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JP2002530064A - Egf様核酸およびポリペプチド、ならびにその使用 - Google Patents

Egf様核酸およびポリペプチド、ならびにその使用

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JP2002530064A
JP2002530064A JP2000582423A JP2000582423A JP2002530064A JP 2002530064 A JP2002530064 A JP 2002530064A JP 2000582423 A JP2000582423 A JP 2000582423A JP 2000582423 A JP2000582423 A JP 2000582423A JP 2002530064 A JP2002530064 A JP 2002530064A
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JP
Japan
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polypeptide
nucleic acid
seq
acid molecule
elvis
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Application number
JP2000582423A
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English (en)
Inventor
バスフィールド,サマンサ
ギアリング,デヴィッド,ピー.
Original Assignee
ミレニウム ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by ミレニウム ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド filed Critical ミレニウム ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
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    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/485Epidermal growth factor [EGF], i.e. urogastrone
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ELVIS-1、ELVIS-2およびELVIS-3(皮膚の上皮増殖因子様変異体1、2および3)と称する単離された核酸分子を提供する。ELVIS核酸分子は、EGFおよびTGF-αに対し相同性を有する、完全に分泌されるタンパク質および膜貫通タンパク質をコードする。また本発明は、アンチセンス核酸分子、本発明の核酸分子を含有する発現ベクター、該発現ベクターが導入された宿主細胞、および本発明の核酸分子を導入または破壊した非ヒトトランスジェニック動物を提供する。本発明はさらに、単離されたポリペプチド、融合ポリペプチド、抗原性ペプチドおよび抗体を提供する。また本発明の組成物を用いる診断方法、スクリーニング方法および治療方法も提供する。本発明の核酸およびポリペプチドは、多様な細胞過程を調節する際のモジュレーター物質として有用である。従って一つの態様において、本発明は、本発明のポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子を提供する。また本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸を検出するためのプライマーまたはハイブリダイゼーション用プローブとして適している核酸分子も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 上皮増殖因子(EGF)およびトランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)は、
同じ細胞表面受容体(EGF受容体)と相互作用するリガンドであり、種々の組織
のマイトジェンとして作用する(Groenenら(1994) Growth Factors 11: 235-257
)。配列類似性、マイトジェン活性、およびEGF受容体と相互作用する能力に基
づいて、アンフィレグリン(amphiregulin)、ヘパリン結合EGF(HB-EGF)および
ベータセルリンを含む複数の他のEGFファミリーメンバーが同定されている(Car
penterら(1990) Handbook Exptl. Pharmacol. 95 (1): 69-171;Massagueら(199
3) Ann. Rev. Biochem. 62: 515-541;Shing ら(1993) Science 259: 1604-1607
)。
【0002】 EGFおよびTGF-αはいずれも創傷治癒から発癌現象までの多様な過程に関連し
ている(Burgessら(1989) Br. Med. Bull. 45: 401-424;Massagueら(1983) J :
Biol. Chem. 258: 13614-13620;Ozanneら(1986) J. Pathol. 149: 9-14)。
【0003】 特に、EGFおよびTGF-αはいずれも皮膚繊維芽細胞の増殖を誘導する(Buckley
-Sturrockら(1989) J. Cell. Physiol. 138: 70-78;Laatoら(1987) J. Biochem
. 247: 385-388;Paulssonら(1987) Nature 328: 715-717)。さらに、EGFは、
肉芽組織に由来する繊維芽細胞に対し増殖作用および化学走性作用を発揮し、コ
ラゲナーゼおよびヒアルロン酸の合成を誘導する(Laato (1988) Acta. Chir. S
cand. Suppl. 546: 4-44)。EGFはin vitroにおいてケラチノサイトの増殖およ
び移動を促進することが報告されており、このことは創傷の再上皮形成における
EGFの重要な役割をさらに示唆している(Barrandonら(1987) Cell 50: 1131-113
7;Chernoff (1990) Tissue Cell. 22: 123-135)。
【0004】 数種の癌細胞系はEGF受容体レベルの上昇を示し、TGF-αは多くの癌腫のオー
トクリン増殖因子として関与していることが示されている(Groenenら(1994) Gr
owth Factors 11: 235-257)。腫瘍由来のTGF-αは脈管形成性であり、TGF-αの
アンタゴニストが腫瘍新脈管形成を抑制しうる、および/または、癌腫の増殖を
抑制しうることが推論されている(Groenenら(1994) Growth Factors 11: 235-2
57;Okamuraら(1992) Biochem. Biophys. Res. Comm. 186: 1471-1479)。
【0005】発明の概要 本発明は、少なくとも部分的には、本明細書において皮膚タンパク質の上皮増
殖因子様変異体(Epidermal growth factor-Like Variant In Skin proteins)
と称する、トランスフォーミング増殖因子α(TGF-α)および上皮増殖因子(EG
F)に対し有意な同一性を有するタンパク質の新規なファミリー(「ELVIS」ファ
ミリーもしくは「ELVIS」タンパク質)をコードするcDNA分子の発見に基づいて
いる。以下に、ヒトELVIS-1(本明細書中では「TANGO 225」または「T225」とも
いう)ならびにELVIS-2およびELVIS-3と称するそのスプライス変異体(本明細書
中ではそれぞれ「T225vl」および「T225v2」ともいう)をコードするcDNA分子を
記載する。これらのタンパク質、その断片、誘導体および変異体はまとめて「本
発明のポリペプチド」または「本発明のタンパク質」と呼ぶ。本発明のポリペプ
チドをコードする核酸分子はまとめて「本発明の核酸」と呼ぶ。
【0006】 本発明の核酸およびポリペプチドは、多様な細胞過程を調節する際のモジュレ
ーター物質として有用である。従って一つの態様において、本発明は、本発明の
ポリペプチドまたはその生物学的に活性な部分をコードする単離された核酸分子
を提供する。また本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸の検出のた
めのプライマーまたはハイブリダイゼーション用プローブとして適切な核酸分子
を提供する。
【0007】 本発明は、配列番号1、3、4、6、7もしくは9のヌクレオチド配列、また
はATCCに受託番号98981、98982および98983として寄託されたクローンのcDNAイ
ンサート(「ATCC98981、98982および98983のいずれかのcDNA」)のヌクレオチ
ド配列、あるいはその相補体に対して少なくとも45%(または55%、65%、75%
、85%、95%、もしくは98%)の同一性を有する核酸分子を特徴とする。
【0008】 本発明は、配列番号1、3、4、6、7もしくは9のヌクレオチド配列、また
はATCC受託番号98981、98982および98983のいずれかのcDNAのヌクレオチド配列
、あるいはその相補体の少なくとも300(325、350、375、400、425、450、500、
550、600、650、700、800、900、1000もしくは1200)ヌクレオチドの断片を含む
核酸分子を特徴とする。
【0009】 また本発明は、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCC受託番
号98981、98982および98983のいずれかのcDNAによりコードされるアミノ酸配列
に対し少なくとも45%(または55%、65%、75%、85%、95%もしくは98%)の
同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列
、あるいはその相補体を含む核酸分子を特徴とする。
【0010】 好ましい実施形態において、上記核酸分子は、配列番号1、3、4、6、7も
しくは9のヌクレオチド配列、またはATCC受託番号98981、98982および98983の
いずれかのcDNAのヌクレオチド配列を有する。
【0011】 また本発明には、配列番号2、5または8のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドの断片、あるいは、配列番号2、5もしくは8またはATCC受託番号98981、989
82および98983のいずれかのcDNAによりコードされるアミノ酸の少なくとも15(2
5、30、50、100、150、300もしくは400)個連続したアミノ酸を含む断片をコー
ドする核酸分子が包含される。
【0012】 本発明は、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCC受託番号98
981、98982および98983のいずれかのcDNAによりコードされるアミノ酸配列を含
むポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体をコードする核酸分子を包含
し、この場合、該核酸分子は、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、また
はATCC受託番号98981、98982および98983のいずれかのcDNAによりコードされる
アミノ酸配列をコードする核酸配列、あるいはその相補体を含む核酸分子とスト
リンジェントな条件下にてハイブリダイズする。
【0013】 また本発明には、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCC受託
番号98981、98982および98983のいずれかのcDNAによりコードされるアミノ酸に
対し少なくとも約60%、好ましくは65%、75%、85%、95%もしくは98%の同一
性を有するアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチドまたはタンパク質が
包含される。
【0014】 また本発明には、配列番号2、5または8をコードする核酸配列に対し少なく
とも約60%、好ましくは65%、75%、85%もしくは95%の同一性を有するヌクレ
オチド配列を有する核酸分子によりコードされる単離されたポリペプチドまたは
タンパク質、ならびに配列番号1、3、4、6、7、9もしくはその相補体のヌ
クレオチド配列、またはATCC受託番号98981、98982および98983のいずれかのcDN
Aの非コード鎖のヌクレオチド配列を有する核酸分子とストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下にてハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核
酸分子によりコードされる単離されたポリペプチドまたはタンパク質が包含され
る。
【0015】 また本発明には、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCC受託
番号98981、98982および98983のいずれかのcDNAによりコードされるアミノ酸配
列を含むポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体であるポリペプチドが
包含され、この場合、該ポリペプチドは、配列番号1、3、4、6、7、9また
はその相補体を含む核酸分子とストリンジェントな条件下にてハイブリダイズす
る核酸分子によりコードされるものである。
【0016】 また本発明は、配列番号1、3、4、6、7もしくは9のヌクレオチド配列、
ATCC受託番号98981、98982および98983のいずれかのcDNAのヌクレオチド配列、
またはその相補体を含む核酸分子と、ストリンジェントな条件下にてハイブリダ
イズする核酸分子を特徴とする。他の実施形態において、該核酸分子は、少なく
とも300(325、350、375、400、425、450、500、550、600、650、700、800、900
、1000もしくは1290)ヌクレオチド長であり、配列番号1、3、4、6、7もし
くは9のヌクレオチド配列、ATCC受託番号98981、98982および98983のいずれか
のcDNAのヌクレオチド配列、またはその相補体を含む核酸分子とストリンジェン
トな条件下にてハイブリダイズする。
【0017】 一実施形態において、単離された核酸分子は、本発明のポリペプチドの細胞外
ドメイン(配列番号12)、膜貫通ドメイン(配列番号11)、および/または
細胞質ドメイン(配列番号10)をコードする。他の実施形態において、本発明
は、本発明の核酸のコード鎖に対してアンチセンスである、単離された核酸分子
を提供する。
【0018】 本発明の他の態様は、本発明の核酸分子を含有するベクター、例えば、組換え
発現ベクターを提供する。他の実施形態において、本発明は、かかるベクターま
たは本発明の核酸分子を含有する宿主細胞を提供する。また本発明は、本発明の
ポリペプチドの生産方法を提供する。該方法は、組換え発現ベクターを含有する
本発明の宿主細胞を適切な培地中で培養して、ポリペプチドを産生させることに
より行う。
【0019】 本発明の他の態様は、本発明の単離されたまたは組換えポリペプチドおよびタ
ンパク質を特徴とする。好ましいタンパク質およびポリペプチドは、天然に存在
する対応のヒトポリペプチドが有する生物学的活性の少なくとも1つの活性を有
するものである。本発明のポリペプチドまたは核酸の活性、生物学的活性および
機能的活性は、標準的方法によりin vivoまたはin vitroにて測定した場合の、
本発明のタンパク質、ポリペプチドまたは核酸分子が応答細胞に及ぼす活性を意
味する。かかる活性は、直接活性(第2のタンパク質との会合もしくは第2のタ
ンパク質に及ぼす酵素活性など)であってもよいし、または間接的活性(本発明
のタンパク質と第2タンパク質との相互作用により媒介される細胞シグナル伝達
活性など)であってもよい。従ってかかる活性には、例えば、(1)天然に存在
するポリペプチドのシグナル伝達経路におけるタンパク質とのタンパク質間相互
作用を生ずる能力;(2)天然に存在するポリペプチドのリガンドと結合する能
力;(3)ELVISタンパク質と受容体との相互作用、が含まれる。他の活性には、
(1)細胞増殖をモジュレートする能力;(2)細胞の移動および化学走性をモジ
ュレートする能力;(3)細胞分化をモジュレートする能力;(4)新脈管形成を
モジュレートする能力;(5)上皮細胞の増殖および/または分化をモジュレー
トする能力;ならびに(6)ケラチノサイトの増殖および/または分化をモジュ
レートする能力、が含まれる。
【0020】 一実施形態において、本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの同定
されたドメインに対し十分な同一性を有するアミノ酸配列を有する。本明細書で
使用する「十分な同一性を有する」という用語は、第2のアミノ酸またはヌクレ
オチド配列と同一のまたは同等の(例えば、類似の側鎖を有する)アミノ酸残基
またはヌクレオチドの十分な数もしくは最小限の数を含有し、それにより第1お
よび第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列が共通の構造ドメインおよび/また
は共通の機能的活性を有するような第1のアミノ酸またはヌクレオチド配列を意
味する。例えば、約60%の同一性、好ましくは65%の同一性、より好ましくは75
%、85%、95%、98%またはそれ以上の同一性を有する共通の構造ドメインを含
有するアミノ酸配列またはヌクレオチド配列は、本明細書において十分な同一性
を有するものと定義される。一実施形態において、ELVISタンパク質にはEGFドメ
インが含まれる。他の実施形態において、ELVISタンパク質にはシグナル配列が
含まれる。さらに他の実施形態において、ELVISタンパク質にはEGFドメインおよ
びシグナル配列が含まれ、このELVISタンパク質は分泌タンパク質である。他の
実施形態において、ELVISタンパク質には膜貫通ドメインが含まれる。さらに他
の実施形態において、ELVISタンパク質にはEGFドメイン、膜貫通ドメイン、シグ
ナル配列が含まれ、このELVISタンパク質は膜結合タンパク質である。
【0021】 一実施形態において、単離されたポリペプチドは膜貫通ドメインおよび細胞質
ドメインの両方を欠失している。他の実施形態において、該ポリペプチドは膜貫
通ドメインおよび細胞質ドメインの両方を欠失しており、生理学的条件下におい
て可溶性である。
【0022】 他の実施形態において、本発明の核酸分子は上皮増殖因子(EGF)ドメインを
含むELVISタンパク質をコードする。他の実施形態において、本発明の核酸分子
はシグナル配列を含むELVISタンパク質をコードする。他の実施形態において、
本発明の核酸分子はEGFドメインおよびシグナル配列を含むELVISタンパク質をコ
ードする。さらに他の実施形態において、本発明の核酸分子は膜貫通ドメインを
含むELVISタンパク質をコードする。
【0023】 本発明のポリペプチド、またはその生物学的に活性な部分は、異種アミノ酸配
列と機能的に連結されて融合タンパク質を形成しうる。本発明はさらに、本発明
のポリペプチドと特異的に結合する抗体、例えばモノクローナル抗体またはポリ
クローナル抗体を特徴とする。さらに、本発明のポリペプチドまたはその生物学
的に活性な部分は、場合により薬学的に許容される担体を含有していてもよい医
薬組成物中に含めることができる。
【0024】 他の態様において、本発明は、生物学的サンプル中の本発明のポリペプチドの
活性または発現の存在を検出する方法を提供する。該方法は、生物学的サンプル
と、活性の指示物質を検出することができる薬剤とを接触させて、生物学的サン
プル中で活性の存在を検出することにより行う。
【0025】 他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドの活性をモジュレートす
る方法を提供する。該方法には、細胞と、本発明のポリペプチドの活性または発
現をモジュレート(抑制または促進)する薬剤とを接触させて、該細胞における
活性または発現がモジュレートされるようにすることが含まれる。一実施形態に
おいて、該薬剤は本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体である。
【0026】 他の実施形態において、上記薬剤は、本発明のポリペプチドをコードするmRNA
の転写、スプライシングまたは翻訳をモジュレートすることにより、本発明のポ
リペプチドの発現をモジュレートする。さらに他の実施形態において、上記薬剤
は、本発明のポリペプチドをコードするmRNAのコード鎖に対しアンチセンスであ
るヌクレオチド配列を有する核酸分子である。
【0027】 また本発明は、本発明のポリペプチドの異常活性または本発明の核酸の異常発
現を特徴とする疾患に罹患した被験体の治療方法を提供する。該方法は、本発明
のポリペプチドの活性のモジュレーターまたは本発明の核酸の発現のモジュレー
ターである薬剤を該被験体に投与することにより行う。一実施形態において、該
モジュレーターは本発明のタンパク質である。他の実施形態において、該モジュ
レーターは本発明の核酸である。他の実施形態において、該モジュレーターは、
ペプチド、ペプチド擬似体、または他の小分子である。
【0028】 また本発明は、以下の(i)〜(iii)のうち少なくとも1つを特徴とする遺伝
子損傷または突然変異の有無を同定するための診断アッセイを提供する。すなわ
ち、野生型の遺伝子が本発明のポリペプチドの活性を有するタンパク質をコード
する場合の、(i)本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の異常な改変また
は突然変異、(ii)本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の誤調節、および
(iii)本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の異常な翻訳後修飾、である
【0029】 他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドに結合する化合物または
本発明のポリペプチドの活性をモジュレートする化合物の同定方法を提供する。
一般的にかかる方法は、被験化合物の存在下または不在下で該ポリペプチドの生
物学的活性を測定し、該ポリペプチドの活性を変更する化合物を同定することを
必要とする。
【0030】 また本発明は、本発明のポリペプチドまたは核酸の発現をモジュレートする化
合物の同定方法を特徴とする。該方法は、該化合物の存在下および不在下で該ポ
リペプチドまたは核酸の発現を測定することにより行う。
【0031】 本発明の他の特徴および利点は、以下に記載する詳細な説明および本明細書に
記載の特許請求の範囲から明らかだろう。
【0032】詳細な説明 本発明は、少なくとも部分的には、本明細書において皮膚タンパク質の上皮増
殖因子様変異体と称する、トランスフォーミング増殖因子αおよび上皮増殖因子
に対し有意な同一性を有するタンパク質の新規なファミリー(「ELVIS」ファミ
リーもしくは「ELVIS」タンパク質)をコードするcDNA分子の発見に基づいてい
る。本明細書においては、ELVIS-1(配列番号1)、ELVIS-2(配列番号4)およ
びELVIS-3(配列番号7)核酸分子、ならびに該核酸分子がコードする対応のポ
リペプチド(それぞれ配列番号2、配列番号5および配列番号8)を記載する。
【0033】 ELVISタンパク質および核酸分子は、ある種の保存されている構造的特徴およ
び機能的特徴を有する分子のファミリーから成る。本明細書で使用する「ファミ
リー」という用語は、共通の構造ドメインを有し、かつ本明細書で定義するよう
にアミノ酸またはヌクレオチド配列の十分な同一性を有する2つ以上のタンパク
質または核酸分子を意味するものとする。ファミリーメンバーは、同種または異
種のいずれの由来のものであってもよい。例えば、1つのファミリーは、ヒト起
源の2つ以上のタンパク質を含んでもよいし、ヒト起源の1つ以上のタンパク質
と非ヒト起源の1つ以上のタンパク質を含んでもよい。また同じファミリーのメ
ンバーは共通の構造ドメインを有しうる。
【0034】 例えば、本発明のELVISタンパク質に対し有意な配列同一性を有するEGF/TGF-
αファミリーは、保存されているシステイン残基パターンを含むマイトジェンの
ファミリーである。本明細書で使用する場合、保存されているシステイン残基と
は、ELVISファミリーメンバー(および/またはEGF/TGF-αファミリーメンバー
)内で保持されているシステイン残基を意味する。このシステインパターンは、
本明細書において上皮増殖因子(EGF)ドメインという。これらのシステイン残
基は、タンパク質の構造的完全性(integrity)に影響を及ぼす可能性のあるジ
スルフィド結合を形成する。従って、EGFドメインを有するELVISタンパク質は本
発明の範囲内に包含される。本明細書で使用するEGFドメインとは、約25〜50、
好ましくは約30〜45、30〜40、より好ましくは約35、36〜40アミノ酸長のアミノ
酸配列を指す。EGFドメインはさらに、少なくとも約2〜10、好ましくは3〜9
、4〜8、または6〜7個の保存システイン残基を含有する。ELVIS-1のEGFドメ
インは、配列番号2(配列番号15)の大体アミノ酸60からアミノ酸95付近まで
伸びている;ELVIS-2のEGFドメインは、配列番号5(配列番号16)のアミノ酸
51からアミノ酸87付近まで伸びている;ELVIS-3のEGFドメインは、配列番号8(
配列番号17)のアミノ酸51からアミノ酸86付近まで伸びている。TGF-αのアミ
ノ酸配列とELVIS-1、ELVIS-2およびELVIS-3のアミノ酸配列とのアライメントを
とることにより、保存システイン残基を見出しうる。例えば、ヒトTGF-α(配列
番号13)のアミノ酸47には保存システイン残基が存在し、これはELVIS-1(配
列番号2)のアミノ酸60、ELVIS-2(配列番号5)のアミノ酸51、およびELVIS-3
(配列番号8)のアミノ酸51に位置するシステイン残基に対応するものであり;
ヒトTGF-α(配列番号13)のアミノ酸55には保存システイン残基が存在し、こ
れはELVIS-1(配列番号2)のアミノ酸68、ELVIS-2(配列番号5)のアミノ酸59
、およびELVIS-3(配列番号8)のアミノ酸59に位置するシステイン残基に対応
するものであり;ヒトTGF-α(配列番号13)のアミノ酸60には保存システイン
残基が存在し、これはELVIS-1(配列番号2)のアミノ酸73、ELVIS-2(配列番号
5)のアミノ酸64、およびELVIS-3(配列番号8)のアミノ酸64に位置するシス
テイン残基に対応するものであり;ヒトTGF-α(配列番号13)のアミノ酸71に
は保存システイン残基が存在し、これはELVIS-1(配列番号2)のアミノ酸84、E
LVIS-2(配列番号5)のアミノ酸75、およびELVIS-3(配列番号8)のアミノ酸7
5に位置するシステイン残基に対応するものであり;ヒトTGF-α(配列番号13
)のアミノ酸73には保存システイン残基が存在し、これはELVIS-1(配列番号2
)のアミノ酸86、ELVIS-2(配列番号5)のアミノ酸77、およびELVIS-3(配列番
号8)のアミノ酸77に位置するシステイン残基に対応するものであり;ならびに
/または、ヒトTGF-α(配列番号13)のアミノ酸82には保存システイン残基が
存在し、これはELVIS-1(配列番号2)のアミノ酸95、ELVIS-2(配列番号5)の
アミノ酸87、およびELVIS-3(配列番号8)のアミノ酸86に位置するシステイン
残基に対応するものである。
【0035】 また、シグナル配列を有するELVISタンパク質もまた本発明の範囲内に包含さ
れる。本明細書で使用する「シグナル配列」は、少なくとも約20アミノ酸残基長
のペプチドを含み、これは分泌性および膜結合タンパク質のN末端に存在し、そ
して少なくとも約70%の疎水性アミノ酸残基(例えば、アラニン、ロイシン、イ
ソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、チロシン、トリプトファンまたはバ
リン)を含有する。好ましい実施形態において、シグナル配列は、少なくとも約
15〜25個のアミノ酸残基、好ましくは約18〜22個のアミノ酸残基を含有し、かつ
少なくとも約60〜80%、より好ましくは65〜75%、よりさらに好ましくは少なく
とも約70%の疎水性残基を有するものである。シグナル配列は、かかる配列を含
有するタンパク質を脂質二重層に導く役割を果たす。それゆえ一実施形態におい
て、ELVISタンパク質は、配列番号2、配列番号5または配列番号8のアミノ酸
1〜20付近のシグナル配列を含有する。シグナル配列は成熟タンパク質のプロセ
シングの間に切断される。
【0036】 また本発明は、膜貫通ドメインを有するELVISタンパク質を包含する。本明細
書で使用する「膜貫通ドメイン」とは、少なくとも約20〜25アミノ酸残基長を有
し、少なくとも約65〜70%の疎水性アミノ酸残基(例えば、アラニン、ロイシン
、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、チロシン、トリプトファンまた
はバリン)を含有するアミノ酸配列を意味する。好ましい実施形態において、膜
貫通ドメインは、少なくとも約15〜30個のアミノ酸残基、好ましくは約20〜25個
のアミノ酸残基を含有し、かつ少なくとも約60〜80%、より好ましくは65〜75%
、よりさらに好ましくは少なくとも約70%の疎水性残基を有するものである。膜
貫通ドメインの一例としては、配列番号2のアミノ酸111〜133付近が挙げられる
【0037】 一実施形態において、本発明のELVISタンパク質はEGFドメインとシグナル配列
を含有し、分泌タンパク質である。他の実施形態において、本発明のELVISタン
パク質は、EGFドメインと膜貫通ドメインを含有し、膜結合タンパク質である。
さらに他の実施形態において、本発明のELVISタンパク質は、EGFドメイン、シグ
ナル配列および膜貫通ドメインを含有する。
【0038】 ヒトELVIS-1、ELVIS-2およびELVIS-3の種々の特徴を以下に概説する。
【0039】ヒトELVIS-1 ヒトELVIS-1をコードするcDNAを、ヒトケラチノサイトライブラリーをスクリ
ーニングして同定した。簡潔に言うと、cDNAライブラリーを、ヒトケラチノサイ
トライブラリーから抽出したRNAから調製したcDNAを用いて調製し、方向性でク
ローン化した。続いてESTを5’末端から作製した。クローンを、BlastXスクリー
ニングにより決定されたTGF-αに対する相同性に基づき選択した。
【0040】 ヒトELVIS-1を含む、かかるクローンの1つを同定した。ELVIS-1は、1858ヌク
レオチドのcDNA(図1;配列番号1)を含む。このcDNAのオープンリーディングフ
レームであるヌクレオチド31〜492(配列番号3)は、154アミノ酸の推定膜タンパ
ク質をコードする(図1;配列番号2)。
【0041】 シグナルペプチド予測プログラムであるSIGNALP(Nielsenら、(1997) Protein
Engineering 10:1-6)により、ヒトELVIS-1は、成熟ELVIS-1タンパク質(配列番号
