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JP2002525376A - アミド結合形成のための補助基 - Google Patents

アミド結合形成のための補助基

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JP2002525376A
JP2002525376A JP2000572247A JP2000572247A JP2002525376A JP 2002525376 A JP2002525376 A JP 2002525376A JP 2000572247 A JP2000572247 A JP 2000572247A JP 2000572247 A JP2000572247 A JP 2000572247A JP 2002525376 A JP2002525376 A JP 2002525376A
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peptide
group
auxiliary
synthesis
auxiliary compound
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JP2000572247A
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University of Queensland UQ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アミド結合形成のための新規な補助基に関し、ペプチドおよびペプチド模倣化合物の合成のような種々の合成用途におけるこれらの補助基の使用に関し、特に、「小環状ペプチド」、いわゆる「困難な」ペプチド配列、およびネイティブペプチド骨格を有する大きなペプチドの合成のための新規補助基に関する。本発明の補助基はまた、C末端修飾ペプチドのペプチド合成、有機分子の樹脂上環化、ライゲーション化学、骨格置換、および骨格リンカーとして有用である。特に好ましい実施態様では、本発明は、光分解によって除去され得る補助基を提供する。直鎖状または環状ペプチド、C末端修飾ペプチド、またはペプチド分子の樹脂上環化の合成方法は、アミン窒素原子を本発明の補助化合物、特定の補助化合物(これは、固体支持体に必要に応じて連結され得る)に連結する工程を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、アミド結合の形成のための新規補助基に関し、そして種々の合成適
用におけるこれらの補助基の使用に関する。特に、本発明の補助基は、ペプチド
およびペプチド模倣化合物の合成、そして特に「小環状ペプチド」(いわゆる、
「困難な」ペプチド配列)およびネイティブペプチド骨格を有する大きなペプチ
ドの合成に有用である。本発明の補助基はまた、ペプチドの、またはC−末端改
変ペプチドの合成、ならびに有機分子の樹脂上(on−resin)環化、ライ
ゲーション化学(ligating chemistry)、骨格置換および骨
格リンカーに有用である。特に好ましい実施態様において、本発明は、光分解に
よって除去され得る補助基を提供する。
【0002】 (発明の背景) アミド結合形成は、化学および生物において最も研究されている反応の1つで
ある。これは、ペプチドおよびタンパク質の合成を可能にし、そしてペプチド模
倣化合物として知られるペプチド様分子(これは、薬物設計および発見プログラ
ムにおいて広範に使用される)の合成を可能にする。カルボン酸を活性化し、そ
してこれを第1級または第2級アミンと混合することによって、アミド結合形成
を容易にする、たくさんの薬剤および反応条件が、数年にわたって開発されてい
る。しかし、多くの場合、アシル化反応は、完了し得ないか、または全く進行し
得ない。この分野の発展および広範な研究の努力にもかかわらず、いわゆる「困
難な」アミド結合はなお、存在し、これは研究コミュニティーの大いな目的の多
数の化合物にアクセスすることを防げる。特に、これらは、小環状ペプチド、大
きなペプチドおよびタンパク質ならびに困難なペプチド配列を含む。これらの場
合、アシル化を、加熱することによるか、または活性化エステルの活性を増大さ
せることにより、強いる試みは、所望でない副反応(例えば、ラセミ化または二
量体化)という結果になる。これらの場合において、異なるアプローチは、アミ
ド結合形成を容易にするために要求される。過去10数年において、多数の補助
基ストラテジーが発達してきており、これは、これらの問題のいくつかを克服す
るために分子内アシル転移を使用する。これらのストラテジーおよびそれらの標
的は、以下により詳細に概説される。
【0003】 (1.ネイティブライゲーション化学) 化学ライゲーションの一般的考えは、高純度で大きなペプチドを合成すること
である。このプロセスは、最適な固相ペプチド合成を使用することによって、5
0までの残基長の非常に均一な直鎖状ペプチドを生成する能力を利用する。次い
で、これらのペプチドセグメントは、各セグメントの最後で相互に反応性の実体
を使用する、溶液中で連結またはライゲーションされる。既存のライゲーション
ストラテジーに対する主な制限は、これらが非常に制限された数のライゲーショ
ン部位に関してのみ働くことである。
【0004】 数例は、相互に反応性の基がアミドアイソスターを生成することを発表してい
る。これらの第1例において、ライゲーション化学は、生成物のペプチド骨格に
おける改変を生成した。1986,Kempら(1986)は、スキーム1に示
されるチオール−キャプチャストラテジーを提案した。
【0005】
【化6】 (スキーム1) (チオール−キャプチャストラテジー) ここで、2つのペプチドセグメントは、第1セグメントのC−末端でメルカプ
トベンゾフラン置換基を使用してライゲーションされる。システイン残基をN−
末端で有する第2のセグメントは、反応し、ジスルフィド結合を形成する。O−
からN−アシルのシフトの後、ジスルフィド結合は、切断され、「ネイティブ」
アミド結合を形成する。この補助基ストラテジーは、それ自体の権利において革
命的であるが、多芸性を欠き、そして選択的に保護されたペプチドセグメントの
合成における固有の困難さのため、非常に制限された数の場合に成功して使用さ
れてきたのみである(Fotouhiら。1989)。これは、ストラテジーア
プローチおよび補助基の設計の点で本発明者らの発明とは異なる。同じグループ
は、分子内アシル転移の速度に影響を与える多数のパラメータを研究し、補助基
の形状にたいてい焦点を合わしている(Kempら、1981)。この研究は、
本発明者らの発明とは非常に異なり、そして本発明に記載されることを示唆する
ものは決してない。
【0006】 1994年、Dawsonら(1994)は、ネイティブライゲーションの概
念を紹介し、これは、完全に非保護の構築ブロックからネイティブまたは非改変
の骨格を有するタンパク質を生成させる。スキーム2に概説されるこのアプロー
チは、アミノ酸を反応するためのWielandによってまず記載される化学を
使用する。
【0007】
【化7】 (スキーム2) (ネイティブライゲーション) 第1の工程において、非保護ペプチド−α−チオエステルは、第2の非保護ペ
プチドのN−末端システイン側鎖上のチオール官能基と選択的に反応する。初期
形成チオエステルは、水性緩衝液中、イオウから窒素原子への自発的アシル転移
を起こし、これによって、標準ペプチド結合が生成される。数例は、大きなタン
パク質の高純度での合成を可能にするこの研究の重要性を示す(Hackeng
ら、1997)。このネイティブライゲーションストラテジーの制限の1つは、
これが標的ペプチド配列の中間のどこかのシステイン残基の存在に依存すること
である。
【0008】 この研究の拡大において、Canneら(1996)は、ペプチドセグメント
の1つのN−末端で補助基を使用するネイティブライゲーションストラテジーを
報告した。このストラテジーは、N−末端システイン残基に関する必要性を避け
、そしてX−GlyおよびGly−Xへのネイティブ化学ライゲーションに従う
部位の範囲を拡大する。このストラテジーは、スキーム3に概説される。
【0009】
【化8】 (スキーム3) (ネイティブライゲーションの拡大) ペプチド−α−チオエステルは、
【0010】
【化9】 と反応し、ライゲーション生成物を生成する。チオエステル連結中間体は、アシ
ル転移を介してアミド連結生成物に再配置する。第3級アミドでのN−O結合は
、酸性水溶液中の亜鉛ダストを使用して容易に切断され得、これによって、オキ
シエタンチオール補助基を放出し、そしてライゲーション生成物中にネイティブ
骨格構造を生成する。この補助基アプローチの範囲および制限は、異なるライゲ
ーション部位の範囲を選択することによって試験された。
【0011】 S−から−Nのアシル転移はGly−Glyライゲーション部位に関してよく
進行するのみであるが、ライゲーション部位の周囲の立体障害が増大した場合に
より困難となることが見出された。例えば、Gly−Alaライゲーション部位
の場合、再配置は、pH7.5の緩衝液中で10時間後、不完全であった。pH
を4.5まで下げると、再配置は促進され、これは、10時間後に完了した。P
he−Glyライゲーション部位の場合、再配置は、37℃で2日後、ほとんど
完了した。より嵩高いPhe−Alaライゲーション部位に関して、S−から−
Nのアシル転移工程は観察されなかった(pHが低くなるかまたはサンプルが3
7℃で24時間静置された後でもなおそうであった)。従って、Gly−Xまた
はX−Glyライゲーション部位のみが標的生成物を生成することが結論付けら
れた。制限がアシル−転移工程にあり、これは嵩高いライゲーション部位に関し
て進行しない。このストラテジーは、補助基が導入されそして除去される様式で
、そして補助基の設計において本発明者らの発明とは異なる。
【0012】 ネイティブライゲーションはまた、樹脂結合ペプチドを使用して行われている
。このようなストラテジーのもの(Camareroら、1998)は、C−末
端チオエステルを介して固体支持体に連結される第1ペプチドセグメントのアセ
ンブリ、次いでN−末端でシステイン残基を含む第2のセグメントを加える工程
、ならびにネイティブライゲーション工程を溶液相ライゲーションに関して行う
工程を包含する。このことは、中間体の扱いが著しく減少するという利点を有す
る。さらに、数個のライゲーションは、同じ化学アプローチを使用してシリーズ
で行われ得る。固相アプローチに関する制限は、溶液相化学に関するものと同じ
であり、すなわち、ネイティブライゲーションは、X−Cys、Gly−Xまた
はX−Gly部位のみで行われ得る。
【0013】 (2.小環状ペプチド) タンパク質およびペプチドは、巨大分子レセプターと相互作用することにより
生物学的プロセスを開始する第1手段である。特異的活性を決定する重大な情報
は、しばしば、その表面での比較的小さな配列に含まれ、そして3次元コンホメ
ーション(ここで、その配列は、レセプターと相互作用する場合、その側鎖を適
所に位置付ける)によって決定される。直鎖形態において、生物活性ペプチドは
、数百万の異なるコンホメーションを仮定し得、このうちの非常に少量のみが標
的レセプターに結合し得る。生物効力および選択性に重要である重要な構造およ
び動的特性を評価するために、コンホメーション束縛が、典型的に環化によって
導入される。このような環状分子は、より規定されたコンホメーションにおいて
存在し、そしてそれゆえ、薬学的に先導的(lead)発見の見地から非常に興
味をそそる。活性がこれらの環状ペプチドにおいて維持または増強される場合、
構造情報は、例えばNMR、X線または分子モデリングによって得られ、そして
治療薬剤の開発の指針とするために使用される。さらに、環化は、一般に、ペプ
チドの代謝安定性およびバイオアベイラビリティーの増大を促進する。
【0014】 側鎖がレセプター相互作用のための主要メディエータであると考えれられる場
合、環化は、好ましくは、C−末端とN−末端との間で達成される。直鎖状ペプ
チドの合成が一般によく進むのに対して、頭−尾(head−to−tail)
環化は、しばしば、厄介である。これは、特に、小ペプチド(すなわち、7残基
長未満のペプチド)に関してである。例えばすべてのL−環状テトラペプチドは
、あまり到達可能ではない(SchmidtおよびLangner、1997)
。効果的でない環化に関する主な理由は、「困難な配列」と呼ばれることから起
こる。環化において、この用語は、頭−尾環化のための「末端を合わせる」こと
における配列関連の非効果性をいう。ペプチド結合は、強いπ−特性を有し、そ
してトランスコンホメーションを優先的に採用する。従って、直鎖状前駆体は、
一般に、遠隔位置に末端カルボン酸およびアミン官能性基を有するコンホメーシ
ョンで伸長し、それゆえ、環化のために不向きである。この問題は、小環状ペプ
チドの合成において最も顕著であり、C−末端の活性化は、しばしば、直鎖状お
よび環状のダイマーまたはオリゴマーを、低収率の標的環状モノマーとともにま
たは標的環状モノマーなしで、形成する。
【0015】 「困難な」環化の問題を扱う(address)非常に少ない研究が存在する
。Cavalier−Frontinら(1993)は、シス−アミドコンホメ
ーションを増強するためのペプチド骨格の可逆化学改変の使用を報告した。シク
ロ−[Phe−Phe−Phe−Phe]の合成において、各アミドのNは、B
OC保護基で置換された。環化収率は、1%から27%へ増大した。同様に、N
