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JP2002080763A - インク、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、カラー画像記録装置、画像記録方法、カラー画像の形成方法およびインクジェット記録画像の濃度向上方法 - Google Patents

インク、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、カラー画像記録装置、画像記録方法、カラー画像の形成方法およびインクジェット記録画像の濃度向上方法

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Publication number
JP2002080763A
JP2002080763A JP2000276218A JP2000276218A JP2002080763A JP 2002080763 A JP2002080763 A JP 2002080763A JP 2000276218 A JP2000276218 A JP 2000276218A JP 2000276218 A JP2000276218 A JP 2000276218A JP 2002080763 A JP2002080763 A JP 2002080763A
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JP
Japan
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ink
recording
carbon black
image
self
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Application number
JP2000276218A
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English (en)
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JP2002080763A5 (ja
JP4510256B2 (ja
Inventor
Koichi Osumi
孝一 大角
Shinya Mishina
伸也 三品
Tomonari Watanabe
智成 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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Priority to JP2000276218A priority Critical patent/JP4510256B2/ja
Publication of JP2002080763A publication Critical patent/JP2002080763A/ja
Publication of JP2002080763A5 publication Critical patent/JP2002080763A5/ja
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  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体の種類による影響を抑制し、画像品
位に優れ、且つ、カラー画像の形成の際のブリードの発
生が有効に抑制され、インクの長期保存安定に優れ、高
品位の画像が安定して得られるインク、インクセット、
インクカートリッジ、記録ユニット、カラー画像記録装
置、画像記録方法、カラー画像の形成方法及びインクジ
ェット記録画像の濃度向上方法の提供。 【解決手段】 (M1)2SO4、CH3COO(M1)、Ph-COO(M1)、(M
1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M1)2SO3及び(M1)2CO3
(但し、M1はアルカリ金属、アンモニウム又は有機ア
ンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす)から
選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が1.
8(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカーボンブ
ラックとを含むインク、インクセット、画像記録装置
等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク、インクセ
ット、インクカートリッジ、記録ユニット、カラー画像
記録装置、画像記録方法、カラー画像の形成方法および
インクジェット記録画像の濃度向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より筆記具(万年筆、サインペン、
水性ボールペンなど)用の黒色インクおよびインクジェ
ット用の黒色インクとして、印字物の濃度が高く、ま
た、堅牢性などに優れた黒色着色剤であるカーボンブラ
ックを用いたインクが提案されている。
【0003】また、近年は、特に家庭やオフィスなどで
一般に使用されているコピー用紙、レポート用紙、ノー
ト、便箋、ボンド紙および連続伝票用紙などの普通紙に
対しても良好な記録を行うことができるように、インク
の組成および物性などの多様な面から詳細な研究開発が
なされている。例えば、特開昭61−283875号公
報および特開昭64−6074号公報には、カーボンブ
ラックと分散剤とを含む水性顔料インクが開示されてい
る。さらに、特開平8−3498号公報には、カーボン
ブラックを分散剤と共に含むインクをインクジェットプ
リンタ用のインクとして用いた場合に、吐出が不安定に
なったり、十分な印字濃度が得られないとする技術課題
を挙げ、そのような課題を解決し得るインクとして、分
散剤を用いない自己分散型のカーボンブラックを用いた
水性顔料インクを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】普通紙のような浸透性
の大きい紙に従来の水性インクを用いて印字した場合
に、文字のシャープネスが損なわれたり、画像濃度の低
下が生じて画像品位が損なわれることがあった。これに
対し、インクを極力記録媒体に浸透させないようにする
ことで、インクの発色性を向上させる手法が考えられる
が、この場合には、インクの浸透性を低くしたことによ
る別の問題が発生する。すなわち、この場合にはインク
が記録媒体に浸透せずに記録媒体上に残ることになるた
め、カラー画像を形成した場合に、色間境界での異なる
色同士の滲み(以降、ブリードと表現する)が発生する
という問題を生じる。
【0005】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、記録媒体の種類による影響を抑制し、
画像品位に優れ、且つカラー画像の形成の際のブリード
の発生が有効に抑制され、しかも、インクの長期保存安
定に優れ、高品位の画像が安定して得られるインク、イ
ンクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、カラ
ー画像記録装置、画像記録方法、カラー画像の形成方法
およびインクジェット記録画像の濃度向上方法を提供す
ることにある。
【0006】また、本発明は、極めて高い濃度の画像を
得ることができ、また、その濃度の記録媒体への依存性
が少なく、且つインクとしての安定性にも優れ、さらに
カラー記録に用いた場合にも記録媒体上における他のカ
ラーインクとのブリードが起こり難いインクジェット用
水性インクを提供することを他の目的とする。さらに、
本発明は、自己分散型カーボンブラックを含んでいるイ
ンクを用いるインクジェット記録方法によって得られる
画像の濃度をより一層向上させる方法を提供することを
他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできる本発明の一実施形態にかかるインクは、(M
12SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO
(M1)、(M1)NO3、(M 1)Cl、(M1)Br、
(M1)I、(M12SO3および(M12CO3(但
し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機アン
モニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす)から選
ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が1.8
(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカーボン
ブラックとを含むことを特徴とするものである。
【0008】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の他の実施形態にかかるインクは、(M12SO
4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、
(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1
I、(M12SO3および(M12CO3(但し、M1
アルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを
表わし、Phはフェニル基を表わす。)から選ばれる少
なくとも1種の塩と、表面官能基密度が0.45(mm
ol/g)以上の自己分散型アニオンカーボンブラック
とを含み、且つ60℃の環境下に1ケ月間保存したとき
にも実質的な粘度変化を生じないことを特徴とするもの
である。
【0009】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかるインクセットは、シアン
用、マゼンタ用、イエロー用、レッド用、グリーン用お
よびブルー用の色材から選ばれる少なくとも1つの色材
を含む水性のカラーインクと、上記した本発明に係るイ
ンクとが組み合わされていることを特徴とするものであ
る。また、上記の目的を達成することのできる本発明の
一実施形態にかかるインクカートリッジは、上記の本発
明に係るインクとを収容しているインクタンクを備えて
いることを特徴とするものである。
【0010】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかる記録ユニットは、例えば、
(M12SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO
(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、
(M1)I、(M12SO3および(M12CO3(但
し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機アン
モニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。)から
選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が1.
8(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカーボ
ンブラックとを含むインクジェット用インクを収容して
いるインク収容部および該インクを吐出させるためのヘ
ッド部を備えていることを特徴とするものである。
【0011】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかる画像記録装置は、例えば、
(M12SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO
(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、
(M1)I、(M12SO3および(M12CO3(但
し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機アン
モニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。)から
選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が1.
8(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカーボ
ンブラックとを含むインクジェット用インクおよび該イ
ンクの吐出用記録ヘッドとを備えていることを特徴とす
るものである。
【0012】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかるカラー画像記録装置は、例
えば、(M12SO4、CH3COO(M1)、Ph−C
OO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)B
r、(M1)I、(M12SO 3および(M12CO
3(但し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機
アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。)
から選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が
1.8(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカ
ーボンブラックとを含むインクジェット用インクを収容
しているインク収容部、シアン用、マゼンタ用、イエロ
ー用、レッド用、グリーン用およびブルー用の色材から
選ばれる少なくとも1つの色材を含む水性インクジェッ
ト用カラーインクを収容しているインク収容部、および
各々のインク収容部に収容されているインクを各々吐出
させるための記録ヘッド部を具備していることを特徴と
するものである。
【0013】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかる画像記録方法は、例えば、
(M12SO4、CH3COO(M1)、Ph−COO
(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、
(M1)I、(M12SO3および(M12CO3(但
し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまたは有機アン
モニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。)から
選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基密度が1.
8(μmol/m2)以上の自己分散型アニオンカーボ
ンブラックとを含むインクジェット用インクを記録媒体
表面に向けて飛翔させて該表面に付着させることにより
画像を記録する工程を有することを特徴とするものであ
る。
【0014】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態に係るカラー画像の形成方法は、例