2の、およそアミノ酸21〜154に対応;配列番号18)に先行する20アミノ酸のシ
グナルペプチド(配列番号2のアミノ酸1〜およそアミノ酸20)を含むことが予測
された。ヒトELVIS-1は、細胞外ドメイン(配列番号2のアミノ酸21〜110;配列
番号12)、膜貫通(TM)ドメイン(配列番号2のアミノ酸111〜133;配列番号11
)、および細胞質ドメイン(配列番号2のアミノ酸134〜154;配列番号10)を有
する。
【0042】 ヒトELVIS-1の細胞外領域はEGF-ドメイン(配列番号2のおよそアミノ酸60〜95
;配列番号15)を含む。
【0043】 このヒトELVIS-1をコードするクローンであるEpjthkt074e01は、American Typ
e Culture Collection(ATCC, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 2011
0-2209)に1998年11月11日に寄託され、受託番号98981が付与された。この寄託は
特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の条項の下に維
持される。この寄託は当業者の便宜のためのみになされたものであり、米国特許
法第112条の要件を満たすために寄託したことを意味するものではない。
【0044】 図2は、ヒトELVIS-1のハイドロパシープロットを示す。相対的に疎水性であ
る残基が水平方向の線の上側にあり、相対的に親水性である残基は水平方向の線
の下側にある。このハイドロパシープロットに示されるように、プロットの開始
部分の疎水性領域(配列番号2のアミノ酸1〜20に相当)がELVIS-1のシグナル
配列である。さらに、プロットの中央部分の疎水性領域(配列番号2のアミノ酸
111〜133に相当)がELVIS-1の膜貫通ドメインである。システイン残基(cys)およ
び潜在的N-グリコシル化部位(Ngly)を、ハイドロパシートレースの直下に短い縦
線で示す。
【0045】 ヒトELVIS-1(配列番号2)のアミノ酸配列を用いて、ヒトELVIS-1に対する相同
性を有するタンパク質を同定するために、公開されているデータベースを検索し
た(BLASTP;Altschulら、(1990) J. Mol. Biol. 215:403-410を用いた)。この分
析により、ヒトELVIS-1は多様な種のTGF-α(例えば、マウス、ラット、ブタ、ヒ
ツジのTGF-α)に対して相当の相同性を有していることが判明した。図7は、ヒ
トELVIS-1、および24.4%の配列同一性を有するヒトTGF-α(配列番号13)のア
ミノ酸配列のアライメントを示す。
【0046】ヒトELVIS-2 ヒトELVIS-1およびTGF-αに対して有意の相同性を有する、さらなるクローン
2種を上述のスクリーニング方法により同定した。これらのクローンの双方を配
列決定したところ、ELVIS-1のスプライス変異体であると判明した。本明細書で
は、第1の変異体をELVIS-2と称する。ヒトELVIS-2 cDNA(図3;配列番号4)は
、103アミノ酸の推定分泌タンパク質(図3;配列番号5)をコードするオープン
リーディングフレーム(配列番号4のヌクレオチド15〜323;配列番号6)を含む
。シグナルペプチド予測プログラムであるSIGNALP(Nielsenら、(1997) Protein
Engineering 10:1-6)により、ヒトELVIS-2は、成熟タンパク質(配列番号5の、
およそアミノ酸21〜103に対応;配列番号19)に先行する20アミノ酸のシグナル
ペプチド(配列番号5のアミノ酸1〜およそアミノ酸20)を含むことが予測された
。またヒトELVIS-1は、EGFドメインも有していた(配列番号5の、およそアミノ
酸51〜87;配列番号16)。
【0047】 ヒトELVIS-2をコードするクローンjthkt037e06は、American Type Culture Co
llection(ATCC, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209)に199
8年11月11日に寄託され、受託番号98982が付与された。この寄託は特許手続上の
微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の条項の下に維持される。こ
の寄託は当業者の便宜のためのみになされたものであり、米国特許法第112条の
要件を満たすために寄託したことを意味するものではない。
【0048】 図4は、スプライス変異体ELVIS-2のハイドロパシープロットを示す。相対的
に疎水性である残基が水平方向の線の上側にあり、相対的に親水性である残基は
水平方向の線の下側にある。このハイドロパシープロットに示されるように、プ
ロットの開始部分の疎水性領域(配列番号5のアミノ酸1〜20に相当)がELVIS-
2のシグナル配列である。システイン残基(cys)および潜在的N-グリコシル化部位
(Ngly)を、ハイドロパシートレースの直下に短い縦線で示す。
【0049】ヒトELVIS-3 ヒトELVIS-1およびTGF-αに対して有意の相同性を有する第2のクローンはヒ
トELVIS-1のスプライス変異体であり、本明細書ではELVIS-3と称する。ヒトELVI
S-3 cDNA(図5;配列番号7)は、94アミノ酸の推定分泌タンパク質(図3;配列
番号8)をコードするオープンリーディングフレーム(配列番号7のヌクレオチド
12〜294;配列番号9)を含む。シグナルペプチド予測プログラムであるSIGNALP(
Nielsenら、(1997) Protein Engineering 10:1-6)により、ヒトELVIS-3は、成熟
タンパク質(配列番号8の、およそアミノ酸21〜94に対応;配列番号20)に先行
する20アミノ酸のシグナルペプチド(配列番号8のアミノ酸1〜およそアミノ酸2
0)を含むことが予測された。
【0050】 またヒトELVIS-3は、EGFドメインも含む(配列番号8の、およそアミノ酸51〜8
6;配列番号17)。
【0051】 ヒトELVIS-3をコードするクローンjthkf064b08は、American Type Culture Co
llection(ATCC, 10801 University Boulevard, Manassas, VA 20110-2209)に199
8年11月11日に寄託され、受託番号98983が付与された。この寄託は特許手続上の
微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の条項の下に維持される。こ
の寄託は当業者の便宜のためのみになされたものであり、米国特許法第112条の
要件を満たすために寄託したことを意味するものではない。
【0052】 図6は、スプライス変異体ELVIS-3のハイドロパシープロットを示す。相対的
に疎水性である残基が水平方向の線の上側にあり、相対的に親水性である残基は
水平方向の線の下側にある。このハイドロパシープロットに示されるように、プ
ロットの開始部分の疎水性領域(配列番号8のアミノ酸1〜20に相当)がELVIS-
3のシグナル配列である。システイン残基(cys)および潜在的N-グリコシル化部位
(Ngly)を、ハイドロパシートレースの直下に短い縦線で示す。
【0053】 上記のELVIS-3 cDNAのさらなる配列分析により、図9に示されるcDNA配列が提
供された(配列番号21)。
【0054】ELVIS-1、ELVIS-2およびELVIS-3の比較 ヒトELVIS-1(配列番号2)、ELVIS-2(配列番号5)およびELVIS-3(配列番号8)
のアミノ酸配列のアライメントを図8に示す。このアライメントはMEGALIGNプロ
グラムの一部であるClustalアルゴリズムを用いて行った。マルチプルアライメ
ントのパラメーターは下記の通りである:PAM250スコアリングマトリックス;
ギャップペナルティー=10;ギャップ長ペナルティー=0.05。ELVIS-1はELVIS-2
に対して67%、ELVIS-2に対して61%同一性であり、一方ELVIS-2とELVIS-3では9
1.3%同一性であった。
【0055】 このアライメントは、ELVIS-1は、配列番号2のアミノ酸1〜20からのシグナ
ル配列を有するが、これはELVIS-2のシグナル配列(配列番号5のアミノ酸1〜20
)およびELVIS-3のシグナル配列(配列番号8のアミノ酸1〜20)と同一であること
を示している。さらに、このアライメントは、ELVIS-1は細胞外ドメイン、膜貫
通ドメインおよび細胞質ドメインを有する一方で、ELVIS-2およびELVIS-3はどち
らも、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを欠失していることを示す。このよ
うに、ELVIS-2およびELVIS-3は、それ自体は膜結合タンパク質であるELVIS-1の
、完全に分泌された形態であるという結論が導かれる。
【0056】ELVISに対する抗体 下記のペプチドを用いて、標準的な技法によりウサギにおいてポリクローナル
抗体を作製した:LCLEDHNSYCING(配列番号22)、GYTGERCEHLTLT(配列番号23)
およびLKSPYNVCSGERRPL(配列番号24)。
【0057】ELVIS-1の発現により繊維芽細胞の増殖速度が増大する ELVIS-1またはELVIS-2を発現可能であるレトロウイルス発現ベクターを、MSCV
puroレトロウイルスベクターを用いて作製した。得られたELVIS-1およびELVIS-2
レトロウイルス発現ベクターを用いてNIH3T3繊維芽細胞に感染させるためのレト
ロウイルスを作製し、ELVIS-1発現繊維芽細胞およびELVIS-2発現繊維芽細胞を創
出した。感染細胞は、ピューロマイシン選択条件下で8日間増殖させた。ELVIS-
1発現繊維芽細胞、ELVIS-2発現繊維芽細胞および対照繊維芽細胞の増殖速度を、
以下のようにチミジン取込により測定した。細胞を様々な濃度で、96ウェルプレ
ート中で平板培養した。24時間後に、1μCのH3-チミジンを各ウェルに添加し
た。標識の6時間後、細胞を回収し、H3-チミジン取込のレベルを測定した。
【0058】 この分析により、ELVIS-1発現繊維芽細胞は、対照繊維芽細胞の2倍の速さで
増殖することが判明した。
【0059】ELVIS-2はケラチノサイトの増殖および分化を刺激する ケラチノサイトの増殖および分化に対するELVIS-2の作用を、以下のように測
定した。第1の実験においては、約50,000個のヒト胎児ケラチノサイト(株YF29)
を、TGF-αと組換えELVIS-2との様々な組合せを有するcFAD培地中で、放射線照
射したNIH3T3細胞上で平板培養した。細胞を3日毎に供給した。10日目に細胞を
ホルムアルデヒド中で固定し、ローダミンBで染色して観察した。ELVIS-2の存在
下で培養した細胞は、プレート上に広がって増殖するというよりも、上皮層に重
なっていた。100ng/mLのELVIS-2の存在下で培養した細胞は、細胞の盛り上がっ
た「ふくれ(ブリスター)」を形成した。第2の実験においては、約20個のヒト胎
児ケラチノサイト(株YF29)を、cFAD培地中で、放射線照射したNIH3T3細胞上で平
板培養した。6日後、TGF-αおよび/またはELVIS-2を培地に添加した。細胞を4
日毎に供給した。16日目に、細胞をホルムアルデヒド中で固定し、ローダミンB
で染色して観察した。この実験により、TGF-αの存在下および不在下の両方で、
ELVIS-2への曝露により細胞培養物中の「ブリスター」形成が誘導されることが
判明した。ELVIS-2によりブリスター形成が誘導されることは、ELVISがケラチノ
サイトの増殖および分化を刺激し得ることを示唆している。
【0060】ELVIS-2およびELVIS-3は完全に分泌されたタンパク質である 分泌分析アッセイにより、ELVIS-2およびELVIS-3の双方が培地中に分泌される
ことが判明した。
【0061】ELVISの染色体上の位置 ELVISのゲノムマッピングにより、ELVISは染色体位置4q12-13の地図上に位置
することが判明した。
【0062】ELVIS発現のノーザンブロット分析 ELVIS発現のノーザンブロット分析により、ケラチノサイトおよびHeLa細胞に
おける発現が判明した。
【0063】ELVIS発現のin situ分析 in situでのELVIS発現を、2つのプローブ(ELVISコード領域に対するプローブ
とELVISの3’UTRに対するプローブ)を用いて分析した。この分析により、ELVIS
は子宮頸部内の、層状扁平上皮で発現していることが判明した。ヒト皮膚、サル
皮膚、ヒト食道またはヒト扁桃での発現は見られなかった。
【0064】EGFのアゴニストおよびアンタゴニストとしてのELVIS ELVIS、およびELVIS発現または活性のモジュレーターは、EGFのアゴニストま
たはアンタゴニストとして作用し得る。かかる分子は、EGF受容体であるerbB2(H
ER-2)受容体、erbB3(HER-3)受容体および/またはerbB4(HER-4)受容体の活性を増
大または減少させる可能性がある。ELVIS、およびELVIS発現または活性のモジュ
レーターの、これらの受容体に対する作用は、これらの受容体の1種以上を発現
する細胞を用いて試験できる。例えば、A431細胞(ATCC CRL-1555)はEGF受容体を
過剰発現し;SKOV-3細胞(ATCC HTB-77)はerbB2を発現し;SKBR-3細胞(ATCC HTB-
30)はEGF受容体erbB2およびerbB3を発現し;そしてMDA MB-453細胞(ATCC HTB-13
1)はerbB2、erbB3およびerbB4を発現する。
【0065】 EGF、TGF-α、またはニューレグリン(neuregulin)およびELVISポリペプチド(
例えばELVIS-1の細胞外ドメイン)またはELVIS発現および活性のモジュレーター
の存在下または不在下で、標準的な培地(例えば10%ウシ胎児血清を添加したDME
M)中で細胞を増殖させる。細胞により発現された受容体の活性は、抗-ホスホチ
ロシン抗体を用いて直接的に、または標準的な細胞増殖アッセイを用いて間接的
に測定できる。例えば、MDA-MB453、SKBR-3およびSKOV-3細胞を、37℃、5%CO2 の加湿雰囲気下10% FCS添加DMEM中で80%の密度まで増殖させる。続いて細胞を
、血清を含まない培地中で16時間にわたり再度平板培養し、その後NDF(100ng/mL
)、EGF(100ng/mL)または様々な濃度のELVISに、37℃で15分間曝露する。細胞溶
解物を調製し、比較し得る量のタンパク質を10%SDS PAGEゲル上で分離する。ニ
トロセルロースへ移した後、リン酸化タンパク質の免疫的検出を、製造者の指示
通りにモノクローナル抗体4G10(Upstate Biotechnology, NY)を用い、またECL(A
mersham)を利用して行う。NDFおよびEGFはR&D Systems(Minneapolis, MN)から購
入できる。免疫沈降アッセイのために、濃度1mg/mlのerbB4、EGFR、erbB3または
erbB2に対する抗体(Santa Cruz, Ca)とともに1mgの細胞抽出物を、4℃で2時
間にわたりインキュベートする。続いてサンプルをプロテインGアガロースに4
℃で12時間にわたり結合させた後、溶解バッファー中で4回洗浄する。免疫沈降
サンプルをサンプルバッファー中に再懸濁し、5分間沸騰させたのちSDS PAGEゲ
ル上で電気泳動する。続いてゲルを上で詳述したように移し、ブロットする。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】ELVIS核酸、ポリペプチドおよびELVISアゴニストまたはアンタゴニストの使用 本発明のELVISタンパク質は、タンパク質のEGF/TGF-αファミリーのメンバー
であるTGF-αに対し有意な同一性を有するタンパク質のファミリーを含む。アン
フィレグリン(amphiregulin)、ヘパリン結合EGF(HB-EGF)およびベータセルリン(
betacellulin)を含む、EGF/TGF-αファミリーの他のメンバーが、配列類似性、
幼若化活性およびEGF受容体との相互作用能力に基づいて同定されている。ELVIS
タンパク質とTGF-αとの間の配列類似性に基づき、ELVISタンパク質はEGF/TGF-
αファミリーのメンバーと同様の様式で機能することが考えられる。かくして、
ELVISモジュレーターはいずれかのEGF/TGF-α関連障害の治療のために使用でき
る可能性がある。
【0069】 例えば、ELVISタンパク質は創傷治癒において役割を果たすことが考えられる
。in vitroでの研究により、EGFおよびTGF-αは、軟組織修復における数多くの
細胞過程に影響を及ぼし、創傷治癒のための創傷ホルモンとして分類されること
が示されている。例えば、EGFとTGF-αの双方が、皮膚繊維芽細胞の増殖を誘導
し(Buckley-Sturrockら、(1989) J. Cell. Biol. 138:70-78;Laatoら、(19987)
J. Biochem. 247:385-388)、EGFは、肉芽組織から誘導された繊維芽細胞の増殖
効果および走化性効果を発揮し、コラゲナーゼおよびヒアルロン酸合成を誘導し
(Laatoら、(1988) Acta. Chir. Scand. Suppl. 546:4-44)、またEGFはケラチノ
サイトの増殖および移動を刺激する(Barrandonら、(1987) Cell 50:1131-1137,
Chernoff (1990) Growth Factors 11:235-257)。またTGF-αは、皮膚などの自己
再生組織に大量に存在し、それにより自己再生細胞に幼若化シグナルを提供し得
る。
【0070】 またEGFに関する臨床試験でも、EGFが皮膚移植を受けた火傷の患者の治療を早
めることが示されている(Brownら、(1989) N. Engl. J. Med.321:76-79)。本発
明のELVIS核酸分子、タンパク質またはそれらのモジュレーターは、様々な細胞(
例えば創傷治癒に関連する種々の皮膚細胞)に作用することが考えられる。種々
の細胞(例えば皮膚細胞)に対するELVIS核酸分子、タンパク質またはそれらのモ
ジュレーターの作用には、増殖および移動が含まれる。ELVIS-1はケラチノサイ
トライブラリーから単離され、ケラチノサイトにおいて発現し、TGF-αと相同性
を有しているので、ケラチノサイトの増殖および/または移動に役割を果たして
いることが考えられる。従って、本発明のELVISタンパク質、核酸および/または
モジュレーターは、火傷などの創傷治癒に有用である。
【0071】 さらに、本発明のELVISタンパク質の様々な皮膚細胞に対する作用は、化粧品
にも応用し得る。例えば、ELVISタンパク質は、毛包などの皮膚細胞の増殖およ
び/または移動において役割を果たし、それ故に、発毛を調節(例えば刺激または
促進)するために有用である。従って、本発明のELVISタンパク質、核酸および/
またはモジュレーターは、脱毛の治療または望まない発毛の治療のための化粧品
としての用途を有する。
【0072】 多数の異なる癌細胞がEGF-受容体レベルの上昇を示す(Groenenら、(1994) Gro
wth Factors 11:235-257)。さらに、TGF-αは、腫瘍(肺、乳房、頭部および頸部
、前立腺、脳、肝臓、膀胱、子宮内膜、腎臓および消化管の腫瘍を含む)の増殖
および維持に関連している(Oppenheimら編、Clinical Applications of Cytokin
es: Role in Pathogenesis, Diagnosis and Therapy(Oxford University Press,
New York, NY, 1993, pp 263-265))。EGF-受容体に対するTGF-α毒素、例えばP
seudomonas菌体外毒素(PE)、ジフテリア毒素(DT)またはリシンに融合されたTGF-
αについて、癌治療のための実験的試行が開始されている。さらに、TGF-αのア
ンタゴニストは自己分泌TGF-αと競合し、従って癌の増殖を阻害し得ると考えら
れる。
【0073】 ELVIS核酸分子、タンパク質またはそれらのモジュレーターはまた、細胞増殖
を調節するので、それ故に癌などの増殖性障害を調節するのに有用である。この
ように、ELVIS核酸分子、タンパク質またはそれらのモジュレーター(抗体など
)は、上皮癌細胞(腫瘍細胞;例えば、癌化した肺、乳房、頭部および頸部、前
立腺、肝臓、脳、膀胱、子宮頸、子宮内膜、腎臓、消化管または卵巣の組織の上
皮細胞)などの癌細胞に存在する、EGF受容体(例えばEGFr、HER-2、HER-3、また
はHER-4)などの受容体を標的として、治療用成分(毒素など)と融合でき、また治
療用成分(PE、DTまたはリシンなど)と組み合わせて投与できる。さらに、ELVIS
のモジュレーター(アンタゴニストや抗体など)を、異常ELVIS発現に関連した、
例えば、癌などの増殖性障害を調節(例えば抑制または後退)するために使用し得
る。従って、ELVIS活性のモジュレーター(アンタゴニストなど)、および、毒素
のターゲッティング物質として使用するELVISタンパク質は、癌などの増殖性障
害を治療するために使用し得る。
【0074】 特に、ELVISタンパク質は様々な皮膚細胞の増殖および移動において役割を果
たし得る。従って、異常ELVIS発現および/またはELVIS活性が、様々な皮膚増殖
障害に関与し得る。故に、ELVIS発現および/または活性のモジュレーター(ELVIS
アンタゴニストなど)は、乾癬などの皮膚増殖性障害の治療において有用である
。またELVIS発現および/または活性のモジュレーター(ELVISアンタゴニストなど
)は、接触性皮膚炎の治療において有用である。
【0075】 D4S2949の4p上の遺伝子座MHW1(603663)が、Old Order Amishの家系図において
、精神衛生の良好な健康状態(双極性情動障害が存在しない、など)と強く関連し
ていることが示されている(Ginnsら、(1998))。これらの知見は、特定の対立遺
伝子が、双極性情動障害、およびおそらくは他の関連する情動障害の臨床的発現
を防止または改変し得るという仮説と一致していた。このように、ELVIS発現ま
たは活性のモジュレーターは、双極性情動障害および他の関連する情動障害の治
療のために有用である。
【0076】 本発明の様々な態様を、以下の分節にさらに詳述する。
【0077】 I. 単離された核酸分子 本発明の1つの態様は、本発明のポリペプチドまたはその生物学的活性部分を
コードする単離された核酸分子、ならびに、本発明のポリペプチドをコードする
核酸分子および核酸分子の増幅または突然変異用のPCRプライマーとしての使用
に適した上記の核酸分子の断片を同定するためにハイブリダイゼーションプロー
ブとして使用するのに十分な核酸分子に関する。本明細書において、「核酸分子
」という用語は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)およびRNA分子(例
えば、mRNA)およびヌクレオチド類似体を用いて作成したDNAまたはRNAの類似体
を含むものとする。核酸分子は一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、好ま
しくは二本鎖DNAである。
【0078】 「単離された」核酸分子とは、その核酸分子の天然の供給源に存在する他の核
酸分子から分離された核酸分子である。好ましくは、「単離された」核酸分子は
、その核酸が由来する生物のゲノムDNAにおいて天然の状態でその核酸に隣接す
る配列(すなわち、その核酸の5'および3'末端に位置する配列)を含まない(好
ましくはタンパク質をコードする配列)。例えば、さまざまな実施形態において
、単離された核酸分子は、その核酸分子が由来する細胞のゲノムDNAにおいて天
然の状態でその核酸分子に隣接するヌクレオチド配列を、約5kB、4kB、3kB、2kB
、1kB、0.5kBまたは0.1kB未満含有する。さらに、cDNA分子のような「単離され
た」核酸分子は、組換え技術により作られた場合には他の細胞物質または培地を
実質的に含まず、あるいは化学的に合成された場合には化学的前駆物質または他
の化学物質を実質的に含まない。
【0079】 本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、4、6、7、9、またはこれらの相補
体のヌクレオチド配列を有する核酸分子は、標準的な分子生物学の技術および本
明細書に提供する配列情報を用いて単離することができる。ハイブリダイゼーシ
ョンプローブとして配列番号1、3、4、6、7または9の核酸配列の全部または一部
を用いて、本発明の核酸分子を、標準的なハイブリダイゼーションおよびクロー
ン化技術(例えば、Sambrookら編、「分子クローニング:研究室マニュアル(Mo
lecular Cloning: A Laboratory Manual)」第2版、Cold Spring Harbor Labor
atory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989
)に記載されるような)を用いて単離することができる。
【0080】 本発明の核酸分子は、鋳型としてcDNA、mRNAまたはゲノムDNAを、および適当
なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、標準的なPCR増幅技術に従って増幅
することができる。このようにして増幅された核酸を適当なベクターにクローン
化して、 DNA配列分析により解析することができる。さらに、本発明の核酸分子
の全部または一部に相当するオリゴヌクレオチドを、標準的な合成技術によって
、例えば、自動DNA合成機を用いて、調製することができる。
【0081】 別の好ましい実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1
、3、4、6、7または9のヌクレオチド配列の相補体またはその一部である核酸分
子からなる。所定のヌクレオチド配列に相補的である核酸分子とは、その所定の
ヌクレオチド配列にハイブリダイズすることによって安定な二本鎖を形成するこ
とができる程度に、そのヌクレオチド配列に対して十分に相補的である核酸分子
である。
【0082】 さらに、本発明の核酸分子は、本発明のポリペプチドの全長をコードする核酸
配列の一部(例えば、プローブまたはプライマーとして用いることができる断片
または本発明のポリペプチドの生物学的活性部分をコードする断片)のみからな
っていてよい。クローン化した1つの遺伝子から決定されたヌクレオチド配列に
よって、他の細胞型(例えば、他の組織に由来する)における相同体、および他
の哺乳類に由来する相同体の同定および/またはクローン化に使用するために設
計されたプローブおよびプライマーを作成することが可能になる。典型的には、
このプローブ/プライマーは実質的に精製されたオリゴヌクレオチドからなる。
典型的には、このオリゴヌクレオチドは、配列番号1、3、4、6、7または9のセン
スまたはアンチセンス配列の、または配列番号1、3、4、6、7または9の天然に存
在する突然変異体の、少なくとも約12、好ましくは約25、より好ましくは約50、
75、100、125、150、175、200、250、300、350または400の連続的なヌクレオチ
ドにストリンジェントな条件下にてハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域
からなる。
【0083】 本発明の核酸分子の配列に基づくプローブは、選択された核酸分子によりコー
ドされる同様のタンパク質分子をコードする転写産物またはゲノム配列を検出す
るために用いることができる。このプローブはそれに付着したラベル基、例えば
、放射性同位元素、蛍光性化合物、酵素、または酵素の補因子からなる。このよ
うなプローブは、被験者の細胞サンプル中の上記タンパク質をコードする核酸分
子のレベルを測定することなど(例えば、mRNAレベルを検出すること、または上
記タンパク質をコードする遺伝子が突然変異または欠失しているどうかを決定す
ることによる)による、タンパク質を誤発現する細胞または組織を同定するため
の診断用試験キットの一部として用いることができる。
【0084】 本発明のポリペプチドの「生物学的活性部分」をコードする核酸断片は、配列
番号3、6または9のいずれかの1つの一部を単離し、ポリペプチドタンパク質をコ
ードする部分を発現し(例えば、in vitroの組換え発現によって)、ポリペプチ
ドをコードする部分の活性を測定することにより調製できる。
【0085】 本発明はさらに、遺伝子コードの縮重のために配列番号1、3、4、6、7または9
のヌクレオチド配列と異なるが、配列番号3、6または9のヌクレオチド配列によ
りコードされるものと同様のタンパク質をコードする核酸分子を含む。
【0086】 配列番号3、6および9のヌクレオチド配列に加えて、アミノ酸配列の変化をも
たらすDNA配列の多型性が集団(例えば、ヒトの集団)内に存在することは当業
者の認めるところであろう。このような遺伝子の多型性は、天然の対立遺伝子変
異のために集団内の個体の間に存在する。対立遺伝子は、所定の遺伝子座に代替
的に生じる遺伝子の群の1つである。本明細書において、「対立遺伝子変異体」
という用語は、所定の遺伝子座に生じるヌクレオチド配列またはこのヌクレオチ
ド配列によりコードされるポリペプチドを指す。本明細書において、「遺伝子」
および「組換え遺伝子」という用語は、本発明のポリペプチドをコードするオー
プンリーディングフレームからなる核酸分子を指す。このような天然の対立遺伝
子変異は、典型的には所定の遺伝子のヌクレオチド配列に1-5%の変異をもたらす
。代替対立遺伝子は、数多くの異なる個体における目的の遺伝子を配列決定する
ことにより同定することができる。これは、さまざまな個体における同一の遺伝
子座を同定するためのハイブリダイゼーションプローブを用いることにより容易
に実施できる。天然の対立遺伝子変異の結果であり、機能的活性を変化させない
、このようなヌクレオチド変異およびその結果としてのアミノ酸の多型性または
変異はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【0087】 さらに、本明細書に記載されたヒトタンパク質のヌクレオチド配列とは異なる
ヌクレオチド配列を有する、他の種に由来する本発明のタンパク質をコードする
核酸分子(相同体)も本発明の範囲に含まれるものとする。本発明のcDNAの天然
の対立遺伝子変異体および相同体に相当する核酸分子は、ストリンジェントなハ
イブリダイゼーション条件下にて、標準的なハイブリダイゼーション技術に従い
、ハイブリダイゼーションプローブとしてヒトcDNAまたはその一部を用いて、本
明細書に開示されたヒト核酸分子に対するそれらの同一性に基づいて単離するこ
とができる。例えば、本発明の膜結合性タンパク質の可溶性型をコードするcDNA
は、該膜結合型の全部または一部をコードする核酸分子へのそのハイブリダイゼ
ーションに基づいて単離された。同様にして、膜結合型をコードするcDNAは、可
溶性型の全部または一部をコードする核酸分子へのそのハイブリダイゼーション
に基づいて単離することができる。
【0088】 従って、別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は少なくとも長
さ300(325、350、375、400、425、450、500、550、600、650、700、800、900、
1000または1290)のヌクレオチドであり、ストリンジェントな条件下にて、ヌク
レオチド配列、好ましくは配列番号1、3、4、6、7または9のコード配列またはそ
