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JP2003011370A - インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法

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JP2003011370A
JP2003011370A JP2001204386A JP2001204386A JP2003011370A JP 2003011370 A JP2003011370 A JP 2003011370A JP 2001204386 A JP2001204386 A JP 2001204386A JP 2001204386 A JP2001204386 A JP 2001204386A JP 2003011370 A JP2003011370 A JP 2003011370A
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ink
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nozzle row
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Tomoaki Takahashi
智明 高橋
Tomohiro Sayama
朋裕 狭山
Takemi Hiramoto
剛己 平本
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量のインク滴を用いた記録の画質向上を図
る。 【解決手段】 ノズル列を複数備えて圧電振動子2の作
動によってノズル開口からインク滴を吐出可能な記録ヘ
ッド1と、圧電振動子2に供給される駆動信号を発生可
能な駆動信号発生回路47と、記録ヘッド1によるイン
ク滴の吐出を制御する制御部45とを有するインクジェ
ット式記録装置において、複数のノズル列の内、インク
滴の吐出量が最も少ないノズル列を基準ノズル列とし、
駆動信号発生回路47は、基準ノズル列から吐出される
インク滴の量を判定基準量以上にすべく設定された駆動
電圧値の駆動信号を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタやプロッ
タ等のインクジェット式記録装置及びその駆動方法に関
し、特に、複数のノズル列を備えた記録ヘッドを有する
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタやプロッタ等のインクジェット
式記録装置(以下、単に記録装置と称する。)には、カ
ラー記録や高速記録等のためノズル列を複数備えた記録
ヘッドを有するものがある。
【0003】この記録ヘッドは、駆動信号の駆動電圧値
に応じて吐出されるインク滴の量が増減し、画像の濃淡
が設計上の標準値からずれてしまうので、最適な駆動電
圧値を設定することが重要である。このため、従来は、
各ノズル列毎のインク滴量を取得し、取得したインク滴
量の平均値が目標値となるように駆動信号の駆動電圧値
を設定している。
【0004】例えば、合計7列のノズル列を有する記録
ヘッドを用いて目標値としての8.0pL(ピコリット
ル,以下同様)のインク滴を吐出させる場合、1列目の
ノズル列についてのインク滴量a1、2列目のノズル列
についてのインク滴量a2、…、7列目のノズル列につ
いてのインク滴量a7を取得し、インク滴量a1からa
7までの合計を7で割った値が8.0pLとなるように
駆動電圧値を設定している。
【0005】また、記録ヘッドから吐出されるインク滴
の量はノズル列毎にばらつく傾向があるので、インク量
のばらつきをノズル列毎に示す識別情報を各ノズル列に
付与している。
【0006】そして、設定された駆動電圧値の駆動信号
を記録ヘッドの圧力発生素子(例えば、圧電振動子)に
供給してインク滴を吐出させると共に、上記の識別情報
を参照して単位面積当たりのインク滴の吐出回数を増減
している。これにより、画像濃度及び色バランスが調整
された画像を記録している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、この
種の記録装置には高画質化の要求が強く求められてお
り、最少インク滴の量も例えば4〜2pLと極めて少量
になっている。このような少量のインク滴は、ノズル列
間における速度差が従来よりも大きくなるので、上記の
調整方法をそのまま適用すると最低限必要な速度よりも
低い速度で飛行するインク滴が生じ得ることが判った。
【0008】この飛行速度の不足により、インク滴の着
弾位置が正規の位置からずれてしまうことがあった。こ
れは、この記録装置が記録ヘッドを主走査方向に移動さ
せながらインク滴を吐出させる構成であり、飛行速度の
不足によってインク滴の飛行軌跡が正規の軌跡からずれ
るためと考えられる。そして、この着弾位置ずれによ
り、記録画像にざらつき感が生じたり線の湾曲が生じる
などの画質劣化が生じることが判った。また、インク滴
が印刷記録媒体に着弾せずにミスト化する虞があること
も判った。
【0009】さらに、少量のインク滴においてはノズル
列間におけるインク量のばらつきも大きくなるが、この
インク量のばらつきが許容範囲を超えて大きくなると、
インク量の少ない側のノズル列についてはベタを埋める
ことができず、白筋となってしまうことも判った。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、少量のインク滴を用いた記
録の画質向上を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、インク滴の吐
出量と飛行速度との間には高い相関関係があってインク
滴の吐出量を増減すると、その増減量に応じて飛行速度
が変化することに着目してなされたものであり、インク
滴の吐出量が最も少ないノズル列を基準ノズル列とし、
この基準ノズル列から吐出されるインク滴の量が判定基
準量以上となるように、駆動信号の駆動電圧値を設定す
るようにした。なお、「判定基準量」とは、吐出された
インク滴が予定の飛行軌跡に沿って正常に印刷記録媒体
へ着弾するために必要な速度が得られるインク量を意味
する。
【0012】即ち、請求項1に記載の発明は、ノズル開
口を列設してなるノズル列を複数備え、圧力発生素子の
作動によってノズル開口からインク滴を吐出可能な記録
ヘッドと、圧力発生素子に供給される駆動信号を発生可
能な駆動信号発生手段と、記録ヘッドによるインク滴の
吐出を制御する吐出制御手段とを有するインクジェット
式記録装置において、前記複数のノズル列の内、インク
滴の吐出量が最も少ないノズル列を基準ノズル列とし、
駆動信号発生手段は、基準ノズル列から吐出されるイン
ク滴の量を判定基準量以上にすべく設定された駆動電圧
値の駆動信号を発生することを特徴とするインクジェッ
ト式記録装置である。
【0013】請求項2に記載の発明は、前記記録ヘッド
に、インク滴量に関するノズル列同士の比を示すインク
量識別情報、及び、前記設定された駆動電圧値に起因す
る平均インク滴量の目標値からの差を示す平均インク量
識別情報を付与したことを特徴とする請求項1に記載の
インクジェット式記録装置である。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記吐出制御手
段は、インク量識別情報、及び、平均インク量識別情報
に基づき、単位面積当たりのインク滴の吐出回数をノズ
ル列毎に調整して画像濃度を補正する画像濃度補正手段
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
のインクジェット式記録装置である。
【0015】請求項4に記載の発明は、前記記録ヘッド
には、圧力室内のインクの固有振動周期に基づいて定め
たTcランクを付与し、該Tcランクを加味して駆動電
圧値を設定したことを特徴とする請求項1から請求項3
の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0016】請求項5に記載の発明は、インク滴量に応
じて定まる複数の記録モードから1つの記録モードを選
択する記録モード設定手段を備え、前記インク量識別情
報及び平均インク量識別情報を記録モード毎に用意し、
画像濃度補正手段は、設定された記録モードに対応する
インク量識別情報及び平均インク量識別情報によって調
整を行うことを特徴とする請求項2から請求項4の何れ
