JP2003029031A - 偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビームスプリッタ - Google Patents
偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビームスプリッタInfo
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- JP2003029031A JP2003029031A JP2001213231A JP2001213231A JP2003029031A JP 2003029031 A JP2003029031 A JP 2003029031A JP 2001213231 A JP2001213231 A JP 2001213231A JP 2001213231 A JP2001213231 A JP 2001213231A JP 2003029031 A JP2003029031 A JP 2003029031A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】単純な膜構成と少ない積層数にて広帯域の偏光
分離機能を有する安価な偏光分離素子およびそれを用い
た偏光ビームスプリッタを提供する。 【解決手段】入射光OIに対して所定の屈折率を有する
光学的に透明な高屈折率層Hと、高屈折率層Hを挟むよ
うに配置された高屈折率層Hより低い屈折率の光学的に
透明な第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lか
らなる基本構造膜LHLを含み、この基本構造の繰り返
し構造(LHL)m (ただしmは2以上の整数で、好適
には3〜7)を有する偏光分離素子2と、偏光分離素子
2の光入射面2aおよび光透過面2bに対して接し、偏
光分離素子2を挟むように形成された透明基板3とを有
する。
分離機能を有する安価な偏光分離素子およびそれを用い
た偏光ビームスプリッタを提供する。 【解決手段】入射光OIに対して所定の屈折率を有する
光学的に透明な高屈折率層Hと、高屈折率層Hを挟むよ
うに配置された高屈折率層Hより低い屈折率の光学的に
透明な第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lか
らなる基本構造膜LHLを含み、この基本構造の繰り返
し構造(LHL)m (ただしmは2以上の整数で、好適
には3〜7)を有する偏光分離素子2と、偏光分離素子
2の光入射面2aおよび光透過面2bに対して接し、偏
光分離素子2を挟むように形成された透明基板3とを有
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然光から特定の
偏光を抽出する光学膜である偏光分離素子およびそれを
用いた偏光ビームスプリッタに関するものである。
偏光を抽出する光学膜である偏光分離素子およびそれを
用いた偏光ビームスプリッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の光は、完全な偏光状態でも完全な
無偏光状態でもなく、両者の状態が混在している。その
中から特定の偏光状態を得るために、様々な形態の偏光
子が研究されてきた。これらの偏光子としては、たとえ
ば、結晶の複屈折を利用する複屈折型偏光子や、高分子
の光2色性を利用する2色性偏光子、S偏光の反射光を
利用する反射型偏光子などがある。そして、この種の光
学素子として、たとえば、所定の角度をもって入射する
入射光の第1の偏光であるP偏光を透過させ、第2の偏
光であるS偏光を透過方向とは異なる方向に反射する偏
光分離素子を、ガラス基板で挟むように構成した偏光ビ
ームスプリッタが知られている。
無偏光状態でもなく、両者の状態が混在している。その
中から特定の偏光状態を得るために、様々な形態の偏光
子が研究されてきた。これらの偏光子としては、たとえ
ば、結晶の複屈折を利用する複屈折型偏光子や、高分子
の光2色性を利用する2色性偏光子、S偏光の反射光を
利用する反射型偏光子などがある。そして、この種の光
学素子として、たとえば、所定の角度をもって入射する
入射光の第1の偏光であるP偏光を透過させ、第2の偏
光であるS偏光を透過方向とは異なる方向に反射する偏
光分離素子を、ガラス基板で挟むように構成した偏光ビ
ームスプリッタが知られている。
【0003】偏光ビームスプリッタ(Polarized Beam S
plitter, PBS)に関する文献は数多く知られている。た
とえば、「光・薄膜技術マニュアル 増補改訂版」(平
成4年、株式会社オプトロニクス社発行)では302〜
309頁にて、偏光ビームスプリッタについて解説され
ている。
plitter, PBS)に関する文献は数多く知られている。た
とえば、「光・薄膜技術マニュアル 増補改訂版」(平
成4年、株式会社オプトロニクス社発行)では302〜
309頁にて、偏光ビームスプリッタについて解説され
ている。
【0004】この文献では、高屈折率材料と低屈折率材
料を交互に積層することで構成する薄膜積層型の偏光分
離素子については、入射光の基準波長550nmをλ0
として、λ0 /4の厚さを持つ低屈折率材料層をLと、
λ0 /4の厚さを持つ高屈折率材料層をHと記述すると
き、下記(1)式または(2)式等で示す設計指針を与
えている。
料を交互に積層することで構成する薄膜積層型の偏光分
離素子については、入射光の基準波長550nmをλ0
として、λ0 /4の厚さを持つ低屈折率材料層をLと、
λ0 /4の厚さを持つ高屈折率材料層をHと記述すると
き、下記(1)式または(2)式等で示す設計指針を与
えている。
【0005】
【数1】(HL)m …(1)
【0006】
【数2】(0.5HL0.5H)m …(2)
【0007】ここで、mは任意の整数であるが、通常4
よりも大きい値に設定される。
よりも大きい値に設定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記文献に
もあるように、薄膜積層型の偏光ビームスプリッタで
は、所望の特性を満たすために数十層におよび膜を形成
(つける)必要がある。また、基本的な繰り返しパター
ンは単純なものの、実際には事細かに係数をかけて膜厚
を微調整しなければならない。特定の角度(主として4
5度)の斜入射に対応させたビームスプリッタ膜では、
一般に膜厚に微妙な制御を施した30層以上の層数を必
要とし、総膜厚は4μm以上となっている。このような
ビームスプリッタ膜は製造が難しく、安価な供給が不可
能であるという不利益がある。
もあるように、薄膜積層型の偏光ビームスプリッタで
は、所望の特性を満たすために数十層におよび膜を形成
(つける)必要がある。また、基本的な繰り返しパター
ンは単純なものの、実際には事細かに係数をかけて膜厚
を微調整しなければならない。特定の角度(主として4
5度)の斜入射に対応させたビームスプリッタ膜では、
一般に膜厚に微妙な制御を施した30層以上の層数を必
要とし、総膜厚は4μm以上となっている。このような
ビームスプリッタ膜は製造が難しく、安価な供給が不可
能であるという不利益がある。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、単純な膜構成と少ない積層数に
て広帯域の偏光分離機能を有する安価な偏光分離素子お
よびそれを用いた偏光ビームスプリッタを提供すること
にある。
のであり、その目的は、単純な膜構成と少ない積層数に
て広帯域の偏光分離機能を有する安価な偏光分離素子お
よびそれを用いた偏光ビームスプリッタを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、所定の角度をもって入射する入射光の第
1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過方向とは異なる
方向に反射する偏光分離素子であって、上記入射光に対
して所定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率層H
と、上記高屈折率層Hを挟むように配置された当該高屈
折率層より低い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率
層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LH
Lを含み、上記基本構造の繰り返し構造(LHL)m を
有する。
め、本発明は、所定の角度をもって入射する入射光の第
1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過方向とは異なる
方向に反射する偏光分離素子であって、上記入射光に対
して所定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率層H
と、上記高屈折率層Hを挟むように配置された当該高屈
折率層より低い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率
層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LH
Lを含み、上記基本構造の繰り返し構造(LHL)m を
有する。
【0011】また、本発明の偏光分離素子では、上記高
屈折率層の厚さ、並びに第1の低屈折率層および第2の
低屈折率層の厚さは、入射光の基準波長に基づいて設定