れらの相補体からなる核酸分子にハイブリダイズする。
【0089】 本明細書において、「ストリンジェントな条件下にてハイブリダイズする」と
いう用語は、典型的には、互いに少なくとも60%(65%、70%、好ましくは75%)同
一であるヌクレオチド配列が互いにハイブリダイズされたままになるようなハイ
ブリダイゼーションおよび洗浄の条件の記載を意図する。このようなストリンジ
ェントな条件は当業者に公知であり、「分子生物学における最新のプロトコール
(Current Protocols in Molecular Biology)」、John Wiley & Sons, N.Y. (1
989), 6.3.1-6.3.6に記載されている。ストリンジェントなハイブリダイゼーシ
ョン条件の好ましい例は、約45℃の6X塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)
中でのハイブリダイゼーションの後、50-65℃の0.2X SSC、0.1%SDS中で1回以上
洗浄するものであるが、これに限定されない。好ましくは、ストリンジェントな
条件下にて配列番号1、3、4、6、7または9の配列またはそれらの相補体とハイブ
リダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に相当す
る。本明細書において、「天然に存在する」核酸分子とは、天然に存在するヌク
レオチド配列(例えば、天然のタンパク質をコードする)を有するRNAまたはDNA
分子を指す。
【0090】 集団中に存在し得る、本発明の配列の核酸分子の天然に存在する対立遺伝子変
異体に加えて、当業者はさらに、突然変異によって変化が導入されることにより
、コードされたタンパク質のアミノ酸配列を、タンパク質の生物学的活性を変更
することなく変化させることができることを認めるであろう。例えば、「不可欠
でない」アミノ酸残基にアミノ酸置換をもたらすようなヌクレオチド置換をおこ
なうことができる。「不可欠でない」アミノ酸残基は、野生型の配列から生物学
的活性を変更することなく変えることができる残基であるのに対して、「不可欠
な」アミノ酸残基は生物学的活性に必要である。例えば、さまざまな種の相同体
の間で保存されないまたは部分的に保存されるのみのアミノ酸残基は活性には不
可欠でないと思われるので変更の標的となるであろう。あるいは、さまざまな種
(例えば、マウスとヒト)の相同体の間で保存されるアミノ酸残基は、活性に不
可欠であると思われるので、変更の標的と成り得ないだろう。
【0091】 従って、本発明の別の態様は、活性に不可欠でないアミノ酸残基に変化を有す
る本発明のポリペプチドをコードする核酸分子に関する。このようなポリペプチ
ドは、配列番号2、5または8とアミノ酸配列が異なるが、まだ生物学的活性は保
持している。1つの実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号2、5ま
たは8のアミノ酸配列と少なくとも約45%同一である、または、65%、75%、85%、9
5%または98%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチ
ド配列を含む。
【0092】 変異体タンパク質をコードする単離された核酸分子は、コードされたタンパク
質に1以上のアミノ酸置換、付加または欠失を導入するように、配列番号1、3、
4、6、7または9のヌクレオチド配列に1以上のヌクレオチド置換、付加または欠
失を導入することにより作成することができる。突然変異は、部位特異的突然変
異およびPCR仲介突然変異誘発のような、標準的な技術により導入することがで
きる。好ましくは、保存的アミノ酸置換は、1以上の推定される不可欠でないア
ミノ酸残基において行う。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側
鎖を有するアミノ酸残基と置き換わるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸
残基の系統は当業界で明確である。これらの系統には、塩基性の側鎖を有するア
ミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性の側鎖を有するアミ
ノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、荷電しない極性の側鎖を有す
るアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニ
ン、チロシン、システイン)、無極性の側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニ
ン、トリプトファン)、β-分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、
バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン
、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)がある。あるいは、突然変
異は、例えば飽和突然変異誘発によってコード配列の全部または一部にランダム
に導入してもよく、得られた突然変異体を生物学的活性についてスクリーニング
して活性を保持している突然変異体を同定する。突然変異誘発の後、コードされ
たタンパク質を組換えにより発現してタンパク質の活性を測定することができる
【0093】 好ましい実施形態において、本発明のポリペプチドの変異体である突然変異体
ポリペプチドは、(1)本発明のポリペプチドの、シグナル経路におけるタンパク
質と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力;(2)本発明のポリペプ
チドのリガンドに結合する能力;(3)本発明のポリペプチドの細胞内標的タンパ
ク質に結合する能力についてアッセイすることができる。さらに別の好ましい実
施形態において、突然変異体ポリペプチドは、細胞増殖、細胞移動または走化性
、または細胞分化をモジュレートする能力についてアッセイすることができる。
【0094】 本発明はアンチセンス核酸分子、すなわち本発明のポリペプチドをコードする
センス核酸と相補的な分子(例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に相補的な分子
またはmRNA配列に相補的な分子)を包含する。従って、アンチセンス核酸は、セ
ンス核酸に水素結合することができる。アンチセンス核酸はコード鎖全体に対し
て相補的であっても、その一部のみに対して相補的であってもよい。例えば、ア
ンチセンス核酸はタンパク質コード領域(またはオープンリーディングフレーム
)の全部または一部に対して相補的であってよい。アンチセンス核酸分子は、本
発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のコード鎖の非コード領域の
全部または一部に対してアンチセンスであってよい。非コード領域(「5'および
3'の非翻訳領域」)は、コード領域に隣接する5'および3'配列であって、アミノ
酸に翻訳されない。
【0095】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さ約5、10、15、20、25、30
、35、40、45または50のヌクレオチドであってよい。本発明のアンチセンス核酸
は、当業者に公知の方法を用いた化学合成および酵素的連結反応によって構築す
ることができる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌク
レオチド)は、天然に存在するヌクレオチドを用いて、または分子の生物学的安
定性を増すように、またはアンチセンスとセンス核酸の間で形成される二本鎖の
物理的安定性を増すように設計されたさまざまに修飾されたヌクレオチドを用い
て化学合成することができる。例えば、ホスホロチオ酸誘導体およびアクリジン
置換ヌクレオチドを用いることができる。アンチセンス核酸を作成するために用
いることができる修飾されたヌクレオチドの例としては、5-フルオロウラシル、
5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キ
サンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル
、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミ
ノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルケオシン(galactosy
lqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メ
チルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、
3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メ
チルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マ
ンノシルケオシン(mannosylqueosine)、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル
、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5
-オキシ酢酸(v)、ウィブトキソシン(wybutoxosine)、プソイドウラシル、ケオシ
ン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4
-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウ
ラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カル
ボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリンがある。ある
いは、アンチセンス核酸は、核酸をアンチセンスの配向で(すなわち、インサー
トされた核酸から転写されたRNAは目的の標的核酸に対してアンチセンスの配向
になる。さらに下節に記載する)サブクローニングした発現ベクターを用いて生
物学的に生産することができる。
【0096】 本発明のアンチセンス核酸分子は、典型的には被験者に投与されるか、または
、in situで作成し、それらが本発明の選択されたポリペプチドをコードする細
胞mRNAおよび/またはゲノムDNAにハイブリダイズまたは結合することにより、例
えば、転写および/または翻訳を阻害することによって、発現を阻害する。ハイ
ブリダイゼーションは、安定な二本鎖を形成する通常のヌクレオチド相補性によ
るものであるか、または、例えば、DNA二本鎖に結合するアンチセンス核酸分子
の場合は、二重らせんの主な溝における特異的な相互作用によるものである。本
発明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位への直接注入が
ある。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的とするように
修飾された後、全身投与することもできる。一例として、全身投与用に、アンチ
センス分子を、例えば、アンチセンス核酸分子を細胞表面の受容体または抗原に
結合するようなペプチドまたは抗体に連結することにより、選択された細胞表面
に発現した受容体または抗原に特異的に結合するように修飾することができる。
アンチセンス核酸分子はまた本明細書に記載されるベクターを用いて細胞に輸送
することもできる。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、そ
の中でアンチセンス核酸分子が強力なpol IIまたはpol IIIプロモーターの制御
下に置かれるようなベクター構築物が好ましい。
【0097】 本発明のアンチセンス核酸分子はα-アノマー核酸分子であってよい。α-アノ
マー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成し、そこでは
、通常のβ-ユニットと反対に、鎖は互いに平行に並ぶ(Gaultierら、(1987) Nuc
leic Acids Res. 15:6625-6641)。アンチセンス核酸分子はまた2'-o-メチルリボ
ヌクレオチド(Inoueら、(1987) Nucleic Acids Res. 15:6131-6148)またはキメ
ラRNA-DNA類似体(Inoueら、(1987) FEBS Lett. 215:327-330)からなってもよい
【0098】 本発明はまた、リボザイムを包含する。リボザイムは、それらが相補的な領域
を有する一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断することができるリボヌクレアーゼ
活性を有する触媒RNA分子である。このように、リボザイム(例えば、ハンマー
ヘッドリボザイム(HaselhoffおよびGerlach (1988) Nature 334:585-591に記載
されている))は、mRNA転写産物を触媒的に切断することにより、mRNAにコード
されるタンパク質の翻訳を阻害するために用いることができる。本発明のポリペ
プチドをコードする核酸分子に特異性を有するリボザイムを、本明細書に開示さ
れるcDNAのヌクレオチド配列に基づいて設計することができる。例えば、 Cech
ら、米国特許第4,987,071号およびCechら、米国特許第5,116,742号において、活
性部位のヌクレオチド配列が切断されるべきヌクレオチド配列と相補的であるよ
うなテトラヒメナ(Tetrahymena)L-19 IVS RNAの誘導体を構築することができ
る。あるいは、本発明のポリペプチドをコードするmRNAを、RNA分子のプールか
ら特異的なリボヌクレアーゼ活性を有する触媒RNAを選択するために用いること
ができる。例えば、BartelおよびSzostak (1993) Science 261:1411-1418を参照
されたい。
【0099】 本発明はまた、三重らせん構造を形成する核酸分子をも包含する。例えば、本
発明のポリペプチドの発現は、ポリペプチドをコードする遺伝子の調節領域(例
えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列
を標的として、標的細胞における遺伝子の転写を妨げるような三重らせん構造を
形成することにより阻害することができる。一般的に、Helene (1991) Anticanc
er Drug Des. 6(6):569-84; Helene (1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 660:27-36;
および、Maher (1992) Bioassays 14(12):807-15を参照されたい。
【0100】 さまざまな実施形態において、本発明の核酸分子は、例えば、分子の安定性、
ハイブリダイゼーション、または溶解度を改善するために、塩基部分、糖部分ま
たはリン酸骨格を修飾することができる。例えば、核酸のデオキシリボースリン
酸骨格を、ペプチド核酸を作成するように修飾することができる(Hyrupら、(19
96) Bioorganic & Medicinal Chemistry 4(1):5-23を参照されたい)。本明細書
において、「ペプチド核酸」または「PNA」という用語は、デオキシリボースリ
ン酸骨格がプソイドペプチド骨格で置き換えられ、4つの天然のヌクレオ塩基の
みが保持された核酸模造物、例えばDNA模造物を指す。PNAの中性の骨格は、イオ
ン強度が低い条件におけるDNAおよびRNAへの特異的なハイブリダイゼーションを
可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、Hyrupら、(1996)、上
記;Perry-O'Keefeら、(1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:14670-675に記
載されるような標準的な固相ペプチド合成プロトコールを用いて実施することが
できる。
【0101】 PNAは治療および診断に応用することができる。一例として、PNAは、例えば転
写または翻訳停止の誘導または複製の阻害による、遺伝子発現の配列特異的モジ
ュレーションのためのアンチセンスまたは抗遺伝子薬(antigene agents)として
用いることができる。PNAはまた、例えば、遺伝子中の単一の塩基対突然変異の
分析において、例えば、PNAに指令されたPCRクランピング(clamping)により;
他の酵素、例えばS1ヌクレアーゼと組み合わせて用いた場合に人工制限酵素とし
て(Hyrup (1996), 上記);またはDNA配列決定およびハイブリダイゼーション用
のプローブまたはプライマーとして(Hyrup (1996), 上記;Perry-O'Keefeら、(1
996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:14670-675)、用いることができる。
【0102】 別の実施形態において、PNAは、例えば、その安定性または細胞への取り込み
を増大させるために、PNAに親油性または他の補助基を付属することにより、PNA
-DNAキメラの形成により、または、リポソームまたは当業者に公知の他の薬物輸
送技術の使用により、修飾することができる。例えば、 PNAとDNAの有利な特性
を合わせ持つPNA-DNAキメラを作成することができる。このようなキメラは、DNA
認識酵素、例えば、RNアーゼHおよびDNAポリメラーゼによるDNA部分との相互作
用を可能にする一方、PNA部分は高い結合親和性および特異性を提供し得る。PNA
-DNAキメラは、塩基の積み重ね、ヌクレオ塩基間の結合の数、および配向の観点
から選択された適当な長さのリンカーを用いて連結することができる(Hyrup (1
996), 上記)。PNA-DNAキメラの合成は、Hyrup (1996), 上記、およびFinnら、(
1996) Nucleic Acids Res. 24(17):3357-63に記載されるように実施することが
できる。例えば、DNA鎖は、標準的なホスホルアミダイト結合化学および修飾さ
れたヌクレオシド類似体を用いて固体支持体上で合成することができる。5'-(4-
メトキシトリチル)アミノ-5'-デオキシチミジン-ホスホルアミダイトのような
化合物を、PNAとDNAの5'末端の間の連結として用いることができる(Magら、(19
89) Nucleic Acids Res. 17:5973-88)。次いで、PNAモノマーを順に結合させて
、5' PNAセグメントおよび3' DNAセグメントを有するキメラ分子を生産する(Fin
nら、(1996) Nucleic Acids Res. 24(17):3357-63)。あるいは、キメラ分子は、
5' DNAセグメントおよび3' PNAセグメントを有するように合成することもできる
(Peterserら、(1975) Bioorganic Med. Chem. Lett. 5:1119-11124)。
【0103】 他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、ペプチド(例えば、in vivo
で宿主細胞の受容体を標的とするため)、または細胞膜を通過する輸送を促進す
る試薬(例えば、Letsingerら、(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:6553-6
556; Lemaitreら、(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:648-652; PCT公開番
号WO88/09810を参照されたい)、または血液脳関門を通過する輸送を促進する試
薬(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照されたい)のような、他の付加基を
含んでいてもよい。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションに
誘発される切断試薬(例えば、Krolら、(1988) Bio/Techniques 6:958-976を参
照されたい)またはインタカレート試薬(例えば、Zon (1988) Pharm. Res. 5:5
39-549を参照されたい)によって修飾することもできる。この末端で、オリゴヌ
クレオチドはもう一つの分子、例えばペプチド、ハイブリダイゼーションに誘発
される架橋剤、輸送試薬、ハイブリダイゼーションに誘発される切断試薬等に結
合してもよい。
【0104】 II. 単離されたタンパク質及び抗体 本発明のある態様は、単離されたタンパク質、そしてその生物学的活性部分、
並びに本発明のポリペプチドに対する抗体を生産させるためのイムノゲンとして
使用するのに好適なポリペプチド断片に関する。ある実施態様では、天然のポリ
ペプチドは、標準的なタンパク質精製方法を用いる適当な精製工程によって細胞
又は組織供給源から単離できる。別の実施態様では、本発明のポリペプチドは、
組換えDNA技術によって製造される。組換え発現の代わりに、本発明のポリペプ
チドは、標準的なペプチド合成方法を用いて化学的に合成することもできる。
【0105】 「単離された」又は「精製された」タンパク質又はその生物学的活性部分は、
そのタンパク質をそこから得た細胞又は組織供給源由来の細胞性物質又は他の汚
染タンパク質を実質的に含まないか、又は化学的に合成された場合には、化学的
前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まない。「細胞性物質を実質的に含まな
い」という用語は、そのタンパク質がそこから単離又は組換え的に製造された、
その細胞の細胞性成分から分離されたタンパク質調製物を含む。すなわち、細胞
性物質を実質的に含まないタンパク質は、乾燥重量で約30%、20%、10%、又は
5%未満の異種タンパク質(本明細書中で、「汚染タンパク質」ともいう)を含
むタンパク質調製物を含む。また、タンパク質又はその生物学的活性部分が組換
え的に製造される場合、培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地がタ
ンパク質調製物の体積の約20%、10%、又は5%未満であることが好ましい。タ
ンパク質が化学合成によって製造される場合、化学的前駆物質又は他の化学物質
を実質的に含まない、すなわち、該タンパク質の合成に関わる化学的前駆物質又
は他の化学物質から分離されていることが好ましい。従って、そのようなタンパ
ク質調製物は、目的のポリペプチド以外の化学的前駆物質又は化合物を乾燥重量
で約30%、20%、10%、5%含む。
【0106】 本発明のポリペプチドの生物学的活性部分としては、全長のタンパク質よりも
少ないアミノ酸を含み、且つ対応する全長のタンパク質の少なくとも1つの活性
を示す、該タンパク質のアミノ酸配列と十分に一致するか又はそれから誘導され
たアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド(例えば、配列番号2、5、又は8のい
ずれかで示されるアミノ酸配列)が含まれる。典型的には、生物学的活性部分は
、対応するタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメイン又はモチーフを
含む。本発明のタンパク質の生物学的活性部分は、例えば、長さが10、25、50、
100アミノ酸又はそれ以上であるポリペプチドであり得る。さらに、タンパク質
の他の領域が欠失している他の生物学的活性部分は、組換え技術によって製造で
き、本発明のポリペプチドの天然形態の1以上の機能活性について評価すること
ができる。
【0107】 好ましいポリペプチドは、配列番号2、5、又は8のアミノ酸配列を有する。他
の有用なタンパク質は、配列番号2、5、又は8のいずれかと実質的に同一(例え
ば、少なくとも約45%、好ましくは55%、65%、75%、85%、95%、又は99%)
であり、対応する天然のタンパク質のタンパク質の機能活性を保持しているが、
天然の対立遺伝子変異又は突然変異誘発によりアミノ酸配列が異なっている。
【0108】 2つのアミノ酸配列又は2つの核酸の同一性パーセントを決定するには、配列を
最適な比較目的で並べる(例えば、第2のアミノ酸又は核酸配列と最適に並べる
ために第1のアミノ酸又は核酸配列の配列中にギャップを導入することができる
)。そして、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置のアミノ酸残基又はヌ
クレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応す
る位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドで占められているときは、その分子
はその位置で同一である。2つの配列の間の同一性パーセントは、それらの配列
によって共有されている同一の位置の数の関数である(すなわち、同一性%=同
一の位置の数/位置の総数(例えば、オーバーラップする位置)×100)。ある
実施態様では、2つの配列は同じ長さである。
【0109】 2つの配列の間の同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを用いて達
成できる。2つの配列の比較に用いられる数学的アルゴリズムの非限定的な好ま
しい例は、Karlin及びAltschul(1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5
877)のように改変された、Karlin及びAltschulのアルゴリズム(1990, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268)である。このようなアルゴリズムは、Alts
chulら(1990, J. Mol. Biol. 215:403-410)のNBLAST及びXBLASTプログラム中
に組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=1
00、ワード長=12を用いて実行され、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配
列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=5
0、ワード長=3を用いて実行され、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配
列を得ることができる。比較目的のギャップドアライメント(gapped alignment
s)を得るには、Altschulら(1997, Nucleic Acids Res. 25:3389-3402)に記載
されているようにGapped BLASTを利用することができる。あるいは、PSI-Blast
を用いて、分子間の距離関係を検出する累次積分(iterated)検索を行うことが
できる。すなわち、BLAST、Gapped BLAST、及びPSI-Blastプログラムを用いる場
合は、各プログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメーターを
用いることができる。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。配列比較
のために用いられる数学的アルゴリズムの非限定的な別の好ましい例は、Myers
及びMillerのアルゴリズム(1988, CABIOS 4:11-17)である。このようなアルゴ
リズムは、CGC配列アライメントソフトウエアパッケージの一部であるALIGNプロ
グラム(バージョン2.0)中に組み入れられている。アミノ酸配列の比較のため
にALIGNプログラムを用いる場合には、PAM120重残基テーブル(weight residue
table)、ギャップ長ペナルティー(gap length penalty)12、及びギャップペ
ナルティー4を用いることができる。
【0110】 2つの配列間の同一性パーセントは、上記の技術と類似の技術を用いて、ギャ
ップを許容して又は許容しないで決定することができる。同一性パーセントの計
算においては、厳密なマッチのみをカウントする。
【0111】 本発明はまた、キメラ又は融合タンパク質をも提供する。本明細書中で用いる
場合「キメラタンパク質」又は「融合タンパク質」は、異種ポリペプチド(すな
わち、本発明のポリペプチドと同一でないポリペプチド)に機能可能に連結され
た本発明のポリペプチドの全部又は(好ましくは生物学的に活性な)部分を含む
。融合タンパク質中では、用語「機能可能に連結された」とは、本発明のポリペ
プチドと異種ポリペプチドがインフレームで(in-frame)互いに融合されている
ことを示すことが意図されている。異種ポリペプチドは、本発明のポリペプチド
のN末端又はC末端に融合できる。有用な融合タンパク質の1つは、本発明のポリ
ペプチドがGST配列のC末端に融合されているGST融合タンパク質である。このよ
うな融合タンパク質は、本発明の組換えポリペプチドの精製を容易にすることが
できる。
【0112】 別の実施態様では、融合タンパク質は、そのN末端に異種シグナル配列を含む
。例えば、本発明のポリペプチドの天然のシグナル配列を除去し、別のタンパク
質由来のシグナル配列で置換することができる。例えば、バキュロウイルスの外
膜タンパク質のgp67分泌配列を異種シグナル配列として用いることができる(分
子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology), Au
subelら編集, John Wiley & Sons発行, 1992)。真核生物の異種シグナル配列の
他の例としては、メリチン及びヒト胎盤アルカリホスファターゼの分泌配列(St
ratagene社製; カリフォルニア州ラジョラ)が挙げられる。さらに別の例では、
有用な原核生物の異種シグナル配列としては、phoA分泌シグナル(前記Sambrook
ら)及びプロテインA分泌シグナル(Pharmacia Biotech社製; ニュージャージー
州ピスカタウェイ)が挙げられる。
【0113】 さらに別の実施態様では、融合タンパク質は、その中で本発明のポリペプチド
の全部又は一部が免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーから誘導され
た配列に融合されている免疫グロブリン融合タンパク質である。本発明の免疫グ
ロブリン融合タンパク質は、医薬組成物中に組み入れられ、(溶解性又は膜に結
合された)リガンドと細胞表面タンパク質(レセプター)との間の相互作用を阻
害するために被験者に投与し、それによってin vivoでのシグナル形質導入を抑
制できる。免疫グロブリン融合タンパク質を用いて本発明のポリペプチドのコグ
ネイト(cognate)リガンドのバイオアベイラビリティーに影響を及ぼすことが
できる。リガンド/レセプター相互作用の阻害は、増殖及び分化障害の治療並び
に細胞生存率のモジュレート(例えば、促進又は阻害)の両方に治療的に有用で
ある。さらに、本発明の免疫グロブリン融合タンパク質をイムノゲンとして用い
て、被験者中の本発明のポリペプチドに対する抗体を製造し、リガンドを精製し
、そしてスクリーニングアッセイでレセプターとリガンドとの相互作用を阻害す
る分子を同定することができる。
【0114】 本発明のキメラ及び融合タンパク質は、標準的なDNA組換え技術によって製造
