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JP2002015759A - リン酸型燃料電池の運転方法 - Google Patents

リン酸型燃料電池の運転方法

Info

Publication number
JP2002015759A
JP2002015759A JP2000197091A JP2000197091A JP2002015759A JP 2002015759 A JP2002015759 A JP 2002015759A JP 2000197091 A JP2000197091 A JP 2000197091A JP 2000197091 A JP2000197091 A JP 2000197091A JP 2002015759 A JP2002015759 A JP 2002015759A
Authority
JP
Japan
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phosphoric acid
fuel cell
operating
concentration
fuel gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000197091A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruaki Komiya
輝亮 小宮
Masaru Iguchi
勝 井口
Masahiro Ise
昌弘 伊勢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000197091A priority Critical patent/JP2002015759A/ja
Priority to US09/896,412 priority patent/US6703152B2/en
Priority to EP01305649A priority patent/EP1168474B1/en
Priority to DE60136889T priority patent/DE60136889D1/de
Publication of JP2002015759A publication Critical patent/JP2002015759A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • HELECTRICITY
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    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
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    • H01M8/04007Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids related to heat exchange
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    • H01M8/04089Arrangements for control of reactant parameters, e.g. pressure or concentration of gaseous reactants
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】追加設備を用いることがなく、リン酸型燃料電
池を低温下で良好に運転することを可能にする。 【解決手段】リン酸型燃料電池10を反応生成水が液状
水として存在する条件下で運転する際に、リン酸濃度を
低下させる前記反応生成水の量とリン酸中から蒸発する
水の量とが平衡する際のリン酸濃度が、所望の性能を維
持し得る基準リン酸濃度以上になるように運転条件を設
定する。具体的には、平衡リン酸濃度設定システム92
によりガス流量制御システム84、84a、ガス温度制
御システム86、86aおよび圧力制御システム90、
90aが必要に応じて制御され、リン酸型燃料電池10
の性能劣化や発電性能の低下を有効に回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸を含浸させ
た電解質をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで
構成される接合体を有し、燃料ガス供給系を介して前記
アノード側電極に燃料ガスを供給する一方、酸化剤ガス
供給系を介して前記カソード側電極に酸化剤ガスを供給
するリン酸型燃料電池の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池の一形態であるリン酸型燃料電
池(PAFC)は、例えば、液体電解質であるリン酸を
ポリベンズイミダゾール等の高分子膜に含浸させた電解
質マトリックス層の両側に、それぞれカーボンを主体と
するアノード側電極およびカソード側電極を対設して構