かに記載のインクジェット式記録装置である。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記記録ヘッド
は、各ノズル列単位でユニット化された圧力発生素子を
備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか
に記載のインクジェット式記録装置である。
【0018】請求項7に記載の発明は、前記圧力発生素
子が圧電振動子であることを特徴とする請求項1から請
求項6の何れかに記載のインクジェット式記録装置であ
る。
【0019】請求項8に記載の発明は、ノズル開口を列
設してなるノズル列を複数備え、圧力発生素子の作動に
よって任意のノズル開口からインク滴を吐出可能な記録
ヘッドと、圧力発生素子に供給される駆動信号を発生可
能な駆動信号発生手段とを有するインクジェット式記録
装置の駆動方法において、前記複数のノズル列の内、イ
ンク滴の吐出量が最も少ないノズル列を基準ノズル列と
し、この基準ノズル列から吐出されるインク滴の量を判
定基準量以上にすべく設定された駆動電圧値の駆動信号
を駆動信号発生手段から発生させ、前記駆動電圧値の駆
動信号を記録ヘッドに供給することを特徴とするインク
ジェット式記録装置の駆動方法である。
【0020】請求項9に記載の発明は、前記駆動電圧値
の駆動信号によって吐出させたインク滴の量に基づき、
単位面積当たりのインク滴の吐出回数をノズル列毎に調
整して画像濃度を補正することを特徴とする請求項8に
記載のインクジェット式記録装置の駆動方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、インクジェット式記録へッ
ド(以下、記録ヘッドという。)の構造について説明す
る。図1に示すように、例示した記録ヘッド1は、複数
の圧電振動子2…からなる振動子群3、固定板4、及
び、フレキシブルケーブル5等をユニット化した振動子
ユニット6と、この振動子ユニット6を収納可能なケー
ス7と、ケース7の先端面に接合される流路ユニット8
とを備えている。
【0022】ケース7は、先端と後端が共に開放した収
納空部9を形成した合成樹脂製のブロック状部材であ
り、収納空部9内には振動子ユニット6が収納固定され
ている。即ち、振動子ユニット6は、圧電振動子2の櫛
歯状先端(即ち、先端面部)を先端側開口に臨ませた状
態で、固定板4が収納空部9の壁面に接着されている。
【0023】圧電振動子2は、本発明の圧力発生素子の
一種であり、縦方向に細長い櫛歯状をしている。例え
ば、30μm〜100μm程度の極めて細い幅のニード
ル状に切り分けられている。この圧電振動子2は、圧電
体10と内部電極11とを交互に積層して構成された積
層型の圧電振動子2であって、電界方向に直交する縦方
向に伸縮可能(即ち長手方向に振動可能)な縦振動モー
ドの圧電振動子2である。そして、各圧電振動子2…
は、基端側部分が固定板4上に接合されており、圧電振
動子2の自由端部を固定板4の縁よりも外側に突出させ
た片持ち梁の状態で取り付けられている。
【0024】この振動子群3は、例えば、圧電体層と内
部電極層とを交互に積層した一枚の圧電板を固定板4に
接合した後、ワイヤーソー等の切断具によって櫛歯状に
切り分けることで作製される。このように、振動子群3
は同一の圧電板から切り出されてユニット化されている
ので、各圧電振動子2…の伸縮特性を高いレベルで揃え
ることができる。
【0025】また、各圧電振動子2…の先端面部は、流
路ユニット8の所定部位である島部12に当接固定され
ており、フレキシブルケーブル5は、固定板4とは反対
側となる振動子の基端部側面で、各圧電振動子2…と電
気的に接続されている。
【0026】流路ユニット8は、図2に示すように、流
路形成基板15を間に挟んでノズルプレート16を流路
形成基板15の一面側に配置し、弾性板17をノズルプ
レート16とは反対側となる他面側に配置して積層する
ことで構成されている。
【0027】ノズルプレート16は、ドット形成密度に
対応したピッチで複数のノズル開口18…を列状に開設
したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態
では、180dpiのピッチで96個のノズル開口18
…を列設し、これらのノズル開口18…によってノズル
列を構成する。そして、図3に示すように、ノズル列1
9を、吐出可能なインクの種類(例えば色)に対応させ
て複数列形成する。
【0028】本実施形態では、左端に位置する第1ノズ
ル列19Aから右端に位置する第7ノズル列19Gまで
の合計7列のノズル列を横並びに形成しており、各ノズ
ル列19A〜19Gから異なる色のインクを吐出可能に
構成している。
【0029】例えば、第1ノズル列19Aからはダーク
イエローインクを、第2ノズル列19Bからはブラック
インクを、第3ノズル列19Cからはシアンインクを、
それぞれ吐出可能に構成している。また、第4ノズル列
19Dからはライトシアンインクを、第5ノズル列19
Eからはマゼンタインクを、第6ノズル列19Fからは
ライトマゼンタインクを、第7ノズル列19Gからはイ
エローインクを、それぞれ吐出可能に構成している。そ
して、本実施形態では、これらの各ノズル列19A〜1
9G毎に上記の振動子ユニット6を設けている。即ち、
この記録ヘッド1は、7個の振動子ユニット6…を備え
ている。
【0030】流路形成基板15は、ノズルプレート16
の各ノズル開口18…に対応させて圧力室20となる空
部を形成するとともに、インク供給口21および共通イ
ンク室22となる空部を形成した板状の部材であり、例
えばシリコンウェハーをエッチング加工することにより
形成されている。
【0031】圧力室20は、ノズル開口18の列設方向
(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室であ
り、堰部で区画された偏平な凹室で構成されている。そ
して、この堰部により流路幅の狭い狭窄部の形で、イン
ク供給口21が形成されている。また、圧力室20内に
おける共通インク室22から最も離れた位置には、ノズ
ル開口18と圧力室20とを連通するノズル連通口23
を板厚方向に貫通させて設ける。
【0032】弾性板17は、圧力室20の一方の開口面
を封止するダイヤフラム部と、共通インク室22の一方
の開口面を封止するコンプライアンス部とを兼ねてお
り、ステンレス製の支持板24上にPPS(ポリフェニ
レンサルファイド)等の樹脂フィルム25をラミネート
加工した二重構造である。そして、ダイヤフラム部とし
て機能する部分、すなわち圧力室20に対応した部分の
支持板24を環状にエッチング加工して圧電振動子2の
先端面部を当接固定するための島部12を形成し、ま
た、コンプライアンス部として機能する部分、すなわち
共通インク室22に対応する部分の支持板24をエッチ
ング加工で除去して樹脂フィルム25だけにしている。
【0033】上記の構成を有する記録ヘッド1では、圧
電振動子2を放電して振動子長手方向(つまり、縦方
向)に伸長させることにより、島部12がノズルプレー
ト16側に押圧され、ダイヤフラム部を構成する樹脂フ
ィルム25が変形して圧力室20が収縮する。また、圧
電振動子2を充電して振動子長手方向に収縮させると、
樹脂フィルム25の弾性により圧力室20が膨張する。
そして、圧力室20の膨張や収縮を制御することによ
り、圧力室20内のインク圧力が変動してノズル開口1
8からインク滴が吐出される。
【0034】しかし、この記録ヘッド1では、部品の寸
法精度や組立精度等に応じてインク滴の吐出特性(イン
ク滴の量や飛行速度等)にばらつきが生じる。即ち、同
じ条件でインク滴を吐出させてもインク滴の吐出特性が
記録ヘッド1毎に相違してしまう。特に、本実施形態の
ように、ノズル列19毎に異なる振動子ユニット6を有
する構成では、振動子ユニット6の特性差(個体差)の
影響を受けてしまうので、インク滴の吐出特性はノズル
列19毎にばらつく傾向がある。なお、この吐出特性の
ばらつきを低減するために、部品の寸法精度や組立精度
を向上させることが考えられるが、記録ヘッドの各部は
極めて微細な形状なので、寸法精度や組立精度の向上で
対応することは現実的でない。
【0035】そして、インク滴の飛行速度に関し、飛行
速度が必要速度、即ち、吐出されたインク滴が予定の飛
行軌跡に沿って正常に印刷記録媒体へ着弾するために必
要な速度以上であれば問題はないが、この必要速度より
も遅いと着弾位置ずれ等の問題が生じる可能性がある。
即ち、この種のプリンタでは、記録ヘッド1を主走査方
