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JP2002539780A - 酵 素 - Google Patents

酵 素

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Publication number
JP2002539780A
JP2002539780A JP2000606723A JP2000606723A JP2002539780A JP 2002539780 A JP2002539780 A JP 2002539780A JP 2000606723 A JP2000606723 A JP 2000606723A JP 2000606723 A JP2000606723 A JP 2000606723A JP 2002539780 A JP2002539780 A JP 2002539780A
Authority
JP
Japan
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pdk1
phe
tyr
xaa
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000606723A
Other languages
English (en)
Inventor
ダリオ アレジ,
アヌドハラン バレンドラン,
マリア ディーク,
リチャード キュリー,
ピーター ダウンズ,
アントニオ カサメイヤー,
Original Assignee
ユニヴァーシティー オブ ダンディー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニヴァーシティー オブ ダンディー filed Critical ユニヴァーシティー オブ ダンディー
Publication of JP2002539780A publication Critical patent/JP2002539780A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P5/00Drugs for disorders of the endocrine system
    • A61P5/48Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones
    • A61P5/50Drugs for disorders of the endocrine system of the pancreatic hormones for increasing or potentiating the activity of insulin

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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)の基質特異性を変える方法を提供する。このPDK1は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有しZaaは負荷電アミノ酸残基を示すポリペプチドに露出される。基質特異性を変えられたPDK1は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe/Thr-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドにおいて、下線の引かれた残基をリン酸化することができる。また、基質特異性を変えられたPDK1はスクリーニングアッセイにおいて有用であろうし、さらに上記した共通配列を有する基質をリン酸化するのにも有用であろう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酵素、特に、ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(phosph
oinositide-dependent protein kinase 1)(PDK1)に関する。
【0002】
【従来の技術】
細胞がインスリン又は成長因子により刺激されるとき、プロテインキナーゼB
(PKB)は、ホスホイノシチド3−キナーゼ依存経路により活性化される。その
メカニズムは、PKBのキナーゼドメインに配置されたThr308、又は、C末端に近
接した疎水性モチーフ(motif)-Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser-Phe-中のSer473のリン酸
化に関係する。Thr308はインビトロでPDK1によりリン酸化されるが、Ser473をリ
ン酸化するキナーゼ(一時的にPDK2と名付ける)の同定は知られていない。
【0003】 インスリンシグナル導入(insulin signal transduction)における第一のス
テップは、ホスホイノシチド(PI)3−キナーゼの活性化、及び、原形質膜での
PtdIns(3,4,5)P3の形成[1−3]を誘導する。PtdIns(3,4,5)P3はその後、特異
的なホスファターゼにより、PtdIns(3,4)P2[4]又はPtdIns(4,5)P2[5,6]
に変換される。PI3−キナーゼの阻害は、ほとんど全てのインスリンの代謝作用
を抑制するけれども、これら酵素の構成的活性型(constitutively active form
s)の発現により、インスリンが存在しない場合のこれらの応答が擬態される。
この知見から、PtdIns(3,4,5)P3(及び/又はPtdIns(3,4)P2)は、インスリンシ
グナリングにおいて鍵となる第二のメッセンジャーであることがわかる[1−3
参照]。
【0004】 プロテインキナーゼB(PKB)は、インスリンに素早く応答して活性化される
。その活性化はPI3−キナーゼの阻害剤により阻害される[7]。また、更なる
研究から、PKBが、骨格筋におけるグリコーゲン合成刺激[8],心筋における
解糖刺激[9]を含む多くの細胞内インスリン効果、及び、インスリンが遺伝子
転写[10,11]又は翻訳[12]に関わるいくつかの効果を仲介するだろう
ということがわかってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
PKBは、キナーゼ触媒ドメインにより後続されるN末端プレクストリンホモロ
ジー(pleckstrin-homology)(PH)ドメインとC末端尾(C-terminal tail)を
有する。PKBの触媒ドメインは、プロテインキナーゼのAGCサブファミリーに属し
、プロテインキナーゼC(PKC)イソ型(isoforms)及びプロテインキナーゼA
(PKA)のそれと同様にして最初に同定された[13]。最近の研究から、PKBが
活性化されるメカニズムがさらに理解されてつつある。PKBは(そのPHドメイン
を介して)、PtdIns(3,4,5)P3、PI3−キナーゼ活性化産物に相互作用する。こ
れにより、PKBの原形質膜への転移、及び、リン酸化を許容するコンホメーショ
ン変化を生じるが、PKB活性を直接刺激することはない[2,3及び13]。 その代わりに、PKBは、二つの残基、すなわち、Thr308及びSer473のリン酸化に
よって原形質膜で活性化される。PKBを最大限に活性化するためには、これら残
基の両方のリン酸化が必要とされ、インビボでのそれらのリン酸化はPtdIns3−
キナーゼの阻害剤により阻害される[14]。Thr308は、キナーゼドメインのサ
ブドメインVII及びVIII間、すなわち、リン酸化により活性化される多く
のキナーゼがリン酸化される領域に配置されている。Ser473は、触媒ドメインに
対してC末端、すなわち、異なるAGCファミリーメンバー間でもやはり高相同性
(high homology)を示す領域に配置されている。興味深いことに、p70 S6K[1
5]及びPKCイソ型[16]を含む他のプロテインキナーゼAGCサブファミリーメ
ンバーもまた、等価な配列中にPKBのThr308及びSer473に対する残基をもってい
る。そして、インビボでこれらキナーゼを活性化するには、これら残基のリン酸
化が必要である。Thr308に対応する残基は、Thr-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leu
共通モチーフ(consensus motif)内に存在する(ここで、下線の引かれたThrが
Thr308に対応し、Xaaは可変残基である)。Ser473周辺の残基はPhe-Xaa-Xaa-Phe
-Ser/Thr-Phe/Tyr共通モチーフ内に存在する。我々[17,18]及び他の人た
ち[19,20]は、PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在する状態におい
て、Thr308でPKBをリン酸化する3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナー
ゼ−1(PDK1)と称されたプロテインキナーゼを同定している。後の研究から、
PDK1は、PKCイソ型[21−23],p70 S6キナーゼ[24,25]及びPKA[2
6]の対応残基をリン酸化することがわかってきている。インビトロ又は共同ト
ランスフェクション実験において、PDK1は、Ser473で著しくPKBをリン酸化しな
いという知見から、一時的にPDK2と称された明確なプロテインキナーゼがこの反
応を触媒するだろう[17]と推測された。ここで、我々は、驚くべきことに、
これが事実ではないということを示す知見を提案する。特に我々は、小ペプチド
(a small peptide)、例えば、プロテインキナーゼC関連(protein kinase C-
related)プロテインキナーゼ−2(PRK2)のC末端領域に対応するペプチドと
の相互作用により、PDK1は、Ser473及びThr308の両方をリン酸化する形態に変換
されることを説明する。これらの観察から、PDK1とPDK2は同一の酵素である可能
性があること、及び、Thr308とSer473に対するPDK1の特異性は、他の細胞構成要
素との相互作用を介して調節される可能性があることが推測される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の側面は、ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1
)の基質特異性を変える方法を提供する。ここで、前記PDK1はアミノ酸配列Phe/
Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペプチドに露出される。Zaaは負
荷電(a negatively charged)アミノ酸残基を示す。
【0007】 負荷電アミノ酸残基Zaaは、例えば、アスパラギン残基、グルタミン残基、リ
ン酸化されたセリン(ホスホセリン(phosphoserine))残基、リン酸化された
トレオニン(ホスホトレオニン(phosphothreonine))残基若しくはリン酸化さ
れたチロシン(ホスホチロシン(phosphotyrosine))残基、又は負荷電非天然
発生残基(a negatively charged non-naturally occurring residue)であって
もよい。Zaaはアスパラギン残基、グルタミン残基、ホスホセリン残基若しくは
ホスホトレオニン残基、より好ましくは、アスパラギン残基、グルタミン残基で
あることが好ましい。上記共通配列に対応する配列中の第一残基は、フェニルア
ラニン残基であることが好ましい。フェニルアラニンは、共通配列を既に同定し
ている天然発生ポリペプチド(naturally occuring polypeptides)中のこの位
置に発見される。Zaa残基の前にある残基はさらに、フェニルアラニン残基であ
ることが好ましい。フェニルアラニン及びチロシンは両方とも(別々に)、共通
配列が既に同定されている天然発生ポリペプチド中のこの位置に発見される。
【0008】 本明細書で用いられるような用語PDK1は、例えばWO98/41638に記載されている
ように、図10に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド(PDK1ポリペプチド)
、又は、PDK1としてAlessi D.R等 (1997) プロテインキナーゼBをリン酸化及び
活性化する3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼの特性(Characteri
sation of a 3-phosphoinositide-dependent protein kinase which phosphoryl
ates and activates protein kinase B) Curr. Biol. 7: 261-269,Alessi D.R
等 (1997) 3−ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ−1 (PDK1) : ショ
ウジョウバエDSTPK61キナーゼとの構造的及び機能的相同性(3-phosphoinositid
e-dependent protein kinase-1 (PDK1) : structural and functional homology
with the Drosophila DSTPK61 kinase) Curr. Biol. 7: 776-789,Stokoe D等
(1997) プロテインキナーゼB活性におけるホスファチジルイノシトール−3,
4,5−トリスリン酸の二重役割(Dual role of phosphatidyinositiol-3,4,5-
trisphosphate in the activation of protein kinase B)Science 277: 567-57
0若しくはStephens L等 (1998) プロテインキナーゼBのホスファチジルイノシ
トール3,4,5−トリスリン酸依存性活性を媒介するプロテインキナーゼBキ
ナーゼ(Protein kinase B kinases that mediate phosphatidylinositol 3,4,5
-trisphosphate-dependent activation of protein kinase B)Science 279: 71
0-714で同定されたポリペプチド(PDK1ポリペプチド)、又は、それの変異体(v
ariant),フラグメント(fragment),融合体(fusion)若しくは誘導体(deri
vative)、又は、前記変異体若しくは前記フラグメント若しくは前記誘導体の融
合体を含む、ということが認識されるだろう。前記PDK1ポリペプチドはプロテイ
ンキナーゼであることが好ましい。前記PDK1ポリペプチドは、Thr-Phe-Cys-Gly-
Thr-Xaa-Glu-Leu共通モチーフ(下線の引かれたThrが、PDK1によりリン酸化され
るトレオニンに対応する。また、Xaaは可変残基である)のトレオニン残基をリ
ン酸化できる、好ましくは、PKB、例えばPKBαの残基Thr308をリン酸化できるプ
ロテインキナーゼであることが好ましい。前記PDK1ポリペプチドが、上記したよ
うなトレオニン残基をリン酸化できる速度(rate)は、PtdIns(3,4,5)P3又はPtd
Ins(3,4)P2が存在する状態において増加するだろう。PKCイソ型[21−23]
,p70 S6キナーゼ[24,25],SGK(Webster, M.K., Goya, Ge, Y., Malyar
, A. C. 及び Firestone, G. L. (1993) Mol. Cell. Biol. 13, 1031-2040で与
えられた配列;1998年12月14日登録US出願番号112217で同定さ
れた対応残基)及びPKA[26]に関して、前記ポリペプチドは、PKBαのThr308
に対応する残基をリン酸化できる。インビトロにおける前記ポリペプチドの基質
特異性及び/又は特性は、実質的に、Alessi D.R等 (1997) Curr. Biol. 7: 261
-269,Alessi D.R等 (1997) Curr. Biol. 7: 776-789,Stokoe D等 (1997) Scie
nce 277: 567-570又はStephens L等 (1998) Science 279: 710-714に報告された
通りであることがさらに好ましい。
【0009】 必須ではないけれども、PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在する状態又
は存在しない状態のどちらかにおいて、全長(full-length)ヒトPKBαの残基Th
r308のリン酸化に関し、PDK1の変異体若しくはフラグメント若しくは誘導体若し
くは融合体、又は、その変異体若しくはフラグメント若しくは誘導体の融合体が
少なくとも30%の全長ヒトPDK1酵素活性を有することが、特に好ましい。PKBα
のリン酸化に関して、前記プロテインキナーゼの変異体若しくはフラグメント若
しくは誘導体若しくは融合体、又は、その変異体若しくはフラグメント若しくは
誘導体の融合体が、少なくとも50%の、好ましくは少なくとも70%の、より好ま
しくは少なくとも90%のPDK1酵素活性を有するならば、より好ましい。しかしな
がら、酵素活性を欠く変異体若しくは融合体若しくは誘導体若しくはフラグメン
トもやはり、例えば他のポリペプチドとの相互作用により有用となることは認識
されるはずである。従って、酵素活性を欠く変異体若しくは融合体若しくは誘導
体若しくはフラグメントは、結合アッセイ(a binding assay)において、有用
となる。この結合アッセイは、例えば、アミノ酸配列モチーフPhe/Tyr-Xaa-Xaa-
Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr,例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPh
e/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチド
との(上記したような)PDK1の相互作用を測定する本発明の方法において、用い
られてもよい。
【0010】 ポリペプチドの“変異体”には、挿入(insertions)と、欠損(deletions)
と、置換(substitutions)と、保存(conservative)又は非保存(non-conserv
ative)のどちらか一方とが含まれる。特に、上記したように、このような変化
により前記ポリペプチドの活性、例えば上記したようなPDK1のプロテインキナー
ゼ活性を実質的に変えないポリペプチドの変異体が含まれる。
【0011】 “同類置換(conservative substitutions)”は、Gly,Ala;Val,Ile,Leu
;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr;Lys,Arg;及びPhe,Tyrのような組み合わせ
を意図する。
【0012】 PDK1変異体が、図10に示すPDK1のアミノ酸配列に対して、少なくとも65%、
より好ましくは少なくとも70%,71%,72%,73%又は74%、さらに好ましくは
少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくと
も85%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%又は
97%の同一性(identity)を有するアミノ酸配列を有するならば、特に好ましい
【0013】 PDK1変異体が、図10に示すPDK1触媒ドメインのアミノ酸配列に対して、少な
くとも65%、より好ましくは少なくとも70%,71%,72%,73%又は74%、さら
に好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好まし
くは少なくとも83%又は85%、さらに好ましくは少なくとも90%、最も好ましく
は少なくとも95%又は97%の同一性(identity)を有するアミノ酸配列を有する
ならば、さらに好ましい。プロテインキナーゼ関連ポリペプチド(a protein ki
nase-related polypeptide)の触媒ドメインは、例えば、以下に示すような配列
比較を用いると、当業者により容易に同定されることが認識されるはずである。
【0014】 二つのポリペプチド間のパーセント配列同一性は、適するコンピュータプログ
ラム、例えば、ウィスコンシン大学遺伝子コンピューティンググループ(the Un
iversity of Wisconsin Genetic Computing Group)のGAPプログラムを用い
て決定される。パーセント同一性は、配列が最適に整列されているポリペプチド
について、計算されることが認識されるだろう。
【0015】 代わりになるべきものとして、クラスタルWプログラム(the Clustal W prog
ram)を用いて、その整列が行われる(Thompson等 (1994) Nucl Acid Res 22, 4
673-4680)。用いられたパラメータは、以下の通りである: Fast pairwise alignment parameters:K-tuple(word) size;1,window size;
5,gap penalty;3,number of top diagonals;5.Scoring method:x percent
. Multiple alignment parameters:gap open penalty;10,gap extension penal
ty;0.05. Scoring matrix:BLOSUM.