成される電解質・電極接合体を、セパレータ(バイポー
ラ板)によって挟持することにより構成される発電セル
(単位燃料電池セル)を備えており、通常、この発電セ
ルを所定数だけ積層して燃料電池スタックとして使用し
ている。
【0003】この種の燃料電池において、アノード側電
極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有する
ガス(水素含有ガス)は、触媒電極上で水素がイオン化
され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。
その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電
気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極に
は、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスある
いは空気(酸素含有ガス)が供給されているために、こ
のカソード側電極において、水素イオン、電子および酸
素が反応して水が生成される。
【0004】上記のリン酸型燃料電池では、運転温度が
比較的高温(120℃〜190℃前後)に設定されてお
り、一般的には、定常運転に至るまでの間、ヒータ等の
加熱手段を使用して前記リン酸型燃料電池を加温する。
そして、このリン酸型燃料電池が、略100℃以上まで
昇温された後、前記リン酸型燃料電池を作動させること
により、発電に伴う自己発熱を利用して120℃〜19
0℃まで昇温させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、運転開始時
のように、100℃未満の比較的低い温度下において
は、リン酸型燃料電池の発電に伴う反応生成水が液状水
として存在する比率が高くなるとともに、この液状水が
水蒸気化し難くなっている。このため、液状水がリン酸
の濃度を低下させてリン酸量を増加させ、アノード側電
極およびカソード側電極に蓄積可能な量を超える液状水
が存在してしまう。
【0006】このように、アノード側電極およびカソー
ド側電極中にリン酸が溢れてしまうと、電解質マトリッ
クス層中に保持されているリン酸が流出してしまい、こ
の流出したリン酸が燃料ガス流路および酸化剤ガス流路
を通ってリン酸型燃料電池本体の外部に排出されてしま
う。これにより、リン酸型燃料電池の運転を停止した後
に再起動させた際、電池性能は初期性能を維持すること
ができず、性能低下が惹起されるという問題が指摘され
ている。
【0007】さらに、アノード側電極中およびカソード
側電極中にリン酸が溢れると、発電に必要な反応を促進
させる機能を有する触媒の活性が低下し、あるいは燃料
ガス流路や酸化剤ガス流路が閉塞されて反応ガス(燃料
ガスおよび/または酸化剤ガス)が流通し難くなり、発
電性能が低下するという問題がある。
【0008】そこで、リン酸の流出に伴う性能劣化を改
善するために、個別のリン酸補給装置を用いることが考
えられるが、燃料電池システム全体が大型化してしまう
という問題がある。
【0009】また、リン酸型燃料電池を100℃以上ま
で迅速に昇温させるために、大型ヒータを用いることが
考えられるが、同様に、燃料電池システム全体が大型化
するとともに、経済的ではないという問題が指摘されて
いる。
【0010】本発明はこの種の問題を解決するものであ
り、設備が大型化することがなく、簡単な構成および制
御で、反応生成水による性能低下を確実に阻止すること
が可能なリン酸型燃料電池の運転方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るリン酸型燃
料電池の運転方法では、反応生成水が液状水として存在
する条件下で運転する際に、リン酸濃度を低下させる前
記反応生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが平
衡する際のリン酸濃度が、所望の性能を維持し得る基準
リン酸濃度以上になるように、運転条件を設定してい
る。
【0012】通常、リン酸型燃料電池に用いられるリン
酸は、5酸化2リンを水に溶融させたものであり、特
に、リン酸型燃料電池に使用される高濃度のリン酸は吸
湿性が高く、水と極めて混合し易い。この場合、リン酸
の蒸気成分は、5酸化2リン(正確には2量体)と水で
あるが、5酸化2リンの蒸気圧は200℃付近まで非常
に低くなっている。このため、リン酸の蒸気成分が略水
であるものの、リン酸の蒸気圧は水の蒸気圧とは異なっ
ている。
【0013】具体的には、リン酸濃度におけるリン酸の
温度と飽和蒸気圧の関係は、図1の線図に示されてお
り、図1中のリン酸濃度0%の線図が、水の飽和蒸気圧
線図に相当している。これにより、リン酸の飽和蒸気圧
はリン酸濃度により大きく変化しており、リン酸中の水
はリン酸濃度が低いほど蒸発し易くなる一方、リン酸濃
度が高いほど蒸発し難くなっている。
【0014】リン酸型燃料電池では、起動時のような低
温時や低出力運転状態において、前記リン酸型燃料電池
の温度が通常作動温度(120℃〜190℃前後)より
