JP2002283078A - レーザ溶接方法 - Google Patents
レーザ溶接方法Info
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- JP2002283078A JP2002283078A JP2001293324A JP2001293324A JP2002283078A JP 2002283078 A JP2002283078 A JP 2002283078A JP 2001293324 A JP2001293324 A JP 2001293324A JP 2001293324 A JP2001293324 A JP 2001293324A JP 2002283078 A JP2002283078 A JP 2002283078A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィラワイヤを安定して溶接部へ送給するこ
とができ、そのため溶接品質の安定化を図ることが可能
なレーザ溶接方法を提供する。 【解決手段】 レーザビーム2を溶接部5に照射しつつ
フィラワイヤ4を溶接部5に送給するレーザ溶接方法で
ある。フィラワイヤ4を、その送給方向と上記レーザビ
ーム2のビーム軸Lとの成す角度が60°以下となるよ
うに、溶接進行方向の前方または後方側から斜めに送給
する。フィラワイヤ4の送給方向とレーザビーム2のビ
ーム軸Lとの成す角度をθとし、溶接速度をVとしたと
きに、θ≦80V-0.6となるように、フィラワイヤ4を
送給する。
とができ、そのため溶接品質の安定化を図ることが可能
なレーザ溶接方法を提供する。 【解決手段】 レーザビーム2を溶接部5に照射しつつ
フィラワイヤ4を溶接部5に送給するレーザ溶接方法で
ある。フィラワイヤ4を、その送給方向と上記レーザビ
ーム2のビーム軸Lとの成す角度が60°以下となるよ
うに、溶接進行方向の前方または後方側から斜めに送給
する。フィラワイヤ4の送給方向とレーザビーム2のビ
ーム軸Lとの成す角度をθとし、溶接速度をVとしたと
きに、θ≦80V-0.6となるように、フィラワイヤ4を
送給する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザ溶接方法
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームを溶接部に照射して溶接す
る際、溶加材としてのフィラワイヤを使用する場合があ
る(例えば、特開平10−263862号公報)。すな
わち、レーザビームを溶接部に照射しつつフィラワイヤ
をこの溶接部に送給し、このフィラワイヤを溶融させる
ことにより、溶融金属の不足分を補うものである。
る際、溶加材としてのフィラワイヤを使用する場合があ
る(例えば、特開平10−263862号公報)。すな
わち、レーザビームを溶接部に照射しつつフィラワイヤ
をこの溶接部に送給し、このフィラワイヤを溶融させる
ことにより、溶融金属の不足分を補うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザ溶接
前に仮付けを行ったものや、段差等を有する形状のもの
等の構造物を溶接する場合がある(例えば、図2、図
3)。このような場合、フィラワイヤを溶接進行方向の
前方側から送給すると、仮付け部11や段差部12によ
ってフィラワイヤを溶接部に送給することができないお
それがある。すなわち、フィラワイヤが仮付け部11等
に干渉し、その動作が変化したり、スティッキングを起
こし、これにより、フィラワイヤが未溶着になったり、
フィラワイヤの先端部が凝固壁(溶融した溶接部が固化
した壁)に固着されたりする場合がある。また、フィラ
ワイヤをレーザビームより前方側から送給すると、溶接
線倣いを行わせるためのセンサの配置が困難となる場合
があった。
前に仮付けを行ったものや、段差等を有する形状のもの
等の構造物を溶接する場合がある(例えば、図2、図
3)。このような場合、フィラワイヤを溶接進行方向の
前方側から送給すると、仮付け部11や段差部12によ
ってフィラワイヤを溶接部に送給することができないお
それがある。すなわち、フィラワイヤが仮付け部11等
に干渉し、その動作が変化したり、スティッキングを起
こし、これにより、フィラワイヤが未溶着になったり、
フィラワイヤの先端部が凝固壁(溶融した溶接部が固化
した壁)に固着されたりする場合がある。また、フィラ
ワイヤをレーザビームより前方側から送給すると、溶接
線倣いを行わせるためのセンサの配置が困難となる場合
があった。
【0004】この発明は、上記従来の欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、フィラワイヤ
を安定して溶接部へ送給することができ、そのため溶接
品質の安定化を図ることが可能なレーザ溶接方法を提供
することにある。
めになされたものであって、その目的は、フィラワイヤ
を安定して溶接部へ送給することができ、そのため溶接
品質の安定化を図ることが可能なレーザ溶接方法を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段および効果】そこで請求項
1のレーザ溶接方法は、レーザビームを溶接部に照射し
つつフィラワイヤを溶接部に送給するレーザ溶接方法で
あって、上記フィラワイヤの送給方向と上記レーザビー
ムのビーム軸との成す角度をθとし、溶接速度をVとし
たときに、θ≦80V-0.6となるように、このフィラワ
イヤを送給することを特徴している。なお、角度θの単
位は(°)、溶接速度Vの単位は(m/min)であ
る。
1のレーザ溶接方法は、レーザビームを溶接部に照射し
つつフィラワイヤを溶接部に送給するレーザ溶接方法で
あって、上記フィラワイヤの送給方向と上記レーザビー
ムのビーム軸との成す角度をθとし、溶接速度をVとし
たときに、θ≦80V-0.6となるように、このフィラワ
イヤを送給することを特徴している。なお、角度θの単
位は(°)、溶接速度Vの単位は(m/min)であ
る。
【0006】請求項1のレーザ溶接方法では、溶接速度
V(m/min)が速くなると、その溶融余盛り部は高
く盛上った状態となるので、これとの干渉を避けるべ
