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JP2002294574A - 嵩高パルプの製造法 - Google Patents

嵩高パルプの製造法

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Publication number
JP2002294574A
JP2002294574A JP2001098009A JP2001098009A JP2002294574A JP 2002294574 A JP2002294574 A JP 2002294574A JP 2001098009 A JP2001098009 A JP 2001098009A JP 2001098009 A JP2001098009 A JP 2001098009A JP 2002294574 A JP2002294574 A JP 2002294574A
Authority
JP
Japan
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chip
chips
refining
pulp
alkaline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001098009A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Kamijo
康幸 上條
Takuya Yamashita
卓也 山下
Mitsuhiro Sugino
光広 杉野
Takanori Miyanishi
孝則 宮西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2001098009A priority Critical patent/JP2002294574A/ja
Publication of JP2002294574A publication Critical patent/JP2002294574A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルンケル比4.0以上の厚い細胞壁を持つ高
容積重材から嵩高で強度、光学特性に優れたケミ−サー
モメカニカルパルプを製造する。 【解決手段】 チップをその繊維方向に対して垂直に圧
縮した後、キレート剤を約0.2〜0.5%含む2〜5
%のアルカリ液に常温で30分間浸漬し、1次リファイ
ニング直前にアルカリ性過酸化水素を2〜7%添加して
リファイニングを行うことからなる、ケミ−サーモメカ
ニカルパルプの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広葉樹から嵩高で強
度、光学特性に優れたケミ−サーモメカニカルパルプを
低エネルギーで製造する方法に関するもので、更に詳し
くはルンケル比4.0以上の厚い繊維壁を有し、容積重
450kg/m3以上の高容積重材から製造したチップ
をその繊維方向に対し垂直方向から圧縮した状熊で、惑
いは圧縮解放後にキレート剤を含むアルカリ液に浸漬
し、一次リファイニング直前に過酸化水素をキレート剤
と共に添加し、リファイニングを行うケミ−サーモメカ
ニカルパルプ製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械パルプ製造において課題となってい
るのは、省電力と品質向上である。そのために高強度リ
ファイニングやチップ圧縮が検討されている。リファイ
ニング技衛に関してはR.LanouetteらがTappi J.誌上(K.
N.(K.)Law,et al.,Tapp J.,83(9),1(2000).)で紹介して
いるように、リファイニングの機構にはせん断力と圧縮
力の2つの力が作用している。せん断力は繊維分離や断
片化(繊維表面の曝露、外部フィブリル化など)に寄与
しており、圧縮力は変形、ひずみ、分層(内部フィブリ
ル化)など繊維の柔軟化に寄与している。リファイニン
グは解繊、叩解の2段階に分けられるが、叩解段階にお
いて、繊維は二次壁外層(S1層)を含む複合中間層
(ミドルラメラ+一次壁)が引き剥がされ、二次壁中層
(S2層)がフィブリル化される。理論的には繊維の切
断を抑制し、圧縮力によりS1層、S2層間の破壊を進
めれば高品質パルプの製造が達成でき、このためにはリ
ファイニング時にチップにかかる圧縮力を高め、せん断
力を最小にするのが望ましい。しかし既存のリファイニ
ング技術でこれら2つの力を分離して操作することは不
可能である。従ってチップにせん断力をかける前に圧縮
力を加える技術に焦点が向けられている。
【0003】M.J.Sabourinは針葉樹であるバルサムモミ
