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JP2002001501A - 連続鋳造鋳片の製造方法 - Google Patents

連続鋳造鋳片の製造方法

Info

Publication number
JP2002001501A
JP2002001501A JP2000188847A JP2000188847A JP2002001501A JP 2002001501 A JP2002001501 A JP 2002001501A JP 2000188847 A JP2000188847 A JP 2000188847A JP 2000188847 A JP2000188847 A JP 2000188847A JP 2002001501 A JP2002001501 A JP 2002001501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
slab
mold
molten steel
pool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000188847A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Kishimoto
康夫 岸本
Hiromitsu Shibata
浩光 柴田
Kimiharu Yamaguchi
公治 山口
Hideji Takeuchi
秀次 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP2000188847A priority Critical patent/JP2002001501A/ja
Publication of JP2002001501A publication Critical patent/JP2002001501A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼の供給制御が容易なだけでなく、鋳片表
層部の幅方向にわたる溶質元素濃度のばらつきがなく、
またパウダー性欠陥等の発生のない複層鋳片を安定して
製造する。 【解決手段】 連鋳鋳型内の湯面レベルを含む鋳型上部
と、これより下方に一定の距離離隔した鋳型高さ方向中
央部それぞれにおいて、独立した上下2段の磁極によっ
て鋳片の厚みを横切る向きに鋳片全幅にわたり直流磁場
帯を印加した状態で、該鋳型高さ方向中央部に印加した
直流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上部のプール
に、単一の浸漬ノズルを用いて溶鋼を注入すると共に、
該直流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上部の溶鋼に
特定の溶質元素を添加することにより、上部プール内の
溶鋼について該溶質元素の濃度を高めて鋳片表層部の溶
質元素濃度を調整することからなる連続鋳造鋳片の製造
方法において、鋳型上部の磁場印加については、上記し
た直流磁場に加え、湯面レベルに移動交流磁場を重畳し
て印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片の内部と比較
して表層部における特定の溶質元素の濃度が高い、傾斜
組成を有する連続鋳造鋳片の製造方法に関し、特に表層
部の溶質元素の幅方向にわたる濃度分布の一層の均一化
を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、成分組成が表層部と内部で異
なる鋳片を連続鋳造によって製造する方法が種々提案さ
れている。例えば、特公平3−20295 号公報には、連鋳
鋳型内の湯面レベルから一定の距離だけ離れた下方位置
で、鋳造方向と垂直な方向に鋳片全幅にわたって直流磁
束を付与し、その直流磁束によって形成される静磁場帯
を境界としてその上下に異なる金属を供給することによ
り、複層鋳片を得る方法が記載されている。
【0003】また、特開平7−51801 号公報には、連続
鋳造用の鋳型内へ溶鋼を気体と共に垂直方向に注入し、
この溶鋼注入位置より上部で鋳型内の幅方向全幅に直流
磁場を付与して溶鋼の上昇流を減速し、該直流磁場の付
与位置より上部の溶鋼中に該溶鋼成分とは異種の元素を