することができる。別の実施態様では、DNA自動合成機を含む従来の方法によっ
て、融合遺伝子を合成することができる。あるいは、次いでアニーリングされ、
再増幅されてキメラ遺伝子配列を生成することができる2つの連続的な遺伝子断
片の間の相補的オーバーハングを起こさせるアンカープライマーを用いて、遺伝
子断片のPCR増幅を行うことができる(例えば、前記Ausubelらを参照されたい)
。さらに、予め融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコードしている多くの
発現ベクターが商業的に入手可能である。本発明のポリペプチドをコードする核
酸は、その融合部分が本発明のポリペプチドにインフレームで連結されているよ
うな発現ベクター中にクローニングすることができる。
【0115】 本発明のポリペプチドのシグナル配列(配列番号14)を用いて、目的の分泌さ
れたタンパク質又は他のタンパク質の分泌及び単離を容易にすることができる。
シグナル配列は、分泌の間の1以上の開裂イベントで成熟タンパク質から通常開
裂される疎水性アミノ酸のコアによって典型的に特徴付けられる。このようなシ
グナルペプチドは、それらが分泌経路を通過する際に、成熟タンパク質からのシ
グナル配列の開裂を可能にするプロセシング部位を含む。このように、本発明は
、シグナル配列を有する上記のポリペプチド、並びにシグナル配列それ自身及び
そのシグナル配列が存在しないポリペプチド(すなわち、開裂生成物)に関する
。ある実施態様では、本発明のシグナル配列をコードする核酸は、発現ベクター
中で目的のタンパク質(例えば、通常は分泌されないか、そうでなければ単離が
困難なタンパク質など)に機能可能に連結できる。シグナル配列は、例えば、発
現ベクターがその中に導入される真核生物宿主由来のタンパク質の分泌を指令し
、シグナル配列が続いて又は同時に開裂される。次いで、このタンパク質は、当
業界で認知されている方法によって細胞外液培地から容易に精製できる。あるい
は、シグナル配列は、精製を容易にする配列(例えばGSTドメインを有するもの
)を用いて目的のタンパク質に結合させることができる。
【0116】 別の実施態様では、本発明のシグナル配列を用いて調節配列(例えば、プロモ
ーター、エンハンサー、リプレッサー)を同定することができる。シグナル配列
はペプチドの最もアミノ末端側の配列なので、そのアミノ末端側でシグナル配列
と隣り合う核酸は、転写に影響を及ぼす調節配列であることが予想される。従っ
て、シグナル配列の全部又は一部をコードする核酸配列をプローブとして用いて
、シグナル配列及びそれらの隣接領域を同定し単離することができ、そしてこれ
らの隣接領域を研究することによって、その中の調節配列を同定することができ
る。
【0117】 また、本発明は本発明のポリペプチドの変異体に関する。そのような変異体は
、アゴニスト(擬態)又はアンタゴニストのいずれかとして機能できる改変され
たアミノ酸配列を有する。変異体は突然変異誘発(例えば、離散性点突然変異又
はトランケーション)によって生産できる。アゴニストはタンパク質の天然形態
と実質的に同じ生物学的活性、又はそのサブセットを保持できる。あるタンパク
質のアンタゴニストは、例えば、目的のタンパク質を含む細胞性シグナル伝達カ
スケードの下流又は上流メンバーと競合的に結合することによってそのタンパク
質の天然形態の1以上の活性を阻害することができる。このように、限定された
機能を有する変異体による治療によって、特異的な生物学的効果を顕在化させる
ことができる。被験者の該タンパク質の天然形態の生物学的活性のサブセットを
有する変異体を用いた治療は、そのタンパク質の天然形態を用いた治療に比べて
被験者における副作用をより少なくすることができる。
【0118】 アゴニスト(擬態)又はアンタゴニストのいずれかとして機能する本発明のタ
ンパク質の変異体は、アゴニスト又はアンタゴニスト活性について本発明のタン
パク質の突然変異体(例えば、トランケーション突然変異体)のコンビナトリア
ルライブラリーをスクリーニングすることによって同定できる。ある実施態様で
は、変化に富んだ変異体ライブラリーは、核酸レベルの組み合わせ突然変異誘発
によって作製され、変化に富んだ遺伝子ライブラリーによってコードされる。例
えば、潜在的なタンパク質配列の縮退したセットが、個々のポリペプチドとして
、あるいはより大きな融合タンパク質のセット(例えばファージディスプレイ)
として発現されうるように、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列中に
酵素的に連結することによって変化に富んだ変異体のライブラリーを生成するこ
とができる。縮退オリゴヌクレオチド配列から本発明のポリペプチドの潜在的な
変異体のライブラリーを製造するために使用できる多様な方法が存在する。縮退
オリゴヌクレオチドの合成方法は、当業界で公知である(例えば、Narang, (198
3) Tetrahedron 39:3;Itakuraら、Annu. Rev. Biochem. 53;323;Itakuraら、(1
984) Science 198:1056;Ikeら, (1983) Nucleic Acid Res. 11:477を参照され
たい)。
【0119】 さらに、本発明のポリペプチドのコード配列の断片からなるライブラリーを用
いて、スクリーニング及び続く変異体の選択のためにポリペプチドの変化に富ん
だ集団を生産することができる。例えば、コード配列断片のライブラリーは、分
子当たり約1回のみニッキングが起きる条件下で、目的のコード配列の2本鎖PCR
断片をヌクレアーゼで処理し、この2本鎖DNAを変性させ、このDNAを再生して、
異なるニック生成物由来のセンス/アンチセンスペアを含むことができる2本鎖D
NAを形成させ、S1ヌクレアーゼで処理することによって再形成された2本鎖から1
本鎖部分を除去し、そして得られた断片ライブラリーを発現ベクター中に連結す
ることによって生産することができる。この方法によって、目的のタンパク質の
種々のサイズのN末端及び内部断片をコードする発現ライブラリーを誘導するこ
とができる。
【0120】 点突然変異又はトランケーションによって作られるコンビナトリアルライブラ
リーの遺伝子産物をスクリーニングするため、及び選択された特性を有する遺伝
子産物ついてcDNAライブラリーをスクリーニングするための幾つかの技術は当業
界で公知である。最も広く用いられている、ハイスループット(high through-p
ut)分析に従う(amenable)方法であって、大きな遺伝子ライブラリーをスクリ
ーニングする方法は、一般に複製可能な発現ベクター中への遺伝子ライブラリー
のクローニング、得られたベクターのライブラリーによる適当な細胞の形質転換
、及び所望の活性の検出によって、その遺伝子産物が検出される遺伝子をコード
するベクターの単離が容易になる条件下でのコンビナトリアル遺伝子の発現を含
む。ライブラリー中の機能性突然変異体の頻度を増大させる技術である、帰納的
集団突然変異誘発(recursive ensemble mutagenesis;REM)をスクリーニング
アッセイと組み合わせて用いて、本発明のタンパク質の変異体を同定することが
できる(Arkin及びYourvan (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815
;Delgraveら (1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。
【0121】 単離された本発明のポリペプチド、又はその断片をイムノゲンとして用い、ポ
ロクローナル及びモノクローナル抗体調製のための標準的な方法を用いて抗体を
生産することができる。全長のポリペプチド又はタンパク質を用いることができ
るか、あるいは、本発明はイムノゲンとして使用する抗原性ペプチド断片を提供
する。本発明のタンパク質の抗原性ペプチドは、配列番号2、5又は8で示される
アミノ酸配列の少なくとも8個(好ましくは、10、15、20、又は30個)のアミノ
酸残基を含み、そしてそのペプチドに対して生産された抗体が、そのタンパク質
との特異的免疫複合体を形成するような、そのタンパク質のエピトープを包含す
る。
【0122】 抗原性ペプチドに包含される好ましいエピトープは、タンパク質の表面に位置
する領域(例えば、親水性領域)である。図2、4及び6は、本発明のタンパク質
の疎水性プロットである。これらのプロット又は類似の分析方法を用いて親水性
領域を同定することができる。
【0123】 一般に、好適な被験者(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス又は他の哺乳動物)を
免役することによって抗体を調製するためにイムノゲンが用いられる。適当な免
疫原性調製物は、例えば、組換え的に発現されたか又は化学的に合成されたポリ
ペプチドを含有することができる。この調製物は、アジュバント(例えば、フロ
イントの完全又は不完全アジュバント)、又は類似の免疫活性化剤をさらに含む
ことができる。
【0124】 従って、本発明の別の態様は、本発明のポリペプチドに対する抗体に関する。
本明細書中で用いる用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン
の免疫学的に活性な部分(すなわち、本発明のポリペプチドなどの抗原と特異的
に結合する抗原結合部位を含む分子)をいう。本発明の所定のポリペプチドに特
異的に結合する分子はそのポリペプチドには結合するが、天然にそのポリペプチ
ドを含んでいるサンプル(例えば、生物学的サンプル)中の他の分子とは実質的
に結合しない分子である。免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分の例としては
、抗体をペプシンなどの酵素で処理することによって生産できるF(ab)及びF(ab'
)2断片が挙げられる。本発明はポロクローナル抗体及びモノクローナル抗体を提
供する。本明細書中で用いる用語「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル
抗体組成物」とは、特定のエピトープと免疫反応し得る1種のみの抗原結合部位
を含有する抗体分子の集団をいう。
【0125】 ポロクローナル抗体は、本発明のポリペプチドをイムノゲンとして用いて好適
な被験者を免疫することによって上記のように調製できる。免疫された被験者に
おける抗体の力価は、標準方法(例えば、固定化されたポリペプチドを用いる固
相酵素免疫検定法(ELISA)など)によって期間に亘ってモニターすることがで
きる。所望ならば、抗体分子を哺乳動物から(例えば、血液から)単離し、さら
にプロテインAクロマトグラフィーなどの周知の方法によって精製してIgG画分を
得ることができる。免疫後の適当な時間、例えば、特異的抗体の力価が最高にな
ったときに、被験者から抗体製造細胞を得て、そしてそれを用いて標準的な方法
によってモノクローナル抗体を製造することができる。標準的な方法としては例
えば、Kohler及びMilstein((1975) Nature 256:495-497)によって最初に報告
されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら (1983) I
mmunol. Today 4:72)、EBV−ハイブリドーマ技術(Coleら (1985) モノクロー
ナル抗体及び癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy), Alan R. Li
ss, Inc., pp. 77-96)又はトリオーマ(trioma)技術などが挙げられる。ハイ
ブリドーマ製造方法は周知である(一般的には、免疫学の最新プロトコール(Cu
rrent Protocols in Immunology) (1994) Coliganら編集, John Wiley & Sons,
Inc.発行, ニューヨーク州ニューヨークを参照されたい)。本発明のモノクロ
ーナル抗体を製造するハイブリドーマ細胞は、目的のポリペプチドを結合する抗
体についてハイブリドーマ培地上清をスクリーニングする(例えば、標準的なEL
ISAアッセイを用いて)ことによって検出される。
【0126】 モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマの製造の代わりに、本発明のポリペプ
チドに対するモノクローナル抗体を、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンラ
イブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)を、目的のポリ
ペプチドを用いてスクリーニングすることによって同定及び単離することができ
る。ファージディスプレイライブラリーを生産し、スクリーニングするためのキ
ットは商業的に入手可能である(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibo
dy System, カタログNo. 27-9400-01;及びStratagene SurfZAP(商標) Phage Di
splay Kit, カタログ No. 240612)。さらに、抗体ディスプレイライブラリーの
生産及びスクリーニングで特に好ましく(amenable)用いられる方法及び試薬の
例は、例えば、米国特許第5,223,409号;国際特許公開第WO92/18619号公報;国
際特許公開第WO91/17271号公報;国際特許公開第WO92/20791号公報;国際特許公
開第WO92/15679号公報;国際特許公開第WO93/01288号公報;国際特許公開第WO92
/01047号公報;国際特許公開第WO92/09690号公報;国際特許公開第WO90/02809号
公報;Fucheら (1991) Bio/Technology 9:1370-1372;Hayら (1992) Hum. Antib
od. Hybridomas 3:81-85;Huseら (1989) Science 246:1275-1281;Griffithsら
(1993) EMBO J. 12:725-734中に見出すことができる。
【0127】 さらに、標準的なDNA組換え技術を用いて作製できる、ヒト及び非ヒト部分を
含む組換え抗体(例えば、キメラ及びヒト化モノクローナル抗体など)は、本発
明の範囲内に含まれる。そのようなキメラ及びヒト化モノクローナル抗体は、当
業界で公知のDNA組換え法によって製造できる。該方法としては、例えば、国際
特許公開第WO87/02671号公報;欧州特許出願第184,187号;欧州特許出願第171,4
96号;欧州特許出願第173,494号;国際特許公開第WO86/01533号公報;米国特許
第4,816,567号;欧州特許出願第125,023号;Betterら (1988) Science 240:1041
-1043;Liuら (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:3439-3443;Liuら (1987
) J. Immunol. 139:3521-3526;Sunら (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:
214-218;Nishimuraら (1987) Canc. Res. 47:999-1005;Woodら (1985) Nature
314:446-449;及びShawら (1988) J. Natl. Cancer Inst. 80:1553-1559;Morr
ison (1985) Science 229:1202-1207;Oiら (1986) Bio/Techniques 4:214;米
国特許第5,225,539号;Jonesら (1986) Nature 321:552-525;Verhoeyanら (198
8) Science 239:1534;及びBeidlerら (1988) J. Immunol. 141:4053-4060に記
載の方法が挙げられる。
【0128】 完全なヒト抗体は、ヒト患者の治療処置のために特に望ましい。そのような抗
体は、内因生の免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖遺伝子を発現することはできない
がヒト重鎖及び軽鎖遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを
用いて製造できる。トランスジェニックマウスは、選択された抗原(例えば、本
発明のポリペプチドの全部又は部分)によって通常の方法で免疫する。この抗原
に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を用いて得ることが
できる。トランスジェニックマウスに担持されたヒト免疫グロブリン導入遺伝子
は、B細胞分化の間に再配列され、次いでクラススイッチ及び体細胞変異を起こ
す。すなわち、このような技術を用いて、治療的上有用なIgG、IgA及びIgE抗体
を製造することができる。ヒト抗体製造のための技術の総説としては、Lonberg
及びHuszar(1995, Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照されたい。ヒト抗体
及びヒトモノクローナル抗体製造のためのこの技術及びこのような抗体の製造の
ためのプロトコールについての詳細な考察については、例えば、米国特許第5,62
5,126号;米国特許第5,633,425号;米国特許第5,569,825号;米国特許第5,661,0
16号及び米国特許第5,545,806号を参照されたい。さらに、Abgenix, Inc.社(カ
リフォルニア州フリーモント)などの会社は、上記と類似の技術を用いて、選択
された抗原に対するヒト抗体を提供している。
【0129】 選択されたエピトープを認識する完全ヒト抗体は、「ガイド選択(guided sel
ection)」と呼ばれる技術を用いて産生することができる。この方法では、選択
された非ヒトモノクローナル抗体(例えば、ネズミ抗体)を用いて、同じエピト
ープを認識する完全ヒト抗体の選択にを導く(Jespersら (1994) Bio/Technolog
y 12:899-903)。
【0130】 本発明のポリペプチドに対する抗体(例えば、モノクローナル抗体)を用いて
、標準的な方法(例えば、アフィニティークロマトグラフィー又は免疫沈降)に
よってポリペプチドを単離することができる。さらに、ポリペプチド発現の量及
びそのパターンを評価するために、そのような抗体を用いてタンパク質(例えば
、細胞溶解物又は細胞上清中のもの)を検出することができる。また、診断的に
抗体を用いて臨床試験方法の一部として(例えば、所定の治療処方計画の有効性
を測定するために)組織中のタンパク質濃度をモニターすることができる。抗体
を検出可能な物質に結合することによって検出を容易にすることができる。検出
物質の例としては、種々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物
質、及び放射性物質が挙げられる。好適な酵素の例としては、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、又はアセチルコ
リンエステラーゼが挙げられ;好適な補欠分子団複合体(complexes)の例とし
ては、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ;好適
な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセイン
イソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン
、ダンシルクロライド又はフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては
、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフ
ェリン、及びエクオリンが挙げられ、そして好適な放射性物質の例としては、12 5 I、131I、35S又は3Hが挙げられる。
【0131】 さらに、抗体(又はその断片)を、治療剤部分(例えば、細胞毒素、治療剤又
は放射性金属イオン)に結合させることができる。細胞毒素又は細胞毒素剤とし
ては、細胞に有害な任意の薬剤が挙げられる。例としては、タキソール、サイト
カラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン
、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、
コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオ
ン、ミトザントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテスト
ステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプ
ラノロール、及びピューロマイシン並びにこれらの類似体又は相同体が挙げられ
る。治療剤としては、以下に限定されないが、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキ
サート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウ
ラシルデカルバジン(5-fluorouracil decarbazine))、アルキル化剤(例えば
、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル(thioepa chlorambucil)、メルフ
ァラン、カルムスチン(BSNU)及びロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(
cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシ
ン、マイトマイシンC、及びcis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラ
チン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン
と呼ばれていた)、及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシ
ン(以前はアクチノマイシンと呼ばれていた)、ブレオマイシン、ミトラマイシ
ン、及びアントラマイシン(AMC))、及び抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリス
チン及びビンブラスチン)が挙げられる。
【0132】 本発明の結合体(conjugates)は、所定の生物学的応答を改変するために使用
することができる。薬物部分は、古典的化学治療剤に限定して解釈されるべきで
はない。例えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を有するタンパク質又はポリ
ペプチドであり得る。このようなタンパク質としては、例えば、毒素(例えば、
アブリン、リシンA、シュードモナス体外毒素、又はジフテリア毒素);タンパ
ク質(例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、
神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲンアクチベータ)、又
は、生体応答調節剤(例えば、リンフォカイン、インターロイキン−1(IL-1)
、インターロイキン−2(IL-2)、インターロイキン−6(IL-6)、顆粒球マクロ
ファージ・コロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、
又は他の成長因子)を挙げることができる。
【0133】 このような治療剤部分を抗体に結合する方法は、周知であり、例えば、Arnon
ら, モノクローナル抗体及び癌治療(Monoclonal Antibodies and Cancer Thera
py)中の「癌治療における薬物の免疫ターゲッティングのためのモノクローナル
抗体(Monoclonal Antibodies for Immunotargeting of Drags in Cancer Thera
py)」, Reisfeldら編集, pp. 243-56(Alan R. Liss, Inc.社発行 1985);Hel
lstormら, 制御された薬物送達(Controlled Drug Delivery)(第2版)中の「
薬物送達のための抗体(Antibodies for Drug Delivery)」, Robinsonら編集,
pp. 623-53(Marcel Dekker, Inc.社発行 1987);Thorpe, モノクローナル抗体
84年版:生物学的及び臨床的応用(Monoclonal Antibodies '84: Biological an
d Clinical Applications)中の「癌治療における細胞障害剤の抗体キャリア:
総説(Antibody Carriers of Cytotoxic Agents in Cancer Therapy: A Review
)」, Pincheraら編集, pp. 475-506 (1985);癌検出及び治療のためのモノクロ
ーナル抗体(Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy)中の
「癌治療における放射性標識抗体の治療的使用の分析、結果、及び将来的見込み
(Analysis, Results, and Future Prospective of The Therapeutic Use of Ra
diolabeled Antibody In Cancer Therapy)」, Baldwinら編集, pp. 303-16(Ac
ademic Press社発行 1985)、及びThorpeら, 「抗体−毒素結合体の調製及び細
胞障害性(The Preparation and Cytotoxic Properties of Antibody-Toxin Con
jugates)」, Immunol. Rev. 62:119-58 (1982)を参照されたい。あるいは、米
国特許第4,676,980号でSegalによって記載されたように、抗体を第2の抗体に結
合させて、抗体ヘテロ結合体を形成することができる。
【0134】 さらに、治療剤部分に結合されている又は結合されていないかのいずれかであ
る本発明の抗体は、治療剤部分(例えば、細胞毒素、治療剤又は放射性金属イオ
ン)と一緒に又はそれと組み合わせて投与することができる。抗体及び治療剤部
分の投与順序は変化しうる。例えば、いくつかの実施態様では、抗体は治療剤部
分と同時に(同一又は異なる送達器機、例えば、注射器によって)投与される。
あるいは、抗体は治療剤部分とは別に且つその前に投与することができる。さら
に、治療剤部分は抗体とは別に且つその前に投与される。多くの実施態様におい
て、これらの投与計画は数日、数ヶ月又は数年続けられることになる。
【0135】 III.組換え発現ベクター及び宿主細胞 本発明の別の態様は、本発明のポリペプチド(又はその部分)をコードする核
酸を含有するベクター、好ましくは発現ベクターに関する。本明細書中で用いる
用語「ベクター」とは、核酸分子が結合されている別の核酸を運搬できる核酸分
子をいう。ベクターの1つのタイプは「プラスミド」であり、そしてそれは追加
的なDNAセグメントがその中に連結され得る環状2本鎖DNAループをいう。別のタ
イプのベクターはウイルスベクターであり、追加的なDNAセグメントをウイルス
ゲノム中に連結することができるものである。ある種のベクターは、そのベクタ
ーが導入される宿主細胞中で自発的に複製できる(例えば、細菌の複製開始点を
有する細菌ベクター及びエピソーム性(episomal)哺乳動物ベクター)。他のベ
クター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に
宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それによって宿主ゲノムとともに複製される
。さらに、発現ベクターである、ある種のベクターは、それらが機能可能に連結
されている遺伝子の発現を指令することができる。一般に、DNA組換え技術にお
いて利用される発現ベクターは、しばしばプラスミド(ベクター)の形態である
。しかしながら、本発明では、ウイルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイ
ルス、アデノウイルス及びアデノ関連ウイルス)などの他の形態の発現ベクター
を含むことが意図されており、そしてそれらは同等の機能を提供する。
【0136】 本発明の組換え発現ベクターは、宿主細胞中での核酸の発現に好適な形態で本
発明の核酸を含む。これは、発現のために使われる宿主細胞に基づいて選択され
、発現されるべき核酸配列に機能可能に連結されている、1以上の調節配列を組
換え発現ベクターが含むことを意味する。組換え発現ベクター中では、「機能可
能に連結されている」とは、目的のヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発
現が可能なように(例えば、ベクターが宿主細胞中に導入されたときに、in vit
ro転写/翻訳系中で又は宿主細胞中で)、調節配列(類)に連結されていること
を意味することが意図されている。用語「調節配列」とは、プロモーター、エン
ハンサー及び他の発現制御配列(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むこと
が意図されている。このような調節配列は、例えば、Goeddel, 遺伝子発現技術
:酵素学における方法185(Expression Technology: Methods in Enzymology 18
5), Academic Press社発行, カリフォルニア州サンディエゴ (1990)に記載され
ている。調節配列は、多くのタイプの宿主中でヌクレオチド配列の構成的な発現
を指令するもの及び特定の宿主細胞中でのみヌクレオチド配列の発現を指令する
もの(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクターの設計が形質転換さ
れる宿主の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存することは当
業者であれば十分に理解できるであろう。本発明の発現ベクターを宿主細胞中に
導入し、それによって本明細書中に記載された核酸によってコードされる、融合
タンパク質又はペプチドを含む、タンパク質又はペプチドを製造することができ
る。
【0137】 本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞(例えば、大腸菌)又は真核細胞(
例えば、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを用いる)酵母細胞又は哺乳
動物細胞)中での本発明のポリペプチドの発現のために設計できる。さらに、好
適な宿主細胞については、前記Goeddel中で考察されている。あるいは、組換え
発現ベクターは、in vitroで(例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポリメラ
ーゼを用いて)転写され、翻訳されうる。
【0138】 原核生物中でのタンパク質の発現は、融合又は非融合タンパク質のいずれかの