く、溶接速度Vが速いほどフィラワイヤの送給角度θを
小(いわゆる立った状態)とする。これにより、高く盛
上った溶融部等に干渉されることなく溶接を行うことが
できる。逆に溶接速度Vが遅くなると、溶融部はあまり
盛上らないので、フィラワイヤ4の送給角度θを大(比
較的寝かせた状態)として、溶接を行う。
V(m/min)が速くなると、その溶融余盛り部は高
く盛上った状態となるので、これとの干渉を避けるべ
く、溶接速度Vが速いほどフィラワイヤの送給角度θを
小(いわゆる立った状態)とする。これにより、高く盛
上った溶融部等に干渉されることなく溶接を行うことが
できる。逆に溶接速度Vが遅くなると、溶融部はあまり
盛上らないので、フィラワイヤ4の送給角度θを大(比
較的寝かせた状態)として、溶接を行う。
【0007】請求項2のレーザ溶接方法は、レーザビー
ムを溶接部に照射しつつフィラワイヤを溶接部に送給す
るレーザ溶接方法であって、上記フィラワイヤを、その
送給方向と上記レーザビームのビーム軸との成す角度が
60°以下となるように、溶接進行方向の前方または後
方側から斜めに送給することを特徴としている。
ムを溶接部に照射しつつフィラワイヤを溶接部に送給す
るレーザ溶接方法であって、上記フィラワイヤを、その
送給方向と上記レーザビームのビーム軸との成す角度が
60°以下となるように、溶接進行方向の前方または後
方側から斜めに送給することを特徴としている。
【0008】請求項2のレーザ溶接方法では、仮付けさ
れている場合や、段差部を有する場合であっても、フィ
ラワイヤの送給方向と上記レーザビームのビーム軸との
成す角度が60°以下であるので、仮付け部や段差部に
干渉されにくく、フィラワイヤを溶接部へ安定して送給
することができ、溶接品質の安定化を図ることが可能で
あり、実用上はこの範囲を採用するのが好ましい。
れている場合や、段差部を有する場合であっても、フィ
ラワイヤの送給方向と上記レーザビームのビーム軸との
成す角度が60°以下であるので、仮付け部や段差部に
干渉されにくく、フィラワイヤを溶接部へ安定して送給
することができ、溶接品質の安定化を図ることが可能で
あり、実用上はこの範囲を採用するのが好ましい。
【0009】請求項3のレーザ溶接方法は、送給方向と
上記レーザビームのビーム軸との成す角度を45°以下
とすることを特徴している。
上記レーザビームのビーム軸との成す角度を45°以下
とすることを特徴している。
【0010】上記請求項3のレーザ溶接方法では、仮付
け部や段差部によるフィラワイヤへの干渉をより確実に
防止することができ、溶接品質の安定化を一層図ること
ができる。
け部や段差部によるフィラワイヤへの干渉をより確実に
防止することができ、溶接品質の安定化を一層図ること
ができる。
【0011】請求項4のレーザ溶接方法は、上記フィラ
ワイヤを上記レーザビームよりも溶接進行方向後方側か
ら送給することを特徴している。
ワイヤを上記レーザビームよりも溶接進行方向後方側か
ら送給することを特徴している。
【0012】上記請求項4のレーザ溶接方法では、溶接
進行方向前方にフィラワイヤが配置されず、このため、
溶接線倣い用のセンサを、溶接進行方向の前方側におい
て、レーザビームに近接して設けることができ、高精度
の溶接線倣いを行うことが可能となる。また、溶接進行
方向の後方側からフィラワイヤを供給することによっ
て、このフィラワイヤは、レーザ反射光、発生するプラ
ズマ、溶融池からの輻射熱にて予熱され、この結果、フ
ィラワイヤの溶融効率が上昇する。このようにレーザビ
ームのエネルギーが有効利用されることにより、溶込み
深さが増加する。
進行方向前方にフィラワイヤが配置されず、このため、
溶接線倣い用のセンサを、溶接進行方向の前方側におい
て、レーザビームに近接して設けることができ、高精度
の溶接線倣いを行うことが可能となる。また、溶接進行
方向の後方側からフィラワイヤを供給することによっ
て、このフィラワイヤは、レーザ反射光、発生するプラ
ズマ、溶融池からの輻射熱にて予熱され、この結果、フ
ィラワイヤの溶融効率が上昇する。このようにレーザビ
ームのエネルギーが有効利用されることにより、溶込み
深さが増加する。
【0013】請求項5のレーザ溶接方法は、上記レーザ
ビームを、溶接進行方向に対して略直交する方向にウィ
ビングさせることを特徴としている。
ビームを、溶接進行方向に対して略直交する方向にウィ
ビングさせることを特徴としている。
【0014】上記請求項5のレーザ溶接方法では、溶接
部が隙間部を有するような場合においても、その隙間部
を確実に接合することができる。しかも、レーザビーム
の照射位置の位置ずれを吸収することができ、溶接部の
融合(接合)の不良を抑制できる。
部が隙間部を有するような場合においても、その隙間部
を確実に接合することができる。しかも、レーザビーム
の照射位置の位置ずれを吸収することができ、溶接部の
融合(接合)の不良を抑制できる。
【0015】請求項6のレーザ溶接方法は、上記ビーム
軸とフィラワイヤの送給方向との成す角度をθとし、キ
ーホール直径をDとし、上記フィラワイヤの送り速度を
Vwとし、上記レーザビームのウィビング周波数をFと
したときに、Vw/F≦2D/sinθとすることを特
徴としている。なお、角度θの単位は(°)、キーホー
ル直径Dの単位は(mm)、フィラワイヤ4の送り速度
Vwの単位は(m/min)、ウィビング周波数Fの単
位は(Hz)である。
軸とフィラワイヤの送給方向との成す角度をθとし、キ
ーホール直径をDとし、上記フィラワイヤの送り速度を
Vwとし、上記レーザビームのウィビング周波数をFと
したときに、Vw/F≦2D/sinθとすることを特
徴としている。なお、角度θの単位は(°)、キーホー
ル直径Dの単位は(mm)、フィラワイヤ4の送り速度
Vwの単位は(m/min)、ウィビング周波数Fの単
位は(Hz)である。
【0016】上記請求項6のレーザ溶接方法では、送給
されるフィラワイヤの略全長にわたってレーザビームが
照射され、このためフィラワイヤの未溶融部位が凝固壁
に到達せず、スティッキングを避けることができ、溶接
品質の安定化を確実に図ることができる。
されるフィラワイヤの略全長にわたってレーザビームが