−(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル)(Hmb)基の可逆N−骨格アミ
ド置換基としての使用は、環状ペプチドの収率の増大という結果となった(Eh
rlichら、1996)。ここで「補助基」が、「困難な」アミド結合を形成
するために反応するN−末端アミン上でなく、骨格アミド上に配置されることが
強調されるべきである。
【0016】 2〜3年前に、ライゲーション化学が分子内様式で使用される少しの研究が報
告されている。これらの例において、始めのより大きな環が形成され、そして環
縮小は分子内O−から−NまたはS−から−Nアシル転移によって達成された。
【0017】 Bottiら(1996)によって報告される第1の方法において、N−末端
においてシステイン残基およびC−末端においてアルデヒドを有する直鎖状非保
護ペプチドは、環化され、スキーム4に示されるような、環状ペプチドを含むチ
アゾリジンを生成する。始めに、より大きな環が形成され、ここで、C−および
N−末端は、O−から−Nのアシル転移ならびにより小さな環への環縮小のため
に前配置(preposition)される。この方法の欠点は、環状生成物が
、さらなるキラル中心を有して、必ずチアゾリジン部分を環内に含むことであり
、これは、2つのジアステレオマーの形成を生じ、そして直鎖状前駆体のN−末
端でのシステイン残基を必要とする。この方法は、非改変環状ペプチドの生成を
可能にせず、そしてコンビナトリアルライブラリーアプローチに適した融通の利
く手順ではない。
【0018】
【化10】 (スキーム4) (環中にチアゾリジンユニットを使用する環の縮小化学) Muirらは、N末端にシステイン残基およびC末端にチオエステルを使用す
る「ネイティブな」ライゲーションは、スキーム5に示されるように、環状ペプ
チドを生成するための分子内方法で適用され得ることを実証した(Camare
roおよびMuir、1997)。
【0019】
【化11】 (スキーム5) (システインを使用する分子内のネイティブなライゲーション) C末端チオ酸を含む15−残基の未保護ペプチドを、
【0020】
【化12】 をpH 7.5の緩衝液に溶解することによって頭−尾環状ペプチドに変換した
。環化を10分間で達成した。最初に形成された環状チオエステルを、最終ペプ
チド結合を形成するためにすばやく再配列する。このストラテジーは、N末端に
システイン酸基を必要とする点で、一般的ではない。
【0021】 類似の方法において、Shaoら(1998)は、N末端のN−(オキシエタ
ンチオール)−グリシンを使用し、チオール官能基をC末端のチオエステルと位
置選択的に反応させることによって環化が達成され得る。Shaoらが指摘する
ようにこれらのストラテジーは、C末端およびN末端に含まれる残基の型によっ
て限定される。環化は、Gly−X(ここで、Xは、非β−置換残基である)間
でのみ可能である。この緩やかなアシル転移は、この環化ストラテジーにおいて
、この場合もやはり限定的因子である。
【0022】 これらの方法はどれも、非修飾ペプチド骨格またはネイティブなペプチド骨格
を含有する環状ペプチドの合成を可能とする可変性合成経路を提供しない。この
環の縮小が、非障害事例でのみ進められる場合、この最初の2つの反応は、N末
端にシステインの存在を必要とし、そして最後の反応は、可変性に欠ける。本発
明者らは、後者のアプローチは、多数の公知の「困難な」環状ペプチドへのアク
セスを提供しないことを見い出している。
【0023】 (3.骨格の置換) 固相ペプチド合成(SPPS)における主な問題の一つは、いわゆる「困難な
」配列の非効率的なアセンブリである。さらに、これらの配列に関する問題は、
事前に予想することが不可能であることである。この問題は、主に、固体支持体
の保護されたペプチドのアセンブリの中の鎖間凝集および鎖内凝集のためである
と考えられる。このことにより、以下のスキーム6に概要が示される骨格の置換
ストラテジー(Hydeら、1994)の開発に導く。2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンジル置換基(=Hmb)は、N,O−ビス−Fmoc−保護(Hmb
)−アミノ酸を使用することによって誘導される。一般に、グリシン以外のN−
置換アミノ酸のアシル化は、N−置換基によって与えられる塊状の立体障害のた
めに、促進条件を必要とする。Hmb−置換アミノ酸の場合、アシル化は、実質
的に、内部アシル転移機構により増強される。アシル化は、最初に、フェノール
性酸素原子上で起こり(分子内のアミン塩基の存在によって可能となる)、次に
酸素原子から窒素原子へのアシル転移が起こる。次いで、Fmoc−固相合成が
進み、標準的なSPPSを使用して構築するには困難なペプチド配列の収率を有
意に改良する。
【0024】
【化13】 (スキーム6) (固相ペプチド合成中のHmb−骨格タンパク質の使用) 構築後、このペプチドをTFAを使用して脱保護および切断し、Hmb骨格置
換基の同時の除去を伴い、標的とする保護していないペプチドを高収率かつ高純
度で得る。この骨格タンパク質をまた使用して、アスパルトイミド(aspar
timide)の形成を防止し得、保護ペプチドの溶解性を改良し得る。最近の
報告では、Hmb基が還元性アミノ化により樹脂結合ペプチドに導入され、これ
により、より緩慢なN,O−bis−Fmoc(Hmb)アミノ酸(Nicol
asら、1997)の使用を避ける。
【0025】 Hmb−骨格保護のストラテジーでは、2つの主な制限が存在する。第1に、
内部のOからNへのアシル転移のみが、嵩高くない場合には良好に進まない。β
分枝アミノ酸をグリシン以外の
【0026】
【化14】 にカップリングしなければならない場合、数時間の加熱(80℃)が再配列を進
めるために必要とされる。第2に、この基は、Fmoc化学物質とのみ適合性で
あり、TFAライブラリのためにしばしば好ましいBOC SPPSと適合性で
ない。
【0027】 Hmb方法論により、骨格置換基が、Fmoc化学物質についての配列に関す
るアセンブリの問題を軽減し得ることを実証した。しかし、嵩高い場合、この場
合自体のさらなる問題が生じる。この方法論により、より速い分子内アシル転移
(加熱を必要としない)、およびFmocまたはBoc SPPSのいずれかを
使用する困難な配列の改良したアセンブリを可能とする、より酸安定性補助基の
開発に有意に利益を得る。
【0028】 このHmb−骨格置換アプローチは、スキーム7に示されるような骨格アミド
のリンカー(BAL)の最近の開発(Jensenら、1998)に導いている
【0029】
【化15】 tris−アルコキシベンジルユニットを使用して、固体支持体に骨格アミド
窒素原子を介してペプチドを連結する。この連結は、この合成の終わりに単純な
TFA処理によって切断される。他の多くのこのようなストラテジーとは対照的
に、この連結ストラテジーは、C末端のカルボン酸の使用を行わず、少なくとも
理論上は、任意のアミド結合を使用し得る。従って、C末端修飾ペプチドの合成
または頭−尾環状ペプチドの樹脂上合成に特に有用である。Hmb基の場合、こ
の第1の制限は、「連結した」アミド結合を形成するために第2のアミンをアシ
ル化する工程の困難さにある。第2の問題は、標準のFmoc SPPSを、ジ
ペプチド段階でジケトピペラジン形成にほぼ完了するように導くことである。特
別なタンパク質のストラテジーを、この問題を避けるために使用する必要がある
【0030】 ペプチドライゲーション、環化、または困難なペプチド配列アセンブリのため
のほとんどの価値ある補助基のストラテジーは、最終生成物に非修飾ペプチド骨
格を生成する。これらの補助基のストラテジーにおいて、スキーム8に例示され
るような導入、アシル化、および除去の3つの重要な特徴が存在する。先行技術
のストラテジーは、限定された場合においてうまく適合される。しかし、これら
のストラテジーの適用は、アシル転移工程および/または最終の補助基の除去に
おいて発生する困難性によりかなり制限される。しばしば、アシル転移が非常に
遅いか、または全く進まなかったりする。
【0031】
【化16】 この補助基のアプローチをより可変性にするために必要とされる少なくとも3
つの要求が存在する: 1.N原子において補助基の一般的導入を可能にすること 2.窒素原子のより有効なアシル化を可能にすること 3.アシル化後の補助基の除去を可能にすること。
【0032】 これらの要求の組み合わせが、新規な補助基の設計をかなり制限する。
【0033】 本発明者は、酸素原子または硫黄原子を窒素原子に連結する分子フラグメント
の改変により、先行技術の例とは対照的に、窒素原子のアシル化速度において強
力な高速化効果を有することを、驚くことに見出した。特に好ましい実施態様に
おいて、この改変はさらに、アシル化した窒素原子と残りの分子フラグメントと
の間の共有結合(窒素原子と酸素原子または硫黄原子とを結ぶ)の光分解切断を
可能とする。
【0034】 このアプローチは、小環状ペプチドの形成、より小さなペプチドフラグメント
のネイティブなライゲーションによる大きなペプチドの形成、「困難な」ペプチ
ドの合成、および固体支持体への骨格−連結のような適用のためのペプチド合成
化学の分野において特に有用である。先行技術の方法は、ほとんど有効ではなく
、すなわちこれらの方法は、少数の例でしか研究されておらず、従って、一般的
ではない。本発明は、小環状ペプチドの合成、ペプチドセグメントのライゲーシ
ョン、骨格の保護、および固相ペプチドアセンブリ中の樹脂へのペプチドの結合
のためのより改変性のアプローチを提供する。
【0035】 (本発明の要旨) 本発明は、例えば、ペプチドのN末端で第1級アミンに容易に連結される新し
いクラスの補助基の使用を記載し、これにより、窒素原子の効率的なアシル化を
可能とし、好ましい実施態様において、光分解により容易に除去される。この補
助基の使用の全体的な成果により、アミド結合を形成する。以下に記載されるよ
うに、補助基のこの新しいクラスは、直鎖状ペプチドおよび環状ペプチドの合成
において、ライゲーション化学において、および骨格リンカーとしての適用性を
有する。
【0036】 第1の局面において、本発明は、直鎖状または環状ペプチドの合成、あるいは
C末端修飾ペプチドの合成、あるいは分子の樹脂上環化の方法を提供し、この方
法は、アミン窒素原子を一般式I:
【0037】
【化17】 の化合物に連結する工程を包含し、 ここで、この環は、必要に応じて、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択
される1つ以上のヘテロ原子を包含し; この環は、5〜7個の原子からなり; この環は、XH、Z、およびYによってそれぞれ置換される3個の炭素原子を含
み; この環は、この化合物が5員環である場合、基R3およびR4によってさらに置換
されるか、またはこの化合物が6員環である場合、基R3、R4およびR5によっ
てさらに置換されるか、またはこの化合物が7員環である場合、基R3、R4、R 5 およびR6によってさらに置換され; ここで、 Xは、酸素、硫黄、CH2O−、またはCH2S−であり; Yは、電子求引性基であり; Zは、炭素−窒素共有結合の形成を可能にする任意の基であり; R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキル、
アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロア
リール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、XHもしくはY、
または固体支持体に対する共有結合であり、 ここで、R3およびR4、またはR4およびR5は、必要に応じて、この環とともに
、5−、6−、または7−員環を形成し得る。
【0038】 好ましくは、この化合物は、一般式II:
【0039】
【化18】 である。
【0040】 対称の度合い(a degree of symmetry)がこの環におけ
る原子の番号付けに存在することが、当業者によって理解される。本明細書の目
的について、置換基Zを有する炭素原子は、1位として番号を付けられ;従って
、式IIにおいて示される番号付けスキームが使用される。
【0041】 適切な電子求引性基Yには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ニ
トロ、ケトン、カルボン酸エステル、アミド、ニトリル、スルホンアミド、スル
ホキシド、スルホン、スルホネート、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素。他の適
切な基は、当業者に公知である。例えば、March(1985)を参照のこと
【0042】 Zは、適切には、アルデヒド、アルキルアルコール、アルキルハライド、ケト
ン、またはハロゲン化C1-3アルキル基であり、ここで、ハロゲンは、好ましく
はヨウ素、臭素または塩素である。好ましくは、このハロゲン化アルキル基は、
メチル基である。適切なZ基は、当業者に周知である。例えば、Houben−
Weil(1957)を参照のこと。
【0043】 好ましくは、XH基は2位または3位にあり、そしてYは任意の他の位置にあ
り;より好ましくは、XH基は2位にあり、そしてYは任意の他の位置にあり;
最も好ましくは、XHは、2位にあり、Yは6位にある。
【0044】 本発明の好ましい実施態様において、電子求引性基Yは6位にある。特に好ま
しい実施態様において、Yは6位のNO2である。これらの場合、一般式IIの
化合物とアミン窒素原子との間の結合は、光不安定性である。本発明の範囲内の
