JP2002038281A - 耐食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材およびその製造方法 - Google Patents
耐食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温耐食性と耐エロージョン性に優れた高温
用部材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼製基材に電解ニッケルめっき処理を施
し、表面にニッケルめっき被膜を形成し、ついで溶融塩
浴中で硼化処理を施し、基材側に厚さ20〜50μmの鉄硼
化物を主とする層を、その上層として厚さ10〜30μm の
ニッケル硼化物を主とする層からなる表面処理層を形成
する。
用部材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼製基材に電解ニッケルめっき処理を施
し、表面にニッケルめっき被膜を形成し、ついで溶融塩
浴中で硼化処理を施し、基材側に厚さ20〜50μmの鉄硼
化物を主とする層を、その上層として厚さ10〜30μm の
ニッケル硼化物を主とする層からなる表面処理層を形成
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温用部材に係
り、例えば蒸気タービン翼等のように、高温腐食性雰囲
気でかつ粒子が高速で飛来する環境下で使用される高温
用部材の耐食性、高温耐エロージョン性の改善に関す
る。
り、例えば蒸気タービン翼等のように、高温腐食性雰囲
気でかつ粒子が高速で飛来する環境下で使用される高温
用部材の耐食性、高温耐エロージョン性の改善に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐摩耗性や耐エロージョン性
の向上のために、部材の表面を硬質化することが行われ
ている。表面の硬質化手段としては、例えば、高周波焼
入れ処理、浸炭処理、窒化処理など、部材の表層を改質
する方法が挙げられる。また、めっき、蒸着等により高
硬度の被膜を部材の表面に形成し、表面を硬質化する方
法もある。高硬度の被膜を形成する方法として、例え
ば、無電解ニッケルめっきがある。無電解ニッケルめっ
きの被膜は、常温で処理のままで350 Hv以上の高硬度を
有し、400 ℃で熱処理を施せば1000Hv程度の高硬度を有
するようになる。また、無電解ニッケルめっき被膜は、
耐食性にも優れており、耐食性と耐エロージョン性を兼
ね備えることが要求される使途に好適な被膜であるとい
われている。
の向上のために、部材の表面を硬質化することが行われ
ている。表面の硬質化手段としては、例えば、高周波焼
入れ処理、浸炭処理、窒化処理など、部材の表層を改質
する方法が挙げられる。また、めっき、蒸着等により高
硬度の被膜を部材の表面に形成し、表面を硬質化する方
法もある。高硬度の被膜を形成する方法として、例え
ば、無電解ニッケルめっきがある。無電解ニッケルめっ
きの被膜は、常温で処理のままで350 Hv以上の高硬度を
有し、400 ℃で熱処理を施せば1000Hv程度の高硬度を有
するようになる。また、無電解ニッケルめっき被膜は、
耐食性にも優れており、耐食性と耐エロージョン性を兼
ね備えることが要求される使途に好適な被膜であるとい
われている。
【0003】しかし、無電解ニッケルめっき被膜は、40
0 ℃程度までの温度域であれば、それなりの硬さは維持
できるが、それ以上の温度、例えば500 ℃以上の温度域
では、硬さの低下が著しくなり、耐エロージョン性が著
しく低下するという問題がある。
0 ℃程度までの温度域であれば、それなりの硬さは維持
できるが、それ以上の温度、例えば500 ℃以上の温度域
では、硬さの低下が著しくなり、耐エロージョン性が著
しく低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題を解決し、耐食性と高温耐エロージョン性
に優れた高温用部材およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