【0016】 PDK1は、図10に示すプロテインキナーゼPDK1、又は、それの天然発生アレリ
ック変異体(naturally occurring allelic vatiants)のアミノ酸配列からなる
ポリペプチドであることが好ましい。実施例1に記載されているように、PDK1は
また、全長ヒトPDK1の残基51〜404のアミノ酸配列を有するポリペプチドであっ
てもよい;これはPDK1のプロテインキナーゼドメインを有してもよい。またさら
に、実施例1に記載されているように、PDK1はMycエピトープ標識PDK1(Myc epi
tope-tagged PDK1)又はHis標識PDK1(His-tagged PDK1)であってもよい。
【0017】 PDK1は、アミノ酸配列モチーフPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr,例え
ばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Pho
sphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチドに結合できるポリペプチドで
あることが好ましい。
【0018】 アミノ酸配列モチーフPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペ
プチドに対する前記PDK1ポリペプチドの結合能力は、以下に述べるように、タン
パク質/タンパク質相互作用(a protein/protein interaction)を検出/測定
する(detecting/measuring)何らかの方法により、測定される。適する方法に
は、上記しかつ実施例1に記載した方法に類似した方法、例えば、酵母ツーハイ
ブリッド相互作用(yeast two-hybrid interactions)法,共同精製(co-purifi
cation)法,エリザ(ELISA)法又は共同免疫沈降(co-immunoprecipitation)
法が含まれる。従って、例えば実施例1に記載したように、エリザ法,共同免疫
沈降法、又は、酵母ツーハイブリッド相互作用法,共同精製法により、前記PDK1
ポリペプチドと後述する相互作用ポリペプチドとの間で相互作用が検出されるな
ら、前記PDK1は、アミノ酸配列モチーフPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr
,例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/T
yr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチド(相互作用ポリペプチ
ド)と結合できると考えられるだろう。
【0019】 実施例1に記載したように、アミノ酸配列モチーフPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-
Zaa-Phe/Tyrを有する相互作用ポリペプチドは、アミノ酸配列REPRILSEEEQEMFRDF
DYIADWCを有するポリペプチドとして、実質的に同様な方法で、PDK1と結合でき
、かつ、PKBαのSer473に対してPDK1の活性を変化させることができるポリペプ
チドであることが好ましい。
【0020】 本明細書においては、上記で定義した記号Zaaを除き、IUPAC-IUB生化学命名委
員会(the IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commission)の3文字アミノ
酸コードを用いる。特に、Xaaは何らかのアミノ酸を示す。Xaa及びZaaは天然発
生アミノ酸(a naturally occuring amino acid)であることが好ましい。少な
くともその共通配列に対応するアミノ酸は、Lアミノ酸であることが好ましい。
【0021】 PDK1は、前記露出後に、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応す
るアミノ酸配列を有するポリペプチドにおいて、下線の引かれた残基をリン酸化
できることが好ましい。PDK1は、前記露出後に、PKBαの残基Ser473をリン酸化
できることが、より好ましい。このプロテインキナーゼはまた、前記露出後に、
共通配列Thr/Ser-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leuに対応するアミノ酸配列を有す
るポリペプチドの下線の引かれた残基をリン酸化できることが、さらに好ましい
。このプロテインキナーゼは、前記露出後に、PKBαのThr308及びSer473をリン
酸化できることが、さらに好ましい。
【0022】 PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在する依存様態(dependent manner)
において、前記したPDK1の能力は変えられてもよく、好ましくは増大してもよい
。PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2要求性はとても特異的である。何故なら、
実施例1に述べられているように、PtdIns(3,4,5)P3のD鏡像異性体(D-enantio
mers)だけが有効らしく、PtdIns(3,4)P2を含む多くの他のPtdInsリン脂質は有
効ではないらしいからである。
【0023】 合成sn−1−ステアロイル,2−アラキドノイル D-PtdIns(3,4,5)P3(Synt
hetic sn-1-stearoyl , 2-arachidonoyl D-PtdIns(3,4,5)P3)(天然発生するPt
dIns(3,4,5)P3のプレ優性型(predominant form),図9の脂質8),合成sn
−2−ステアロイル,3−アラキドノイル D-PtdIns(3,4,5)P3(synthetic sn-2
-stearoyl , 3-arachidonoyl D-PtdIns(3,4,5)P3)(図9の脂質10)は、(前
記露出後の)PDK1によるGST-PKBαのSer473でのリン酸化(図9B)及び(GST-S
473D-PKBαの活性により測定された)Thr308のリン酸化を増大させることができ
るだろう。これは、グリセロール部分の鏡像異性立体配置(the enantiomeric c
onfiguration of the glycerol moiety)が、特異性を決定する重要な因子には
ならないことを示している。これら脂質のL鏡像異性体(脂質9及び11,図9
)は、重要なPKBのSer473のリン酸化又はGST-S473D-PKBαの活性化を誘導しない
だろう。sn−1,2−ジパルミトイル PtdIns(3,4)P2(sn-1,2-dipalmitoyl P
tdIns(3,4)P2)(脂質3図9)のみならず、rac−1,2−ジリノレオイルホ
スファチジルD/L−ミオ−イノシトール3,4,5トリスリン酸(rac-1,2-di
linoleoylphosphatidyl D/L-myo-inositol 3,4,5 trisphosphate)(リノール酸
はC18:2,脂質7図9),sn−1,2−ジパルミトイル D-PtdIns(3,4,5)
P3(sn-1,2-dipalmitoyl D-PtdIns(3,4,5)P3),(脂質6,図6)もまた、(前
記露出後の)PDK1によるPKBαのSer473及びThr308でのリン酸化を誘導するのに
有効となるだろう。しかしながら、PtdIns-3P(脂質2,図9),PtdIns(3,5)P2 (脂質4図9)及びPtdIns(4,5)P2(脂質5図9)は、(前記露出後の)PDK1に
よるPKBαのSer473又はThr308でのリン酸化を誘導しなかった。GST-PIFが存在し
ない状態において、試験されたPtdIns誘導体のなかには、Ser473のリン酸化又は
GST-S473D-PKBαの活性化を誘導するPtdIns誘導体はなかった(データは示さな
い)。
【0024】 前記相互作用ポリペプチドは、PRK2又はPKCζから,好ましくはPRK2又はPKCζ
のC末端部位から誘導可能である。前記相互作用ポリペプチドは、実施例1に記
載されているように、タンパク質分解的裂け目(proteolytic cleavage)よって
、例えばカスパーゼ3(Caspase 3)によってPRK2から誘導可能である。
【0025】 従って、この相互作用ポリペプチドは、PRK2の残基701からC末端にかけての
アミノ酸配列を有するか、又は、必然的にそのアミノ酸配列からなる。これは、
PRK2のC末端の77個のアミノ酸に対応する。このPRK2のC末端の77個のアミノ酸
を、PDK1相互作用フラグメント(PIF)と名付けてもよい。このPRK2のPIF領域は
、PRK2のキナーゼ触媒ドメインに対してすぐのC末端に存在する。このポリペプ
チドは、(領域Bと名付けた、実施例1に記載されているような)PRK2の残基96
0〜984のアミノ酸配列、又は、図1Eに示されているようなPRK1,PRK1,PKBα
,p70S6キナーゼ,SGK,PKCイソ型、例えばPKCζ若しくはPKCα,又はPKAβの等
価領域Bを有してもよいし、又は必然的にこれら配列及び領域からなっていても
よい。PKCイソ型は、例えば、Mellor & Parker (1998) 広域プロテインキナーゼ
Cスーパーファミリー(The extended protein kinase C superfamily) Bioche
m J 332, 281-292に記載されている。PRK2のPIF領域及び領域Bは、共通配列Phe
/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/
Tyrに対応するアミノ酸配列を有する。PKCζのC末端領域は、アミノ酸配列Phe-
Glu-Gly-Phe-Glu-Tyrを有する。この配列は、共通配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr
-Zaa-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyrに対応する。この
ポリペプチドが共通配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/
Tyrに対応するアミノ酸配列を有するようにセリン残基若しくはトレオニン残基
がリン酸化される場合、又はセリン残基若しくはトレオニン残基がアスパラギン
酸残基若しくはグルタミン酸残基に置換される場合、共通配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-
Phe/Tyr-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドは、PDK
1と相互作用してもよいことが認識されるはずである。
【0026】 PRK2の領域Bは、アミノ酸配列REPRILSEEEQEMFRDFDYIADWCを有してもよい。従
って、前記PDK1が露出する前記相互作用ポリペプチドは、配列REPRILSEEEQEMFRD
FDYIADWC若しくはREPRILSEEEQEMARDFDYIADWC若しくはREPRILSEEEQEMFGDFDYIADWC
を有してもよいし、又は必然的にこれらの配列からなっていてもよい。
【0027】 PRK2の領域Aは、アミノ酸配列EDVKKHPFFRLIDWSALMDKKVKPPFIPTIRGREDVSNFDDE
FTSEAPILTPPを有してもよい。従って、前記相互作用ポリペプチドは、この配列E
DVKKHPFFRLIDWSALMDKKVKPPFIPTIRGREDVSNFDDEFTSEAPILTPP又はそれの変異体をさ
らに有してもよい。
【0028】 図1に示すように、PRK2の領域Bに等価なPKCζの領域は、アミノ酸配列DEDAI
KRIDQSEFEGFEYINPLLを有してもよい。従って、前記相互作用ポリペプチドは、こ
の配列DEDAIKRIDQSEFEGFEYINPLL又はそれの変異体を有してもよい。
【0029】 実施例1に記載されているように、前記相互作用ポリペプチドは、GST部位を
有してもよい。この部位は、前記相互作用ポリペプチドを精製及び/又は検出す
る際に有用となるだろう。
【0030】 実施例1に記載されているように、前記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドの
両方を発現する細胞内においては、前記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドは互
いに露出されるだろう。このPDK1は、内因性(endogenous)PDK1であってもよい
し、又は組換構築体(a recombinant construct)から発現されたPDK1であって
もよい。同様にして、実施例1に記載されているように、前記相互作用ポリペプ
チドは、内因性であってもよいし、又は組換構築体から発現されてもよい。前記
PDK1及び前記相互作用ポリペプチドの両方を天然発現する細胞内においては、前
記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドは、互いに露出されないことが好ましい。
前記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドが互いに露出される細胞に対しては、前
記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドの両方ともが、内因性ポリペプチドではな
いことが好ましい。
【0031】 実施例1に記載されているように、このPDK1及び前記相互作用ポリペプチドは
、複合体(a complex)を形成するだろう。この複合体は、バイアコア(BiaCore
)測定により検出されるだろう。GST-PIFとHis標識PDK1間の会合に関する概算の
平衡解離定数は600nMであろう。表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonan
ce)測定を用いて検出される上記領域Bに対応する固定化され(immobilised)
かつビオチニル化された(biotinylated)24残基の合成ペプチドと、His-PDK1
との間の概算の解離定数Kdは800 nM、又は1.5μMであった。実施例1に記載さ
れているように、例えば(上記で定義した)PDK1及び前記相互作用ポリペプチド
を共同発現する細胞からの材料(material)においては、共同免疫沈降又は共同
精製実験によって、複合体をさらに検出してもよい。LiBr(強カオトロフィック
薬剤(a strong chaotrophic agent))を2 Mにしても、又は1%(体積で)Tri
ton X100とのインキュベーションによっても解離しないことから示されるように
、PDK1(例えば、全長野生型(full-length wild type)PDK1)及び前記ポリペ
プチド(例えば、GST-PIF)間の複合体は、とても強く相互作用しているだろう
【0032】 本発明の更なる側面は、本発明の第一の側面の方法により誘導可能なPDK1の一
形態を提供する。ここで、前記PDK1は既に基質特異性を変えられている。上記し
たように、基質特異性を変えた前記PDK1は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-
Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドの下線の引かれた残基を
リン酸化することができる。前記PDK1には、前記相互作用ポリペプチド又はPDK1
の基質以外のものが天然に発見される細胞内において、PDK1と共存するポリペプ
チド又はPDK1が会合するポリペプチドが実質的に無くてもよい。
【0033】 本発明の更なる側面は、PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-
Phe/Tyrを有するポリペプチドとを有する調製剤(a preparation)を作製する方
法を提供する。ここで、実質的に純粋な(上記で定義されたような)PDK1は、ア
ミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有する実質的に純粋なポリ
ペプチドと混合される。その方法は更に、更なる構成要素、例えば、ウシ血清ア
ルブミン又は前記PDK1の基質、例えばPKBαのような安定化構成要素をその調製
剤に加えるステップを有する。
【0034】 本発明の更なる側面は、本発明の上記方法により誘導可能な調製剤を提供する
【0035】 “実質的に純粋な”とは、PDK1又は相互作用ポリペプチドには実質的に他のタ
ンパク質がないことを意味する。従って、前記PDK1又は相互作用ポリペプチドと
して、重量にしてそのタンパク質含有量の少なくとも30%を有する組成物(comp
osition)が含まれる。そのタンパク質含有量の好ましくは少なくとも50%、も
っと好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに、最
も好ましくは少なくとも95%が前記PDK1又は相互作用ポリペプチドである。
【0036】 従って、この実質的に純粋なPDK1又は相互作用ポリペプチドには混入物(a co
ntaminant)が含まれるだろう。ここで、この混入物は、重量にしてその組成物
の70%、好ましくは50%、もっと好ましくは30%、さらに好ましくは10%、さら
に、最も好ましくは5%より少ない。
【0037】 この実質的に純粋な前記PDK1又は相互作用ポリペプチドは、エクスビボ(ex v
ivo)で、他の構成要素(components)と結合してもよい。前記他の構成要素は
、前記PDK1又は相互作用ポリペプチドが天然発見される細胞内で発見される構成
要素全てではない。
【0038】 本発明の更なる側面は、PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-
Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xa
a-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyr(相互作用ポリペプチド)を有する
ポリペプチドとを有する調製剤を提供する。ここで、前記調製剤は、前記PDK1が
天然発見される細胞内で発見される構成要素全てを有しない。前記調製剤は、(
1)50 mM Tris/HCl pH7.5,1mM EDTA,1mM EGTA,0.27 Mスクロース及び0.1%
(体積で)β−メルカプトエタノール含有の緩衝溶液で平衡化されたQ−セファ
ロースカラムに結合できない、又は(2)50mM Tris/HCl pH7.5,1mM EDTA,1mM
EGTA,0.27Mスクロース及び0.1%(体積で)β−メルカプトエタノール含有の
緩衝溶液で平衡化されたQ−セファロースカラムに結合できるが、0.3M NaClを
更に含有する前記緩衝溶液により溶出されない細胞、例えばラット脳細胞で発見
される構成要素を有しなくてもよい。前記調製剤は更に、(1)50mM Tris/HCl
pH7.5,1mM EDTA,1mM EGTA,0.27Mスクロース,0.1%(体積で)β−メルカプ
トエタノール及び0.2M NaCl含有の緩衝溶液で平衡化されたヘパリン−セファロ
ースカラムに結合できない、又は(2)50mM Tris/HCl pH7.5,1mM EDTA,1mM E
GTA,0.27Mスクロース,0.1%(体積で)β−メルカプトエタノール及び0.2M Na
Cl含有の緩衝溶液で平衡化されたヘパリン−セファロースカラムに結合できない
が、NaClの含有量を0.75Mにした前記緩衝溶液により溶出されない細胞で発見さ
れる構成要素を有しなくてもよい。従って、この調製剤には、前記相互作用ポリ
ペプチド又はPDK1の基質、例えばPKBα以外の細胞内において、PDK1と共存する
ポリペプチド又はPDK1が会合するポリペプチドが実質的になくてもよい。
【0039】 前記調製剤は、Stokoe等 (1997) Science 277, 567-570に記載されているよう
に、(1)20mM Tris pH7.5,1mM EDTA,25mM NaF,1mMジチオトレイトール(DT
T),1mM NaVn,ロイペプチン(leupeptin)(10μg/ml),ダイズトリプシン阻
害剤(10μg/ml),アプロチニン(aprotinin)(10μg/ml)及び100μMペファ
ブロック(pefabloc)中でのラット組織(例えば、脳及び胸腺)の均質化、(2
)20000g、30分間の遠心分離、(3)モノQカラム(a Mono Q column)(ファ
ルマシア)に抽出物(例えば、20mg)を加えること(loading)、(4)NaClが2
50 mMに達した状態で結合タンパク質を溶出すること、によって入手可能である
必要はない。
【0040】 従って、我々は、前記PDK1又は相互作用ポリペプチド(すなわち、結合におい
て)として、重量にしてタンパク質含有量の少なくとも30%を有する組成物を備
える。そのタンパク質含有量の好ましくは少なくとも50%、もっと好ましくは少
なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに、最も好ましくは少な
くとも95%は、前記PDK1又は相互作用ポリペプチドである。
【0041】 従って、本発明はさらに、前記PDK1と、前記相互作用ポリペプチドと、重量に
してその組成物の70%より少ない、好ましくは50%より少ない、もっと好ましく
は30%より少ない、さらに好ましくは10%より少ない、さらに、最も好ましくは
5%より少ない混入物とを有する調製剤を備える。本発明はさらに、前記PDK1と
、前記相互作用ポリペプチドとを有する調製剤を備える。前記PDK1及び相互作用
ポリペプチドがエクスビボで他の構成要素と結合するとき、前記他の構成要素は
、前記PDK1及び/又は相互作用ポリペプチドが天然発見される細胞内で発見され
る構成要素全てではない。
【0042】 PDK1の代わりになるべきもの及びPDK1として好ましいもの及び前記相互作用ポ
リペプチドは、本発明の第一の側面に関連して記載されている通りである。
【0043】 本発明の更なる側面は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応す
るアミノ酸配列を有するポリペプチドの下線の引かれた残基をリン酸化できる調
製剤を提供する。ここで、前記調製剤は、二種,三種,四種,五種,六種又は十
種までのポリペプチドを有し、実質的に(質量で)他のポリペプチドは有さない
。一つの前記ポリペプチド種はPDK1であり、第二の前記ポリペプチド種(相互作
