JP2002248571A - レーザ照射アークスタート制御方法 - Google Patents
レーザ照射アークスタート制御方法Info
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Landscapes
- Arc Welding Control (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザ7を被溶接物2に照射してアーク3を
発生させるレーザ照射アークスタート制御方法におい
て、溶接開始時にワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場
合、レーザ照射によって十分なプラズマ存在空間7aが
形成される前に、溶接ワイヤ1が被溶接物2に直ぐに接
触してしまい、この接触解除のために大電流を通電して
ワイヤ突出し部を溶断しアークを発生させるために、ア
ークスタート時に大粒のスパッタが飛散して不良なビー
ド外観となる。 【解決手段】 本発明では、十分なプラズマ存在空間7
aを形成するためにレーザ7を予め定めた先行照射時間
Tp(時刻t1〜t2)だけ先行照射した後に、溶接ワ
イヤの送給Fc及び溶接電圧Vwの出力を開始する。こ
れによって、ワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合で
も、スパッタの飛散しない円滑なアークスタートを行う
ことができる。
発生させるレーザ照射アークスタート制御方法におい
て、溶接開始時にワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場
合、レーザ照射によって十分なプラズマ存在空間7aが
形成される前に、溶接ワイヤ1が被溶接物2に直ぐに接
触してしまい、この接触解除のために大電流を通電して
ワイヤ突出し部を溶断しアークを発生させるために、ア
ークスタート時に大粒のスパッタが飛散して不良なビー
ド外観となる。 【解決手段】 本発明では、十分なプラズマ存在空間7
aを形成するためにレーザ7を予め定めた先行照射時間
Tp(時刻t1〜t2)だけ先行照射した後に、溶接ワ
イヤの送給Fc及び溶接電圧Vwの出力を開始する。こ
れによって、ワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合で
も、スパッタの飛散しない円滑なアークスタートを行う
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被溶接物上の溶接
狙い位置又はその周辺部にレーザを照射すると共に溶接
ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始し、溶接ワイヤ
と被溶接物との間にアークを発生させるレーザ照射アー
クスタート制御方法に関する。
狙い位置又はその周辺部にレーザを照射すると共に溶接
ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始し、溶接ワイヤ
と被溶接物との間にアークを発生させるレーザ照射アー
クスタート制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、半導体
レーザ等によるレーザ照射と消耗電極ガスシールドアー
ク溶接とを併用する複合型のレーザ照射アーク溶接方法
が知られている。この溶接方法は、アーク発生部に高密
度エネルギーのレーザを照射することによって、2〜5
[m/分]の超高速溶接を行うことができる。また、こ
の溶接方法は、溶接開始時に被溶接物上の溶接狙い位置
又はその周辺部にレーザを照射すると共に、同時に溶接
ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始することによっ
て、円滑にアークを発生させることができる。以下、従
来技術としてこのレーザ照射アーク溶接方法について、
特にそのアークスタート制御方法について説明する。
レーザ等によるレーザ照射と消耗電極ガスシールドアー
ク溶接とを併用する複合型のレーザ照射アーク溶接方法
が知られている。この溶接方法は、アーク発生部に高密
度エネルギーのレーザを照射することによって、2〜5
[m/分]の超高速溶接を行うことができる。また、こ
の溶接方法は、溶接開始時に被溶接物上の溶接狙い位置
又はその周辺部にレーザを照射すると共に、同時に溶接
ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始することによっ
て、円滑にアークを発生させることができる。以下、従
来技術としてこのレーザ照射アーク溶接方法について、
特にそのアークスタート制御方法について説明する。
【0003】図2は、従来技術のレーザ照射アーク溶接
方法を実施するための溶接装置の構成図である。以下、
同図を参照して説明する。レーザ発振装置9は、YAG
レーザ、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ等の発振装置で
あり、レーザ用トーチ8を介して被溶接物2へレーザ7
を出力値Pwで照射する。溶接電源装置6は、ワイヤ送
給装置の送給ロール5の回転を制御して溶接ワイヤ1を
溶接トーチ4を通して送給すると共に、溶接ワイヤ1と
被溶接物2との間にアーク3を発生させるための溶接電
圧Vwを出力して溶接電流Iwを通電する。溶接開始信
号Stは、上記のレーザ発振装置9及び溶接電源装置6
に対して、同時に入力される。したがって、溶接開始信
号Stが入力(Highレベル)されると、レーザ7の
出力、溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力が同
時に開始される。
方法を実施するための溶接装置の構成図である。以下、
同図を参照して説明する。レーザ発振装置9は、YAG
レーザ、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ等の発振装置で
あり、レーザ用トーチ8を介して被溶接物2へレーザ7
を出力値Pwで照射する。溶接電源装置6は、ワイヤ送
給装置の送給ロール5の回転を制御して溶接ワイヤ1を
溶接トーチ4を通して送給すると共に、溶接ワイヤ1と
被溶接物2との間にアーク3を発生させるための溶接電
圧Vwを出力して溶接電流Iwを通電する。溶接開始信
号Stは、上記のレーザ発振装置9及び溶接電源装置6
に対して、同時に入力される。したがって、溶接開始信
号Stが入力(Highレベル)されると、レーザ7の
出力、溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力が同
時に開始される。
【0004】また、レーザ7を照射する位置は、被溶接
物2上の溶接狙い位置又はその周辺部であればよく、溶
接方向を基準として溶接狙い位置Wpの前方、後方、右
横又は左横のいずれの位置でもよい。溶接狙い位置Wp
とは、同図に示すように、溶接ワイヤ1の送給方向を示
す直線Lと被溶接物表面とが交差する位置である。
物2上の溶接狙い位置又はその周辺部であればよく、溶
接方向を基準として溶接狙い位置Wpの前方、後方、右
横又は左横のいずれの位置でもよい。溶接狙い位置Wp
とは、同図に示すように、溶接ワイヤ1の送給方向を示
す直線Lと被溶接物表面とが交差する位置である。
【0005】図3は、上述した溶接電源装置6のブロッ
ク図である。以下、同図を参照して、各回路ブロックに
ついて説明する。
ク図である。以下、同図を参照して、各回路ブロックに
ついて説明する。
【0006】電圧検出回路VDは、溶接ワイヤ1と被溶
接物2との間の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号
Vdを出力する。アーク判別回路ADは、上記の電圧検
出信号Vdを入力としてその電圧値によってアーク発生
を判別して、アーク判別信号Adを出力する。
接物2との間の溶接電圧Vwを検出して、電圧検出信号
Vdを出力する。アーク判別回路ADは、上記の電圧検
出信号Vdを入力としてその電圧値によってアーク発生
を判別して、アーク判別信号Adを出力する。
【0007】定常の送給速度設定回路WSは、定常の送
給速度設定信号Wsを出力する。送給制御回路FCは、
外部から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)さ
れると、溶接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送
給し、上記のアーク判別信号Adが入力(Highレベ
ル)されると溶接ワイヤを上記の定常の送給速度設定信
号Wsに相当する送給速度で送給するための送給制御信
号Fcを出力する。ワイヤ送給モータWMは、上記の送
給制御信号Fcに従って溶接ワイヤを送給する。
給速度設定信号Wsを出力する。送給制御回路FCは、
外部から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)さ
れると、溶接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送
給し、上記のアーク判別信号Adが入力(Highレベ
ル)されると溶接ワイヤを上記の定常の送給速度設定信
号Wsに相当する送給速度で送給するための送給制御信
号Fcを出力する。ワイヤ送給モータWMは、上記の送
給制御信号Fcに従って溶接ワイヤを送給する。
【0008】電圧設定回路VSは、上記の溶接電圧Vw
を設定するための電圧設定信号Vsを出力する。出力制
御回路INVは、外部から溶接開始信号Stが入力(H
ighレベル)されると、商用交流電源(通常は3相2
00V)を入力として、インバータ制御、サイリスタ位
相制御等によって、アーク3を安定に維持するために適
した溶接電圧Vwを出力し、溶接電流Iwが通電する。
を設定するための電圧設定信号Vsを出力する。出力制
御回路INVは、外部から溶接開始信号Stが入力(H
ighレベル)されると、商用交流電源(通常は3相2
00V)を入力として、インバータ制御、サイリスタ位
相制御等によって、アーク3を安定に維持するために適
した溶接電圧Vwを出力し、溶接電流Iwが通電する。
【0009】図4は、前述したレーザ発振装置9のブロ
ック図である。以下、同図を参照して説明する。出力値
設定回路PSは、レーザの出力値Pw[W]を設定する
ための出力値設定信号Psを出力する。レーザ出力制御
回路LOCは、外部から溶接開始信号Stが入力(Hi
ghレベル)されと、上記の出力値設定信号Psに相当
する出力値Pwでレーザを被溶接物へ照射する。
ック図である。以下、同図を参照して説明する。出力値
設定回路PSは、レーザの出力値Pw[W]を設定する
ための出力値設定信号Psを出力する。レーザ出力制御
回路LOCは、外部から溶接開始信号Stが入力(Hi
ghレベル)されと、上記の出力値設定信号Psに相当
する出力値Pwでレーザを被溶接物へ照射する。
【0010】図5は、上述した溶接装置の各信号のタイ
ミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号St
