[go: up one dir, main page]

JP2003064248A - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤

Info

Publication number
JP2003064248A
JP2003064248A JP2001261030A JP2001261030A JP2003064248A JP 2003064248 A JP2003064248 A JP 2003064248A JP 2001261030 A JP2001261030 A JP 2001261030A JP 2001261030 A JP2001261030 A JP 2001261030A JP 2003064248 A JP2003064248 A JP 2003064248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
aromatic polycarbonate
weight
ion
layered silicate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001261030A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Mitsunaga
正樹 光永
Katsuhiko Hironaka
克彦 弘中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP2001261030A priority Critical patent/JP2003064248A/ja
Publication of JP2003064248A publication Critical patent/JP2003064248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 層状珪酸塩を超微分散させて良好な剛性を有
しつつ、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化を改良し
た芳香族ポリカーボネート樹脂を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート(A成分)10
0重量部、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン
交換能を有し、かつ有機オニウムイオンが該交換容量の
40%以上の割合でイオン交換されてなる層状珪酸塩
(B成分)0.1〜140重量部、およびポリカプロラ
クトン(C成分)0.1〜70重量部からなる芳香族ポ
リカーボネート樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリカーボ
ネートと有機オニウムイオンが層間にイオン交換されて
なる層状珪酸塩およびポリカプロラクトン(C成分)か
らなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物に関する。更に詳しくは、かかる構成からなり、層
状珪酸塩が樹脂マトリックス中に微分散した芳香族ポリ
カーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、芳香族ポリカーボネート樹脂
は、その優れた透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性
といった特性を有しており、OA機器分野や自動車分野
などといった用途に広く用いられている。近年の軽薄短
小といった技術動向により、良好な剛性が求められてい
る。
【0003】従来、剛性を改良するために、ガラス繊維
または無機フィラーを混合した材料が用いられてきた。
しかしながら、場合によってはより低比重、または良好
な表面外観を有する材料が求められる場合があった。そ
こで無機フィラーを超微分散させ、組成物の剛性および
表面性を改良しようとする試みが行われている。
【0004】これらの課題に対応できる技術として、無
機充填剤として粘土鉱物、特に層状珪酸塩を用い、その
層間イオンを各種の有機オニウムイオンにイオン交換さ
せ樹脂中への分散を容易にすることにより、成形品の表
面外観や比重を良好に保ったまま、機械特性を改良する
試みが、特にポリアミド系樹脂やポリオレフィン系樹脂
において多くなされており、それらにおいては実用例も
見ることができる。
【0005】芳香族ポリカーボネート樹脂組成物におい
ても、特開平03−215558号、特開平07−20
7134号、特開平07−228762号、特開平07
−331092号、特開平09−143359号、およ
び特開平10−60160号公報などが、使用する有機
オニウムイオンや混合方法を工夫することにより、芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物中における分散性を改良
しようとする方法が提案されている。しかしながら、層
状珪酸塩などを微分散させた芳香族ポリカーボネート樹
脂は、ポリアミド系樹脂やポリオレフィン系樹脂とは異
なり、加水分解を生じやすく、熱安定性に劣るという課
題を有するため、実用性が十分とはいえないのが現状で
ある。
【0006】また、層状珪酸塩の層間イオンを有機オニ
ウムイオンとイオン交換させたのちに、層間にポリアミ
ドモノマーをゲストとして挿入し、重合することによっ
て、超微分散した層状珪酸塩を含むポリアミド樹脂を製
造し、これを芳香族ポリカーボネート樹脂に混合し、溶
融混練することにより、微分散させた層状珪酸塩を含む
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することが提
案されている(特許3017232号)。しかしなが
ら、かかる樹脂組成物は、熱安定性に劣り実用性が十分
とはいえない面があった。
【0007】また、層状珪酸塩、熱可塑性樹脂、有機オ
ニウムイオンおよび溶媒を各々押出機に投入し、溶融混
練することにより、微分散させた層状珪酸塩を含む芳香
族ポリカーボネート複合体を製造することが提案されて
いる(特開2000−239397号公報)。しかしな
がら、溶媒を大量に押出機に投入して溶融混練すること
から、その溶媒から発生するガスの脱気などといった製
造上の問題があり、さらには有機オニウムイオンと溶媒
が混在する状況下であるため、芳香族ポリカーボネート
樹脂のエステル交換反応による熱劣化が促進されるとい
う問題があった。
【0008】一方、特開2000−17157号公報に
は、脂肪族ポリエステルと層状珪酸塩を有機カチオンで
処理して得られる有機粘土複合体からなる組成物が開示
され、該組成物からなるフィルムは、強度、剛性に優
れ、更に生分解性を有することが記載されている。しか
しながら、かかる公報においては芳香族ポリカーボネー
ト中において、層状珪酸塩が超微分散した樹脂組成物を
開示していない。
【0009】上述の如く、層状珪酸塩を超微分散した芳
香族ポリカーボネート樹脂が望まれているもの、殊に熱
安定性の問題から実用上十分な組成物が達成されていな
いのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を鑑みた上で、層状珪酸塩を微分散させて良好な
剛性を有しつつ、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱劣化
を改良した芳香族ポリカーボネート樹脂を提供すること
にある。
【0011】本発明者は、かかる目的を達成すべく鋭意
検討した結果、驚くべきことに芳香族ポリカーボネー
ト、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換能
を有する層状珪酸塩、およびポリカプロラクトンからな
る樹脂組成物が、層状珪酸塩の微分散を達成するもので
あり、かつ良好な熱安定性を有することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリカ
ーボネート(A成分)100重量部、50〜200ミリ
当量/100gの陽イオン交換能を有し、かつ有機オニ
ウムイオンが該交換容量の40%以上の割合でイオン交
換されてなる層状珪酸塩(B成分)0.1〜140重量
部、およびポリカプロラクトン(C成分)0.1〜70
重量部からなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に係
るものである。
【0013】本発明はより好適には、上記C成分は、そ
の数平均分子量が300〜40,000である上記芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物にかかるものである。