照射され、このためフィラワイヤの未溶融部位が凝固壁
に到達せず、スティッキングを避けることができ、溶接
品質の安定化を確実に図ることができる。
【0017】請求項7のレーザ溶接方法は、レーザビー
ムを溶接部に照射しつつフィラワイヤを溶接部に送給す
るレーザ溶接方法であって、上記フィラワイヤを、溶接
進行方向の後方側から斜めに送給することを特徴として
いる。
ムを溶接部に照射しつつフィラワイヤを溶接部に送給す
るレーザ溶接方法であって、上記フィラワイヤを、溶接
進行方向の後方側から斜めに送給することを特徴として
いる。
【0018】上記請求項7のレーザ溶接方法では、溶接
進行方向の後方側からフィラワイヤを供給することによ
って、このフィラワイヤは、レーザ反射光、発生するプ
ラズマ、溶融池からの輻射熱にて予熱され、この結果、
フィラワイヤの溶融効率が上昇する。このようにレーザ
ビームのエネルギーが有効利用されることにより、溶込
み深さが増加して、高品質の溶接を行うことができる。
進行方向の後方側からフィラワイヤを供給することによ
って、このフィラワイヤは、レーザ反射光、発生するプ
ラズマ、溶融池からの輻射熱にて予熱され、この結果、
フィラワイヤの溶融効率が上昇する。このようにレーザ
ビームのエネルギーが有効利用されることにより、溶込
み深さが増加して、高品質の溶接を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、この発明のレーザ溶接方法
の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細
に説明する。図1にこの発明のレーザ溶接方法に使用す
るレーザ溶接装置を示す。レーザ溶接装置1は、レーザ
ビーム2を照射するレーザヘッド(図示せず)と、フィ
ラワイヤ4を溶接部5に送給するためのフィラワイヤ送
給ノズル6と、シールドガスノズル7と、溶接線倣い用
センサ8等を備える。このレーザ溶接装置1によって、
レーザビーム2を溶接部5に照射つつフィラワイヤ4を
溶接部5に送給するものである。
の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細
に説明する。図1にこの発明のレーザ溶接方法に使用す
るレーザ溶接装置を示す。レーザ溶接装置1は、レーザ
ビーム2を照射するレーザヘッド(図示せず)と、フィ
ラワイヤ4を溶接部5に送給するためのフィラワイヤ送
給ノズル6と、シールドガスノズル7と、溶接線倣い用
センサ8等を備える。このレーザ溶接装置1によって、
レーザビーム2を溶接部5に照射つつフィラワイヤ4を
溶接部5に送給するものである。
【0020】この場合、上記フィラワイヤ4を、図2に
示すように、その送給方向と上記レーザビーム2のビー
ム軸Lとの成す角度θが60°以下となるように、溶接
進行方向の前方または後方側から斜めに送給する。すな
わち、図2の仮想線のように、上記フィラワイヤ送給ノ
ズル6がレーザビーム2に対して溶接進行方向の前方側
に配置され、フィラワイヤ4が前方側から送給されてい
ても、また図2の実線のように、フィラワイヤ送給ノズ
ル6がレーザビーム2に対して溶接進行方向の後方側に
配置され、フィラワイヤ4が後方側から送給されていて
もよい。言い換えれば、溶接進行方向とビーム軸Lとを
含む平面内において、フィラワイヤ4を溶接部5に送給
するものであり、各場合において、上記角度θが60°
以下であればよい。なお、図2の矢印は、溶接部5に対
する溶接進行方向を示している。
示すように、その送給方向と上記レーザビーム2のビー
ム軸Lとの成す角度θが60°以下となるように、溶接
進行方向の前方または後方側から斜めに送給する。すな
わち、図2の仮想線のように、上記フィラワイヤ送給ノ
ズル6がレーザビーム2に対して溶接進行方向の前方側
に配置され、フィラワイヤ4が前方側から送給されてい
ても、また図2の実線のように、フィラワイヤ送給ノズ
ル6がレーザビーム2に対して溶接進行方向の後方側に
配置され、フィラワイヤ4が後方側から送給されていて
もよい。言い換えれば、溶接進行方向とビーム軸Lとを
含む平面内において、フィラワイヤ4を溶接部5に送給
するものであり、各場合において、上記角度θが60°
以下であればよい。なお、図2の矢印は、溶接部5に対
する溶接進行方向を示している。
【0021】ところで、溶接する際には、図2に示すよ
うに、溶接部5に仮付け部11が形成されている場合
や、図3に示すように段差部12が形成されている場合
がある。このような場合に、仮想線のように前方側から
フィラワイヤ4を送給して、しかも上記角度θが60°
より大きければ、フィラワイヤ4が仮付け部11や段差
部12に干渉を受けるおそれがあり、干渉を受ければ、
溶接不良が生じる場合があった。これに対して、上記角
度θが60°以下であれば、仮付け部11が形成されて
いたとしても、仮付け部11は一般にその立上り角度α
が例えば、30°程度であり、レーザ軸Lを基準とすれ
ば、60°程度の角度であるので、フィラワイヤ4が仮
付け部11に干渉することなく安定した状態にて溶接部
5に送給され、良好な溶接を行うことができる。また、
図3に示すように、段差部12が形成されている場合で
あっても、加工点Oから段差部12までの寸法Xは、段
差部12の高さ寸法をhとした際に、h×tanθとな
り、この角度θが小さいほど寸法Xを小さくでき、角度
θが60°以下であれば、段差部12に干渉されること
なく、安定して溶接することができる。
うに、溶接部5に仮付け部11が形成されている場合
や、図3に示すように段差部12が形成されている場合
がある。このような場合に、仮想線のように前方側から
フィラワイヤ4を送給して、しかも上記角度θが60°
より大きければ、フィラワイヤ4が仮付け部11や段差
部12に干渉を受けるおそれがあり、干渉を受ければ、
溶接不良が生じる場合があった。これに対して、上記角
度θが60°以下であれば、仮付け部11が形成されて
いたとしても、仮付け部11は一般にその立上り角度α
が例えば、30°程度であり、レーザ軸Lを基準とすれ
ば、60°程度の角度であるので、フィラワイヤ4が仮
付け部11に干渉することなく安定した状態にて溶接部
5に送給され、良好な溶接を行うことができる。また、
