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JP2003049369A - 高通気性皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

高通気性皮革様シートおよびその製造方法

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Publication number
JP2003049369A
JP2003049369A JP2001235660A JP2001235660A JP2003049369A JP 2003049369 A JP2003049369 A JP 2003049369A JP 2001235660 A JP2001235660 A JP 2001235660A JP 2001235660 A JP2001235660 A JP 2001235660A JP 2003049369 A JP2003049369 A JP 2003049369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leather
sheet
resin
fiber
artificial leather
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001235660A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Adachi
秀昭 足立
Yoshihiro Tanba
善博 丹波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001235660A priority Critical patent/JP2003049369A/ja
Publication of JP2003049369A publication Critical patent/JP2003049369A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通気性に優れ、適度な柔軟性と充実感に優れ
た皮革様シートとそれにより得られるスエード調人工皮
革および銀付き調人工皮革を環境への負荷を減らして製
造すること。 【解決手段】 繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる
皮革様シートを製造するに際し、特定範囲の固形分濃度
と特定範囲の粘度にあるノニオン性界面活性剤により乳
化分散された樹脂水性分散体を含浸し乾燥することによ
り高分子弾性体を付与し、該繊維絡合不織布と該高分子
弾性体の重量比を30/70〜55/45とすることに
より通気性と充実感に優れた皮革様シートを提供するこ
とができる。また、これを染色・バフィング処理するこ
とによりスエード調人工皮革を製造することができ、ま
た、これに顔料または染料を分散した樹脂水性分散体を
直接付与またはフィルム化して張り合せるかまたはメル
トブロー不織布を介在させることにより銀付き調人工皮
革を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮革様シートおよ
びその製造方法並びにスエード調人工皮革と銀付き調人
工皮革およびそれらの製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は、極めて通気性に優れ、かつ充実感に優れ
た皮革様シートおよびその製造方法並びにスエード調人
工皮革と銀付き調人工皮革およびそれらの製造方法に関
するものであり、かつ環境への負荷の大きい有機溶剤を
使用することなく製造可能であるという利点を有する。
【0002】
【従来の技術】現在、高級な人工皮革には、単繊維が
0.1デシテックス以下、とりわけ高級な風合いを呈す
るものでは0.01デシテックス以下の繊度の極細繊維
から形成される不織布成分とポリウレタンのジメチルホ
ルムアミド(以下DMFと略すこともある)溶液等を非
溶剤溶液中でいわゆる湿式凝固して形成された多孔質状
(スポンジ構造)のポリウレタンからなる基体層が使用
されており、天然皮革並またはそれ以上の良好な風合い
を呈するものが製造されている。しかしこのような極細
繊維と多孔質ポリウレタンとからなる人工皮革は通気性
が天然皮革よりも劣るという欠点を有しており、これを
改良する数多くの試みがなされている。それらの方法
は、湿式凝固法を使用して得られる皮革様シートへ針に
より穴を空けるなどの物理的な方法などもあるが、概ね
表層(被覆層)部分または表層と基体層の間にある中間
層であるポリウレタン多孔質層などを連通多孔質層にす
ることにより通気性を向上させるものが多く、繊維質表
面に、発泡剤、添加剤、凝固調節剤等を添加して湿式凝
固法又は乾式法により形成された通気性多孔質層を積層
する方法などが多数提案されている。例えば、特開平2
−307752号公報などではポリウレタン樹脂皮膜層
にゼラチンを含ませ、これを溶出する方法なども提案さ
れているし、特開昭59−137578号公報では水溶
性無機塩が使用されている。
【0003】また、天然皮革調の外観を有し、さらに透
気透湿性を有する皮革様シートの製造方法として、弾性
重合体を含有する繊維質シートの表面を熱溶融する方法
や、表面に繊維または弾性重合体の溶剤を付与して、該
シートの表面を構成する繊維或いは弾性重合体を溶かし
て、表面を平滑化し銀面を形成する方法が提案されてい
る(例えば、特公昭48−535号公報、特公昭48−
536号公報、特公昭48−537号公報等)。また、
繊維絡合体の表面に極細繊維立毛面を形成し、繊維の溶
剤或いは膨潤剤を付与し熱プレスで繊維を接合して表面
を平滑化し、さらにその表面に弾性重合体の被覆層を設
ける皮革様シートの製造方法も知られている。しかしな
がら、従来から提案されている方法での通気性の改良で
は改善効果は認められるものの十分に満足できるもので
はなかった。この原因は、概ね基材層自体の構造が湿式
