JP2002241130A - 酸化チタン超薄膜の作製法 - Google Patents
酸化チタン超薄膜の作製法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜からの
TiO2超薄膜の作製法であり、顔料、塗料、化粧品、
またはナイロン等の樹脂や白色紙等への添加材、さらに
光触媒等の光機能性材料として有用なTiO2をナノ〜
サブナノメートルレベルに膜厚制御された超薄膜として
作製する方法である。 【解決方法】 チタン酸シートと有機アンモニウム分子
を水面上で錯形成させた後、疎水性基板をその水面を通
して下降、上昇させることにより、基板上にチタン酸−
有機層状ハイブリッド薄膜を単層あるいは多層で形成
し、それを高温で焼成することによってTiO2超薄膜
を作製する。
TiO2超薄膜の作製法であり、顔料、塗料、化粧品、
またはナイロン等の樹脂や白色紙等への添加材、さらに
光触媒等の光機能性材料として有用なTiO2をナノ〜
サブナノメートルレベルに膜厚制御された超薄膜として
作製する方法である。 【解決方法】 チタン酸シートと有機アンモニウム分子
を水面上で錯形成させた後、疎水性基板をその水面を通
して下降、上昇させることにより、基板上にチタン酸−
有機層状ハイブリッド薄膜を単層あるいは多層で形成
し、それを高温で焼成することによってTiO2超薄膜
を作製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TiO2超薄膜の
作製法に関するものである。さらに詳しくは、顔料、塗
料、化粧品、またはナイロン等の樹脂や白色紙等への添
加材、さらに光触媒等の光機能性材料として有用なTi
O2をナノ〜サブナノメートルレベルに膜厚制御された
超薄膜として作製する方法に関するものである。
作製法に関するものである。さらに詳しくは、顔料、塗
料、化粧品、またはナイロン等の樹脂や白色紙等への添
加材、さらに光触媒等の光機能性材料として有用なTi
O2をナノ〜サブナノメートルレベルに膜厚制御された
超薄膜として作製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】疎水基と親水基を持つ両親媒性の有機分
子を気水界面で配列させ、それを累積したラングミュア
−ブロジェット膜(以下LB膜)に対しては、その電子
機能性薄膜への高い応用性から、製造技術の開発研究が
世界中で行われている。この薄膜作製手法(以下LB
法)を用いると、2次元平面内と垂直方向における分子
間相互の距離および配向を制御した、極めて薄い層状分
子組織体を形成することができる。そして最近では、こ
のような有機積層膜を無機酸化物薄膜の作製プロセスに
適用する試みがLB法の新たな応用分野として注目を集
めている。その概要は、長鎖脂肪酸の金属塩から成るL
B膜を作製し、これを焼成することによって金属酸化物
の超薄膜を得るというものである。
子を気水界面で配列させ、それを累積したラングミュア
−ブロジェット膜(以下LB膜)に対しては、その電子
機能性薄膜への高い応用性から、製造技術の開発研究が
世界中で行われている。この薄膜作製手法(以下LB
法)を用いると、2次元平面内と垂直方向における分子
間相互の距離および配向を制御した、極めて薄い層状分
子組織体を形成することができる。そして最近では、こ
のような有機積層膜を無機酸化物薄膜の作製プロセスに
適用する試みがLB法の新たな応用分野として注目を集
めている。その概要は、長鎖脂肪酸の金属塩から成るL
B膜を作製し、これを焼成することによって金属酸化物
の超薄膜を得るというものである。
【0003】TiO2も類似の手法で薄膜化できること
が知られている。その手法の一つは、チタンイオン(実
際にはTiO(C2O4)2-など)と長鎖のアルキルアミ
ンで錯形成させ、そのLB累積膜を焼成するというもの
である。もう一つは、チタンアルコキシドの加水分解・
重縮合反応を気水界面で行い(2次元ゾル−ゲル反
応)、水面上にできた島状の浮遊重縮合物を圧縮してL
B累積した後、得られたゲル膜に熱処理を施すというも
のである。しかしながら、両手法により製造されるTi
O2超薄膜は、粒径分布の大きい等方性球形の微粒子か
らなっており、一部にアモルファス成分を含んでいる。