(balsam fir)48%、トウヒ(spruce)45%、パイン(p
ine)/へムロック(hemlock)7%の混合チップを原料と
して、繊維方向に対して垂直方向からチップを圧縮する
処理をRT PressafinerTM(Andritz社)で行いTMPを製
造し、そのパルプ物性を評価している (M.J.Sabourin,8
4th Annu.Meeting CPPA Tech.Sect.Preprints,p.B41(19
98))。その結果、従来法と比較してパルプ強度を維持し
つつ消費電力の削減を達成している。
【0004】リファイニング前に薬品をチップに含浸さ
せ、チップの柔軟化を行った後にパルプ製造を行うケミ
−サーモメカニカルパルプ(CTMP)製造工程におい
て、チップはリファイニング工程だけではなく、その前
段階である薬液浸透段でせん断力、圧縮力を受ける。通
常はTMPのリファイニング前に、チップ粘弾性の低
下、繊維の柔軟化、チップに含まれるリグニンと抽
出物の化学的改質を目的として亜硫酸ソーダや苛性ソー
ダが用いられており、スクリューフィーダーでチップを
圧縮した後、薬液含浸が行われている。スクリューフィ
ーダーによる薬液含浸の詳細に関しては、M.C.Barbeら
が1994年に論文“The importance of chip impregnatio
n on refiner pulp quality”中に示されている(M.C.Ba
rbe,et al.,80th Annu.Meeting CPPA Tech.Sept.Prepri
nts,p.A155(1994))。スクリューフィーダー中でチップ
は様々な方向からせん断力、圧縮力を受けるが、その中
でも繊維方向に対して垂直方向から圧縮された場合に
は、繊維中の水、空気が絞り出され、チップが薬液中に
含浸された場合には薬液の吸収、浸透が起こる。また、
繊維方面に対して水平方向から圧縮された場合にはチッ
プのねじれや曝露により、繊維のカッティングが起こる
とされている。チップに薬液を充分浸透させるために薬
品を多段浸透させるケースもあるが、A.Parkinsonらは
スクリューフィーダーによる多段薬液浸透に関して検討
を行っている(A.Parkinson,et al.,Tappi J.,79(7),149
(1996)).黒トウヒ(black spruce)チップを圧縮比3:
1と5:1(共に体積比)に圧縮後、亜硫酸ソーダ水溶
液に含浸しTMPを製造したところ、圧縮比を高くする
につれてチップサイズが小さくなり、チップへの薬液浸
透が向上したが、得られたパルプの繊維長はカッティン
グにより短くなったことを報告しており、スクリューフ
ィーダーにより均一な薬液浸透を行うためには圧縮比を
高くするのが良いが、その反面で得られるパルプ繊維の
損傷が避けられない事を示している。
【0005】パルプの過酸化水素漂白の際には工程中に
存在する金属イオンの除去が必要である細谷が著した過
酸化水素漂白に関する総説(S.Hosoya,Japan Tappi J.,5
2(5),595(1998).)によると、金属イオンは木材中に含ま
れており、Fe2+、Cu2+、Co2+、Mn2+などがある
ことが知られている。漂白は過酸化水素が木材中のリグ
ニンを酸化分解することにより達成されるが、金属イオ
ンが共存する場合には、その触媒作用により過酸化水素
が分解され漂白効率が低下する。この対処法としては、
特願昭57−20636に示されているようにジエチレ
ントリアミンペンタ酢酸、2−ヒドロキシエチルエチレ
ンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジ
エチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)酢酸、
或いはそれらのアルカリ金属塩を過酸化水素添加前に予
め添加し、系内に存在する金属イオンと錯体形成させて
過酸化水素の分解を防止する手法が施される。
【0006】〈発明の背景〉近年、印刷用紙の製造にお
いて、不透明度や印刷適性の観点から針葉樹に比べてリ
グニンが少なく高白色皮のパルプが得られる広葉樹のケ
ミサーモメカニカルパルプの使用が増加している。しか
し、一般に広葉樹は針葉樹に比べて容積重が高く材自体
が硬いことから繊維化が困難であった。従って、チップ
の柔軟化を促進させるため特願昭57−20636(Ala
line peroxide mechanical pulping,APMP法)ある
いは特願昭59−232269(Chemi thermo mechanic
al pauping,CTMP法)に記載されているように、チップを
アルカリ性薬液で前処理する方法が採用されてきた。し
かし、特願昭57−20636に記載されている方法は