特定の化合物には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
【0045】
【化19】 一般式Iまたは一般式IIの化合物の構造に依存して、この化合物は、アシル
転移の増強を伴う、アミド結合の形成のための可逆的補助基、または置換アミド
結合の形成のための非可逆的補助基を提供し得(ここで、アシル転移が増強され
る)、これは、特に環状ペプチドの合成において特に有用である。従って、式I
IIの化合物は、環状ペプチド、大きなペプチド、および困難なペプチドの合成
を可能にし(これらは、当該分野において以前に利用可能である方法によっては
受容不可能であった)、そしてアミド結合形成後の補助基の光分解性除去を可能
する。そして式IVの化合物は、補助基が除去されない置換アミド結合を含む、
環状ペプチド、大きなペプチドおよび困難なペプチドの合成を可能にする。
【0046】
【化20】 第2の局面において、本発明は、以下からなる群から選択される化合物の合成
の方法を提供する:直鎖状および環状ペプチド、ネイティブなペプチド骨格を有
する大きなペプチド、「困難な」ペプチド配列(すなわちペプチド合成のための
骨格連結のもの)、C末端修飾ペプチド(すなわち樹脂上環化のためのもの)。
この方法は、一般式I、一般式II、一般式IIIまたは一般式IVの化合物を
、アミン窒素原子へ連結させる工程を包含する。好ましくは、XHは2位にあり
、そしてYは6位のニトロである。このとき、結合は光不安定性である。
【0047】 R3、R4、R5およびR6は、好ましくは、独立して、水素、アルキル、アリー
ル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、および固体支
持体への共有結合からなる群から選択される。
【0048】 一つの好ましい実施態様において、本発明は、環状ペプチドを合成する方法を
提供し、この方法は、以下 a)環化されるべき直鎖状ペプチドを合成する工程、 b)本発明の補助基をこの直鎖状ペプチドの所望の第1級アミンに連結する工
程、 c)所望のカルボン酸を活性化して環化させる工程、および必要な場合、環の
縮小を誘導する工程、ならびに、必要に応じて d)N−アシル化を完了した後にこの補助基を除去する工程、 を包含する。
【0049】 環の縮小は、公知の方法によって導入され得、これには加熱または金属に添加
が挙げられるが、これらには限定されない。
【0050】 好ましくは、この補助基は、一般式IIIであり、光分解によって除去される
【0051】 当業者はまた、上記工程が固体支持体上で行われ得、続いて、固体支持体から
環化生成物を切断し得、所望であれば、側鎖保護基を除去し得ることを理解する
【0052】 当業者は、工程の順番が同じ結果を得るために変えられ得ることを理解する。
例えば、C末端カルボン酸の活性化は、式IIの化合物の存在下で行われ得、環
化は、Z基を介して所望のアミンに補助基を接続することによって行われ得る。
【0053】 第2の実施態様において、本発明は、ネイティブペプチド骨格を有する大きな
ペプチドの合成方法を提供し、この方法は、以下 a)大きなペプチドを形成するために連結されるべきペプチドフラグメントの
一セットを合成する工程、 b)本発明の補助基を、第1ペプチドフラグメントの第1級アミンに連結する
工程、 c)第2ペプチドフラグメントのカルボン酸を活性化する工程、 d)第2ペプチドフラグメントを第1ペプチドフラグメントに加える工程、お
よびこの2つのフラグメント間にペプチド結合を形成する工程、ならびに必要に
応じて、 Nアシル化が完了した後に、補助基を除去する工程、 を包含する。
【0054】 好ましくは、この補助基は、一般式IIIであり、光分解によって除去される
【0055】 第3の実施態様において、本発明は、困難なペプチド配列の合成方法を提供し
、この方法は、以下 a)本発明の補助基を、固体支持体に連結されたペプチドのペプチド結合の一
つ以上の窒素原子に連結する工程、 b)標準的な固相合成法を使用して完全なペプチドを合成する工程、および必
要に応じて、 c)合成が完了した場合、この補助基を除去する工程、 を包含する。
【0056】 好ましくは、この補助基は、一般式IIIであり、光分解によって除去される
【0057】 第4の実施態様において、本発明は、ペプチドの合成のための骨格連結の方法
を提供し、この方法は、以下 a)所望のペプチドの酸残基のα−窒素を固体支持体に連結するリンカーとし
て、本発明の補助基を使用する工程、 b)標準的な固相ペプチド合成法を使用して、この直鎖状ペプチドを組み立て
る工程、および必要に応じて c)側鎖保護基を除去する工程、および/または d)固体支持体からこのペプチドを切断する工程、 を包含する。
【0058】 同じ方法が、C末端修飾ペプチドの合成のために使用され得る。この場合、C
末端アミノ酸残基のカルボン酸基は、エステル、アルキルアルコール、アセター
ルまたはアミドのような基によって置き換えられる。他の適切な官能性カルボン
酸置換基は、当業者に公知である。好ましくは、Yは、6位においてニトロであ
り、XHは、2位であり、切断は、光分解によって行われる。
【0059】 第5の実施態様において、本発明は、直鎖状ペプチドの樹脂上環化の方法を提
供し、この方法は、以下 a)所望ペプチドのアミノ酸残基のα−窒素を固体支持体に連結するリンカー
として、本発明の補助基を使用する工程、 b)標準的な固相ペプチド合成法を使用して、固体支持体上で直鎖状ペプチド
を合成する工程、 c)所望のアミンおよびカルボン酸基を脱保護する工程、 d)環化を行うために該カルボン酸基を活性化する工程、ならびに必要に応じ
て、 e)アミノ酸側鎖基を脱保護する工程、ならびに/または f)固体支持体からこの環状ペプチドを切断する工程、 を包含する。
【0060】 好ましくは、Yは、6位においてニトロ基であり、XHは、2位であり、切断
は、光分解によって行われる。
【0061】 従って、本発明の補助基は、以下の目的のために使用され得る: 1.小環状ペプチドを含む(10個までのアミノ酸残基の長さ)、「困難な」
環状ペプチドの合成を可能にすること。この補助基は、直鎖状ペプチドの1級ア
ミンへ結合され、そして環化が、C末端カルボン酸を活性化することによって実
施される。必要に応じて、この補助基がN−アシル化の完了後に除去される。
【0062】
【化21】 これらは、アミノ酸鎖官能基を介しての、またはアミド窒素原子を介しての、固
体支持体への共有結合を含み得る。 R1=H、アルキルエステル、固体支持体への共有結合。
【0063】 2.大きなペプチドの合成を可能にすること。補助基は、第1フラグメントの
1級アミンへ結合され、そして第2フラグメントのカルボン酸が活性化され、そ
して第1フラグメントへ付加される。N−アシル化が完了した後、この補助基が
必要に応じて除去される。
【0064】
【化22】 分子フラグメントは、固体支持体へ共有結合され得る。
【0065】 3.「困難な」ペプチド配列の合成を可能にすること。補助基は、ペプチドの
攻撃を避け、そして固相ペプチドアセンブリを増強するために、骨格保護基とし
て使用され得る。補助基を導入した後、標準SPPSプロトコルがペプチドの合
成のために使用される。必要に応じて、合成の終わりに、この補助基が光分解に
よって除去される。
【0066】
【化23】 4.ペプチド、またはC末端修飾ペプチドの合成のための骨格連結を可能にす
ること。補助基は、アミノ酸残基のα窒素を樹脂へ連結するためのリンカーとし
て利用される。次いで、標準SPPSプロトコルが、直鎖状ペプチドを構築する
ために利用され得る。C末端残基において、修飾カルボン酸(例えば、エステル
、アルコール、アセタール、アミドまたは他の官能基)が使用され得る。あるい
は、直鎖状ペプチドは、N−末端アミンおよびC末端カルボン酸を脱保護した後
、樹脂上で環化される。次いで、側鎖脱保護が、光分解の前に実施され得る。(
A=カルボン酸、またはエステル、アセタール、アミド、アルコールのような修
飾酸)。
【0067】
【化24】 5.分子の樹脂上環化のための骨格連結を可能にすること。この場合、直鎖状
ペプチドは、上記4に記載のように合成された樹脂−結合直鎖状ペプチドからの
所望のアミンおよびカルボン酸基の脱保護後、樹脂上で環化される。次いで、側
鎖脱保護が、光分解の前に実施され得る。
【0068】
【化25】 これらの反応は、6員のカルボン酸環として示される本発明の補助基と共に示
されるが、これは本発明の一般性を制限しないことが、明らかに理解される。
【0069】 第3の局面において、本発明は、一般式I、IIまたはIIIのいずれか1つ
に従う補助基を提供し、これは、固相ペプチド合成のために適切な支持体へまた
はペプチド骨格の窒素原子へ結合される。適切な支持樹脂は、当業者に周知であ
り、そして機能化されたポリスチレン、テンタゲル(tentagel)樹脂、
ならびにPEGおよびPEGAのようなポリエチレングリコール樹脂が挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0070】 本発明の補助基は、環状ペプチドの合成において有用な他の試剤(例えば、本
願と同日に出願された「Synthesis of Cyclic Pepti
des」の表題の、本発明者らの同時係属中の豪州仮出願に記載のもの)との組
み合わせにおいての使用に適する。
【0071】 本発明はまた、ペプチド、環状ペプチド、または有機化合物の合成において使
用するためのキットを考慮する。このキットは、本発明の補助基、または固体支
持体に連結した本発明の補助基を、固相ペプチド合成のための1種以上の他の試
剤と共に含む。
【0072】 本発明の補助基は、上に列挙した3つの要求を、より用途の広い様式で満足す
る。すなわち、これらの補助基は、アシル化の収率を有意に改善し、そしてこれ
らの補助基は容易に導入され得、また必要に応じて除去され得る。本発明者らは
、アシル化の割合(スキーム8の工程II)を、電子求引性置換基をこの補助基
の芳香族環に導入することによって、有意に改善した。本発明者らの補助基のア
シル化は、妨害された場合においてさえも、温和に活性化したアミノ酸を用いて
室温で容易に起こる。さらに、アルキルアミドのオルト位にニトロ基が存在する
ことによって、光不安定性が提供される。この補助基の、改善されたアシル化と
、容易かつクリーンな除去とのこの組み合わせは、アミド結合生成のための新規
かつ強力な手段を提供し、これは、環状ペプチド合成、ネイティブなライゲーシ
ョン、困難なペプチド配列の組み立て、および骨格連結に、直接適用可能である
【0073】 本発明者らは、これらの補助基の、「困難な」環状ペプチドの合成における使
用をさらに評価した。本発明者らは、先行技術の方法と比較して、驚くべき改善
を見出した。先行技術の方法が、所望の生成物を得ることに完全に失敗した例に
おいて、本発明者らのストラテジーは、目的の環状ペプチドを高収率および高純
度で生成した。これらの補助基は、今のところ未知の、多くの種類の環状ペプチ
ドへのアクセスを可能とすることが、予測される。
【0074】 この補助基は、樹脂と連結して、有機分子またはペプチド分子の固相合成のた
めの、新規な光不安定性骨格リンカーとして、作用する。このリンカーは、C末
端修飾ペプチドおよび環状ペプチドの固相合成のために、特に価値がある。
【0075】 Holmes(1997)および米国特許第5,739,386号は、以下の
構造を有する一連の光不安定性化合物を記載する:
【0076】
【化26】 ここで、 R1は、水素、C1〜C8アルキル、アリールまたはアリールアルキルであり
;R2、R3およびR4は、各々独立して、水素、C1〜C8アルキル、またはC
1〜C8アルコキシであり;XおよびYは、各々独立して、ハロゲン、−SH、
−SP、−OH、−OP、−NH2、−NHP(ここでPは適切な保護基または
活性基である)、および−NR56(ここでR5およびR6は、独立して、水素、
アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテ
ロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキルからなる群から選択され
る)からなる群から選択され;そしてqは、1〜10、好ましくは1〜4の整数
である。
【0077】 これらの化合物は、分子を固体支持体に連結するための固相化学において、有
用である。これらのリンカーは、強酸および塩基に対して安定であるが、350
nm前後のUV光に対しては不安定である。これらの化合物は、少なくとも以下
の2点で、本発明の化合物とは異なる: a) Holmesのリンカーは、C末端リンカーとしてのみ使用され、そして
環状ペプチドの合成、ペプチドライゲーションまたは困難な配列の合成における
アミド結合形成を容易にするためには、使用されない。これらのリンカーは、ペ
プチド骨格を固体支持体に連結するためには、使用されない。 b) Holmesによって記載される化合物のいずれも、ヒドロキシ置換基ま
たはチオール置換基を芳香族環上に有さない。そして実際に、このような置換基
は、Holmesにより記載される目的のためには、所望されなかった。本発明
者らの化合物における芳香族環上のヒドロキシ基は、困難なアミド結合の形成を
可能とするために、重要である。
【0078】 本明細書の目的のためには、固相ペプチド合成の言及は、ペプチド模倣化合物
の合成の方法の言及を含むと理解されるべきであることが、明らかに理解される
【0079】 本明細書の目的のためには、用語「〜を含む(comprising)」は、
「〜を含むがそれらに限定されない」を意味すること、および用語「〜を含む(