そのため、現状ではセラミックス材料としての応用性に
乏しい。
が知られている。その手法の一つは、チタンイオン(実
際にはTiO(C2O4)2-など)と長鎖のアルキルアミ
ンで錯形成させ、そのLB累積膜を焼成するというもの
である。もう一つは、チタンアルコキシドの加水分解・
重縮合反応を気水界面で行い(2次元ゾル−ゲル反
応)、水面上にできた島状の浮遊重縮合物を圧縮してL
B累積した後、得られたゲル膜に熱処理を施すというも
のである。しかしながら、両手法により製造されるTi
O2超薄膜は、粒径分布の大きい等方性球形の微粒子か
らなっており、一部にアモルファス成分を含んでいる。
そのため、現状ではセラミックス材料としての応用性に
乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のとお
りの事情を鑑みてなされており、従来のLB法を用いた
TiO2超薄膜の作製法の限界を克服するものである。
本発明の課題は、従来のものとは異なり、異方性形状の
良質な微結晶から形成されるTiO2超薄膜を作製する
方法を提供することにある。
りの事情を鑑みてなされており、従来のLB法を用いた
TiO2超薄膜の作製法の限界を克服するものである。
本発明の課題は、従来のものとは異なり、異方性形状の
良質な微結晶から形成されるTiO2超薄膜を作製する
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものとして、チタン酸−有機層状ハイブリッド
薄膜を単層あるいは多層で製造し、それを高温で焼成す
ることを特徴とするTiO2超薄膜の作製法を提供す
る。また、本発明で作製されるTiO2超薄膜は、ナノ
〜サブナノメートルレベルで膜厚制御がなされたもので
ある。
解決するものとして、チタン酸−有機層状ハイブリッド
薄膜を単層あるいは多層で製造し、それを高温で焼成す
ることを特徴とするTiO2超薄膜の作製法を提供す
る。また、本発明で作製されるTiO2超薄膜は、ナノ
〜サブナノメートルレベルで膜厚制御がなされたもので
ある。
【0006】詳しくは、厚さが1nm以下のチタン酸シ
ートと有機アンモニウム分子を水面上で錯形成させた
後、それをLB法によって基板上に累積したチタン酸−
有機層状ハイブリッド薄膜を利用することから成る作製
法をその態様としている。
ートと有機アンモニウム分子を水面上で錯形成させた
後、それをLB法によって基板上に累積したチタン酸−
有機層状ハイブリッド薄膜を利用することから成る作製
法をその態様としている。
【0007】さらに詳しく説明すると、このチタン酸−
有機層状ハイブリッド薄膜は、本出願人が先に出願した
(特願2000−295963号)結晶性酸化チタン単
分子膜をそのままの状態で種々の固体基板上に付着させ
たものである。すなわち、薄膜を構成するチタン酸シー
トは、液媒体中において層状チタン酸HXTi2-X/4O 4
・H2O(x=0.60〜0.75)の粉末結晶を厚さ
1nm以下、横幅約1μmまで剥離分散させることによ
って得られた異方性形状のコロイド粒子である。
有機層状ハイブリッド薄膜は、本出願人が先に出願した
(特願2000−295963号)結晶性酸化チタン単
分子膜をそのままの状態で種々の固体基板上に付着させ
たものである。すなわち、薄膜を構成するチタン酸シー
トは、液媒体中において層状チタン酸HXTi2-X/4O 4
・H2O(x=0.60〜0.75)の粉末結晶を厚さ
1nm以下、横幅約1μmまで剥離分散させることによ
って得られた異方性形状のコロイド粒子である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、図1に示すと
おり、チタン酸シートと有機アンモニウム分子が水面上
で形成した錯体をLB法によって基板上に累積し、得ら
れたチタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜を高温で焼成
することによってTiO2超薄膜を製造する。
おり、チタン酸シートと有機アンモニウム分子が水面上
で形成した錯体をLB法によって基板上に累積し、得ら
れたチタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜を高温で焼成
することによってTiO2超薄膜を製造する。