の時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの
時間変化を示し、同図(C)は送給制御信号Fcの時間
変化を示し、同図(D)はアーク判別信号Adの時間変
化を示し、同図(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示
し、同図(F)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図
(G1)〜(G2)は各時刻におけるレーザ照射部の状
態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照して説
明する。
ミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号St
の時間変化を示し、同図(B)はレーザの出力値Pwの
時間変化を示し、同図(C)は送給制御信号Fcの時間
変化を示し、同図(D)はアーク判別信号Adの時間変
化を示し、同図(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示
し、同図(F)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図
(G1)〜(G2)は各時刻におけるレーザ照射部の状
態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照して説
明する。
【0011】 時刻t1〜t2の期間 時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接開始
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(B)に示すように、レーザの出力Pwが開始して
被溶接物へレーザが照射される。同時に、同図(C)に
示すように、送給制御信号Fcは初期送給速度設定値W
iとなり、溶接ワイヤは初期送給速度Wiで送給される
と共に、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwが出力
される。この期間中は、同図(G1)に示すように、ア
ークが発生していないために溶接ワイヤ1と被溶接物2
との間は無負荷状態であるために、上記の溶接電圧Vw
は無負荷電圧Vnlとなる。また、同図(G1)に示すよ
うに、溶接狙い位置Wpへのレーザ7の照射によって、
照射部周辺にプラズマが発生して電離イオンの存在する
空間(以下、プラズマ存在空間7aという)が形成され
る。このプラズマ存在空間7aは、レーザ照射の時間経
過と共に次第にその広さは拡大する。
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(B)に示すように、レーザの出力Pwが開始して
被溶接物へレーザが照射される。同時に、同図(C)に
示すように、送給制御信号Fcは初期送給速度設定値W
iとなり、溶接ワイヤは初期送給速度Wiで送給される
と共に、同図(E)に示すように、溶接電圧Vwが出力
される。この期間中は、同図(G1)に示すように、ア
ークが発生していないために溶接ワイヤ1と被溶接物2
との間は無負荷状態であるために、上記の溶接電圧Vw
は無負荷電圧Vnlとなる。また、同図(G1)に示すよ
うに、溶接狙い位置Wpへのレーザ7の照射によって、
照射部周辺にプラズマが発生して電離イオンの存在する
空間(以下、プラズマ存在空間7aという)が形成され
る。このプラズマ存在空間7aは、レーザ照射の時間経
過と共に次第にその広さは拡大する。
【0012】 時刻t2〜t3の期間 時刻t2において、同図(G2)に示すように、送給に
よって溶接ワイヤ1の先端が前述したプラズマ存在空間
7aの中に入ると、プラズマ存在空間7aに溶接電圧V
wが印加されるので、溶接ワイヤ1と被溶接物2とは接
触することなく両者間にアーク3が発生する。アーク3
が発生すると、同図(D)に示すように、アーク判別信
号Adが出力(Highレベル)される。これに応じ
て、同図(C)に示すように、送給制御信号Fcは定常
の送給速度設定信号Wsとなり、溶接ワイヤは定常の送
給速度Wsで送給される。また、同図(E)に示すよう
に、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vsに相当する値にな
り、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは定常の送
給速度Wsに対応した定常の溶接電流Icとなる。
よって溶接ワイヤ1の先端が前述したプラズマ存在空間
7aの中に入ると、プラズマ存在空間7aに溶接電圧V
wが印加されるので、溶接ワイヤ1と被溶接物2とは接
触することなく両者間にアーク3が発生する。アーク3
が発生すると、同図(D)に示すように、アーク判別信
号Adが出力(Highレベル)される。これに応じ
て、同図(C)に示すように、送給制御信号Fcは定常
の送給速度設定信号Wsとなり、溶接ワイヤは定常の送
給速度Wsで送給される。また、同図(E)に示すよう
に、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vsに相当する値にな
り、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは定常の送
給速度Wsに対応した定常の溶接電流Icとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図6は、従来技術の解
決課題を説明するための上述した図5に相当するタイミ
ングチャートである。上述した図5と同様に、同図
(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図
(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図
(C)は送給制御信号Fcの時間変化を示し、同図
(D)はアーク判別信号Adの時間変化を示し、同図
(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(F)は
溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(G1)〜(G
3)は各時刻におけるレーザ照射部の状態及びアーク発
生状態を示す。同図は、溶接開始時のワイヤ先端・被溶
接物間距離が短い場合である。また、同図における時刻
t1〜t2の期間は上述した図5と同様であるので説明
は省略し、時刻t2以降について同図を参照して説明す
る。
決課題を説明するための上述した図5に相当するタイミ
ングチャートである。上述した図5と同様に、同図
(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図
(B)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図
(C)は送給制御信号Fcの時間変化を示し、同図
(D)はアーク判別信号Adの時間変化を示し、同図
(E)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(F)は
溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(G1)〜(G
3)は各時刻におけるレーザ照射部の状態及びアーク発
生状態を示す。同図は、溶接開始時のワイヤ先端・被溶
接物間距離が短い場合である。また、同図における時刻
t1〜t2の期間は上述した図5と同様であるので説明
は省略し、時刻t2以降について同図を参照して説明す
る。
【0014】 時刻t2〜t3の期間 溶接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離が短いため
に、時刻t1〜t2の期間も短くなる。このために、時
刻t2の直前においても、前述したプラズマ存在空間7
aは小さな空間のままであり、送給によって溶接ワイヤ
の先端がこの小さなプラズマ存在空間7aの中に入った
直後の時刻t2において、同図(G2)に示すように、
アークが発生しないうちに溶接ワイヤ1は被溶接物2に
接触する。
に、時刻t1〜t2の期間も短くなる。このために、時
刻t2の直前においても、前述したプラズマ存在空間7
aは小さな空間のままであり、送給によって溶接ワイヤ
の先端がこの小さなプラズマ存在空間7aの中に入った
直後の時刻t2において、同図(G2)に示すように、
アークが発生しないうちに溶接ワイヤ1は被溶接物2に
接触する。
【0015】時刻t2〜t3の期間中はこの接触状態の
ままであるために、同図(C)に示すように、送給制御
信号Fcは初期送給速度設定値Wiのままであり、同図
(E)に示すように、溶接電圧Vwは数[V]程度の低
い値であり、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは
負荷が接触状態にあるために600[A]程度の大電流
値の短絡電流Ipが通電する。この大電流値の短絡電流
Ipの通電によって、ワイヤ突出し部は抵抗加熱されて
温度が上昇し、次第に柔らかくなる。それに加えて、こ
の間も溶接ワイヤの送給は継続しているために、柔らか
くなったワイヤ突出し部は次第に変形する。
ままであるために、同図(C)に示すように、送給制御
信号Fcは初期送給速度設定値Wiのままであり、同図
(E)に示すように、溶接電圧Vwは数[V]程度の低
い値であり、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは
負荷が接触状態にあるために600[A]程度の大電流
値の短絡電流Ipが通電する。この大電流値の短絡電流
Ipの通電によって、ワイヤ突出し部は抵抗加熱されて
温度が上昇し、次第に柔らかくなる。それに加えて、こ
の間も溶接ワイヤの送給は継続しているために、柔らか
くなったワイヤ突出し部は次第に変形する。
【0016】 時刻t3以降の期間 上述したワイヤ突出し部の変形が進行して、同図(G
3)に示すように、時刻t3においてワイヤ突出し部の
途中で溶断して、溶断部からアーク3が発生する(以
下、この現象を接触溶断アークスタートという)。この
ときに、溶断した溶接ワイヤ1の一部が大粒のスパッタ
として飛散して被溶接物2に付着づるために、不良なビ
ード外観となる。
3)に示すように、時刻t3においてワイヤ突出し部の
途中で溶断して、溶断部からアーク3が発生する(以
下、この現象を接触溶断アークスタートという)。この
ときに、溶断した溶接ワイヤ1の一部が大粒のスパッタ
として飛散して被溶接物2に付着づるために、不良なビ
ード外観となる。
【0017】時刻t3においてアーク3が発生すると、
同図(D)に示すように、アーク判別信号Adが出力
(Highレベル)される。これに応じて、同図(C)
に示すように、送給制御信号Fcは定常の送給速度設定
信号Wsになり、溶接ワイヤは定常の送給速度Wsで送
給される。また、同図(E)に示すように、溶接電圧V
wは、前述した図5に示す電圧設定信号Vsに相当する