【0014】また本発明はより好適には、上記B成分が
有機オニウムイオンが層間にイオン交換されてなる層状
珪酸塩である上記樹脂組成物にかかるものであり、更に
好適には該有機オニウムイオンが有機ホスホニウムイオ
ンである上記樹脂組成物にかかるものであり、また該有
機オニウムイオンの分子量が100〜600であるもの
をより好適とする上記樹脂組成物にかかるものである。
【0015】更に本発明は好適には、上記樹脂組成物
は、B成分とC成分を予め溶融混練したのちA成分と溶
融混練してなる上記芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
にかかるものである。
【0016】以下本発明の詳細を説明する。
【0017】本発明のA成分である芳香族ポリカーボネ
ートは、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応
させて得られるものである。反応の方法としては界面重
縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマ
ーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合
物の開環重合法などを挙げることができる。
【0018】二価フェノールの代表的な例としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキ
シ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、9,9−
ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フル
オレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンなどを挙げること
ができる。特に、ビスフェノールAの単独重合体を挙げ
ることができる。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂
は、耐衝撃性が優れる点で好ましい。
【0019】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0020】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当っては、
必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールが酸化
するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよ
い。また芳香族ポリカーボネートは三官能以上の多官能
性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであ
ってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物として
は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
【0021】分岐ポリカーボネートを生ずる多官能性化
合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネー
ト全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.00
5〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モ
ル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反
応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構
造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.
001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル
%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるもの
が好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測
定により算出することが可能である。
【0022】更に芳香族または脂肪族の二官能性カルボ
ン酸を共重合したポリエステルカーボネートであっても
よい。脂肪族の二官能性カルボン酸としては、例えば炭
素数8〜20、好ましくは10〜12の脂肪族の二官能
性カルボン酸が挙げられる。かかる脂肪族の二官能性の
カルボン酸は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであって
もよい。脂肪族の二官能性のカルボン酸は、α,ω−ジ
カルボン酸が好ましい。脂肪族の二官能性のカルボン酸
としては例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン
二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン
二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましく挙げら
れる。
【0023】更にポリオルガノシロキサン単位を共重合
した、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重
合体の使用も可能である。
【0024】芳香族ポリカーボネートは、上述した各種
二価フェノールの異なるポリカーボネート、分岐成分を
含有するポリカーボネート、各種のポリエステルカーボ
ネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共
重合体など各種の芳香族ポリカーボネートの2種以上を
混合したものであってもよい。更に下記に示す製造法の
異なるポリカーボネート、末端停止剤の異なるポリカー
ボネートなど各種についても2種以上を混合したものが
使用できる。
【0025】芳香族ポリカーボネートの重合反応におい
て界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホ
スゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在
下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物また
はピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒と
しては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために
例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロ
マイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、
第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもでき
る。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は1
0分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好
ましい。
【0026】また、かかる重合反応において、通常末端
停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フ
ェノール類を使用することができる。単官能フェノール
類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert
−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソ
オクチルフェノールが挙げられる。また、末端停止剤は
単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0027】溶融エステル交換法による反応は、通常二
価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換
反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカ
ーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成す
るアルコールまたはフェノールを留出させる方法により
行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノ
ールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の
範囲である。反応後期には系を1.33×103〜1
3.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフ
ェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4
時間程度である。
【0028】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好まし
い。
【0029】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物などの触媒を用いることができる。更にアル
カリ(土類)金属のアルコキシド類、アルカリ(土類)
金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、ゲルマニウム化合
物類、アンチモン化合物類、チタン化合物類、ジルコニ
ウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換
反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単
独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フ
ェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×1
-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量
の範囲で選ばれる。
【0030】溶融エステル交換法による反応ではフェノ
ール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期ある
いは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカ
ーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェ
ニルカーボネート等の化合物を加えることができる。
【0031】さらに溶融エステル交換法では触媒の活性
を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活
剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜
50モルの割合で用いるのが好ましい。また重合後のポ
リカーボネートに対し、0.01〜500ppmの割
合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ま
しくは0.01〜100ppmの割合で使用する。失活
剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩などのホスホニウム塩、テトラエチルア
ンモニウムドデシルベンジルサルフェートなどのアンモ
ニウム塩なとが好ましく挙げられる。
【0032】芳香族ポリカーボネートの分子量は特定さ
れないが、分子量が10,000未満であると強度など
が低下し、50,000を超えると成形加工性が低下す
るようになるので、粘度平均分子量で表して10,00
0〜50,000のものが好ましく、15,000〜4
0,000のものがより好ましく、更に好ましくは2
0,000〜35,000である。この場合粘度平均分
子量が上記範囲外であるポリカーボネートとを混合する
ことも当然に可能である。
【0033】特に粘度平均分子量が50,000を超え
る芳香族ポリカーボネートとの混合物はその高いエント
ロピー弾性に由来する特性(ドリップ防止特性、ドロー
ダウン特性、およびジェッティング改良などの溶融特性
を改良する特性)を発揮するものであるため、本発明の
樹脂組成物のように良好な難燃性が求められる場合には
好ましい態様の1つとして挙げることができる。
【0034】より好ましくは粘度平均分子量が80,0
00以上の芳香族ポリカーボネートとの混合物であり、
更に好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を
有する芳香族ポリカーボネートとの混合物である。すな
わちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)などの測定方法により2ピーク以上の分子量分布を
観察できるものが好ましく使用できる。
【0035】本発明でいう粘度平均分子量はまず次式に
て算出される比粘度を20℃で塩化メチレン100ml
に芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液から
オストワルド粘度計を用いて求め、 比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0 [t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下
秒数] 求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分子量M
を求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0036】尚、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物における粘度平均分子量を測定する場合は次の要
領で行う。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重
量の塩化メチレンに溶解し、かかる可溶分をセライト濾
過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩
化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを
塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、上式によ
り算出される20℃における比粘度を、オストワルド粘
度計を用いて求めることにより測定する。
【0037】本発明で用いられるB成分の層状珪酸塩
は、SiO2連鎖からなるSiO4四面体シート構造とA
l、Mg、Li等を含む八面体シート構造との組み合わ
せからなる層からなり、その層間に交換性陽イオンの配
位した珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)
である。これらは例えば、スメクタイト系鉱物、バーミ
キュライト、ハロイサイト、および膨潤性雲母などに代
表される。具体的には、スメクタイト系鉱物としては、
モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライ
ト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等が、
膨潤性雲母としては、Li型フッ素テニオライト、Na
型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li
型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母等が挙げられ
る。これら層状珪酸塩は、天然のものおよび合成された
もののいずれも使用可能である。合成品は、例えば水熱
合成、溶融合成、固体反応によって得ることができる。
【0038】本発明に用いられる層状珪酸塩の陽イオン
交換容量は、50〜200ミリ当量/100gである必
要があるが、好ましくは80〜150ミリ当量/100
g以上、さらに好ましくは100〜150ミリ当量/1
00gである。陽イオン交換容量は、土壌標準分析法と
して国内の公定法となっているショーレンベルガー改良
法によってCEC値として測定される。層状珪酸塩の陽
イオン交換容量は、芳香族ポリカーボネート樹脂への良
好な分散性を得るためには、50ミリ当量/100g以
上の陽イオン交換容量が必要であるが、200ミリ当量
/100gより大きくなると、芳香族ポリカーボネート
樹脂の熱劣化への影響が大きくなってくる。
【0039】本発明に用いられる層状珪酸塩は、そのp
Hの値が7〜10であることが好ましい。pHの値が1
0より大きくなると、芳香族ポリカーボネート樹脂の熱
安定性を低下させる傾向が現れてくる。
【0040】これらの層状珪酸塩の中でも、陽イオン交
換容量などの点から、モンモリロナイト、ヘクトライト
等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライ
ト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲
母等の膨潤性を持ったフッ素雲母が好適に用いられ、ベ
ントナイトを精製して得られるモンモリロナイトや合成
フッ素雲母が、純度などの点からより好適である。更
に、良好な機械特性が得られる合成フッ素雲母が特に好
ましい。
【0041】本発明で用いられるB成分の層状珪酸塩
は、有機オニウムイオンが層状珪酸塩の層間にイオン交
換されることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂への
配合時のせん断による層剥離が容易になり、良好な分散
が促進される。したがって本発明のB成分の層状珪酸塩
としては有機オニウム塩が層間にイオン交換されものが
より好適である。
【0042】該有機オニウムイオンは、通常ハロゲンイ
オン等との塩として取り扱われる。ここで有機オニウム
イオンとしては、例えばアンモニウムイオン、ホスホニ
ウムイオン、スルホニウムイオン、複素芳香環由来のオ
ニウムイオン等が挙げられ、オニウムイオンとしては1
級、2級、3級、4級のいずれも使用できるが、4級オ
ニウムイオンが好ましい。またオニウムイオンとしてホ
スホニウムイオンを用いると、芳香族ポリカーボネート
樹脂の熱劣化が小さいという利点を得ることができる。
したがって本発明の有機オニウムイオンとしては有機ホ
スホニウムイオンがより好適である。
【0043】該イオン化合物には各種の有機基が結合し
たものが使用できる。有機基としてはアルキル基が代表
的であるが、芳香族基をもったものでもよく、またエー
テル基、エステル基、二重結合部分、三重結合部分、グ
リシジル基、カルボン酸基、酸無水物基、水酸基、アミ
ノ基、アミド基、オキサゾリン環など各種官能基を含有
したものでもよい。
【0044】有機オニウムイオンの具体例としては、テ
トラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等
の同一のアルキル基を有する4級アンモニウム、トリメ
チルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニ
ウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテ
トラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアン
モニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、およ
びトリメチルイコサニルアンモニウム等のトリメチルア
ルキルアンモニウム、トリメチルオクタデセニルアンモ
ニウム等のトリメチルアルケニルアンモニウム、トリメ
チルオクタデカジエニルアンモニウム等のトリメチルア
ルカジエニルアンモニウム、トリエチルドデシルアンモ
ニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエ
チルヘキサデシルアンモニウム、およびトリエチルオク
タデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニ
ウム、トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテ
トラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアン
モニウム、およびトリブチルオクタデシルアンモニウム
等のトリブチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオク
チルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジ
メチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサ
デシルアンモニウム、およびジメチルジオクタデシルア
ンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム、ジメ
チルジオクタデセニルアンモニウム等のジメチルジアル
ケニルアンモニウム、ジメチルジオクタデカジエニルア
ンモニウム等のジメチルジアルカジエニルアンモニウ
ム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテト
ラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモ
ニウム、およびジエチルジオクタデシルアンモニウム等
のジエチルジアルキルアンモニウム、ジブチルジドデシ
ルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウ
ム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、およびジブ
チルジオクタデシルアンモニウム等のジブチルジアルキ
ルアンモニウム、メチルベンジルジヘキサデシルアンモ
ニウム等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム、ジ
ベンジルジヘキサデシルアンモニウム等のジベンジルジ
アルキルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウ
ム、トリドデシルメチルアンモニウム、およびトリテト
ラデシルメチルアンモニウム等のトリアルキルメチルア
ンモニウム、トリオクチルエチルアンモニウム、および
トリドデシルエチルアンモニウム等のトリアルキルエチ
ルアンモニウム、トリオクチルブチルアンモニウム、お
よびトリデシルブチルアンモニウム等のトリアルキルブ
チルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等
の芳香環を有する4級アンモニウム、トリメチルフェニ
ルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウ
ム、メチルジエチル[PEG]オニウム。メチルジエチ
ル[PPG]等のトリアルキル[PAG]アンモニウ
ム、メチルジメチルビス[PEG]アンモニウム等のジ
アルキルビス[PAG]アンモニウム、エチルトリス
[PEG]アンモニウム等のアルキルトリス[PAG]
アンモニウム、および上記アンモニウムイオンの窒素原
子がリン原子に置き換わったホスホニウムイオンが挙げ
られる。なお、これらの有機オニウムイオンは、単独の
使用および2種以上の組合せの使用のいずれも選択でき
る。尚、上記“PEG”の表記はポリエチレングリコー
ルを、“PPG”の表記はポリプロピレングリコールを
“PAG”の表記はポリアルキレングリコールを示す。
ポリアルキレングリコールの分子量としては100〜1
500のものが使用できる。
【0045】これら有機オニウムイオン化合物の分子量
は、100〜600であることがより好ましい。より好
ましくは150〜500である。分子量が600より多
いときには、場合により芳香族ポリカーボネート樹脂の
熱劣化を促進したり、樹脂組成物の耐熱性を損なってし
まう傾向が現れる。尚、かかる有機オニウムイオンの分
子量は、ハロゲンイオン等のカウンターイオン分を含ま
ない有機オニウムイオン単体の分子量を指す。また有機
オニウムイオン化合物構造中のアルキル基として、炭素
数10以下のアルキル基を用いることも、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の熱劣化を抑制する上で好ましい方法で
ある。
【0046】有機オニウムイオンの好ましい態様として
は、トリメチル−n−オクチルアンモニウム、トリメチ
ル−n−デシルアンモニウム、トリメチル−n−ドデシ
ルアンモニウム、トリメチル−n−ヘキサデシルアンモ
ニウム、トリメチル−n−オクタデシルアンモニウム、
メチルトリ−n−オクチルアンモニウム、エチルトリ−
n−オクチルアンモニウム、ブチルトリ−n−オクチル
アンモニウム、トリフェニルメチルアンモニウム、トリ
メチル−n−オクチルホスホニウム、トリメチル−n−
デシルホスホニウム、トリメチル−n−ドデシルホスホ
ニウム、トリメチル−n−ヘキサデシルホスホニウム、
トリメチル−n−オクタデシルホスホニウム、メチルト
リ−n−オクチルホスホニウム、エチルトリ−n−オク
チルホスホニウム、ブチルトリ−n−オクチルホスホニ
ウム、トリフェニルメチルホスホニウム等が挙げられ
る。
【0047】層状珪酸塩への有機オニウムイオンのイオ
ン交換は、極性溶媒中に分散させた層状珪酸塩に、有機
オニウムイオンを添加し、析出してくるイオン交換化合
物を収集することによって作製することができる。通
常、このイオン交換反応は、有機オニウムイオン化合物
を層状珪酸塩のイオン交換容量に対して、1.0〜1.