されている。
屈折率層の厚さ、並びに第1の低屈折率層および第2の
低屈折率層の厚さは、入射光の基準波長に基づいて設定
されている。
【0012】また、本発明の偏光分離素子では、好適に
は、上記入射光の基準波長をλ0 とするとき、上記高屈
折率層の厚さ、並びに第1の低屈折率層および第2の低
屈折率層の厚さは、基準波長を所定の整数で除した値に
相当する光学的厚さに設定されている。
は、上記入射光の基準波長をλ0 とするとき、上記高屈
折率層の厚さ、並びに第1の低屈折率層および第2の低
屈折率層の厚さは、基準波長を所定の整数で除した値に
相当する光学的厚さに設定されている。
【0013】また、本発明の偏光分離素子では、上記基
本構造の繰り返し回数mは、3以上の整数である。好適
には、上記基本構造の繰り返し回数mは、3以上7以下
の整数である。
本構造の繰り返し回数mは、3以上の整数である。好適
には、上記基本構造の繰り返し回数mは、3以上7以下
の整数である。
【0014】また、本発明の偏光分離素子では、上記入
射光の光学膜面への入射角度の中心値が56度近傍に設
定されている。
射光の光学膜面への入射角度の中心値が56度近傍に設
定されている。
【0015】また、本発明の偏光分離素子では、上記高
屈折率層は、入射光の基準波長を含む所定範囲において
光学定数nの波長分散特性を有し、かつ上記基準波長よ
り短い所定波長以上において消衰係数が略ゼロに漸近す
る特性を有する材料を含み、上記第1および第2の低屈
折率層は、入射光の基準波長を含む所定範囲において光
学定数nの波長分散特性を有し、かつ略全波長域で消衰
係数が略ゼロである材料を含む。
屈折率層は、入射光の基準波長を含む所定範囲において
光学定数nの波長分散特性を有し、かつ上記基準波長よ
り短い所定波長以上において消衰係数が略ゼロに漸近す
る特性を有する材料を含み、上記第1および第2の低屈
折率層は、入射光の基準波長を含む所定範囲において光
学定数nの波長分散特性を有し、かつ略全波長域で消衰
係数が略ゼロである材料を含む。
【0016】また、本発明の偏光分離素子では、互いに
隣接する基本構造膜は、第1の低屈折率層Lおよび第2
の低屈折率層Lを共有するように形成されている。
隣接する基本構造膜は、第1の低屈折率層Lおよび第2
の低屈折率層Lを共有するように形成されている。
【0017】また、本発明は、所定の角度をもって入射
する入射光の第1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過
方向とは異なる方向に反射する偏光ビームスプリッタで
あって、上記入射光に対して所定の屈折率を有する光学
的に透明な高屈折率層Hと、上記高屈折率層Hを挟むよ
うに配置された当該高屈折率層より低い屈折率の光学的
に透明な第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層L
からなる基本構造膜LHLを含み、上記基本構造の繰り
返し構造(LHL)m を有する偏光分離素子と、上記偏
光分離素子の光入射面および光透過面に対して接するよ
うに配置された透明基板とを有する。
する入射光の第1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過
方向とは異なる方向に反射する偏光ビームスプリッタで
あって、上記入射光に対して所定の屈折率を有する光学
的に透明な高屈折率層Hと、上記高屈折率層Hを挟むよ
うに配置された当該高屈折率層より低い屈折率の光学的
に透明な第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層L
からなる基本構造膜LHLを含み、上記基本構造の繰り
返し構造(LHL)m を有する偏光分離素子と、上記偏
光分離素子の光入射面および光透過面に対して接するよ
うに配置された透明基板とを有する。
【0018】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記偏光分離素子の高屈折率層の厚さ、並びに第1
の低屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、入射光
の基準波長に基づいて設定されている。
は、上記偏光分離素子の高屈折率層の厚さ、並びに第1
の低屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、入射光
の基準波長に基づいて設定されている。
【0019】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、好適には、上記入射光の基準波長をλ0 とすると
き、上記偏光分離素子の高屈折率層の厚さ、並びに第1
の低屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、基準波
長を所定の整数で除した値に相当する光学的厚さに設定
されている。
は、好適には、上記入射光の基準波長をλ0 とすると
き、上記偏光分離素子の高屈折率層の厚さ、並びに第1
の低屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、基準波
長を所定の整数で除した値に相当する光学的厚さに設定
されている。
【0020】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記偏光分離素子の基本構造の繰り返し回数mは、
3以上の整数である。好適には、上記偏光分離素子の基
本構造の繰り返し回数mは、3以上7以下の整数であ
る。
は、上記偏光分離素子の基本構造の繰り返し回数mは、
3以上の整数である。好適には、上記偏光分離素子の基
本構造の繰り返し回数mは、3以上7以下の整数であ
る。
【0021】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記入射光の上記偏光分離素子の光学膜面への入射
角度の中心値が56度近傍に設定されている。
は、上記入射光の上記偏光分離素子の光学膜面への入射
角度の中心値が56度近傍に設定されている。
【0022】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記偏光分離素子の上記高屈折率層は、入射光の基
準波長を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特
性を有し、かつ上記基準波長より短い所定波長以上にお
いて消衰係数が略ゼロに漸近する特性を有する材料を含
み、上記第1および第2の低屈折率層は、入射光の基準
波長を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特性
を有し、かつ略全波長域で消衰係数が略ゼロである材料
を含む。
は、上記偏光分離素子の上記高屈折率層は、入射光の基
準波長を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特
性を有し、かつ上記基準波長より短い所定波長以上にお
いて消衰係数が略ゼロに漸近する特性を有する材料を含
み、上記第1および第2の低屈折率層は、入射光の基準
波長を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特性
を有し、かつ略全波長域で消衰係数が略ゼロである材料
を含む。
【0023】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記偏光分離素子の上記高屈折率層の屈折率は、上
記透明基板の屈折率より高く設定され、上記第1および
第2の低屈折率層の屈折率は、上記透明基板の屈折率よ
り低く設定されている。
は、上記偏光分離素子の上記高屈折率層の屈折率は、上
記透明基板の屈折率より高く設定され、上記第1および
第2の低屈折率層の屈折率は、上記透明基板の屈折率よ
り低く設定されている。
【0024】また、本発明の偏光ビームスプリッタで
は、上記偏光分離素子の互いに隣接する基本構造膜は、
第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lを共有す
るように形成されている。
は、上記偏光分離素子の互いに隣接する基本構造膜は、
第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lを共有す
るように形成されている。
【0025】本発明によれば、偏光分離素子が、入射光
に対して所定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率
層Hと、高屈折率層Hを挟むように配置された高屈折率
層Hより低い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率層
Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LHL
を含み、この基本構造の繰り返し構造(LHL)m (た
だしmは2以上の整数で、好適には3〜7)を有するよ
うに構成される。そして、たとえば偏光分離素子の光入
射面および光透過面に対して接し、偏光分離素子を挟む
ようにたとえばガラスからなる透明基板が形成されて、
たとえば積層プリズム型偏光ビームスプリッタが構成さ
れる。そして、高屈折率層Hと低屈折率層Lは、入射光
の基準波長λ0 のたとえばλ 0 /4相当の光学的厚さに
構成される。たとえば偏光分離素子の低屈折率材料とし
