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JP2002192674A - 積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

積層フィルム及びその製造方法

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Publication number
JP2002192674A
JP2002192674A JP2001148147A JP2001148147A JP2002192674A JP 2002192674 A JP2002192674 A JP 2002192674A JP 2001148147 A JP2001148147 A JP 2001148147A JP 2001148147 A JP2001148147 A JP 2001148147A JP 2002192674 A JP2002192674 A JP 2002192674A
Authority
JP
Japan
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heat
film
laminated film
resistant resin
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001148147A
Other languages
English (en)
Inventor
Shotaro Tanaka
正太郎 田中
Hiroyuki Tanaka
裕之 田中
Takashi Mimura
尚 三村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001148147A priority Critical patent/JP2002192674A/ja
Publication of JP2002192674A publication Critical patent/JP2002192674A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹脂層とが高い
接着性を有する平面性が良好な積層フィルムであり、さ
らに耐熱性、耐溶剤性の良好な積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なく
とも片面に、ポリアミド酸からなり、かつそのイミド化
率が50%以上である樹脂を主成分とする耐熱樹脂層が
積層され、かつ、該耐熱樹脂層が二軸配向熱可塑性樹脂
フィルムの表面に直接接着されている層であることを特
徴とする積層フィルム、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルム及び
その製造方法に関し、とくに、耐熱性に優れた樹脂層が
接着層を介することなく熱可塑性樹脂フィルム上に直接
設けられた積層フィルムであって、工業材料、磁気材料
などに好適な積層フィルム、及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステルやポリオレフィンな
どの熱可塑性樹脂フィルムは、その優れた透明性、機械
的特性、電気的特性などから、磁気記録材料、電気絶縁
材料、コンデンサ用材料、包装材料、写真、グラフィッ
ク、感熱転写などの各種工業材料として使用されてい
る。一方、ポリイミドに代表されるフィルムは、高い耐
熱性や寸法安定性、機械的強度、不燃性などの特徴を持
っており、電子部品、フレキシブルプリント基板などに
使用されている。また、熱可塑性樹脂フィルム上に耐熱
性ポリマー層を塗布した積層体(たとえば、特開平1−
97638号公報)や、貼り合わせた積層体(たとえ
ば、特開平3−164244号公報)も知られている。
【0003】しかし、熱可塑性樹脂フィルムには熱によ
って軟化あるいは溶融し、かつ燃焼しやすいなどの熱的
欠点があり、一方、ポリイミドのような耐熱性の高い樹
脂からなるフィルムは、通常湿式製膜法によって製造さ
れるため生産性が悪く、非常に高価なフィルムとなり、
その用途が限定されていた。また、この点を補うために
両者の貼り合わせや塗布による積層体が提案されている
が、これらは接着性を向上させるために、界面に接着層
を設けたり、耐熱性樹脂層中に接着性組成物を添加し、
かつ、200℃以上の温度で接着させるなどの方法によ
るものであり、接着性が不十分であったり、耐熱性樹脂
中の他の成分の影響により本来の耐熱性樹脂の持つ機能
を阻害したり、接着層を介在させ、高温での熱にさらさ
れることにより熱可塑性樹脂フィルムの平面性が悪くな
ったりするものであった。また、熱可塑性樹脂フィルム
が結晶配向している場合には、より界面の接着性が不十
分なものとなっていた。さらに、フィルム上への塗布や
ラミネートなどの工程が入ることで塵埃が付着したり、
気泡が混入したり、長時間の高温乾燥工程が必要であっ
たりして、高度に平面性の良好なものを得ることは困難
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような欠点がなく、熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹脂
層とが高い接着性をもって積層された、平面性の良好な
積層フィルム、さらに耐熱性、耐溶剤性の良好な積層フ
ィルム、及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層フィルムは、二軸配向熱可塑性樹脂フ
ィルムの少なくとも片面に、ポリアミド酸からなり、か
つそのイミド化率が50%以上である樹脂を主成分とす
る耐熱樹脂層が積層され、かつ、該耐熱樹脂層が二軸配
向熱可塑性樹脂フィルムの表面に直接接着されている層
であることを特徴とするものからなる。
【0006】また、本発明に係る積層フィルムの製造方
法は、ポリアミド酸が溶解された溶液を熱可塑性樹脂フ
ィルムの少なくとも片面に塗布した後、少なくとも一方
向に延伸し、かつ、塗布された溶液を乾燥し、ポリアミ
ド酸のイミド化率を50%以上に高めることを特徴とす
る方法からなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明の積層フ
ィルムにおける熱可塑性樹脂フィルムとは、溶融押し出
し可能な熱可塑性樹脂から製造されたフィルムであり、