も低下した際に、リン酸中の水の蒸発速度が遅くなり、
蒸発する水の量よりも生成水の量が多い状態となる。従
って、電解質・電極接合体中のリン酸濃度が低くなる一
方、リン酸の飽和蒸気圧が高くなって水が蒸発し易くな
る。
【0015】このため、生成水の量に応じてリン酸濃度
が低下され、ある時点で、リン酸濃度を低下させる生成
水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが平衡に達す
る。この状態では、リン酸量が増加しており、このリン
酸量が電解質・電極接合体に蓄えられるリン酸量よりも
多くなってしまうと、リン酸が燃料ガス流路および酸化
剤ガス流路からリン酸型燃料電池の外部に排出されて性
能劣化が生じるおそれがある。
【0016】これにより、リン酸濃度を低下させる反応
生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが平衡する
際のリン酸濃度が、発電性能を含む性能の劣化が生じな
い基準リン酸濃度以上になるように運転条件を設定すれ
ば、リン酸型燃料電池の温度が低い場合であっても性能
劣化を惹起することがなく、効率的な発電が遂行可能に
なる。
【0017】また、性能劣化が生じないリン酸濃度は、
電解質・電極接合体内の内部構成や寸法等に影響され、
そのリン酸型燃料電池に固有のものである。従って、所
望の性能を維持し得るリン酸濃度を、予め実験的に設定
しておく必要がある。
【0018】運転条件の設定 電流密度がI(A/cm2)で電極有効面積がS(c
2)のとき、単位時間あたりに生成される水の量、す
なわち、リン酸の濃度を低下させる水の量m(mol/
min)は、燃料ガス利用率ra(%)および酸化剤ガ
ス利用率rc(%)に関係なく一定であり、下記の
(1)式により求められる。
【0019】
【数1】
【0020】次に、運転温度がT℃、燃料ガス温度がT
a℃、酸化剤ガス温度がTc℃、燃料ガス側運転圧力が
Pa(kPa)、酸化剤側運転圧力がPc(kPa)、
燃料ガスの供給流量(燃料ガス流量)がfa(norm
al l/min)(但し、normal l/min
は標準状態である0℃、1atmに換算した流量であ
る)、酸化剤ガスの供給流量(酸化剤ガス流量)がfc
(normal l/min)、燃料ガス側から排出さ
れるガス流量がfea(normal l/min)、
酸化剤ガス側から排出されるガス流量がfec(nor
mal l/min)、リン酸の濃度を低下させる水の
量の中、燃料ガス側から蒸発する比率をa(%)、およ
び酸化剤ガス側から蒸発する比率を1−a(%)とす
る。
【0021】燃料ガス側から排出されるガス流量fea
は、発電により消費されなかった燃料ガスの流量と、リ
ン酸の濃度を低下させる水の量の中、燃料ガス側から蒸
発する水蒸気量との和である(下記の(2)式より求め
られる)。
【0022】
【数2】
【0023】そこで、燃料ガス温度Ta℃と酸化剤ガス
温度Tc℃が運転温度T℃と等しいとき、リン酸濃度を
低下させる生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量と
が平衡となった時点での排出燃料ガス中のリン酸の飽和
蒸気圧Ps,aは、下記の(3)式により求められる。
【0024】
【数3】
【0025】一方、酸化剤ガス(空気であり、酸素が2
1wt%で、窒素が79wt%)側から排出されるガス
流量fecは、下記の(4)式より求められる。
【0026】
【数4】
【0027】さらに、排出酸化剤ガス中のリン酸の飽和
蒸気圧Ps,cは同様に、下記の(5)式から求められ
る。
【0028】
【数5】
【0029】また、リン酸の飽和蒸気圧とリン酸濃度の
関係は、図2の線図に示されており、温度T℃における
リン酸濃度は、リン酸の飽和蒸気圧の関数として求めら
れる。図2から諒解されるように、一定の運転温度T℃
において、リン酸の飽和蒸気圧が低いほどリン酸濃度は
高くなっている。従って、排出燃料ガス中のリン酸の飽
和蒸気圧Ps,aおよび酸化剤ガス中のリン酸の飽和蒸
気圧Ps,cを用い、運転温度T℃においてリン酸濃度
を低下させる生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量
とが平衡となるリン酸濃度を、それぞれ求めることがで
きる。
【0030】具体的には、排出燃料ガス中のリン酸の飽
和蒸気圧Ps,aは、燃料ガス側の運転圧力Pa、燃料
ガス側から排出されるガス流量feaの関数である。上
記の排出燃料ガス流量feaは、リン酸の濃度を低下さ
せる水の量mおよび燃料ガス利用率raの関数であり、
mが一定のときに燃料ガス利用率raが低いほど前記排
出燃料ガス流量feaが多くなる。従って、排出燃料ガ
ス中のリン酸の飽和蒸気圧Ps,aは、燃料ガス側の運
転圧力Paが低いとき、または燃料ガス利用率raが低
いときに低くなり、この結果、リン酸濃度が高くなる。
【0031】同様に、排出酸化剤ガス中のリン酸の飽和
蒸気圧Ps,cは、酸化剤ガス側の運転圧力Pc、酸化
剤ガス利用率rcおよび標準状態である0℃、1atm
に換算した酸化剤ガス流量fcの関数である。従って、