えば、シアン用、マゼンタ用、イエロー用、レッド用、
グリーン用およびブルー用の色材から選ばれる少なくと
も1つの色材を含む水性の第1のインクジェット用イン
クを記録媒体表面に向けて吐出させ、該表面に付着させ
る工程、および(M12SO4、CH3COO(M1)、
Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、
(M1)Br、(M1)I、(M12SO3および(M1
2CO3(但し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまた
は有機アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わ
す。)から選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基
密度が1.8(μmol/m2)以上の自己分散型アニ
オンカーボンブラックとを含む第2のインクジェット用
インクを該記録媒体表面に向けて吐出させ、該表面に付
着させる工程を含むことを特徴とするものである。
【0015】このような構成を採用した場合、表面官能
基を1.8(μmol/m2)もしくは0.45(mm
ol/g)以上という高いレベルにすることで、自己分
散型カーボンブラックのインク中における分散性をより
一層安定させることができる。その一方で、塩をインク
中に含ませることで、当該インクが記録媒体に付着した
後のインク中の固体と液体との分離を迅速に生じさせる
ことができ、これまで両立が困難であると考えられてい
た自己分散型カーボンブラックのインク中での安定性と
当該インクによる画像の濃度の双方を極めて高いレベル
で両立させることができる。そして、固液分離の迅速化
によって、当該インクをカラー画像記録に用いた際の記
録媒体上での他のカラーインクとのブリードも十分に抑
制することができるものである。
【0016】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかるインクジェット用水性イン
クの一実施形態は、平均粒径が90nm以上の自己分散
型カーボンブラックが水性媒体中に安定に分散してお
り、且つ塩を含んでいるインクジェット用水性インクで
あって、上記塩が入っていない場合には、当該インクに
よって得られる画像の濃度が、塩が入っている場合に比
較して低下するものであることを特徴とするものであ
る。
【0017】また、上記の目的を達成することのできる
本発明の一実施形態にかかるインクジェット記録画像の
濃度向上方法は、平均粒径が90nm以上の自己分散型
カーボンブラックが水性媒体に安定に分散しているイン
クを用いて形成されたインクジェット記録画像の画像濃
度の向上方法であって、該インクに、該自己分散型カー
ボンブラックの被記録媒体内部への浸透防止剤としての
塩を含有せしめることを特徴とするものである。そして
このような形態を採用することによって、単に粒径の大
きい自己分散型カーボンブラックを用いることでは得ら
れないような高い濃度の画像を得ることができるもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。本発明に係るインク
は、着色剤の一つとして、表面官能基密度が1.8(μ
mol/m2)以上の、分散剤を用いない自己分散型ア
ニオンカーボンブラックを含み、さらにこれに加えて、
特定の塩を含んでなることを特徴とする。さらに、別の
形態の本発明に係るインクは、特定の塩と、表面官能基
密度が0.45(mmol/g)以上の自己分散型アニ
オンカーボンブラックとを含み、且つ60℃の環境下に
1ケ月間保存したときにも実質的な粘度変化を生じない
ことを特徴とする。本発明に係るインクは、通常、これ
らの成分が水性媒体に分散乃至溶解されることで構成さ
れている。そして上記したような表面官能基密度を有す
る自己分散型カーボンブラックを選択することによっ
て、自己分散型カーボンブラックのインク中における分
散安定性のより一層の向上を図ることができるものであ
る。
【0019】以下に、本発明に係るインクの各構成要素
を順に説明する。 (塩)まず、本発明で使用する特定の塩について詳述す
る。本発明で使用する塩は、(M12SO4、CH3CO
O(M1)、Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M
1)Cl、(M1)Br、(M1)I、(M12SO3およ
び(M12CO3から選ばれる少なくとも1種である。
ここでM1は、アルカリ金属、アンモニウムまたは有機
アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わす。上
記M1で表されるアルカリ金属としては、例えば、L
i、Na、K、Rb、Csなどが挙げられる。また、有
機アンモニウムとしては、例えば、メチルアンモニウ
ム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチ
ルアンモニウム、トリヒドロキシメチルアミン、ジヒド
ロキシメチルアミン、モノヒドロキシメチルアミン、モ
ノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウ
ム、トリエタノールアンモニウムなどが挙げられる。こ
れらのアンモニウムは夫々に相当する有機アミンから誘
導される。
【0020】本発明に係るインクは、上記したような塩
を、後述する表面官能基密度が1.8(μmol/
2)以上の自己分散型アニオンカーボンブラックを着
色剤として含むインク中に含有させる構成とすることに
よって、通常の水性インクを使用した場合に高品位画像
が得られ難かった浸透性の大きな紙、例えば、普通紙に
印字した場合にも、高品位な画像の形成が可能となる。
例えば、浸透性の大きな紙に従来の水性インクで印字し
た場合には、文字のシャープネスが損なわれたり、画像
濃度の低下が生じるなどの場合があったが、本発明に係
るインクによれば、かかる点が改良される。本発明に係
るインクによって、上記した優れた効果を得られる理由
は明らかでないが、本発明者らは、下記のように考えて
いる。
【0021】例えば、本発明に係るインクをインクジェ
ット記録方法によって記録媒体である紙面上に飛翔さ
せ、付着させた場合に、インク中では着色剤であるカー
ボンブラック顔料は安定に分散しているが、紙面に付着
後に、インクの固液分離が速やかに起こるため(この固
液分離を起こす要因としては、毛管現象、水分蒸発など
が考えられる)、上記したシャープネスや画像濃度が損
なわれるといった現象が起こり難くなるものと考えてい
る。すなわち、記録媒体上でのインクの固液分離が遅い
と、記録媒体として浸透性の大きな紙を用いた場合に
は、インク全体が紙中に拡散する結果、文字のシャープ
ネス(文字品位)が損なわれると同時に、紙の奥までイ
ンクが浸透するために当然に画像濃度の低下が生じるの
に対し、本発明に係るインクのように、記録媒体上でイ
ンクの固液分離が速やかに起こると、着色剤が紙内部へ
と浸透しづらくなり、紙などの記録媒体中深くまで着色
剤が浸透することが生じない。このため、本発明の記録
媒体上での固液分離が速いインクを用いれば、比較的浸
透性が高い紙に印字した場合であっても、記録媒体の種
類にかかわらず(つまり、浸透性の大小などといった紙
種による要因を受けづらくなり)、発色性に優れ、シャ
ープネスさなどが損なわれることのない高品位画像が得
られる。また、本発明に係るインクを用いた場合には、
上記した現象に起因して、塩を添加する前のインクと比
較し、同一の紙に印字した場合の画像濃度(反射濃度)
が高まるといった効果も得られる。
【0022】さらに、本発明者らは、本発明に係るイン
クが速やかな固液分離を引き起こす最大の要因は、吐出
後の水分蒸発にあると考えている。勿論、インク着弾後
の紙上の毛管現象も、固液分離を引き起こす要因の一つ
ではあるが、本発明者らは、以下の事実に基づき、本発
明に係るインクにおいて、記録媒体上での固液分離が速
やかに引き起こされる最大の要因は、吐出後の水分蒸発
にあると考えている。本発明者らが検討した結果、本発
明に係るインクは、清浄なガラス面上においても、塩を
添加しないインクと比較して固液分離が早く起こること
が分かった。すなわち、このことは、本発明に係るイン
クでは、毛管現象が起こらない状態においてでも、イン
クの固液分離が起こっていることを如実に示している。
従って、本発明者らは、本発明に係るインクの固液分離
を起こす最大の要因は、吐出後の水分蒸発であると考え
るに至ったものである。
【0023】さらに、本発明に係るインクは、カラー画
像の形成に使用した場合において、色間境界での異なる
色同士の滲み(以降、ブリードと表現する)の発生を有
効に抑制できるという別の効果が得られる。かかる効果
も、記録媒体上でインクの固液分離が速やかに起こるこ
とによると考えられる。すなわち、インクの固液分離が
速いと、記録媒体上にインクが付着した場合に、直ちに
インク中の溶剤が着色剤と分かれて紙中深くまで浸透す
るので、着色剤の固化が速やかに起こる。この結果、カ
ラー画像を形成する際に、異なる色彩のインクが重ね打
ちされた場合においても、インク中の着色剤が隣接する
他の色のインク側に滲み出すことが生じにくくなり、色
間境界で生じる異なる色同士の滲みの発生が有効に抑制
される。加えて、本発明に係るインクは、着色剤とし
て、特定の表面官能基密度を有する自己分散型アニオン
カーボンブラックを着色剤として用いているので、長期
保存によってインクが増粘してしまうといったことが防
止される結果、さらに長期保存安定性に優れたインクと
なる。このことも、本発明に係るインクが、高品位画像
の安定した形成を可能とすることに寄与しているものと
考えられる。
【0024】(自己分散型カーボンブラック)次に、本
発明に係るインクに、着色剤として含有させる自己分散
型アニオンカーボンブラックについて詳述する。本発明
に係るインクを構成する自己分散型カーボンブラックと
しては、例えば、少なくとも1つの親水性基がカーボン
ブラック表面に直接、もしくは他の原子団を介して結合
しているアニオン性に帯電したカーボンブラックが挙げ
られる。このような構造を有するカーボンブラックを用
いれば、従来のインクのように、カーボンブラックを分
散させるための分散剤をインクに添加することが不要と
なる。
【0025】本発明に係るインクに用いることのできる
アニオン性に帯電した自己分散型カーボンブラックとし
ては、カーボンブラックの表面に、例えば、以下に示し
たような親水性基を結合させたものが挙げられる。−C
OO(M2)、−SO3(M22、−PO3H(M2)、−
PO3(M22(但し、式中のM2は、水素原子、アルカ
リ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表わ
す。)
【0026】これらの中でも特に、−COO(M2)や
−SO3(M22の親水性基をカーボンブラック表面に
結合してアニオン性に帯電せしめたカーボンブラック
は、インク中での分散性が良好なため、本発明に係るイ
ンクの着色剤として特に好適に用いることができる。と
ころで、上記親水性基中「M2」として表したもののう
ち、アルカリ金属の具体例としては、例えば、Li、N
a、K、RbおよびCsなどが挙げられ、また、有機ア
ンモニウムの具体例としては、例えば、メチルアンモニ
ウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウ
ム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリ
エチルアンモニウム、モノヒドロキシメチルアミン、ジ
ヒドロキシメチルアミン、トリヒドロキシメチルアミン
などが挙げられる。
【0027】上記M2が、アンモニウムである自己分散
型カーボンブラックを着色剤として含む本発明に係るイ
ンクは、形成された記録画像の耐水性をより向上させる
ことができる。従って、かかるカーボンブラックは、こ
の点において特に好適に用いることができる。これは当
該インクが記録媒体上に付与されると、このアンモニウ
ムが分解し、アンモニアが蒸発してカーボンブラック表
面に結合している親水性基がH型(酸型)となり、親水
性が低下することによるものと考えられる。ここでM2
がアンモニウムである自己分散型カーボンブラックは、
例えば、M2がアルカリ金属である自己分散型カーボン
ブラックを用い、これをイオン交換法を用いてM2をア
ンモニウムに置換する方法や、酸を加えてH型とした後
に、水酸化アンモニウムを添加してM2をアンモニウム
にする方法などが挙げられる。
【0028】アニオン性に帯電している自己分散型カー
ボンブラックの製造方法としては、例えば、カーボンブ
ラックを次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法などが挙
げられる。この方法によれば、カーボンブラック表面
に、親水性基である−COONa基を化学結合させるこ
とができる。
【0029】ところで、上記したような種々の親水性基
は、カーボンブラックの表面に直接結合させてもよい
し、あるいは他の原子団をカーボンブラック表面と上記
したような親水性基との間に介在させ、親水性基をカー
ボンブラック表面に間接的に結合させてもよい。ここで
他の原子団の具体例としては、例えば、炭素原子数1〜
12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、置換も
しくは未置換のフェニレン基、置換もしくは未置換のナ
フチレン基が挙げられる。ここでフェニレン基およびナ
フチレン基の置換基としては、例えば、炭素数1〜6の
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。ま
た、他の原子団と親水性基の組合わせの具体例として
は、例えば、−C24−COO(M2)、−Ph−SO3
(M22、−Ph−COO(M2)(但し、Phはフェ
ニル基を表す)などが挙げられる。
【0030】ところで、本発明においては、上記に挙げ
た自己分散型カーボンブラックの中から2種もしくはそ
れ以上を適宜選択してインクの着色剤としてもよい。イ
ンク中に含有させるこれらの自己分散型カーボンブラッ
クの添加量としては、インク全重量に対して、好ましく
は0.1〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%
の範囲内とする。この範囲内で含有させれば、上記のよ
うな自己分散型カーボンブラックは、インク中において
十分な分散状態を維持することができる。本発明に係る
インクを作製する場合には、インクの調色などを目的と
して、上記自己分散型カーボンブラックに加えて公知の
染料を着色剤としてさらに添加してもよい。
【0031】上記した種々の自己分散型カーボンブラッ
クのうち、カーボンブラックの表面に結合させる下記の
親水性基としては、特に、M2がアンモニウムや有機ア
ンモニウムである場合が好ましいことについては上記し
た通りである。−COO(M2)、−SO3(M22、−
PO3H(M2)、−PO3(M22(但し、式中のM
2は、水素原子、アルカリ金属、アンモニウムまたは有
機アンモニウムを表わす。)
【0032】本発明者らの検討によれば、本発明に係る
インクにおいては、さらにこれに加えて、上記自己分散
型カーボンブラックに組み合わせる下記に挙げる塩の中
でも、下記式中のM1が、上記のM2と一致しているもの