comprises)」は、対応する意味を有することもまた、明らかに理解さ
れる。
【0080】 本明細書の目的のためには、用語「モノマー」は、1,2、1,3、1,4ま
たはさらに大きな置換パターンで分離されたアミノ末端およびカルボキシ末端を
有する化合物を含む。この用語は、20種の天然に存在するαアミノ酸(Lまた
はDのいずれかの配置)、生合成により入手可能なアミノ酸であって、タンパク
質には通常見られないもの(例えば、4−ヒドロキシ−プロリン、5−ヒドロキ
シリジン、シトルリンおよびオルニチン);合成により誘導されるαアミノ酸(
例えば、α−メチルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン、Cα−およびN−ア
ルキル化アミノ酸、ホモシステイン、およびホモセリン);ならびに当該分野に
おいて公知の多数の他のものを含む。この用語はまた、1,3またはさらに大き
な置換パターンで分離されたアミン官能基およびカルボキシル官能基を有する化
合物(例えば、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、Freidingerラクタム
(Freidingerら、1982)、二環式ジペプチド(BTD)(Fre
idingerら、1982;NagaiおよびSato、1985)、アミノ
−メチル安息香酸(Smytheおよびvon Itzstein、1994)
、ならびに当該分野において周知の他のもの)を含む。スタチン様(stati
ne−like)アイソスター、ヒドロキシエチレンアイソスター、還元アミド
結合アイソスター、チオアミドアイソスター、尿素アイソスター、カルバメート
アイソスター、チオエーテルアイソスター、ビニルアイソスター、および当該分
野において公知の他のアミド結合アイソスターもまた、本発明の目的のために有
用である。従って、用語「ペプチド」は、本明細書中で使用する際には、ペプチ
ド模倣化合物を含む。必要に応じて、ペプチドは、当該分野において使用される
種類の1つ以上の保護基で保護され得る(例えば、Bodanszky,M.(
1984)、「Principles of Peptide Synthes
is」、Springer−Verlag、Heidelbergを参照のこと
)。
【0081】 固体支持体は、ペプチド、ペプチド模倣物、オリゴヌクレオチド、オリゴサッ
カリドまたは有機分子の固相合成のために使用される、任意の種類のものであり
得る。この固体支持体は、ビーズ、ピンまたは固相合成における使用に適切な別
の表面の形態であり得る。広範な適切な支持材料が、当該分野において公知であ
る。例えば、Meldal(1997)を参照のこと。市販のポリスチレン支持
体(アミノメチルポリスチレン、ベンズヒドリルアミンポリスチレン、ポリエチ
レングリコール−ポリスチレンを含む)が、特に適切である。
【0082】 ペプチド結合を形成するためのカップリング方法もまた、当該分野において周
知である。例えば、AlbericioおよびCarpino(1997)を参
照のこと。
【0083】 (発明の詳細な説明) ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例のみを参照して、詳細に記載する
【0084】 本明細書中において使用される略号は、以下の通りである: AcOH 酢酸 BOC Nα−tert−ブトキシカルボニル BOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチル
アミノ)−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェートt Bu tert−ブチル calcd 計算値 DCM ジクロロメタン DIEA ジイソプロピルエチルアミン DMF N,N−ジメチルホルムアミド eq 当量 ES−MS 電子スプレー質量分析 LC/MS 液体クロマトグラフィー−質量分析 Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル− HBTU O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル
ウロニウムヘキサフルオロホスフェート HF 無水フッ化水素 NMR 核磁気共鳴 ONBS o−ニトロベンゼン−スルホンアミド Pam フェニルアセトアミドメチル PMC 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル
RP−HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー RT 室温 SPPS 固相ペプチド合成 TFA トリフルオロ酢酸 UV 紫外。
【0085】 (材料および方法) クロロトリチル樹脂(sv=0.92mmol/gr)を、PepChem(
Tubingen、Germany)から購入した。Wang樹脂およびNα−
tert−ブトキシカルボニル(BOC)−L−アミノ酸の全てが、Auspe
p(Melbourne、Australia)、Novabiochem(S
an Diego)またはPeptide Institute(Osaka、
Japan)から購入した、ペプチド合成グレードであった。Pam樹脂を、A
pplied Biosystems(Foster City、CA)から購
入した。ジクロロメタン(DCM)、ジイソプロピル−エチルアミン(DIEA
)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、およびトリフルオロ酢酸(TF
A)を、Auspep(Melbourne、Australia)から入手し
た。p−クレゾール、p−チオクレゾール、3−ニトロフェノール、ポリリン酸
、ヘキサメチレンテトラミンを、AldrichまたはFluka(Sydne
y、Australia)から購入した。HPLCグレードのアセトニトリルを
、Millipore−Waters(Sydney、Australia)か
ら購入した。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−
テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートおよびベンゾ−トリアゾー
ル−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウム−ヘキサフ
ルオロホスフェートを、Richelieu Biotechnologies
(Quebec、Canada)から購入した。脱イオン水を全体にわたって使
用し、そしてこれを、Milli−Q水精製系(Millipore−Wate
rs)によって調製した。半融ガラス濾過器フリットを備える、ネジ式キャップ
のガラス製のペプチド合成反応容器(20mL)を、Embell Scien
tific Glassware(Queensland、Australia
)から入手した。アルゴン、ヘリウムおよび窒素(全て、超純粋グレード)を、
BOC Gases(Queensland、Australia)から入手し
た。
【0086】 1H NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを、CD3OD中でVa
rian 300MHz Geminiを用いて記録し、そして化学シフトを、
(CH34Siから低磁場への百万分の1(ppm)で記録した。
【0087】 逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を、214nmまたは2
30nmにおける484吸光度検出器を備えるWaters 600E溶媒送達
系(Applied Biosystems Inc.)、またはダイオードア
レイ検出器を備えるHawlet Packard HP1100系で実施した
。HPLCデータを、TurbochromeまたはHPLC 2D Chem
stationソフトウェアを使用して収集した。RP−HPLCを、Zorb
ax小口径(SB−C18、2.1mm×5cm)カラム、Vydac C−1
8分析(5mm、0.46cm×25cm)カラムまたはVydac分取C−1
8(10mm、2.2cm×25cm)カラムで実施した。クロマトグラフィー
分離を、A中の緩衝液Bの直線勾配(A=0.1%水性TFA; B=90%C
3CN、10%H2O、0.09%TFA)を使用して、0.25mL/分(小
口径)、1mL/分(分析)および8mL/分(分取)の流速で、達成した。
【0088】 イオンスプレー大気圧イオン化源を備えたPE−Sciex API−III
三連四重極質量分析計で質量スペクトルを得た。サンプル(10μL)を、石英
ガラスキャピラリーインターフェース(50mm内径×50cm長)を介してイ
オン化源に直接結合された移動溶媒に注入した(30μ/分;50/50 CH 3 CN/0.05%TFA)。サンプルの液滴は5kVの正電位でイオン化され
、そしてインターフェースプレートを介してアナライザに入り、続いて、80V
の電位でオリフィス(100〜120mm直径)を通過した。全走査質量スペク
トルを0.1ダルトンの走査ステップサイズで400〜2000ダルトンの質量
範囲にわたって得た。分子の質量をMacSpec 3.3およびBiomul
tiview1.2ソフトウエアパッケージ(PE−Sciex Toront
o、Canada)を使用して、観測されたm/z値から誘導した。計算された
理論的な単一同位体の質量および平均質量をMacBiospecプログラム(
PE−Sciex Toronto、Canada)を使用して決定した。LC
/MS運転を、140B ABIデュアルシリンジポンプ溶媒送達システムおよ
びZorbax逆相C−18(SB−2.1mm×5cm)カラムを使用し、1
50μL/分の流速で直線勾配を使用して行なった。サンプル(典型的には5μ
Lの1mg/mL溶液)をカラムに直接充填し、そして溶離液を30cm、75
mm内径の石英ガラスキャピラリーを介して直接質量分析計に接続した。Tur
bo IonsprayTM(5L/分 N2、500℃)の適用によって開裂す
ることなく、感度を損なうことなく全溶離液の導入が可能となった。獲得したパ
ラメータを以下に記載する。
【0089】 (実施例1〜5−補助基の導入) 補助基を導入するための本発明者らの合成アプローチをスキーム9に記載する
。簡単に、N置換直鎖ペプチドへのアクセスを提供する2つの経路を報告する: 1.最も一般的な第一のルートは、N末端一級アミンとアルデヒドとの還元的
アルキル化を使用する。最初に、アルデヒドを樹脂に結合したペプチドに対して
過剰に添加する。イミン形成(ニンヒドリン反応によって評価される)が完了し
た後、5%酢酸を含む、DMF/MeOH(2/1)中のNaBH4またはDM
F/MeOH(1/1)中のNaBH3CNの溶液を添加してイミンを還元し、
そして補助基およびアミンとの間に−CH2−連結が形成される。
【0090】
【化27】 2.第二のルートにおいて、o−ニトロベンゼンスルホンアミド(ONBS)
を対応するスルホニルクロリドおよびアミンから調製する。光延型アルキル化(
補助基のアルコールを使用する)によってアミンとの連結が確立される。最終的
に、ONBS基をDMF中のPhSNaを使用して除去する。この3工程プロセ
スはまたFukuyama反応としても公知である。
【0091】 (実施例1 HS−(CH22−Tyr−Arg−Phe−Gly−OHの合
成) 合成をFmoc−Gly−WANG樹脂(0.36mmol/g)上で実施し
た。テトラペプチドTyr−Arg−Phe−Glyを、HBTUカップリング
およびピペリジン脱保護を以下のように変更し、段階的なFmoc−SPPSを
使用して構築した: (カップリング) 2mmolのFmoc−アミノ酸(4当量)をDMF(4mL)中に溶解し、
そして2mmolのHBTUをDIEA(400μL)とともに溶液に添加した
。1分間の予備活性化後、この溶液をアミノ−樹脂に添加した。反応系を10分
間放置し、そしてニンヒドリン試験を少量の樹脂サンプル上で実施し、残留遊離
アミンの量を測定した。測定した遊離アミンの量が0.5%を越えている場合、
反応系をさらに(30分間)放置し、必要であれば繰り返した。樹脂を次いで、
数回DMFで洗浄した。
【0092】 (脱保護) Fmocで保護された樹脂(0.5mmol)をピペリジン/DMF(1/1
)(4mL)の溶液で2分間処理した。この樹脂をドレイン(drain)し、
そしてピペリジン処理を繰り返した。樹脂を次いで、数回DMFで洗浄し、その
後、次のカップリング工程を開始した。
【0093】 Tyr(Bu)−Arg(PMC)−Phe−Gly−WANG樹脂(1g)
を次いで、MeOH/DMF/AcOH(47/47/5)(6mL)中に溶解
したS−(p−メチルベンジル)−2−メルカプト−アセトアルデヒド(58m
g;0.32mmol、Bitanら、1997)で処理した。5分間攪拌後、
60mgのNaBH3CNを添加し、そしてその混合物を60分間放置した。還
元的アルキル化工程を次いで、さらに一回繰り返し、反応を確実に完了させた。
樹脂をDMF/MeOH、MeOH/DCMおよびDCMで数回洗浄し、そして
最終的に空気乾燥した。
【0094】 (HF切断) 1gの樹脂を1mLのp−クレゾールおよび9mLのHFを用いて、0℃で1
時間処理した。HFを真空下でエバポレートし、そして残渣を冷ジエチルエーテ
ル(20mL)で粉砕した。エーテルを濾別し、そして沈殿物を少量の水に溶解
した。この溶液を次いで、生成物をHPLC精製するためにHPLCカラム(V
ydac、C18逆相2.1×25cm)に直接充填した(緩衝液A:水、0.