来技術の問題を解決し、耐食性と高温耐エロージョン性
に優れた高温用部材およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、高温用部材に好適な耐食性と高温
での耐エロージョン性を兼ね備えた表面硬化層につい
て、その形成方法を含め鋭意研究した。その結果、部材
に電解ニッケルめっき被膜を形成し、しかるのちに該部
材を溶融塩浴中に浸漬する硼化処理を施すことにより、
ニッケル硼化物を主とする層を外層とし、鉄硼化物をそ
の内層とする表面処理層を、複雑な形状でも各部位均一
に形成でき、耐食性と高温耐エロージョン性に優れた部
材とすることができることを見いだした。本発明者らの
検討によれば、ニッケル硼化物を上層とし、鉄硼化物を
下層とする2層構造としてはじめて、高温での耐エロー
ジョン性を顕著に向上させるとともに、耐食性をも具備
できるのである。
課題を達成するため、高温用部材に好適な耐食性と高温
での耐エロージョン性を兼ね備えた表面硬化層につい
て、その形成方法を含め鋭意研究した。その結果、部材
に電解ニッケルめっき被膜を形成し、しかるのちに該部
材を溶融塩浴中に浸漬する硼化処理を施すことにより、
ニッケル硼化物を主とする層を外層とし、鉄硼化物をそ
の内層とする表面処理層を、複雑な形状でも各部位均一
に形成でき、耐食性と高温耐エロージョン性に優れた部
材とすることができることを見いだした。本発明者らの
検討によれば、ニッケル硼化物を上層とし、鉄硼化物を
下層とする2層構造としてはじめて、高温での耐エロー
ジョン性を顕著に向上させるとともに、耐食性をも具備
できるのである。
【0006】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討をくわえて完成されたものである。すなわち、本
発明は、鋼製基材の表層に表面処理層を有する高温用部
材であって、前記表面処理層が、基材側から順に鉄硼化
物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層とから
なることを特徴とする耐食性および高温耐エロージョン
性に優れた高温用部材であり、また、本発明では、前記
鉄硼化物を主とする層が厚さ20〜50μm であり、前記ニ
ッケル硼化物を主とする層が厚さ10〜30μm であること
が好ましく、また、本発明では、前記鉄硼化物が、FeB
、Fe2B、Fe23B6のうちの1種または2種以上からな
り、前記ニッケル硼化物が、Ni2B、Ni3Bのうちの1種ま
たは2種からなることが好ましい。
に検討をくわえて完成されたものである。すなわち、本
発明は、鋼製基材の表層に表面処理層を有する高温用部
材であって、前記表面処理層が、基材側から順に鉄硼化
物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層とから
なることを特徴とする耐食性および高温耐エロージョン
性に優れた高温用部材であり、また、本発明では、前記
鉄硼化物を主とする層が厚さ20〜50μm であり、前記ニ
ッケル硼化物を主とする層が厚さ10〜30μm であること
が好ましく、また、本発明では、前記鉄硼化物が、FeB
、Fe2B、Fe23B6のうちの1種または2種以上からな
り、前記ニッケル硼化物が、Ni2B、Ni3Bのうちの1種ま
たは2種からなることが好ましい。
【0007】また、第2の本発明では、鋼製基材に電解
ニッケルめっき処理を施し、表面にニッケルめっき被膜
を形成したのち、該鋼製基材に硼化処理を施し、前記鋼
製基材表層に表面処理層を形成することを特徴とする耐
食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材の
製造方法であり、また、第2の本発明では、前記表面処
理層が、鋼製基材側から順に鉄硼化物を主とする層と、
ニッケル硼化物を主とする層とからなることが好まし
く、また、第2の本発明では、前記硼化処理が、前記鋼
製基材を無水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に
浸漬して行う処理であることが好ましい。