を使用することが好ましいことが分かった。(M12
4、CH3COO(M1)、Ph−COO(M1)、(M
1)NO3、(M1)Cl、(M1)Br、(M1)I、
(M12SO3、および(M12CO3(但し、M1はア
ルカリ金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムを表
わし、Phはフェニル基を表わす。)
【0033】すなわち、本発明者らは、自己分散型カー
ボンブラックを含むインクに対して塩を加えることの効
果の検討過程において、自己分散型カーボンブラックの
親水性基のM2(カウンターイオン)とM1とを同一とし
た時に、インクの安定性が特に向上するという知見を得
た。M1とM2とを一致させることでこのような効果が得
られる理由は明らかではないが、このように構成する
と、インク中において、併存する自己分散型カーボンブ
ラックの親水性基のカウンターイオンと塩との間で塩交
換が生じないため、自己分散型カーボンブラックの分散
安定性がより安定に維持されるためではないかと推測し
ている。
【0034】そして、特に、上記のM1とM2との双方
を、アンモニウムとした場合には、インク特性の安定化
効果に加えて、記録画像の耐水性をより一層の向上させ
ることができることが分かった。さらに、インクに含有
させる塩として、Ph−COO(NH4)(安息香酸ア
ンモニウム)を用いると、インクジェット記録を一時休
止させた後のヘッドノズルからのインクの再吐出性にお
いても、極めて優れた結果が得られることが分かった。
【0035】さらに、本発明者らが鋭意検討した結果、
上記したようなアニオン性に帯電した自己分散型カーボ
ンブラックの中でも、表面官能基密度が1.8(μmo
l/m2)以上のカーボンブラックを用いると、先に説
明したブリーディングを効果的に抑制するために必要な
塩をインクに添加させた場合でも、長期保存によってイ
ンクが増粘してしまうといったことが発生せず、分散剤
や分散助剤を添加することがなく、長期保存安定性にさ
らに優れたインクが得られることが分かった。
【0036】この際の表面官能基密度の測定方法として
は、例えば、カーボンブラックの分散液を精製し、カウ
ンターイオンを全てナトリウムイオンとし、このナトリ
ウムイオンをプローブ式ナトリウムイオン電極で測定
し、分散体濃度から固形分当たりのppm換算するとい
う方法がある。なお、カルボキシル基などの親水性基を
カウンターイオンであるナトリウムイオンと同モル数だ
け存在すると仮定して換算する。
【0037】なお、本発明において表面官能基密度は、
高すぎると自己分散型カーボンブラックがインク中で二
次粒子を形成しにくくなり、多くの自己分散型カーボン
ブラックがインク中に一次粒子として存在するようにな
ると考えられる。インク中で自己分散型カーボンブラッ
クの多くが一次粒子として存在するようになると、本発
明の一形態における画像濃度の向上効果が多少制限され
る場合があることが予想される。そのため、自己分散型
カーボンブラックの表面官能基は、当該カーボンブラッ
クがインク中で二次粒子を形成しにくくなるほどにまで
は高めないことが最良の効果を得るうえでは好ましい。
【0038】また、先に説明したように、塩が添加され
ている本発明に係るインクで画像を形成した場合、塩が
添加される前のインクを使用した場合と比較して反射濃
度(画像濃度)が増大するという効果が得られる。そし
て本発明者らによるさらなる詳細検討によれば、本発明
に係るインクへの塩の添加効果は、平均粒径の大きな自
己分散型カーボンブラックを色材として用いたインクに
おいて顕著に発揮される。
【0039】図12において、横軸はインク中の色材と
しての自己分散型カーボンブラックの平均粒径を表わ
し、縦軸は当該インクによって得られる画像の光学濃度
(OD)を表わしている。そして図12は、色材として
自己分散型カーボンブラックを含んでいるインクが塩を
含んでいる場合と含んでいない場合とで、自己分散型カ
ーボンブラックの平均粒径の変化が、各々のインクを用
いて得られる画像の濃度にどのような影響を与えるかを
示したものである。塩を添加したインク(実線a)と塩
を添加しなかったインク(実線b)とで、得られる画像
のODを対比すると、自己分散型カーボンブラックの平
均粒径が大きくなるにつれて、塩を添加したインクによ
るODの向上効果が大きくなることが分かる。言い換え
れば、図12に示した知見は、単にカーボンブラックの
平均粒径を大きくすることが、ODの大幅な向上に直接
的に結びつかない場合があることを示しているのであ
る。
【0040】このような現象が生じる理由は明らかでな
いが、自己分散型カーボンブラックが、表面の官能基に
よってインク中に安定に分散させられている点にひとつ
の理由があると考えられる。つまり、自己分散型カーボ
ンブラックは、図13に示すように、表面の官能基密度
を高めた場合、ODが低下する傾向にある。これは、表
面官能基密度を高めたことで、カーボンブラックの分散
性が向上したことによるものと考えられる。分散性の向
上自体は、自己分散型カーボンブラックをインクジェッ
ト用インクに適用する上で好ましいことであるが、イン
クとして被記録媒体に付与されたときには、溶剤と共に
被記録媒体中に浸透し易くなっているためであると考え
られる。
【0041】ここで、図12において、所定の平均粒径
(x1)を有するカーボンブラックAを含むインクa
と、それよりも相対的に大きな平均粒径(x2)を有す
るカーボンブラックBを含むインクと比較して、カーボ
ンブラックAが塩を含むことで、それよりも相対的に大
きな平均粒径(x2)を有するカーボンブラックBを含
むインクでほぼ同程度のODが達成可能となるのは、カ
ーボンブラックBが被記録媒体中に浸透してしまってい
るのに対し、カーボンブラックAは、塩の作用によって
被記録媒体表面での迅速な固液分離が生じ、カーボンブ
ラックBよりも粒径が小さいにも関わらず、被記録媒体
中に浸透しづらくなるためにカーボンブラックBと同程
度のODが得られたと考えられるものである。
【0042】そしてカーボンブラックBと塩とを含むイ
ンクが、図12に示したように非常に高いODを示す理
由は、先に述べたように塩の作用による迅速な固液分離
によって、被記録媒体の内部にカーボンブラックが浸透
してしまうことが効果的に抑制され、粒径の大きなカー
ボンブラックを用いたことの効果が最大限に発揮された
結果であると考えられる。
【0043】粒径の大きな自己分散型カーボンブラック
と塩とを併用することによって高いODが獲得できるこ
との効果は、ある特定の粒径から急に享受できるように
なるような臨界的なものではないが、例えば、自己分散
型カーボンブラックとして平均粒径を90nm以上のも
のを用いた場合に、塩の添加によるOD向上の効果が視
覚的にも明確に認識し易くなる。これば、インク中の自
己分散型アニオンカーボンブラックの平均粒径が小さい
と、カーボン自身の反射濃度が低いために、塩の添加に
よる反射濃度の増大効果はあまり大きくない。一方、自
己分散型アニオンカーボンブラックの平均粒径が大きく
なると、カーボン自身の反射濃度が高まるために、塩の
添加による反射濃度の増大効果がより顕著となる。以上
の観点から、本発明に用いる自己分散型アニオンカーボ
ンブラックの平均粒径は、90nm以上であることが、
塩の添加による効果を最大限に享受できるという点で、
最も好ましい。
【0044】また、本発明における自己分散型アニオン
カーボンブラックの平均粒径は、以下に定義する。平均
粒径は、動的散乱法の原理に基づき求めたキュムラント
平均とする。この平均粒径を測定するためには、例え
ば、ELS−800(大塚電子製)などの市販の装置を
用いれば容易に測定することが可能である。
【0045】本発明に係るインクは、上記で説明したよ
うな表面官能基密度が特定の値を有する自己分散型アニ
オンカーボンブラックを着色剤とし、これに先に説明し
たような塩を共存させることによって、記録媒体の種類
によって(特に、記録媒体のインクの浸透性に拘らず)
画像品質が大きく変化することがなく、高品位の画像を
安定して形成することができるという優れた特性を有す
るインクとなる。このようなインクが上記したような特
性を発揮する詳細なメカニズムは現時点においては明ら
かでない。
【0046】しかし、インクの記録媒体への浸透性を表
す尺度として知られているブリストウ法によって求めら
れるKa値に関して、本発明に係るインクは、塩を添加
しない以外は同一の組成を有するインクと比較して、大
きなKa値を示すとの知見を本発明者らは得ている。K
a値の増大は、インクの記録媒体への浸透性が向上した
ことを示すものであり、これまでの当業者の常識として
は、インクの浸透性の向上は、画像濃度の低下を意味す
るものであった。すなわち、インクの浸透と共に着色剤
も記録媒体内部に深く浸透してしまい、結果として画像
濃度の低下が生じるというのがこれまでの当業者の認識
であり、この認識からすると、塩を添加しない以外は同
一の組成を有するインクと比較して大きなKa値を示す
本発明に係るインクは、高画像濃度および高品位画像が
得られないということになる。
【0047】以上のような本発明に係るインクに関する
種々の知見から総合的に判断すると、当該インク中に含
まれる上記特定の塩は、記録媒体(例えば、紙)上に付
与された後のインク中の液媒体と固形分との分離(固液
分離)を極めて速やかに引き起こすという特異的な作用
を生じさせていると考えられる。つまり、インクが記録
媒体に付与された際に固液分離が遅ければ、Kaの値の
大きいインク、あるいはインク浸透性の大きな記録媒体
上では、インクは色材と共に等方的に記録媒体中に拡散
し、その結果、文字のシャープネス(文字品位)が損な
われると同時に、記録媒体の奥深くまでインクが浸透す
るために画像濃度も低下することが予測される。しか
し、本発明に係るインクでは、そのような現象が観察さ
れないことから、記録媒体に付与された際に、インクの
固液分離が速やかに起こり、その結果、インクのKa値
が増加したものであるにも関わらず、高画像濃度、高発
色および高品位な画像を与えるものと推察される。ま
た、浸透性が比較的高い記録媒体であっても、本発明に
係るインクの場合には、文字品位の低下や画像濃度の低
下といった現象が起こり難い理由もこれと同じと考えら
れる。
【0048】以下、この点について、図10および図1
1に基づきさらに説明する。図10(A)〜(C)およ
び図11(A)〜(C)は、各々、上記特定の塩を含む
インクおよび含まないインクを、各々インクジェット記
録方式によってオリフィスから吐出させ、浸透性の高い
記録媒体に付与した際に、そこで生じる固液分離の様子
を、模式的且つ概念的に示した説明図である。
【0049】すなわち、インクが記録媒体に着弾した直
後には、双方のインク共に、図10(A)および図11
(A)に示すように、塩の添加の有無に関わらずインク
1001または1101が記録媒体表面に乗った状態で
ある。時間T1経過後、塩を添加したインク1001
は、図10(B)に示すように、固液分離が速やかに起
こり、インク中の固体成分の殆どが豊富に含まれる領域
1005と、インク中の液媒体とが分離し、分離した液
媒体の浸透先端1007が記録媒体1003内部へと進
んでいく。一方、塩を添加しないインク1101では、
図11(B)に示すように、塩を添加したインク程には
固液分離が速やかに起こらないために、固液分離されな
い状態1105で記録媒体1103内部へと浸透してい
く。
【0050】時間T2経過後、塩を添加したインク10
01は、図10(C)に示すように液媒体の浸透先端1
007がさらに紙内部へと浸透していくが、領域100
5は記録媒体の表面とその近傍に留まったままで維持さ
れる。一方、塩を添加していないインク1101では、
図11(C)に示すように、この時点において漸く固液
分離が始まり、インク中の固形分の浸透先端1107と
液媒体の浸透先端1109との間に差が生じてくるもの
の、インク中の固形分含有領域1111は記録媒体の深
部にまで到達してしまっている。なお、上記説明におけ
る時間T1およびT2は、塩の有無による固液分離の相
違を概念的に捉えるための目安の時間である。
【0051】以上の説明から明らかなように、インクに
特定の塩を添加することで、記録媒体表面においてイン
クの固液分離が速やかに起こるため、インク着弾後、比
較的速い段階で固液分離が始まると共に顔料などが記録
媒体上に残り、液媒体などが記録媒体内部へと浸透する
ようになるために、上記効果を生じるものであると推察
している。すなわち、特定の塩を添加することにより、
形成される画像の画像濃度および画像品位が、記録媒体
の浸透性の大小などによって影響され難くなっていると
考えられる。そして、上記した特定の塩の中でも、前記
したように、安息香酸塩(例えば、安息香酸アンモニウ
ムなど)は、自己分散型カーボンブラックとの相性がよ
く、具体的には、記録媒体に付与したときの固液分離効
果が特に優れるため、かかるインクは種々の記録媒体に
特に優れた品質の記録画像を形成することができる。
【0052】本発明に係るインクは、塩を添加したこと
のさらなる他の効果として、間欠吐出性に優れていると
いう点が挙げられる。ここで、間欠吐出性とは、記録ヘ
ッドの所定のノズルに着目し、そのノズルからインクを
吐出し、その後のインクの予備吐出やノズル内のインク
の吸引を行うこと無しに所定の時間放置し、その後、再
びそのノズルからインクを吐出した時に、再吐出の最初
から正常にインクが吐出するか否かを評価するものであ
る。
【0053】本発明者らの検討によれば、上記に挙げた
種々の優れた効果は、前述した塩を、インク全量に対し
て0.05〜10重量%の範囲内で、特には、0.1〜
5重量%の範囲内で含有させた場合に最も良好に得られ
ることが分かった。さらに、着色剤として含有させる自
己分散型カーボンブラックの含有量としては、インク全
重量に対して、0.1〜15重量%の範囲とすることが
好ましく、本発明に係るインク中の自己分散型カーボン
ブラックおよび塩の含有量を、いずれも上記範囲内とし
て調整することで、より一層優れた効果が得られる。
(媒体)
【0054】次に、本発明に係るインクの媒体について
説明する。本発明に係るインクは、上述した塩および自
己分散型カーボンブラックとを含有してなるが、これら
は、通常、水性媒体に溶解乃至分散されて水性インクを
構成する。水性媒体としては、例えば、水、あるいは水
と水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙げられるが、本発明
においては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を使用す
ることが好ましい。水溶性有機溶媒としては、インクの
乾燥防止効果を有するものが特に好ましい。
【0055】水溶性有機溶媒としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケト
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの
エーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコー
ル、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6
個の炭素原子を含むポリオール類;ポリエチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキル
エーテルアセテート;グリセリン;エチレングリコール
モノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリ
コールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレン
グリコールモノメチル(またはエチル)エーテルなどの
多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコ
ール;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げら
れる。上記のような水溶性有機溶媒は、単独でもあるい
は混合物としても使用することができる。また、水とし
ては脱イオン水を用いることが望ましい。
【0056】本発明に係るインク中に含有される水溶性
有機溶媒の量は特に限定されないが、インク全重量に対
して3〜50重量%の範囲が好適である。また、インク
に含有される水の量は、インク全重量に対して50〜9
5重量%の範囲が好適である。
【0057】本発明に係るインクは、筆記具用インクや
インクジェット記録用インクに用いることができる。本
発明に係るインクは、特に、インクジェット記録用イン
クとして用いることが好ましい。インクジェット記録方
法としては、インクに力学的エネルギーを作用させ、イ
ンク液滴を吐出する記録方法およびインクに熱エネルギ
ーを加えてインクの発泡によりインク液滴を吐出する記
録方法があるが、本発明に係るインクは、これらの何れ
の記録方法にも好適である。
【0058】ところで、本発明に係るインクをインクジ
ェット記録用に用いる場合には、インクジェット記録ヘ
ッドから吐出可能である特性を有するように調整するこ
とが好ましい。インクジェット記録ヘッドからの吐出性
という観点からは、インクの特性としては、例えば、そ
の粘度が1〜15cPs、表面張力が25mN/m(d
yn/cm)以上とすることが好ましく、特には、粘度
が1〜5cPs、表面張力が25〜50mN/m(dy
n/cm)とすることがより好ましい。
【0059】また、インクの記録媒体への浸透性を表わ
す尺度として、ブリストウ法によって求められるKa値
があるが、本発明に係るインクにおいては、この値が特
定値を示すように調整することが好ましい。すなわち、
インクの浸透性を1m2あたりのインク量をVで表わす
と、インク滴を吐出してから所定時間tが経過した後に
おけるインクの記録媒体への浸透量V(mL/m2=μ
m)は、下記に示すブリストウの式によって示される。 V=Vr+Ka(t−tw)1/2
【0060】ここでインク滴が記録媒体表面に付着した
直後には、インクは記録媒体表面の凹凸部分(記録媒体
の表面の荒さの部分)において吸収されるのが殆どで、
記録媒体内部へは殆ど浸透していない。その間の時間が
コンタクトタイム(tw)であり、このコンタクトタイ
ムに記録媒体の凹凸部に吸収されたインク量がVrであ
る。そしてインクが付着した後、コンタクトタイムを超
えると、該コンタクトタイムを超えた時間、すなわち、
(t−tw)の1/2乗べきに比例した分だけ記録媒体
への浸透量が増加する。Kaはこの増加分の比例係数で
あり、浸透速度に応じた値を示す。そして、Ka値はブ
リストウ法による液体の動的浸透性試験装置(例えば、
商品名:動的浸透性試験装置S;東洋精機製作所製な
ど)などを用いて測定可能である。
【0061】本発明に係るインクにおいては、このKa
値が1.5未満となるように調整することが記録画像の
品質をより一層向上させる上で好ましい。さらには、K
a値が0.2以上1.5未満となるように本発明に係る
インクを調整することがより好ましい。すなわち、Ka
値が1.5未満であると、本発明に係るインクは、記録
媒体への浸透過程のより早い段階で固液分離を起こすよ
うになるため、フェザリングが極めて少ない高品質な画
像を形成することができるものと思われる。
【0062】なお、上記したブリストウ法によるKa値
は、普通紙(例えば、キヤノン株式会社製の電子写真方
式を用いた複写機やページプリンタ(レーザビームプリ
ンタ)やインクジェット記録方式を用いたプリンタ用と
して用いられるPB紙や、電子写真方式を用いた複写機
用の紙であるPPC用紙など)を記録媒体として用いて
測定した値である。また、測定環境としては、通常のオ
フィス環境、例えば、温度20〜25℃、湿度40〜6
0%を想定している。
【0063】そして、本発明に係るインクに上記したよ
うな特性を担持させられる好ましい水性媒体の組成とし
ては、前述のものの中でも、例えば、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、チオジグリコール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコー
ル、およびアセチレンアルコールなどを含むものが挙げ
られる。特に、上記したように、Ka値を1.5未満と
する場合には、アセチレングリコールエチレンオキサイ
ド付加物(商品名:アセチレノール、川研ファインケミ
カル製)などの界面活性剤や浸透性溶剤などを、適宜所
定量添加することによって達成できる。
【0064】さらに上記の成分の他に、必要に応じて所
望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消
泡剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、酸化防止剤などを
添加することができ、さらに、調色などを目的として、
市販の水溶性染料などを添加してもよい。
【0065】(インクセット)次に、本発明に係るイン
クセットについて説明する。本発明に係るインクセット
は、上記で説明した構成を有する本発明に係るインク
(黒色インク)と、シアン用、マゼンタ用、イエロー
用、レッド用、グリーン用およびブルー用の色材から選
ばれる少なくとも1つの色材を含む水性のカラーインク
とが少なくとも組み合わされて構成されていることを特
徴とする。すなわち、本発明に係るインクセットは、本
発明に係るブラックインクを、イエロー用の色材を含む
カラーインク、マゼンタ用の色材を含むカラーインク、
シアン用の色材を含むカラーインク、レッド用の色材を
含むカラーインク、ブルー用の色材を含むカラーインク
およびグリーン用の色材を含むカラーインクから選ばれ
る少なくとも1つのカラーインクと組み合わせることに
よってカラー画像の形成に好適に用い得るインクセット
とすることができる。そしてこのようなインクセットを
用いて黒色画像部およびカラー画像部と隣接するような
記録を行った場合、カーボンブラックを含む本発明に係
るインクによって形成された画像と、他の色材を含むイ
ンクによって形成された画像との境界領域におけるブリ
ーディングを極めて有効に抑えることができる。
【0066】このようなインクセットがブリーディング
を有効に抑制できる理由は明らかではないが、記録媒体
表面における本発明に係るインクの固液分離の速さが関
与しているものと考えられる。本発明に係るブラックイ
ンクに、自己分散型カーボンブラックに塩を共存させた
ことの効果として、該ブラックインクが記録媒体に付着
した後の固液分離と、それに引き続く着色剤の固化が速
やかに起こる結果、カラー画像の境界部において黒色イ
ンクがカラーインク側に滲み出にくくなっているためと
考えられる。
【0067】本発明に係るインクと組み合わせてインク
セットを構成する場合のカラーインクを調製する場合に
用いる着色剤としては、下記に挙げるような公知の染料
や顔料を用いることができる。他のインク中に含有させ
る着色剤の含有量としては、インク全重量に対して、
0.1〜15重量%、特には1〜10重量%の範囲とす
ることが好ましい。
【0068】まず、他のインク中に含有させる染料とし
ては、例えば、酸性染料、反応染料、直接染料、食用染
料などを用いることができる。これらのアニオン性染料
としては既存のものでも、新規に合成したものでもよ
く、画像を形成した場合に、適度な色調と濃度を有する
画像が得られるものであれば大抵のものを用いることが
できる。また、これらのうちのいずれかを混合して用い
ることも可能である。
【0069】下記に、他のインクに用いることのできる
アニオン性染料の具体例について、インクの色調別に例
示する。 (イエロー用の色材) C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、
28、33、39、44、50、58、85、86、8
7、88、89、98、100、110 C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、
23、25、29、36、38、40、42、44、7
6、98、99 C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、2
5、37、42 C.I.フードイエロー:3
【0070】(レッド用の色材) C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、
23、24、31、39、46、62、75、79、8
0、83、89、95、197、201、218、22
0、224、225、226、227、228、22
9、230 C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、1
8、26、27、32、35、42、51、52、8
0、83、87、89、92、106、114、11
5、133、134、145、158、198、24
9、265、289 C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、1
5、17、20、23、24、31、42、45、4
6、59 C.I.フードレッド:87、92、94
【0071】(ブルー用の色材) C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、4
1、76、77、80、86、90、98、106、1
08、120、158、163、168、199、22
6 C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、2
3、25、29、40、43、59、62、74、7
8、80、90、100、102、104、117、1
27、138、158、161 C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、1
4、15、18、19、21、26、27、29、3
2、38、40、44、100
【0072】(ブラック用色材) C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、3
1、32、51、62、71、74、112、113、
154、168、195 C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、1
10、115、156 C.I.フードブラック1、2
【0073】さらに、カラーインクを調製する際に用い
る溶媒または分散媒としては、例えば、水、あるいは水
と水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。水溶性有
機溶媒としては、前記した本発明に係るインクに使用す
るものと同様のものが使用できる。また、上記のカラー
インクをインクジェット記録方法(例えば、バブルジェ
ット(登録商標)法など)で記録媒体に付着させる場合
には、本発明に係るインクの場合と同様に、優れたイン
クジェット吐出特性を有するように、カラーインクが、
前述した所望の粘度、表面張力を有するように調製する
ことが好ましい。
【0074】カラーインク中に含有させる水溶性有機溶
媒の含有量は、例えば、インクジェット記録に用いる場
合には、該インクが優れたインクジェット吐出特性を備
え、また、所望の色調や濃度を有するように適宜選択す
ればよいが、目安としては、インク全重量に対して3〜
50重量%の範囲が好ましい。また、インクに含有され
る水の量は、インク全重量に対して50〜95重量%の
範囲が好ましい。
【0075】上記カラーインクに関しては、先に説明し
たインクの記録媒体への浸透性を表す尺度として知られ
ているブリストウ法によって求められるKa値が、例え
ば、5以上のインクになるように調製すれば、本発明に
係るブラックインクと組み合わせて使用した場合に、記
録媒体上により高品質なカラー画像を形成することがで
きるので好ましい。すなわち、このようなKa値を有す
るインクは記録媒体への浸透性が高いため、例えば、イ
エロー、マゼンタおよびシアンから選ばれる少なくとも
2つの色の画像を隣接して記録するような場合において
も、隣接する画像間で色の滲み(ブリーディング)を抑
えることができ、また、これらのインクを重ね打ちして
2次色の画像を形成する場合でも、各々のインクの浸透
性が高いため、隣接する異なる色の画像との間でのブリ
ーディングの発生を有効に抑えることができる。カラー
インクのKa値をこのような値に調製する方法として
は、例えば、インク中への界面活性剤の添加、あるいは
グリコールエーテルなどの浸透性溶剤の添加などの従来
公知の方法が適用できる。勿論、添加量は、上記Ka値
との兼ね合いにおいて適宜に調節すればよい。
【0076】次に、上記した構成の本発明に係るインク
またはインクセットを好適に用いることができるインク
ジェット記録装置について説明する。インクジェット記
録装置として、インクの吐出に熱エネルギーを利用する
装置の主要部であるヘッド構成例を、図1および図2に
示した。
【0077】図1は、インク流路に沿ったヘッド13の
断面図であり、図2は、図1のA−B線での切断面図で
ある。ヘッド13は、インクを通す流路(ノズル)14
を有するガラス、セラミック、シリコンまたはプラスチ
ック板などと、発熱素子基板15とを接着して得られ
る。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコ
ン、炭化シリコンなどで形成される保護層16、アルミ
ニウム、金、アルミニウム−銅合金などで形成される電
極17−1および17−2、HfB2、TaN、TaA
lなどの高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、
熱酸化シリコン、酸化アルミニウムなどで形成される蓄
熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム
などの放熱性のよい材料で形成される基板20より成り
立っている。
【0078】上記ヘッド13の電極17−1および17
−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基
板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に
接しているインクに気泡が発生し、その発生する圧力で
メニスカス23が突出し、インクがヘッド13のノズル
14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小
滴24となり、記録媒体25に向かって飛翔する。
【0079】図3に、図1に示したヘッドを多数並べた
マルチヘッドの外観図を示した。このマルチヘッドは、
マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明
したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られ
ている。図4に、このヘッド13を組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持固定されており、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による
記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場
合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。
【0080】62は、記録ヘッド65の突出口面のキャ
ップであり、ブレード61に隣接するホームポジション
に配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に
移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行
う構成を備える。さらに、63は、ブレード61に隣接
して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様に記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。上記ブレード61、キャップ62およびインク
吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレー
ド61およびインク吸収体63によって吐出口面に水分
や塵埃などの除去が行われる。
【0081】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は、記録ヘッド6
5を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリ
ッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可
能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域およびそ
の隣接した領域の移動が可能となる。51は、記録媒体
を挿入するための給紙部、52は、不図示のモーターに
より駆動される紙送りローラーである。
【0082】これらの構成により、記録ヘッド65の吐
出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進
行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。以上の構成において、記録ヘッド65が記録終了し
てホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャッ
プ62は記録ヘッド65の移動経路から退避している
が、ブレード61は移動経路中に突出している。その結
果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0083】なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐
出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62
は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ
移動する場合、キャップ62およびブレード61は上記
したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結
果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワ
イピングされる。上述の記録ヘッド65のホームポジシ
ョンへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでな
く、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に
所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移
動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0084】図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで4
0は、供給用インクを収納したインク収容部、例えば、
インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けら
れている。この栓42に針(不図示)を挿入することに
より、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にす
る。44は、廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィ
ン、特にポリエチレンで形成されているものが好まし
い。
【0085】本発明に係るインクまたはインクセットを
好適に用いることができるインクジェット記録装置とし
ては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別
体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一
体になったものにも好適に用いられる。図6において、
70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容し
たインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されてお
り、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを
有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成
になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタ
ンを用いることが好ましい。
【0086】また、インク吸収体を用いず、インク収容
部が内部にバネなどを仕込んだインク袋であるような構
造でもよい。72は、カートリッジ内部を大気に連通さ
せるための大気連通口である。この記録ユニット70
は、図4に示す記録ヘッド65に代えて用いられるもの
であって、キャリッジ66に対して着脱自在になってい
る。
【0087】次に、力学的エネルギーを利用したインク
ジェット記録装置の形態として、複数のノズルを有する
ノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材
料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素
子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発
生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出さ
せるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げる。
その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成例を図7
に示す。ヘッドは、インク室(不図示)に連通したイン
ク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するための
オリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用さ
せる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信
号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート
81と、振動板などを指示固定するための基板84とか
ら構成されている。
【0088】図7において、インク流路80は、感光性
樹脂などで形成され、オリフィスプレート81は、ステ
ンレス、ニッケルなどの金属を電鋳やプレス加工による
穴あけなどにより吐出口85が形成され、振動板82
は、ステンレス、ニッケル、チタンなどの金属フィルム
および高弾性樹脂フィルムなどで形成され、圧電素子8
3は、チタン酸バリウム、PZTなどの誘電体材料で形
成される。
【0089】以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素
子83にパルス状の電圧を与え、ひずみ応力を発生さ
せ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板
を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧し
インク滴(不図示)をオリフィスプレートの吐出口85
より吐出して記録を行うように動作する。このような記
録ヘッドは、図4に示したものと同様な記録装置に組み
込んで使用される。記録装置の細部の動作は先述と同様
に行うもので差し支えない。
【0090】本発明に係るインクセットを用いてカラー
画像を記録する場合には、例えば、前記図3に示した記
録ヘッドを4つキャリッジ上に並べた記録装置を好適に
用いることができる。図9はその一例であり、91、9
2、93および94は、各々イエロー、マゼンタ、シア
ンおよびブラックのインクを吐出するための記録ユニッ
トである。該記録ユニットは、前記した記録装置のキャ
リッジ上に配置され、記録信号に応じて各色のインクを
吐出する。
【0091】また、図9では記録ユニットを4つ使用し
た例を示したが、これに限定されず、例えば、図8に示
したように、1つの記録ヘッドで上記の4色のインクを
各々含むインクカートリッジ86〜89から供給される
各色のインクを、各々個別に吐出させることができるよ
うにインク流路を分けて構成した記録ヘッド90に取付
けて記録を行なうこともできる。
【0092】次に本発明に好適に使用できる記録装置お
よび記録ヘッドの他の具体例を説明する。図14は、吐
出時に気泡を大気と連通する吐出方式の液体吐出ヘッド
としての液体吐出ヘッドおよびこのヘッドを用いる液体
吐出装置としての本発明に係るインクジェットプリンタ
の一例の要部を示す概略斜視図である。
【0093】図14においては、インクジェットプリン
タは、ケーシング1008内に長手方向に沿って設けら
れる記録媒体としての用紙1028を、図14に示す矢
印Pで示す方向に間欠的に搬送する搬送装置1030
と、搬送装置1030による用紙1028の搬送方向P
に略直交する方向Sに略平行に往復運動せしめられる記
録部1010と、記録部1010を往復運動させる駆動
手段としての移動駆動部1006とを含んで構成されて
いる。
【0094】移動駆動部1006は、所定の間隔をもっ
て対向配置される回転軸に配されるプーリ1026aお
よび1026bに巻きかけられるベルト1016と、ロ
ーラユニット1022aおよび1022bに略平行に配
置され記録部1010のキャリッジ部材1010aに連
結されるベルト1016を順方向および逆方向に駆動さ
せるモータ1018とを含んで構成されている。
【0095】モータ1018が作動状態とされてベルト
1016が図14の矢印R方向に回転したとき、記録部
1010のキャリッジ部材1010aは図14の矢印S
方向に所定の移動量だけ移動される。また、モータ10
18が作動状態とされてベルト1016が図14の矢印
R方向とは逆方向に回転したとき、記録部1010のキ
ャリッジ部材1010aは図14の矢印S方向とは反対
の方向に所定の移動量だけ移動されることとなる。さら
に、移動駆動部1006の一端部には、キャリッジ部材
1010aのホームポジションとなる位置に、記録部1
010の吐出回復処理を行うための回復ユニット102
6が記録部1010のインク吐出口配列に対向して設け
られている。
【0096】記録部1010は、インクジェットカート
リッジ(以下、単にカートリッジと記述する場合があ
る)1012Y、1012M、1012Cおよび101
2Bが各色、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよ
びブラックごとにそれぞれ、キャリッジ部材1010a
に対して着脱自在に備えられる。
【0097】図15は上述のインクジェット記録装置に
搭載可能なインクジェットカートリッジの一例を示す。
本例におけるカートリッジ1012は、シリアルタイプ
のものであり、インクジェット記録ヘッド100と、イ
ンクなどの液体を収容する液体タンク1002とで主要
部が構成されている。
【0098】インクジェット記録ヘッド100は液体を
吐出するための多数の吐出口832が形成されており、
インクなどの液体は、液体タンク1002から図示しな
い液体供給通路を介して液体吐出ヘッド100の共通液
室(図16参照)へと導かれるようになっている。カー
トリッジ1012は、インクジェット記録ヘッド100
と液体タンク1002とを一体的に形成し、必要に応じ
て液体タンク1002内に液体を補給できるようにした
ものであるが、この液体吐出ヘッド100に対し、液体
タンク1002を交換可能に連結した構造を採用するよ
うにしてもよい。
【0099】このような構成のインクジェットプリンタ
に搭載され得る上述の液体吐出ヘッドの具体例を以下に
さらに詳しく説明する。図16は本発明の基本的な形態
を示す液体吐出ヘッドの要部を模式的に示す概略斜視図
であり、図17〜図20は図11に示した液体吐出ヘッ
ドの吐出口形状を示す正面図である。なお、電気熱変換
素子を駆動するための電気的な配線などは省略してい
る。
【0100】本例の液体吐出ヘッドにおいては、例え
ば、図16に示されるような、ガラス、セラミックス、
プラスチックあるいは金属などからなる基板934が用
いられる。このような基板の材質は、本発明の本質では
なく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エ
ネルギー発生素子、および後述する液流路、吐出口を形
成する材料層の支持体として、機能し得るものであれ
ば、特に限定されるものではない。そこで、本例では、
Si基板(ウエハ)を用いた場合で説明する。吐出口
は、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述する
オリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性
樹脂として、MPA(Mirror Projection Aliner)などの
露光装置により形成することもできる。
【0101】図16において934は電気熱変換素子
(以下、ヒータと記述する場合がある)931および共
通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口
933を備える基板であり、インク供給口933の長手
方向の両側に熱エネルギ発生手段であるヒータ931が
それぞれ1列ずつ千鳥状に電気熱変換素子の間隔が、例
えば、300dpiで配列されている。この基板934
上にはインク流路を形成するためのインク流路壁936
が設けられている。このインク流路壁936には、さら
に吐出口832を備える吐出口プレート935が設けら
れている。
【0102】ここで、図16においてはインク流路壁9