値となり、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは定
常の溶接電流Icとなる。
同図(D)に示すように、アーク判別信号Adが出力
(Highレベル)される。これに応じて、同図(C)
に示すように、送給制御信号Fcは定常の送給速度設定
信号Wsになり、溶接ワイヤは定常の送給速度Wsで送
給される。また、同図(E)に示すように、溶接電圧V
wは、前述した図5に示す電圧設定信号Vsに相当する
値となり、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは定
常の溶接電流Icとなる。
【0018】上述したように、接触溶断アークスタート
になると、大粒のスパッタの付着する不良なビード外観
となる。この接触溶断アークスタートは、溶接開始時の
ワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合において、溶接
ワイヤが被溶接物に接触する短時間の間に十分なプラズ
マ存在空間を形成することができないことが原因となっ
て発生する。
になると、大粒のスパッタの付着する不良なビード外観
となる。この接触溶断アークスタートは、溶接開始時の
ワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合において、溶接
ワイヤが被溶接物に接触する短時間の間に十分なプラズ
マ存在空間を形成することができないことが原因となっ
て発生する。
【0019】ところで、トーチ・被溶接物間距離は溶接
ワイヤの材質及び直径、溶接電流値、被溶接物の形状及
び溶接個所等に対応して、溶接状態が良好になるように
適正値に設定する必要がある。このために、上記のトー
チ・被溶接物間距離を短く設定する場合も多く、それに
応じてワイヤ先端・被溶接物間距離も短くなる。さら
に、溶接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離は、前回
の溶接終了時におけるアークによるワイヤ先端の燃え上
がり長さによって影響される。通常、この燃え上がり長
さは、溶接終了時の溶接電圧値を適正値にすることであ
る程度のバラツキ幅に抑制することができる。しかし、
溶接ワイヤの材質、溶接姿勢、シールドガスの種類等に
よっては、そのバラツキ幅は大きくなり、その結果、溶
接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離も大きくばらつ
くことになる。このために、溶接開始時のワイヤ先端・
被溶接物間距離が短くなることも多い。
ワイヤの材質及び直径、溶接電流値、被溶接物の形状及
び溶接個所等に対応して、溶接状態が良好になるように
適正値に設定する必要がある。このために、上記のトー
チ・被溶接物間距離を短く設定する場合も多く、それに
応じてワイヤ先端・被溶接物間距離も短くなる。さら
に、溶接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離は、前回
の溶接終了時におけるアークによるワイヤ先端の燃え上
がり長さによって影響される。通常、この燃え上がり長
さは、溶接終了時の溶接電圧値を適正値にすることであ
る程度のバラツキ幅に抑制することができる。しかし、
溶接ワイヤの材質、溶接姿勢、シールドガスの種類等に
よっては、そのバラツキ幅は大きくなり、その結果、溶
接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離も大きくばらつ
くことになる。このために、溶接開始時のワイヤ先端・
被溶接物間距離が短くなることも多い。
【0020】したがって、従来技術のレーザ照射アーク
スタート制御方法では、溶接開始時のワイヤ先端・被溶
接物間距離が短い場合に発生する接触溶断アークスター
トを防止することができなかった。そこで、本発明で
は、溶接開始時時のワイヤ先端・被溶接物間距離に影響
されることなく、接触溶断アークスタートを防止して、
常に良好なアークスタートを行うことができるレーザ照
射アークスタート制御方法を提供する。
スタート制御方法では、溶接開始時のワイヤ先端・被溶
接物間距離が短い場合に発生する接触溶断アークスター
トを防止することができなかった。そこで、本発明で
は、溶接開始時時のワイヤ先端・被溶接物間距離に影響
されることなく、接触溶断アークスタートを防止して、
常に良好なアークスタートを行うことができるレーザ照
射アークスタート制御方法を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1の発明
は、図7〜8に示すように、被溶接物2上の溶接狙い位
置Wp又はその周辺部にレーザ7を照射すると共に溶接
ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力を開始し、上記
溶接ワイヤ1と上記被溶接物2との間にアーク3を発生
させるレーザ照射アークスタート制御方法において、上
記レーザ7を予め定めた先行照射時間Tpだけ照射した
後に、上記溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力
を開始することによって円滑にアーク3を発生させるレ
ーザ照射アークスタート制御方法である。
は、図7〜8に示すように、被溶接物2上の溶接狙い位
置Wp又はその周辺部にレーザ7を照射すると共に溶接
ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力を開始し、上記
溶接ワイヤ1と上記被溶接物2との間にアーク3を発生
させるレーザ照射アークスタート制御方法において、上
記レーザ7を予め定めた先行照射時間Tpだけ照射した
後に、上記溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力
を開始することによって円滑にアーク3を発生させるレ
ーザ照射アークスタート制御方法である。
【0022】出願時の請求項2の発明は、図9に示すよ
うに、被溶接物の材質、シールドガスの種類又は溶接ワ
イヤの種類の少なくとも一つ以上の設定の変更に対応し
て、出願時の請求項1に記載する先行照射時間Tpの時
間長さを変化させる出願時の請求項1のレーザ照射アー
クスタート制御方法である。
うに、被溶接物の材質、シールドガスの種類又は溶接ワ
イヤの種類の少なくとも一つ以上の設定の変更に対応し
て、出願時の請求項1に記載する先行照射時間Tpの時
間長さを変化させる出願時の請求項1のレーザ照射アー
クスタート制御方法である。
【0023】出願時の請求項3の発明は、図10〜12
に示すように、被溶接物2上の溶接狙い位置Wp又はそ
の周辺部にレーザ7を照射すると共に溶接ワイヤ1の送
給及び溶接電圧Vwの出力を開始し、上記溶接ワイヤ1
と上記被溶接物2との間にアーク3を発生させるレーザ
照射アークスタート制御方法において、上記レーザ7の
照射を停止したままで上記溶接ワイヤ1の送給及び溶接
電圧Vwの出力を開始し、この送給によって上記溶接ワ
イヤ1と上記被溶接物2とが接触すると上記溶接ワイヤ
1の送給を停止して予め定めた初期電流Isを通電する
と共に上記レーザ7の照射を開始し、このレーザ照射に
よって上記初期電流Isが通電する初期アーク3aが発
生した後に上記溶接ワイヤ1の再送給を開始すると共に
定常の溶接電流Icを通電することによって上記初期ア
ーク発生状態3aから定常のアーク発生状態3bへと円
滑に移行させるレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。
に示すように、被溶接物2上の溶接狙い位置Wp又はそ
の周辺部にレーザ7を照射すると共に溶接ワイヤ1の送
給及び溶接電圧Vwの出力を開始し、上記溶接ワイヤ1
と上記被溶接物2との間にアーク3を発生させるレーザ
照射アークスタート制御方法において、上記レーザ7の
照射を停止したままで上記溶接ワイヤ1の送給及び溶接
電圧Vwの出力を開始し、この送給によって上記溶接ワ
イヤ1と上記被溶接物2とが接触すると上記溶接ワイヤ
1の送給を停止して予め定めた初期電流Isを通電する
と共に上記レーザ7の照射を開始し、このレーザ照射に
よって上記初期電流Isが通電する初期アーク3aが発
生した後に上記溶接ワイヤ1の再送給を開始すると共に
定常の溶接電流Icを通電することによって上記初期ア
ーク発生状態3aから定常のアーク発生状態3bへと円
滑に移行させるレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。
【0024】出願時の請求項4の発明は、図13〜14
に示すように、出願時の請求項3に記載する初期アーク
3aを予め定めた初期アーク継続時間Tiの間発生させ
た後に、溶接ワイヤ1の再送給を開始すると共に定常の
溶接電流Icを通電する出願時の請求項3のレーザ照射
アークスタート制御方法である。
に示すように、出願時の請求項3に記載する初期アーク
3aを予め定めた初期アーク継続時間Tiの間発生させ
た後に、溶接ワイヤ1の再送給を開始すると共に定常の
溶接電流Icを通電する出願時の請求項3のレーザ照射
アークスタート制御方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例は、図
1(図8と同一の図)に示すように、被溶接物2上の溶
接狙い位置Wp又はその周辺部にレーザ7を照射すると
共に溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力を開始
し、上記溶接ワイヤ1と上記被溶接物2との間にアーク
3を発生させるレーザ照射アークスタート制御方法にお
いて、上記レーザ7を予め定めた同図の時刻t1〜t2
に示す先行照射時間Tpだけ照射した後に、同図(D)
に示す溶接ワイヤの送給Fc及び同図(F)に示す溶接
電圧Vwの出力を開始することによって、同図(H3)
に示すように、円滑にアーク3を発生させるレーザ照射
アークスタート制御方法である。
1(図8と同一の図)に示すように、被溶接物2上の溶
接狙い位置Wp又はその周辺部にレーザ7を照射すると
共に溶接ワイヤ1の送給及び溶接電圧Vwの出力を開始
し、上記溶接ワイヤ1と上記被溶接物2との間にアーク
3を発生させるレーザ照射アークスタート制御方法にお
いて、上記レーザ7を予め定めた同図の時刻t1〜t2
に示す先行照射時間Tpだけ照射した後に、同図(D)
に示す溶接ワイヤの送給Fc及び同図(F)に示す溶接
電圧Vwの出力を開始することによって、同図(H3)
に示すように、円滑にアーク3を発生させるレーザ照射
アークスタート制御方法である。
【0026】
【実施例】[実施例1]以下に説明する実施例1の発明
は、出願時の請求項1の発明に対応する。前述した従来
技術では、外部からの溶接開始信号Stの入力と同時
に、レーザの照射、溶接ワイヤの送給及び溶接電圧Vw
の出力を開始するが、実施例1の発明では、レーザを予
め定めた先行照射時間Tpだけ照射した後に、溶接ワイ
ヤの送給及び溶接電圧Vwの出力を開始することによっ
て円滑にアークを発生させるレーザ照射アークスタート
制御方法である。以下、図7〜8を参照して、実施例1
の発明について説明する。
は、出願時の請求項1の発明に対応する。前述した従来