排出酸化剤ガス中のリン酸の飽和蒸気圧Ps,cは、酸
化剤ガス側の運転圧力Pcが低いとき、または酸化剤ガ
ス利用率rcが低いときに低くなり、この結果、リン酸
濃度が高くなる。
【0032】これにより、燃料ガス利用率raと酸化剤
ガス利用率rcおよび/または燃料ガス側の運転圧力P
aと酸化剤ガス側の運転圧力Pcを設定することによ
り、リン酸濃度を低下させる生成水の量とリン酸中から
蒸発する水の量とが平衡となるリン酸濃度が、性能劣化
を起こさない、すなわち、所望の性能を維持し得る基準
リン酸濃度以上となり、低温運転時でも性能低下を確実
に阻止することができる。
【0033】一方、リン酸濃度は、リン酸の飽和蒸気圧
と温度との関数として求められる(図2参照)。このた
め、リン酸の飽和蒸気圧が一定の場合、リン酸濃度を低
下させる生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが
平衡となる温度を高く設定すれば、平衡時のリン酸濃度
を高くすることが可能になる。
【0034】すなわち、燃料ガス温度Ta℃および酸化
剤ガス温度Tc℃を運転温度T℃よりも高くすることに
より、リン酸濃度を低下させる生成水の量とリン酸中か
ら蒸発する水の量とが平衡となる際の平衡界面でのリン
酸温度T′℃を運転温度T℃よりも高くし、平衡時のリ
ン酸濃度を高くすることができる。なお、燃料ガス温度
Ta℃および酸化剤ガス温度Tc℃と平衡界面でのリン
酸温度T′℃の関係は、そのリン酸型燃料電池に固有の
ものであり、実験的に求めておくことが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の実施形態に係る
運転方法を実施するためのリン酸型燃料電池10の構成
説明図であり、図4は、前記リン酸型燃料電池10が組
み込まれる燃料電池システム12の概略構成図である。
【0036】リン酸型燃料電池10は、図3に示すよう
に、電解質・電極接合体14と、この電解質・電極接合
体14の両面に配置されるバイポーラ板であるセパレー
タ16a、16bと、前記セパレータ16a、16bの
外側に配置される集電用電極18a、18bとを備え
る。集電用電極18a、18bの外側には、エンドプレ
ート20a、20bが配置され、前記エンドプレート2
0a、20bが図示しないボルトにより締め付けらるこ
とにより、リン酸型燃料電池10が一体的に構成され
る。
【0037】電解質・電極接合体14は、塩基性ポリマ
ー、例えば、ポリベンズイミダゾール膜等の高分子膜に
リン酸を含浸させた電解質マトリックス層22と、前記
電解質マトリックス層22の両面に額縁状スペーサ24
を介して対設されるアノード側電極26およびカソード
側電極28とを備える。
【0038】セパレータ16a、16bには、アノード
側電極26およびカソード側電極28に対向する面に燃
料ガス流路30と酸化剤ガス流路32とが形成されてい
る。セパレータ16a、16bには、アノード側電極2
6とカソード側電極28との境界面に対応して複数の温
度センサ34が配置されている。
【0039】図4に示すように、リン酸型燃料電池10
を構成する集電用電極18a、18bには、モータ等の
負荷36が接続されている。リン酸型燃料電池10に
は、燃料ガス流路30に連通する燃料ガス供給経路44
aおよび燃料ガス排出経路44bと、酸化剤ガス流路3
2に連通する酸化剤ガス供給経路46aおよび酸化剤ガ
ス排出経路46bとが接続される。
【0040】燃料ガス供給経路44aには、上流側から
リン酸型燃料電池10の入口側に向かって燃料ガスであ
る水素含有ガスを高圧で供給するための水素貯蔵源48
と、電磁弁50と、減圧弁52と、圧力センサ54と、
ガス流量制御器56と、遮断弁58と、逆止弁60と、
加熱ヒータ62と、入口側圧力センサ64とが配置され
ている。燃料ガス排出経路44bには、出口側圧力セン
サ66と、露点センサ67と、熱交換器68と、気液分
離器70と、背圧弁72とが配置されるとともに、この
気液分離器70の出口側に電磁弁74が設けられてい
る。
【0041】酸化剤ガス供給経路46aおよび酸化剤ガ
ス排出経路46bは、上記の燃料ガス供給経路44aお
よび燃料ガス排出経路44bと同様に構成されており、
同一の構成要素には同一の参照数字に符号aを付して、
その詳細な説明は省略する。この酸化剤ガス供給経路4
6aの上流側には、酸化剤ガスとして空気を供給するた
めのコンプレッサ76が配置されている。
【0042】負荷36には、出力制御システム80が接
続されるとともに、リン酸型燃料電池10に組み込まれ
ている複数の温度センサ34が温度測定システム82に
接続される。ガス流量制御器56、56aにガス流量制
御システム84、84aが接続されるとともに、加熱ヒ
ータ62、62aにガス温度制御システム86、86a
が接続される。露点センサ67、67aに排出ガス中水
蒸気量算出システム88が接続され、入口側圧力センサ
64、64a、出口側圧力センサ66、66aおよび背
圧弁72、72aに圧力制御システム90、90aが接
続される。
【0043】温度測定システム82は平衡リン酸濃度設