36と吐出口プレート935とは、別部材として示され
ているが、このインク流路壁936を、例えば、スピン
コートなどの手法によって基板934上に形成すること
によりインク流路壁936と吐出口プレート935とを
同一部材として同時に形成することも可能である。本例
では、さらに、吐出口面(上面)935a側は撥水処理
が施されている。本例では、図14の矢印S方向に走査
しながら記録を行うシリアルタイプのヘッドを用い、例
えば、1200dpiで記録を行う。駆動周波数は10
kHzであり、一つの吐出口では最短時間間隔100μ
sごとに吐出を行うことになる。
【0103】また、ヘッドの実例寸法の一例としては、
例えば、図17に示すように、隣接するノズルを流体的
に隔離する隔壁936aは、幅w=14μmである。図
20に示すように、インク流路壁936により形成され
る発泡室1337は、N1(発泡室の幅寸法)=33μ
m、N2(発泡室の長さ寸法)=35μmである。ヒー
タ931のサイズは30μm30μmでヒータ抵抗値は
53Ωであり、駆動電圧は 10.3Vである。また、
インク流路壁936および隔壁936aの高さは12μ
mで、吐出口プレート厚は11μmのものが使用でき
る。
【0104】吐出口832を含む吐出口プレートに設け
られた吐出口部940の断面のうち、インクの吐出方向
(オリフィスプレート935の厚み方向)に交差する方
向で切断してみた断面の形状は概略星形となっており、
鈍角の角を有する6つの起部832aと、これら起部8
32aの間に交互に配されかつ鋭角の角を有する6つの
伏部832bとから概略構成されている。すなわち、吐
出口の中心Oから局所的に離れた領域としての伏部83
2bをその頂部、この領域に隣接する吐出口の中心Oか
ら局所的に近い領域としての起部832aをその基部と
して、図16に示すオリフィスプレートの厚み方向(液
体の吐出方向)に6つの溝が形成されている。(溝部の
位置については図21の1141a参照)
【0105】本例においては、吐出口部940は、例え
ば、その厚み方向に交差する方向で切断した断面が一辺
27μmの二つの正三角形を60度回転させた状態で組
み合わせた形状となっており、図18に示すT1は8μ
mである。起部832aの角度はすべて120度であ
り、伏部832bの角度はすべて60度である。
【0106】従って、吐出口の中心Oと、互いに隣接す
る溝の中心部(溝の頂部と、この頂部に隣接する2つの
基部とを結んでできる図形の中心(重心))を結んで形
成される多角形の重心Gとが一致するようになってい
る。本例の吐出口832の開口面積は400μm2であ
り、溝部の開口面積(溝の頂部と、この頂部に隣接する
2つの基部とを結んでできる図形の面積)は1つあたり
約33μm2となっている。図19は図18に示した吐
出口の部分のインク付着状態を示す模式図である。
【0107】次に、上述の構成のインクジェット記録ヘ
ッドによる液体の吐出動作について図21〜図28を用
いて説明する。図21〜図28は、図16〜図20に記
載の液体吐出ヘッドの液体吐出動作を説明するための断
面図であり、図20に示す発泡室1337のX−X断面
図である。この断面において吐出口部940のオリフィ
スプレート厚み方向の端部は、溝1141の頂部114
1aとなっている。
【0108】図21はヒータ上に膜状の気泡が生成した
状態を示し、図22は図21の約1μs後、図23は図
21の約2μs後、図24は図21の約3μs後、図2
5は図21の約4μs後、図26は図21の約5μs
後、図27は図21の約6μs後、図28は図21の約
7μs後の状態をそれぞれ示している。なお、以下の説
明において、「落下」または「落とし込み」、「落ち込
み」とは、いわゆる重力方向への落下という意味ではな
く、ヘッドの取り付け方向によらず、電気熱変換素子の
方向への移動をいう。
【0109】まず、図21に示すように、記録信号など
に基づいたヒータ931への通電に伴いヒータ931上
の液流路1338内に気泡101が生成されると、約2
μs間に図22および図23に示すように急激に体積膨
張して成長する。気泡101の最大体積時における高さ
は吐出口面935aを上回るが、このとき、気泡の圧力
は大気圧の数分の1から10数分の1にまで減少してい
る。
【0110】次に、気泡101の生成から約2μs後の
時点で気泡101は上述のように最大体積から体積減少
に転じるが、これとほぼ同時にメニスカス102の形成
も始まる。このメニスカス102も図24に示すように
ヒータ931側への方向に後退、すなわち落下してゆ
く。ここで、本例においては、吐出口部に複数の溝11
41を分散させて有していることにより、メニスカス1
02が後退する際に、溝1141の部分ではメニスカス
後退方向FMとは反対方向FCに毛管力が作用する。そ
の結果、仮に何らかの原因により気泡101の状態に多
少のバラツキが認められたとしても、メニスカスの後退
時のメニスカスおよび主液滴(以下、液体またはインク
と記述する場合がある)Iaの形状が、吐出口中心に対
して略対称形状となるように補正される。
【0111】そして、本例では、このメニスカス102
の落下速度が気泡101の収縮速度よりも速いために、
図25に示すように気泡の生成から約4μs後の時点で
気泡101が吐出口832の下面近傍で大気に連通す
る。このとき、吐出口832の中心軸近傍の液体(イン
ク)はヒータ931に向かって落ち込んでゆく。これ
は、大気に連通する前の気泡101の負圧によってヒー
タ931側に引き戻された液体(インク)Iaが、気泡
101の大気連通後も慣性でヒータ931面方向の速度
を保持しているからである。
【0112】ヒータ931側に向かって落ち込んでいっ
た液体(インク)は、図26に示すように気泡101の
生成から約5μs後の時点でヒータ931の表面に到達
し、図27に示すようにヒータ931の表面を覆うよう
に拡がってゆく。このようにヒータ931の表面を覆う
ように拡がった液体はヒータ931の表面に沿った水平
方向のベクトルを有するが、ヒータ931の表面に交差
する、例えば、垂直方向のベクトルは消滅し、ヒータ9
31の表面上に留まろうとし、それよりも上側の液体、
すなわち吐出方向の速度ベクトルを保つ液体を下方向に
引っ張ることになる。
【0113】その後、ヒータ931の表面に拡がった液
体と上側の液体(主液滴)との間の液体部分Ibが細く
なってゆき、気泡101の生成から約7μs後の時点で
図28に示すようにヒータ1の表面の中央で液体部分I
bが切断され、吐出方向の速度ベクトルを保つ主液滴I
aとヒータ931の表面上に拡がった液体Icとに分離
される。このように分離の位置は液流路1338内部、
より好ましくは吐出口832よりも電気熱変換素子93
1側が望ましい。
【0114】主液滴Iaは吐出方向に偏りがなく、吐出
ヨレすることなく、吐出口832の中央部分から吐出さ
れ、記録媒体の被記録面の所定位置に着弾される。ま
た、ヒータ931の表面上に拡がった液体Icは、従来
であれば主液滴の後続としてサテライト滴となって飛翔
するものであるが、ヒータ931の表面上に留まり、吐
出されない。
【0115】このようにサテライト滴の吐出を抑制する
ことができるため、サテライト滴の吐出により発生し易
いスプラッシュを防止することができ、霧状に浮遊する
ミストにより記録媒体の被記録面が汚れるのを確実に防
止することができる。なお、図25〜28において、I
dは溝部に付着したインク(溝内のインク)を、また、
Ieは液流路内に残存しているインクを表している。
【0116】このように、本例の液体吐出ヘッドでは、
気泡が最大体積に成長した後の体積減少段階で液体を吐
出する際に、吐出口の中心に対して分散した複数の溝に
より、吐出時の主液滴の方向を安定化させることができ
る。その結果、吐出方向のヨレのない、着弾精度の高い
液体吐出ヘッドを提供することができる。また、高い駆
動周波数での発泡ばらつきに対しても吐出を安定して行
うことができることによる、高速高精細印字を実現する
ことができる。
【0117】特に、気泡の体積減少段階でこの気泡を始
めて大気と連通させることで液体を吐出することによ
り、気泡を大気に連通させて液滴を吐出する際に発生す
るミストを防止できるので、所謂、突然不吐の要因とな
る、吐出口面に液滴が付着する状態を抑制することもで
きる。
【0118】また、本発明に好適に使用できる、吐出時
に気泡を大気と連通する吐出方式の記録ヘッドの他の実
施形態として、例えば、日本特許登録第2783647
号公報に記載のように、いわゆるエッジシュータータイ
プが挙げられる。
【0119】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドおよび記録装
置において優れた効果をもたらすものである。
【0120】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0121】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行なうことができる。
【0122】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0123】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0124】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0125】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0126】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段などを付加することは本発明の効果を一層安定でき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0127】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色などの主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによって
でもよいが、異なる色の複色カラー、または混色による
フルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は
極めて有効である。
【0128】以上説明した本発明の実施形態において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化するもの、も
しくは液体であるもの、あるいは上述のインクジェット
方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で
温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるよ
うに温度制御するものが一般的であるから、使用記録信
号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0129】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるものなどのような、熱エネルギーによって初
めて液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能
である。このような場合インクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状
または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に
対して対向するような形態としてもよい。本発明におい
ては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上
述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0130】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータなどの情
報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設け
られるものの他、リーダと組み合せた複写装置、さらに
は送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るも
のであってもよい。
【0131】次に、上述した液体吐出ヘッドを搭載する
液体吐出装置の概略について説明する。図29は、本発
明の液体吐出ヘッドを装着して適用することのできる液
体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置600
の概略斜視図である。
【0132】図29において、インクジェットヘッドカ
ートリッジ601は、上述した液体吐出ヘッドとこの液
体吐出ヘッドに供給するインクを保持するインクタンク
とが一体となったものである。このインクジェットヘッ
ドカートリッジ601は、駆動モータ602の正逆回転
に連動して駆動力伝達ギア603、604を介して回転
するリードスクリュ605の螺旋溝606に対して係合
するキャリッジ607上に搭載されており、駆動モータ
602の動力によってキャリッジ607とともにガイド
608に沿って矢印a、b方向に往復移動される。被記
録材Pは、図示しない被記録材搬送手段によってプラテ
ンローラ609上を搬送され、紙押え板610によりキ
ャリッジ607の移動方向にわたってプラテンローラ6
09に対して押圧される。
【0133】リードスクリュ605の一端の近傍には、
フォトカプラ611、612が配設されている。これら
はキャリッジ607のレバー607aのこの域での存在
を確認して駆動モータ602の回転方向切り換えなどを
行うためのホームポジション検知手段である。
【0134】支持部材613は、上述のインクジェット
ヘッドカートリッジ601の吐出口のある前面(吐出口
面)を覆うキャップ部材614を支持するものである。
また、インク吸引手段615は、キャップ部材614の
内部にインクジェットヘッドカートリッジ601から空
吐出などされて溜まったインクを吸引するものである。
このインク吸引手段615によりキャップ内開口部(不
図示)を介してインクジェットヘッドカートリッジ60
1の吸引回復が行われる。インクジェットヘッドカート
リッジ601の吐出口面を払拭するためのクリーニング
ブレード617は、移動部材618により前後方向(上
記キャリッジ607の移動方向に直交する方向)に移動
可能に設けられている。これらクリーニングブレード6
17および移動部材618は、本体支持体619に支持
されている。クリーニングブレード617は、この形態
に限らず、他の周知のクリーニングブレードであっても
よい。
【0135】液体吐出ヘッドの吸引回復操作にあたっ
て、吸引を開始させるためのレバー620は、キャリッ
ジ607と係合するカム621の移動に伴って移動し、
駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換えなど
の公知の伝達手段で移動制御される。インクジェットヘ
ッドカートリッジ601の液体吐出ヘッドに設けられた
発熱体に信号を付与したり、前述した各機構の駆動制御
を司ったりするインクジェット記録制御部は装置本体側
に設けられており、ここには図示しない。
【0136】上述の構成を有するインクジェット記録装
置600は、図示しない被記録材搬送手段によりプラテ