ニッケルめっき処理を施し、表面にニッケルめっき被膜
を形成したのち、該鋼製基材に硼化処理を施し、前記鋼
製基材表層に表面処理層を形成することを特徴とする耐
食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材の
製造方法であり、また、第2の本発明では、前記表面処
理層が、鋼製基材側から順に鉄硼化物を主とする層と、
ニッケル硼化物を主とする層とからなることが好まし
く、また、第2の本発明では、前記硼化処理が、前記鋼
製基材を無水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に
浸漬して行う処理であることが好ましい。
【0008】また、第2の本発明では、前記硼化処理後
に、溶体化処理を施すことが好ましい。
に、溶体化処理を施すことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の高温用部材は、耐食性、
高温耐エロージョン性を要求される環境下での使途に好
適な部材である。本発明でいう耐食性、高温耐エロージ
ョン性を要求される環境とは、例えば、蒸気タービン翼
におけるような、ボイラーチューブの内壁から発生した
微細粒子(酸化鉄、硬さ500Hv 程度)が高速で高温蒸気
(温度:600 ℃程度)とともに飛来するような環境をい
うものとする。
高温耐エロージョン性を要求される環境下での使途に好
適な部材である。本発明でいう耐食性、高温耐エロージ
ョン性を要求される環境とは、例えば、蒸気タービン翼
におけるような、ボイラーチューブの内壁から発生した
微細粒子(酸化鉄、硬さ500Hv 程度)が高速で高温蒸気
(温度:600 ℃程度)とともに飛来するような環境をい
うものとする。
【0010】本発明の高温用部材で使用する鋼製基材に
ついては、とくに限定する必要はないが、高温使用が可
能で、耐食性、耐酸化性に優れた鋼材を用いるのが好ま
しい。本発明では、耐エロージョン性を向上させるため
に表層に硬質な表面処理層を有する。表面処理層は、常
温に加えて高温(好ましくは600 ℃以上の温度域)にお
いても高硬度を有するものであり、基材側から順に鉄硼
化物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層とす
る。このように、ニッケル硼化物を主とする層を上層と
することにより、ニッケル硼化物の存在により耐食性、
とくに水蒸気を含む環境下での耐食性が向上し、さらに
高温域でも比較的高硬度を維持し、耐エロージョン性が
向上する。
ついては、とくに限定する必要はないが、高温使用が可
能で、耐食性、耐酸化性に優れた鋼材を用いるのが好ま
しい。本発明では、耐エロージョン性を向上させるため
に表層に硬質な表面処理層を有する。表面処理層は、常
温に加えて高温(好ましくは600 ℃以上の温度域)にお
いても高硬度を有するものであり、基材側から順に鉄硼
化物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層とす
る。このように、ニッケル硼化物を主とする層を上層と
することにより、ニッケル硼化物の存在により耐食性、
とくに水蒸気を含む環境下での耐食性が向上し、さらに
高温域でも比較的高硬度を維持し、耐エロージョン性が
向上する。
【0011】また、鉄硼化物を主とする層を下層とする
ことにより、高温域の温度まで高硬度をニッケル硼化物
以上に維持できる鉄硼化物の存在により、部材の表面硬
さが高温まで維持でき、耐エロージョン性が向上すると
ともに、たとえニッケル硼化物を主とする層が摩耗・損
耗しても、下層でニッケル硼化物以上の高硬度を有する
鉄硼化物を主とする層の存在により耐エロージョン性が
低下することはなく、部材の長寿命化が図れる。
ことにより、高温域の温度まで高硬度をニッケル硼化物
以上に維持できる鉄硼化物の存在により、部材の表面硬
さが高温まで維持でき、耐エロージョン性が向上すると
ともに、たとえニッケル硼化物を主とする層が摩耗・損
耗しても、下層でニッケル硼化物以上の高硬度を有する
鉄硼化物を主とする層の存在により耐エロージョン性が