添加して、上記注入気体の浮上撹拌により上部の溶鋼を
合金溶鋼として合金鋼の表層を鋼表面に形成することか
らなる複層鋼板の製造方法が記載されている。
【0004】さらに、特開平8−290236号公報には、モ
ールドパウダーに、鋳片の表層に濃化させたい合金元素
を含有させ、また鋳型上部に設置した電磁撹拌装置によ
り鋳型内の溶鋼プール中の水平断面内で撹拌流を形成さ
せると共に、その下方に幅方向に均一な磁束密度を有す
る直流磁場を鋳型の厚み方向に印加することによって鋳
型内溶鋼プールに制動域を形成し、直流磁界の下方にノ
ズルから溶鋼を供給しつつ鋳造することによって、鋳片
の表層部における合金元素の濃度を内層に比べて高くす
る方法が提案されている。
【0005】その他、鋳片内部の介在物を低減したり、
鋳込み時における湯面変動を防止してパウダーの鋳片へ
の巻き込みを防止するために、電磁石を用いた流動制御
方法が提案されており、実用化されている。例えば、特
開平1−105817号公報には、鋳型の全幅にわたって鋳片
の厚みを横切る方向に、磁場を湯面(メニスカス)と鋳
型下部の上下二段に印加する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、特公平3−20295 号公報に
記載の方法では、鋳片の表層用溶鋼と内部用溶鋼を2基
の別々のタンディッシュに確保して、磁場帯上下部での
凝固速度に応じた溶鋼量を各々のタンディッシュから独
立に供給するという極めて難しい制御を行う必要がある
ため、安定した製造が難しく、その結果、製品歩留りが
低下するという問題があった。また、特開平7−51801
号公報に記載の製造方法では、タンディッシュからの溶
鋼は磁場帯下部のみに鋳型内湯面レベルを一定に維持す
るように供給され、磁場帯上部には供給されないため、
磁場帯上部での凝固量に対応する不足分は磁場帯下部か
ら自然に流入することから、前述したような問題は発生
しないものの、この場合、磁場帯下部から上部への溶鋼
流は直流磁場の影響により幅方向にわたってほぼ均一に
流入するため、気泡の撹拌効果だけでは溶質元素を添加
した部位とそこから離れた部位での極端な濃度差を解消
できないという問題があった。
【0007】さらに、特開平8−290236号公報に開示の
方法では、パウダーからの合金元素の添加によって形成
される濃化層の厚みがあまりに小さいため、十分な厚み
の濃化層を有する鋳片は製造できないという問題があっ
た。通常、パウダーからの合金添加によって形成される
濃化層の厚みはせいぜい数ミリであり、一般に表層部の
濃化としては十分な厚みとはいえない。
【0008】この点、発明者らは先に、上記の問題を解
決するものとして、連鋳鋳型内の湯面レベルを含む鋳型
上部と、これより下方に一定の距離離隔した鋳型中央部
それぞれにおいて、独立して電流制御された上下2段の
磁極(電磁石)によって鋳片の厚みを横切る向きに鋳片
全幅にわたり直流磁場帯を印加した状態で、該鋳型中央
部に印加した直流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上
部のプールに、単一の浸漬ノズルを用いて溶鋼を注入す
ると共に、該直流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上
部の溶鋼に特定の溶質元素を添加することにより、上部
プール内の溶鋼について該溶質元素の濃度を高めて鋳片
表層部の溶質元素濃度を調整することからなる連続鋳造
鋳片の製造方法を提案した(特願2000−043711号明細
書)。
【0009】上記の方法により、鋳片の表層部における
溶質元素の濃度変化を小さくした上で、十分な厚みの表
面濃化層を形成することができ、またメニスカスの流動
を制御してモールドパウダー等の巻き込みも効果的に防
止できるようになった。しかしながら、得られた連続鋳
造鋳片を素材として、製品板を製造した場合、例えば表
面にNiを濃化させて耐食性の向上を図った製品板につい
て、耐食性試験を行ったところ、局所的な耐食性の劣化
が生じる場合が散見された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を有利に解決するもので、鋳片表層部における溶質元素
の濃度分布の一層の均一化を達成し、製品板において局
所的な特性劣化等が生じることのない、連続鋳造鋳片の