てSiO2 (n=1.46)を、高屈折率材料としてT
iO2 (n=2.44)を各々用いると、Lは94.2
nm・Hは56.4nmとなり、繰り返し1回分あたり
の膜厚は約250nmとなる。透明基板としては一般的
光学ガラス(BK7)を使用することができ、この素子
は56度近傍の角度での入射光に対し最大限の偏光分離
性能を示す。これらの組み合わせの場合は、上述の基本
構造になんらの補正を加える必要がなく、極めて単純な
構成で高い性能が得られる。また、膜の繰り返し回数m
は実用上4で十分であり、この時の積層数は僅かに9層
であり膜厚は1μmにすぎない。
に対して所定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率
層Hと、高屈折率層Hを挟むように配置された高屈折率
層Hより低い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率層
Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LHL
を含み、この基本構造の繰り返し構造(LHL)m (た
だしmは2以上の整数で、好適には3〜7)を有するよ
うに構成される。そして、たとえば偏光分離素子の光入
射面および光透過面に対して接し、偏光分離素子を挟む
ようにたとえばガラスからなる透明基板が形成されて、
たとえば積層プリズム型偏光ビームスプリッタが構成さ
れる。そして、高屈折率層Hと低屈折率層Lは、入射光
の基準波長λ0 のたとえばλ 0 /4相当の光学的厚さに
構成される。たとえば偏光分離素子の低屈折率材料とし
てSiO2 (n=1.46)を、高屈折率材料としてT
iO2 (n=2.44)を各々用いると、Lは94.2
nm・Hは56.4nmとなり、繰り返し1回分あたり
の膜厚は約250nmとなる。透明基板としては一般的
光学ガラス(BK7)を使用することができ、この素子
は56度近傍の角度での入射光に対し最大限の偏光分離
性能を示す。これらの組み合わせの場合は、上述の基本
構造になんらの補正を加える必要がなく、極めて単純な
構成で高い性能が得られる。また、膜の繰り返し回数m
は実用上4で十分であり、この時の積層数は僅かに9層
であり膜厚は1μmにすぎない。
【0026】本発明によれば、所定基準波長λ0 の入射
光が透明基板に入射される。そして、第1の偏光(P偏
光)および第2の偏光(S偏光)を含む入射光は透明基
板を伝搬されて偏光分離素子の光入射面に到達し、光入
射面に対して所定角度、たとえば56度をもって偏光分
離素子に入射される。偏光分離素子に入射した光は、た
とえば第1の基本構造膜、第2の基本構造膜、第3の基
本構造膜を伝搬されていくが、第2の偏光は、たとえば
第2の基本構造膜と第3の基本構造膜との境界である低
屈折率層Lで伝搬方向(透過方向)に対して所定角度を
もって反射され、透明基板を伝搬されて出射される。一
方、第1の偏光は、さらに直進して第3の基本構造膜、
あるいはさらなる基本構造膜を透過し、光透過面から出
射され、透明基板を伝搬されて出射される。
光が透明基板に入射される。そして、第1の偏光(P偏
光)および第2の偏光(S偏光)を含む入射光は透明基
板を伝搬されて偏光分離素子の光入射面に到達し、光入
射面に対して所定角度、たとえば56度をもって偏光分
離素子に入射される。偏光分離素子に入射した光は、た
とえば第1の基本構造膜、第2の基本構造膜、第3の基
本構造膜を伝搬されていくが、第2の偏光は、たとえば
第2の基本構造膜と第3の基本構造膜との境界である低
屈折率層Lで伝搬方向(透過方向)に対して所定角度を
もって反射され、透明基板を伝搬されて出射される。一
方、第1の偏光は、さらに直進して第3の基本構造膜、
あるいはさらなる基本構造膜を透過し、光透過面から出
射され、透明基板を伝搬されて出射される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
本実施形態においては、光学材料の実測した光学定数に
基づく設計完成例を示す。光学定数が変わると最適設計
結果がずれる可能性があるが、しかし本発明はこの例に
限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
任意に変更可能であることは言うまでもない。
態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
本実施形態においては、光学材料の実測した光学定数に
基づく設計完成例を示す。光学定数が変わると最適設計
結果がずれる可能性があるが、しかし本発明はこの例に
限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0028】図1は、本発明に係る偏光分離素子を採用
した積層薄膜プリズム型偏光ビームスプリッタの一実施
形態を示す構成図である。
した積層薄膜プリズム型偏光ビームスプリッタの一実施
形態を示す構成図である。
【0029】本偏光ビームスプリッタ1は、図1に示す
ように、偏光分離素子2と、偏光分離素子2の光入射面
2aおよび光透過面2bに対して接し、偏光分離素子2
を挟むように形成された透明基板3とを有する。
ように、偏光分離素子2と、偏光分離素子2の光入射面
2aおよび光透過面2bに対して接し、偏光分離素子2
を挟むように形成された透明基板3とを有する。
【0030】偏光分離素子2は、入射光OIに対して所
定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率層Hと、高
屈折率層Hを挟むように配置された高屈折率層Hより低
い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率層Lおよび第
2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LHLを含み、こ
の基本構造の繰り返し構造(LHL)m を有する。偏光
分離素子2の基本構造LHLの積層繰り返し回数mは、
後述するように、3以上の整数であることが望ましく、
図1は、m=3の場合を示している。
定の屈折率を有する光学的に透明な高屈折率層Hと、高
屈折率層Hを挟むように配置された高屈折率層Hより低
い屈折率の光学的に透明な第1の低屈折率層Lおよび第
2の低屈折率層Lからなる基本構造膜LHLを含み、こ
の基本構造の繰り返し構造(LHL)m を有する。偏光
分離素子2の基本構造LHLの積層繰り返し回数mは、
後述するように、3以上の整数であることが望ましく、
図1は、m=3の場合を示している。
【0031】図2は、積層繰り返し回数mが3の場合の
偏光分離素子の積層繰り返し構造を示す図である。
偏光分離素子の積層繰り返し構造を示す図である。
【0032】偏光分離素子2は、図2に示すように、た
とえば光入射面2a側から第1の低屈折率層L1、高屈
折率層H、および第2の低屈折率層L2からなる基本構
造を単純に3回繰り返して積層した構造を有する。すな
わち、光入射面2a側から第1の基本構造膜LHL1、
第2の基本構造膜LHL2、および第3の基本構造膜L
HL3が順番に積層した構造で、基本構造になんらの補
正を加える必要がなく、極めて単純な構成となってい
る。そして、3層からなる基本構造膜を3つ積層するこ
とから、単純に考察すると9層となるはずである。しか
し、実際には、図2に示すように、第1の基本構造膜L
HL1の第2の低屈折率層L2と第2の基本構造膜LH
L2の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の
層として形成できる。同様に、第2の基本構造膜LHL
2の第2の低屈折率層L2と第3の基本構造膜LHL3
の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の層と
して形成できる。したがって、実際の層数は、9ではな
く7となる。
とえば光入射面2a側から第1の低屈折率層L1、高屈
折率層H、および第2の低屈折率層L2からなる基本構
造を単純に3回繰り返して積層した構造を有する。すな
わち、光入射面2a側から第1の基本構造膜LHL1、
第2の基本構造膜LHL2、および第3の基本構造膜L
HL3が順番に積層した構造で、基本構造になんらの補
正を加える必要がなく、極めて単純な構成となってい
る。そして、3層からなる基本構造膜を3つ積層するこ
とから、単純に考察すると9層となるはずである。しか
し、実際には、図2に示すように、第1の基本構造膜L
HL1の第2の低屈折率層L2と第2の基本構造膜LH
L2の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の
層として形成できる。同様に、第2の基本構造膜LHL
2の第2の低屈折率層L2と第3の基本構造膜LHL3
の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の層と
して形成できる。したがって、実際の層数は、9ではな
く7となる。
【0033】また、図3は、積層繰り返し回数mが4の
場合の偏光分離素子の積層繰り返し構造を示す図であ
る。
場合の偏光分離素子の積層繰り返し構造を示す図であ
る。
【0034】この場合も、3層からなる基本構造膜を4
つ積層することから、単純に考察すると12層となるは
ずである。しかし、実際には、図2に示すように、第1
の基本構造膜LHL1の第2の低屈折率層L2と第2の
基本構造膜LHL2の第1の低屈折率膜L1を共有させ