用ポリペプチド)はアミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例え
ばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Pho
sphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有する。 PDK1の代わりになるべきもの及びPDK1として好ましいもの及び前記相互作用ポリ
ペプチドは、本発明の第一の側面に関連して記載されている通りである。第三の
ポリペプチド種は、PDK1の基質であってもよい。第四のポリペプチド種は、この
調製剤を安定化するポリペプチド、例えばウシ血清アルブミン又はゼラチンであ
ってもよい。
【0044】 前記調製剤は、共通配列Thr/Ser-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leuに対応するア
ミノ酸配列を有するポリペプチドの下線の引かれた残基に対応する残基をリン酸
化できることが好ましい。
【0045】 当業者に知られているように、かつ、PDK1及びアミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-
Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペプチドに関連して実施例1に議論されてい
るように、二種,三種,四種,五種,六種又は十種までのポリペプチドは単離可
能な複合体を形成できることが認識されるはずである。
【0046】 本発明の更なる側面は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyr(PDK2共
通配列)に対応するアミノ酸配列を有する基質ポリペプチドの下線の引かれた残
基に対応する残基をリン酸化する方法を提供する。ここで、PDK1は本発明の第一
の側面の方法により誘導可能であるか、前記PDK1は既に基質特異性を変えられて
いる点で特徴付けられるか、又は本発明の先行する側面のいずれかに係る調製剤
が用いられる。
【0047】 基質ポリペプチドは、PKB、例えばPKBα,SGK,p70S6キナーゼ,PKA又はPKCイ
ソ型であってもよい。この基質ポリペプチドはさらに、共通配列Thr/Ser-Phe-Cy
s-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leuの下線の引かれた残基に対応する残基でリン酸化される
ことが好ましい。
【0048】 この方法は、ホスホイノシチド、例えばPIP2又はPtdIns(3,4,5)P3(PIP3)が存
在する状態において実施されてもよいことが認識されるはずである。前記PIP2
はPIP3は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyr PDK2共通配列に対応する
アミノ酸配列を有する基質ポリペプチドの下線の引かれた残基、及び/又は、共
通配列Thr/Ser-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leuの下線の引かれた残基に対応する
残基のリン酸化の速度(rate)又は度合(extent)を増大させてもよい。
【0049】 本発明の更なる側面は、PRK2をリン酸化する方法を提供する。ここで、前記PR
K2はPDK1に露出される。PRK2は、全長PRK2のThr807に対応する残基がリン酸化さ
れてもよい。本発明の更なる側面は、PRK2をリン酸化する方法におけるPDK1の用
途(use)を提供する。
【0050】 本発明の更なる側面は、PDK1によるPRK2の活性化及び/又はリン酸化を調節す
る化合物を同定する方法を提供する。ここで、このPDK1によるPRK2の活性化及び
/又はリン酸化は、この化合物がある濃度(one concentration)より大きく存
在した状態(例えば、存在する状態か、又は存在しない状態)で測定される。
【0051】 本発明の更なる側面は、PDK1及び/又はPRK2が天然発見される細胞の中に他の
タンパク質又は細胞構成要素(cellular components)が実質的に存在しない状
態において、前記PDK1及びPRK2を有する調製剤を提供する。本発明のこの調製剤
として好ましいものは、PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Ph
e/Tyrを有するポリペプチドとを備える本発明の調製剤として上述されている好
ましいものに類似している。前記調製剤は、前記PDK1及び/又は相互作用ポリペ
プチドが天然発見される細胞内に発見される全ての構成要素を有してはいない。
【0052】 PRK2には、図11に示されている、又はPalmer等 (1994) 多重,新規,プロテ
インキナーゼC関連遺伝子産物の同定(Identification of multiple, novel, p
rotein kinase C-related gene products) FEBS Lett 356(1), 5-8, に与えら
れているアミノ酸配列を有するポリペプチド及びそれのフラグメント,変異体,
誘導体及び融合体が含まれる。
【0053】 本発明の更なる側面は、PDK1の活性を調節する化合物を同定する方法を提供す
る。ここで前記PDK1は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、
例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr
-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチドが存在する状態において
、前記化合物に露出される。PDK1の活性には、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Th r -Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有する基質ポリペプチドの下線の引かれた
残基をリン酸化する能力(capability)(すなわちPDK2活性)、及び/又は、共
通配列Thr/Ser-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leuの下線の引かれた残基に対応する
残基をリン酸化する能力(すなわちPDK1活性)が含まれる。
【0054】 PDK1の活性を調節する化合物を同定する方法は、この化合物がある濃度より大
きく存在する状態において(例えば、この化合物が存在する状態において、及び
この化合物が実質的に存在しない状態において)、前記PDK1の活性を測定するス
テップを有してもよい。ここで、前記PDK1は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Ph
e/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr又はPhe/
Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチドに
露出されるか、又は既に露出されている。
【0055】 前記化合物は、前記ポリペプチドとPDK1との間の相互作用を調節できてもよい
。前記化合物は、PDK1と、若しくは前記ポリペプチドと、若しくは両方と相互作
用してもよいことが認識されるはずである。
【0056】 本発明の更なる側面は、PDK1の基質特異性を変えることのできる化合物を同定
する方法を提供する。ここで、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyrに対
応するアミノ酸配列を有するポリペプチドの下線の引かれた残基に対応する残基
をリン酸化する前記PDK1の能力が測定され、前記化合物が存在する状態において
この能力は増大する。前記PDKの能力は、ホスホイノシチド、例えばPtdIns(3,4,
5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在する状態において、測定されることが認識される
はずである。本発明の更なる側面は、前記方法により同定されるか、又は前記化
合物により同定可能な化合物を提供する。
【0057】 この化合物は、例えば、当業者にはよく知られているように、三次元コンホメ
ーション(a three-dimensional conformation)に基づいて選択された化合物で
あってもよいし、又は三次元コンホメーションを有して設計された化合物であっ
てもよい。この三次元コンホメーションは、共通配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr- Zaa -Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyrに対応するアミ
ノ酸配列を有する(with)か、又は有している(comprising)ポリペプチド、特
に配列FRDFDY又はREPRILSEEEQEMFRDFDYIADWCを有するポリペプチドのそれに類似
するであろう。
【0058】 本発明の更なる側面は、ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1
)の基質特異性を変える方法を提供する。ここで、前記PDK1は、本発明の上記方
法により同定される化合物又は本発明の上記方法により同定可能な化合物に露出
される。本発明の更なる側面は、本発明の上記側面の方法により誘導可能なPDK1
である。ここで、前記PDK1が共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Ser/Thr-Phe/Tyrに
対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドにおいて下線の引かれた残基に対応
する残基をリン酸化できるように、前記PDK1は既に基質特異性を変えられている
【0059】 本発明の更なる側面は、上記で定義したような基質特異性を既に変えているPD
K1のPDK1又はPDK2活性に関して、3−ホスホイノシチド、例えばPtdIns(3,4,5)P3 又はPtdIns(3,4)P2の効果を擬態できる化合物を同定する方法を提供する。この
方法は、適する基質をリン酸化でき、3−ホスホイノシチドが存在しない状態に
おいて前記化合物により活性化するように、前記化合物が前記PDK1を活性化する
かどうかを決定する工程を有する。この適する基質は、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Ph
e-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド(PDK2活性測
定用)であってもよいし、又は共通配列Thr/Ser-Phe-Cys-Gly-Thr-Xaa-Glu-Leu
に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチド(PDK1活性測定用)であってもよ
い。
【0060】 本発明の更なる側面は、哺乳類、例えばラット、脳から誘導可能なプロテイン
キナーゼを提供する。ここで前記プロテインキナーゼは、PtdIns(3,4,5)P3が存
在する状態において、共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するア
ミノ酸配列を有するポリペプチドにおいて下線の引かれた残基に対応する残基、
例えばPKBαのSer473をリン酸化できる。また、前記プロテインキナーゼは、少
なくともpH7.5の0.75M NaClによりヘパリン−セファロースから溶出されてもよ
く、さらに前記プロテインキナーゼはPDK1と反応性がある抗体に結合できる。前
記プロテインキナーゼの精製方法の更なる詳細は実施例1に与えられている。前
記プロテインキナーゼは、例えば非共有結合複合体(a non-covalently bound c
omplex)の場合においては、一つより多いポリペプチド鎖を有してもよいことが
認識されるはずである。
【0061】 本発明の更なる側面は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr
、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyrを有するポリペプチドを提
供する。ここで前記ポリペプチドは、全長PRK2,PRK1又はPKCζではなく、さら
にZaaはホスホセリン又はホスホトレオニンではない。PRK2の配列は、図11及
びPalmer 等 (1994) 多重,新規,プロテインキナーゼC関連遺伝子産物の同定
(Identification of multiple, novel, protein kinase C-related gene produ
cts) FEBS Lett 356(1), 5-8, に示されている。PRK1の配列は、図14及びPal
mer 等 (1995) 新規なプロテインキナーゼC関連キナーゼファミリーの中の二つ
のメンバーのクローニング及び発現パターン(Cloning and expression pattern
s of two members of a novel ptotein-kinase-C-related kinase family) Eur
J Biochem 227(1-2), 344-351に示されている。PKCζの配列は、図15及びKoc
hs 等 (1993) ヒトプロテインキナーゼCアルファ及びゼータイソ酵素の活性化
及び基質特異性(Activation and substrate specificity of the human protei
n kinase C alpha and zeta isoenzymes) Eur J Biochem 216(2), 597-606に示
されている。従って、このポリペプチドは、PRK2の残基701からC末端までのア
ミノ酸配列を有してもよいし、又は必然的にPRK2の残基701からC末端までのア
ミノ酸配列から構成されてもよい。これはC末端側の77個のアミノ酸に対応する
。このPRK2のC末端側の77個のアミノ酸は、PDK1−相互作用フラグメント(PDK1
-Interacting Fragment)(PIF)と名付けられる。このPRK2のPIF領域は、PRK2
のキナーゼ触媒ドメインに対してすぐのC末端に存在する。21。このポリペプ
チドは、(領域Bと名付けた、実施例1に記載されているように)PRK2中の残基
960〜984のアミノ酸配列を有するか、又は、必然的にこれら配列からなる。この
PRK2のPIF領域及び領域Bは、共通配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/T
yrに対応するアミノ酸配列を有する。
【0062】 領域Aは、アミノ酸配列REPRILSEEEQEMFRDFDYIADWCを有してもよい。従って、
この本発明の前記ポリペプチドは、配列REPRILSEEEQEMFRDFDYIADWC若しくはREPR
ILSEEEQEMARDFDYIADWC若しくはREPRILSEEEQEMFGDFDYIADWCを有してもよいし、又
は必然的にこれらの配列からなっていてもよい。
【0063】 領域Bは、アミノ酸配列EDVKKHPFFRLIDWSALMDKKVKPPFIPTIRGREDVSNFDDEFTSEAP
ILTPPを有してもよい。従って、この前記ポリペプチドは、この配列EDVKKHPFFRL
IDWSALMDKKVKPPFIPTIRGREDVSNFDDEFTSEAPILTPP又はそれの変異体をさらに有して
もよい。実施例1に記載されているように、この本発明の前記ポリペプチドは、
GST部位を有してもよい。これは、この前記ポリペプチドを精製及び/又は検出
する際に有用となるだろう。
【0064】 本発明の更なる側面は、必然的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチド、
又は必然的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチドの融合体を提供する。
【0065】 本発明の更なる側面は、本発明のポリペプチドをエンコードするポリヌクレオ
チドを提供する。本発明の更なる側面は、本発明のポリペプチドを発現するのに
適する組換ポリヌクレオチドを提供する。本発明の更なる側面は、本発明のポリ
ヌクレオチドを有する宿主細胞を提供する。
【0066】 本発明の更なる側面は、本発明のポリペプチドを作製する方法であって、前記
ポリペプチドを発現する本発明の宿主細胞の培養と、前記ポリペプチドの単離と
を有する方法を提供する。アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/
Tyrを有する本発明の前記ポリペプチドは、その細胞内で発現された内因性PDK1
又はその細胞内で発現された組換PDK1を有する複合体として単離されてもよいと
いうことが認識されるはずである。実質的にPDK1の残基51〜404からなる本発明
の前記ポリペプチド又は実質的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチドの融
合体は、上記及び実施例1に記載されているように、内因性PRK2若しくはそれの
フラグメントを有する複合体として単離されてもよいし、組換PRK2又は実施例1
に記載され細胞内で発現されたそれのフラグメント,誘導体若しくは融合体を有
する複合体として単離されてもよい。
【0067】 本発明の更なる側面は、上記方法により入手可能なポリペプチドを提供する。
本発明の更なる側面は、医薬用の本発明のポリペプチドを提供する。本発明の更
なる側面は、インスリンシグナリング経路(insulin signalling pathway)及び
/又はPDK1/PDK2/PRK2シグナリング(PDK1/PDK2/PRK2 signalling)の調節を必
要とする患者を治療するための薬剤の製造における、本発明のポリペプチドの用
途(use)を提供する。
【0068】 本発明のポリペプチド又は上記に定義したようなアミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xa
a-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr若し
くはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有する相互作
用ポリペプチドは、長さにして、約950,900,800,700,600,500,400,300,
200,100,80,70,60,50,40,30,20,18,16,15,14,12,10,8又は7アミ
ノ酸からなっていてもよい。このポリペプチドは、PRK2,PKCζ又はPDK1、例え
ばラット又はヒトPRK2,PKCζ又はPDK1から誘導可能な隣接残基(contiguous re
sidues)からなってもよいし、又はこの隣接残基を有してもよい。例えば実施例
1に記載されているように測定された、全長PDK1、例えば全長ヒトPDK1と、アミ
ノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/T
yr-Asp/Glu-Phe/Tyr若しくはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-
Phe/Tyrを有するポリペプチドとの間の相互作用を減少、好ましくは実質的に阻
害できてもよい。このポリペプチドは共有結合修飾(covalent modification)
を有してもよく、例えばビオチニル化により修飾される、すなわちビオチングル
ープを有してもよいということが認識されるはずである。このようなペプチドは
、インビトロ又はインビボでPDK1の酵素活性を変える際に有用となるだろう。
【0069】 上記ポリペプチド又はペプチドは、その技術分野においてよく知られている方
法により、さらに以下及び実施例1に記載されているように、例えば分子生物学
方法又は自動化学的ペプチド合成方法を用いて作製されてもよい。
【0070】 ペプチド擬態化合物(peptidomimetic compounds)もまた有用であるだろうと
いうことが認識されるはずである。従って、“ポリペプチド”又は“ペプチド”
には、アミノ酸残基がペプチド(-CO-NH-)結合により結合される分子だけでな
く、このペプチド結合が逆にされる(is reversed)分子も含まれる。このよう
な逆−逆(retro-inverse)ペプチド擬態体(peptidomimetics)は、その技術分
野において知られている、例えば引用文献として本明細書に組み込まれたMezier
e 等 (1997) J. Immunol. 159, 3230-3237に記載されているような方法を用いて
作製されてもよい。この研究方法は、バックボーンに伴い、側鎖の配向は伴わな
い変化を含む偽ペプチド作製と関係する。Meziere 等 (1997) は、少なくともM
HCクラスII及びTヘルパー細胞応答に関してはこの種のペプチドは有用であ
ると報告している。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含む逆−逆ペプチ
ドはタンパク質分解に対してより耐性がある。
【0071】 同様にして、もしアミノ酸残基のCα原子間のスペーシング(spacing)を保
持する適切な結合部分が使用されるならば、全体的にみてこのペプチド結合は分
散されてもよい;この結合部分が、ペプチド結合と実質的に同一の電荷分布(ch
arge distribution)を有し、かつ、実質的に同一の平面(planarity)を有する
なら特に好ましい。
【0072】 外タンパク質加水分解(exoproteolytic digestion)に対する感受性を減少さ
せるために、このペプチドは便宜的にそのN又はC末端でブロックされてもよい
ということが認識されるはずである。
【0073】 上述されているように、PDK1が露出される、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Ph
e/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr若しくは
Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチ
ドは、ペプチド擬態化合物であってもよい。
【0074】 本発明の更なる側面は、PDK1を発現するのに適する組換核酸と、アミノ酸配列
Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペプチドを発現するのに適