1%TFA;緩衝液B:アセトニトリル/水 1/1、0.09%TFA)(1
00%のA〜80%のB、60分)。HS−(CH22−NH−CH(CH2
hOH)−CO−Arg−Phe−Gly−OHを単離し、そして凍結乾燥し、
70mgの白色粉末を得た(45%収率)、Mr 601.5、C283976 Sの計算値:601.27。
【0095】 (実施例2 N−(5−ニトロ−2−メルカプトベンジル)−Tyr−Arg
−Phe−Gly−OHの合成) 実施例1に記載されるようにTyr(Bu)−Arg(PMC)−Phe−G
ly−WANG樹脂を調製した。
【0096】 120mgの2,2’−ジアルデヒド−4,4’−ジニトロ−[ジフェニルジ
スルフィド](FriesおよびBrothuhn、1923)(0.33mm
ol)をMeOH/DMF/AcOH(47/47/5)(3mL)に溶解し、
この溶液を樹脂に添加した。5分後、100mgのNaBH3CN(1.6mm
ol)を添加し、そして溶液を15時間攪拌した。樹脂をDMF(3×)および
MeOH/DCM 1/1(3×)で洗浄した。
【0097】 (TFA切断) 700mgの樹脂を10mLのTFA/H2O(95/5)で1時間室温で処
理した。TFAを真空下で除去し、そして残渣をHPLC緩衝液 A/B 1/
1(5mL)中に溶解した。この溶液を次いで、HPLCカラムに直接充填し、
そして生成物の精製を実施例1のように実施した。25mgのN−(5−ニトロ
−2−メルカプトベンジル)−Tyr−Arg−Phe−Gly−OHを凍結乾
燥から得た(20%収率)、Mr 708.4(C334088S計算値:70
8.27)。
【0098】 (実施例3 HS−(CH22−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala−
OHの合成) Ala−Phe−Leu−Pro−Ala−WANG樹脂をFmoc−Ala
−WANG樹脂(0.44mmol/g)を出発とし、実施例1に記載されるH
BTUカップリングおよびピペリジン脱保護を伴う、標準的なFmoc−SPP
Sプロトコルを使用して調製した。500mgのこの樹脂に、DIEA(200
μL)を含むDMF(4mL)中のo−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(3
00mg)の溶液を添加した。30分後、この樹脂をドレインし、そしてDMF
(3×)で洗浄した。この樹脂をDCM(5mL)中のS−(p−メチルベンジ
ル)−2−メルカプトエタノール(270mg、1.5mmol)の溶液と混合
した。トリフェニルホスフィン(393mg、1.5mmol)およびジエチル
アゾジカルボキシレート(DEAD、261mg、1.5mmol)をDCM(
5mL)中に予め混合した。1分後、この溶液を樹脂に添加し、そして反応系を
30分間放置した。樹脂をDCM(3×)およびDMF(3×)で洗浄した。樹
脂をさらに、NaSPhe(200mg、1.5mmol)のDMF(4mL)
溶液で30分間処理した。この樹脂をDMF(3×)およびMeOH/DCM(
3×)で洗浄し、そして空気乾燥した。
【0099】 (HF切断) 500mgの樹脂をHF/p−クレゾール/p−チオクレゾール(9/1/1
)(10mL)(0℃で1時間)を使用して切断し、そして実施例1に記載され
るように処理した。粗残渣を緩衝液A/B(1/1)に溶解し、そしてHPLC
で精製し、HS−(CH22−NH−CH(CH3)−CO−Phe−Leu−
Pro−Ala−OHを得た(25mg、22%収率)。Mr:577.1(C 284356Sの計算値:577.29)。
【0100】 (実施例4 N−(2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala−OHの合成) Fmoc−Ala−トリチル樹脂(0.4mmol/gr)をまず、Pepc
hem(Tubingen、Germany)によって提供されたプロトコルを
使用し、トリチル樹脂(0.96mmol/gr)から調製した。Ala−Ph
e−Leu−Pro−Ala−トリチル樹脂を実施例1のような標準的なFmo
c SPPSプロトコルを使用して構築した。この樹脂(0.5gr)をさらに
、2−ヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(115mg、0.7mmol
)およびAcOH(20μL)のDMF(2mL)溶液で処理した。5分後、こ
の樹脂をドレインし、そして第二のアルデヒド処理を実施した。この樹脂をドレ
インし、そして溶離液が無色となるまでDMFで何回も洗浄した。DMF/Me
OH 3/1(4mL)中のNaBH4(150mg、4mmol)の溶液を添
加し、そしてこの樹脂を10分間攪拌した。この樹脂をドレインし、DMF/M
eOH 1/1、DCM/MeOH 1/1およびDCMで洗浄し、そして空気
乾燥した。
【0101】 (TFA切断) 樹脂をDCM(10mL)およびTFA(100μL)で1時間処理した。溶
液をエバポレートし、緩衝液B(3mL)を添加しそして樹脂を濾別した。溶液
を分取HPLCカラムに直接充填し、そしてHPLC精製を2%勾配(90%A
〜10%A、40分間)を使用して実施した。凍結乾燥後、N−(2−ヒドロキ
シ−5−ニトロベンジル)−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala−OH(
114mg)を白色粉末として単離した(85%収率)Mr:668.2(C334469の計算値:668.32)。
【0102】 (実施例5 N−(2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala−OHの合成) 直鎖ペプチドを実施例4に記載されるようにトリチル樹脂上で合成したが、2
−ヒドロキシ−6−ニトロベンズアルデヒド(Harayamaら、1994)
を使用した。凍結乾燥後、N−(2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル)−Al
a−Phe−Leu−Pro−Ala−OH(85mg)を白色粉末として単離
した(63%収率)。Mr:668.2(C334469の計算値:668.3
2)。
【0103】 (実施例6 アリールアミンのアシル化速度) 先行技術の方法の使用を制限する最も重要な因子は、OとNまたはSとNアシ
ル転移工程であった。本発明者らが、アシル転移の速度に大きな影響を与えると
考えたパラメータのうちの1つは、中間オキシエステル結合またはチオエステル
結合の活性化であった。この点を考慮して、本発明者らは、以下の補助基の修飾
に焦点を当てた: −補助基の芳香族環へのニトロ置換基の導入。ニトロフェニルエステルは、フ
ェニルエステルと比較した場合、求核剤と非常に容易に反応する。
【0104】 −チオエステル 対 オキシエステル。本発明者らの研究室における以前の研
究において、本発明者らは、同一条件下で両方のエステルが同一速度で加水分解
することを発見した。本発明者らは、フェノールおよびチオフェノールの両方を
本発明者らのN置換基のセットに入れた。
【0105】 アシル転移速度を比較するために、本発明者らは、スキーム10に示される反
応を実施した。
【0106】
【化28】 トリペプチド(Ala−Gly−Phe)をWANG樹脂上で構築し、そして
選択された範囲のアルデヒドを還元的アミノ化によって導入した。各N置換トリ
ペプチドを次いで、HBTUによって活性化されたBoc−アミノ酸(Boc−
Ala−OH、Boc−Phe−OHまたはBoc−Val−OH)溶液と樹脂
を混合することによるアシル化に供した。一般的な反応経路は以下の通りであっ
た:N置換トリペプチドのアシル化はまず、フェノールの酸素(または硫黄)原
子で起こる。アシル基は続いて、窒素原子に移動する。生じたフェノール(また
はチオフェノール)官能基は次いで、二回目のアシル化を受ける。
【0107】 本発明者らは、コントロールとして2−クロロ−4−ニトロベンジル置換基を
含めた。アルコールが存在しないので、本発明者らは、二級アミンへの直接アシ
ル化は、フェノール/チオフェノールの場合についてよりもさらに遅いと予測し
た。これらの結果を表1にまとめる。
【0108】
【表1】 以下の結論は、これらの結果から出され得る: 1.芳香族環のオルト位におけるアルコール/チオール官能基の存在により、
置換アミンのアシル化の速度が劇的に増加する。同一のアシル化条件下で、オル
ト−クロロ「補助基(auxiliary)」は、第2級アミン部位で、アシル
化を受けない。
【0109】 2.芳香族環上の、ニトロ置換基と組み合わされたアルコール/チオール官能
基の存在は、第2級アミンの非常に迅速なアシル化を保証した。研究されるほと
んどの場合、70%より多いジアシル化生成物が、10分後に形成された。2−
ヒドロキシ−6−ニトロ誘導体の、Boc−バリンを用いるアシル化は、82%
のジアシル化を達成するために60分必要であった。言い換えれば、Boc−バ
リンを使用した場合、窒素原子におけるアシル化は、60分後に80%より多く
完了した。比較として、非常に類似した研究において、N−[2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンジル]−アラニンのα−窒素原子の、Fmoc−バリンを用い
るアシル化は、24時間後もなお不完全であった。2−メルカプト−5−ニトロ
誘導体のBoc−アラニンを用いるアシル化の場合、ジアシル化は、60分後で
37%しか達成しない;他の結果との比較から、本発明者らはこれを、後処理中
のジアシル化生成物中の、非常に反応性の、立体障害が低いエステル結合の加水
分解が原因であるとする。
【0110】 3.環におけるニトロ基の位置は、重要な役割を果たさないようであるが、小
さな差異が観測され得る。チオエステルのオキシ−エステルでの置換は、その速
度を顕著に変えない。
【0111】 (実験) Ala−Gly−Phe配列を、標準Fmoc/HBTUプロトコルを使用し
て、Wang樹脂(0.1mmol、Novabiochem)上で構築した。
補助基を、実施例2、4および5に記載されるように導入した。次いで、各樹脂
を、別個の反応容器で3つの部分に分配し、DMF中で10分間膨潤させた。3
当量のBoc−Ala−OH、Boc−Phe−OH、またはBoc−Val−
OHを、4当量のDIEAと共に0.99当量のHBTUを使用して、Ala−
Gly−Phe−樹脂に結合した。1分後、10分後および60分後にサンプル
(10〜15mg)を取り出し、すぐにドレインし、1:1のDCM:MeOH
で洗浄し、そして乾燥した。次いで、サンプルを、室温で1時間、97%のTF
A(250mL)を用いて切断した。TFAを、窒素ストリームを用いてエバポ
レートし、生成物を50%のB(100mL)に溶解した。サンプルを遠心分離
し、上清を回収し、次いで、RP−HPLCおよびES−MSまたはLC/MS
で分析した。各実験について、未反応の出発物質、モノアシル化およびジアシル
化生成物の相対収率を、対応するクロマトグラムにおけるHPLCシグナルを積
分することによって算出した。
【0112】 (実施例7:補助アシル転移率(auxiliary acyl trans
fer efficiency)の評価) この実施例において、本発明者らは、先行技術の補助基(例えば、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンジル補助基)と比較した場合の、本発明の補助基の改良
されたO→Nアシル転移反応速度(transfer kinetics)を示
す。N−アシル化生成物は、樹脂結合ペプチドと1つの残基とのライゲーション
により形成される。従って、この実施例はまた、本発明の補助基を使用する改良
されたライゲーションの例として役立つ。
【0113】 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル、2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジ
ルおよび2−ヒドロキシ−6−ニトロベンジル補助基の相対O→Nアシル転移率
を確立するために、一連の2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,
1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)
−媒介アミノ酸アシル化実験を行った。最初、ベンジル補助基のオルト−酸素原
子を、HBTU−活性化アミノ酸によってアシル化して、2を得た。この後次い
で、アシル基を
【0114】
【化29】 に転位して、アミド結合3を形成する。次いで、過剰のアシル化剤の存在下では
、オルト−酸素は2度のアシル化に有効になり、ジアシル化によって、4に至る
(スキーム11)。
【0115】 樹脂−結合トリペプチドである、Ala−Gly−Pheを、標準Fmoc−
SPPSプロトコルを使用して、クロロトリチル樹脂上に構築し、そして還元的
アルキル化によってベンズアルデヒド補助基を導入した。各
【0116】
【化30】 のペプチド樹脂を、3つの別個の部分に分け、DMF中の3当量の0.5M H
BTU−活性化Fmoc−Ala、Fmoc−Phe、またはFmoc−Val
とのアシル化に供した。1、10および60分後に、アリコートを分析のために
取り出した。反応に続いて、ペプチド−樹脂をDMFで洗浄し、ピペリジン/D
MF/水で塩基処理し、DMF次いでDCMで洗浄し、乾燥し、そしてDCM中
0.5%のTFAで30分間切断した。これらの塩基処理は、補助基(O)と
【0117】
【化31】 とを区別するため、TFA切断の前に、存在するO−アリールエステル(2およ
び4)を除去するために用いた(スキーム11)。次いで、これらの生成物を、
ES−MSまたはLC/MS分析によって同定し、そして逆相−HPLCピーク
の積分によって定量した。これらの結果を表2に示す。
【0118】 最初に、HBTU−活性化アミノ酸を使用する
【0119】
【化32】 の程度を決定するために、アシル化実験を、コントロール補助基、
【0120】
【化33】 を用いて行った。予想通り、30分後、かなりの量の
【0121】
【化34】 は、HBTU−活性化アラニン、フェニルアラニンまたはバリンを用いた場合起
こらなかった(<1%)。次に、Hmb補助基(1a)と同様に、「不活性化」
オルト−ヒドロキシ基の存在を試験した。本発明者らは、
【0122】
【化35】 の生成が、比較的遅い速度ではあるが、アシル転移によって生じることを見出し
た。Hmb−媒介アシル転移は、アラニンに適切な速度で1時間後(92%)に
進むが、フェニルアラニン(48%)またはバリン(12%)と同様に、アミノ
酸側鎖上の立体的な嵩が増加すると、転移率は急激に減少する。これらの観察は
