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JP2002069484A - 油脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

油脂組成物及びその製造方法

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JP2002069484A
JP2002069484A JP2000265207A JP2000265207A JP2002069484A JP 2002069484 A JP2002069484 A JP 2002069484A JP 2000265207 A JP2000265207 A JP 2000265207A JP 2000265207 A JP2000265207 A JP 2000265207A JP 2002069484 A JP2002069484 A JP 2002069484A
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fat
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crystal
crystals
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JP2000265207A
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Kenichi Hashizume
健一 橋爪
Yasuo Okutomi
保雄 奥冨
Toru Kajimura
徹 梶村
Yasushi Shishido
康司 宍戸
Shoshi Maruzeni
詔司 丸銭
Kazuaki Suzuki
一昭 鈴木
Toru Nezu
亨 根津
Toshiyuki Hirokawa
敏幸 廣川
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造する際に、特殊な温度管理をしなくても
安定結晶を含有し、しかも可塑性範囲が広く、経日的に
も硬さが変化せず安定な油脂組成物を提供する。 【解決手段】 S1 US2 (S1 、S2 は飽和脂肪酸、
Uは不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドと
US3 U(S3 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表
す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド
結晶を含有することを特徴とする油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓・製パン用油
脂として、練り込み用途、折り込み用途、サンド・フィ
リング用途、スプレー・コーティング用途、フライ用途
等に適した物性、機能を有する油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
マーガリン、ショートニング等の可塑性油脂に使用され
る油脂は、“マーガリンショートニングラード“(P3
24、中澤君敏著:株式会社光琳発行)に記載の『マー
ガリン、ショートニングは常温で結晶性脂肪をもつ可塑
性物質と定義されるが、そのためその物理性は主に稠
度、可塑性及び結晶構造に関連する。物理的にその結晶
状態はAlfaは蝋状(アセトグリセリドの如き)、B
etaは粗結晶、そしてBeta−primeは微粒状
である。融点ではAlfa、Beta−prime、B
etaの順に高くなる。マーガリン、ショートニング組
成の望ましい結晶状態はBeta−primeといわれ
ている。』の通り、その結晶状態はβプライム型のもの
が良好とされ、用いられてきた。
【0003】βプライム型の油脂結晶は微細結晶をとり
乳化安定性に寄与し、良好な稠度を示す。反面このβプ
ライム型結晶はエネルギー的には準安定形であるため、
保存条件等が適切でない場合等には、さらにエネルギー
的に安定なβ型結晶へと転移現象を引き起こすという欠
点があった。このβ型結晶は最安定形であるため、これ
以上の転移現象を起こすことはないが、一般に結晶サイ
ズが大きく、グレイニングやブルームと呼ばれる粗大結
晶粒を形成し、ザラつきや触感の悪さを呈し、製品価値
の全くないものになってしまう。
【0004】βプライム型を経由するβ型結晶であって
も、結晶サイズの比較的小さなものも知られている。例
えば、カカオ脂のV型結晶がこれに相当し、実質はSO
S、POS等の対称型トリグリセリドのβ2型結晶であ
る。しかしながら、これらの結晶サイズの比較的小さな
β型結晶を得るには、テンパリングと呼ばれる特殊な熱
処理工程を経る必要があったり、所定温度まで冷却した
後、結晶核となる特定成分を加える等、極めて煩雑な工
程を要するものであった。結果として通常の可塑性油脂
を製造するような急冷可塑化工程では、当該結晶は得ら
れないのが実状である。また、カカオ脂のV型結晶は可
塑性に乏しいものである。
【0005】一方、βプライム型で最安定形の油脂でさ
え経日的に硬くなる傾向があり、結晶の析出方法や保存
方法等を細かく管理しなければならなかった。
【0006】上記のような課題を解決するため、エネル
ギー的にも安定で且つ微細な結晶を得る目的で、これ迄
にも種々の提案がなされてきた。特公昭51−9763
号公報には、特定のトリグリセリド比率とすることによ
り、β型結晶を得る方法が開示されている。また特公昭
58−13128号公報では、エステル交換反応により
油脂のグレイニングを抑制する方法が、そして特開平1
0−295271号公報には、高融点油脂を配合するこ
とにより微細な結晶を維持させる方法がそれぞれ開示さ
れている。さらに特開平4−135453号公報では、
構成脂肪酸として炭素数16〜22の飽和脂肪酸をグリ
セリンの2位に、炭素数16〜18で一つの不飽和結合
を有する不飽和脂肪酸をグリセリンの1,3位に結合し
た混酸型トリグリセリドを含有する方法が開示されてい
る。
【0007】しかし、上記特公昭51−9763号公報
の方法では、β型結晶を得るのにテンパリング操作が必