特に限定されないが、好ましくは二軸延伸により結晶配
向されたフィルムである。その具体例としては、ポリエ
ステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニルス
ルフィドなどの二軸配向フィルムであり、特にポリエス
テルフィルムが透明性、寸法安定性、機械的特性、およ
び本発明において積層する耐熱樹脂層との接着性などの
点で好ましい。
【0008】好ましいポリエステルとしては、特に限定
しないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、
ポリエチレンイソフタレートなどであって、これらの2
種以上が混合されたものであってもよい。また、これら
と他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合された
ものであってもよいが、この場合には、結晶配向が完了
したフィルムにおいて、その結晶化度が25%以上、好
ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上のもの
が好ましい。結晶化度の上限は特に限定されないが、一
般にポリエステルフィルムでは結晶化度を70%以上と
することは困難である。結晶化度が25%未満の場合に
は、寸法安定性や機械的強度が不十分となりやすい。ま
た内層と表層の2層以上の複合体フィルムであってもよ
い。例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部
に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部
に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた層を
設けた複合体フィルム、内層部が微細な気泡を含有した
層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合体フ
ィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは
内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポリ
マーであってもよい。上述したポリエステルを使用する
場合には、その極限粘度(25℃のo−クロロフェノー
ル中で測定)としては0.4〜1.2dl/gが好まし
く、0.5〜0.8dl/gであるのがより好ましい。
【0009】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
二軸配向された熱可塑性樹脂フィルムである。熱可塑性
樹脂フィルムが二軸配向していない場合には、積層フィ
ルムの寸法安定性、特に、高温、高湿下での寸法安定性
や機械的強度が不十分であったり、平面性の悪いものと
なるので好ましくない。二軸配向しているとは、例え
ば、未延伸、すなわち結晶配向が完了する前の熱可塑性
樹脂フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ2.5
〜5.0倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を
完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパタ
ーンを示すものをいう。
【0010】本発明の耐熱樹脂層中のポリアミド酸は、
特に限定されないが、耐熱特性、寸法安定性などの点か
ら、下記式(I)、(II)で表される単位構造から選
ばれるいずれか一方または両方が全単位構造中の50%
以上、好ましくは70%以上含まれるものが望ましい。
式(I)(化1)、(II)(化2)中のRとしては、
例えば下記式(III)(化3)に示すようなものが用
いられ、式(III)(化3)中のX、Yとしては、下
記式(IV)(化4)に示すようなものが用いられる
が、これらに限定されるものではない。さらに、これら
の芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素など
のハロゲン基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピ
ル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されて
いるものも含む。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】また、本発明における耐熱樹脂層中のポリ
アミド酸は、そのイミド化率が50%以上であることが
必要である。このイミド化率はアミド酸成分が脱水閉環
されている割合のことである。このイミド化率を測定す
る方法としては、特に限定されないが、例えば、耐熱樹
脂層の赤外吸収スペクトルを赤外分光光度計を用いてA
TR法によって測定し、そのとき1800cm-1から1
750cm-1に現れるイミド基の特性吸収の強度から求
める方法などを用いることができる。アミド酸成分を脱
水閉環させる方法としては、特に限定されないが、15
0℃以上の熱処理により脱水閉環させる方法が好適に用
いられる。
【0016】ポリアミド酸のイミド化率は好ましくは7
0%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さ
らに好ましくは90%以上である。このイミド化率が5
0%未満であると、耐熱性の機能が十分に発現しない。
また、ポリアミド酸のイミド化率が50%未満であると
耐熱樹脂層の耐溶剤性が低下してしまうという問題が生
じる。ここでの耐溶剤性とは溶媒に対する溶けにくさ、
浸食されにくさのことである。本発明の積層フィルムの
耐熱樹脂層の耐溶剤性が低下すると、積層フィルムの表
面に溶液を塗布するなどして加工する際に、耐熱樹脂層
が溶媒に溶解したり、浸食されたりして、積層フィルム
の耐熱機能が損なわれたり、フィルム形状が悪くなって
しまうなどの問題が生じる。特に、双極性非プロトン溶
媒は、一般に芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエーテルス
ルホン系樹脂、ポリベンズイミダゾールおよびその前駆
体、ポリベンズオキサゾールおよびその前駆体、ポリベ
ンズチアゾールおよびその前駆体等の耐熱性樹脂を溶解