技術では、外部からの溶接開始信号Stの入力と同時
に、レーザの照射、溶接ワイヤの送給及び溶接電圧Vw
の出力を開始するが、実施例1の発明では、レーザを予
め定めた先行照射時間Tpだけ照射した後に、溶接ワイ
ヤの送給及び溶接電圧Vwの出力を開始することによっ
て円滑にアークを発生させるレーザ照射アークスタート
制御方法である。以下、図7〜8を参照して、実施例1
の発明について説明する。
【0027】実施例1の発明を実施するための溶接装置
の構成は、前述した図2の構成において溶接電源装置6
を以下に説明する遅延出力溶接電源装置61に置換した
構成となる。以下、この遅延出力溶接電源装置61につ
いて説明する。図7は、上記の遅延出力溶接電源装置6
1のブロック図である。同図において、前述した図3と
同一回路ブロックには同一の符号を付し、それらの説明
は省略する。以下、点線で示す図3とは異なる回路ブロ
ックである先行照射時間タイマ回路TP、送給制御回路
FC及び出力制御回路INVについて、同図を参照して
説明する。
の構成は、前述した図2の構成において溶接電源装置6
を以下に説明する遅延出力溶接電源装置61に置換した
構成となる。以下、この遅延出力溶接電源装置61につ
いて説明する。図7は、上記の遅延出力溶接電源装置6
1のブロック図である。同図において、前述した図3と
同一回路ブロックには同一の符号を付し、それらの説明
は省略する。以下、点線で示す図3とは異なる回路ブロ
ックである先行照射時間タイマ回路TP、送給制御回路
FC及び出力制御回路INVについて、同図を参照して
説明する。
【0028】先行照射時間タイマ回路TPは、外部から
溶接開始信号Stが入力(Highレベル)されると、
その立上りを予め定めた先行照射時間Tpだけオンディ
レイした出力開始信号Onを出力する。実施例1の送給
制御回路FCは、図3の送給制御回路FCの入力信号を
溶接開始信号Stから上記の出力開始信号Onに置換し
た回路であり、上記の出力開始信号Onが入力(Hig
hレベル)されると、溶接ワイヤを予め定めた初期送給
速度Wiで送給し、前述したアーク判別信号Adが入力
(Highレベル)されると溶接ワイヤを定常の送給速
度Wsで送給するための送給制御信号Fcを出力する。
溶接開始信号Stが入力(Highレベル)されると、
その立上りを予め定めた先行照射時間Tpだけオンディ
レイした出力開始信号Onを出力する。実施例1の送給
制御回路FCは、図3の送給制御回路FCの入力信号を
溶接開始信号Stから上記の出力開始信号Onに置換し
た回路であり、上記の出力開始信号Onが入力(Hig
hレベル)されると、溶接ワイヤを予め定めた初期送給
速度Wiで送給し、前述したアーク判別信号Adが入力
(Highレベル)されると溶接ワイヤを定常の送給速
度Wsで送給するための送給制御信号Fcを出力する。
【0029】実施例1の出力制御回路INVは、図3の
出力制御回路INVの入力信号を溶接開始信号Stから
上記の出力開始信号Onに置換した回路であり、上記の
出力開始信号Onが入力(Highレベル)されると、
商用交流電源をインバータ制御、サイリスタ位相制御等
によって出力制御して、前述した電圧設定信号Vsに相
当する溶接電圧Vwを出力する。
出力制御回路INVの入力信号を溶接開始信号Stから
上記の出力開始信号Onに置換した回路であり、上記の
出力開始信号Onが入力(Highレベル)されると、
商用交流電源をインバータ制御、サイリスタ位相制御等
によって出力制御して、前述した電圧設定信号Vsに相
当する溶接電圧Vwを出力する。
【0030】図8は、上述した実施例1の溶接装置の各
信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開
始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は出力開始信
号Onの時間変化を示し、同図(C)はレーザの出力値
Pwの時間変化を示し、同図(D)は送給制御信号Fc
の時間変化を示し、同図(E)はアーク判別信号Adの
時間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化
を示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示し、
同図(H1)〜(H3)は各時刻におけるレーザ照射部
の状態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照し
て説明する。
信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開
始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は出力開始信
号Onの時間変化を示し、同図(C)はレーザの出力値
Pwの時間変化を示し、同図(D)は送給制御信号Fc
の時間変化を示し、同図(E)はアーク判別信号Adの
時間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化
を示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示し、
同図(H1)〜(H3)は各時刻におけるレーザ照射部
の状態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照し
て説明する。
【0031】 時刻t1〜t2の期間 時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接開始
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(C)に示すように、レーザの出力Pwが開始して
被溶接物へレーザが照射される。同時に、上記の溶接開
始信号Stの立上りは先行照射時間Tpだけオンディレ
イされるために、同図(B)に示すように、出力開始信
号OnはLowレベルのままである。この先行照射時間
Tpの間のレーザ7の照射によって、同図(H1)に示
すように、時刻t1からプラズマ存在空間7aが形成さ
れて、同図(H2)に示すように、時刻t2に至るまで
そのプラズマ存在空間7aは次第に拡大する。
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(C)に示すように、レーザの出力Pwが開始して
被溶接物へレーザが照射される。同時に、上記の溶接開
始信号Stの立上りは先行照射時間Tpだけオンディレ
イされるために、同図(B)に示すように、出力開始信
号OnはLowレベルのままである。この先行照射時間
Tpの間のレーザ7の照射によって、同図(H1)に示
すように、時刻t1からプラズマ存在空間7aが形成さ
れて、同図(H2)に示すように、時刻t2に至るまで
そのプラズマ存在空間7aは次第に拡大する。
【0032】 時刻t2〜t3の期間 時刻t2において、同図(B)に示すように、先行照射
時間Tpが経過すると、出力開始信号Onが出力(Hi
ghレベル)される。これに応じて、同図(D)に示す
ように、送給制御信号Fcは初期送給速度設定値Wiに
なり、溶接ワイヤは初期送給速度Wiで送給される。同
時に、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwが出力さ
れる。なお、この期間中、溶接ワイヤと被溶接物との間
は無負荷状態であるために、溶接電圧Vwの値は無負荷
電圧Vnlとなる。
時間Tpが経過すると、出力開始信号Onが出力(Hi
ghレベル)される。これに応じて、同図(D)に示す
ように、送給制御信号Fcは初期送給速度設定値Wiに
なり、溶接ワイヤは初期送給速度Wiで送給される。同
時に、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwが出力さ
れる。なお、この期間中、溶接ワイヤと被溶接物との間
は無負荷状態であるために、溶接電圧Vwの値は無負荷
電圧Vnlとなる。
【0033】 時刻t3以降の期間 時刻t1〜t3までのレーザ照射によってプラズマ存在
空間7aがワイヤ先端の周辺まで形成されており、時刻
t2に溶接電圧Vwが出力されると、その直後の時刻t
3において、同図(H3)に示すように、アーク3が発
生する。アーク3が発生すると、同図(E)に示すよう
に、アーク判別信号Adが出力(Highレベル)され
る。これに応じて、同図(D)に示すように、送給制御
信号Fcは定常の送給速度設定信号Wsになり、溶接ワ
イヤは定常の送給速度Wsで送給される。また、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vs
に相当する値となり、同図(G)に示すように、溶接電
流Iwは定常の溶接電流Icが通電する。
空間7aがワイヤ先端の周辺まで形成されており、時刻
t2に溶接電圧Vwが出力されると、その直後の時刻t
3において、同図(H3)に示すように、アーク3が発
生する。アーク3が発生すると、同図(E)に示すよう
に、アーク判別信号Adが出力(Highレベル)され
る。これに応じて、同図(D)に示すように、送給制御
信号Fcは定常の送給速度設定信号Wsになり、溶接ワ
イヤは定常の送給速度Wsで送給される。また、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vs
に相当する値となり、同図(G)に示すように、溶接電
流Iwは定常の溶接電流Icが通電する。
【0034】上述したように、実施例1の発明では、溶
接ワイヤの送給を停止したままでレーザを先行照射して
ワイヤ先端の周辺部までプラズマ存在空間を形成した後
に、溶接ワイヤの送給及び溶接電圧Vwの出力を開始す
るので、溶接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離が短
い場合でも、溶接ワイヤが被溶接物に接触することなく
円滑なアークスタートを行うことができる。上述した先
行照射時間Tpの時間長さは、適正なプラズマ存在空間
が形成される時間よりも長く、レーザ照射によって被溶
接物が変形、溶け落ち等を生じない程度に短く設定す
る。
接ワイヤの送給を停止したままでレーザを先行照射して
ワイヤ先端の周辺部までプラズマ存在空間を形成した後
に、溶接ワイヤの送給及び溶接電圧Vwの出力を開始す
るので、溶接開始時のワイヤ先端・被溶接物間距離が短
い場合でも、溶接ワイヤが被溶接物に接触することなく
円滑なアークスタートを行うことができる。上述した先
行照射時間Tpの時間長さは、適正なプラズマ存在空間
が形成される時間よりも長く、レーザ照射によって被溶
接物が変形、溶け落ち等を生じない程度に短く設定す
る。
【0035】[実施例2]以下に説明する実施例2の発
明は、出願時の請求項2の発明に対応する。実施例2の
発明は、前述した実施例1の発明において、被溶接物の
材質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類の少な
くとも一つ以上の設定の変更に対応して、実施例1で前
述した先行照射時間Tpの時間長さを変化させるレーザ
照射アークスタート制御方法である。以下、図9を参照
