本構
成を模式的に示す断面図である。 【図2】電解質比率xと初期放電電圧(初期特性)との
関係についての評価結果を示す線図である。 【図3】電解質比率xと電圧保持率(耐久性)との関係
についての評価結果を示す線図である。 【符号の説明】 1…電解質膜 2…燃料極 3…酸素極 4、5…セパレータ 21…アノード触媒層(電極触媒層) 31…カソード触媒層(電極触媒層) 22、32…ガス拡散層
成を模式的に示す断面図である。 【図2】電解質比率xと初期放電電圧(初期特性)との
関係についての評価結果を示す線図である。 【図3】電解質比率xと電圧保持率(耐久性)との関係
についての評価結果を示す線図である。 【符号の説明】 1…電解質膜 2…燃料極 3…酸素極 4、5…セパレータ 21…アノード触媒層(電極触媒層) 31…カソード触媒層(電極触媒層) 22、32…ガス拡散層
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】プロトン伝導性をもつ固体高分子よりなる
電解質膜と、該電解質膜を挟んで接合され、それぞれ電
極触媒層をもつ燃料極及び酸素極とを備えた固体高分子
型燃料電池において、 上記酸素極の上記電極触媒層は、導電性触媒担体と、該
導電性触媒担体に担持された触媒活性物質と、プロトン
伝導性をもつ固体高分子よりなる固体電解質とからな
り、該電極触媒層における該導電性触媒担体に対する該
固体電解質の比率x(x=固体電解質の重量/導電性触
媒担体の重量)が0.8≦x≦1.0を満足するように
設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電
池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001306619A JP2003115299A (ja) | 2001-10-02 | 2001-10-02 | 固体高分子型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001306619A JP2003115299A (ja) | 2001-10-02 | 2001-10-02 | 固体高分子型燃料電池 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003115299A true JP2003115299A (ja) | 2003-04-18 |
Family
ID=19126225
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001306619A Pending JP2003115299A (ja) | 2001-10-02 | 2001-10-02 | 固体高分子型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003115299A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-10-02 JP JP2001306619A patent/JP2003115299A/ja active Pending
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