【0009】本発明の特徴的な点は、層状チタン酸を層
間剥離させた2次元的なチタン酸シートを、前駆物質と
なるハイブリッド薄膜の作製に利用するところにある。
このような微結晶は、シート状としての2次元の広がり
を持つという点で、従来の光機能性材料としてのTiO
2微粒子とは異なるものである。
間剥離させた2次元的なチタン酸シートを、前駆物質と
なるハイブリッド薄膜の作製に利用するところにある。
このような微結晶は、シート状としての2次元の広がり
を持つという点で、従来の光機能性材料としてのTiO
2微粒子とは異なるものである。
【0010】微結晶の製造方法としては、例えば、層状
チタン酸類に液媒体中で塩基性物質などを作用させて単
一層まで剥離するというものがある。この手法は、さま
ざまな層状チタン酸系に適用可能であるが、本発明では
レピドクロサイト型チタン酸HXTi2-X/4O4・H2O
(x=0.60〜0.75)を出発物質として用いる。
チタン酸類に液媒体中で塩基性物質などを作用させて単
一層まで剥離するというものがある。この手法は、さま
ざまな層状チタン酸系に適用可能であるが、本発明では
レピドクロサイト型チタン酸HXTi2-X/4O4・H2O
(x=0.60〜0.75)を出発物質として用いる。
【0011】図1(1)に示されるように、HXTi
2-X/4O4・H2Oを水酸化テトラブチルアンモニウム
((C4H9)4NOH)水溶液に加え激しく撹拌する
と、層状構造がその基本単位である層1枚1枚にまで剥
離し、水中に分散する。この場合には、Ti2-X/4O4 X-
(x=0.60〜0.75)のシート状微結晶(厚さ
0.75mm、横幅1μm程度)が懸濁した半透明〜乳
白色のゾルが得られる。
2-X/4O4・H2Oを水酸化テトラブチルアンモニウム
((C4H9)4NOH)水溶液に加え激しく撹拌する
と、層状構造がその基本単位である層1枚1枚にまで剥
離し、水中に分散する。この場合には、Ti2-X/4O4 X-
(x=0.60〜0.75)のシート状微結晶(厚さ
0.75mm、横幅1μm程度)が懸濁した半透明〜乳
白色のゾルが得られる。
【0012】図1(2)に示されるように、このゾルを
LB膜作製装置のトラフに満たし、それを20℃に保ち
ながら水面上に有機アンモニウムの溶液を滴下し展開す
る。有機アンモニウム分子の種類は限定されないが、好
ましくはハロゲンイオンを対イオンとした長鎖のテトラ
アルキルアンモニウムなどが試料調製の容易さや錯形成
能の高さなどの点から優れている。例えば、ジオクタデ
シルジメチルアンモニウムブロマイド((C18H37)2
(CH3)2NBr)が挙げられる。
LB膜作製装置のトラフに満たし、それを20℃に保ち
ながら水面上に有機アンモニウムの溶液を滴下し展開す
る。有機アンモニウム分子の種類は限定されないが、好
ましくはハロゲンイオンを対イオンとした長鎖のテトラ
アルキルアンモニウムなどが試料調製の容易さや錯形成
能の高さなどの点から優れている。例えば、ジオクタデ
シルジメチルアンモニウムブロマイド((C18H37)2
(CH3)2NBr)が挙げられる。
【0013】水面上に展開された有機陽イオンのアンモ
ニウム分子は、下相水内に存在する負に帯電したチタン
酸シートと錯形成し、安定な単分子膜を構築する。図1
(3)に示されるように、このチタン酸−有機アンモニ
ウムハイブリッド単分子膜を圧縮し(好ましい表面圧は
30mN m-1〜40mN m-1)、LB法によって単層
あるいは多層に累積する。表面圧(π)と分子占有面積
(A)の測定(π−Aカーブ)から、この表面圧ではチ
タン酸シートが面を水面に平行にして隙間なく配列し、
緻密な単分子膜が形成されていると考えられる。
ニウム分子は、下相水内に存在する負に帯電したチタン
酸シートと錯形成し、安定な単分子膜を構築する。図1
(3)に示されるように、このチタン酸−有機アンモニ
ウムハイブリッド単分子膜を圧縮し(好ましい表面圧は
30mN m-1〜40mN m-1)、LB法によって単層
あるいは多層に累積する。表面圧(π)と分子占有面積
(A)の測定(π−Aカーブ)から、この表面圧ではチ
タン酸シートが面を水面に平行にして隙間なく配列し、
緻密な単分子膜が形成されていると考えられる。
【0014】効率の高い累積のためには、疎水性基板を
