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JP2002263878A - 突合せ溶接法 - Google Patents

突合せ溶接法

Info

Publication number
JP2002263878A
JP2002263878A JP2001072878A JP2001072878A JP2002263878A JP 2002263878 A JP2002263878 A JP 2002263878A JP 2001072878 A JP2001072878 A JP 2001072878A JP 2001072878 A JP2001072878 A JP 2001072878A JP 2002263878 A JP2002263878 A JP 2002263878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
assist gas
butt
laser beam
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001072878A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetada Makino
秀忠 蒔野
Jiro Iwatani
二郎 岩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001072878A priority Critical patent/JP2002263878A/ja
Publication of JP2002263878A publication Critical patent/JP2002263878A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なビード表面形状とアシストガスに要す
るコスト低減を図りながら、ビード表面の凹凸が少なく
且つ裏面ビード幅も広く、健全な突合わせ溶接継手を効
率よく形成することのできる方法を提供すること。 【解決手段】 高エネルギービームを使用し、溶接部に
アシストガスを供給しながら突合せ溶接を行なう際に、
アシストガスをビームの進行方向後方側から吹付け、も
しくは、高エネルギービームを2以上に分光し、該2以
上の各ビームの中心を結ぶ直線が、溶接母材の突合わ面
に対し10〜80度の範囲内となる様に設定して溶接を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギービー
ムを用いて金属材を突合せ溶接する方法に関し、特に、
欠陥のない高品質の溶接継手を効率よく確実に提供し得
る様に改善された突合せ溶接法に関するものである。
尚、本発明で採用される高エネルギービームとしては、
レーザービーム、電子ビーム、プラズマビームなどが挙
げられるが、これらのうち本発明の特徴はレーザービー
ム溶接を行なう際に最も有効に活かされるので、以下の
説明ではレーザービームを用いて溶接する場合を主体に
して説明する。但し、本発明は該レーザービーム溶接に
限定されるものではなく、他の高エネルギービーム溶接
にも同様に適用できる。
【0002】また本発明の突合せ溶接法は、鋼などの鉄
基金属やその他の非鉄金属に幅広く適用することがで
き、その形状も板や管などに適用できるが、本明細書で
は最も代表的な鋼板に適用する場合を主体にして説明す
る。
【0003】
【従来の技術】レーザービームを用いて鋼板の如き金属
材の突合せ溶接を行なうに当たっては、溶接継手の品質
を高めるためレーザービームの種類やレーザーの出力、
レーザービームの焦点位置、溶接速度、アシストガスの
種類、流量などの最適化が行われている。
【0004】ところで、鋼板等の突合せ溶接継手に見ら
れる欠陥には、アンダーカット、アンダーフィルなどの
断面欠損や気孔(ポロシティ)、溶接割れなどが挙げら
れるが、レーザービームの如き高エネルギービームを採
用した時に最も注意しなければならないのは非貫通溶接
である。即ち非貫通溶接とは、溶融部が鋼板を貫通して
いない状態をいい、薄板材でこの様な非貫通溶接が生じ
ると、溶接後にプレス加工等を行なう際に該非貫通溶接
