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JP2003014742A - 生物学的素材チップ - Google Patents

生物学的素材チップ

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Publication number
JP2003014742A
JP2003014742A JP2001168969A JP2001168969A JP2003014742A JP 2003014742 A JP2003014742 A JP 2003014742A JP 2001168969 A JP2001168969 A JP 2001168969A JP 2001168969 A JP2001168969 A JP 2001168969A JP 2003014742 A JP2003014742 A JP 2003014742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
group
chip according
nucleic acid
chip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001168969A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Inomata
弘子 猪股
Masayoshi Kojima
政芳 小島
Yukio Sudo
幸夫 須藤
Hiroshi Shinoki
浩 篠木
Osamu Seshimoto
修 瀬志本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001168969A priority Critical patent/JP2003014742A/ja
Priority to DE60208946T priority patent/DE60208946T2/de
Priority to EP02008190A priority patent/EP1258731B1/en
Priority to AT02008190T priority patent/ATE317123T1/de
Priority to US10/126,781 priority patent/US20030003480A1/en
Publication of JP2003014742A publication Critical patent/JP2003014742A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速かつ安定に結合固定可能な反応性固相担
体に少なくとも一つのタンパク質又はタンパク質結合物
質(但し、核酸を除く)が結合固定されてなるチップ、
及びそのチップを用いた特異的結合標的物質の検出方法
を提供すること。 【解決手段】 有機物質により形成された凹凸を有する
固相担体に、少なくとも一つのタンパク質又はタンパク
質結合物質(但し、核酸を除く)の残基であるAが、下
記式(I)のようにスルホニル基を介した共有結合によ
り結合していることを特徴とする生物学的素材チップ; 固相担体―L―SO2―X―A (I) [式(I)において、Lは連結基を表わし、Xは、−C
1(R2)−CR3(R4)−を表わし;R1、R2、R3
及びR4は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1乃
至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20のアリール
基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計
炭素原子数が7乃至26のアラルキル基を表し、Aはタ
ンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)
の残基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテオーム解析
・プロテオミクスに非常に有用であるタンパク質又はタ
ンパク質結合物質(但し、核酸を除く)を固相表面に固
定化したチップ、および該チップを用いた検出方法、さ
らにはその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多彩な生物の遺伝子機能を効率的に解析
するための技術開発が急速に進んでおり、それらのDN
AもしくはDNA断片の塩基配列の解析のために、DN
Aチップとよばれる、多数のDNA断片あるいは合成オ
リゴヌクレオチドなどのヌクレオチド誘導体を固相基板
の表面に固定した検出用具が用いられている。このよう
な固相基板の表面に結合固定されたヌクレオチド誘導体
などの、DNAもしくはその断片あるいは合成オリゴヌ
クレオチドのような検出用分子はプローブ分子とも呼ば
れる。代表的なDNAチップは、スライドガラス等の固
相担体に多数のプローブ分子を整列固定させたマイクロ
アレイである。このDNAチップの製造、そしてその使
用に関するDNAチップ関連技術は、DNA以外の生体
分子の検出にも利用可能であると考えられ、従って、創
薬研究、疾病の診断や予防法の開発等に新しい手段を提
供するものとして期待されている。
【0003】一方、ゲノム解析もほぼ終わり、遺伝子情
報の持つ意味を最終的に理解し、細胞の生命活動をシミ
ュレートするために不可欠な情報を提供する「プロテオ
ーム・プロテオミクス」研究が進められている。プロテ
ロームとは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産さ
れているタンパク質の全セットを意味し、さらには化学
構造、総量、発現時期、翻訳後修飾、集合体形成などの
高次情報解析の研究分野のことを「プロテオミクス」と
呼ぶ。
【0004】プロテオーム研究は、タンパク質のプロフ
ァイリング、タンパク質の同定・精密分析、相互作用ネ
ットワーク解析、プロテオームデータベースの構築から
なり、それを生命科学研究への応用していくという分野
である。
【0005】このうち、相互作用ネットワーク解析法と
しては、酵母two?hybrid法やファージディス
プレイ法、アフィニティキャプチャーを利用した方法と
して免疫沈降法やBIA―MS法、カラムスイッチング
―質量分析法などが行われている(プロテオーム解析
法、163―211、羊土社、2000)。以上に挙げ
た相互作用解析方法はいずれも、ハイスループット解析
には至っていない。
【0006】Schreiberらにより、ハイスルー