して、実施例2の発明について説明する。
明は、出願時の請求項2の発明に対応する。実施例2の
発明は、前述した実施例1の発明において、被溶接物の
材質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類の少な
くとも一つ以上の設定の変更に対応して、実施例1で前
述した先行照射時間Tpの時間長さを変化させるレーザ
照射アークスタート制御方法である。以下、図9を参照
して、実施例2の発明について説明する。
【0036】実施例2の発明を実施するための溶接装置
の構成は、前述した図7における先行照射時間タイマ回
路TPを以下に説明する図9の回路に置換した構成であ
り、それ以外は実施例1と同様の構成である。図9は、
実施例2の先行照射時間タイマ回路TPのブロック図で
ある。実施例2の先行照射時間タイマ回路TPは、外部
から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)される
と、その立上りを、被溶接物の材質、シールドガスの種
類又は溶接ワイヤの種類に応じて定まる先行照射時間T
pだけオンディレイした出力開始信号Onを出力する。
の構成は、前述した図7における先行照射時間タイマ回
路TPを以下に説明する図9の回路に置換した構成であ
り、それ以外は実施例1と同様の構成である。図9は、
実施例2の先行照射時間タイマ回路TPのブロック図で
ある。実施例2の先行照射時間タイマ回路TPは、外部
から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)される
と、その立上りを、被溶接物の材質、シールドガスの種
類又は溶接ワイヤの種類に応じて定まる先行照射時間T
pだけオンディレイした出力開始信号Onを出力する。
【0037】先行照射時間Tpの時間長さを被溶接物の
材質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類によっ
て変化させる理由は以下のとおりである。すなわち、こ
れらの設定の変更によってプラズマ存在空間の形成状態
が変化する。このために、常に同一のプラズマ存在空間
を形成するためには、先行照射時間Tpの時間長さを適
正値に設定する必要があるためである。
材質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類によっ
て変化させる理由は以下のとおりである。すなわち、こ
れらの設定の変更によってプラズマ存在空間の形成状態
が変化する。このために、常に同一のプラズマ存在空間
を形成するためには、先行照射時間Tpの時間長さを適
正値に設定する必要があるためである。
【0038】[実施例3]以下に説明する実施例3の発
明は、出願時の請求項3に対応する。実施例3の発明
は、レーザの照射を停止したままで溶接ワイヤの送給及
び溶接電圧Vwの出力を開始し、溶接ワイヤと被溶接物
とが接触すると溶接ワイヤの送給を停止して予め定めた
初期電流Isを通電すると共にレーザの照射を開始し、
このレーザ照射によって上記の初期電流Isが通電する
初期アークが発生した後に、溶接ワイヤの再送給を開始
すると共に定常の溶接電流Icを通電することによって
初期アーク発生状態から定常のアーク発生状態へと円滑
に移行させるレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。以下、図10〜図12を参照して、実施例3の発明
について説明する。
明は、出願時の請求項3に対応する。実施例3の発明
は、レーザの照射を停止したままで溶接ワイヤの送給及
び溶接電圧Vwの出力を開始し、溶接ワイヤと被溶接物
とが接触すると溶接ワイヤの送給を停止して予め定めた
初期電流Isを通電すると共にレーザの照射を開始し、
このレーザ照射によって上記の初期電流Isが通電する
初期アークが発生した後に、溶接ワイヤの再送給を開始
すると共に定常の溶接電流Icを通電することによって
初期アーク発生状態から定常のアーク発生状態へと円滑
に移行させるレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。以下、図10〜図12を参照して、実施例3の発明
について説明する。
【0039】図10は、実施例3の発明を実施するため
の溶接装置の構成図である。同図の構成は、前述した図
2とは、点線で示す断続送給溶接電源装置62が異な
り、かつ、溶接開始信号Stに代えてレーザ出力開始信
号Lstがレーザ発振装置9へ入力される点が異なってお
り、それ以外の構成は同様である。以下、この断続送給
溶接電源装置62について、図11〜12を参照して説
明する。
の溶接装置の構成図である。同図の構成は、前述した図
2とは、点線で示す断続送給溶接電源装置62が異な
り、かつ、溶接開始信号Stに代えてレーザ出力開始信
号Lstがレーザ発振装置9へ入力される点が異なってお
り、それ以外の構成は同様である。以下、この断続送給
溶接電源装置62について、図11〜12を参照して説
明する。
【0040】図11は、上述した断続送給溶接電源装置
62のブロック図である。同図において、前述した図7
と同一の回路ブロックには同一符号を付し、それらの説
明は省略する。以下、図7とは異なる点線で示す短絡/
アーク判別回路SA、フリップフロップ回路FF、送給
制御回路FC、初期電流設定回路IS及び出力制御回路
INVについて説明する。
62のブロック図である。同図において、前述した図7
と同一の回路ブロックには同一符号を付し、それらの説
明は省略する。以下、図7とは異なる点線で示す短絡/
アーク判別回路SA、フリップフロップ回路FF、送給
制御回路FC、初期電流設定回路IS及び出力制御回路
INVについて説明する。
【0041】短絡/アーク判別回路SAは、電圧検出信
号Vdを入力として、その電圧値によって判別して、溶
接ワイヤと被溶接物との間が接触(短絡)状態のときに
は短絡信号(Highレベル)を、両者間がアーク発生
状態又は無負荷状態のときにはアーク発生信号(Low
レベル)を、短絡/アーク判別信号Saとして出力す
る。フリップフロップ回路FFは、上記の短絡/アーク
判別信号Saが短絡信号(Highレベル)に変化する
とセット(Highレベル)され、外部からの溶接開始
信号Stの入力が終了(Lowレベル)するとリセット
(Lowレベル)されるレーザ出力開始信号Lstを出力
する。このレーザ出力開始信号Lstは、図10に示すレ
ーザ発振装置9へ出力されて、その値がHighレベル
のときはレーザが出力される。
号Vdを入力として、その電圧値によって判別して、溶
接ワイヤと被溶接物との間が接触(短絡)状態のときに
は短絡信号(Highレベル)を、両者間がアーク発生
状態又は無負荷状態のときにはアーク発生信号(Low
レベル)を、短絡/アーク判別信号Saとして出力す
る。フリップフロップ回路FFは、上記の短絡/アーク
判別信号Saが短絡信号(Highレベル)に変化する
とセット(Highレベル)され、外部からの溶接開始
信号Stの入力が終了(Lowレベル)するとリセット
(Lowレベル)されるレーザ出力開始信号Lstを出力
する。このレーザ出力開始信号Lstは、図10に示すレ
ーザ発振装置9へ出力されて、その値がHighレベル
のときはレーザが出力される。
【0042】実施例3の送給制御回路FCは、外部から
溶接開始信号Stが入力(Highレベル)されると溶
接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送給し、上記
の短絡/アーク判別Saが短絡信号(Highレベル)
に変化すると溶接ワイヤの送給を停止し、上記の短絡/
アーク判別Saがアーク発生信号(Lowレベル)に変
化すると溶接ワイヤを定常の送給速度Wsで再送給し、
溶接開始信号Stの入力が終了(Lowレベル)すると
溶接ワイヤの送給を停止するための送給制御信号Fcを
出力する。
溶接開始信号Stが入力(Highレベル)されると溶
接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送給し、上記
の短絡/アーク判別Saが短絡信号(Highレベル)
に変化すると溶接ワイヤの送給を停止し、上記の短絡/
アーク判別Saがアーク発生信号(Lowレベル)に変
化すると溶接ワイヤを定常の送給速度Wsで再送給し、
溶接開始信号Stの入力が終了(Lowレベル)すると
溶接ワイヤの送給を停止するための送給制御信号Fcを
出力する。
【0043】初期電流設定回路ISは、初期電流設定信
号Isを出力する。この初期電流設定信号Isは、接触
時は抵抗加熱によって、アーク発生時はアーク熱によっ
て、送給を停止している溶接ワイヤの先端部を溶融する
ために、数十〜数百[A]の範囲内で適正値に設定され
る。また、この初期電流設定信号Isは、溶接ワイヤの
直径及び材質、シールドガスの種類、定常の送給速度設
定信号Wsの値等に応じて、そのれぞれの適正値に設定
される。実施例3の出力制御回路INVは、溶接開始信
号Stが入力(Highレベル)されると、上記の初期
電流設定信号Isに相当する電流を通電するための定電
流特性又は垂下特性(以下、両者をまとめて略定電流特
性という)を形成して出力し、短絡/アーク判別信号S
aがアーク発生信号(Lowレベル)に変化すると電圧
設定信号Vsに相当する電圧を印加するための略定電圧
特性を形成して出力し、溶接開始信号Stの入力が終了
(Lowレベル)すると出力を停止する。
号Isを出力する。この初期電流設定信号Isは、接触
時は抵抗加熱によって、アーク発生時はアーク熱によっ
て、送給を停止している溶接ワイヤの先端部を溶融する
ために、数十〜数百[A]の範囲内で適正値に設定され
る。また、この初期電流設定信号Isは、溶接ワイヤの
直径及び材質、シールドガスの種類、定常の送給速度設
定信号Wsの値等に応じて、そのれぞれの適正値に設定
される。実施例3の出力制御回路INVは、溶接開始信
号Stが入力(Highレベル)されると、上記の初期
電流設定信号Isに相当する電流を通電するための定電
流特性又は垂下特性(以下、両者をまとめて略定電流特
性という)を形成して出力し、短絡/アーク判別信号S
aがアーク発生信号(Lowレベル)に変化すると電圧
設定信号Vsに相当する電圧を印加するための略定電圧
特性を形成して出力し、溶接開始信号Stの入力が終了
(Lowレベル)すると出力を停止する。
【0044】図12は、上述した実施例3の溶接装置の
各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接
開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は図8とは
異なりレーザ出力開始信号Lstの時間変化を示し、同図
(C)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図
(D)は送給制御信号Fcの時間変化を示し、同図
(E)は図8とは異なり短絡/アーク判別信号Saの時
間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化を