部が重大な欠陥となり、強度不足によって割れを起こす
原因になる。
【0005】また、貫通溶接から非貫通溶接の状態に近
づくにつれて、裏面のビード幅は狭くなることが知られ
ている。そこで実際の現場では、貫通溶接の管理値とし
て裏面ビード幅が採用されており、適度の裏面ビード幅
を確保することで非貫通溶接をなくし貫通溶接を保証し
ている。そして、非貫通溶接状態をなくして確実な貫通
溶接を実現するためレーザー出力を高めることは有効で
あるが、不必要に出力を高めると溶接金属が溶け落ちを
起こすことがある。また、溶接速度を遅くすることで貫
通溶接を確実にすることもできるが、溶接能率の低下が
避けられない。また、溶接速度を上げると溶融部が不安
定になり、ハンピングビードの如き溶接不良が発生し易
くなる。従って実際の溶接では、レーザー出力と溶接速
度のバランスを図りながら、溶接継手品質を満足できる
範囲で生産性の良い溶接条件を決定している。
【0006】一方CO2レーザービーム溶接では、溶接
時の高いエネルギーによって金属蒸気が発生する。この
金属蒸気は一般にプラズマ化し易く、また発生した該プ
ラズマはCO2レーザービームを吸収し易い。そして、
レーザービームを吸収したプラズマはますます成長して
溶接部に到達するレーザービームの低減を招き、場合に
よっては非貫通溶接を生じる原因になる。
【0007】このため通常は、アシストガスと呼ばれる
ガスを溶接部に吹付けることによって上記プラズマをビ
ーム溶接位置から除去し、レーザービームが溶接部まで
効率よく到達できる様にしている。
【0008】例えば図1は、上記アシストガスを用いた
レーザー溶接法を例示する概略側面説明図であり、図
中、1はレーザービーム、2はアシストガスノズル、3
は溶接母材(突合せ面)、4はレーザービームによって
形成されるキーホール、5は溶融金属、6は溶接金属、
7,7'はプラズマを夫々示している。図示する如くレ
ーザー溶接法により突合せ溶接を行なう際には、溶接母
材3,3を突合わせ、収斂したレーザービーム1を該突
合わせ部に向けて投射し、矢印で示す溶接方向にレーザ
ービーム1を移動させ、溶接母材を加熱溶融させること
によって溶接が行なわれる。加熱により突合わせ面に生
成する溶融金属5は、溶接部周辺の母材金属への熱伝達
により速やかに冷却されて凝固し、溶接金属6、即ち溶
接継手を形成していく。
【0009】この時、レーザービーム1による熱によっ
て金属蒸気が発生するが、この金属蒸気は前述の如くプ
ラズマ化し易いため、ビーム投射部付近にプラズマ7が
生じ、該プラズマ7はレーザービーム1を吸収してます
ます成長し、溶接部に到達するレーザービーム1のエネ
ルギーを低減させ、その結果として入熱量不足による非
貫通溶接を起こす原因となる。
【0010】そこでこうしたプラズマ7による障害を阻
止するため、溶接方向前方側に配置したアシストガスノ
ズル2からプラズマ7発生位置に向けてアシストガスを
吹付けて、プラズマ7を破線7'で示す如く溶接線の後
方側へ押しやり、レーザービーム1の投射位置からずら
せる方法が採用されている。
【0011】このとき、該プラズマをビーム指向位置か
ら外すには、アシストガス流量を増加すれば良いことは
容易に推察できる。例えば図2は、アシストガスの流量
と裏面ビード幅増加率の関係を示したグラフであり、ア
シストガス流量を増大する程、裏面ビード幅は明かに広
がっている。これは、アシストガス流量を増大するほど
プラズマの溶接位置からの移動量が大きくなり、該プラ
ズマによるビーム吸収量が低減し、結果的に溶接入熱量
が増大するためと思われ、このことからも、アシストガ
ス流量の増大がプラズマの除去に有効であることが分か
る。
【0012】またプラズマを効率よく除去するには、溶
接装置の移動速度、すなわち溶接速度とアシストガス吹
付けによるプラズマの移動速度の相対的速度差とから、
上記図1に示す如く溶接進行方向の前方からアシストガ
スを吹き付ける方が有効と考えられている。
【0013】一方、アシストガス流量とビード表面に生
じる凹凸との間には図3に示す様な関係があり、アシス
トガス流量を増加するにつれてビード表面の凹凸は顕著
になる。本来、安定した貫通溶接(即ち、裏面ビード幅
拡大)の実現を考えた場合、プラズマ除去のためにはア