しやすい溶媒であり、また、フィルムを表面加工する際
の塗布溶液の溶媒として好適に利用されていることか
ら、本発明における耐熱樹脂層は双極性非プロトン溶媒
に不溶であることが好ましい。双極性非プロトン溶媒と
してはN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド
などを例示することができる。
【0017】本発明の積層フィルムは、二軸配向熱可塑
性樹脂フィルムの少なくとも片面に、ポリアミド酸から
なり、かつそのイミド化率が50%以上である樹脂を主
成分とする耐熱樹脂層が積層され、かつ、耐熱樹脂層が
二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの表面に直接接着してい
る層であることを特徴とする積層フィルムである。ここ
で、直接接着しているとは、熱可塑性樹脂フィルム(基
材)上に耐熱樹脂層が積層された状態において、基材と
耐熱樹脂層との界面に、基材および耐熱樹脂層形成物質
以外の物質による層、いわゆる接着層が形成されること
なく接着している状態を意味するものであり、より具体
的には以下のように定義する。すなわち、積層フィルム
の耐熱樹脂層に1mm2 のクロスカットを100個入
れ、ポリエステル粘着テープをその上に貼り付け、ゴム
ローラーを用いて荷重19.6Nで3往復させて押しつ
けた後、テープを90度方向に剥離したときに、クロス
カットで100個に分割された耐熱樹脂層のうちテープ
と共に剥離されることなく残置した個数が70個以上で
ある場合に、二軸配向熱可塑性フィルムと耐熱樹脂層と
が接着していると定義する。なお、基材と耐熱樹脂層の
界面に基材と耐熱樹脂層との混在層が形成された場合に
は、より接着性が向上するので特に好ましく、その混在
層は接着層ではない。
【0018】ポリアミド酸が溶解された溶液を熱可塑性
樹脂フィルム上に塗布する際、その溶液として、全溶媒
に対する双極性非プロトン溶媒の割合が10重量%以上
である溶媒にポリアミド酸が溶解された溶液を用いるこ
とが上記混在層の形成の点から好ましく、また、上記の
特定溶媒にポリアミド酸を溶解させた溶液を結晶配向の
完了する前の熱可塑性樹脂フィルムに塗布した後、少な
くとも一方向に延伸し、かつ、塗布された溶液を乾燥
し、ポリアミド酸のイミド化率を高めることにより、イ
ミド化率が50%以上の耐熱樹脂層が形成された積層フ
ィルムを製造する方法が、上記混在層の形成の点から特
に好ましい。
【0019】双極性非プロトン溶媒は、結晶配向完了前
のポリエステル等を白化あるいは膨潤させ得るので、こ
の双極性非プロトン溶媒の割合が全溶媒に対して10重
量%以上であることが熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹脂
層との接着性を高める点において特に好ましい。全溶媒
に対する双極性非プロトン溶媒の割合は、より好ましく
は30重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%
以上である。双極性非プロトン溶媒の例としては、N−
メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどを挙げ
ることができるが、これらの中でもN−メチル−2−ピ
ロリドンが結晶配向完了前のポリエステル等を白化ある
いは膨潤させる効果に優れるため特に好ましい。
【0020】溶液中におけるポリアミド酸のイミド化率
は特に限定されないが、溶解性の点で40%以下である
ことが好ましい。イミド化率が40%より大きいと溶媒
に溶解しないなどの問題が生じる場合がある。溶液中の
ポリアミド酸のイミド化率はより好ましくは20%以下
であり、さらに好ましくは10%以下である。すなわ
ち、本発明におけるポリアミド酸は、塗布前には溶媒に
溶解し、塗布後にイミド化率を上げることによって耐溶
剤性が向上するようなものであることが好ましい。
【0021】上記混在層の形成により熱可塑性樹脂フィ
ルムと耐熱樹脂層との接着性を向上させ、かつ耐熱性、
寸法安定性、機械的特性などにも優れる積層フィルムを
得るためには、熱可塑性樹脂としてポリエステルを用い
ることが好ましく、さらにはポリエチレンテレフタレー
トを用いることがより好ましく、その中でも熱可塑性樹
脂フィルムを2層以上の複合体フィルムとして、その耐
熱樹脂層と接する層にイソフタル酸共重合ポリエチレン
テレフタレートを用いることが特に好ましい。イソフタ
ル酸共重合ポリエチレンテレフタレートは結晶配向完了
前の結晶化度が低いため双極性非プロトン溶媒により白
化あるいは膨潤されやすい。そのため、耐熱樹脂層と接
する層にイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレー
トを用いると、上記混在層が形成されやすくなり、耐熱
樹脂層との接着性を向上させることができるため好まし
い。イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートの
熱可塑性樹脂フィルム全体に対する厚みの割合は特に限
定されないが、好ましくは0.01%以上30%以下、
より好ましくは0.1%以上15%以下とすることが望
ましい。0.01%より小さいと耐熱樹脂層との接着性
の効果が得にくい。また、30%より大きくしても、接
着性の効果が上がるものではなく、イソフタル酸共重合
ポリエチレンテレフタレートの低結晶化度のため積層フ
ィルム全体の耐熱性、寸法安定性、機械的特性などが低
下する場合がある。熱可塑性樹脂フィルム中に複合する
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートのイソ
フタル酸成分の共重合率は、特に限定されないが、イソ
フタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートの全繰り返
し単位中1モル%以上30モル%以下とすることが好ま
しく、より好ましくは2モル%以上20モル%以下であ
る。1モル%より小さいと双極性非プロトン溶媒により
白化あるいは膨潤されやすくなる効果が得にくくなる。
30モル%より大きいと双極性非プロトン溶媒により白
化あるいは膨潤されやすくなる効果が大きくなりすぎ
て、熱可塑性樹脂フィルム表面が荒れてしまうため積層
フィルムの平面性が悪くなる場合がある。
【0022】本発明においては、上記の特定溶媒にポリ