図3に示すように、段差部12が形成されている場合で
あっても、加工点Oから段差部12までの寸法Xは、段
差部12の高さ寸法をhとした際に、h×tanθとな
り、この角度θが小さいほど寸法Xを小さくでき、角度
θが60°以下であれば、段差部12に干渉されること
なく、安定して溶接することができる。
【0022】実用上は、上記角度θとして60°以下で
あればよいが、特に45°以下とするのが好ましい。4
5°以下とすることによって、図2に示す仮付け部11
や図3に示す段差部12を有する場合等に、これらに干
渉されるのを確実に回避することができ、より安定した
溶接を行うことができるからである。
あればよいが、特に45°以下とするのが好ましい。4
5°以下とすることによって、図2に示す仮付け部11
や図3に示す段差部12を有する場合等に、これらに干
渉されるのを確実に回避することができ、より安定した
溶接を行うことができるからである。
【0023】さらに、フィラワイヤ4をレーザビーム2
より溶接進行方向後方側から送給するようにすれば、仮
付け部11及び段差部12に影響を受けることなく、よ
り安定して溶接部5にフィラワイヤ4を送給することが
でき、高品質の溶接を行うことができる。しかも、フィ
ラワイヤ4をレーザビーム2より溶接進行方向後方側か
ら送給することによって、センサ8を、溶接進行方向の
前方側において、レーザビーム2に近接して設けること
が可能となって、溶接線倣いの精度が向上する利点があ
る。特に、溶接進行方向の後方側からフィラワイヤ4を
供給することによって、このフィラワイヤ4は、レーザ
反射光、発生するプラズマ、溶融池からの輻射熱にて予
熱され、この結果、フィラワイヤ4の溶融効率が上昇す
る。このようにレーザビームのエネルギーが有効利用さ
れることにより、溶込み深さが増加する。これにより、
高品質の溶接を行うことができる。このため、フィラワ
イヤ4をレーザビーム2より溶接進行方向後方側から送
給する場合、上記角度として、60°以下や45°以下
にこだわるものではない。
より溶接進行方向後方側から送給するようにすれば、仮
付け部11及び段差部12に影響を受けることなく、よ
り安定して溶接部5にフィラワイヤ4を送給することが
でき、高品質の溶接を行うことができる。しかも、フィ
ラワイヤ4をレーザビーム2より溶接進行方向後方側か
ら送給することによって、センサ8を、溶接進行方向の
前方側において、レーザビーム2に近接して設けること
が可能となって、溶接線倣いの精度が向上する利点があ
る。特に、溶接進行方向の後方側からフィラワイヤ4を
供給することによって、このフィラワイヤ4は、レーザ
反射光、発生するプラズマ、溶融池からの輻射熱にて予
熱され、この結果、フィラワイヤ4の溶融効率が上昇す
る。このようにレーザビームのエネルギーが有効利用さ
れることにより、溶込み深さが増加する。これにより、
高品質の溶接を行うことができる。このため、フィラワ
イヤ4をレーザビーム2より溶接進行方向後方側から送
給する場合、上記角度として、60°以下や45°以下
にこだわるものではない。
【0024】ところで、溶接速度が速くなると、図7に
示すように、溶融部13はその盛上り部が高くなると共
に、温度が低くなる。そのため、この高く盛上った溶融
部13にフィラワイヤ4が接触するおそれがあり、この
盛上り部位にフィラワイヤ4が接触すれば、溶融金属の
温度がさらに低下し、凝固が促進され、フィラワイヤ4
が凝固壁(溶融した溶接部5が固化した壁)に固着し易く
なる。そこで、この発明においては、フィラワイヤ4
を、その送給方向と上記レーザビーム2のビーム軸Lと
の成す角度をθとし、溶接速度をVとしたときに、θ≦
80V-0.6となるように、溶接進行方向の前方または後
方側から斜めに送給するものである。
示すように、溶融部13はその盛上り部が高くなると共
に、温度が低くなる。そのため、この高く盛上った溶融
部13にフィラワイヤ4が接触するおそれがあり、この
盛上り部位にフィラワイヤ4が接触すれば、溶融金属の
温度がさらに低下し、凝固が促進され、フィラワイヤ4
が凝固壁(溶融した溶接部5が固化した壁)に固着し易く
なる。そこで、この発明においては、フィラワイヤ4
を、その送給方向と上記レーザビーム2のビーム軸Lと
の成す角度をθとし、溶接速度をVとしたときに、θ≦
80V-0.6となるように、溶接進行方向の前方または後
方側から斜めに送給するものである。
【0025】すなわち、溶接速度V(m/min)が速
くなると、その溶融余盛り部は高く盛上った状態となる
ので、これとの干渉を避けるべく、溶接速度Vが速いほ
どフィラワイヤ4の送給角度θを小(いわゆる立った状
態)とする。これにより、高く盛上った溶融部等に干渉
されることなく溶接を行うことができる。逆に溶接速度
Vが遅くなると、溶融部はあまり盛上らないので、フィ
ラワイヤ4の送給角度θを大(比較的寝かせた状態)と
して、溶接を行う。
くなると、その溶融余盛り部は高く盛上った状態となる
ので、これとの干渉を避けるべく、溶接速度Vが速いほ
どフィラワイヤ4の送給角度θを小(いわゆる立った状
態)とする。これにより、高く盛上った溶融部等に干渉
されることなく溶接を行うことができる。逆に溶接速度
Vが遅くなると、溶融部はあまり盛上らないので、フィ
ラワイヤ4の送給角度θを大(比較的寝かせた状態)と
して、溶接を行う。
【0026】また、溶接部(被溶接材突合せ部等)5に
隙間を有する場合があり、このような場合には、上記レ
ーザビーム2を、溶接進行方向に対して略直交する方向
にウィビングさせる。すなわち、フィラワイヤ4の送給
方向(溶接進行方向)に対してレーザビーム2のビーム軸
Lの軌跡Kが図5に示すようになる。ところで、ウィビ
ングさせる方法としては、例えば、図4に示すレーザス
キャン装置14、15を使用すればよい。
隙間を有する場合があり、このような場合には、上記レ
ーザビーム2を、溶接進行方向に対して略直交する方向
にウィビングさせる。すなわち、フィラワイヤ4の送給
方向(溶接進行方向)に対してレーザビーム2のビーム軸
Lの軌跡Kが図5に示すようになる。ところで、ウィビ
ングさせる方法としては、例えば、図4に示すレーザス
キャン装置14、15を使用すればよい。