有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述したとおり、特願20
00−043711号明細書に記載の方法に従って製造した連続
鋳造鋳片を素材とした場合には、製品板において局所的
な特性劣化が生じる場合があった。そこで、発明者ら
は、上記の原因について綿密な調査を行った結果、特願
2000−043711号明細書に記載の方法では、場合により鋳
片表層部における溶質元素の濃度分布が十分に均一では
なく、局所的な濃度のばらつきが生じていることが判明
した。
【0012】図1(a) に、特願2000−043711号明細書に
記載の方法に従って製造した連続鋳造鋳片の鋳片表層部
における溶質元素(Ni)の濃度分布(鋳片幅方向)につ
いて調べた結果を示す。同図に示したとおり、鋳片最表
層部には溶質元素の局所的な濃度のばらつきが観察され
た。そこで、さらに詳しく調査した結果、以下のことが
明らかとなった。 1)溶質元素の添加位置を変えると、場合によって表層
部の濃度のばらつきが変わる。 2)特に鋳片の表層部においてばらつきが大きくなる。
【0013】この原因について調べたところ、溶質元素
が上部プールへ添加された後に溶鋼と混合される状況
が、元素の添加位置や用いるノズルにより異なることが
分かった。これは、上部プールにおける流動状況が異な
るためである。例えば、図4に示すように、3孔ノズル
を用いかつ短辺近傍の表層部(8′)に元素を添加する
と、3孔ノズルの上部のノズルからの吐出流によって短
辺からノズル中心へ向かう大きな循環流が生じる。この
循環流により、元素の添加位置によってスラブ表層では
ノズル近くに元素が濃化することが分かった。これは、
鋳造速度(スループット)によっても変化する。すなわ
ち、用いるノズル、元素の添加位置および鋳造速度(ス
ループット)によって、表層部の濃度分布が変化するこ
とが分かったのである。なお、以前の調査では、スラブ
の表層深さ10mmでのみ複数点サンプルを採ったため、こ
の問題について確認できなかったものと推察される。
【0014】そこで、発明者らは、上述したような局所
的な濃度のばらつきについても防止すべく鋭意研究を重
ねた結果、特願2000−043711号明細書に記載の連続鋳造
鋳片の製造方法において、鋳型上部における磁場印加に
ついては、単に直流磁場ではなく、湯面レベルに移動交
流磁場を重畳した直流磁場を印加することが極めて有効
であることの知見を得た。本発明は上記の知見に立脚す
るものである。
【0015】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.溶融金属の連続鋳造に際し、連鋳鋳型内の湯面レベ
ルを含む鋳型上部と、これより下方に一定の距離離隔し
た鋳型高さ方向中央部それぞれにおいて、独立して電流
制御された上下2段の磁極(電磁石)によって鋳片の厚
みを横切る向きに鋳片全幅にわたり直流磁場を印加した
状態で、該鋳型高さ方向中央部に印加した直流磁場帯内
または該直流磁場帯よりも上部のプールに、単一の浸漬
ノズルを用いて溶鋼を注入すると共に、該直流磁場帯内
または該直流磁場帯よりも上部の溶鋼に特定の溶質元素
を添加することにより、上部プール内の溶鋼について該
溶質元素の濃度を高めて鋳片表層部の溶質元素濃度を調
整することからなる連続鋳造鋳片の製造方法において、
鋳型上部の磁場印加については、上記した直流磁場に加
え、湯面レベルに移動交流磁場を重畳して印加すること
を特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法。
【0016】2.鋳片の幅と鋳造速度に応じて、上段磁
極に通電する電流の大きさを制御することにより、メニ
スカス代表流速を 0.1〜0.6 m/s の範囲に制御すること
を特徴とする上記1記載の連続鋳造鋳片の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に従い具体的
に説明する。図2,3,4に、本発明に従う溶鋼の注入
要領を図解する。図2の例は、浸漬ノズルとして、単孔
のストレートノズルを用いた場合で、溶鋼がほぼ鉛直方
向に供給される場合である。図3の例は、浸漬ノズルと
して、2つの吐出孔を有し、各吐出孔からの噴流の角度
を傾斜させた、いわゆる2孔ノズルを用いた場合であ
る。図4の例は、浸漬ノズルとして、下部に主たる吐出