凝固により形成されたポリウレタン多孔質状(スポンジ
構造)からなるため、均一に充填された樹脂構造によ
り、折り曲げたときのシワ感、充実感などの風合いの面
では良好となる反面、基材の表面から裏面までに空気が
通過するルートが少なく、いりくんでいるためではない
かと考えられる。
【0004】また、基体層についても特開昭59−59
735号公報には、繊維基材にポリウレタン溶液にカル
ボキシビニルポリマーを添加し、含浸・凝固して多孔質
シートを形成する、特開平8−269875号公報に
は、ポリエチレン微粉末、特開平8−269876号公
報には、塩化ビニル−エチレン共重合体、特開平8−3
37975号公報には、ポリアクリロニトリル、ポリメ
タクリレート系樹脂、特開平11−107174号公報
では、熱膨張性マイクロカプセルを使用するなどの提案
がなされているが、これらの方法によっても本発明者が
目標とする通気性を有する皮革様シートは得られない。
また、不織布や少量の樹脂で不織布をバインダー処理し
た布帛上にポリウレタンなどの多孔質の被膜を形成する
ことは通気性の点では良好であり、このような方法につ
いても多くの提案がなされているが、このような布帛な
いし布帛を少量バインダー処理した基材へ多孔質層を形
成したシートでは充実感が劣り、本発明者が目標とする
皮革様シートとは言えない。
【0005】また、上記のように極細繊維から形成され
る不織布と多孔質状(スポンジ構造)のポリウレタンか
らなる基体層を製造するには、環境に負荷の大きいトル
エン、パークレン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶
剤や高濃度アルカリ水溶液を使用しなければならない。
すなわち、極細繊維の形成のためには直接紡糸では糸切
れが起こりやすくなるために細さに限界があるため、海
島の断面構造を有する複合紡糸ないし混合紡糸方法が従
来から用いられており、その海成分を除去することによ
り0.001デシテックス以下の極細繊維をも得ること
ができるが、海成分を除去するためには、例えば海成分
がポリエチレンやポリスチレンなどの場合にはトルエン
やパークレンなどの有機溶剤を使用する必要があり、ア
ルカリ易溶性の変性ポリエチレンテレフタレートなどの
場合には高濃度のアルカリ液を使用する必要がある。
【0006】このため、このような方式は除去される再
利用しにくい海成分の発生、廃棄物量の増加といった点
からも、エコロジーの観点から近年問題視されている。
また、基体層のウレタンスポンジ構造の形成のために
は、凝固調整剤などを添加したポリウレタンDMF溶液
を不織布に含浸した後に、水中、またはDMF水溶液中
などで湿式凝固し、乾燥しているが、このようなポリウ
レタンなどの接着成分、弾性体成分の付与においても脱
有機溶剤プロセスの開発が望まれている。このため、ポ
リウレタンを有機溶剤溶液ではなく、水分散体(水性エ
マルジョン)の形で不織布へ付与することが行われてい
るが、湿式凝固とは異なり、繊維を強く拘束して、いわ
ゆる糊付けして固体化するために、得られる皮革様シー
トの風合いは硬く、かつ、その断面構造を観察すると、
樹脂成分も繊維成分もない空隙が多かったり、乾燥時に
樹脂が表面に移行する、マイグレーションと呼ばれる現
象が発生するために充実感がない風合いを呈したり、い
わゆる安っぽい感じを与える大きいシワ(ボキ折れ)が
発生したり、引裂強力などの物性が低下したりする。こ
のような欠点を改善するために、水性エマルジョンを使
用した場合でも、繊維を拘束しにくくするために、特公
昭55−51076号公報や特公昭59−1823号公
報に見られるような感熱ゲル化タイプのポリウレタンエ
マルジョンを使用する方法や、特開2000−2908
79号公報に見られるスチームを使用した水性エマルジ
ョンのゲル化による方法、特開2000−160484
号公報に見られるマイクロウェーブ使用によるエマルジ
ョンのゲル化による方法など、数多くの改良が提案され
ており、樹脂による繊維の拘束やマイグレーションを抑
制することにより、上記した欠点の改善が認められてき
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう
に、皮革様シートおよび人工皮革において、問題となっ
ている有機溶剤や高濃度のアルカリ液などの環境への負
荷の大きい薬剤を使用する問題点を解決し、高通気性と
充実感に優れた皮革様シートおよび人工皮革とそれらの
製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、通気性に
優れ、かつ有機溶剤や高濃度のアルカリ液などの環境へ
の負荷の大きい薬剤を使用することなく、優れた風合い
を呈する皮革様シートおよびその製造方法を鋭意検討し
た結果、繊維絡合不織布と、その内部に高分子弾性体の
固形分濃度35〜60重量%かつ粘度200〜1000
mPa・sの水性分散体であって、ノニオン性界面活性
剤により該高分子弾性体が乳化分散された樹脂水性分散
体が含浸・凝固されてなり、該繊維絡合不織布と該高分
子弾性体の重量比が70/30〜45/55であること
を特徴とする皮革様シートを得ることが可能となった。
さらに、本発明は、皮革様シートを製造するに際し、繊
維絡合不織布に、高分子弾性体の固形分濃度35〜60
重量%かつ粘度200〜1000mPa・sの水性分散
体であってノニオン性界面活性剤により該高分子弾性体
が乳化分散された樹脂水性分散体を含浸し乾燥すること
によって、該繊維絡合不織布と該高分子弾性体の重量比
を70/30〜45/55とすることを特徴とする通気
性と充実感に優れた皮革様シートの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる繊維絡合不織布
は、適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有
するものでよく、従来から皮革様シートの製造に使用さ
れているカード法や水流絡合法で製造された不織布や編
織物などの各種の繊維質基材を使用することができる。