アミド酸を溶解させた溶液を結晶配向の完了する前の熱
可塑性樹脂フィルムに塗布した後に、100℃以下の温
度で10秒間以上処理を行うことが好ましい。この処理
により、熱可塑性樹脂フィルムが双極性非プロトン溶媒
により白化あるいは膨潤される効果が得やすくなり、上
記混在層が形成されやすくなる。100℃以下の温度に
て10秒間経過する前に100℃より高い温度での処理
を行うと、双極性非プロトン溶媒が気化しはじめるなど
して十分に上記混在層が形成できない場合がある。
【0023】このようにして得られる積層フィルムの積
層膜と基材との接着性は、T字剥離において100g/
25mm幅以上、好ましくは200g/25mm幅以上
となるように積層されるのが好ましい。100g/25
mm幅未満では、積層膜が剥離する問題が生じ、耐熱性
を低下させる場合がある。
【0024】ポリアミド酸が溶解された溶液中には、さ
らに、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
ン、イミダゾ−ル、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
ロキシフェニル酢酸、p−フェノールスルホン酸から選
ばれる少なくとも1種の化合物が、ポリアミド酸の繰り
返し単位に対して1モル%以上含まれることが好まし
い。3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
ン、イミダゾ−ル、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
ロキシフェニル酢酸、p−フェノールスルホン酸には脱
水閉環促進効果があることから、これらの化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物が添加されていると、添
加しない場合よりも低温、短時間の熱処理でもってイミ
ド化率を上げることができるので、生産効率が良くなる
ため好ましい。その添加量は、より好ましくはポリアミ
ド酸の繰り返し単位に対して10モル%以上であり、さ
らに好ましくは50モル%以上である。添加量がポリア
ミド酸の繰り返し単位に対して1モル%未満であると低
温、短時間でイミド化率を上げる効果が十分でなくなる
ため好ましくない。添加量の上限は特に限定されない
が、ポリアミド酸の繰り返し単位に対して300モル%
以下であることが好ましい。300モル%を越えて添加
しても効果を著しく向上させるものではなく、逆に消費
量が多くなることによりコスト面から不利益となるので
好ましくない。また、上記化合物の中でも、3−ヒドロ
キシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、イミダゾ−ル
は特に脱水閉環効果に優れるため、より少ない添加量に
て、より短時間での脱水閉環が可能となるため特に好ま
しい。
【0025】本発明における耐熱樹脂層の積層フィルム
全体に対する厚みの割合は特に限定されないが、0.3
%以上30%以下であることが好ましい。より好ましく
は0.4%以上10%以下、さらに好ましくは0.5%
以上5%以下である。ここで、耐熱樹脂層の厚みとは、
両面積層の場合には両面の耐熱樹脂層の合計厚みであ
る。耐熱樹脂層の積層フィルム全体に対する厚みの割合
が0.3%より小さいと、耐熱性の効果が十分に発揮さ
れないなどの問題が生じる場合がある。耐熱樹脂層の積
層フィルム全体に対する厚みの割合が30%より大きい
と、生産性が悪化し、また原料価格が高いものになって
しまうためコストの面でも好ましくない。
【0026】本発明の耐熱樹脂層および熱可塑性樹脂フ
ィルム中には、本発明の効果が阻害されない範囲内で各
種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などが含有されていて
もよい。このような含有物として、例えば、酸化防止
剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子、顔
料、染料、帯電防止剤、核剤、難燃剤、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴ
ム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサ
ゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された
尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ
樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種
シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング
剤などを用いることができる。
【0027】これらの中でも無機の粒子、例えばシリ
カ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオ
リン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属
微粉末などを添加した場合には易滑性、耐傷性などが向
上するので好ましい。無機粒子の平均粒子径は0.00
5〜5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜1μ
m程度である。また、その添加量は、0.05〜20重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%で
ある。
【0028】本発明の耐熱樹脂層は、前記したポリアミ
ド酸からなり、かつ、その最終的なイミド化率が50%
以上である層であり、このポリアミド酸樹脂成分以外の
樹脂や有機化合物等(他成分という。)が、共重合や混
合により含有されていてもよい。しかし、その他成分が
過度に含有される場合は耐熱性、難燃性の低下などの好
ましくないことを誘発し易いので、本発明では特に限定
されないが、耐熱樹脂層中における、イミド化率50%
以上のポリアミド酸樹脂成分の含有量は70重量%以上
であることが好ましい。より好ましくは80重量%以
上、更に好ましくは90重量%以上である。
【0029】次に、本発明の積層フィルムを得る好まし
い製造方法について以下に例示するが、必ずしもこれに
