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JP2002348538A - 鱗片状シリカ粒子を含有する塗料用硬化性組成物及び硬化塗膜 - Google Patents

鱗片状シリカ粒子を含有する塗料用硬化性組成物及び硬化塗膜

Info

Publication number
JP2002348538A
JP2002348538A JP2001153283A JP2001153283A JP2002348538A JP 2002348538 A JP2002348538 A JP 2002348538A JP 2001153283 A JP2001153283 A JP 2001153283A JP 2001153283 A JP2001153283 A JP 2001153283A JP 2002348538 A JP2002348538 A JP 2002348538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
coating film
secondary particles
particles
curable composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001153283A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushige Fujii
淳成 藤井
Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Maki Inoue
真樹 井上
Hidekazu Ono
英一 小野
Takayoshi Sasaki
隆好 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dokai Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Dokai Chemical Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dokai Chemical Industries Co Ltd filed Critical Dokai Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP2001153283A priority Critical patent/JP2002348538A/ja
Publication of JP2002348538A publication Critical patent/JP2002348538A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲル化が防止された葉状シリカ2次
粒子を含有する塗料用硬化性組成物及び透明性等の膜質
の優れた硬化塗膜を提供する。 【解決手段】 有機高分子物質、葉状シリカ2次粒
子、及びカチオン性界面活性剤及び/又はアミン系アル
カリ物質を混合して塗料用硬化性組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル化が防止され
た葉状シリカ2次粒子を含有する塗料用硬化性組成物及
びこれから得られる膜質の優れた硬化塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に、鱗片状シリカの薄
片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なっ
て形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互
いに独立に存在する積層構造の粒子形態を有する鱗片状
シリカ粒子及び塗膜形成性の有機高分子物質を含有する
硬化性組成物及びこれから得られる硬化塗膜を提案した
(例えば、特願平11−351182号を参照。)。
【0003】当該硬化性組成物中に含有される積層構造
の粒子形態を有するシリカ2次粒子は、本発明者らによ
り初めて創出されたものであって、当該粒子をアクリル
樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂
系等の従来の有機高分子物質からなる有機塗料に配合
し、水性の硬化性組成物等として使用する場合は、その
特異な粒子形態及びその物性に起因して、形成される塗
膜に、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐候性等の優れ
た特性を付与することができる。
【0004】また、基本的には、当該粒子は、それ自身
で自己造膜性に優れるため、塗膜中で配向し、互いに積
み重なった状態で存在するので、塗膜に高い硬度や基体
との強い密着性を付与する。例えば、通常の有機塗料の
塗膜の鉛筆硬度がB〜4B程度であるところ、当該シリ
カ2次粒子を配合すると、その硬度は、H〜4H程度へ
と向上する。
【0005】なお、当該塗膜は、これを基材から剥離し
て、或いは一般的な処理の方法により、独立したフィル
ムとして得ることも出来る。
【0006】更に、このシリカ2次粒子は、有機系紫外
線遮蔽剤や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの
無機系紫外線遮蔽剤を含有する有機塗膜中に配合するこ
とにより、紫外線遮蔽機能等の光学的機能を有する塗膜
の硬度、密着性、耐水性、耐酸性等を向上させることが
できる。またこの場合、当該シリカ2次粒子は配向性に
優れ、それ自体強い自己造膜性を有する積層構造の葉状
シリカ粒子であるため、塗膜中において酸化チタン粒子
等の粒子を担持して、当該シリカ粒子に沿って効果的に
配向せしめ、その光学特性の点でも大幅に向上した塗膜
が形成されると考えられる。
【0007】同様にして、当該シリカ粒子を、赤外線吸
収などの光選択透過機能物質、蛍光顔料や蛍光体等の蛍
光機能をもつ物質、光酸化触媒機能を有する物質を含有
する有機塗膜中に配合することにより、膜質が向上し、
かつ、これらの機能がより効果的に奏される塗料とする
こともできる。
【0008】以上のごとく、積層構造の特異な粒子形態
を有する葉状シリカ2次粒子を有機高分子物質からなる
塗膜中に配合することにより、当該塗膜自体の耐水性や
耐酸性が大幅に向上するとともに、かつ、酸化チタン粒
子等の機能性粒子の塗膜中における配向性や分散性を大
幅に向上させることにより、当該機能性粒子の機能が格
段に強化されることになるため、その適用範囲は、極め
て大きいものである。
【0009】このような葉状シリカ2次粒子を含有する
硬化塗膜は、従来のフィラーであるシリカ粒子等と同様
にして、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹
脂系、フッ素樹脂系等の塗膜形成性の有機高分子物質を
含有する硬化性組成物に、当該シリカ2次粒子を配合
し、十分分散せしめてシリカ含有硬化性組成物とし、当
該硬化性組成物を基体上に通常の手段により塗布・硬化
せしめることにより得られる。
【0010】しかして、本発明者らは、当該葉状シリカ
2次粒子は、後記するように、鱗片状の薄いシリカ1次
粒子が層状に重なった特異な形態をしていることや、そ
の表面のシラノール基の密度が極めて大きいこと等に起
因してか、有機高分子物質との親和性が悪く、当該粒子
を配合した硬化性組成物自体を、場合によってはゲル化
せしめるという予想されざる大きな問題を惹起しうるも
のであることを見いだした。
【0011】例えば、安定に分散させた水スラリー状の
シリカ2次粒子を、撹拌機を備えた容器中でフッ素樹脂
等の水性分散液(エマルション)に添加し、分散せしめ
ようとすると、当該シリカ2次粒子の添加量が多い場合
などでは、系全体が一瞬にして白濁・凝集して高粘度化
し、流動性を完全に喪失する現象が起こる。これがゲル
化であって、一旦ゲル化が生じると、撹拌翼の周りにゲ
ル化した豆腐のごとき白色物質がべったりと固着し、撹
拌翼をいくら回転させても、その一部の固着物質が撹拌
翼にまとわりついたまま空しくカラカラと回転している
だけであり、一方その周囲の大部分の白いゲル状物質
は、固化・静止したまま、少しも混合されることはない
という状態に立ち至る。
【0012】また一旦かかるゲル化が生じた場合は、も
ちろん、これをそのまま塗布することは出来ないし、ま
た水をいくら加えたとしても、もはや系を完全にミクロ
な状態に乳化・分散させることは、困難である。すなわ
ち、これに水を多量に添加すれば、撹拌自体は一応可能
にはなるが、一旦凝集したシリカ2次粒子は、おそらく
ある大きさの固まりの凝集体のまま、水中に分散してい
るにすぎないと考えられる。したがって、この状態のエ
マルション(硬化性組成物)を基体上に塗布して塗膜を
形成させた場合、塗膜形成性が悪く表面の平滑性は劣
り、外見上もクラック、ひび割れ、波うち、凹凸、空
隙、ささくれ等が当該塗膜表面等に形成され、およそ平
滑で厚み均一な実用性ある塗膜とはならないのである。
かかる塗膜は、もちろん透明性も大幅に低下した膜でし
かない。
【0013】また、以上のごときゲル化を全く生じさせ
ることなく、シリカ2次粒子が高分散された硬化性組成
物を調整することができた場合であっても問題は残る。
すなわち、かかる硬化性組成物を基体上に塗布して、外
見的に表面平滑な塗膜が形成でき、かつ、当該塗膜の強
度や密着性等が優れている場合であっても、予想外なこ
とに、当該塗膜の透明性が大きく低下してしまうとい
う、依然として大きな問題が残存していることが見いだ
された。
【0014】一般的に、塗膜自体に透明性が要求される
分野は多く、例えばガラス板、プラスチック板、鋼板、
アルミニウム板、コンクリート、モルタル、木材等、例
えばビルや橋梁、文化財などの木造建築物の外壁等の基
体、またはこれら基体上に施されるカラーベース塗膜や
カラーハードコート塗膜等の上に形成される種々の機能
を有する高透明性の塗膜(所謂クリア塗膜)、更にはク
リアカラー塗膜等としては、透明性の高い塗膜であるこ
とが望まれる。
【0015】また、透明性の高い塗膜であれば、酸化チ
タン等の光酸化触媒粒子を含む光触媒塗料に使用する場
合、光が当該触媒粒子に到達するのを妨げない。
【0016】以上のごとく、シリカ2次粒子を添加して