示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同
図(H1)〜(H4)は各時刻におけるレーザ照射部の
状態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照して
説明する。
各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接
開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は図8とは
異なりレーザ出力開始信号Lstの時間変化を示し、同図
(C)はレーザの出力値Pwの時間変化を示し、同図
(D)は送給制御信号Fcの時間変化を示し、同図
(E)は図8とは異なり短絡/アーク判別信号Saの時
間変化を示し、同図(F)は溶接電圧Vwの時間変化を
示し、同図(G)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同
図(H1)〜(H4)は各時刻におけるレーザ照射部の
状態及びアーク発生状態を示す。以下、同図を参照して
説明する。
【0045】 時刻t1〜t2の期間 時刻t1において、同図(A)に示すように、溶接開始
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(D)に示すように、送給制御信号Fcは初期送給
速度設定値Wiとなり、溶接ワイヤは初期送給速度Wi
で送給される。同時に、図11の説明の項で前述したよ
うに、出力制御回路INVは初期電流設定信号Isに相
当する電流を通電するための略定電流特性を形成して出
力するが、溶接ワイヤと被溶接物との間が無負荷状態で
あるために、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは
無負荷電圧Vnlとなる。この期間中は、同図(H1)に
示すように、レーザの照射は停止したままで、溶接ワイ
ヤ1が送給され、溶接電圧Vwが出力される。
信号Stが外部から入力(Highレベル)されると、
同図(D)に示すように、送給制御信号Fcは初期送給
速度設定値Wiとなり、溶接ワイヤは初期送給速度Wi
で送給される。同時に、図11の説明の項で前述したよ
うに、出力制御回路INVは初期電流設定信号Isに相
当する電流を通電するための略定電流特性を形成して出
力するが、溶接ワイヤと被溶接物との間が無負荷状態で
あるために、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは
無負荷電圧Vnlとなる。この期間中は、同図(H1)に
示すように、レーザの照射は停止したままで、溶接ワイ
ヤ1が送給され、溶接電圧Vwが出力される。
【0046】 時刻t2〜t3の期間 時刻t2において、送給によって溶接ワイヤが被溶接物
に接触すると、同図(G)に示すように、項で前述し
た略定電流特性によって初期電流Isが通電し、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwは溶接ワイヤと被溶
接物とが接触しているために数[V]程度の低い値とな
る。この溶接電圧Vwが低い値に変化すると、同図
(E)に示すように、短絡/アーク判別信号Saは短絡
信号(Highレベル)に変化する。これに応じて、同
図(B)に示すように、レーザ出力開始信号Lstがセッ
ト(Highレベル)されて、同図(C)に示すよう
に、レーザの出力Pwが開始する。同時に、上記の短絡
/アーク判別信号Saが短絡信号(Highレベル)に
変化すると、同図(D)に示すように、送給制御信号F
cは零となり、溶接ワイヤの送給は停止する。この期間
中は、同図(H2)に示すように、溶接ワイヤ1の先端
粒の一部が被溶接物2と接触している状態で、レーザ7
が照射され、初期電流Isが通電する。そして、時間経
過に伴い、レーザ照射によってプラズマ存在空間7aが
形成されると共に、初期電流Isの通電によって送給が
停止している溶接ワイヤ1の先端部が溶融して被溶接物
2から離れると、同図(H3)に示すように、初期アー
ク3aが発生する。時刻t2〜t3の期間中は、溶接ワ
イヤの送給は停止しているので、初期アーク3aの発生
時に再接触して初期アーク3aが消滅することはほとん
どない。
に接触すると、同図(G)に示すように、項で前述し
た略定電流特性によって初期電流Isが通電し、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwは溶接ワイヤと被溶
接物とが接触しているために数[V]程度の低い値とな
る。この溶接電圧Vwが低い値に変化すると、同図
(E)に示すように、短絡/アーク判別信号Saは短絡
信号(Highレベル)に変化する。これに応じて、同
図(B)に示すように、レーザ出力開始信号Lstがセッ
ト(Highレベル)されて、同図(C)に示すよう
に、レーザの出力Pwが開始する。同時に、上記の短絡
/アーク判別信号Saが短絡信号(Highレベル)に
変化すると、同図(D)に示すように、送給制御信号F
cは零となり、溶接ワイヤの送給は停止する。この期間
中は、同図(H2)に示すように、溶接ワイヤ1の先端
粒の一部が被溶接物2と接触している状態で、レーザ7
が照射され、初期電流Isが通電する。そして、時間経
過に伴い、レーザ照射によってプラズマ存在空間7aが
形成されると共に、初期電流Isの通電によって送給が
停止している溶接ワイヤ1の先端部が溶融して被溶接物
2から離れると、同図(H3)に示すように、初期アー
ク3aが発生する。時刻t2〜t3の期間中は、溶接ワ
イヤの送給は停止しているので、初期アーク3aの発生
時に再接触して初期アーク3aが消滅することはほとん
どない。
【0047】 時刻t3以降の期間 時刻t3において、初期アーク3aが発生すると、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwはアーク発生状態に
対応した数十[V]程度の値となり、この電圧値の変化
を判別して、同図(E)に示すように、短絡/アーク判
別信号Saはアーク発生信号(Lowレベル)に変化す
る。この変化に応じて、同図(D)に示すように、送給
制御信号Fcは定常の送給速度設定信号Wsとなり、溶
接ワイヤは定常の送給速度Wsで送給される。同時に、
図11の説明の項で前述したように、出力制御回路IN
Vは電圧設定信号Vsに相当する電圧を印加するための
略定電圧特性を形成して出力するので、同図(F)に示
すように、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vsに相当する
値となる。また、同図(G)に示すように、上記の定常
の送給速度Wsに対応した定常の溶接電流Icが通電す
る。
(F)に示すように、溶接電圧Vwはアーク発生状態に
対応した数十[V]程度の値となり、この電圧値の変化
を判別して、同図(E)に示すように、短絡/アーク判
別信号Saはアーク発生信号(Lowレベル)に変化す
る。この変化に応じて、同図(D)に示すように、送給
制御信号Fcは定常の送給速度設定信号Wsとなり、溶
接ワイヤは定常の送給速度Wsで送給される。同時に、
図11の説明の項で前述したように、出力制御回路IN
Vは電圧設定信号Vsに相当する電圧を印加するための
略定電圧特性を形成して出力するので、同図(F)に示
すように、溶接電圧Vwは電圧設定信号Vsに相当する
値となる。また、同図(G)に示すように、上記の定常
の送給速度Wsに対応した定常の溶接電流Icが通電す
る。
【0048】時刻t3から数百[ms]〜数[s]程度経
過した時刻において、同図(H4)に示すように、溶接
ワイヤ1が定常の送給速度Wsで送給され、定常の溶接
電流Icが通電する定常のアーク3bが発生する。
過した時刻において、同図(H4)に示すように、溶接
ワイヤ1が定常の送給速度Wsで送給され、定常の溶接
電流Icが通電する定常のアーク3bが発生する。
【0049】上述したように、実施例3の発明では、溶
接ワイヤが被溶接物に接触すると送給を停止し、レーザ
の照射及び初期電流Isの通電によって初期アークを発
生させた後に再送給を開始するので、前述した接触溶断
アークスタートを防止することができる。さらに、実施
例3の発明では、前述した実施例1及び2とは異なり、
レーザを先行照射時間Tpだけ先行照射する必要がない
ので、被溶接物が薄板である場合でもレーザの先行照射
によって溶け落ち等の溶接不良が発生しない。
接ワイヤが被溶接物に接触すると送給を停止し、レーザ
の照射及び初期電流Isの通電によって初期アークを発
生させた後に再送給を開始するので、前述した接触溶断
アークスタートを防止することができる。さらに、実施
例3の発明では、前述した実施例1及び2とは異なり、
レーザを先行照射時間Tpだけ先行照射する必要がない
ので、被溶接物が薄板である場合でもレーザの先行照射
によって溶け落ち等の溶接不良が発生しない。
【0050】[実施例4]以下に説明する実施例4の発
明は、出願時の請求項4に対応する。実施例4の発明
は、上述した実施例3の発明における初期アークを予め
定めた初期アーク継続時間Tiの間発生させた後に、溶
接ワイヤの再送給を開始すると共に、定常の溶接電流I
cを通電するレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。以下、図13〜14を参照して、実施例4の発明に
ついて説明する。
明は、出願時の請求項4に対応する。実施例4の発明
は、上述した実施例3の発明における初期アークを予め
定めた初期アーク継続時間Tiの間発生させた後に、溶
接ワイヤの再送給を開始すると共に、定常の溶接電流I
cを通電するレーザ照射アークスタート制御方法であ
る。以下、図13〜14を参照して、実施例4の発明に
ついて説明する。
【0051】実施例4の発明を実施するための溶接装置
の構成は、前述した図10において、断続送給溶接電源
装置62を図13で後述する初期アーク継続溶接電源装
置63に置換した構成となり、それ以外は同様である。
図13は、上記の初期アーク継続溶接電源装置63のブ
ロック図である。同図において、前述した図11と同一
の回路ブロックには同一符号を付し、それらの説明は省
略する。以下、図11とは異なる点線で示す初期アーク
継続時間タイマ回路TI、送給制御回路FC及び出力制
御回路INVについて説明する。
の構成は、前述した図10において、断続送給溶接電源
装置62を図13で後述する初期アーク継続溶接電源装
置63に置換した構成となり、それ以外は同様である。
図13は、上記の初期アーク継続溶接電源装置63のブ
ロック図である。同図において、前述した図11と同一
の回路ブロックには同一符号を付し、それらの説明は省
略する。以下、図11とは異なる点線で示す初期アーク
継続時間タイマ回路TI、送給制御回路FC及び出力制
御回路INVについて説明する。
【0052】初期アーク継続時間タイマ回路TIは、短
絡/アーク判別信号Saが短絡信号(Highレベル)
からアーク発生信号(Lowレベル)へと変化する時点
を、予め定めた初期アーク継続時間Tiだけオフディレ
イした初期アーク継続信号Tiを出力する。
絡/アーク判別信号Saが短絡信号(Highレベル)