限定されるものではない。
【0030】ポリアミド酸が溶解された溶液を熱塑性樹
脂フィルム表面に塗布した後、少なくとも一方向に延伸
し、かつ、塗布されたポリアミド酸のイミド化率を高め
る方法により本発明の積層フィルムを得ることが好まし
い。なかでも、熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向が完了
する前にポリアミド酸を含む溶液を塗布し、溶媒が乾燥
する前に熱可塑性樹脂フィルムと共に延伸し、その後溶
媒を蒸発揮散させて熱可塑性樹脂フィルムの結晶配向を
完了させ、耐熱樹脂層のポリアミド酸のイミド化率を上
げる方法が好適である。この場合、使用する溶媒は塗布
後であって延伸前の予熱工程、延伸工程ではその殆どが
残存し、延伸後の熱処理工程で蒸発揮散させることが好
ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルフ
ィルムの場合、予熱、延伸温度は85〜150℃であ
り、延伸後の熱処理温度は通常200〜250℃とする
ことが好適であるため、使用する溶剤は沸点が160℃
以上250℃以下のものが好ましい。このような溶剤で
かつポリアミド酸を溶解させるものとしてN−メチル−
2−ピロリドンが特に好ましい。このような方法によっ
て作製する積層フィルムの積層膜の厚みは特に限定しな
いが、フィルム片面当たり0.05〜5μm程度、好ま
しくは0.1〜3μm程度が塗工性、乾燥性の点から望
ましい。また熱可塑性樹脂フィルムの厚みは、0.5〜
500μm程度で用途により適宜選択することができ
る。
【0031】耐熱樹脂層への溶液の塗布方法は各種の塗
布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート
法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法など
を用いることができるが、特に、ダイコート法が塗液粘
度による塗布性の点で好適に用いられる。また、溶剤を
より効率よく乾燥させるために、遠赤外線による加熱を
用いてもよい。
【0032】このようにして得られた積層フィルムは、
熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹脂層とが高い接着性を有
する平面性が良好な積層フィルムであり、さらに耐熱
性、耐溶剤性の良好な積層フィルムであり、電気絶縁材
料、感熱転写材料、グラフィック材料、フレキシブルプ
リントサーキット基板用、電子部品などの各種工業材
料、磁気材料などに好適に使用することができる。
【0033】〔特性の測定方法および効果の評価方法〕
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は
次のとおりである。 (1)積層フィルム、耐熱樹脂層の厚み 積層フィルムから断面を切り出し、その断面を透過型電
子顕微鏡で観察し、耐熱樹脂層の厚みおよび積層フィル
ム全体の厚みを測定した。なお混在層がある場合は混在
層を含めた厚みを耐熱樹脂層の厚みとした。
【0034】(2)イミド化率(I) 積層フィルムの耐熱樹脂層の赤外吸収スペクトルを、日
本分光(株)社製フーリエ変換型赤外吸収分光光度計F
T/IR−5000を用いて、KRS−5の45°の結
晶をプリズムとしたATR法にて測定し、1550cm
-1から1450cm-1に現れるベンゼン環の特性吸収の
吸光度(a1)と1800cm-1から1750cm-1
現れるイミド基の特性吸収の吸光度(a2)を求めた。
このとき下記式から、a1を基準にしたa2の相対値を
求め、rとした。 r=a2/a1 続いて、この積層フィルムを250℃で120分間熱処
理し、このときにポリアミド酸のイミド化率が100%
であるとした。このフィルムにおける耐熱樹脂層の赤外
吸収スペクトルを、同様にATR法で測定し、ベンゼン
環の特性吸収の吸光度(a’1)を基準にしたイミド基
の特性吸収の吸光度(a’2)の相対値を求め、r’と
した。 r’=a’2/a’1 本発明においては、下記式から、r’を基準にしたrの
相対値を求めてイミド化率Iとした。 I(%)=100×(r/r’) なお、プリズムとしてGeの45℃の結晶を用いて測定
してもよく、この場合にもKRS−5の45°の結晶を
用いた場合とイミド化率は同じ値となる。耐熱樹脂層の
厚みがきわめて薄い場合にはGeの45℃の結晶を用い
ると好適に測定できる。また、イミド基の特性吸収は1
400cm-1から1300cm-1に現れる特性吸収を用
いてもよく、この場合も1800cm-1から1750c
-1に現れるイミド基の特性吸収を用いた場合とイミド
化率は同じ値となる。
【0035】(3)接着力−1 積層フィルムの耐熱樹脂層に1mm2のクロスカットを
100個入れ、日東電工(株)製ポリエステル粘着テー
プをその上に貼り付け、ゴムローラーを用いて荷重1
9.6Nで3往復させて押し付けた後、テープを90度
方向に剥離したときに、クロスカットで100個に分割
された耐熱樹脂層のうちテープと共に剥離されることな
く残置した個数を評価した。 ◎:100個 ○:70〜99個 ×:0〜70個 このとき、(◎)、(○)を接着していると定義した。
【0036】(4)接着力−2 積層フィルムの耐熱樹脂層面にポリウレタン(タケラッ
クA−385/タケネートA−50(重量比で6/1に
混合して使用):武田薬品工業(株)製)の酢酸エチル
溶液を乾燥後の厚みで3μm塗布し、110℃で1分間
乾燥した後、コロナ放電処理を施した50μm厚の二軸
延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、90℃で熱
ラミネートした。その後45℃で70時間熱処理を行
い、25mm幅の短冊状にサンプリングし、テンシロン
型引っ張り試験機にて100mm/分の速度でT字剥離
を行い、二軸配向熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹脂層と
の剥離応力を求めた。
【0037】(5)耐溶剤性 N−メチル−2−ピロリドンを含ませた綿棒で積層フィ
ルムの耐熱樹脂層を50回こすり、耐熱樹脂層の溶解性
を目視で観察した。 全く溶解しない :○ 少し溶解する :△ 容易に溶解する :× (○)を耐溶剤性良好とした。
【0038】(6)耐熱性 約2cmの火炎の上5cmの所に、耐熱樹脂層積層面が