孔を有すると共に側部にも2つの副孔を有する、3孔ノ
ズルを用いた場合である。図中、番号1は鋳型、2は浸
漬ノズル(2a:ストレートノズル、2b:2孔ノズル、2
c:3孔ノズル)、3a, 3bはそれぞれ鋳型の上部および
高さ方向中央部に配置された上下2段の磁極(電磁石)
であり、これらの磁極3a, 3bにより、鋳片の厚み方向に
鋳片全幅にわたって直流磁場を独立して印加できるよう
になっている。また、上段の磁極3aは、同時に交流磁場
も印加可能な仕組みになっている。
【0018】すなわち、上部磁極3aは、直流電流を通電
する電磁ブレーキコイル(直流通電コイル)と、移動型
の交流電流を通電する低周波磁場コイル(交流通電コイ
ル)と、これらが共通に巻かれた鉄心とからなり、かよ
うな電極構造とすることによって、移動交流磁場を重畳
した直流磁場を印加することができる。この状態を鋳型
短辺背面側から見た透視図が図5であり、図中3a-1が直
流通電コイル、3a-2が交流通電コイル、3a-3が鉄心であ
る。そして、浸漬ノズル2は、上下2段の磁極3a, 3bの
間に配置されている。
【0019】また、番号4で磁極の高さ中心を示し、4a
は上段磁極3aの高さ中心、4bは下段磁極3bの高さ中心で
ある。さらに、5は浸漬ノズル2の吐出孔であり、6で
浸漬ノズル2からの噴流を、7で直流磁場帯の下部プー
ルから上部プールヘの逆流(上昇流)を示す。8,8′
は溶質元素(ワイヤー)、×印は溶質元素の添加位置、
そして9が凝固シェルである。なお、図中、wは鋳型の
幅、θは浸漬ノズル吐出孔の角度(水平方向を0とした
下向きの角度)、hは浸漬ノズル吐出孔の下端から下段
磁極の高さ中心までの距離、dは浸漬ノズル吐出孔の下
端から下段磁極の上端部までの距離を表す。
【0020】さて、図2,3に示したところにおいて、
浸漬ノズル2から供給された溶鋼噴流6は殆どが一旦下
部プールに流入するが、上部プールヘの溶鋼の供給源が
存在しないため、一旦下部プールに流入した溶鋼のうち
必要な分だけは再度上部プールに逆流することになる。
また、図4においても、主たる溶鋼の供給は、下部主孔
より行われるため、同様にして、下部プールに流入した
溶鋼が再度上部プールに逆流する。従って、本発明で
は、特開平7−51801 号公報に記載の方法と同じよう
に、溶鋼の供給速度の制御に関する問題はない。
【0021】また、本発明では、浸漬ノズル2から供給
される溶鋼噴流6は、直流磁場帯を横切るため、噴流6
の周りには図6に示すような誘導電流10が生じる。その
結果、この誘導電流10と直流磁場11との相互作用によ
り、図7に示すような電磁力12が発生する。このよう
に、噴流部には、噴流6と逆向きの力いわゆる電磁ブレ
ーキ力が発生するが、かかる誘導電流は噴流部の両脇で
も不可避的に発生するため、両脇においても同様の力が
発生し、噴流部の両脇では逆向きの流れが発生し易くな
る。
【0022】そして、その結果として、図2に示すよう
に、磁場帯下部プールから上部プールヘの溶鋼の流入
(逆流7)が発生するため、上部プールには、同図に示
したような回転流が発生し、撹拌が促進されることか
ら、上部プール内の溶鋼中における溶質元素の濃度分布
も均一なものになる。また、ノズルから下方への噴流
は、磁場帯を通過する際に減速されるため、内部欠陥の
原因となる介在物の下方への巻き込みも減少し、内部品
質も向上することになる。
【0023】上述したとおり、本発明では、浸漬ノズル
からの噴流が拡散する前に磁場帯を貫通させる必要があ
るため、ノズルの位置および吐出角度ならびに磁場の印
加位置を適切に設定することが重要である。そこで、こ
の点について種々検討した結果、ノズルの位置および主
たる吐出孔の吐出角度と磁場の印加位置について、次の
関係を満足させるのが好ましいことが判明した。 h < (1/2)・w・ tanθ --- (1) 0 <d≦ 0.3 --- (2) ここで、θ:浸漬ノズル吐出孔の下向きの角度(°) w:鋳型の幅方向の長さ(m) h:浸漬ノズル吐出孔の下端から磁極の高さ中心までの
距離(m) d:浸漬ノズル吐出孔の下端から磁極の上端部までの距
離(m)
【0024】上掲した(1), (2)式は、浸漬ノズルからの
噴流が拡散する前に磁場帯を貫通させる上で、幾何学的
に重要な条件であり、(1), (2)式を満足する条件下で操