、他者によって行われたアシル化の研究と良く一致し、そしてまた、改良された
アシル転移率を有するSPPSのためのN−末端補助基の必要性を、再び強調す
る。
【0123】
【化36】 Hmb補助基(1a)とは反対に、補助基のベンジル環上に、オルト−ヒドロ
キシル基が電子求引性ニトロ置換基と共に存在することにより、アシルの捕捉お
よび転移率が有意に増加する。2,5−Hnb補助基(1B)により媒介される
アシル転移
【0124】
【化37】 は、3つ全てのアミノ酸について、迅速であった。アラニンおよびフェニルアラ
ニンの場合、
【0125】
【化38】 が迅速に形成され、そしてこの反応は10分後にほぼ完了した。2,5−Hnb
補助基と同様の様式で、アラニン、フェニルアラニンおよびバリンの高いアシル
転移率がまた、Hnb補助基(1C)を用いて1時間後に観測された。重要なこ
とに、バリンの
【0126】
【化39】 上へのより立体的に厳しいアシル化の場合、2,5−Hnb補助基を用いた場合
の収率(>95%)およびHnb補助基を用いた場合の収率(88%)は共に、
同一の実験条件下でHmb補助基を用いた場合の収率(12%)の約8倍であっ
た。補助基の芳香族環上のニトロ置換基の位置は、重要な役割を果たさないよう
である。全ての場合において、アシル転移反応によるラセミ化は明らかではなか
った。
【0127】
【表2】 より立体的に厳しい残基を用いた場合、ニトロ置換基の活性化効果もまたアシ
ル転移速度および収率を改善し得るかを決定するために、アシル化実験の第2セ
ットを行った。これらの実験において、同一の補助基の各々を、還元的アルキル
化によって、樹脂−結合テトラペプチドである、Val−Ala−Gly−Ph
eに導入し、HBTU−活性化Fmoc−Gly、Fmoc−PheおよびFm
oc−Valによるアシル化に供した。立体的に妨害された第2級アミンのアシ
ル化に関連する固有の差のため、これらの実験のアシル転移反応の時間経過を、
1、6および24時間まで増加した。アシル化に続いて、ペプチド−樹脂を、ピ
ペリジン塩基処理に供し、
【0128】
【化40】 のみを観測し、次いで、DCM中0.5%のTFAを用いて、30分間切断した
。これらの生成物を、ES−MSまたはLC/MS分析によって同定し、RP−
HPLCピークの積分によって定量した。それらの結果を表3にまとめる。
【0129】
【表3】 表3に記載されるアシル化結果から、ニトロ−活性化補助基は、Hmb補助基
に関して、O→Nアシル転移速度および収率を猛烈に増加することが明らかであ
る。3つ全ての場合において、2,5−Hnb補助基およびHnbは、優れたア
シル転移補助基であった。グリシンのバリンへの2,5−Hnb−補助アシル転
移は、迅速に進み、そして1時間以内に本質的に完了(>98%)したが、フェ
ニルアラニンおよびバリンは、95%を超える完了に24時間必要である。Hn
b補助基はまた、迅速なアシル転移を引き起こしたが、それにもかかわらず、3
つ全てのアミノ酸について、約95%の
【0130】
【化41】 のために24時間必要とした。言い換えると、Hmb−補助アシル転移は、特に
フェニルアラニンおよびバリンを用いた場合、O−アシル化が、1時間後、それ
ぞれ約50%および90%の収率で進むにもかかわらず、
【0131】
【化42】 の受容不可能な低収率をもたらす。より詳細には、バリンの
【0132】
【化43】 は、24時間後、23%の収率で進み、そして2,5−Hnb補助基を用いた場
合の収率(95%)またはHnb補助基を用いた場合の収率(93%)の約1/
4の収率である。これらの結果は、特にβ−分枝残基または嵩高い残基が優勢で
ある場合、2,5−HnbおよびHnb補助基が、「異なる」ペプチド配列の鎖
構築に相当重要であることを強く示した。
【0133】 (実験) ペプチド合成。ペプチドを、上記のように、FmocおよびBoc化学につい
ての0.5M HBTU−DMF活性化プロトコルを使用して、段階的に、化学
的に合成した。これらの合成は、p−ベンジルオキシベンジルアルコール(Wa
ng)樹脂またはクロロトリチル樹脂上で行った。以下のアミノ酸側鎖の保護を
使用した:Fmoc−Glu(O−tert−ブチル)−OH、Fmoc−Ly
s−(Boc)−OH、Fmoc−Ser(O−ベンジル)−OH、Fmoc−
Thr(O−tert−ブチル)−OH、およびFmoc−Tyr(O−ter
t−ブチル)−OH。各残基を、10分間カップリングし、そしてカップリング
率を、定量的ニンヒドリン反応および定量的イサチン試験によって決定した。
【0134】 (還元的アルキル化)PSSP間での、補助基の成長ペプチド鎖上への組み込
みのための典型的手順。0.1mmolの
【0135】
【化44】 を10mLのDMF/MeOH/AcOH(9:9:2)で洗浄し、ドレインし
、次いで1mLのDMF/MeOH(1:1)中の3当量の置換ベンズアルデヒ
ドと、30分間混合した。次いで、この溶液をドレインし、そしてイミン形成反
応を繰り返した。排液に続いて、この樹脂をDMFで簡単に洗浄し、次いで、D
MF/MeOH/AcOH(9:9:2)中の5当量の水素化ホウ素ナトリウム
を添加し、そして室温で5分間混合した。次いで、この樹脂をドレインし、そし
てDMF、DMF/H2O、H2O、MeOH/DCM、DCM、およびDMFで
連続的に洗浄した。次いで、数ミリグラム(約3mg)を取り出し、乾燥し、9
7%の水性TFAで切断し、30%緩衝液Bに溶解し、濾過し、次いで直ちに、
ES−MSおよびRP−HPLCで分析して、反応の完了を決定した。
【0136】 (アシル化実験)Ala−Gly−Phe配列およびVal−Ala−Gly
−Phe配列を、標準的なFmoc/HBTUプロトコルを使用して、クロロト
リチル樹脂(0.96mmol/g、PepChem)上に構築した。次いで、
この樹脂を個別の反応容器中で、3つに分け、DMF中で10分間膨潤させた。
3当量のFmoc−保護グリシン、アラニン、フェニルアラニン、およびバリン
を、4当量のDIEAを含むDMF中の2.95当量の0.5MのHBTUを使
用して、それぞれ1、10、および60分または1、6および24時間の間、A
la−Gly−Phe樹脂またはVal−Ala−Gly−Phe樹脂にカップ
リングした。排他的に
【0137】
【化45】 を試し、そしてまたFmoc基を除去するために、切断前の樹脂サンプルを2サ
イクルの5分間のピペリジン/DMF(1:1)および5分間のDMF/ピペリ
ジン/H2O(4:4:2)処理に供し、次いで、DCM:MeOH(1:1)
で乾燥した。トリチル樹脂サンプルを、DCM中の0.5%TFAで30分間切
断した。このTFA切断溶液を窒素流下で、エバポレートし、そして生成物を1
00μLの50%緩衝液Bに溶解した。サンプルを遠心分離し、上清を回収し、
次いで、直ちに、RP−HPLCおよびES−MSあるいはLC/MSによって
分析した。
【0138】 (実施例8:「困難な」ペプチド、STAT−91(699−709)の合成
) 原則的に、2,6−HnbおよびHmb基は、水素結合ネットワークを乱すこ
とに対する同様な効果を有すべきであり、これは、これらの両方が、成長ペプチ
ド鎖の骨格構造を変化させ、そして骨格水素結合ドナーを除去するためである。
この有益な効果を説明するために、Fmoc−SPPSおよびBoc−SPPS
の両方において、「困難」であると発明者らが以前に報告した(Meuterm
ansら,1996;Alewoodら,1997)、STAT−91(699
−709)配列(TGYIKTELISV)は、標準鎖構築プロトコルを使用し
て、そしてまた、同一の実験条件下で、N−Hnb骨格置換の補助によって構築
される。このSTAT−91ペプチドは、このペプチドが、「困難な」部分に出
会う前に、比較的妨げられていない部位を含まないために選択され、従って、H
mb補助基の使用を除外する。
【0139】 DMF中での標準Fmoc/tert−ブチル0.5M HBTU/DIEA
の10分カップリングプロトコルを使用して、STAT−91(699−709
)の鎖構築は、残基Glu705およびThr704(これらは、それぞれ、67%お
よび91%の収率で結合するのみである)まで十分に進行する。次いで、これは
、lys703での59%のカップリング収率に続く(これは、報告されるように
、1時間後の再カップリングで62%に増加するのみである)。さらに、HBT
UのHATUによる置換は、この残基に対するカップリング収率を有意に改善し
ない。チロシン700はまた、1時間の再カップリングの後でさえ、有意に改善し
ない低いカップリング収率(61%)を与えた。すなわち、標準的なカップリン
グ条件下でのSTAT−91(699−709)の鎖構築は、83%の受け入れ
がたい平均アシル化収率で進行する(以下の図を参照)。しかし、Hnb(3)
補助基が、還元的アルキル化によって、Ile707(樹脂リンカーから3番目の
残基)で成長ペプチドの骨格上に組み込まれる場合、その後の鎖構築は、同じカ
ップリング条件を使用して、高い効率で進行する。Hnb補助基の補助によって
【0140】
【化46】 の構築に対する平均カップリング収率は、定量ニンヒドリンアッセイによって決
定されるように99.6%に増加した。これを図1に示す。
【0141】 Lue706
【0142】
【化47】 への
【0143】
【化48】 を、継続の前に、切断樹脂サンプルのES−MSおよびRP−HPLCによって
モニタした。
【0144】
【化49】 へのFmoc−Leuのアシル転移反応は、1時間後約50%完了したが、24
時間後、RP−HPLC分析によって決定されるように、見かけ上、定量的であ
った(データは示されていない)。比較によって、
【0145】
【化50】 への同一のFmoc−Leuのアシル転移反応において、
【0146】
【化51】 のみが、同じ時間の後、21%の収率で進行する。この低い
【0147】
【化52】 は、「困難な」ペプチドを含む妨げられた、またはβ分岐したペプチドの合成に
おけるHmb補助基の制限をさらに強調する。
【0148】 鎖構築に続いて、標準およびHnb補助STAT−91(699−709)合
成の粗TFA切断物質を、ES−MSおよびRP−HPLCによって分析した。
標準Fmoc/HBTU合成プロトコルを使用する場合、感知可能な量の標的S
TAT−91ペプチドが、ES−MSまたはRP−HPLC分析のいずれによっ
ても、粗生成物中に見出されなかった(<1%)。逆に、Hnb補助合成におい
て、Hnb置換−STAT−91(699−709)ペプチドが、ES−MSお
よびRP−HPLCによって決定されるように、粗切断物質中の主成分であった
。次いで、
【0149】
【化53】 を、直ちに366nmで3時間光分解し、標的ペプチドを良好な収率で得た。こ
の比較から、Hnb補助基は、「困難な」ペプチドの鎖構築の効率を、Hmb置
換の様式と同様な様式で、しかし、顕著に改善されたアシル転移率の重要な利点
と共に、有意に改善するために使用され得ると思われる。
【0150】 (実験) (STAT−91(699−709)の合成)STAT−91(699−70
9)の標準およびHnb補助合成を、Fmoc−Val−Wang樹脂(App
lied Biosystems Inc.,0.70mmol/g,0.1m
mol合成スケール)に対するFmoc化学を使用して実施した。10分間のカ
ップリング時間を使用する標準構築により、83%の平均カップリング収率を得
た。STAT−91(699−709)のHnb補助Fmoc鎖構築をまた、1
0分間のカップリング時間を使用して実施し、99.6%の平均カップリング収
率を得た。Hnb補助基を、Ile707に、還元的アミン化(5当量のHnbを
使用する2×3時間のイミン形成反応)によって導入し、次いで、DMF中で、
Leu706の0.5M HBTUカップリングを行った。
【0151】
【化54】 上への
【0152】
【化55】 は、小さな樹脂サンプルのTFA切断に続く、ES−MSおよびRP−HPLC
分析によって決定されるように、24時間後完了した。実験の一貫性を維持する
ために、標準的な合成において、Ile707をまた、HBTUと24時間カップ
リングした。両方の場合において、最終的なペプチド−樹脂生成物を、室温で1
時間、97%水性TFAで切断した。TFAの真空中でのエバポレートの後、粗
生成物を冷ジエチルエーテルで洗浄し(2×5mL)、30%のB(5mL)に
溶解し、そして凍結乾燥した。
【0153】
【化56】 Mr 1374.1Da;C63991321に対する計算値:1373.7Da
(単一同位体(monoisotopic));Hnb置換STATペプチドを
、次いで、下記のように光分解し、RP−HPLC精製後、標的ペプチドを76
%の収率で得た:STAT−91(699−709)ES−MS:Mr 122
2.7Da;C56941218に対する計算値:1222.68Da(単一同位
体)。
【0154】 (光分解)光分解を、GAMAG UV−キャビネットII中、366nmの
ランプ波長および0.25アンペアの供給源を用いて、2〜3時間実施した。典
型的に、ペプチド−樹脂の5mgのサンプル、またはペプチドの1mgのサンプ
ルを、白色マット上の被覆されていない広い口のバイアル中の500μL Me
OHに取り上げた。
【0155】 (実施例9:困難な環状ペプチド、Ala−Phe−Leu−Pro−Ala
の合成) H−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala−OHは、環化することが困難
な配列の近年報告された例である(SchmidtおよびLangner,19
97)。環化条件に供される場合、2量体およびより高いオリゴマーが生成した
が、標的シクロペンタペプチドは形成されなかった。発明者らの方法論を探索し
、そしてそれを先行技術の方法と比較するために、発明者らはこの直鎖状ペプチ
ドを使用した、。以下の一連の実験において、発明者らは、単環中のこのAla
−Alaアミド結合が、先行技術の方法論を使用するこの直鎖状ペプチドからで
はアクセス可能ではないが、発明者らの光不安定性補助基を使用することによっ
てアクセス可能であることを示した。
【0156】 (非置換Ala−Phe−Leu−Pro−Alaの環化) 対照実験として、発明者らは、非置換直鎖状ペプチド(Ala−Phe−Le
u−Pro−Ala)を、標準的な環化条件(DMF中1mM、3当量BOP、
5当量DIEA、室温で3時間)を使用して、環化しようと試みた。以前に報告
された結果から期待されるように、環状2量体および幾分かの3量体のみが得ら
れたが、標的単環式生成物は得られなかった。
【0157】 (エタンチオール補助基を使用する環化) 発明者らは、最初に、エタンチオール補助基を評価した。この補助基を、実施
例3に記載されるように、樹脂上でのFukuyama合成により、スキーム1
2に要約される反応手順を使用して導入した。
【0158】