する組換核酸とを含む細胞である。あげられたポリペプチドを発現するのに適す
る組換ポリヌクレオチドは当業者によく知られており、実例は実施例1に記載さ
れている。PDK1及びアミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有す
るポリペプチドを発現するには組換核酸分子が適することが認識されるはずであ
る。この細胞は好ましくは哺乳類又は昆虫細胞である。
【0075】 本発明の更なる側面は、PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-
Phe/Tyrを有する相互作用ポリペプチドとの共同発現(co-expression)により本
発明の第一の側面に係るPDK1の基質特異性を変える方法である。ここで、PDK1は
本発明の上記側面で定義されているような細胞内において前記相互作用ポリペプ
チドに露出される。本発明の更なる側面は、PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-
Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有する相互作用ポリペプチドとを有する調製剤を作
製する方法である。ここで、PDK1及び相互作用ポリペプチドは、本発明の上記側
面で定義されているような細胞内において発現される。PDK1及び相互作用ポリペ
プチドは、例えば上記又は実施例1に議論される方法を用いて他の細胞構成要素
から分離されてもよい。本発明の更なる側面は、本発明の上記方法により入手可
能な調製剤である。
【0076】 アミノ酸配列REPRILSEEEQEMFRDFDYIADWC若しくはREPRILSEEEQEMARDFDYIADWC若
しくはREPRILSEEEQEMFGDFDYIADWCを有するポリペプチドに反応性がある抗体は実
施例1に記載されている。
【0077】 等価残基Ser473に関してリン酸化されないPKBα又はそれのフラグメント若し
くは融合体と反応性はなく、等価残基Ser473に関してリン酸化されるPKBα又は
それのフラグメント若しくは融合体に反応性がある抗体が、実施例1に記載され
ている。この抗体は(PKBαの残基467〜477に対応する)ペプチドPro-His-Phe-P
ro-Gln-Phe-PhosphoSer-Thr-Ser-Ala-Serと反応してもよい。
【0078】 このような抗体を調製する方法は実施例1に与えられている。
【0079】 前記ポリペプチドに反応性がある抗体は、その技術分野においてよく知られて
いる方法により作製されてもよい。特に、この抗体はポリクローナルであっても
よいし、又はモノクローナルであってもよい。
【0080】 前記ポリペプチドに反応性がある、適するモノクローナル抗体は、既知技術、
例えば“モノクローナル抗体:技術マニュアル(Monoclonal Antibodies: A man
ual of techniques)”, H Zola (CRC Press, 1988)及び“モノクローナルハ
イブリドーマ抗体:技術及び適用(Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniq
ues and Application)”, SGR Hurrell(CRC Press, 1982)に開示されている
技術により調製されてもよい。
【0081】 例えばHarlow, ED & Lane, D “抗体:実験マニュアル(Antibodies: a labor
atory manual)”(1988)New York Cold Spring Harbor Laboratory に記載さ
れているように、抗体調製のための技術は当業者によく知られている。
【0082】 PDK1及び相互作用ポリペプチド間相互作用の増進(enhancement)又は崩壊(d
isruption)は、生物化学の技術分野においてよく知られている方法を用いてイ
ンビトロで測定でき、さらにタンパク質−タンパク質相互作用を評価するのに用
いることのできる方法ならどんな方法でもこの相互作用の増進又は崩壊に含まれ
る。記載されたこの方法は細胞内において実施されてもよいことが認識されるは
ずである。更なる実施態様において酵母ツーハイブリッドシステムが用いられて
もよい。
【0083】 本発明は調節に有用なドラッグ(drugs)のスクリーニングアッセイを提供し
ていることが認識されるはずである。調節とは、例えば、PDK1、例えばアミノ酸
配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-A
sp/Glu-Phe/Tyr若しくはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/
Tyrを有するポリペプチドに既に露出されているPDK1の(上記に議論されたよう
な)PDK1又はPDK2活性、又は、ホスホイノシチド、例えばPtdIns(3,4,5)P3又はP
tdIns(3,4)P2との PDK1の相互作用、又は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/T
yr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr若しくはPhe
/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチドと
のPDK1の相互作用を増進するか又は阻害するかのどちらか一方を意味する。この
方法で同定された化合物はそれ自身でドラッグとして有用であろうし、又はこの
化合物が更に有効な化合物の設計及び合成のためのリード(lead)化合物の典型
となってもよい。
【0084】 この化合物は、化合物を同定する上記方法のいずれかに関してドラッグ様(dr
ug-like)化合物を開発するためのドラッグ様化合物であってもよいし、又はリ
ード化合物であってもよい。当業者によく知られているように、前記方法は薬学
的化合物又はドラッグの開発におけるスクリーニングアッセイとして有用になる
だろうということが認識されるはずである。
【0085】 “ドラッグ様化合物”という用語は当業者によく知られており、この用語には
、例えば薬剤における活性成分として医療用に適する特性を有する化合物という
意味が含まれてもよい。従って、例えば、ドラッグ様化合物は有機化学技術によ
り、それよりはやや劣るが好ましくは分子生物学又は生化学技術により合成され
る分子であってもよいし、また、ドラッグ様化合物は好ましくは5000ダルトンよ
り小さい小分子である。ドラッグ様化合物は、一つの特有なタンパク質又は複数
のタンパク質と選択的に相互作用する特徴をさらに示してもよいし、また、ドラ
ッグ様化合物は生物学的に利用可能(bioavailable)であってもよいし及び/又
は細胞膜を透過できてもよい。しかし、これらの特徴は必須ではないことが認識
されるはずである。
【0086】 “リード化合物”という用語も同様に当業者によく知られており、この用語に
は、(例えば、意図された標的に対しては少しだけ効力がある,作用は非選択的
である,不安定である,合成が困難である又は生物的利用可能性に乏しいという
理由から)それ自身は適さないが、この化合物は、所望の特徴を更に備えるであ
ろう他の化合物を設計するための出発点を提供できるドラッグとして用いるのに
は適するという意味が含まれる。
【0087】 本発明の更なる側面は、本発明の方法、例えばスクリーニング方法を実施する
際に有用なパーツキット(a kit of parts)である。このようなキットは、PDK1
と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-X
aa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr若しくはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/Pho
sphoThr-Phe/Tyrを有するポリペプチドとを有してもよい。このようなキットは
更に、3−ホスホイノシチド、例えばPtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2を有し
てもよい。
【0088】 PDK1ポリペプチドの活性をインビボで調節できる可能性のある化合物を同定す
ることが望ましいことは理解されるはずである。従って、この方法に用いられる
試薬及び条件(condition)は、例えば、前記PDK1とアミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-X
aa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe/Tyr若
しくはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有する相互
作用ポリペプチドとの間の相互作用が、ヒトPDK1と前記アミノ酸配列を有する天
然発生相互作用ポリペプチドとの間の相互作用と実質的に同様となるように選択
されてもよいということが理解されるはずである。この化合物は、このPDK1に結
合してもよいし、又は前記アミノ酸配列を有する相互作用ポリペプチド、例えば
PRK2から誘導可能な相互作用ポリペプチドに結合してもよい。
【0089】 本発明の更なる側面は、前記スクリーニング方法により同定可能な又は同定さ
れた化合物である。このような化合物は、モジュレーター(modulator)、例え
ばそのスクリーン(screen)に用いられたPDK1のPDK1又はPDK2プロテインキナー
ゼ活性の阻害剤であってもよいし、また、たとえこのスクリーンを酵素活性アッ
セイ(an enzymic activity assay)よりもむしろ結合アッセイ(a binding ass
ay)に用いるとしても、このスクリーンの意味は、モジュレーター、例えばPDK1
又はPDK2プロテインキナーゼ活性の阻害剤として作用する化合物を同定すること
である、ということが認識されるはずである。その調節(the modulatory)、例
えばプロテインキナーゼに結合すると発見された化合物の阻害作用は、この化合
物が存在する状態において酵素活性(すなわちPDK1及び/又はPDK2プロテインキ
ナーゼ活性)のアッセイを行うことにより確認されるということが認識されるは
ずである。
【0090】 本発明の更なる側面は、本発明に係る医療用化合物(若しくはポリペプチド若
しくはポリヌクレオチド)である。本発明の更なる側面は、アミノ酸配列Phe/Ty
r-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr、例えばPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Asp/Glu-Phe
/Tyr若しくはPhe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-PhosphoSer/PhosphoThr-Phe/Tyrを有す
るポリペプチド、又は本質的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチド、又は
本質的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチドの融合体である。Zaaは医療用
の負荷電アミノ酸残基である。
【0091】 この化合物(若しくはポリペプチド若しくはポリヌクレオチド)は何らかの適
する方法で、通常は非経口的に、例えば静脈内に,腹腔内に又は嚢内に、標準の
無菌,非発熱性の希釈剤及び担体からなる製剤形態で投与されてもよい。この化
合物(若しくはポリペプチド若しくはポリヌクレオチド)はさらに、局所的に投
与されてもよい。この化合物は外傷(surface wounds)の治療に特に有効であろ
う。この化合物(若しくはポリペプチド若しくはポリヌクレオチド)はさらに、
局在的様態(a localized manner)、例えば注射(injection)により投与され
てもよい。
【0092】 本発明の更なる側面は、PDK1,PDK2又はPRK2によるインスリンシグナリング経
路及び/又はシグナリングの調節を必要とする患者を治療するための薬剤の製造
における、上記で定義したような化合物(若しくはポリペプチド若しくはポリヌ
クレオチド)の用途(use)である。PDK1の活性(すなわちPDK1及び/又はPDK2
活性)を減少させることのできる化合物は癌治療に有用であろう。PDK1は、例え
ばPKB及び/又はSGKを介して、種々の方法(ways)で誘発されたアポプトシス(
apoptosis)から細胞を保護する生存シグナルを供給することができるだろう(
[8,13]参照)。従って、このような化合物はアポプトシスを促進するだろ
う。PDK1の活性を減少させることはアポプトシスを促進するだろうし、それ故癌
治療に有用となるだろう。アポプトシスを促進することが有効となると思われる
状態にはまた、炎症を消散することも含まれるだろう。
【0093】 PDK1の活性を増大させることのできる化合物は糖尿病若しくは肥満症治療、又
はアポプトシス阻害に有用となるだろう。PDK1の活性を増大させると、上記に述
べたように、レプチン(leptin)のレベル増大を引き起こす可能性があり、体重
減少(weight loss)を引き起こすだろう;従って、このような化合物は体重減
少を引き起こすだろう。例えば、このような化合物はアポプトシスを抑制する可
能性があり、細胞損傷過程(cell damaging processes)の間じゅう又はそれに
引き続いて、細胞生存(cell survival)を促進するだろう。このような化合物
は、アポプトシスが関与する病気の治療に有用であると信じられている。このよ
うな病気の実例としては、限定はされないが、機械(mechanical)(熱(heat)
を含む)組織損傷(tissue injury)若しくは虚血性疾患(ischaemic disease)
、例えば発作(stroke)及び心筋梗塞(myocardial infarction),神経損傷(n
eural injury)及び心筋梗塞が含まれる。従って、PDK1の活性の調節を必要とす
る患者というのは、癌若しくは糖尿病の患者、又はアポプトシスの阻害を必要と
する患者、例えば発作を含む、組織損傷若しくは虚血性損傷をわずらっている患
者であろう。
【0094】 従って、本発明の更なる側面は、虚血性疾患の患者を治療する方法であって、
本発明のスクリーニング方法により同定可能な、効果的量の化合物をその患者に
投与することを有する方法を提供する。
【0095】 更なる本発明は、虚血性疾患患者を治療するための薬剤の製造における、本発
明のスクリーニング方法により同定可能な化合物の用途(use)を提供する。
【0096】 従って、本発明の更なる側面は、虚血性疾患の患者を治療する方法であって、
本発明のスクリーニング方法により同定可能な、効果的量の化合物をその患者に
投与することを有する方法を提供する。
【0097】 もしその患者がアポプトシスの促進を必要とする患者、例えば癌患者であるな
らば、薬剤の調製剤(the preparation of the medicament)に用いられる本発
明の化合物はPDK1の活性を減少させることができるのが好ましい。もしその患者
が糖尿病患者又はアポプトシスの阻害を必要とする患者、例えば虚血性疾患の患
者であるならば、薬剤の調製剤に用いられる本発明の化合物はSGKの活性を増大
させることができるのが好ましい。
【0098】
【発明の実施の形態】
本発明は以下の実施例及び図面を参照することにより説明される:
【0099】 実施例1:PDK1及びPDK2は同一の酵素であろう;合成ペプチドが存在する状態
でPDK1はPDK2活性を示す。
【0100】 略語:PKB,プロテインキナーゼB;PtdIns,ホスファチジルイノシトール;P
I 3-キナーゼ,ホスホイノシチド3キナーゼ;PtdCho,ホスファチジルコリン;
PtdSer,ホスファチジルセリン;PH,プレクストリンホモロジー;RSK,リボソ
ームS6キナーゼ;MSK,マイトジェン及びストレス刺激キナーゼ(Mitogen and S
tress Stimulated kinase).
【0101】 結果。酵母ツーハイブリッドシステムを用いて観察すると、PDK1のキナーゼド
メインがPDK1相互作用フラグメント(PIF)と名付けたプロテインキナーゼC関
連(C-Related)キナーゼ2(PRK2)の一つの領域に相互作用したことに、我々
は気付いた。PIFは、PRK2のキナーゼドメインに対してC末端(C-terminal to t
he kinase domain of PRK2)に位置し、PDK2によるリン酸化のための共通モチー
フを含んでいる。この共通モチーフは、Ser473に等価な残基がAspに変えられて
いることを除き、PKBαにおいて発見されたそれと同様である。PIFのPDK2モチー
フにおいて保存された芳香族残基のうちそのいずれかが変異した変異体(mutati
on)又はAsp残基がAla若しくはSerの一方にされた変異体(mutation)は、PDK1
とのPIFの相互作用を阻害した。顕著なことに、PDK1が、PIF又は配列がPIFのPDK
2共通配列を包含する24残基の合成ペプチドと相互作用すると、PDK1は、PKBαの
Thr308だけをリン酸化できる酵素からPtdIns(3,4,5)P3依存様態(dependent man
ner)においてPKBαのThr308及びSer473の両方をリン酸化するキナーゼに変換さ
れる。さらにPDK1とのPIFの相互作用により、その後者は、PtdIns(3,4,5)P3によ
って直接的に活性化されない形態からPtdIns(3,4,5)P3によってインビトロで3
〜4倍活性化される形態に変換される。我々は、PtdIns(3,4,5)P3依存様態にお
いてPKBαのSer473をリン酸化する脳抽出物由来のキナーゼを既に部分的に精製
している。このキナーゼはPDK1抗体で免疫沈降される。
【0102】 結論。PDK1がそのキナーゼドメインを介してPIFに入り組むとき(complexed)
、PDK1は、PtdIns(3,4,5)P3依存様態においてPKBαのThr308のみならずSer473を
リン酸化する内在性(intrinsic)の能力を持っている。この知見から、PDK1とP
DK2は同一酵素であり、PDK1の基質特異性及び活性はインビボでの他のタンパク
質との相互作用により調節されるという可能性が生じる。PRK2はPDK1の基質であ
ろう。
【0103】 PRK2のC末端領域はPDK1と特異的に相互作用する。PDK1と相互作用するヒト骨
格筋に発現されたタンパク質を同定するために、酵母ツーハイブリッドスクリー
ン(screen)をおこなった。我々はPRK2のC末端の77個のアミノ酸に対応するク
ローンを同定した。PRK2のC末端の77個のアミノ酸は、単離されたキナーゼドメ
イン(残基51-404)のみならず全長PDK1と積極的に相互作用したが、PDK1のPHド
メインとは相互作用しなかった(図1A〜1D)。我々は既にこのPRK2の領域を
“PDK1相互作用フラグメント”(PIF)と名付けている。PRK2は、PDK1及びPKBと
同じように、プロテインキナーゼのAGCサブファミリーに属するコリン(Cho)及
び脂質依存性プロテインキナーゼである[27,28]。PRK2のPIF領域は、キ
ナーゼ触媒ドメインに対してすぐのC末端(immediately C-terminal to the ki
nase catalytic domain)に存在し、AGCキナーゼファミリー間で高い配列相同性
のある領域内に存在している(図1E)。特にPIFのC末端はPDK2リン酸化のた
めの共通配列(Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Ser/Thr-Phe/Tyr)を含んでいるが、P
RK2においてはPKBαのSer473に等価なSer/Thr残基が負荷電Asp残基(Asp978)に
置換される場合を除く。おそらく、この負荷電Asp残基(Asp978)がリン酸化さ
れた状態に擬態する。
【0104】 PDK1が実際にPIFと相互作用するかどうかを確かめるために、我々は、Mycエピ
トープ標識されたPDK1とともに、293細胞におけるグルタチオン−S−トランス
フェラーゼ(GST)融合タンパク質としてのPIFを発現させた。この細胞を溶菌し
、さらにグルタチオン−セファロースによるクロマトグラフィーによりこのGST-
PIFをアフィニティー精製した(図2A)か、又はMyc抗体を用いる免疫沈降によ
りMyc-PDK1を単離した(図2B)。このサンプルに対しSDSが1%となるようにし
、それからSDS-ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、さらにクーマシーブルー
で染色することによりこのタンパク質を可視化した(図2)。単離されたPDK1の
キナーゼ又は触媒不活性の(catalytically-inactive)変異体を用いて、GST-PI
F及び野生型PDK1間での隣接化学量論的複合体(near-stoichiometric complex)
を観察した。LiBrの濃度を2M(強カオトロフィック薬剤(a strong chaotrophic
agent))にしても、又は1%(体積で)Triton X100とのインキュベーション
によっても、PDK1及びGST-PIF間で形成されたこの複合体を解離できなかった(
データは示さない)。これはとても強い相互作用を示している。GSTとPDK1との
間、又はGST-PIFと293細胞内においてPIFと共同発現させたエピトープ標識PKB,
p70 S6キナーゼ,若しくは6−ホスホフルクト−2−キナーゼと間のどちらか一
方では、相互作用しないことが観察された。表面プラズモン共鳴を用いる相互作
用の解析から、GST-PIFは、精製されたHis標識PDK1に直接的に会合でき、600nM
の概算平衡解離定数を有することが確認された(図12)。この方法を用いては
GST-PIF及びHis-PKBα間の会合は検出されなかった。
【0105】 293細胞内でPIFは内因性PDK1に特異的に結合する。ウエスタンブロッティング
から判断すると、293細胞から精製されたGST-PIFは内因性PDK1と会合することが
わかった。293細胞内において、二つのPDK1免疫反応性(immunoreactive)バン
ドが63kDa及び66kDaでランニングしていること(running)が観察され、その両
方がGST-PIFと共同精製する(co-purify)ことが観察された(図2C)。GST-PI
F(0.5μg)と会合したPDK1は活性だった。何故なら、MgATP及びPtdIns(3,4,5)P3 が存在する状態において、このGST-PIF(0.5μg)と会合したPDK1は、GST-A473