低下することはなく、部材の長寿命化が図れる。
【0012】本発明でいう鉄硼化物を主とする層とは、
好ましくはFeB 、Fe2B、Fe23B6のうちの1種または2種
以上からなる鉄硼化物を面積率で50%以上含む層をい
う。また、本発明でいうニッケル硼化物を主とする層と
は、好ましくはNi2B、Ni3Bのうちの1種または2種から
なるニッケル硼化物を面積率で50%以上含む層をいう。
好ましくはFeB 、Fe2B、Fe23B6のうちの1種または2種
以上からなる鉄硼化物を面積率で50%以上含む層をい
う。また、本発明でいうニッケル硼化物を主とする層と
は、好ましくはNi2B、Ni3Bのうちの1種または2種から
なるニッケル硼化物を面積率で50%以上含む層をいう。
【0013】鉄硼化物を主とする層は、20〜50μm の範
囲の厚さに調整するのが好ましい。厚さが20μm 未満で
は、高硬度の領域が狭すぎて部材の耐エロージョン性が
低下する。一方、厚さが50μm を超えると、処理時間が
長くなるため生産性が低下する。このため、鉄硼化物を
主とする層の厚さは、20〜50μm の範囲とするのが好ま
しい。
囲の厚さに調整するのが好ましい。厚さが20μm 未満で
は、高硬度の領域が狭すぎて部材の耐エロージョン性が
低下する。一方、厚さが50μm を超えると、処理時間が
長くなるため生産性が低下する。このため、鉄硼化物を
主とする層の厚さは、20〜50μm の範囲とするのが好ま
しい。
【0014】また、ニッケル硼化物を主とする層は、10
〜30μm の範囲の厚さに調整するのが好ましい。厚さが
10μm 未満では、層厚が薄すぎてニッケル硼化物による
耐食性の改善が少なく、一方、厚さが30μm を超える
と、下層の膜厚コントロールが困難となる。つぎに、本
発明の高温用部材の製造方法について説明する。
〜30μm の範囲の厚さに調整するのが好ましい。厚さが
10μm 未満では、層厚が薄すぎてニッケル硼化物による
耐食性の改善が少なく、一方、厚さが30μm を超える
と、下層の膜厚コントロールが困難となる。つぎに、本
発明の高温用部材の製造方法について説明する。
【0015】まず、上記した材質の鋼製基材に電解ニッ
ケルめっき処理を施す。電解ニッケルめっき処理として
は、通常公知の電解ニッケルめっきがいずれも好適であ
る。形成するニッケルめっき被膜の厚さは、10〜30μm
とするのが好ましい。被膜の厚さがこの範囲を外れる
と、所定範囲の厚さのニッケル硼化物を主とする層が形
成できない。
ケルめっき処理を施す。電解ニッケルめっき処理として
は、通常公知の電解ニッケルめっきがいずれも好適であ
る。形成するニッケルめっき被膜の厚さは、10〜30μm
とするのが好ましい。被膜の厚さがこの範囲を外れる
と、所定範囲の厚さのニッケル硼化物を主とする層が形
成できない。
【0016】このニッケルめっき被膜は、その後の硼化
処理により導入されるBと結合してニッケル硼化物を生
成し、耐食性、高温の耐エロージョン性を向上させる。
表面にニッケルめっき被膜を形成された鋼製基材は、つ
いで硼化処理を施される。硼化処理は、鋼製基材を、無
水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に浸漬して行
う処理とするのが好ましい。溶融塩浴中に浸漬して行う
処理とすることにより、複雑な形状、たとえば、表面が
直接開放されていない、いわゆるクローズな部位まで均
一にニッケル硼化物、鉄硼化物を主とする層を容易に形
成することができる。
処理により導入されるBと結合してニッケル硼化物を生
成し、耐食性、高温の耐エロージョン性を向上させる。
表面にニッケルめっき被膜を形成された鋼製基材は、つ
いで硼化処理を施される。硼化処理は、鋼製基材を、無
水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に浸漬して行
う処理とするのが好ましい。溶融塩浴中に浸漬して行う
処理とすることにより、複雑な形状、たとえば、表面が
直接開放されていない、いわゆるクローズな部位まで均
一にニッケル硼化物、鉄硼化物を主とする層を容易に形