塗膜の硬度、密着性、耐水性等の膜質を向上させる場
合、基本的には、シリカを含有しない場合の塗膜の有す
る、もともとの高い透明性を実質的に低下させないよう
にすることが好ましい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のごとき優れた特性を有する葉状シリカ2次粒子を配合
した塗膜について、その適用性を一層向上せしめ、より
広範囲な用途にも好適に適用しうるようにするため、有
機高分子物質を含有する硬化性組成物への葉状シリカ2
次粒子の配合容易性又は配合安定性をより高めることに
ある。
【0018】すなわち、具体的には、シリカ2次粒子を
硬化性組成物に配合した場合、まずゲル化が生じないよ
うにすること、かくして硬化性組成物を塗布して得られ
る塗膜の表面平滑性や塗膜強度等を保持すること、さら
には、塗膜の透明性を、シリカ2次粒子を配合した場合
でも実質的に低下させないこと、特に、当該シリカ粒子
の配合比率が高い場合においても、透明性の高い硬化塗
膜を形成しうるようにすることである。
【0019】本発明者らは、上記課題の重要性に鑑み鋭
意検討した結果、シリカ2次粒子をカチオン性界面活性
剤及び/又はアミン系アルカリ物質とともに使用するこ
とにより、ゲル化がきわめて効果的に防止されることを
見いだした。さらに、高沸点溶剤を共存させることによ
り、硬化塗膜の透明性がさらに向上することを見いだし
た。本発明は、かかる知見によりなされるに到ったもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に従え
ば、以下の発明が提供される。
【0021】(1)シリカを含有する塗料用硬化性組成
物において、当該組成物が有機高分子物質、鱗片状シリ
カの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚
重なって形成される葉状シリカ2次粒子及びカチオン性
界面活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質を含有する
ことを特徴とする塗料用硬化性組成物。
【0022】(2)シリカを含有する実質的に透明な硬
化塗膜において、有機高分子物質、鱗片状シリカの薄片
1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって
形成される葉状シリカ2次粒子、透明なカチオン性界面
活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質及び高沸点溶剤
を含有する塗膜であって、当該塗膜の塗膜厚み50μm
に換算した波長400〜800nmにおける光線透過率
が80%以上であることを特徴とする実質的に透明な硬
化塗膜。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明のシリカを含有する塗料用硬化性組
成物は、有機高分子物質、シリカとして鱗片状シリカの
薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重な
って形成される葉状シリカ2次粒子、及びカチオン性界
面活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質を含有するこ
とを特徴とするものである。
【0025】まず、葉状シリカ2次粒子について説明す
る。当該シリカ2次粒子は、鱗片状シリカの薄片1次粒
子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成さ
れる葉状シリカ2次粒子であって、これが互いに独立に
存在する積層構造の粒子形態を有するものである。この
シリカ2次粒子は、鱗片状1次粒子が重なって形成され
るものであるが当該1次粒子は、走査型電子顕微鏡(以
下、SEMと略称する。)では、識別できず、SEMで
はこれが面間が平行的に配向して複数枚重なった葉状2
次粒子だけが識別できる。しかしながら、この葉状シリ
カ2次粒子を透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略称す
る。)を用いて観察すると、電子線が一部透過するよう
な極薄片粒子である1次粒子が識別できる。
【0026】なお、上記1次粒子からなる積層構造の層
間の結合は極めて強固であって、葉状2次粒子から、そ
の構成単位である薄片状の当該1次粒子を完全に1枚ず
つ剥離し、単離することは、通常は極めて困難である。
しかしながら、場合によっては、後記する方法によれ
ば、上記重なりを保持したまま、数枚以下のより薄い重
なりからなる葉状シリカ2次粒子に解砕することができ
る。
【0027】本発明における葉状シリカ2次粒子は、当
該葉状2次粒子がさらに不規則に重なり合い、この重な
りによって作られる多数の間隙を有するシリカの3次凝
集体粒子(3次粒子)を解砕することにより得られる。
【0028】このシリカ3次凝集体粒子は、好ましく
は、本発明者らが先に提案した方法、すなわち、球状や
不定形状のシリカヒドロゲルを出発物質として、アルカ
リ金属の存在下で水熱処理する方法により製造できる
(例えば特開2000−72432号を参照。)。
【0029】なお球状のシリカヒドロゲルは、古くから
知られているように、シリカヒドロゾルを石油類その他
の媒体中で、球形状に固化せしめて生成してもよいが、
好ましくは、特公昭48−13834号に記載されてい
るように、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2
O(MeはNa、K、Li等のアルカリ金属を示す。)
)3.5〜20mol/mol、シリカ濃度2〜20質
量%程度のケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液を混合し
て、pH7〜9程度のシリカゾルを短時間で生成させる
と同時に、気体媒体中に放出し、当該気体中でゲル化さ
せる方法により製造される。
【0030】このようなシリカヒドロゲルをそのままあ
るいは粉砕して粒径0.1〜6mm程度としたものを出
発原料とし、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱
して水熱処理を行い、シリカ3次凝集体粒子を生成させ
る。
【0031】水熱処理は、シリカ−Xやシリカ−Y等の
単一相を短時間で得るため、150〜220℃の温度範
囲で行われ、好ましくは160〜200℃で行われ、ま
た、必要な水熱処理の時間は、水熱処理の温度や種晶の
添加の有無等により変わりうるが、通常、3〜50時
間、好ましくは、5〜40時間程度である。
【0032】かくして水スラリー状で得られたシリカ3
次凝集体粒子を、本発明者らが先に提案した特定の方法
で解砕・分散化することにより、固形分濃度1〜30質
量%の葉状シリカ2次粒子が水スラリーとして得られる
(例えば、特願平11−351182号、特願2000
−206264号を参照。)。
【0033】すなわち、ベルトフィルター等の固液分離
・水洗装置を用いて、シリカ3次凝集体粒子スラリーを
水洗・固液分離し、必要に応じてさらに水でリパルプ
し、SiO2 濃度1〜30質量%の水スラリーとし、こ
れを湿式粉砕装置(解砕装置)、例えば湿式ビーズミ
ル、湿式ボールミル、薄膜旋回型高速ミキサーに供給し
て、鱗片状シリカ3次凝集体粒子を解砕処理してシリカ
2次粒子を得ることができる。なおシリカ2次粒子を、
粉砕・破壊しないためには、直径0.2〜1.0mmの
アルミナ又はジルコニア等の媒体ビーズを用いる湿式ビ
ーズミルが特に好ましい。
【0034】別法として、シリカ3次凝集体粒子のスラ
リーを媒体流動層乾燥機により乾燥して乾燥粉末とし、
これを上記と同様にして湿式粉砕(解砕)して、葉状シ
リカ2次粒子のスラリーとすることもできる。
【0035】かくして得られる、葉状シリカ2次粒子
は、本発明者らにより提案された新規な粒子形態を有す
るシリカであって、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互い
に面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状
シリカ2次粒子から実質的になり、互いに独立に存在す
る積層構造の粒子形態を有することを特徴とする鱗片状
シリカ粒子である。なお、この2次粒子としては、3次
凝集体粒子からの解砕が十分に進行し、薄片1次粒子の
重なりが実質的に無い、薄片1枚からなる葉状シリカ粒
子が混在していてもよく、場合によっては、かかる薄片
1枚(すなわちシリカの薄片1次粒子)からなる葉状シ
リカ粒子が主体であってもかまわない。
【0036】以下、念のため、当該2次粒子を硬化性組
成物中に配合する場合、又は塗膜を形成させる場合に問
題となるその特徴的な物性をまとめておく。
【0037】当該粒子の粒子径は、特に限定するもので
はないが、本発明で使用する場合は、通常0.001〜
4μm程度、好ましくは0.001〜3μm、さらに好
ましくは0.001〜2μm程度である。ここで、粒子
径の測定方法として、レーザー回折/散乱式粒度測定装
置(例えば、堀場製作所製、LA−920型)、動的光
散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LB
−500型)、或いはコールターカウンター(例えば、
コールターエレクトロニクス社製、MA−II型)等で粒
子径の範囲に応じて適宜適用することにより測定され
る。
【0038】当該シリカ2次粒子におけるシリカのX線
回折のスペクトルとしては、米国のASTM(American
Society for Testing and Materials)に登録され
ているカード(以下単にASTMカードと称する。)番
号16−0380に該当する2θ=4.9°、26.0
°、及び28.3°の主ピークを特徴とするシリカ−X
及び/又はASTMカード番号31−1233に該当す
る2θ=5.6°、25.8°及び28.3°の主ピー
クを特徴とするシリカ−Yからなるシリカである。上記
以外のピークとしては、シリカ−Xの場合は、ASTM
カード番号31−1234、37−0386、シリカ−
Yの場合は、ASTMカード番号35−63、25−1
