JP2002058413A - 薬剤揮散システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 野外用としての携帯用薬剤揮散器具を一般居
室用器具としても利用可能とするために、より長時間に
わたり安定して使用できるという利便性および経済性の
向上をはかる機能を付与すること。 【構成】 乾電池で駆動するファンより薬剤含浸体に風
をあて薬剤を揮散させる薬剤揮散装置と、前記装置を室
内用として使用するために、該装置を相互に接続して電
源供給を可能とする補助バッテリー装置を具備した室内
用スタンドからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は乾電池を電源として駆動
するファンにより薬剤含浸体に風をあて薬剤を揮散させ
る野外用携帯害虫駆除装置において、当該装置を屋内で
も長期間安定して使用するための電源供給機能を内蔵し
た室内用スタンドを組み合わせた薬剤揮散システムに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】害虫、例えば蚊やハエ等を駆除するため
に、薬剤を揮散・放出させる薬剤揮散方法としては熱エ
ネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式
電気蚊取（リキッド）が一般的である。昨今のアウトド
アブームにより、屋外であるテント内や車内において
等、害虫駆除が必要な場面が増えてきた。従来の害虫駆
除方式では蚊取線香の場合、マッチ等の着火装置が必要
なことや火災の危険性があること、電気蚊取マット、液
体式電気蚊取（リキッド）では交流電源が必要な事など
の制限があり、問題があった。このことから最近、乾電
池を電源として駆動させるファンの風力を利用して薬剤
を揮散・放出させる方法・装置が試みられている。

【０００３】しかしながら、これらのものは野外での使
用を考え、携帯性を考慮する必要があり、大型の電池は
搭載できないことから、使用時間がどうしても短期とな
る制限がある。このことから、これら装置を一般居室用
として従来の電気蚊取マット、液体式電気蚊取（リキッ
ド）のように使用する場合に、電池を頻繁に取り替える
必要性があり、多くの手間と経済性に問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、野外
用としての携帯用薬剤揮散器具を一般居室用器具として
も利用可能とするために、より長時間にわたり安定して
使用できるという利便性および経済性の向上をはかる機
能を付与することを目的とする。

【０００５】

【発明が解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の構成は乾電池で駆動するファンより薬剤
含浸体に風をあて薬剤を揮散させる薬剤揮散装置と、前
記装置を室内用として使用するために、該装置を相互に
接続して電源供給を可能とする補助バッテリー装置を具
備した室内用スタンドからなることを特徴とするもので
ある。

【０００６】すなわち本発明の構成要素のうち薬剤揮散
装置本体は、野外での携帯性を考慮して、容量が小さい
が小型・軽量の乾電池を配備でき、さらに室内用スタン
ドは前記揮散装置を室内で長時間使用するために容量の
大きい乾電池を装備、あるいは場合によってＡＣアダプ
ターを介して交流電源から電源を供給される機能を装備
し、該器具と簡便に直接接続することにより、前記揮散
装置に安定した電源を供給する、ドッキッグ・ステーシ
ョンの役割をする。

【０００７】

【発明実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明す
るが本発明はこれに限定されない。

【０００８】本発明の構成要素の概念図を図１に示す。
本発明は薬剤揮散装置１と室内用スタンド２からなる。
うち薬剤揮散装置本体は、野外での携帯性を考慮して、
容量が小さいが小型・軽量の乾電池８を配備でき、さら
に室内用スタンドは前記揮散装置を室内で長時間使用す
るために容量の大きい乾電池９を装備する。そして、室
内用スタンドはドッキッグ・ステーションの役割をし、
薬剤揮散装置１と相互に接合可能な構造であり、薬剤揮
散装置１の入力端子１０と室内用スタンド２の出力端子
１１が接合することにより簡便に室内用スタンドから薬
剤揮散装置に安定した電源を供給することができる。

