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JP2003113112A - 無菌カルシトニン製剤及びその製造方法 - Google Patents

無菌カルシトニン製剤及びその製造方法

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JP2003113112A
JP2003113112A JP2001309735A JP2001309735A JP2003113112A JP 2003113112 A JP2003113112 A JP 2003113112A JP 2001309735 A JP2001309735 A JP 2001309735A JP 2001309735 A JP2001309735 A JP 2001309735A JP 2003113112 A JP2003113112 A JP 2003113112A
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calcitonin
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sterilized
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Koji Hitomi
耕二 人見
Takuji Maejima
卓治 前島
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂容器に充填され、保存中安定なカルシト
ニン類製剤及びその製造法。 【解決手段】 蒸気滅菌した樹脂容器に、無菌カルシト
ニン類を充填してその安定性の改善することよりなるカ
ルシトニン類製剤及びその製造法。カルシトニン類の安
定性、特に熱安定性が改善され、また樹脂容器に充填す
ることにより、製造、保存、輸送中の製剤の破損を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシトニン類を
有効成分とする安定性の改善された無菌カルシトニン類
製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルシトニン類は、血中カルシウム濃度
に関与するポリペプチドホルモンであり、高カルシウム
血症、骨ページェット病、骨粗鬆症の治療あるいは骨粗
鬆症における疼痛の改善に用いられる医薬である。この
カルシトニン類には、天然型カルシトニン類とその類似
体が知られている。
【0003】天然型カルシトニン類の例としては、ウナ
ギカルシトニン、サケカルシトニン、ブタカルシトニ
ン、ヒトカルシトニン、ニワトリカルシトニン等が挙げ
られ、内分泌細胞から分泌されてカルシウム調節ホルモ
ンとしての機能を果たしている。また類似体としては、
天然型カルシトニンのS-S 結合をアミノスベリン酸によ
ってCH2-CH2 結合に置換した類似体、例えばエルカトニ
ン([Asu1.7]ウナギカルシトニン)、[Asu1.7]ニワトリ
カルシトニン、[Asu1.7]サケカルシトニン、[Asu1.7]ヒ
トカルシトニンなどが知られている。
【0004】エルカトニンは、化学名1−ブチル酸-7-
(L-2-アミノブチル酸)-26-L-アスパラギン酸-27-L-バ
リン-29-L-アラニンカルシトニン(サケ)[1-[butyric a
cid-7-(L-2-aminobutyric acid)-26-L-aspartic acid-2
7-L-valine-29-L-alanine calcitonin(salmon)] で、高
カルシウム血症,骨ぺージェット病、骨粗鬆の治療ある
いは骨粗鬆症における疼痛改善に用いられる医薬であ
る。また、エルカトニンを有効成分とする水溶液組成物
はペプタイド類水溶液であり、従来から、ガラス容器中
での注射剤としての熱安定性、振盪に対する安定性を十
分確保する為に、種々の研究がなされてきた。
【0005】現在は、カルシトニン類の製剤の大部分が
ガラス容器に入れられて保管、流通、使用されている
が、ガラスは、重量があり輸送に不便である上、製造
中、輸送中あるいは使用時に破損するおそれがある。さ
らに、ガラス容器の場合は、サルファー処理等の表面処
理を行わないと、充填された薬物が液状である場合、ア
ルカリが溶出し、pHを変化させて薬物の安定性を損なう
という欠点がある。これらを防ぐ方法として、容器の素
材を樹脂製に変更することが考えられる。しかし、樹脂
はガラスと違い、耐熱性が悪い為に、高温では変形や溶
解を起こし、無菌性確保の為の乾熱滅菌ができないとい
う欠点がある。その為に一般に樹脂製品にはEOG滅菌、
γ線滅菌等の高温を避けた滅菌方法がとられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂製容器
にカルシトニン類またはその類似体 (以下、これらをカ
ルシトニン類という) を充填し、カルシトニン類製剤の
輸送を容易とし、製造、輸送あるいは使用時の製剤の破
損を防止するとともに、カルシトニン類の安定性を向上
するようにしたカルシトニン製剤及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】注射剤の容器として、樹
脂はガラスに比し、保管、流通、使用において軽量であ
り、破損しにくいといった点で有利なものであるが、ガ
ラスとは違い、高温では変形や溶解を起こし、無菌性確
保の為の乾熱滅菌ができない。その為にEOG 滅菌、γ線
滅菌の滅菌方法がとられているが、本発明者らはγ線滅
菌したプラスチック容器中に充填したカルシトニン類の
安定性が低下する傾向にあることを初めて発見した。そ
してカルシトニン類の安定性が確保され、かつ無菌性が
保証された、樹脂製容器に充填されたカルシトニン類製
剤の製造を鋭意検討した結果、蒸気滅菌、特に80℃〜13
0 ℃、5分〜180 分の条件で蒸気滅菌した樹脂製容器に
無菌カルシトニン類を充填した場合に、充填されたカル
シトニン類が安定であることを初めて明らかにし、本発
明を完成した。
【0008】本発明は、蒸気滅菌した樹脂製容器に無菌
カルシトニン類が充填されている安定性の改善された無
菌カルシトニン類製剤に関する。また、本発明は、蒸気
滅菌した樹脂製容器に、無菌カルシトニン類を充填する
ことによりなる安定性の改善された無菌カルシトニン類
製剤の製造方法に関する。
【0009】本発明における蒸気滅菌条件は、80℃〜13
0 ℃で5分〜180 分行うことが望ましい。さらに望まし
くは、121 ℃、20分〜40分である。80℃より低温である
と、滅菌が充分にできない場合が考えられ、また、130
℃高い温度では、滅菌効果は得られても、樹脂に変形が
生じる場合があり、このような変形は、特に容量が重要
であるシリンジの場合は製品として使用できない。さら