向に移動させながらインク滴を吐出させている関係で、
インク滴の飛行速度が必要速度よりも低くなると空気の
粘性抵抗などによってインク滴が正規の飛行軌跡からず
れてしまう。これにより、ざらつき感が生じるなど記録
画像の画質低下の一因となっている。
【0036】特に、2pLなど極く少量のインク滴を吐
出させた場合には、圧電振動子2の変位量ばらつきが増
幅されて飛行速度のばらつきとなる上、空気の粘性抵抗
の影響をより大きく受けるので、着弾位置のずれ量も大
きくなって画質低下が顕著になる。さらに、インク滴が
記録紙に着弾できずにミスト化してしまう虞もある。
【0037】ところで、この記録ヘッド1では、同じ波
形形状の駆動信号を用いた場合、駆動電圧値、つまり、
駆動信号における最大電位から最低電位までの電位差に
応じてインク滴の吐出量を変えることができる。この場
合において、インク滴の吐出量と飛行速度との間には高
い相関関係があり、インク滴の吐出量を増減すると、そ
の増減量に応じて飛行速度が変化することが判った。
【0038】本発明は、この点に着目し、インク滴の吐
出量が最も少ないノズル列19を基準ノズル列として、
この基準ノズル列から吐出されるインク滴の量が判定基
準量以上となるように、駆動信号の駆動電圧値を設定す
るようにした。ここで、「判定基準量」とは、上記の必
要速度によって規定されるインク量であり、この必要速
度以上の飛行速度が得られるインク量である。
【0039】このようにすると、基準ノズル列から吐出
されるインク滴に関し、必要な飛行速度が確保されるの
で、2pLのような極く少量のインク滴であっても所定
の位置に確実に着弾させることができるし、ミスト化も
防止できる。そして、基準ノズル列以外のノズル列19
から吐出されたインク滴の量は少なくとも基準ノズル列
と同じかそれ以上となり、飛行速度も基準ノズル列と同
じかそれ以上になる。このため、記録ヘッド1全体でも
インク滴の飛行速度は必要速度以上となる。これによ
り、インク滴の着弾位置精度を確保でき、ミスト化も防
止できる。
【0040】しかし、インク滴の吐出量が最も少ない基
準ノズル列にあわせて駆動電圧値を設定したことから、
駆動電圧値は個々の記録ヘッド1に応じて定められ、吐
出されるインク滴の量(平均インク量)がばらついてし
まう。この吐出量の相違は画像の濃淡ばらつきを生じさ
せる原因となる。例えば、インク滴の吐出量に差がある
2つの記録ヘッド1,1があった場合、インク滴の吐出
量が多い方の記録ヘッド1で記録した画像は、吐出量が
少ない方の記録ヘッド1で記録した画像よりも濃くな
る。従って、これらの記録ヘッド1で同一印刷データの
画像を記録すると、画像の濃淡に違いが生じてしまう。
【0041】また、上記したようにインク滴の吐出量
は、1つの記録ヘッド1であってもノズル列毎にばらつ
いてしまう。そして、ノズル列同士の間の吐出量のばら
つきは、画像の色相に影響を与える。即ち、各ノズル列
19の条件を同一に揃えて記録を行うと、吐出量がその
記録ヘッド1における平均吐出量よりも多いノズル列1
9の色が濃くなり、平均吐出量よりも少ないノズル列1
9の色が淡くなる。例えば、マゼンタ列のインク量が平
均吐出量よりも多い場合には、記録画像が標準画像より
も赤みを帯びてしまう。
【0042】このような記録ヘッド1毎のばらつきやノ
ズル列19毎のばらつきを補正するため、インク滴量の
ノズル列毎の相対的な比を示すカラーアジャストID
(本発明のインク量識別情報に相当)と、設定された駆
動電圧値で駆動したことによる平均インク滴量の目標値
からの差を示すオフセットID(本発明の平均インク量
識別情報に相当)とを記録ヘッド1に付与する。そし
て、この記録ヘッド1をプリンタに組み込んだ際に、こ
れらのカラーアジャストIDとオフセットIDを用いて
単位面積あたりのインク量、即ち、インク滴の吐出回数
を増減し、画像濃度及び色相(カラーバランス)を設計
通りに合わせる。
【0043】以下、駆動信号の駆動電圧値、カラーアジ
ャストID、オフセットIDの設定手順について、図4
及び図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
なお、これらの駆動電圧値、カラーアジャストID、及
び、オフセットIDは、例えば、組立が終了した記録ヘ
ッド1に対する検査工程で設定される。
【0044】これらの電圧値やIDを設定するにあた
り、まずその記録ヘッド1のTcランクを定める(S
1)。この「Tcランク」は、固有振動周期Tcに基づ
いて定めたランクであり、本実施形態では固有振動周期
Tcが標準的な「ランク0」,標準よりも短い「ランク
1」,標準よりも長い「ランク2」の3段階のランクか
らなる。ここで、固有振動周期Tcは、圧力室20とノ
ズル連通口23とからなる一連の空部(広義の圧力室で
あり、本発明における圧力室である。)内のインク中を
往復する圧力振動の周期である。
【0045】Tcランクを測定するのは、固有振動周期
Tcとインク滴の飛行速度との間には高い相関関係があ
り、インク滴の吐出量が等しくてもインク滴の飛行速度
が固有振動周期Tcによって変動することによる。そし
て、固有振動周期Tcによってインク滴の飛行速度が変
動するということは、上記した判定基準量が固有振動周
期Tcに応じて変わることを意味する。このため、Tc
ランクを加味して駆動電圧値を設定すると、その記録ヘ
ッド1の特性を反映した適切な設定ができる。
【0046】例えば、図6に示すように、インク滴の吐
出量を目標値(例えば2.0pL)に調整した場合、固
有振動周期Tcが短いTcランク1の記録ヘッド1では
インク滴の平均飛行速度Vmが必要速度よりも十分速
く、固有振動周期Tcが長いTcランク2の記録ヘッド
1では平均飛行速度Vmが必要速度と同程度か少し速い
程度となる。さらに、固有振動周期Tcが標準的なTc
ランク0の記録ヘッド1では平均飛行速度VmがTcラ
ンク1とTcランク2のほぼ中間となる。
【0047】この図6から、Tcランク1に分類された
記録ヘッド1は、平均飛行速度Vmが必要速度Vm0よ
りも十分速いので、基準ノズル列の偏差が大きくても、
つまり、基準ノズル列の飛行速度が平均飛行速度よりも
低速側に大きくばらついていたとしても、基準ノズル列
からのインク滴の飛行速度Vmは必要速度Vm0よりも
速い。このため、Tcランク1の記録ヘッド1は、イン
ク滴量の目標値に基づいて定めた仮の駆動電圧値Vh´
(後述する)で駆動しても、言い換えれば、上記の判定
基準値による調整を行わなくても、必要十分な飛行速度
Vmが得られることが判る。
【0048】また、Tcランク0に分類された記録ヘッ
ド1については、平均飛行速度Vmは必要速度Vm0に
対して少し高い程度である。しかし、基準ノズル列の偏
差が大きかった場合には、基準ノズル列からのインク滴
の飛行速度が必要速度よりも遅くなってしまう可能性が
ある。このため、Tcランク0の記録ヘッド1に対する
判定基準量は、基準ノズル列の偏差が大きかった場合に
仮の駆動電圧値Vh´に対する駆動電圧値の調整が行わ
れるように定める。例えば、判定基準量をインク滴量の
目標値に対して10%少ない量に設定し、基準ノズル列
のインク滴量がこの判定基準量よりも少なかった場合
に、仮の駆動電圧値Vh´を+側に補正して正規の駆動
電圧値Vhとし、判定基準量以上のインク滴量が吐出さ
れるようにする。
【0049】また、Tcランク2に分類された記録ヘッ
ド1は、平均飛行速度Vmが必要速度Vm0と同程度で
あるので、平均飛行速度Vmよりも飛行速度が低いノズ
ル列19は、インク滴の飛行速度が必要速度Vm0より
も遅くなってしまう可能性がある。このため、Tcラン
ク2の記録ヘッド1に対する判定基準量は、基準ノズル
列の偏差に拘わらず、仮の駆動電圧値Vh´に対する駆
動電圧値の調整が行われるように定める。例えば、判定
基準量をインク滴量の目標値に設定し、基準ノズル列の
インク滴量がこの目標値以上になるように仮の駆動電圧
値Vh´を+側に補正して正規の駆動電圧値Vhとし、
全ノズル列19から判定基準量以上のインク滴量が吐出
されるようにする。
【0050】次に、Tcランクの測定方法について説明
する。
【0051】図7に示すように、Tcランクの測定は、
評価パルス発生回路30と電子天秤31とを用いて行
う。本実施形態では、評価パルス発生回路30と記録ヘ
ッド1とを電気的に接続し、評価パルス発生回路30が
発生した評価パルスTP1を圧電振動子2に供給して記
録ヘッド1からインク滴を吐出させる。そして、吐出さ
れたインク滴の重量を電子天秤31によって測定し、測