【０００９】薬剤揮散装置本体には空気流入口と空気流
出口とが設けられる。揮散性の殺虫・防虫成分を保持す
る薬剤含浸体をファン空気流出側及び/又は空気流入
側、あるいは含浸体材料からなる素材をシロッコファン
の空気流出側及び/又は空気流入側に装着され、送風手
段の作動により、生じた空気の流れが、薬剤含浸体に担
持された揮散性薬剤を外部に拡散させる。

【００１０】薬剤含浸体は通気性が薬剤を含浸・保持で
きる材料から作製されたハニカム状、格子状、網目状あ
るいは粒状の立体構造もしくはシート状の平面構造のも
のが使用できる。

【００１１】図１では薬剤含浸体を空気流出側に装着し
た例を示す。側面の空気流入口７からの空気がファン５
によって押し出され、薬剤含浸体４を通過し、同時に薬
剤も空気流出口３から放出され室内中に拡散する。

【００１２】＜実施例＞次に、粒状の薬剤含浸体１２を
環状のカートリッジ１３に収納したものをシロッコファ
ン１４の空気流出側に装着する場合の一実施例を説明す
る。

【００１３】図２は環状カートリッジ１３をシロッコフ
ァン１４の空気流出側に装着し更にシロッコファンにモ
ーター６を装着する状態を示す。図３に実施例の環状カ
ートリッジを装着したシロッコファンを備えた薬剤揮散
装置の一例を示す。図３（ａ）は薬剤揮散装置の正面
図、図３（ｂ）は前記薬剤揮散装置の側部図、図３
（ｃ）は前記薬剤揮散装置の側部断面図、図３（ｄ）は
前記薬剤揮散装置の背面図、図３（ｅ）は前記薬剤揮散
装置の底面図である。

【００１４】薬剤含浸体１２は粒状発泡セルロースビー
ズ（商品名：ビスコパール、レンゴー株式会社製）に薬
剤を含浸させることにより作られ、環状カートリッジ１
３内に収納される。

【００１５】環状カートリッジは開口スリット１５を多
数並設しており、シロッコファンの空気流出側（外周
部）に装着されるため、シロッコファンの回転に伴う遠
心力及び風力が有効に作用し、薬剤の揮散効率が非常に
良い。

【００１６】本発明で用いられる薬剤としては、１時間
当たりの揮散量を０．０１〜０．５ｍｇ に調整でき、
かつこの薬量で十分な殺虫効力を奏し得る揮散性ピレス
ロイド系殺虫剤 が選択され、下記一般式（Ｉ）で示さ
れるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化 合物を
例示できる。

【００１７】

【化１】 （式中、Ｘ、Ｙは同一または相異なって水素原子、メチ
ル基、ハロゲン原子またはトリ フルオロメチル基を表
し、Ｚは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメ
チル基又はプロパルギル基を示す。）

【００１８】一般式（I）の具体例としては、２，３，
５，６−テトラフルオロベンジル−クリサ ンテマー
ト、２，３，５，６−テトラフルオロベンジル−２，２
−ジメチル−３−（１−プロペニル）シクロプロパンカ
ルボキシレート、２，３，５，６−テトラフルオロベン
ジル−２，２−ジメチル−３−（２，２−ジクロロビニ
ル）シクロプロパンカルボキシレート、４−メチル−
２，３，５，６−テトラフルオロベンジル−クリサンテ
マート、４−メチル−２，３，５，６−テトラフルオロ
ベンジル−２，２−ジメチル−３−（１−プロペニル）
シクロプロパンカルボキシレート、４−メチル−２，
３，５，６−テトラフルオロベンジル−２，２−ジメチ
ル−３−（２，２−ジフルオロビニル）シクロプロパン
カルボキシレート、４−メトキシメチル−２，３，５，
６−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、４−
メトキシメチル−２，３，５，６−テトラフルオロベン
ジル−２，２−ジメチル−３−（１−プロペニル）シク
ロプロパンカルボキシレート、２，３，４，５，６−ペ
ンタフルオロベンジル−２， ２−ジメチル−３−（２
−クロロ−２−トリフルオロメチルビニル）シクロプロ
パンカルボキシレート、４−プロパルギル−２，３，
５，６−テトラフルオロベンジル・３−（１−プロペニ
ル）−２，２−ジメチルシクロプロパンカルボキシレ−
トがあげられる。