ンローラ609上を搬送される被記録材P’に対し、イ
ンクジェットヘッドカートリッジ601は被記録材P’
の全幅にわたって往復移動しながら記録を行う。
【0137】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によ
り限定されるものではない。なお、以下の記載で、
「部」および「%」とあるものは特に断らない限り重量
基準である。
【0138】<顔料分散体1>比表面積が260m2
gでDBP吸油量が115ml/100gのカーボンブ
ラック10gと、p−アミノ安息香酸2.5gとを水7
2gによく混合した後、これに硝酸1.62gを滴下し
て70℃で攪拌した。ここにさらに数分後、5gの水に
1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、
さらに1時間攪拌した。得られたスラリーを濾紙(商品
名:東洋濾紙No.2;アドバンティス社製)で濾過
し、濾取した顔料粒子を十分に水洗し、90℃のオーブ
ンで乾燥させた。さらに、この顔料に水を足して顔料濃
度10重量%の顔料分散体を作製した。以上の方法によ
りカーボンブラックの表面に下記化学式に示される基を
導入した。
【0139】
【化1】
【0140】なお、上記で作製した自己分散型カーボン
ブラックの表面官能基密度を下記のようにして測定した
ところ、2.31μmol/m2であった。測定方式と
しては、イオンメーター(DKK製)を用いナトリウム
イオン濃度を測定し、その値から表面官能基密度を換算
した。また、上記で作製した自己分散型カーボンブラッ
クの平均粒径を下記のようにして測定したところ、94
nmであった。測定方式としては、粒径測定機ELS−
800(大塚電子製)を用い、上記顔料分散体を200
0倍希釈して測定し、動的散乱法の原理に基づき求めた
キュムラント平均とした。
【0141】<顔料分散体2>比表面積が260m2
gでDBP吸油量が115ml/100gのカーボンブ
ラック10gと、p−アミノ安息香酸0.5gとを水7
2gによく混合した後、これに硝酸1.62gを滴下し
て70℃で攪拌した。ここにさらに数分後、5gの水に
1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、
さらに1時間攪拌した。得られたスラリーを濾紙(商品
名:東洋濾紙No.2;アドバンティス社製)で濾過
し、濾取した顔料粒子を十分に水洗し、90℃のオーブ
ンで乾燥させた。さらに、この顔料に水を足して顔料濃
度10重量%の顔料分散体を作製した。以上の方法によ
りカーボンブラックの表面に下記化学式に示される基を
導入した。
【0142】
【化2】
【0143】上記で作製した自己分散型カーボンブラッ
クの表面官能基密度および平均粒径を上記方法と同様に
測定したところ、表面官能基密度が0.96μmol/
2、平均粒径が94nmであった。
【0144】<顔料分散体3>比表面積が240m2
gでDBP吸油量が65ml/100gのカーボンブラ
ック10gと、p−アミノ安息香酸1.2gとを水72
gによく混合した後、これに硝酸1.62gを滴下して
70℃で攪拌した。ここにさらに数分後、5gの水に
1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、
さらに1時間攪拌した。得られたスラリーを濾紙(商品
名:東洋濾紙No.2;アドバンティス社製)で濾過
し、濾取した顔料粒子を十分に水洗し、90℃のオーブ
ンで乾燥させた。さらに、この顔料に水を足して顔料濃
度10重量%の顔料分散体を作製した。以上の方法によ
りカーボンブラックの表面に下記化学式に示される基を
導入した。
【0145】
【化3】
【0146】上記で作製した自己分散型カーボンブラッ
クの表面官能基密度および平均粒径を上記方法と同様に
測定したところ、表面官能基密度が2.26μmol/
2、平均粒径が85nmであった。
【0147】次に、上記の各顔料分散体を用いてブラッ
クインク1〜3を下記の方法にて調整した。 <実施例1> (ブラックインク1)以下の成分を混合し、十分攪拌し
て溶解後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター
(富士フィルム製)にて加圧濾過してブラックインク1
を調製した。 ・上記の顔料分散体1 30部 ・安息香酸アンモニウム 1部 ・トリメチロールプロパン 6部 ・グリセリン 5部 ・ジエチレングリコール 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 0.15部 ・水 52.85部
【0148】<実施例2> (ブラックインク2)以下の成分を混合し、十分攪拌し
て溶解後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター
(富士フィルム製)にて加圧濾過してブラックインク2
を調製した。 ・上記の顔料分散体3 30部 ・安息香酸アンモニウム 1部 ・トリメチロールプロパン 6部 ・グリセリン 5部 ・ジエチレングリコール 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 0.15部 ・水 52.85部
【0149】<比較例1> (ブラックインク3)以下の成分を混合し、十分攪拌し
て溶解後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター
(富士フィルム製)にて加圧濾過し、ブラックインク3
を調製した。 ・上記の顔料分散体2 30部 ・安息香酸アンモニウム 1部 ・トリメチロールプロパン 6部 ・グリセリン 5部 ・ジエチレングリコール 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 0.15部 ・水 52.85部
【0150】このようにして得た実施例1、2および比
較例1のブラックインクの主な特徴を下記第1表にまと
めて示した。
【表1】
【0151】<評価>上記の実施例1、2および比較例
1の各ブラックインクを用いて、記録信号に応じた熱エ
ネルギーをインクに付与することによりインクを吐出さ
せるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジ
ェット記録装置BJF−600(キヤノン製)を用いて
下記の評価を行った。その結果を表2に示した。
【0152】1)間欠吐出性 上記各インクを上記インクジェット記録装置を、15℃
/10%の恒温恒湿槽に1時間放置し、その後、各ノズ
ルから1ドットずつ吐出させて、5秒後、また、各ノズ
ルから1ドットずつ吐出させる印字サイクルを10回繰
り返した。その各1ドットの印字を下記の基準で評価し
た。 a:10回の印字サイクルの全てで全ノズルの印字の乱
れが全くない。 b:10回の印字サイクルの全てで全ノズルの印字の乱
れが殆どない。 c:10回の印字サイクルで実際の使用上では問題ない
レベルの印字の乱れがある。 d:10回の印字サイクルで印字の乱れがある。
【0153】評価に用いた記録媒体としてのコピー用普
通紙A〜Eには、下記のものを使用した。以下における
コピー用普通紙A、B、C、D、Eは全てこのコピー用
普通紙A、B、C、D、Eに対応するものとする。 A:キヤノン(株)社製 PPC用紙NSK B:キヤノン(株)社製 PPC用紙NDK C:ゼロックス(株)社製 PPC用紙4024 D:フォックスリバー社製 PPC用紙プローバーボン
ド E:ノイジドラ社製 キヤノン用PPC用紙
【0154】2)印字濃度 上記の各記録媒体に印字を行い、その時の印字濃度を、
マクベス製印字濃度測定器を用い測定し、下記の基準で
評価した。 a:コピー用普通紙A、B、C、D、Eの印字濃度の差
が最高と最低で0.1未満。 b:コピー用普通紙A、B、C、D、Eの印字濃度の差
が最高と最低で0.1以上。
【0155】3)文字品位 上記各ブラックインクを上記インクジェット記録装置を
用い、インクの浸透性の異なる上記コピー用普通紙A、
B、C、D、Eに文字印字を行い、その時の文字の滲み
を下記の基準で評価した。 a:5紙とも滲みが殆どない。 b:多少滲む紙が見られる。 c:5紙とも滲む。
【0156】4)耐水性 上記各ブラックインクを上記インクジェット記録装置を
用い、上記コピー用普通紙A、B、C、D、Eに文字印
字を行い、印字から所定の時間経過した後に、印字した
記録媒体を流水につけ地汚れの状態を目視にて観察し、
その結果を下記の基準で評価した。 a:コピー用普通紙A、B、C、D、Eともに、印字後
1時間以内で地汚れが目立たなくなる。 b:コピー用普通紙A、B、C、D、Eともに、印字後
1日以内で地汚れが目立たなくなる。 c:印字後1日以上経過した後にも地汚れが目立つ紙が
ある。
【0157】5)保存安定性 上記各ブラックインクの保存安定性について評価した。
すなわち、100ml容のガラス容器(ショット社製)
を2つ用意し、その各々に上記各ブラックインクを10
0mlずつ入れ、60℃の環境に1ケ月間放置し、その
前後でのインクの粘度変化の有無を観察した。その結果
を下記の基準で評価した。 a:放置前後でインクの粘度の変化が殆どない。 b:放置前後でインクの粘度の変化があるが、実使用上
問題にならないレベルである。 c:放置前後でインクの粘度の変化が大きい。
【0158】
【表2】
【0159】上記表2の結果から、本発明の実施例にか
かるインクは、例えば、インクジェット記録方法によっ
て記録を行った場合の文字品位および印字濃度が高く、
これらの結果において紙種依存が少ないことが分かっ
た。さらに、保存安定性の点でも優れていた。
【0160】さらに、追加実験として、実施例1のイン
ク組成において安息香酸アンモニウムを除き、その分、
水を加えた組成のブラックインクをブラックインク1−
A、同様に実施例2のインク組成において安息香酸アン
モニウムを除き、その分、水を加えた組成のブラックイ
ンクをブラックインク2−Aとし、各々上記印字濃度評
価をした時と同様の印字を上記インクジェット記録装
置、上記コピー用普通紙A、B、C、D、Eに行い、そ
のときの印字濃度を、マクベス製印字濃度測定器を用い
測定したところ、下記のような結果となった。
【0161】(結果)ブラックインク1の5紙平均の印
字濃度は、塩を加えないブラックインク1−Aの5紙平
均の印字濃度に比べて0.2以上高かった。ブラックイ
ンク2の5紙平均の印字濃度は、塩を加えないブラック
インク2−Aの5紙平均の印字濃度に比べて0.1程度
高かった。これより、本発明の実施例にかかるインクに
おいて、平均粒径が90nm以上の自己分散型アニオン
カーボンブラックを用いることにより、塩を含有させた
ときの、より効果的な印字濃度の向上を達成させること
ができることが分かった。
【0162】<実施例3>下記のようにして夫々調製し
た、ブラックインク1、イエローインク1、マゼンタイ
ンク1およびシアンインク1の各インクを組み合わせて
本実施例のインクセットとした。 (ブラックインク1)実施例1のブラックインク1と同
様にして調製したブラックインクを用意した。
【0163】(イエローインク1)以下の成分を混合
し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミク
ロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、イエ
ローインク1を調製した。 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 1部 ・ジエチレングリコール 10部 ・グリセリン 5部 ・C.I.ダイレクトイエロー86 3部 ・水 81部
【0164】(マゼンタインク1)以下の成分を混合
し、十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミク
ロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、マゼ
ンタインク1を調製した。 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 1部 ・ジエチレングリコール 10部 ・グリセリン 5部 ・C.I.アシッドレッド35 3部 ・水 81部
【0165】(シアンインク1)以下の成分を混合し、
十分攪拌して溶解後、ポアサイズ0.2μmのミクロフ
ィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過し、シアンイ
ンク1を調製した。 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加 物(商品名:アセチレノールEH) 1部 ・ジエチレングリコール 10部 ・グリセリン 5部 ・C.I.アシッドブルー9 3部 ・水 81部
【0166】<比較例2>比較例1で調製したブラック
インク3と、実施例3で調製したイエローインク1、マ
ゼンタインク1およびシアンインク1の各インクを組み
合わせて本比較例のインクセットとした。
【0167】上記の実施例3および比較例2のインクセ
ットを用いて、記録信号に応じた熱エネルギーをインク
に付与することによりインクを吐出させるオンデマンド
型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置B
JF−600(キヤノン製)を用いて下記評価を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0168】(ブリーディング)ブリーディングを評価
するための印字画像は、上記した各普通紙の10cm四
方の正方形内に5×5のマス目で仕切り、ブラックイン
クと各カラーインクで交互にベタ印字したものを用い
た。そして、ブラックインクの印字部とカラーインクの
印字部との境界のブリーデイングを下記の基準で評価
し、結果を表3に示した。 a:2色間の境界線が鮮明で、境界部に滲みや混色が認
められない。 b:2色間の境界線が存在することが明らかであるが、
一部の紙で境界部に多少の滲みや混色が認められる。 c:2色間の境界線が識別不能である。
【0169】
【表3】
【0170】上記表3の結果から明らかなように、比較
例2のインクセットを使用した場合は、ブリーディング
の点で満足のいくものではなかった。これに対し、実施
例3のインクセットを用いた場合は、いずれの記録媒体
においても、ブリーディングが抑制された良好なカラー
インクジェット記録画像が安定して得られた。
【0171】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録を行う際にブラックインクによる印
字において、長期保存による安定性に優れ、印字物の影
響を緩和し、文字品位がよく印字濃度も高く、耐水性に
優れ、該インクが発一性に優れ、さらに、カラーインク
と組み合わせてインクセットとした場合にブリーディン
グを有効に抑えることができる水性顔料インク、該イン
クを用いたインクジェット記録方法およびインクジェッ
ト記録装置などが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置のヘッドの一実施形
態を示す縦断面図。
【図2】 図1のA−B線断面図。
【図3】 マルチヘッドの概略説明図。
【図4】 インクジェット記録装置の一実施形態を示す
概略斜視図。
【図5】 インクカートリッジの一実施形態を示す縦断
面図。
【図6】 記録ユニットの一例を示す斜視図。
【図7】 インクジェット記録ヘッドの別の構成例を示