業を行った場合には、より一層溶質元素が上部プールの
みに均質に添加されて、鋳片の表層部のみ溶質元素の濃
度が高い鋳片を効果的に製造できるのである。
【0025】なお、上記の例では、主に浸漬ノズルが単
孔のストレートノズルの場合について説明したが、本発
明では下部プールから上部プールヘの溶鋼の流入部位を
局所的に発生させることが重要であり、従って図3に示
したような2孔ノズル、さらには図4に示したような下
部と両側部に合計3個の吐出孔を有するような3孔ノズ
ルなどの場合でも、主たる吐出孔が上記(1), (2)の条件
を満足すれば、所望の局所的な流入部位を効果的に生成
することが可能である。また、局所的な流入部位の形成
効果と、ノズル噴流の減衰効果をより一層大きくするた
めには、ノズル噴出孔の位置は磁極中心から上方に配置
することが好ましい。
【0026】次に磁場の効果を説明する。下段磁場は、
直流磁場のみの印加とし、添加元素および介在物の下部
プールへの侵入を防止する。下段における印加磁場の強
さについては、あまりに小さいと、磁場による制動効果
が弱くなって、上部プールと下部プールの溶鋼が混合す
るおそれが生じ、一方、強すぎると上部プール内への流
入が強くなり過ぎ、必要以上の溶鋼が上部プールに供給
されることになるため、結果として、該流入位置から離
れた部位において上部プールの溶鋼が流出するおそれが
あるので、印加磁場は、上部プールと下部プールの溶鋼
の混合や合金元素の均一溶解不良が発生しない、適切な
強さとすることが重要であり、通常 0.2〜0.3 T程度と
するのが好ましい。また、同様に、ノズルに注入される
Arガスの流量が多すぎると、上部プールへの流入が強く
なりすぎるため、Arガス流量は 20 l/min 以下とするこ
とが望ましい。
【0027】次に、上段磁場について説明する。メニス
カスの流動が小さいと、添加された溶質元素を上向きの
流動で溶解した後に鋳型幅方向の流れがなくなるため、
幅方向における元素濃度のばらつきが生じる。また、メ
ニスカスの流動が小さいと、メニスカスの温度低下によ
りパウダーのトラップが生じ易くなる。一方、メニスカ
スの流動が大きすぎると、添加した元素を幅方向に均一
化させる上では有利となるが、モールドパウダーがメニ
スカスで巻き込まれ、シェルにパウダーが付着して欠陥
となることが判明した。すなわち、凝固シェル近傍で
は、ある程度の流れが必要であるのに対して、その流れ
がメニスカス全体に生じるとパウダー巻き込み等の欠陥
を増加させてしまうのである。従って、凝固シェル近傍
とメニスカス全般の流れを独立して制御できる方法が望
まれる。
【0028】そこで、本発明では、下段磁場と上段磁場
の電流を独立して制御すると共に、特に上部磁場につい
ては、直流磁場に移動型の交流磁場(移動交流磁場)を
重畳して印加した磁場を用いるのである。上記したよう
に、交流磁場と直流磁場を重畳させることにより、時間
によって磁場強度(大きさ、強さ)および/または方向
(向き)が変化し、かつその時間平均値が0でない磁界
が溶鋼に印加されるために、速い流れに対しては磁場の
直流成分(直流磁場)がブレーキとして作用し、一方遅
い流れに対しては磁場の交流移動成分(移動交流磁場)
がスターラとして作用することになる。
【0029】図1(b) に、本発明に従い、下段磁場とし
て直流磁場を印加する一方、上段磁場として直流・交流
重畳磁場を印加しつつ鋳造鋳片を製造した場合におけ
る、連続鋳造鋳片の鋳片表層部における溶質元素(Ni)
の濃度分布(鋳片幅方向)について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、本発明に従えば、鋳片表層部にお
ける溶質元素の局所的な濃度のばらつきが格段に軽減さ
れることが分かる。
【0030】ここに、移動交流磁場の周波数について
は、 0.5〜10Hz程度とすることが好適である。そして、
この周波数を変更することにより、表皮効果による磁力
の浸透深さを変化させて、所望の場所での溶鋼流動を自
在に制御することができる。すなわち、一つには周波数
が高いほど表面近傍に撹拌力を付与することができる
が、10Hzを超えると磁力が凝固シェルや鋳型銅 (鋼) 板
までしか及ばず、溶鋼を十分に撹拌できないため、周波
数の上限は10Hz程度とする。一方、周波数が低いほど溶
鋼内部まで磁力を波及させることができるけれども、0.