332などのピークが認められるものである。
【0039】本発明における葉状シリカ2次粒子とは、
またSEMで観察した場合、その厚さが0.001〜
0.5μm、厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の
最長長さの比(アスペクト比)は、少なくとも5以上の
ものであり、厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の
最小長さの比(アスペクト比)は、2以上を有するもの
である。葉状シリカ2次粒子の厚さに対する最長長さの
比及び最小長さの比の上限は、特に規定するものではな
いが、前者は300以下、後者は150以下が好まし
い。
【0040】このシリカ2次粒子の細孔分布をBET法
(日本ベル社製、商品名ベルソープ−28型)により測
定すると、細孔容積は、0.05〜0.15ml/g、
比表面積は、30〜80m2 /gである。
【0041】光学的な物性としては、当該シリカ2次粒
子の光の屈折率(試料粉の浸漬法による偏向顕微鏡を用
いる直交ニコルによる観察)は、1.48〜1.52で
ある。
【0042】また、当該シリカ(熱処理していない常温
でのSiO2 )の赤外吸収スペクトル(FT−IR)
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれ1つの吸収帯をもつシラノール基をもつ
シリカである。また、BET法による比表面積当たりの
シラノール基の量は、50〜70μmol/m2 という
大きな値を有している(シリカゲルの数倍)。このた
め、有機高分子の水性エマルションに配合してこれを基
体上に塗布して塗膜とした場合、当該塗膜に親水性を付
与することができる。
【0043】このシリカ2次粒子の酸水溶液及びアルカ
リ水溶液に対する20℃での飽和溶解度は低い。すなわ
ち、溶解SiO2 濃度は、10質量%のHCl水溶液に
対しては、0.008質量%、イオン交換水に対して
は、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対し
ては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に対
しては、0.79質量%であり、酸、アルカリのいずれ
に対しても、小さな溶解度であり、耐酸性、耐アルカリ
性を有することを示す。特に、シリカゲルやコロイダル
シリカに比較して、非常に小さなアルカリ水溶液への溶
解度であり、耐アルカリ性を有することを示す。
【0044】本発明においては、シリカ2次粒子として
は、いわゆる層状ポリケイ酸またはその金属の塩と総称
されるシリカであることが最も好ましい。ここで層状ポ
リケイ酸とは、基本構成単位がSiO4 四面体だけから
なるシリケート層構造のポリケイ酸を云う。
【0045】なお、本発明において、シリカとは、無水
酸化ケイ素(anhydrous siliconoxide)、含水酸化ケ
イ素(hydrous silicon oxide )、ポリケイ酸( polys
ilicic acid )、ポリケイ酸塩(polysilicate)の全て
を総称する意味である。
【0046】なお、上記したシリカ−X及びシリカ−Y
は、A.HeydemannやB.A.Mitsyuk らによって、最初に報
告され、彼らによりこう呼ばれた名前であるが、後年、
これらは、実は、いわゆる層状ポリケイ酸またはその塩
と総称されるものの一種に該当するものであることが明
らかになっている。
【0047】層状ポリケイ酸又はその塩とは、例えばシ
リカ−X、シリカ−Y、ケニアアイト、マガディアイ
ト、マカタイト、アイラアイト、カネマイト、オクトシ
リケート等であり、例えば層状ポリケイ酸塩を酸処理す
ることによりケイ酸塩中のアルカリ金属等が水素イオン
でイオン交換されたH型のものや、当該酸処理前のアル
カリ金属塩等の塩型のものなどの総称である。なお、本
発明において層状ポリケイ酸とは、上記H型及びアルカ
リ金属等の塩型の両者を意味する。
【0048】次に有機高分子物質について説明する。本
発明における硬化性組成物中のバインダーである有機高
分子物質としては、特に限定するものではなく、通常の
有機塗料に使用されているものが使用可能である。例え
ば、フッ素樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、
ウレタン樹脂系、スチレン樹脂系、シリコン樹脂系、塩
化ビニル樹脂系及びポリエステル樹脂からなる群から選
ばれる少なくとも1種の単独樹脂系、これらの少なくと
も二種類以上の共重合樹脂系、又、これらの単独樹脂系
と共重合樹脂系とを2種以上混合もしくは複合したもの
である。当該有機高分子は、透明性の高い塗膜の形成を
目的とする場合は、できるだけ透明性の高い高分子であ
ることが好ましい。
【0049】これら、有機高分子物質の中でも、フッ素
樹脂系の有機高分子物質が特に好ましい。これはフッ素
系樹脂は、塗膜自体の硬度、耐候性、耐薬品性、耐光酸
化性、透明性等が優れており、葉状シリカ2次粒子を配
合してさらにその塗膜の特性をより向上させる実益を有
する上、本発明で使用するシリカ2次粒子を添加するこ
とにより、ゲル化等が場合によっては生じやすいもので
あるから、かかるゲル化を防止して安定なシリカ配合硬
化性組成物を調整することは、特に意義のあることであ
る。また、本発明を適用することにより、シリカ2次粒
子の配合量を高くした場合においても、塗布が容易であ
るのと、得られる硬化塗膜の透明性を高くすることがで
きるので特に望ましい。
【0050】本発明におけるフッ素樹脂系有機高分子物
質としては、フッ素原子を10質量%以上含む高分子が
好ましい。フッ素樹脂系有機高分子物質としては、含フ
ッ素モノマーの重合体又は含フッ素モノマーと他のモノ
マーの共重合体のいずれでもよい。
【0051】含フッ素モノマーとしては、テトラフルオ
ロエチレン(TFE)、ビニリデンフルオライド(Vd
F)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペンタフ
ルオロプロピレン(PFP)、クロロトリフルオロエチ
レン(CTFE)、トリフルオロエチレン(TrF
E)、ビニルフルオライド(VF)、及び、パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル(FVE)などのフッ素置換
エチレン性不飽和基を有する化合物や、フルオロアルキ
ル基含有アルコールやアクリル酸(メタアクリル酸)な
どのフッ素置換基を有する重合性不飽和基を有する化合
物などを用いることもできる。
【0052】フッ素樹脂系有機高分子物質としては、上
記の含フッ素モノマーの少なくとも一種の重合体又はこ
れらの共重合体のほかに、さらにこれらと、フッ素を含
有しないモノマーとの共重合体も使用可能である。さら
に、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドなどの含フッ
素環状化合物を単独またはエチレンオキサイドやプロピ
レンオキサイドなどと開環重合した含フッ素ポリエーテ
ル類なども使用可能である。
【0053】共重合させるべきフッ素を含有しないモノ
マーとしては、エチレン、プロピレンなどのオレフィン
類;エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
などのビニルエーテル類;ヒドロキシブチルビニルエー
テル、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどのヒドロキ
シアルキルビニルエーテル類;ブタン酸ビニル、オクタ
ン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニル
トルエンなどの芳香族ビニル系化合物類;エチルアリル
エーテル、ブチルアリルエーテル、ヒドロキシエチルア
リルエーテルなどのアリルエーテル類;(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)
アクリロイル化合物類;アリルエステル類、イソプロペ
ニルエーテル類、不飽和脂肪酸類などが例示される。特
に、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル
類、アリルエーテル類、アリルエステル類が好ましい。
【0054】フッ素樹脂系有機高分子物質は、主骨格の
炭素に結合した水素の少なくとも一部がフッ素に置換さ
れたものが好ましく、このような高分子物質は、テトラ
フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフ
ルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、クロロ
トリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニル
フルオライド、及び、パーフルオロビニルエーテルなど
のフッ素置換エチレン性不飽和基を有する化合物の少な
くとも一種を重合モノマーとして使用することにより合
成可能である。
【0055】さらに、フッ素樹脂系有機高分子物質は、
上記の重合体単独であってもよく、他の高分子物質と複
合化されていても良い。他の高分子物質としては、代表
的にはアクリル系重合体などがある。アクリル系重合体
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エス
テル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリル
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等があげられ、
その他スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリ
ルなどの単独または共重合体である。
【0056】ここに言う他の重合体との複合化とは、フ
ッ素樹脂系有機高分子物質と他の重合体との単なる混合
(ブレンド)のほか、フッ素樹脂系有機高分子物質の存
在下に他の高分子物質を合成したり、他の高分子物質の
存在下にフッ素樹脂系有機高分子物質を合成する等の所
謂シード重合法によりコア/シェル型重合体を形成する
ことによっても達成可能である。