5当量を加えて、ほぼ全量の層間の金属イオンを有機オ
ニウムイオンで交換させるのが一般的であるが、この交
換割合をより低い水準に抑えることも、芳香族ポリカー
ボネート樹脂の熱劣化を抑制するうえで有効である。こ
の有機オニウムイオンでイオン交換される割合は、層状
珪酸塩のイオン交換容量に対して40%以上、好ましく
は40〜80%である。この交換割合が40%より小さ
いと、イオン交換化合物の合成が困難になる。
【0048】有機オニウムイオンの交換割合は、交換後
の化合物について、熱重量測定装置を用いて、有機オニ
ウムイオンの熱分解による重量減少を求めることにより
算出することができる。
【0049】本発明でC成分として使用するポリカプロ
ラクトンは、B成分の有機オニウム塩に対して良好な相
溶性を有し、これにより溶融混練時の剪断による層剥離
を促進すると共に、有機オニウムイオン成分が芳香族ポ
リカーボネートを攻撃することを防いでいると推定され
る。ポリカプロラクトンは、下記繰返単位で示されるも
のである。
【0050】
【化1】
【0051】かかるポリカプロラクトンは、例えばカプ
ロラクトンを酸、塩基、有機金属化合物等の触媒の存在
下開環重合して製造することができる。また、ポリカプ
ロラクトンの末端はエステル化やエーテル化等の末端処
理を施してあってもよい。ポリカプロラクトンの分子量
は特に制限する必要はないが、数平均分子量で表して3
00〜40,000が好ましく、400〜30,000
がより好ましく、400〜15,000が更に好まし
く、500〜12,000が特に好ましい。分子量が4
0,000を超えると、ポリカプロラクトンが層状珪酸
塩の層剥離効果が低くなり、芳香族ポリカーボネート樹
脂中において良好な分散性が得られない場合がある。
【0052】上記において、B成分の組成割合は、A成
分100重量部に対して0.1〜140重量部であり、
1〜120重量部が好ましく、2〜60重量部がより好
ましく、3〜40重量部が更に好ましい。0.1重量部
未満では剛性向上効果が得られず、120重量部を超え
ると芳香族ポリカーボネートの劣化が顕著になり、好ま
しくない。更に正味の層状珪酸塩の割合としては、A成
分100重量部当り0.05〜100重量部が好まし
く、0.5〜70重量部がより好ましく、1〜35重量
部が更に好ましい。尚、組成物中の正味の層状珪酸塩量
は、樹脂組成物について熱重量測定装置(TGA)を用
いて樹脂分等の熱分解し、その重量減少を求めることに
より算出することができる(他の無機充填材などと併用
の場合はその分を差し引く)。
【0053】C成分の組成割合は、A成分100重量部
に対して0.1〜70重量部であり、1〜50重量部が
好ましく、1〜40重量部がより好ましく、1〜20重
量部が更に好ましく、1〜15重量部が特に好ましい。
0.1重量部未満では剛性向上効果が得られない。70
重量部を超えると芳香族ポリカーボネートの耐熱性が低
下し実用性が低下する。
【0054】更にC成分に対するB成分の重量比(B成
分の重量/C成分の重量)は、0.2〜10が好まし
く、0.5〜5がより好ましく、1〜3が更に好まし
い。更にC成分に対するB成分中の正味の層状珪酸塩の
重量比は、0.1〜8が好ましく、0.3〜3がより好
ましく、0.5〜2が更に好ましい。したがってB成分
の層状珪酸塩の割合が増加するほど、C成分のポリカプ
ロラクトンをより多く含むことが好ましいが、かかる場
合にはポリカプロラクトンの分子量は比較的高めである
ことが強度の点からは好適である。一方で層状珪酸塩の
分散のためには、ポリカプロラクトンの分子量は比較的
低いことが好ましい。よって層状珪酸塩が比較的少ない
場合にはポリカプロラクトンの分子量は低めであること
が好ましく、層状珪酸塩が比較的多い場合にはポリカプ
ロラクトンの分子量は高めであることが好ましい。本発
明において両者の好ましい関係は下記式により表され
る。
【0055】0.036x+2.7≦log(Mp)≦
0.036x+3.2 (ここでxは樹脂組成物100重量%中における、B成
分中の正味の層状珪酸塩の量(重量%)を示し、Mpは
ポリカプロラクトンの数平均分子量を表す)本発明の芳
香族ポリカーボネート樹脂組成物には、トリメチルホス
フェート等のリン酸エステル、トリフェニルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエ
リスリト−ルジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチ
レンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オ
クチルホスファイト、およびビス(2,4−ジ−ter
t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト等の亜リン酸エステル、テトラキス(2,4−ジ−
tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
ジホスホナイト等の亜ホスホン酸エステルを全組成物に
対して、0.001〜1重量%を含むことができる。こ
れによりさらに熱安定性が向上するので、上記各種のリ
ン化合物を該所定量含むことが好ましい。
【0056】さらに本発明の目的を損なわない範囲で、
他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミド、ポリアセター
ル、変性ポリフェニレンエーテル、ABS樹脂等の他の
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリフェニレンサルファイド等)、難燃剤(例え
ば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリカーボネート、臭素化ポリアクリレート、モノホス
フェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホス
ホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー
化合物、ホスホン酸アミド化合物等)、難燃助剤(例え
ば、アンチモン酸ナトリウム、三酸化アンチモン等)、
滴下防止剤(フィブリル形成能を有するポリテトラフル
オロエチレン等)、核剤(例えば、ステアリン酸ナトリ
ウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム等)、酸化防止
剤(例えば、ヒンダ−ドフェノ−ル系化合物等)、衝撃