用いるのが好ましい。例えば、トリメチルクロロシラン
などで表面を疎水化したガラスやフッ化カルシウム、シ
リコン、雲母、金属蒸着基板など、目的や用途に応じて
種々のものが用いられる。
用いるのが好ましい。例えば、トリメチルクロロシラン
などで表面を疎水化したガラスやフッ化カルシウム、シ
リコン、雲母、金属蒸着基板など、目的や用途に応じて
種々のものが用いられる。
【0015】有機アンモニウムにジオクタデシルジメチ
ルアンモニウムを用いた場合、最初の基板浸漬時には、
基板の下降時、上昇時とも定量性の高い累積(すなわち
累積比〜1のY型累積)が可能である。これによって、
チタン酸シートが向かい合った2つの有機アンモニウム
分子に挟まれた層状構造体が得られる。
ルアンモニウムを用いた場合、最初の基板浸漬時には、
基板の下降時、上昇時とも定量性の高い累積(すなわち
累積比〜1のY型累積)が可能である。これによって、
チタン酸シートが向かい合った2つの有機アンモニウム
分子に挟まれた層状構造体が得られる。
【0016】また、図1(4)に示されるように、2回
目以降の浸漬時は、基板の上昇時のみで累積が認められ
る(Z型累積)。基板浸漬の繰り返しにより、チタン酸
シートの1枚と有機アンモニウム分子が交互に積層され
た多層膜が作製可能である。
目以降の浸漬時は、基板の上昇時のみで累積が認められ
る(Z型累積)。基板浸漬の繰り返しにより、チタン酸
シートの1枚と有機アンモニウム分子が交互に積層され
た多層膜が作製可能である。
【0017】上記のチタン酸−有機層状ハイブリッド薄
膜を高温で焼成することによって、図1(5)に示され
るようなTiO2超薄膜を基板上に製造する。この前駆
物質としての固体薄膜は有機アンモニウム分子を含んで
いるので、500℃以上に加熱する必要があり、実際に
は700℃前後が好ましい。結晶相の熱力学的安定性か
ら、この場合にはアナターゼ型、それ以上の温度で加熱
するとルチル型の結晶構造を持ったTiO2が優先的に
生成すると考えられる。
膜を高温で焼成することによって、図1(5)に示され
るようなTiO2超薄膜を基板上に製造する。この前駆
物質としての固体薄膜は有機アンモニウム分子を含んで
いるので、500℃以上に加熱する必要があり、実際に
は700℃前後が好ましい。結晶相の熱力学的安定性か
ら、この場合にはアナターゼ型、それ以上の温度で加熱
するとルチル型の結晶構造を持ったTiO2が優先的に
生成すると考えられる。
【0018】焼成により得られるTiO2の源は、言う
までもなく、層状ハイブリッド薄膜を形成するチタン酸
シートである。この微結晶は組成の明確な高結晶性の層
状結晶を単一層にまで剥離するという操作によって得ら
れるので、結晶性、組成がしっかりしているうえに、厚
みはサブナノメートルで一定のものであるという特徴が
ある。
までもなく、層状ハイブリッド薄膜を形成するチタン酸
シートである。この微結晶は組成の明確な高結晶性の層
状結晶を単一層にまで剥離するという操作によって得ら
れるので、結晶性、組成がしっかりしているうえに、厚
みはサブナノメートルで一定のものであるという特徴が
ある。
【0019】この特徴を反映して、製造されるTiO2
超薄膜は、図2に見られるような紫外域に大きくシフト
した吸収スペクトルを示す。すなわち、TiO2のバン
ドギャップは、アナターゼ型、ルチル型構造で、それぞ
れ3.18eV,3.03eVであることが知られてお
り、図2より見積もられるバンドギャップ3.50eV
はそれらから0.3eV以上高エネルギーシフトしてい
る。このシフトは半導体が微細化され励起子が閉じ込め
られたことに起因する量子サイズ効果に基づく結果と考
えられる。
超薄膜は、図2に見られるような紫外域に大きくシフト
した吸収スペクトルを示す。すなわち、TiO2のバン
ドギャップは、アナターゼ型、ルチル型構造で、それぞ
れ3.18eV,3.03eVであることが知られてお
り、図2より見積もられるバンドギャップ3.50eV
はそれらから0.3eV以上高エネルギーシフトしてい
る。このシフトは半導体が微細化され励起子が閉じ込め
られたことに起因する量子サイズ効果に基づく結果と考
えられる。
【0020】すなわち、これは、TiO2超薄膜が量子
閉じ込め効果を示す微細な結晶子から成っていることを
明確に示すものである。本発明におけるTiO2超薄膜