要とされ、特公昭58−13128号公報及び特開平1
0−295271号公報の方法では、得られた組成物は
経日的に硬くなる傾向があり、油脂組成物として安定性
の点で十分に満足の得られるものではなかった。また、
特開平4−135453号公報の方法は、カカオ代用脂
及びこれを含有する油脂性菓子用途に限定されたもので
あった。
【0008】従って、本発明の目的は、製造する際に、
特殊な温度管理をしなくても安定結晶を含有し、しかも
可塑性範囲が広く、経日的にも硬さが変化せず安定な油
脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、S1 US
2 (S1 、S2 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表
す)で表されるトリグリセリドとUS3 U(S3 は飽和
脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリ
セリドとからなるコンパウンド結晶を含有することを特
徴とする油脂組成物により、上記の目的を達成したもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の油脂組成物につい
て詳細に説明する。
【0011】本発明の油脂組成物は、上述のように、S
1 US2 (S1 、S2 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸
を表す)で表されるトリグリセリド(以下、S1 US2
とする)とUS3 U(S3 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂
肪酸を表す)で表されるトリグリセリド(以下、US3
Uとする)とからなるコンパウンド結晶を含有すること
を特徴とするものである。
【0012】上記のS1 US2 のS1 とS2 は、好まし
くは炭素数16以上の飽和脂肪酸とするのがよく、さら
に好ましくは、パルミチン酸、 ステアリン酸、アラキジ
ン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。上記のUS3 UのS
3 は、好ましくは炭素数18以上の飽和脂肪酸とするの
がよく、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が
挙げられる。また本発明において上記のS1 とS2 とS
3 が、同じ脂肪酸であるのが最も好ましい。
【0013】上記のS1 US2 のUや、US3 UのUは
好ましくは炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸、さらに
好ましくは炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸、最も好
ましくはオレイン酸であるのがよい。
【0014】本発明において、S1 US2 とUS3 Uか
らなるコンパウンド結晶とは、構造の異なるS1 US2
1分子とUS3 U1分子とが混合された際、あたかも単
一のトリグリセリド分子であるかの如き結晶化挙動を示
すものである。コンパウンド結晶は分子間化合物とも呼
ばれる。このコンパウンド結晶はトリグリセリド分子の
パッキング状態が2鎖長構造をとることが知られてい
る。
【0015】本発明の油脂組成物では、S1 US2 とU
3 Uからなるコンパウンド結晶を含有することが必要
であり、S1 US2 とUS3 Uからなるコンパウンド結
晶を含有しない油脂を用いた場合には、経日的に硬くな
る傾向があり、結晶の析出方法や保存方法等を細かく管
理しなければ油脂組成物としては好ましくないものとな
る。
【0016】そして、本発明では、S1 US2 とUS3
Uからなるコンパウンド結晶が微細であることが好まし
い。
【0017】上記の微細結晶とは、油脂の結晶が微細で
あることであり、口にしたり、触った際にもザラつきを
感ずることのない結晶であることを意味し、好ましくは
20μm以下、さらに好ましくは10μm、最も好まし
くは3μm以下のサイズの油脂結晶を指す。上記サイズ
とは、結晶の最大部位の長さを示すものである。結晶の
サイズが20μmを超えた油脂結晶を用いた場合、口に
したり、触った際にザラつきを感じやすく、液状油成分
を保持することが困難となり製品の油滲みを起こしやす
く、水相成分を有する油中水型乳化とした際には、水相
成分を油脂結晶により、形成される3次元構造中に維持
できない恐れがある。
【0018】本発明では、S1 US2 とUS3 Uからな
るコンパウンド結晶が実質的に微細結晶であることが好
ましい。この「実質的に」とは、全てのS1 US2 とU
3Uからなるコンパウンド結晶のうち、微細結晶を好
ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%
以上、最も好ましくは99重量%以上含有することを指
す。
【0019】本発明で用いるS1 US2 とUS3 Uから
なるコンパウンド結晶は、S1 US 2 を含有する油脂
と、US3 Uを含有する油脂から製造される。
【0020】上記の油脂の種類としては、S1 US2
US3 Uを含有するものであれば、どのようなものでも
構わない。またS1 US2 やUS3 Uは、天然に存在す
るS 1 US2 やUS3 Uでも構わないし、又は分別によ
り純度を上げたものでも構わない。さらに、トリ飽和ト
リグリセリド(SSS)とトリ不飽和トリグリセリド
(UUU)、又はトリ不飽和トリグリセリド(UUU)
と飽和脂肪酸をエステル交換し(酵素による選択的エス
テル交換の方が好ましい)、さらに蒸留や分別によりS
1 US2 とUS3 Uの純度を上げたもの等、どのような
方法によって得られたものでも構わない。
【0021】上記のS1 US2 で表されるトリグリセリ
ドを含有する油脂としては、例えばパーム油、カカオバ
ター、或いはパーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ
油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サ
フラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、シア脂、マンゴー核
油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油
脂、これらの各種動植物油脂を水素添加、分別並びにエ
ステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した
加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用
いて製造したエステル交換油が挙げられる。本発明で
は、上記の中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
【0022】上記のUS3 Uで表されるトリグリセリド
を含有する油脂としては、例えば豚脂、或いはパーム
油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実
油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー
油、牛脂、乳脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核
油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油
脂、これらの各種動植物油脂を水素添加、分別並びにエ
ステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した
加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用
いて製造したエステル交換油が挙げられる。本発明で
は、上記の中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
【0023】本発明の油脂組成物において、上記のS1
US2 とUS3 Uからなるコンパウンド結晶を油脂組成
物の全油脂分中、好ましくは5重量%以上、さらに好ま
しくは10重量%以上、最も好ましくは30重量%以上
を含有する。S1 US2 とUS3 Uからなるコンパウン
ド結晶の含有量が、油脂組成物の全油脂分中、5重量%
未満であると経日的に20μmを超えたサイズを有する
β型結晶が出現しやすく、経日的に硬くなりやすい。
【0024】また本発明の油脂組成物において、S1
2 又はUS3 Uを含有しない油脂を添加しても良い。
1 US2 又はUS3 Uを含有しない油脂を添加する場
合には、S1 US2 又はUS3 Uを含有しない油脂は、
油脂組成物の全油脂分中、好ましくは95重量%以下、
さらに好ましくは90重量%以下、最も好ましくは70
重量%以下である。
【0025】その他の本発明の油脂組成物に含有させる
ことができる成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘
安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、
グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビ
ア、アスパルテーム等の甘味料、β―カロチン、カラメ
ル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等
の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、
卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調
整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒ
ー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウ
ダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材
や食品添加物が挙げられる。
【0026】上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン
類等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上
を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制
限はないが、本発明の油脂組成物中、好ましくは0.0
5〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%であ
る。また本発明の油脂組成物において、上記乳化剤が必
要でなければ、乳化剤を用いなくてもよい。
【0027】上記増粘安定剤としては、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、この中から選ばれた1種又は2種以上を
用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に
制限はないが、本発明の油脂組成物中、好ましくは0〜
10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%である。ま
た本発明の油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要
でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
【0028】次に、本発明の油脂組成物の製造方法を説
明する。本発明ではS1 US2 とUS3 Uを混合冷却
し、結晶化させることによりS1US2 とUS3 Uから
なるコンパウンド結晶を含有する油脂組成物を得る。S
1US2 とUS3 Uを混合冷却し、結晶化させる際、熱
エネルギー的に不安定なα型結晶から、準安定形のβプ
ライム型結晶を経由せず、最安定形の微細なβ型結晶に
直接転移する。即ち本発明においてS1 US2 とUS3
Uを混合し、如何なる冷却条件で冷却しても、S1 US
2 とUS3 Uからなる微細なβ型の2鎖長構造を示すコ
ンパウンド結晶として析出する。そのため本発明の油脂
組成物は、微細なβ型結晶を析出させるために油脂の結