改良剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、着色
剤等を配合してもよい。
【0057】更に本発明は、使用目的に応じて、ガラス
繊維、炭素繊維、ガラスフレーク、ワラストナイト、カ
オリンクレー、マイカ、およびタルクといった一般に知
られている各種フィラーを併用することができる。ガラ
ス繊維、炭素繊維およびガラスフレークなどは樹脂組成
物の強度や耐衝撃性の向上のためには好適である。フィ
ラーの形状は繊維状、フレーク状、球状、中空状を自由
に選択できる。
【0058】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成
物を製造するには、任意の方法が採用される。例えば各
成分、並びに任意に他の成分を予備混合し、その後溶融
混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予
備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレン
ダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、押出
混合機などを挙げることができる。予備混合においては
場合により押出造粒器やブリケッティングマシーンなど
により造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式
二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練、および
ペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練
機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱
撹拌容器などを挙げることができるが、ベント式二軸押
出機が好ましい。
【0059】更に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹
脂組成物の溶融混練機による溶融混練において、B成分
の層状珪酸塩と、C成分のポリカプロラクトンを予め溶
融混練しておき、その後該溶融混練物とA成分の芳香族
ポリカーボネートとを溶融混練すると、芳香族ポリカー
ボネートの分子量低下が特に抑制されるため好ましい。
具体的には、例えば、(i)B成分とC成分をベント式
二軸押出機にて溶融混練しペレット化したものを、再度
A成分と溶融混練する方法や、(ii)B成分とC成分
をベント式二軸押出機の主供給口より投入し、A成分の
一部または全部を二軸押出機の途中段階に設けられた供
給口から、B成分とC成分が既に溶融混練された状態の
中へ投入する方法などが挙げられる。
【0060】したがって本発明によれば、ポリカプロラ
クトン100重量部に対し、50〜200ミリ当量/1
00gの陽イオン交換能を有し、有機オニウムイオンが
層間にイオン交換されてなる層状珪酸塩1〜200重量
部を溶融混練してなる樹脂用添加剤が提供される。かか
る層状珪酸塩の好ましい態様は、本発明のB成分と同様
である。よって陽イオン交換能は、好ましくは80〜1
50ミリ当量/100g、さらに好ましくは100〜1
50ミリ当量/100gであり、また有機オニウムイオ
ンとしては、特にホスホニウムイオンが好適である。更
にポリカプロラクトンの好ましい態様も本発明のC成分
と同様である。かかる樹脂用添加剤において、ポリカプ
ロラクトンと層状珪酸塩との割合は、ポリカプロラクト
ン100重量部に対し、50〜200ミリ当量/100
gの陽イオン交換能を有し、有機オニウムイオンが層間
にイオン交換されてなる層状珪酸塩が5〜80重量部が
より好ましく、10〜70重量部が更に好ましい。また
かかる樹脂用添加剤は各種の熱可塑性樹脂に適用可能で
あるが、殊に芳香族ポリカーボネート樹脂用として好適
である。その割合は芳香族ポリカーボネート樹脂100
重量部当り、かかる樹脂用添加剤を1〜100重量部配
合し、本発明のA成分、B成分およびC成分を含んでな
る樹脂組成物の構成とすることが好ましい。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し本発明を具体
的に説明する。本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、評価は下記の(1)〜(6)の方法により行
った。
【0062】(1)B成分とC成分の溶融混練 溶融混練することなくA成分、B成分、およびC成分を
予備混合した後押出機で溶融混練した場合を“方法
1”、B成分とC成分をあらかじめ混練した場合を“方
法2”として記載した。尚、2成分の混練は、B成分と
C成分をドライブレンドした後、C成分がC−1〜2の
場合には温度150℃に保持した撹拌可能な恒温槽に
て、一昼夜加熱撹拌した後で放冷し、粉砕して使用に供
した。C成分がC−3の場合には温度を200℃に保持
した撹拌可能な恒温槽にて一昼夜加熱撹拌した後で放冷
し、使用に供した。
【0063】(2)層状珪酸塩含有量 試験片を射出成形機(東芝機械製:IS−150EN)
によりシリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形
サイクル40秒で成形し、成形した試験片を切削してる
つぼに入れて秤量し、600℃まで昇温し、そのまま6
時間保持した後で放冷し、るつぼに残った灰化残渣を秤
量することで層状珪酸塩含有量を測定した。
【0064】(3)分子量 試験片を(2)と同条件で成形し、試験片の粘度平均分
子量を本文中記載の方法にて測定した。
【0065】(4)衝撃値 厚み3.2mmの衝撃試験片を(2)と同条件で成形
し、ASTM−D256準拠の方法にて測定した。
【0066】(5)曲げ弾性率 曲げ試験片を(1)と同条件にて成形し、ASTM−D
790に準拠の方法にて測定した。
【0067】(6)外観評価 厚み2mmの平板を(1)と同条件にて成形し、成形品
の表面外観を目視評価した。珪酸塩の凝集体が全く見ら
れず、表面光沢に優れる場合を○、珪酸塩の凝集体が若
干見られ、表面光沢がやや劣る場合を△、珪酸塩の凝集
体が見られ、表面光沢に劣る場合を×として評価した。
【0068】[実施例1〜13、比較例1〜5]表2記
載の各成分を表2の配合割合でドライブレンドした後、
径30mmφ、L/D=33.2、混練ゾーン2箇所の
スクリューを装備したベント付き2軸押出機[神戸製鋼
所(株)製:KTX30]を用い、シリンダー温度26
0℃にて溶融混練し、押出し、ストランドカットしてペ
レットを得、得られたペレットを100℃で5時間熱風