定システム92に接続されるとともに、この平衡リン酸
濃度設定システム92には、負荷36、ガス流量制御シ
ステム84、84a、ガス温度制御システム86、86
a、排出ガス中水蒸気量算出システム88、圧力制御シ
ステム90、90aおよび温度制御システム94が接続
される。
【0044】このように構成されるリン酸型燃料電池1
0を組み込む燃料電池システム12の動作について、以
下に説明する。
【0045】燃料ガス供給経路44a側では、水素貯蔵
源48から高圧の水素含有ガスが供給され、減圧弁52
を介して運転圧力の最大値の圧力に減圧された後、ガス
流量制御器56によりガス利用率が制御される。この水
素含有ガスは、加熱ヒータ62により所定温度まで昇温
された後、背圧弁72が制御されることによって所定の
運転圧力に調整され、リン酸型燃料電池10を構成する
アノード側電極26側のセパレータ16aに設けられて
いる燃料ガス流路30に導入される。
【0046】燃料ガス流路30に供給された水素含有ガ
スは、ガス利用率で規定される量の水素ガスをアノード
側電極26中に拡散し、触媒層内で触媒反応により消費
されて発電に寄与する。水素含有ガスの残りの部分は、
リン酸濃度を低下させる生成水の中、燃料ガス側から排
出される量を含んで燃料ガス排出経路44b側に排出さ
れる。
【0047】一方、酸化剤ガス供給経路46a側では、
酸素含有ガス、例えば、空気がコンプレッサ76を介し
て高圧化された後、減圧弁52aにより運転圧力の最大
値の圧力に減圧される。この空気は、ガス流量制御器5
6aを通ってガス利用率が制御された後、加熱ヒータ6
2aで設定温度まで昇温される。
【0048】さらに、空気は背圧弁72aが制御される
ことによって所定の運転圧力に調整され、リン酸型燃料
電池10のカソード側電極28側のセパレータ16bに
形成されている酸化剤ガス流路32に導入される。酸化
剤ガス流路32に供給された空気は、ガス利用率で規定
される量がカソード側電極28中に拡散して触媒層内で
触媒反応により消費され、発電に寄与する。この空気の
残りの部分は、リン酸濃度を低下させる生成水の中、酸
化剤ガス側から排出される量を含んで酸化剤ガス流路3
2を通って酸化剤ガス排出経路46bに排出される。
【0049】この場合、出力制御システム80により、
その時点での要求出力から必要な電流値が設定され、こ
の電流値に基づいてリン酸型燃料電池10と負荷36と
からなる閉回路に流す電子量が決定される。そして、閉
回路に流す電子量に応じて消費される燃料ガスおよび酸
化剤ガスの量が決定され、リン酸濃度を低下させる生成
水の量m(mol/min)が決定される。
【0050】次に、排出される燃料ガスおよび酸化剤ガ
スの露点が、リン酸型燃料電池10の出口側に接続され
た露点センサ67、67aを介して検出される。この露
点データは、排出ガス中水蒸気量算出システム88に送
られ、この排出ガス中水蒸気量算出システム88におい
て、燃料ガス側に排出されるリン酸からの水分および酸
化剤ガス側に排出されるリン酸からの水分が算出され
る。さらに、リン酸の濃度を低下させる水の量の中、燃
料ガス側から蒸発する比率a(%)が算出され、この比
率a(%)が平衡リン酸濃度設定システム92に送られ
る。
【0051】一方、リン酸型燃料電池10の運転温度
は、このリン酸型燃料電池10内に配置された複数の温
度センサ34を介して温度測定システム82により検出
され、この検出された温度の最低値が、前記リン酸型燃
料電池10の運転温度T℃として平衡リン酸濃度設定シ
ステム92に送られる。
【0052】平衡リン酸濃度設定システム92では、リ
ン酸濃度を低下させる生成水の量m(mol/mi
n)、リン酸濃度を低下させる水の量の中、燃料ガス側
から蒸発する比率a(%)が入力されており、リン酸型
燃料電池10の運転温度T℃のときに、リン酸濃度を低
下させる生成水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが
平衡となるリン酸濃度が、前記リン酸型燃料電池10に
固有の性能劣化が生じない基準リン酸濃度以上となるよ
うに、燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利用率rc、燃
料ガス側の運転圧力Pa、酸化剤ガス側の運転圧力P
c、燃料ガス温度Ta℃および酸化剤ガス温度Tc℃が
必要に応じて設定される。
【0053】ここで、設定された燃料ガス利用率ra
は、燃料ガス側のガス流量制御システム84に送られ
る。このガス流量制御システム84では、燃料ガス利用
率raと、反応により消費される燃料ガス量とから必要
な燃料ガス流量を設定し、ガス流量制御器56を介して
燃料ガス流量が制御される。設定された酸化剤ガス利用
率rcは、同様に酸化剤ガス側のガス流量制御システム
84aに送られる。このガス流量制御システム84aで
は、酸化剤ガス利用率rcと反応により消費される酸化
剤ガス量とから必要な酸化剤ガス流量が設定され、ガス
流量制御器56aを介して酸化剤ガス流量が制御され
る。
【0054】また、設定された燃料ガス側の運転圧力P
aは、燃料ガス側の圧力制御システム90に送られ、背