【0057】本発明で使用するフッ素樹脂系有機高分子
物質は、水性媒体に分散してエマルションとしたもの、
または溶解して溶液としたものが、葉状シリカ2次粒子
との混合容易性、混合後の安定性の面から好ましい。水
性媒体に分散または溶解したフッ素樹脂系高分子物質
は、乳化重合により容易に得られるが、溶液重合、バル
ク重合したものを水性媒体に分散させたものであっても
良い。また、有機溶剤に溶解又は分散したものも使用可
能である。
【0058】これらのフッ素樹脂系有機高分子物質は、
ルミフロン(商標:旭硝子社製)、セフラルコート(商
標:セントラル硝子社製)、フルオネート(商標:大日
本インキ工業社製)、ゼッフル(商標:ダイキン工業社
製)などの名前で市販されており、これを使用すること
もできる。
【0059】本発明においては、バインダーである上記
有機高分子物質に葉状シリカ2次粒子を添加し、さらに
カチオン性界面活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質
を配合する。
【0060】本発明に用いるカチオン性界面活性剤とし
ては、1級、2級、3級又は4級アルキルアンモニウム
塩、アルキルアミン、アルキルアミン塩、アルキルピコ
リニウムハライド、アルキルアミドメチルピリジニウム
クロライド、アルキルピリジニウムクロライド、アルキ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどを単独
あるいは併用して使用できる。
【0061】上記のアルキルアンモニウム塩の中では、
4級アルキルアンモニウム炭酸塩が好ましく、さらに、
テトラメチルアンモニウム炭酸塩が最も好ましい。
【0062】本発明に用いるアミン系アルカリ物質と
は、アルカリ性のアミン類であって、アンモニア、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノール、テトラエチルエチレンジアミ
ン、その他のアルキルアミン類が単独あるいは併用して
使用できる。
【0063】上記カチオン性界面活性剤及び/又はアミ
ン系アルカリ物質を硬化性組成物中に配合することによ
りゲル化が防止される理由は明らかでないが、一つは、
これらが、葉状シリカ2次粒子を構成する積層した薄片
1次粒子の層間に侵入して、いわゆるインターカレーシ
ョンするため、ゲルを誘発する薄片1次粒子の層間の表
面や葉状シリカ2次粒子の表面の性質が変化するためで
はないかと推察される。
【0064】本発明においては、硬化塗膜の透明性を向
上させるために、硬化性組成物にさらに高沸点溶剤を配
合することが好ましい。
【0065】高沸点溶剤としては、乾燥後の硬化塗膜中
に残留し、葉状シリカ2次粒子の細孔内の空隙内に入り
込み、当該空隙内を充填しうるものであれば特に限定す
るものではない。
【0066】高沸点溶剤とは、少なくとも有機高分子物
質の溶剤又は分散媒(以下、これらを揮発性液体と称す
ることがある。)よりも高い沸点を有する有機溶剤であ
って、塗布された塗膜が乾燥する際に、実質的に飛散す
ることなく、乾燥後の硬化塗膜中に大部分が残留するも
のである。例えば分散媒が水である場合は、水(揮発性
液体)よりも沸点の高い溶剤であればよく、好ましくは
沸点が120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、
一層好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃
以上である有機溶剤である。当該高沸点溶剤は、1種又
は2種以上を混合して用いることもできる。かかる高沸
点溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノ2−
エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテルアセテート、2,2,4−トリ
メチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレー
ト、N−メチル−2−ピロリドンなどが好ましい。これ
らの中でも、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシ
ルエーテルがさらに好ましい。
【0067】なお有機高分子物質が水性エマルション状
態の場合には、高沸点溶媒としては、水可溶性のものが
好ましい。また、上記したように、沸点が好ましくは1
20℃以上あるこれら有機溶剤を単独或いは組み合わせ
て用いることができる。またこの場合は、有機高分子物
質の造膜助剤、可塑剤としての機能をも合わせ持たせる
ことが出来る。
【0068】なお、有機高分子物質が水性エマルション
を形成している場合は、揮発性液体は水であるが、この
場合、水とともに、それ以外の揮発性液体、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、イ
ソプロピルアルコール、灯油、軽油などの揮発性の高い
低沸点有機溶媒なども使用できる。(この場合は、有機
高分子物質の分散媒は、水性媒体となる。)
【0069】上記したような、例えば水性エマルション
状態の有機高分子物質、葉状シリカ2次粒子、カチオン
性界面活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質、及び高
沸点有機溶剤などを混合して硬化性組成物を形成させる
場合には、有機高分子物質、葉状シリカ2次粒子、カチ
オン性界面活性剤等の構成成分を混合する順序は、基本
的には任意であり、場合によっては同時に混合すること
も可能である。しかして特に好ましくは、葉状シリカ2
次粒子の水スラリーを、まずアミン系アルカリ物質でp
Hを8〜12、好ましくは8.5〜11、さらに好まし
くは9〜10に調整した後、これにカチオン性界面活性
剤を加えて当該シリカ表面を処理(以下、単に表面処理
と称することがある。)した後に、これを有機高分子物
質と混合して組成物を形成とすることが、硬化性組成物
の凝集、増粘やゲル化などの発生をより効果的に抑制
し、硬化性組成物の安定性を付与する点で、好ましい。
【0070】すなわち、このように予め表面処理した葉
状シリカ2次粒子に、水性エマルション状態の有機高分
子物質、高沸点有機溶剤、各種塗膜改質用添加剤などを
配合して均一分散、混合させて硬化性組成物を調整する
ことが望ましい。
【0071】本発明の硬化性組成物を調整する場合の、
均一分散、混合操作を実施するための装置としては、プ
ロペラ、パドル、タービン、ヘリカルリボン等の撹拌羽
根を有する固液撹拌槽や、媒体ビーズを用いる機械式撹
拌機、その他インターナルミキサー、パグミル、ポニー
ミキサー、ギヤコンパウンダー等の捏和装置を適用でき
るが、これらに限定されるものではない。
【0072】本発明の硬化性組成物の組成割合におい
て、主構成成分の固形分比率として、有機高分子物質に
対する葉状シリカ2次粒子の割合が少なくとも1質量%
以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは5
0質量%以上、少なくとも300質量%以下、好ましく
は200質量%以下、さらに好ましくは100質量%以
下の高配合の場合に、本発明による処方は特に有用であ
るが、もちろんそれ以外の場合においても適用できるも
のであり、配合比は特に限定されるものではない。
【0073】同様にしてカチオン性界面活性剤及び/又
はアミン系アルカリ物質の配合量は、主として配合する
シリカ2次粒子の量に応じて添加される性質のものであ
り、シリカ2次粒子に対して、0.1〜20質量%が好
ましく、さらに好ましくは、1〜10質量%、一層好ま
しくは1〜5質量%添加される。なお、両者を併用する
場合はその合計量がこの範囲に入ることが好ましい。
【0074】また高沸点溶媒は、主として有機高分子物
質の量に応じて添加される性質のものであり、有機高分
子物質に対して、0.1〜30質量%が好ましく、さら
に好ましくは、1〜20質量%添加される。
【0075】上記した硬化性組成物から硬化塗膜を形成
させるには、基体(例えば、金属、ガラス、セラミック
ス、プラスチック、スレート、セメント硬化体、木材、
紙、繊維、などが挙げられる。)上に塗布し、乾燥させ
て、当該基体上に硬化塗膜を形成させればよい。乾燥温
度としては、室温〜200℃、好ましくは室温〜100
℃、さらに好ましくは、室温〜80℃である。硬化塗膜
の厚みは特に限定するものではないが、通常0.1〜1
0000μm、好ましくは1〜1000μm、さらに好
ましくは1〜100μm程度である。
【0076】本発明の硬化性組成物を塗布する手段は、
従来公知のものでよく、例えば、刷毛塗り、ロールコー
ト、ディッピング、スプレー、電着塗装、印刷等の任意
の手段が採用できる。
【0077】また、本発明の硬化塗膜をフィルムとして
得るためには、この乾燥した硬化塗膜を剥離するか、ま
たは一般的な手法で薄膜とすればよい。
【0078】本発明の硬化塗膜(又はフィルム)は、上
記のごとき組成の硬化薄膜において、塗膜厚み50μm
に換算した波長400〜800nmにおける光線透過率
が少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さら
に好ましくは90%以上であり、また、ヘイズが50%
以下、好ましくは40%以下の実質的に透明性が付与さ
れたものである。
【0079】「塗膜厚み50μmに換算した波長400
〜800nmにおける光線透過率が少なくとも80%以
上」とは、ハロゲンD65光源(JIS Z8720
標準光源)を使用して測定した波長400〜800nm
における透過率が、塗膜厚み50μmに換算したとき、
少なくとも80%以上であることを意味する。
【0080】換算は、下記式 (1) により行うことがで
きる。同一処方の塗膜で塗膜厚みの異なる場合に、同一
の塗膜厚みでの光の透過率として比較するためには、塗
膜が厚み方向で均質であるとして、分光光度法の基本則
であるBeer則により式 (1) で計算し換算するもの
とする。
【0081】すなわち、 log10(I0 /I)=K*L (1) ここで、 I0 :入射光の強さ I :硬化塗膜透過後の光の強さ L :硬化塗膜の厚み(μm) K :定数(同一処方の塗膜で、塗膜厚みが異なる場合