定されたインク重量に基づいて固有振動周期Tcを定め
る。
【0052】評価パルス発生回路30は、例えば、図8
に示す評価パルスTP1を発生する。この評価パルスT
P1は、中間電位VMから最大電位VHまで一定勾配で
電位を上昇させる励振要素P1と、励振要素P1に続い
て発生されて最大電位VHを維持する第1ホールド要素
P2と、第1ホールド要素P2に続いて発生されて最大
電位VHから最低電位VLまで一定勾配で電位を下降さ
せることでノズル開口18からインク滴を吐出させる吐
出要素P3と、吐出要素P3に続いて発生されて最低電
位VLを維持する第2ホールド要素P4と、最低電位V
Lから中間電位VMまで一定勾配で電位を上昇させる制
振要素P5とから構成される。
【0053】上記の第1ホールド要素P2は、吐出要素
P3の供給開始タイミング、言い換えれば励振要素P1
の終端から吐出要素P3の始端までの時間を規定する要
素であり、インク重量を測定するにあたって複数種類の
発生時間Pwh1(供給時間)が設定される。即ち、第
1ホールド要素P2の発生時間Pwh1が異なる複数種
類の評価パルスTP1が用いられ、インク量の測定が複
数回行われる。
【0054】本実施形態では、発生時間Pwh1を基準
となる第1標準時間に設定した第1評価パルスと、発生
時間Pwh1を第1標準時間よりも短い第2標準時間に
設定した第2評価パルスと、発生時間Pwh1を第1標
準時間よりも長い第3標準時間に設定した第3評価パル
スとを用い、インク量の測定を3回行う。
【0055】そして、上記の第1標準時間は、組み立て
後の記録ヘッド11が設計値通りの固有振動周期Tcを
有していた場合において、最も吐出インク量が少なくな
る時間に設定される。即ち、発生時間Pwh1は、励振
要素P1の発生時間との和が、固有振動周期Tcの設計
値に揃うように設定される。また、第2標準時間は、第
1標準時間よりも所定時間短い時間に設定され、第3標
準時間は、第1標準時間よりも所定時間長い時間に設定
される。
【0056】具体例を挙げると、固有振動周期Tcの設
計値が約8.4μs(マイクロ秒)であり、励振要素P
1の発生時間が4.2μsであった場合には、図10に
示すように、発生時間Pwh1の第1標準時間(M)は
4.2μsとなり、第2標準時間(S)が第1標準時間
よりも0.8μs短い3.4μsとなり、第3標準時間
(L)が第1標準時間よりも0.8μs長い5.0μs
となる。
【0057】そして、インク重量を測定するにあたり、
上記の如く定めた3種類の評価パルスTP1を圧電振動
子2に供給する。これらの評価パルスTP1が圧電振動
子2に供給されると、まず、励振要素P1の供給に伴っ
て圧力室20が膨張し、圧力室20内のインクに圧力振
動が励起される。続いて、圧力室20の膨張状態が第1
ホールド要素P2の供給時間Pwh1に亘って維持さ
れ、吐出要素P3の供給に伴って圧力室20が収縮し、
ノズル開口18からインク滴が吐出される。この吐出さ
れたインク滴を捕集し、電子天秤31を用いて各評価パ
ルス毎の捕集量(重量)を測定する。
【0058】このとき、インク滴の吐出量は各評価パル
ス毎に相違する。例えば、組み立て後の記録ヘッド1が
設計値通りの固有振動周期Tcであった場合に第1評価
パルスを用いると、図9中に符号Mで示すタイミングで
吐出要素P3が供給されることになる。この場合、吐出
要素P3によるインクの加圧力が、励振要素P1によっ
て励起されたインクの圧力振動によって相殺されるの
で、インク滴の吐出量は最も少なくなる。また、第2評
価パルスを用いると図9中に符号Sで示すタイミングで
吐出要素P3が供給され、第3評価パルスを用いると図
9中に符号Lで示すタイミングで吐出要素P3が供給さ
れる。これらの場合は、第1評価パルスを用いた場合よ
りも効率よくインクを加圧できるので、インク量は第1
評価パルスよりも増える。
【0059】また、組み立て後の記録ヘッド1が設計値
よりも短い固有振動周期Tcを有していた場合には、図
9中に破線で示すように、吐出インク量が最少となる第
1ホールド要素P2の供給時間Pwh1は、固有振動周
期Tcが設計値通りの記録ヘッド1の場合よりも短くな
る。このため、インク量に関しては、第2評価パルスを
用いた場合が最も少なくなり、第1評価パルスを用いた
場合が2番目に少なくなり、第3評価パルスを用いた場
合が最も多くなる。
【0060】反対に、組み立て後の記録ヘッド1が設計
値よりも長い固有振動周期Tcを有していた場合には、
図9中に一点鎖線で示すように、吐出インク量が最少と
なる第1ホールド要素P2の供給時間Pwh1は、固有
振動周期Tcが設計値通りの記録ヘッド1よりも長くな
る。このため、インク量に関しては、第2評価パルスを
用いた場合が最も多くなり、第1評価パルスを用いた場
合が2番目に多くなり、第3評価パルスを用いた場合が
最も少なくなる。
【0061】各評価パルスTP毎のインク量を測定した
ならば、この測定結果に基づいてTcランクを設定す
る。即ち、図10及び図11に示すように、第1評価パ
ルス(Pwh1=4.2μs)に対応するインク量Iw
1と、第2評価パルス(Pwh1=3.4μs)に対応
するインク量Iw2と、第3評価パルス(Pwh1=
5.0μs)に対応するインク量Iw3との比較によっ
てTcランクを設定する。
【0062】これらのインク量Iw1,Iw2,Iw3
を比較した時、インク量Iw1が最も少なく、インク量
Iw2,Iw3がインク量Iw1よりも大きい関係を有
する記録ヘッド1の場合(図10に丸印の線分で示す場
合)には、組立後における記録ヘッド1の固有振動周期
Tcは設計値通りであるので、Tcランク0に分類す
る。同様に、インク量Iw1,Iw2が略等しく、イン
ク量Iw3がインク量Iw1よりも多い記録ヘッド1
と、インク量Iw1,Iw3が略等しく、インク量Iw
2がインク量Iw1よりも多い記録ヘッド1についても
Tcランク0に分類する。
【0063】また、インク量Iw2が最も少なく、イン
ク量Iw1が2番目に少なく、インク量Iw3が最も大
きい関係を有する記録ヘッド1の場合(図10に四角印
の線分で示す場合)には、組立後における記録ヘッド1
の固有振動周期Tcは設計値よりも短い。このため、当
該記録ヘッド1はTcランク1に分類する。
【0064】また、インク量Iw2が最も多く、インク
量Iw1が2番目に多く、インク量Iw3が最も少ない
関係を有する記録ヘッド1の場合(図10に×印の線分
で示す場合)には、組立後における記録ヘッド1の固有
振動周期Tcは設計値よりも長い。このため、当該記録
ヘッド1はTcランク2に分類する。
【0065】Tcランクを定めたならば、駆動信号にお
ける仮駆動電圧値Vh´を設定する(S2)。
【0066】駆動信号における駆動電圧は、本実施形態
では、図12(b)に示す小ドット駆動パルスDP1の
最大電位VHから最低電位VLまでの電位差が該当す
る。そして、仮駆動電圧値Vh´は、この小ドット駆動
パルスDP1を圧電振動子2に供給して得られたインク
滴の吐出量、詳しくは、記録ヘッド1単位での平均イン
ク滴量(1滴あたりの量)が、目標値である2.0pL
となるように定めた電圧値である。
【0067】ここで、小ドット駆動パルスDP1につい
て簡単に説明する。この小ドット駆動パルスDP1は、
第1充電要素P11、第2充電要素P12、第1ホール
ド要素P13、第1放電要素P14、第2ホールド要素
P15、第2放電要素P16、第3ホールド要素P1
7、及び、第3放電要素P18を順に接続した一連の信
号として構成されている。
【0068】そして、第1充電要素P11を圧電振動子
2に供給することで圧力室20をメニスカス(ノズル開
口18で露出しているインクの自由表面)を過度に振動
させない程度にゆっくりと膨張させ、その後、第2充電
要素P12を供給して圧力室20を最大容積まで急激に
膨張させてメニスカスの中心部分を局所的に圧力室20
側に引き込む。次に、第1ホールド要素P13の供給に
よって圧力室20の膨張状態を維持し、反動によってメ
ニスカスの中心部分を吐出方向に向けて凸状に盛り上が
らせる。続いて、第1放電要素P14を供給して圧力室
20を急激に収縮し、インク柱を吐出方向に押し出す。
その後は、第2ホールド要素P15、第2放電要素P1
6、第3ホールド要素P17、及び、第3放電要素P1
8を順に供給して圧力室20を段階的に収縮させる。そ
の結果、インク柱の先端部分が本体からちぎれて吐出方
向に飛行し、ノズル開口18からは2.0pL程度の極
く少量のインク滴が吐出される。
【0069】そして、この小ドット駆動パルスDP1で
も、駆動電圧に応じて吐出されるインク滴の量が変化す