シストガスの流量を増やす方が望ましいが、反面、 アシストガス流量を増加すると溶接ビードの形状が悪
化する(凹凸が顕著になる)、 アシストガス流量を増やすにはガス供給量を増大しな
ければならず、ガス使用量の増大によりコストアップと
なる、といった問題が生じてくる。
【0014】そこで通常は、裏面ビード幅や表面形状、
コストなどのバランスを考慮し、アシストガス流量を2
0〜30リットル/minの範囲に制御しているが、溶
接継手の品質改善(特に裏面ビード幅の拡大)という面
では一層の改善が求められる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に着目してなされたものであって、その目的は、良
好なビード表面形状とアシストガスに要するコスト低減
を図りながら、溶接継手部の品質向上を果たし得る様な
溶接法を提供することを目的とする。
【0016】更に本発明では、従来法に比べて裏面ビー
ド幅の拡大を可能にし、溶接能率(生産性)を向上せし
め得る様な溶接法を確立することをも目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る第一の突合せ溶接法は、高エネル
ギービーム、特にCO2レーザービームを使用し、溶接
部にアシストガスを吹付けながら突合せ溶接を行なうに
当たり、アシストガスをビームの進行方向後方側から供
給するところに要旨を有している。この方法を採用して
突合せ溶接を行なう際の好ましいアシストガス流量は5
〜15リットル/minである。
【0018】本発明に係る第二の突合せ溶接法は、高エ
ネルギービームを用いて突合せ溶接を行なうに当たり、
高エネルギービームを2以上に分光し、該2以上の各ビ
ームの中心を結ぶ直線が、溶接母材の突合わ面に対し1
0〜80度の範囲内となる様に設定し、分光した一方の
ビームを溶接金属の予熱用とし、他のビームを溶接用と
して使用することにより、溶接を効率よく実施するとこ
ろに要旨を有している。
【0019】本発明に係る第三の突合せ溶接法は、上記
第一の溶接法と第二の溶接法を組合わせた方法であり、
高エネルギービーム、特にCO2レーザービームを使用
し、溶接部にアシストガスを吹付けながら突合せ溶接を
行なうに当たり、アシストガスをビームの進行方向後方
側から供給すると共に、該ビームを2以上に分光し、該
2以上の各ビームの中心を結ぶ直線が、溶接母材の突合
わ面に対し10〜80度の範囲となる様に設定して突合
せ溶接を行なうところに要旨が存在する。
【0020】
【発明の実施の形態】前述した如くCO2レーザービー
ムを熱源とする従来の突合せ溶接では、ビーム投射によ
って溶接部に発生するプラズマによるレーザービームの
吸収と、それによる溶接入熱量の低減を抑えるため、ビ
ーム投射位置の前方側からアシストガスを供給し、プラ
ズマを溶接位置の後方へずらせる方法が採用されてい
る。
【0021】他方、レーザービーム溶接で溶接部直上位
置に発生するプラズマは通常8000℃程度以上の高温
であり、プラズマの状態によっては該プラズマからの輻
射熱や保有熱によって溶接母材を加熱することも十分可
能と思われる。ところが上記従来法では、溶接部直上位
置に発生するプラズマをアシストガスにより溶接部の後
方側にずらせる方法を採用しているので、プラズマによ
るレーザービームの吸収による入熱量の低減は防止でき
るとしても、当該プラズマが有する輻射熱や保有熱を積
極的に利用することはできない。
【0022】そこで本発明者らは、プラズマの有する前
記輻射熱や保有熱を溶接母材の予熱に有効に活用すれば
溶接効率を更に高め得るのではないかと考え、その線に
沿って研究を進めた。その結果、アシストガスを溶接位
置の前方側から供給するのではなく、溶接位置の後方側
から前方側に向けて吹付け、プラズマを溶接位置の前方
側にずらしながら溶接する方法を採用すれば、該プラズ
マによるレーザービーム投射エネルギーの吸収を防止し
できるばかりでなく、前方にずらせたプラズマの輻射熱
や保有熱を溶接母材の予熱に有効に活用できることを確
認し、上記本発明に係る第一の構成に想到したものであ
る。
【0023】図4,5は、上記第一の方法の技術思想を
実現するための一実施例を示す概念図であり、レーザー
ビーム投射用のレーザー出力機構8から溶接部に向けて