プットなタンパク質の相互作用解析のためのタンパク質
マイクロアレイに関する報告がなされた(Scienc
e、289,1760―1763、2000)。これ
は、アルデヒド基をもったスライドガラス上にタンパク
質水溶液を点着し、BSA溶液でブロッキング後、タン
パク溶液と反応させ蛍光スキャナーで検出するものであ
る。この場合はアルデヒド基とアミノ基との反応生成物
であるシッフ塩基の安定性が低い(通常、加水分解が起
こり易い)という問題点を有する。
【0007】このほかタンパク質を固相に固定化される
方法として、特公平7―53108号公報には、タンパ
ク質の末端に疎水性のポリペプチドを導入して、固相に
固定化する方法が記載されている。
【0008】特許2922040号には、プロテインA
分子膜による抗体タンパク質を固定化する方法が記載さ
れている。
【0009】特公平7―43380号公報(米国特許第
5094962号明細書に対応)には、リガンド―受容
体アッセイに用いる検出用具であって、表面に反応活性
基を有する微孔質ポリマー粒子の表面に受容体分子を結
合させた分析用具が記載されている。
【0010】国際公開WO00/61282号には、多
孔性の固相担体に関する記載がある。主に無機物質の粒
子を表面に塗布することで、支持体からの厚みを0.0
1〜70μmとし、空隙率が10〜90%となってい
る。この多孔性固相担体を用いると、表面積が大きくな
るため生物ポリマーの固定量を上げられるメリットを有
する。しかしながら、この場合には、(1)蛍光、発
光、RI等で検出する場合、励起光や発光物質などによる
散乱が増大し、バックグラウンドが高くなる;(2)ス
ポット時の液の浸透が多いので、スポット径を小さくす
る事が困難で、高密度アレイを作成する事が困難であ
る;(3)標識検体が粒子間の空隙に入り込むため、洗
浄工程を十分に行う事が必要で、不十分な場合にはバッ
クグラウンドが高く事が良くある:といった問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、迅速かつ安
定に結合固定可能な反応性固相担体に少なくとも一つの
タンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除
く)が結合固定されてなるチップ、及びそのチップを用
いた特異的結合標的物質の検出方法を提供することを目
的とする。さらに本発明は、上記チップの製造方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
れば、有機物質により形成された凹凸を有する固相担体
に、少なくとも一つのタンパク質又はタンパク質結合物
質(但し、核酸を除く)の残基であるAが、下記式
(I)のようにスルホニル基を介した共有結合により結
合していることを特徴とする生物学的素材チップが提供
される。 固相担体―L―SO2―X―A (I) [式(I)において、Lは連結基を表わし、Xは、−C
1(R2)−CR3(R4)−を表わし;R1、R2、R3
及びR4は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1乃
至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20のアリール
基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計
炭素原子数が7乃至26のアラルキル基を表し、Aはタ
ンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)
の残基を示す。]
【0013】本発明の第2の側面によれば、上記した本
発明のチップと、該チップの表面に担持されたタンパク
質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)と特異
的に結合する標的物質を含む検体とを接触させる工程;
及び該タンパク質又はタンパク質結合物質と該標的物質
との間の相互の結合の形成を検出する工程;を含む、標
的物質を検出する方法が提供される。
【0014】本発明の第3の側面によれば、下記式(I
I)で表されるビニルスルホニル基もしくはその反応性
前駆体基を表面に持ち、有機物質により形成された凹凸
を有する固相担体上に、該ビニルスルホニル基もしくは
その反応性前駆体基と反応して共有結合を形成する反応
性基を有する少なくとも一つのタンパク質又はタンパク
質結合物質(但し、核酸を除く)を接触させることを含
む、本発明のチップの製造方法が提供される。 −L―SO2―X’ (II) [上記の式において、Lは、―SO2―X’と固相担体
とを結合する連結基を示し;X’は、―CR1=CR
2(R3)または―CH(R1)―CR2(R3)(Y)を
表し;R1、R2及びR3は互いに独立に、水素原子、炭
素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20
のアリール基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を
有する合計炭素原子数7乃至26のアラルキル基を表
し、Yは、求核試薬によって置換される基、あるいは塩
基によって「HY」として脱離する基を表す]
【0015】本発明の好ましい態様を以下に記載する。
表面に固定されたタンパク質又はタンパク質結合物質
(但し、核酸を除く)が、抗体、抗体フラグメント、リ
ガンド、抗原、ハプテン、又はレセプターである態様;
表面に固定されたタンパク質又はタンパク質結合物質
(但し、核酸を除く)がアビジン類である態様;アビジ
ン類が、アビジン、ストレプトアビジンまたはビオチン
と安定な複合体を形成しうるこれらの改変体である態
様;表面に固定されたタンパク質が、核酸認識タンパク
質である態様;核酸認識タンパク質が2本鎖DNA認識
タンパク質である態様;
【0016】2本鎖DNA認識タンパク質が2本鎖DN
A認識抗体である態様;2本鎖DNA認識タンパク質が
DNA転写因子である態様;2本鎖DNA認識タンパク
質がZnフィンガーモチーフまたはリングフィンガーモ
チーフをもつタンパク質である態様;凹凸を形成する有
機物質が、高分子ポリマ−または高分子ポリマ−の凝集
体である態様;固相担体がガラス、プラスチック、電極
表面、センサーチップ表面である態様;標的物質が検知
可能なシグナルを生成しうる少なくとも一つの成分で標
識されている態様;チップをアミノ酸、ペプチドもしく
はタンパク質の水溶液でブロッキング処理する工程を含
む態様;
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、有機物質により形成さ