発現を指令する構成的又は誘導的プロモーターを含むベクターによって大腸菌中
でしばしば行われる。融合ベクターはその中にコードされるタンパク質に、通常
は組換えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融
合ベクターは、通常3つの目的に働く:1)組換えタンパク質の発現を増加する;2
)組換えタンパク質の溶解性を増加する;そして3)アフィニティー精製において
リガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製を助ける。しばし
ば、融合発現ベクターでは、融合部分と組換えタンパク質との連結部にタンパク
分解性切断部位が導入され、融合タンパク質の精製に続いて融合部分からの組換
えタンパク質の分離が可能になる。このような酵素、及びそれらのコグネイト認
識配列としては、第Xa因子、トロンビン及びエンテロキナーゼが挙げられる。典
型的な融合発現ベクターとしては、それぞれグルタチオンS−トランスフェラー
ゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、又はプロテインAを標的の組換えタン
パク質に融合する、pGEX(Pharmacia Biotech Inc.社製;Smith及びJohnson (19
88) Gene 67:31-40)、pMAL(New England Biolabs社製, マサチューセッツ州ベ
バリー)及びpRIT5(Pharmacia社製、ニュージャージー州ピスカタウェイ)が挙
げられる。
【0139】 好適な誘導性非融合大腸菌発現ベクターの例としては、pTrc(Amannら, (1988
) Gene 69:301-315)及びpET 11d(Sundierら, 遺伝子発現技術;酵素学の方法
(Gene Expression Technology; Methods in Enzymology 185), Academic Pres
s社発行, カリフォルニア州サンディエゴ (1990) 60-89)が挙げられる。pTrcベ
クターからの標的遺伝子発現は、ハイブリッドtrp-lac融合プロモーターからの
宿主RNAポリメラーゼ転写に依存している。pET 11dベクターからの標的遺伝子発
現は、共発現されたウイルスRNAポリメラーゼ(T7 gn1)によって仲介されるT7
gn 10-lac融合プロモーターからの転写に依存している。このウイルスポリメラ
ーゼは、宿主株BL21(DE3)又はHMS174(DE3)によって。lacUV 5プロモーター
の転写制御下にあるT7 gnl遺伝子を担持している常在のλプロファージから供給
される。
【0140】 大腸菌での組換えタンパク質発現を最大化するための1つの戦略は、組換えタ
ンパク質をタンパク質分解開裂する能力が損なわれた宿主細菌中でタンパク質を
発現させることである(Gottesman, 遺伝子発現技術;酵素学の方法185(Gene E
xpression Technology; Methods in Enzymology 185), Academic Press社発行
、カリフォルニア州サンディエゴ (1990) 119-128)。もう1つの戦略は、各ア
ミノ酸に対する個々のコドンが大腸菌中で優先的に利用されるものになるように
、発現ベクター中に挿入される核酸の核酸配列を改変することである(Wadaら (
1992) Nucleic Acids Res. 20:2111-2118)。このような本発明の核酸配列の改
変は、標準的なDNA合成方法によって行うことができる。
【0141】 別の実施態様では、発現ベクターは酵母発現ベクターである。酵母エス.セレ
ビシエ(S.cerivisae)中で発現させるためのベクターの例としては、pYepSec1(B
aldariら (1987) EMBO J. 6:229-234)、pMFa(Kurijan及びHerskowitz, (1982)
Cell 30:933-943)、pJRY88(Schultzら (1987) Gene 54:113-123)、pYES2(I
nvitrogen Corporation社製、カリフォルニア州サンディエゴ)、及びpPicZ(In
vitrogen Corporation社製、カリフォルニア州サンディエゴ)が挙げられる。
【0142】 あるいは、、発現ベクターは、バキュロウイルス発現ベクターである。培養さ
れた昆虫細胞(例えば、Sf9細胞)中でのタンパク質の発現に利用できるバキュ
ロウイルスベクターとしては、pAcシリーズ(Smithら (1983) Mol. Cell Biol.
3:2156-2165)及びpVLシリーズ(Lucklow及びSummers (1989) Virology 170:31-
39)が挙げられる。
【0143】 さらに別の実施態様では、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを用いて哺
乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例としては、pCDM8(Seed
(1987) Nature 329:840)及びpMT2PC(Kaufmanら (1987) EMBO J. 6:187-195)
が挙げられる。哺乳動物細胞中で用いる場合、発現ベクターの制御機能は、しば
しばウイルス調節配列によって提供される。例えば、通常用いられるプロモータ
ーは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス及びシミアンウイ
ルス40から誘導される。原核細胞及び真核細胞両方に対して好適な他の発現系に
ついては、前記Sambrookらの第16及び17章を参照されたい。
【0144】 別の実施態様では、哺乳動物組換え発現ベクターは、特定の細胞種において優
先的に核酸の発現を指令できる(例えば、組織特異的調節エレメントを用いて核
酸を発現させる)。組織特異的調節エレメントは、当業界で公知である。好適な
組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(肝
特異的;Pinkertら (1987) Genes Dev. 1:268-277)、リンパ特異的プロモータ
ー(Calame及びEaton (1988) Adv. Immunol. 43:235-275)、特に、T細胞レセプ
ターのプロモーター(Winoto及びBaltimore (1989) EMBO J. 8:729-733)及び免
疫グロブリン(Banerjiら (1983) Cell 33:729-740;Queen及びBaltimore (1983
) Cell 33:741-748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、神経細糸プロ
モーター;Byrne及びRuddle (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:5473-5477
)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら (1985) Science 230:912-916)、及び
乳腺特異的プロモーター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4,873,
316号及び欧州特許公開第264,166号公報)が挙げられる。発生的に調節された(
developmentally-regulated)プロモーターも含まれ、例えば、ネズミhoxプロモ
ーター(Kessel及びGruss (1990) Science 249:374-379)及びα−フェトプロテ
インプロモーター(Campes及びTilghman (1989) Genes Dev. 3:537-546)である
【0145】 本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクター中にクローニングされてい
る本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、本発明の
ポリペプチドをコードするmRNAに対するアンチセンスであるRNA分子の発現が可
能なように(DNA分子の転写によって)、DNA分子を調節配列に機能可能に連結す
る。多様な細胞タイプにおいてアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指令する
、アンチセンス方向にクローニングされた核酸に機能可能に連結された調節配列
(例えば、ウイルスプロモーター及び/又はエンハンサー)を選択するか、又は
アンチセンスRNAの構成的、組織特異的又は細胞種特異的発現を指令する調節配
列を選択する。アンチセンス発現ベクターは、その中でアンチセンス核酸が、高
効率の調節領域(その活性は、ベクターが導入される細胞種によって決定される
)の制御下で製造される組換えプラスミド、ファージミド又は弱毒化ウイルスの
形態であり得る。アンチセンス遺伝子を用いた遺伝子発現の調節の考察について
は、Weintraubら(総説−遺伝学における傾向(Reviews - Trends in Genetics
), Vol. 1(1) 1986)を参照されたい。
【0146】 本発明の別の態様は、本発明の組換え発現ベクターが導入された宿主細胞に関
する。「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」という用語は、本明細書中では交換
可能なように用いられる。この用語は特定の対象細胞だけでなく、そのような細
胞の子孫又は潜在的な子孫をもいうと理解される。突然変異又は環境的影響によ
って続く世代で、ある種の改変が起き得るので、この子孫は、実際には、親細胞
と同一ではない可能性があるが、それでも本明細書中で用いる用語の範囲内に包
含されうる。
【0147】 宿主細胞は、任意の原核細胞(例えば、大腸菌)であってよいし、又は真核細
胞(例えば、昆虫細胞、酵母又は哺乳動物細胞)であってもよい。
【0148】 従来の形質転換又はトランスフェクション方法によって、ベクターのDNAを原
核又は真核細胞中に導入できる。本明細書中で用いる「形質転換」及び「トラン
スフェクション」という用語は、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈
法、DEAE−デキストラン仲介形質転換、リポフェクション、又はエレクトロポレ
ーションを含む、外来核酸を宿主細胞中に導入するための当業界で認知されてい
る多様な方法を指すことが意図されている。宿主細胞を形質転換又はトランスフ
ェクトするための好適な方法は、Sambrookら(前掲)、及び他の実験室マニュア
ル中に見出すことができる。
【0149】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、用いる発現ベクター
及びトランスフェクション方法によって、細胞の小さな画分しか、それらのゲノ
ム中に外来DNAを組み込まないことが知られている。これらの組み込み体(integ
rants)を同定し選択するためには、一般に、選択マーカー(例えば、抗生物質
に対する耐性についての選択マーカー)をコードする遺伝子を目的の遺伝子と共
に宿主細胞中に導入する。好ましい選択マーカーとしては、薬物(例えば、G418
、ハイグロマイシン及びメトトレキサート)に対する耐性を付与するものが挙げ
られる。導入された核酸を有する安定にトランスフェクトされた細胞は、薬物選
択によって同定できる(例えば、選択マーカー遺伝子を組み込んだ細胞は生き残
るが、その他の細胞は死滅するだろう)。
【0150】 培地中の原核生物及び真核生物宿主細胞などの本発明の宿主細胞を用いて、本
発明のポリペプチドを製造することができる。従って、本発明はさらに、本発明
の宿主細胞を用いた本発明のポリペプチドの製造方法を提供する。一実施形態で
は、この方法は、ポリペプチドが産生されるような適当な培地中で、(本発明の
ポリペプチドをコードする組換え発現ベクターが導入されている)本発明の宿主
細胞を培養することを含む。別の実施形態では、この方法はさらに、培地又は宿
主細胞からポリペプチドを単離することを含む。
【0151】 また、本発明の宿主細胞を用いて、非ヒトトランスジェニック動物を作製する
ことができる。例えば、一実施形態では、本発明の宿主細胞は、その中に本発明
のポリペプチドをコードする配列が導入された、受精卵又は胚性幹細胞である。
次いで、このような宿主細胞を用いて、本発明のポリペプチドをコードする外因
性配列がそのゲノム中に導入された非ヒトトランスジェニック動物、又は本発明
のポリペプチドをコードする内因性配列が改変された相同的組換え動物を作り出
すことができる。このような動物は、ポリペプチドの機能及び/又は活性を研究
するのに、そしてポリペプチド活性のモジュレータを同定及び/又は評価するの
に有用である。本明細書中で用いる「トランスジェニック動物」は、その動物の
1個以上の細胞が導入遺伝子を含む、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、より好
ましくはラット又はマウスなどの齧歯動物である。他のトランスジェニック動物
の例としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生動物
などが挙げられる。導入遺伝子は、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲ
ノム中に組み込まれた外因性DNAであって、それが成熟動物のゲノム中に残って
おり、それによってトランスジェニック動物の1個以上の細胞型又は組織中のコ
ード化遺伝子産物の発現が指令される。本明細書中で用いる「相同的組換え動物
」は、内因性遺伝子が、内因性遺伝子とその動物の細胞(例えば、その動物の発
生前の動物の胚細胞)中に導入された外因性DNA分子との間の相同的組換えによ
って改変されている、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウス
である。
【0152】 本発明のトランスジェニック動物は、本発明のポリペプチドをコードする核酸
(又はその相同体)を、(例えば、マイクロインジェクション、レトロウイルス
感染によって)受精卵の雄性前核中に導入し、この卵を偽妊娠の雌育成動物中で
発生させることによって作り出すことができる。導入遺伝子の発現効率を高める
ために、イントロンの配列及びポリアデニル化シグナルを導入遺伝子中に導入し
てもよい。組織特異的調節配列(類)は、導入遺伝子に機能しうる形で連結され
て、特定の細胞に本発明のポリペプチドの発現を指令することができる。胚操作
及びマイクロインジェクションによってトランスジェニック動物、特にマウスな
どの動物を作製する方法は、当業界で一般的となっており、例えば、米国特許第
4,736,866号及び第4,870,009号、米国特許第4,873,191号ならびにHogan, マウス
胚の操作(Manipulating the Mouse Embryo), (Cold Spring Harbor Laborato
ry Press、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー, 1986)に記載されてい
る。他のトランスジェニック動物の作製のための同様の方法も用いられる。トラ
ンスジェニック創始動物は、そのゲノム中の導入遺伝子の存在及び/又はその動
物の組織又は細胞中での導入遺伝子をコードするmRNAの発現に基づいて同定しう
る。次いで、トランスジェニック創始動物を用いて、導入遺伝子を有するさらな
る動物を繁殖させることができる。さらに、導入遺伝子を有するトランスジェニ
ック動物を、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物へと、さらに
繁殖させることができる。
【0153】 相同組換え動物を作り出すには、欠失、付加又は置換がその中に導入され、そ
れによって遺伝子が改変されている、例えば、機能的に破壊されている、本発明
のポリペプチドをコードする遺伝子の少なくとも一部を含有するベクターを調製
する。好ましい実施形態では、相同的組換え時に、内因性遺伝子が機能的に破壊
されるように(すなわち、機能性タンパク質を最早コードしない;「ノックアウ
ト」ベクターとも呼ばれる)ベクターを設計する。あるいは、相同的組換え時に
、内因性遺伝子が突然変異を受けるか、そうでなければ改変されるが、未だ機能
性タンパク質をコードするように(例えば、上流の調節領域が改変され、それに
よって内因性タンパク質の発現を改変することができる)ベクターを設計するこ
とができる。相同的組換えベクターにおいては、そのベクターが担持する外因性
遺伝子と胚性幹細胞中の内因性遺伝子との間で相同的組換えを起こさせる遺伝子
の付加的な核酸は、遺伝子の改変部分の5'及び3'末端に隣接する。付加的フラン
キング核酸配列は、内因性遺伝子とうまく相同的組換えをするのに十分な長さの
配列である。一般的には、(5'及び3'末端両方で)数キロベースのフランキング
DNAがベクターに導入される(例えば、相同的組換えベクターの説明についてはT
homas及びCapecchi (1987) Cell 51:503を参照されたい)。該ベクターは、(例
えば、エレクトロポレーションによって)胚性幹細胞系に導入され、導入された
遺伝子が内因性遺伝子と相同的に組換えられた細胞を選択する(例えば、Liら (
1992) Cell 69:915を参照されたい)。次いで、選択された細胞を動物(例えば
、マウス)の胚盤胞中に注入して集合キメラを形成する(例えば、Bradley、奇
形癌及び胚性幹細胞:実用的アプローチ(Teratocarcinomas and Embryonic Ste
m Cells: A Practical Approach), Robertson編(IRL, Oxford, 1987)pp. 113
-152を参照されたい)。次いで、キメラ胚を好適な偽妊娠の雌発育動物中に移植
し、その胚を満期産まで成長させることができる。生殖細胞中に相同的組換えDN
Aを有する子孫を用いて、導入遺伝子の生殖細胞系伝達(germline transmission
)によって、その動物の全細胞が相同的に組換えられたDNAを含有する動物を繁
殖させることができる。さらに、相同的組換えベクター及び相同的組換え動物を
構築する方法は、Bradley (1991) Current Opinion in Bio/Technology 2:823-8
29及び国際特許公開第WO90/11354号公報、第WO91/01140号公報、第WO92/0968号
公報、及び第WO93/04169号公報に記載されている。
【0154】 別の実施形態では、導入遺伝子の調節発現を可能にする選択系を含む非ヒトト
ランスジェニック動物を作製することができる。そのような系の1つの例は、バ
クテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコンビナー
ゼ系についての説明については、例えば、Laksoら (1992) Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 89:6232-3236を参照されたい。リコンビナーゼ系の別の例は、サッカロ
ミセス・セレビシエのFLPリコンビナーゼ系である(O'Gormanら (1991) Science
251:1351-1355)。cre/loxPリコンビナーゼ系を用いて導入遺伝子の発現を調節
する場合には、Creリコンビナーゼ及び選択タンパク質の両者をコードする導入
遺伝子を含有する動物が必要である。そのような動物は、例えば、(一方は選択
タンパク質をコードする導入遺伝子を含有し、他方はリコンビナーゼをコードす
る導入遺伝子を含有する)2つのトランスジェニック動物を交配させることによ
って、「二重(double)」トランスジェニック動物の構築によって提供すること
ができる。
【0155】 また、本明細書中に記載された非ヒトトランスジェニック動物のクローンは、
Wilmutら (1997) Nature 385:810-813並びに国際特許公開第WO97/07668号公報及
び第WO97/07669号公報に記載の方法に従って作製できる。
【0156】 IV.医薬組成物 本発明の核酸分子、ポリペプチド、および抗体(本明細書では「活性化合物」
とも呼ぶ)は投与に適する医薬組成物に組み入れることができる。このような組
成物は、典型的には、核酸分子、タンパク質、または抗体および製薬上許容され
る担体を含む。本明細書で用いられる場合、「製薬上許容される担体」という言
葉は、医薬の投与に適合する、あらゆる全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤
、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等を含むことが意図される。
そのような媒体および薬剤の薬学的に活性な物質への使用は当該技術分野におい
て公知である。いかなる通常の媒体または薬剤もがその活性化合物と不適合であ
る場合を除いて、組成物におけるそれらの使用が考慮される。補足活性化合物も
それらの組成物に組み入れることができる。
【0157】 本発明は、本発明のポリペプチドまたは核酸の発現または活性を調節するため
の医薬組成物の調製方法を含む。このような方法は、製薬上許容される担体を本
発明のポリペプチドまたは核酸の発現または活性を調節する薬剤と配合すること
を含む。このような組成物は、さらに、追加の活性薬剤を含むことができる。し
たがって、本発明はさらに、製薬上許容される担体を本発明のポリペプチドまた
は核酸の発現または活性を調節する薬剤および1種類以上の追加の活性化合物と
配合することによる医薬組成物の調製方法を含む。
【0158】 本発明の医薬組成物は、その目的とする投与経路に適合するように配合する。
投与経路の例には、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入
)、経皮(局所)、経粘膜、および直腸投与が含まれる。非経口、皮内、または
皮下用途に用いられる溶液または懸濁液は以下の成分を含むことができる:無菌
の希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、プロピレングリコールもしくは他の合成溶媒;抗菌剤、例えば
、ベンジルアルコールもしくはメチルパラベン;酸化防止剤、例えば、アスコル
ビン酸もしくは亜硫酸水素ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン
四酢酸;緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩もしくはリン酸塩および張性を調
整するための薬剤、例えば、塩化ナトリウムもしくはデキストロース。pHは酸ま
たは塩基、例えば、塩酸または水酸化ナトリウムで調整することができる。非経
口製剤はガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは多用
量バイアルに封入することができる。
【0159】 注射用途に適する医薬組成物には無菌の水溶液(水溶性である場合)もしくは
分散液および無菌の注射溶液もしくは分散液を即時調製するための無菌の粉末が
含まれる。静脈内投与については、適切な担体には生理学的食塩水、静菌水、Cr
emophor EL(商標名)(BASF;Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝生理食塩水(
PBS)が含まれる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、かつ
容易にシリンジ処理できる(easy syringability exists)程度に流動性である
べきである。これは製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌およ
び真菌のような微生物の汚染作用から保護されてなければならない。担体は、例
えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコ
ール、および液体ポリエチレングリコール等)およびそれらの適切な混合液を含
む溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンのような
コーティングを使用することによって、分散液の場合には必要な粒子サイズを維
持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することが
できる。微生物の作用の防御は様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン
、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達
成することができる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、ポリアルコー
ル、例えば、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物に含めるこ
とが好ましい。注射用組成物の吸収の長期化は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、
モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に含めることによって達
成することができる。
【0160】 無菌の注射溶液は、必要な量の活性化合物(例えば、ポリペプチドまたは抗体
)を適切な溶媒中に、上に列挙される成分のうちの1種類またはそれらの組み合
わせと共に組み込み、次いで濾過滅菌することによって調製することができる。
一般には、分散液は、基本分散媒体および上に列挙されるものからの必要な他の
成分を含む無菌のビヒクルに活性化合物を組み込むことによって調製される。無
菌の注射溶液を調製するための無菌の粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥
および凍結乾燥であり、後者は活性成分に加えてあらゆる追加の望ましい成分の
粉末をそれらの予め無菌濾過した溶液から生じる。
【0161】 経口用組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。これらはゼラ
チンカプセルに封入するか、または錠剤に圧縮することができる。経口治療投与
の目的には、活性化合物を賦形剤と共に組み込み、錠剤、トローチ、またはカプ
セルの形態で用いることができる。経口用組成物はうがい薬として用いるために
流動性担体を用いて調製することもでき、ここで流動性担体中の化合物は口内に
適用され、すすいで(swished)吐き出されるか、もしくは飲み込まれる。
【0162】 薬学的に適合する結合剤、および/または補助物質を組成物の一部として含め
ることができる。錠剤、ピル、カプセル、トローチ等は以下の成分、または同様
の性質を有する化合物のいずれをも含むことができる:結合剤、例えば、微結晶
セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチン;賦形剤、例えば、デンプンも
しくはラクトース;崩壊剤、例えば、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、もし
くはコーンスターチ;潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムもしくはステ
ロテス(Sterotes);流動促進剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例
えば、ショ糖もしくはサッカリン;または香味料、例えば、ペパーミント、サリ
チル酸メチル、もしくはオレンジ香味料。
【0163】 吸入による投与のためには、化合物をエアロゾル・スプレーの形態で加圧容器
または適切な噴霧剤、例えば、二酸化炭素のような気体を収容するディスペンサ
ーまたは噴霧器から送達する。
【0164】 全身投与は経粘膜または経皮手段によるものであってもよい。経粘膜または経
皮投与のためには、その遮蔽を浸透させるのに適する浸透剤が製剤に用いられる
。このような浸透剤は当該技術分野において一般に公知であり、例えば、経粘膜
投与に対しては、洗浄剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜
投与は鼻内噴霧または坐剤を用いることによって達成することができる。経皮投
与のためには、当該技術分野において一般に公知のように、活性化合物を軟膏(
ointments)、軟膏(salves)、ゲル、またはクリームに配合する。
【0165】 化合物は坐剤(例えば、カカオ脂および他のグリセリドのような従来の坐剤基
剤を用いて)または直腸送達用の滞留浣腸剤の形態で調製することもできる。
【0166】 一実施態様においては、移植片およびマイクロカプセル化送達系を含む徐放製
剤のように、活性化合物を、その化合物を身体からの急速な排出から保護する担
体と共に調製する。生分解性、生体適合性ポリマー、例えば、エチレンビニルア
セテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、
およびポリ酢酸を用いることができる。このような製剤の調製方法は当業者には
明らかであろう。これらの材料は、Alza Corporation および Nova Pharmaceuti
cals, Inc. から商業的に入手することもできる。リポソーム懸濁液(ウイルス
抗原に対するモノクローナル抗体を有する、感染細胞を標的とするリポソームを
含む)も製薬上許容される担体として用いることができる。これらは当業者に公
知の方法、例えば、米国特許第 4,522,811 号に記載されるようなものに従って
調製することができる。
【0167】 投与の容易さおよび投与量の均一性のため、投与単位形態にある経口もしくは
非経口組成物を配合することが特に有利である。投与単位形態は、本明細書で用
いられる場合、処置しようとする被験者への単位投与として適する物理的に別個
の単位を指す;各々の単位は、望ましい治療効果を生じるように算出された、予
め決定された量の活性化合物を必要な医薬担体と共に含む。本発明の投与単位形
態の仕様は、活性化合物独自の特性および達成しようとする特定の治療効果、な
らびに個人の治療用にそのような活性化合物を配合する技術に固有の制限によっ
て決定され、かつそれらに直接依存する。
【0168】 抗体については、好ましい投与量は0.1mg/体重kg〜100mg/体重kg(一般には
、10mg/kg〜20mg/kg)である。抗体が脳内において作用する場合、50mg/kg〜
100mg/kgの投与量が通常適切である。一般には、部分的ヒト抗体および完全ヒ
ト抗体はヒト体内において他の抗体よりも長い半減期を有する。したがって、よ
り少ない投与量およびより低頻度の投与がしばしば可能である。脂質化のような
修飾を抗体の安定化ならびに取り込みおよび組織透過(例えば、脳内への)の強
化に用いることができる。抗体を脂質化するための方法は Cruikshank ら((199
7) J. Acquired Immune Deficiency Syndromes and Human Retrovirology 14:19
3)によって記載されている。
【0169】 本発明の核酸分子をベクターに挿入し、遺伝子治療ベクターとして用いること
ができる。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射、局所投与によって(米
国特許第 5,328,470 号)、または定位固定注入によって(例えば、Chen et al.
