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JP2002013083A - ゴム−スチールコード複合体 - Google Patents

ゴム−スチールコード複合体

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Publication number
JP2002013083A
JP2002013083A JP2000196328A JP2000196328A JP2002013083A JP 2002013083 A JP2002013083 A JP 2002013083A JP 2000196328 A JP2000196328 A JP 2000196328A JP 2000196328 A JP2000196328 A JP 2000196328A JP 2002013083 A JP2002013083 A JP 2002013083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
steel cord
atoms
surface layer
atomic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000196328A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Hojo
将広 北條
Osamu Uchino
修 内野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2000196328A priority Critical patent/JP2002013083A/ja
Publication of JP2002013083A publication Critical patent/JP2002013083A/ja
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  • Tires In General (AREA)
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期接着性および耐劣化接着性共に向上させ
る。 【解決手段】 ゴム成分と多孔質無機充填剤とを配合し
てなるゴム組成物と、周面に表面の銅濃度が15〜45
アトミック%のブラスめっきを施されたスチールフィラ
メントの該周表面からフィラメント半径方向内側に15
nmの深さまでの表層領域に、Co原子およびNi原子
のうち少なくとも1種を含有してなるブラスめっき付き
スチールフィラメントまたはこれらを撚り合わせてなる
スチールコードとからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤや工
業用ベルト等に使用されるゴム−スチールコード複合体
に関し、特に、ゴム組成物中に多孔質無機充填剤を配合
し、これと特定のメッキを施したスチールコードとの複
合体とすることにより、初期接着性と耐劣化接着性とを
改良する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開2000−7838号公報には、多
孔質無機充填剤を配合したゴム組成物と、従来のブラス
メッキを施したスチールコードとの複合体が開示されて
いる。多孔質充填剤は、耐劣化接着性を改良する効果は
あるものの、ゴム組成物の耐破壊性を低下させるという
不都合がある。また、初期接着性も不十分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ゴ
ム組成物の耐破壊性を低下させず、かつ複合体の耐劣化
接着性および初期接着性とさらに向上されることを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】多孔質充填剤は吸湿性が
あり加硫時に水分が放出されて、スチールコードとゴム
相の接着を高めると考えられる。コード表面にCoを有
する本発明のスチールコードでは従来のゴム中にCo系
接着剤を添加するシステムよりも少量の水分供給により
初期接着が高められるために、これまでよりも少ない量
の多孔質物質で同等の性能が得られると考えられる。上
記知見に基づき、本発明を完成した。その構成は以下の
通りである。 (1) 本発明のゴム−スチールコード複合体は、ゴム
成分と多孔質無機充填剤とを配合してなるゴム組成物
と、周面に、表面の銅濃度が15〜45アトミック%の
ブラスめっきを施されたスチールフィラメントの該表面
からフィラメント半径方向内側に15nmの深さまでの
表層領域に、Co原子およびNi原子のうち少なくとも
1種を含有してなるブラスめっき付きスチールフィラメ
ント(モノフィラメントコード)またはこれらを撚り合
わせてなるスチールコードとからなる。 (2)前記多孔質無機充填剤が、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ゼオライトおよび下記一般式(I)を満