晶化工程においてテンパリング等の特殊な熱処理を必要
としない。
【0029】本発明において、S1 US2 とUS3 Uか
らなるコンパウンド結晶を含有するスプレー用油脂組成
物やフライ用油脂組成物を製造する方法は特に制限はな
いが、S1 US2 とUS3 U、必要によりその他の成分
を混合し、そして冷却し、結晶化させることにより得る
ことができる。
【0030】S1 US2 とUS3 Uからなるコンパウン
ド結晶を含有する練り込み用油脂組成物、ロールイン用
油脂組成物、クリーム用油脂組成物等の可塑性油脂組成
物を製造する方法は特に制限はないが、S1 US2 とU
3 Uを含有する油相と、必要により水相を混合する。
そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタ
ンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り
式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却
し、結晶化する。本発明において冷却条件は好ましくは
−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上
である。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい
が、本発明では徐冷却であっても、微細なβ型結晶をと
り、可塑性範囲が広く、経日的にも硬さが変化せず安定
した油脂組成物を得ることができる。冷却する機器とし
ては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテータ
ー、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製
造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型
のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙
げられる。
【0031】また、本発明の可塑性油脂組成物を製造す
る際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させ
ても、させなくても構わない。
【0032】得られた本発明の可塑性油脂組成物は、マ
ーガリンタイプでもショートニングタイプでもどちらで
もよく、またその乳化形態は、油中水型、水中油型、及
び二重乳化型のいずれでも構わない。
【0033】本発明の、S1 US2 とUS3 Uからなる
コンパウンド結晶を含む油脂組成物を用いた食品とは、
具体的には、S1 US2 とUS3 Uからなるコンパウン
ド結晶を含有するスプレー用油脂組成物やフライ用油脂
組成物を用いて食品を製造してもよいし、S1 US2
US3 Uからなるコンパウンド結晶を含有する練り込み
用油脂組成物、ロールイン用油脂組成物等の油脂組成物
を用いて食品を製造してもよいし、S1 US2 とUS3
Uからなるコンパウンド結晶を含有するクリーム用油脂
組成物を用いて食品を製造してもよい。
【0034】本発明の油脂組成物は、食パン、菓子パ
ン、デニッシュ、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、ク
ッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベ
ーカリー製品に練り込み用、折込み用、フィリング用、
サンド用、トッピング用、スプレッド用、スプレー用、
コーティング用、フライ用として使用することができ
る。また、本発明の油脂組成物の上記用途における使用
量は、使用用途により異なるものであり、特に限定され
るものではない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限さ
れるものではない。
【0036】〔実施例1〕大豆極度硬化油とオレイン酸
エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し、1,3
選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反応物
を分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分
別、精製することによりOSO(O:オレイン酸、S:
ステアリン酸)含量60重量%の油脂を得た。このOS
O含有油脂50重量%とマンゴ核分別硬部油50重量%
とを混合し、混合油(a)を得た。混合油(a)はSO
S(O:オレイン酸、S:ステアリン酸)を30重量
%、OSOを30重量%含有し、DSCにより結晶転移
の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型
結晶であった。確認のため、混合油(a)を60℃以上
の温度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを
2θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回
折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認さ
れた。また光学顕微鏡で、この油脂結晶のサイズを確認
したところ、3μm以下の微細な結晶であった。さらに
2θ:0〜8の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリ
セリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認
され、コンパウンド結晶の形成が示された。
【0037】上記混合油(a)80重量%と大豆油20
重量%とを混合した。この配合油のSOSとOSOから
なるコンパウンド結晶の含有量は48重量%であった。
この配合油に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド
0.5重量%とレシチン0.1%を混合溶解した油相8
1重量%と水16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重