(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3054-3057 を参照)被験者に送達する
ことができる。遺伝子治療ベクターの医薬製剤は許容し得る希釈剤中に遺伝子治
療ベクターを含むことができ、または遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれている徐
放性マトリックスを含むことができる。その代わりに、組換え細胞から完全な遺
伝子送達ベクター、例えば、レトロウイルスベクターを無傷のまま産生させるこ
とができる場合には、医薬製剤はその遺伝子送達系を産生する1つ以上の細胞を
含むことができる。
【0170】 医薬組成物は容器、パック、またはディスペンサーに投与の指示と共に収容す
ることができる。
【0171】 V.本発明の使用および方法 本明細書に記載される核酸分子、タンパク質、タンパク質相同体、および抗体
は以下の方法の1つ以上において用いることができる:a)スクリーニングアッセ
イ;b)検出アッセイ(例えば、染色体マッピング、組織タイピング、法医学生
物学);c)予測医療(例えば、診断アッセイ、予後アッセイ、臨床試験の監視
、およびファーマコゲノミクス);ならびにd)処置方法(例えば、治療および
予防)。例えば、本発明のポリペプチドは、(i)細胞増殖の調節;(ii)細胞
の移動および走化性の調節;(iii)細胞分化の調節;および/または(iv)血
管形成の調節に用いることができる。本発明の単離核酸分子は、タンパク質の発
現(例えば、遺伝子治療への適用において宿主細胞中で組換え発現ベクターによ
り)、mRNA(例えば、生物学的サンプルにおいて)もしくは遺伝子損傷の検出、
および本発明のポリペプチドの活性の調節に用いることができる。加えて、本発
明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの活性もしくは発現を調節する薬物
もしくは化合物のスクリーニングに加えて、本発明のタンパク質または野生型の
タンパク質と比較して活性が低下しているかもしくは異常である本発明のタンパ
ク質の一形態の不十分な、もしくは過剰の産生を特徴とする障害の治療に用いる
ことができる。加えて、本発明の抗体は、本発明のタンパク質の検出および単離
、ならびに本発明のタンパク質の活性の調節に用いることができる。
【0172】 本発明は、さらに、上記スクリーニングアッセイによって同定される新規薬剤
および本明細書に記載される治療へのそれらの使用に関する。
【0173】 A. スクリーニングアッセイ 本発明は修飾因子、すなわち、本発明のポリペプチドに結合するか、または、
例えば本発明のポリペプチドの発現もしくは活性に対する、刺激もしくは阻害効
果を有する候補もしくは試験化合物もしくは薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド
模倣体、小分子もしくは他の薬物)を同定するための方法(本明細書では「スク
リーニングアッセイ」とも呼ぶ)を提供する。
【0174】 一実施態様において、本発明は、膜結合形態の本発明のポリペプチドもしくは
それらの生物学的に活性な部分に結合するか、またはその活性を調節する候補も
しくは試験化合物をスクリーニングするアッセイを提供する。本発明の試験化合
物は、生物学的ライブラリー;空間的にアドレス可能な平行固相もしくは液相ラ
イブラリー;逆重畳積分を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物(
one-bead one-compound)」ライブラリー法;およびアフィニティクロマトグラ
フィ選択を用いる合成ライブラリー法を含む、当該技術分野において公知の組み
合わせライブラリー法における多くのアプローチのうちのいずれを用いても得る
ことができる。生物学的ライブラリー・アプローチはペプチド・ライブラリーに
限定され、これに対して他の4つのアプローチはペプチド、非ペプチドオリゴマ
ーまたは化合物の小分子ライブラリーに適用可能である(Lam (1997) Anticance
r Drug Des. 12:145)。
【0175】 分子ライブラリーの合成方法の例は当該技術分野において、例えば:DeWitt e
t al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6909;Erb et al. (1994) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 91:11422;Zuckermann et al., (1994) J. Med. Chem.
37:2678;Cho et al. (1993) Science 261:1303;Carrell et al. (1994) Angew
. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2059;Carell et al. (1994) Angew. Chem. Int. E
d. Engl. 33:2061;および Gallop et al. (1994) J. Med. Chem. 37:1233 に見
出すことができる。
【0176】 化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten (1992) Bio/Techniques
13:412-421)、もしくはビーズ上(Lam (1991) Nature 354:82-84)、チップ(
Fodor (1993) Nature 364:555-556)、細菌(米国特許第 5,223,409 号)、胞子
(特許第 5,571,698 号;第 5,403,484 号;および第 5,223,409 号)、プラス
ミド(Cull et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)または
ファージ(Scott and Smith (1990) Science 249:386-390;Devlin (1990) Scie
nce 249:404-406;Cwirla et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:6378
-6382;および Felici (1991) J. Mol. Biol. 222:301-310)として提示するこ
とができる。
【0177】 一実施態様において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここでは、膜
結合形態の本発明のポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分を細胞表
面上に発現する細胞を試験化合物と接触させ、そのポリペプチドに結合する試験
化合物の能力を決定する。この細胞は、例えば、酵母細胞または哺乳動物起源の
細胞であり得る。ポリペプチドに結合する試験化合物の能力の決定は、例えば、
ポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分への試験化合物の結合を複合
体中の標識化合物を検出することによって決定できるように、その試験化合物を
放射性同位体または酵素標識とカップリングさせることによって達成することが
できる。例えば、試験化合物を125I、35S、14C、または3Hで直接もしくは間
接的に標識し、その放射性同位体を放射性放出(radioemission)の直接カウン
トまたはシンチレーション・カウンティングによって検出することができる。そ
の代わりに、試験化合物を、例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカ
リホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識し、適切な基質の生成
物への変換を決定することによってその酵素標識を検出することができる。好ま
しい実施態様においては、このアッセイは、膜結合形態の本発明のポリペプチド
またはそれらの生物学的に活性な部分を細胞表面に発現する細胞をそのポリペプ
チドを結合する既知化合物と接触させてアッセイ混合物を形成し、そのアッセイ
混合物を試験化合物と接触させてそのポリペプチドと相互作用する試験化合物の
能力を決定することを含み、ここで、ポリペプチドと相互作用する試験化合物の
能力の決定は、既知化合物と比較してそのポリペプチドまたはそれらの生物学的
に活性な部分に優先的に結合する試験化合物の能力を決定することを含む。
【0178】 別の実施態様においては、アッセイは、膜結合形態の本発明のポリペプチドま
たはそれらの生物学的に活性な部分を細胞表面上に発現する細胞を試験化合物と
接触させ、そのポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分の活性を調節
(例えば、刺激もしくは阻害)する試験化合物の能力を決定することを含む細胞
ベースのアッセイである。ポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分の
活性を調節する試験化合物の能力の決定は、例えば、そのポリペプチドタンパク
質が標的分子に結合するか、またはそれと相互作用する能力を決定することによ
って達成することができる。
【0179】 本発明のポリペプチドの、標的分子に結合するか、またはそれと相互作用する
能力の決定は、直接結合の決定について上述される方法のうちの1つによって達
成することができる。本明細書で用いられる場合、「標的分子」は、選択された
ポリペプチド(例えば、本発明のポリペプチド)が自然状態で結合または相互作
用する分子、例えば、選択されたタンパク質を発現する細胞の表面上の分子、第
2細胞の表面上の分子、細胞外環境における分子、細胞膜もしくは原形質膜の内
部表面に会合している分子である。標的分子は本発明のポリペプチドまたは他の
ポリペプチドもしくはタンパク質であり得る。例えば、標的分子は、細胞膜を通
して細胞または触媒活性を有する第2の細胞間タンパク質または下流のシグナル
伝達分子と本発明のポリペプチドとの会合を容易にするタンパク質への細胞外シ
グナル(例えば、本発明のポリペプチドへの化合物の結合によって生じるシグナ
ル)の伝達を容易にする、シグナル伝達経路の成分であり得る。標的分子に結合
し、またはそれと相互作用する本発明のポリペプチドの能力の決定は、その標的
分子の活性を決定することによって達成することができる。例えば、標的分子の
活性は、その標的の細胞性第2メッセンジャー(例えば、細胞内Ca2+、ジアシ
ルグリセロール、IP3等)の誘導を検出することにより、適切な基質に対するそ
の標的の触媒/酵素活性を検出することにより、リポーター遺伝子(例えば、検
出可能なマーカー、例えばルシフェラーゼ、をコードする核酸に機能的に連結さ
れた本発明のポリペプチドに応答する調節要素)の誘導を検出することにより、
または細胞性の応答、例えば、細胞分化もしくは細胞増殖を検出することによっ
て決定することができる。
【0180】 さらに別の実施態様においては、本発明のアッセイは、本発明のポリペプチド
またはそれらの生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そのポリペプチ
ドまたはそれらの生物学的に活性な部分に結合する試験化合物の能力を決定する
ことを含む細胞フリーのアッセイである。試験化合物のポリペプチドへの結合は
、以下に記載されるように、直接または間接的のいずれかで決定することができ
る。好ましい実施態様においては、このアッセイは、本発明のポリペプチドまた
はそれらの生物学的に活性な部分をそのポリペプチドを結合する既知化合物と接
触させてアッセイ混合物を形成し、そのアッセイ混合物を試験化合物と接触させ
、およびそのポリペプチドと相互作用する試験化合物の能力を決定することを含
み、ここで、ポリペプチドと相互作用する試験化合物の能力の決定は、その既知
化合物と比較してポリペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分に優先的に
結合する試験化合物の能力を決定することを含む。
【0181】 別の実施態様においては、アッセイは、本発明のポリペプチドまたはそれらの
生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そのポリペプチドまたはそれら
の生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺激もしくは阻害)する試験化
合物の能力を決定することを含む細胞フリーのアッセイである。ポリペプチドの
活性を調節する試験化合物の能力の決定は、例えば、直接結合について上述され
る方法のうちの1つにより、標的分子に結合するそのポリペプチドの能力を決定
することによって達成することができる。代わりの実施態様においては、ポリペ
プチドの活性を調節する試験化合物の能力の決定は、標的分子をさらに調節する
本発明のポリペプチドの能力を決定することによって達成することができる。例
えば、適切な基質に対する標的分子の触媒/酵素活性は前述の通りに決定するこ
とができる。
【0182】 さらに別の実施態様においては、この細胞フリーのアッセイは、本発明のポリ
ペプチドまたはそれらの生物学的に活性な部分をそのポリペプチドを結合する既
知化合物と接触させてアッセイ混合物を形成し、そのアッセイ混合物を試験化合
物と接触させ、そして試験化合物が該ポリペプチドと相互作用する能力を評価す
ることを含み、ここで、試験化合物がポリペプチドと相互作用する能力の評価は
、標的分子に優先的に結合するか、またはその活性をモジュレートするポリペプ
チドの能力を評価することを含む。
【0183】 本発明の細胞フリーのアッセイは本発明のポリペプチドの可溶形態または膜結
合形態の両者の使用に適する。膜結合形態のポリペプチドを含む細胞フリーのア
ッセイの場合、その膜結合形態のポリペプチドが溶液中で維持されるように可溶
化剤を用いることが望ましいものであり得る。そのような可溶化剤の例には、非
イオン性界面活性剤、例えば、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシ
ド、n−オクチルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイ
ル−N−メチルグルカミド、Triton X-100、Triton X-114、Thesit、イソトリデ
シポリ(エチレングリコールエーテル)、3−[(3−コラミドプロピル)ジ
メチルアンミニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンミニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネ
ート(CHAPSO)、またはN−ドデシル=N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1
−プロパンスルホネートが含まれる。
【0184】 本発明の上記アッセイ方法の2以上の実施態様において、タンパク質の一方も
しくは両者の非複合形態からの複合形態の分離を容易にすることに加えて、その
アッセイの自動化に適合させるため、本発明のポリペプチドまたは標的分子のい
ずれかを固定化することが望ましいものであり得る。候補化合物の存在下および
不在下における試験化合物のポリペプチドへの結合、またはポリペプチドの標的
分子との相互作用は、それらの反応物質を収容するのに適するいかなる容器にお
いても達成することができる。そのような容器の例には、マイクロタイタープレ
ート、試験管、および微量遠心管が含まれる。一実施態様においては、タンパク
質の一方もしくは両者をマトリックスに結合させるドメインを付加する融合タン
パク質を提供することができる。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラー
ゼ融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質
をグルタチオン・セファロースビーズ(Sigma Chemical;St. Louis、MO)また
はグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレートに吸着させ、次にそれを試験
化合物または試験化合物および非吸着標的タンパク質もしくは本発明のポリペプ
チドのいずれかと組み合わせ、そしてその混合物を、複合体形成を助長する条件
下(例えば、塩およびpHについての生理学的条件)でインキュベートすることが
できる。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレート
を非結合成分を洗浄して除去し、例えば、上記のように、複合体形成を直接的ま
たは間接的に測定する。または、該複合体はマトリックスから分離することがで
き、標準的方法を用いて、本発明のポリペプチドの結合または活性のレベルを評
価することができる。
【0185】 マトリックス上にタンパク質を固定化するための他の技術も本発明のスクリー
ニングアッセイにおいて用いることができる。例えば、本発明のポリペプチドま
たはその標的分子のいずれかを、ビオチンとストレプトアビジンの結合を利用し
て固定化することができる。ビオチン化した本発明のポリペプチドまたは標的分
子をビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシンイミド)から当該技術分野にお
いて公知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals;Rockford、IL
)を用いて調製し、ストレプトアビジンコート96ウェルプレート(Pierce Chemi
cal)のウェル内に固定化することができる。あるいは、本発明のポリペプチド
または標的分子と反応はするが本発明のポリペプチドのその標的分子への結合を
妨害しない抗体をプレートのウェルに誘導体化し、非結合の標的または本発明の
ポリペプチドを抗体結合によってウェル内に捕捉することができる。そのような
複合体を検出するための方法には、GST固定化複合体について上述されるものに
加えて、本発明のポリペプチドまたは標的分子と反応性の抗体を用いる複合体の
免疫検出ならびに本発明のポリペプチドまたは標的分子に関連する酵素活性の検
出による酵素結合アッセイが含まれる。
【0186】 別の実施態様においては、本発明のポリペプチドの発現のモジュレーターを、
細胞を候補化合物と接触させ、その細胞における選択されたmRNAもしくはタンパ
ク質(すなわち、本発明のポリペプチドもしくは核酸に対応するmRNAもしくはタ
ンパク質)の発現を評価する方法において同定する。候補化合物の存在下におけ
る選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現のレベルを候補化合物の不在下にお
ける選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現のレベルと比較する。その後、こ
の比較に基づいて、その候補化合物を本発明のポリペプチドの発現のモジュレー
ターとして同定することができる。例えば、選択されたmRNAもしくはタンパク質
の発現が候補化合物の存在下においてその不在下よりも高い(統計的に有意に高
い)場合、その候補化合物は選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現の刺激剤
として同定される。あるいは、選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現が候補
化合物の存在下においてその不在下よりも低い(統計的に有意に低い)場合、そ
の候補化合物は選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現の阻害剤として同定さ
れる。細胞中での選択されたmRNAもしくはタンパク質の発現のレベルは本明細書
に記載される方法によって決定することができる。
【0187】 本発明のさらに別の態様においては、本発明のポリペプチドを2ハイブリッド
アッセイまたは3ハイブリッドアッセイにおける「ベイト・タンパク質(bait pr
oteins)」(例えば、米国特許第 5,283,317 号;Zervos et al. (1993) Cell 7
2:223-232;Madura et al. (1993) J. Biol. Chem. 268:12046-2054;Bartel et
al. (1993) Bio/Techniques 14:920-924;Iwabuchi et al. (1993) Oncogene 8
:1693-1696;およびPCT公開WO 94/10300 を参照)として使用し、本発明のポリ
ペプチドに結合するかもしくは相互作用し、本発明のポリペプチドの活性をモジ
ュレートする他のタンパク質を同定することができる。このような結合性タンパ
ク質も、本発明のポリペプチドによるシグナルの伝播に、例えば、本発明のポリ
ペプチドに関与するシグナル伝達経路の下流もしくは上流のエレメントとして関
与している可能性が高い。
【0188】 本発明は、さらに、上記スクリーニングアッセイによって同定される新規薬剤
および本明細書に記載される治療へのそれらの使用に関する。
【0189】 B.検出アッセイ ここで同定されるcDNA(および対応する完全遺伝子配列)の部分または断片は
、ポリヌクレオチド試薬として、多様に使用することができる。例えば、これら
の配列は、(i) 染色体上でのそれぞれの遺伝子のマッピング、従って、遺伝子病
に関連する遺伝子領域の位置決定;(ii) 微小な生体サンプルからの個体の識別
(組織タイピング);ならびに、生体サンプルの法医学的識別の補助に使用する
ことができる。これらの用途について、以下の小節に説明する。
【0190】 1.染色体マッピング 遺伝子の配列(または配列の一部)を単離し、その配列を染色体上の遺伝子位
置のマッピングに使用できる。従って、本明細書に記載される核酸分子またはそ
の断片を用いて、染色体上の対応する遺伝子の位置のマッピングが可能である。
染色体に対する配列のマッピングは、これら配列を疾病に関連する遺伝子と相関
させる上で、重要な最初の段階である。
【0191】 簡単に言えば、本発明の遺伝子の配列からPCRプライマー(好ましくは、長さ
が15〜25 bp)を調製することにより、遺伝子を染色体にマッピングすることが
できる。増幅工程が複雑になるため、本発明の遺伝子配列のコンピューター分析
を用いて、ゲノムDNA中1エクソン以上及ばないプライマーを迅速に選択できる
。次に、これらのプライマーを使用して、個別のヒト染色体を含む体細胞ハイブ
リッドをPCRスクリーニングすることができる。該遺伝子配列に対応するヒト遺
伝子を含むハイブリッドだけが、増幅された断片をもたらす。この技術の確認の
ためには、D’Eustachioら(1983)Science 220:919〜914を参照のこと。
【0192】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の配列を特定の染色体にアサイ
ンする迅速な手法である。単一のサーマルサイクラーを用いて、1日に3つ以上
の配列をアサインすることができる。本発明の核酸配列を用いてオリゴヌクレオ
チドプライマーを設計し、特定の染色体に由来する断片のパネルを用いて、サブ
ローカライゼーション(sublocalization)の決定を達成することができる。同
様に、ある遺伝子をその染色体に対していマッピングするのに使用できるその他
のマッピング方法は、in situハイブリダイゼーション(Fanら(1990)Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA 87:6223〜27)、標識化フローソーティングされた(flow so
rted)染色体を用いた予備的スクリーニング、ならびに、染色体特異的cDNAライ
ブラリーとのハイブリダイゼーションによる予備的選択を含む。さらに、中期染
色体スプレッド(spread)との蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を
用いて、正確な染色体位置決定を1工程で実施することができる。この技術の確
認には、Vermaら(Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques(Pergam
on Press、New York、1988))を参照のこと。
【0193】 染色体マッピング用の試薬を用いて、単一の染色体または該染色体上の単一部
位を標識することができる。あるいは、試薬のパネルを用いて、多数の部位およ
び/または多数の染色体を標識することが可能である。実際には、マッピング用
には、遺伝子の非コード領域に対応する試薬が好ましい。コード配列の方は、遺
伝子ファミリー内に保存されていると考えられ、そのために染色体マッピング時
の交差ハイブリダイゼーションの可能性が高くなる。
【0194】 配列が、正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理的位
置を遺伝子地図データと相関させることができる(このようなデータは、例えば
、V. McKusick、Mendelian Inheritance in Manに記載されており、ジョン・ホ
プキンズ大学ウェルチ医学図書館からオンラインで入手可能である)。次に、同
じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾病の関係を、例えば、Egelandら(1
987)Nature 325:785〜787に記載されている連鎖分析(物理的に隣接した遺伝子
の同時遺伝)により確認することができる。
【0195】 さらに、本発明の遺伝子に関連する疾病に罹患した個体と罹患していない個体
と間のDNA配列の相違を決定することができる。罹患個体の一部または全部に突
然変異が認められるのに、非罹患個体には認められない場合には、突然変異が、
特定の疾病を引き起こす因子であると考えられる。罹患個体と非罹患個体の比較
は、染色体スプレッド(Spread)において可視的に認められる、もしくは、DNA
配列に基づくPCRを用いて検出可能な欠失または転座等の染色体における構造変
化を探すことを含む。最後に、複数の個体由来の遺伝子の完全な配列決定を実施
することにより、突然変異の存在を確認し、多型由来の突然変異を識別すること
ができる。
【0196】 2.組織タイピング また、本発明の核酸配列を用いて、微小な生体サンプルから個体を識別するこ
とも可能である。例えば、米国軍は、その人員の識別のために、制限断片長多型
(RFLP)の使用を考慮している。この技術では、個体のゲノムDNAを1つ以上の
制限酵素で消化し、サザンブロットでプロービングすることにより、特有のバン
ドが得られる。この方法は、「認識票(Dog Tag)」の実際の限界(紛失、すり
替え、または盗難される可能性があり、明確な識別を困難にする)を解消する。
本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,057号に記載)用の追加DNAマーカーと
して有用である。
【0197】 さらに、本発明の配列の使用により、個体ゲノムの選択部分の実際の塩基毎の
DNA配列を決定する代替的方法が提供される。従って、本明細書に記載された核
酸配列を用いて、該配列の5’および3’末端から2つのPCRプライマーを作製す
ることができる。次に、これらのプライマーを用いて、個体のDNAを増幅した後
、その配列決定を行う。
【0198】 このようにして作製された個体由来の対応するDNAのパネルは、各個体が対立
遺伝子の相違により、このようなDNA配列の特有なセットを有することから、そ
れぞれ唯一の個体識別を可能にする。本発明の配列を用いて、個体および組織か
ら、このような識別配列が得られる。本発明の核酸配列は、特有のヒトゲノム部
分を呈示する。対立遺伝子の変異は、これらの配列のコード領域にある程度存在
し、非コード領域にはこれより高程度で存在する。ヒト個体間の対立遺伝子の変
異は、500塩基に約1個の頻度で存在すると推定される。本明細書に記載の配列は
それぞれ、ある程度個体由来のDNAを識別するために比較するための基準として
使用することができる。非コード領域には、多数の多型性が存在するので、個体
を識別するのに少数の配列しか必要としない。配列番号1、4または7の非コー
ド配列は、各プライマーが100塩基の非コード増幅配列をもたらすほぼ10〜1,000
個程度ののプライマーから成るパネル上で、明確な個体識別を容易に提供できる
。配列番号3、6または9の配列等の推定コード配列を用いる場合には、明確な
個体識別のためにより適切なプライマーの数は、500〜2,000個である。