循環式乾燥機により乾燥した。乾燥後上記のとおり射出
成形機により評価用の試験片を作成した。
【0069】表2記載の各成分を示す記号は下記の通り
である。 (A成分) A:粘度平均分子量23,700の芳香族ポリカ−ボネ
−ト樹脂(帝人化成製;パンライト L−1250) (B成分)B成分の詳細については、それらの内容を表
1に示す。層状珪酸塩の陽イオン交換容量は、本文中に
示すショーレンベルガー法により測定した値である。こ
れら層状珪酸塩への有機オニウムイオンのイオン交換は
次の方法により行った。
【0070】[層間化合物の作製方法]層状珪酸塩約1
00gを精秤しこれを室温の水10リットルに撹拌分散
し、ここにオニウムイオンブロマイドを種々の当量にて
添加して6時間撹拌した。生成した沈降性の固体を濾別
し、次いで30リットルの脱塩水中で撹拌洗浄後再び濾
別した。この洗浄と濾別の操作を3回行った。得られた
固体は3〜7日の風乾後乳鉢で粉砕し、更に50℃の温
風乾燥を3〜10時間行い(ゲストのオニウムイオンの
種類により異なる)、再度乳鉢で最大粒径が100μm
程度となるまで粉砕した。かかる温風乾燥により窒素気
流下120℃で1時間保持した場合の熱重量減少で評価
した残留水分量が2〜3重量%とした。オニウムイオン
のイオン交換割合については、イオン交換された層状珪
酸塩の、窒素気流下500℃で3時間保持した場合の残
渣の重量分率を測定することにより求めた。
【0071】
【表1】
【0072】(C成分) C−1:数平均分子量1,250のポリカプロラクトン
(ダイセル化学工業製;プラクセルPCL212) C−2:数平均分子量4,000のポリカプロラクトン
(ダイセル化学工業製;プラクセルPCL240) C−3:数平均分子量10,000のポリカプロラクト
ン(ダイセル化学工業製;プラクセルH1P) C−4:ナイロン6(宇部興産製;ウベナイロン101
5B) C−5:数平均分子量70,000のポリカプロラクト
ン(ダイセル化学工業製;プラクセルH7) サンプルによっては、その他成分としてリン酸トリメチ
ル(大八化学工業(株)製:TMP)を用いた。
【0073】
【表2】
【0074】表2で明らかなように、実施例1〜13か
ら、B成分である有機オニウムイオンが層間にイオン交
換されてなる層状珪酸塩、およびC成分であるポリカプ
ロラクトンを特定の範囲で添加することにより、該組成
物は高い剛性を示しつつ、良好な衝撃値を有することか
ら熱安定性に優れることがわかる。また、B成分とC成
分をあらかじめ溶融混練することにより、さらに高レベ
ルの剛性と熱安定性を示すことがわかる。
【0075】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物は、高い剛性と熱安定性を有しており、カバーやハ
ウジングなどのOA機器部品、自動車部品といった幅広
い用途に有用であり、その奏する工業的効果は格別であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA47 AA50 AC22 AD06 AE01 FA03 FA13 FA17 FC06 4J002 CF192 CG001 DJ006 FB086 FD016 GN00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート(A成分)10
    0重量部、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン
    交換能を有し、かつ有機オニウムイオンが該交換容量の
    40%以上の割合でイオン交換されてなる層状珪酸塩
    (B成分)0.1〜140重量部、およびポリカプロラ
    クトン(C成分)0.1〜70重量部からなる芳香族ポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記C成分は、その数平均分子量が30
    0〜40,000である請求項1に記載の芳香族ポリカ
    ーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記B成分における有機オニウムイオン
    の分子量が100〜600である請求項1または2のい
    ずれか1項に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記B成分における有機オニウムイオン
    が有機ホスホニウムイオンである請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記樹脂組成物は、B成分とC成分を予
    め溶融混練したのちA成分と溶融混練してなる請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリカプロラクトン100重量部に対
    し、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換能
    を有し、有機オニウムイオンが層間にイオン交換されて
    なる層状珪酸塩1〜200重量部を溶融混練してなる樹
    脂用添加剤。
JP2001261030A 2001-08-30 2001-08-30 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤 Pending JP2003064248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001261030A JP2003064248A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001261030A JP2003064248A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003064248A true JP2003064248A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19088135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001261030A Pending JP2003064248A (ja) 2001-08-30 2001-08-30 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003064248A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003238819A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Co-Op Chem Co Ltd 耐熱性フィラー