量%とを常法により、油中水型の乳化物(b)とし、急
冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マ
ーガリンを得た。
【0038】得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3
μm以下の微細結晶であり、X線回折測定でも2鎖長構
造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成していること
を確認した。また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が900g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も900g/cm2 と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0039】〔実施例2〕通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例1で用いた
乳化物(b)をさらに緩慢な冷却条件(冷却速度にして
−1℃/分)下で冷却可塑化した。
【0040】得られたマーガリンは通常の急冷可塑化時
と同様に、3μm以下の微細な2鎖長構造のβ型結晶を
とり、5℃のレオメーター値が1000g/cm2 と低
温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、製造から1ヶ月経
過後での5℃のレオメーター値も1000g/cm2
経日的にも硬さが変化せず、安定した油脂組成物であっ
た。
【0041】〔実施例3〕大豆極度硬化油とハイオレイ
ックひまわり油を、重量比1:1の割合で混合、溶解し
1,3選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。
得られた油脂を分別、精製することによりOSO含量4
0重量%の油脂を得た。このOSO含有油脂60重量%
とシア分別硬部油40重量%とを混合し、混合油(c)
を得た。混合油(c)はSOSを24重量%、OSOを
24重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認
したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であっ
た。確認のため、混合油(c)を60℃以上の温度で完
全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2θ:17
〜26の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6
オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得ら
れ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。また
光学顕微鏡で、この油脂結晶のサイズを確認したとこ
ろ、3μm以下の微細な結晶であった。さらに2θ:0
〜8の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドの
パッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コ
ンパウンド結晶の形成が示された。
【0042】上記混合油(c)80重量%と大豆油20
重量%とを混合した。この配合油のSOSとOSOから
なるコンパウンド結晶の含有量は37重量%であった。
この配合油に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド
0.5重量%とレシチン0.1%を混合溶解した油相8
1重量%と水16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重
量%とを常法により、油中水型の乳化物(d)とし、急
冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マ
ーガリンを得た。
【0043】得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3
μm以下の微細結晶であり、X線回折測定でも2鎖長構
造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成していること
を確認した。また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が1200g/cm 2 と低温でも軟らかくて可
塑性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオ
メーター値も1200g/cm2 と経日的にも硬さが変
化せず、安定した油脂組成物であった。
【0044】〔実施例4〕通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例3で用いた
乳化物(d)をさらに緩慢な冷却条件(冷却速度にして
−1℃/分)下で冷却可塑化した。
【0045】得られたマーガリンは通常の急冷可塑化時
と同様に、3μm以下の微細な2鎖長構造のβ型結晶を
とり、5℃のレオメーター値が1500g/cm2 と低
温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、製造から1ヶ月経
過後での5℃のレオメーター値も1500g/cm2
経日的にも硬さが変化せず、安定した油脂組成物であっ
た。
【0046】〔実施例5〕魚油を原料とし、ニッケル触
媒を用いて水素添加を行い、融点35℃の魚油硬化油を
得た。この魚油硬化油をDSCにより結晶転移の有無を
確認したところ、βプライム型をとる油脂であった。確
認のため、この魚油硬化油を60℃以上の温度で完全融
解した後、5℃で結晶析出させたものを2θ:17〜2
6の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オン
グストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、