る。このため、仮駆動電圧値Vh´を設定するにあたっ
ては、図12(a)に示すように、インク滴の吐出可能
範囲における最低側の電圧値Vh1及びこの最低電圧値
Vh1に対応するインク滴量と、最大側の電圧値Vh2
で及びこの最大電圧値Vh2に対応するインク滴量とを
用いて検量線を作成する。そして、この検量線を用いて
仮駆動電圧値Vh´を設定する。即ち、作成した検量線
から目標値である2.0pLに対応する電圧値を取得
し、取得した電圧値を仮駆動電圧値Vh´とする。
【0070】なお、この検量線を作成する際のインク滴
量も、記録ヘッド1単位のインク滴量、即ち、全てのノ
ズル開口18からインク滴を吐出させて得られた平均値
を用いる。この平均値は、例えば、上記した電子天秤3
1を用いて捕集インク量を測定し、この捕集インク量を
インク滴の吐出回数及び全ノズル開口の数で割ることに
よって算出する。
【0071】仮駆動電圧値Vh´を設定したならば、こ
の仮駆動電圧値Vh´でのインク滴の吐出量をノズル列
19毎に測定する(S3)。
【0072】このインク滴量の測定も電子天秤31を用
いる等して行う。例えば、測定対象のノズル列19に属
する全てのノズル開口18…から所定回数だけインク滴
を吐出させて捕集インク量を測定し、この捕集インク量
を吐出回数及び1列のノズル開口18の数(例えば9
6)で割ることにより、1滴当たりのインク量を取得す
る。
【0073】ノズル列19毎のインク吐出量を測定した
ならば、カラーアジャストIDを設定する(S4)。
【0074】このカラーアジャストIDは、上記したよ
うに、ノズル列19毎のインク滴量の相対的な比を示す
情報であり、本発明のインク量識別情報に相当するもの
である。そして、このカラーアジャストIDは、ノズル
列19毎のインク滴量に基づいて設定され、目標値とな
るインク量からの偏差を示す。本実施形態では、目標値
との偏差が0%の場合を「50」とし、偏差が1%プラ
ス側に増える毎に1ポイントずつ増やし、偏差が1%マ
イナス側に増える毎に1ポイントずつ減らしている。
【0075】例えば、目標値のインク滴量が2.0pL
であり、カラーアジャストIDの設定対象となるノズル
列19のインク滴量も2.0pLであった場合には、イ
ンク滴量の目標値からの差はないので偏差は0%であ
る。この場合、当該ノズル列19に対するカラーアジャ
ストIDは「50」となる。
【0076】また、カラーアジャストIDの設定対象と
なるノズル列19のインク滴量が1.9pLであった場
合には、インク滴量の目標値からの差は0.1pLであ
り、目標値に対してマイナス側に5%ずれている。この
場合、当該ノズル列19に対するカラーアジャストID
は50よりも5ポイント低い「45」となる。同様に、
IDの設定対象となるノズル列19のインク滴量が1.
8pLであった場合、インク滴量の差は0.2pL(−
10%)であるので、カラーアジャストIDは「40」
となる。
【0077】なお、インク滴の量が目標値よりも多い場
合も同様である。即ち、IDの設定対象となるノズル列
19のインク滴量が2.1pLの場合にはインク滴量の
差は0.1pL(+5%)であるのでカラーアジャスト
IDは「55」となり、インク滴量が2.2pLの場合
にはインク滴量の差は0.2pL(+10%)であるの
でカラーアジャストIDは「60」となる。
【0078】図13(a)に例示する記録ヘッド1A
は、第1ノズル列19A,第4ノズル列19Dのカラー
アジャストIDが「45」であり、インク滴量が1.9
pLであることを示している。そして、第2ノズル列1
9B,第5ノズル列19E,第6ノズル列19Fのカラ
ーアジャストIDは「50」であり、インク滴量が目標
値と同じ2.0pLであることを示している。また、第
3ノズル列19C,第7ノズル列19Gのカラーアジャ
ストIDは「55」であり、インク滴量が2.1pLで
あることを示している。なお、この設定方法では、仮駆
動電圧値Vh´を設定するにあたって記録ヘッド1単位
での平均インク滴量を用いているので、各ノズル列19
A〜19GのカラーアジャストIDを平均するとその値
は「50」になる。
【0079】また、図13(b)に例示する記録ヘッド
1Bは、第1ノズル列19AのカラーアジャストIDが
「35」(インク滴量=1.7pL)であり、第2ノズ
ル列19BのカラーアジャストIDが「40」(インク
滴量=1.8pL)であり、第3ノズル列19Cのカラ
ーアジャストIDが「55」(インク滴量=2.1p
L)である。そして、第4ノズル列19D及び第7ノズ
ル列19GのカラーアジャストIDが「60」(インク
滴量=2.2pL)であり、第5ノズル列19E及び第
6ノズル列19FのカラーアジャストIDが「50」
(インク滴量=2.0pL)である。
【0080】そして、記録ヘッド1Aと記録ヘッド1B
とを比較すると、記録ヘッド1Bは、記録ヘッド1Aよ
りも各ノズル列19A〜19G同士のばらつきが大きい
ことが判る。
【0081】カラーアジャストIDを設定したならば、
基準ノズル列を設定する(S5)。
【0082】この基準ノズル列の設定はインク滴の吐出
量に基づいて行われ、吐出量が最も少ないノズル列19
を基準ノズル列とする。本実施形態では、上記したカラ
ーアジャストIDがインク滴の吐出量の相対比を示して
いるので、最も小さいカラーアジャストIDが付与され
たノズル列19を基準ノズル列にする。例えば、図13
(a)の記録ヘッドAでは、第1ノズル列19Aと第4
ノズル列19DのIDが共に「45」であり、全ノズル
列19A〜19Gの中で最も低い。このため、これらの
第1ノズル列19Aと第4ノズル列19Dの一方を基準
ノズル列に設定する。また、図13(b)の記録ヘッド
Bでは、第1ノズル列19AのIDが「35」であり、
全ノズル列19A〜19Gの中で最も低い。このため、
この第1ノズル列19Aを基準ノズル列に設定する。
【0083】基準ノズル列を設定したならば、駆動電圧
値Vh(記録に用いる電圧値)及びオフセットIDを設
定する(S6〜S11)。
【0084】この場合、まず、設定されたTcランクを
確認する(S6)。これは、図6で説明したように、設
定されたTcランクに応じてインク滴の飛行速度が異な
り、このTcランクに応じて判定基準値を変えているか
らである。
【0085】このS6で測定対象の記録ヘッド1がTc
ランク1と判断された場合、S7に移行してオフセット
IDとして「0」を設定し、駆動電圧値Vhとして仮駆
動電圧値Vh´をそのまま設定する。これは、インク滴
の飛行速度に関し、Tcランク1の記録ヘッド1は、必
要速度Vm0に対して十分なマージンがあるため、イン
ク滴量の目標値(2.0pL)で設定した仮駆動電圧値
Vh´を用いても、インク滴の飛行速度Vmが必要速度
Vm0よりも低くなる可能性が少ないからである。
【0086】また、S6で測定対象の記録ヘッド1がT
cランク0と判断された場合には、S8に移行して基準
ノズル列のカラーアジャストIDが「39」以下か否か
を判断する。即ち、Tcランク0の記録ヘッド1は、上
記したように、飛行速度について低速側に大きくばらつ
いたノズル列19が存在すると、当該ノズル列19から
吐出されたインク滴の飛行速度が必要速度Vm0よりも
低くなってしまう可能性がある。そして、インク滴の吐
出量と飛行速度とは高い相関関係があるので、インク滴
量の最も少ない基準ノズル列に付与されたカラーアジャ
ストIDに基づき、飛行速度が必要速度よりも低くなっ
てしまうか否かを判断できる。本実施形態では、基準ノ
ズル列のインク滴量が目標値よりも11%以上少ないか
否かで判断している。
【0087】そして、基準ノズル列のカラーアジャスト
IDが「40」以上の場合、つまり、基準ノズル列から
のインク滴量について目標値からの偏差がマイナス10
%以内であった場合には、低速側に大きくばらついてい
るノズル列19はないと判断する。このため、Tcラン
ク1の場合と同様にS7に移行してオフセットIDとし
て「0」を設定し、駆動電圧値Vhとして仮駆動電圧値
Vh´の値をそのまま設定する。
【0088】一方、基準ノズル列のカラーアジャストI
Dが「39」以下の場合、つまり、基準ノズル列からの
インク滴量について目標値からの偏差がマイナス11%
以上であった場合には、S9に移行し、基準ノズル列の
カラーアジャストIDが「40」になるようにオフセッ
トIDと駆動電圧値Vhを設定する。これは、カラーア
ジャストIDが「40」以上であれば、インク滴の飛行
速度Vmは必要速度Vm0以上になるという考え方に基
づいている。従って、このカラーアジャストID「4