からアーク発生信号(Lowレベル)へと変化する時点
を、予め定めた初期アーク継続時間Tiだけオフディレ
イした初期アーク継続信号Tiを出力する。
【0053】実施例4の送給制御回路FCは、前述した
図11における短絡/アーク判別信号Saに代えて上記
の初期アーク継続信号Tiを入力信号としており、外部
から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)される
と溶接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送給し、
上記の初期アーク継続信号TiがHighレベル(短
絡)に変化すると溶接ワイヤの送給を停止し、上記の初
期アーク継続信号TiがLowレベルに変化すると溶接
ワイヤを定常の送給速度Wsで再送給し、溶接開始信号
Stの入力が終了(Lowレベル)すると溶接ワイヤの
送給を停止するための送給制御信号Fcを出力する。
図11における短絡/アーク判別信号Saに代えて上記
の初期アーク継続信号Tiを入力信号としており、外部
から溶接開始信号Stが入力(Highレベル)される
と溶接ワイヤを予め定めた初期送給速度Wiで送給し、
上記の初期アーク継続信号TiがHighレベル(短
絡)に変化すると溶接ワイヤの送給を停止し、上記の初
期アーク継続信号TiがLowレベルに変化すると溶接
ワイヤを定常の送給速度Wsで再送給し、溶接開始信号
Stの入力が終了(Lowレベル)すると溶接ワイヤの
送給を停止するための送給制御信号Fcを出力する。
【0054】実施例4の出力制御回路INVは、前述し
た図11における短絡/アーク判別信号Saに代えて上
記の初期アーク継続信号Tiを入力信号としており、溶
接開始信号Stが入力(Highレベル)されると初期
電流設定信号Isに相当する電流を通電するための略定
電流特性を形成して出力し、上記の初期アーク継続信号
TiがLowレベルに変化すると電圧設定信号Vsに相
当する電圧を印加するための略定電圧特性を形成して出
力し、溶接開始信号Stの入力が終了(Lowレベル)
すると出力を停止する。
た図11における短絡/アーク判別信号Saに代えて上
記の初期アーク継続信号Tiを入力信号としており、溶
接開始信号Stが入力(Highレベル)されると初期
電流設定信号Isに相当する電流を通電するための略定
電流特性を形成して出力し、上記の初期アーク継続信号
TiがLowレベルに変化すると電圧設定信号Vsに相
当する電圧を印加するための略定電圧特性を形成して出
力し、溶接開始信号Stの入力が終了(Lowレベル)
すると出力を停止する。
【0055】図14は、上述した実施例4の溶接装置の
各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接
開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)はレーザ出
力開始信号Lstの時間変化を示し、同図(C)はレーザ
の出力値Pwの時間変化を示し、同図(D)は送給制御
信号Fcの時間変化を示し、同図(E)は図12とは異
なり初期アーク継続信号Tiの時間変化を示し、同図
(F)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(G)は
溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(H1)〜(H
5)は各時刻におけるレーザ照射部の状態及びアーク発
生状態を示す。同図において、時刻t1〜t3の期間の
動作は前述した図12のときと同様であるので、それら
の期間の説明は省略する。以下、図12のときとは異な
る動作となる時刻t3以降について、同図を参照して説
明する。
各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接
開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)はレーザ出
力開始信号Lstの時間変化を示し、同図(C)はレーザ
の出力値Pwの時間変化を示し、同図(D)は送給制御
信号Fcの時間変化を示し、同図(E)は図12とは異
なり初期アーク継続信号Tiの時間変化を示し、同図
(F)は溶接電圧Vwの時間変化を示し、同図(G)は
溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(H1)〜(H
5)は各時刻におけるレーザ照射部の状態及びアーク発
生状態を示す。同図において、時刻t1〜t3の期間の
動作は前述した図12のときと同様であるので、それら
の期間の説明は省略する。以下、図12のときとは異な
る動作となる時刻t3以降について、同図を参照して説
明する。
【0056】 時刻t3〜t4の期間 時刻t3において、初期アーク3aが発生すると、同図
(F)に示すように、溶接電圧Vwはアーク発生状態に
対応した数十[V]程度の値となり、この電圧値の変化
を判別して、図示しない短絡/アーク判別信号Saはア
ーク発生信号(Lowレベル)に変化する。しかし、図
13の説明の項で前述したように、この変化時点から初
期アーク継続時間Tiが経過する時刻t4までは、同図
(E)に示すように、初期アーク継続信号TiはHig
hレベルのままである。したがって、この期間中は、同
図(C)に示すように、レーザが引き続き照射され、同
図(D)に示すように、溶接ワイヤの送給は停止したま
まであり、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは初
期アークのアーク長に比例した数十[V]の値となり、
同図(G)に示すように、初期電流Isが引き続き通電
する。このように、溶接ワイヤの送給は停止したまま
で、レーザを照射して初期電流Isを通電するので、同
図(H3)に示すように、ワイヤ先端が溶融して初期ア
ーク3aが発生する。その後、同図(H4)に示すよう
に、時間の経過と共に初期アーク3aのアーク長は次第
に長くなる。
(F)に示すように、溶接電圧Vwはアーク発生状態に
対応した数十[V]程度の値となり、この電圧値の変化
を判別して、図示しない短絡/アーク判別信号Saはア
ーク発生信号(Lowレベル)に変化する。しかし、図
13の説明の項で前述したように、この変化時点から初
期アーク継続時間Tiが経過する時刻t4までは、同図
(E)に示すように、初期アーク継続信号TiはHig
hレベルのままである。したがって、この期間中は、同
図(C)に示すように、レーザが引き続き照射され、同
図(D)に示すように、溶接ワイヤの送給は停止したま
まであり、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは初
期アークのアーク長に比例した数十[V]の値となり、
同図(G)に示すように、初期電流Isが引き続き通電
する。このように、溶接ワイヤの送給は停止したまま
で、レーザを照射して初期電流Isを通電するので、同
図(H3)に示すように、ワイヤ先端が溶融して初期ア
ーク3aが発生する。その後、同図(H4)に示すよう
に、時間の経過と共に初期アーク3aのアーク長は次第
に長くなる。
【0057】 時刻t4以降の期間 時刻t4において、同図(E)に示すように、初期アー
ク継続時間Tiが経過すると、初期アーク継続信号Ti
はLowレベルに変化する。この変化に応じて、同図
(D)に示すように、送給制御信号Fcは定常の送給速
度設定信号Wsとなり、溶接ワイヤは定常の送給速度W
sで送給される。同時に、図13の説明の項で前述した
ように、出力制御回路INVは電圧設定信号Vsに相当
する電圧を印加するための略定電圧特性を形成して出力
するので、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは電
圧設定信号Vsに相当する値となる。また、同図(G)
に示すように、上記の定常の送給速度Wsに対応した定
常の溶接電流Icが通電する。
ク継続時間Tiが経過すると、初期アーク継続信号Ti
はLowレベルに変化する。この変化に応じて、同図
(D)に示すように、送給制御信号Fcは定常の送給速
度設定信号Wsとなり、溶接ワイヤは定常の送給速度W
sで送給される。同時に、図13の説明の項で前述した
ように、出力制御回路INVは電圧設定信号Vsに相当
する電圧を印加するための略定電圧特性を形成して出力
するので、同図(F)に示すように、溶接電圧Vwは電
圧設定信号Vsに相当する値となる。また、同図(G)
に示すように、上記の定常の送給速度Wsに対応した定
常の溶接電流Icが通電する。
【0058】時刻t4から数百[ms]〜数[s]程度経
過した時刻において、同図(H5)に示すように、溶接
ワイヤ1が定常の送給速度Wsで送給され、定常の溶接
電流Icが通電する定常のアーク3bが発生する。
過した時刻において、同図(H5)に示すように、溶接
ワイヤ1が定常の送給速度Wsで送給され、定常の溶接
電流Icが通電する定常のアーク3bが発生する。
【0059】上述したように、実施例4の発明では、時
刻t3〜t4の初期アーク継続時間Tiを設けることに
よって、初期アークが発生した後に十分なアーク長にな
るまで溶接ワイヤを再送給しないので、初期アークの発
生直後に再接触して初期アークが消滅することがなく、
良好なアークスタートを行うことができる。
刻t3〜t4の初期アーク継続時間Tiを設けることに
よって、初期アークが発生した後に十分なアーク長にな
るまで溶接ワイヤを再送給しないので、初期アークの発
生直後に再接触して初期アークが消滅することがなく、
良好なアークスタートを行うことができる。
【0060】[効果]図15は、本発明の効果の一例を
示すアークスタート成功率比較図である。同図の溶接条
件は以下のとおりである。溶接ワイヤには直径1.6
[mm]のアルミニウム・シリコン合金(JIS A40
43)を使用し、被溶接物には板厚2[mm]の純アルミ
ニウム板(JIS A1050)を使用し、溶接電流6
0[A]及び溶接電圧19[V]で、ミグ溶接を行った
場合である。一方、レーザにはYAGレーザを使用し、
その出力値は1[kW]で照射した場合である。試験方
法として、従来技術、実施例1及び実施例3のそれぞれ
のレーザ照射アークスタート制御方法ごとに、ワイヤ先
端・被溶接物間距離を約5[mm]に設定して100回の
アークスタートを行い、アークスタート時にスパッタが
発生しない成功率を測定した結果である。
示すアークスタート成功率比較図である。同図の溶接条
件は以下のとおりである。溶接ワイヤには直径1.6
[mm]のアルミニウム・シリコン合金(JIS A40
43)を使用し、被溶接物には板厚2[mm]の純アルミ
ニウム板(JIS A1050)を使用し、溶接電流6
0[A]及び溶接電圧19[V]で、ミグ溶接を行った
場合である。一方、レーザにはYAGレーザを使用し、
その出力値は1[kW]で照射した場合である。試験方
法として、従来技術、実施例1及び実施例3のそれぞれ
のレーザ照射アークスタート制御方法ごとに、ワイヤ先
端・被溶接物間距離を約5[mm]に設定して100回の
アークスタートを行い、アークスタート時にスパッタが
発生しない成功率を測定した結果である。