この油脂結晶はβプライム型をとることが確認された。
【0047】この魚油硬化油35重量%と実施例1で用
いた混合油(a)35重量%及び大豆油30重量%とを
配合した。この配合油のSOS含量は11重量%、OS
O含量は11重量%であり、SOSとOSOからなるコ
ンパウンド結晶の含量は22重量%であった。次いで、
この配合油を急冷可塑化工程(−20℃/分以上)にか
け、ショートニングを得た。
【0048】得られたショートニングは光学顕微鏡下
で、3μm以下の微細油脂結晶であり、X線回折測定で
も2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成し
ていることを確認した。また得られたショートニングは
5℃のレオメーター値が1300g/cm2 と低温でも
軟らかくて可塑性範囲が広く、製造から1 ヶ月経過後で
の5℃のレオメーター値も1300g/cm2 と経日的
にも硬さが変化せず安定した油脂組成物であった。
【0049】〔実施例6〕通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例5で用いた
魚油硬化油35重量%と混合油(a)35重量%及び大
豆油30重量%の配合油をさらに緩慢な冷却条件(冷却
速度にして−1℃/分)下で、冷却可塑化した。
【0050】得られたショートニングは通常の急冷可塑
化時と同様に、3μm以下の微細な2鎖長構造のβ型結
晶をとり、5℃のレオメーター値が1500g/cm2
と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、製造から1 ヶ
月経過後での5℃のレオメーター値も1500g/cm
2 と経日的にも硬さが変化せず安定した油脂組成物であ
った。
【0051】〔比較例1〕ナタネ油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点45℃のナタネ硬
化油を得た。このナタネ硬化油はS1 US2 とUS3
を含有しない油脂であり、さらに結晶転移の有無をDS
Cにより確認したところ、βプライム型をとる油脂であ
った。確認のため、このナタネ硬化油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回
折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとること
が確認された。
【0052】このナタネ硬化油55重量%と大豆油45
重量%とを混合した。この配合油はS1 US2 とUS3
Uを含有しないものであった。次いで、この配合油に乳
化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5重量%と
レシチン0.1重量%を混合溶解した油相81重量%と
水16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常
法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(−
20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得た。
【0053】得られたマーガリンはX線回折測定でもβ
プライム型をとることを確認した。このマーガリンは、
製造直後の段階で5℃のレオメーター値が2000g/
cm 2 であったのに対し、1ヶ月経過後には5℃のレオ
メーター値が3000g/cm2 となり、経日的に硬く
なることが認められ、安定性の乏しい油脂組成物であっ
た。
【0054】〔比較例2〕コーン油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点36℃のコーン硬
化油を得た。このコーン硬化油はS1 US2 とUS3
を含有しない油脂であり、さらに結晶転移の有無をDS
Cにより確認したところ、βプライム型をとる油脂であ
った。確認のため、このコーン硬化油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回
折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとること
が確認された。
【0055】このコーン硬化油70重量%と大豆油30
重量%とを混合した。この配合油はS1 US2 とUS3
Uを含有しないものであった。次いで、この配合油に乳
化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5重量%と
レシチン0.1重量%を混合溶解した油相81重量%と
水16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常
法により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(−
20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得た。
【0056】得られたマーガリンはX線回折測定でもβ
プライム型をとることを確認した。さらにこのマーガリ
ンは急冷可塑化直後の時点では、光学顕微鏡下で5μm
以下の微細結晶を呈していたが、1ヶ月経過後には30
μmにも達する粗大結晶へと転移を起こし、非常にザラ
つきを感ずる製品価値の全くないものとなった。また、
同時にこのマーガリンは、製造直後の段階で5℃のレオ
メーター値が1500g/cm2 であったのに対し、1
ヶ月経過後には5℃のレオメーター値が2400g/c
2 となり、経日的に硬くなることが認められ、安定性
の乏しい油脂組成物であった。
【0057】〔比較例3〕比較例1で用いた融点45℃
のナタネ硬化油18重量%とカカオ脂32重量%及び大
豆油50重量%とを混合した。ナタネ硬化油、カカオ
脂、大豆油の各油脂はUSUを含有しない油脂であり、
この混合油はUS3 Uを含まず、S1 US2含量は28
重量%であった。さらに、この混合油をDSCにより結
晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとる油