D-PKBα変異体を非常に活性化したからである(図2C)。従って、PIFに結合し
たPDK1はThr308でPKBαをリン酸化でき、PIFとPDK1のキナーゼドメインとの間の
相互作用はPKBの活性化に干渉しない。対照的に、免疫ブロッティング(immunob
lotting)と、MgATP及びPtdIns(3,4,5)P3が存在する状態においてGST-A473DPKB
αを活性化できないことから判断すると、PKB,p70 S6キナーゼ,p90 RSK1又はM
SK1は、GST融合タンパク質のように293細胞で発現したとき、グルタチオンセフ
ァロースを用いるそれらの沈降の後には、どの内因性PDK1とも会合しなかった(
図2C)。
【0106】 “PDK2基質モチーフ”はPIF及びPDK1間の相互作用を仲介する。我々は既に、P
IFのうちN末端側の53個のアミノ酸を“領域A”と、C末端側の24個のアミノ酸
を“領域B”と名付けている(図1E)。このフラグメントのうち、PDK1のキナ
ーゼドメインと相互作用するのに必要とされたPIF内のアミノ酸残基を同定する
ために、我々は、プロテインキナーゼのAGCサブファミリーの間で保存されてい
るPIF内の多くの残基をAlaに変異させた。この変異体GST-PIFタンパク質を293細
胞内において同レベルで発現させ、内因性PDK1活性及び精製された構築物(cons
tructs)のそれぞれに会合したPDK1タンパク質の量を測定した(図3A)。領域
Aに保存された残基の変異体はGST-PIFとのPDK1の会合を阻害しなかった。しか
しながら、注目すべきことには、領域BのPDK2リン酸化部位モチーフに保存され
た芳香族残基のいずれかをAlaに変異させた変異体(F974,F977及びY979)は、
これらGST-PIF変異体との内因性PDK1の会合を完全に廃した(abolished)(図3
A)。さらに、Asp978(PKBリン酸化部位のSer473に等価な残基)をAla又はSer
のいずれかに変異させた変異体もまた、PIFとのPDK1の会合を廃した。対照的に
、Asp978に対して2及び3個のアミノ酸がN末端側に位置した残基の変異体(例え
ば、Asp976,Arg975)は、PIFとのPDK1の会合に影響しなかった(図3A)。た
だし、このAsp978に対して2及び3個のアミノ酸がN末端側に位置した残基は、AG
Cサブファミリーメンバーの間では保存されていない。これらの知見を確かめる
ために、酵母2ハイブリッドスクリーン(screen)をさらに用いた(図3B)。
【0107】 表面プラズモン共鳴測定を用いると、His-PDK1と、固定化されかつビオチニル
化された24残基の“領域Bペプチド”に対応する合成ペプチドとの間で強く相互
作用する(Kd 800nM)ことが検出された。フリーペプチド(free peptide)の添
加によりこの相互作用を比較した(was competed)。この比較したものを解析す
ると、この相互作用のKdが1.5μMになっていることがわかった。対照的に、Asp9
78に対応する残基をAlaに変化させた変異体ペプチド(“D978A領域Bペプチド”
と名付ける)は、10倍には満たないが強くPDK1(PDK1>fold 10-less strongly
)に相互作用した(図13)。293細胞内で発現させ、精製されたGST-PIFを領域
Bペプチド(100μM)とともにインキュベーションすると、GST-PIFから内因性P
DK1が解離するという結果になった。それにもかかわらず、Asp978をAlaに変異さ
せた領域Bペプチドは、PIFからのPDK1の解離を誘導できなかった(データは示
さない)。
【0108】 GST-PIFは、PDK1を、PKBαのThr308のみならずSer473をもリン酸化できる形態
(form)に変換する。MgATP及びPtdIns(3,4,5)P3が存在する状態で、293細胞の
内因性PDK1に会合する精製GST-PIF(図2C)をGST-PKBαと一緒にインキュベー
トしたとき、非常に高い濃度のHis-PDK1のみと一緒にGST-PKBαをインキュベー
トすることによって到達できる活性(〜30U/mg)よりも最大で3倍高い特異的活
性(〜90 U/mg)にGST-PKBαを活性化できたことに、我々は気付いた(図4A)
。対照的に、Ser473リン酸化部位をAspに変異させたPKBαの変異形態(GST-S473
D-PKBα)は、PIF/PDK1のうちの一方のPDK1によって(by either PDK1 of PIF/P
DK1)同一の最大特異的活性に活性化された(図4B)。これらの知見から、GST
-PIF/PDK1はThr308のみならずSer473でのPKBαのリン酸化を誘導したという可能
性が生じた。この可能性を調べるために、Ser473で既にリン酸化されているPKB
のみを認識するホスホ特異的(phospho-specific)抗体(P-473抗体と名付ける
)を我々は調製した。この抗体は、PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在し
ない状態では、GST-PIF及びMgATPとともにインキュベートされたGST-PKBαを認
識しなかったし、これら状況下でリン酸化された状態になるPKBαも認識しなか
った(図4C)。PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2の添加に引き続いて、GST-
PKBαは強くリン酸化された状態となり、P-473抗体によって認識される状態にな
った。抗体を産生する(raise)するのに用いたリン酸化(phosphorylated)Ser
473ペプチド免疫原とともに(脱リン酸化された(dephosphorylated)ペプチド
又はThr308を取り囲む配列に対応するホスホペプチド(phosphopeptide)ととも
にではない)P-473抗体をインキュベートすると、P-473抗体はGST-PKBαを認識
しなかった(図4C)。これらの実験で観察されたSer473でのリン酸化は、この
反応においてはMgATPの存在に依存し、GST-PIFが65℃で2分間加熱されるとこの
リン酸化は廃された(was abolished)(データは示さない)。PIFに結合しなか
ったさらに高濃度のHis-PDK1は、PtdIns(3,4,5)P3が存在するか又は存在しない
状態においてSer473のリン酸化を誘導した。
【0109】 GST-PIF/ PDK1複合体によりリン酸化されたPKBαの全ての残基を同定するため
に、32P標識されたGST-PKBαをトリプシンで消化し、C18カラムを用いたクロマ
トグラフィーにかけた(chromatographed)[14]。二つの主要な32P標識され
たペプチドを観察すると24%及び26%アセトニトリルで溶出した(図4D)。こ
れらのペプチドはSer473及びThr308それぞれを含有する32P標識されたトリプシ
ン関与のペプチド(32P-labelled tryptic peptide)と一緒に溶出し[14,1
8]、そして、これらペプチドの同定及びリン酸化された残基の位置(Thr308及
びSer473)をMALDI-TOF質量分析(mass spectrometry)及び固相アミノ酸配列決
定(solid phase amino acid sequencing)により確かめた(データは示さない
)。24%アセトニトリルで溶出するペプチドはホスホセリンを含有し、固相配列
決定を受けさせる(subjected to solid phase sequencing)と、エドマン分解
の8サイクル目の後に32P放射能を放出した(データは示さない)。MALDI-TOF質
量分析によりペプチドの同一性(identity)を確かめると、そのペプチドの分子
量(1732.8)は、残基466-480を有し、かつ、Ser473でリン酸化されたトリプシ
ン関与のホスホペプチド(tryptic phosphopeptide)にふさわしい予測分子量に
一致したことがわかった。26%アセトニトリルで溶出するペプチドはホストレオ
ニンを含有し、固相配列決定を受けさせると、エドマン分解の最初のサイクルの
後に32P放射能を放出した(データは示さない)。MALDI-TOF質量分析から、その
ペプチドの分子量(2573.3)は、残基308-328を有し、かつ、Thr308でリン酸化
されたトリプシンのホスホペプチドにふさわしい予測分子量に一致したことがわ
かった。
【0110】 Ser473でのPKBαのPtdIns(3,4,5)P3依存性(dependent)リン酸化はPDK1によ
り仲介される。図4に示された結果は二つの異なる方法で説明できるだろう。第
一に、PDK1とのPIFの相互作用から、後者はThr308のみならずSer473をリン酸化
することが認められるだろう。第二に、二つの異なるキナーゼ、すなわちPDK1及
びPDK2に対して、精製されたGST-PIFは複雑化される(be complexed)だろう。
これらの可能性を見分けるために、我々は2つの異なる抗体を用いてGST-PIFか
らPDK1を免疫枯渇させた(immuno-depleted)。我々はその後、その上清がSer47
3でPKBαをリン酸化できるかテストした。顕著なことに、両方のPDK1抗体は、Th
r308キナーゼ活性のみならず、GST-PIFに関連した全てのSer473キナーゼ活性(
図5A)を完全に取り去った(データは示さない)。これら抗体のうちの一つが
産生した(was raised)ペプチド免疫原はPIFに関連したPDK2活性の免疫枯渇を
阻害した(図5A)。
【0111】 これらの結果から、GST-PIFに関連したPtdIns(3,4,5)P3依存性Ser473キナーゼ
活性は、分離酵素(separate enzyme)よりもむしろPDK1によって触媒されたと
いうことが示された。この見解に一致して、内因性PDK1に相互作用でき、293細
胞から精製された全ての変異GST-PIFタンパク質は、Ser473でのPKBαのリン酸化
を誘導することができた(図5B)。対照的に、PDK1との会合を廃するGST-PIF
の点変異体(point mutations)はまた、Ser473でのPKBαのリン酸化を阻害した
(図5B)。
【0112】 PDK1の、PKBαのThr308及びSer473をリン酸化するキナーゼへの変換。PDK1と
は全く異なったプロテインキナーゼによってSer473のリン酸化は触媒されたけれ
ども、このキナーゼはPDK1に対して強く(tightly)複雑化され(complexed)、
カオトロフィック薬剤(chaotrophic agent),界面活性剤によっては解離され
ず、それ故に、このキナーゼはまた免疫枯渇の(immuno-depletion)PDK1によっ
てGST-PIFから取り除かれるということがさらに主張できるだろう。この点に注
目をしぼるために、我々は、免疫枯渇により精製GST-PIFからPDK1を取り除き、P
DK1枯渇化(PDK-depleted)PIF(GST-PIF*と名付ける)を精製された野生型GST-
PDK1(図14)又はHis-PDK1(データは示さない)に添加した。初速度(Initia
l rate)の研究から、用いられた状況下ではGST-PIF*/PDK1複合体は、Ser473の
2倍の速度(rate)でPKBαのThr308をリン酸化することが証明された(データ
は示さない)。さらに、GST-PIF*がPDK1をSer473 PKBαキナーゼへ変換できるか
は、PDK1触媒活性に依存した。何故なら、触媒作用が不活性なGST-PDK1は、GST-
PIF*が存在する状態においてSer473でPKBαをリン酸化できなかった(図13)
からである。
【0113】 (PIFそれ自身よりもむしろ)PIFに会合した他のタンパク質はPDK1に相互作用
でき、かつ、その基質特異性を変えることができるという可能性を上記実験は排
除しない。PIFの“領域B”に対応する24残基の合成ペプチドは3ホスホイノシ
チド依存性様態においてHis-PDK1にSer473でのPKBαのリン酸化を誘導させるこ
とができたという論証によって、この可能性は除かれた(図6)。対照的に、As
p978をAlaに変異させた領域Bペプチドは、PDK1の特異性の変更を誘導する点で
ほとんど有効でなかった。領域Bペプチドは野生型GST-PDK1をSer473をリン酸化
できるキナーゼに変換するが、キナーゼ死滅(kinase dead)GST-PDK1をSer473
をリン酸化できるキナーゼには変換しない(データは示さない)。
【0114】 Ser473リン酸化の脂質特異性。PtdCho/PtdSerを含有する小胞バックグラウン
ド(a vesical background)が存在する状態において、GST-PIF/PDK1複合体によ
りThr308及びSer473のリン酸化を刺激するPtdIns誘導体の一パネル(a panel)
の能力を我々は比較した[17]。合成sn−1−ステアロイル,2−アラキド
ノイルD-PtdIns(3,4,5)P3(1,2-SAD-PtdIns(3,4,5)P3 天然発生するPtdIns(3,4,
5)P3のプレ優性型(predominant form),図7中脂質8)及び合成2,3-SAD-PtdI
ns(3,4,5)P3(図7中脂質10)は、Ser473でのGST-PKBαのリン酸化(図7B)
及び(GST-S473D-PKBαの活性化により測定された)Thr308のリン酸化の両方を
誘導する点で非常に有効だった。このことは、グリセロール部分(glycerol moi
ety)の鏡像異性的な(enantiomeric)立体配置が特異性を決める重要な決定要
素ではないことを示している。これら脂質(脂質9及び11,図7)のL鏡像異
性体は、重要なSer473でのPKBのリン酸化又はGST-S473D-PKBαの活性化を誘導し
なかった。sn−1,2−ジパルミトイルPtdIns(3,4)P2(脂質3,図7)のみ
ならず、rac−1,2−ジリノレオイルホスファチジルD/L−ミオ−イノシ
トール3,4,5トリスリン酸(リノール酸はC18:2,脂質7図7),sn
−1,2−ジパルミトイルD-PtdIns(3,4,5)P3,(脂質6,図7)もまた、PIF/P
DK1複合体に、Ser473及びThr308でのPKBαのリン酸化を誘導させる点で有効だっ
た。しかしながら、PtdIns-3P(脂質2,図7),PtdIns(3,5)P2(脂質4図7)
及びPtdIns(4,5)P2(脂質5図7)は、PIF/PDK1複合体に、Ser473又はThr308で
のPKBαのリン酸化を誘導させなかった。PIF/PDK1が存在しない状態において、
試験されたPtdIns誘導体のなかには、Ser473のリン酸化又はGST-S473D-PKBαの
活性化を誘導したPtdIns誘導体はなかった(データは示さない)。
【0115】 PDK1/PIFによってPKBが最大に活性化するには、PtdIns(3,4,5)P3がPDK1に相互
作用することが必要である。PDK1はそのPHドメインを介し高い親和力でPtdIns(3
,4,5)P3に結合するが、この相互作用はPHドメインを欠くPKB変異体を活性化でき
るということには影響を及ぼさない[18,29]。このことは図8において確
かめられている。図8には、PtdIns(3,4,5)P3が存在する状態でも又は存在しな
い状態でも、His-PDK1がPHドメインを欠くPKBの変異形態(GST-ΔPH-PKBα)を
リン酸化し、かつ、活性化する速度(rate)は同一であるということが示されて
いる(図8A)。興味深いことに、His-PDK1にGST-PIF*を添加すると、PtdIns(3
,4,5)P3が存在しない状態ではPDK1がGST-ΔPH-PKBαを活性化する速度(rate)
は半減する。しかしながら、PtdIns(3,4,5)P3を添加すると、His-PDK1/GST-PIF* がGST-ΔPH-PKBαを活性化できる速度(rate)は3〜4倍増加するという結果に
なる(図8A)。さらに、293細胞から精製されたGST-PIF/ PDK1複合体もまた、
PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(3,4)P2が存在しない状態よりもそれらが存在する状
態において〜4倍高い速度(rate)で、GST-ΔPH-PKBαを活性化する。PtdIns(4
,5)P2又はPtdIns(3)Pによっては、GST-PIF/PDK1複合体がGST-ΔPH-PKBαをリン
酸化する速度(rate)は増大しない(図8B)。
【0116】 PDK1としてのPtdIns(3,4,5)P3依存性Ser473キナーゼ活性の同定。Q−セファ
ロースを用いるバッチワイス(batchwise)クロマトグラフィー、それに引き続
くヘパリンセファロースからの勾配溶離によって、我々はラット脳抽出物を分画
した(方法参照)。(GST-S473D-PKBαを活性化するPtdIns(3,4,5)P3依存性酵素
としてアッセイされた)PDK1が、0.75M NaClにおけるブロードピーク(broad pe
ak)として、ヘパリンセファロースから溶出された(図9A,上部パネル)。Se
r473でPKBαをリン酸化したPtdIns(3,4,5)P3依存性PDK2活性をさらに、ヘパリン
セファロース溶出液において同定した。このPtdIns(3,4,5)P3依存性PDK2活性はP
DK1活性の後半部(tailing half)に存在した(図9,下部パネル)。PDK2活性
を含むピーク(分画7及び8)をためて、PDK1を免疫沈降により除去し、さらに
PDK1及びPDK2活性を調べるためその上清を再度アッセイした(reassayed)。興
味深いことに、抗体はPDK1(Thr308キナーゼ)活性だけでなくPDK2(Ser473キナ
ーゼ)活性をも完全に取り除いた(図9B)。この結果は、ヘパリンセファロー
ス溶出液におけるPDK1の分画がPDK2活性を持っていることを示唆している。
【0117】 討論(Discussion)。 PDK1は、キナーゼ触媒ドメインのサブドメインVII及びVIII間に保存さ
れているモチーフにおいて、プロテインキナーゼのAGCサブファミリーのいくつ
かをリン酸化し、かつ、活性化するように見える([3,13]イントロダクシ
ョン参照)。実際に配列がPDK2リン酸化モチーフの第二のPheで終結しているPKA
を別にすれば、現在までに同定されているPDK1基質のほとんどは、PDK1リン酸化
部位に対して、PDK2共通モチーフ〜160残基C末端を持っている(図1E参照)
。PKAにおいては、C末端カルボキシル基がPDK2部位でのリン酸化効果を擬態し
、それによって完全活性酵素を生成している可能性がある。PDK1及びPDK2部位両
方のリン酸化には、PKB及びp70 S6の最大活性化及び/又はPKCイソ型の安定性(
stability)を必要とする[30]。本実施例において、PDK1のキナーゼドメイ
ンは、PRK2のC末端に存在する修飾されたPDK2リン酸化共通モチーフに、特異的
にかつ高い親和性をもって相互作用できることを我々は証明している。ここで、
リン酸化部位では、リン酸化されたSer/Thr残基は、Ser/Thr残基の代わりにAsp
(Asp978)に置換される。このAsp残基は、リン酸化されたPDK2モチーフを擬態
するだろう。PDK2共通配列中に保存された芳香族残基をAlaに変異させた変異体
のいずれか又はAsp978をAla若しくはSerに変異させた変異体は、PIFとのPDK1の
相互作用を完全に廃した(図3)。
【0118】 PRK2はキナーゼドメインのサブドメインVII及びVIII間に完璧なPDK1共
通配列(TFCGTPEFL,下線の引かれたThr残基はThr816すなわちPDK1リン酸化の推
定部位に対応する)を持っているので、PRK2それ自身がPDK1の基質になるだろう
。PRK2の場合においては、Thr816の効率的なリン酸化を保証するPDK1に直接相互
作用することがPIFドメインの役割になることは可能である。活性のためにはPRK
2[28](及びそれの密接に関連するPRK1[31,32])はRhoに依存すると
思われるので、PDK1によるPRK2のリン酸化が生じるためには、PRK2とGTPに複合
化したRhoとの間の相互作用がさらに必要とされるという可能性はある。一つの
シナリオは、PRK2のC末端はPRK2及びRho-GTP間での複合体の形成に向けられる
ということである。そういうわけなら、これは、PRK2の活性化を導くPDK1に対す
る相互作用及びこのPDK1によるリン酸化を可能にするだろう。しかしながら、PR
K2は、C末端がカスパーゼ3により直接Asp117及びAsp700で分裂される結果とし
て、アポプトシスの間にタンパク質分解された状態になることが知られている[
33]。細胞内で精製され又は過剰発現される(overexpressed)とき、PRK2は
タンパク質分解を非常に受けやすい[34]。従って、触媒活性を欠いているPR
K2のC末端フラグメントが、PDK1に相互作用する細胞内に存在している、という
可能性がある。また、代替的なスプライシングメカニズム又は代替的なプロモー
ターの使用によって、PRK2のフラグメントが生成されるという可能性もある。将
来の研究では、PDK1が、無傷細胞(intact cell)においてPRK2又はこの酵素の
フラグメントに複合化するかどうかに的を絞る必要があるだろう。
【0119】 PDK2リン酸化部位(Thr389)を酸性残基、例えばGluに変化させれば、SGK及び
p70 S6キナーゼはPDK1のより優れた基質になる。従って、活性化ループにおいて
PDK1部位でPDK1にこれら酵素をリン酸化させてPDK2部位がリン酸化される場合、
PDK1はSGK及びp70 S6に直接相互作用できるだろう。他のタンパク質に複合化し
たPDK1は、これら酵素のPDK2部位のリン酸化を誘導できるだろう。PDK1によって
もリン酸化されるPKCζ[21,22]は、そのPDK2共通モチーフにおいてSer/T
hrではなく酸性残基(Glu579)を持っている(FEGFEY)。さらに、PKCζは、PIF
同様、PDK1のキナーゼドメインに直接相互作用するだろう。
【0120】 細胞内でのPKBαの活性化は、Thr308及びSer473両方のリン酸化により仲介さ
れる。どちらか一方の残基のリン酸化だけではPKBαを部分的にしか活性化でき
ず、完全に活性化するためには、Thr308だけではなくSer473のリン酸化も必要で
ある[14]。触媒的に不活性なPKBα変異体はインスリンに応答してSer473で
リン酸化された状態になるが、Thr308でのみリン酸化されたPKBα又はThr308をA
spに変異させたPKBαは、PtdIns(3,4,5)P3が存在する状態においてMgATPと一緒
にインキュベーションしてもインビトロではSer473でリン酸化された状態にはな
らない[14,17]。これらの観察から、Ser473でのPKBαのリン酸化はたぶ