れた凹凸を有する固相担体に、少なくとも一つのタンパ
ク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)の残
基であるAが、下記式(I)のようにスルホニル基を介
した共有結合により結合していることを特徴とする生物
学的素材チップに関するものである。 固相担体―L―SO2―X―A (I) [上記の式において、Lは連結基を表わし、Xは、−C
1(R2)−CR3(R4)−を表わし;R1、R2、R3
及びR4は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1乃
至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20のアリール
基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計
炭素原子数が7乃至26のアラルキル基を表し、Aはタ
ンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)
の残基を示す。]
【0018】固定するタンパク質又はタンパク質結合物
質(但し、核酸を除く)の代表的な例としては、限定さ
れるものでないが、抗体もしくは抗体フラグメント、リ
ガンド、抗原、ハプテンなどの抗原決定基をもつもの、
レセプター、リガンド、アビジン類、核酸認識タンパク
質が挙げられる。核酸認識タンパク質の代表的な例とし
ては、2本鎖認識タンパク質が挙げられる。
【0019】アビジン類としては、アビジン、ストレプ
トアビジンまたはビオチンと安定な複合体を形成しうる
これらの改変体が挙げられる。かような安定な複合体を
形成しうるとは、ビオチン−アビジン複合体の解離定数
(10-15M)に近似する解離定数を有する複合体を形
成することができることを意味する。また改変体とは、
天然由来のアビジンまたはストレプトアビジンの修飾体
もしくは断片、あるいはそれらの組換え体を意味する。
【0020】核酸認識タンパク質として特に限定される
ものではないが、2本鎖DNA認識物質が挙げられる。
2本鎖DNA認識物質としては、2本鎖DNAを認識
し、特異的に結合する物質を示す。2本鎖DNA認識物
質の具体例としては、DNA転写因子、ミスマッチ修復
タンパク質、2本鎖DNA認識抗体、又はペプチド核酸
などを挙げることができる。さらに、2本鎖DNA認識
物質としては、Znフィンガーモチーフまたはリングフ
ィンガーモチーフを持つものも挙げられる。
【0021】DNA転写因子は、遺伝子上のプロモータ
ー領域に結合して、DNAからmRNAへの転写を制御
する物質である(田村隆明著:転写因子(羊土社 19
95年))。従って、転写因子は特定の配列の2本鎖D
NAに特異的に結合することが知られている。
【0022】多数ある転写因子のうち、Zinc Fi
nger ProteinつまりZinc Finge
rやRing Fingerモチーフをもつ転写因子群
は、真核生物における出現率は非常に高く、ゲノム中の
1%はこれをコードしているらしい。Pabo等はZi
nc Figerモチーフの3次構造を解析、DNAと
結合するメカニズムの解明した(Science,25
2, 809(1991))。さらに、Choo等は、
遺伝子組換法により、特定の配列に結合する自然界には
ないZinc Finger Protein群を作製
することに成功している(Nature 372,64
2[1994],PNAS91,11163(199
4))。さらに、Scripps Research
InstituteのグループはPhage Disp
layにより新規なZinc Finger Prot
ein群の作製に成功している(PNAS95,281
2,[1998]:96,2758(1999))。こ
のように、Zinc Finger Proteinに
代表されるDNA転写因子群は、本来2本鎖DNAと結
合する性質をもっており、かつ近年の研究によれば、任
意のDNA配列を認識する組換体の作製も可能となって
きている。このような、タンパク質を固定化することに
より、2本鎖DNAを効率良く支持体上に捕捉すること
が可能である。
【0023】その他、核酸結合物質としてヘリックス・
ループ・ヘリックスタンパク質やEtsドメインを持つ
ものも挙げられる。
【0024】また、固定するタンパク質結合物質(但
し、核酸を除く)としては、ハプテン、ビオチン類(ビ
オチン、ビオシチン、デスチオビオチン、オキシビオチ
ンまたはアビジンと安定な複合体を形成しうるこれらの
誘導体が挙げられる。このような安定な複合体を形成し
うるとは、ビオチン−アビジン複合体の解離定数 (1
-15M)に近似する解離定数を有する複合体を形成す
ることができることを意味する。さらには、ペプチド、
糖類、ホルモン、医薬、抗生物質などが挙げられる。
【0025】凹凸を有する固相担体に固定するタンパク
質又は又はタンパク質結合物質は、その内在するアミノ
基もしくはメルカプト基によってスルホニル基を介した
共有結合を形成する。さらに、タンパク質にアミノ基、
イミノ基、ヒドラジノ基、カルバモイル基、ヒドラジノ
カルボニル基、メルカプト基、もしくはカルボキシイミ
ド基などを導入し、スルホニル基を介した共有結合を形
成させてもよい。
【0026】凹凸を有する固相担体にタンパク質又はタ
ンパク質結合物質(例えば、抗体やアビジン類、核酸認
識タンパク質)が固定されたチップは、水性媒体の存在
下、該固定タンパク質又はタンパク質結合物質と特異的
に反応する標的物質(例えばリガンドやビオチン類、核
酸)と接触させて、その標的物質を固定することができ
る。固定すべき特異的結合性の標的物質(例えばリガン
ドやビオチン類、核酸)はその固定を外部から検知する
ことが可能なように検知可能な標識(例、蛍光標識、酵
素標識など)が結合していることが望ましい
【0027】固相担体としては、特異的結合パートナー
の一員相互間の結合形成に悪影響を及ぼさないものであ
れば、その形状は、例えば、平板、マイクロウエル、ビ
ーズ、スティック等のいずれをとることもできる。それ
らの表面の性状は、特に疎水性、あるいは親水性の低
い、表面が平滑な基板であることが好ましい。また、そ
の表面が凹凸を有する平面性の低い基板も用いることが
できる。固相担体の材質としては、ガラス、セメント、
陶磁器等のセラミックスもしくはニューセラミックス、
ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ビスフ
ェノールAのポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート等のポリマー、シリコン、活性炭、