に時間は、滅菌効果を得るため5分以上が好ましく、作
業効率を高める観点から180 分以下が好ましい。また、
樹脂としては、好ましくは環状ポリオレフィンを用い、
容器の形態としては、自動瓶、管瓶、アンプル、シリン
ジ、カプセル、バイアル、ソフトパックなどが用いられ
る。カルシトニン類は、カルシトニン水溶液の形で用い
ることが好ましく、カルシトニンを用いることが望まし
い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における容器の樹脂として
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィ
ン、環状ポリオレフィンとα−オレフィンの共重合体、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリメチルペンテン、6フッ化樹脂、
ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネイトなどの
プラスチック類中から選択することができるが、これら
に限定されない。この中で、環状ポリオレフィンは、非
常に高い透明性があり、内容物の視認性に優れ、さらに
吸湿性、透湿性が低いことから、望ましい。環状ポリオ
レフィン製のシリンジは例えば、大協精工のCZシリン
ジ、ティコナ社のトーパス製シリンジ等を使用すること
ができる。
【0011】蒸気滅菌を行う機械としては、例えば平山
製作所高圧蒸気滅菌器 HV-110/V 、サクラ精機株式会社
高圧蒸気減菌器YLC 等が挙げられる。しかし、これらに
限定されない。
【0012】本発明において、樹脂製容器に充填される
カルシトニン類は、固形物(例えば粉状)、あるいは水
溶液状等が考えられるがこれらに限定されない。カルシ
トニン類を注射投与する際、カルシトニン類が固形物で
あると、溶解液を調整したり、完全に溶解したりする作
業が必要となる。そこで、カルシトニン類は、カルシト
ニン水溶液の状態で充填されることが望ましい。カルシ
トニン類を有効成分とする水溶液は、有効量のカルシト
ニン類を含有すればよいが、例えば、適当なpHが確保さ
れた水溶液であることが好ましい。溶媒として、公知の
緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液が使用で
き、pHは5〜7が好ましく、pH5〜6.5 がさらに好まし
い。これらの濃度は、例えば 0.05mmol 以上が好まし
く、さらに好ましくは0.1mmol 以上の濃度が例示され
る。上限は特に限定されないが、通常20mmol濃度以下、
好ましくは1mmol濃度以下が挙げられる。
【0013】カルシトニン類を溶解する溶媒としては、
具体的には、酢酸、乳酸、L-ヒスチジンなどのモノカル
ボン類及びその水可溶性塩からなる群より選ばれた1種
又は2種以上の化合物を含みその濃度を0.05〜20mmol濃
度に、pHを 5.0〜6.5 に且つイオン強度をμ=0.01〜0.
5 に調整した溶媒(特開平2-174726号公報) 、コハク
酸、酒石酸、クエン酸などの多価カルボン類及びその水
可溶性塩からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化
合物を含みその濃度を0.05〜20mmol濃度に、pHを5.0〜
6.5 に且つイオン強度をμ=0.01`0.5に調整した溶媒が
挙げられる。またpHの調整には必要に応じて水酸化ナ
トリウム、塩酸等を用いることができる。その他に、必
要に応じてゼラチンを0.01〜20w/v %含有させること
や、等張化剤、塩酸プロカイン、塩酸キシロカイン、ベ
ンジルアルコール、フェノール等の無痛化剤、安定化
剤、吸収促進剤、防腐剤、ポリソルベート、ポリオキシ
エチレン、グリセリン、マクロゴール等の界面活性剤を
加えることができる。またエルカトニンの濃度としては
例えば10単位〜80単位/mL のものを用いることができ
る。
【0014】樹脂製容器の形態としては、自動瓶、管
瓶、アンプル、シリンジ、カプセル、バイアル、ソフト
バッグ等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0015】
【実施例】以下に実施例及び実験例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【実施例1】0.01mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
5)にエルカトニンを溶解して40単位/mL 濃度のエルカ
トニン水溶液組成物をえる。次にこのエルカトニン水溶
液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルターで無菌
濾過後、121 ℃で20分蒸気滅菌した環状ポリオレフィン
製注射筒(大協精工製:CZシリンジ、以下同じ) に1.0m
L ずつ分注した後、ピストンを挿入し、プレフィルドシ
リンジ製剤を得た。ピストンと密閉栓はクロロブチルに
テトラフルオロエチレンをラミネートしたものを用い
た。
【0016】
【実施例2】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、121 ℃で40分蒸気滅菌した環状ポリオレ
フィン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿
入し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密
閉栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネ
ートしたものを用いた。
【0017】
【実施例3】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、80℃で180 分蒸気滅菌した環状ポリオレ
フィン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿
入し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密
閉栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネ
ートしたものを用いた。
【0018】
【実施例4】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、130 ℃で50分蒸気滅菌した環状ポリオレ
フィン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿
入し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密