たす化合物のうち少なくとも1種であることを特徴とす
る。 mM・xSiOy・zHO (I) (式中、Mは、Al、Mg、Ti、およびCaから選
ばれる少なくとも1種の金属、これらの金属の酸化物、
またはこれらの金属の水酸化物であり、mは1〜5の整
数、xは0〜10の整数、yは2〜5の整数、およびz
は0〜10である。) (3) 前記多孔質無機充填剤が、シリカ、水酸化アル
ミニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、クレー、およびゼオライトのうち少なくと
も1種であることを特徴とする。
【0005】(4)前記多孔質充填剤が、ゴム成分10
0重量部に対して、3〜30重量部配合されることを特
徴とする。 (5)前記表層領域に含有されるCo原子およびNi原
子の総量が0.1アトミック%以上かつ前記表層領域のC
u原子の含有量以下であることを特徴とする。 (6)前記表層領域に含有されるCo原子およびNi原
子の総量が0.5〜5.0アトミック%であることを特徴と
する。 (7)前記表層領域で、酸化物に含まれないCo原子お
よびNi原子が、前記表層領域に含有されるCo原子お
よびNi原子の総量の50アトミック%以上であることを
特徴とする。 (8)前記ブラスめっきの平均厚みが0.13〜0.30μmで
あることを特徴とする。 (9)前記フィラメントの直径が0.40mm以下であるこ
とを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物にかかるゴム
成分としては、天然ゴムや合成ゴムが用いられる。合成
ゴムとしては、例えばブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、スチレン、ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴムが好ましく、さらに臭素化ブ
チルゴム、パラメチルスチレン基を有するブチルゴム
(具体的にはイソブチレンとp−ハロゲン化メチルスチ
レンとの共重合体等)、エチレン・プロピレン・ジエン
ゴム(EPDM)なども好適なものとして挙げることが
できる。本発明におけるゴム成分は、スチールコードを
補強材とするゴム製品の用途に応じて、天然ゴム及び上
記合成ゴムの中から、適宜一種又は二種以上選択して用
いられるが、ゴム成分としては、特に接着性及びゴム破
壊特性などの面から、天然ゴム及び/又は合成イソプレ
ンゴムを50重量%以上の割合で含有するゴム成分が好
適である。
【0007】一方、本発明にかかるゴム組成物にかかる
多孔質無機充填剤としては、多孔質であって吸湿性や吸
水性を有するものであればよく、特に制限はないが、例
えば、ゼオライト、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウ
ムを好ましく挙げることができる。これらは単独で用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0008】一般式(I)において、x、zが共に0で
ある場合には、該無機化合物はAl、Mg、Ti、Ca
から選ばれる少なくとも一つの金属、金属酸化物又は金
属水酸化物となる。
【0009】上記一般式(I)で表される無機化合物の
例としては、アルミナ(Al23)、水酸化アルミニウ
ム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(O
H)2〕、酸化マグネシウム[Mg(OH)2〕、酸化マ
グネシウム(MgO2)、タルク(3MgO・4SiO2
・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2
9H2O)、チタン(TiO2)、チタン黒(TiO
2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシ
ウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウ
ム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO
2)、カリオン(Al23・2SiO2・2H2O)、パ
イロフイライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベン
トナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸ア
ルミニウム(Al2SiO、Al4・3SiO4・5H2
O等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgS
iO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO
等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2
CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウ
ム(CaMgSiO)等が挙げられる。また、水酸化
アルミニウムには、アルミナ水和物(A1・3H
O)も含まれる。
【0010】一般式(I)で表されるこれらの無機化合
物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使
用してもよい。
【0011】本発明のゴム組成物においては、この多孔
質無機充填剤の含有量は、ゴム成分100重量部当た
り、好ましくは3〜30重量部、より好ましくは1〜1
0重量部の範囲で選定される。この含有量が1重量部未
満では、初期接着性及び耐劣化接着性の向上効果が充分
に発揮されないおそれがあり、また10重量部を超える
とその量の割には効果の向上が認められず、むしろ他の
物性が損なわれる原因となる。初期接着性や耐劣化接着
性の向上効果及び他の物性などを考慮すると、多孔質充
填剤のより好ましい含有量は、2〜5重量部の範囲であ
る。
【0012】本発明のゴム組成物において、所望によ
り、従来スチールコードコーティング用ゴム組成物にお
いて慣用されている各種接着促進剤を適宜含有させるこ
とにより、これらを配合した場合の初期接着性および耐
劣化接着性を一段と向上させることかできる。この接着
促進剤としては、例えば有機酸の金属塩、特に有機酸の
コバルト塩が好ましく挙げられる。ここで、有機酸とし
ては、飽和、不飽和、あるいは直鎖状,分岐状のいずれ
であってもよく、例えばネオデカン酸、ステアリン酸、
ナフテン酸、ロジン、トール油酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸などが挙げられる。また、かかる有機
酸は金属が多価の場合はその一部をホウ素、ホウ酸ある
いはアルミニウムなどを含有する化合物と置換すること
もできる。有機酸の金属塩の配合量は,ゴム100重量
部に対して、金属元素含有量として、0.1〜0.2重
量部を配合することが好ましい。また、本発明のゴム組
成物には、通常硫黄が含有される。この硫黄の含有量
は、ゴム成分100重量部当たり、3〜8重量部の範囲
が好ましい。この含有量が3重量部未満では接着力発現
の元となるCuxS(チールコードの黄銅メッキ中の銅
と硫黄との反応により生成する。)の生成に充分な硫黄
を提供することができず、接着力が不充分になるおそれ
かある。また、8重量部を超えるとCuxSが過剰に生
成するため、肥大化したCuxSの凝集破壊が起こり、
接着力が低下するとともに、ゴム物性としての耐熱老化
性も低下する傾向がみられる。
【0013】さらに、本発明のゴム組成物には、前記各
成分以外に、ゴム業界で通常使用される配合剤を通常の
配合量で適宜配合することができる。具体的には、カー
ボンブラックやシリカ等の充填剤、アロマオイル等の軟
化剤、ジフェニルグアニジン等のグアニジン類、メルカ
プトベンゾチアゾール等のチアソール類、N,N’−ジ
シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ド等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムジス
ルフィド等のチウラム類などの加硫促進剤、酸化亜鉛等
の加硫促進助剤、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,
2一ジヒドロキノリン)、フェニル−α−ナフチルアミ
ン等のアミン類などの老化防止剤等である。
【0014】これらのうち、カーボンブラックやシリカ
などの充填剤は加硫ゴムの引張り強さ、破断強度、引張
応力、硬さなどの増加、及び耐摩粍性、引張り抵抗性の
向上などの補強剤として知られており、酸化亜鉛は脂肪
酸と錯化合物を形成し、加硫促進効果有を高める加硫促
進助剤として知られている。本発明は、前記のスチール
コードコーティング用ゴム組成物とスチールコードとか
らなるスチールコードーゴム複合体を提供するものであ
り、この複合体は、例えば自動車用タイヤやコンベアベ
ルトなどの工業用ゴム製品の性能を向上させるための補
強材として好適に用いられる。
【0015】さらに、本発明にかかるスチールコードの
製造法は、ドライ技術を使用したイオン注入の他に、ブ
ラスめっきフィラメントをコバルト金属塩と適度な界面
活性剤を分散させたコロイドに浸し、乾燥する工程を繰
り返したのち、150〜250℃で熱処理することにより、C
oをめっき表層領域に拡散することができる。コードを
コロイド液に浸す回数、乾燥回数、熱拡散回数により、
Co量を制御できる。Niに関しても同様である。表層
領域を15nmまでとしたのは、接着性の改善に影響を
与えるのが、このあたりが主な領域だからである。ま
た、CoやNi量は規定量を超えても、接着力の改善効
果は飽和状態になる。
【0016】さて、発明者らは、フィラメントの周面に
施したブラスめっきについて、めっき表面からその深さ