るように同一の層として形成できる。同様に、第2の基
本構造膜LHL2の第2の低屈折率層L2と第3の基本
構造膜LHL3の第1の低屈折率膜L1を共有させるよ
うに同一の層として形成でき、第3の基本構造膜LHL
3の第2の低屈折率層L2と第4の基本構造膜LHL4
の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の層と
して形成できる。したがって、実際の層数は、12では
なく9となる。
つ積層することから、単純に考察すると12層となるは
ずである。しかし、実際には、図2に示すように、第1
の基本構造膜LHL1の第2の低屈折率層L2と第2の
基本構造膜LHL2の第1の低屈折率膜L1を共有させ
るように同一の層として形成できる。同様に、第2の基
本構造膜LHL2の第2の低屈折率層L2と第3の基本
構造膜LHL3の第1の低屈折率膜L1を共有させるよ
うに同一の層として形成でき、第3の基本構造膜LHL
3の第2の低屈折率層L2と第4の基本構造膜LHL4
の第1の低屈折率膜L1を共有させるように同一の層と
して形成できる。したがって、実際の層数は、12では
なく9となる。
【0035】偏光分離素子2の積層数Mは、次式で与え
られる。
られる。
【0036】
【数3】
M=3×m−(m−1) …(3)
【0037】すなわち、本発明に係る偏光分離素子2の
積層数Mは、3層からな基本構造膜LHLを単純に積層
した場合に考察される数より2層だけ少なくなる。した
がって、本発明に係る偏光分離素子2の構造は、製造工
程の簡単化、薄膜化に寄与できる。
積層数Mは、3層からな基本構造膜LHLを単純に積層
した場合に考察される数より2層だけ少なくなる。した
がって、本発明に係る偏光分離素子2の構造は、製造工
程の簡単化、薄膜化に寄与できる。
【0038】偏光分離素子2の高屈折率層Hは、入射光
IOの基準波長λ0 、たとえば550nmを含む所定範
囲において光学定数(屈折率)nの波長分散特性を有
し、かつ基準波長λ0 より短い所定波長以上において消
衰係数kが略ゼロに漸近する特性を有する材料により構
成される。
IOの基準波長λ0 、たとえば550nmを含む所定範
囲において光学定数(屈折率)nの波長分散特性を有
し、かつ基準波長λ0 より短い所定波長以上において消
衰係数kが略ゼロに漸近する特性を有する材料により構
成される。
【0039】高屈折率層Hには、TiO2 (n=2.3
5〜2.8)やITO(n=1.95〜2.1)、Zn
O(n=1.9)、CeO2 (n=1.95)、SnO
2 (n=1.95)、Al2 O3 (n=1.63)、L
a2 O3 (n=1.95)、ZrO2 (n=2.0
5)、Y2 O3 (n=1.87)等が用いられる。
5〜2.8)やITO(n=1.95〜2.1)、Zn
O(n=1.9)、CeO2 (n=1.95)、SnO
2 (n=1.95)、Al2 O3 (n=1.63)、L
a2 O3 (n=1.95)、ZrO2 (n=2.0
5)、Y2 O3 (n=1.87)等が用いられる。
【0040】本実施形態では、高屈折率層Hとして、最
も屈折率の高いTiO2 を採用した例を示す。
も屈折率の高いTiO2 を採用した例を示す。
【0041】図4は、TiO2 の光学定数(屈折率)n
の波長分散依存性を示す図である。図4において、横軸
が波長を、縦軸が光学定数(屈折率)nをそれぞれ表し
ている。図4に示すように、高屈折率層Hとして用いら
れるTiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550n
mを含む所定範囲、具体的には、略380nm〜770
nmの範囲において、n=2.8〜2.35の波長分散
特性を有している。
の波長分散依存性を示す図である。図4において、横軸
が波長を、縦軸が光学定数(屈折率)nをそれぞれ表し
ている。図4に示すように、高屈折率層Hとして用いら
れるTiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550n
mを含む所定範囲、具体的には、略380nm〜770
nmの範囲において、n=2.8〜2.35の波長分散
特性を有している。
【0042】図5は、TiO2 の光学定数(消衰係数)
kの波長分散依存性を示す図である。図5において、横
軸が波長を、縦軸が光学定数(消衰係数)kを表してい
る。図5に示すように、高屈折率層Hとして用いられる
TiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550nmよ
り短い380nm近傍において消衰係数kが急激に略ゼ
ロに漸近し、波長が500nm近傍以上でゼロとなる特
性を有している。
kの波長分散依存性を示す図である。図5において、横
軸が波長を、縦軸が光学定数(消衰係数)kを表してい
る。図5に示すように、高屈折率層Hとして用いられる
TiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550nmよ
り短い380nm近傍において消衰係数kが急激に略ゼ
ロに漸近し、波長が500nm近傍以上でゼロとなる特
性を有している。
【0043】偏光分離素子2の第1および第2の低屈折
率層L(L1,L2)は、入射光IOの基準波長、たと
えば550nmを含む所定範囲において光学定数(屈折
率)nの波長分散特性を有し、かつ略全波長域kで消衰
係数が略ゼロである材料により構成される。
率層L(L1,L2)は、入射光IOの基準波長、たと
えば550nmを含む所定範囲において光学定数(屈折
率)nの波長分散特性を有し、かつ略全波長域kで消衰
係数が略ゼロである材料により構成される。
【0044】低屈折率層2には、SiO2 (n=1.4
54〜1.473)やMgF2 (n=1.38)、Li
F(n=1.4)、AlF3 (n=1.4)、Na3 A
lF 6 (n=1.33)等が用いられる。
54〜1.473)やMgF2 (n=1.38)、Li
F(n=1.4)、AlF3 (n=1.4)、Na3 A
lF 6 (n=1.33)等が用いられる。
【0045】本実施形態では、低屈折率層Lとして、S
iO2 を採用した例を示す。
iO2 を採用した例を示す。
【0046】図6は、SiO2 の光学定数(屈折率)n
の波長分散依存性を示す図である。図6において、横軸
が波長を、縦軸が光学定数(屈折率)nをそれぞれ表し
ている。図6に示すように、低屈折率層Lとして用いら
れるSiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550n
mを含む所定範囲、具体的には、略380nm〜770
nmの範囲において、n=1.473〜1.454の波
長分散特性を有している。
の波長分散依存性を示す図である。図6において、横軸
が波長を、縦軸が光学定数(屈折率)nをそれぞれ表し
ている。図6に示すように、低屈折率層Lとして用いら
れるSiO2 は、入射光IOの基準波長λ0 =550n
mを含む所定範囲、具体的には、略380nm〜770
nmの範囲において、n=1.473〜1.454の波
長分散特性を有している。
【0047】また、SiO2 の消衰係数kは全波長域で
ゼロであり、SiO2 膜による吸収はない。
ゼロであり、SiO2 膜による吸収はない。
【0048】偏光分離素子2の高屈折率層Hの厚さh、
並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lの
厚さlは、入射光の基準波長、たとえば550nmに基
づいて設定されている。具体的には、入射光の基準波長
λ0 =550nmとするとき、高屈折率層Hの厚さh、
並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lの
厚さlは、基準波長λ0 を所定の整数で除した値、たと
えばλ0 /4に相当する光学的厚さに設定されている
並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lの
厚さlは、入射光の基準波長、たとえば550nmに基
づいて設定されている。具体的には、入射光の基準波長
λ0 =550nmとするとき、高屈折率層Hの厚さh、
並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lの
厚さlは、基準波長λ0 を所定の整数で除した値、たと
えばλ0 /4に相当する光学的厚さに設定されている
【0049】このように、偏光分離素子2の高屈折率層
Hの厚さ、並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈
折率層Lの厚さは、λ0 /4相当の光学的厚さである。
高屈折率材料としてTiO2 (基準波長λ0 でn=2.
44)を、低屈折率材料としてSiO2 (基準波長λ0
でn=1.46)をそれぞれ用いると、hは56.4n
m、lは94.2nmとなり、繰り返し1回分あたりの
膜厚は約250nmとなる。たとえば、膜の繰り返し回
数mを4として場合には、上述したように積層数Mは僅
かに9層であり膜厚は1μmにすぎない。そして、本実
施形態においては、入射光IOの偏光分離素子2の光入
射面2aへの入射角度θの中心値が56度近傍に設定さ
れている。
Hの厚さ、並びに第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈
折率層Lの厚さは、λ0 /4相当の光学的厚さである。
高屈折率材料としてTiO2 (基準波長λ0 でn=2.