【００１９】なお、一般式（Ｉ）で示される化合物の酸
部には、不斉炭素や二重結合に基づく光学 異性体や幾
何異性体が存在するが、これらの各々や任意の混合物も
本発明に含まれるの はもちろんである。

【００２０】薬剤の含浸に際しては、必要に応じ溶剤、
希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤を用い、また従
来から知られている各種含浸手段を採用することができ
る。更に、前記薬剤含浸体に香料、着色剤、帯電防止剤
等を適宜配合してもよく、また薬剤組成物に、揮散性能
に支障を来さない限りにおいて、揮散性の高い他の殺虫
忌避成分（例えばヒノキチオール、カルボン、サフロー
ル、シトロネロール、シンナミックアルデヒド等の防虫
香料等）、殺ダニ剤、殺菌剤、消臭剤等を添加して多目
的薬剤組成物とすることもできる。

【００２１】また、薬剤含浸体に使用の終点を示す、イ
ンジケーター機能（例えば変色機能）を付与すれば一層
便利である。

【００２２】薬剤揮散装置１は野外での使用の為に内蔵
した乾電池８で作動する。乾電池の種類は携帯性を考慮
して、単３型、単４型が望ましい。

【００２３】薬剤揮散装置１の底部には室内用スタンド
２からの電源供給を得るための入力端子１０を有する。

【００２４】図４および図５は室内スタンドの一例を示
す。図４（ａ）は室内スタンドの側面図、図４（ｂ）は
室内スタンドの上面図、図４（ｃ）は室内スタンドの底
面図、図４（ｄ）は（ｂ）においてＡ−Ａ線に沿って切
断した側部断面図、図４（ｄ）は（ｂ）においてＢ−Ｂ
線に沿って切断した側部断面図を示す。図５は薬剤揮散
装置を室内用スタンドに装着した場合の正面図（ａ）お
よび側面図（ｂ）を示す。

【００２５】室内用スタンドは上面に凹部１６を有して
おり、薬剤揮散装置底部の一部がその凹部１６に組み込
まれる形で両装置が接合し、着脱自在となる。接合を確
実にするために、薬剤揮散装置側面に突起１７を設け、
両装置の接合の際に、室内用スタンド凹部１６内に設け
られた溝部１８とがはめ込まれる。

【００２６】その際同時に、室内用スタンドのくぼみ構
造の底面にある出力端子１１と薬剤揮散装置底部の入力
端子１０が接合し、室内用スタンド２から薬剤揮散装置
１へ電源が供給される。

【００２７】携帯用の薬剤揮散装置１を直接室内で使う
場合には、安定性が悪く設置に不便で、ひもで吊るす等
の手間が必要であるが、室内用スタンド２にセットする
ことにより安定感が増し、装置の転倒が防止できる。

【００２８】室内用スタンド２に装着できる乾電池９の
種類は、容量が大きい単１型、単２型が望ましい。

【００２９】また、室内用スタンドには接続端子２０を
設けて、ＡＣアダプター１９を介して外部交流電源から
も電気を取ることができる。図５（ｃ）はＡＣアダプタ
ー１９を接続した場合の本発明装置を示した。またその
際には、薬剤揮散装置１および室内用スタンド２に使用
する乾電池を充電式二次電池、例えばNi-Cd電池にして
おけば、ＡＣアダプター使用時には乾電池を充電する機
能を付与することもでき、経済性も向上する。

【００３０】さらに図６および図７は室内スタンドの形
状に特徴を持たせた別実施例を示す。図６（ａ）は正面
図、（ｂ）は背面図、図７（ａ）は上面図、（ｂ）は側
面図、（ｃ）は薬剤揮散装置１と接合した場合の側面
図、（ｄ）は図７（ａ）におけるＢ−Ｂ線に沿って切断
した側部断面図を示す。