ん、自動的なリン酸化現象(autophosphorylation event)ではなく、PKBαそれ
自身により触媒されるということが示唆される。Ser473は、MAPキナーゼ−活性
プロテインキナーゼ−2(MAP kinase-activated protein kinase-2)によって
インビトロでリン酸化される[14]が、この酵素は、インスリン,IGF1,熱シ
ョック(heat shock)又は過酸化水素に応答してインビボでSer473のリン酸化を
仲介しない[35]ということを我々は以前報告している[14]。さらに、イ
ンビトロにおけるMAPKAPK-2によるSer473でのPKBαのリン酸化は、PtdIns(3,4,5
)P3の存在には依存しない[14]。インテグリン連結キナーゼ(integrin-link
ed)(ILK)はインビトロでPKBαのSer473をリン酸化できるともさらに主張され
ている[36]。ILKがPKBαのSer473をリン酸化するということを我々は証明で
きないし、さらにILKが実際に全ての他のプロテインキナーゼに見受けられる特
定のモチーフを欠くようなプロテインキナーゼであるかどうかについても不確か
である。またさらに、mTORはp70S6キナーゼのPDK2部位をリン酸化できるとも主
張されている;しかしながら、我々はこの知見を再現できなかったし、さらにmT
ORを用いてSer473でPKBαをリン酸化することもできなかった。
【0121】 Ser473のインスリン/IGF1に誘導された(insulin/ IGF1 induced)リン酸化
は、Thr308のそれと同様に、PI 3-キナーゼの阻害剤により阻害されるので、Ser
473のリン酸化もたぶんPtdIns(3,4,5)P3依存性プロテインキナーゼにより触媒さ
れるだろう。この研究において、我々は、PDK1のキナーゼドメインとのPIFの相
互作用によりPDK1はPtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(4,5)P2依存様態においてThr308
でのみPKBαをリン酸化する酵素からThr308及びSer473の両方をリン酸化する形
態に変換されるという驚くべき観察をしている。PtdIns(3,4,5)P3又はPtdIns(4,
5)P2の要求性は非常に特異的である。何故なら、PtdIns(3,4,5)P3のD−鏡像異
性体だけが有効であり、PtdIns(4,5)P2を含む多くの他のPtdInsリン脂質は有効
ではないからである。Thr308及びSer473を取り囲む残基は全く異なっており、唯
一の共通な特徴は、このリン酸化部位に対してその残基のすぐC末端の残基が芳
香族残基となっていることである。このことから、PDK1はPIFに複合化するとき
二つの全く異なる特異性を持っていると示唆される。
【0122】 もし細胞内でPHドメインを欠くPKBαの変異体を発現するなら、この変異体はT
hr308及びSer473でウォートマニン感受性(wortmannin-sensitive)活性化及び
リン酸化を受ける[38]。このことは、インビボでPDK1がPtdIns(3,4,5)P3
よって活性化されることを暗示している。しかしながら、コントロール細胞又は
インスリン刺激された細胞のいずれか一方から単離されたPDK1は、GST-ΔPH-PKB
αに対して同じ活性を持っていた[18,25]。さらにインビトロ実験から、
そのPHドメインを介してPtdIns(3,4,5)P3/PtdIns(4,5)P2が結合される[20,
39]にもかかわらず、これら3−ホスホイノシチドは、PDK1がΔPH-PKBα,p7
0S6キナーゼ又はSGK基質をリン酸化する速度(rate)に影響を及ぼさないという
ことが証明された[3,43,44]。このΔPH-PKBα,p70S6キナーゼ又はSGK
基質は3ホスホイノシチドに相互作用しない。重要なことには、PIFとの相互作
用は、PDK1にインビトロでPtdIns(3,4,5)P3/PtdIns(4,5)P2により活性化される
能力を与える(図8)。PDK1のPHドメインを欠損させれば、これは起こらない(
データは示さない)。従って、PIFに複合化したPDK1は、PtdIns(3,4,5)P3が存在
しない状態よりPtdIns(3,4,5)P3が存在する状態において、〜3から4倍高い速
度(rate)でGST-ΔPH-PKBαを活性化する。我々のデータから、PIFとのPDK1の
相互作用は、 軽減されかつさらにPtdIns(3,4,5)P3が存在する状態において活性化されるPDK1
の触媒活性を〜2倍阻害することを誘導するということが示唆される。
【0123】 この明細書に示された結果から、PDK1それ自身が、Thr308及びSer473両方でPK
Bαのリン酸化を仲介するのに応答可能な酵素だろうという強い可能性が生じる
。おそらく、PRK2(若しくはPRK2のタンパク質分解フラグメント)又は関連した
ペプチド/タンパク質がたぶんPDK1のキナーゼドメインに相互作用し、PtdIns(3
,4,5)P3によるPDK1の直接的な活性化を許容するだけでなく、PDK1をPKBαのThr3
08及びSer473両方をリン酸化できる酵素に変換している。この仮説に一致して、
我々は、PDK1特異的抗体で免疫沈降されるPtdIns(3,4,5)P3依存性Ser473キナー
ゼ活性を同定している(図9)。この形態のPDK1は、PRK2若しくはそのC末端フ
ラグメントに複合化されるか、又は同じ特性を有して別のペプチド/タンパク質
に複合化されるだろう。細胞内におけるPDK1の過剰発現は、Thr308でのみPKBα
のリン酸化を可能にするように見える[18]が、これは、推定のPDK1調節サブ
ユニットが限られた量において存在するなら説明できるだろう。
【0124】 要約すると、本研究から、PDK1及びPDK2は同一の酵素である可能性があり、そ
の二つの異なるリン酸化基質部位に対するそれの特異性は、一つ又はそれ以上の
タンパク質との相互作用により調節される可能性があるという第一の証拠が提供
される。我々の結果はさらに、いつPDK1がPDK1のPHドメインでPtdIns(3,4,5)P3/
PtdIns(4,5)P2に相互作用するかを暗示している。
【0125】 材料及び方法。 材料。ペプチドはDr G. Blomberg(ブリストル大学,英国)によって合成され
た。プロテインGセファロース,グルタチオンセファロース及びCHXセファロ
ースはファルマシア(Pharmacia)(ミルトンケインズ,英国)から、アルキル
化(alkylated)トリプシンはプロメガ(Promega)(サウスハンプトン,英国)
から、組織培養試薬,マイクロシスチン−LR,ライフテクノロジー社(Life T
echnologies Inc.)(ペイズリー,英国)、pCR2.1-TOPOクローニングベクター
はインビトロジェン(Invitrogen)(リーク,オランダ)から、センサーチップ
CM5及びSAはバイアコアエービー(BiaCore AB)から、ビオチニル化(biotinyla
ted)試薬はピアス(Pierce)から購入した。酵母ツーハイブリッドヒト骨格筋
(pGAD10ベクター中)及びpAS2-1ベクターはクロンテック(Clontech)(ベーシ
ングストーク,英国)から購入した。GST-PKBα[17],GST-PDK1,Myc-PDK1
及び他のPDK1変異体[18],GST-90 RSK1[39],GST-MSK1[39]及びC
末端側104残基を欠くGST-p70 S6キナーゼ[24]の発現構築物は以前記載され
たように生成された。1−[(1−O−ステアロイル−2−アラキドノイル−s
n−グリセル−3−イル)−ホスホリル]−D−ミオ−イノシトール3,4,5
−トリスリン酸[PtdIns(3,4,5)P3]及びその立体異性体の合成は[40]に記
載されており、全ての脂質は以前[17]に記載されたところから入手した。3
−ホスホイノシチドを用いる全ての実験は、100μMホスファチジルコリン及び10
0μMホスファチジルセリンを含有するリン脂質が存在する状態で行われた。
【0126】 抗体。293細胞から発現し精製されたGST-PDK1に対しては、ヒツジで、PDK1全
タンパク質抗体をつくった(raised)。His-PDK1が共有結合したCHセファロー
スカラムを用いてこの抗体をアフィニティー精製した(affinity-purified)。
(PDK1の残基544〜556に対応する)ペプチドRQRYQSHPDAAVQに対しては、ヒツジ
で、ペプチドPDK1抗体をつくり、このペプチドが共有結合したCHセファロース
カラムを用いてアフィニティー精製した。(PKBαの残基467〜477に対応する)
ペプチドPHFPQFSYSASに対しては、Ser473でリン酸化されたPKBを認識するホスホ
特異的(phospho-specific)抗体をつくった。下線の引かれたセリンはリン酸化
されている。そして、このリン酸化されたペプチドを共有結合させたCHセファ
ロースを用いて、このホスホ特異的抗体をアフィニティー精製した。その後、リ
ン酸化していないペプチドを結合させたカラムにこの抗体を通し、このカラムに
結合しない抗体を選択した。上記抗体は商業上、ユービーアイ(UBI)(レイク
プラシッド,アメリカ)から入手できる。Mycエピトープを認識するモノクロー
ナル抗体はベーリンガーマンハイム(ルイス,英国)から購入した。
【0127】 バッファー溶液。バッファーA − 50mM Tris-HCl pH7.5,1mM EGTA,1mM E
DTA,1%(質量で)Triton-X 100,1mM オルトバナジウムナトリウム(sodium o
rthovanadate),50mM フッ化ナトリウム,5mM ピロリン酸ナトリウム,0.27M
スクロース,1μM マイクロシスチン−LR,0.1%(体積で)βメルカプトエタ
ノール及び‘完全な(complete)’プロテイナーゼ阻害剤反応混液(50mMにつき
1タブレット;ベーリンガーマンハイム,ルイス,英国).バッファーB −
50mM Tris/HCl pH7.5,0.1mM EGTA,10mM βメルカプトエタノール.バッファー
C − 50mM Tris/HCl pH7.5,1mM EDTA,1mM EGTA,0.27M スクロース及び0.1
%(体積で)βメルカプトエタノール.
【0128】 生成方法。プラスミド選択用50μg/mlアンピシリン(必要なときは)を含有す
るルリア−ベルターニ(Luria-Bertani)培地において、大腸菌細胞(基本的に
はDH5)を37℃で成長させた。標準のプロトコールを用いて、制限酵素消化,DNA
ライゲーション及び他の組換DNA工程を行った。エレクトロポレーションを用い
て細菌細胞の形質転換を成し遂げた。製造業者により提供された使用説明書に従
い、クイックチェンジキット(QuickChange Kit)(ストレイトジーン(Strateg
ene))を用いて、部位特異的変異(Site-directed mutagenesis)を行った。自
動化DNAシークエンサー(モデル373;アプライドバイオシステム(Applied Bios
ystems))を用いて、自動DNA配列決定により全てのDNA構築物を確かめた。製造
業者のプロトコールに従い、キアゲンプラスミドメガキット(Qiagen plasmid M
ega kit)を用いて、この研究に用いたDNA構築物を細菌から精製した。10%(体
積で)胎児ウシ血清を含有するダルベコズモディファイイーグルズ(Dulbecco's Modified Eagle's)培地において、293細胞を培養し、直径10cmの皿に密集させ
た(to confluence)。以前[17]に記載されているように、示唆されたホス
ホイノシチド脂質を含有するPtd/Cho及びPtd/Serリン脂質小胞を調製した。
【0129】 酵母ツーハイブリッドスクリーン。 Myc標識されたヒトPDK1,PDK1のキナーゼドメイン(残基1-404)及びPDK1のPHド
メイン(残基428-556)を、酵母pAS2-1ベクターのEcoRI/SalIにサブクローニ
ングした(subcloned)。酵母株Y166に形質転換されたpGAD10ベクター(クロン
テック)にサブクローニングされたヒト骨格筋ライブラリーを用いて、酵母ツー
ハイブリッドスクリーン(screen)を行った。PAS2-1ベクターにおけるpGAD10ラ
イブラリー構築物及びPDK1構築物を用いて、4×106の酵母細胞を形質転換した。
ポジティブ(positive)コロニーを選択するために、25mM 3−アミノ−1,2
,4−トリアゾール(3-amino-1,2,4-triazole)(3-AT)を含有し、トリプトフ
ァン,ロイシン,ヒスチジン及びウラシルを欠く合成完全(synthetic complete
)(SC)培地(SC-Trp-Leu-His-Ura)(シグマ(Sigma))に、これら酵母をプ
レート化した(plated)。このシステムにおいて、ライブラリー由来の相互作用
コロニーはヒスチジン及びウラシルを欠く培地で成長でき、かつ、クロンテック
プロトコールを用いて検出されたβ−ガラクトシダーゼを発現することができた
。相互作用クローン由来のpGAD10ベクターを単離し、大腸菌に転移させ、そして
配列を決定した(sequenced)。我々がTH110と名付けた一つのポジティブクロー
ンは、5’領域にrRNA由来の25個のヌクレオチド配列を持った2.4kbpフラグメン
トを備え、GAL4タンパク質のフレーム(frame)においてPRK2中の77個のC末端
側アミノ酸(PIFと名付けた)を後続させた。この構築物からこの25個のヌクレ
オチドrRNA配列を除くために、鋳型として、TH110クローン及び(下線が引かれ
たBamHI部位を組み入れている)オリゴヌクレオチド5’−CGGGATCCGAGGTAAAAA
AGCACCC−3’及びpGAD10ベクターの3’末端のポリリンカー領域に対応するオ
リゴヌクレオチドを用いて、PCR反応を行った。その結果として生じた内部に
BamHI部位を含むフラグメント及びPCR産物をBamHIで消化し、1.2kbのフラ
グメントを得た。この1.2kbのフラグメントは、pGAD10プラスミドに結合された
(ligated)PIFをコード化している。この構築物が図1の実験に用いられ、酵母
ツーハイブリッドシステムにおいてPIFがPDK1のキナーゼドメインに相互作用す
ることを証明した。
【0130】 哺乳類GST-PIF発現構築物の調製。連結反応(ligation)をセットアップ( s
et up)し、BamHIフラグメントととしてのpGAD10ベクターからpEBG2T[4 1
]発現ベクターのBamHI部位へとPIF cDNAをサブクローニングすることに よっ
て、GST-PIF発現構築物を生成した。
【0131】 昆虫細胞におけるHis-PDK1の発現。BglHI/KpnIフラグメントととしてのpEBG
2Tベクター[41]からpFASTBAC HTbベクターへと、Myc-PDK1のためのcDNAをサ
ブクローニングした(subcloned)。そして、このベクターを用い、バクトゥー
バクシステム(Bac-to-Bac system)(ライフテクノロジー,ペイズリー,英国
)を使用して組換バキュロウイルス(vaculovirus)を生成した。結果として得
られたウイルスは、N末端にヘキサヒスチジン(hexahistidine)配列を有するM
yc-PDK1をコード化している。このウイルスを用いて、感染度数5でSf21細胞(1
.5×106 /ml)を感染させた。感染させてから72時間後に(72 h post-infection
)、この感染細胞を収集した。そしてHis-PKBβに関連して以前記載されている
[42]ようなNi2+/NTA-アガロースクロマトグラフィーによってHis-PDK1を精
製し、0.27Mスクロース,0.03%(体積で)Brij-35,1mM ベンズアミジン(benz
amidine)及び0.2mMフェニルメチル硫酸フッ化物(phenylmethylsulphonyl fluo
ride)を含有するバッファーBに入れて透析した。このPDK1(4mg/ml)をアリコ
ートに分割して(in aliquots)素早く凍結させ、−80℃で保存した。精製され
たHis-PDK1は、感染Sf21細胞1リットル当たり4 mgの収率で回収された。そして
、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、それに引き続くクーマシーブルー染色から
判断すると、このHis-PDK1は90%より大で(>90%)均質だった。
【0132】 293細胞におけるGST-融合タンパク質の発現。20枚の直径10cmの皿に293細胞を
培養し、修飾リン酸カルシウム法(a modified calcium phosphate method)[
14]を用いて、所望のGST-融合タンパク質をコード化する20μgのpEBG2Tをそ
れぞれの皿に導入した(transfected)。Myc-PDK1構築物(pCMV5ベクター)をGS
T-PIF(pEBG2Tベクター)又はGSTのみ(中空pEBG2Tベクター)と一緒に共同発現
した図1記載の実験においては、それぞれ10μgの構築物を用いた。導入してか
ら36時間後に、血清を飢餓させずに(without any serum starvation)この細胞
を1mlの氷冷バッファーAに溶菌させた。この溶菌液をためて、13,000×gで1分
間4℃で遠心分離した。そして、先にバッファーAで平衡化された(20枚の皿の
実験用)1mlのグルタチオンセファロースと一緒に、この上清を回転台(a rotat
ing platform)上で60分間インキュベートした。この懸濁液を3000×gで1分間遠
心分離し、このビーズ(beads)を、0.5M NaClを含有する10 mlのバッファーA
で3回洗浄し、その後さらに0.27Mスクロースを含有する10 mlのバッファーBで
10回洗浄した。(GST-セファロースの体積に等しい)体積の3倍量の、20mMグ
ルタチオン及び0.27Mスクロースを含有するバッファーBを用いて、環境温度で
、GST-PIFを樹脂から溶出した。この結合(combined)溶出液をアリコートに分
割して、液体窒素中で素早く凍結させ、−80℃で凍結させた。
【0133】 GST-PIFとのインキュベーション後のPKBα活性化の測定。以前[17]に記載
されているように、このアッセイは2ステージにおいて行われた;簡単に説明す
ると、第一には、MgATP及びリン脂質小胞が存在する状態において、GST-PIF(又
はペプチドの存在するか若しくは存在しない状態における他の示唆されたPDK1タ
ンパク質)と一緒にGST-PKBαをインキュベートした。第二ステージでは、この
溶液に対してTriton X100(Triton X100はGST-PKBα活性に影響を与えずに完全
にGST-PKBαのリン酸化を阻害する)が0.5%(体積で)となる溶液にするととも
に、Mg[γ32P]ATP及び特異的PKBα基質ペプチド基質RPRTAAF(specific PKBα s
ubstrate peptide substrate)[43]を加えた溶液にした。
【0134】 ステージ1では、13.3μM PtdIns(3,4,5)P3が存在するか又は存在しない状態
において、66.5 mM Tris/HCl pH 7.5,0.13 mM EGTA,0.13%(体積で)2−メ
ルカプトエタノール,3.3μM PKI,1.3μMマイクロシスチン−LR,13.3 mM Mg
(Ac)2,133μM非標識(unlabelled)ATP,0.4μM GST-PKBα,133μM PtdSer,1
33μM PtdChoを含有して、15μlの反応混合物をセットアップした。5μlの0.2 m
g/ml GST-PIF(又は他の示唆されたタンパク質若しくはペプチド)を添加してこ
のアッセイを開始し、30℃で30分間インキュベートした後、2.5μM PKI,1μMマ
イクロシスチン−LR,10 mM Mg(Ac)2,100μM [γ32P]ATP(200-400 cpm/pmol
),100μMのペプチドRPRTAAF及び1.25%(体積で)Triton X100を含有するバッ
ファーBからなる30μlの混合物を添加してこのアッセイのステージ2を開始し
た。30℃で10分間放置した後、この反応混合物をP81ホスホセルロース紙にスポ
ットすることによりこの反応を終結させた。この紙を75 mMリン酸中で洗浄し、
以前[44]に記載されているように解析した。GST-PKBαを除外したコントロ
ール反応をブランクとして行ったが、このコントロール反応は、GST-PKBαが存
在する状態で測定された活性の5%より常に少なかった。基礎となるGST-PKBα活
性は、PDK1が存在しない状態で測定された活性である。1ユニット(Unit)のGS
T-PKBα活性というのは、1分間に1 nmolのペプチドRPRTAAFのリン酸化を触媒す
るのに必要な酵素量のことである。このアッセイにおけるPDK1活性の最終濃度が
3 U/mlになるまで、このアッセイは時間に比例した(linear with time)。
【0135】 GST-PIFとのインキュベーションによるGST-PKBαのリン酸化。ホスホ特異的Se
r473 PKBα抗体を用いてPKBαのリン酸化を決定した実験においては、そのイン
キュベーションは、反応を1%(質量で)SDSの添加により終結させたことを除け
ば、上述したステージ1と同一であり、以下に記載するように免疫ブロッティン
グを行う。PKBαのリン酸化部位を決定する実験においてそのインキュベーショ
ンは、非標識ATPの代わりに[γ32P]ATP(1000-2000 cpm/pmol)を用いたことを
除けば、上述したステージ1と同一である。最終濃度がそれぞれ1%(質量で)
及び1%(体積で)となるようにSDS及び2−メルカプトエタノールを添加してこ
の反応をストップさせ、95℃で5分間加熱した。環境温度になるまで冷却した後
、4−ビニルピリジンを最終濃度が2.5%になるまで加え、さらにシステイン残
基をアルキル化するため、このサンプルを振とう台(a shaking platform)上に
30℃で1時間放置した。その後、7.5%SDSポリアクリルアミドゲルを用いてこの
サンプルを電気泳動し、このゲルから32P標識(32P-labelled)GST-PKBαを溶出
し、以前[14,17]に記載されているようにアルキル化されたトリプシンで
消化した。
【0136】 Ser473でリン酸化されたPKBαの免疫ブロッティング。GST-PKBα(0.2μg)を
含有する反応混合物をSDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、その後に
ニトロセルロースに転移させ、さらにSer473がリン酸化されたPKBαを認識する
ホスホ特異的抗体を用い、この抗体の濃度が50 mM Tris pH7.5,0.15M NaCl,0.