44)を、低屈折率材料としてSiO2 (基準波長λ0
でn=1.46)をそれぞれ用いると、hは56.4n
m、lは94.2nmとなり、繰り返し1回分あたりの
膜厚は約250nmとなる。たとえば、膜の繰り返し回
数mを4として場合には、上述したように積層数Mは僅
かに9層であり膜厚は1μmにすぎない。そして、本実
施形態においては、入射光IOの偏光分離素子2の光入
射面2aへの入射角度θの中心値が56度近傍に設定さ
れている。
【0050】透明基板3としては、たとえば光学定数
(屈折率)nが1.52のガラス(BK7)が用いられ
る。なお、成膜面の反対側に対してガラスを付ける際に
は接着層が必要となるが、光学的には意味を持たないた
め今後特に言及はしない。
(屈折率)nが1.52のガラス(BK7)が用いられ
る。なお、成膜面の反対側に対してガラスを付ける際に
は接着層が必要となるが、光学的には意味を持たないた
め今後特に言及はしない。
【0051】このように、本実施形態においては、透明
基板3として、たとえば光学定数(屈折率)nが1.5
2のガラスが用いられることから、透明基板の屈折率n
3と、偏光分離素子2の高屈折率層Hの屈折率n(H)
と、低屈折率層Lの屈折率n(L)との関係は、次のよ
うになる。
基板3として、たとえば光学定数(屈折率)nが1.5
2のガラスが用いられることから、透明基板の屈折率n
3と、偏光分離素子2の高屈折率層Hの屈折率n(H)
と、低屈折率層Lの屈折率n(L)との関係は、次のよ
うになる。
【0052】
【数4】n(L)<n3<n(H)
【0053】すなわち、本実施形態においては、偏光分
離素子2の高屈折率層Hの屈折率n(H)は、透明基板
3の屈折率n3より高く設定され、第1および第2の低
屈折率層Lの屈折率n(L)透明基板3の屈折率n3よ
り低く設定されている。
離素子2の高屈折率層Hの屈折率n(H)は、透明基板
3の屈折率n3より高く設定され、第1および第2の低
屈折率層Lの屈折率n(L)透明基板3の屈折率n3よ
り低く設定されている。
【0054】以上説明したような構成を有する偏光ビー
ムスプリッタ1においては、たとえば基準波長λ0 が5
50nmの入射光IOが透明基板3の図1中の左側面か
ら入射される。そして、第1の偏光としてのP偏光およ
び第2の偏光としてのS偏光を含む入射光は透明基板3
を伝搬されて偏光分離素子2の光入射面2aに到達し、
光入射面2aに対して所定角度、好適には56度をもっ
て偏光分離素子2に入射される。偏光分離素子2に入射
した光は、第1の基本構造膜LHL1、第2の基本構造
膜LHL2、第3の基本構造膜LHL3を伝搬されてい
くが、S偏光は、たとえば第2の基本構造膜LHL2と
第3の基本構造膜LHL3との境界である低屈折率層L
で伝搬方向(透過方向)に対して所定角度をもって反射
され、透明基板3を伝搬されて図1中の下側面から出射
される。一方、P偏光は、さらに直進して第3の基本構
造膜LHL3を透過し、光透過面2bから出射され、透
明基板3を伝搬されて図1中の右側面から出射される。
ムスプリッタ1においては、たとえば基準波長λ0 が5
50nmの入射光IOが透明基板3の図1中の左側面か
ら入射される。そして、第1の偏光としてのP偏光およ
び第2の偏光としてのS偏光を含む入射光は透明基板3
を伝搬されて偏光分離素子2の光入射面2aに到達し、
光入射面2aに対して所定角度、好適には56度をもっ
て偏光分離素子2に入射される。偏光分離素子2に入射
した光は、第1の基本構造膜LHL1、第2の基本構造
膜LHL2、第3の基本構造膜LHL3を伝搬されてい
くが、S偏光は、たとえば第2の基本構造膜LHL2と
第3の基本構造膜LHL3との境界である低屈折率層L
で伝搬方向(透過方向)に対して所定角度をもって反射
され、透明基板3を伝搬されて図1中の下側面から出射
される。一方、P偏光は、さらに直進して第3の基本構
造膜LHL3を透過し、光透過面2bから出射され、透
明基板3を伝搬されて図1中の右側面から出射される。
【0055】このようにして、偏光分離素子2でP偏光
とS偏光とが分離されるが、本実施形態においては、入
射光IOの偏光分離素子2の光入射面2aへの入射角度
の中心値が56度近傍に設定されている。以下に、偏光
分離素子2における基本構造膜LHLの繰り返し回数
m、および入射光IOの偏光分離素子2への入射角度に
ついて、図面に関連付け順を追って説明する。
とS偏光とが分離されるが、本実施形態においては、入
射光IOの偏光分離素子2の光入射面2aへの入射角度
の中心値が56度近傍に設定されている。以下に、偏光
分離素子2における基本構造膜LHLの繰り返し回数
m、および入射光IOの偏光分離素子2への入射角度に
ついて、図面に関連付け順を追って説明する。
【0056】まず、偏光分離素子2における基本構造膜
LHLの繰り返し回数mについて考察する。
LHLの繰り返し回数mについて考察する。
【0057】図7は、繰り返し回数mが3〜7における
P偏光透過率の波長依存性を示す図であり、図8は、繰
り返し回数mが1,2におけるP偏光透過率の波長依存
性を示す図である。また、図9は、繰り返し回数mが3
〜7におけるP偏光反射率の波長依存性を示す図であ
り、図10は、繰り返し回数mが1,2におけるP偏光
反射率の波長依存性を示す図である。
P偏光透過率の波長依存性を示す図であり、図8は、繰
り返し回数mが1,2におけるP偏光透過率の波長依存
性を示す図である。また、図9は、繰り返し回数mが3
〜7におけるP偏光反射率の波長依存性を示す図であ
り、図10は、繰り返し回数mが1,2におけるP偏光
反射率の波長依存性を示す図である。
【0058】図7および図8において、横軸が波長を、
縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図9および
図10において、横軸が波長を、縦軸が反射率をそれぞ
れ表している。図7および図9において、それぞれで
示す実線が繰り返し回数m=3の場合の透過率特性およ
び反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し回数m=
4の場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示
す破線が繰り返し回数m=5の場合の透過率特性および
反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し回数m=6
の場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示す
一点鎖線が繰り返し回数m=7の場合の透過率特性およ
び反射率特性を示している。また、図8および図10に
おいて、それぞれで示す実線が繰り返し回数m=1の
場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示す破
線が繰り返し回数m=2の場合の透過率特性および反射
率特性を示している。
縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図9および
図10において、横軸が波長を、縦軸が反射率をそれぞ
れ表している。図7および図9において、それぞれで
示す実線が繰り返し回数m=3の場合の透過率特性およ
び反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し回数m=
4の場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示
す破線が繰り返し回数m=5の場合の透過率特性および
反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し回数m=6
の場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示す
一点鎖線が繰り返し回数m=7の場合の透過率特性およ
び反射率特性を示している。また、図8および図10に
おいて、それぞれで示す実線が繰り返し回数m=1の
場合の透過率特性および反射率特性を示し、で示す破
線が繰り返し回数m=2の場合の透過率特性および反射
率特性を示している。
【0059】図7〜図10からわかるように、本実施形
態に係る偏光分離素子2において、第1の偏光としての
P偏光の反射はごくわずかであり、波長400nm以上
では大部分が偏光分離素子膜を透過する。図7および図
8から、繰り返し回数mが増えるにつれて、偏光分離素
子膜を透過し始める波長が長波長側にシフトする傾向が
うかがえる。
態に係る偏光分離素子2において、第1の偏光としての
P偏光の反射はごくわずかであり、波長400nm以上
では大部分が偏光分離素子膜を透過する。図7および図
8から、繰り返し回数mが増えるにつれて、偏光分離素
子膜を透過し始める波長が長波長側にシフトする傾向が
うかがえる。
【0060】図11は、繰り返し回数mが3〜7におけ
るS偏光透過率の波長依存性を示す図であり、図12
は、繰り返し回数mが1,2におけるS偏光透過率の波
長依存性を示す図である。また、図13は、繰り返し回
数mが3〜7におけるS偏光反射率の波長依存性を示す
図であり、図14は、繰り返し回数mが1,2における
S偏光反射率の波長依存性を示す図である。
るS偏光透過率の波長依存性を示す図であり、図12
は、繰り返し回数mが1,2におけるS偏光透過率の波
長依存性を示す図である。また、図13は、繰り返し回
数mが3〜7におけるS偏光反射率の波長依存性を示す
図であり、図14は、繰り返し回数mが1,2における
S偏光反射率の波長依存性を示す図である。
【0061】図11および図12において、横軸が波長
を、縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図13
および図14において、横軸が波長を、縦軸が反射率を
それぞれ表している。図11および図13において、そ