レーザービーム1を収斂して投射しながら突合せ溶接を
行なう際に、該レーザービーム1投射位置の後方側にア
シストガスノズル2を配置し、該ノズル2から溶接位置
の溶接方向前方側に向けてアシストガスを供給し、溶接
部直上位置に発生するプラズマ7を溶接方向直前方へ移
動させながら溶接が行なわれる。
【0024】この方法を採用すれば、アシストガスによ
り溶接方向前方に押しやられたプラズマ7'の保有熱や
輻射熱によって溶接直前の母材3が予熱され、その直後
にレーザービーム1によって溶接が行われることにな
る。
【0025】即ちこの方法を採用すれば、溶接部直上位
置に発生するプラズマ7は前方に押しやられてレーザー
ビーム1投射位置から外されるため、該プラズマ7によ
るビーム1の吸収が起こらず、投射エネルギーの全てが
溶接入熱として有効に利用されるばかりでなく、前方に
押しやられたプラズマ7'は上記の如く溶接位置の直前
方で溶接母材3の予熱に有効利用されることになる。よ
って、これらの効果が相俟ってレーザービーム1による
入熱量が最大限有効に活用されることになり、溶接を極
めて効率よく遂行可能となる。
【0026】これに対し従来例では、前記図1に示した
通り溶接位置の後方側に押しやられたプラズマ7'は、
既に溶接が完了した溶接金属6の表面しか加熱できない
ため溶接性の改善には全く活かされない。
【0027】ちなみに図6は、レーザービーム1の中心
軸とアシストガスノズル2の中心軸とのなす傾き角度を
45度とし、従来法により溶接方向前方側からアシスト
ガスを20リットル/minで吹付けたときの裏面ビー
ド幅を基準とし、従来の前方からの吹付けにおいてアシ
ストガス流量を10リットル/minとした場合と、本
発明により溶接方向後方から吹付けるアシストガス流量
を10リットル/minとした場合に形成される裏面ビ
ード幅を対比して示したグラフである。尚この図には、
アシストガスノズル2の先端と溶接部間の距離(図5に
示した符号L)を12mmにした場合と、同距離を20
mmにした場合の例を示している。
【0028】この図からも明らかな様に、アシストガス
を溶接部の前方から吹付ける従来法では、ガス流量を1
0リットル/minにすると裏面ビード幅が大幅に狭く
なっているのに対し、溶接部の後方からアシストガスを
吹付ける本発明法では、従来法よりも裏面ビード幅が大
幅に拡大していることを確認できる。これは、とりもな
おさず、溶接部前方側にずらせたプラズマによる母材の
予熱効果により、同じレーザービーム出力であってもそ
のエネルギーが溶接のための入熱量として有効に活用さ
れたことを意味している。
【0029】また図7は、レーザービーム1の中心軸と
アシストガスノズル2の中心軸とのなす傾き角度を30
度に設定し、アシストガス流量を10リットル/min
として同様に裏面ビード幅を比較したもので、傾き角度
が30度の場合でも、本発明により裏面ビード幅を拡大
できることが分かる。
【0030】また図8は、レーザービーム1の中心軸と
アシストガスノズル2の中心軸とのなす傾き角度を45
度とし、前記距離Lを12mmに設定してアシストガス
を前方から吹付けた場合(従来法)と後方から吹付けた
場合(本発明法)との溶接金属表面の凹凸形状を比較し
たものであるが、本発明法によれば、アシストガス流量
を10リットル/minおよび20リットル/minと
した何れの場合でも、ビード表面の凹凸形状が改善され
ている。この図からも明らかな様に本発明によれば、ア
シストガスを溶接部の後方から前方に向けて吹付けるこ
とで、裏面ビード幅を拡大して非貫通溶接を解消できる
ばかりでなく、ビード表面側の凹凸をも少なくできるこ
とができ、溶接ビードの表裏両面から継手品質を高め得
ることが分かる。
【0031】ところでアシストガスの吹付け角度(図9
における角度θ)は、プラズマを溶接部の前方に移動せ
しめ得る範囲で任意に調整できるが、溶接設備の構造や
様々の溶接部位への適合性を考慮して最も実現性の高い
角度θの範囲は、30度以上、60度以下、より好まし
くは35度以上、55度以下である。また該角度θは、
溶接装置の移動速度も考慮して適宜調整することが望ま
しく、該移動速度が速いときはアシストガスの吹付け角
度θを相対的に大きく取り、該移動速度が遅いときは同