成することができる。
【0017】この処理により、表面から硼素Bが、ニッ
ケルめっき被膜、および鋼製基材中に拡散する。そし
て、ニッケルめっき被膜中ではニッケル硼化物を、鋼製
基材中では鉄硼化物を形成し、上層としてニッケル硼化
物を主とする層、および下層として鉄硼化物を主とする
層を形成する。これにより、高温においても高硬度で耐
食性を有する表面処理層を形成でき、高温の耐食性およ
び耐エロージョン性が向上する。
ケルめっき被膜、および鋼製基材中に拡散する。そし
て、ニッケルめっき被膜中ではニッケル硼化物を、鋼製
基材中では鉄硼化物を形成し、上層としてニッケル硼化
物を主とする層、および下層として鉄硼化物を主とする
層を形成する。これにより、高温においても高硬度で耐
食性を有する表面処理層を形成でき、高温の耐食性およ
び耐エロージョン性が向上する。
【0018】なお、硼化処理は、鉄硼化物を主とする層
が20μm 以上、50μm 以下形成される条件とするのが好
ましい。鉄硼化物を主とする層の厚さが20μm 未満で
は、耐エロージョン性が低下し、一方、50μm を超えて
厚くなると、処理時間が長くなり、生産性が低下する。
鋼製基材表層に表面処理層を形成したのち、所望の基材
特性を保持するために、基材組成に応じ、溶体化処理を
施すことが好ましい。
が20μm 以上、50μm 以下形成される条件とするのが好
ましい。鉄硼化物を主とする層の厚さが20μm 未満で
は、耐エロージョン性が低下し、一方、50μm を超えて
厚くなると、処理時間が長くなり、生産性が低下する。
鋼製基材表層に表面処理層を形成したのち、所望の基材
特性を保持するために、基材組成に応じ、溶体化処理を
施すことが好ましい。
【0019】
【実施例】鋼製基材(寸法:50×50×6mm)に電解ニッ
ケルめっき処理を施し、表面に5〜30μm 厚の電解ニッ
ケルめっき被膜を形成した。ついで、これら鋼製基材に
無水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に浸漬する
硼化処理を施し、所定の厚さを有する表面処理層を形成
した。その後、溶体化処理を実施し、表面処理層を有す
る高温用部材とした。なお、比較例として、上記したと
同じ鋼製基材に無電解ニッケルめっき被膜を50μm 形成
した部材を作製した。
ケルめっき処理を施し、表面に5〜30μm 厚の電解ニッ
ケルめっき被膜を形成した。ついで、これら鋼製基材に
無水硼砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に浸漬する
硼化処理を施し、所定の厚さを有する表面処理層を形成
した。その後、溶体化処理を実施し、表面処理層を有す
る高温用部材とした。なお、比較例として、上記したと
同じ鋼製基材に無電解ニッケルめっき被膜を50μm 形成
した部材を作製した。
【0020】得られた部材について表面処理層の組織、
厚さを調査し、さらに耐食性および耐エロージョン性を
調査した。 (1)組織調査 得られた部材の板厚方向断面を研摩し、組織を光学顕微
鏡で撮像し、得られた写真から表面処理層各層の厚さを
測定した。また、得られた高温用部材の断面について、
X線回折により表面処理層各層を構成する相を同定し
た。
厚さを調査し、さらに耐食性および耐エロージョン性を
調査した。 (1)組織調査 得られた部材の板厚方向断面を研摩し、組織を光学顕微
鏡で撮像し、得られた写真から表面処理層各層の厚さを
測定した。また、得られた高温用部材の断面について、
X線回折により表面処理層各層を構成する相を同定し
た。
【0021】(2)耐食性、耐エロージョン性の調査 得られた高温用部材について、JIS Z 2371の規定に準拠
して、塩水噴霧試験を実施した。塩水噴霧の条件は、常
温で2hとし、試験後の腐食減量を求めた。耐食性は、
無電解ニッケルめっき被膜を形成した比較例(部材No.
8)の腐食減量を1.0 として、これに対する比で評価し
た。
して、塩水噴霧試験を実施した。塩水噴霧の条件は、常
温で2hとし、試験後の腐食減量を求めた。耐食性は、
無電解ニッケルめっき被膜を形成した比較例(部材No.