多孔質ガラス、多孔質セラミックス、多孔質シリコン、
多孔質活性炭、織編物、不織布、濾紙、短繊維、メンブ
レンフィルターなどの各種の多孔質物質を挙げることが
できる。多孔質物質の細孔の大きさは、2乃至1000
nmの範囲にあることが好ましく、2乃至500nmの
範囲にあることが特に好ましい。固相担体の材質は、ガ
ラスもしくはシリコンであることが特に好ましい。これ
は、表面処理の容易さや電気化学的方法による解析の容
易さによるものである。固相担体の厚さは、100乃至
2000μmの範囲にあることが好ましい。また、操作
の便宜上、固相担体は磁性体や電極の形態に加工されて
いてもよい。
【0028】本発明による有機物質により形成された凹
凸を有する固相担体としては、従来よりDNAチップの
製造に用いられているか、あるいはDNAチップの製造
用として提案されている各種の固相担体が好ましく、そ
のままタンパクチップとて利用することができる。その
ような固相担体の例としては、ガラス基板、樹脂基板、
シランカップリング剤で表面処理されたガラス基板、も
しくは樹脂基板、あるいは表面に被覆層を有するガラス
基板もしくは樹脂基板などをあげることができる。固相
担体としては、特に、ケイ酸ガラス基板、シランカップ
リング剤で表面処理されたケイ酸ガラス基板、あるいは
有機質被覆層で被覆されたケイ酸ガラス基板であること
が好ましい。また、電気化学的な分析方法に用いる電極
基板であってもよい。また、前述の表面プラズモン共鳴
(SPR)バイオセンサ用基板、電荷結合素子(CC
D)などの各種の機能性基板であってもよい。さらに、
これらの基板以外にも、粒子状の固相担体なども用いる
ことができる。
【0029】また、凹凸性の有機物質としては、グルコ
−ス、フルクト−ス等の単糖類またはその誘導体、デキ
ストラン、アミロ−ス、デンプン等の多糖類またはその
誘導体、例えばカルボキシメチルスタ−チ。PVA、ポ
リアクリル酸、セルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−
ス、ポリアセタ−ル、等の高分子ポリマ−が挙げられ
る。特に水酸基を持った有機物質は、シランカップリン
グ剤と併用する事で、凝集体を形成する事ができ、凹凸
を容易に形成する事ができる。凹凸の大きさ(高さ)は
50ミクロン以下が好ましい。アミノ化シランカップリン
グ剤を用いると、凹凸と同時に表面にアミノ基を導入す
ることができる。またTMOS、TEOSを用いて、ま
ず凹凸を形成して、次にアミノ化シランカップリング剤
を反応させ、表面にアミノ基を導入することも可能であ
る。
【0030】本発明において、チップ上のタンパク質又
はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)Aは下記の
式(I)のようにスルホニル基を介した共有結合によ
り、有機物質により形成された凹凸を有する固相担体に
結合されている。 固相担体−L−SO2−X−A (I)
【0031】式(I)において、Lは連結基を表わし、
Xは、−CR1(R2)−CR3(R4)−を表わし;
1、R2、R3及びR4は、互いに独立に、水素原子、炭
素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20
のアリール基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を
有する合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル基を表
し、Aはタンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核
酸を除く)の残基を示す。
【0032】式(I)において、Lは、―SO2―X―
Aと固相担体とを結合する二価もしくはそれ以上の連結
基を示す。−L−の具体例としては、Lとしては、脂肪
族、芳香族、ヘテロ環、ヘテロ原子で中断されていても
よい炭化水素鎖から選ばれる任意の連結基、さらにこれ
らの組み合わせから選ばれる連結基を用いることがで
き、また、Lは単結合であってもよい。
【0033】式(I)において、炭素原子数1乃至6の
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、及びn−ヘキシル基を挙げる
ことができ、メチル基であることが特に好ましい。炭素
原子数6乃至20のアリール基の具体例としては、フェ
ニル基及びナフチル基を挙げることができる。R1、R2
及びR3は共に水素原子であることが好ましい。炭素原
子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数7乃
至26のアラルキル基の例としては、上記した炭素原子
数1乃至6のアルキル基の例と炭素原子数6乃至20の
アリール基の例とを組み合わせたものが挙げられる。
【0034】本発明はさらに、上記した本発明のチップ
と、該チップの表面に担持されたタンパク質又はタンパ
ク質結合物質(但し、核酸を除く)と特異的に結合する
標的物質を含む検体とを接触させる工程;及び該タンパ
ク質又はタンパク質結合物質と該標的物質との間の相互
の結合の形成を検出する工程;を含む、標的物質を検出
する方法に関する。
【0035】本発明でいう「検体」の種類は特に制限さ
れず、例えば、末梢静脈血のような血液、白血球、血
清、尿、糞便、精液、唾液、培養細胞、各種臓器細胞の
ような組織細胞、その他核酸を含有する任意の試料を用
いることができる。検体は上記のような組織細胞などの
試料をそのまま使用してもよいが、好ましくは、検体試
料中の細胞を破壊して核酸、リガンドなどを遊離させた
ものを検体として使用する。検体試料中の細胞の破壊
は、常法により行うことができ、例えば、振とう、超音
波等の物理的作用を外部から加えて行うことができる。
また、核酸抽出溶液(例えば、SDS、Triton-X、Twee
n-20等の界面活性剤、又はサポニン、EDTA、プロテ
ア―ゼ等を含む溶液等)を用いて、細胞から核酸を遊離
させることもできる。核酸抽出溶液を用いて核酸を溶出
する場合には、37℃以上の温度でインキュベ―トするこ
とにより反応を促進することができる。
【0036】さらに本発明は、下記式(II)で表され
るビニルスルホニル基もしくはその反応性前駆体基を表
面に持ち、有機物質により形成された凹凸を有する固相
担体上に、該ビニルスルホニル基もしくはその反応性前
駆体基と反応して共有結合を形成する反応性基を有する
少なくとも一つのタンパク質又はタンパク質結合物質