5 Hz未満では実効ある撹拌力が得られないため、周波数
の下限は 0.5Hz程度とする。この周波数範囲はいわゆる
低周波域に属する。なお、より好ましい周波数範囲は3
〜7Hzである。
【0031】このように、移動交流磁界の作用は、凝固
シェルの近傍ほど強く、遠いところ(鋳型内部)ほど弱
い。一方、直流磁界の方は、凝固シェルの近傍、鋳型内
部の別に関わりなく作用するため、凝固シェル近傍では
撹拌の効果を大きく、一方内部ではブレーキの効果を大
きくすることができる。従って、合金元素の幅方向の均
一化のために必要となる凝固シェル近傍での流動と、パ
ウダー巻き込みなどを抑制するメニスカス全般での静か
な流れを同時に達成できるのである。
【0032】さらに、本発明では、磁場(変動磁場)の
強さの時間平均値およびこの平均値回りの変動幅を、鋳
造条件(鋼種、鋳片幅、鋳造速度等)や幅方向位置、鋳
込み方向位置に応じて、それぞれ独立に変更するように
し、制動力や撹拌力を各条件・各位置毎に最適と目され
る値に一致させることが可能であり、各条件・各位置に
おいて所望の溶鋼流動を付与することができる。
【0033】また、本発明の上部の磁場発生装置(磁
極)は、直流電流を通電する電磁ブレーキコイルと交流
電流を通電する低周波電磁撹拌コイルとをそれぞれ別個
にそなえ、これらのコイルを共通の鉄心に巻くことによ
り、この共通の鉄心から時間変動する磁場を発生させる
ことができるので、同一の位置において電磁ブレーキと
電磁撹拌とを自在に運用できるようになる。
【0034】また、上段磁極における静磁場の効果は、
メニスカスを整流化しモールドパウダーの巻き込みを防
止することにあるので、下部磁場に要求される強さは不
要である。さらに、交流磁場との干渉効果により効率低
下(結果としてコイル自体への発熱と電力効率低下が生
じる)を防ぐ上でも適正な磁場を用いることが必要とな
る。通常は 0.1〜0.2 Tの静磁場を印可することで十分
な効果が得られる。
【0035】図8(a), (b)に、本発明に従い、上段には
交流・直流重畳磁場を、一方下段には直流磁場のみを印
加して鋳造した場合における、メニスカス代表流速(1/
4 幅、中心厚み位置)とパウダー性欠陥および幅方向表
層部における添加元素(Ni)の濃度分布比(最大濃度部
と最低濃度部の比)との関係について調べた結果を示
す。なお、濃度分布は、表層部深さ:10mmおよび表層
部:1mmの両方で幅方向複数位置(10mm間隔)からドリ
ルサンプルを採取して、分析した。
【0036】同図に示したとおり、メニスカス代表流速
が 0.1 m/s未満では、幅方向の濃度差を十分に解消する
ことができず、一方 0.6 m/sを超えるとパウダー性欠陥
が増加する。従って、本発明では、メニスカス流速を
0.1〜0.6 m/s の範囲に制御することが好適であり、こ
の範囲に制御することで、凝固シェルへのモールドパウ
ダーの付着が効果的に防止できるだけでなく、添加元素
の幅方向への一層の均一化を図ることができる。
【0037】なお、印加する上部と下部の直流磁場帯の
幅(高さ方向)については、あまりに小さいと制動効果
が十分でなく、一方あまりに大きいと磁場を発生させる
のに必要な電源容量あるいはコイルサイズが大きなもの
となり、設備コストが増大するので、磁極の高さ方向の
幅で 0.1〜0.5 m程度とするのが好適である。
【0038】
【実施例】図2〜4に示した連鋳鋳型を用い、次の条件
で、連続鋳造鋳片を製造した。 ・鋳型の内径寸法 長辺:1.7 m、短辺:0.26m ・下部直流磁場 印加位置:鋳型内湯面レベルから0.58m下方(磁極の高
さ中心まで) 印加磁場の強さ:0.3 T 下部コイル高さ:0.18m ・上部直流・交流磁場 印加位置:鋳型湯面レベルから 0.1m下方(磁極高さ中
心まで) 上部印加磁場の強さ:条件により変更 上部コイル高さ:0.18m ・浸漬ノズル 単孔ノズル(吐出角θ=90°)、2孔ノズル(吐出角θ
=20°, 25°)、 3孔ノズル(主孔吐出角θ=90°) ・溶質元素(純Niワイヤー) 純Niワイヤーの供給位置:短片より 0.1mの部位(厚み
中央部) 純Niワイヤーの溶融位置:鋳型内湯面レベルから0.05m
下方 ・鋳造速度 1.7, 2.0 m/min
【0039】なお、上記の連鋳機における凝固シェルの
成長厚t(m)は次式(3) で与えられることが分かって
いる。 t= 0.022×(L/Vc)0.5 --- (3) ここで、Lは湯面レベルから下段磁極の高さ中心までの
距離(m)、またVcは鋳造速度(m/min)である。従
って、上記(3)式から、上下プール境界部での凝固シェ
ル厚さは12〜13mm程度であることが分かる。
【0040】さて、上記の条件で鋳造速度、鋳型幅およ
びノズル種類等を変化させて連続鋳造し、鋳片表層部の
幅方向におけるNiの濃度分布比とパウダー性欠陥指数の
関係について調べた結果を、表1に示す。ここに、濃度
分布は、表層部深さ:10mmおよび表層部:1mmの両方で
幅方向複数位置(10mm間隔)からドリルサンプルを採取