【化57】 スキーム12:N−メルカプトエタニルペプチド1の環化:i)3当量BOP/
5当量DIEA、室温で3時間;ii)0.1M NH4HCO3
【0159】 N−エタンチオール誘導体1の環化により、単環式生成物2(45%単離収率
)のみを得、これは、質量スペクトル分析(正確な分子量および同位体分布)に
よって決定された。2量体生成物または他のオリゴマー生成物は、この粗反応混
合物内に見出されなかった。
【0160】 この単環式生成物はチオエステル構造を有し、この構造は、直鎖状ペプチドア
ミドおよび酸のジスルフィド3を生成するNH4HCO3中の単環式生成物2のけ
ん化によって確かめられた。環縮小を、塩基(DIEA、DBU)の存在下、有
機溶媒(DMF、ジオキサン)中で単離エステルを加熱する(65℃)ことによ
って、または水性緩衝液(pH4〜8)中で加熱することによって強いる試みは
失敗した。エステルは変化しないままか、直鎖状ペプチドに加水分解するかした
【0161】 環縮小に対するこの失敗は、発明者らの考えでは、制限された転移状態構造と
いうよりもむしろ第2級アミンに対するアルキルチオエステルの低い反応性に起
因する。初期環化が、有意に改善されたアシル転移反応速度で、より反応性のニ
トロフェニルエステルを生成するために、発明者らは、環縮小アプローチにおい
て2−ヒドロキシニトロべンズアルデヒドを試験することを決定した。
【0162】 (5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基を使用する環化) ペプチド4aを、実施例4に記載されるように合成した。標準的な条件下での
ペプチド4aの環化により、最初に、2つの単環式生成物、および有意な量の副
生成物6a(Mr,812Da)(これは、反応混合物中のフェノール官能基と
過剰のBOPとの反応によって生じる)を得た(スキーム13,A)。活性試薬
および塩基の量を調節することによって、この副生成物の形成は完全に避けられ
た。反応条件を、初期環化期間後の温度および塩基の量を変化させ、そして単環
式生成物の形成を、LC/MS分析によってモニタすることによって、さらに最
適化した。反応(DMF中1mM、1当量BOP、2当量DIEA、室温)の3
時間後、過剰のDIEA(10当量)を添加し、そしてこの混合物を24時間放
置するか、または65℃で1時間加熱する場合、最も良好な結果を得た。
【0163】
【化58】 スキーム13:補助基含有ペプチド4、5の環化(A)ならびに標的環状ペプ
チド10、11の形成(B);i)3当量BOP/5当量DIEA、室温で3時
間;ii)1当量BOP/2当量DIEA、室温で3時間;10当量DIEA、
室温で12時間または65℃で1時間;iii)hν(366nm)。
【0164】 粗生成物のHPLCプロフィールを図2Bに示す。主生成物(50%単離収率
)を、NMR、ES−MSおよびキラルアミノ酸分析によって明らかに全てL体
の標的単環式生成物10aとして同定した。11.5ppmの1H NMR吸収
は、この生成物が遊離ヒドロキシ置換基を含み、したがってエステル構造を有さ
ず、むしろ標的環状アミド構造を確証した。さらに、少量のC末端ラセミ化生成
物10bをまた単離した(図2Bを参照にこと)。この生成物のキラルアミノ酸
分析は、D−Ala残基の存在を示した。
【0165】 中間体の環状エステル8aを単離しようした際に、初期の3時間の環化後、H
PLC(図2A)およびLC/MSによって反応混合物を分析した。この混合物
は、直鎖状ペプチドならびに単環式生成物10aおよび10bを含んだが、単環
式エステルは見られなかった。p−ニトロフェニルエステルは、おそらく水性ワ
ークアップ中で直鎖状ペプチドに加水分解する。
【0166】 (6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基を使用する環化) 5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル補助基は環化後に容易に除去されないた
め、本発明者らは、6−ニトロ−2−ヘドロキシベンジル補助ペプチド5aの環
化を調べた。オルト−ニトロ置換基は、8aと比較して環状中間体9aの環縮小
に及ぼす同様な活性効果を維持しながら、それが補助基に光不安定性を与えると
いう追加の利点を有する。この直鎖状ペプチド5aを5−ニトロ−2−ヒドロキ
シ誘導体について上記したように合成し処理した。従って、環化物(DMF中の
1mM、1当量BOP/2当量DIEA)を室温で3時間予備形成し、続いて過
剰のDIEA(10当量の)を添加し、1時間65℃まで加熱した。この主生成
物を収率39%で単離し、NMRおよびキラルアミノ酸分析によって全てL体の
シクロペンタペプチド11aとして同定した。少量のC末端ラセミ化環状生成物
11b(D−Alaを含む)をまた単離した。同様にN−(6−ニトロ−2−ヒ
ドロキシベンジル)Phe−Leu−Pro−Ala−Ala 5cを上記のよ
うに構築し環化した。全てL体のシクロペンタペプチド11cを収率45%で単
離した。
【0167】 (補助基の除去) 次いで、環状ペプチド11aを溶媒条件の範囲内で、標準UVランプを使用し
て366nmでの光分解に供した。ほとんどの溶媒(MeOH、MeOH/Ac
OH、THF/AcOH、ジオキサン)において、骨格窒素上のニトロベンジル
置換基を容易に除去して標的環状ペプチド12aを生成する(スキーム14、B
)。図3は、クリーンで効率的な転化(11aから12a)を例示する。
【0168】 この環状生成物を、キラルアミノ酸分析および1H NMRによって同定した
。このスペクトルデータは報告されたデータとよく一致した。さらに、Schm
idtら(1997)に従って光分解から得られる生成物で共溶出したPhe−
Leu−Pro−Ala−Alaの環化から、環状ペプチドの独立したサンプル
を調製した。
【0169】 同じ生成物12aをレジオアナログ11cの光分解から得た。ラセミ化した環
状生成物11bを光分解し、同様に非置換D−Ala含有生成物12bを生成し
、これは独立して合成したサンプルと共溶出した。
【0170】 (実験) (環化実験) 補助基含有ペプチド4および5の環化:DMF中の1当量のBOPおよび2当
量のDIEAをDMF中の直鎖状ペプチドの1mM溶液に加え、室温で3時間撹
拌した。次いで、10当量のDIEAを加えこの溶液を65℃で1時間加熱した
。DMFを真空下で除去し、粗生成物をアセトニトリル/水(1:1)に溶解し
、RP−HPLCによって精製した。
【0171】 他の直鎖状ペプチドの環化: DMF中の直鎖状ペプチドの1mM溶液を使用して環化を実施した。3当量の
BOPおよび5当量のDIEAを加え、この溶液を室温で3時間撹拌した。上記
のようにワークアップした。
【0172】 (シクロ−[S−(CH22−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala]2
) HS−(CH22−Ala−Phe−Leu−Pro−Ala1(10mgの
TFA塩、0.014mmol)の環化は単環式チオエステル2(3.4mg、
収率45%)を生成した:Mr:559.3、C284155Sの計算値:55
9.3。水性炭酸水素アンモニウム緩衝液を使用してこのチオエステルを加水分
解し(0.1M、pH8、60℃で6時間)、C末端アミドおよび酸を形成した
。穏やかな塩基条件下でこれらのチオール生成物を、ES−MSによって同定し
たジスルフィド3に酸化した。
【0173】
【化59】 (シクロ−[N−(5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala](10a)) N−(5−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe−Leu−P
ro−Ala4a(30mgのTFA塩、0.038mmol)の環化は収率5
1%で10a(12.5mg、0.019mmol)を生成した。
【0174】
【化60】 (シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe
−Leu−Pro−Ala](11a)) N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Phe−Leu−P
ro−Ala5a(20mgのTFA塩、0.025mmol)の環化から、1
1a(6.5mg、0.010mmol)を収率39%で得た。
【0175】
【化61】 (シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe−Leu
−Pro−Ala−Ala](11c)) N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe−Leu−Pro−A
la−Ala(20mgのTFA塩、0.025mmol)の環化から、11a
(7.3mg、0.011mmol)を収率44%で得た。
【0176】
【化62】 (シクロ−[Ala−Phe−Leu−Pro−Ala](12a)) a)シクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Ala−Ph
e−Leu−Pro−Ala](1mM MeOH)を30分間窒素でパージし
、次いで、3時間標準実験室UVランプ(366nm、0.25A)で光分解し
た。MeOHをエバポレートし、残渣を50%緩衝液Bに溶解し、HPLC精製
のためにVydac C18カラム(分離用)上に直接この溶液を充填した。シ
クロ−[Ala−Phe−Leu−Pro−Ala]を収率52%で単離した。
この生成物を独立して合成したサンプルで共溶出した。ES−MS Mr499
.4、C263755の計算値、499.3(モノ同位体)。 b)精製したシクロ−[N−(6−ニトロ−2−ヒドロキシベンジル)−Phe
−Leu−Pro−Ala−Ala]の光分解を上記のように実施した。シクロ
−[Phe−Leu−Pro−Ala−Ala]を収率28%で単離した。この
生成物を独立して合成したサンプルで共溶出した。ES−MS Mr499.1
、C263755の計算値、499.3(モノ同位体)。
【0177】 (実施例10:環の縮小方法による全てL体のテトラペプチド、Tyr−Ar
g−Phe−Glyの環化に対する光不安定性補助基の適用) 本発明者らは、より拘束された全てL体のシクロテトラペプチドの合成のため
の本発明者らの補助方法の実行可能性を研究することに決めた。直鎖状ペプチド
Tyr−Arg−Phe−Glyの標準環化は、環状モノマー/環状ダイマー/
環状トリマーを2/8/3の比率で得た。(HnB)Tyr−Arg−Phe−
Glyの環化を上記のように実施したが、加熱(DIEA添加後65℃)を20
時間(1時間の代わりに)継続した。生成物シクロ−[(HnB)Tyr−Ar
g−Phe−Gly]を収率40%で単離した。MeOH/AcOH中のこの生
成物の光分解は遅く、不純なシクロ[Tyr−Arg−Phe−Gly]を得た
が、THF、DMF、またはジオキサン中の光分解は顕著により速かった(1時
間で完了)。シクロ−[Tyr−Arg−Phe−Gly]を収率41%で単離
した(光分解工程)。
【0178】 (実施例11) (ネイティブライゲーション) この実験において、本発明者らはネイティブライゲーションを達成するための
実施にこの補助方法をいかにして導入するかを例示する。2つのライゲーション
部分、すなわち嵩高くない部分、Gly−Gly、およびより嵩高い部分、Ph
e−Alaを調べた。オキシエタンチオール補助方法をこれらのライゲーション
部分(Canneら、1996)に適用し、最初の嵩高くない場合のみ成功した
【0179】
【化63】 標準のインサイチュ中和プロトコルを使用して、第1のペプチドセグメント(
ペプチド1)を構築し、この補助基を実施例1〜5に記載されるように導入する
。標準HF切断および側鎖脱保護は、第1の非保護ペプチドセグメントを提供す
る。C末端にチオフェニルエステルを含む第2のペプチドセグメント(ペプチド
2)を前に記載するように(Canneら、1996)合成する。
【0180】 次いで、ライゲーション条件を最適化するために、以下の実験を実施する:ペ
プチド1およびペプチド2をDMF中に1mM、10mMおよび100mM濃度
で溶解し、2または5当量のDIEAを加える。各実験についての反応の進行を
異なる時間間隔でHPLCおよびLCMSによってモニターする。幾つかの他の
溶媒系(DMSO/DIEM、および水性緩衝液(4〜8の範囲のpH)(DI
EMなし))を試験する。
【0181】 (実施例12) (骨格リンカー) この実験において、本発明者は環状ペプチドの固相合成に対して、この補助方
法を使用して連結する光不安定性骨格をいかにして適応させるかについて例示す
る。
【0182】
【化64】 2,3−ジヒドロキシ−6−ニトロベンズアルデヒド(Perezら、199
2)をアセトン中の1当量のブロモ吉草酸および1当量のKHCO3で処理する
。得られる酸をアミノメチル化したポリスチレンに連結する。アラニンアリルエ
ステルを還元性アミノ化によって樹脂に結合し、得られた第2級アミンを実施例
6に記載されるようにBoc−Ala−OHでアシル化する。インサイチュ中和
プロトコールを使用してこの直鎖状ペプチド(Phe−leu−Pro−Ala
−Ala)をさらに構築する。このN末端をTFAで脱保護し、記載されるよう
にPd[P(Ph)34を使用してC末端アリル保護基を除去する。次いで、D
MF中でBOP/DIEAによってこの環化を実施し、光分解によって樹脂から
この生成物を切断した。
【0183】 明瞭および理解の目的のために本発明が幾らか詳細に記載される一方で、本明
細書中に記載される実施態様および方法に対する種々の改変および変形が本明細
書中に開示される発明概念の範囲から逸脱することなくなされ得ることは、当業
者にとって明らかである。
【0184】 本明細書中で引用した引用文献は、以下の頁に列挙され、本明細書中にてこの
引用文献により援用される。
【0185】 参考文献
【0186】
【数1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、以下を使用するSTA−91(699−709)のFmoc連鎖アセ
ンブリについてのカップリング収率の比較を示す:(A)標準的な10分間のH
BTUカップリングプロトコル(−o−)であって、これは83%の平均カップ
リング収率を得た;および(B)Hnb補助基をIle707で組み込む、Hnb
に補助された10分間のHBTUカップリングプロトコル(−Δ−)であって、
平均カップリング収率は99.6%であった。
【図2】 図2は、直鎖状ペプチド4aの環化のHPLC分析の結果を示す。A)室温で
3時間後、およびB)過剰のDIEAの存在下、65℃で1時間加熱。溶液を高
真空下で乾燥し、50%アセトニトリル水溶液に溶解し、そしてVydac逆相