火炎側になるようにして枠張りした10cm×10cm
の大きさの積層フィルムを水平に3秒間かざして耐熱試
験を行い、表面の状態を観察した。 変化無し :○ 少し変化有り :△ 大きく変化有りまたは穴が開く :× (○)を耐熱性良好とした。
【0039】(7)平面性 耐熱試験前、耐熱試験後の積層フィルムの表面の凹凸を
目視で観察し、平面性の良、不良を判断した。
【0040】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。 <耐熱樹脂層形成塗布液> (1)塗布液A 乾燥したフラスコに、秤量した4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテルをN−メチル−2−ピロリドンとともに
加え、撹拌して溶解した。次に、この溶液にピロメリッ
ト酸二無水物を4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
100molに対して100mol、反応温度が60℃
以下になるように添加した。その後、粘度が一定になっ
たところで重合の終点とし、重合を終了し、ポリアミド
酸の重合溶液を得た。積層膜の厚みに応じた所望濃度と
なるように、この溶液をN−メチル−2−ピロリドンで
適宜希釈して、さらに塗布前にm−ヒドロキシ安息香酸
をポリアミド酸の繰り返し単位に対して200モル%添
加し、これを塗布液Aとした。なお、このポリアミド酸
は、式(V)(化5)における2種の構造単位の両方が
混在したものであった。
【0041】
【化5】
【0042】(2)塗布液B 塗布前にm−ヒドロキシ安息香酸を添加しない以外は塗
布液Aと同様にして塗布液を調製し、塗布液Bとした。
【0043】(3)塗布液C 塗布前にm−ヒドロキシ安息香酸を添加せず、代わりに
4−ヒドロキシピリジンをポリアミド酸の繰り返し単位
に対して100モル%添加する以外は塗布液Aと同様に
して塗布液を調製し、塗布液Cとした。
【0044】(4)塗布液D 乾燥したフラスコに、秤量した4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、およびパラフェニレンジアミンをN−
メチル−2−ピロリドンとともに加え、撹拌して溶解し
た。加えた4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとパ
ラフェニレンジアミンはモル数で等量とした。次に、こ
の溶液に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとパ
ラフェニレンジアミンを合計したモル数と等量となるよ
うに、ピロメリット酸二無水物を添加した。このとき溶
液中の反応温度は60℃以下になるようにした。その
後、粘度が一定になったところで重合の終点とし、重合
を終了し、ポリアミド酸の重合溶液を得た。積層膜の厚
みに応じた所望濃度となるように、この溶液をN−メチ
ル−2−ピロリドンで適宜希釈して、さらに塗布前にm
−ヒドロキシ安息香酸をポリアミド酸の繰り返し単位に
対して200モル%添加し、これを塗布液Dとした。な
お、この塗布液D中のポリアミド酸は、前記した式
(V)(化5)における2種の構造単位の両方と、式
(VI)(化6)における2種の構造単位の両方とが、
式(V):式(VI)=50:50の割合で混在したも
のであった。
【0045】
【化6】
【0046】実施例1 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重
量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.0
05重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと言う。)(極限粘度:0.63dl/g)
チップを180℃で充分に真空乾燥した後、押出機に供
給し、285℃で溶融後、T字型口金よりシート状に押
し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の
鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化した。この未
延伸シートを95℃に加熱したロール群で長手方向に
3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムを得た。このフィル
ムの片面に塗布液Aをダイコート方式で最終積層厚みが
1μmになるように塗布した。塗布されたフィルムの両
端をクリップで把持しつつ100℃の予熱ゾーンに導
き、6秒間予熱した後、引き続き110℃の加熱ゾーン
で12秒間かけて幅方向に3.5倍延伸した。更に連続
的に230℃の熱処理ゾーンで1分間熱処理を施し、P
ETフィルムの結晶配向を完了させ、ポリアミド酸の脱
水閉環を行った。この積層フィルムは厚みが100μ
m、耐熱樹脂層の厚みが1μm、ポリアミド酸のイミド
化率が95%であり、接着性に優れ、耐溶剤性、耐熱
性、平面性に優れていた。
【0047】実施例2 塗布液を塗布液Bとした以外は実施例1と同様にして積
層フィルムを得た。この積層フィルムは厚みが100μ
m、耐熱樹脂層の厚みが1μm、イミド化率が68%で
あり、接着性に優れ、耐熱性、難燃性に優れていた。
【0048】実施例3、4 実施例1において耐熱樹脂層の厚みを0.3μm(実施
例3)、6μm(実施例4)とした以外は実施例1と同
様にして積層フィルムを得た。これらの積層フィルムは
いずれも接着性に優れ、耐溶剤性、耐熱性、平面性に優
れていた。
【0049】実施例5 実施例1において積層フィルムの厚みを50μm、耐熱
樹脂層の厚みを0.5μmとした以外は実施例1と同様
にして積層フィルムを得た。この積層フィルムは接着性
に優れ、耐溶剤性、耐熱性、平面性に優れていた。
【0050】実施例6 実施例1において耐熱樹脂層を片面当たり0.5μmず
つ両面に積層した以外は実施例1と同様にして積層フィ
ルムを得た。この積層フィルムは接着性に優れ、耐溶剤
性、耐熱性、平面性に優れていた。
【0051】実施例7 塗布液を塗布液Cとし、230℃の熱処理ゾーンでの熱
処理時間を20秒間とした以外は実施例1と同様にして
積層フィルムを得た。この積層フィルムは厚みが100
μm、耐熱樹脂層の厚みが1μm、ポリアミド酸のイミ
ド化率が98%であり、接着性に優れ、耐溶剤性、耐熱