角度θを相対的に小さくするのがよい。
【0032】尚アシストガスの供給量については、溶接
部の前方側から供給する従来法で一般的に採用されてい
るのは20〜30リットル/min程度であるが、溶接
部の後方から供給する本発明法を採用した場合の好まし
いガス流量は5〜10リットル/minであり、本発明
によればアシストガスの使用量も低減できることを確認
している。
【0033】図10は、アシストガスノズル2の形状を
変更した他の実施例を示すもので、該ノズル2を湾曲さ
せて溶接部に指向させた例を示している。この様に本発
明では、ノズル2の形状自体には全く制限がなく、要は
溶接部の後方側から前方側に向けてアシストガスを供給
し得るものであれば、如何なる形状、構造のノズルを使
用しても構わない。特に図10に示す様な湾曲ノズルと
すれば、該ノズルを含めた溶接装置全体をよりコンパク
トにできるので有利である。
【0034】次に本発明に係る第二の突合せ溶接法につ
いて説明する。
【0035】上記第一の方法では、前述の如くアシスト
ガスを溶接部の後方側から前方側に向けて吹付けること
により、溶接部直上位置に生じるプラズマを前方側にず
らし、プラズマの有する輻射熱や保有熱で溶接母材を予
熱することで実質的な入熱量を高めたが、第二の方法で
は、溶接部へ投射されるレーザービームを反射鏡などに
よって2以上に分光し、分光したビームの一部を溶接用
として使用すると共に、他のビームを予熱用として使用
することによって溶接効率の向上を図っている。
【0036】図11はこの方法を例示する説明図であ
り、図示しないレーザー発振器から出射されたレーザー
ビーム1を反射鏡9で2つに分光し、各ビームを凸面鏡
10で収斂してから、一方は溶接用ビーム1aとして溶
接部に指向させ、他方は予熱用ビーム1bとして溶接部
の直前方の母材部分に指向させる。この方法を採用すれ
ば、溶接母材(被溶接材)3は予熱用ビーム1bで予熱
され、その直後に溶接用ビーム1aによって溶接される
ことになり、溶接時の溶け込み量が高められてより確実
な貫通溶接が可能となる。
【0037】ところが本発明者らが更に検討を重ねたと
ころ、この様な方法を採用した場合でも、前記予熱用ビ
ーム1bと溶接用ビーム1aとの位置関係によっては溶
接効率が悪くなり、ビード分光による予熱効果を裏面ビ
ード幅の拡大により有効に発揮させるには、分光される
各ビード1a,1bの中心を結ぶ直線と溶接線W、すな
わち溶接母材3,3'の突合せ面との間に適度の角度を持
たせることが有効であるという事実を突き止めた。
【0038】図12はこの状態を例示する説明図であ
り、溶接母材3,3'を突合せてなる溶接線Wに沿って
矢印方向に溶接し、溶接継手(溶接金属)6を形成して
いく状況を示している。本発明に係る第二の方法を実施
するに当たっては、前記図11で説明した様にビームを
溶接用ビーム1aと予熱用ビーム1bの2つに分光して
溶接母材を加熱することにより突合せ溶接を行なうが、
図12では、溶接用ビーム1aと予熱用ビーム1bの各
中心を結ぶ直線Sと溶接線W(すなわち突合せ面)とに
適度の角度Bを持たせ、溶接用ビーム1aは溶接線W上
に指向させる一方、予熱用ビーム1bは溶接線Wから溶
接母材3方向に若干ずらせた位置に指向させている。こ
の場合、図12に破線で示す如く、該予熱用ビーム1b
を溶接母材3'側にずらせることも勿論可能である。
【0039】予熱用ビーム1bによって予熱してからそ
の直後に溶接用ビーム1aで溶接する方法の利点をより
有効に活かすには、両ビーム1a,1bを何れも溶接線
W上に指向させることが最も効果的であるかのように思
われる。ところが、本発明者らが確認したところでは、
図示する如く溶接用ビーム1aと予熱用ビーム1bを幅
方向に若干ずらせた位置に指向させる方が、溶接継手の
品質向上に有効であることを知った。
【0040】ちなみに図13は、図12に示した様なビ
ーム1a,1bの配置で突合せ溶接を行なう際に、ビー
ム1a,1bのなす角度Bを種々変更した場合の、該角
度Bが溶接部表面の窪み率と裏面ビード幅比に与える影
響を調べた結果を示したグラフである。ここで溶接部表
面の窪み率とは、図14に示す如く突合せ溶接される母
材の板厚Xに対する溶接継手中央部の厚さYの比率(す
なわち、溶接部中央の窪みの程度)を表し、裏面ビード