このような繊維質基材としては、例えば、通常の合成繊
維、収縮性繊維、潜在自発伸長性収縮性繊維、中空繊
維、多層張り合せ型潜在分割性繊維、中空多層張り合せ
型潜在分割性繊維、花弁断面型潜在分割性繊維、中空花
弁断面型潜在分割性繊維、中空極細繊維またはその束状
繊維、特殊多孔質繊維、半合成繊維、天然繊維などを単
独または併用して形成された絡合不織布を挙げることが
できる。但し、例えば0.5デシテックス以下の極細な
いし中細繊維を形成する際に、海島型複合繊維の海成分
を抽出するためにトルエンやパークレンといった有機溶
剤や高濃度のアルカリ液を使用しないことが好ましい。
従って、極細ないし中細繊維を形成する手段としては直
接紡糸か、潜在分割性繊維を熱水や1%以下の低濃度の
アルカリ液などで割繊したり、揉み処理や表面バフィン
グ処理などにより割繊処理を行うことが好ましい。繊維
質基材の厚みは、得られるシートの用途などによって任
意に選択でき、特に制限されるものではないが、その厚
みは0.3〜3.0mm程度であることが好ましく、
0.4〜2.5mm程度であることがより好ましい。繊
維質基材の見掛密度は、柔軟な風合いを有するシートを
得るために0.10〜0.60g/cmであることが
好ましく、0.15〜0.50g/cmであることが
より好ましい。見掛密度が0.60g/cmより大き
くなると、得られるシートが、ゴムの様な風合いとなる
傾向がある。一方、見掛密度が0.10g/cmより
小さくなると、反発性および腰感が劣り、天然皮革のよ
うな風合いが損なわれる傾向がある。
【0010】また、上記の合成繊維を構成するポリマー
としては、6−ナイロン、66−ナイロンで代表される
溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、カチ
オン可染型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめと
するポリエステル類、ポリプロピレンやポリエチレンで
代表されるポリオレフィン類、アクリル系樹脂類、ビニ
ルアルコール−エチレン共重合体類、ポリビニルアルコ
ール系重合体類、ポリウレタン、ポリエステルエラスト
マー、ポリアミドエラストマーなどのエラストマー系樹
脂類、ポリスチレン重合体類などから選ばれた少なくと
も1種類のポリマーが挙げられる。
【0011】本発明に用いられる樹脂水性分散体により
付与される弾性体は、従来から皮革様シートを製造する
際に使用されている公知の高分子弾性体であればいずれ
でもよい。このような高分子弾性体としては、例えば、
ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミドエラ
ストマーで代表されるポリアミド系樹脂、ポリエステル
エラストマーで代表されるポリエステル系樹脂、弾性を
有するポリスチレン系樹脂、弾性を有するポリオレフィ
ン系樹脂などがあるが、この中でも得られる皮革様シー
トに優れた充実感および柔軟性などの風合いを与えるこ
とから、ポリウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に
使用される。付与方法としては、樹脂水性分散体を用い
て弾性体を付与する公知の方法であればいずれも使用可
能であり、一般的にはウレタン系ないしはアクリル系の
水性分散液を繊維絡合不織布へ含浸して熱風、スチー
ム、マイクロ波、熱水浴などのいずれかの方法により樹
脂の固化またはゲル化および乾燥を行うエマルジョン法
を好適例として挙げることができる。この場合もポリウ
レタン系分散液、アクリル系分散液の様に水のみで分散
された水性分散液を使用することが、環境への負荷が少
ない皮革様シートの製造方法となる。また、これらの分
散液が感熱ゲル化性を有している場合、分散液粒子のマ
イグレーションを引き起こすことなく感熱ゲル化させ均
一に付与することができる。分散液は、乳化する界面活
性剤としてHLBの低いノニオン性界面活性剤で乳化し
たり、いわゆるマイグレーション防止剤と称する物質を
感熱ゲル化剤として分散液中に添加することにより感熱
ゲル化性が得られる。添加する感熱ゲル化剤としては、
例えば、塩化カルシウムなどの無機塩類とポリエチレン
グリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチル
エーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリ
エーテル共重合体、ポリシロキサン等を挙げることがで
き、これらのうち1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0012】本発明に使用する樹脂水性分散体には、必
要に応じて、更に公知の添加物、例えば、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活性剤、増粘剤、防黴
剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
スなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、充填剤、凝
固調節剤、撥水剤や柔軟剤などに使用されているシリコ
ーン系あるいはフッ素系化合物などを配合することがで
きる。
【0013】本発明においては、使用する樹脂水性分散
体の固形分濃度と配合液の濃度および粘度が重要であ
る。すなわち含浸する高分子弾性体の固形分濃度は、3
5〜60重量%であり、さらに必要に応じて添加剤を加
えた後の配合液粘度は、200〜1000mPa・sで
ある必要がある。固形分濃度が35重量%未満では薬液
の粘度が高くても繊維にバインドする樹脂の方が多くな
る傾向を示し、空隙が多くなって充実感の優れた皮革様
シートにはならない。また60重量%より大きくなると
樹脂水性分散体の流動性が非常に悪くなり、均一に速や
かに含浸することが困難となったり、含浸浴槽の液の表
面が乾燥して膜を作ったりするなど製造工程上の問題を