0」が本発明の判断基準値に相当し、基準ノズル列から
のインク滴量を1.8pL以上にすれば、必要速度Vm
0が確保できることを意味する。
【0089】これらのS8及びS9の処理を、図13の
記録ヘッドAと記録ヘッドBを例に挙げて説明する。ま
ず、記録ヘッドAに関しては、基準ノズル列(例えば、
第1ノズル列19A)のカラーアジャストIDが「4
5」であるので、S8の処理で「39」以下ではないと
判断され、S7の処理でオフセットID「0」が設定さ
れると共に、仮駆動電圧値Vh´がそのまま駆動電圧値
Vhとなる。
【0090】一方、記録ヘッド1Bに関しては、基準ノ
ズル列(第1ノズル列19A)のカラーアジャストID
が「35」であるので、S8の処理で「39」以下と判
断されてS9の処理に移行する。そして、S9の処理で
は、基準ノズル列のカラーアジャストIDを「40」に
するために必要なオフセット量「5」がオフセットID
として設定される。即ち、判断基準値である「40」か
ら基準ノズル列のカラーアジャストIDである「35」
を引いた値「5」がオフセットIDとして設定される。
【0091】また、駆動電圧値Vhは、オフセットID
で示されるインク滴の増量分に対応して設定される。こ
こで、オフセットID「5」とは、インク滴量の目標値
から5%増やすことを意味する。本実施形態では、目標
値が2.0pLであるので、その5%である0.1pL
だけインク滴量を増やすことになる。従って、オフセッ
トIDとして「5」が設定された場合には、図12
(a)の検量線に基づき、2.1pLのインク滴量に対
応する電圧値を駆動電圧値Vhとして設定する。
【0092】なお、オフセットIDが「5」以外の場合
にも、同様な考え方で駆動電圧を設定する。例えば、オ
フセットIDが「10」の場合には目標値から10%高
い2.2pLに対応する電圧値を駆動電圧値Vhとして
設定し、オフセットIDが「15」の場合には目標値か
ら15%高い2.3pLに対応する電圧値を駆動電圧値
Vhとして設定する。
【0093】また、S6で測定対象の記録ヘッド1がT
cランク2と判断された場合には、S10に移行し、基
準ノズル列のカラーアジャストIDが「50」(本発明
の判断基準値に相当)となるようにオフセットIDと駆
動電圧を設定する。これは、Tcランク2のヘッドはイ
ンク滴の飛行速度Vmが必要速度Vm0に近く、平均よ
りもインク滴の飛行速度が遅いノズル列19は、インク
滴の飛行速度が必要速度よりも遅くなってしまう可能性
が高いためである。即ち、基準ノズル列のインク滴量を
目標値である2.0pLに合わせることで、この基準ノ
ズル列から吐出されるインク滴の飛行速度を必要速度以
上にすることができる。
【0094】このS10の処理を、図13の記録ヘッド
Aと記録ヘッドBを例に挙げて説明する。まず、記録ヘ
ッドAに関しては、基準ノズル列(例えば、第1ノズル
列19A)のカラーアジャストIDが「45」であるの
で、このカラーアジャストIDを「50」とするために
必要なオフセット量「5」がオフセットIDとして設定
される。また、駆動電圧値Vhは、上記したようにオフ
セットIDで示されるインク滴の増量分(0.1pL)
に対応して変更されるので、図12(a)の検量線に基
づき、2.1pLのインク滴量に対応する電圧値が駆動
電圧値Vhとして設定される。
【0095】一方、記録ヘッドBに関しては、基準ノズ
ル列(第1ノズル列19A)のカラーアジャストIDが
「35」であるので、このカラーアジャストIDを「5
0」とするために必要なオフセット量「15」がオフセ
ットIDとして設定される。また、駆動電圧値Vhは、
オフセットIDで示されるインク滴の増量分(0.3p
L)に対応して変更されるので、図12(a)の検量線
に基づき、2.3pLのインク滴量に対応する電圧値が
駆動電圧値Vhとして設定される。
【0096】そして、上記のS7,S9,S10の何れ
かで設定されたオフセットIDと駆動電圧は、S11で
確定される。例えば、上記した記録ヘッドA,Bに関
し、Tcランク1が付与された場合には、図14(a)
に示す内容でカラーアジャストID、オフセットID、
及び、駆動電圧が設定される。同様に、Tcランク0が
付与された場合には、図14(b)に示す内容で、ま
た、Tcランク2が付与された場合には、図14(c)
に示す内容で、カラーアジャストID、オフセットI
D、及び、駆動電圧が設定される。
【0097】以上説明した設定方法によれば、インク滴
の飛行速度が最も遅いノズル列19(つまり、基準ノズ
ル列)を、インク滴の吐出量に基づいて判定しているの
で、インク滴の飛行速度を直接的に測定するよりも簡便
であり、測定装置の構成も簡素化できる。このため、量
産に適する。同様に、この基準ノズル列から吐出される
インク滴の飛行速度の調整についてもインク滴の吐出量
に基づいて行っているので、やはり簡便である。
【0098】そして、上記の方法で設定されたカラーア
ジャストID、オフセットID、及び、駆動電圧は、例
えば、記録ヘッド1内の識別情報記憶素子32(図15
参照)に記憶されたり、記録ヘッド1に設けられた識別
情報表記部材(図示せず)によって表記されたりする。
上記の識別情報記憶素子32は、情報を電気的に記憶可
能な素子(例えばROM)によって構成される。また、
上記の識別情報表記部材は、例えば、裏面に接着剤を塗
布したシール部材やプレート部材によって構成され、そ
の表面には文字、数字、図形等の記号によって構成され
たマーク情報や、スキャナーによって光学的に読み取り
可能な符号化情報が表記される。
【0099】従って、識別情報記憶素子32を用いた場
合には、カラーアジャストID、オフセットID、及
び、駆動電圧の各情報をプリンタコントローラ40(図
15参照)に直接的に送出することができ、これらの各
情報に基づく制御が行える。また、識別情報表記部材を
用いた場合には、マーク情報や符号化情報に基づいて、
カラーアジャストID、オフセットID、及び、駆動電
圧の各情報をプリンタコントローラ40に付与できるの
で、やはり、これらの各情報に基づく制御が行える。
【0100】次に、記録ヘッド1に付された各情報(カ
ラーアジャストID,オフセットID,駆動電圧)の使
用方法について説明する。ここで、図15はプリンタや
プロッタ等のインクジェット式記録装置の電気的構成を
説明するブロック図である。
【0101】例示した記録装置は、プリンタコントロー
ラ40とプリントエンジン41とを備えている。プリン
タコントローラ40は、ホストコンピュータ(図示せ
ず)等からの印刷データ等を受信するインターフェース
42と、各種データの記憶等を行うRAM43と、各種
データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM4
4と、CPU等からなる制御部45と、発振回路46
と、記録ヘッド1へ供給する駆動信号を発生する駆動信
号発生回路47(本発明の駆動信号発生手段に相当)
と、印刷データをドット毎に展開することで得られた印
字データや駆動信号等をプリントエンジン41に送信す
るためのインターフェース48とを備えている。なお、
上記の制御部45は、本発明の吐出制御手段としても機
能し、記録ヘッド1によるインク滴の吐出を制御する。
【0102】プリントエンジン41は、記録ヘッド1
と、キャリッジ機構51と、紙送り機構52とから構成
されている。記録ヘッド1は、印字データがセットされ
るシフトレジスタ53と、シフトレジスタ53にセット
された印字データをラッチするラッチ回路54と、電圧
増幅器として機能するレベルシフタ55と、圧電振動子
2に対する駆動信号の供給を制御するスイッチ回路56
と、圧電振動子2と、識別情報記憶素子32とを備えて
いる。
【0103】上記の制御部45は、ROM44に記憶さ
れた動作プログラムに則って動作し、記録装置の各部を
制御する。駆動信号発生回路47は、制御部45によっ
て定められた波形形状の駆動信号COMを発生する。こ
の駆動信号COMとしては、例えば図16に示すよう
に、メニスカスを微振動させるための微振動パルスDP
2と小ドット駆動パルスDP1の組を1記録周期T内に
2組配置して構成されている。
【0104】上記の微振動パルスDP2は台形状をして
いる。そして、この微振動パルスDP2が圧電振動子2
に供給されると、圧力室20内にインク滴を吐出させな
い程度の圧力振動が生じ、メニスカスが微振動する。
【0105】また、上記の小ドット駆動パルスDP1
は、図12(b)で説明した小ドット駆動パルスDP1
と同じものであるが、駆動電圧値がVhに設定されてい
る。従って、この小ドット駆動パルスDP1を圧電振動