脂であった。確認のため、この混合油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームと4.6オングストローム
の面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶
はβプライム型とβ型の混在をとることが確認された。
【0058】この混合油に、乳化剤としてステアリン酸
モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を
混合溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重
量%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳
化物とし、急冷可塑化工程(−20℃/分以上)にか
け、マーガリンを得た。
【0059】得られたマーガリンはX線回折測定でもβ
プライム型とβ型の混在であることを確認した。さらに
このマーガリンは急冷可塑化直後の時点では、光学顕微
鏡下で5μm以下の微細結晶を呈していたが、1ヶ月経
過後には30μmにも達する粗大結晶へと転移を起こ
し、非常にザラつきを感ずる製品価値の全くないものと
なった。また、同時にこのマーガリンは、製造直後の段
階で5℃のレオメーター値が900g/cm2 であった
のに対し、1ヶ月経過後には5℃のレオメーター値が2
800g/cm2 となり、経日的に硬くなることが認め
られ、安定性の乏しい油脂組成物であった。また、その
可塑性範囲は著しく狭いもので満足のいくものではなか
った。
【0060】これらの結果から明らかなように、S1
2 とUS3 Uとからなるコンパウンド結晶を含有しな
いβプライム型結晶油脂を用いた比較例1及び2では、
経日的な変化が認められ、結晶安定性の点で問題があ
る。また比較例3に示した組成物ではS1 US2 は含量
し、一部β結晶を示したものの、S1 US2 とUS3
とからなるコンパウンド結晶を含有しておらず、微細結
晶でもないため、結晶安定性に乏しく、可塑性範囲が著
しく狭いものであった。
【0061】これに対し、S1 US2 とUS3 Uからな
るコンパウンド結晶を含有する油脂を用いた実施例1〜
4の組成物では低温でも軟らかく可塑性範囲が広く、な
お且つ経日的に硬さが変化せず、結晶安定性に優れた油
脂組成物であった。さらにS 1 US2 とUS3 Uからな
るコンパウンド結晶を含有する油脂とβプライム型結晶
である油脂を併用した実施例5及び実施例6の組成物に
おいても、低温で軟らかく可塑性範囲が広く、なお且つ
経日的に硬さが変化せず、結晶安定性に優れた油脂組成
物であった。
【0062】
【発明の効果】S1 US2 とUS3 Uからなるコンパウ
ンド結晶を含有する本発明の油脂組成物は、製造する際
に、特殊な温度管理をしなくても安定結晶を含有し、し
かも低温でも軟らかく可塑性範囲が広く、なお且つ経日
的にも硬さが変化せず安定な油脂組成物である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月29日(2000.9.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】〔実施例1〕大豆極度硬化油とオレイン酸
エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し、1,3
選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反応物
を分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分
別、精製することによりOSO(O:オレイン酸、S:
ステアリン酸)含量60重量%の油脂を得た。このOS
O含有油脂50重量%とマンゴ核分別硬部油50重量%
とを混合し、混合油(a)を得た。混合油(a)はSO
S(O:オレイン酸、S:ステアリン酸)を30重量
%、OSOを30重量%含有し、DSCにより結晶転移
の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型
結晶であった。確認のため、混合油(a)を60℃以上
の温度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを
2θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したと
ころ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い
回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認
された。また光学顕微鏡で、この油脂結晶のサイズを確
認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。さら
に2θ:0〜8の範囲でX線回折測定を実施し、トリ
グリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも
確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】〔実施例3〕大豆極度硬化油とハイオレイ
ックひまわり油を、重量比1:1の割合で混合、溶解し
1,3選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。
得られた油脂を分別、精製することによりOSO含量4
0重量%の油脂を得た。このOSO含有油脂60重量%
とシア分別硬部油40重量%とを混合し、混合油(c)
を得た。混合油(c)はSOSを24重量%、OSOを
24重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認
したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であっ
た。確認のため、混合油(c)を60℃以上の温度で完
全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2θ:17
〜26の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.