チップ前処理薬品として過酸化水素を含むアルカリ液で
実施しているが、この方法では浸漬処理中に過酸化水素
が消費されてしまい、均一な漂白効果が得られ難かっ
た。また、この方法ではリファイニングが常圧であり、
高容積重の広葉樹では高強度なパルプが得られ難かっ
た。一方、特願昭59−232269はチップを破壊
し、アルカリ液で浸漬した後、アルカリ液を除去し、亜
硫酸塩を添加して加圧下でリファイニングを行う方法で
ある。しかし、この方法ではチップの破壊方法が限定さ
れておらず、強度への影響が考慮されていなかった。ま
た、リファイニンク時の添加薬品は亜硫酸塩であること
から高白色度のパルプが得られ難かった。従って、従来
の技術ではケミ−サーモメカニカルパルプ製造に適した
広葉樹種は限られており、ルンケル比(繊維壁厚の2倍
/繊維内腔径)4.0以下のアスペン、ポプラのような
比較的繊維壁の薄い低容積重材が用いられてきた。
【0007】〈ルンケル比の規定〉本文中のルンケル比
は、R.O.H.Runkelが1940年にWachbl.Papierfabr.誌
上で発表したパラメータであり、ルンケル比=(繊維壁
厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比
が大きいほど剛直な繊維であることを示している。本文
中で表記しているルンケル比はFiber Lab.(kajaani社)
により測定された繊維幅、細胞壁厚より算出されたもの
である。
【0008】〈チップ圧縮方向の規定〉本文中では、チ
ップの方向をM.J.KocurekとC.F.B.Stevensが著した“Pu
lp andPaper Manufacture”中の表記方法により規定す
る。チップは幅方向、長さ方向、厚さ方回の3方向で表
記されるが、チップの幅方向と長さ方向、又はチップの
厚さ方向と長さ方向から形成される平面に対して垂直方
向から圧縮を行うことを本文中では繊維方向に対して垂
直に圧縮すると規定する。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】従来の方法ではルン
ケル比4.0以下の薄い繊維壁を持つ低容積重材の使用
に限られており、嵩高効果、不透明度向上効果に限界が
あった。多様化するユーザーの要望に応えるには、より
ルンケル比が高く、厚い繊維壁を持つ高容積重材の使用
が不可欠であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】パルプ繊維の繊維長はパ
ルプ強度に与える影響が大きく、針葉樹と比較して繊維
長が短い広葉樹から強度の高い機械パルプを製造するに
は、繊維の損傷を抑制しながら薬液含浸とリファイニン
グを行う必要がある。本発明は従来の方法ではサーモメ
カニカルパルプ化が困難であったルンケル4.0比以上
の厚い細胞壁を持つ高容量重材から嵩高で強度、光学特
性に優れたケミ−サーモメカニカルパルプを製造するた
め、鋭意研究を重ねた結果、チップをその繊維方向に対
して垂直に圧縮した後、キレート剤を約0.1〜0.5
%含む2〜5%のアルカリ液に常温で30分間浸漬し、
一次リファイニング直前に過酸化水素を約2〜7%添加
してリファイニングを行う方法が有効であることを見出
した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する広葉樹チップの
形状は、木材の種類やチッピング装置などによって形状
や寸法のばらつきはあるが、一般的なチップサイズは、
繊維方向の長さが15〜50mm、繊維方向と直角方向
の幅もほぼ同じで15〜50mm、また、厚さは4〜7
mmの扁平な小片である(図3参照)。チップは、公知
のベルトコンベア、空気コンベア(吸引式あるいは圧送
式)、チェーンコンベア、等で移送されるが、本発明の
圧縮処理を行う際には、チップができるだけ重ならない
ように調整して圧縮装置内に供給することが肝要であ
る。具体的には、圧縮処理の能力に合わせたチップ量を
供給することが重要であるが、このほか設備的にも、移
送用コンベヤ上あるいは圧縮装置への供給用コンベア上
に、チップの重なりを防ぐためのゲートやスリットを設
けたり、スクリーン(マル孔式、スリット式、網目式、
等)を通過させたり、あるいはチップを分散させるため
にバイブレータ等による振動や圧縮空気を吹き付けるこ
となどが有効である。本発明では、上記のとおり、圧縮
処理を行う際には、チップができるだけ重ならないよう
に調整するが、広葉樹チップをその厚さ方向に圧縮する
操作は、前記チップが重なり合って水平面に対して最大
45°の角度にある場合に鉛直方向に沿って下方に圧縮
することをも想定している。本発明の好ましい形態で
は、薬液含浸前にチップを繊維方向に対して垂直又はほ