幅比とは、両ビード1a,1bを溶接線Wに沿って1直
線状に配置して溶接を行なった場合(すなわち、前記角
度Bをゼロとした場合)に形成される裏面ビード幅を1
00とし、これに対する比率を表している。
【0041】該図13からも明らかな様に、ビーム1
a,1bのなす角度Bを大きくするほど、溶接部表面の
窪み率は小さくなる(すなわち、窪みが顕著となる)の
に対し、裏面ビード幅比は同角度B大きくするほど大き
くなる傾向が見られる。即ち、裏面ビード幅を拡大して
より確実な貫通溶接を実現しようとすると、溶接部の窪
みが大きくなる。
【0042】よって、裏面ビード幅の拡大と溶接部の窪
み低減を両立させて健全な溶接継手を得るには、前記ビ
ームのなす前記角度Bを最適範囲に制御することが望ま
しく、図13に示した様な傾向を踏まえて検討を重ねた
結果、該角度Bは10〜80度、より好ましくは30〜
60度の範囲が最適であることを確認した。
【0043】尚図12では、溶接用ビード1aを溶接線
W上に指向させ、予熱用ビード1bを溶接線Wから若干
ずらせて指向させる例を示したが、例えば図15に示す
如く両ビード1a,1bを溶接線Wを跨いで両側に指向
させることも可能である。また、ビードを3以上に分光
させ、2以上のビードを溶接用または予熱用として使用
し、残りのビードを予熱用に利用することもできるし、
あるいは更に、例えば図16に示す如く、分光したビー
ム1a,1bに加えて他のレーザービーム1Aを補助的
に投射することによって溶融幅を拡大し、より健全な溶
接継手が得られる様にすることも可能である。
【0044】何れにしても本発明にかかる第二の方法に
よれば、分光した溶接用および予熱用のビームが溶接幅
方向に広がって配置されることになるため、結果的に溶
接ビード幅が広げられることになり、延いては裏面ビー
ド幅の拡大につながるため、より確実な貫通溶接が行な
われることになる。尚この様にビームを分光させて予熱
と溶接を並行して行なう方法の場合は、レーザービーム
溶接以外に、電子ビーム溶接やプラズマビーム溶接の如
き他の高エネルギービーム溶接を採用することによって
も同様の効果を得ることができる。
【0045】また本発明に係る第三の方法は、前記第一
の方法と第二の方法、即ち、 アシストガスをビームの進行方向後方側から吹付ける
ことによって、溶接部直上に発生するプラズマを溶接部
の前方にずらせて予熱することによる溶接能率向上効果
(第一の方法)と、 高エネルギービームを2以上に分光し、該2以上の各
ビームの中心を結ぶ直線が、溶接母材の突合わ面に対し
10〜80度の範囲となる様に設定することにより、裏
面ビード幅の拡大と溶接部の窪み低減を両立させて健全
な溶接継手を得る効果(第二の方法)を総合し、それら
の相加的乃至相乗的作用効果によって突合せ溶接の効率
を高めると共に、健全な溶接継手の形成を実現可能にし
たもので、個々の方法は、前記第一および第二の方法で
説明したのと同様に実施すればよく、また同様の変形態
様で実施することが可能である。
【0046】以上の様に本発明によれば、前記第一の方
法と第二の方法を個別に、もしくは両者を組合わせて実
施することにより、高エネルギービームを加熱源として
用いた突合せ溶接を効率よく実施できると共に、確実な
貫通溶接を実現して健全な溶接継手を提供することがで
きる。
【0047】従って本発明の方法は、鋼などの鉄基合金
やその他の金属材からなる板状物や管状物などの突合せ
溶接に幅広く活用し、その特徴を有効に発揮させること
ができる。殊に本発明の方法は、最近自動車業界などで
注目されているテーラードブランク(Tailored Blanks:
肉厚の異なる鋼材や異種鋼材を接合一体化して自動車ボ
ディーなどを溶接形成する技術)等をはじめとする溶接
技法に有効に活用できる。
【0048】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、高
エネルギービームを熱源として用いて突合せ溶接を行な
う際に、アシストガスの吹付け方向を工夫し、或はビー
ムを2以上に分光して一方を溶接用、他方を予熱用とし
て活用し、或はこれらの方法を組合わせて実施すること
により、裏面ビード幅を拡大してより確実な貫通溶接を
可能にすると共に、ビード表面の凹凸も可及的に抑えて