子2に供給すると、設定されたオフセットIDの分だけ
目標値(2.0pL)よりも多い量のインク滴が吐出さ
れる。例えば、オフセットIDが「5」の記録ヘッド1
ではインク滴の平均吐出量が2.1pLとなり、オフセ
ットIDが「15」の記録ヘッド1ではインク滴の平均
吐出量が2.3pLとなる。
【0106】そして、この駆動電圧値Vhは、上記した
ように、基準ノズル列から吐出されるインク滴の量を判
定基準量以上にすべく設定された電圧値であるため、基
準ノズル列から吐出されるインク滴に関し、その飛行速
度は必要速度以上となる。これにより、極く少量のイン
ク滴であっても所定の位置に確実に着弾させることがで
き、画質の向上が図れ、ミスト化も防止できる。また、
インク滴の吐出量が判定基準量以上であるので、インク
滴量の不足による白筋の不具合も防止できる。さらに、
他のノズル列19から吐出されたインク滴は、少なくと
も基準ノズル列と同じかそれ以上の飛行速度を有するの
で、着弾位置精度を確保できるし、ミスト化も防止でき
る。
【0107】ところで、駆動電圧値Vhの駆動信号CO
Mでインク滴を吐出させた場合には、上記したように、
吐出されるインク滴の量(平均インク量)が記録ヘッド
1毎にばらつき、各ノズル列19から吐出されるインク
滴の量もカラーアジャストIDで規定される分だけばら
つく。このような記録ヘッド1毎のインク滴量のばらつ
きやノズル列19毎のインク滴量のばらつきを補正する
ため、制御部45(画像濃度補正手段)は、オフセット
IDとカラーアジャストIDとに基づき、単位面積当た
りのインク滴の吐出回数をノズル列19毎に調整して画
像濃度を補正する。
【0108】例えば、単位面積当たり2.0pLのイン
ク滴を100回吐出させて200pLのインク滴を着弾
させる設定の場合、インク滴量が2.1pLのノズル列
19については、この単位面積内にインク滴を95回吐
出させると、単位面積当たりのインク滴は199.5p
Lとなり、200pLに揃えられる。同様に、2.3p
Lのノズル列19については、この単位面積内にインク
滴を87回吐出させると、単位面積当たりのインク量は
200.1pLとなり、200pLに揃えられる。そし
て、制御部45は、各ノズル列19A〜19Gにおける
単位面積当たりのインク量が設定値に揃えられるよう
に、インク滴の吐出回数を定める。
【0109】例えば、Tcランク0に分類された記録ヘ
ッドAの場合、カラーアジャストIDに基づいて単位面
積当たりの吐出回数を定める。即ち、図17(a)に示
すように、カラーアジャストID「45」の第1,第4
ノズル列19Dについては単位面積当たりのインク滴の
吐出回数を105回にし、カラーアジャストID「5
0」の第2,第5,第6ノズル列19Fについてはこの
吐出回数を100回にし、カラーアジャストID「5
5」の第3,第7ノズル列19Gについてはこの吐出回
数を95回にする。これにより、この記録ヘッド1Aで
記録した際に、濃度及び色バランスが設計上の濃度及び
色バランスに揃えられた画像が得られる。
【0110】また、Tcランク2に分類された記録ヘッ
ドBの場合、カラーIDにオフセットIDを加算した加
算値を用いて単位面積当たりの吐出回数を定める。即
ち、図17(b)に示すように、加算値「50」の第1
ノズル列19Aについては吐出回数を100回にし、加
算値「55」の第2ノズル列19Bについては吐出回数
を95回にし、加算値「65」の第5,6ノズル列19
については吐出回数を87回にする。同様に、加算値
「70」の第3ノズル列19Cについては吐出回数を8
3回にし、加算値「75」の第4ノズル列19Dについ
ては吐出回数を80回にする。これにより、この記録ヘ
ッドBでも濃度及び色バランスが設計上の濃度及び色バ
ランスに揃えられた画像が記録できる。
【0111】ところで、本発明は、上記した実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づ
いて種々の変形が可能である。
【0112】例えば、上記した第1実施形態では、記録
モードが1種類であり、カラーアジャストIDとオフセ
ットIDも1種類であったが、本発明はこの構成に限定
されない。例えば、複数の記録モードで動作可能な記録
装置にも適用できる。この場合、各記録モードに応じて
複数のカラーアジャストIDとオフセットIDを設定す
る。例えば、図18に示すように、インク滴量が13p
Lの高速モードとインク滴量が2pLの高解像度モード
の2種類の記録モードを選択可能なプリンタにおいて
は、高速モード用のカラーアジャストID及びオフセッ
トIDの組と、高解像度モード用のカラーアジャストI
D及びオフセットIDの組とを別個に用意する。そし
て、制御部45(記録モード設定手段,画像濃度補正手
段)は、設定した記録モードに応じて、対応するカラー
アジャストID及びオフセットIDの組を選択し、上記
した単位面積当たりの吐出回数の調整を行う。このよう
に構成すると、その記録モードに適したインク量識別情
報及び平均インク量識別情報を用いることができ、一層
の画質向上が図れる。勿論、記録モードは、2種類に限
らず3種類以上であってもよい。
【0113】また、上記した実施形態ではTcランクI
Dを加味して判定基準量を設定していたが、インク滴の
吐出量だけで判定基準量を設定してもよい。
【0114】また、上記実施形態では、1種類の駆動パ
ルス(小ドット駆動パルスDP1)を備える駆動信号を
例示したが、これに限らず、インク滴の吐出量が相違す
る複数種類の駆動パルスを備えた駆動信号で駆動を行う
ものであっても本発明は適用できる。この場合、例え
ば、ばらつきが大きくなりがちな最少インク量の駆動パ
ルスに対して上記の調整方法を適用し、駆動電圧値,カ
ラーアジャストID,オフセットIDを定める。
【0115】また、上記実施形態では、本発明の圧力発
生素子として所謂縦振動モードの圧電振動子2を例示し
たが、これに限定されるものではない。例えば、電界方
向(圧電体10と内部電極11との積層方向)に振動可
能な圧電振動子であってもよい。また、各ノズル列19
毎にユニット化されているものに限らず、所謂撓み振動
モードの圧電振動子のように、圧力室20毎に設けられ
るものであってもよい。さらに、圧電振動子に限らず、
磁歪素子等の電気機械変換素子によって圧力発生素子を
構成してもよく。発熱素子によって圧力発生素子を構成
してもよい。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。即ち、インク滴の吐出量が最も少な
いノズル列を基準ノズル列として、この基準ノズル列か
ら吐出されるインク滴の量が判定基準量以上となるよう
に、駆動信号の駆動電圧を設定するようにしたので、基
準ノズル列から吐出されるインク滴の飛行速度を必要速
度以上にすることができる。これにより、極く少量のイ
ンク滴であっても所定の位置に確実に着弾させることが
でき、ミスト化も防止できる。そして、他のノズル列か
ら吐出されたインク滴は、少なくとも基準ノズル列と同
じかそれ以上の飛行速度を有するので、着弾位置精度を
確保できるし、ミスト化も防止できる。また、基準ノズ
ル列からのインク滴の吐出量が判定基準量以上とされる
ため、インク滴量の不足による白筋の発生も防止でき
る。さらに、インク滴の飛行速度をインク滴の吐出量に
基づいて判定しているので、測定装置が簡素化できて手
順も簡単であり、量産に適する。
【0117】また、インク量識別情報、及び、平均イン
ク量識別情報を記録ヘッドに付与した場合には、インク
滴の着弾位置精度を確保しつつも、記録画像の色相を設
計上の色相に合わせることができ、さらに、記録画像の
濃度を設計上の濃度に合わせることもできる。即ち、イ
ンク量識別情報に基づいて単位面積当たりのインク滴の
吐出回数をノズル列毎に調整することができ、単位面積
当たりのインク量を各列で揃えることができ、設計上の
色相にあった画像を記録することができる。また、平均
インク量識別情報に基づいて単位面積当たりのインク滴
の吐出回数を調整できるので、色の濃淡を揃えることが
でき、設計上の濃度で画像を記録することができる。
【0118】また、記録ヘッドには、圧力室内のインク
の固有振動周期に基づいて定めたTcランクを付与し、
このTcランクを加味して駆動電圧値を設定した場合に
は、この固有振動周期に応じて変化するインク滴の飛行
速度に対応できるので、その記録ヘッドの特性をより反
映した適切な設定が行える。
【0119】また、インク量識別情報及び平均インク量
識別情報を記録モード毎に用意し、設定された記録モー