【0027】レーザスキャン装置14、15は、回転自
在に配置されると共にレーザビーム2を反射させるミラ
ーを備え、このミラーを所定の角度範囲内で揺動させて
レーザビーム2をスキャンさせる装置である。この場
合、レーザスキャン装置14のミラーは図4の紙面に平
行な回転軸廻りに回転可能であり、レーザスキャン装置
15のミラーは図4の紙面に垂直な回転軸廻りに回転可
能である。したがって、レーザスキャン装置14のミラ
ーの角度を変更すれば溶接進行方向に対して垂直方向
(直交する方向)に照射位置が移動し、またレーザスキ
ャン装置15のミラーの角度を変更すれば溶接進行方向
に対して平行方向に照射位置が移動する。
在に配置されると共にレーザビーム2を反射させるミラ
ーを備え、このミラーを所定の角度範囲内で揺動させて
レーザビーム2をスキャンさせる装置である。この場
合、レーザスキャン装置14のミラーは図4の紙面に平
行な回転軸廻りに回転可能であり、レーザスキャン装置
15のミラーは図4の紙面に垂直な回転軸廻りに回転可
能である。したがって、レーザスキャン装置14のミラ
ーの角度を変更すれば溶接進行方向に対して垂直方向
(直交する方向)に照射位置が移動し、またレーザスキ
ャン装置15のミラーの角度を変更すれば溶接進行方向
に対して平行方向に照射位置が移動する。
【0028】このように上記レーザスキャン装置14、
15を使用すれば、ミラーを揺動させることによってレ
ーザビーム2を溶接位置においてウィビング(スキャ
ン)させることができる。なお、レーザスキャン装置1
4、15は、検出装置16と補正装置17等を備えた制
御装置18によって制御される。
15を使用すれば、ミラーを揺動させることによってレ
ーザビーム2を溶接位置においてウィビング(スキャ
ン)させることができる。なお、レーザスキャン装置1
4、15は、検出装置16と補正装置17等を備えた制
御装置18によって制御される。
【0029】そして、フィラワイヤ4の送給方向とレー
ザビーム2のビーム軸Lとの成す角度をθ(°)とし、
キーホール直径をD(mm)とし、上記フィラワイヤ4
の送り速度をVw(mm/秒)とし、上記レーザビーム
2のウィビング周波数をF(回/秒)としたときに、V
w/F≦2D/sinθとする。ところで、フィラワイ
ヤ(添加材)4を溶融させるエネルギーとしては、レー
ザビーム2のエネルギー、溶融金属、レーザ誘起プラズ
マ等であるが、主はレーザビーム2のエネルギーであ
り、その他は補助的である。従って、ウィビング時にお
いてフィラワイヤ4が溶融するのは、レーザビーム2が
フィラワイヤ4を横切ったときであり、ウィビング振幅
がフィラワイヤ4の径より大きい場合はレーザビーム2
が当たっていないときが生じ、その間未溶融のままフィ
ラワイヤ4は送給されることになる。一方、キーホール
や溶融金属の周りには、凝固壁(固体)が形成され、フィ
ラワイヤ4はここでスティッキングを起こす。
ザビーム2のビーム軸Lとの成す角度をθ(°)とし、
キーホール直径をD(mm)とし、上記フィラワイヤ4
の送り速度をVw(mm/秒)とし、上記レーザビーム
2のウィビング周波数をF(回/秒)としたときに、V
w/F≦2D/sinθとする。ところで、フィラワイ
ヤ(添加材)4を溶融させるエネルギーとしては、レー
ザビーム2のエネルギー、溶融金属、レーザ誘起プラズ
マ等であるが、主はレーザビーム2のエネルギーであ
り、その他は補助的である。従って、ウィビング時にお
いてフィラワイヤ4が溶融するのは、レーザビーム2が
フィラワイヤ4を横切ったときであり、ウィビング振幅
がフィラワイヤ4の径より大きい場合はレーザビーム2
が当たっていないときが生じ、その間未溶融のままフィ
ラワイヤ4は送給されることになる。一方、キーホール
や溶融金属の周りには、凝固壁(固体)が形成され、フィ
ラワイヤ4はここでスティッキングを起こす。
【0030】そのため、上記のように限定することによ
って、レーザビーム2が上記軌跡の1周期に少なくとも
2回以上フィラワイヤ4を照射するように設定し、フィ
ラワイヤ4の未溶融部位が凝固壁に達成させないように
するものである。この場合、レーザビーム2による溶融
可能領域は、キーホール直径Dとほぼ等しいので、上記
したレーザビーム2が当たっている領域をキーホール直
径Dに置き換えて考えることができる。すなわち、図6
に示すように、フィラワイヤ4を送ることができる寸法
Hは、未溶融部位が凝固壁に達成しない寸法であるの
で、ビーム2が照射される点Aから凝固壁の点Bまでの
長さである。この長さ(寸法)HがD/sinθとなる
ので、この寸法Hに基づいて上記Vw/F≦2D/si
nθと設定した。
って、レーザビーム2が上記軌跡の1周期に少なくとも
2回以上フィラワイヤ4を照射するように設定し、フィ
ラワイヤ4の未溶融部位が凝固壁に達成させないように
するものである。この場合、レーザビーム2による溶融
可能領域は、キーホール直径Dとほぼ等しいので、上記
したレーザビーム2が当たっている領域をキーホール直
径Dに置き換えて考えることができる。すなわち、図6
に示すように、フィラワイヤ4を送ることができる寸法
Hは、未溶融部位が凝固壁に達成しない寸法であるの
で、ビーム2が照射される点Aから凝固壁の点Bまでの
長さである。この長さ(寸法)HがD/sinθとなる
ので、この寸法Hに基づいて上記Vw/F≦2D/si
nθと設定した。
【0031】以上にこの発明のレーザ溶接方法の具体的
な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施
の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で
種々変更して実施することが可能である。例えば、角度
θとして、60°以下となる範囲で任意に設定でき、ま
た、レーザビーム2は、図示省略のレーザ発振器から出
力されたレーザ光が放物面鏡等にて集光されてなるもの
であるので、ウィビングさせる場合、図4に示すスキャ
ン装置14、15のどちらかに代わり、放物面鏡自体を
揺動(回動)させるものであってもよい。さらに、ウィ
ビングすることなく溶接進行方向に沿ってレーザビーム
2を照射するものであってもよい。