ぼ垂直に圧縮し、アルカリ薬液中でチップを膨潤させな
がら薬液を含浸させる。 また、薬液等の含浸の容易な
材種においては、チップの圧縮後にキレート材を含むア
ルカリ性溶液に浸漬することもできる。これらのいずれ
を採用するかについては、材種、あるいは木材に対する
薬液等の浸透性、更にはチップに対する薬液の添加量や
薬液濃度等を考慮した上、適宜選択できる。この圧縮及
び含浸は、アンドリッツ社(Andritz)のRTプレッサフ
ァイナーTM(RT PressafinerTM)を用いて行うのが便利で
ある。更にチップの含浸は、圧縮前にチップを水蒸気で
前処理することにより容易にすることが可能であり、所
望により圧縮工程を間に挟んだ2段又は3段含浸工程で
含浸させることができる。薬液含浸したチップは120
℃以下の温度で柔軟化を行うために十分時間保持され
る。これは、木材チップの温度、種類、大きさに応じて
約5分〜約180分で行うことができる。この時間にお
いて木材チップは軟化し、その後のリファイニング工程
で繊維の分離が容易になる。アルカリ薬液中に含まれる
キレート剤は、チップ中、又は工程から持ち込まれる金
属イオンと錯体を形成し、リファイニング前に添加され
るアルカリ過酸化水素のチップ漂白において、好ましく
ない過酸化水素の分解反応を抑制する。前記アルカリ薬
液含浸チップは、リファイニング直前にキレート剤を含
むアルカリ性過酸化水素が添加され、漂白が行われる。
このアルカリ性過酸化水素は例えばR.Lanoutteらが著し
た論文中にあるように(R.Lanoutte,et al.,Pulp and Pa
per Can.,101(5),T143(2000).)、リファイナーの中心部
に希釈水と共に添加するのが便利である。前記漂白チッ
プの1次リファイニングは加圧下で行われ、リファイニ
ング温度は120℃以上である。リファイニングは一般
の加圧型解繊装置で充分であり、好ましくはシングルデ
ィスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、
ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイ
ナー等で解繊される。また、リファイニング工程中の漂
白チップの濃度は約20〜60%で実施するのが好まし
い。解繊した漂白パルプは更に1つ以上の公知のリファ
イニング工程で精砕し、所望のパルプ濾水度まで低下さ
せる。この工程は常圧下で行い、リファイニング装置は
一般の常圧型解繊装置を用いるのが好ましく、濃度は約
4〜60%で実施することができる。より高い白色度が
望ましい場合、1つ以上の公知の漂白工程によりパルプ
を更に漂白することができる。上記製造工程を経て製造
されたルンケル4.0比以上で容積重450kg/m 3
以上の高容積重材から製造したサーモメカニカルパルプ
は嵩高であり、白色度も高くかつ強度も強いことから、
各種印刷用紙に配合することができる。その場合の印刷
用紙は公知の抄紙機にて抄造されるが、その抄造条件は
特に規定されるものではない。また、タルク、カオリ
ン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム等の填料
の他に、一般に使用されている各種のアニオン性、カチ
オン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、
濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内
添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染
料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロ
ール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加
しても何ら問題はない。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示すが、この実施例は本発明
の範囲を限定するものではない。
【0013】実施例1 本製造法の有効な条件を調査するため、まず実験室レベ
ルで評価を行った。表1中の実験番号1と2は薬液含浸
時のチップ破壊の影響について評価したものである。こ
の場合チップの篩い分けを行い、厚さ4−6mmのもの
を用いた。チップの圧縮は幅400mm、高さ100m
m、奥行400mmの容器にチップを充填し、平板型圧
縮機(タイへイ マシナリー ワークス)にて容器上方
より、室温、圧縮比2:1(体積比)でチップの圧縮を
行った。圧縮方向が垂直の場合は、繊維方向に対してほ
ぼ垂直になるようチップを充填し、ランダム方向の場合