ドに対応するインク量識別情報及び平均インク量識別情
報によって調整を行うようにした場合には、その記録モ
ードに適したインク量識別情報及び平均インク量識別情
報を用いることができ、一層の画質向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録ヘッドの一部分を示す断面図である。
【図2】流路ユニットの耕造を説明する部分拡大断面図
である。
【図3】記録ヘッドをノズルプレート側から見た図であ
る。
【図4】駆動電圧値、カラーアジャストID、及び、オ
フセットIDの設定手順を説明するフローチャートであ
る。
【図5】駆動電圧値、カラーアジャストID、及び、オ
フセットIDの設定手順を説明するフローチャートであ
る。
【図6】Tcランクと飛行速度の関係を示す図である。
【図7】Tcランクの測定装置を説明する図である。
【図8】評価パルスを説明する図である。
【図9】励振要素を供給した際の圧力室の圧力変動を説
明する図である。
【図10】第1ホールド要素の発生時間Pwh1とイン
ク量との相関関係を説明する図である。
【図11】TcランクIDと固有振動周期Tcとの関係
を説明する模式図である。
【図12】(a)は駆動電圧値を定めるための検量線を
説明する図、(b)は小ドット駆動パルスを説明する図
である。
【図13】(a)及び(b)は、設定されたカラーアジ
ャストIDを説明する図である。
【図14】(a)〜(c)は、設定されたカラーアジャ
ストIDやオフセットIDをTcランク毎に示した図で
ある。
【図15】記録装置の構成を説明するブロック図であ
る。
【図16】駆動信号発生回路が発生する駆動信号を説明
する図である。
【図17】(a)及び(b)は、単位面積当たりの吐出
回数の制御を説明する図である。
【図18】複数の記録モードを有する場合を説明する図
である。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録ヘッド 2 圧電振動子 3 振動子群 4 固定板 5 フレキシブルケーブル 6 振動子ユニット 7 ケース 8 流路ユニット 9 収納空部 10 圧電体 11 内部電極 12 島部 15 流路形成基板 16 ノズルプレート 17 弾性板 18 ノズル開口 19 ノズル列 20 圧力室 21 インク供給口 22 共通インク室 23 ノズル連通口 24 支持板 25 樹脂フィルム 30 評価パルス発生回路 31 電子天秤 32 識別情報記憶素子 40 プリンタコントローラ 41 プリントエンジン 42 インターフェース 43 RAM 44 ROM 45 制御部 46 発振回路 47 駆動信号発生回路 48 インターフェース 51 キャリッジ機構 52 紙送り機構 53 シフトレジスタ 54 ラッチ回路 55 レベルシフタ 56 スイッチ回路
フロントページの続き (72)発明者 平本 剛己 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA06 EA07 EA08 EA11 EB08 EB29 EB59 EC08 EC31 EC42 EC73 EC75 EC77 EC80 FA04 KD06 2C057 AF25 AF28 AF30 AF31 AF91 AG14 AG47 AL40 AM22 AM40 AR08 BA03 BA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口を列設してなるノズル列を複
    数備え、圧力発生素子の作動によってノズル開口からイ
    ンク滴を吐出可能な記録ヘッドと、圧力発生素子に供給
    される駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、記録
    ヘッドによるインク滴の吐出を制御する吐出制御手段と
    を有するインクジェット式記録装置において、 前記複数のノズル列の内、インク滴の吐出量が最も少な
    いノズル列を基準ノズル列とし、 駆動信号発生手段は、基準ノズル列から吐出されるイン
    ク滴の量を判定基準量以上にすべく設定された駆動電圧
    値の駆動信号を発生することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドに、インク滴量に関する
    ノズル列同士の比を示すインク量識別情報、及び、前記
    設定された駆動電圧値に起因する平均インク滴量の目標
    値からの差を示す平均インク量識別情報を付与したこと
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記吐出制御手段は、インク量識別情
    報、及び、平均インク量識別情報に基づき、単位面積当
    たりのインク滴の吐出回数をノズル列毎に調整して画像
    濃度を補正する画像濃度補正手段を備えることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のインクジェット式記
    録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドには、圧力室内のインク
    の固有振動周期に基づいて定めたTcランクを付与し、
    該Tcランクを加味して駆動電圧値を設定したことを特
    徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のインク
    ジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 インク滴量に応じて定まる複数の記録モ
    ードから1つの記録モードを選択する記録モード設定手
    段を備え、 前記インク量識別情報及び平均インク量識別情報を記録
    モード毎に用意し、画像濃度補正手段は、設定された記
    録モードに対応するインク量識別情報及び平均インク量
    識別情報によって調整を行うことを特徴とする請求項2
    から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、各ノズル列単位でユ
    ニット化された圧力発生素子を備えることを特徴とする
    請求項1から請求項5の何れかに記載のインクジェット
    式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記圧力発生素子が圧電振動子であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の
    インクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 ノズル開口を列設してなるノズル列を複
    数備え、圧力発生素子の作動によって任意のノズル開口
    からインク滴を吐出可能な記録ヘッドと、圧力発生素子
    に供給される駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と
    を有するインクジェット式記録装置の駆動方法におい
    て、 前記複数のノズル列の内、インク滴の吐出量が最も少な
    いノズル列を基準ノズル列とし、この基準ノズル列から
    吐出されるインク滴の量を判定基準量以上にすべく設定
    された駆動電圧値の駆動信号を駆動信号発生手段から発
    生させ、 前記駆動電圧値の駆動信号を記録ヘッドに供給すること
    を特徴とするインクジェット式記録装置の駆動方法。
  9. 【請求項9】 前記駆動電圧値の駆動信号によって吐出
    させたインク滴の量に基づき、単位面積当たりのインク
    滴の吐出回数をノズル列毎に調整して画像濃度を補正す
    ることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット式
    記録装置の駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100408338C (zh) * 2004-08-05 2008-08-06 兄弟工业株式会社 用于校正在行式头喷墨打印机中的喷墨量的方法
US12496821B2 (en) 2023-03-16 2025-12-16 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing liquid ejecting apparatus

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