生じる傾向にあり、かつ60重量%より高濃度の樹脂水
性分散体を製造こと自体も困難である。また、配合液の
粘度が従来の分散液含浸に多く使用されてきた200m
Pa・s未満では本発明が目的とする充実感と柔軟性を
有する皮革様シートは得られない。すなわち200mP
a・s未満であると乾燥時に表面からの水分の蒸発に伴
う樹脂のマイグレーションを生じて表面に樹脂が多く分
布して表面部分は硬く、中層部分には樹脂が少なくなる
傾向があり、結果として充実感がなく、表面に大きい安
っぽいシワ(ボキシワ)を発生させるため好ましくな
い。また、1000mPa・sを超えると流動性が非常
に悪くなり、均一に速やかに含浸することが困難となり
好ましくない。尚、ここでいう配合液の粘度とは、単一
円筒型回転粘度計により測定した樹脂水性分散体配合液
の粘度をいう。また、この配合液の粘度は、公知の増粘
剤等の添加物により適度な濃度へ調節することができる
が、例えば、ポリウレタン樹脂水性分散体において固形
分濃度が40〜55重量%程度で、粘度を変化させる目
的での添加剤を使用せずに、上記の粘度範囲となる配合
液を使用することがより好ましい。
【0014】本発明に使用する樹脂水性分散体は、ノニ
オン性界面活性剤により乳化されているものが必須であ
る。界面活性剤を使用しないで製造されるいわゆるアイ
オノマー型、自己乳化型の樹脂水性分散体は粒子の表面
にカルボキシル基、スルホン基やその中和塩などの極性
基を有していたり、さらに併用する形でポリエチレング
リコールなどの親水性のよいユニットをその分子中に含
んでいたりするが、このような樹脂水性分散体を使用す
ると得られるシートの通気性は良好であるが、その風合
いは硬くなってしまう。同様にアニオン性界面活性剤や
カチオン性界面活性剤を乳化剤として使用した樹脂水性
分散体を用いると、得られるシートは通気性は良好であ
っても、硬い風合いのものとなる。本発明者らは、種々
の樹脂水性分散体を比較検討したがノニオン性界面活性
剤により乳化した樹脂水性分散体を本発明の濃度と粘度
の範囲で含浸し、かつ繊維と樹脂付着量を制御すること
で、得られた皮革様シートのみが通気性に優れ、かつ充
実感と柔軟性を両立し得ることを見出した。この理由は
定かではないが、イオン性を有する物質が凝固する際
に、繊維絡合不織布に対して強い親和性を示し、強く膠
着するために硬い風合いを与えるためではないかと推測
している。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエー
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミドが好適に用いられ、添加量は、樹脂水性分散
体の固形分に対し0.05〜10重量%程度が好まし
い。
【0015】上記の要領で調製した分散液を繊維絡合不
織布へ含浸させ、プレスロールなどで絞るか、またはド
クターナイフ等によって適量の含浸量とした後、直接5
0〜150℃の乾燥機中で乾燥するか、70〜100℃
の温水浴中で凝固させるか、スチームを浴びせかけて凝
固するか、マイクロウエーブによって凝固するか、スチ
ーム雰囲気下において必要に応じて凝固した後に、乾燥
機中で乾燥させるなどの方法によって基体層を得ること
ができる。得られる皮革様シートの繊維絡合不織布と含
浸凝固された高分子弾性体の重量比率範囲を確保し、良
好な風合いを有するために好ましい含浸分散液の付与量
としては、ウエットで200g/m〜1000g/m
であり、より好ましくは、300g/m〜600g
/mである。
【0016】本発明において、さらに樹脂水性分散体を
含浸、乾燥して得られるシートに付与される弾性体の量
が重要である。従来のポリウレタンやアクリルといった
樹脂水性分散体は繊維を接着するバインダーとしての意
味合いが強いものであるため、一般には繊維絡合不織布
と高分子弾性体の重量比は2/98〜20/80程度で
ある。一方、ポリウレタン樹脂のDMF溶液を含浸し、
凝固し、脱洗、乾燥を経て得られる高級な風合いを持つ
人工皮革の繊維絡合不織布と高分子弾性体の重量比は2
0/80〜50/50程度である。但し、従来のような
バインダーとしてのみの機能のために樹脂水性分散体に
より高分子弾性体を含浸、乾燥して得られるシートは柔
軟であるが、後者の湿式凝固系により得られる人工皮革
に比べて充実感は非常に劣り、樹脂の付着量が少ない部
分では大きいシワ(ボキシワ)が発生したりするなど布
帛ライクな風合いが顕著に発生し、高級な風合いを持つ
皮革代替物とは言えない。従って本発明の主旨から高分
子弾性体はバインダーとしての機能だけではなく、充実
感を向上させる機能を与えるために従来の使用量よりも
多くして繊維絡合不織布の繊維間の隙間に充填する必要
がある。このために繊維絡合不織布と高分子弾性体の重
量比は30/70〜55/45である必要があり、35
/65〜50/50であることがより好ましい。高分子
弾性体の比率が30%未満であると上記の理由から充実
感の優れた皮革様シートは得られないし、55%を超え
ると得られる皮革様シートは硬くなり風合いが悪くな
る。また、前述のように水性分散体により樹脂を付与す
ると、湿式凝固タイプよりも硬くなる傾向は否めないた
め、含浸・乾燥後に別途に80〜150℃の熱水中で1
0分〜90分間リラックス処理をしたり、揉み処理を行
うことが好ましい。さらに、潜在分割性繊維からなる繊
維絡合不織布の場合には、上記方法によって割繊処理を
行うことで極細繊維化し、より柔軟な皮革様シートが得
られる。このようにして得られる皮革様シートの柔軟性
はカンチレバー試験法(JIS L1096−6.1
9.1)で5.0〜12.0cmの範囲である。
【0017】このようにして得られる充実感に優れた皮
革様シートの通気性は、フラジール法(JIS L10
96−6.27.1)で6.0cm/cm/sec
以上であり、湿式凝固タイプの同等の充実感を呈する皮
革様シートの約5倍以上の通気量を示すものとなる。ま
た、皮革様シートの見掛密度は、0.25g/m
0.60g/mの範囲が好ましい。見掛密度が、0.