C−18(5μm、300Å、0.46×25cm)HPLCカラムに直接充填
した。生成物を、40分間にわたる0〜80%の緩衝液Bの直線勾配を使用して
、1mL/分の流速で分離した。
【図3】 図3は、環状ペプチド11aの光分解のHPLC分析の結果を、測定した時間
の間隔で示す。MeOH/1%AcOH中のペプチド11aの0.15mM溶液
を、標準的なUVランプを使用して光分解し、そして異なる時間間隔で、少量の
アリコートをZorbax逆相C−18(3μm、300Å、0.21×5cm
)HPLCカラムに注入した。生成物を、10分間にわたる0〜80%の緩衝液
Bの直線勾配を使用して、200μL/分の流速で分離した(214nmで検出
)。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年8月1日(2000.8.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【化16】 多数の先行技術の刊行物が、本明細書中に参照されるが、これらの任意の資料
が、オーストラリアまたは任意の他の国において、当該技術の通常の一般的知識
の一部を形成するという容認を、この参照が構成するするものではないことが、
明確に理解される。 この補助物のアプローチをより可変性にするために必要とされる少なくとも3
つの要求が存在する: 1.N原子において補助物の一般的導入を可能にすること 2.窒素原子のより有効なアシル化を可能にすること 3.アシル化後の補助物の除去を可能にすること。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミューターマンズ, ウィム デニス フ ランズ オーストラリア国 クイーンズランド 4006, ハーストン, フレミング ロー ド 16 Fターム(参考) 4H045 AA20 BA13 BA16 BA32 BA35 FA41 FA51 FA60 FA61 FA81 GA22

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)直鎖状または環状ペプチドの合成、 b)C末端修飾ペプチドの合成、あるいは c)ペプチド分子の樹脂上環化 の方法であって、該方法は、一般式I: 【化1】 の環状芳香族またはアルキル補助化合物を、アミン窒素原子に連結する工程を包
    含し、 ここで、該環は、必要に応じて、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択さ
    れる1つ以上のヘテロ原子を包含し; 該環は、5〜7個の原子からなり; 該環は、XH、Z、およびYによってそれぞれ置換される3個の炭素原子を含み
    ;そして 該環は、該化合物が5員環である場合、基R3およびR4によってさらに置換され
    るか、または該化合物が6員環である場合、基R3、R4およびR5によってさら
    に置換されるか、または該化合物が7員環である場合、基R3、R4、R5および
    6によってさらに置換され; ここで、 Xは、酸素、硫黄、CH2O−、またはCH2S−であり; Yは、電子求引性基であり; Zは、炭素−窒素共有結合の形成を可能にする任意の基であり;そして R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキル、
    アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロア
    リール、置換ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、XHもしくはY、
    または固体支持体に対する共有結合であり、 ここで、R3およびR4、R4およびR5、またはR5およびR6は、必要に応じて、
    該環とともに、5−、6−、または7−員環を形成し得、これによって該アミン
    のアミドへの転換を容易にする、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、ここで、Yはニトロ、ケト
    ン、カルボン酸エステル、アミド、ニトリル、スルホンアミド、スルホキシド、
    スルホン、スルホネート、フルオリド、クロリド、ブロミド、またはヨージドで
    ある、方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法であって、Zがアルデヒド、
    アルキルアルコール、アルキルハライド、またはケトンであるか、あるいはハロ
    ゲン化C1-3アルキル基である、方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法であって、前記ハロゲン化アルキル基
    がメチル基である、方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の方法であって、前記ハロゲンがヨ
    ウ素、臭素または塩素である、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、ここで
    、前記補助化合物が一般式II: 【化2】 である、方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、ここで
    、前記XH基が、一般式Iまたは一般式IIの2位または3位にあり、Yが他の
    任意の位置にある、方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、ここで、前記XH基が2位
    にある、方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、ここで
    、Yが6位にある、方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、ここで、YがNO2であ
    る、方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、ここ
    で、前記補助化合物が、以下: 【化3】 からなる群から選択される、方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって、該方法は、環状ペプチド
    、大きなペプチド、または困難なペプチドの合成のためであって、ここで、前記
    補助化合物が一般式III: 【化4】 であり、該補助化合物がアミド結合形成に続いて、光分解によって除去される、
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の方法であって、該方法は、一つ以上の置
    換されたアミド結合を含む、環状ペプチド、大きなペプチド、または困難なペプ
    チドの合成のためであって、ここで、前記補助化合物が除去されず、そして該補
    助化合物が一般式IV: 【化5】 である、方法。
  14. 【請求項14】 a)直鎖状および環状ペプチド、ネイティブペプチド骨格
    を有する大きなペプチド、および「困難な」ペプチド配列からなる群から選択さ
    れる化合物の合成、 b)ペプチド、C末端修飾ペプチドの合成のための骨格連結、あるいは c)樹脂上環化 の方法であって、該方法は、 一般式I、一般式II、一般式III、または一般式IVの環状補助化合物を
    アミン窒素原子に連結し、それによって該アミンのアミドへの変換を容易にする
    工程を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、ここで、一般式III
    におけるXHが、2位にあり、そしてYが6位でNO2である、方法。
  16. 【請求項16】 請求項1または請求項15に記載の方法であって、ここで
    、R3、R4、R5およびR6が、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロア
    リール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、および固体支持体への共有
    結合からなる群から選択される、方法。
  17. 【請求項17】 環状ペプチドの合成方法であって、該方法は、以下 a)環化されるべき直鎖状ペプチドを合成する工程、 b)請求項1〜11のいずれか一項に記載の補助化合物を該直鎖状ペプチドの
    所望の第1級アミンに連結する工程、 c)所望のカルボン酸を活性化して環化させる工程、および必要な場合、環の
    縮小を誘導する工程、ならびに、必要に応じて d)N−アシル化を完了した後に該補助化合物を除去する工程、 を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法であって、ここで、環の縮小が加
    熱または金属の添加によって誘導される、方法。
  19. 【請求項19】 請求項17または18に記載の方法であって、ここで、前
    記補助化合物が一般式IIIであり、該補助化合物が光分解によって除去される
    、方法。
  20. 【請求項20】 請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法であって、
    ここで、工程a)〜d)が、固体支持体上で行われ、続いて、該固体支持体から
    前記環状生成物が切断され、所望であれば、側鎖保護基を除去する、方法。
  21. 【請求項21】 請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法であって、
    ここで、前記C末端カルボン酸の活性化が、一般式IIIの補助化合物の存在下
    で行われ、そして前記環化が、該補助化合物を、Z基を介して前記所望のアミン
    に接続することによって行われる、方法。
  22. 【請求項22】 ネイティブペプチド骨格を有する大きなペプチドの合成方
    法であって、該方法は、以下 a)大きなペプチドを形成するために連結されるべきペプチドフラグメントの
    一セットを合成する工程、 b)請求項1〜11のいずれか一項に記載の補助化合物を、第1ペプチドフラ
    グメントの第1級アミンに連結する工程、 c)第2ペプチドフラグメントのカルボン酸を活性化する工程、 d)該第2ペプチドフラグメントを該第1ペプチドフラグメントに加える工程
    、および該2つのフラグメント間のペプチド結合を形成する工程、ならびに必要
    に応じて、 e)Nアシル化が完了した後に、該補助化合物を除去する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載の方法であって、ここで、前記補助化合
    物が一般式IVであり、そして該補助化合物が、光分解によって除去される、方
    法。
  24. 【請求項24】 困難なペプチド配列の合成方法であって、該方法は、以下 a)請求項1〜10のいずれか一項に記載の補助化合物を、固体支持体に連結
    されたペプチドのペプチド結合の一つ以上の窒素原子に連結する工程、 b)標準的な固相合成法を使用して完全なペプチドを合成する工程、および必
    要に応じて、 c)合成が完了した場合、該補助化合物を除去する工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の方法であって、ここで、前記補助化合
    物が、一般式IIIであり、そして該補助化合物が、光分解によって除去される
    、方法。
  26. 【請求項26】 直鎖状ペプチドの合成のための骨格連結の方法であって、
    該方法が、以下 a)所望のペプチドの酸残基のα−窒素を固体支持体に連結するリンカーとし
    て、請求項1〜11のいずれか一項に記載の補助化合物を使用する工程、 b)標準的な固相ペプチド合成法を使用して、該直鎖状ペプチドを組み立てる
    工程、および必要に応じて c)側鎖保護基(単数または複数)を除去する工程、および/または d)該固体支持体から該ペプチドを切断する工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の方法であって、ここで、前記C末端ア
    ミノ酸残基のカルボン酸基が、官能基によって置き換えられる、方法。
  28. 【請求項28】 請求項26に記載の方法であって、ここで、前記C末端ア
    ミノ酸残基のカルボン酸基が、エステル、アルキルアルコール(alkylal
    cohol)、アセタールまたはアミド基によって置き換えられる、方法。
  29. 【請求項29】 請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法であって、
    ここで、Yが6位でニトロであり、XHが2位であり、そして切断が光分解によ
    って行われる、方法。
  30. 【請求項30】 直鎖状ペプチドの樹脂上環化の方法であって、該方法が、
    以下 a)所望ペプチドのアミノ酸残基のα−窒素を固体支持体に連結するリンカー
    として、請求項1〜11のいずれか一項に記載の補助化合物を使用する工程、 b)標準的な固相ペプチド合成法を使用して、固体支持体上で直鎖状ペプチド
    を合成する工程、 c)所望のアミンおよびカルボン酸基を脱保護する工程、 d)環化を行うために該カルボン酸基を活性化する工程、ならびに必要に応じ
    て、 e)アミノ酸側鎖基を脱保護する工程、ならびに/または f)該固体支持体から該環状ペプチドを切断する工程、 を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の方法であって、ここで、Yが6位でニ
    トロ基であり、XHが2位であり、そして切断が光分解によって行われる、方法
  32. 【請求項32】 固相ペプチド合成に適した支持体に連結される、請求項1
    、12および13にそれぞれ記載される一般式I、II、IIIまたはIVのい
    ずれか一つに従う補助化合物。
  33. 【請求項33】 支持体に連結された請求項32に記載の補助化合物であっ
    て、ここで、該支持体が官能基化ポリスチレン樹脂、テンタゲル(tentag
    el)樹脂、およびポリエチレングリコール樹脂からなる群から選択される、支
    持体に連結された補助化合物。
  34. 【請求項34】 ペプチド、環状ペプチドの合成において使用するためのキ
    ットであって、該キットは、以下 a)請求項1〜11のいずれか一項に記載される補助化合物、または b)固相ペプチド合成のための1つ以上の試薬とともに、固体支持体に連結さ
    れた、請求項1〜11のいずれか一項に記載の補助化合物、 を含む、キット。
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