して、分析した。各位置での深さ:10mmと1mmでの分析
値の平均値を求め、幅方向での最大値と最小値の比を濃
度分布比とした。また、上段磁極については、直流磁場
を0.10〜0.22Tの範囲で印可すると同時に、低周波の移
動交流磁場を印加して、メニスカスの代表流速を変化さ
せた。た。なお、比較のため、2孔ノズルと上部に交流
磁場、下部に直流磁場を用いて制御しつつ、鋳造した場
合(比較例1,2)についても調査した。
【0041】
【表1】
【0042】同表より明らかなように、本発明によれ
ば、鋳片の全幅にわたって溶質元素であるNiを均一に濃
化させることができた。また、本発明に従い、移動交流
磁場と直流磁場を重畳して印可した場合には、パウダー
性欠陥の発生が効果的に抑制されることが分かる。
【0043】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、一基のダン
ディッシユおよび単一の浸漬ノズルで溶鋼を磁場帯の上
下プールに供給可能であるため、溶鋼供給制御が極めて
容易なだけでなく、鋳片表層部の幅方向にわたる溶質元
素濃度のばらつきが全くない鋳片を安定して製造するこ
とができ、ひいては製品の歩留りを格段に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a) は、上下段とも直流磁場を印加した場合
における、鋳片表層部の溶質元素の濃度分布(鋳片幅方
向)を示した図、(b) は、下段磁場として直流磁場、上
段磁場として交流・直流重畳磁場を印加した場合におけ
る、鋳片表層部の溶質元素の濃度分布(鋳片幅方向)を
示した図である。
【図2】 本発明に従う溶鋼の注入要領の一例(単孔ス
トレートノズルを用いた場合)を示す模式図である。
【図3】 本発明に従う溶鋼の注入要領の一例(2孔ノ
ズルを用いた場合)を示す模式図である。
【図4】 本発明に従う溶鋼の注入要領の一例(3孔ノ
ズルを用いた場合)を示す模式図である。
【図5】 鋳型背面側から見た透視図である。
【図6】 ノズルからの溶鋼噴流の周りに発生する誘導
電流の説明図である。
【図7】 ノズルからの溶鋼噴流の周りに発生する電磁
力の説明図である。
【図8】 (a) は、メニスカスの代表速度とパウダー性
欠陥との関係を示した図、(b) は、表層部における添加
元素(Ni)の幅方向にわたる濃度分布比との関係を示し
た図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 浸漬ノズル 3 磁極(電磁石) 3a-1 直流通電コイル 3a-2 交流通電コイル 3a-3 鉄心 4 磁極の高さ中心 5 浸漬ノズルの吐出孔 6 浸漬ノズルからの噴流 7 磁場帯の下部プールから上部プールへの逆流(上昇
流) 8 溶質元素(ワイヤー) 9 凝固シェル 10 誘導電流 11 直流磁場(磁界の方向) 12 電磁力 13 ノズルからの噴流の存在範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 公治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 竹内 秀次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E004 AA09 MB11 MB12 MB14 NB01 NC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属の連続鋳造に際し、連鋳鋳型内
    の湯面レベルを含む鋳型上部と、これより下方に一定の
    距離離隔した鋳型高さ方向中央部それぞれにおいて、独
    立して電流制御された上下2段の磁極(電磁石)によっ
    て鋳片の厚みを横切る向きに鋳片全幅にわたり直流磁場
    を印加した状態で、該鋳型高さ方向中央部に印加した直
    流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上部のプールに、
    単一の浸漬ノズルを用いて溶鋼を注入すると共に、該直
    流磁場帯内または該直流磁場帯よりも上部の溶鋼に特定
    の溶質元素を添加することにより、上部プール内の溶鋼
    について該溶質元素の濃度を高めて鋳片表層部の溶質元
    素濃度を調整することからなる連続鋳造鋳片の製造方法
    において、 鋳型上部の磁場印加については、上記した直流磁場に加
    え、湯面レベルに移動交流磁場を重畳して印加すること
    を特徴とする連続鋳造鋳片の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋳片の幅と鋳造速度に応じて、上段磁極
    に通電する電流の大きさを制御することにより、メニス
    カス代表流速を 0.1〜0.6 m/s の範囲に制御することを
    特徴とする請求項1記載の連続鋳造鋳片の製造方法。
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