25g/m未満の場合には、通気性はより良好である
が充実感に欠ける風合いとなり、0.60g/m を越
える場合には風合いが硬くなる傾向がある。また、皮革
様シートの厚みは0.3mm〜3.0mmの範囲が好ま
しい。厚みが0.3mm未満の場合には、通気性はより
良好であるが充実感に欠け、使用される用途の要求物性
を満足できない場合があり、3.0mmを越える場合に
は、風合いが硬くなる傾向がある。
【0018】本発明において、スエード調の人工皮革を
製造する場合は、公知の技術で繊維成分および樹脂成分
から染料を適宜選択して皮革様シートを、染色前および
/または染色後に少なくとも片面にエメリーペーパーな
ど公知の技術でバフィング処理して製造することができ
る。スエード調人工皮革を製造する場合は、毛羽が細い
ものが良好なタッチ、外観、ライティング効果などを与
えるため通常繊維よりは多層張り合せ型や中空花弁型で
代表される分割割繊性繊維、海島構造型で代表される極
細繊維など分割、極細化後の繊度が0.5デシテックス
以下の繊維を使用することが好ましい。
【0019】本発明において、銀付き調の人工皮革を製
造する場合は、通気性を損ないにくいことから直接グラ
ビアロールなどで、できれば顔料配合のポリウレタン
系、アクリル系などの水系樹脂分散体を塗布・乾燥を
し、塗布樹脂厚さとしては5〜200μmが好ましく、
より好ましくは、10〜100μmになるように繰り返
して銀付き調に加工するか、顔料または染料を分散した
ポリウレタン樹脂水性分散体から形成されたポリウレタ
ンフィルムを必要に応じて顔料または染料を含有した水
性接着剤を介して銀付き層を形成するか、ポリウレタン
メルトブロー不織布などから形成された多孔質ポリウレ
タンフィルムを少なくとも片面に張り合せ、グラビアロ
ールなどで顔料配合のポリウレタン系、アクリル系など
の水系樹脂分散体を塗布・乾燥を繰り返して、必要に応
じて所望の絞模様を付与し、銀付き調人工皮革とするこ
とができる。
【0020】多孔質ポリウレタンフィルムなどで製造さ
れる被覆層を介在して銀面層を形成する場合は、折れシ
ワや表面タッチが天然皮革並に良好となり、かつ通気性
を損ないにくいため好適に使用できる。このような被覆
層は、空気が通過できる連続した空隙を有する、例えば
離型紙上に必要に応じて顔料、染料、酸化防止剤等の各
種添加剤を添加した表皮層用ポリウレタンエマルジョン
を塗布・乾燥することによって、塗布樹脂厚さとして好
ましくは5〜200μm、より好ましくは、10〜10
0μmになるようにフィルム化し、水性の接着剤を介し
て基体層と張り合せるものや、ポリウレタン不織布を加
熱加圧することによりフィルム化したものがあり、なか
でもポリウレタン不織布から構成された銀付き調人工皮
革は、表面の折れシワなどに代表される面感をいわゆる
マイクロファイバー繊維と湿式凝固ポリウレタンスポン
ジから形成される最も高級な人工皮革の風合いに近似さ
せることができるとともに、基体のもつ通気性をあまり
損なわない。このようなポリウレタン繊維を主体とした
繊維の集合体によって構成された被覆層の製造方法とし
てはポリウレタンを溶融状態からメルトブロ−方式でつ
くられた不織布を用いる方法が挙げられる。この方法に
おいて用いられる不織布の厚みは、30〜500μm、
特に100〜400μmが好ましく、繊維直径としては
2〜20μm、特に4〜10μmの範囲が好ましい。こ
の加熱溶融接着させる方法としては、エンボスによる加
熱プレスによって該ポリウレタン繊維の軟化点から20
〜80℃高い温度でかつ圧力0.5〜7.0kg/cm
2で積層一体化することが好ましい。
【0021】上記のごとく、積層一体化のための張り合
せは加熱により行うが、この張り合せ処理は直接でもよ
いが、水性の接着剤を介していてもよい。この場合に使
用される水性の接着剤としては、公知の接着能力を有す
る樹脂であればいずれでもよく、例えば、ポリウレタン
系水性樹脂分散体、アクリル系水性樹脂分散体、ポリ酢
酸ビニル系水性樹脂分散体、ポリビニルアルコール系水
性樹脂分散体、エチレン−酢酸ビニル系水性樹脂分散
体、エチレン−ビニルアルコール系水性樹脂分散体など
を挙げることができる。
【0022】本発明方法により得られる皮革様シートお
よびスエード調人工皮革および銀付き調人工皮革は、通
気性に極めて優れ、かつ、環境への負荷を減らして製造
することができ、かつ適度な柔軟性と充実感に優れた皮
革様シートであり、鞄、鞄内張り材料、衣料、一般靴な
どの靴材、クッション材、自動車内装材、壁材、カーペ
ット、スポーツシューズ、紳士靴などに好適に使用する
ことができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明方法を具体的に
説明するが、本発明はそれによって何ら限定されるもの
ではない。また、実施例中の%は断りのない限り、重量
に関するものである。また、実施例および比較例におい
て樹脂水性分散体の粘度、通気性、柔軟性は以下の方法
により評価した。
【0024】[粘度測定]芝浦システム(株)製単一円
筒型回転粘度計ビスメトロンVG−A1にて樹脂水性分
散体配合液の粘度を測定した。
【0025】[通気性の測定]通気性は、フラジール法
(JIS L1096−6.27.1)に基いて、フラ
ジール形試験機を用い円筒の一端に得られたシートから
採取した試験片を取り付け、加減抵抗器によって傾斜形
気圧計が水柱1.27cmの圧力を示すように吸い込
み、吸い込みファンを調整して、垂直形気圧計の示す圧
力と空気孔の種類から計算した空気量(cm/cm
/sec)を計算し、5回測定の平均値を求めた。
【0026】[柔軟性の測定]柔軟性はカンチレバー試
験法(JIS L1096−6.19.1)に基いて得
られたシートからタテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×1
5cmの試験片を5枚作成し45℃の斜面を有する水平
台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜
面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求め
た。
【0027】[皮革様シートの製造] 実施例1 ポリエチレンテレフタレートとナイロン6の重量比2/
1で形成された繊度3.3デシテックスの11分割多層
張り合せ型繊維を51mmにカットして得たステープル
繊維を用いカード処理してクロスラップ法で積層ウエブ
とし、ニードルパンチ法で繊維絡合し熱処理して厚み
1.30mm、目付300g/m2、見掛密度0.20
g/cmの繊維絡合不織布を製造した。以下この不織
布を不織布1とする。この不織布1へノニオン性界面活
性剤分散タイプ樹脂水性分散体である水性ポリウレタン
エマルジョン、ボンディック1310NSA(大日本イ
ンキ化学工業(株)製、固形分濃度50%:粘度250
mPa・s)を不織布重量と乾燥後の樹脂重量の重量比
率が55/45となるように目付300g/mの不織
布に対して、ウェットで配合液の付着量が490g/m
となるように含浸とマングル絞りをそれぞれ2回繰り
返して付与した後、145℃熱風乾燥機中で乾燥し、熱
プレスした。これを樹脂含浸不織布1とする。樹脂含浸
不織布1をサーキュラー染色機にて120℃の熱水中で
40分間リラックス処理をして厚み1.32mm、見掛
密度0.40g/cmの皮革様シートを得た。得られ
た皮革様シートの風合いは、充実感と柔軟性が両立され
た良好な風合いを呈しており、柔軟性は6.0(c
m)、通気性は12.0(cm/cm/sec)と
なり、従来のポリウレタンDMF溶液を使用した湿式凝
固法で製造する皮革様シートに比較して通気性が著しく
向上していた。以下、この皮革様シートを皮革様シート
1とする。
【0028】[銀付き調人工皮革の製造]皮革様シート
1に150メッシュグラビアロールにてポリウレタンエ
マルジョン(大日精化工業(株)製レザミン、W−20
30)100重量部へチタン系白顔料の水性樹脂分散体
(大日精化工業(株)製セイカセブンDW01−409
ブルーグレー)5重量部を加えた配合液を5段塗布/熱
風乾燥し、固型分塗布量で50g/m塗布し、さらに
130℃で2分間乾燥後、145℃のエンボスロールに
てプレス圧2.5kg/cmでエンボス処理を行い、
銀付き調人工皮革を得た。得られた銀付き調人工皮革の
風合いは、充実感と柔軟性が両立された良好な風合いを
呈しており、柔軟性は7.0(cm)、通気性は9.0
(cm/cm/sec)となり通気性の優れた人工
皮革であった。
【0029】[スエード調人工皮革の製造]樹脂含浸不
織布1をサーキュラー染色機130℃中で分散染料Reso
lin Blue 2BRSの2%owfの濃度で染色するとともに
リラックス処理をし、乾燥後にエメリーバフ機で表面を
立毛させてスエード調人工皮革を得た。得られたスエー
ド調人工皮革の風合いは、充実感と柔軟性が両立された
良好な風合いを呈しており、柔軟性は5.8(cm)、
通気性は14.5(cm/cm/sec)となり通
気性の優れた人工皮革であった。
【0030】比較例1 不織布1へ5%ポリビニルアルコール水溶液を不織布重
量の100%を付与して乾燥して得た不織布へ湿式凝固
系ポリテトラメチレングリコール(分子量1000)と
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとエチレ
ングリコールを1:4:3のモル比でDMFの溶液重合
して得られた17.5%ポリウレタンDMF溶液を含浸
し、30%DMF水溶液中で湿式凝固し、さらに熱水浴
中で脱洗して乾燥し、厚み1.32mm、見掛密度0.
36g/cmの皮革様シートを得た。得られた皮革様
シートの風合いは、充実感と柔軟性が両立された良好な
風合いを呈していたが、柔軟性は6.2(cm)、通気
性は2.0(cm/cm /sec)となり、実施例
1の皮革様シートに比較して通気性が著しく劣ってい
た。
【0031】比較例2 不織布1へノニオン界面活性剤分散タイプ樹脂水性分散
体(大日本インキ化学工業(株)製水性ポリウレタンエ
マルジョン、ボンディック1310NSA)を実施例1
で使用した濃度よりも水で薄めて固形分濃度32%:粘
度50mPa・sとし、乾燥後の不織布重量と樹脂重量
の重量比率は、実施例1と同様に55/45となるよう
にウェットで配合液の付着量が760g/mとなるよ
うに含浸とマングル絞りを2回繰り返して付与した後、
145℃熱風乾燥機中で乾燥し、熱プレスした。この樹
脂含浸不織布をサーキュラー染色機にて120℃の熱水
中で40分間リラックス処理をして、厚み1.31m
m、見掛密度0.39g/cmの皮革様シートを得
た。得られた皮革様シートの風合いは、実施例1と比較
して表面が硬く、内部の充実感に劣る風合いを呈した。
柔軟性は9.0(cm)、通気性は8.0(cm/c
/sec)であった。
【0032】比較例3 不織布1へノニオン界面活性剤分散タイプ樹脂水性分散
体(大日本インキ化学工業(株)製水性ポリウレタンエ
マルジョン、ボンディック1310NSA)を実施例1
で使用した濃度よりも水で薄めて、増粘剤(大日精化工
業(株)製レザミンD−85)をエマルジョン100g
当たり0.5g添加して固形分濃度32%:粘度280
mPa・sとし、乾燥後の不織布重量と樹脂重量の重量
比率は実施例1と同様に55/45となるようにウェッ
トで配合液の付着量が770g/mとなるように含浸
とマングル絞りを2回繰り返して付与した後、145℃
熱風乾燥機中で乾燥し、熱プレスした。この樹脂含浸不
織布をサーキュラー染色機にて120℃の熱水中で40
分間リラックス処理をして厚み1.30mm、見掛密度
0.39g/cmの皮革様シートを得た。得られた皮
革様シートの風合いは、表面がやや硬く比較例1と比較
して柔軟であるが実施例1と比較して内部の充実感に劣
る風合いを呈した。柔軟性は8.0(cm)、通気性は
10.0(cm/cm/sec)であった。
【0033】比較例4 不織布1へノニオン界面活性剤分散タイプ樹脂水性分散
体(大日本インキ化学工業(株)製水性ポリウレタンエ
マルジョン、ボンディック1310NSA(固形分濃度
50%))を実施例1で使用した粘度よりも増粘剤(大