(但し、核酸を除く)を接触させることを含む、本発明
のチップの製造方法に関する。 −L―SO2―X’ (II) [式(II)において、Lは、―SO2―X’と固相担
体とを結合する連結基を示し;X’は、―CR1=CR2
(R3)または―CH(R1)―CR2(R3)(Y)を表
し;R1、R2及びR3は互いに独立に、水素原子、炭素
原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20の
アリール基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を有
する合計炭素原子数7乃至26のアラルキル基を表し、
Yは、求核試薬によって置換される基、あるいは塩基に
よって「HY」として脱離する基を表す]
【0037】式(II)において、炭素原子数1乃至6
のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、及びn−ヘキシル基を挙げ
ることができ、メチル基であることが特に好ましい。炭
素原子数6乃至20のアリール基の具体例としては、フ
ェニル基及びナフチル基を挙げることができる。R1
2及びR3は共に水素原子であることが好ましい。炭素
原子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計炭素原子数7
乃至26のアラルキル基の例としては、上記した炭素原
子数1乃至6のアルキル基の例と炭素原子数6乃至20
のアリール基の例とを組み合わせたものが挙げられる。
【0038】式(II)において、Yは、―OH、―O
0、―SH、NH3、NH20(但し、R0は、水素原
子を除く、アルキル基などの基である)などの求核試薬
によって置換される基、あるいは塩基によって「HY」
として脱離する基を表わし、その例としては、ハロゲン
原子、―OSO211、―OCOR12、―OSO3M、あ
るいは四級ピリジニウム基を表わす(R11は、炭素原子
数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が6乃至20の
アリール基、あるいは炭素原子数が1乃至6のアルキル
鎖を有する合計炭素原子数が7乃至26のアラルキル基
を表わし;R12は、炭素原子数が1乃至6のアルキル基
あるいは炭素原子数が1乃至6のハロゲン化アルキル基
を表わし;Mは、水素原子、アルカリ金属原子あるいは
アンモニウム基を表わす)を挙げることができる。
【0039】R11のアルキル基、R11のアリール基、お
よびR11のアラルキル基は、置換基を持っていてもよ
い。このような置換基としては、水酸基、炭素原子数が
1乃至6のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至6のアル
ケニル基、炭素原子数が2乃至7のカルバモイル基、炭
素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が7乃至
16のアラルキル基、炭素原子数が6乃至20のアリー
ル基、スルファモイル基(もしくはそのNa塩、K塩
等)、スルホ基(もしくはそのNa塩、K塩等)、カル
ボン酸基(もしくはそのNa塩、K塩等)、ハロゲン原
子、炭素原子数が1乃至6のアルケニレン基、炭素原子
数が6乃至20のアリーレン基、スルホニル基、および
これらの組み合わせからなる群より選ばれる原子もしく
は基を挙げることができる。
【0040】式(II)において、Lは、―SO2
X’と固相担体とを結合する二価もしくはそれ以上の連
結基を示す。−L−の具体例としては、脂肪族、芳香
族、ヘテロ環、ヘテロ原子で中断されていてもよい炭化
水素鎖から選ばれる任意の連結基、さらにこれらの組み
合わせから選ばれる連結基を用いることができ、また、
Lは単結合であってもよい。上記「―X’」基の好まし
い具体例を以下に示す。
【0041】
【化1】
【0042】「−X’」は、上記具体例中、(X1)、
(X2)、(X3)、(X4)、(X7)、(X8)、
(X13)あるいは(X14)であることが好ましく、
(X1)あるいは(X2)であることがさらに好まし
い。特に好ましいのは、(X1)で表わされるビニル基
である。
【0043】本発明で利用するスルホニル基を介した共
有結合は、加水分解に対して高い抵抗性を有しているた
め、容易に安定に保存することができ、アミノ基やメル
カプト基をを予め備えているタンパク質と迅速に反応し
て、安定な共有結合を形成することができる。
【0044】タンパク質はアミノ基またはメルカプト基
を有しているため通常は改めて別に反応性基を導入する
必要はない。しかしながら、タンパク質の3次元構造は
その機能に大きく関与しているので、タンパク質の活性
が低下する場合は活性とは関係のない特定の位置に反応
基を導入することが好ましい。
【0045】タンパク質又はタンパク質結合物質(但
し、核酸を除く)を点着する場合は水性液を反応性固相
担体の表面に点着することにより実施される。具体的に
は、タンパク質又はタンパク質結合物質を水性媒体に溶
解あるいは分散して水性液としたのち、その水性液を、
96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注
し、分注した水性液をスポッター装置等を用いて固相担
体表面上に滴下して行うことが好ましい。このようにタ
ンパク質又はタンパク質結合物質の点着にはスポッター
装置を用いることもできるが、ピンヘッドの性状によっ
てはタンパク質又はタンパク質結合物質の活性を低下さ
せる可能性もある。その場合は、インクジェット装置な
どを用いることが好ましい場合もありうる。
【0046】点着後のタンパク質又はタンパク質結合物
質の乾燥及び変性を防ぐために、高沸点の物質を添加し
てもよい。高沸点の物質としては、点着後のタンパク質
又はタンパク質結合物質が溶解あるいは分散してなる水
性液に溶解し得るものであって、検出対象の試料との反
応を妨げることがなく、かつ粘性があまり大きくない物
質であることが好ましい。このような物質としては、グ
リセリン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド
および低分子の親水性ポリマーを挙げることができる。
親水性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリエ
チレングリコール、そしてポリアクリル酸ナトリウム等
を挙げることができる。このポリマーの分子量は、10
3乃至106の範囲にあることが好ましい。高沸点の物質
としては、グリセリンあるいはエチレングリコールを用
いることがさらに好ましく、グリセリンを用いることが