圧弁72を調整することによってリン酸型燃料電池10
の入口側圧力または出口側圧力が設定値に制御される。
設定された酸化剤ガス側の運転圧力Pcは、同様に酸化
剤ガス側の圧力制御システム90aに送られ、背圧弁7
2aが調整されることによって、リン酸型燃料電池10
の入口側圧力または出口側圧力が設定値に制御される。
【0055】さらにまた、設定された燃料ガス温度Ta
℃は、燃料ガス側のガス温度制御システム86に送ら
れ、加熱ヒータ62により燃料ガスを設定値に制御す
る。同様に設定された酸化剤ガス温度Tc℃は、酸化剤
ガス側のガス温度制御システム86aに送られ、加熱ヒ
ータ62aにより酸化剤ガスが設定値に制御される。
【0056】なお、リン酸型燃料電池10において、性
能劣化が生じない最低運転温度での運転条件、すなわ
ち、電流密度、リン酸型燃料電池運転温度、燃料ガス温
度、酸化剤ガス温度、燃料ガス利用率、酸化剤ガス利用
率およびリン酸濃度を低下させる水の量の中、燃料ガス
側から蒸発する比率を記憶させておく。そして、運転開
始時には、上記の性能劣化を生じない最低運転温度まで
昇温させた後、上記の記憶された条件に基づいて運転が
開始される。
【0057】このように、本実施形態では、リン酸型燃
料電池10を120℃未満の温度範囲や低出力運転状態
で作動させる際、反応生成水が液状水として存在する比
率が高く、リン酸の濃度を低下させてリン酸量を増加さ
せる場合であっても、リン酸濃度を低下させる生成水の
量とリン酸中から蒸発する水の量とが平衡する際のリン
酸濃度が、性能劣化が生じない(すなわち、所望の性能
を維持し得る)基準リン酸濃度以上になるように運転条
件が設定されている。従って、大型のヒータや個別のリ
ン酸補給装置等の追加設備が不要となり、簡単かつ経済
的な構成で、発電性能の低下や性能劣化を確実に阻止し
て、低温時での良好な発電が遂行可能になるという効果
が得られる。
【0058】[実施例]リン酸型燃料電池10に固有の性能低下が生じないリン
酸濃度の決定 リン酸型燃料電池10では、一旦、リン酸が流出してし
まうと、電池性能は初期性能に戻らない。このため、生
成水が生じてリン酸濃度を低下させるような運転条件で
運転した後に、初期性能に戻すことができる運転温度の
下限時のリン酸濃度が、リン酸型燃料電池10に固有の
性能劣化が生じない基準リン酸濃度となる。
【0059】そこで、リン酸の流出に伴う性能劣化がな
い条件、すなわち、リン酸型燃料電池10の運転温度が
160℃、燃料ガス側の運転圧力が201.3kPa、
酸化剤ガス側の運転圧力が201.3kPa、燃料ガス
利用率が50%および酸化剤ガス利用率が50%の条件
下で、前記リン酸型燃料電池10の性能(電流密度〜電
圧特性)を評価し、電流密度が1A/cm2のときの電
圧を初期性能の基準とした。
【0060】次に、リン酸型燃料電池10の運転温度を
160℃よりも低い運転温度T℃とし、他の条件は上記
と同一の条件により、0.2A/cm2の一定電流密度
で発電を3時間継続して行った。そして、電流密度と有
効電極面積からリン酸の濃度を低下させる水の量を、さ
らに露点センサ67、67aの測定値からリン酸の濃度
を低下させる水の量の中、燃料ガス側から蒸発する比率
aを求めた。その後、再度、運転温度を160℃とし、
リン酸型燃料電池10の性能を評価して電流密度1A/
cm2時の電圧を測定した。
【0061】次いで、運転温度T℃の条件を変えて上記
の測定を繰り返し行い、低温発電前後の電流密度1A/
cm2時の電圧が初期性能よりも低下しない運転温度を
求めたところ、120℃であった。リン酸濃度を低下さ
せる水の量の中、燃料ガス側から蒸発する比率aは20
%であった。そして、運転温度T℃が120℃、電流密
度Iが0.2A/cm2、有効電極面積Sが196c
2、リン酸の濃度を低下させる水の量の中、燃料ガス
側から蒸発する比率aが20%、燃料ガス利用率raが
50%、酸化剤ガス利用率rcが50%、標準状態であ
る0℃、1atmに換算した燃料ガス流量faが0.5
4l/min、標準状態である0℃、1atmに換算し
た酸化剤ガス流量fcが1.33l/min、燃料ガス
側の運転圧力Paが201.3kPaおよび酸化剤ガス
側の運転圧力Pcが201.3kPaであった。
【0062】これらから、リン酸濃度を低下させる生成
水の量とリン酸中から蒸発する水の量とが平衡となった
時点で、燃料ガス中のリン酸の飽和蒸気圧Ps,aが3
3.6kPaであり、酸化剤ガス中のリン酸の飽和蒸気
圧Ps,cが31.8kPaとなった。このとき、燃料
ガス側のリン酸濃度は84.9%であり、酸化剤ガス側
のリン酸濃度は86.6%となった。従って、リン酸型
燃料電池10に固有の性能劣化を生じないリン酸濃度の
下限は、84.9%となった。
【0063】運転温度80℃の場合 まず、燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利用率rc、燃
料ガス側の運転圧力Pa、酸化剤ガス側の運転圧力Pc
を通常運転時と同一条件にし、性能低下の度合いを測定
した。そこで、性能劣化のないリン酸型燃料電池10の
運転温度を160℃、燃料ガス側の運転圧力を201.