性、平面性に優れていた。
【0052】実施例8 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重
量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.0
05重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと言う)(極限粘度0.63dl/g)チッ
プを180℃で充分に真空乾燥して、押し出し機に供給
し、285℃で溶融してT字型複層口金に導入した。一
方、平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.01
5重量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを
0.005重量%含有するイソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PET/Iと言う)(極限
粘度0.61dl/g、共重合率12モル%)チップを
160℃で充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給
し、285℃で溶融してT字型複層口金に導入し、PE
T層の一面に複合し、T字型複層口金よりシート状に押
し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の
鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化した。この未
延伸シートを95℃に加熱したロール群で長手方向に
3.5倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。このフィル
ムのPET/I層面に塗布液Dをダイコート方式で最終
積層厚みが1μmになるように塗布した。塗布されたフ
ィルムの両端をクリップで把持しつつ90℃の予熱ゾー
ンに導き6秒間予熱した後、引き続き95℃の加熱ゾー
ンで12秒間かけて幅方向に3.5倍延伸した。更に連
続的に230℃の熱処理ゾーンで1分間熱処理を施し、
PET、PET/I層の結晶配向を完了させ、ポリアミ
ド酸の脱水閉環を行った。この積層フィルムは厚みが1
00μm、耐熱樹脂層の厚みが1μm、PET/I層の
熱可塑性樹脂フィルム全体に対する厚みの割合が2%、
イミド化率が93%であり、接着性に優れ、耐溶剤性、
耐熱性、平面性に優れていた。
【0053】実施例9 予熱温度を100℃、延伸温度を110℃とした以外は
実施例8と同様にして積層フィルムを得た。この積層フ
ィルムは厚みが100μm、耐熱樹脂層の厚みが1μ
m、PET/I層の熱可塑性樹脂フィルム全体に対する
厚みの割合が2%、イミド化率が94%であり、接着性
に優れ、耐溶剤性、耐熱性、平面性に優れていた。
【0054】実施例10 塗布液を塗布液Dとした以外は実施例1と同様にして積
層フィルムを得た。この積層フィルムは厚みが100μ
m、耐熱樹脂層の厚みが1μm、ポリアミド酸のイミド
化率が94%であり、接着性に優れ、耐溶剤性、耐熱
性、平面性に優れていた。
【0055】比較例1 既に二軸配向されたPETフィルム(東レ(株)製“ル
ミラー”T60)の片面に塗布液Aを、最終積層厚みが
1μmとなるように塗布した後、110℃で10分間乾
燥後、230℃で1分間熱処理して積層フィルムを得
た。この積層フィルムは厚みが100μm、耐熱樹脂層
の厚みが1μm、イミド化率が83%であった。この積
層フィルムは接着力−1の試験の結果、耐熱樹脂層の残
置した個数は0個であり耐熱樹脂層は接着していなかっ
た。この積層フィルムは耐熱試験後に表面形状が変化
し、平面性が不良となった。
【0056】比較例2 ガラス板上に塗布液Aを乾燥後の膜厚みが4μmになる
ようにバーコーターで塗布して110℃で乾燥した後、
ガラス板上から乾燥フィルムを剥離し、さらにこのフィ
ルムを枠張りして230℃で1分間熱処理した(耐熱樹
脂層A)。次に、二軸配向PETフィルム(東レ(株)
製“ルミラー”T60)の片面に接着層としてバイロン
200(東洋紡(株)製ポリエステル共重合体)100
重量部にコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)を
20重量部添加したトルエン/酢酸エチル(1/1)の
混合溶媒に溶解したものを用い、乾燥後の厚みが2μm
になるように塗布した。接着層が乾燥後、ロールラミネ
ーターにて厚み4μmの耐熱樹脂層Aを重ね合わせ、1
50℃、荷重1kg/cmの線圧でラミネートした。そ
の後、80℃で24時間熱処理を行い、積層フィルムを
作成した。この積層フィルムは厚みが100μm、耐熱
樹脂層の厚みが4μmであった。接着力−1の試験の結
果、耐熱樹脂層の残置した個数は82個であった。この
積層フィルムには微少な気泡が点在し、平面性が不良で
あった。また、耐熱試験後も平面性は不良のままであっ
た。
【0057】比較例3 230℃の熱処理ゾーンでの熱処理を行わない以外は実
施例1と同様にして積層フィルムを得た。この積層フィ
ルムの耐熱樹脂層のイミド化率は23%であり、耐溶剤
性、耐熱性に劣るものであった。
【0058】比較例4 平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重
量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.0
05重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと言う)(極限粘度0.63dl/g)チッ
プを180℃で充分に真空乾燥して、押し出し機に供給
し、285℃で溶融してT字型複層口金に導入した。一
方、平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.01
5重量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを
0.005重量%含有するイソフタル酸共重合ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PET/Iと言う)(極限
粘度0.61dl/g、共重合率12モル%)チップを
160℃で充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給