な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施
の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で
種々変更して実施することが可能である。例えば、角度
θとして、60°以下となる範囲で任意に設定でき、ま
た、レーザビーム2は、図示省略のレーザ発振器から出
力されたレーザ光が放物面鏡等にて集光されてなるもの
であるので、ウィビングさせる場合、図4に示すスキャ
ン装置14、15のどちらかに代わり、放物面鏡自体を
揺動(回動)させるものであってもよい。さらに、ウィ
ビングすることなく溶接進行方向に沿ってレーザビーム
2を照射するものであってもよい。
【0032】
【実施例】実施例1として、図8に示すように、板厚T
12mmのSS400鋼を長さ(L1)300mm、幅
(W1)75mmに切り出し、サンドブラストにて酸化
膜を除去して被溶接材(供試材)Sを形成し、この被溶
接材Sに溶接(ビードオンプレート溶接)を行って、そ
の様子をカメラ20にて撮影した。この際、フィラワイ
ヤ4の直径を1.2(mm)、レーザ出力を15(K
W)、溶接速度を1.2(m/min)、シールドガス
(He)を50(リットル/min)として行った。ま
た、フィラワイヤ4の化学組成としては、C(0.07
%)、Si(0.7%)、Mn(1.41%)である。
なお、上記カメラ20はいわゆる高速度カメラであり、
フィラワイヤ4の溶融挙動を鮮明にするため、高輝度の
レーザ誘起プラズマの影響を排除する目的でバンドパス
フィルタを使用した。また、図8において、矢印は溶接
進行方向を示している。
12mmのSS400鋼を長さ(L1)300mm、幅
(W1)75mmに切り出し、サンドブラストにて酸化
膜を除去して被溶接材(供試材)Sを形成し、この被溶
接材Sに溶接(ビードオンプレート溶接)を行って、そ
の様子をカメラ20にて撮影した。この際、フィラワイ
ヤ4の直径を1.2(mm)、レーザ出力を15(K
W)、溶接速度を1.2(m/min)、シールドガス
(He)を50(リットル/min)として行った。ま
た、フィラワイヤ4の化学組成としては、C(0.07
%)、Si(0.7%)、Mn(1.41%)である。
なお、上記カメラ20はいわゆる高速度カメラであり、
フィラワイヤ4の溶融挙動を鮮明にするため、高輝度の
レーザ誘起プラズマの影響を排除する目的でバンドパス
フィルタを使用した。また、図8において、矢印は溶接
進行方向を示している。
【0033】そして、ワイヤ送給方向としては、角度θ
が+40°と−40°とし、ワイヤ送給速度を1.4〜
5.6(m/min)として溶接を行った。その結果を
図9に示した。この図9から分かるように、ワイヤ送給
速度が2.8(m/min)までは溶込形状に大きな差
異はないが、5.6(m/min)では前方側から供給
した場合(θ=−40°)に、部分的に貫通するのみで
大半が非貫通となり、ワイヤ送給方向による差が現れ
た。そこで、この原因を明らかにするために、レーザ光
とワイヤ先端の距離Dw(図10参照)を、送給方向の
違いで比較した。その結果を図11に示した。これか
ら、フィラワイヤ4を溶接進行方向の前方側から送給し
た場合、すなわち、θ=−40°の方が、レーザ光中心
とワイヤ先端の距離Dwが近いことがわかった。これ
は、フィラワイヤ4を溶接進行方向の前方側から送給し
た場合、ワイヤ先端が、母材へと照射されるレーザ光を
遮るため、母材に直接投入されるレーザエネルギーが減
少することを示しており、これが溶込深さを浅くする原
因の一つであると考えられる。また、このθ=−40°
の場合、溶融したフィラメタルはキーホールの前方に滴
下するため、キーホール内において、このフィラメタル
に対して再度、ビームが照射されることになる。その際
フィラメタルは余剰な金属となって、板厚が増したよう
になって、溶込み深さが浅くなる場合が多くなるためで
ある。
が+40°と−40°とし、ワイヤ送給速度を1.4〜
5.6(m/min)として溶接を行った。その結果を
図9に示した。この図9から分かるように、ワイヤ送給
速度が2.8(m/min)までは溶込形状に大きな差
異はないが、5.6(m/min)では前方側から供給
した場合(θ=−40°)に、部分的に貫通するのみで
大半が非貫通となり、ワイヤ送給方向による差が現れ
た。そこで、この原因を明らかにするために、レーザ光
とワイヤ先端の距離Dw(図10参照)を、送給方向の
違いで比較した。その結果を図11に示した。これか
ら、フィラワイヤ4を溶接進行方向の前方側から送給し
た場合、すなわち、θ=−40°の方が、レーザ光中心
とワイヤ先端の距離Dwが近いことがわかった。これ
は、フィラワイヤ4を溶接進行方向の前方側から送給し
た場合、ワイヤ先端が、母材へと照射されるレーザ光を
遮るため、母材に直接投入されるレーザエネルギーが減
少することを示しており、これが溶込深さを浅くする原
因の一つであると考えられる。また、このθ=−40°
の場合、溶融したフィラメタルはキーホールの前方に滴
下するため、キーホール内において、このフィラメタル
に対して再度、ビームが照射されることになる。その際
フィラメタルは余剰な金属となって、板厚が増したよう
になって、溶込み深さが浅くなる場合が多くなるためで
ある。
【0034】また、図12(a)(b)に示すように、
ワイヤ送給速度が1.4m/minの場合、θ=+40
°では、温度が高い部分はレーザ光が当たる前方の他、
下方にも存在し、θ=−40°の場合に比べて明部が広
範囲に広がることが分かる。これは、フィラワイヤ4を
後方側から供給した方が反射光、プラズマ、溶融池の輻
射熱等のエネルギーを一段と多く享受しているというこ
とであり、溶融しやすいことを示している。このこと
は、送給速度が速い場合にも成立し、前方からの供給の
場合、ワイヤが溶融しにくい。なお、この図12におい
て、温度が高い部位を網掛けにて示した。
ワイヤ送給速度が1.4m/minの場合、θ=+40
°では、温度が高い部分はレーザ光が当たる前方の他、
下方にも存在し、θ=−40°の場合に比べて明部が広
範囲に広がることが分かる。これは、フィラワイヤ4を
後方側から供給した方が反射光、プラズマ、溶融池の輻
射熱等のエネルギーを一段と多く享受しているというこ