は、一定となる。)
【0082】なお、本発明の硬化性組成物において、ゲ
ル化が防止されると共に、透明性が付与される理由とし
ては、カチオン性界面活性剤又はアミン系アルカリ物質
が、葉状シリカ2次粒子を構成する鱗片状シリカ1次粒
子の層間に浸透し、いわゆるインターカレーションする
こと、シリカ粒子の表面に高密度に存在する活性シラノ
ール基に吸着され、その結果、層間の微細な細孔が減少
すること、鱗片状シリカの1次、2次粒子表面が親油性
となり、有機高分子物質との親和性が高まり濡れ性を改
善させるため、塗膜の乾燥過程での造膜時に、シリカ粒
子と有機高分子物質の粒子(エマルション粒子)が互い
により密着できるので、最終的な硬化塗膜中においてシ
リカ粒子とエマルション粒子の空隙を極小にできる等の
ためであると推定される。
【0083】一方、高沸点溶剤は、エマルション粒子を
軟化或いは膨潤させて、当該エマルション粒子が、葉状
シリカ2次粒子間の空隙に浸透させやすくし、また当該
溶剤は、当該シリカ2次粒子を構成する鱗片状シリカの
層間に侵入できるため、自身が乾燥時に実質的に揮発せ
ずに当該空隙中に残留し、これを充填することができる
こと、或いは、有機高分子化合物成分と反応して塗膜形
成要素の中に組み込まれ、又は、揮発する過程で毛細管
現象により有機高分子物質をシリカの当該空隙中に引き
込むこと等のメカニズムによって、当該細孔容積のさら
なる低減の効果により、透明性が大幅に付与された硬化
塗膜が得られるものと推察される。
【0084】乾燥硬化塗膜中の葉状シリカ2次粒子と有
機高分子物質との固形分総量に対する、葉状シリカ2次
粒子の固形分比率は、特に限定するものではないが、例
えば配合量の上限は、100質量%以下、好ましくは7
0質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、一層
好ましくは50質量%以下であり、また下限は、0.1
質量%以上、好ましくは15質量%以上である。70質
量%を越える場合には、硬化塗膜の透明性は、充分高く
ならない。なお、シリカ2次粒子の含有量を、この範囲
で、できるだけ高くすることにより、塗膜の硬度や親水
性をより向上させることができ、塗膜として好ましい特
性を付与することができる。また、シリカ2次粒子の含
有量を高くすることにより、塗膜に耐摩耗性を付与し、
ブラシで擦ったような場合にも、スクラッチのできにく
い傷つき難い塗膜を形成することができる。
【0085】なお、葉状シリカ2次粒子の積層構造を保
持したまま、これをさらに微細化するには、すでに述べ
た直径0.2〜1.0mmのジルコニアビーズ等の粉砕
媒体を用いる湿式粉砕装置(解砕装置)を使用すること
が好ましい。すなわち、シリカ3次凝集体粒子のスラリ
ーを、上記解砕装置に供給して連続的に解砕処理する場
合、一回通過(ワンパス)させることにより2次粒子が
得られるが、このスラリーをさらに循環させて、一回以
上通過させることにより、微細化することができる。こ
の循環パス数は、所望により複数回、特に2回以上行う
ことが好ましい。なお、循環しない一回通過(ワンパ
ス)で行うことも可能である。その場合には、一回の滞
留時間を十分長くすればよい。
【0086】この解砕方法によれば、実質的に積層構造
が保持されたまま、粒子が微細化される。これは、ここ
で採用されている微細化のメカニズムが、主としてより
厚い積層構造のものから、より薄い積層構造の粒子にな
るものであるか、又は、積層厚みは変わらずに、粒子長
さ方向沿った若しくは長さ方向を横切る解砕等により行
われ、いずれにせよ強い衝撃力に基づく機械的な粉砕に
より粒子を粉々に砕いて微細化するようなメカニズムで
はないため、基本的に積層構造は、保持されるためと考
えられる。事実、微細化後のシリカ2次粒子をSEM及
び/又はTEMで観察した場合、積層構造自体に実質的
な変化が生じていることは認められない。また、造膜性
が損なわれていないことは、後記実施例において示され
ているとおりである。
【0087】以上のごとく積層構造を保持しつつ、微細
化されたシリカ2次粒子を得ることができるが、微細化
された粒子の粒径は、塗膜の透明性を低下させないため
には、2μm以下であることが好ましく、1μm以下が
より好ましく、0.001μm以上である。
【0088】本発明において、硬化塗膜の透明性の評価
は、以下の方法で行う。すなわち、ガラス板(70mm
×150mm×2mm)を用意し、バーコーター塗り法
(JIS K5400)で、#80バーコーター(江藤
器械社製など)を使用して、硬化性組成物を、乾燥後の
塗膜厚みが約30μmになる様に上記ガラス板の片面に
塗布し、室温で乾燥して試験片とする。その際に、塗布
量(固形分換算)や塗膜厚みを測定しておく。
【0089】この試験片のハロゲンD65光源の全光線
を用いて未塗布のガラス板をブランクとして塗膜或いは
フィルムの全光線透過率を濁度計(日本電色社製、ND
H2000型など)で測定する(JIS K7361に
準拠した試験法による。)。この全光線透過率より、波
長400〜800nmの光線透過率を求める。
【0090】本発明の硬化性組成物は、塗料用組成物と
して好適に使用しうるものであり、当該硬化性組成物中
には、最終的な硬化塗膜の塗膜硬度、密着性、耐水性、
耐光性、透明性等の所望の膜質を損なわない範囲で、他
の機能性材料微粒子や有機・無機添加剤を添加、併用す
ることもできる。例えば、無機系顔料、紫外線吸収剤、
顔料分散剤、カップリング剤、造膜剤、造膜助剤、レベ
リング剤、消泡剤、造粘剤、ハジキ防止剤等を添加する
ことができる。
【0091】また、本発明において、塗料とは最も広義
に解釈するものとし、物体(基体)の表面を被覆する塗
膜(コーティング)を形成し、その保護、美観表示、耐
久性、耐候性、耐食性等の本来の機能付与はもちろん、
さらにUVカット、蓄光、赤外線放射、つや消し等の光
学的機能;結氷・着雪・結露防止、撥水、防水、耐酸性
雨、弾性、潤滑等の機械的機能;帯電防止、磁性、電磁
波シールド等の電気・電子機能;抗菌、防カビ、動物忌
避、難燃、ガスバリヤ、船底防汚、院内感染対策等の化
学的・生物学的機能等を付与する塗膜を形成しうるすべ
ての硬化性組成物をいう。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0093】以下の実施例において、硬化塗膜の細孔容
積は、窒素吸着法(以下BET法と称する。)細孔分布
測定装置(日本ベル社製、ベルソープ−28型)により
測定した。
【0094】また、硬化塗膜の波長400〜800nm
における光線透過率は、ハロゲンD65光源(JIS
Z8720)の全光線透過率における波長400〜80
0nmの透過率をもとめ、濁度は、ガラス板上に形成さ
れた乾燥硬化塗膜を何も塗布されてないガラス板をブラ
ンクとして濁度計(日本電色社製、NDH2000型)
で測定した。また、以下単に%とあるのは、質量%を意
味する。
【0095】〔合成例1〕(ヒドロゲルを出発原料とす
るシリカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムをア
ルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /N
2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量
%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/min
と、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口
を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均
一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが
7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均
一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中
に放出させた。放出された液は、空気中で球形液滴とな
り、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化
した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、
ここに落下せしめて熟成させた。
【0096】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppm
であった。
【0097】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0098】容量50000mlのオートクレーブ(電
気加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総Si
2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)
23.7kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2
8.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /N
2 O=3.17(モル比))5.5kgを仕込み、こ
れにイオン交換水を10.7kgを加え、50rpmで
撹拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系内
の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であっ
た。
【0099】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度3
0.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0100】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−M
INI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、5.