3kPa、酸化剤ガス側の運転圧力を201.3kP
a、燃料ガス利用率を50%、酸化剤ガス利用率を50
%に設定し、この条件(以下、基準運転条件という)下
で、リン酸型燃料電池10(電極有効面積が196cm
2)の性能(電流密度〜電圧特性)を評価し、電流密度
が1A/cm2時の電圧を初期性能基準値とした。
【0064】続いて、酸化剤ガス側の運転圧力(20
1.3kPa)、燃料ガス利用率(50%)および酸化
剤ガス利用率(50%)の条件を同一にし、電流密度を
0.2A/cm2の条件で発電しつつ運転温度を80℃
まで低下させ、この状態で、発電を3時間継続して行っ
た。なお、リン酸の濃度を低下させる水の量の中、燃料
ガス側から蒸発する比率は50%であった。
【0065】3時間の発電後に、上記の初期性能を基準
とした基準運転条件下でリン酸型燃料電池10の性能を
評価し、電流密度が1A/cm2時の電圧を測定し、こ
の値を初期性能基準値と比較したところ、その電圧保持
率は78%であり、初期性能に復帰できずに性能劣化が
生じていた。
【0066】次に、燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利
用率rc、燃料ガス側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス
側の運転圧力Pcを、通常運転時よりも低下させた場合
の性能劣化の有無を検証した。具体的には、リン酸型燃
料電池10の運転温度を80℃、電流密度を0.2A/
cm2、電極有効面積を196cm2および初期のリン酸
濃度を低下させる水の量の中、燃料ガス側から蒸発する
比率を50%とし、リン酸濃度が性能劣化を生じない基
準リン酸濃度の下限である84.9%以上となるよう
に、燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利用率rc、燃料
ガス側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運転圧力P
cの組み合わせを求めた。
【0067】リン酸濃度が84.9%のリン酸におい
て、80℃における飽和蒸気圧は6.10kPaであ
り、燃料ガス側および酸化剤ガス側のリン酸の飽和蒸気
圧を6.10kPa以下とする条件を設定した。すなわ
ち、燃料ガス側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運
転圧力Pcをそれぞれ出口側圧力の最低値(大気圧)で
ある101.3kPaとすると、燃料ガス利用率raを
11%以下、および酸化剤ガス利用率rcを14%以下
にすればよく、例えば、燃料ガス利用率raを10%、
酸化剤ガス利用率rcを10%に設定した。
【0068】そこで、上記と同様に、性能劣化のない基
準運転条件に基づいて、初期性能基準値を得た後、燃料
ガス側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運転圧力P
cをそれぞれ出口側圧力である101.3kPaとし、
燃料ガス利用率raが10%、酸化剤ガス利用率rcが
10%および電流密度が0.2A/cm2の条件で発電
を行い、運転温度を80℃まで低下させた。
【0069】運転条件を変えずに発電を3時間継続して
行った後、初期性能の基準である基準運転条件下でリン
酸型燃料電池10の性能(電流密度〜電圧特性)を評価
し、電流密度が1A/cm2時の電圧を測定した。この
値を初期性能基準値と比較したところ、その電圧保持率
は100%であって、性能劣化は認められなかった。
【0070】運転温度65℃の場合 燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利用率rc、燃料ガス
側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運転圧力Pc
を、通常運転時よりも低下させた場合の性能劣化の有無
を検証した。リン酸型燃料電池10の運転温度を65
℃、電流密度を0.2A/cm2、電極有効面積を19
6cm2、および初期のリン酸の濃度を低下させる水の
量の中、燃料ガス側から蒸発する比率を50%とし、リ
ン酸濃度が性能劣化を生じないリン酸濃度の下限である
84.9%以上となるように、燃料ガス利用率ra、酸
化剤ガス利用率rc、燃料ガス側の運転圧力Paおよび
酸化剤ガス側の運転圧力Pcの組み合わせを求めた。
【0071】この場合、リン酸濃度84.9%のリン酸
において、65℃での飽和蒸気圧は2.8kPaであ
る。そこで、燃料ガス側および酸化剤ガス側のリン酸の
飽和蒸気圧を2.8kPa以下とするためには、燃料ガ
ス側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運転圧力Pc
をそれぞれ出口側圧力の最低値(大気圧)である10
1.3kPaまで低下させた場合に、燃料ガス利用率r
aを5%以下および酸化剤ガス利用率rcを13%以下
にすればよく、例えば、燃料ガス利用率raおよび酸化
剤ガス利用率rcをそれぞれ5%とした。
【0072】次に、性能劣化のない基準運転条件による
性能を評価し、電流密度1A/cm 2時の電圧を初期性
能基準値とした。続いて、燃料ガス側の運転圧力Paお
よび酸化剤ガス側の運転圧力Pcを出口側圧力である1
01.3kPa、燃料ガス利用率raを5%、酸化剤ガ
ス利用率rcを5%、および電流密度を0.2A/cm
2の条件で発電を行いながら、運転温度を65℃まで低
下させた。そして、運転条件を変えずに、発電を3時間
継続して行った後、引き続いて基準運転条件下でリン酸
型燃料電池10の性能(電流密度〜電圧特性)を評価
し、電流密度が1A/cm2時の電圧を測定した。この
値を初期性能基準値と比較したところ、その電圧保持率
は100%であって、性能劣化は認められなかった。
【0073】運転温度60℃の場合 燃料ガス利用率ra、酸化剤ガス利用率rc、燃料ガス
側の運転圧力Paおよび酸化剤ガス側の運転圧力Pc
を、通常運転時よりも低下させた場合の性能劣化の有無
を検証した。リン酸型燃料電池10の運転温度を60