日精化工業(株)製レザミンD−85)をエマルジョン
100g当たり2.0g添加して粘度を高めて固形分濃
度49.5%:粘度1150mPa・sとし、乾燥後の
不織布重量と樹脂重量の重量比率は実施例1と同様に5
5/45となるようにウェットで配合液の付着量が77
0g/mとなるように含浸とマングル絞りを2回繰り
返して付与したが、液の粘性が強いため含浸処理におい
てマングルロールの両端へと液が逃げる現象などが起こ
り取り扱いは困難であり、付着もムラになっていること
が分かった。この後145℃熱風乾燥機中で乾燥し、熱
プレスした。この樹脂含浸不織布をサーキュラー染色機
にて120℃の熱水中で40分間リラックス処理をして
厚み1.32mm、見掛密度0.40g/cmの皮革
様シートを得た。得られた皮革様シートの風合いは、表
面が硬い部分とそうでない部分とが明らかに存在する不
均一なものとなった。柔軟性は9.0(cm)、通気性
は12.5(cm/cm/sec)であった。
【0034】実施例2 70℃の温水中での収縮率が25%のポリエチレンテレ
フタレートステープル繊維(繊度2.2デシテックス、
長さ51mm)からカードとクロスラッパーを用いて目
付220g/mのウェブを作成し、ニードルパンチ法
で繊維絡合し、その後70℃の温水中に2分間浸漬して
元の面積の56%に収縮させ、シリンダーベルト加圧機
を用い155℃で加圧処理し、目付け280g/m
厚さ1.20mm、見掛密度0.23g/cmの不織
布を得た。以下この不織布を不織布2とする。この不織
布2にノニオン性界面活性剤分散タイプ樹脂水性分散体
(大日精化工業(株)製水性ポリウレタンエマルジョン
レザミンW−1800(固形分濃度45%:粘度400
mPa・s))を乾燥後の不織布重量と樹脂重量の重量
比率が65/35となるようにウェットで配合液の付着
量が430g/mとなるように含浸とマングル絞りを
2回繰り返して付与した後、145℃熱風乾燥機中で乾
燥し、熱プレスした。これを樹脂含浸不織布2とする。
樹脂含浸不織布2をサーキュラー染色機にて120℃の
熱水中で40分間リラックス処理をして厚み1.22m
m、見掛密度0.34g/cmの皮革様シートを得
た。得られた皮革様シートの風合いは、充実感と柔軟性
が両立された良好な風合いを呈しており、柔軟性は5.
5(cm)、通気性は16.0(cm/cm/se
c)となり、通気性が優れていた。以下、この皮革様シ
ートを皮革様シート2とする。
【0035】[銀付き調人工皮革の製造]平均分子量1
150のポリ3ーメチルー1.5ーペンチルアジペート
グリコールと4.4'ージフェニルメタンジイソシアネ
ートおよび1.4ーブタンジオールを1:4:3のモル
比(イソシアネート基にもとづく理論窒素量4.63
%)で仕込みスクリユー式混練型重合機を用い溶融重合
法でポリウレタンを重合し、溶融状態のままメルトブロ
ー法で、温度260℃に加熱したダイオリフイスの両側
にあるスロットから温度260℃に加熱した高速空気流
で繊維状溶融ポリウレタンを微細繊維状に搬送し、2m
/分で移動する金網上に捕集距離40cmの位置で捕集
した。捕集したウエブは微細繊維のランダムウエブであ
り、平均目付74g/m2、平均厚み300μm、見掛
密度0.25g/cm3のポリウレタン繊維からなる不
織布を得た。
【0036】このポリウレタンメルトブロー不織布をエ
チレン−酢酸ビニル共重合樹脂水性分散体(固形分25
%)を80g/mドクターナイフによって塗布した皮
革様シート2と張り合せて、170℃に昇温したエンボ
スロールでプレス圧4kg/cm2の圧力にて溶融接着
を行い、さらに100℃の熱ロールへ30秒間接触させ
た後に乾燥して皮革様シートを得た。被覆層の厚みは5
0μmであった。この皮革様シートは、充実感があり、
かつ、いらつき感のない細かいシワを発生する良好な表
面の風合いと高級な外観を有していた。さらにこの皮革
様シートに150メッシュグラビアロールにてポリウレ
タンエマルジョン(大日精化工業(株)製レザミンW−
2030)100重量部へチタン系白顔料の水性樹脂分
散体(大日精化工業(株)製セイカセブンDW01−4
09ブルーグレー)5重量部を加えた配合液を5段塗布
/熱風乾燥し、さらに130℃で2分間乾燥後、ロール
温度145℃の毛絞模様のエンボスロールによりプレス
圧2.5kg/cmでエンボス処理を行い、皮革様シ
ートを得た。こうして得られた皮革様シートは銀面層と
基体層との間で一体感のある風合いを有し、柔軟性は
7.5(cm)、通気性は10.0(cm/cm
sec)であった。得られた皮革様シートは、通気性が
優れ、天然皮革ライクな折れシワを呈し、高級な外観を
有するものであった。
【0037】実施例3 離型紙上に表皮層ポリウレタンエマルジョン(大日精化
工業(株)製レザミンW−2030)100重量部へチ
タン系白顔料の水性樹脂分散体(大日精化工業(株)製
セイカセブンDW01−409ブルーグレー)10重量
部と増粘剤(大日精化工業(株)D−87)0.5重量
部を加えた配合液を80g/m塗布して乾燥し、さら
にこの上に、接着層ポリウレタンエマルジョン(大日精
化工業(株)製レザミンW−1007)100重量部へ
チタン系白顔料の水性樹脂分散体(大日精化工業(株)
製セイカセブンDW01−409ブルーグレー)5重量
部と水分散タイプイソシアネート架橋剤8重量部を加え
た液を200g/m塗布して乾燥し、厚み60μm、
見掛密度0.43g/cm3のポリウレタンフィルムを
準備した。
【0038】このポリウレタンフィルムを速やかに皮革
様シート2と100℃の熱プレスロールで張り合せた後
に乾燥して皮革様シートを得た。柔軟性は7.8(c
m)、通気性は6.8(cm/cm/sec)であ
った。得られた皮革様シートは、通気性が優れ、天然皮
革ライクな折れシワを呈し、高級な外観を有するもので
あった。
【0039】比較例5 不織布2に対してノニオン性界面活性剤分散タイプ樹脂
水性分散体(大日精化工業(株)製水性ポリウレタンエ
マルジョンレザミンW−1800(固形分濃度45%:
粘度400mPa・s))を乾燥後の不織布重量と樹脂
重量の重量比率が72/28となるようにウェットで配