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06228424A (ja) * 1993-02-04 1994-08-16 Teijin Chem Ltd 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09143359A (ja) * 1995-11-27 1997-06-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリカーボネート系樹脂組成物
JPH1025410A (ja) * 1996-07-10 1998-01-27 Teijin Chem Ltd 樹脂組成物及びそれからなる成形品
WO1999032403A1 (en) * 1997-12-22 1999-07-01 Eastman Chemical Company Polyester nanocomposites for high barrier applications

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06228424A (ja) * 1993-02-04 1994-08-16 Teijin Chem Ltd 強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JPH09143359A (ja) * 1995-11-27 1997-06-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ポリカーボネート系樹脂組成物
JPH1025410A (ja) * 1996-07-10 1998-01-27 Teijin Chem Ltd 樹脂組成物及びそれからなる成形品
WO1999032403A1 (en) * 1997-12-22 1999-07-01 Eastman Chemical Company Polyester nanocomposites for high barrier applications

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003238819A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Co-Op Chem Co Ltd 耐熱性フィラー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69131291T2 (de) Polycarbonatharzzusammensetzung
EP2873684B1 (en) Method for producing thermoplastic resin composition
CN102203184A (zh) 聚乳酸组合物及其成形品
CN101175804A (zh) 高流动性聚酯组合物
CN112041394B (zh) 聚碳酸酯树脂组合物及由其形成的模制品
JP4971544B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
WO2001029135A1 (en) Polycarbonate resin composition
US20130005872A1 (en) Polylactic acid resin composition containing phosphorus compound and polysiloxane compound and molded article made by using the same
WO2009080246A1 (de) Flammgeschützte schlagzähmodifizierte polycarbonat-zusammensetzungen
CN107001789B (zh) 不含卤素的阻燃组合物
JPH07331092A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
CN100432148C (zh) 热塑性树脂及成型制品
JP2004091584A (ja) 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品
JP3810446B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP3899178B2 (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2003012899A (ja) 樹脂組成物
EP1409587A1 (de) Flammwidrige polyesterformmassen mit polyolefinadditiven
JP2003064248A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および樹脂用添加剤
US20240269905A1 (en) Pellet, molded product, and method for producing pellet
JP3839699B2 (ja) 樹脂組成物
KR102494931B1 (ko) 난연성이 향상된 비할로겐 난연화 폴리아미드/폴리에스테르 얼로이 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품
JP2007169402A (ja) 難燃性ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂構造体
JPH05311060A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物
CN115715309A (zh) 聚膦酸酯树脂组合物以及由其制造的模制品
JP3986888B2 (ja) 樹脂組成物及び樹脂用添加剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110711

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110711

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111108