【0199】 本明細書に記載の核酸配列由来の試薬のパネルを用いて、個体特有の識別デー
タベースを作成する場合には、該同一試薬を後で用いて、該個体由来の組織を識
別することができる。特有の識別データベースを用いて、極めて微小な組織サン
プルから、生体または死体に関わらず、その個体の明確な識別が可能である。
【0200】 3.法医学的生物学における部分遺伝子配列の使用 また、DNAに基づく識別技術を法医学的生物学に用いることもできる。法医学
的生物学は、例えば、犯罪者を明確に識別するための手段として、犯罪現場で発
見された生物学的証拠の遺伝子型決定を用いる科学分野である。このような識別
を行うためには、PCR技術を用いて、犯罪現場で発見された組織、例えば、髪の
毛や皮膚、または体液、例えば、血液、唾液もしくは精液等の非常に小さい生体
サンプルから取り出したDNAを増幅する。次に、この増幅された配列を基準と比
較することにより、生体サンプルの起源の識別を行う。
【0201】 本発明の配列を用いて、ヒトゲノムにおける特定の遺伝子座を標的とするポリ
ヌクレオチド試薬、例えば、PCRプライマーを提供することができ、これによっ
て、例えば、別の「識別マーカー」(すなわち、特定の個体に特有のDNA配列)
を提供することにより、DNAに基づく法医学的識別の信頼性を高めることができ
る。前述のように、実際の塩基配列情報は、制限酵素生成断片により形成される
パターンに対する正確な代替物として、識別に用いることができる。非コード領
域には、多数の多型が存在し、上記技術を用いた個体の識別を容易にすることか
ら、非コード領域を標的とする配列は、この用途に特に適している。ポリヌクレ
オチド試薬の例として、本発明の核酸またはその部分、例えば、長さが少なくと
も20または30塩基の非コード領域に由来する断片が含まれる。
【0202】 さらに、本明細書に記載した核酸配列を用いて、ポリヌクレオチド試薬、例え
ば、標識化した、または標識可能なプローブを提供でき、これは、例えば、in s
ituハイブリダイゼーション技術に用いることにより、特定の組織、例えば脳組
織などの識別を可能にする。これは、法医学的病理学者が、その起源が未知の組
織を提示した場合に非常に有用である。このようなプローブのパネルを用いて、
種および/または臓器の種類別に組織を識別できる。
【0203】 C.予知医学 本発明はまた、予後(予知)を目的として、診断アッセイ、予後アッセイ、薬
理遺伝学、ならびに、臨床試験のモニタリングを行うことにより、個体を予防治
療する予知医学の分野にも関する。従って、本発明の一態様は、生体サンプル(
例えば、血液、血清、細胞、組織)に関して、本発明のポリペプチドまたは核酸
の発現および/または本発明のポリペプチドの活性を測定することにより、個体
が本発明のポリペプチドの異常な発現または活性に関連する疾病または障害に罹
患しているか否か、あるいは、このような障害を発現する恐れがあるか否かを決
定するための診断アッセイに関する。本発明はさらに、個体が、本発明のポリペ
プチドの異常な発現または活性に関連する障害を発現する恐れがあるか否かを決
定するための予後(または予知)アッセイを提供する。例えば、本発明の遺伝子
における突然変異を生体サンプルで検定することができる。このようなアッセイ
を予後または予知目的に用いることにより、本発明のポリペプチドの異常な発現
もしくは活性を特徴とする、またはこれに関連する発作が起こる前に、該個体を
予防治療することができる。
【0204】 本発明の別の態様は、個体における本発明の核酸またはポリペプチドの発現も
しくは本発明のポリペプチドの活性を測定することにより、該個体に対し適切な
治療または予防薬を選択する方法を提供する(ここでは、「薬理遺伝学と呼ぶ」
)。薬理遺伝学により、個体の遺伝子型(例えば、個体が特定の薬剤に応答する
能力を決定するために試験される個体の遺伝子型)に基づく個体の治療または予
防治療のための薬剤(例えば、薬物)の選択が可能になる。
【0205】 さらに本発明の別の態様は、臨床試験における本発明のポリペプチドの発現ま
たは活性に対する薬剤(例えば、薬物またはその他の化合物)の影響のモニタリ
ングに関する。これらおよびその他の薬剤については、以下に続く節でさらに詳
しく説明する。
【0206】 1.診断アッセイ 生体サンプルにおける本発明のポリペプチドまたは核酸の存在もしくは不在を
検出する方法の一例は、被験体から生体サンプルを採取し、該生体サンプルを、
ポリペプチドまたは核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出する能力のある化
合物もしくは薬剤と接触させることにより、該生体サンプルにおける本発明のポ
リペプチドまたは核酸の存在を検出することを含む。本発明のポリペプチドをコ
ードするmRNAまたはゲノムDNAを検出するための好ましい薬剤は、本発明のポリ
ペプチドをコードするmRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズできる標識核酸プ
ローブである。この核酸プローブは、例えば、配列番号1、3、4、6、7また
は9等の完全長cDNA、あるいは、それらの一部分の少なくとも15、30、50、100
、250または500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチド等であって、ストリンジェ
ントな条件下で、本発明のポリペプチドをコードするmRNAまたはゲノムDNAに特
異的にハイブリダイズできるものでありうる。本発明の診断アッセイへの使用に
適するその他のプローブを本明細書に記載する。
【0207】 本発明のポリペプチドを検出するのに好ましい薬剤は、本発明のポリペプチド
に結合できる抗体、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。抗体は、
ポリクローナルでもよいが、さらに好ましくは、モノクローナルである。天然の
形の抗体、あるいはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’)2)を用いる
ことができる。プローブまたは抗体に関して、「標識」という用語は、検出可能
な物質とプローブまたは抗体の結合(すなわち、物理的結合)によるプローブま
たは抗体の直接標識、ならびに、直接標識された別の試薬との反応性に起因する
プローブまたは抗体の間接標識をも含むものとする。間接標識の例として、蛍光
標識された二次抗体を用いた一次抗体の検出、ならびに、蛍光標識ストレプトア
ビジンでの検出が可能なビオチンによるDNAプローブの末端標識がある。「生体
サンプル」という用語は、被験体から単離した組織、細胞および生体液、ならび
に、被験体に存在する組織、細胞および体液を含むものとする。すなわち、本発
明の検出方法を用いて、in vitroおよびin vivoの生体サンプル中のmRNA、タン
パク質またはゲノムDNAを検出することができる。例えば、mRNA検出のためのin
vitro法は、ノーザンハイブリダイゼーションおよびin situハイブリダイゼーシ
ョンを含む。本発明のポリペプチド検出のためのin vivo法は、固相酵素免疫測
定法(ELISA)、ウエスタンブロット、免疫沈降法および免疫蛍光法を含む。ゲ
ノムDNA検出のためのin vitro法は、サザンハイブリダイゼーションを含む。さ
らに、本発明のポリペプチド検出のためのin vivo法は、被験体に、該ポリペプ
チドに対する標識抗体を導入することを含む。例えば、抗体を放射性マーカーで
標識し、被験体内でのその存在および位置を通常の画像化技術で検出することが
できる。
【0208】 一実施形態では、生体サンプルは、被験体由来のタンパク質分子を含む。ある
いは、生体サンプルは、被験体由来のmRNA分子、もしくは被験体由来のゲノムDN
A分子を含んでもよい。好ましい生体サンプルは、被験体から通常の手段で単離
した末梢血液白血球(peripheral blood leukocyte)サンプルである。
【0209】 別の実施形態では、この方法はさらに、対照被験体から対照生体サンプルを採
取し、本発明のポリペプチド、もしくは本発明のポリペプチドをコードするmRNA
またはゲノムDNAを検出する能力のある化合物または薬剤と、該対照サンプルを
接触させることにより、該対照サンプルにおける該ポリペプチドもしくは該ポリ
ペプチドをコードするmRNAまたはゲノムDNAの存在を検出し、該対照サンプル中
の該ポリペプチドもしくは該ポリペプチドをコードするmRNAまたはゲノムDNAの
存在と、試験サンプル中の該ポリペプチドもしくは該ポリペプチドをコードする
mRNAまたはゲノムDNAの存在とを比較することを含む。
【0210】 本発明はまた、生体サンプル(試験サンプル)における本発明のポリペプチド
または核酸の存在を検出するためのキットも含む。このようなキットを用いて、
被験体が、本発明のポリペプチドの異常な発現に関連する障害(例えば、増殖性
障害、例えば、乾癬または癌)に罹患している、あるいは、そのような障害を発
症する可能性が高いか否かを決定することができる。例えば、該キットは、生体
サンプルにおけるポリペプチドもしくは該ポリペプチドをコードするmRNAを検出
できる標識化合物または薬剤と、サンプル中の該ポリペプチドもしくはmRNAの量
を測定するための道具(例えば、ポリペプチドと結合する抗体、もしくは、該ポ
リペプチドをコードするDNAまたはmRNAに結合するオリゴヌクレオチドプローブ
)とを含む。該キットはまた、該ポリペプチド、もしくは該ポリペプチドをコー
ドするmRNAの量が正常レベルを上回るまたはこれを下回る場合、被験体が該ポリ
ペプチドの異常な発現に関連する障害に罹患している、あるいは、そのような障
害を発現する恐れがあることを観察するための説明事項を含んでもよい。
【0211】 抗体に基づくキットについては、キットは、例えば、(1) 本発明のポリペプチ
ドに結合する1次抗体(例えば、固相支持体に固定した)と;場合に応じて、(2)
該ポリペプチドまたは1次抗体のいずれかに結合し、検出可能な薬剤に共役結合
された異なる2次抗体を含む。
【0212】 オリゴヌクレオチドに基づくキットについては、キットは、例えば、(1) 本発
明のポリペプチドをコードする核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチ
ド、例えば、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド、または (2)本発明のポ
リペプチドをコードする核酸分子を増幅するのに有用な1対のプライマーを含む
。また、このキットは、例えば、緩衝剤、防腐剤、またはタンパク質安定剤を含
んでもよい。このキットはさらに、検出可能な薬剤(例えば、酵素または基質)
を検出するのに必要な成分を含んでもよい。このキットはまた、1つの対照サン
プルまたは一連の対照サンプルを含んでもよく、これを検定し、該キットに含ま
れる試験サンプルと比較することができる。該キットの各成分は、通常、個々の
容器に密封されており、各種容器はすべて1つのパッケージに収納され、該パッ
ケージには、被験体が、上記ポリペプチドの異常な発現に関連する障害に罹患し
ている、または、そのような障害を発現する恐れがあるという見解に対する説明
事項が記載されている。
【0213】 2.予後アッセイ 本明細書に記載した方法はさらに、診断または予後アッセイとして使用するこ
とにより、本発明のポリペプチドの異常な発現または活性に関連する疾病または
障害に罹患した、あるいは、そのような障害を発現する恐れのある被験体を識別
することができる。例えば、前に行う診断アッセイまたは後に行うアッセイ等、
本明細書に記載したアッセイを使用して、本発明のポリペプチドの異常な発現ま
たは活性に関連する障害(例えば、増殖性障害、例えば、乾癬もしくは癌、また
は脈管形成障害)に罹患した、あるいは、そのような障害を発現する恐れがある
被験体を識別できる。あるいは、予後アッセイを用いて、このような障害に罹患
した、もしくは、発現する恐れがある被験体を識別できる。従って、本発明は、
被験体から試験サンプルを採取し、本発明のポリペプチドまたは核酸(例えば、
mRNA、ゲノムDNA)を検出する方法において、該ポリペプチドまたは核酸の存在
により、該ポリペプチドの異常な発現もしくは活性に関連する疾病または障害に
罹患した、あるいは、それらを発現する恐れのある被験体を診断する方法を提供
する。ここで用いる「試験サンプル」という用語は、目的とする被験体から採取
した生体サンプルを意味する。例えば、試験サンプルは、生体液(例えば、血清
)、細胞サンプル、または組織でよい。
【0214】 さらにまた、本明細書に記載の予後アッセイを用いて、被験体に薬剤(例えば
、アゴニスト、アンタゴニスト、擬似ペプチド、タンパク質、ペプチド、核酸、
低分子物質、その他の候補薬物)を投与することにより、本発明のポリペプチド
の異常な発現もしくは活性に関連する疾病または障害の治療が可能か否かを決定
できる。例えば、このような方法を用いて、特定の薬剤または特定の分類の薬剤
(例えば、該ポリペプチドの活性を低下させるタイプの薬物)で、被験体を有効
に治療できるか否かを決定することができる。従って、本発明は、本発明のポリ
ペプチドの異常な発現または活性に関連する障害に対する薬物で被験体を有効に
治療することが可能か否かを決定する方法であって、試験サンプルを採取し、上
記ポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする核酸を検出する(例えば、そ
の際、該ポリペプチドまたは核酸の存在によって、上記薬剤を投与することによ
り、該ポリペプチドの異常な発現または活性に関連する障害を治療できる被験体
を診断する)方法を提供する。
【0215】 また、本発明の方法を用いて、本発明の遺伝子における遺伝的欠陥または突然
変異を検出し、これにより、欠陥遺伝子を有する被験体が、本発明のポリペプチ
ドの異常な発現または活性を特徴とする障害を発現する恐れがあるか否かを決定
することができる。好ましい実施形態では、この方法は、被験体由来の細胞のサ
ンプルにおいて、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の整合性に影響する
改変、もしくは本発明のポリペプチドをコードする遺伝子の誤発現の少なくとも
1つを特徴とする遺伝的欠陥または突然変異の存在または不在を検出することを
含む。例えば、このような遺伝的欠陥または突然変異は、1)遺伝子に由来する
1つ以上のヌクレオチドの欠失;2)遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加
;3)遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換;4)遺伝子の染色体再編成;5
)遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物レベルの変動;6)ゲノムDNAのメチル化
パターン等の遺伝子の異常な修飾;7)遺伝子のメッセンジャーRNA転写産物の
非野生型のスプライシングパターンの存在;8)遺伝子によりコードされるタン
パク質の野生型の程度;9)遺伝子の対立遺伝子の欠失;ならびに、10)遺伝子
によりコードされるタンパク質の不適切な翻訳後修飾のうち、少なくとも1つの
存在を確認することにより、検出することができる。本明細書に記載するように
、遺伝子中の欠陥を検出するのに使用できる多数のアッセイ方法が、当業者には
公知である。
【0216】 ある実施形態では、欠陥の検出は、アンカーPCRまたはRACE PCR等のポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,683,195号および4,683,302号などを参照のこ
と)、あるいは、連結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Science 2
41:1077〜1080;ならびに、Nakazawaら(1994)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91
:360〜364参照)に、プローブ/プライマーを使用する(例えば、米国特許第4,6
83,195号および第4,683,202号を参照)ことを含み、後者は、遺伝子中の点突然
変異を検出する上で、特に有用である(Abravayaら(1995)Nucleic Acids Res.
23:675〜682参照)。この方法は、患者から細胞のサンプルを採取し、該サンプ
ルの細胞から核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたは両方)を単離した後、選択した
遺伝子(もし存在すれば)のハイブリダイゼーションおよび増幅が起こる条件下
で、該遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーと、上記核酸
サンプルを接触させ、増幅産物が存在するか否かを検出する、または、増幅産物
の大きさを調べ、対照サンプルと長さを比較する、という各ステップを含む。本
明細書に記載の突然変異の検出に使用される技術のいずれかと併用する予備的増
幅ステップとして、PCRおよび/またはLCRを用いるのが望ましいと考えられる。
【0217】 別の増幅方法は、自己維持配列複製(Guatelliら(1990)Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 87:1874〜1878)、転写増幅系(Kwohら(1989)Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 86:1173〜1177)、Q-βレプリカーゼ(Lizardiら(1988)Bio/Technolog
y 6:1197)、または、その他の核酸増幅法に続き、当業者には公知の技術を用い
た増幅分子の検出を含む。これらの検出手段は、極めて少数しか存在しないよう
な核酸分子を検出する場合に特に有用である。
【0218】 別の実施形態では、サンプル細胞由来の選択遺伝子における突然変異を、制限
酵素切断パターンの改変により同定できる。例えば、サンプルおよび対照DNAを
単離し、増幅し(場合に応じて)、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化し
た後、ゲル電気泳動により断片長さを測定し、両者を比較する。サンプルと対照
DNAの断片長さの差異により、サンプルDNAの突然変異が示唆される。さらに、配
列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,498,531号を参照)を用いて、リボ
ザイム切断部位の存在または欠失により、特定の突然変異の存在を評価すること
ができる。
【0219】 他の実施形態では、サンプルおよび対照核酸、例えば、DNAまたはRNAを、数百
もしくは数千個のオリゴヌクレオチドプローブを含む高密度アレイにハイブリダ
イズすることにより、ゲノムの突然変異を確認できる(Croninら、(1996)Huma
n Mutation 7:244〜255;Kozalら、(1996)Nature Medicine 2:753〜759)。例
えば、遺伝子の突然変異は、Croninら(前掲)に記載されているように、発光性
(light-generated)DNAプローブを含む2次元アレイで確認することができる。
簡単に言えば、第1のハイブリダイゼーション用プローブアレイを用いて、サン
プルおよび対照におけるDNAの長い部分にわたってスキャンして、配列重複プロ
ーブの線状アレイを作ることにより、配列間の塩基変化を確認することができる
。この工程により、点突然変異の同定が可能になる。この工程に続き、第2のハ
イブリダイゼーション用アレイを用いて、検出されるすべての変異体または突然
変異に相補的な、さらに小さい特殊プローブアレイを使用することにより、特定
の突然変異を確認することができる。各突然変異は、対応するプローブセットか
ら構成されるが、1つは野生型遺伝子に相補的で、他方は突然変異遺伝子に相補
的である。
【0220】 さらに別の実施形態では、当業者には公知の様々な配列決定反応のいずれかを
用いて、選択遺伝子を直接配列決定し、サンプル核酸の配列を、対応する野生型
(対照)配列と比較することにより、突然変異を検出することができる。配列決
定反応の例として、MaximおよびGilbert((1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA
74:560)またはSanger((1977)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463)によ
り開発された技術に基づくものがある。また、診断アッセイ((1995)Bio/Tech
niques 19:448)を実施する際、各種自動化配列決定手順のいずれかを使用する
ことも考えられるが、これらの手順には、質量分析法による配列決定が含まれる
(例えば、PCT公開公報第.WO94/16101;Cohenら(1996)Adv. Chromatogr. 36:1
27〜162;ならびに、Griffinら(1993)Appl. Bioche. Biotechnol. 38:147〜15
9を参照)。
【0221】 選択遺伝子中の突然変異を検出するその他の方法は、切断薬物からの保護を用
いて、RNA/RNAまたはRNA/DNA異種2本鎖中のミスマッチ塩基を検出する方法(Mye
rsら(1985)Science 230:1242)を含む。一般に、「ミスマッチ切断」の方法で
は、野生型配列を含む(標識)RNAまたはDNAを、組織サンプルから得られる突然
変異体の可能性の有るRNAまたはDNAとハイブリダイズすることにより形成された
異種2本鎖を調製する必要がある。該二本鎖を、対照およびサンプル鎖間の塩基
対ミスマッチにより存在するもの等、該二本鎖の一本鎖領域を切断する薬物で処
理する。RNA/DNA二本鎖では、RNaseで処理することにより該ミスマッチ領域を消
化でき、また、DNA/RNAハイブリッドでは、S1ヌクレアーゼで処理することによ
り該ミスマッチ領域を消化できる。
【0222】 他の実施形態では、DNA/DNAまたはRNA/DNA二本鎖のいずれかを、ヒドロキシル
アミンまたは四酸化オスミウム、およびピペリジンで処理することにより、ミス
マッチ領域を消化できる。ミスマッチ領域の消化後、得られた物質を、変性用ポ
リアクリルアミドゲル上で大きさ別により分離して、突然変異の部位を決定する
。例えば、Cottonら、(1988)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:4397;Saleeba
ら、(1992)Methods Enzymol. 217:286〜295を参照されたい。好ましい実施形
態では、対照DNAまたはRNAを検出用に標識してもよい。
【0223】 さらに別の実施形態では、ミスマッチ切断反応は、細胞のサンプルから得られ
たcDNA中の点突然変異を検出およびマッピングする規定のシステムにおいて、二
本鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNA
ミスマッチ修復」酵素)を使用する。例えば、大腸菌の酵素mutYは、G/Aミスマ
ッチでAを切断し、HeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/Tミスマッ
チでTを切断する(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657〜1662)。実施形態の
一つの例によれば、選択された配列に基づくプローブ、例えば、野生型配列を、
試験する細胞由来のcDNAまたはその他のDNA産物にハイブリダイズさせる。得ら
れた二本鎖をDNAミスマッチ修復酵素で処理した後、切断産物がもし存在すれば
、電気泳動法などにより検出可能である。例えば、米国特許第5,459,039号を参
照のこと。
【0224】 他の実施形態では、電気泳動移動度の変化を利用して、遺伝子中の突然変異を
確認する。例えば、一本鎖高次構造多型(SSCP)を突然変異体と野生型核酸間の
電気泳動移動度の差異を検出するのに用いてもよい(Oritaら(1989)Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA 86:2766;また、Cotton(1993)Mutat. Res. 285:125〜144
;Hayashi(1992)Genet. Anal. Tech. Appl. 9:73〜79を参照)。サンプルおよ
び対照核酸の一本鎖DNA断片を変性した後、再生させる。一本鎖核酸の二次構造
は、配列に応じて異なり、その結果生じる電気泳動移動度の変化により、単一塩
基の変化でさえ検出が可能になる。DNA断片は、標識プローブで標識化または検
出が可能である。RNA(DNAではなく)を用いることにより、このアッセイの感受性
を増強することができ、その際、二次構造は、配列の変化に対してさらに感受性
が高くなる。好ましい実施形態では、当該方法は、異種2本鎖分析を用いて、電
気泳動移動度の変化に基づき、二本鎖をなす異種2本鎖分子を分類する(Keenら
(1991)Trends Genet. 7:5)。
【0225】 さらに別の実施形態では、変性剤勾配を含有するポリアクリルアミドゲル中で
の突然変異体または野生型断片の移動を、変性剤勾配ゲル電気泳動(DGGE)法を
用いて検定する(Myersら(1985)Nature 313:495)。DGGEを分析方法として用
いる場合には、DNAの完全な変性を防ぐために、PCRにより高温融解性GCの含有量
の高い約40 bpのDNAからなる「GCクランプ」を付加することにより、上記DNAを
修飾する。さらに別の実施形態では、変性剤勾配の代わりに、温度勾配を用いる
ことにより、対照およびサンプルDNAの移動度の差を測定する(Rosenbaumおよび
Reissner(1987)Biophys. Chem. 265:12753)。
【0226】 点突然変異を検出するその他の方法の例には、限定するものではないが、選択
的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プラ
イマー伸長が含まれる。例えば、既知の突然変異が中央に位置するオリゴヌクレ
オチドプライマーを調製し、完全な結合相手がみつかった場合に限りハイブリダ
イゼーションを起こす条件下で、上記プライマーを標的DNAにハイブリダイズさ
せる(Saikiら(1986)Nature 324:163);Saikiら(1989)Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 86:6230)。このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを、PCR
増幅標的DNA、または多数の異なる突然変異にハイブリダイズさせるが、その際
、該オリゴヌクレオチドをハイブリダイズ膜に結合させ、そして標識標的DNAに
ハイブリダイズさせる。
【0227】 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅方法を、本発明と
一緒に用いてもよい。特異的増幅用のプライマーとして用いるオリゴヌクレオチ
ドは、分子の中央(これにより、増幅が示差ハイブリダイゼーションに依存する
ように)(Gibbsら(1989)Nucleic Acid Res. 17:2437〜2448)、または1プラ
イマーの3’末端の端部に、目的とする突然変異を含有し、この位置で、適切な
条件下で、ミスマッチがポリメラーゼ伸長を阻止または抑制することができる(
Prossner(1993)Tibtech 11:238)。さらに、突然変異の領域に新規の制限部位
を導入することにより、切断に基づく検出を行うのが望ましい(Gaspariniら(1
992)Mol. Cell Probes 6:1)。実施形態によっては、増幅用のTaqリガーゼを用
いて増幅を実施することも考えられる(Barany(1991)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:189)。このような場合、5’配列の3’末端に完全な相手がある場合に
限り、連結反応が起こり、増幅が起こるか否かを探索することにより、特定部位
における既知突然変異の存在を検出することが可能になる。
【0228】 本明細書に記載した方法は、例えば、本明細書に記載した少なくとも1つのプ
ローブ核酸または抗体試薬を含む予備パックした診断キットを使用することによ
り実施することができる。この診断キットは、例えば、本発明のポリペプチドを
コードする遺伝子に関連する疾病または疾患の症状もしくは家族歴を呈示する患