合液の付着量が310g/mとなるように含浸とマン
グル絞りを2回繰り返して付与した後、145℃熱風乾
燥機中で乾燥し、熱プレスし、サーキュラー染色機にて
120℃の熱水中で40分間リラックス処理をして、厚
み1.30mm、見掛密度0.29g/cmの皮革様
シートを得た。得られた皮革様シートの風合いは、柔軟
性は優れていたが、充実感が実施例2で得られた皮革様
シートと比較して明らかに不足するものであった。柔軟
性は4.5(cm)、通気性は17.0(cm/cm
/sec)であった。
【0040】比較例6 不織布2に対してノニオン界面活性剤分散タイプ樹脂水
性分散体(大日精化工業(株)製水性ポリウレタンエマ
ルジョンレザミンW−1800(固形分濃度45%:粘
度400mPa・s))を乾燥後の不織布重量と樹脂重
量の重量比率が40/60となるようにウェットで配合
液の付着量が930g/mとなるように含浸とマング
ル絞りを2回繰り返して付与した後、145℃熱風乾燥
機中で乾燥し、熱プレスし、サーキュラー染色機にて1
20℃の熱水中で40分間リラックス処理をして厚み
1.12mm、見掛密度0.58g/cmの皮革様シ
ートを得た。得られた皮革様シートの風合いは、充実感
は優れていたが、柔軟性が実施例2で得られた皮革様シ
ートと比較して明らかに不足するものであった。柔軟性
は13.2(cm)、通気性は10.0(cm/cm
/sec)、であった。
【0041】比較例7 不織布2にアニオン性アイオノマー型水性ポリウレタン
エマルジョン(大日本インキ化学工業(株)製HW−3
11(固形分濃度45%:粘度380mPa・s))を
使用する以外は実施例2と同様にして乾燥後の不織布重
量と樹脂重量の重量比率が65/35となるようにウェ
ットで配合液の付着量が490g/mとなるように含
浸とマングル絞りを2回繰り返して付与した後、145
℃熱風乾燥機中で乾燥し、熱プレスした。この樹脂含浸
不織布を実施例2と同様にサーキュラー染色機にて12
0℃の熱水中で40分間リラックス処理をして厚み1.
18mm、見掛密度0.35g/cmの皮革様シート
を得た。得られた皮革様シートの風合いは、充実感は実
施例2と比べて不良であり、かつ、柔軟性においても実
施例2の皮革様シートに比べ劣るものであった。柔軟性
は12.5(cm)、通気性は13.0(cm/cm
/sec)であった。
【0042】
【発明の効果】本発明方法により得られる皮革様シート
とそれを仕上げたスエード調人工皮革および銀付き調人
工皮革は、環境への負荷を減らして製造することがで
き、通気性に優れかつ適度な柔軟性と充実感とを有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA02 AA03 BA12 CA18 DA07 DA08 DA09 EA04 EA05 EA11 EA13 EA14 EA24 EA29 EA34 FA15 GA03 GA32 HA04 4L033 AA07 AA08 AB07 AC11 AC15 CA18 CA45 CA50 CA55 4L047 BA08 BA23 CA06 CC01 CC06 CC16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維絡合不織布と、その内部に高分子弾性
    体の固形分濃度35〜60重量%かつ粘度200〜10
    00mPa・sの水性分散体であって、ノニオン性界面
    活性剤により該高分子弾性体が乳化分散された樹脂水性
    分散体が含浸・凝固されてなり、該繊維絡合不織布と該
    高分子弾性体の重量比が70/30〜45/55である
    ことを特徴とする皮革様シート。
  2. 【請求項2】柔軟性が、カンチレバー試験法(JIS
    L1096−6.19.1)で5.0〜12.0cmの
    範囲であり、かつ通気性が、フラジール法(JIS L
    1096−6.27.1)で6.0(cm/cm
    sec)以上であり、かつ見掛密度が、0.25g/c
    〜0.6g/cmの範囲内にあり、さらに厚み
    が、0.3mm〜3.0mmの範囲内にある請求項1に
    記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】繊維絡合不織布に、高分子弾性体の固形分
    濃度35〜60重量%かつ粘度200〜1000mPa
    ・sの水性分散体であってノニオン性界面活性剤により
    該高分子弾性体が乳化分散された樹脂水性分散体を含浸
    し乾燥することによって、該繊維絡合不織布と該高分子
    弾性体の重量比を70/30〜45/55とすることを
    特徴とする通気性と充実感に優れた皮革様シートの製造
    方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の皮革様シートの少なくとも
    片面をバフィング処理する前または後に染色するスエー
    ド調人工皮革の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の皮革様シートに顔料または
    染料を分散した樹脂水性分散体をグラビアロールで塗布
    ・乾燥する銀付き調人工皮革の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の皮革様シートにポリウレタ
    ン樹脂水性分散体から形成されたポリウレタンフィルム
    を水性接着剤を介して張り合せる銀付き調人工皮革の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の皮革様シートの少なくとも
    片面にポリウレタンメルトブロー不織布から形成された
    多孔質ポリウレタンフィルムを張り合せる銀付き調人工
    皮革の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法
    により得られる人工皮革。
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