方向における成分組成と初期接着性との関係を明らかに
するため、通常使用しているブラスめっきフィラメント
へCoイオン注入を行って、接着促進剤を減量もしくは
無添加とした被覆ゴムとの接着性を検討した。すなわ
ち、イオンプランテーションの技術を用いて、イオン注
入時間とブラスめっき表面のCo含有量との関係、及び
例えば図1に示すイオン化率とCo含有量の深さ方向分
布との関係を、予め把握して、めっき表層のCo含有量
を種々に制御し、初期接着性との関係を調査した。
【0017】その結果、めっき表面から15nmの深さ
までCoを含有させることが、初期接着性の改善に最も
有効であることを新たに見出し、この発明を完成するに
至ったのである。すなわち、めっき表面から深さ方向に
Co含有領域を拡げて、その領域の拡大過程の種々の段
階において、初期接着性を評価したところ、Co含有領
域を深さ方向に拡げるほど、初期接着性は改善される
が、15nmをこえる深さにまでCo含有領域を拡げて
も、それ以上に初期接着性が改善されることはなく、そ
の効果が15nmの深さを境に飽和することが、判明し
た。
【0018】一方、めっき表面のみのCo含有量を増加
して同様に初期接着性を評価したところ、一定の深さま
でCoが拡散されていなければ、初期接着性の改善効果
は小さく、実際にコバルト金属塩を減量もしくは無添加
とした被覆ゴムとの初期接着性が確保されるレベルにな
いことも判明した。
【0019】さらに、めっき表面から15nmの深さま
での表層領域におけるCo含有量について検討したとこ
ろ、その含有量が0.1アトミック%未満では上記の初
期接着性の改善効果に乏しく、一方表層領域のCu含有
量をこえると初期接着性の改善効果が飽和するため、
0.1アトミック%以上表層領域のCu含有量以下の範
囲とすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜
5.0アトミック%の範囲とすることが推奨される。
【0020】なお、めっき表面から15nmの深さまで
の表層領域に限定してCoを含有させる際、イオン注入
を用いると、先に図1に例示したように、Coの含有は
めっき表面から深さ方向に漸減する濃度勾配を示すこと
になる。この場合、上記の表層領域におけるCo含有量
とは、後述する通り、X線光電子分光(XPS)法を用
いて図3のようなデプスプロファイルを作成し、表層領
域全体のCu、Zn、Coの全アトミック量に対するC
oアトミック%量を算出して得る。Ni含有量について
も同様である。
【0021】ここで、めっき表面から15nmの深さま
での表層領域にCoを含有させることによって初期接着
性が改善するのは、Coがめっき表面から15nmの深
さまで拡散して初めて、加硫接着時におけるめっき内部
のCuの有効な拡散を実現させることができるからであ
る。また、この深さをこえる領域にCoがめっき中に拡
散していたとしても、その効果は飽和することが明らか
であり、Coの増加によるコスト増をまねくことにな
る。上記の知見は、Coの場合に限らず、Niの場合も
同様であった。
【0022】以上、めっき表面から深さ方向にCoを含
有させるに当りイオン注入技術を用いたが、ブラスめっ
きの表層領域にCoまたはNiを入れ込む、他の方法を
検討したところ、ブラスめっきを施したフィラメント
を、例えば水1l当たりに水100重量部に対して5〜
10重量部のコバルト金属塩と適度な界面活性剤とを分
散させたコロイドに浸して乾燥させる工程を繰り返した
後に、150℃〜250℃の温度で熱処理を施すことに
よっても、Coを15nm深さのめっき内部まで拡散さ
せることができた。その際、コードを液に浸す回数、乾
燥回数及び熱拡散回数のいずれか少なくとも1つを制御
することによって、表層のコバルト含有量を調整可能で
ある。かように製造したフィラメントのめっき深さ方向
において、Cu、Zn及びCoの光電子分光分析を用い
て元素定量した結果の一例を、Co含有量について図2
に示す。
【0023】同様に、スチールコードを製造する際、そ
のフィラメントの伸線工程において、潤滑剤中に接着促
進剤であるCoやNiの金属塩を適量添加し、伸線時の
発熱を利用してCoやNiを15nmのめっき内部まで
拡散させることも可能である。
【0024】次に、めっき表面における、Cu含有量に
ついて鋭意検討した。すなわち、めっきの基本組成は、
初期接着性に加えて、ゴム加硫後の耐熱及び耐湿接着性
などの接着耐久性を考慮する必要があり、接着耐久性の
観点から、最表面におけるCu含有量を45アトミック
%以下、好ましくは40アトミック%以下に制限する必
要がある。一方、初期接着性を確保するには一定量以上
のCuの含有が必要であり、Cu含有量を15アトミッ
ク%以上、好ましくは25アトミック%以上とする。
【0025】ちなみに、この発明に従ってめっき基本組
成及びCo含有量を規制した際の、めっき表層領域を含
む、めっき深さ方向の各成分の濃度分布の典型例を、図
3に示す。
【0026】また、表層領域に含有されるCo及びNi