れぞれで示す実線が繰り返し回数m=3の場合の透過
率特性および反射率特性を示し、で示す破線が繰り返
し回数m=4の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す破線が繰り返し回数m=5の場合の透過率
特性および反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し
回数m=6の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す一点鎖線が繰り返し回数m=7の場合の透
過率特性および反射率特性を示している。また、図12
および図14において、それぞれで示す実線が繰り返
し回数m=1の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す破線が繰り返し回数m=2の場合の透過率
特性および反射率特性を示している。
を、縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図13
および図14において、横軸が波長を、縦軸が反射率を
それぞれ表している。図11および図13において、そ
れぞれで示す実線が繰り返し回数m=3の場合の透過
率特性および反射率特性を示し、で示す破線が繰り返
し回数m=4の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す破線が繰り返し回数m=5の場合の透過率
特性および反射率特性を示し、で示す破線が繰り返し
回数m=6の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す一点鎖線が繰り返し回数m=7の場合の透
過率特性および反射率特性を示している。また、図12
および図14において、それぞれで示す実線が繰り返
し回数m=1の場合の透過率特性および反射率特性を示
し、で示す破線が繰り返し回数m=2の場合の透過率
特性および反射率特性を示している。
【0062】図14からわかるように、繰り返し回数m
が1の場合には、S偏光の反射率が最高でも70%より
低く実用に即さない。これに対して図11〜図14から
わかるように、繰り返し回数mが2以上の場合には、波
長400nm〜720nm程度の範囲で殆ど反射され、
透過できないことが明らかである。繰り返し回数mを増
やすと、不透過域上限のエッジが急峻になる。
が1の場合には、S偏光の反射率が最高でも70%より
低く実用に即さない。これに対して図11〜図14から
わかるように、繰り返し回数mが2以上の場合には、波
長400nm〜720nm程度の範囲で殆ど反射され、
透過できないことが明らかである。繰り返し回数mを増
やすと、不透過域上限のエッジが急峻になる。
【0063】以上の図7〜図14の特性から考察する
と、本実施形態に係る偏光分離素子2は、400nm以
上の150nm〜300nmの範囲でP偏光とS偏光と
を高い精度で分離し得る。ここで、偏光ビームスプリッ
タの特性として、P偏光の透過率83%以上、かつS偏
光の透過率5%以下を想定すると、積層繰り返し回数m
は、上述した図7〜14の特性から考察すると、3以上
7以下の整数であることが望ましい。この場合、400
nm〜700nmという極めて広い波長域に対応しうる
偏光ビームスプリッタを実現できる。
と、本実施形態に係る偏光分離素子2は、400nm以
上の150nm〜300nmの範囲でP偏光とS偏光と
を高い精度で分離し得る。ここで、偏光ビームスプリッ
タの特性として、P偏光の透過率83%以上、かつS偏
光の透過率5%以下を想定すると、積層繰り返し回数m
は、上述した図7〜14の特性から考察すると、3以上
7以下の整数であることが望ましい。この場合、400
nm〜700nmという極めて広い波長域に対応しうる
偏光ビームスプリッタを実現できる。
【0064】図15は、P偏光の透過率83%以上、か
つS偏光の透過率5%以下の条件を満足する連続した波
長範囲の幅を評価関数に用いた場合の、偏光分離可能波
長幅の繰り返し回数依存性を示す図である。図15にお
いて、横軸が繰り返し回数mを、縦軸が偏光分離可能波
長幅をそれぞれ表している。
つS偏光の透過率5%以下の条件を満足する連続した波
長範囲の幅を評価関数に用いた場合の、偏光分離可能波
長幅の繰り返し回数依存性を示す図である。図15にお
いて、横軸が繰り返し回数mを、縦軸が偏光分離可能波
長幅をそれぞれ表している。
【0065】図15からわかるように、ある波長幅に対
応しうる偏光ビームスプリッタを実現する場合、偏光分
離素子2の基本構造の繰り返し回数mは、2以上であれ
ば良く、400nm〜700nmという極めて広い波長
域に対応しうる偏光ビームスプリッタを実現するために
は、繰り返し回数mは、3以上(図15のデータでは1
0まで)であることが望ましく、好適には、上述したよ
うに、3以上7以下の整数であることが望ましい。
応しうる偏光ビームスプリッタを実現する場合、偏光分
離素子2の基本構造の繰り返し回数mは、2以上であれ
ば良く、400nm〜700nmという極めて広い波長
域に対応しうる偏光ビームスプリッタを実現するために
は、繰り返し回数mは、3以上(図15のデータでは1
0まで)であることが望ましく、好適には、上述したよ
うに、3以上7以下の整数であることが望ましい。
【0066】また、図15からわかるように、m=5の
当たりにピークがあり、以後僅かに減少していく傾向が
ある。したがって、実用的には、繰り返し回数mは4ま
たは5で十分である。
当たりにピークがあり、以後僅かに減少していく傾向が
ある。したがって、実用的には、繰り返し回数mは4ま
たは5で十分である。
【0067】図16は、積層繰り返し回数mが4の場合
のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図で
ある。図16において、横軸が波長を、縦軸が透過率を
それぞれ表している。また、図16において、破線がP
偏光の透過率特性を示し、実線がS偏光の透過率特性を
示している。
のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図で
ある。図16において、横軸が波長を、縦軸が透過率を
それぞれ表している。また、図16において、破線がP
偏光の透過率特性を示し、実線がS偏光の透過率特性を
示している。
【0068】図16に示すように、積層繰り返し回数m
を4とした場合、偏光ビームスプリッタの特性として、
P偏光の透過率83%以上、かつS偏光の透過率5%以
下を想定すると、400nm〜700nmという極めて
広い波長域に対応でき、極めて実用的な偏光ビームスプ
リッタを実現できる。
を4とした場合、偏光ビームスプリッタの特性として、
P偏光の透過率83%以上、かつS偏光の透過率5%以
下を想定すると、400nm〜700nmという極めて
広い波長域に対応でき、極めて実用的な偏光ビームスプ
リッタを実現できる。
【0069】次に、入射光IOの偏光分離素子2への入
射角度について考察する。本実施形態では、上述したよ
うに、入射光IOの偏光分離素子2の光入射面2aへの
入射角度θの中心値が56度近傍に設定されている。
射角度について考察する。本実施形態では、上述したよ
うに、入射光IOの偏光分離素子2の光入射面2aへの
入射角度θの中心値が56度近傍に設定されている。
【0070】実用的には、最適入射角56度近傍から多
少ずれた光線であっても、偏光分離ができた方が望まし
いことは言うまでもない。
少ずれた光線であっても、偏光分離ができた方が望まし
いことは言うまでもない。
【0071】図17は、偏光分離可能波長幅の入射角度
依存性を示す図である。図17において、横軸が中心角
度からのずれを、縦軸が偏光分離可能波長幅をそれぞれ
表している。図17からわかるように、入射角度の中心
値から±5度程度ずれた角度で入射された光線であって
150nm〜300nmの波長範囲で偏光分離を実現で
きる。
依存性を示す図である。図17において、横軸が中心角
度からのずれを、縦軸が偏光分離可能波長幅をそれぞれ
表している。図17からわかるように、入射角度の中心
値から±5度程度ずれた角度で入射された光線であって
150nm〜300nmの波長範囲で偏光分離を実現で
きる。
【0072】最適条件から±3度ずれた場合、並びに±
5度ずれた場合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依
存性のシミュレーション結果を図18〜図21に示す。
5度ずれた場合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依
存性のシミュレーション結果を図18〜図21に示す。
【0073】図18は、繰り返し回数mが4である偏光
分離素子への入射光IOの入射角度が最適条件56度か
ら+3度ずれた場合のP偏光およびS偏光の透過率の波
長依存性を示す図であり、図19は、繰り返し回数mが
4である偏光分離素子への入射光IOの入射角度が最適
条件56度から−3度ずれた場合のP偏光およびS偏光
の透過率の波長依存性を示す図であり、図20は、繰り
返し回数mが4である偏光分離素子への入射光IOの入
射角度が最適条件56度から+5度ずれた場合のP偏光
およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図であり、図
21は、繰り返し回数mが4である偏光分離素子への入
射光IOの入射角度が最適条件56度から−5度ずれた
場合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す
図である。
分離素子への入射光IOの入射角度が最適条件56度か
ら+3度ずれた場合のP偏光およびS偏光の透過率の波
長依存性を示す図であり、図19は、繰り返し回数mが
4である偏光分離素子への入射光IOの入射角度が最適
条件56度から−3度ずれた場合のP偏光およびS偏光