は繊維方向に対して垂直なチップ、平行なチップ数がほ
ぼ半分ずつとなるように容器に充填した。次にチップを
圧縮した状態で容器に表1に示した条件となるようキレ
ート剤であるDTPAを含むアルカリ薬液を添加後、チ
ップにかかる圧力を除き、チップを膨張させながら薬液
に含浸させた。なお表中の薬品添加率は、チップ絶乾重
量基準である。50℃で30分間チップの予熱を行った
後に、DTPAを含むアルカリ性過酸化水素水溶液を添
加して濃度40%でラボ用加圧リファイナー(熊谷理器
工業BRP45−300SS)を用いて1次リファイニ
ングを行い、次いでパルプ濃度20%でラボ用常圧リフ
ァイナー(熊谷理器工業BR−300CB)を用い2次
リファイニングを行った。2次リファイニングによりパ
ルプ濾水度をカナダ標準フリーネスで100mLに調整
した。調製したパルプから手抄きシートを作成して評価
を行った。なお、性能評価は全てTappi標準規格試
験法に従って行った。
【0014】
【表1】
【0015】チップの圧縮方向に関しては、実験No.
1と2を比較すると、繊維方向に対して垂直に行った場
合は、ランダムに行った場合よりも繊維の破壊が少な
く、強度の高いパルプが得られた。アルカリ浸漬条件に
関しては実験No.6、7に示しているが、2%以下の
アルカリ液では解繊が十分でなかったため、結束繊維数
が多く、繊維長の短かいパルプが得られた。また、5%
以上のアルカリ液に浸漬した場合、解繊は十分である
が、嵩の低下、収率の低下及び排水COD負荷の増加を
招いた。1次リファイニング温度に関しては、No.3
〜5を比較すると、100℃の場合ではチップの柔軟化
が不十分であり、結束繊維数が多く、繊維のカッティン
グにより繊維長の短いパルプが得られた。アルカリ浸漬
時間も5分以下では柔軟効果が低く、180分以上では
収率、排水COD負荷の増加を招いた。アルカリ浸漬温
度は120℃以上ではアルカリによる着色、収率低下及
び排水COD負荷の増加を招いた。一方、アルカリ過酸
化水素の添加はアルカリによる着色防止と漂白の観点か
ら有効であるが、2%以下では消費され尽くし、効果が
低下した。また、予め浸漬するアルカリ液に添加する方
法はリファイニング直前に添加する方法に比べて到達白
色度が低かった。従って、チップをその繊維方向に対し
て垂直に圧縮した後、2〜5%のアルカリ液に50℃で
30分間浸漬し、一次リファイニング直前に過酸化水素
を2%以上、キレート剤を0.1〜0.5%共に添加し
リファイニングを行う方法が有効であった。
【0016】実施例2 5種類の木材チップを例1と同様に平板型圧縮機により
繊維方向に対してほぼ垂直に圧縮し、表2に示した条件
で薬液中に含浸した。薬液浸漬後、濃度40%でラボ用
加圧リファイナー(熊谷理器工業BRP45−300S
S)を用いて1次リファイニングを行い、次いでパルプ
濃度20%でラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業B
R−300CB)を用い2次リファイニングを行った。
2次リファイニングによりパルプ濾水度をカナダ標準フ
リーネスで100mLに調整して、得られたパルプの性
能評価を行った。
【0017】
【表2】
【0018】比較例 従来技術(ケミ−サーモメカニカルパルプ法、CTMP
法)との比較を行うため、表3に示した条件でパルプを
製造し、比較を行った。
【0019】
【表3】
【0020】図1はルンケル比がシート密度に与える影
響を示したものであり、表2、表3に示した結果を図示
したものである。図1から明らかなように、ルンケル比
が増加するにつれてシート密度は低下し、嵩高なシート
が形成される。
【0021】従来技術により製造された針葉樹のラジア
ータパインCTMPと比較して、嵩高な、即ち低密度な
シートが得られる原料は、ルンケル比が4.0以上の樹
種であることは図1から明らかである。
【0022】また、ルンケル比4.0以上のパルプが得
られるのは、図2から容積重が450kg/m3以上の
材から製造した場合であることが明らかとなった。
【0023】表2、表3より、容積重450kg/m3
以上の高容積重材を用いて、従来技術であるケミ−サー
モメカニカルパルプ法(CTMP法)でパルプを製造す
れば、低密度、即ち嵩高なパルプが得られるが、CTM
P法と本発明によって製造されたパルプのシート物性の
比較を行うと、密度はほぼ同等であるが裂断長、比引裂
き強さ、比破裂強さが高いシートが得られ、従来の方法
と比較して本発明は嵩高かつ高強度のパルプを得ること
が可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明によりケミ−サーモメカニカルパ
ルプ用原料として使用されてこなかったルンケル比4.