5%(体積で)Tween及び10%(質量で)スキムドミルク(skimmed milk)中で0.
1 mg/mlとなる濃度で、免疫ブロットした。リン酸化されたPKBαの検出は、増強
化学発光試薬(enhanced chemiluminescence reagent)(アメルシャン(Amersh
am))を用いて行われた。
【0137】 バイアコア測定。製造業者の使用説明書に従い、アミノ基を介してGST-PIFを
センサーチップCM5に結合させた。この表面を覆って(over this surface)His-
PDK1(0−2.0μM)を注入し、定常状態の結合(steady state binding)を決定
した。領域Bを重複する24残基のペプチドをそのC末端Cysを介してビオチニル
化し、センサーチップSAを被覆したアビジン(Avidin)に結合させた。領域Bペ
プチド(0−3μM)に対してHis-PDK1(0.5μM)を混合し、このPDK1/ペプチド
混合物を、固定化されたペプチドを覆って(over the immobilized peptides)
注入した。チェングプレスコット関係(Cheng-Prescott relationship)に従い
、定常状態の結合における減少量を用いてPDK1及びペプチド間の相互作用のKdを
決定した。我々の実験における応答測定単位はRUと称される;1000 RU=表面
に結合したタンパク質が1 ng/mm2
【0138】 ラット脳由来PRK2の部分的な精製。CO2で10匹のラットを死亡させ、その脳を
迅速に抽出し、さらに50 mlの氷冷バッファーAに均質化した。25000×gで30分
間遠心分離した後、0.44ミクロンのフィルターを介してこの上清をろ過し、さら
にバッファーCで平衡化された5 mlのハイトラップ(HiTrap)Qセファロースカ
ラムに加えた(applied)。0.1 M NaClを含有する100 mlのバッファーCでこの
カラムを洗浄し、その後、0.3 M NaClを含有する30 mlのバッファーCで溶出し
た。この溶出液を0.2 M NaClを含むバッファーC中に希釈し、0.2 M NaClを含有
するバッファーCで平衡化された1 mlのヘパリンセファロースカラム(ハイトラ
ップ)に直接加えた。流速は1 ml/minとし、20 mlを2.0M NaClになるまで直線塩
勾配にして(with a 20 ml linear salt gradient to 2.0M NaCl)このカラムを
展開し、1 mlの分画を収集した。
【0139】 引用文献 1.Vanhaebroeck B., Leevers S.J., Panayotoy G and Waterfield M.D:ホス
ホイノシチド3キナーゼ:シグナルトランスデューサーが保存されたファミリー
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−アラキドノイル−sn−グリセル−3−イル)−ホスホリル]−D−ミオ−イ
ノシトール3,4,5−トリスリン酸[PtdIns(3,4,5)P3]及びその立体異性体
の合成。(Synthesis of 1-[1-O-Stearoyl-2-O-arachidonoyl-sn-glycer-3-yl]-
D-myo-inositol 3,4,5-triphosphate [PtdIns(3,4,5)P3] and its stereoisomer
s.)Bioorg. Med. Chem. Lett., 1997, 7: 3171-3176. 41.Sanchez, I., Hughes, R.T., Mayer, B.J.,Yee, K., Woodgett, J.R., Av
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ノシトール3,4,5−トリスリン酸[PtdIns(3,4,5)P3]及びその立体異性体
の合成。(Synthesis of 1-[1-O-Stearoyl-2-O-arachidonoyl-sn-glycer-3-yl]-
D-myo-inositol 3,4,5-triphosphate [PtdIns(3,4,5)P3] and its stereoisomer
s.)Bioorg. Med. Chem. Lett., 1997, 7: 3171-3176.
【図面の簡単な説明】
【図1】 PDK1のキナーゼドメインとのPIFのツーハイブリッド相互作用。野生型PDK1,P
DK1のキナーゼドメイン(残基1〜404)若しくはPDK1のPHドメイン(残基428〜55
6)の発現をコードするpAS2-1プラスミド(TRP1)又はコントロールとしての中
空(empty)pAS2-1ベクターのいずれか一方が存在する状態において、(PIFと名
付けた)PRK2のC末端の77個のアミノ酸を有する(harbouring)pGAD10プラスミ
ドを用いて、酵母を形質転換した((A)により示される)。それぞれの酵母株
のプレート上の位置は(A)に示されている。(B)においてこの酵母は、SD-L
eu及びTrp欠失培地上で成長する。この培地において、全ての酵母株は、PIFがPD
K1と相互作用するかに関わらず成長する。PIF及びPDK1間の相互作用は、β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子発現の誘導(D)のみならずSD-Leu-Trp-Ura-His+3-AT培
地上での成長を可能にするであろうURA3及びHIS1をコードするリポーター遺伝子
の発現(C)を誘導する。AGCサブファミリーキナーゼの等価領域とともに、PRK
2のC末端の77アミノ酸のアミノ酸配列を整列させたものを(E)に示した。同
一残基は黒地に白の文字(white-on-black letters)で示され、かつ、類似残基
はグレイボックスにより示されている。
【図2】 293細胞におけるPDK1とのGST-PIFの特異的相互作用。 (A+B)野生型Myc-PDK1,キナーゼ死滅(dead)Myc-PDK1(K111A,D223A)又
はMyc-PDK1のキナーゼドメイン(残基51〜404)のいずれかとともにGST又はGST-
PIFを発現するDNA構築物を用いて、293細胞を一時的にトランスフェクトした。
この細胞はトランスフェクション後36時間静置され、そしてグルタチオン−セ
ファロースビーズのアフィニティークロマトグラフィーによって溶菌液350μgか
らGST又はGST-PIFを精製した(A)、又はプロテインG−セファロースに共有結
合するMyc抗体を用いてMyc-PDK1タンパク質を免疫沈降した(B)。それぞれの
精製から得られた全タンパク質を、10%SDS/ポリアクリルアミドゲルを用いて電
気泳動し、クーマシーブルー染色した。分子質量マーカー、すなわちグリコーゲ
ンホスホリラ−ゼ(97kDa),ウシ血清アルブミン(67kDa)及びオボアルブミン
(43kDa)の位置が示されている。 (C)293細胞は、GST-PIF,GST単独,GST-p90RSK1,GST-MSK1,C末端104残基
を欠くGST-p70 S6キナーゼ及びGST-PKBαのいずれかを発現するDNA構築物で一時
的にトランスフェクトされた。トランスフェクション後36時間この細胞を静置
し、GST融合タンパク質をグルタチオンセファロースビーズを用いるアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより精製した。100μM PtdCho,100μM PtdSer,10μ
M sn−1−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3を含有す
るリン脂質小胞が存在するか又は存在しない状態において、それぞれのGST融合
タンパク質をGST-S473D-PKBα及びMgATPとともに30℃で30分間インキュベートし
た。そして、特異的なGST-S473D-PKBαの活性の増加量をコントロールインキュ
ベーションに比較して測定した(6度の測定,3度の独立実験の平均)。このコ
ントロールインキュベーションにおいては、このGST-S473D-PKBα融合タンパク
質を除外した。GST-S473D-PKBαの基礎活性は3.5U/mgであった。それぞれのタン
パク質の2μgを10%SDS/ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、さらに(
0.2μg/mlで用いられた)PDK1タンパク質に反応する(raised)PDK1抗体を用い
て免疫ブロットし(immunoblotted)、グルタチオン−セファロースと会合して
プルダウン(pull down)する内因性PDK1を検出した。
【図3】 PDK1との相互作用を必要とするPIFの残基マッピングを示す図である。 (A)野生型GST-PIF又はこのタンパク質の図示された点変異体(point mutatio
ns)どちらかを発現するDNA構築物を用いて、293細胞を一時的にトランスフェク
トした。この細胞を溶菌し、GST融合タンパク質をグルタチオンセファロースビ
ーズを用いるアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。100μM PtdCh
o,100μM PtdSer,10μM sn−1−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-Pt
dIns(3,4,5)P3を含有するリン脂質小胞が存在するか又は存在しない状態におい
て、GST-S473D-PKBα及びMgATPとともにそれぞれのGST融合タンパク質を30℃で3
0分間インキュベートした。そして、特異的なGST-S473D-PKBαの活性の増加量を
コントロールインキュベーションに比較して測定した。このコントロールインキ
ュベーションにおいては、このGST-S473D-PKBα融合タンパク質を除外した。GST
-S473D-PKBαの基礎活性は3.5U/mgであった。10%SDS/ポリアクリルアミドゲル
を用いて、それぞれのタンパク質の2μgを電気泳動し、さらに、全タンパク質に
反応するPDK1抗体を用いて免疫ブロットして内因性PDK1を検出した、又はクーマ
シーブルーで染色しGST-PIFタンパク質の発現レベルを立証した。2以上の調製
剤(preparations)の野生型及び変異GST-PIFタンパク質を用いる5度の単独実
験(separate experiments)においても、同様の結果が得られた。 (B)野生型PIF又は図示されたPIFの変異体の発現をコードするpGAD10プラスミ
ドを用いて、pAS2-1野生型PDK1ベクター(“PDK1−ベクター”)又は中空pAS2-1
ベクター(“ベクター”)を有する(harbouring)酵母を形質転換した。その結
果として生ずる酵母株をSD-Leu-Trp-Ura-His+3-AT培地上で成長させた。この培
地は、GST-PIF及びPDK1が相互作用できる酵母構築物の成長だけを許容した。
【図4】 PKBαとのPIFのインキュベーションはThr308及びSer473両方でのPKBαのリン
酸化を誘導する。 His-PDK1(0.1μg)又は293細胞から精製されたGST-PIFのどちらかが存在する状
態において、MgATPとともに、GST-PKBα(A)又はGST-S473D-PKBα(B)を30
℃で1時間インキュベートした。この293細胞から精製されたGST-PIFは、100μM
PtdCho,100μM PtdSer及び10μM sn−1−ステアロイル−2−アラキドノイ
ル−D-PtdIns(3,4,5)P3を含有するリン脂質小胞が存在するか又は存在しない状
態において、内因性PDK1(GST-PIF/PDK1と名付けられた1μg)と会合する。特異
的なGST-PKBαの活性の増加量を、コントロールインキュベーションに比較して
測定した(6度の測定,2度の独立実験の平均)。このコントロールインキュベ
ーションにおいて、His-PDK1又はGST-PIFを除外した。GST-PKBαの基礎活性は1.
0 U/mgであり、GST-S473D-PKBαの基礎活性は3.5U/mgであった。用いた状況下で
、GST-PKBα(A)及びGST-S473D-PKBα(B)の最大活性を観測したが、インキ
ュベーション時間の延長又はアッセイに加えたHis-PDK1若しくはGST-PIFの濃度
増加によっては、その活性を増大させることはできなかった。 (C)(A)と同様に、GST-PIF/PDK1(1.0μg)とともにGST-PKBαをインキュ
ベートした。溶液に対しSDSが1%となるようにして、この反応を終結させた。こ
の試料をSDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、さらにP-Ser473抗体を用
いて免疫ブロットした。このP-Ser473抗体は、以下の合成ペプチド(全て10μg/
ml)が存在するか又は存在しない状態においてインキュベートされた。この合成
ペプチドは、Ser473に等価な残基でリン酸化されたPKBαの残基467〜477に対応
するペプチド(phospho-473ペプチド),リン酸化されなかった同一のペプチド
(de-phospho-473ペプチド)又はThr308に等価な残基でリン酸化されたPKBαの
残基301〜313に対応するペプチド(phospho-308ペプチド)である。放射性Mg[γ32 P]ATP(106 cpm per nmol)のほかは、(A)と同様に、(D)を行った。こ
の試料を4−ビニルピリジン(4-vinylpyridine)でアルキル化し、10%ポリア
クリルアミドゲルを用いて電気泳動した。以前[17]に記載されているように
、このリン酸化されたGST-PKBαをゲルから切除し、トリプシン(trypsin)で消
化し、さらに0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)(TFA)
で平衡化されたVydac 218TP54 C18カラム(セパレーショングループ,ヘスペリ
ア,シーエー(Separations Group, Hesperia, CA))に加えた。このカラムを
、流速0.8 ml/min、直線アセトニトリル勾配(対角線(diagonal line))で展
開し、0.4 mlの分画(fraction)を収集した。このカラムに加えた放射能のうち
50−70%を、24%及び26%アセトニトリルで溶出する主要32P含有ペプチドにお
いて回収した。この主要32P含有ペプチドは、Ser473及びThr308でそれぞれリン
酸化されたPKBαトリプシン関与(triptic)ペプチドとして同定された(結論参
照)。
【図5】 PDK1の存在に依存して、GST-PIFは、Ser473でPKBαをリン酸化できる。 293細胞から精製したGST-PIF,図2C(50μl中20μg)を、プロテインG−セフ
ァロース(10μl)とともにインキュベートし、下記の抗体が反応するPDK1C末
端側ペプチド免疫原(0.2mM)が存在するか又は存在しない状態において、抗体
無(コントロール),MSK1抗体A[40](5μg,非特異的抗体),全タンパク
質に反応するPDK1抗体(5μg)又はPDK1の16のC末端側アミノ酸残基に反応する
PDK1ペプチド抗体(5μg,ペプチド抗体)のいずれかに複合した(conjugated)
。振とう台(a shaking platform)上で4℃で60分間インキュベートした後、こ
の懸濁液を遠心分離し、さらに100μM PtdCho,100μM PtdSer,及び10μM sn
−1−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(1,2-SAD-PtdIn
s(3,4,5)P3),又はsn−1,2 ジ−パルミトイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(C16-
PtdIns(3,4)P2)を含有するリン脂質小胞が存在するか又は存在しない状態にお
いて、この上清中のGST-PIF(2.0μg)を、30℃で60分間GST-PKBα及びMgATPと
ともにインキュベートした。溶液に対してSDSを1%にして、この反応を終結させ
た。そして、この試料をSDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、さらにP-
Ser473抗体を用いて免疫ブロットした。2度の単独実験において同一結果が得ら
れた。 (B)sn−1,2 ジ−パルミトイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(C16-PtdIns(3,4)P2 )を含有するリン脂質小胞が存在するか又は存在しない状態において、図3で
用いた野生型及び変異GST-PIFタンパク質(2.0μg)を30℃で60分間GST-PKBα及
びMgATPとともにインキュベートした。そして、Ser473でのPKBαのリン酸化度を
免疫ブロッティングにより立証した。この野生型及び変異GST-PIFタンパク質の
2つの異なる調製剤を用いる4度の単独実験において、同様の結果が得られた。
【図6】 合成ペプチドの添加によりPKBのThr308及びSer473両方をリン酸化できる酵素
へのPDK1の変換。 (A)以下のペプチド(全て20 Mで)が存在するか又は存在しない状態において
、His-PDK1(20ng)をインキュベートした。このペプチドは、“領域Bペプチド
”(PIFの残基969〜984),“D978A領域Bペプチド”(Asp978がAlaに変異され
た、PIFの残基919〜945)又は“領域Aペプチド”(PIFの残基927〜951)である
。4℃で1時間放置(to stand)した後、GST-PKBαと、MgATPと、100μM PtdCho
,100μM PtdSer及び10μM sn−1−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-P
tdIns(3,4,5)P3(1,2-SAD-PtdIns(3,4,5)P3)若しくはsn−1,2 ジ−パルミ
トイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(C16-PtdIns(3,4,5)P2)若しくはsn−1,2 ジ
−パルミトイル−D-PtdIns(3,4)P2(C16-PtdIns(3,4)P2)のいずれかを含有する
図示したリン脂質小胞と、を添加した。30℃で1時間後、この溶液に対してSDSを
1%にして、この反応を終結させ、この試料をSDS/ポリアクリルアミドゲル電気
泳動にかけ、さらにP-Ser473抗体を用いて免疫ブロットした。2度の単独実験に
おいて同一結果が得られた。 (B〜D) “領域Bペプチド”(B),“D978A領域Bペプチド”(C)又は“
ペプチド無”(D)が存在する状態において、上記したように、His-PDK1を氷上
で1時間インキュベートし、その後Mg[γ32P]ATPと100μM PtdCho,100μM PtdSe
r,10μM sn−1−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3
1,2-SAD-PtdIns(3,4,5)P3)を含有するリン脂質小胞とともにインキュベートし
た。30℃で1時間後、この反応を終結させ、これらの状況下でリン酸化状態にな
ったPKBの残基を、図4の図表に記載したように立証した。
【図7】 ホスホイノシチド依存性PIF/PDKの特異性は、PKBαのThr308及びSer473のリン
酸化を誘導した。 293細胞から精製したGST-PIF(これは内因性PDK1に会合する、図3参照)(1.0
μg)と、MgATPと、100μM PtdCho,100μM PtdSer,種々のPtdIns脂質(1−1
1で番号付けした、以下参照)を含有するリン脂質小胞とともに、GST-PKBαを3
0℃で60分間インキュベートした。このアッセイにおいて、これら種々のPtdIns
脂質の最終濃度は全て10μMである。パネルAにおいては、Triton X100の添加に
より反応を終結させ、さらにGST-S473D-PKBαの特異的活性の増加量(U/mg)を
、コントロールインキュベーションに比較して測定した(6度の測定,2度の独
立実験の±平均値標準誤差(SEM))。このコントロールインキュベーションに
おいては、GST-PIFを除外した。GST-S473D-PKBαの基礎活性は3.5 U/mgであった
。パネルBにおいては、溶液に対してSDSを1%にして反応を終結させ、この試料
をSDS/ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、そしてPKBαリン酸化度(the e
xtent of PKBα phosphorylation)を、ホスホ特異的抗体を用いて立証した。こ
のホスホ特異的抗体は、Ser473でリン酸化されたPKBαを認識する。異なる脂質
の調製剤を用いた2度の単独実験の結果を、パネルBに示す。脂質1,バッファ
ーコントロール(Buffer control);脂質2,PtdIns 3P;脂質3,n−1,2
−ジ−パルミトイル PtdIns(3,4)P2;脂質4,PtdIns(3,5)P2;脂質5,PtdIns(
4,5)P2;脂質6,sn−1,2 ジ−パルミトイル D-PtdIns(3,4,5)P3;脂質7
,rac−1,2−ジリノレオイルホスファチジルD/L−ミオ−イノシトール
3,4,5トリスリン酸;脂質8,sn−1−ステアロイル, 2−アラキドノイ
ル D-PtdIns(3,4,5)P3;脂質9,sn−1−ステアロイル, 2−アラキドノイル L-PtdIns(3,4,5)P3;脂質10,sn−2−ステアロイル, 3−アラキドノイル D-PtdIns(3,4,5)P3;脂質11,sn−2−ステアロイル, 3−アラキドノイル L-PtdIns(3,4,5)P3
【図8】 PDK1/PIFによるPKBの最大活性化は、PKB及びPDK1の両方と相互作用するPtdIns
(3,4,5)P3を必要とする。 バッファー(コントロール)若しくはHis-PDK1(0.1μg)若しくはHis-PDK1(0.