の透過率の波長依存性を示す図であり、図20は、繰り
返し回数mが4である偏光分離素子への入射光IOの入
射角度が最適条件56度から+5度ずれた場合のP偏光
およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図であり、図
21は、繰り返し回数mが4である偏光分離素子への入
射光IOの入射角度が最適条件56度から−5度ずれた
場合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す
図である。
【0074】図18〜図21において、横軸が波長を、
縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図18〜図
21において、破線がP偏光の透過率特性を示し、実線
がS偏光の透過率特性を示している。
縦軸が透過率をそれぞれ表している。また、図18〜図
21において、破線がP偏光の透過率特性を示し、実線
がS偏光の透過率特性を示している。
【0075】図18および図19からわかるように、最
適条件から±3度ずれた入射角度59度および56度の
場合、最適条件下の特性を示す図16に比べて、多少波
形が乱れているが、なお広波長域に亘ってP偏光の透過
率83%以上、かつS偏光の透過率5%以下の条件を満
たしている。
適条件から±3度ずれた入射角度59度および56度の
場合、最適条件下の特性を示す図16に比べて、多少波
形が乱れているが、なお広波長域に亘ってP偏光の透過
率83%以上、かつS偏光の透過率5%以下の条件を満
たしている。
【0076】また、図20および図21からわかるよう
に、最適条件から±5度ずれた入射角度61度および5
1度の場合、最適条件下の特性を示す図16に比べて、
さらに波形が乱れているが、±3度ずれた場合に比べて
狭まるものの、なお広波長域に亘ってP偏光の透過率8
3%以上、かつS偏光の透過率5%以下の条件を満たし
ている。
に、最適条件から±5度ずれた入射角度61度および5
1度の場合、最適条件下の特性を示す図16に比べて、
さらに波形が乱れているが、±3度ずれた場合に比べて
狭まるものの、なお広波長域に亘ってP偏光の透過率8
3%以上、かつS偏光の透過率5%以下の条件を満たし
ている。
【0077】以上説明したように、本発明によれば、入
射光OIに対して所定の屈折率を有する光学的に透明な
高屈折率層Hと、高屈折率層Hを挟むように配置された
高屈折率層Hより低い屈折率の光学的に透明な第1の低
屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造
膜LHLを含み、この基本構造の繰り返し構造(LH
L)m (ただしmは2以上の整数で、好適には3〜7)
を有する偏光分離素子2と、偏光分離素子2の光入射面
2aおよび光透過面2bに対して接し、偏光分離素子2
を挟むように形成された透明基板3とを有するので、膜
構成は極めて単純、かつ必要な層の数が少なくて済むた
めに安価な製造が可能となる利点がある。そしてこの構
成を用いれば、偏光ビームスプリットが組みこまれた光
学素子全体の価格が下がることにもつながる。
射光OIに対して所定の屈折率を有する光学的に透明な
高屈折率層Hと、高屈折率層Hを挟むように配置された
高屈折率層Hより低い屈折率の光学的に透明な第1の低
屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる基本構造
膜LHLを含み、この基本構造の繰り返し構造(LH
L)m (ただしmは2以上の整数で、好適には3〜7)
を有する偏光分離素子2と、偏光分離素子2の光入射面
2aおよび光透過面2bに対して接し、偏光分離素子2
を挟むように形成された透明基板3とを有するので、膜
構成は極めて単純、かつ必要な層の数が少なくて済むた
めに安価な製造が可能となる利点がある。そしてこの構
成を用いれば、偏光ビームスプリットが組みこまれた光
学素子全体の価格が下がることにもつながる。
【0078】また、本偏光ビームスプリッタは入射角5
6度において優れた偏光分離特性を持つ。また、偏光分
離素子2の低屈折率材料としてSiO2 (n=1.4
6)を、高屈折率材料としてTiO2 (n=2.44)
を各々用いると、Lは94.2nm・Hは56.4nm
となり、繰り返し1回分あたりの膜厚は約250nmと
なる。透明基板としては一般的光学ガラス(BK7)を
使用することができ、この素子は56度近傍の角度での
入射光に対し最大限の偏光分離性能を示す。これらの組
み合わせの場合は、上述の基本構造になんらの補正を加
える必要がなく、極めて単純な構成で高い性能が得られ
る。また、膜の繰り返し回数mは実用上4で十分であ
り、この時の積層数は僅かに9層であり膜厚は1μmに
すぎない。以上のように構成された本発明に係る積層薄
膜プリズム型偏光ビームスプリッタは高い生産性を有
し、大量生産により安価に市場に提供できることにな
る。
6度において優れた偏光分離特性を持つ。また、偏光分
離素子2の低屈折率材料としてSiO2 (n=1.4
6)を、高屈折率材料としてTiO2 (n=2.44)
を各々用いると、Lは94.2nm・Hは56.4nm
となり、繰り返し1回分あたりの膜厚は約250nmと
なる。透明基板としては一般的光学ガラス(BK7)を
使用することができ、この素子は56度近傍の角度での
入射光に対し最大限の偏光分離性能を示す。これらの組
み合わせの場合は、上述の基本構造になんらの補正を加
える必要がなく、極めて単純な構成で高い性能が得られ
る。また、膜の繰り返し回数mは実用上4で十分であ
り、この時の積層数は僅かに9層であり膜厚は1μmに
すぎない。以上のように構成された本発明に係る積層薄
膜プリズム型偏光ビームスプリッタは高い生産性を有
し、大量生産により安価に市場に提供できることにな
る。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
単純な膜構成と少ない積層数にて広帯域の偏光分離機能
を有する安価な偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビ
ームスプリッタを実現できる利点がある。
単純な膜構成と少ない積層数にて広帯域の偏光分離機能
を有する安価な偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビ
ームスプリッタを実現できる利点がある。
【図1】本発明に係る偏光分離素子を採用した積層薄膜
プリズム型偏光ビームスプリッタの一実施形態を模式的
に示す構成図である。
プリズム型偏光ビームスプリッタの一実施形態を模式的
に示す構成図である。
【図2】積層繰り返し回数mが3の場合の偏光分離素子
の積層繰り返し構造を示す図である。
の積層繰り返し構造を示す図である。
【図3】積層繰り返し回数mが4の場合の偏光分離素子
の積層繰り返し構造を示す図である。
の積層繰り返し構造を示す図である。
【図4】TiO2 の光学定数(屈折率)nの波長分散依
存性を示す図である。
存性を示す図である。
【図5】TiO2 の光学定数(消衰係数)kの波長分散
依存性を示す図である。
依存性を示す図である。
【図6】SiO2 の光学定数(屈折率)nの波長依存性
を示す図である。
を示す図である。
【図7】積層繰り返し回数mが3〜7におけるP偏光透
過率の波長依存性を示す図である。
過率の波長依存性を示す図である。
【図8】積層繰り返し回数mが1,2におけるP偏光透
過率の波長依存性を示す図である。
過率の波長依存性を示す図である。
【図9】積層繰り返し回数mが3〜7におけるP偏光反
射率の波長依存性を示す図である。
射率の波長依存性を示す図である。
【図10】積層繰り返し回数mが1,2におけるP偏光
反射率の波長依存性を示す図である。
反射率の波長依存性を示す図である。
【図11】積層繰り返し回数mが3〜7におけるS偏光
透過率の波長依存性を示す図である。
透過率の波長依存性を示す図である。
【図12】積層繰り返し回数mが1,2におけるS偏光
透過率の波長依存性を示す図である。
透過率の波長依存性を示す図である。
【図13】積層繰り返し回数mが3〜7におけるS偏光
反射率の波長依存性を示す図である。
反射率の波長依存性を示す図である。
【図14】積層繰り返し回数mが1,2におけるS偏光
反射率の波長依存性を示す図である。
反射率の波長依存性を示す図である。
【図15】P偏光の透過率83%以上、かつS偏光の透
過率5%以下の条件を満足する連続した波長範囲の幅を
評価関数に用いた場合の、偏光分離可能波長幅の繰り返
し回数依存性を示す図である。
過率5%以下の条件を満足する連続した波長範囲の幅を
評価関数に用いた場合の、偏光分離可能波長幅の繰り返
し回数依存性を示す図である。
【図16】積層繰り返し回数mが4の場合のP偏光およ
びS偏光の透過率の波長依存性を示す図である。
びS偏光の透過率の波長依存性を示す図である。
【図17】偏光分離可能波長幅の入射角度依存性を示す
図である。
図である。
【図18】繰り返し回数mが4である偏光分離素子への
入射光の入射角度が最適条件56度から+3度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
入射光の入射角度が最適条件56度から+3度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
【図19】繰り返し回数mが4である偏光分離素子への
入射光の入射角度が最適条件56度から−3度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
入射光の入射角度が最適条件56度から−3度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
【図20】繰り返し回数mが4である偏光分離素子への