特に好ましい。高沸点の物質の濃度は、点着後のタンパ
ク質の活性によって調節することができる。
【0047】同じ目的のために、タンパク質又はタンパ
ク質結合物質を点着した後の固相担体を、90%以上の
湿度および20乃至40℃の温度範囲の環境に置くこと
も好ましい。
【0048】タンパク質又はタンパク質結合物質の固定
量(数)は、固相担体表面に対して、1乃至105種類
/cm2の範囲にあることが好ましい。点着によって、
タンパク質又はタンパク質結合物質の水性液は、固相担
体表面にドットの形状で固定される。ドットの形状は、
ほとんど円形である。それぞれのドット間の距離、大き
さ、点着する際の水性液の容量はその用途によって変動
する。
【0049】図1に、本発明の代表的な態様であるタン
パク質チップの構成を模式的に示す。
【0050】図1の有機物質により形成された凹凸を有
する固相担体(P1)の表面に反応性基(Z)を有する
タンパク質Aを点着させると、Xとタンパク質との反応
が起こるが、固相担体(P1)の表面には該タンパク質
が結合していない未反応のXも存在する。このようなX
は、後に行なわれる標識されたリガンド等との反応にお
いて非特異的な反応を生じる可能性があり、非特異的な
結合を測定してしまうおそれがあるため、予め該Xをブ
ロッキング処理しておくことが好ましい。ブロッキング
処理は、固相担体(P2)の表面に、アミノ基もしくは
メルカプト基を有するものを接触させることによって行
うことが好ましい。反応させるリガンドの非特異的な結
合を防ぐためにはタンパク質ブロッキング剤、即ち、B
SAやカゼイン、ゼラチンなどでブロッキング処理する
ことが好ましい。そうすることで、点着されている部分
以外の固相担体(P2)表面にはBSAなどが存在する
こととなり、リガンドが結合することができなくなる。
また、核酸を反応させる場合には上記タンパク質ブロッ
キング剤のほかに、アミノ基またはメルカプト基を有す
るアニオン性化合物を接触させることによってブロッキ
ング処理することができる。タンパク質と反応するもの
が核酸の場合は、核酸は負の電荷を有するため、固相担
体(P2)表面にも負の電荷を発生させることによっ
て、核酸が未反応のXと反応するのを防ぐことができ
る。このようなアニオン性化合物としては、Xと反応
し、かつ負の電荷(COO-、SO3-、OSO3-、PO3
-、もしくはPO2-)を有するものであれば何れのもの
も用いることができるが、アミノ酸であることが好まし
く、グリシンもしくはシステインであることが特に好ま
しい。また、タウリンも好ましく用いることができる。
【0051】本発明の代表的な態様であるタンパク質チ
ップは、タンパク質相互作用解析、タンパク質発現解
析、創薬研究に利用される。さらに、タンパク質が核酸
結合タンパク質の場合は、その認識核酸配列によっては
変異解析や多型解析に利用することができる。
【0052】検出原理は標識されたリガンドや核酸との
反応である。標識方法としてはRI法と非RI法(蛍光
法、ビオチン法、化学発光法等)とが知られているが、
とくに限定されるものではない。例えば蛍光法の場合、
蛍光標識に利用される蛍光物質としては、核酸の塩基部
分やタンパク質アミノ酸残基と結合できるものであれば
何れも用いることができるが、シアニン色素(例えば、
市販のCy DyeTMシリーズのCy3、Cy5等)、
ローダミン6G試薬、N―アセトキシ―N2―アセチル
アミノフルオレン(AAF)あるいはAAIF(AAF
のヨウ素誘導体)を使用することができる。
【0053】核酸認識タンパク質が固定されたタンパク
チップの場合、検体中の標的核酸は、PCR法などで増
幅することなく直接検出するのが好ましいが、予め増幅
したのちに検出してもよい。標的核酸またはその増幅体
は、予め標識しておくことにより容易に検出可能であ
る。核酸を標識するには、酵素(Reverse Tr
anscriptase, DNA polymera
se RNA Polymerase,Termina
ldeoxytransferaseなど)を用いる方
法がよく用いられるが、化学反応により、直接標識物質
を結合させてもよい。このような標識方法については、
公知の技術として成書に記載されている(野村慎太郎著
脱アイソトープ実験プロトコール1、秀潤社1994
年、脱アイソトープ実験プロトコール2、秀潤社199
8年、村松正明著 DNAマイクロアレイと最新PCR
法標識物質 秀潤社2000年)。標識物質は、検出可
能なシグナルを作ることの可能な物質であることが好ま
しい。標識物質が、酵素や触媒のような、シグナルの増
幅能力のある物質である場合、DNAの検出感度は大き
く向上する。
【0054】しかしながら、前述の標識操作は、一般的
に煩雑であるので、さらに好ましい検出方法としては、
検体中の核酸を予め標識せずに測定する方法を挙げるこ
とができる。これには、例えば2本鎖DNAを認識する
DNA挿入剤、いわゆるDNAインターカレーターを用
いることができる。DNAインターカレーターの使用に
より、検出操作が簡単になるだけではなく、検出感度も
向上する。例えば、1000bpのDNAを検出する場
合、いわゆる標識法は多くとも数個の標識物質しか導入
できないのであるが、インターカレーターを使用する場
合は100個以上の標識物質を導入することが可能であ
る。
【0055】DNAインターカレーターは、そのもの自
体が検出可能なシグナルを形成できる物質であってもよ
いが、その側鎖にシグナル形成物質を結合していたり、
ビオチン―アビジン、抗原―抗体、ハプテン―抗体のよ
うな特異結合対を介してインターカレーターに結合して
いてもよい。本発明における、検出可能なシグナルは、
例えば、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、生物発光
検出、電気化学発光検出、放射能検出、電気化学検出、
比色検出により検出可能なシグナルであることが好まし
いが、これらに限定されるものではない。
【0056】リガンドが標的である場合は、内在してい
るアミノ基にシアニン色素(例えば、市販のCy Dy
eTMシリーズのCy3、Cy5等)、ローダミン6G試
薬、N―アセトキシ―N2―アセチルアミノフルオレン
(AAF)あるいはAAIF(AAFのヨウ素誘導体)
のサクシンイミド体を反応させたものを使用することが
できる。本発明を以下の実施例により、さらに具体的に
説明するが、これらの実施例は、本発明の理解を容易に
するためのものであって、本発明をこれらに限定するこ
とを意図するものではない。
【0057】
【実施例】[実施例1]抗体固定化スライドによるリガ