1μg)+GST-PIF*(全PDK1が免疫枯渇(immuno-depletion)により既に除去され
た1.0μg)若しくはGST-PIF*単独(1.0μg)のどれかが存在する状態において、
MgATPとともに、GST-ΔPH-PKBαを30℃で1時間インキュベートした。又は、100
μM PtdCho,100μM PtdSer,及び10μM sn−1−ステアロイル−2−アラキ
ドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3を含有するリン脂質小胞が存在するか又は存在し
ない状態において、内因性PDK1と会合する293細胞から精製したGST-PIF(GST-PI
F/PDK1と名付けられた2μg)とともに、GST-ΔPH-PKBαを30℃で1時間インキュ
ベートした。GST-ΔPH-PKBαの特異的活性の増加量を、コントロールインキュベ
ーションに比較して測定した(一実験における3度の測定の平均が示されている
、3度の他の単独実験において同様の結果が得られた)。このコントロールイン
キュベーションにおいては、His-PDK1又はGST-PIFを除外した。GST-ΔPH-PKBα
の基礎活性は3.0 U/mgであった。
【図9】 ラット脳抽出物の分画化(Fractionation)。 (A)ヘパリン−セファロースからの勾配溶離に従うQセファロースを用いるバ
ッチワイス(batchwise)クロマトグラフィーにより、脳抽出物を分画化した(f
ractioned)(方法参照)。10μM 1,2-SAD-PtdIns(3,4,5)P3が存在(開四角)す
るか又は存在しない(閉四角)状態において、Thr308でPKBαをリン酸化できる
か(GST-S473D-PKBα活性における増加量により測定した)及びSer473でPKBαを
リン酸化できるか(P-473抗体を用いて)について、このカラム分画(fractions
)をアッセイした。破線は塩勾配を示している。 (b)ヘパリン−セファロースカラムの分画7及び8をためて(were pooled)
、アリコート(0.1 ml)をプロテインG_セファロース(10μl)とともにイン
キュベートし、MSK1抗体A[41](5μg,非特異的抗体),全タンパク質に反
応する(raised)PDK1抗体(5μg),又は抗体無(コントロール)に複合させた
(conjugated)。振とう台(a shaking platform)上で4℃で60分間インキュベ
ートした後、この懸濁液を遠心分離し、この上清のアリコート(5μl)を、10μ
M 1,2-SAD-PtdIns(3,4,5)P3又はC16- PtdIns(3,4)P2が存在するか又は存在しな
い状態において、GST-S473D-PKBα(PDK1アッセイ)又はGST-PKBα(PDK2アッセ
イ)のいずれか一方とMgATPとともに、30℃で60分間インキュベートした。その
後、Ser473及びThr308でのPKBαのリン酸化を、Aと同様にして測定した。2度
の単独精製からの実験において、同様の結果が得られた。
【図10】 PDK1配列。
【図11】 PRK2配列。
【図12】 PIFに結合するPDK1の定量分析。 方法のセクションに記載されているように、バイアコア製の計器を用いて、表面
プラズモン共鳴測定を行った。(A)2000Rus のGST-PIF,GST-PIFはアミンカッ
プリングによりCM5センサーチップに固定化された、又は(B)740Rusのビオチ
ニル化野生型PIF,ビオチニル化野生型PIFはセンサーチップSAに固定化された、
を覆ってHis-PDK1を図示した濃度で注入した。その定常状態結合における応答を
記録した。(C)は、500nM HisPDK1を図示した濃度の野生型ペプチド及びD393A
ペプチドといっしょに共注入した(co-injected)ときの定常状態応答の阻害を
示している。全データは代表実験から得られた各々の測定のものである。この代
表実験は少なくとも3度繰り返しても同様の結果が得られた。
【図13】 PIFの添加による、PKBのThr308及びSer473両方をリン酸化できる酵素へのPDK1
の変換。 (A)図5に図示されたような、全PDK1が免疫枯渇により既に除去されているGS
T-PIF(1.0μg,GST-PIF*と名付けられた)又は等価体積のバッファーを、20ng
の野生型GST-PDK1又はキナーゼ死滅GST-PDK1(D223A変異体[18])に添加し
た。4℃で1時間経過させた後、GST-PKBα,MgATP及び図示したリン脂質を添加し
た。このリン脂質は、100μM PtdChoと,100μM PtdSerと,及び10μM sn−1
−ステアロイル−2−アラキドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(1,2-SAD-PtdIns(3,
4,5)P3),若しくはsn−1,2 ジ−パルミトイル−D-PtdIns(3,4,5)P3(C16-
PtdIns(3,4,5)P2)若しくはsn−1,2 ジ−パルミトイル−D-PtdIns(3,4)P2
(C16-PtdIns(3,4)P2)のいずれかと、を含有する。30℃で1時間経過した後、溶
液に対してSDSを1%にし、この反応を終結させ、この試料をSDS/ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動にかけ、さらにP-473抗体を用いて免疫ブロットした。2度の
単独実験において同一の結果が得られた。 (B及びC)GST-PIF*が存在しない(B)か又は存在する(C)状態において、
野生型GST-PDK1(20ng)を氷上で1時間インキュベートし、さらにその後Mg[γ32 P]ATPと100μM PtdCho,100μM PtdSer,及び10μM sn−1−ステアロイル−
2−アラキドノイル−D-PtdIns(3,4,5)P3を含有するリン脂質小胞とともにイン
キュベートした。30℃で1時間経過した後、この反応を終結させ、さらにこれら
の状況下でリン酸化された状態になったPKBの残基を、図5の図表に図示したよ
うに測定した。
【図14】 PRK1配列。
【図15】 PKCζ配列。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 9/12 4C084 1/21 C12Q 1/48 Z 5/10 G01N 33/15 Z 9/12 33/50 Z C12Q 1/48 33/573 A G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A 33/573 A61K 37/02 (72)発明者 ディーク, マリア イギリス, ダンディー ディーディー2 4エイチティー, 18 フォース プレ イス (72)発明者 キュリー, リチャード イギリス, ダンディー ディーディー2 1エイチエー, 31 セイムール スト リート (72)発明者 ダウンズ, ピーター イギリス, ウォーミット ディーディー 6 8エヌアール, 15 ウェスト エイ カーズ ドライブ (72)発明者 カサメイヤー, アントニオ アメリカ合衆国, コネチカット州 06520−8103, ニュー ヘブン, エー ル ユニヴァーシティー, セリュラー アンド ディベロップメンタル バイオロ ジー, ディパートメント オブ モレキ ュラー Fターム(参考) 2G045 AA40 DA20 DA36 DA77 FB01 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA10 CA04 DA02 GA11 4B050 CC03 CC07 DD11 FF14C GG01 LL01 LL03 4B063 QA01 QA18 QQ27 QR07 QR41 QR42 QR48 QR76 QS24 QS33 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA29 CA44 CA46 4C084 AA01 AA07 AA17 BA02 CA18 NA14 ZC21

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)の基質特異性を変える
    方法であって、 前記PDK1は、 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有し、Zaaが負荷電アミ
    ノ酸残基を示すポリペプチドに露出される方法。
  2. 【請求項2】 PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有しZaaが負荷
    電アミノ酸残基を示す相互作用ポリペプチドとを有する調製剤であって、 前記相互作用ポリペプチド又はPDK1の基質以外のものが天然に発見される細胞
    内において、PDK1と共存するポリペプチド又はPDK1が会合するポリペプチドが実
    質的に無いことを特徴とする調製剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法により誘導可能なPDK1であって、 基質特異性を既に変えているとともに、前記相互作用ポリペプチド又はPDK1の
    基質以外のものが天然に発見される細胞内において、PDK1と共存するポリペプチ
    ド又はPDK1が会合するポリペプチドが実質的に無いPDK1。
  4. 【請求項4】 共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe/Thr-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有
    する基質ポリペプチドの下線の引かれた残基に対応する残基をリン酸化する方法
    であって、 (1)PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有する
    相互作用ポリペプチドとを有する調製剤、又は (2)ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)の基質特異性を
    変える方法により誘導可能であり、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-
    Phe/Tyrを有し、Zaaは負荷電アミノ酸残基を示すポリペプチドに露出されるPDK1
    が用いられる方法。
  5. 【請求項5】 PRK2をリン酸化する方法であって、前記PRK2はPDK1に露出される方法。
  6. 【請求項6】 他のタンパク質又は細胞構成要素が実質的に存在しない状態において、PDK1及
    びPRK2を有する調製剤。
  7. 【請求項7】 PDK1によるPRK2の活性化及び/又はリン酸化を調節する化合物を同定する方法
    であって、前記PDK1によるPRK2の活性化及び/又はリン酸化は、前記化合物があ
    る濃度より大きく存在した状態で測定される方法。
  8. 【請求項8】 PDK1の活性を調節する化合物を同定する方法であって、 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有し、Zaaは負荷電アミ
    ノ酸残基を示すポリペプチドが存在する状態において、前記PDK1は前記化合物に
    露出される方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の方法において、 前記化合物がある濃度より大きく存在する状態において前記PDK1の活性を測定
    するステップを有し、 前記PDK1は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポ
    リペプチドに露出されるか、又は既に露出されている方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の方法において、 前記化合物は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有する
    ポリペプチドとPDK1との間の相互作用を調節できる方法。
  11. 【請求項11】 PDK1の基質特異性を変えることのできる化合物を同定する方法であって、 共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-Phe/Tyrに対応するアミノ酸配列を有する
    ポリペプチドの下線の引かれた残基に対応する残基をリン酸化する前記PDK1の能
    力が測定され、かつ、前記化合物が存在する状態において前記能力は増大する方
    法。
  12. 【請求項12】 ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)の基質特異性を変える
    方法であって、 前記PDK1は、請求項11記載の方法により同定される化合物又は請求項11記
    載の方法により同定可能な化合物に露出される方法。
  13. 【請求項13】 (1)請求項1若しくは2記載の方法により誘導可能な、基質特異性を既に変
    えているPDK1、又は、(2)請求項2,24若しくは25記載の調製剤、のPDK1
    若しくはPDK2活性に関して、3−ホスホイノシチド、例えばPtdIns(3,4,5)P3
    はPtdIns(3,4)P2の効果を擬態できる化合物を同定する方法であって、 適する基質をリン酸化でき、3−ホスホイノシチドが存在しない状態において
    前記化合物により活性化するように、前記化合物が前記PDK1又は調製剤を活性化
    するかどうかを決定する工程を有する方法。
  14. 【請求項14】 哺乳類の脳から誘導可能なプロテインキナーゼであって、 PtdIns(3,4,5)P3が存在する状態において共通配列Phe-Xaa-Xaa-Phe-Ser/Thr-P
    he/Tyrに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドの下線の引かれた残基に対
    応する残基、例えばPKBαのSer473をリン酸化でき、少なくともpH7.5の0.75M Na
    Clによりヘパリン−セファロースから溶出され、さらにPDK1と反応性がある抗体
    に結合できるプロテインキナーゼ。
  15. 【請求項15】 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペプチドで
    あって、 全長PRK2,PRK1又はPKCζではなく、さらにZaaは、ホスホセリン又はホスホト
    レオニンではない負荷電アミノ酸であるポリペプチド。
  16. 【請求項16】 必然的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチド又は必然的にPDK1の残基51
    〜404からなるポリペプチドの融合体。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16で定義されたようなポリペプチドをコード化するポリヌク
    レオチド。
  18. 【請求項18】 請求項15又は16で定義されたようなポリペプチドを発現するのに適する組
    換ポリヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 請求項18で定義されたようなポリヌクレオチドを有する宿主細胞。
  20. 【請求項20】 請求項15又は16で定義されたようなポリペプチドを作製する方法であって
    、前記ポリペプチドを発現する請求項19で定義されたような宿主細胞の培養と
    、前記ポリペプチドの単離とを有する方法。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の方法により入手可能なポリペプチド。
  22. 【請求項22】 PDK1を発現するのに適する組換核酸と、 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペプチドを
    発現するのに適する組換核酸とを含む細胞。
  23. 【請求項23】 請求項1記載の方法において、 前記PDK1は、請求項22で定義されたような細胞内において前記相互作用ポリ
    ペプチドに露出される方法。
  24. 【請求項24】 PDK1と、 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有する相互作用ポリペ
    プチドとを有する調製剤を作製する方法であって、 PDK1及び前記相互作用ポリペプチドは、請求項22で定義されたような細胞内
    において共同発現される方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の方法において、 前記PDK1及び前記相互作用ポリペプチドは、前記細胞の他の細胞構成要素から
    分離される方法。
  26. 【請求項26】 請求項24又は25記載の方法により入手可能な調製剤。
  27. 【請求項27】 請求項8〜13のいずれか一つに記載の方法により、同定可能な又は同定され
    る化合物。
  28. 【請求項28】 医療用の、請求項27に定義されたような化合物。
  29. 【請求項29】 インスリンシグナリング経路及び/又はPDK1,PDK2又はPRK2シグナリングの調
    節を必要とする患者を治療するための薬剤の製造における、請求項27に定義さ
    れたような化合物の用途。
  30. 【請求項30】 アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有し、Zaaは医療用の負
    荷電アミノ酸残基を示すポリペプチド若しくは必然的にPDK1の残基51〜404から
    なるポリペプチド若しくは必然的にPDK1の残基51〜404からなるポリペプチドの
    融合体。
  31. 【請求項31】 インスリンシグナリング経路及び/又はPDK1,PDK2又はPRK2シグナリングの調
    節を必要とする患者を治療するための薬剤の製造における、請求項30に定義さ
    れたようなポリペプチドの用途。
  32. 【請求項32】 請求項8〜13のいずれか一つに記載のスクリーニング方法を実施する際に有
    用なパーツキットであって、 PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有しZaaは負荷
    電アミノ酸残基を示すポリペプチドとを有するパーツキット。
  33. 【請求項33】 PDK1と、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyrを有するポリペ
    プチドとを有する調製剤を作製する方法であって、 実質的に純粋なPDK1は、アミノ酸配列Phe/Tyr-Xaa-Xaa-Phe/Tyr-Zaa-Phe/Tyr
    を有する実質的に純粋なポリペプチドと混合される方法。
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