6kgの乾燥微粉末を得た。
【0101】粉末X線回折スペクトルにより生成微粉末
についての生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号
31−1234、37−0386に該当するピークが認
められた。
【0102】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されてい
ることが観察された。
【0103】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重な
り合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシ
リカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察され
た。これが本発明におけるシリカ3次凝集体粒子であ
る。
【0104】SEMで観察されるこの葉状粒子(TEM
では、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.06μm
に対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、5.4
μmでそのアスペクト比は90、板の平均最小長さは
1.6μmで、アスペクト比は27であった。
【0105】この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平
均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクト
ロニクス社製、MAII型、アパーチャーチューブ径50
μm(以下の合成例において同じ))を用いて測定した
ところ、6.1μmであった。 〔合成例2〕(ヒドロゲルを出発原料とするシリカ3次
凝集体粒子の製造)
【0106】出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOH
をアルカリ源として次のようにして調整した。SiO2
/Na2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0
質量%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/m
inと、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放
出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的
に均一混合して、放出口から空中に放出される液のpH
が7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、
均一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気
中に放出させた。放出された液は、空気中で球形液滴と
なり、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル
化した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いてお
き、ここに落下せしめて熟成させた。
【0107】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppm
であった。
【0108】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0109】容量5000mlのオートクレーブ(電気
加熱式、アンカー型撹拌羽根付き)に、系内の総SiO
2 /Na2 Oモル比が11.0になるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量
%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換
水を1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20
rpmで撹拌しながら180℃で12時間水熱処理を行
った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5
質量%であった。
【0110】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度3
3.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0111】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−M
INI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、40
8gの乾燥微粉末を得た。
【0112】生成微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成微粉末についての生成相の同定を行ったところ、
X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−
1233に該当する2θ=5.6゜、25.8゜及び2
8.3゜の主ピークを特徴とするシリカ−Yの主ピーク
以外にASTMカード番号35−63、25−1332
に該当するピークが認められた。
【0113】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されてい
ることが観察された。
【0114】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重な
り合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシ
リカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察され
た。
【0115】このSEMで観察されるこの葉状粒子(T
EMでは、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.07
μmに対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、
6.0μmでそのアスペクト比は86、板の平均最小長
さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。
【0116】また、この微粉末の平均粒子径をコールタ
ーカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MA
II型)を用いて測定したところ、6.5μmであった。
【0117】〔合成例3〕(合成例1の湿ケーキからス
ラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水1
020gを加えてリパルプし、固形分15質量%のシリ
カスラリーを調製した。このスラリーの状態では、コー
ルターカウンターによる平均粒径は7.2μmであり、
B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであっ
た。
【0118】次にこのスラリーを媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行った。
【0119】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は、1.6μmで
あった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測
定したところ、0.13Pa・sであった。
【0120】次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の
状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べ
るため、以下の方法で乾燥粉末を得た。
【0121】当該スラリーは、乾燥により極めて凝集し
やすいという特異な性質を有しているため、単分散され
た乾燥粉末を得るには、極めて薄い濃度の水スラリーに
して凝集を防ぎながら乾燥をする必要がある。
【0122】すなわち、当該スラリー(固形分濃度15
質量%)に水を添加し、固形分濃度0.3質量%にスラ
リー濃度を調整した。
【0123】当該スラリーを小型のスプレードライヤー
(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリー供
給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa
(G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末
を得た。
【0124】得られた乾燥微粉末のコールターカウンタ
ーによる平均粒径は、1.6μmであった。
【0125】この微粉末をSEMで観察したところ、シ
リカ3次凝集体粒子は、実質的に認められず、鱗片状シ
リカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複
数枚重なって本発明の葉状シリカ2次粒子から実質的に
なっていることが判明した。
【0126】この微粉末を念のため粉末X線回折スペク
トルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外に、ASTMカード番
号31−1234、37−0386に該当するピークが
認められ、解砕前と同じものであることが確認された。
【0127】また、この微粉末をエポキシ樹脂に埋包
し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作成して、TE
Mで観察したところ、1次粒子の厚みは、1〜10nm
と極めて薄いことがわかった。
【0128】当該微粉体のBET法細孔分布測定装置
(日本ベル社製、ベルソープ28型)による細孔容積は
0.12ml/g、比表面積は、65m2 /gであり、
細孔分布曲線では3.6nm付近にメソ細孔領域の鋭い
大きなピークが認められた。
【0129】また、当該微粉末の赤外吸収スペクトル
(ニコレージャパン社製、FT−IR510型)測定で
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれひとつの吸収帯を持つシラノール基が認
められた。
【0130】また、シラノール基(SiOH)の量を、
120℃・2時間での乾燥減量と1200℃・3時間で
の加熱減量との差(W質量%とする。)からシリカ単位
質量当たりのシラノール基(SiOH)=W×111
1.1(μmol/g)の計算式により求めると、36
50μmol/gであり、BET法による比表面積当た
りでは56.2μmol/m2 という大きな値を示し
た。
【0131】酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20
℃での飽和溶解度については、溶解SiO2 濃度は、1
0質量%HCl水溶液に対しては、0.008質量%、
イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質量%
NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10質量
%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であっ
た。特に耐アルカリに関しては、例えばシリカゲルに比
較すると非常に小さな溶解度であった(シリカゲルの場
合、3質量%NaOH水溶液に対しても溶解度は、6.
5質量%である。)。
【0132】〔合成例4〕(合成例2の湿ケーキからス
ラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキを用いて合成例3と同様に、媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、固形
分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを
得た。
【0133】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.9μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.11Pa・sであった。
【0134】〔合成例5〕(合成例1の湿ケーキからス
ラリー状の粒子径1μm未満の葉状シリカ1次、及び2
次粒子の製造)
【0135】合成例1に示した遠心分離機による濾過・
水洗後の湿ケーキに水を添加して固形分濃度15質量%
に調整したシリカ3次凝集体水スラリーを用いて、媒体
撹拌ビーズミル(シンマルエンタープライゼズ社製、ダ
イノーミルKDL−PILOT A型 (ベッセル容量
1.4L、直径0.5mmジルコニアビーズ70%充
填) )でシャフト回転数3400rpm、流量10L/
hで3回通過させ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散
化を行い、固形分濃度15質量%の葉状シリカ1次、及
び2次粒子の水スラリーを得た。
【0136】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のレ
ーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社
製、LA−920型)による平均粒子径は、0.54μ
mであった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計
で測定したところ、0.5Pa・sであった。
【0137】また、スラリー中のシリカ粒子を乾燥して
合成例3と同様に微粉末をSEMで観察したところ、合
成例3で得られた平均粒径1.6μmのシリカ2次粒子
とSEMで観察される粒子形態は、鱗片状粒子という面
では、ほとんど差異は認められなかった。
【0138】しかしながら、スラリー中の粒子の形態を
乾燥粉体とせずに直接、TEMで観察したところ、鱗片
状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し、複数
枚重なって本発明における葉状シリカ2次粒子と、1枚
の鱗片状の薄片1次粒子が存在し、両者が混在している
ことが観察された。
【0139】〔実施例1〕 (1)合成例5に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子のスラリ
ー(平均粒子径0.54μm)の20gをビーカーに入
れ、アミン系アルカリ物質である2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノールを0.15g(シリカ固形分に対
し5%)、カチオン性界面活性剤(サンノプコ社4級ア
ンモニウム塩タイプ(テトラメチルアンモニウム炭酸
塩)、商品名SNディスパーサント7347−C、固形
分濃度20質量%)を0.3g(シリカ固形分に対し2
%)加え、室温撹拌して十分混合した。
【0140】(2)かくして処理したシリカ2次粒子の
スラリーに、フッ素樹脂系水系エマルション(旭硝子社
製クリアータイプエマルション、商品名ルミフロンFE
−4200、固形分濃度49質量%)6.1g(固形分
換算でシリカ:樹脂=1:1)、及び高沸点溶剤である
エチレングリコールモノ2エチルヘキシルエーテル(沸
点229℃、日本乳化剤社製溶剤、商品名EHG、有効
成分100%)0.23g(樹脂固形分に対し7.5
%)を加えて、十分室温で撹拌混合して塗料用硬化性組
成物とした。この硬化性組成物のpHは、9.5であっ
た。
【0141】(3)次に、ガラス板(70mm×150
mm×2mm、以下の実施例、比較例において同じ。)
を用意し、バーコーター塗り法(JIS K5400)
で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用して、
上記硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室
温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約
28g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであっ
た。塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜であ
った。
【0142】(4)ガラス板上に形成された硬化塗膜
(シリカ含有塗膜)の、ハロゲンD65光源を使用し波
長400〜800nmの全光線透過率に対する拡散透過
率を、ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH20
00型)で測定したところ、光線透過率は、97.8%
という高い透過率であり、ヘイズは28.5%と低く、
濁りの少ない高い透明性を有する膜であった。Beer
則を用いて、式 (1) よりシリカ含有塗膜層の塗膜厚み
50μmの場合の透過率を算出すると、光線透過率は、
96.4%であった。
【0143】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度が3H、
碁盤目試験は10点であった。
【0144】〔実施例2〕 (1)合成例4に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子のスラリ
ー(平均粒子径 1.9μm)を20gをビーカーに入
れ、アミン性カルカリ物質である2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノールを0.15g(シリカ固形分に対
し5%)、カチオン性界面活性剤(サンノプコ社4級ア
ンモニウム塩タイプ(テトラメチルアンモニウム炭酸
塩)、商品名SNディスパーサント7347−C、固形
分濃度20質量%)を0.3g(シリカ固形分に対し2
%)加え、室温撹拌して十分混合した。
【0145】(2)かくして処理したシリカ2次粒子の
スラリーに、フッ素樹脂系水系エマルション(旭硝子社
製クリアータイプエマルション、商品名ルミフロンFE
−4200、固形分濃度49質量%)6.1g(固形分
換算でシリカ:樹脂=1:1)及びエチレングリコール
モノ2エチルヘキシルエーテル(沸点229℃、日本乳
化剤社製溶剤、商品名EHG、有効成分100%)0.