8)の腐食減量を1.0 として、これに対する比で評価し
た。
【0022】また、得られた高温用部材を500 ℃に加熱
したのち、常温中で、微細粒子(鉄酸化物)を速度:40
m/s で5min 間投射したのち、摩耗・損耗減量を測定し
た。耐エロージョン性は、無電解ニッケルめっき被膜を
形成した比較例(部材No.8)の摩耗損耗減量を1.0 とし
て、これに対する比で評価した。これらの結果を表1に
示す。
したのち、常温中で、微細粒子(鉄酸化物)を速度:40
m/s で5min 間投射したのち、摩耗・損耗減量を測定し
た。耐エロージョン性は、無電解ニッケルめっき被膜を
形成した比較例(部材No.8)の摩耗損耗減量を1.0 とし
て、これに対する比で評価した。これらの結果を表1に
示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から、本発明例は、いずれも高温硬さ
が高く、耐食性および高温における耐エロージョン性が
優れていることがわかる。
が高く、耐食性および高温における耐エロージョン性が
優れていることがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、複雑な形状の部材でも
各部位で均一な表面処理層を形成でき、耐食性、高温の
耐エロージョン性に優れた高温用部材を、複雑な工程を
経ることなく製造でき、さらに高温用部材の長寿命化が
達成でき、産業上格段の効果を奏する。
各部位で均一な表面処理層を形成でき、耐食性、高温の
耐エロージョン性に優れた高温用部材を、複雑な工程を
経ることなく製造でき、さらに高温用部材の長寿命化が
達成でき、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温用部材の表面処理層の構成を模式
的に示す断面図である。
的に示す断面図である。
1 鋼製基材 2 鉄硼化物を主とする層 3 ニッケル硼化物を主とする層
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼製基材の表層に表面処理層を有する高
温用部材であって、前記表面処理層が、基材側から順に
鉄硼化物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層
とからなることを特徴とする耐食性および高温耐エロー
ジョン性に優れた高温用部材。 - 【請求項2】 前記鉄硼化物を主とする層が厚さ20〜50
μm であり、前記ニッケル硼化物を主とする層が厚さ10
〜30μm であることを特徴とする請求項1に記載の高温
用部材。 - 【請求項3】 鋼製基材に電解ニッケルめっき処理を施
し、表面にニッケルめっき被膜を形成したのち、該鋼製
基体に硼化処理を施し、前記鋼製基材表層に表面処理層
を形成することを特徴とする耐食性および高温耐エロー
ジョン性に優れた高温用部材の製造方法。 - 【請求項4】 前記表面処理層が、鋼製基材側から順に
鉄硼化物を主とする層と、ニッケル硼化物を主とする層
とからなることを特徴とする請求項3に記載の高温用部
材の製造方法。 - 【請求項5】 前記硼化処理が、前記鋼製基材を無水硼
砂と硼化物を主成分とする溶融塩浴中に浸漬して行う処
理であることを特徴とする請求項3または4に記載の高
温用部材の製造方法。 - 【請求項6】 前記硼化処理後に、溶体化処理を施すこ
とを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の高
温用部材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000226833A JP2002038281A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 耐食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000226833A JP2002038281A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 耐食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002038281A true JP2002038281A (ja) | 2002-02-06 |
Family
ID=18720379
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000226833A Withdrawn JP2002038281A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 耐食性および高温耐エロージョン性に優れた高温用部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002038281A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8668447B2 (en) | 2008-12-26 | 2014-03-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Steam turbine blade and method for manufacturing the same |
| US9309773B2 (en) | 2008-06-23 | 2016-04-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Steam turbine and steam turbine blade |
| CN112553605A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-03-26 | 合润金属制品(太仓)有限公司 | 一种用于汽车门锁的高耐磨抗腐蚀表面处理工艺 |
-
2000
- 2000-07-27 JP JP2000226833A patent/JP2002038281A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9309773B2 (en) | 2008-06-23 | 2016-04-12 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Steam turbine and steam turbine blade |
| US8668447B2 (en) | 2008-12-26 | 2014-03-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Steam turbine blade and method for manufacturing the same |
| CN112553605A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-03-26 | 合润金属制品(太仓)有限公司 | 一种用于汽车门锁的高耐磨抗腐蚀表面处理工艺 |
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