の総量の50アトミック%以上が、酸化物に含まれない
Co及び/またはNiであることが好ましい。なぜな
ら、酸素と結びついた酸化コバルト等は強固な結合のた
め極めて安定であり、CoないしはCoイオンの金属中
での拡散や移動が不可能となる。その結果としてCoと
Cuとの交換反応や置換反応が進まなくなり、接着促進
剤としての役割を果たし得なくなるからである。
【0027】なお、表層領域に含有される酸化物に含ま
れないCoまたはNiの定量は、めっき表面をX線光電
子分光法にて測定した結果に基づく、例えば図4に示す
Coのスペクトル模式図における、酸化物と金属との面
積比から両者の存在比から求めることができる。
【0028】さらに、ブラスめっきの平均厚みを0.1
3〜0.30μmとすることが有利である。すなわち、
めっき平均厚みが0.13μm未満になると、鉄地が露出
する部分が増加し初期接着性が阻害され、0.30μm
を超えると、ゴム物品使用中の熱によって過剰に接着反
応が進行し脆弱な接着しか得らなくなるからである。
【0029】なお、フィラメント直径は0.40mm以
下であることが有利である。なぜなら、0.40mmを
超えると、使用したゴム物品が曲げ変形下で繰り返し歪
を受けたときに、表面歪が大きくなり、座屈を引き起し
易くなるからでる。
【0030】また、めっきにおけるCoの定量は、X線
光電子分光法を用いて、めっき表面からSiO2のエッ
チングスピード換算で15nm以上の深さまで、Cu、
Zn、Co、O及びCの特徴的な光電子をモニターにし
てアルゴンエッチングを行いながら、各深さiに存在す
る元素量を定量し、Cuiアトミック%及びCoiアトミ
ック%をそれぞれ求め、さらに15nmまでのデプスプ
ロファイル(図3参照)を作成し、その領域でのCu、
Zn及びCoの相対面積から表層領域のCoアトミック
%を算出した。なお、めっき厚さは、0.25μmであ
る。
【0031】ここで、Cuiアトミック%及びCoiアト
ミック%は、 Cuiアトミック %=[fcu Cuin/(fcuCuin+fznZnin+f
coCoin)]×100 Coiアトミック %=[fco Coin/(fcuCuin+fznZnin
+fcoCoin)]×100 ただし、fcu, fzn, fco は各元素の感度係数であり、Cu
in、Znin、Coinは深さiの位置での各元素のカウント数
で単位はcount per secondである。
【0032】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。表
1、表2記載のようなゴム−スチールコード複合体を作
成し、以下のようにして接着性を測定した。 コードA(ブラスめっき):Cu63重量%、Zn37
重量% コードB(ブラスめっき):Cu63重量%、表層領域
のCo1.0重量% ゴム組成物 天然ゴム100重量部に対し、カーボンブラック〔東海
カーボン(株)製、N330〕60重畳部、酸化亜鉛2
重量部、加硫促進剤N,N′−ジシクロヘキシル−2−
ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〔大内新興化学工業
(株)製、商標:ノクセラーDZ)1重量部、老化防止
剤N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−
p−フェニレンジアミン〔大内新興化学工業(株)製、
商標:ノクラック6C〕1重量部、硫黄5重量部及び接
着促進剤(ローヌプーラン社製、商標:マノボンドC、
有効成分:コバルト金属として22%)0.35重量部
を配合した。
【0033】(1)初期接着性 A,Bの各スチールコード(1×5構造、素線径0.2
5mm)を12.5mm間隔で平行に並べ、このスチー
ルコードを両側から各ゴム組成物からなるシートでコー
ティングして、これを160℃×20分間の条件で加硫
し、厚さ12.5mmのサンプルを作製し、ASTM−
D−2229に準拠して、スチールコードを引き抜き、
その際の引き抜き力を測定し、比較例1の値を100と
して指数表示した。数値が大きい程良好である。 (2)耐劣化接着性 上記(1)と同様にして、160℃×20分間の条件で
加硫し、厚さ12.5mmのサンプルを作製し、これを
空気中にて100℃で7日間放置して劣化させた後、A
STM−D−2229に準拠して、スチールコードを引
き抜き、その際の引き抜き力を測定し、比較例1の値を
100として指数表示した。数値が大きい程良好であ
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】上記の結果より、高い耐劣化接着性を維持
しながら、初期接着性が大きく向上していることが判
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
初期接着性および耐劣化接着性共に向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 イオンプランテーションによってCoをブラ