【0061】同図から明らかなように、従来技術では3
0[%]のアークスタート成功率であるのに対して、実
施例1では97[%]、実施例3では95[%]のアー
クスタート成功率であり、スパッタの発生しないアーク
スタート成功率が大幅に改善されていることが分かる。
0[%]のアークスタート成功率であるのに対して、実
施例1では97[%]、実施例3では95[%]のアー
クスタート成功率であり、スパッタの発生しないアーク
スタート成功率が大幅に改善されていることが分かる。
【0062】
【発明の効果】実施例1の発明では、溶接ワイヤの送給
を停止したままでレーザを先行照射してワイヤ先端の周
辺部までプラズマ存在空間を形成した後に、溶接ワイヤ
の送給及び溶接電圧の出力を開始するので、溶接開始時
のワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合でも、溶接ワ
イヤが被溶接物に接触することなくスパッタの発生しな
い円滑なアークスタートを行うことができる。実施例2
の発明では、レーザの先行照射時間Tpを被溶接物の材
質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類に対応し
て変化させることによって、プラズマ存在空間の形成状
態を適正化することができるので、被溶接物の材質、シ
ールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類が変更されても
常に上述した実施例1の発明の効果を有する。
を停止したままでレーザを先行照射してワイヤ先端の周
辺部までプラズマ存在空間を形成した後に、溶接ワイヤ
の送給及び溶接電圧の出力を開始するので、溶接開始時
のワイヤ先端・被溶接物間距離が短い場合でも、溶接ワ
イヤが被溶接物に接触することなくスパッタの発生しな
い円滑なアークスタートを行うことができる。実施例2
の発明では、レーザの先行照射時間Tpを被溶接物の材
質、シールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類に対応し
て変化させることによって、プラズマ存在空間の形成状
態を適正化することができるので、被溶接物の材質、シ
ールドガスの種類又は溶接ワイヤの種類が変更されても
常に上述した実施例1の発明の効果を有する。
【0063】実施例3の発明では、溶接ワイヤが被溶接
物に接触すると一旦送給を停止し、レーザの照射及び初
期電流Isの通電によって初期アークを発生させた後
に、溶接ワイヤの再送給及び定常の溶接電流Icの通電
によって定常のアークへと円滑に移行させるので、上述
した実施例1の発明と同様の効果を有する。さらに、実
施例3の発明では、レーザを先行照射する必要がないの
で、被溶接物が薄板の場合てもレーザの先行照射によっ
て溶け落ち等の溶接不良が発生しない。実施例4の発明
は、上記実施例3の発明において、初期アークを初期ア
ーク継続時間Tiの間発生させてアーク長を長くした後
に、溶接ワイヤの再送給及び定常の溶接電流Icの通電
を開始するので、初期アークの発生直後に再接触して初
期アークが消滅することがなく、常に良好なアークスタ
ートを行うことができる。
物に接触すると一旦送給を停止し、レーザの照射及び初
期電流Isの通電によって初期アークを発生させた後
に、溶接ワイヤの再送給及び定常の溶接電流Icの通電
によって定常のアークへと円滑に移行させるので、上述
した実施例1の発明と同様の効果を有する。さらに、実
施例3の発明では、レーザを先行照射する必要がないの
で、被溶接物が薄板の場合てもレーザの先行照射によっ
て溶け落ち等の溶接不良が発生しない。実施例4の発明
は、上記実施例3の発明において、初期アークを初期ア
ーク継続時間Tiの間発生させてアーク長を長くした後
に、溶接ワイヤの再送給及び定常の溶接電流Icの通電
を開始するので、初期アークの発生直後に再接触して初
期アークが消滅することがなく、常に良好なアークスタ
ートを行うことができる。
【図1】本発明の実施の形態を例示する溶接装置のタイ
ミングチャート
ミングチャート
【図2】従来技術の溶接装置の構成図
【図3】従来技術の溶接電源装置6のブロック図
【図4】従来技術のレーザ発振装置9のブロック図
【図5】従来技術の溶接装置のタイミングチャート
【図6】従来技術の解決課題を説明するタイミングチャ
ート
ート
【図7】実施例1の溶接電源装置61のブロック図
【図8】実施例1の溶接装置のタイミングチャート
【図9】実施例2の先行照射時間タイマ回路TPのブロ
ック図
ック図
【図10】実施例3の溶接装置の構成図
【図11】実施例3の溶接電源装置62のブロック図
【図12】実施例3の溶接装置のタイミングチャート
【図13】実施例4の溶接電源装置63のブロック図
【図14】実施例4の溶接装置のタイミングチャート
【図15】本発明の効果を示すアークスタート成功率比
較図
較図
1 溶接ワイヤ 2 被溶接物 3 アーク 3a 初期アーク 3b 定常のアーク 4 溶接トーチ 4a コンタクトチップ 5 ワイヤ送給装置の送給ロール 6 溶接電源装置 61 遅延出力溶接電源装置 62 断続送給溶接電源装置 63 初期アーク継続溶接電源装置 7 レーザ 7a プラズマ存在空間 8 レーザ用トーチ 9 レーザ発振装置 AD アーク判別回路 Ad アーク判別信号 FC 送給制御回路 Fc 送給制御信号 FF フリップフロップ回路 Ic 定常の溶接電流 INV 出力制御回路 Ip 短絡電流 IS 初期電流設定回路 Is 初期電流(設定信号) Iw 溶接電流 LOC レーザ出力制御回路 Lst レーザ出力開始信号 On 出力開始信号 PS 出力値設定回路 Ps 出力値設定信号 Pw レーザ出力値 SA 短絡/アーク判別回路 Sa 短絡/アーク判別信号 St 溶接開始信号 TI 初期アーク継続時間タイマ回路 Ti 初期アーク継続(時間/信号) TP 先行照射時間タイマ回路 Tp 先行照射時間 VD 電圧検出回路 Vd 電圧検出信号 Vnl 無負荷電圧 VS 電圧設定回路 Vs 電圧設定信号 Vw 溶接電圧 Wi 初期送給速度(設定値) WM ワイヤ送給モータ Wp 溶接狙い位置 WS 定常の送給速度設定回路 Ws 定常の送給速度(設定信号)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 一博 大阪府大阪市阿倍野区昭和町1丁目13番22 号 Fターム(参考) 4E082 AA01 EA02 EB01 EF30
Claims (4)
- 【請求項1】 被溶接物上の溶接狙い位置又はその周辺
部にレーザを照射すると共に溶接ワイヤの送給及び溶接
電圧の出力を開始し、前記溶接ワイヤと前記被溶接物と
の間にアークを発生させるレーザ照射アークスタート制
御方法において、 前記レーザを予め定めた先行照射時間だけ照射した後
に、前記溶接ワイヤの送給及び溶接電圧の出力を開始す
ることによって円滑にアークを発生させるレーザ照射ア
ークスタート制御方法。 - 【請求項2】 被溶接物の材質、シールドガスの種類又
は溶接ワイヤの種類の少なくとも一つ以上の設定の変更
に対応して、先行照射時間の時間長さを変化させる請求
項1のレーザ照射アークスタート制御方法。 - 【請求項3】 被溶接物上の溶接狙い位置又はその周辺
部にレーザを照射すると共に溶接ワイヤの送給及び溶接
電圧の出力を開始し、前記溶接ワイヤと前記被溶接物と
の間にアークを発生させるレーザ照射アークスタート制
御方法において、 前記レーザの照射を停止したままで前記溶接ワイヤの送
給及び溶接電圧の出力を開始し、この送給によって前記
溶接ワイヤと前記被溶接物とが接触すると前記溶接ワイ
ヤの送給を停止して予め定めた初期電流を通電すると共
に前記レーザの照射を開始し、このレーザ照射によって
前記初期電流が通電する初期アークが発生した後に前記
溶接ワイヤの再送給を開始すると共に定常の溶接電流を
通電することによって前記初期アーク発生状態から定常
のアーク発生状態へと円滑に移行させるレーザ照射アー
クスタート制御方法。 - 【請求項4】 初期アークを予め定めた初期アーク継続
時間の間発生させた後に、溶接ワイヤの再送給を開始す
ると共に定常の溶接電流を通電する請求項3のレーザ照
射アークスタート制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001047503A JP2002248571A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | レーザ照射アークスタート制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001047503A JP2002248571A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | レーザ照射アークスタート制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002248571A true JP2002248571A (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=18908918
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001047503A Pending JP2002248571A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | レーザ照射アークスタート制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002248571A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7177175B2 (en) | 2003-09-24 | 2007-02-13 | Innovative Silicon S.A. | Low power programming technique for a floating body memory transistor, memory cell, and memory array |
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-
2001
- 2001-02-23 JP JP2001047503A patent/JP2002248571A/ja active Pending
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| AU2018374566B2 (en) * | 2017-11-30 | 2024-03-07 | Acergy France SAS | Method of welding with melting and welding devices and deactivation of the melting device; corresponding welding apparatus |
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