ンドの検出 (1)ビニルスルホニル基が導入された凹凸性固相担体
(A)の作製 ポリビニルアルコール75mgを1000mlの超純水に溶
かし、溶解後、シランカップリング剤(信越化学工業製KB
E903)を500μl添加し、マグネチックスターラーで1
0分間攪拌する。この液にガラス基板(76mm×26mm)を30
秒間浸してから引き上げ、余分な液を切った後に45℃の
乾燥機で乾燥させる。次にこのガラス基板を110℃のオーフ
゛ンで10分間加熱してシランをガラス基板に固着させる。
さらに前述ガラス基板の冷却後、3重量%1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン/pH8.0
ほう酸緩衝溶液にスライドウォッシャーを使い、120
分間反応させる。反応終了後、超純水で20秒間×3回
水洗する。乾燥は25℃にセットした乾燥機で30分間
行い、凹凸性固相担体(A)が得られた。
【0058】(2)抗体の固定 Goat Anti−Human IgG(Jacks
on ImmunoResearch)をPBSにて希
釈し(100,20、4,0.8,0.16ng/μ
L、1μL)、上記(1)にて作製した固相担体(A)
に点着した。直ちに点着後の固相担体を25℃、飽和食
塩水チャンバーにて3時間放置した後、1%BSA/
0.05%Tween20―PBS(PBS―T)に1
時間浸積することでブロッキング処理し、抗体スライド
(B)を得た。
【0059】(3)リガンドとの反応及び検出 上記(2)で作製した抗体スライド(B)にHybri
Well(GraceBio―Labs)を密着させ
た。Human IgG―Cy5(Jackson I
mmunoResearch)を1%BSA/PBS―
Tにて2μg/mlに希釈し、100μLをHybri
Well内に添加後、モイスチャーチャンバー内にて2
5℃で1時間インキュベートした。次いでこのものを、
PBS−Tで3回洗浄し、PBSでリンス後700rp
mで5分間遠心処理することで乾燥させた。スライドガ
ラス表面の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で測定した
ところ、100ng/μLにて抗体をスポットした位置
では40.2となりバックグランンド蛍光強度より大き
く増加した。従って、本発明の凹凸が有機物質よりなる
固相担体上にスルホニル基を介して抗体を結合させた抗
体固定固相担体を用いることによって、その抗体固定固
相担体に固定されている抗体と反応性を有するリガンド
を効率的に検出できることが分かる。
【0060】[実施例2]抗体固定化スライドによるリ
ガンドの検出 (1)抗体の固定 Rabbit Anti Streptavidin
(Polysience)をPBSにて希釈し(100
ng/μL)、10μLずつ384プレートに分注し
た。カーテシアン製アレイヤー(PixSys550
0)を用いて上記実施例1(1)にて作製した固相担体
(A)に点着した。直ちに点着後の固相担体を25℃、
飽和食塩水チャンバーにて1時間放置した後、1/4×
ブロックエース(大日本製薬)/0.05%Tween
20―PBS(PBS―T)に1時間浸積することでブ
ロッキング処理し、抗体スライド(C)を得た。
【0061】(2)リガンドの標識 1mgのStreptavidin(和光純薬)を40
0μlの0.1M NaHCO3(pH8.0)にて溶
解した。それをCy3−monofunctional
(Amersham Pharmacia Biote
ch)のチューブに移し、室温にて30分間インキュベ
ートした。そこに、100μlの1MTris・HCl
(pH8.0)を添加し、さらに室温にて30分間イン
キュベートすることで反応を停止させた。この反応液を
NAP−5カラム(Amersham Pharmac
ia Biotech)にて精製し、Cy3標識Str
eptavidinを得た。
【0062】(3)リガンドとの反応および検出 上記(1)で作製した抗体スライド(C)にSecur
eSeal Hybridization Chambe
r(SA500,Grace Bio―Labs)を密
着させた。上記(2)で標識したCy3−Strept
avidinを1/4×ブロックエース/PBS―Tに
て2μg/mlに希釈し、500μLをSA500内に
添加後、モイスチャーチャンバー内にて25℃で1時間
インキュベートした。次いでこのものを、PBS―Tで
3回洗浄し、PBSでリンス後700rpmで5分間遠
心処理することで乾燥させた。スライドガラス表面の蛍
光強度を蛍光スキャニング装置で測定したところ、2
6,300となり、バックグランンド蛍光強度より大き
く増加した。従って、本発明の凹凸が有機物質よりなる
固相担体上にスルホニル基を介して抗体を結合させた抗
体固定固相担体を用いることによって、マイクロアレイ
の系でもその抗体固定固相担体に固定されている抗体と
反応性を有するリガンドを効率的に検出できることが分
かる。
【0063】[参考例1]抗体固定化スライドによるリ
ガンドの検出 (1)ビニルスルホニル基が導入された固相担体(D)
の作製 DNAマイクロアレイ用コートスライドグラス(Typ
e2高密度化アミノ基導入タイプ[松浪硝子工業])2
0枚を市販のバスケットに入れ、3重量%1,2−ビス
(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン/pH8.0
ほう酸緩衝溶液に浸積し、スライドウォッシャーを使
い、120分間反応させる。反応終了後、超純水で20
秒間×3回水洗する。乾燥は25℃にセットした乾燥機
で30分間乾燥する。
【0064】(2)抗体の固定 Goat Anti Human IgG(Jacks
on ImmunoResearch)をPBSにて希
釈し(50ng/μL)、10μLずつ384プレート
に分注した。カーテシアン製アレイヤー(PixSys
5500)を用いて上記実施例3(1)にて作製した固
相担体(D)に点着した。直ちに点着後の固相担体を2
5℃、飽和食塩水チャンバーにて1時間放置した後、1
/4×ブロックエース(大日本製薬)/0.05%Tw
een20−PBS(PBS−T)に1時間浸積するこ
とでブロッキング処理し、抗体スライド(E)を得た。
【0065】(3)リガンドとの反応及び検出 上記(1)で作製した抗体スライド(E)にSecur
eSeal Hybridization Chambe
r(SA500,Grace Bio−Labs)を密
着させた。Human IgG−Cy5(Jackso
n ImmunoResearch)を1/4×ブロッ
クエース/PBS―Tにて5,2,1, 0.2, 0.