0以上、容積重450kg/m3以上の高容積重を有す
る広葉樹材の使用が可能になり、多様な品質の紙製品を
開発できると共に、化学パルプの代替として収率の高い
ケミ−サーモメカニカルパルプの使用を促進できる可能
性があることから、森林資源保護など環境問題にも大き
く奇与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ルンケル比がシート密度に与える影響を示し
たグラフである。
【図2】 ルンケル比と容積重との関係を示すグラフで
ある。
【図3】 本発明で使用するチップの形状を示す斜視図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 光広 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮西 孝則 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AA03 AB04 AB12 AB17 AC03 BA08 BA14 BA40 EA18 EA20 EA25 EA32 FA12 FA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広葉樹から嵩高かつ強度、光学特性に優
    れたケミ−サーモメカニカルパルプを低エネルギーで製
    造する方法であり、 a)広葉樹チップをその厚さ方向に圧縮する工程: b)前記チップを圧縮した状態でキレート剤を含むアル
    カリ性薬液に浸漬するか、又は前記チップを圧縮後にキ
    レート剤を含むアルカリ性薬液に浸漬する工程: c)アルカリ性過酸化水素をキレート剤と共に前記の浸
    漬したチップに添加し漂白する工程: d)得られた漂白チップを前記添加直後に120℃以上
    にてリファイニングを行う工程: e)得られた解繊パルプを常圧でリファイニングを行
    い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程:を含むこ
    とを特徴とする、前記パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記広葉樹チップがルンケル比4.0以
    上の細胞壁厚を有し、容積重450kg/m3以上の高
    容積重材である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記圧縮後に約0.1〜0.5%のキレ
    ート剤及び約2%〜10%の水酸化ナトリウムを含むア
    ルカリ性水溶液中で膨張させて、前記薬液に浸漬する工
    程を含む請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のアルカリ性薬液含浸チッ
    プをリファイニング装置に通す直前に、約0.1〜0.
    5%のキレート剤及び約2%〜5%のアルカリ性過酸化
    水素水溶液を添加する工程を含む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のアルカリ性水溶液がジエ
    チレントリアミンペンタ酢酸、2−ヒドロキシエチルエ
    チレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢
    酸、ジエテレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)
    酢酸、それらのアルカリ金属塩およびそれらの組み合わ
    せから成る群より選ばれる錯化剤を含有する請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1の(d)工程において、前記漂
    白チップを、加圧下、120℃以上にてリファイニング
    を行う工程を含む請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 リファイニング装置としてディスクリフ
    ァイナーを使用する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 広葉樹チップをその厚さ方向に圧縮する
    操作が、前記チップが重なり合った結果、水平面に対し
    て最大45°の角度にある場合に上方から圧縮する請求
    項1記載の方法。
JP2001098009A 2001-03-30 2001-03-30 嵩高パルプの製造法 Pending JP2002294574A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004204370A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Nippon Paper Industries Co Ltd 機械パルプの製造方法
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