23g(樹脂固形分に対し7.5%)を加えて、十分室
温で撹拌混合して硬化性組成物とした。この硬化性組成
物のpHは、9.2であった。
【0146】(3)次に、実施例1と同様にガラス板を
用意し、実施例1と同様にしてバーコーター塗り法で、
上記硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室
温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約
28g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであっ
た。塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜であ
った。
【0147】(4)このガラス板上に形成された硬化塗
膜(シリカ含有塗膜)の、実施例1と同様にして測定し
た波長400〜800nmの光線透過率は、98.2%
と高く、またヘイズは29.1%と低い、濁りの少ない
高い透明性を有する膜であった。
【0148】Beer則を用いて、式 (1) よりシリカ
含有塗膜層の塗膜厚み50μmの場合の透過率を算出す
ると、光線透過率は、97.0%であった。
【0149】また、常温乾燥5日後の塗膜物性を、JI
S K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度が3
H、碁盤目試験は10点であった。
【0150】〔実施例3〕 (1)合成例5に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子のスラリ
ー(平均粒子径0.54μm)の20gをビーカーに入
れ、アミン系アルカリ物質である2−アミノ−2−メチ
ル−1−プロパノールを0.15g(シリカ固形分に対
し5%)加え、室温で撹拌して十分混合した。
【0151】(2)かくして処理されたシリカ2次粒子
スラリーに、アクリル樹脂系水系エマルション(大日本
インキ社製クリアータイプエマルション、商品名ボンコ
ートBC−280、固形分濃度50質量%)6.0g
(固形分換算でシリカ:樹脂=1:1)及びエチレング
リコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(沸点229
℃、日本乳化剤社製溶剤、商品名EHG、有効成分10
0%)0.23g(樹脂固形分に対し7.5%)を加え
て、十分室温で撹拌混合して硬化性組成物とした。この
硬化性組成物のpHは、9.4であった。
【0152】(3)次に、実施例1と同様にガラス板を
用意し、実施例1と同様にバーコーター塗り法で、上記
硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室温で
乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約28
g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。塗
膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜であった。
【0153】(4)ガラス板上に形成された硬化塗膜
(シリカ含有塗膜)の、実施例1と同様にして測定され
た波長400〜800nmの光線透過率は、98.0%
という高い透過率であり、またヘイズは26.5%と低
い、濁りの少ない高い透明性を有する膜であった。Be
er則を用いて、式 (1) よりシリカ含有塗膜層(混合
塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率を算出する
と、光線透過率は、96.7%であった。
【0154】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度が2H、
碁盤目試験は10点であった。
【0155】〔実施例4〕 (1)合成例5に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%葉状シリカ2次粒子のスラリー
(平均粒子径 0.54μm)を20gをビーカーに入
れ、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを0.
15g(シリカ固形分に対し5%)、カチオン性界面活
性剤(サンノプコ社4級アンモニウム塩タイプ(テトラ
メチルアンモニウム炭酸塩)、商品名SNディスパーサ
ント7347−C、固形分濃度20質量%)を0.3g
(シリカ固形分に対し2%)加え、室温で撹拌して十分
混合した。
【0156】(2)かくして処理したシリカ2次粒子ス
ラリーに、ウレタン樹脂系水系エマルション(大日本イ
ンキ社製クリアータイプエマルション、商品名L−51
2、固形分濃度40質量%)7.5g(固形分換算でシ
リカ:樹脂=1:1)及びエチレングリコールモノ2−
エチルヘキシルエーテル(沸点229℃、日本乳化剤社
製溶剤、商品名EHG、有効成分100%)0.23g
(樹脂固形分に対し7.5%)を加えて、十分室温で撹
拌混合して硬化性組成物とした。この硬化性組成物のp
Hは、9.8であった。
【0157】(3)次に、実施例1と同様のガラス板
に、実施例1と同様にしてバーコーター塗り法により上
記硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室温
で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約2
8g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約25μmであった。
塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜であっ
た。
【0158】(4)ガラス板上に形成された硬化塗膜
(シリカ含有塗膜)の、実施例1と同様にして測定され
た波長400〜800nmにおける光線透過率は、9
8.9%と高く、またヘイズは21.3%と低い、濁り
の少ない高い透明性を有する膜であった。
【0159】Beer則を用いて、式 (1) よりシリカ
含有塗膜層の塗膜厚み50μmの場合の透過率を算出す
ると、透過率は、97.8%であった。
【0160】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度がH、碁
盤目試験は8点であった。
【0161】〔実施例5〕 (1)合成例3に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子のスラリ
ー(平均粒子径1.6μm)を20gをビーカーに入
れ、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを0.