とであり、溶融しやすいことを示している。このこと
は、送給速度が速い場合にも成立し、前方からの供給の
場合、ワイヤが溶融しにくい。なお、この図12におい
て、温度が高い部位を網掛けにて示した。
【0035】実施例2として、溶接部5を構成する被溶
接材として軟鋼(SS400)を使用すると共に、溶接
速度を1.6〜2.8(m/min)、ワイヤ送給速度
を5.6(m/min)として溶接を行った。そして、
その実験結果を図13に示した。この図13のグラフ図
において、○はOK(精度よく溶接を行えたこと)を示
し、×はNG(フィラワイヤ4が固着する等の欠陥が生
じた)ことを示している。このグラフからθ>80V
-0.6の範囲では、溶接欠陥が多く、角度60°を超えた
場合、溶接可能範囲が狭いことがわかる。なお、この実
施例2の他の条件としては、上記実施例1と同様とし
た。
接材として軟鋼(SS400)を使用すると共に、溶接
速度を1.6〜2.8(m/min)、ワイヤ送給速度
を5.6(m/min)として溶接を行った。そして、
その実験結果を図13に示した。この図13のグラフ図
において、○はOK(精度よく溶接を行えたこと)を示
し、×はNG(フィラワイヤ4が固着する等の欠陥が生
じた)ことを示している。このグラフからθ>80V
-0.6の範囲では、溶接欠陥が多く、角度60°を超えた
場合、溶接可能範囲が狭いことがわかる。なお、この実
施例2の他の条件としては、上記実施例1と同様とし
た。
【0036】次に実施例3として、溶接速度を1.2m
/minとして、ワイヤ送給速度と角度θを変化させて
溶接を行った。この場合、ワイヤ送給速度を1.4〜
5.6m/minとし、角度を±25〜55°とし、他
の条件としては、上記実施例1と同様とした。その結果
を図14に示した。この図14から分かるように、ワイ
ヤ送給速度が5.6m/minの場合、前方からの送給
(θが−)では貫通しなかった。
/minとして、ワイヤ送給速度と角度θを変化させて
溶接を行った。この場合、ワイヤ送給速度を1.4〜
5.6m/minとし、角度を±25〜55°とし、他
の条件としては、上記実施例1と同様とした。その結果
を図14に示した。この図14から分かるように、ワイ
ヤ送給速度が5.6m/minの場合、前方からの送給
(θが−)では貫通しなかった。
【0037】また、実施例4として、上記角度θを45
°とし、ウィビング周波数とワイヤ送給速度との関係を
調べ、その結果を図15に示した。この図15におい
て、横軸をウィビング周波数F(Hz)とし、縦軸をワ
イヤ送給速度Vw(mm/sec)とした。この場合、
ビーム直径を0.7(mm)〜1.0(mm)位に設定
することにより、キーホール直径Dを1.5(mm)程
度に設定し、さらに溶接速度としては、1(m/mi
n)に設定した。ここで、ビーム直径とは、1/e 2の
エネルギーが含まれる径をいう。この図15のグラフか
ら、Vw/F=3.0(mm/回)以下の範囲10が溶
接可能範囲となることがわかる。なお、上記条件におい
ては、ウィビングさせる際のウィビング周波数として
は、25Hz以上に設定するのが好ましい。25Hz未
満では、フィラワイヤ4の未溶融部位が凝固壁に到達す
るおそれが高く、スティッキングを防止することが困難
となるからである。
°とし、ウィビング周波数とワイヤ送給速度との関係を
調べ、その結果を図15に示した。この図15におい
て、横軸をウィビング周波数F(Hz)とし、縦軸をワ
イヤ送給速度Vw(mm/sec)とした。この場合、
ビーム直径を0.7(mm)〜1.0(mm)位に設定
することにより、キーホール直径Dを1.5(mm)程
度に設定し、さらに溶接速度としては、1(m/mi
n)に設定した。ここで、ビーム直径とは、1/e 2の
エネルギーが含まれる径をいう。この図15のグラフか
ら、Vw/F=3.0(mm/回)以下の範囲10が溶
接可能範囲となることがわかる。なお、上記条件におい
ては、ウィビングさせる際のウィビング周波数として
は、25Hz以上に設定するのが好ましい。25Hz未
満では、フィラワイヤ4の未溶融部位が凝固壁に到達す
るおそれが高く、スティッキングを防止することが困難
となるからである。
【図1】この発明のレーザ溶接方法の実施形態を示す簡
略図である。
略図である。
【図2】上記レーザ溶接方法よる溶接状態を示す簡略図
である。
である。
【図3】上記レーザ溶接方法よる溶接状態を示す簡略図
である。
である。
【図4】上記レーザ溶接方法に使用するスキャン装置の
簡略図である。
簡略図である。
【図5】上記レーザ溶接方法によるウィビングの軌跡を
示す平面図である。
示す平面図である。
【図6】上記レーザ溶接方法のレーザビームのビーム軸
の送給量を示す説明図である。
の送給量を示す説明図である。
【図7】フィラワイヤの送給方向とレーザビームのビー
ム軸との成す角度を設定しない場合の欠点説明図であ
る。
ム軸との成す角度を設定しない場合の欠点説明図であ
る。
【図8】実施例1の溶接方法を示す簡略斜視図である。
【図9】実施例1にて形成された溶接部の断面図であ
る。
る。
【図10】レーザ光とワイヤ先端との間の距離の定義説
明図である。
明図である。
【図11】送給方向を相違させた場合のレーザ光とワイ
ヤ先端との間の距離を示すグラフ図である。
ヤ先端との間の距離を示すグラフ図である。
【図12】実施例1の溶接状態を示し、(a)はθ=−
40°である場合の簡略図であり、(b)はθ=+40
°である場合の簡略図である。
40°である場合の簡略図であり、(b)はθ=+40
°である場合の簡略図である。
【図13】実施例2のレーザ溶接方法の溶接速度とワイ
ヤ挿入角度との関係を示すグラフ図である。
ヤ挿入角度との関係を示すグラフ図である。
【図14】実施例3のワイヤ送給速度と角度との関係を
示すグラフ図である。
示すグラフ図である。
【図15】実施例4のレーザ溶接方法のウィビング周波
数とワイヤ送給速度との関係を示すグラフ図である。
数とワイヤ送給速度との関係を示すグラフ図である。