スめっき表面に注入した時のめっき表面から内部への深
さ方向Co含有量の分布を示す図である。
【図2】 コバルト金属塩を含むコロイドに浸漬、乾燥
して200℃でCoをめっき内部に熱拡散させた時のめ
っき表面から内部への深さ方向Co含有量の分布を示す
図である。
【図3】 ブラスめっきにおける各成分の深さ方向の濃
度分布を示す図である。
【図4】 ブラスめっき表面のCoの状態をX線光電子
分光法で回折したときのスペクトル模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/26 C08K 3/26 3/34 3/34 3/36 3/36 C08L 21/00 C08L 21/00 Fターム(参考) 3B153 AA02 BB01 CC29 CC41 CC52 CC55 FF12 FF16 GG05 GG13 4F072 AA02 AA08 AB11 AC16 AD02 AL18 AL19 4J002 AC011 AC031 AC061 AC081 BB151 BB181 BB241 DE146 DE236 DJ006 DJ016 DJ036 FD016 FD020 FD030 FD150 GN01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成分と多孔質無機充填剤とを配合し
    てなるゴム組成物と、周面に、表面の銅(Cu)濃度が
    15〜45アトミック%のブラスめっきを施されたスチ
    ールフィラメントの該表面からフィラメント半径方向内
    側に15nmの深さまでの表層領域に、コバルト(C
    o)原子およびニッケル(Ni)原子のうち少なくとも
    1種を含有してなるブラスめっき付きスチールフィラメ
    ントまたはこれらを撚り合わせてなるスチールコードと
    からなるゴム−スチールコード複合体。
  2. 【請求項2】 前記多孔質無機充填剤が、炭酸カルシウ
    ム、炭酸マグネシウム、ゼオライト、および下記一般式
    (I)を満たす化合物のうち少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載のゴム−スチールコード複合
    体。 mM・xSiOy・zHO (I) (式中、Mは、Al、Mg、Ti、およびCaから選
    ばれる少なくとも1種の金属、これら金属の酸化物、ま
    たはこれら金属の水酸化物であり、mは1〜5の整数、
    xは0〜10の整数、yは2〜5の整数、およびzは0
    〜10である。)
  3. 【請求項3】 前記多孔質無機充填剤が、シリカ、水酸
    化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
    炭酸マグネシウム、クレー、およびゼオライトのうち少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2
    記載のゴム−スチールコード複合体。
  4. 【請求項4】 前記多孔質充填剤が、ゴム成分100重
    量部に対して、3〜30重量部配合されることを特徴と
    する請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のゴム−ス
    チールコード複合体。
  5. 【請求項5】前記表層領域に含有されるCo原子および
    Ni原子の総量が0.1アトミック%以上かつ前記表層領
    域のCu原子の含有量以下であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれか1項に記載のゴム−スチールコー
    ド複合体。
  6. 【請求項6】前記表層領域に含有されるCo原子および
    Ni原子の総量が0.5〜5.0アトミック%であることを
    特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のゴム
    −スチールコード複合体。
  7. 【請求項7】前記表層領域で、酸化物に含まれないCo
    原子およびNi原子が、前記表層領域に含有されるCo
    原子およびNi原子の総量の50アトミック%以上である
    ことを特徴とする請求項1から6のいちいずれか1項に
    記載のゴム−スチールコード複合体。
  8. 【請求項8】前記ブラスめっきの平均厚みが0.13〜0.30
    μmであることを特徴とする請求項1から7のうちいず
    れか1項に記載のゴム−スチールコード複合体。
  9. 【請求項9】前記フィラメントの直径が0.40mm以下で
    あることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1
    項に記載のゴム−スチールコード複合体。
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