の作製法では、上記の特徴を有するチタン酸シートを原
料として、熱処理時にそれが再凝集、結晶化する。この
点では、等方的球状の微粒子から成る従来のものとは大
きく異なった、新しいタイプの超薄膜ということができ
る。
閉じ込め効果を示す微細な結晶子から成っていることを
明確に示すものである。本発明におけるTiO2超薄膜
の作製法では、上記の特徴を有するチタン酸シートを原
料として、熱処理時にそれが再凝集、結晶化する。この
点では、等方的球状の微粒子から成る従来のものとは大
きく異なった、新しいタイプの超薄膜ということができ
る。
【0021】さらに、薄膜の吸光度から実験的に求めた
TiO2の膜厚は、ハイブリッド薄膜の累積数、すなわ
ち積層されるチタン酸シートの数に依存しており、最小
で0.8〜1.2nm単位の制御が可能であることも明
らかになっている。
TiO2の膜厚は、ハイブリッド薄膜の累積数、すなわ
ち積層されるチタン酸シートの数に依存しており、最小
で0.8〜1.2nm単位の制御が可能であることも明
らかになっている。
【0022】以下、実施例を示して、さらに詳しく本発
明の超薄膜の作製法について説明するが、これらは本発
明を限定するものではない。
明の超薄膜の作製法について説明するが、これらは本発
明を限定するものではない。
【0023】
【実施例1】HXTi2-X/4O4・H2O粉末0.4gを濃
度0.0825mol dm-3の水酸化テトラブチルア
ンモニウム((C4H9)4NOH)水溶液100ミリリ
ットルに加え激しく撹拌することによって、チタン酸シ
ートが分散したヒドロゾルを得た。これをチタン酸ベー
スで溶液1リットル当たり0.01gになるように希釈
し、LB膜作製装置のトラフに満たした。その水面上に
ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイドのクロ
ロホルム溶液(濃度1.6×10-3mol dm-3)を
0.03ミリリットル展開した後、温度を20℃に保っ
たまま単分子膜を40mN m-1に圧縮した。トリメチ
ルクロロシランで表面を疎水化した石英ガラス基板を水
面に対し垂直に浸漬させることによって、水面上のチタ
ン酸−有機アンモニウムハイブリッド単分子膜を基板上
に累積した。
度0.0825mol dm-3の水酸化テトラブチルア
ンモニウム((C4H9)4NOH)水溶液100ミリリ
ットルに加え激しく撹拌することによって、チタン酸シ
ートが分散したヒドロゾルを得た。これをチタン酸ベー
スで溶液1リットル当たり0.01gになるように希釈
し、LB膜作製装置のトラフに満たした。その水面上に
ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイドのクロ
ロホルム溶液(濃度1.6×10-3mol dm-3)を
0.03ミリリットル展開した後、温度を20℃に保っ
たまま単分子膜を40mN m-1に圧縮した。トリメチ
ルクロロシランで表面を疎水化した石英ガラス基板を水
面に対し垂直に浸漬させることによって、水面上のチタ
ン酸−有機アンモニウムハイブリッド単分子膜を基板上
に累積した。
【0024】4回の基板浸漬で得られたハイブリッド薄
膜を700℃で1時間焼成することによってTiO2超
薄膜を作製した。その薄膜の吸収スペクトルを図2に示
す。スペクトルの吸収端より見積もった試料のバンドギ
ャップは3.50eVであり、バルクTiO2(アナタ
ーゼ構造)の3.18eVから高エネルギー側に大きく
シフトした。これより、製造されたTiO2超薄膜が量
子サイズ効果を示すほど微小な結晶子から成っているこ
とを確認できた。
膜を700℃で1時間焼成することによってTiO2超
薄膜を作製した。その薄膜の吸収スペクトルを図2に示
す。スペクトルの吸収端より見積もった試料のバンドギ
ャップは3.50eVであり、バルクTiO2(アナタ
ーゼ構造)の3.18eVから高エネルギー側に大きく
シフトした。これより、製造されたTiO2超薄膜が量
子サイズ効果を示すほど微小な結晶子から成っているこ
とを確認できた。
【0025】
【実施例2】実施例1と同様な条件でTiO2超薄膜を
作製し、試料の250nmにおける吸光度から、その厚
さを見積もった。ハイブリッド薄膜作製のための基板浸