健全な溶接継手を効率よく遂行し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アシストガスの吹付けを利用した従来のレーザ
ービーム溶接法を例示する側面説明図である。
【図2】レーザービームを用いて突合せ溶接を行なう際
の、アシストガスの流量と裏面ビード幅の関係を示した
グラフである。
【図3】レーザービームを用いて突合せ溶接を行なう際
の、アシストガス流量と表側ビードに生じる凹凸との関
係を示すグラフである。
【図4】本発明の突合せ溶接を実施している状況を例示
する側面説明図である。
【図5】上記図4に示した図の拡大説明図である。
【図6】従来法と本発明法を採用した時に形成される裏
面ビード幅比を対比して示すグラフである。
【図7】従来法と本発明法を採用した時に形成される裏
面ビード幅比を比較した他の例を示すグラフである。
【図8】従来法と本発明法を採用した時に形成される表
面ビードの凹凸比を示すグラフである。
【図9】本発明を実施する際のアシストガス吹付け方向
の変形態様を示す側面説明図である。
【図10】本発明で実施されるアシストガスノズルの変
形例を示す側面説明図である。
【図11】レーザービームを2つに分光して投射する場
合の例を示す側面説明図である。
【図12】レーザービームを2つに分光して溶接を行な
う本発明の実施例を示す平面説明図である。
【図13】分光した2つのビームのなす角度Bを変更し
た時の、該角度Bが裏面ビード幅比と溶接部窪み率に与
える影響を示したグラフである。
【図14】溶接部の窪み率の算出基準を示す説明図であ
る。
【図15】分光した2つのビーム斜行させて溶接を行な
う他の例を示す平面説明図である。
【図16】ビームを2以上に分光して行なう本発明の他
の実施例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 レーザービーム 2 アシストガスノズル 3 溶接母材 4 キーホール 5 溶融金属 6 溶接金属(溶接継手) 7,7' プラズマ 8 レーザー発振器 9 反射鏡 10 凹面鏡 1a,1b 分光されたビード W 溶接線(突合せ面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E066 BA06 BA11 BF08 CA02 CA03 CA08 CB00 4E068 BE00 CD03 CG01 CH06 CH07 DA14 DA15 DB01 DB06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高エネルギービームを使用し、溶接部に
    アシストガスを供給しながら突合せ溶接を行なうに当た
    り、アシストガスをビームの進行方向後方側から吹付け
    ることを特徴とする突合せ溶接法。
  2. 【請求項2】 アシストガス流量を5〜15リットル/
    minとする請求項1に記載の溶接法。
  3. 【請求項3】 高エネルギービームとしてCO2レーザ
    ービームを用いる請求項1または2に記載の溶接法。
  4. 【請求項4】 高エネルギービームを用いて突合せ溶接
    を行なうに当たり、高エネルギービームを2以上に分光
    し、該2以上の各ビームの中心を結ぶ直線を、溶接母材
    の突合せ面に対し10〜80度の範囲内に設定して溶接
    を行なうことを特徴とする突合せ溶接法。
  5. 【請求項5】 高エネルギービームを使用し、溶接部に
    アシストガスを供給しながら突合せ溶接を行なうに当た
    り、アシストガスをビームの進行方向後方側から吹付け
    ると共に、高エネルギービームを2以上に分光し、該2
    以上の各ビームの中心を結ぶ直線を、溶接母材の突合せ
    面に対し10〜80度の範囲内に設定して溶接を行なう
    ことを特徴とする突合せ溶接法。
  6. 【請求項6】 アシストガス流量を5〜15リットル/
    minとする請求項5に記載の溶接法。
  7. 【請求項7】 CO2レーザービーム溶接法に適用され
    る請求項5または6に記載の溶接法。
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