閉栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネ
ートしたものを用いた。
【0019】
【比較例1】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、γ線を10kGy 照射した環状ポレオレフィ
ン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿入
し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密閉
栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネー
トしたものを用いた。
【0020】
【比較例2】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、γ線を20kGy照射した環状ポレオレフィ
ン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿入
し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密閉
栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネー
トしたものを用いた。
【0021】
【比較例3】実施例1と同様にして得られたエルカトニ
ン水溶液組成物を孔径0.22μm のメンブランフィルター
で無菌濾過後、γ線を30kGy照射した環状ポレオレフィ
ン製注射筒に1.0mL ずつ分注した後、ピストンを挿入
し、プレフィルドシリンジ製剤を得た。ピストンと密閉
栓はクロロブチルにテトラフルオロエチレンをラミネー
トしたものを用いた。
【0022】
【試験例】実施例1〜4で得られた本発明のエルカトニ
ンプレフィルドシリンジ製剤と比較例1〜3で得られた
エルカトニンプレフィルドシリンジ製剤を紙箱に入れ、
恒温機中にて、40℃、50℃、および60℃の一定温度で保
存し、そのエルカトニン含量を高速液体クロマトグラフ
ィーにて測定し、残存率を求めた。その結果を表1、表
2、および表3に示す。 高速液体クロマトグラフィー測定条件; カラム:ODS カラム 4.6×150mm 検出:UV225nm 移動相:CH3CN-0.1%TFA(33:67)
【0023】
【表1】 ──────────────────────────── 検体 40℃、8日間経過後 40℃、16日間経過後 の残存率(%) の残存率(%) ──────────────────────────── 実施例1 97 95 実施例2 98 94 実施例3 99 97 実施例4 98 96 比較例1 92 88 比較例2 90 85 比較例3 83 74 ────────────────────────────
【0024】
【表2】 ───────────────────────────── 検体 50℃、3日間経過後 50℃、7日間経過後 の残存率(%) の残存率(%) ───────────────────────────── 実施例1 96 94 実施例2 97 94 実施例3 97 95 実施例4 97 94 比較例1 91 86 比較例2 91 86 比較例3 85 76 ──────────────────────────────
【0025】
【表3】 ────────────────────────────── 検体 60℃、3日間経過後 60℃、7日間経過後 の残存率(%) の残存率(%) ────────────────────────────── 実施例1 94 91 実施例2 95 90 実施例2 94 91 実施例2 94 92 比較例1 84 75 比較例2 81 68 比較例3 68 57 ──────────────────────────────
【0026】以上の結果から、本発明の蒸気滅菌した樹
脂製シリンジに充填したエルカトニン製剤の熱安定性は
極めて高かった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、蒸気滅菌した樹脂製容
器に充填された無菌カルシトニン類は、熱安定性が十分
確保される。そして、この製剤は輸送が容易であり、製
造、輸送あるいは使用時の製剤の破損を防止することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/10 A61P 29/00 29/00 A61J 3/00 300Z // A61J 3/00 300 A61K 37/30 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB11 CC30 DD41Z FF61 GG43 GG45 4C084 AA02 AA03 BA44 CA62 DB31 MA17 MA66 NA03 ZA511 ZA961 ZA971 ZC061 ZC062

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気滅菌した樹脂製容器に無菌カルシト
    ニン類が充填されていることを特徴とする無菌カルシト
    ニン類製剤。
  2. 【請求項2】 80℃〜130 ℃、5 分〜180 分で蒸気滅菌
    した環状ポリオレフィン製容器に無菌エルカトニン溶液
    が充填されていることを特徴とする無菌カルシトニン製
    剤。
  3. 【請求項3】 蒸気滅菌した樹脂製容器に無菌カルシト
    ニン類を充填することを特徴とする安定性の改善された
    無菌カルシトニン類製剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸気滅菌の条件が、80℃〜130 ℃、 5分
    〜180 分である請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂が、環状ポリオレフィンである請求
    項3または請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 容器が、自動瓶、管瓶、アンプル、シリ
    ンジ、カプセルまたはソフトパックである請求項3〜5
    のいずれかに記載のカルシトニン類製剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 カルシトニン類が、カルシトニン類水溶
    液である請求項3〜6のいずれかに記載の製造方法
  8. 【請求項8】 カルシトニン類が、エルカトニンである
    請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法
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