6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得
られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。ま
た光学顕微鏡で、この油脂結晶のサイズを確認したとこ
ろ、3μm以下の微細な結晶であった。さらに2θ:0
〜8の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリド
のパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、
コンパウンド結晶の形成が示された。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】〔実施例5〕魚油を原料とし、ニッケル触
媒を用いて水素添加を行い、融点35℃の魚油硬化油を
得た。この魚油硬化油をDSCにより結晶転移の有無を
確認したところ、βプライム型をとる油脂であった。確
認のため、この魚油硬化油を60℃以上の温度で完全融
解した後、5℃で結晶析出させたものを2θ:17〜2
の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オ
ングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得ら
れ、この油脂結晶はβプライム型をとることが確認され
た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】〔比較例1〕ナタネ油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点45℃のナタネ硬
化油を得た。このナタネ硬化油はS1 US2 とUS3
を含有しない油脂であり、さらに結晶転移の有無をDS
Cにより確認したところ、βプライム型をとる油脂であ
った。確認のため、このナタネ硬化油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回
折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとること
が確認された。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】〔比較例2〕コーン油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点36℃のコーン硬
化油を得た。このコーン硬化油はS1 US2 とUS3
を含有しない油脂であり、さらに結晶転移の有無をDS
Cにより確認したところ、βプライム型をとる油脂であ
った。確認のため、このコーン硬化油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回
折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとること
が確認された。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】〔比較例3〕比較例1で用いた融点45℃
のナタネ硬化油18重量%とカカオ脂32重量%及び大
豆油50重量%とを混合した。ナタネ硬化油、カカオ
脂、大豆油の各油脂はUSUを含有しない油脂であり、
この混合油はUS3 Uを含まず、S1 US2含量は28
重量%であった。さらに、この混合油をDSCにより結
晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとる油
脂であった。確認のため、この混合油を60℃以上の温
度で完全融解した後、5℃で結晶析出させたものを2
θ:17〜26の範囲でX線回折測定を実施したとこ
ろ、4.2オングストロームと4.6オングストローム
の面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶
はβプライム型とβ型の混在をとることが確認された。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11C 3/12 C11C 3/12 (72)発明者 梶村 徹 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 宍戸 康司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 丸銭 詔司 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 一昭 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 根津 亨 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 廣川 敏幸 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC06 DG01 DG11 DH01 DH02 DP01 DP04 DX02 4H059 BA33 BB02 BB03 BB06 BC03 BC13 CA06 CA34 CA35 DA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 S1 US2 (S1 、S2 は飽和脂肪酸、
    Uは不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドと
    US3 U(S3 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表
    す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド
    結晶を含有することを特徴とする油脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記S1 とS2 が炭素数16以上の飽和
    脂肪酸であり、上記S3 が炭素数18以上の飽和脂肪酸
    である請求項1記載の油脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記S1 とS2 とS3 が、同じ脂肪酸で
    ある請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 【請求項4】 可塑性を有することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の油脂組成物。
  5. 【請求項5】 コンパウンド結晶の含有量が、全油脂分
    中、5重量%以上である請求項1、2、3又は4記載の
    油脂組成物。
  6. 【請求項6】 S1 US2 (S1 、S2 は飽和脂肪酸、
    Uは不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドと
    US3 U(S3 は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表
    す)で表されるトリグリセリドとを混合冷却し、結晶化
    させることを特徴とする油脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れかに記載の油脂組成
    物を用いた食品。
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