【００３１】本発明では本例のように、室内スタンドに
動物のキャラクターを象った形態を付与する事が可能で
ある。このことにより、基本的性能を損なわず、子供部
屋等に設置しても違和感のない親しみやすさが生じ、イ
ンテリア製も兼ね備えることができる。

【発明の効果】本発明によれば、薬剤揮散装置として、
一般住居の室内で使用する場合、電源を内蔵した室内用
スタンドの使用により長時間の安定した使用が可能であ
る。さらに野外で使用する場合には薬剤揮散装置本体１
は室内用スタンド２から着脱して使用可能であり、軽量
で携帯性に優れる。また室内用スタンド２は、ＡＣアダ
プター１９を介して交流電源から電源を得ることが可能
であり、同時に充電機能の付与も可能であり、薬剤揮散
装置１ならびに室内用スタンド２に充電式二次電池、例
えばNi-Cd電池を用いれば、繰り返し電池の使用が可能
で経済性も向上し、従来にない優れた装置となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本発明の構成要素の概念図を示す。

【図２】は粒状の薬剤含浸体１２を環状のカートリッジ
１３に収納してシロッコファン１４の空気流出側に装着
する場合の一実施例を示す。

【図３】は実施例の環状カートリッジを装着したシロッ
コファンを備えた薬剤揮散装置の一例を示す。（ａ）は
薬剤揮散装置の正面図、（ｂ）は前記薬剤揮散装置の側
部図、（ｃ）は前記薬剤揮散装置の側部断面図、（ｄ）
は前記薬剤揮散装置の背面図、（ｅ）は前記薬剤揮散装
置の底面図を示す。

【図４】（ａ）は室内スタンドの側面図、（ｂ）は室内
スタンドの上面図、（ｃ）は室内スタンドの底面図、
（ｄ）は（ｂ）においてＡ−Ａ線に沿って切断した側部
断面図、（ｄ）は（ｂ）においてＢ−Ｂ線に沿って切断
した側部断面図を示す。

【図５】 は薬剤揮散装置を室内用スタンドに装着した
場合の正面図（ａ）と側面図（ｂ）および（ｃ）はＡＣ
アダプター１９を接続した場合の本発明装置を示す。

【図６】は室内スタンドの形状に特徴を持たせた実施例
を示す。（ａ）は正面図、（ｂ）は背面図を示す。

【図７】は室内スタンドの形状に特徴を持たせた実施例
を示す。（ａ）は上面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は薬
剤揮散装置１と接合した場合の側面図、（ｄ）は図７
（ａ）におけるＢ−Ｂ線に沿って切断した側部断面図を
示す。

【符号の説明】

１：薬剤揮散装置、２：室内用スタンド、３：空気流出
口、４：薬剤含浸体、５：プロペラファン、６：モータ
ー、７：空気流入口、８：薬剤揮散装置用電池、９：室
内スタンド用電池、１０：入力端子、１１：出力端子、
１２：粒状薬剤含浸体、１３：環状カートリッジ、１
４：シロッコファン、１５：開口スリット、１６：凹
部、１７：側面突起部、１８：溝部、１９：ＡＣアダプ
ター、２０：接続端子、２１：携帯用クリップ、２２：
電池ケース蓋

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乾電池により駆動するファン式の薬剤揮散
   装置と、該装置と着脱自在に装着され、装着時に該装置
   に電源供給を可能とする室内用スタンドからなる薬剤揮
   散システム。
2. 【請求項２】薬剤揮散装置が単３あるいは単４乾電池、
   室内用スタンドが単１あるいは単２乾電池を内蔵する事
   を特徴とする請求項１記載の薬剤揮散システム。
3. 【請求項３】室内用スタンドが充電器の機能を有してお
   り、薬剤揮散装置および室内用スタンドが充電式二次電
   池を内蔵する事を特徴とする請求項１記載の薬剤揮散シ
   ステム。
4. 【請求項４】室内用スタンドがＡＣアダプターを介して
   交流電源から電源供給を受ける事を特徴とする請求項１
   記載の薬剤揮散システム。