2 レーザビーム 4 フィラワイヤ 5 溶接部 L ビーム軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮫島 泰郎 大阪府枚方市上野3丁目1番1号 株式会 社小松製作所生産技術開発センタ内 (72)発明者 正村 彰敏 大阪府枚方市上野3丁目1番1号 株式会 社小松製作所生産技術開発センタ内 Fターム(参考) 4E068 BA06 CE03
Claims (7)
- 【請求項1】 レーザビームを溶接部に照射しつつフィ
ラワイヤをこの溶接部に送給するレーザ溶接方法であっ
て、上記フィラワイヤの送給方向と上記レーザビームの
ビーム軸との成す角度を(θ)とし、溶接速度を(V)
としたときに、θ≦80V-0.6となるように、このフィ
ラワイヤを送給することを特徴とするレーザ溶接方法。 - 【請求項2】 レーザビームを溶接部に照射しつつフィ
ラワイヤをこの溶接部に送給するレーザ溶接方法であっ
て、上記フィラワイヤを、その送給方向と上記レーザビ
ームのビーム軸との成す角度が60°以下となるよう
に、溶接進行方向の前方または後方側から斜めに送給す
ることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 【請求項3】 上記送給方向とレーザビームのビーム軸
との成す角度を45°以下とすることを特徴とする請求
項2のレーザ溶接方法。 - 【請求項4】 上記フィラワイヤを上記レーザビームよ
りも溶接進行方向後方側から送給することを特徴とする
請求項1〜請求項3のいずれかのレーザ溶接方法。 - 【請求項5】 上記レーザビームを、溶接進行方向に対
して略直交する方向にウィビングさせることを特徴とす
る請求項1〜請求項4のいずれかのレーザ溶接方法。 - 【請求項6】 上記ビーム軸とフィラワイヤの送給方向
との成す角度を(θ)とし、キーホール直径を(D)と
し、上記フィラワイヤの送り速度を(Vw)とし、上記
レーザビームのウィビング周波数を(F)としたとき
に、Vw/F≦2D/sinθとすることを特徴とする
請求項5のレーザ溶接方法。 - 【請求項7】 レーザビームを溶接部に照射しつつフィ
ラワイヤを溶接部に送給するレーザ溶接方法であって、
上記フィラワイヤを、溶接進行方向の後方側から斜めに
送給することを特徴とするレーザ溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001293324A JP2002283078A (ja) | 2001-01-22 | 2001-09-26 | レーザ溶接方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001013270 | 2001-01-22 | ||
| JP2001-13270 | 2001-01-22 | ||
| JP2001293324A JP2002283078A (ja) | 2001-01-22 | 2001-09-26 | レーザ溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002283078A true JP2002283078A (ja) | 2002-10-02 |
Family
ID=26608070
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001293324A Pending JP2002283078A (ja) | 2001-01-22 | 2001-09-26 | レーザ溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002283078A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015178130A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-08 | 日立造船株式会社 | 溶接装置および溶接方法 |
| JP2015182126A (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-22 | 新日鐵住金株式会社 | 厚鋼板のホットワイヤ・レーザ複合溶接方法 |
| JP6469328B1 (ja) * | 2018-04-12 | 2019-02-13 | 三菱電機株式会社 | 付加製造装置、付加製造システムおよび付加製造方法 |
| WO2019039528A1 (ja) * | 2017-08-24 | 2019-02-28 | 株式会社Ihi検査計測 | 仮付け溶接方法及び仮付け溶接装置 |
| WO2025164639A1 (ja) * | 2024-01-30 | 2025-08-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザ溶接装置 |
-
2001
- 2001-09-26 JP JP2001293324A patent/JP2002283078A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP6469328B1 (ja) * | 2018-04-12 | 2019-02-13 | 三菱電機株式会社 | 付加製造装置、付加製造システムおよび付加製造方法 |
| WO2019198212A1 (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-17 | 三菱電機株式会社 | 付加製造装置、付加製造システムおよび付加製造方法 |
| US11090764B2 (en) | 2018-04-12 | 2021-08-17 | Mitsubishi Electric Corporation | Additive manufacturing apparatus, additive manufacturing system, and additive manufacturing method |
| WO2025164639A1 (ja) * | 2024-01-30 | 2025-08-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | レーザ溶接装置 |
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