℃、電流密度を0.2A/cm2、電極有効面積を19
6cm2および初期のリン酸濃度を低下させる水の量の
中、燃料ガス側から蒸発する比率を50%とし、リン酸
濃度が性能劣化を生じないリン酸濃度の下限である8
4.9%以上となるように、燃料ガス利用率ra、酸化
剤ガス利用率rc、燃料ガス側の運転圧力Paおよび酸
化剤ガス側の運転圧力Pcの組み合わせを求めた。
【0074】リン酸濃度84.9%のリン酸において、
60℃での飽和蒸気圧は2.2kPaとなる。燃料ガス
側および酸化剤ガス側のリン酸の飽和蒸気圧を2.2k
Pa以下とするためには、燃料ガス側の運転圧力Paお
よび酸化剤ガス側の運転圧力Pcをそれぞれ出口側圧力
の最低値(大気圧)である101.3kPaまで低下さ
せた場合、燃料ガス利用率raを4%以下および酸化剤
ガス利用率rcを10%以下に低下させればよい。
【0075】上記の場合、ガス利用率があまり低いと実
用的ではなく、燃料ガスおよび酸化剤ガス側の温度を運
転温度よりも高く、例えば、120℃に設定し、性能劣
化が生じないかを検証した。まず、性能劣化のない基準
運転条件下で初期性能基準値を得た後、燃料ガス側の運
転圧力および酸化剤ガス側の運転圧力を出口側圧力であ
る101.3kPa、燃料ガス利用率raを5%、酸化
剤ガス利用率rcを5%、電流密度を0.2A/c
2、燃料ガス温度を120℃および酸化剤ガス温度を
120℃の条件で発電しながら、運転温度を60℃まで
低下させた。
【0076】そして、運転条件を変えずに、発電を3時
間継続して行った後、引き続き、基準運転条件下でリン
酸型燃料電池10の性能(電流密度〜電圧特性)を評価
し、電流密度1A/cm2時の電圧を測定した。この値
を初期性能基準値と比較したところ、その電圧保持率は
100%であり、性能劣化は認められなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明に係るリン酸型燃料電池の運転方
法では、反応生成水が液状水として存在する条件下で運
転する際に、リン酸濃度を低下させる前記反応生成水の
量とリン酸中から蒸発する水の量とが平衡する際のリン
酸濃度が、所望の性能を維持し得る基準リン酸濃度以上
になるように運転条件を設定することにより、発電性能
の低下を確実に回避するとともに、再起動時に初期性能
を確実に維持することができる。これにより、大型ヒー
タやリン酸補給装置等の追加設備が不要になり、構成が
有効に簡素化するとともに、経済的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各リン酸濃度におけるリン酸の温度と飽和蒸気
圧の関係を示す線図である。
【図2】リン酸の飽和蒸気圧とリン酸濃度の関係を示す
線図である。
【図3】本発明に係る運転方法を実施するためのリン酸
型燃料電池の構成説明図である。
【図4】前記リン型燃料電池が組み込まれる燃料電池シ
ステムの概略構成図である。
【符号の説明】
10…リン酸型燃料電池 12…燃料電池シ
ステム 14…電解質・電極接合体 16a、16b…
セパレータ 18a、18b…集電用電極 30…燃料ガス流
路 32…酸化剤ガス流路 34…温度センサ 36…負荷 44a…燃料ガス
供給経路 44b…燃料ガス排出経路 46a…酸化剤ガ
ス供給経路 46b…酸化剤ガス排出経路 80…出力制御シ
ステム 82…温度測定システム 84、84a…ガ
ス流量制御システム 86、86a…ガス温度制御システム 88…排出ガス中水蒸気量算出システム 90、90a…圧力制御システム 92…平衡リン酸
濃度設定システム 94…温度制御システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊勢 昌弘 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA04 5H027 AA04 KK00 KK02 KK05 KK33 KK44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リン酸を含浸させた電解質をアノード側電
    極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有
    し、燃料ガス流路を介して前記アノード側電極に燃料ガ
    スを供給する一方、酸化剤ガス流路を介して前記カソー
    ド側電極に酸化剤ガスを供給するリン酸型燃料電池の運
    転方法であって、 反応生成水が液状水として存在する条件下で運転する際
    に、リン酸濃度を低下させる前記反応生成水の量とリン
    酸中から蒸発する水の量とが平衡する際のリン酸濃度
    が、所望の性能を維持し得る基準リン酸濃度以上になる
    ように、運転条件を設定することを特徴とするリン酸型
    燃料電池の運転方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の運転方法において、燃料ガ
    ス利用率および酸化剤ガス利用率を設定することによ
    り、前記リン酸濃度を前記基準リン酸濃度以上に制御す
    ることを特徴とするリン酸型燃料電池の運転方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の運転方法におい
    て、前記燃料ガス側の運転圧力および前記酸化剤ガス側
    の運転圧力を設定することにより、前記リン酸濃度を前
    記基準リン酸濃度以上に制御することを特徴とするリン
    酸型燃料電池の運転方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の運
    転方法において、前記燃料ガス側の温度および前記酸化
    剤ガス側の温度を運転温度よりも高温に設定することに
    より、前記リン酸濃度を前記基準リン酸濃度以上に制御
    することを特徴とするリン酸型燃料電池の運転方法。
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