す概略斜視図。
【図8】 4つのインクカートリッジが取り付けられた
記録ヘッドの概略説明図。
【図9】 4つの記録ヘッドがキャリッジ上に並べられ
ている構成を示す概略説明図。
【図10】 塩を含む顔料インクを記録媒体に付与した
時の固液分離の過程を示す概略図。
【図11】 塩を含まない顔料インクを記録媒体に付与
した時の固液分離の過程を示す概略図。
【図12】 塩を含むインクおよび塩を含まないインク
各々が含んでいる自己分散型カーボンブラックの平均粒
径を変化させたときの、各々のインクによって得られる
画像の濃度を変化の傾向を説明するグラフ。
【図13】 自己分散型カーボンブラックの表面官能基
密度と該カーボンブラックを含むインクによって得られ
る画像の濃度との関係の概略説明図。
【図14】 液体吐出ヘッドを搭載可能なインクジェッ
トプリンタの一例の要部を示す概略斜視図。
【図15】 液体吐出ヘッドを備えたインクジェトカー
トリッジの一例を示す概略斜視図。
【図16】 液体吐出ヘッドの一例の要部を模式的に示
す概略斜視図。
【図17】 液体吐出ヘッドの一例の一部を抽出した概
念図。
【図18】 図17に示した吐出口の部分の拡大図。
【図19】 図18に示した吐出口の部分のインク付着
状態を示す模式図。
【図20】 図17における主要部の模式図。
【図21】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
22〜図28と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経
時的に説明するための概略断面図。
【図22】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21および図23〜図28と共に液体吐出ヘッドの液体
吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図23】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21、図22および図24〜図28と共に液体吐出ヘッ
ドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面
図。
【図24】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21〜図23および図25〜図28と共に液体吐出ヘッ
ドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面
図。
【図25】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21〜図24および図26〜図28と共に液体吐出ヘッ
ドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面
図。
【図26】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21〜図25および図27、図28と共に液体吐出ヘッ
ドの液体吐出動作を経時的に説明するための概略断面
図。
【図27】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21〜図26および図28と共に液体吐出ヘッドの液体
吐出動作を経時的に説明するための概略断面図。
【図28】 図20中のX−X斜視断面形状に対応し図
21〜図27と共に液体吐出ヘッドの液体吐出動作を経
時的に説明するための概略断面図。
【図29】 本発明の液体吐出ヘッドを装着して適用す
ることのできる液体吐出装置の一例であるインクジェッ
ト記録装置600の概略斜視図。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:流路(ノズル) 15:発熱素子基板 16:保護層 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:記録媒体 26:マルチノズル 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク収容部 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 80:インク流路 81:オリフィスプレート 82:振動板 83:圧電素子 84:基板 85:吐出口 86、87、88、89:インクカートリッジ 90:記録ヘッド 91、92、93、94:記録ユニット 600:インクジェット記録装置 601:インクジェットヘッドカートリッジ 602:駆動モータ 603、604:駆動力伝達ギア 605:リードスクリュ 606:螺旋溝 607:キャリッジ 607a:レバー 608:ガイド 609:プラテンローラ 610:紙押え板 611、612:フォトカプラ 613:支持部材 614:キャップ部材 615:インク吸引手段 616:キャップ内開口部 617:クリーニングブレード 618:移動部材 619:本体支持体 620:(吸引開始)レバー 621:カム 832:吐出口 832a:起部 832b:伏部 931:電気熱変換素子(ヒータ、インク吐出エネルギ
発生素子) 933:インク供給口(開口部)934:基板 935:オリフィスプレート(吐出口プレート) 935a:吐出口面 936:インク流路壁 936a:隔壁 940:吐出口部 1001:塩を含む顔料インク 1003:記録媒体 1005:インク中の固体成分の殆どが豊富に含まれる
領域 1007:溶剤の浸透先端 1101:塩を含まない顔料インク 1103:記録媒体 1105:固液分離しない状態の顔料インク 1107:インク中の固形分の浸透先端 1109:溶剤の浸透先端 1111:インク中の固形分含有領域 1337:発泡室 1338:液流路 1141:溝 1141a:頂部 100:インクジェット記録ヘッド 101:気泡 102:メニスカス 1002:液体タンク 1006:移動駆動部 1008:ケーシング 1010:記録部 1010a:キャリッジ部材 1012:カートリッジ 1012Y、M、C、B:インクジェットカートリッジ 1014: 1016:ベルト 1018:モータ 1020:駆動部 1022a、1022b:ローラユニット 1024a、1024b:ローラユニット 1026:回復ユニット 1026a、1026b:プーリ 1028:用紙 1030:搬送装置 2701:カーボンブラック 2703:水分子 2705:カウンターイオン 2707:カリウムイオン 2709:ナトリウムイオン C:濡れインク FM:メニスカス後退方向 FC:メニスカス後退方向と反対方向 G:重心 I:インク Ia:主液滴(液体、インク) Ib、Ic:液体(インク) Id:溝部に付着したインク(溝内のインク) Ie:液流路内に残存しているインク L:液室(インク供給口)から吐出口に向かう線 N1:発泡室の幅寸法 N2:発泡室の長さ寸法 O:吐出口の中心 P’:被記録材 P:用紙の搬送方向 R:ベルトの回転方向 S:用紙の搬送方向と略直交する方向 T1:吐出口伏部寸法 w:隔壁の幅寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/06 B41J 3/04 101Y 3/08 102Z (72)発明者 渡邉 智成 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA09 FA03 FC01 KC01 2H086 BA55 BA57 BA59 BA62 4J037 AA02 CA05 CA16 CA20 CB09 DD05 EE02 EE28 EE43 FF05 FF15 4J039 BA04 BA10 BA15 BA16 BA17 BA18 BC19 BC28 BC54 BE01 BE03 BE04 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA20 EA42 GA24

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (M12SO4、CH3COO(M1)、
    Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、
    (M1)Br、(M1)I、(M12SO3および(M1
    2CO3(但し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまた
    は有機アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わ
    す。)から選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基
    密度が1.8(μmol/m2)以上の自己分散型アニ
    オンカーボンブラックとを含むことを特徴とするイン
    ク。
  2. 【請求項2】 塩を、インク全重量に対して0.05〜
    10重量%含む請求項1に記載のインク。
  3. 【請求項3】 塩を、インク全重量に対して0.1〜5
    重量%含む請求項2に記載のインク。
  4. 【請求項4】 自己分散型アニオンカーボンブラック
    が、表面に少なくとも1種の親水性基が直接もしくは他
    の原子団を介して結合しているものである請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のインク。
  5. 【請求項5】 親水性基が、下記に列記した中から選択
    される請求項4に記載のインク。−COO(M2)、−
    SO3(M22、−PO3H(M2)、−PO3(M2
    2(但し、式中のM2は、水素原子、アルカリ金属、アン
    モニウムまたは有機アンモニウムを表わす。)
  6. 【請求項6】 他の原子団が、炭素原子数1〜12のア
    ルキレン基、置換もしくは未置換のフェニレン基、置換
    もしくは未置換のナフチレン基である請求項4または5
    に記載のインク。
  7. 【請求項7】 親水性基が、下記に列記した中から選択
    され、且つ下記式中のM2が請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の塩を示す式中のM1と同一である請求項4に
    記載のインク。 −COO(M2)、−SO3(M22、−PO3(M22
  8. 【請求項8】 (M12SO4、CH3COO(M1)、
    Ph−COO(M1)、(M1)NO3、(M1)Cl、
    (M1)Br、(M1)I、(M12SO3および(M1
    2CO3(但し、M1はアルカリ金属、アンモニウムまた
    は有機アンモニウムを表わし、Phはフェニル基を表わ
    す。)から選ばれる少なくとも1種の塩と、表面官能基
    密度が0.45(mmol/g)以上の自己分散型アニ
    オンカーボンブラックとを含み、且つ60℃の環境下に
    1ケ月間保存したときにも実質的な粘度変化を生じない
    ことを特徴とするインク。
  9. 【請求項9】 自己分散型アニオンカーボンブラックの
    平均粒径が、90nm以上である請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載のインク。
  10. 【請求項10】 インクが、インクジェット用インクで
    ある請求項1〜9のいずれか1項に記載のインク。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    黒色のインクと、シアン用、マゼンタ用、イエロー用、
    レッド用、グリーン用およびブルー用の色材から選ばれ
    る少なくとも1つの色材を含む水性のカラーインクとが
    組み合わされていることを特徴とするインクセット。
  12. 【請求項12】 カラーインクの色材が酸性染料または
    直接染料である請求項11に記載のインクセット。
  13. 【請求項13】 カラーインクの色材が顔料である請求
    項11に記載のインクセット。
  14. 【請求項14】 インクセットが、インクジェット用で
    ある請求項11〜13のいずれか1項に記載のインク。
  15. 【請求項15】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のインクを収容しているインクタンクを備えていること
    を特徴とするインクカートリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載のインクを収容して
    いるインク収容部および該インクを吐出させるためのヘ
    ッド部を備えていることを特徴とする記録ユニット。
  17. 【請求項17】 請求項10に記載のインクを収容して
    いるインク収容部および該インクの吐出用記録ヘッドと
    を備えていることを特徴とする画像記録装置。
  18. 【請求項18】 請求項10に記載のインクを収容して
    いるインク収容部、シアン用、マゼンタ用、イエロー
    用、レッド用、グリーン用およびブルー用の色材から選
    ばれる少なくとも1つの色材を含む水性のカラーインク
    を収容しているインク収容部、および各々のインク収容
    部に収容されているインクを各々吐出させるための記録
    ヘッド部を具備していることを特徴とするカラー画像記
    録装置。
  19. 【請求項19】 請求項10に記載のインクを記録媒体
    表面に向けて飛翔させて該表面に付着させることにより
    画像を記録する工程を有することを特徴とする画像記録
    方法。
  20. 【請求項20】 インクを飛翔させるためのエネルギー
    が熱エネルギーである請求項19に記載の画像記録方
    法。
  21. 【請求項21】 インクを飛翔させるためのエネルギー
    が力学的エネルギーである請求項19に記載の画像記録
    方法。
  22. 【請求項22】 シアン用、マゼンタ用、イエロー用、
    レッド用、グリーン用およびブルー用の色材から選ばれ
    る少なくとも1つの色材を含む水性の第1のインクを記
    録媒体表面に向けて吐出させ、該表面に付着させる工
    程、および請求項10に記載の第2のインクを該記録媒
    体表面に向けて吐出させ、該表面に付着させる工程を含
    むことを特徴とするカラー画像の形成方法。
  23. 【請求項23】 平均粒径が90nm以上の自己分散型
    カーボンブラックが水性媒体中に安定に分散しており、
    且つ塩を含んでいるインクジェット用水性インクであっ
    て、上記塩が入っていない場合には、当該インクによっ
    て得られる画像の濃度が、塩を添加する前のインクと比
    較して低下するものであることを特徴とするインクジェ
    ット用水性インク。
  24. 【請求項24】 平均粒径が90nm以上の自己分散型
    カーボンブラックが水性媒体に安定に分散しているイン
    クを用いて形成されたインクジェット記録画像の画像濃
    度の向上方法であって、該インクに、該自己分散型カー
    ボンブラックの被記録媒体内部への浸透防止剤としての
    塩を含有せしめることを特徴とするインクジェット記録
    画像の濃度向上方法。
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