漬回数と膜厚の関係を図3に示す。これより、膜厚は浸
漬回数にほぼ比例して12nm程度まで増大することが
明らかになった。本発明の薄膜の製造方法では、チタン
酸シートの累積数を変えることで最小0.8〜1.2n
mの膜厚制御が可能であることも確認できた。
作製し、試料の250nmにおける吸光度から、その厚
さを見積もった。ハイブリッド薄膜作製のための基板浸
漬回数と膜厚の関係を図3に示す。これより、膜厚は浸
漬回数にほぼ比例して12nm程度まで増大することが
明らかになった。本発明の薄膜の製造方法では、チタン
酸シートの累積数を変えることで最小0.8〜1.2n
mの膜厚制御が可能であることも確認できた。
【0026】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、本発明によ
り、従来におけるLB法を用いたTiO2超薄膜の作製
法の限界を克服して、異方性形状の良質な微結晶から形
成された超薄膜が誘導される。このTiO2超薄膜の作
製法においては、前駆物質となるハイブリッド薄膜の累
積数を変えることで膜厚をナノ〜サブナノメートルレベ
ルに制御することが可能である。従来の技術ではこのよ
うな精密な膜厚制御は至難の技であり、TiO2の特徴
を活かしたコーティング材料を作製する新手法として期
待される。
り、従来におけるLB法を用いたTiO2超薄膜の作製
法の限界を克服して、異方性形状の良質な微結晶から形
成された超薄膜が誘導される。このTiO2超薄膜の作
製法においては、前駆物質となるハイブリッド薄膜の累
積数を変えることで膜厚をナノ〜サブナノメートルレベ
ルに制御することが可能である。従来の技術ではこのよ
うな精密な膜厚制御は至難の技であり、TiO2の特徴
を活かしたコーティング材料を作製する新手法として期
待される。
【0027】またこのものは、特に光触媒材料としての
応用が期待される。TiO2半導体は光を吸収して正孔
と伝導電子を生じ強力な酸化・還元力を発現する。最近
はクリーンエネルギー、環境浄化といった観点から、水
から水素、酸素ガスを発生させたり、有害物や悪臭の分
解さらには殺菌に利用することを目指した研究が活発に
進められている。一般に、触媒反応活性はアナターゼ構
造の方が大きいことが知られており、本発明で製造され
るTiO2超薄膜には期待が大きい。
応用が期待される。TiO2半導体は光を吸収して正孔
と伝導電子を生じ強力な酸化・還元力を発現する。最近
はクリーンエネルギー、環境浄化といった観点から、水
から水素、酸素ガスを発生させたり、有害物や悪臭の分
解さらには殺菌に利用することを目指した研究が活発に
進められている。一般に、触媒反応活性はアナターゼ構
造の方が大きいことが知られており、本発明で製造され
るTiO2超薄膜には期待が大きい。
【図1】 チタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜を利用
したTiO2超薄膜の製造プロセスを示す概念図であ
る。(1)が層状チタン酸の剥離分散したゾルの作製、
(2)がチタン酸シートと有機アンモニウム分子の錯形
成、(3)がチタン酸−有機ハイブリッド単分子膜の圧
縮、(4)がLB膜累積、(5)が焼成によるTiO2
超薄膜の形成を表す。
したTiO2超薄膜の製造プロセスを示す概念図であ
る。(1)が層状チタン酸の剥離分散したゾルの作製、
(2)がチタン酸シートと有機アンモニウム分子の錯形
成、(3)がチタン酸−有機ハイブリッド単分子膜の圧
縮、(4)がLB膜累積、(5)が焼成によるTiO2
超薄膜の形成を表す。
【図2】 4回の基板浸漬で得たチタン酸−有機層状ハ
イブリッド薄膜を700℃で1時間焼成することによっ
て作製されたTiO2超薄膜の吸収スペクトルを示す。
イブリッド薄膜を700℃で1時間焼成することによっ
て作製されたTiO2超薄膜の吸収スペクトルを示す。
【図3】 ハイブリッド薄膜作製における基板浸漬の回
数と得られたTiO2超薄膜の膜厚との関係を示す。