15g(シリカ固形分に対し5%)、カチオン性界面活
性剤(サンノプコ社4級アンモニア塩タイプ(テトラメ
チルアンモニウム炭酸塩)、商品名SNディスパーサン
ト7347−C、固形分濃度20質量)を0.3g(シ
リカ固形分に対し2%)加え、室温で撹拌して十分混合
した。
【0162】(2)かくして処理されたシリカ2次粒子
スラリーに、フッ素樹脂系エマルション(旭硝子社製ク
リアータイプエマルション、商品名ルミフロンFE−4
200,固形分濃度49質量%)6.1g(固形分換算
でシリカ:樹脂=1:1)及びエチレングリコールモノ
2−エチルヘキシルエーテル(沸点229℃、日本乳化
剤社製溶剤、商品名EHG、有効成分100%)0.2
3g(樹脂固形分に対し7.5%)を加えて、十分室温
で撹拌混合して硬化性組成物とした。この硬化性組成物
のpHは、9.1であった。
【0163】(3)次に、実施例1と同様にガラス板を
用意し、実施例1と同様にバーコーター塗り法で、上記
硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室温で
乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約28
g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。塗
膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜であった。
【0164】(4)ガラス板上に形成された硬化塗膜
(シリカ含有塗膜)の、実施例1と同様にして測定され
た波長400〜800nmの光線透過率は、98.1%
と高く、また、ヘイズは36.2%と低い、濁りの少な
い高い透明性を有する膜であった。
【0165】Beer則を用いて、式 (1) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、光線透過率は、96.9%であっ
た。
【0166】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度が3H、
碁盤目試験は10点であった。
【0167】〔比較例1〕 (1)合成例5に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
たシリカ2次粒子の固形分濃度15質量%の水スラリー
(平均粒子径 0.54μm)の20gをビーカーに入
れ、室温で撹拌しながら、当該スラリーにフッ素樹脂系
水系エマルション(旭硝子社製クリアータイプエマルシ
ョン、商品名ルミフロンFE−4200、固形分濃度4
9質量%)6.1g(固形分換算でシリカ:樹脂=1:
1)及びエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエ
ーテル(沸点229℃、日本乳化剤社製溶剤、商品名E
HG、有効成分100%)0.23g(樹脂固形分に対
し7.5%)を加えたところ、室温撹拌数秒後に一瞬に
してビーカー内全体が凝集して豆腐状に固化(ゲル化)
して泥状になってしまった。ゲル化した内容物は、撹拌
翼にべったりと絡まりつき、いくら撹拌翼を回転させて
も、撹拌翼に絡まりついた部分が撹拌翼とともに回転し
ているだけであり、もはや系内を流動化させることはで
きなくなった。
【0168】やむを得ず、当該泥状物に水20g加えて
希釈した後、再び撹拌することによりようやく流動性を
持つスラリーとすることができた。
【0169】(2)次に、実施例1と同様なガラス板に
実施例1と同様にして、バーコーター塗り法により、上
記泥状物に水を添加して得られたスラリーを、上記ガラ
ス板の片面に塗布し、室温で乾燥して試験片とした。塗
布量は、固形換算で、約20g/m2 であったが、乾燥
後の塗膜厚みの範囲は、約5〜50μm(平均約25μ
m)と大きく変動するものであった。さらに当該塗膜の
外観は、レベリングしていない、非常に多くクラックや
空隙の生じた不透明な塗膜であり、光沢性の全くない塗
膜であった。これは、一旦凝集してゲル化したシリカ2
次粒子を含むスラリーは、これを再び水を添加して流動
化させたとしても、シリカ2次粒子からなる大きな凝集
体が存在しているだけであり、もはや個々のシリカ2次
粒子までは、当該スラリー中で良好に分散させることは
出来ないことを示していると考えられる。
【0170】(3)ガラス板上に形成された当該シリカ
含有硬化塗膜の、実施例1と同様にして測定した、波長
400〜800nmにおける光線透過率は、21.7%
という極めて低い透過率であり、しかもヘイズは、9
8.5%と非常に高く、白色の不透明な膜であった。
【0171】Beer則を用いて、式 (1) よりシリカ
含有塗膜層の塗膜厚み50μmの場合の透過率を算出す
ると、透過率は、わずか4.7%であった。
【0172】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度が6B以
下、碁盤目試験は0点であった。すなわち、膜の硬さや
膜のガスラ板等の基板への密着強度等の小さな、膜質に
劣る硬化塗膜であることがわかった。これは、シリカ2
次粒子が塗膜中に良好に分散していないことを示してい
ると思われる。
【0173】〔比較例2〕 (1)合成例5に記載した媒体撹拌ビーズミルで処理し
た固形分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子のスラリ
ー(平均粒子径 0.54μm)を20gをビーカーに
入れ、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを
0.15g(シリカ固形分に対し5%)、カチオン界面
活性剤(サンノプコ社4級アンモニウム塩タイプ(テト
ラメチルアンモニウム炭酸塩)、商品名SNディスパー
サント7347−C、固形分濃度20質量%)を0.3
g(シリカ固形分に対し2%)加え、室温で撹拌して十
分混合した。
【0174】(2)かくして処理されたシリカ2次粒子
のスラリーに、フッ素樹脂系水系エマルション(旭硝子
社製クリアータイプエマルション、商品名ルミフロンF
E−4200、固形分濃度49質量%)6.1g(固形
分換算でシリカ:樹脂=1:1)加えて、十分室温で撹
拌混合して硬化性組成物とした。なお、ゲル化は起こら
なかった。ここでは、実施例1と異なりエチレングリコ
ールモノ2−エチルヘキシルエーテル等の高沸点溶剤は
使用していない。
【0175】(3)次に、実施例1と同様のガラス板
に、実施例1と同様にして、バーコーター塗り法で、上
記硬化性組成物を、上記ガラス板の片面に塗布し、室温
で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約2
8g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。
塗膜の外観は、見かけ上透明であり、光沢性の高い塗膜
であった。
【0176】(4)ガラス板上に形成されたシリカ含有
硬化塗膜の波長400〜800nmの光線透過率は、5
4.8%という低い透過率であり、一方、ヘイズは9
5.4%と高く、白色の不透明な膜であることがわかっ
た。
【0177】Beer則を用いて、式 (1) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、透過率は、36.6%にすぎなか
った。すなわち、透明性の高い硬化塗膜を得るために
は、硬化性組成物中には、高沸点溶剤を含むことが望ま
しいことがわかる。
【0178】また、常温乾燥5日後の塗膜物性をJIS
K5400に準拠して測定すると鉛筆硬度が2H、碁
盤目試験は10点であり膜質の劣化は認められなかっ
た。
【0179】〔比較例3〕 (1)フッ素樹脂系水系エマルション(旭硝子社製クリ
アータイプエマルション、商品名ルミフロンFE−42
00、固形分濃度49質量%)6.1gをビーカーに入
れ、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテ
ル(沸点229℃、日本乳化剤社製溶剤、商品名EH
G、有効成分100%)を0.23g(樹脂固形分に対
し7.5%)加えて、十分室温で撹拌混合して、葉状シ
リカ2次粒子を含有しない硬化性組成物とした。
【0180】(2)次に、実施例1と同様にしてガラス
板の片面に、バーコーター塗り法により、上記硬化性組
成物を塗布し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量
は、固形換算で、約28g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、
約30μmであった。塗膜の外観は、透明であり、光沢
性の高い塗膜であった。
【0181】(3)ガラス板上に形成された葉状シリカ
2次粒子を含有しない硬化塗膜の、実施例1と同様にし
て測定した光線透過率は、99.8%という高い透過率
であり、ヘイズは5.0%と低く、濁りの少ない高い透
明性を有する膜であった。
【0182】Beer則を用いて、式 (1) より塗膜厚
み50μmの場合の透過率を算出すると、透過率は、9
9.7%であった。
【0183】(4)なお、常温乾燥5日後の塗膜の物性
をJIS K5400に準拠して測定すると、鉛筆硬度
が4B、碁盤目試験は10点であり、葉状シリカ2次粒
子を配合していないため、塗膜硬度の極めて小さな柔ら
かい膜であることがわかった。
【0184】
【発明の効果】本発明によれば、ゲル化が防止された葉
状シリカ2次粒子を含有する塗料用硬化性組成物及びこ
れから膜質の優れた硬化塗膜、とりわけ透明性の高い硬
化塗膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 真樹 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 隆好 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CD101 CD111 CD121 CD131 HA446 JB01 KA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカを含有する塗料用硬化性組成物に
    おいて、当該組成物が有機高分子物質、鱗片状シリカの
    薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重な
    って形成される葉状シリカ2次粒子、及びカチオン性界
    面活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質を含有するこ
    とを特徴とする塗料用硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 さらに高沸点溶剤を含有する請求項1に
    記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機高分子物質が、フッ素樹脂系有
    機高分子物質である請求項1又は2に記載の硬化性組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記葉状シリカ2次粒子の平均粒子径が
    2μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化
    性組成物。
  5. 【請求項5】 前記葉状シリカ2次粒子が層状ポリケイ
    酸からなる請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 前記葉状シリカ2次粒子にシリカの薄片
    1次粒子が混在する請求項4又は5に記載の硬化性組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記葉状シリカ2次粒子が、X線回折分
    析での主ピークがシリカ−X及び/又はシリカ−Yに該
    当するシリカである請求項1〜6のいずれかに記載の硬
    化性組成物。
  8. 【請求項8】 シリカを含有する実質的に透明な硬化塗
    膜において、有機高分子物質、鱗片状シリカの薄片1次
    粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なって形成
    される葉状シリカ2次粒子及び、透明なカチオン性界面
    活性剤及び/又はアミン系アルカリ物質及び高沸点溶剤
    を含有する塗膜であって、当該塗膜の塗膜厚み50μm
    に換算した波長400〜800nmにおける光線透過率
    が80%以上であることを特徴とする実質的に透明な硬
    化塗膜。
  9. 【請求項9】 前記有機高分子物質が、フッ素樹脂系有
    機高分子物質である請求項8に記載の硬化塗膜。
  10. 【請求項10】 前記葉状シリカ2次粒子の平均粒子径
    が2μm以下である請求項8又は9に記載の硬化塗膜。
  11. 【請求項11】 前記葉状シリカ2次粒子が層状ポリケ
    イ酸からなる請求項10に記載の硬化塗膜。
  12. 【請求項12】 前記葉状シリカ2次粒子にシリカの薄
    片1次粒子が混在する請求項10又は11に記載の硬化
    塗膜。
  13. 【請求項13】 前記葉状シリカ2次粒子が、X線回折
    分析での主ピークがシリカ−X及び/又はシリカ−Yに
    該当するシリカである請求項8〜12のいずれかに記載
    の硬化塗膜。
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