入射光の入射角度が最適条件56度から+5度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
入射光の入射角度が最適条件56度から+5度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
【図21】繰り返し回数mが4である偏光分離素子への
入射光の入射角度が最適条件56度から−5度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
入射光の入射角度が最適条件56度から−5度ずれた場
合のP偏光およびS偏光の透過率の波長依存性を示す図
である。
【符号の説明】
1…偏光ビームスプリッタ、2…偏光分離素子、2a…
光入射面、2b…光透過面、3…透明基板、H…高屈折
率層、L…低屈折率層、L1…第1の低屈折率層、L2
…第2の低屈折率層、LHL1…第1の基本構造膜、L
HL2…第2の基本構造膜、LHL3…第3の基本構造
膜、LHL4…第4の基本構造膜。
光入射面、2b…光透過面、3…透明基板、H…高屈折
率層、L…低屈折率層、L1…第1の低屈折率層、L2
…第2の低屈折率層、LHL1…第1の基本構造膜、L
HL2…第2の基本構造膜、LHL3…第3の基本構造
膜、LHL4…第4の基本構造膜。
Claims (20)
- 【請求項1】 所定の角度をもって入射する入射光の第
1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過方向とは異なる
方向に反射する偏光分離素子であって、 上記入射光に対して所定の屈折率を有する光学的に透明
な高屈折率層Hと、上記高屈折率層Hを挟むように配置
された当該高屈折率層より低い屈折率の光学的に透明な
第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる
基本構造膜LHLを含み、 上記基本構造の繰り返し構造(LHL)m を有する偏光
分離素子。 - 【請求項2】 上記高屈折率層の厚さ、並びに第1の低
屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、入射光の基
準波長に基づいて設定されている請求項1記載の偏光分
離素子。 - 【請求項3】 上記入射光の基準波長をλ0 とすると
き、上記高屈折率層の厚さ、並びに第1の低屈折率層お
よび第2の低屈折率層の厚さは、基準波長を所定の整数
で除した値に相当する光学的厚さに設定されている請求
項1記載の偏光分離素子。 - 【請求項4】 上記基本構造の繰り返し回数mは、3以
上の整数である請求項1記載の偏光分離素子。 - 【請求項5】 上記基本構造の繰り返し回数mは、3以
上7以下の整数である請求項1記載の偏光分離素子。 - 【請求項6】 上記入射光の光学膜面への入射角度の中
心値が56度近傍に設定されている請求項1記載の偏光
分離素子。 - 【請求項7】 上記入射光の光学膜面への入射角度の中
心値が56度近傍に設定されている請求項5記載の偏光
分離素子。 - 【請求項8】 上記高屈折率層は、入射光の基準波長を
含む所定範囲において光学定数nの波長分散特性を有
し、かつ上記基準波長より短い所定波長以上において消
衰係数が略ゼロに漸近する特性を有する材料を含み、 上記第1および第2の低屈折率層は、入射光の基準波長
を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特性を有
し、かつ略全波長域で消衰係数が略ゼロである材料を含
む請求項1記載の偏光分離素子。 - 【請求項9】 互いに隣接する基本構造膜は、第1の低
屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lを共有するように
形成されている請求項1記載の偏光分離素子。 - 【請求項10】 所定の角度をもって入射する入射光の
第1の偏光を透過させ、第2の偏光を透過方向とは異な
る方向に反射する偏光ビームスプリッタであって、 上記入射光に対して所定の屈折率を有する光学的に透明
な高屈折率層Hと、上記高屈折率層Hを挟むように配置
された当該高屈折率層より低い屈折率の光学的に透明な
第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率層Lからなる
基本構造膜LHLを含み、上記基本構造の繰り返し構造
(LHL)m を有する偏光分離素子と、 上記偏光分離素子の光入射面および光透過面に対して接
するように配置された透明基板とを有する偏光ビームス
プリッタ。 - 【請求項11】 上記偏光分離素子の高屈折率層の厚
さ、並びに第1の低屈折率層および第2の低屈折率層の
厚さは、入射光の基準波長に基づいて設定されている請
求項10記載の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項12】 上記入射光の基準波長をλ0 とすると
き、上記偏光分離素子の高屈折率層の厚さ、並びに第1
の低屈折率層および第2の低屈折率層の厚さは、基準波
長を所定の整数で除した値に相当する光学的厚さに設定
されている請求項10記載の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項13】 上記偏光分離素子の基本構造の繰り返
し回数mは、3以上の整数である請求項10記載の偏光
ビームスプリッタ。 - 【請求項14】 上記偏光分離素子の基本構造の繰り返
し回数mは、3以上7以下の整数である請求項10記載
の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項15】 上記入射光の上記偏光分離素子の光学
膜面への入射角度の中心値が56度近傍に設定されてい
る請求項10記載の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項16】 上記入射光の上記偏光分離素子の光学
膜面への入射角度の中心値が56度近傍に設定されてい
る請求項14記載の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項17】 上記偏光分離素子の上記高屈折率層
は、入射光の基準波長を含む所定範囲において光学定数
nの波長分散特性を有し、かつ上記基準波長より短い所
定波長以上において消衰係数が略ゼロに漸近する特性を
有する材料を含み、 上記第1および第2の低屈折率層は、入射光の基準波長
を含む所定範囲において光学定数nの波長分散特性を有
し、かつ略全波長域で消衰係数が略ゼロである材料を含
む請求項10記載の偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項18】 上記偏光分離素子の上記高屈折率層の
屈折率は、上記透明基板の屈折率より高く設定され、 上記第1および第2の低屈折率層の屈折率は、上記透明
基板の屈折率より低く設定されている請求項10記載の
偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項19】 上記偏光分離素子の上記高屈折率層の
屈折率は、上記透明基板の屈折率より高く設定され、 上記第1および第2の低屈折率層の屈折率は、上記透明
基板の屈折率より低く設定されている請求項17記載の
偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項20】 上記偏光分離素子の互いに隣接する基
本構造膜は、第1の低屈折率層Lおよび第2の低屈折率
層Lを共有するように形成されている請求項10記載の
偏光ビームスプリッタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001213231A JP2003029031A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビームスプリッタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001213231A JP2003029031A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビームスプリッタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003029031A true JP2003029031A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19048246
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001213231A Pending JP2003029031A (ja) | 2001-07-13 | 2001-07-13 | 偏光分離素子およびそれを用いた偏光ビームスプリッタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003029031A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008181074A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-08-07 | Ricoh Co Ltd | 偏光ビームスプリッタおよび偏光変換素子 |
-
2001
- 2001-07-13 JP JP2001213231A patent/JP2003029031A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008181074A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-08-07 | Ricoh Co Ltd | 偏光ビームスプリッタおよび偏光変換素子 |
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