数と得られたTiO2超薄膜の膜厚との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 竜児 東京都文京区本郷7−3−1 東京大学大 学院工学系研究科内 (72)発明者 浅井 圭介 東京都文京区本郷7−3−1 東京大学大 学院工学系研究科内 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC01 CC03 CD02 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA37 BA48A BB04C BC50C BE17C DA05 EA07 EB15X EB15Y EC22Y EE06 FA01 FA03 FB30 FB80 FC02
Claims (4)
- 【請求項1】 膜厚をナノ〜サブナノメートルレベルで
制御できる酸化チタン(TiO2)超薄膜の作製法。 - 【請求項2】 チタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜を
単層あるいは多層で製造し、それを高温で焼成すること
を特徴とする請求項1に記載の作製法。 - 【請求項3】 チタン酸−有機層状ハイブリッド薄膜
は、サブナノメートルサイズのチタン酸シートと有機ア
ンモニウム分子を水面上で錯形成させた後、疎水性基板
をその水面を通して下降、上昇させ、その基板上に、チ
タン酸シートと有機アンモニウム分子が交互に積層した
状態の層状構造体を形成させるラングミュア−ブロジェ
ット法を利用することによって固体基板上に累積される
ことを特徴とする請求項1に記載の作製法。 - 【請求項4】 チタン酸シートは、液媒体中において層
状化合物HXTi2-X/4O4・H2O(x=0.60〜0.
75)の粉末結晶を剥離分散させることによって得られ
た異方性形状のコロイド粒子であることを特徴とする請
求項1に記載の作製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001033319A JP2002241130A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 酸化チタン超薄膜の作製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001033319A JP2002241130A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 酸化チタン超薄膜の作製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002241130A true JP2002241130A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18897086
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001033319A Pending JP2002241130A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 酸化チタン超薄膜の作製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002241130A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004089544A1 (ja) * | 2003-04-04 | 2004-10-21 | Photo-Catalytic Materials Inc. | 紫外線応答型薄膜光触媒とその応用 |
| JP2006167594A (ja) * | 2004-12-15 | 2006-06-29 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 周期的な構造を有する結晶構造体 |
| JP2011181480A (ja) * | 2010-03-04 | 2011-09-15 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | ラングミュア・ブロジェット絶縁薄膜およびその作成方法 |
-
2001
- 2001-02-09 JP JP2001033319A patent/JP2002241130A/ja active Pending
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