者の診断に臨床の場で好適に用いることができる。さらに、本発明のポリペプチ
ドが発現したあらゆる細胞タイプまたは組織、好ましくは、末梢血液白血球を、
本発明に記載した予後アッセイに使用してもよい。
【0229】 3.薬理遺伝学 本明細書に記載したスクリーニングアッセイにより同定される本発明のポリペ
プチドの活性もしくは発現に刺激または抑制効果を有する薬剤、あるいは調節剤
を個体に投与することにより、該ポリペプチドの異常な活性に関連する障害を処
置(予防または治療目的で)することができる。このような治療と共に、個体の
薬理遺伝学(すなわち、個体の遺伝子型と、外来化合物または薬剤に対する該個
体の応答との関係についての研究)を考えることができる。治療薬の代謝の違い
は、薬理学的に活性の薬物の投与量と血中濃度との関係が変わることにより、重
篤な毒性または治療の失敗につながる恐れがある。従って、個体の薬理遺伝学に
より、個体の遺伝子型を考慮して、予防または治療用の有効薬剤(例えば、薬物
)の選択が可能になる。また、このような薬理遺伝学を用いて、適切な投与量お
よび治療法を決定することも可能である。従って、個体における本発明のポリペ
プチドの活性、本発明の核酸の発現、あるいは本発明の遺伝子の突然変異の含有
量を決定することにより、該個体の治療または予防治療用の適切な薬剤の選択が
できる。
【0230】 薬理遺伝学は、患者における薬物傾向の変化および異常な作用による薬物への
応答における重度の遺伝性変異を臨床的に取り扱う。Linder(1997)Clin. Chem
. 43(2):254〜266を参照。一般に、薬理遺伝学的条件を2つのタイプに区別する
ことができる。薬物が身体に作用する様式を変える1つの因子として伝達される
遺伝子条件は、「変化した薬物作用」と呼ぶ。また、身体が薬物に作用する様式
を変える1つの因子として伝達される遺伝子条件は、「変化した薬物代謝」と呼
ぶ。これらの薬理遺伝学的条件は、稀有な欠陥または多型性のいずれかとして起
こり得る。例えば、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠損症(G6PD)は、
一般的遺伝性酵素異常症であり、その主な臨床上の合併症は、酸化体薬物(抗マ
ラリア薬、スルホンアミド、中枢神経刺激薬、ニトロフラン)の摂取、およびソ
ラマメの消費後に起こる溶血現象である。
【0231】 例示的実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続時
間の主な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N-アセチルトランスフェラー
ゼ2(NAT 2)ならびにシトクロムP450酵素CYP2D6およびCYP2C19)の遺伝子多型
性の発見により、標準的かつ安全な薬物投与量の摂取後、期待された薬物効果が
得られない患者、または、過剰な薬物応答および重篤な毒性を示す患者がいる理
由ついて説明が可能となった。これらの多型は、集団における2つの表現型、す
なわち、高代謝型(EM)と低代謝型(EM)として発現される。異なる集団の中で
は、PMが優性である。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は、高度に多型性であ
り、数個の突然変異がPMで確認され、これらはすべて、機能的CYP2D6の不在につ
ながる。CYP2D6およびCYP2D19の低代謝型は、それらが標準的投与量を受けた際
、かなりの頻度で過剰な薬物応答や副作用を受ける。代謝産物が活性のある治療
薬成分である場合には、PMは、そのCYP2D6形成代謝産物モルヒネにより媒介され
るコデインの鎮痛効果について証明されているように、治療応答をまったく示さ
ない。もう一方の極端な状況は、標準投与量には応答しない、いわゆる超高速代
謝型である。最近、超高速代謝の分子的原理は、CYP2D6遺伝子増幅によることが
確認されている。
【0232】 従って、個体における本発明のポリペプチドの活性、該ポリペプチドをコード
する核酸の発現、あるいは、該ポリペプチドをコードする遺伝子の突然変異含有
量を検出することにより、該個体の治療または予防治療に適切な薬剤を選択する
ことができる。さらに、薬理遺伝学研究を用いることにより、薬物代謝酵素をコ
ードする多型性対立遺伝子の遺伝子型決定を、個体の薬剤応答性表現型の識別に
適用することができる。この知見を投与量決定または薬物選択に適用すれば、有
害な反応または治療の失敗を回避することができ、従って、本明細書に記載した
例示的スクリーニングアッセイの1つにより確認される調節剤などのポリペプチ
ドの活性または発現に対する調節剤で患者を治療する際の治療または予防効率を
高めることができる。
【0233】 4.臨床試験中の効果のモニタリング 本発明のポリペプチドの発現または活性に対する薬剤(例えば、薬物、化合物
)の影響(例えば、異常な細胞増殖走化作用、および/または分化を調節する能
力)のモニタリングは、基本的薬物スクリーニングだけではなく、臨床試験にも
適用することができる。例えば、本明細書に記載のスクリーニングアッセイによ
り測定されるように、遺伝子発現、タンパク質レベルもしくはタンパク質活性を
増強する薬剤の有効性は、遺伝子発現の低下、タンパク質レベルまたはタンパク
質活性の低下を示す被験体の臨床試験においてモニターすることができる。ある
いは、スクリーニングアッセイにより測定されるように、遺伝子発現、タンパク
質レベルもしくはタンパク質活性を抑制する薬剤の有効性は、遺伝子発現、タン
パク質レベルまたはタンパク質活性の増加を示す被験体の臨床試験においてモニ
ターすることができる。このような臨床試験では、本発明のポリペプチドの発現
または活性、ならびに、好ましくは、例えば、細胞増殖障害に関与してきたその
他のポリペプチドの発現または活性を、特定の細胞の免疫応答性のマーカーとし
て使用することができる。
【0234】 例えば、限定するものではないが、本発明のポリペプチドの活性または発現(
例えば、本明細書に記載のスクリーニングアッセイにより確認される)を調節す
る薬剤(例えば、化合物、薬物または低分子物質)による治療により、細胞で調
節される本発明のものを含む遺伝子を確認することができる。従って、例えば、
臨床試験において、細胞増殖障害への薬剤の効果を調べるためには、細胞を単離
し、RNAを調製して、該障害に関与する本発明の遺伝子またはその他の遺伝子の
発現レベルについて分析する。遺伝子発現(すなわち、遺伝子発現パターン)は
、本明細書に記載のように、ノーザンブロット分析またはRT-PCR、もしくは、本
明細書に記載の方法の1つを用いて、生成されたタンパク質の量を測定すること
、あるいはまた、本発明の遺伝子またはその他の遺伝子の活性レベルを測定する
ことにより定量化することができる。このようにして、遺伝子発現パターンは、
マーカーとして作用し、薬剤に対する細胞の生理的応答を示す。従って、この応
答状態は、薬剤による個体の治療前、ならびに、治療中の様々な時点で測定する
ことができる。
【0235】 好ましい実施形態では、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニス
ト、擬似ペプチド、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子物質、またはその他の
本明細書に記載のスクリーニングアッセイにより確認される候補薬物)による患
者の治療の有効性をモニターする方法であって、(i) 薬剤の投与前に患者から投
与前サンプルを採取し;(ii) 投与前サンプルにおける本発明のポリペプチドま
たは核酸のレベルを検出し;(iii) 患者から1つ以上の投与後サンプルを採取し
;(iv) 投与後サンプルにおける本発明のポリペプチドまたは核酸のレベルを検
出し;(v) 投与前サンプルにおける本発明のポリペプチドまたは核酸のレベルと
、投与後サンプルにおける本発明のポリペプチドまたは核酸のレベルを比較し;
(vi) それに応じて、患者に対する薬剤の投与を変える、という各ステップを含
む方法を提供する。例えば、ポリペプチドの発現または活性を検出されたものよ
り高いレベルに増大させる、すなわち、薬剤の有効性を高めるには、薬剤の投与
量を増やすことが望ましい。これに対し、ポリペプチドの発現または活性を検出
されたものより低いレベルに下げる、すなわち、薬剤の有効性を下げるには、薬
剤の投与量を減らすことが望ましい。
【0236】 C.治療方法 本発明は、本発明のポリペプチドの異常な発現または活性に関連する障害の恐
れがある(またはかかりやすい)、もしくは障害を有する被験体を治療する予防
および治療の両方法を提供する。例えば、本発明のポリペプチドの異常な発現ま
たは活性を特徴とする障害は、乾癬や癌等の増殖性障害を含む。さらに、本発明
のポリペプチドは、発毛促進、創傷治癒の促進、ならびに、本明細書に記載のそ
の他の用途に用いることができる。
【0237】 1.予防方法 一つの態様においては、本発明は、患者において、本発明のポリペプチドの発
現または少なくとも1つの活性を調節する薬剤を該患者に投与することにより、
該ポリペプチドの異常な発現もしくは活性に関連する障害または症状を予防する
方法を提供する。本発明のポリペプチドの異常な発現もしくは活性に起因する、
またはこれが寄与する疾病を発病する恐れのある被験体は、例えば、本明細書に
記載した診断または予後アッセイのいずれか、またはそれらの組合せにより、識
別することができる。予防薬の投与は、特有の異常な症状の発症の前に実施する
ことにより、疾病または障害を予防、あるいは、その進行を遅らせることができ
る。異常のタイプに応じて、患者を治療するために、例えば、アゴニストまたは
アンタゴニストを用いることができる。例えば、ELVISタンパク質のアンタゴニ
ストを用いて、異常なELVIS発現または活性に関連する増殖障害、例えば、乾癬
を治療することが可能である。適切な薬剤は、本明細書に記載のスクリーニング
アッセイに基づいて決定することができる。
【0238】 2.治療方法 本発明の別の態様は、治療を目的として、本発明のポリペプチドの発現または
活性を調節する方法に関する。本発明の調節方法は、該ポリペプチドの少なくと
も1つの活性を調節する薬剤と、細胞を接触させることを含む。活性を調節する
薬剤は、核酸またはタンパク質、天然に存在する上記ポリペプチドの同族性リガ
ンド、ペプチド、擬似ペプチド、もしくはその他の低分子物質等、本明細書に記
載した薬剤でよい。一実施形態では、薬剤は、該ポリペプチドの1つ以上の生物
活性を刺激する。このような刺激剤の例は、本発明の活性ポリペプチド、ならび
に、細胞に導入された本発明のポリペプチドをコードする核酸を含む。別の実施
形態では、薬剤は、本発明のポリペプチドの1つ以上の生物活性を阻害する。こ
のような阻害剤の例は、アンチセンス核酸分子および抗体を含む。これら調節方
法は、in vitro(例えば、細胞を薬剤と共に培養することにより)あるいはまた
、in vivo(例えば、薬剤を被験体に投与することにより)で実施することがで
きる。このように、本発明は、本発明のポリペプチドの異常な発現または活性を
特徴とする障害もしくは症状を患う個体を治療する方法を提供する。一実施形態
では、該方法は、発現もしくは活性を調節する(例えば、アップレギュレートも
しくはダウンレギュレートする)薬剤(本明細書に記載のスクリーニングアッセ
イに基づいて確認された薬剤)、またはこれら薬剤の組合せの投与を含む。別の
実施形態では、該方法は、治療として、本発明のポリペプチドまたは本発明の核
酸を投与することにより、該ポリペプチドの低下した発現もしくは異常な発現を
補償することを含む。
【0239】 活性または発現が異常に低い、もしくはダウンレギュレートされている状況お
よび/または活性の増加が有用な効果を有すると思われる状況、例えば、創傷の
治癒などでは、活性の刺激が望ましい。反対に、活性または発現が異常に高い、
もしくはアップレギュレートされている状況、および/または活性の低下が有用
な効果を有すると思われる状況、例えば、海鮮等の増殖障害の治療などでは、活
性の阻害が望ましい。
【0240】 接触性皮膚炎の治療、火傷の治療、上皮細胞増殖の調節、ならびに、脱毛症も
しくは不要な発毛の治療において、本発明のタンパク質の発現または活性の調節
剤が必要とされる場合もある。
【0241】 本発明を以下の実施例を参照によりさらに詳しく説明するが、これらの実施例
は限定するものではない。本明細書を通して引用される参照文献、特許および公
開特許出願は、参照として本明細書に組み込むものとする。
【0242】均等物 当業者は、通常の実験を用いて、本明細書に記載した本発明の具体的実施形態
に相当する多数の均等物を認識、あるいは確認することができよう。このような
均等物は特許請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトELVIS-1のcDNA配列(配列番号1)およびELVIS-1の推定アミノ酸配列(配
列番号2)を示す。配列番号1のオープンリーディングフレームは、配列番号1
のヌクレオチド31〜ヌクレオチド492(配列番号3)に伸びている。
【図2】 ヒトELVIS-1のハイドロパシープロットを示す。相対的に疎水性の残基は水平
な破線の上に示し、相対的に親水性の残基は水平な破線の下に示す。システイン
残基(cys)および可能性のあるN-グリコシル化部位(Ngly)は、ハイドロパシ
ートレースの直下に短い縦線で示す。ハイドロパシープロットの下に、ELVIS-1
のアミノ酸配列を示す。ELVIS-1のシグナル配列のアミノ酸配列は下線および「S
」を付して示し、ELVIS-1の膜貫通ドメインのアミノ酸配列は下線および「TM」
を付して示す。
【図3】 ELVIS-1の変異型であるELVIS-2のcDNA配列(配列番号4)、およびELVIS-2の
推定アミノ酸配列(配列番号5)を示す。配列番号4のオープンリーディングフ
レームは、配列番号4のヌクレオチド15〜ヌクレオチド323(配列番号6)に伸
びている。
【図4】 ヒトELVIS-2のハイドロパシープロットを示す。相対的に疎水性の残基は水平
な破線の上に示し、相対的に親水性の残基は水平な破線の下に示す。システイン
残基(cys)および可能性のあるN-グリコシル化部位(Ngly)は、ハイドロパシ
ートレースの直下に短い縦線で示す。ハイドロパシープロットの下に、ELVIS-2
のアミノ酸配列を示し、ELVIS-2のシグナル配列は下線および「S」を付して示す
【図5】 ELVIS-1のもう1つの変異型であるELVIS-3のcDNA配列(配列番号7)、および
ELVIS-3の推定アミノ酸配列(配列番号8)を示す。配列番号7のオープンリー
ディングフレームは、配列番号7のヌクレオチド12〜ヌクレオチド294(配列番
号9)に伸びている。
【図6】 ELVIS-1のもう1つの変異型であるヒトELVIS-3のハイドロパシープロットを示
す。相対的に疎水性の残基は水平な破線の上に示し、相対的に親水性の残基は水
平な破線の下に示す。システイン残基(cys)および可能性のあるN-グリコシル
化部位(Ngly)は、ハイドロパシートレースの直下に短い縦線で示す。ハイドロ
パシープロットの下に、ELVIS-3のアミノ酸配列を示し、ELVIS-3のシグナル配列
は下線および「S」を付して示す。
【図7】 ヒトELVIS-1(配列番号2)、ヒトELVIS-2(配列番号5)、ヒトELVIS-3(配
列番号8)のアミノ酸配列、およびヒトTGF-αのアミノ酸配列(配列番号13)
のアライメントを示す。ヒトELVIS-1およびヒトTGF-αのアミノ酸配列は24.4%
の配列同一性を有する。ClustalWアライメントプログラムを、PAM250スコアリン
グマトリクス、ギャップペナルティ10およびギャップ延長ペナルティ0.05で用い
てマルチプルアライメントを行った。
【図8】 ヒトELVIS-1(配列番号1)、ELVIS-2(配列番号4)およびELVIS-3(配列番
号7)をコードするヌクレオチド配列のアライメントを示す。
【図9】 図5に示したELVIS-3 cDNAのより完全な配列(配列番号21)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 17/00 4C085 45/00 17/06 4C086 48/00 25/18 4H045 A61P 17/00 35/00 17/06 43/00 111 25/18 C07K 14/485 35/00 16/22 43/00 111 19/00 C07K 14/485 C12P 21/02 H 16/22 C12Q 1/02 19/00 1/68 A C12N 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 B 1/68 A61K 37/02 G01N 33/53 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ギアリング,デヴィッド,ピー. アメリカ国 02181 マサチューセッツ州 ウェルスレイ,スタンデッシュ ロード 23 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ42 QQ52 QR56 QR59 QR80 QS24 QS25 QS34 4B064 AG13 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 AA17 BA01 BA18 BA19 BA20 BA21 BA22 CA18 CA53 DB53 NA14 ZA18 ZA89 ZB26 ZC02 4C085 AA13 AA14 AA19 BB11 CC21 DD62 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA18 ZA89 ZB26 ZC02 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA20 DA76 EA22 EA28 EA50 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の核酸分子: a)配列番号1、3、4、6、7、9、またはATCCに受託番号98981、98982も
    しくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートのヌクレオチド配列
    またはその相補体に対して少なくとも55%の同一性を有するヌクレオチド配列を
    含む核酸分子; b)配列番号1、3、4、6、7、9、またはATCCに受託番号98981、98982も
    しくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートのヌクレオチド配列
    またはその相補体の少なくとも300ヌクレオチドの断片を含む核酸分子; c)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号98981、
    98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコード
    されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子; d)配列番号2、5、8、またはATCCに受託番号98981、98982もしくは98983と
    して寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコードされるポリペプチドの
    アミノ酸配列を含むポリペプチドの断片をコードする核酸分子であって、該断片
    が、配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号98981、9
    8982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコード
    されるポリペプチドのアミノ酸配列の少なくとも15個連続したアミノ酸を含む、
    該核酸分子;ならびに e)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号98981、
    98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコード
    されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体をコ
    ードする核酸分子であって、配列番号3、6もしくは9またはその相補体を含む
    核酸分子とストリンジェントな条件下にてハイブリダイズする、該核酸分子; からなる群より選択される、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 以下の核酸分子: a)配列番号1、3、4、6、7、9、またはATCCに受託番号98981、98982も
    しくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートのヌクレオチド配列
    またはその相補体を含む核酸;および b)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号98981、
    98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコード
    されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子; からなる群より選択される、請求項1記載の単離された核酸分子
  3. 【請求項3】 ベクター核酸配列をさらに含む、請求項1記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 異種ポリペプチドをコードする核酸配列をさらに含む、請求
    項1記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の核酸分子を含有する宿主細胞。
  6. 【請求項6】 哺乳動物宿主細胞である、請求項5記載の宿主細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の核酸分子を含有する、非ヒト哺乳動物宿主細
    胞。
  8. 【請求項8】 以下のポリペプチド: a)配列番号2、5または8のアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片であっ
    て、配列番号2、5または8の少なくとも15個連続したアミノ酸を含む、該断片
    ; b)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号98981、
    98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコード
    されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体であ
    って、配列番号1、4もしくは7またはその相補体を含む核酸分子とストリンジ
    ェントな条件下にてハイブリダイズする核酸分子によりコードされる、該変異体
    ;ならびに c)配列番号1、4もしくは7のヌクレオチド配列またはその相補体を含む核
    酸に対して少なくとも55%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子に
    よりコードされるポリペプチド; からなる群より選択される、単離されたポリペプチド。
  9. 【請求項9】 配列番号2、5または8のアミノ酸配列を含む、請求項8記
    載の単離されたポリペプチド。
  10. 【請求項10】 異種アミノ酸配列をさらに含む、請求項8記載のポリペプ
    チド。
  11. 【請求項11】 請求項8記載のポリペプチドと選択的に結合する抗体。
  12. 【請求項12】 以下のポリペプチド: a)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号 98981
    、98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコー
    ドされるアミノ酸配列を含むポリペプチド; b)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号 98981
    、98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコー
    ドされるアミノ酸配列の断片を含むポリペプチドであって、該断片が、配列番号
    2、5もしくは8またはATCCに受託番号 98981、98982もしくは98983として寄託
    されたプラスミドのcDNAインサートによりコードされるアミノ酸配列の少なくと
    も15個連続したアミノ酸を含むものである、該ポリペプチド;ならびに c)配列番号2、5もしくは8のアミノ酸配列、またはATCCに受託番号 98981
    、98982もしくは98983として寄託されたプラスミドのcDNAインサートによりコー
    ドされるアミノ酸配列を含むポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子変異体で
    あって、配列番号1、4もしくは7またはその相補体を含む核酸分子とストリン
    ジェントな条件下にてハイブリダイズする核酸分子によりコードされる、該変異
    体; からなる群より選択されるポリペプチドの生産方法であって、請求項5記載の宿
    主細胞を該核酸分子が発現される条件下にて培養することを含む、上記方法。
  13. 【請求項13】 サンプル中の請求項8記載のポリペプチドの存在の検出方
    法であって、 a)サンプルと、請求項8記載のポリペプチドと選択的に結合する化合物とを
    接触させ;そして b)該化合物がサンプル中の該ポリペプチドと結合するかどうかを判定する;
    ことを含む、上記方法。
  14. 【請求項14】 前記ポリペプチドと結合する化合物が抗体である、請求項
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 請求項8記載のポリペプチドと選択的に結合する化合物お
    よび使用説明書を含むキット。
  16. 【請求項16】 サンプル中の請求項1記載の核酸分子の存在の検出方法で
    あって、以下のステップ: a)サンプルと、該核酸分子と選択的にハイブリダイズする核酸プローブまた
    はプライマーとを接触させるステップ;および b)該核酸プローブまたはプライマーがサンプル中の該核酸分子と結合するか
    どうかを判定するステップ; を含む、上記方法。
  17. 【請求項17】 サンプルがmRNA分子を含み、該サンプルと核酸プローブと
    を接触させる、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の核酸分子と選択的にハイブリダイズする化
    合物および使用説明書を含むキット。
  19. 【請求項19】 請求項8記載のポリペプチドと結合する化合物の同定方法
    であって、以下のステップ: a)請求項8記載のポリペプチドまたは該ポリペプチドを発現する細胞と被験
    化合物とを接触させるステップ;および b)該ポリペプチドが被験化合物と結合するかどうかを判定するステップ; を含む、上記方法。
  20. 【請求項20】 ポリペプチドと被験化合物との結合を、以下の検出法: a)被験化合物/ポリペプチド結合の直接検出による結合の検出法; b)競合結合アッセイを用いた結合の検出法; c)ELVIS媒介シグナル伝達のためのアッセイを用いた結合の検出法; からなる群より選択される方法で検出する、請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 請求項8記載のポリペプチドの活性をモジュレートする方
    法であって、請求項8記載のポリペプチドまたは該ポリペプチドを発現する細胞
    を、該ポリペプチドに結合する化合物と、該ポリペプチドの活性をモジュレート
    するのに十分な濃度で接触させることを含む、上記方法。
  22. 【請求項22】 請求項8記載のポリペプチドの活性をモジュレートする化
    合物の同定方法であって、 a)請求項8記載のポリペプチドと被験化合物とを接触させ;そして b)被験化合物が該ポリペプチドの活性に及ぼす影響を判定し、それにより該
    ポリペプチドの活性をモジュレートする化合物を同定する; ことを含む、上記方法。
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