1μg/mlに希釈し、500μLをSA500内に添
加後、モイスチャーチャンバー内にて25℃で1時間イ
ンキュベートした。次いでこのものを、PBS―Tで3
回洗浄し、PBSでリンス後700rpmで5分間遠心
処理することで乾燥させた。スライドガラス表面の蛍光
強度を蛍光スキャニング装置で測定したところ、5,
2, 1, 0.2, 0.1μg/mlのHuman I
gG―Cy5を添加したスライドでそれぞれ、20,5
37、13,434、10,060、5,213、3,
592となり、0.2〜2μg/mlの範囲ではほぼ直
線性が成り立った(図2)。
【0066】
【発明の効果】本発明により、迅速かつ安定に結合固定
可能な反応性固相担体に少なくとも一つの特異的結合パ
ートナーの一員が結合固定されてなる生物学的素材チッ
プを提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の代表的態様であるタンパク質
チップの構成の模式図である。
【図2】図2は、本発明による抗体固定化スライドを用
いてリガンドを検出した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 G01N 37/00 102 (72)発明者 須藤 幸夫 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 (72)発明者 篠木 浩 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 (72)発明者 瀬志本 修 埼玉県朝霞市泉水3−11−46 富士写真フ イルム株式会社内 Fターム(参考) 4H045 AA11 AA20 AA30 DA00 DA50 DA76 EA50

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物質により形成された凹凸を有する
    固相担体に、少なくとも一つのタンパク質又はタンパク
    質結合物質(但し、核酸を除く)の残基であるAが、下
    記式(I)のようにスルホニル基を介した共有結合によ
    り結合していることを特徴とする生物学的素材チップ; 固相担体―L―SO2―X―A (I) [式(I)において、Lは連結基を表わし、Xは、−C
    1(R2)−CR3(R4)−を表わし;R1、R2、R3
    及びR4は、互いに独立に、水素原子、炭素原子数1乃
    至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20のアリール
    基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を有する合計
    炭素原子数が7乃至26のアラルキル基を表し、Aはタ
    ンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を除く)
    の残基を示す。]
  2. 【請求項2】 表面に固定されたタンパク質又はタンパ
    ク質結合物質(但し、核酸を除く)が、抗体、抗体フラ
    グメント、リガンド、抗原、ハプテン、又はレセプター
    である、請求項1に記載のチップ。
  3. 【請求項3】 表面に固定されたタンパク質又はタンパ
    ク質結合物質(但し、核酸を除く)がアビジン類であ
    る、請求項1に記載のチップ。
  4. 【請求項4】 アビジン類が、アビジン、ストレプトア
    ビジンまたはビオチンと安定な複合体を形成しうるこれ
    らの改変体である、請求項3に記載のチップ。
  5. 【請求項5】 表面に固定されたタンパク質が、核酸認
    識タンパク質であることを特徴とする、請求項1に記載
    のチップ
  6. 【請求項6】 核酸認識タンパク質が2本鎖DNA認識
    タンパク質である請求項5に記載のチップ。
  7. 【請求項7】 2本鎖DNA認識タンパク質が2本鎖D
    NA認識抗体である、請求項6に記載のチップ。
  8. 【請求項8】 2本鎖DNA認識タンパク質がDNA転
    写因子である、請求項6に記載のチップ。
  9. 【請求項9】 2本鎖DNA認識タンパク質がZnフィ
    ンガーモチーフまたはリングフィンガーモチーフをもつ
    タンパク質である、請求項6に記載のチップ。
  10. 【請求項10】 有機物質が、高分子ポリマ−または高
    分子ポリマ−の凝集体であることを特徴とする、請求項
    1から9の何れかに記載のチップ。
  11. 【請求項11】 固相担体がガラス、プラスチック、電
    極表面、センサーチップ表面である、請求項1から10
    の何れかに記載のチップ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れかに記載のチッ
    プと、該チップの表面に担持されたタンパク質又はタン
    パク質結合物質(但し、核酸を除く)と特異的に結合す
    る標的物質を含む検体とを接触させる工程;及び該タン
    パク質又はタンパク質結合物質と該標的物質との間の相
    互の結合の形成を検出する工程;を含む、標的物質を検
    出する方法。
  13. 【請求項13】 標的物質が検知可能なシグナルを生成
    しうる少なくとも一つの成分で標識されていることを特
    徴とする、請求項12に記載の標的物質の検出方法。
  14. 【請求項14】 チップをアミノ酸、ペプチドもしくは
    タンパク質の水溶液でブロッキング処理する工程を含
    む、請求項12又は13に記載の標的物質の検出方法。
  15. 【請求項15】 下記式(II)で表されるビニルスル
    ホニル基もしくはその反応性前駆体基を表面に持ち、有
    機物質により形成された凹凸を有する固相担体上に、該
    ビニルスルホニル基もしくはその反応性前駆体基と反応
    して共有結合を形成する反応性基を有する少なくとも一
    つのタンパク質又はタンパク質結合物質(但し、核酸を
    除く)を接触させることを含む、請求項1に記載のチッ
    プの製造方法。 −L―SO2―X’ (II) [上記の式において、Lは、―SO2―X’と固相担体
    とを結合する連結基を示し;X’は、―CR1=CR
    2(R3)または―CH(R1)―CR2(R3)(Y)を
    表し;R1、R2及びR3は互いに独立に、水素原子、炭
    素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数6乃至20
    のアリール基、又は炭素原子数1乃至6のアルキル鎖を
    有する合計炭素原子数7乃至26のアラルキル基を表
    し、Yは、求核試薬によって置換される基、あるいは塩
    基によって「HY」として脱離する基を表す]
  16. 【請求項16】 表面に固定されたタンパク質又はタン
    パク質結合物質(但し、核酸を除く)が、抗体、抗体フ
    ラグメント、リガンド、抗原、ハプテン、又はレセプタ
    ーである、請求項15に記載のチップの製造方法。
  17. 【請求項17】 表面に固定されたタンパク質がアビジ
    ン類である、請求項16に記載のチップの製造方法。
  18. 【請求項18】 アビジン類が、アビジン、ストレプト
    アビジンまたはビオチンと安定な複合体を形成しうるこ
    れらの改変体である、請求項17に記載のチップの製造
    方法。
  19. 【請求項19】 表面に固定されたタンパク質が核酸認
    識タンパク質であることを特徴とする、請求項15に記
    載のチップの製造方法。
  20. 【請求項20】 核酸認識タンパク質が2本鎖DNA認
    識タンパク質である請求項19に記載のチップの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 2本鎖DNA認識タンパク質が2本鎖
    DNA認識抗体である、請求項20に記載のチップの製
    造方法。
  22. 【請求項22】 2本鎖DNA認識タンパク質がDNA
    転写因子である、請求項20に記載のチップの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 2本鎖DNA認識タンパク質がZnフ
    ィンガーモチーフまたはリングフィンガーモチーフをも
    つタンパク質である、請求項20に記載のチップの製造
    方法。
  24. 【請求項24】 有機物質が、高分子ポリマ−または高
    分子ポリマ−の凝集体であることを特徴とする、請求項
    15から23の何れかに記載のチップの製造方法。
  25. 【請求項25】 固相担体がガラス、プラスチック、電
    極表面、センサーチップ表面である、請求項16から2
    6記載のチップの製造方法。
  26. 【請求項26】 少なくとも1つのタンパク質又はタン
    パク質結合物質(但し、核酸を除く)を接触させること
    によって、有機物質により形成された凹凸を有する固相
    担体上に固定した後、固相担体表面にあるフリーのビニ
    ルスルホニル基もしくはその反応性前駆体基をアミノ
    酸、ペプチドもしくはタンパク質水溶液でブロッキング
    処理することを特徴とする、請求項15〜25の何れか
    に記載のチップの製造方法。
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