し、285℃で溶融してT字型複層口金に導入し、PE
T層の一面に複合し、T字型複層口金よりシート状に押
し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の
鏡面キャストドラムに巻き付けて冷却固化した。この未
延伸シートを95℃に加熱したロール群で長手方向に
3.5倍延伸し、1軸延伸フィルムを得た。このフィル
ムの両端をクリップで把持しつつ90℃の予熱ゾーンに
導き6秒間予熱した後、引き続き95℃の加熱ゾーンで
12秒間かけて幅方向に3.5倍延伸した。更に連続的
に230℃の熱処理ゾーンで1分間熱処理を施しフィル
ムの結晶配向を完了させて、PETとPET/Iを複合
した二軸配向熱可塑性樹脂フィルム得た。この二軸配向
熱可塑性樹脂フィルム全体に対するPET/I層の厚み
の割合は2%であった。次に、得られた二軸配向熱可塑
性樹脂フィルムのPET/I層面に塗布液Dを、最終積
層厚みが1μmとなるように塗布した後、95℃で10
分間乾燥後、230℃で1分間熱処理して積層フィルム
を得た。この積層フィルムは厚みが100μm、耐熱樹
脂層の厚みが1μm、イミド化率が79%であった。こ
の積層フィルムは接着力−1の試験の結果、耐熱樹脂層
の残置した個数は0個であり耐熱樹脂層は接着していな
かった。この積層フィルムは耐熱試験後に表面形状が変
化し、平面性が不良となった。
【0059】実施例1〜10、比較例1〜4の特性評価
の結果を表1に示す。実施例1〜10は全ての項目にお
いて良好であったが、比較例1〜4はいずれかの項目で
不良な点があった。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂フィルム
と耐熱樹脂層とが高い接着性を有する平面性が良好な積
層フィルムであり、さらに耐熱性、耐溶剤性の良好な積
層フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 三村 尚 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F100 AK41A AK42 AK49B AK49C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C EH46B EH46C EH462 EJ38A EJ382 EJ86B EJ86C EJ862 GB15 JB08B JB08C JB16A JJ03B JJ03C JK06 YY00 4F210 AA24 AA40 AG01 AG03 QC06 QD08 QG01 QG15 QG18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なく
    とも片面に、ポリアミド酸からなり、かつそのイミド化
    率が50%以上である樹脂を主成分とする耐熱樹脂層が
    積層され、かつ、該耐熱樹脂層が二軸配向熱可塑性樹脂
    フィルムの表面に直接接着されている層であることを特
    徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】 耐熱樹脂層が双極性非プロトン溶媒に不
    溶であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムが二軸配
    向ポリエステルフィルムであることを特徴とする、請求
    項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹
    脂層との剥離応力が100g/25mm幅以上である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムと耐熱樹
    脂層との界面に双方の樹脂の混在層が形成されているこ
    とを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層
    フィルム。
  6. 【請求項6】 耐熱樹脂層が、ポリアミド酸が溶解され
    た溶液を熱可塑性樹脂フィルム表面に塗布し乾燥する方
    法により形成された層であることを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 ポリアミド酸が溶解された溶液を熱可塑
    性樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布した後、少なく
    とも一方向に延伸し、かつ、塗布された溶液を乾燥し、
    ポリアミド酸のイミド化率を50%以上に高めることを
    特徴とする、積層フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリアミド酸が溶解された溶液が、全溶
    媒に対する双極性非プロトン溶媒の割合が10重量%以
    上である溶媒にポリアミド酸が溶解された溶液であるこ
    とを特徴とする、請求項7に記載の積層フィルムの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 ポリアミド酸が溶解された溶液中に、さ
    らに、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジ
    ン、イミダゾ−ル、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒド
    ロキシフェニル酢酸、p−フェノールスルホン酸から選
    ばれる少なくとも1種の化合物が、ポリアミド酸の繰り
    返し単位に対して1モル%以上含まれることを特徴とす
    る、請求項7または8に記載の積層フィルムの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010119907A1 (ja) * 2009-04-14 2010-10-21 宇部興産株式会社 ポリイミドフィルム、これらの製造方法、及び金属積層ポリイミドフィルム
CN113061338A (zh) * 2021-05-08 2021-07-02 深圳先进电子材料国际创新研究院 聚酰胺酸组合物、聚酰亚胺组合物、聚酰亚胺薄膜及聚酰亚胺覆铜板

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